(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-20
(45)【発行日】2024-11-28
(54)【発明の名称】条線を有する試験管およびこれを用いる流体移送方法
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20241121BHJP
B01L 3/14 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
G01N35/02 E
G01N35/02 A
B01L3/14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023018414
(22)【出願日】2023-02-09
(62)【分割の表示】P 2021511569の分割
【原出願日】2019-08-28
【審査請求日】2023-03-09
(32)【優先日】2018-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516038209
【氏名又は名称】ロシュ・ダイアグノスティクス・ヘマトロジー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ROCHE DIAGNOSTICS HEMATOLOGY, INC.
【住所又は居所原語表記】9115 HAGUE ROAD,INDIANAPOLIS, INDIANA 46256 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドナート,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ラペン,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】レーン,バーナード
(72)【発明者】
【氏名】コンロイ,スティーブン
【審査官】草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-525613(JP,A)
【文献】登録実用新案第3176211(JP,U)
【文献】特表2011-513754(JP,A)
【文献】特開昭62-133936(JP,A)
【文献】実開平06-063136(JP,U)
【文献】特開昭58-055756(JP,A)
【文献】特開2009-288254(JP,A)
【文献】特開2018-027190(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-37/00
G01N 1/00- 1/44
G01N 33/48-33/98
B01L 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体(18)を保持する流体保持容器(28)であって、
前記流体(18)は、水、洗浄流体、漂白溶液、次亜塩素酸塩ベース消毒剤溶液、次亜塩素酸ナトリウムベースの消毒剤溶液、0.7%次亜塩素酸ナトリウムベースの消毒剤溶液、および、これらの混合物から構成される群から選択される洗浄溶液(18)であり、
前記流体保持容器(28)は、複数の条線(24)のパターンを含む表面張力低減幾何学模様を有し、前記条線(24)は、前記流体保持容器(28)の内面(26)に周方向において連続した設置範囲で形成されるようにして、前記流体保持容器(28)の前記内面(26)の長さの全体に沿って長手方向に延在しており、
各条線(24)は、肉眼で見えるプロファイルを有し、
前記プロファイルは、前記流体保持容器(28)の前記内面(26)に対して凸状または凹状であることによって前記洗浄溶液(18)と前記流体保持容器(28)の前記内面(26)との間の面積力を低下させ、これにより前記流体保持容器から分注される前記洗浄溶液に関連付けられた吸引の問題を低減するように構成されており、
前記流体保持容器(28)は、底部(32)、前記底部(32)と反対側の開口部(34)と、少なくとも前記条線(24)および前記内面(26)と一体形成された側壁(30)とを有し、
前記側壁(30)の厚さは、前記底部(32)から前記開口部(34)までテーパ状であり、
前記側壁(30)の前記テーパは、前記底部(32)から前記開口部(34)まで連続テーパであり、
前記テーパは、前記流体保持容器(28)の長さ(L)に沿って抜き勾配が異なり、
前記内面(26)は、底部(32)から延在する第1の部分Aに対して第1のテーパを有し、前記第1の部分Aに隣接する第2の部分Bに対して、前記第1のテーパより大きな第2のテーパが設けられ、前記底部(32)と反対側の開口部(34)までの前記流体保持容器(28)の長さLの残りを含む第3の部分Cに対して、前記第2のテーパより大きな第3のテーパが設けられる、流体保持容器(28)。
【請求項2】
