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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-20
(45)【発行日】2024-11-28
(54)【発明の名称】紙材によるパッケージング
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/10 20060101AFI20241121BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20241121BHJP
   B32B 29/00 20060101ALI20241121BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
B32B27/10
B65D65/40 D
B32B29/00
B32B27/00 H
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2023514923
(86)(22)【出願日】2021-09-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-05
(86)【国際出願番号】 EP2021074507
(87)【国際公開番号】W WO2022049289
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-04-11
(31)【優先権主張番号】102020123123.7
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】523075154
【氏名又は名称】マルチバク セップ ハーゲンミュラー エスイー アンド シーオー. ケージー
(73)【特許権者】
【識別番号】522327876
【氏名又は名称】コーラー イノベーション アンド テクノロジー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー イエンス
(72)【発明者】
【氏名】ロランド ラインハルト
(72)【発明者】
【氏名】シュルテ マリウス
(72)【発明者】
【氏名】ジューリシュ クラウス
(72)【発明者】
【氏名】カインド クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ホーファラー ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】フォール アリオシュ
【審査官】松岡 美和
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-068283(JP,A)
【文献】国際公開第2018/109448(WO,A1)
【文献】特開2020-121506(JP,A)
【文献】特開平08-230115(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0248076(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 27/00-27/43
B32B 29/00
B65D 65/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのパッケージング材の第1の部品(13)を備えるパッケージング(10)であって、前記パッケージング材の第1の部品(13)は、原紙(2)と、前記原紙(2)上に順番に重ねて適用された少なくとも3種のコーティング(3,4,5)とを有する塗工紙(1)を有し、前記少なくとも3種のコーティング(3,4,5)は、前記原紙(2)側から順番に、少なくとも1種の疎水性ポリマーを含む第1のバリア層(3)、少なくとも1種の親水性ポリマーを含む第2のバリア層(4)、および、少なくとも1種の疎水性ポリマーを含む第3のバリア層(5)を有し、気密に封止されており、少なくとも1種の無機顔料及び高分子バインダを含むプレコート(7)が、前記原紙(2)と前記第1のバリア層(3)との間に存在する、パッケージング。
【請求項2】
前記パッケージング(10)の内部空間(12)の雰囲気中の酸素含有量は、3%未満、または、60%超であることを特徴とする、請求項1に記載のパッケージング。
【請求項3】
前記パッケージング(10)の内部空間(12)の雰囲気中の酸素含有量は、2%未満、または、70%超であることを特徴とする、請求項1に記載のパッケージング。
【請求項4】
前記パッケージング(10)は、少なくとも1つのシーリングシーム(16)によって気密に封止されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のパッケージング。
【請求項5】
前記パッケージング(10)は、前記パッケージング材の第1の部品(13)のみを備え、前記パッケージング材の第1の部品(13)は自身にシールされていることを特徴とする、請求項4に記載のパッケージング。
【請求項6】
請求項4または5に記載のパッケージングの製造方法であって、
前記パッケージング(10)は、チューブバックパッケージングマシン、または、チャンバ式減圧パッケージングマシンで製造されることを特徴とする、製造方法
【請求項7】
