(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-20
(45)【発行日】2024-11-28
(54)【発明の名称】圧縮器内の流体流れを誘導するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
F04D 29/44 20060101AFI20241121BHJP
F25B 1/053 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
F04D29/44 S
F25B1/053 B
F25B1/053 Z
(21)【出願番号】P 2023506228
(86)(22)【出願日】2021-07-30
(86)【国際出願番号】 US2021044013
(87)【国際公開番号】W WO2022026897
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2023-03-10
(32)【優先日】2020-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521301840
【氏名又は名称】ジョンソン・コントロールズ・タイコ・アイピー・ホールディングス・エルエルピー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119426
【氏名又は名称】小見山 泰明
(72)【発明者】
【氏名】スネル,ポール・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】シェーファー,ブライソン・リー
(72)【発明者】
【氏名】ヤンク,フローリン・バレリウ
【審査官】中村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03226940(US,A)
【文献】特開2014-137008(JP,A)
【文献】特開平07-167099(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0016267(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/44
F25B 1/053
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
暖房、換気、空調、及び冷房(HVAC&R)システムのための圧縮器であって、
インペラであって、
インペラ先端を画定するハブと、
前記ハブに結合された複数のブレードであって、通る作動流体の一次流れを誘導するように構成された複数の流路を画定する、複数のブレードと、
前記複数のブレードに結合されたシュラウドであって、前記複数の流路を通る前記作動流体の一次流れの流れ方向に対して前記インペラ先端の上流に配設されたシュラウド先端を備える、シュラウドと、を備える、インペラ
と、
前記シュラウドの外側表面に沿って延在する作動流体流路内に配設されたベーンであって、蒸気作動流体を案内して前記複数の流路に流入させるように構成され、前記複数のブレードとは別体である、ベーンと、を備える、圧縮器。
【請求項2】
間の
前記作動流体流路の通路を協働して画定する第1のプレート及び第2のプレートを備え、前記通路が、前記シュラウドの外部にあり、
前記蒸気作動流体を前記複数の流路に誘導するように構成される、請求項1に記載の圧縮器。
【請求項3】
前記通路が、前記HVAC&Rシステムのエコノマイザから前記蒸気作動流体を受容するように構成される、請求項2に記載の圧縮器。
【請求項4】
前記通路が、前記複数の流路を通る前記作動流体の前記一次流れの前記流れ方向に対して前記蒸気作動流体を前記インペラ先端の上流の前記複数の流路に誘導するように構成された出口ポートを備える、請求項2に記載の圧縮器。
【請求項5】
前記第1のプレートが、前記第1のプレートと前記シュラウドとの間に形成されたチャンバの中への前記蒸気作動流体の流れを遮断するように構成された延在部を備える、請求項2に記載の圧縮器。
【請求項6】
前記通路が、環状通路を備える、請求項2に記載の圧縮器。
【請求項7】
前記通路に配設され
た静止ベーンを備える、請求項2に記載の圧縮器。
【請求項8】
暖房、換気、空調、及び冷房(HVAC&R)システムのための圧縮器であって、
インペラであって、
第1の径方向先端を備えるハブと、
前記ハブから延在し、かつ通る作動流体の一次流れを誘導するように構成された複数の流路を画定する、複数のブレードと、
前記複数のブレードに結合され、かつ前記複数の流路を通る前記作動流体の一次流れの第1の流れ方向に対して前記ハブの前記第1の径方向先端の上流に配設された第2の径方向先端を備える、シュラウドと、を備える、インペラと、
圧縮器ハウジングであって、前記インペラが、前記圧縮器ハウジング内に配設され、前記圧縮器ハウジングが、
前記シュラウドの外側表面に沿って延在し、かつエコノマイザから蒸気作動流体を受容し、前記蒸気作動流体を前記複数の流路に誘導するように構成された、作動流体流路を備える、圧縮器ハウジングと、
前記作動流体流路内に配設された複数のベーンであって、
前記複数のブレードとは別体であり、前記複数のベーンが、前記作動流体流路を通る前記蒸気作動流体の第2の流れ方向を調節するように構成される、複数のベーンと、を備える、圧縮器。
【請求項9】
前記複数のベーンが、前記作動流体の一次流れの前記第1の流れ方向に近づくように、前記蒸気作動流体の前記第2の流れ方向を調節するように構成される、請求項8に記載の圧縮器。
【請求項10】
前記複数のブレードが、前記インペラの回転軸に対して前記シュラウド内に軸方向に収容される、請求項8に記載の圧縮器。
【請求項11】
前記複数のベーンの各ベーンが、前記シュラウドの前記第2の径方向先端に隣接して配設される、請求項8に記載の圧縮器。
【請求項12】
前記複数のベーンが、複数の静止ベーンを備え、前記インペラが、前記圧縮器の動作中に、前記複数のベーンに対して回転するように構成される、請求項11に記載の圧縮器。
【請求項13】
前記複数のベーンの各ベーンが、前記作動流体流路を通る前記蒸気作動流体の前記第2の流れ方向を調節するように構成された湾曲表面を備える、請求項11に記載の圧縮器。
【請求項14】
暖房、換気、空調、及び冷房(HVAC&R)システムのための圧縮器であって、
蒸気作動流体流路を備えるハウジングであって、前記蒸気作動流体流路が、前記HVAC&Rシステムのエコノマイザから蒸気作動流体を受容するように構成される、ハウジングと、
前記ハウジング内に配設されたインペラであって、
通る作動流体の一次流れを誘導するように構成された複数の流路を画定する複数のブレードであって、前記複数のブレードの各ブレードが、第1の先端を備える、複数のブレードと、
前記複数のブレードに結合され、かつ前記複数の流路を通る前記作動流体の一次流れの流れ方向に対して前記複数のブレードの各ブレードの前記第1の先端の上流に配設された第2の先端を備える、シュラウド
であって、前記蒸気作動流体流路が当該シュラウドの外側表面に沿って延在する、シュラウドと、を備える、インペラと、
前記蒸気作動流体流路内に配設され、
前記複数のブレードとは別体であり、かつ前記シュラウドの前記第2の先端の上流の前記蒸気作動流体の流れ方向を調節し、前記蒸気作動流体を、前記シュラウドの前記第2の先端の下流、及び前記複数のブレードの各ブレードの前記第1の先端の上流の前記複数の流路に誘導するように構成された、静止ベーンと、を備える、圧縮器。
【請求項15】