前記第1の部分Aは、前記底部(32)から0.5~1.5インチ(1.27cm~3.81cm)の範囲の長さであり、前記第2の部分Bは、0.5~1.5インチ(1.27cm~3.81cm)の範囲の長さである、請求項1に記載の流体保持容器(28)。
【請求項3】
前記第1のテーパは0.5°のテーパであり、前記第2のテーパは1°のテーパであり、第3のテーパは2°のテーパである、請求項1に記載の流体保持容器(28)。
【請求項4】
各条線(24)の前記肉眼で見えるプロファイルは、凸状または凹状であり、各条線(24)は、前記条線(24)の他の条線と同じまたは異なる、肉眼で見えるプロファイルを有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の流体保持容器(28)。
【請求項5】
各条線(24)は、前記流体保持容器(28)の長手方向軸(X)に平行な前記内面(26)の内側内径(ID)に沿って設けられる、請求項1~4のいずれか1項に記載の流体保持容器(28)。
【請求項6】
前記条線(24)は、4~24の範囲の数である、請求項1~5のいずれか1項に記載の流体保持容器(28)。
【請求項7】
前記条線(24)は、互いに等間隔または不等間隔であり、異なる形状の条線(24)の同じまたは交互のパターンを有し、前記異なる形状は、凹状条線の場合はより広いおよび/または狭い谷であり、凸状条線の場合はより高いおよび/または短い丘であり、それらの組合わせである、請求項1~6のいずれか1項に記載の流体保持容器(28)。
【請求項8】
少なくとも前記条線(24)は、ポリマー材料、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、またはポリテトラフルオロエチレンから選択される材料から構成される、請求項1~7のいずれか1項に記載の流体保持容器(28)。
【請求項9】
前記流体保持容器(28)は、2ml~40mlの範囲の内部容積を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の流体保持容器(28)。
【請求項10】
前記流体保持容器(28)の前記内面(
26)はフッ素化されている、請求項1~9のいずれか1項に記載の流体保持容器(28)。
【請求項11】
前記流体保持容器(28)は、円形、三角形、正方形、および他の多辺形の管から選択される形状を有する、請求項1~10のいずれか1項に記載の流体保持容器(28)。
【請求項12】
前記流体保持容器(28)にまたは前記流体保持容器(28)から流体を移送するために用いられる自動分析装置(10)の流体移送装置(11)によって貫通可能なキャップ(20)と組合わされ、前記流体保持容器(28)と前記キャップ(20)とは、流体の移送中は物理的かつ封止可能に関連付けられたままである、請求項1~11のいずれか1項に記載の流体保持容器(28)。
【請求項13】
自動分析装置(10)と組合わされ、前記自動分析装置(10)は前記流体保持容器(28)から洗浄流体を吸引するように構成される、請求項1~12のいずれか1項に記載の流体保持容器(28)。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の流体保持容器(28)から、自動分析装置(10)の流体移送装置(11)を介して流体が取出される、流体移送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年8月28日に出願された米国仮特許出願第62/723,791号の優先権を主張し、その内容全体はここに引用により援用される。
【0002】
技術分野
本出願は、概して流体保持容器に関し、特に、たとえば試験管などの形状の、たとえば自動分析装置によって試料カップに自動的に分注される洗浄流体または液体の吸引の問題に対処する、表面張力低減内面条線を有する幾何学模様を含む流体保持容器に関する。本出願は、キャップと組合わせた流体保持容器、自動分析装置と組合わされた流体保持容器、および流体保持容器を用いる流体移送方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
定量自動分析装置は、最小限の人の支援で素早く、複数の生体試料における異なる化学物質および他の特徴を測定するように設計された実験器具である。一般に、そのような分析装置は、試料試験管用のラック搬送システムを有する分析装置と、制御台または点検台として構成可能な観察台と、関連付けられた消耗品および部品とを含む主要構成要素からなる。関連付けられた消耗品のうちの1つは洗浄溶液であることが典型的であり、この洗浄液は、試験管に設けられ、そのような分析装置において自動的に用いられて、タンパク質の蓄積などの汚染物質を、生体試料(複数可)と接触する分析装置の構成要素の表面から除去する。分析装置のなかには、分析の前に生体試料が試料カップに移送する必要があるものもあり、このため、使用ごとに洗浄する必要がある。分析装置のなかには、設けられた試験管からの洗浄流体を自動的に吸引し、それを洗浄サイクル中に試料カップに加えるものもある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