前記パッケージングはパッケージング材の第2の部品(14)を備え、パッケージング材の前記第1の部品(13)および第2の部品(14)は互いにシールされていることを特徴とする、請求項4に記載のパッケージング。
【請求項8】
前記パッケージング材の第2の部品(14)は、プラスチック材料、特に熱成形プラスチック材料を含むことを特徴とする、請求項7に記載のパッケージング。
【請求項9】
前記パッケージング材の第2の部品(14)は原紙(2)と、前記原紙(2)上に順番に重ねて適用された少なくとも3種のコーティング(3,4,5)とを有する塗工紙(1)を備え、前記少なくとも3種のコーティング(3,4,5)は、前記原紙(2)側から順番に、少なくとも1種の疎水性ポリマーを含む第4のバリア層(3)、少なくとも1種の親水性ポリマーを含む第のバリア層(4)、および、少なくとも1種の疎水性ポリマーを含む第のバリア層(5)を有することを特徴とする、請求項7に記載のパッケージング。
【請求項10】
請求項4、7、8および9のいずれか一項に記載のパッケージングの製造方法であって、
前記パッケージング(10)は、トレイシーリングマシンまたは熱成形パッケージングマシンで製造されることを特徴とする、製造方法
【請求項11】
シーリング材層(6)であって、好ましくは少なくとも1種の熱可塑性ポリマーを含むシーリング材層(6)が、前記第3のバリア層(5)の上に存在することを特徴とする、請求項1~5、7~9のいずれか一項に記載のパッケージング。
【請求項12】
前記原紙(2)は、20~120g/m 坪量を有することを特徴とする、請求項1~5、7~9、11のいずれか一項に記載のパッケージング。
【請求項13】
前記原紙(2)は、40~100g/m の坪量を有することを特徴とする、請求項1~5、7~9、11~12のいずれか一項に記載のパッケージング。
【請求項14】
前記第1のバリア層(3)は、ポリアクリレートおよび/またはポリオレフィン系の少なくとも1種の疎水性ポリマーを含むことを特徴とする、請求項1~5、7~9、11~13のいずれか一項に記載のパッケージング。
【請求項15】
前記第2のバリア層(4)は、ポリビニルアルコール系の少なくも1種の親水性ポリマーを含むことを特徴とする、請求項1~5、7~9、11~14のいずれか一項に記載のパッケージング。
【請求項16】
前記第3のバリア層(5)は、ポリアクリレート、スチレンブタジエンコポリマーおよび/またはポリオレフィン系の少なくとも1種の疎水性ポリマーを含むことを特徴とする、請求項1~5、7~9、11~15のいずれか一項に記載のパッケージング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗工紙材を用いた、製品のパッケージングに関する。
【背景技術】
【0002】
パッケージングは通常、特にその保護もしくはより良好な取り扱いのための、物品もしくは製品のカバーまたは(部分的または完全な)包装材を示す。パッケージング材は、このようなパッケージングまたはパッケージングの一部を形成する材料を含む。
【0003】
パッケージング材は、例えば、紙、プラスチックおよび/または金属系のものであることが可能である。本発明は、紙系のパッケージング材に関する。
【0004】
原理上は、紙系パッケージング材の使用は周知である。しかしながら、これまでにおいては、酸化性で、水分を含む脂肪質の物品、特に食品の包装の好適であると共に、同時に、ハロゲン含有化合物を含まないか、または、外部に積層もしくは蒸着による紙コーティングマシンの適用が必要であるアルミニウム、Alおよび/またはSiOバリア層を含まない、繊維/紙系可撓性パッケージング材はまったく知られていない。
【0005】
従来のパッケージング材は度々、ポリ塩化ビニリデン(PVDC;ハロゲン含有)などの化合物を含有し、引裂き強度が不十分でパッケージング器具の運用に関して継続的に問題となり得、および、コーティング含有量が過度に高いために紙のリサイクル経路を介してリサイクルが出来ない。さらに、従来のパッケージング材は、水、水蒸気、酸素およびグリースの透過性が過度に高く、包装された製品の保管寿命が短くなってしまう。
WO2018/109448A1は、繊維材料(例えば紙)がガスバリアフィルム(任意に複数の層を含む)を有するパッケージの製造方法を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、生鮮食品のパッケージングに特に好適である向上したパッケージングを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1に記載のパッケージング、すなわち、気密性であると共に、少なくとも断面において、原紙と、その上に順番に重ねて適用された少なくとも3種のコーティングとを有する塗工紙を有するパッケージングにより解決され、ここで、少なくとも3種のコーティングは、原紙から順番に、少なくとも1種の疎水性ポリマーを含む第1のバリア層、少なくとも1種の親水性ポリマーを含む第2のバリア層、および、少なくとも1種の疎水性ポリマーを含む第3のバリア層を有する。
【0008】
このようにコーティングされた紙は、酸化性で、水分を含む脂肪質の物品、特に食品用のパッケージング材として特に好適であり、必要に応じて超音波または熱シーリングを適用することにより、パッケージングの製造に使用することも可能である。さらに、個々の層の間に粘着促進剤を不利なく施すことが可能であり、ハロゲン含有化合物、アルミニウム、Alおよび/またはSiO系のバリア層の存在は必要ない。