前記静止ベーンが、前記複数の流路を通る前記作動流体の前記一次流れの前記流れ方向に近づくように前記蒸気作動流体の前記流れ方向を調節するように構成される、請求項14に記載の圧縮器。
【請求項16】
前記圧縮器が、前記作動流体の一次流れを前記HVAC&Rシステムの蒸発器から受容するように構成される、請求項14に記載の圧縮器。
【請求項17】
前記ハウジング内に形成されたディフューザ通路を備え、前記複数のブレードの各ブレードの前記第1の先端が、前記複数の流路を通る前記作動流体の前記一次流れの前記流れ方向に対して前記ディフューザ通路の上流に配設される、請求項14に記載の圧縮器。
【請求項18】
前記蒸気作動流体流路が、前記インペラの周りに延在する環状通路を備える、請求項14に記載の圧縮器。
【請求項19】
前記静止ベーンが、前記蒸気作動流体を前記複数の流路に案内して前記蒸気作動流体の前記流れ方向を調節するように構成された、湾曲表面を備える、請求項14に記載の圧縮器。
【請求項20】
前記蒸気作動流体流路が、前記シュラウドの前記第2の先端に隣接して配設された出口ポートを備える、請求項14に記載の圧縮器。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる、2020年7月30日に出願された、「SYSTEM AND METHOD FOR DIRECTING FLUID FLOW IN A COMPRESSOR」と題する米国仮特許出願第63/059,006号からの優先権及びその利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
本項は、以下に記載される本開示の様々な態様に関連し得る、当該技術の様々な態様を読者に紹介することを意図する。本考察は、本開示の様々な態様のより良い理解を容易にするために、読者に背景情報を提供するのに役立つと考えられる。したがって、これらの記載は、この観点から読むべきものであって、先行技術を承認するものとして読むべきものではないと理解すべきである。
【0003】
チラーシステム、又は蒸気圧縮システムは、チラーシステムの構成要素内の異なる温度及び圧力への曝露に応答して、蒸気、液体、及びそれらの組み合わせの間で相を変化させる作動流体(例えば、冷媒)を利用する。チラーシステムは、作動流体を調整流体(例えば、水)との熱交換関係に配置し得、調整流体をチラーシステムによって供与された調整機器及び/又は調整された環境に送達し得る。そのような用途では、調整流体は、建物内の空気などの他の流体を調整するために、空気ハンドラなどの下流機器を通って誘導され得る。
【0004】
典型的なチラーでは、調整流体は、作動流体を蒸発させることによって調整流体から熱を吸収する蒸発器によって冷却される。次いで、作動流体は、圧縮器によって圧縮され、凝縮器に移送される。凝縮器では、作動流体は、典型的には水又は空気の流れによって冷却され、液体に凝縮される。いくつかの従来の設計では、性能を改善するために、エコノマイザがチラーシステムにおいて利用される。エコノマイザを採用するシステムでは、凝縮された作動流体は、液体作動流体が少なくとも部分的に蒸発するエコノマイザに誘導され得る。得られた蒸気は、エコノマイザから抽出され、圧縮器に再誘導され得、一方、エコノマイザからの残りの液体作動流体は、蒸発器に誘導され得る。残念なことに、エコノマイザから圧縮器に誘導された蒸気作動流体は、特定の条件で限られた性能利益を提供する圧力で圧縮器に導入され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示される特定の実施形態の概要が、以下に記載されている。これらの態様は、これらの特定の実施形態の簡潔な概要を読者に提供するために提示されているだけであり、これらの態様は、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。実際、本開示は、以下に記載されない可能性のある様々な態様を包含し得る。
【0006】
一実施形態では、暖房、換気、空調、及び冷房(HVAC&R)システムのための圧縮器は、インペラ先端を画定するハブと、ハブに結合された複数のブレードであって、通る作動流体の一次流れを誘導するように構成された複数の流路を画定する、複数のブレードと、複数のブレードに結合されたシュラウドであって、複数の流路を通る作動流体の一次流れの流れ方向に対してインペラ先端の上流に配設されたシュラウド先端を含む、シュラウドと、を有する、インペラを含む。
【0007】
一実施形態では、暖房、換気、空調、及び冷房(HVAC&R)システムのための圧縮器は、第1の径方向先端を備えるハブと、ハブから延在し、かつ通る作動流体の一次流れを誘導するように構成された複数の流路を画定する、複数のブレードと、複数のブレードに結合され、かつ複数の流路を通る作動流体の一次流れの第1の流れ方向に対してハブの第1の径方向先端の上流に配設された第2の径方向先端を有する、シュラウドと、を有する、インペラを含む。圧縮器はまた、圧縮器ハウジングを含み、この中で、インペラが、圧縮器ハウジング内に配設され、圧縮器ハウジングが、通って延在し、かつエコノマイザから蒸気作動流体を受容して蒸気作動流体を複数の流路に誘導するように構成された、作動流体流路を有する。圧縮器は、作動流体流路内に配設され、かつ作動流体流路を通る蒸気作動流体の第2の流れ方向を調節するように構成された、複数のベーンを更に含む。
【0008】
一実施形態では、暖房、換気、空調、及び冷房(HVAC&R)システムのための圧縮器は、通って延在し、かつHVAC&Rシステムのエコノマイザから蒸気作動流体を受容するように構成された、蒸気作動流体流路を有するハウジングを含む。圧縮器はまた、ハウジング内に配設されたインペラを含む。インペラは、通る作動流体の一次流れを誘導するように構成された複数の流路を画定する複数のブレードを有し、複数のブレードの各ブレードが第1の先端を有し、インペラは、複数のブレードに結合され、かつ複数の流路を通る作動流体の一次流れの流れ方向に対して複数のブレードの各ブレードの第1の先端の上流に配設された第2の先端を有する、シュラウドを有する。圧縮器は、蒸気作動流体流路内に配設され、かつシュラウドの第2の先端の上流の蒸気作動流体の流れ方向を調節し、蒸気作動流体をシュラウドの第2の先端の下流及び複数のブレードの各ブレードの第1の先端の上流の複数の流路に誘導するように構成された、静止ベーンを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の様々な態様は、以下の詳細な説明を読み、図面を参照することによってより良く理解され得る。
【0010】
【
図1】本開示の一態様による、商業的環境における暖房、換気、空調、及び冷房(HVAC&R)システムの一実施形態を利用し得る建物の斜視図である。
【
図2】本開示の一態様による、蒸気圧縮システムの一実施形態の斜視図である。
【
図3】本開示の一態様による、蒸気圧縮システムの一実施形態の概略である。
【
図4】本開示の一態様による、蒸気圧縮システムの一実施形態の概略である。
【
図5】本開示の一態様による、エコノマイザからの流体流れを受容するように構成された圧縮器の一実施形態の部分断面側面図である。
【
図6】本開示の一態様による、エコノマイザからの流体流れを受容するように構成された圧縮器の一実施形態の部分断面側面図である。
【
図7】本開示の一態様による、エコノマイザからの流体流れを受容するように構成された圧縮器の一実施形態の部分断面側面図である。
【