要約
上述の背景から、ある一般的な実施形態では、たとえば自動分析装置によって試料カップ内に自動的に分注される洗浄流体または液体の吸引の問題に対処する、表面張力低減内面条線を有する幾何学模様を含む流体保持容器が開示される。
【0005】
他の一般的な実施形態では、流体保持容器は、条線を有する試験管にまたはこの試験管から流体を移送するために用いられる自動分析装置の流体移送装置によって貫通可能なキャップと組合わせて用いられる、条線を有する試験管の形状でもよく、チューブとキャップとは、流体の移送中は物理的かつ密封可能に関連付けられたままである。
【0006】
さらに他の一般的な実施形態では、表面張力低減内面条線を有する幾何学模様を含む流体保持容器と組合わせた自動分析装置が開示され、当該容器の条線を有する幾何学模様は、たとえば自動分析装置によって試料カップ内に自動的に分注される洗浄流体または液体の吸引の問題に対処するように構成される。
【0007】
さらに他の一般的な実施形態では、流体移送方法が開示され、この方法では、流体の移送中に容器と物理的かつ密封可能に関連付けられたキャップを貫通する自動分析装置の流体移送装置を介して、表面張力低減内面条線を有する幾何学模様を含む流体保持容器から流体が取出され、容器の表面張力低減内面条線を有する幾何学模様は、内部に収容され、
かつ、たとえば流体移送装置によって試料カップ内に分注される洗浄流体または液体の吸引の問題に対処する。
【0008】
本明細書で説明されるさまざまな実施形態のこれらおよび他の特徴、局面、ならびに利点は、以下の詳細な説明、添付の請求項および添付の図面を考慮すると、当業者にとって明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】内部から液体を吸引するために、従来の試験管を逆方向に保持する自動分析装置の一部を示す図である。
【
図2】内部に収容された洗浄流体または液体の分注の問題に対処する、本発明のある実施形態に係る条線を有する設計を詳細に示す、流体保持容器の一部の断面図である。
【
図3】内部に収容された洗浄流体または液体の分注の問題を有する、断面で示された従来の試験管を詳細に示す断面図である。
【
図4】本発明のある実施形態に係る、凹状の条線を有する容器の断面図である。
【
図4A】
図4の切断線4A-4Aに沿った、凹状の条線を有する容器の断面図である。
【
図5】本発明のある実施形態に係る、凸状の条線を有する容器の断面図である。
【
図5A】
図5の切断線5A-5Aに沿った、凸状の条線を有する容器の断面図である。
【
図6】その内部から液体を吸引するために、本発明のある実施形態に係る条線を有する容器を逆方向に保持する自動分析装置の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
図1を参照すると、概して示されているのは、自動分析装置10、特にその構成要素である流体移送容器11である。貫通針12を有する流体移送装置11が示されている。消耗品として、従来の試験管14(断面図に示す)が、流体移送装置11の貫通針またはプローブ12を自動的に前進させて試験管14の隔膜16を貫通するように、分析装置10によって反転され、かつそのような方向で固定して保持されると示されている。本発明者らは、分析装置10によって示される方向と同様の態様で自動分析装置によって使用される、試験管14によって描かれているもののような従来の試験管を用いると、これらの分析装置が、洗浄サイクル中に試験管14からたとえば試料カップ(図示せず)内に液体、洗浄流体または消毒剤溶液18をばらつきなく完全に吸引/分注できない場合があると発見した。
【0011】
この発見された問題をよく眺めると、
図1に示される態様で液体または消毒剤(洗浄)溶液18が充填された試験管14の向きを定めるある種類の自動分析装置は、cobas
m 511一体型ヘマトロジー分析装置(Roche Diagnostics)であると分かるであろう。cobas m 511分析装置は、試料カップから取出されたEDTA-抗凝固処理全血から着色された顕微鏡スライドを準備し、その後、コンピュータ画像処理を用いて血液の生成成分を数え、細胞形態学の画像を利用した評価を提供する。血液試料に接触する分析装置の構成要素の表面からのタンパク質の堆積を防止/除去するために、そのような分析装置、すなわち分析装置10は、消毒剤溶液が典型的に次亜塩素酸ナトリウムベースの消毒剤(洗浄)溶液の場合、液体または消毒剤溶液18で試料カップの洗浄サイクルを行う。そのような洗浄サイクル中にばらつきなく完全に吸引/分注できないと発明者が指摘した次亜塩素酸ナトリウムベースの消毒剤溶液の一例は、主として0.7%次亜塩素酸ナトリウム配合物である、DigiMAC3(商標)洗浄溶液である。
【0012】