【0009】
このような塗工紙はまた、比較的容易に、および、低コーティング重量で製造可能である。
【0010】
以下において、「を含む」という用語は、「から構成される」をも包含するものとする。
【0011】
「疎水性」とは、水と混合できない物質を指す。「親水性」とは、水と混合可能である物質を指す。疎水性ポリマーは非極性ポリマーとも呼ばれ、親水性ポリマーは極性ポリマーとも呼ばれる。
【0012】
疎水性または親水性は、例えば、logP値により定義することが可能である。n-オクタノール/水分配係数Kow(オクタノール/水分配係数などの綴りもまた一般的であると共に正しい)は、当業者に公知である無次元の分配係数であり、これはn-オクタノールおよび水の二相系における化学物質の濃度比を示し、それ故、物質の疎水性または親水性の尺度である。logP値は、n-オクタノール-水分配係数Kowの十進対数である。以下が適用される。
【数1】

(式中、c Si=オクタノールを多く含む相中の化学物質の濃度であり、および、c Si=水を多く含む相中の化学物質の濃度である。)
【0013】
owは、物質がn-オクタノールなどの脂肪様溶剤中でより可溶性であれば1よりも大きく、水中でより可溶性であれば1未満である。従って、logPは、疎水性/親油性物質については正をとり、親水性/疎油性物質については負をとる。
【0014】
塗工紙の好ましい実施形態は以下に記載のとおりである。
-第1のバリア層が、親油性物質、ケロシン、特に硬質ケロシン、ワックス、特にマイクロクリスタリンワックス、植物油または脂肪系ワックス、動物油または脂肪系ワックス、植物性ワックス、動物ワックス、低分子量ポリオレフィン、ポリテルペン、および、その混合物からなる群から選択される物質を含有するか、これらから構成される塗工紙。
-第2のバリア層が、物質、特に疎水性物質の移行を低減または防止する塗工紙。
-第1のバリア層からまたはこれを介した、第3のバリア層へまたはこれを超えた物質、特に疎水性物質の移行が、低減または防止された塗工紙。
-第3のバリア層から、または、第3のバリア層を介した、第1のバリア層への、物質、特に疎水性物質の移行が防止されている塗工紙。
-親油性物質、ケロシン、特に硬質ケロシン、ワックス、特にマイクロクリスタリンワックス、植物油または脂肪系ワックス、動物油または脂肪系ワックス、植物性ワックス、動物ワックス、低分子量ポリオレフィン、ポリテルペン、および、その混合物からなる群から選択される物質の移行が、低減または防止されている塗工紙。
【0015】
これらの物質の移行は、特に、第2のバリア層に係る好適な種類および量の少なくとも1種の親水性ポリマーにより、低減または防止可能である。
【0016】
-第3のバリア層は、不可避または許容可能な不純物を除き、食料品との直接的な接触が許可されていない物質であって、特に、親油性物質、ケロシン、特に硬質ケロシン、ワックス、特にマイクロクリスタリンワックス、植物油または脂肪系ワックス、動物油または脂肪系ワックス、植物性ワックス、動物ワックス、低分子量ポリオレフィン、ポリテルペン、および、その混合物からなる群から選択される物質を含んでいない、塗工紙。
【0017】
硬質ケロシン、特に天然由来または合成のもの、マイクロクリスタリンワックス、低分子量ポリプロピレン、天然ワックス、低分子量ポリオレフィン、ポリテルペン、および、これらの混合物は、特にBfR XXV.2019年6月1日(Federal Institute for Risk Assessment of the Federal Ministry of Food and Agriculture Germany)または対応する版に定義されているものである。
【0018】
これにより、a)これらの物質の第3のバリア層への通過、および/または、第3のバリア層からの通過、特に接触材料へ通過、特に脂肪質の食品と接触している接触材料への通過が防止され、b)これらの物質の移行を低減もしくは防止することにより、層のバリア特性であって、特に第1、第2および/または第3のバリア層のバリア特性が、これらの物質の移行によって、維持され、または、他の方法で改変され、または、完全に喪失されることが防止され、c)接触材料由来の物質が第1のバリア層に移行し、および/または、その結果として第1のバリア層が改変されることが防止される。
【0019】
塗工紙において用いられる原紙は、原則として限定されない。「原紙」という用語は、厚紙または板紙を含むあらゆるの紙材を包含する。
【0020】
原紙は、20~120g/m、好ましくは40~100g/mの坪量を有することが好ましい。
【0021】
紙は、10~80%、好ましくは20~50%の長繊維含有量、および、20~90重量%、好ましくは50~80重量%の短繊維含有量の組成を有することがさらに好ましい。
【0022】
長繊維は2.6~4.4mmの繊維長を有する繊維を意味し、短繊維は0.7~2.2mmの繊維長を有する繊維を意味する。
【0023】
加えて、例えば商品名Hydrocarb 60またはHydroplex 60で知られるGCC、例えば商品名PreCarb 105で知られるPCC、天然カオリンおよび/またはタルク、ならびに、保持剤および/またはサイジング剤などの通常の助剤などの充填材が、0~20%、好ましくは0~5%で存在していてもよい。