図8】本開示の一態様による、エコノマイザからの流体流れを受容するように構成された圧縮器のためのインペラの一実施形態の部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1つ以上の具体的な実施形態が、以下に記載される。これらの実施形態の簡潔な説明を提供するために、実際の実装例の全ての特徴が、本明細書に記載されているわけではない。任意のそのような実際の実装例の開発においては、あらゆる工学又は設計プロジェクトと同様に、開発者固有の目標を達成するためには、システム関連及び業界関連の制約への準拠など、実装例ごとに異なる可能性がある多くの実装例固有の決定を行う必要があることを理解されたい。更に、そのような開発努力は、複雑かつ時間がかかるものであり得るが、それにもかかわらず、本開示の恩恵を受ける当業者にとっては、設計、製作、及び製造の決まりきった仕事であることを理解されたい。
【0012】
本開示の様々な実施形態の要素を導入するとき、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、要素のうちの1つ以上が存在することを意味することが意図される。「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」という用語は、包括的であることが意図され、列挙された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。追加的に、本開示の「一実施形態(one embodiment)」又は「一実施形態(an embodiment)」への言及は、列挙された特徴を同様に内蔵する追加の実施形態の存在を排除するものとして解釈されることを意図するものではないことを理解されたい。
【0013】
本開示の実施形態は、圧縮器及びエコノマイザを備えた蒸気圧縮システムを有するHVAC&Rシステムに関する。具体的には、蒸気圧縮システムは、圧縮器、凝縮器、蒸発器、膨張装置、及びエコノマイザを備えた作動流体(例えば、冷媒)回路を含む。動作中、圧縮器は、作動流体回路内の作動流体を加圧し、作動流体を凝縮する凝縮器に作動流体を誘導する。凝縮された作動流体は、エコノマイザに誘導され、エコノマイザは、凝縮器の圧力と蒸発器の圧力との間にある圧力で作動流体を「フラッシュ」させて、二相作動流体を生成する。エコノマイザから、蒸気作動流体は、再圧縮及び凝縮されるように圧縮器に誘導され、液体作動流体は、調整流体との熱交換を介して蒸発のために蒸発器に誘導される。
【0014】
ここで、蒸気作動流体の圧縮器の中への流れを制御することにより、蒸気圧縮システムの改善された性能が可能になり得ることが認識される。より具体的には、本実施形態は、蒸気作動流体がエコノマイザから圧縮器に導入される圧力を制御するように構成されたシステム及び方法に関する。例えば、圧縮器(例えば、単段遠心圧縮器)は、インペラの回転を介して、及び圧縮器を通る作動流体の流れに対してインペラの下流に配設されたディフューザ通路を介して、作動流体を圧縮するように構成され得る。HVACシステムの動作中、蒸気作動流体は、圧縮器の吸入口から(例えば、蒸発器から)圧縮器の中に誘導され得る。インペラの動作は、圧縮器によって提供される全作動流体圧力増加の約3分の2(例えば、圧縮器揚力の3分の2)を、吸入口を介して受容される作動流体に提供し得、ディフューザ通路は、圧縮器によって提供される全作動流体圧力増加の約3分の1(例えば、圧縮器揚力の3分の1)を、吸入口を介して受容される作動流体に提供し得る。
【0015】
更に、蒸気作動流体は、インペラとディフューザ通路との間の圧縮器(例えば、ここで、圧縮器揚力の3分の2が吸入口を介して受容された蒸気作動流体に提供されている)の中に誘導され得る。しかしながら、ここで、インペラとディフューザ通路との間の作動流体の圧力よりも低い圧力(例えば、圧縮器揚力の3分の2が吸入口を介して受容された蒸気作動流体に提供されている圧力を下回る圧力)で、蒸気作動流体をエコノマイザから圧縮器の中に導入することが望ましい場合があることが認識される。例えば、インペラとディフューザ通路との間の位置の上流のエコノマイザから蒸気作動流体を導入することが望ましい場合がある。したがって、本実施形態は、部分的なシュラウドを有するインペラを有する圧縮器を対象とする。以下で詳細に考察されるように、圧縮器は、インペラ先端の上流の位置(例えば、インペラとディフューザ通路との間の位置の上流)で、蒸気作動流体をエコノマイザから圧縮器流路(例えば、吸入口を介して受容された蒸気作動流体が誘導される一次流路)の中に誘導するように構成された作動流体流路(例えば、二次流路)を含む。具体的には、作動流体流路は、蒸気作動流体をインペラの被覆されていない部分に、及びインペラのブレード間に誘導する。このようにして、エコノマイザからの蒸気作動流体は、所望の圧力でインペラの中に導入され、蒸気作動流体は、更なる圧縮のために圧縮器を通って誘導された主作動流体流と混合され、次いで圧縮器から吐出され得る。エコノマイザからインペラ先端の上流の位置で圧縮器の中に蒸気作動流体を導入することにより、(例えば、エコノマイザから)作動流体流路を通って流れる蒸気作動流体と、(例えば、吸入口及び蒸発器から)圧縮器流路を通って流れる蒸気作動流体との間の混合を改善し、作動流体を圧縮するための圧縮器の動作を改善することができる。
【0016】
ここで図面に目を向けると、
図1は、典型的な商業的環境のための建物12内の暖房、換気、空調、及び冷房(HVAC&R)システム10の環境の一実施形態の斜視図である。HVAC&Rシステム10は、建物12を冷却するために使用され得る、冷却された液体を供給する蒸気圧縮システム14(例えば、チラー)を含み得る。HVAC&Rシステム10はまた、建物12を暖房するために暖かい液体を供給するためのボイラ16と、建物12を通して空気を循環させる空気分配システムと、を含み得る。空気分配システムはまた、空気戻りダクト18、空気供給ダクト20、及び/又は空気ハンドラ22を含み得る。いくつかの実施形態では、空気ハンドラ22は、導管24によってボイラ16及び蒸気圧縮システム14に接続されている熱交換器を含み得る。空気ハンドラ22内の熱交換器は、HVAC&Rシステム10の動作モードに応じて、ボイラ16からの加熱された液体、又は蒸気圧縮システム14からの冷却された液体のいずれかを受容し得る。HVAC&Rシステム10は、建物12の各フロアに別個の空気ハンドラを伴って示されているが、他の実施形態では、HVAC&Rシステム10は、フロア間で共有され得る空気ハンドラ22及び/又は他の構成要素を含み得る。
【0017】
図2及び3は、HVAC&Rシステム10内で使用され得る蒸気圧縮システム14の実施形態を示す。蒸気圧縮システム14は、圧縮器32から始まる回路を通して冷媒を循環させ得る。この回路はまた、凝縮器34と、膨張弁又は膨張装置36と、液体チラー又は蒸発器38と、を含み得る。蒸気圧縮システム14は、アナログ-デジタル(A/D)変換器42、マイクロプロセッサ44、不揮発性メモリ46、及び/又はインターフェースボード48を有する制御パネル40を更に含み得る。
【0018】