上述のRocheのcobas m 511分析装置などの自動分析装置は、液体または消毒剤溶液18を収容する試験管14を反転させ、かつ、これを
図1に示す方向に固定して保持することによって、吸引/分注サイクルを行う。その後、流体移送装置11は隔膜16を通って針12を貫通して試験管14内に達し、試料カップ(図示せず)内に分注するために液体または消毒剤溶液18を吸引する。しかしながら、発明者らによって発見された、
図1に示される特定の問題は、隔膜16が位置する、キャップ20を有する管の端部の底部まで常に液体または消毒剤溶液18が流れないことである。たとえば、DigiMAC3(商標)洗浄溶液などの消毒剤溶液が充填された場合の従来技術の管の大部分では、キャップ20が取り除かれた状態で管14が反転されると、そのような消毒剤溶液18は管14から流れないことが観察/発見された。
【0013】
図示を用いて、かつ引き続き
図1を参照すると、上述の問題の原因は、試験管14の平滑な内面22に対する液体または消毒剤溶液18の面積力が対向する重力よりも大きいため、試験管14が反転されると試験管14内の液体または消毒剤溶液18が静止したままになることであると判断されてきた。特定の観察では、試験管14が反転されると、針12の上方もしくは針12から離れた液体または溶液18に形成される表面張力によってメニスカス24が生じ、これによって、液体または溶液18が針12によって試験管14から吸引されるのを妨げていた。上述の特性および特徴は液体または消毒剤溶液18の組成によって決まるが、DigiMAC3(商標)洗浄溶液などの次亜塩素酸塩ベースの調剤に関して指摘されたこの現象は、洗浄サイクルを無効にして、そのため試料カップと共に貫通/吸引針12を詰まらせる、および/またはタンパク質が堆積されることによって、分析装置10などのそのような分析装置のシステム性能に影響を及ぼすことがあり、実際に影響を及ぼす。これは、そのような分析装置が用いる貫通針間隔アルゴリズムにとって、特に問題となる場合がある。発明者はしたがって、上述の問題を発見した後で、
図1に示すようにキャップ端が下向きの状態で容器の方向を定めたときに、分析装置10の貫通針12が容器内から液体または消毒剤溶液18を吸引できるように、以下で説明されるさまざまな本発明の容器の実施形態などの、次亜塩素酸塩ベースの液体といった液体容量を可能にする容器の必要性を認識した。
【0014】
図2に示すように、上述の問題に対して得られた本発明の溶液は、長手方向に延在する条線24を本発明の流体保持容器28の内面26に追加することによって実現される。各条線24は一般に、たとえば、管の回転軸に一致し、かつこれに平行な平面上に位置する容器28の管の例の内径に沿って広がる、肉眼で見えるプロファイル(凸状または凹状のどちらか)を有する。これらの条線24は、表面張力の遮断を促進して、次亜塩素酸塩ベースの液体などの液体18と本発明の流体保持容器28の内面26との間の面積力を低下させる。同様に試験・結果セクションで以下で説明されるような水および他の液体などの液体容量の容器28からの流れも同様に、条線24によって改善される。
【0015】
図示された比較において、液体18のしずくの形状は、
図3に示すような試験管14の平滑な内面22にくっつく実質的に丸みのある対称的な形状から、容器28の内面26にくっつかず、(下に向かう矢印によって示される)重力下で容易に流れる、より細長く平らな楕円(長円)形状に変化する。なお、凸状または凹状のどちらでもよい長手方向の条線24は、流体保持容器28の長手方向軸(
図4)に平行な内側内径(ID)に沿って設けられて内面26の表面張力を低減し、これによって、分析装置10の装置11などの自動分析装置の流体移送装置によって試料カップ(図示せず)内に分注される流体または消毒剤(洗浄)溶液18などの流体の吸引の問題に対処する。
【0016】
図4および
図5に断面図で示すように、液体またはたとえば次亜塩素酸塩ベースの消毒剤溶液などの消毒剤溶液18で充填され得る流体保持容器28の2つの異なる実施形態の各々が、側壁30および底部32を有する円筒管として示される。しかしながら、容器2
8は任意の形状(たとえば、正方形、円形もしくは三角形の管、くぼみ、または他の容器)でもよく、さらに多いまたは少ない数の側壁(たとえば、正方形の容器は4つの直交する側壁を有し得る)を有してもよいことが理解される。側壁30は、底部32から反対側の開口部34まで設けられている一方で、先端に向かって次第に細くなると示されており、例によっては、各側壁30の少なくとも一部が直線状、曲線状または他の形状でもよいことが理解される。側壁30はさらに、容器28に貯留された溶液18(
図2)と接触するための内(主)面26を含む。
【0017】
ある実施形態では、容器28の各側壁30は、たとえば1°~3°の範囲の、好ましくは他の実施形態では2°の連続テーパ(内側IDの抜き勾配)を有してもよい。さらに他の実施形態では、各側壁30は、容器28の長さLに沿って異なるテーパ(抜き勾配)を有してもよい。たとえば、