【0024】
このような原紙の利点は、一方では、その高い柔軟性であると共に、他方では、既存のパッケージング器具におけるその良好な加工性、高い機械適合性の維持、および、必要な耐穿刺性の達成である。
【0025】
酸素の透過に対する塗工紙のバリア効果のために、本発明に係るパッケージングは、特に酸化されやすい製品、または、保管寿命を延ばすために、特に酸素含有量の高い雰囲気下で特定的に包装された製品のパッケージングに関して特に有利である。この両方の事例においては、パッケージングは、比較的長い期間にわたって、パッケージングの環境に対して酸素濃度の高い勾配を維持することが可能であることが共通している。このため、パッケージングの内部空間雰囲気中の酸素含有量がきわめて低い場合、例えば、3%未満、もしくは、さらには2%以下である場合、または、反対に、パッケージングの内部空間雰囲気中の酸素含有量がきわめて高い場合、例えば、60%超、もしくは、さらには70%以上である場合に、本パッケージングは特に好適である。この範囲は共に、典型的には約20.95%である一般的な大気中における酸素含有量とはかなり異なっている。
【0026】
ガスの透過に対するバリア効果を支持するために、パッケージングは、少なくとも1つのシーリングシームによって気密に封止されることが好ましい。パッケージング材は、このシーリングシームで互いに結合されている。
【0027】
第1の変形では、パッケージングがパッケージング材の第1の部品のみを備えると共に、パッケージング材の第1の部品が、例えばパッケージング材の部品がそれ自体に対して折り返された後に、自身にシールされている。例えば、チューブバックパッケージングマシンまたはチャンバ式減圧パッケージングマシン(いわゆるチャンバベルトマシンを含む)で製造可能であるこれらのパッケージングは、必要とされるシーリングシームが特に少ないために特に製造が容易である。
【0028】
第2の実施形態においては、パッケージングは、パッケージング材の第1の部品に追加してパッケージング材の第2の部品を備え、ここで、パッケージング材の2つの部品は互いにシールされている。これにより、パッケージング材の第2の部品は、プラスチック製材料、特に熱成形プラスチック製材料(ポリウレタン、PUなど)を含んでいることが可能である。あるいは、パッケージング材の第2の部品は、パッケージング材の第1の部品と同一の塗工紙を有する。
【0029】
パッケージング材の第1の部品および第2の部品を備える変形例のパッケージングは、例えば、トレイシーリングマシン(トレイシーラ)または熱成形パッケージングマシンで製造され得る。この点に関して、塗工紙を有するパッケージング材の第1の部品は、トレイとして、または、トレイを封止するための蓋として用いられることが可能である。
【0030】
好ましくは、パッケージング材の第1の部品において、または、パッケージング材の第2の部品において(存在する場合)、原紙のコーティングが設けられている側が、パッケージングの内部に向いている。あるいは、しかしながら、原紙のコーティングが適用されている側が、パッケージングの内部とは反対側を向いていることも想定される。
【0031】
第1のバリア層は少なくとも1種の疎水性ポリマーを含む。このバリア層は、好ましくは、水蒸気に対するバリア層とされ、それ故、包装された製品を乾燥から保護する。バリア層はまた、親水性バリアは乾燥状態でのみ完全な効果を発揮可能であるため、親水性バリアを水分から保護するためのものとされる。
【0032】
少なくとも1種の疎水性ポリマーは、好ましくは、ポリアクリレートおよび/またはポリオレフィン系ポリマーを含む。好適なポリマーは、特にポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルアリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリ(n-、イソ-、tert.-)ブチルアクリレート、ポリ(n-、イソ-、tert)ブチルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリエチルヘキシルアクリレート、ならびに、これらのコポリマー、グラフトポリマー、および、スチレン、アクリロニトリル、メチルスチレンまたはビニルトルエンとのコポリマー、スチレン-ブタジエンコポリマー)、ポリ酢酸ビニル(また、部分的に鹸化されたもの)、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエチレンイミンおよび/またはポリビニルアミドである。
【0033】
疎水性ポリマーに追加して、ワックスが存在していてもよい。好適なワックスとしては、ケロシン、または、総称して「ワックス」と呼ばれる短鎖~中鎖炭化水素化合物の天然混合物もしくは純粋な物質などの化合物が挙げられる。好適なワックスは、例えば、ヘンエイコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、ペンタコサン、ヘキサコサン、ヘプタコサン、オクタコサン、ノナコサン、トリアコンタン、ヘントリアコンタン、ドトリアコンタン、トリトリアコンタン、テトラトリアコンタン、ペンタトリアコンタン、ヘキサトリアコンタン、ヘプタトリアコンタン、オクタトリアコンタン、ノナトリアコンタン;モンタンワックス、天然ワックス(カルナウバワックス、蜜蝋、カンデリラワックス)、植物油および動物油または脂肪の水素化または部分水素化によって生成されるワックス、ならびに、例えばステアリン酸Caなどの金属セッケンである。