蒸気圧縮システム14内で冷媒として使用され得る流体のいくつかの例は、ハイドロフルオロカーボン(HFC)系冷媒、例えば、R-410A、R-407、R-134a、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)、アンモニア(NH3)、R-717、二酸化炭素(CO2)、R-744のような「天然」冷媒、又は炭化水素系冷媒、水蒸気、若しくは任意の他の好適な冷媒である。いくつかの実施形態では、蒸気圧縮システム14は、R-134aなどの中圧冷媒と比較して、低圧冷媒とも称される、1大気圧で摂氏約19度(華氏66度)の標準沸点を有する冷媒を効率的に利用するように構成され得る。本明細書で使用される場合、「標準沸点」は、1大気圧で測定される沸点温度を指し得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、蒸気圧縮システム14は、可変速駆動(VSD)52、モータ50、圧縮器32、凝縮器34、膨張弁又は膨張装置36、及び/又は蒸発器38のうちの1つ以上を使用し得る。モータ50は、圧縮器32を駆動し得、可変速駆動(VSD)52によって電力を供給され得る。VSD52は、交流(AC)電源からの特定の固定回線電圧及び固定回線周波数を有するAC電力を受電し、可変電圧及び周波数を有する電力をモータ50に提供する。他の実施形態では、モータ50は、AC電源又は直流(DC)電源から直接電力供給され得る。モータ50は、VSDによって、又はAC若しくはDC電源から直接電力供給され得る任意のタイプのモータ、例えば、スイッチトリラクタンスモータ、誘導モータ、電子整流式永久磁石モータ、又は別の好適なモータを含み得る。
【0020】
圧縮器32は、冷媒蒸気を圧縮し、蒸気を吐出通路を通して凝縮器34に送達する。いくつかの実施形態では、圧縮器32は、遠心式圧縮器であり得る。圧縮器32によって凝縮器34に送達される冷媒蒸気は、凝縮器34内の冷却流体(例えば、水又は空気)に熱を伝達し得る。冷媒蒸気は、冷却流体との熱伝達の結果として、凝縮器34内の冷媒液に凝縮し得る。凝縮器34からの液体冷媒は、膨張装置36を通って蒸発器38に流れ得る。
図3の例示される実施形態では、凝縮器34は、水冷式であり、冷却流体を凝縮器34に供給する冷却塔56に接続された管束54を含む。
【0021】
蒸発器38に送達された液体冷媒は、別の冷却流体からの熱を吸収し得、この冷却流体は、凝縮器34で使用されるのと同じ冷却流体であってもなくてもよい。蒸発器38内の液体冷媒は、液体冷媒から冷媒蒸気への相変化を受け得る。
図3の例示される実施形態に示されるように、蒸発器38は、冷却負荷62に接続された供給ライン60S及び戻りライン60Rを有する管束58を含み得る。蒸発器38の冷却流体(例えば、水、エチレングリコール、塩化カルシウムブライン、塩化ナトリウムブライン、又は任意の他の好適な流体)は、戻りライン60Rを介して蒸発器38に入り、供給ライン60Sを介して蒸発器38を出る。蒸発器38は、冷媒との熱伝達を介して、管束58内の冷却流体の温度を低減させ得る。蒸発器38内の管束58は、複数の管及び/又は複数の管束を含み得る。いずれにしても、冷媒蒸気は、蒸発器38を出て、吸込みラインによって圧縮器32に戻り、サイクルを完了する。
【0022】
図4は、凝縮器34と、膨張装置36との間に組み込まれた中間回路64を有する蒸気圧縮システム14の概略である。中間回路64は、凝縮器34に直接流体接続された入口ライン68を有し得る。他の実施形態では、入口ライン68は、凝縮器34に間接的に流体結合され得る。
図4の例示される実施形態に示されるように、入口ライン68は、中間容器70の上流に位置付けられた第1の膨張装置66を含む。いくつかの実施形態では、中間容器70は、フラッシュタンク(例えば、フラッシュインタークーラ、エコノマイザなど)であり得る。他の実施形態では、中間容器70は、熱交換器又は「表面エコノマイザ」として構成され得る。
図4の例示される実施形態では、中間容器70は、フラッシュタンクとして使用されており、第1の膨張装置66は、凝縮器34から受容した液体冷媒の圧力を低下させる(例えば、膨張させる)ように構成される。膨張プロセス中、液体の一部分が気化し得、したがって、中間容器70を使用して、第1の膨張装置66から受容された液体から蒸気を分離し得る。
【0023】
追加的に、中間容器70は、液体冷媒が中間容器70に入るときに経る圧力低下のために(例えば、中間容器70に入るときに経る体積の急激な増加のために)、液体冷媒の更なる膨張をもたらし得る。中間容器70内の蒸気は、圧縮器32の吸込みライン74を通して、圧縮器32によって引き出され得る。他の実施形態では、中間容器70内の蒸気は、(例えば、吸込みステージではなく)圧縮器32の中間ステージに引き込まれ得る。中間容器70に集まる液体冷媒は、膨張装置66及び/又は中間容器70内での膨張のために、凝縮器34を出る液体冷媒よりも低いエンタルピーであり得る。次いで、中間容器70からの液体が、ライン72内を、第2の膨張装置36を通して蒸発器38に流れ得る。
【0024】
本明細書に記載の特徴のうちのいずれかは、蒸気圧縮システム14又は任意の他の好適なHVAC&Rシステムとともに組み込まれ得ることを理解されたい。例えば、本技術は、中間容器70などのエコノマイザ、及び圧縮器32などの圧縮器を有する任意のHVAC&Rシステムとともに組み込まれ得る。以下の考察は、単段圧縮器として構成された圧縮器32の実施形態とともに組み込まれた本技術について記載している。しかしながら、本明細書に記載のシステム及び方法は、圧縮器32及びHVAC&Rシステム10の他の実施形態とともに組み込まれ得ることを理解されたい。
【0025】
本開示の実施形態は、部分的なシュラウドを備えたインペラを有する圧縮器(例えば、圧縮器32)を対象とする。圧縮器は、蒸発器から受容された作動流体などの作動流体が流れ得る第1の流路を含み得る。例えば、作動流体は、圧縮器の吸入口を通って、インペラを通って、かつ第1の流路を介してディフューザ通路の中に流れ得る。圧縮器はまた、エコノマイザから受容された作動流体が流れ得る第2の流路を含み得る。例として、作動流体は、エコノマイザから、インペラの被覆されていない部分を通って、かつ第2の流路を介して第1の流路の区域の中に流れ得る。したがって、エコノマイザから圧縮器の中に流れる作動流体は、第1の流路を通って誘導された作動流体と混合及び組み合わされ得る。例えば、作動流体は、第1の流路を通って流れる作動流体に圧縮器揚力の3分の2未満が提供されている位置などのインペラの先端の上流の位置で、エコノマイザから第1の流路の中に流れ得る。作動流体をインペラの先端の上流の位置に誘導することにより、エコノマイザを介して受容された作動流体と、(例えば、蒸発器から)吸入口を介して受容された作動流体との間の混合を改善して、圧縮器の動作を改善することができる。
【0026】
上記を考慮すると、
図5は、圧縮器32の一実施形態の部分断面側面図であり、エコノマイザ102(例えば、中間容器70)から圧縮器32の主又は一次作動流体流路104の中に蒸気作動流体(例えば、蒸気冷媒)を誘導するように構成された圧縮器32の作動流体流路100を示す。例えば、圧縮器32は、単段圧縮器であり得る。圧縮器32は、インペラ108が配設されるハウジング106(例えば、圧縮器ハウジング)を含む。作動流体の主流れ110(例えば、一次流れ、第1の流れ)は、吸入口112でハウジング106に入り、インペラ108に向かって誘導される。インペラ108は、モータ(例えば、モータ50)によって回転駆動され、機械的エネルギーを作動流体の主流れ110に付与する。作動流体の主流れ110は、インペラ108を出て、圧縮器32のディフューザ通路114(例えば、圧力回収部分)を通って、圧縮器32のらせん部116に向かって誘導される。らせん部116から、作動流体は、冷却流体などの流体との熱交換のために、凝縮器(例えば、凝縮器34)に向かって誘導され得る。
【0027】