図4に示すように、ある実施形態では、底部32からの第1の部分Aに対して、たとえば0.5°の第1のテーパが設けられ、第2の部分Bに対して、たとえば1°のテーパが設けられ、かつ、容器28の長さLの残りから開口部34までを含む第3の部分Cに対して、たとえば2°のテーパが設けられる。ある実施形態では、第1の部分Aは底部32から0.5~1.5インチ(1.27cm~3.81cm)の範囲の長さであり、第2の部分Bは0.5~1.5インチ(1.27cm~3.81cm)の範囲の長さであり、好ましい実施形態では、部分AおよびBは各々、1インチ(2.54cm)の長さである。
【0018】
図4および
図5に示す実施形態では容器底部32は曲線状であるが、他の例では、容器底部32は曲線状、平面状、傾斜状、凹状、凸状または他の好適な形状でもよい。容器底部32の実際の形状にかかわらず、(
図4に示すような)容器28は、容器28の開口部34に交差する第2の平面38から間隔をあけて設けられた底部32に隣接する第1の平面36を定義して、第1のおよび第2の平面36、38間の長手方向長さLを定義する。長手方向長さLに加えて、容器28の中央軸Xも平面36、38間で定義される。
【0019】
図4および
図5に示す例にも描写されているように、複数の条線24が容器28の中央軸Xと同一面内に延びている。各条線24は、凹状でもよい(
図4Aにもっともよく示されている)、または凸状でもよい(
図5Aに最もよく示されている)。条線24の数は、4~24本、より好ましくは他の実施形態では8~12本でもよく、容器28の射出成形についてよりシンプルなコア設計が望まれる場合、より少ない数の条線および/または形状の種類、すなわち、凹に対する凸に基づいてもよく、かつ、それらが好ましい。試験管に対して最小の壁厚さを維持することが望ましい用途では、凸状条線を用いてもよく、かつ、それらが好ましい。条線はたとえば、凹状条線の場合は谷から谷まで、もしくは凸状条線の場合は頂点から頂点まで計測して、互いに等間隔でもよい、または互いに不等間隔でもよい。各条線24は、他の条線と同じ形状を有してもよい、または、異なる形状を有してもよい。たとえば、凹状条線の場合はより広いおよび/もしくは狭い谷、ならびに/または凸状条線の場合はより高いもしくは低い丘など、容器28は異なる形状の交互のパターンの条線24を有してもよい。容器28にはまた、代替的なパターンで凹状および凸状条線の両方が設けられてもよい。破線40および42でも示されるように、側壁30は、条線24が挿入物の一部として設けられるように、各破線内で示される厚さを有してもよい。そのような挿入物は、従来の管(その側壁の厚さは、破線40および42の外側に示される材料でもよい)を本発明の容器28に変換するために使用可能である。容器28は、条線24の導入に好適な任意の材料から構成されてもよい。好適な材料の例は、ポリマー材料、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、または他の好適なポリオレフィンを含む。
【0020】
ある特定の実施形態では、容器28は、ポリプロピレンで構成された中実の円筒管であり、7~8cmの範囲の長さL、GCMI/SPI 13-425ねじ山規格を満たすね
じ山が設けられた1~2cmの外径、および0.4~0.6°の範囲の内部抜き勾配を有する。この特定の実施形態の内側に、容器28は、谷から谷まで計測して30°ごとに等しい12本の凹状条線間隔を有する。各条線の断面は互いに同じ(同一)であり、条線の軌跡に対して直角のままであり、側壁30の(主)内面26の下方で0.5~0.6mmの範囲の深さを有し、0.3~0.4mmの範囲の短半径と、3~4mmの範囲の長半径とを有する。この特定の実施形態の底部32に隣接する小内径は0.7~0.8cmの範囲であり、開口34に隣接する大内径は0.8~0.9cmの範囲である。
【0021】
なお、示された実施形態は射出成形されるように設計されており、そのため、容器28が金型から容易に取り外せるように好適な抜き勾配が設けられている。流体保持容器28は、試験管14および表1に列挙されたもののように、従来の試験管に類似した大内径(ID)を有していても、および/またはねじ切りされていてもよいが、これらに限定されるわけではない。
【0022】
【0023】
図6に示す実施形態では、容器28は、液体18を収容する消耗品として自動分析装置10内のキャップ20と組合わせて用いられる、条線を有する試験管である。使用中、容器28およびキャップ20は、流体が移送されている間は物理的かつ封止可能に関連付けられたままである。一実施形態では、キャップ20は、次亜塩素酸ナトリウムベースの溶液に対して良好な材料適合性、および貫通針12による複数回の貫通に対して機械的反応を示すPTFE/シリコーン封止を有するポリプロピレンキャップである。他の従来のキャップも使用可能である。他の実施形態では、キャップ20がそのような貫通可能な封止を提供しない場合、隔膜16を流体移送装置11の貫通針12によって貫通可能な容器28に設けて、流体を容器28に対して、またはこれから移送可能である。