【0034】
好適なポリマーおよびポリマー/ワックスブレンドは、特に商品名CHT Coat 230、Vapor Coat 2200、Vapor Coat 1300、BimBA 8510、BimBA 8888、Cartaseal VWF、Cartaseal SWF、Sealcoat SL251、Rhobarr 320、B-Coat SP1、B-Coat WB 100、B-Coat 50/3、Chemipearl S300、Ultraseal W-951、Ultraseal W-952、Ukaphob HR 530、Induprint SE 2555、Wukoseal 630、Extomine BG-EM 52%、EurikaCoat 3624、Aquacer 1061、および、Epotal SP 106で公知である。
【0035】
少なくとも1種の疎水性ポリマーは、第1のバリア層の総重量に基づいて、1~100重量%、より好ましくは50~99.5重量%または50~100重量%の量で第1のバリア層中に存在していることが好ましい。
【0036】
好ましくは、第1のバリア層は全体として疎水性である。
【0037】
第1のバリア層はさらに、増粘剤、例えば、アクリレート系増粘剤、界面活性剤、例えば、スルホスクシネート、伸長レオロジー助剤、例えば、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ならびに/または、アルデヒドおよび多価アルデヒド、ジルコネート、多価エポキシド、エピクロロヒドリン樹脂および/もしくはヒドラジドなどの架橋剤などの添加剤を含み得る。
【0038】
これらの添加剤は各々、好ましくは、第1のバリア層の総重量に基づいて0.1~1重量%の量で存在する。
【0039】
第1のバリア層の適用量は、好ましくは1~20g/m、および、特に好ましくは5~10g/mである。この量は、最終製品中の乾燥した第1のバリア層に係るものを指す。
【0040】
第2のバリア層は少なくとも1種の親水性ポリマーを含む。このバリア層は、好ましくは、酸素に対するバリア層とされ、それ故、包装された製品を酸化から保護する。
【0041】
親水性ポリマーは、好ましくは、ポリビニルアルコール系ポリマーを含む。好適なポリマーとしては、特に、ビニルアルコール系ポリマー、または、エチレンおよびビニルアルコールのコポリマーが挙げられる。
【0042】
好適なポリマーは、特に商品名Exceval AQ 4104、Exceval HR 3010、Sealcoat HS 25、および、MichemFlexB 1001で公知である。
【0043】
少なくとも1種の疎水性ポリマーは、第2のバリア層の総重量に基づいて、1~100重量%、より好ましくは50~99.5重量%または50~100重量%の量で第2のバリア層中に存在していることが好ましい。
【0044】
好ましくは、第2のバリア層は全体として親水性である。
【0045】
第2のバリア層はさらに、増粘剤、例えばアクリレート系増粘剤、界面活性剤、例えばスルホスクシネート、伸長レオロジー助剤、例えばアクリレート系伸長レオロジー助剤、ならびに/または、アルデヒドおよび多価アルデヒド、ジルコネート、多価エポキシド、エピクロロヒドリン樹脂および/もしくはヒドラジドなどの架橋剤などの添加剤を含み得る。
【0046】
これらの添加剤は各々、好ましくは、第2のバリア層の総重量に基づいて0.1~1重量%の量で存在する。
【0047】
第2のバリア層の適用量は、好ましくは1~20g/m、および、特に好ましくは1~10g/mである。この量は、最終製品中の乾燥した第2のバリア層に係るものを指す。
【0048】
第3のバリア層は少なくとも1種の疎水性ポリマーを含む。このバリア層は、好ましくは、水蒸気に対するバリア層とされ、それ故、包装された製品を乾燥から保護する。
【0049】
第3のバリア層に含まれる少なくとも1種の疎水性ポリマーは、結果として層がシール可能となるよう熱可塑性ポリマーであることが好ましい。
【0050】
「シーリング」は、好ましくは、塗工紙の2つの層を、局所的な加熱(「ヒートシーリング」)または超音波による結合することを意味すると理解される。
【0051】
少なくとも1種の疎水性ポリマーは、好ましくは、ポリアクリレートおよび/またはポリオレフィン系ポリマーを含む。好適なポリマーはまた、特に、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルアリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリ(n-、イソ-、tert.-)ブチルアクリレート、ポリ(n-、イソ-、tert)ブチルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリエチルヘキシルアクリレート、ならびに、これらのコポリマー、グラフトポリマー、および、スチレン、アクリロニトリル、メチルスチレンまたはビニルトルエンとのコポリマー、スチレン-ブタジエンコポリマー)、ポリ酢酸ビニル(また、部分的に鹸化されたもの)、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエチレンイミンおよび/またはポリビニルアミドである。