上述のように、圧縮器32は、エコノマイザ102から蒸気作動流体118(例えば、二次流れ、第2の流れ)を受容するように構成される。この目的のために、圧縮器32は、エコノマイザ102に流体結合されたエコノマイザ入口ポート120を含む。エコノマイザ入口ポート120は、その中に形成された作動流体流路100に沿って、蒸気作動流体118をハウジング106の中に誘導する。作動流体流路100は、蒸気作動流体118をインペラ108の中に誘導して、作動流体の主流れ110と組み合わせる。例えば、図示された実施形態では、圧縮器32は、ノズルベースプレート124(例えば、第2のプレート)に結合されたアイシール支持プレート122(例えば、第1のプレート)を含んで、インペラ108の周りでそれらのプレートの間に延在する注入通路126(例えば、環状通路)を協働して画定する。例えば、締結具125(例えば、ボルト)は、アイシール支持プレート122とノズルベースプレート124とを互いに結合することができ、開口部又は空間(例えば、環状空間)は、蒸気作動流体118がエコノマイザ入口ポート120から注入通路126の中に流れることを可能にするために隣接する締結具125の間に形成され得る。更に、締結具125がアイシール支持プレート122とノズルベースプレート124とを互いに結合するように延在し得るアイシール支持プレート122のマウント又はボス127は、締結具125の間に形成された開口部又は空間を画定し得る。マウント127は、蒸気作動流体118の流れ抵抗を低減する形状などの、注入通路126の中への蒸気作動流体118の流れを促進するための幾何学的形状(例えば、空気力学的形状、外形、又は構成)を有し得る。追加的又は代替的な実施形態では、注入通路126は、圧縮器32の他の構成要素によって、又は他の構成要素内に形成され得る。
【0028】
特定の実施形態では、鋳造ベーン又はスペーサ129をアイシール支持プレート122とノズルベースプレート124との間に位置決めして、蒸気作動流体118を注入通路126の中に誘導することができる。例えば、鋳造ベーン129は、注入通路126の取り込み口などで、締結具125のうちの1つに隣接して位置決めされ得る。鋳造ベーン129は、アイシール支持プレート122とノズルベースプレート124とを互いにずらして、蒸気作動流体118が所望の流量で注入通路126に入ることを可能にする十分なサイズの空間を形成し得る。鋳造ベーン129はまた、注入通路126に入る蒸気作動流体118の流れ方向を調節することができる。例えば、鋳造ベーン129は、蒸気作動流体118を注入通路126の中に移行して、アイシール支持プレート122及び/又はノズルベースプレート124に対する衝突によって引き起こされる障害が低減した状態で流すことができる。したがって、蒸気作動流体118は、注入通路126を通る所望の速度で流れ得る。
【0029】
上述のように、圧縮器32のインペラ108及びディフューザ通路114は、各々、圧縮器32によって圧縮された作動流体の加圧又は「揚力」の一部分を提供するように構成され得る。例えば、インペラ108は、圧縮器32によって提供された全加圧又は「揚力」の約3分の2を作動流体の主流れ110に提供することができ、ディフューザ通路114は、圧縮器32によって提供された加圧又は「揚力」の約3分の1を作動流体の主流れ110に提供することができる。図示された実施形態では、インペラ108は、作動流体がインペラ108からディフューザ通路114の中に吐出されるインペラ先端128(例えば、吐出先端、第1の径方向先端)を有する。したがって、インペラ先端128では、作動流体は、インペラ108によって提供された揚力又は加圧の量(例えば、圧縮器32によって提供された全揚力の約3分の2)に関連付けられた圧力を有し得る。しかしながら、インペラ先端128における作動流体の圧力は、エコノマイザ102から作動流体の主流れ110の中への蒸気作動流体118の導入に望ましい圧力よりも大きくてもよい。したがって、作動流体流路100の注入通路126は、蒸気作動流体118を(例えば、インペラ108を通る作動流体の主流れ110の流れ方向に対して)インペラ先端128の上流のインペラ108の中に誘導するように構成される。
【0030】
この目的のために、インペラ108は、インペラ先端128の(作動流体の主流れ110の流れ方向に対して)上流を終端するシュラウド130を含む。したがって、エコノマイザ102からの蒸気作動流体118は、作動流体の主流れ110の流れに対して、インペラ先端128の上流であるシュラウド130のシュラウド先端150(例えば、第2の径方向先端)で、注入通路126を介して、インペラ108(例えば、インペラ108のブレードの間)の中に誘導され得る。したがって、注入通路126は、シュラウド130の外部のインペラ108の中に延在し得る。エコノマイザ102からインペラ108の中に導入された蒸気作動流体118は、吸入口112を介してインペラ108の中に誘導された作動流体の主流れ110と組み合わされ、インペラ108によって加圧され、インペラ先端128でディフューザ通路114の中に吐出される。このようにして、蒸気作動流体118は、インペラ先端128における作動流体の圧力よりも低い圧力で、主作動流体流路104の中に導入され得る。この理由から、エコノマイザ102の動作圧力は、蒸気作動流体118が主作動流体流路104の中に適切に誘導され、作動流体の主流れ110と混合されることを可能にしながら、(例えば、作動流体がエコノマイザからインペラ先端128で圧縮器32に導入されるエコノマイザの動作圧力に対して)低減され得る。したがって、HVAC&Rシステム10は、より効率的に動作することができる。
【0031】
図6は、注入通路126とインペラ108との整列を示す、圧縮器32の一実施形態の部分断面側面図である。より具体的には、図示された実施形態は、シュラウド130のシュラウド先端150と概ね整列した注入通路126を示す。上で考察されるように、シュラウド先端150(例えば、シュラウド130の径方向外縁)は、インペラ先端128の上流に配設され、これは、インペラ108のハブ先端及び/又はブレード先端によって画定され得る。したがって、インペラ108のハブ及び/又はブレードは、(例えば、インペラ108の回転軸に対して)径方向外向きに及び/又は(例えば、インペラ108を通って誘導された作動流体の主流れ110の流れ方向に対してシュラウド先端150の下流に延在し得る。このようにして、蒸気作動流体118は、(例えば、インペラ108のブレードの間で)インペラ108に注入されて、作動流体の主流れ110と組み合わされ得る。図示された実施形態では、アイシール支持プレート122及びノズルベースプレート124は、注入通路126(例えば、注入通路126の出口ポート152を通って延在する注入通路126の軸)がシュラウド先端150の表面に沿って(例えば、概ね平行に)延在するように形成される。このようにして、蒸気作動流体118は、低減した流体抵抗、圧力損失、速度損失などでインペラ108に容易に導入され得る。例えば、シュラウド先端150は、出口ポート152において注入通路126の軸と概ね整列しているか、又はそれに対応する角度で形成され得る。更に、出口ポート152における注入通路126のシュラウド先端150との整列は、蒸気作動流体118がインペラ108及び主作動流体流路104に導入されるときの蒸気作動流体118とシュラウド130の外側シュラウド表面154との間の接触を緩和し得る。しかしながら、圧縮器32(例えば、インペラ108)の他の実施形態は、インペラ先端128及びディフューザ通路114の上流の蒸気作動流体118の導入を可能にするために、他の幾何学形状又は構成を有し得る。
【0032】