【0024】
使用中、自動分析装置10は、容器28を反転させ、かつ、これを
図6に示す方向に固
定して保持することによって、すなわち、底部32がキャップ20の上方であることによって、洗浄のために吸引/分配サイクルを行う。その後、流体移送装置11は隔膜16を通って容器28内に針12を貫通させ、たとえば試料カップ(図示せず)内への分注のために液体または消毒剤溶液18を吸引する。しかしながら、
図1に示す従来の試験管14と異なり、液体または溶液18の表面張力は、針12に隣接する容器28の端部に向かう流れを規制する洗浄流体によって吸引の問題が起こらないように、すなわち、表面26にくっつかないように、条線24によって十分低減される。したがって、針12は、流体移送装置11が液体溶液18を試料カップ内に分注できるように、容器28から液体または溶液18を取出すように設計されている通りに正確に機能する。
【0025】
なお、本明細書で開示された実施形態は、分析装置および/または消毒剤溶液に対するソフトウェア、ハードウェア、または調剤の変化を必要としない実施形態である。しかしながら、液体または消毒剤溶液18、たとえば、DigMAC3(商標)洗浄溶液で充填された流体容器28に対する本明細書で開示された内面幾何学模様の変更と組合わせて、液体または溶液18に接触する、少なくとも側壁30(
図4)形成材料と異なり、かつ、より高い表面エネルギーが設けられた材料を用いることができる。たとえば、容器28の内面44(
図6)は蛍光封止によってフッ素化可能であり、これによって、表2(mN/mの単位で列挙)に示すように、さまざまなプラスチックの表面エネルギーを増大可能である。たとえば、ポリプロピレンの場合、蛍光封止によって、表面エネルギーはベースの29mN/mから70mN/mに上昇する。
【0026】
【0027】
試験・結果
回帰分析を行って、本発明の容器28について2つの検証手順が実行された。これらは吸引および分注試験を含み、吸引/分注サイクル(10チューブ、チューブ毎に40試験サイクル)の100%で合格だった。流動試験も行われ、容器28の条線を有するデザインによって流体を時間の100%の間、反転されたチューブから流出可能であることが保証された。さらに行われた試験は漏れ試験である。この漏れ試験で、キャップ20は、12時間より長い時間にわたって12psi真空環境にさらされつつ管の中身で適切に封止可能であった。流体の漏れは観察されなかった。本発明の容器28は、比較的標準的なサイズである従来の13mm試験管と比較された。従来の13mm試験管と本発明の容器28との両方が、SPI 13-425標準ねじ山を提供するケミグラス(Chemglass)CG-4910-15キャップと組合わせて用いられた。
【0028】
A.キャップを取る・ひっくり返す試験
この試験ではキャップを取っている管が必要であり、これらの管が所望の液体および容積を有していると保証し、本発明の容器28(これ以降「条線を有する管28」と呼ぶ)が従来の13mm試験管よりも良好であったかどうかを素早く証明するために、分析装置10の管把持部46(
図6)を用いてこれらを反転させた。この試験について、DigiMAC3(商標)洗浄溶液(これ以降「Clean」と呼ぶ)に近づけるために、家庭用漂白剤および水の消毒剤溶液(DI)が用いられた。この試験では、15本の従来の13mm試験管および25本の本発明の条線を有する管28が用いられた。表3に示すように、何本かの条線を有する管28は一度しか用いられなかった一方で、他の条線を有する管28は、(条線を有する管28が不足していたため)水洗いされ再び充填された。蛍光で示された管は、同じロットのものであった。
【0029】
この試験の結果は、次の3点を示した。
a.模擬漂白溶液(DI)は、実際のDigiMAC3(商標)洗浄溶液の振る舞いを良好に示していない(試験1)。
b.水は、Cleanよりも好ましくなかった(管の内面により接着した)。そのため、伝統的な試験方法ではCleanの代わりに水を用いることが可能である。
c.条線を有する管は、同一条件で比較すると(試験3)、問題を解決し、さらには一般的に死容積であるものを管から流出させた(試験4)。
【0030】
【0031】
B.管貫通・吸引試験
多くの貫通および吸引サイクルを実行するための時間を最小限にしつつ、自動分析装置10の洗浄サイクルの通常の動作を最もよく模倣するために、スクリプトが書かれた。表
4および表5はそれぞれ、従来の試験管14と条線を有する管28とを用いた試験を表す。試験では、合計80回、管14、28各々の貫通および吸引を行った。管14、28各々の80回の貫通は、各々が20吸引サイクルからなる4ラウンドに分けられる。ラウンドの目的は、手動でキャップを取り外しキャップトルク道具を用いてキャップを設計仕様6in-lbsに取替えるために、20回の吸引後に時間を与えることであった。これは、吸引が行われる速度が管14、28の通常動作と比較して大きな真空を引き起こして結果に影響を及ぼし得る場合に、内圧を大気と等しくするために行われた。これには、ユーザはキャップを取り外さないと考えられるので通常動作の一部ではないが、管は20回貫通される毎に取扱われるという点において、結果に影響を与える可能性がある。