【0052】
疎水性ポリマーに追加して、ワックスが存在していてもよい。好適なワックスとしては、ケロシン、または、総称して「ワックス」と呼ばれる短鎖~中鎖炭化水素化合物の天然混合物もしくは純粋な物質などの化合物が挙げられる。好適なワックスは、例えば、ヘンエイコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、ペンタコサン、ヘキサコサン、ヘプタコサン、オクタコサン、ノナコサン、トリアコンタン、ヘントリアコンタン、ドトリアコンタン、トリトリアコンタン、テトラトリアコンタン、ペンタトリアコンタン、ヘキサトリアコンタン、ヘプタトリアコンタン、オクタトリアコンタン、ノナトリアコンタン;モンタンワックス、天然ワックス(カルナウバワックス、蜜蝋、カンデリラワックス)、植物油および動物油または脂肪の水素化または部分水素化によって生成されるワックス、ならびに、例えばステアリン酸Caなどの金属セッケンである。
【0053】
好適なポリマーおよびポリマー/ワックスブレンドは特に商品名Vapor Coat 1300、BimBA 8888、Cartaseal SWF、Sealcoat SL251、Rhobarr 320、B-Coat SP1、B-Coat WB 100、B-Coat 50/3、Chemipearl S300、Ultraseal W-951、Ultraseal W-952、Wukoseal 630、EurikaCoat 3624、および、Epotal SP 106で公知である。
【0054】
少なくとも1種の疎水性ポリマーは、第3のバリア層の総重量に基づいて、1~100重量%、より好ましくは50~100重量%または50~99.5重量%の量で第3のバリア層中に存在していることが好ましい。
【0055】
好ましくは、第3のバリア層は全体として疎水性である。
【0056】
第3のバリア層はさらに、例えばアクリレート系増粘剤といった増粘剤、例えばスルホスクシネートといった界面活性剤、例えばアクリレート系伸長レオロジー助剤といった伸長レオロジー助剤、例えば脂肪酸または脂肪酸アミド系ワックスといったワックス、層状ケイ酸塩、特にケイ酸マグネシウム水和物またはアルミノケイ酸塩などの摩耗に対する感受性を低減すると共にすべりをよくするための添加剤、ならびに/または、アルデヒドおよび多価アルデヒド、ジルコネート、多価エポキシド、エピクロロヒドリン樹脂および/またはヒドラジドなどの架橋剤などの添加剤を含み得る。
【0057】
これらの添加剤は各々、好ましくは、第3のバリア層の総重量に基づいて、0~50重量%、好ましくは0~30重量%の量で存在する。
【0058】
第3のバリア層の適用量は、好ましくは1~20g/m、および、特に好ましくは5~10g/mである。この量は、最終製品中の乾燥した第3のバリア層に係るものを指す。
【0059】
特定の実施形態において、包装された製品が脂肪ならびに水を含有する場合、第3のバリア層は、脂肪質食料品との接触が承認された微量である場合を除いて、低分子量脂溶性成分を含有しているべきではない。これにより、水蒸気バリアの向上にはワックスが使用できず、ワックスを伴うことなく許容可能な水蒸気バリアを形成し、且つ、理想的にはヒートシール可能であるポリマー系を採用する必要がある。エチレンとアクリル酸および他のエチレン性不飽和カルボン酸などの非極性モノマーのコポリマーは、水蒸気バリアに追加して一定の脂肪バリアをも有し、この目的に好適である。周知の製品としては、Cartaseal SWF、Wukoseal 630、および、Sealcoat SL 251が挙げられる。けれども、酸素、グリースおよび鉱油バリアとしての機能を有する第2のバリア層が、通常は強い非極性特性を有するワックスに対しても優れたバリアを形成するため、第1のバリア層はワックスを含有していてもよい。
【0060】
本発明に係る塗工紙の好ましい実施形態において、少なくとも1種の無機顔料および高分子バインダを含むプレコートは、原紙と第1のバリア層との間に存在する。
【0061】
無機顔料は、特にケイ酸塩、好ましくは層状ケイ酸塩、および、きわめて好ましくはカオリンを含む。
【0062】
高分子バインダは、好ましくは、ポリアクリレート系高分子バインダを含む。
【0063】
好適なポリマーバインダは、特に、アクリレート系またはスチレン/ブタジエン系バインダを含む。原理上は、紙産業において、顔料コーティングにバインダとして使用可能であるすべてのポリマーが好適である。デンプン系バインダもまた可能である。
【0064】
好適なポリマーバインダは、特に、商品名Acronal 305S、Ligos K 4079、Acronal S 728、XZ94346.01、XZ94346.00で公知である。
【0065】
プレコートは、好ましくは、1~70重量%、好ましくは5~50重量%の高分子バインダを含有する。この量は、最終製品中の乾燥プレコートを指す。
【0066】
プレコートはさらに、好ましくは、50~95重量%、好ましくは80~90重量%の無機顔料を含有する。この量は、最終製品中の乾燥プレコートを指す。
【0067】