図示されたアイシール支持プレート122はまた、外側シュラウド表面154に向かって及び/又はそれに沿って蒸気作動流体118の流れを遮断し、出口ポート152に向かって、かつ主作動流体流路104の中(例えば、インペラ108の中)に蒸気作動流体118を案内し得る。例えば、アイシール支持プレート122は、アイシール支持プレート122と外側シュラウド表面154との間にチャンバ158を形成することができ、アイシール支持プレート122は、注入通路126からチャンバ158の中への蒸気作動流体118の流れを遮断し得るセグメント156(例えば、延在部、フランジ、突起)を含み得る。したがって、アイシール支持プレート122は、蒸気作動流体118を、注入通路126から(例えば、チャンバ158の中及び/又はチャンバ158内の代わりに)主作動流体流路104の中に直接流れるように誘導し得る。
【0033】
注入通路126及びシュラウド先端150の下流、作動流体と蒸気作動流体118との組み合わされた主流れ110は、ノズルベースプレート124(例えば、静止シュラウド)と、ディフューザ通路114に対してノズルベースプレート124に対向する圧縮器32のディフューザプレート159との間のディフューザ通路114に沿って流れ得る。したがって、図示された実施形態に示されるように、ノズルベースプレート124は、蒸気作動流体118が注入通路126を介してインペラ108の中に導入された後に作動流体及び蒸気作動流体118の組み合わされた主流れ110をディフューザ通路114に沿って案内するために、(例えば、作動流体の主流れ110の流れ方向に沿って)インペラ108のブレードの一部分と重なり得る。更に、ノズルベースプレート124は、シュラウド130の外形と整列し得る。例えば、ノズルベースプレート124の表面160は、シュラウド先端150に沿って(例えば、概ね平行に)延在し、注入通路126を通って、かつインペラ108の中(例えば、作動流体の主流れ110の中)への蒸気作動流体118の流れを中断することを回避し得る。したがって、ノズルベースプレート124は、蒸気作動流体118の流れに関連付けられた低減した流体抵抗、圧力損失、速度損失などによって蒸気作動流体118をインペラ108の中に案内することができる。ノズルベースプレート124のそのような形状はまた、ディフューザ通路114を通る作動流体の主流れ110の流れの中断を回避し得る。したがって、ノズルベースプレート124は、蒸気作動流体118及び/又は作動流体の主流れ110の流れを実質的に阻害することなく、蒸気作動流体118と作動流体の主流れ110との混合を可能にし得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、圧縮器32は、インペラ108に流入する蒸気作動流体118の制御を促進するために、1つ以上の追加の要素(例えば、弁、流れ制御装置、ディフューザリングなど)を更に含み得る。追加的又は代替的に、(例えば、インペラ108内の圧力レベルに対して)エコノマイザ102内の圧力レベルを制御して、インペラ108の中への蒸気作動流体118の流れ(例えば、流量)を調節することができる。例えば、インペラ108内の圧力レベルに対してエコノマイザ102内の圧力レベルを増加させることにより、作動流体流路100を通る蒸気作動流体118の流量を増加させることができる。例えば、圧縮器32の加圧、凝縮器34を介した作動流体の冷却、第1の膨張装置66の開口部などを制御及び/又は調整して、エコノマイザ102内の圧力レベルを制御し、インペラ108の中への蒸気作動流体118の流量を制御することができる。
【0035】
図7は、注入通路126を通る蒸気作動流体118の流れに対して、シュラウド先端150の上流及びそれに隣接する注入通路126内に配設されたベーン170(例えば、静止ベーン、回転前ベーン、誘導ベーン、案内ベーン)を有する圧縮器32の一実施形態の部分断面側面図である。図示された実施形態は、注入通路126内に位置決めされた1つのベーン170を示すが、圧縮器32は、注入通路126内に位置決めされた(例えば、インペラ108の周りに円周方向に配列された)多数のベーン170を含み得ることを理解されたい。ベーン170は、蒸気作動流体118を案内して主作動流体流路104に流入させ、蒸気作動流体118の、作動流体の主流れ110との改善された混合を更に可能にし得る。例えば、ベーン170は、インペラ108内の及びインペラ108によって吐出される(例えば、インペラ108のブレードによって駆動される)作動流体の主流れ110の流れ方向に近づくか、又はその流れ方向とより整列する流れ方向でインペラ108に入るように蒸気作動流体118を誘導することができる。特に、作動流体の主流れ110は、蒸気作動流体118と比較して、(例えば、インペラ108の回転軸に対して)径方向162に増加した速度を有し得る。したがって、ベーン170は、蒸気作動流体118をインペラ108の中に誘導して、径方向162とより整列した流れ方向に流れ得る。したがって、ベーン170は、異なる方向に流れる流体の混合によって引き起こされ得る、乱流、圧力損失、速度損失などの、組み合わされた蒸気作動流体118及び作動流体の主流れ110の望ましくない特性を低減し得る。したがって、ベーン170は、蒸気作動流体118と作動流体の主流れ110とのより効率的な(例えば、より均一な)流れ及び混合を可能にし得る。
【0036】
ベーン170は、ノズルベースプレート124に結合(例えば、固定して結合)することができ、ノズルベースプレート124からシュラウド130に向かって延在し得る。ベーン170は、ノズルベースプレート124に対して静止したままであり得、圧縮器32の動作中に、インペラ108(例えば、シュラウド130、インペラ108のブレード)は、ノズルベースプレート124に対して、したがって、ベーン170に対して回転し得る。ベーン170は、圧縮器32の動作中のインペラ108の動きへの干渉を回避するために、シュラウド130と接触する前に終端し得る。つまり、ベーン170は、ベーン170とシュラウド130との間に空間を形成して、ベーン170とシュラウド130との間の接触を緩和するために、シュラウド130からずれていてもよい。いくつかの実施形態では、ベーン170は、ノズルベースプレート124と一体的に形成され得る。追加的又は代替的な実施形態では、ベーン170は、ノズルベースプレート124とは別個の構成要素として形成することができ、したがって、締結具、溶接、接着剤などを用いて、ノズルベースプレート124に固定され得る。
【0037】
図8は、インペラ108を通る作動流体の主流れ110の流れ方向に対するインペラ先端128の上流のシュラウド先端150を示す、インペラ108の一実施形態の部分斜視図である。図示される実施形態では、ノズルベースプレート124の一部分は、蒸気作動流体118の流れをインペラ108の中に案内するように構成されたベーン170の形状をより良好に図示するために見えていない。示されるように、インペラ108は、インペラ108を通って延在する複数の流路184を画定するために、シュラウド130、インペラ先端128を画定するハブ部分180(例えば、ハブ)、及びハブ部分180とシュラウド130との間に延在する複数のブレード182を含む。ブレード182は、シュラウド130の外形内に収容され得る。つまり、ブレード182は、ハブ部分180からシュラウド130を越えて延在していなくてもよく、したがって、インペラ108の回転軸183に対してシュラウド130内に軸方向に収容され得る)。したがって、ブレード182は、流路184の中に誘導された蒸気作動流体118の流れを妨害しなくてもよい。追加的に、ブレード182の各々は、シュラウド先端150から延在して(例えば、径方向外向きに延在して)、機械的な力又はエネルギーを作動流体の主流れ110及び蒸気作動流体118に付与するためのブレード182の増加した表面積を提供し得る。結果として、ブレード182の各々は、流路184を介してインペラ108を通る作動流体の主流れ110の方向に対して、インペラ先端128に近接し、かつディフューザ通路114の上流に配設される、ブレード先端185を含み得る。このようにして、シュラウド先端150は、インペラ108を通る作動流体の主流れ110の方向に対して、ブレード182の各々のブレード先端185の上流に配設され得る。