【0032】
【0033】
【0034】
試験の結果に基づいて、すべての場合において従来の管14と異なり、Cleanの容積は条線を有する管28のキャップ端部に移行することが分かった。そのため、もし管がこの方向のままであるとしたら、管の最大容積を損失なく用いることができる可能性がある。上述のように、条線の設計によって、吸引の目的で試験管を反転させる装置11のように、流体移送装置を有する既存の市場の自動分析装置について複雑なハードウェアまた
はソフトウェア(たとえば、把持部、ロボティクス、試料吸引など)を変更する必要がなくなる。発明の実施形態は、既存の金型に比較的安価な変更で実現可能である。可能性のある使用のいくつかは以下に制限されないが、以下の通りである。
a.さまざまな条線を有する実施形態が、大きな充填量が望ましくない、またはきわめて高価になる場合、高コストの試薬で小さな容器に適用可能である。
b.自由な流れを可能にする材料の使用が収容された試薬に対する容器材料適合性によって妨げられる場合、さまざまな条線を有する実施形態が役に立ち得る。
c.さまざまな条線を有する実施形態が、流れについて押し出された管での流れ損失の抑制に適用可能である。
【0035】
したがって、上述の開示によって、ある局面において、上述の問題に対処する表面張力低減内面条線を有する幾何学模様を含む流体保持容器が開示および説明される。流体保持容器は、条線を有する試験管に、または条線を有する試験管から流体を移送するために用いられる自動分析装置の流体移送装置によって貫通可能なキャップと組み合わせて用いられる試験管でもよく、管とキャップとは、流体の移送中に物理的かつ封止可能に関連付けられたままでもよい。自動分析装置は、本明細書で開示および説明されたような流体保持容器と組合わせて用いられてもよく、容器の条線を有する幾何学模様は、自動分析装置によって試料カップ内に自動的に分注される洗浄流体の吸引の問題に対処する。
【0036】
他の局面において、流体移送方法が開示および説明され、この方法では、流体の移送中に容器と物理的かつ封止可能に関連付けられたキャップを貫通する自動分析装置の流体移送装置を介して、上記のように開示および説明された流体保持容器から流体が取出され、容器の表面張力低減内面条線を有する幾何学模様は、洗浄流体が流体移送装置によって試料カップ内に分注されるように、内部に収容された洗浄流体の吸引の問題に対処する。他の複数のより詳細な実施形態を、以下でさらに開示する。
【0037】
実施形態1。流体保持容器(28)であって、液体(18)が内部に収容されると重力を受けて容器からの自由な流れを可能にする表面張力低減内面条線を有する幾何学模様を有し、当該幾何学模様は、容器(28)の内面(26)の内側内径(ID)に沿って互いに間隔をあけて設けられた長手方向に延在する条線(24)を含み、各条線(24)は、肉眼で見えるプロファイルを有し、プロファイルは、容器(28)の内面(26)に対して凸状または凹状であり、これによって、表面張力の遮断を促進して、液体(18)と流体保持容器(28)の内面(26)との間の面積力を低下させる、流体保持容器(28)。
【0038】
実施形態2。容器(28)は、底部(32)と、底部(32)と反対側の開口部34と、少なくとも条線(24)および内面(26)と一体形成された側壁(30)とを有する、実施形態1に記載の流体保持容器(28)。
【0039】
実施形態3。底部(32)は、曲線状、平面状、傾斜状、凹状、凸状または他の好適な形状の底部を有する、実施形態2に記載の流体保持容器(28)。
【0040】
実施形態4。側壁(30)は管(14)内に挿入される、実施形態2に記載の流体保持容器(28)。
【0041】
実施形態5。側壁(30)の厚さは、底部(32)から開口部(34)まで一定である、実施形態2に記載の流体保持容器(28)。
【0042】
実施形態6。側壁(30)の厚さは、底部(32)から開口部(34)までテーパ状である、実施形態2に記載の流体保持容器(28)。
【0043】
実施形態7。側壁(30)のテーパは、底部(32)から開口部(34)まで連続テーパである、実施形態6に記載の流体保持容器(28)。
【0044】
実施形態8。連続テーパは、0.4°~3°の範囲であり、好ましくは2°である、実施形態7に記載の流体保持容器(28)。
【0045】
実施形態9。テーパは、容器(28)の長さ(L)に沿って抜き勾配が異なる、実施形態1に記載の流体保持容器(28)。
【0046】