加えて、プレコートは、例えばアクリレート系増粘剤といった増粘剤、界面活性剤および/またはレオロジー変性剤などの添加剤を含有し得る。架橋剤の使用もまた考えられる。好ましくは、プレコートはジルコニウム系架橋剤を含有し、それ自身がホルムアルデヒドと架橋する。
【0068】
これらの添加剤は各々、好ましくは、0~2重量%の量で存在する。この量は、最終製品中の乾燥プレコートを指す。
【0069】
プレコートの適用量は、好ましくは、1~10g/m、および、特に好ましくは2~6g/mである。この量は、最終製品中の乾燥プレコートを指す。
【0070】
このようなプレコート(プライマーとも呼ぶ)が適用される場合、これは、紙の表面がシールされて、その上にコーティングされるさらなるバリア層が紙の中に移行しないという利点を有する。さらに、このプレコートは、コーティングされたバリア層が最適に形成可能であるよう、原紙の平均粗度深さを低減すると共に、適用面積および定義された表面エネルギーによって特徴付けられる有利な耐久性をもたらす。加えて、プレコートは原紙とバリア層との間に層間密着力をもたらし、これはその後のシーリングの適用に重要であり得る。
【0071】
他の好ましい実施形態において、塗工紙は、少なくとも1種の熱可塑性ポリマーを含むシーリング材層が第3のバリア層上に存在することを特徴とする。
【0072】
このようなシーリング材層は、第3のバリア層中の少なくとも1種の疎水性ポリマーが熱可塑性ポリマーを含まない、すなわち、ヒートシール可能ではない場合に特に有用である。
【0073】
シーリング材層は、好ましくは、ポリアクリレート、スチレン/ブタジエンコポリマーおよび/またはポリオレフィン系熱可塑性ポリマーを含む。
【0074】
好適なポリマーとしては、特に、アクリレート、ポリメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルアリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリ(n-、イソ-、tert.-)ブチルアクリレート、ポリ(n-、イソ-、tert)ブチルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリエチルヘキシルアクリレート、ならびに、これらのコポリマー、グラフトポリマー、および、スチレン、アクリロニトリル、メチルスチレンおよび/またはビニルトルエンとのコポリマーが挙げられる。
【0075】
好適なポリマーは、特に、商品名Vapor Coat 1300、BimBA 8888、Cartaseal SWF、Rhobarr 320、B-Coat WB 100、B-Coat 50/3、Chemipearl S300、Ultraseal W-952、Wukoseal 630、EurikaCoat 3624、Epotal SP 106、Hypod 2000、Extomine BS-OF 40%、Aquaseal X2200、Cartaseal SCR、CHT Coat 8080、Sealcoat MB46HE、および、Extomine BG-EM 48%で公知である。
【0076】
シーリング材層中の少なくとも1種の熱可塑性ポリマーは、シーリング材層の総重量に基づいて、1~100重量%、より好ましくは70~100重量%または70~99.5重量%の量で存在していることが好ましい。
【0077】
シーリング材層はさらに、例えばアクリレート系増粘剤といった増粘剤、例えばスルホスクシネートといった界面活性剤、例えばアクリレート系伸長レオロジー助剤といった伸長レオロジー助剤、ワックス、層状ケイ酸塩、特にケイ酸マグネシウム水和物もしくはアルミノケイ酸塩などの摩耗に対する感受性を低減すると共にすべりをよくする添加剤、および/または、架橋剤などの添加剤を含有し得る。
【0078】
これらの添加剤は各々、シーリング材層の総重量に基づいて、0~50重量%、好ましくは0~30重量%の量で存在することが好ましい。
【0079】
シーリング材層の適用量は、好ましくは1~10g/m、および、特に好ましくは1~5g/mである。この量は、最終製品における乾燥したシーリング材層に係るものを指す。
【0080】
以下において、図面を参照して、本発明の実施形態をより詳細に説明する。図面においては以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0081】
図1図1は、本発明に用いられる塗工紙の断面を示す。
図2図2は、本発明に係るパッケージングの第1の実施形態を示す。
図3図3は、本発明に係るパッケージングの第2の実施形態を示す。
図4図4は、本発明に係るパッケージングの第3の態様を示す。
図5図5は、本発明に係るパッケージングの第4の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0082】
図1は、本発明において用いられる塗工紙1の断面の断面図を示す。紙1は、例えば20~120g/mの坪量を有する紙材、または、厚紙または板紙などのより強固な紙材といった、原紙2を含む。少なくとも3種の異なるコーティングが原紙上において順番に重ねて設けられており、これらは、形成された順番に、初めに原紙2、第1のバリア層3、第2のバリア層4および第3のバリア層5である。ここで、第1のバリア層3は少なくとも1種の疎水性ポリマーを含み、一方で、第2のバリア層4は少なくとも1種の親水性ポリマーを有し、第3のバリア層5も少なくとも1種の疎水性ポリマーを含む。任意により、図1は第3のバリア層5の上にシーリング材層6を追加的に設けることが可能であることを示しており、これは、圧力および/または熱の影響下で溶融可能であり、および、特に、少なくとも1種の熱可塑性ポリマーを含んでいることが可能である。また、原紙2と第1のバリア層3との間にはプレコート7が任意に存在していても良く、これは、無機顔料および高分子バインダを含んでいてもよい。