【0038】
インペラ108を通って誘導された作動流体の主流れ110は、インペラ108が回転駆動されるときに、ハブ部分180、シュラウド130、及び複数のブレード182によって画定された複数の流路184を通って流れる。例えば、インペラ108は、回転方向186で(例えば、回転軸183の周りで)回転することができ、作動流体の主流れ110を、ハブ部分180の半径まで(例えば、ハブ部分180の円周に対して斜めに)横方向に延在する第1の流れ方向188に複数の流路184を通して流すことができる。つまり、作動流体の主流れ110は、複数の流路184を通って(例えば、ハブ部分180の円周に対して)少なくとも部分的に接線方向に流れ得る。例えば、回転方向186でのインペラ108の回転中に、作動流体の主流れ110がブレード182に対して衝突することにより、第1の流れ方向188に沿って作動流体の主流れ110の流れを駆動することができる。
【0039】
上で考察されるように、インペラ108は、エコノマイザ102から受容された蒸気作動流体118の、吸入口112を介して圧縮器32によって受容された作動流体の主流れ110との混合を可能にするように構成される。具体的には、シュラウド130は、インペラ108を通る作動流体の主流れ110の方向に対してインペラ先端128の上流にあるシュラウド先端150を含む。したがって、流路184の部分192は、少なくとも部分的に露出され(例えば、シュラウド130によって被覆されていないか、抑制されていないか、又は遮蔽されていないなど)、これにより、蒸気作動流体118が流路184に入り、ディフューザ通路114に隣接するインペラ先端128の上流の作動流体の主流れ110と混合することが可能になる。しかしながら、流路184の部分192の一部は、シュラウド先端150及び注入通路126の下流ではなく、インペラ先端128の上流(例えば、インペラ108を通る作動流体の主流れ110の方向に対して)で被覆され得ることに留意されたい。例えば、上で考察され、
図5~7に示されるように、ノズルベースプレート124は、部分192及びブレード182の一部を被覆して、組み合わされた蒸気作動流体118及び作動流体の主流れ110をディフューザ通路114を通して案内することができる。
【0040】
蒸気作動流体118は、上で考察されるように、注入通路126の出口ポート152と整列し得るシュラウド先端150に隣接する流路184に入ることができる。このようにして、エコノマイザ102からの蒸気作動流体118は、(例えば、インペラ先端128の圧力と比較して)より低い圧力で圧縮器32に入ることができ、これにより、エコノマイザ102のより低い圧力での動作が、HVAC&Rシステム10の改善された動作及び効率を達成することを可能にする。例えば、蒸気作動流体118が流路184に入る圧力は、圧縮器32の全揚力(例えば、吸入口112からディフューザ通路114の排出口又は出口までの圧力上昇)の約50パーセントであり得る。開示される実施形態及び技術はまた、単段圧縮器(例えば、圧縮器32)を有するHVAC&Rシステム10におけるエコノマイザ102の利用を可能にする。
【0041】
加えて、ベーン170は、蒸気作動流体118をインペラ先端128の下流及びブレード先端185の上流の流路184の中に誘導し得る。例えば、ベーン170は、注入通路126を通る蒸気作動流体118の流れに対して、流路184の部分192及び/又はシュラウド先端150の上流の蒸気作動流体118の流れ方向を調整して、作動流体の主流れ110とより容易かつ効率的に組み合わせることができる。例えば、各ベーン170の表面196は、蒸気作動流体118を第2の流れ方向194に流れるように案内して、蒸気作動流体118の流れ方向を作動流体の主流れ110の第1の流れ方向188とのより近い整列に向かって再誘導するか、又は第1の流れ方向188に近づけることができる。つまり、蒸気作動流体118の第2の流れ方向194は、ハブ部分180の半径に対して横方向であり得、作動流体の主流れ110の対応する第1の流れ方向188とより密接に整列し得る。したがって、作動流体の主流れ110及び蒸気作動流体118の流れは、より異なる方向に進行する作動流体の主流れ110及び蒸気作動流体118の流れに対して、より効率的に(例えば、減少した乱流、圧力損失、及び/又は速度損失で)流れ、混合され得る。実際、図示される実施形態では、作動流体の主流れ110と蒸気作動流体118とが組み合わされて混合される位置は、増加した均一性及び速度分布を有し得る。図示されたベーン170は、蒸気作動流体118を流路184の中に案内するための湾曲した形状を有する表面196を有するが、追加的又は代替的なベーン170は、第2の流れ方向194、又は第1の流れ方向188とより整列する他の好適な方向に流れるように蒸気作動流体118を調節し得る、線形形状などの任意の好適な形状を有する表面196を有し得る。更に、圧縮器32は、ブレード182よりも多くのベーン170、ブレード182よりも少ないブレード170、又はブレード182と同じ数のベーン170などの、任意の好適な数のベーン170を含み得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、(例えば、インペラ先端128に対する)シュラウド先端150の位置は、(例えば、エコノマイザ102の所望の動作圧力に基づいて)インペラ108の流路184に入る蒸気作動流体118の所望の圧力に基づいて選択され得る。更に、シュラウド先端150の構成又は形状は、蒸気作動流体118の他の所望の流れ特性に基づいて選択され得る。例えば、シュラウド先端150は、弓形、湾曲、尖形、主流れ110の方向に対して角度が付いたもの(例えば、40、45 50、55、又は60度)、U字形、又は任意の他の好適な形状であり得る表面198(例えば、径方向外側表面)を有し得る。実際、インペラ108は、蒸気作動流体118及び/又は作動流体の主流れ110の流れを容易にする任意の好適な形状又は構成を有し得る。
【0043】
本開示は、HVAC&Rシステムの動作に有用な1つ以上の技術的効果を提供し得る。例えば、HVAC&Rシステムは、圧縮器を含み得 吸入口から作動流体を受容し、圧縮器流路を介して作動流体を加圧するように構成されたインペラを含み得る。インペラはまた、作動流体をエコノマイザから受容し、作動流体をエコノマイザから圧縮器流路に誘導するように構成され得る。例えば、インペラは、インペラの一部分が被覆されていないように、インペラの先端の上流にある先端を有するシュラウドを含み得る。エコノマイザからの作動流体は、インペラの被覆されていない部分から圧縮器流路の中に誘導され、作動流体の残部と混合され得る。被覆されていない部分を介して、作動流体をエコノマイザから圧縮器流路の中に誘導することにより、インペラの先端の下流の作動流体の圧力よりも低い圧力などの所望の圧力で、作動流体を圧縮器流路に導入することができ、吸入口から圧縮器流路を通って流れる作動流体と、エコノマイザから圧縮器流路を通って流れる作動流体との間の混合を改善することができる。したがって、圧縮器の動作を改善することができる。本明細書における技術的効果及び技術的問題は、例であり、限定するものではない。本明細書に記載の実施形態は、他の技術的効果を有し得、他の技術的問題を解決し得ることに留意されたい。