実施形態10。内面(26)は、底部(32)から延在する第1の部分Aに対して第1のテーパを有し、第1の部分Aに隣接する第2の部分Bに対して、第1のテーパより大きな第2のテーパが設けられ、底部(32)と反対側の開口部(34)までの容器(28)の長さLの残りを含む第3の部分Cに対して、第2のテーパより大きな第3のテーパが設けられる、実施形態9に記載の流体保持容器(28)。
【0047】
実施形態11。第1の部分Aは、底部(32)から0.5~1.5インチ(1.27cm~3.81cm)の範囲の長さであり、第2の部分Bは、0.5~1.5インチ(1.27cm~3.81cm)の範囲の長さであり、好ましい実施形態では、部分AおよびBは各々1インチ(2.54cm)の長さである、実施形態10に記載の流体保持容器(28)。
【0048】
実施形態12。第1のテーパは0.5°のテーパであり、第2のテーパは1°のテーパであり、第3のテーパは2°のテーパである、実施形態10に記載の流体保持容器(28)。
【0049】
実施形態13。各条線(24)の肉眼で見えるプロファイルは、凸状または凹状であり、各条線(24)は、条線(24)の他の条線と同じまたは異なる肉眼で見えるプロファイルを有する、前述の実施形態1~12のいずれか1つに記載の流体保持容器(28)。
【0050】
実施形態14。各条線(24)は、流体保持容器(28)の長手方向軸(X)に平行な内面(26)の内側内径(ID)に沿って設けられる、前述の実施形態1~13のいずれか1つに記載の流体保持容器(28)。
【0051】
実施形態15。条線(24)は、4~24の範囲の数、好ましくは8~12の範囲の数である、前述の実施形態1~14のいずれか1つに記載の流体保持容器(28)。
【0052】
実施形態16。条線(24)は、互いに等間隔または不等間隔であり、異なる形状の条線(24)の同じまたは交互のパターンを有し、異なる形状は、凹状条線の場合はより広いおよび/または狭い谷であり、凸状条線の場合はより高いおよび/または短い丘であり、それらの組合わせである、前述の実施形態1~15のいずれか1つに記載の流体保持容器(28)。
【0053】
実施形態17。少なくとも条線(24)は、ポリマー材料、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、または他の好適なポリオレフィンから選択される材料から構成される、前述の実施形態1~16のいずれか1つに記載の流体保持容器(28)。
【0054】
実施形態18。流体保持容器(28)は、2ml~40mlの範囲の内部容積を有する、前述の実施形態1~17のいずれか1つに記載の流体保持容器(28)。
【0055】
実施形態19。容器(28)は、7~8cmの範囲の長さL、1~2cmでねじ山が設けられた外径、0.4~0.6°の範囲の内部抜き勾配を有する円筒管であり、条線(24)は、互いに等間隔の12本の凹状条線の合計であり、各条線(24)の断面は互いに同一であり、0.3~0.4mmの範囲の短半径および3~4mmの範囲の長半径を有する内面(26)の下方で0.5~0.6mmの範囲の深さを有し、容器(28)の底部(32)に隣接する小内径は0.7~0.8cmの範囲であり、容器(28)の開口部(34)に隣接する大内径は0.8~0.9cmの範囲である、実施形態1に記載の流体保持容器(28)。
【0056】
実施形態20。容器(28)の内面(26、44)はフッ素化されている、前述の実施形態1~19のいずれか1つに記載の流体保持容器(28)。
【0057】
実施形態21。流体保持容器28は、円形、三角形、正方形、および他の多辺形の管から選択される形状を有する、前述の実施形態1~20のいずれか1つに記載の流体保持容器(28)。
【0058】
実施形態22。容器(28)にまたは容器(28)から流体を移送するために用いられる自動分析装置(10)の流体移送装置(11)によって貫通可能なキャップ(20)と組合わされ、容器(28)とキャップ(20)とは、流体の移送中は物理的かつ封止可能に関連付けられたままである、前述の実施形態1~21のいずれか1つに記載の流体保持容器(28)。
【0059】
実施形態23。自動分析装置(10)と組合わされ、自動分析装置(10)は容器(28)から洗浄流体を吸引するように構成される、前述の実施形態1~22のいずれか1つに記載の流体保持容器(28)。
【0060】
実施形態24。前述の実施形態1~22のいずれか1つに記載の流体保持容器(28)から、自動分析装置(10)の流体移送装置(11)を介して流体が取出される、流体移送方法。
【0061】
実施形態25。流体(18)は、水、洗浄流体、漂白溶液、次亜塩素酸塩ベース消毒剤溶液、次亜塩素酸ナトリウムベースの消毒剤溶液、または0.7%次亜塩素酸ナトリウムベースの消毒剤溶液である、前述の実施形態1~24のいずれか1つに記載の流体保持容器(28)。
【0062】
本明細書のさまざまな実施形態について特定の好ましい実施形態を参照してきわめて詳細に説明および図示したが、当業者であれば、本発明の他の実施形態を容易に理解するであろう。したがって、本発明は、以下の添付の請求項の精神および範囲に包含されるすべての変更例および変形例を含むとみなされる。