【0083】
図2は、本発明に係るパッケージング10の第1の実施形態を水平断面で示す。生鮮食料品製品などの製品11が、パッケージング10の内部12に入れられている。
【0084】
パッケージング10は、この実施形態においてパッケージング10の蓋を形成するパッケージング材の第1の部品13を有する。パッケージング材の第1の部品13は、図1に相当する塗工紙1を備えるか、これから構成される。塗工紙1の原紙2側が、パッケージング10の内部12と反対側とされている。
【0085】
パッケージング10はさらに、パッケージング材の第2の部品14を備える。パッケージング材の第2の部品14は、熱成形されたプラスチック材料製のトレイであり得る。
【0086】
パッケージング材の第1および第2の部品13,14は、パッケージング10の縁部15に沿って延在するシーリングシーム16によって相互に接合されている。シーリングシーム16は外周であると共に気密であり、従って、パッケージング10全体もまた気密とされている(すなわち、気密封止シールされている)。
【0087】
パッケージング10の内部12は、排気されているか、または、置換ガス(または、置換ガスの混合物)がガス封入されて、これにより、内部12の雰囲気における酸素含有量が3%未満または60%超とされていてもよい。
【0088】
図3は、本発明に係るパッケージング10の第2の実施形態を示す。このパッケージング10もまた、シーリングシーム16によって相互にシールされている、パッケージング材の第1の部品13およびパッケージング材の第2の部品14を有する。パッケージング10はそれ故、気密にシールされている。パッケージング材13,14の2つの部品の少なくとも一方は塗工紙1である。また、図2に示す実施形態例のとおり、パッケージング10の内部12における酸素含有量は、3%未満、または、60%超であることが可能である。
【0089】
図4は本発明に係るパッケージング10の第3の態様を示し、ここでは、チャンバ式減圧パッケージングマシンまたはチャンバベルトマシンで製造可能なポーチの形態である。図4に示されているパッケージング10は、第3のバリア層5またはシーリング材層6が内側となるよう折り返された単一のパッケージング材13で形成されている。バックの首部分におけるシーリングシーム16により、パッケージング10は気密にシールされる。また、パッケージング10の内部12における酸素含有量は、3%未満、または、60%超であることが可能である。
【0090】
最後に、図5は、本発明に係るパッケージングの第4の実施形態を示す。このパッケージング10の形態は、例えば、チューブバックパッケージングマシンで製造可能である。図5に示されているパッケージング10は、各々が図1に示されている塗工紙1であるパッケージング材の第1および第2の部品13,14を有する。あるいは、図5に示されているパッケージング10は、折り返された単一のパッケージング材の第1の部品13のみを備える。シーリングシーム16は、パッケージング10に気密シールを形成する。
【0091】
特に、パッケージングに用いられる塗工紙は、(個々に、または、重複的に)以下の特徴を有することが可能である。
-第1のバリア層は、親油性物質、ケロシン、特に硬質ケロシン、ワックス、特にマイクロクリスタリンワックス、植物油または脂肪系ワックス、動物油または脂肪系ワックス、植物ワックス、動物ワックス、低分子量ポリオレフィン、ポリテルペン、および、その混合物からなる群から選択される物質を含有するか、これらから構成される。
-第2のバリア層は、物質、特に疎水性物質の移行を低減または防止する。
-第1のバリア層からまたはこれを介した、第3のバリア層へまたはこれを超えた物質、特に疎水性物質の移行が低減または防止される。
-第3のバリア層から、または、第3のバリア層を介した、第1のバリア層への、物質、特に疎水性物質の移行が防止される。
-親油性物質、ケロシン、特に硬質ケロシン、ワックス、特にマイクロクリスタリンワックス、植物油または脂肪系ワックス、動物油または脂肪系ワックス、植物ワックス、動物ワックス、低分子量ポリオレフィン、ポリテルペン、および、その混合物からなる群から選択される物質の移行が、低減または防止される。
-第3のバリア層は、不可避または許容可能な不純物を除き、食料品との直接的な接触が許可されていない物質であって、特に親油性物質、ケロシン、特に硬質ケロシン、ワックス、特にマイクロクリスタリンワックス、植物油または脂肪系ワックス、動物油または脂肪系ワックス、植物ワックス、動物ワックス、低分子量ポリオレフィン、ポリテルペン、および、その混合物からなる群から選択される物質を含まない。
【0092】
パッケージングは、好ましくは、食用脂肪または油および/または脂肪を含有する食料品の包装に使用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5