【0044】
本実施形態の特定の特徴のみが本明細書に図示及び記載されているが、当業者には多くの修正及び変更が想到されるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨に収まる全てのそのような修正及び変更を網羅することが意図されていることを理解すべきである。更に、開示された実施形態の特定の要素は、互いに組み合わされ得るか、又は交換され得ることを理解されたい。
【0045】
本明細書に提示及び特許請求される技術は、本技術分野を明らかに改善する実用的な性質の材料物体及び具体的な例に参照及び適用され、したがって、抽象的、無形的、又は純粋に理論的ではない。更に、本明細書の最後に添付されたいずれかの特許請求の範囲が、「[機能]を[実行]するための手段」又は「[機能]を[実行]するためのステップ」として指定された1つ以上の要素を含む場合、そのような要素は、米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されるべきであることが意図される。しかしながら、他の様態で指定された要素を含むいずれかの特許請求の範囲については、そのような要素は、米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されるべきではないことが意図される。
〔態様1〕
暖房、換気、空調、及び冷房(HVAC&R)システムのための圧縮器であって、
インペラであって、
インペラ先端を画定するハブと、
前記ハブに結合された複数のブレードであって、通る作動流体の一次流れを誘導するように構成された複数の流路を画定する、複数のブレードと、
前記複数のブレードに結合されたシュラウドであって、前記複数の流路を通る前記作動流体の一次流れの流れ方向に対して前記インペラ先端の上流に配設されたシュラウド先端を備える、シュラウドと、を備える、インペラ、を備える、圧縮器。
〔態様2〕
間の通路を協働して画定する第1のプレート及び第2のプレートを備え、前記通路が、前記シュラウドの外部にあり、蒸気作動流体を前記複数の流路に誘導するように構成される、態様1に記載の圧縮器。
〔態様3〕
前記通路が、前記HVAC&Rシステムのエコノマイザから前記蒸気作動流体を受容するように構成される、態様2に記載の圧縮器。
〔態様4〕
前記通路が、前記複数の流路を通る前記作動流体の前記一次流れの前記流れ方向に対して前記蒸気作動流体を前記インペラ先端の上流の前記複数の流路に誘導するように構成された出口ポートを備える、態様2に記載の圧縮器。
〔態様5〕
前記第1のプレートが、前記第1のプレートと前記シュラウドとの間に形成されたチャンバの中への前記蒸気作動流体の流れを遮断するように構成された延在部を備える、態様2に記載の圧縮器。
〔態様6〕
前記通路が、環状通路を備える、態様2に記載の圧縮器。
〔態様7〕
前記通路に配設され、かつ前記蒸気作動流体を案内して前記複数の流路に流入させるように構成された、静止ベーンを備える、態様2に記載の圧縮器。
〔態様8〕
暖房、換気、空調、及び冷房(HVAC&R)システムのための圧縮器であって、
インペラであって、
第1の径方向先端を備えるハブと、
前記ハブから延在し、かつ通る作動流体の一次流れを誘導するように構成された複数の流路を画定する、複数のブレードと、
前記複数のブレードに結合され、かつ前記複数の流路を通る前記作動流体の一次流れの第1の流れ方向に対して前記ハブの前記第1の径方向先端の上流に配設された第2の径方向先端を備える、シュラウドと、を備える、インペラと、
圧縮器ハウジングであって、前記インペラが、前記圧縮器ハウジング内に配設され、前記圧縮器ハウジングが、通って延在し、かつエコノマイザから蒸気作動流体を受容し、前記蒸気作動流体を前記複数の流路に誘導するように構成された、作動流体流路を備える、圧縮器ハウジングと、
前記作動流体流路内に配設された複数のベーンであって、前記複数のベーンが、前記作動流体流路を通る前記蒸気作動流体の第2の流れ方向を調節するように構成される、複数のベーンと、を備える、圧縮器。
〔態様9〕
前記複数のベーンが、前記作動流体の一次流れの前記第1の流れ方向に近づくように、前記蒸気作動流体の前記第2の流れ方向を調節するように構成される、態様8に記載の圧縮器。
〔態様10〕
前記複数のブレードが、前記インペラの回転軸に対して前記シュラウド内に軸方向に収容される、態様8に記載の圧縮器。
〔態様11〕
前記複数のベーンの各ベーンが、前記シュラウドの前記第2の径方向先端に隣接して配設される、態様8に記載の圧縮器。
〔態様12〕
前記複数のベーンが、複数の静止ベーンを備え、前記インペラが、前記圧縮器の動作中に、前記複数のベーンに対して回転するように構成される、態様11に記載の圧縮器。
〔態様13〕
前記複数のベーンの各ベーンが、前記作動流体流路を通る前記蒸気作動流体の前記第2の流れ方向を調節するように構成された湾曲表面を備える、態様11に記載の圧縮器。
〔態様14〕
暖房、換気、空調、及び冷房(HVAC&R)システムのための圧縮器であって、
通って延在する蒸気作動流体流路を備えるハウジングであって、前記蒸気作動流体流路が、前記HVAC&Rシステムのエコノマイザから蒸気作動流体を受容するように構成される、ハウジングと、
前記ハウジング内に配設されたインペラであって、
通る作動流体の一次流れを誘導するように構成された複数の流路を画定する複数のブレードであって、前記複数のブレードの各ブレードが、第1の先端を備える、複数のブレードと、
前記複数のブレードに結合され、かつ前記複数の流路を通る前記作動流体の一次流れの流れ方向に対して前記複数のブレードの各ブレードの前記第1の先端の上流に配設された第2の先端を備える、シュラウドと、を備える、インペラと、
前記蒸気作動流体流路内に配設され、かつ前記シュラウドの前記第2の先端の上流の前記蒸気作動流体の流れ方向を調節し、前記蒸気作動流体を、前記シュラウドの前記第2の先端の下流、及び前記複数のブレードの各ブレードの前記第1の先端の上流の前記複数の流路に誘導するように構成された、静止ベーンと、を備える、圧縮器。
〔態様15〕
前記静止ベーンが、前記複数の流路を通る前記作動流体の前記一次流れの前記流れ方向に近づくように前記蒸気作動流体の前記流れ方向を調節するように構成される、態様14に記載の圧縮器。
〔態様16〕
前記圧縮器が、前記作動流体の一次流れを前記HVAC&Rシステムの蒸発器から受容するように構成される、態様14に記載の圧縮器。
〔態様17〕
前記ハウジング内に形成されたディフューザ通路を備え、前記複数のブレードの各ブレードの前記第1の先端が、前記複数の流路を通る前記作動流体の前記一次流れの前記流れ方向に対して前記ディフューザ通路の上流に配設される、態様14に記載の圧縮器。
〔態様18〕
前記蒸気作動流体流路が、前記インペラの周りに延在する環状通路を備える、態様14に記載の圧縮器。
〔態様19〕
前記静止ベーンが、前記蒸気作動流体を前記複数の流路に案内して前記蒸気作動流体の前記流れ方向を調節するように構成された、湾曲表面を備える、態様14に記載の圧縮器。
〔態様20〕
前記蒸気作動流体流路が、前記シュラウドの前記第2の先端に隣接して配設された出口ポートを備える、態様14に記載の圧縮器。