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特許7591658プロファイルクランプ、フランジ接続、およびそれを備えたターボチャージャ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-20
(45)【発行日】2024-11-28
(54)【発明の名称】プロファイルクランプ、フランジ接続、およびそれを備えたターボチャージャ
(51)【国際特許分類】
   F16L 23/08 20060101AFI20241121BHJP
   F02B 39/00 20060101ALI20241121BHJP
   F16B 2/08 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
F16L23/08
F02B39/00 Z
F16B2/08 H
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023535942
(86)(22)【出願日】2022-01-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 EP2022050193
(87)【国際公開番号】W WO2022167168
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2023-06-13
(31)【優先権主張番号】102021102524.9
(32)【優先日】2021-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591044393
【氏名又は名称】ノルマ ジャーマニー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】オプラスティル,ユリウス
(72)【発明者】
【氏名】ポリヴィカ, ルドルフ
(72)【発明者】
【氏名】ドレザル, ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】ポレスカ, ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】ズカール, ジリ
(72)【発明者】
【氏名】レプカ, マーティン
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-532953(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 23/08
F02B 39/00
F16B 2/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランプ中心(Z)を中心に周方向(U)に延び、かつ、クランプ要素(5)によって互いに接続される2つのクランプヘッド(3,4)を有するプロファイルストリップ(2)を備え、該プロファイルストリップ(2)の内側(I)に、前記周方向(U)に延びるプロファイル溝(10)が形成され、かつ、溝フランク(12,13)の間の少なくとも一部に配置されたプロファイルストリップベース(11)を有し、
前記プロファイルストリップ(2)の前記内側(I)に、
a)前記プロファイル溝(10)内に突出し、かつ/または、
b)前記プロファイルストリップベース(11)から前記クランプ中心(Z)の方向に突出する固定機能部(20)を備え
前記プロファイルストリップ(2)が、2つの前記クランプヘッド(3,4)を包含して一体的に形成され、
前記固定機能部(20)が、前記プロファイルストリップ(2)と一体的に形成されているプロファイルクランプ(1)。
【請求項2】
前記固定機能部(20)が、前記プロファイル溝(10)内に、かつ/または、前記プロファイルストリップベース(11)から前記クランプ中心(Z)の方向に突出する第1固定ピン(21)を有する請求項1に記載のプロファイルクランプ(1)。
【請求項3】
前記固定機能部(20)が、前記プロファイル溝(10)内に、かつ/または、前記プロファイルストリップベース(11)から前記クランプ中心(Z)の方向に突出する第2固定ピン(22)を有し、
該第2固定ピン(22)が、
a)前記周方向(U)に前記第1固定ピン(21)に対してオフセットし、かつ/または、
b)前記周方向(U)に対して横方向に延びる前記プロファイルクランプ(1)の長手方向に前記第1固定ピン(21)に対してオフセットしている請求項2に記載のプロファイルクランプ(1)。
【請求項4】
前記第1固定ピン(21)および/または前記第2固定ピン(22)が、ボルト、ピン、ペグ、歯、櫛歯、マンドレルおよびカムのグループからのものである請求項3に記載のプロファイルクランプ(1)。
【請求項5】
前記プロファイルストリップ(2)が金属板を成形することによって製造される請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプロファイルクランプ(1)。
【請求項6】
前記固定機能部(20)が、前記溝フランク(12,13)の間の前記プロファイルストリップベース(11)から突出している請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のプロファイルクランプ(1)。
【請求項7】
前記溝フランク(12,13)が、プロファイルストリップベース(11)の橋渡し部分(14)の領域において中断され、
前記固定機能部(20)が、前記橋渡し部分(14)の領域において前記クランプ中心(Z)の方向に前記プロファイルストリップベース(11)から突出している請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のプロファイルクランプ(1)。
【請求項8】
長手方向(L)に互いに対向して配置される第1構成要素フランジ(51)と第2構成要素フランジ(52)とを備え、
前記第1および前記第2構成要素フランジ(51,52)が、それぞれ、凹部(53,54)を備え、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のプロファイルクランプ(1)が、2つの前記構成要素フランジ(51,52)を一緒にクランプし、前記固定機能部(20)が、2つの前記凹部(53,54)に突出し、それによって、前記第1および第2構成要素フランジ(51,52)間の捻りを防止するフランジ接続(50)。
【請求項9】
前記第1および第2構成要素フランジ(51,52)の前記凹部(53,54)が、互いに対向して配置され、共に径方向外側に向いた挿入口(56)を形成する固定凹部(55)を形成し、
前記固定機能部(20)が、前記固定凹部(55)内に突出し、それによって、前記第1および第2構成要素フランジ(51,52)の前記凹部(53,54)内に延びて捻りを防止する請求項8に記載のフランジ接続(50)。
【請求項10】
前記凹部(53,54)は、前記クランプ中心(Z)の方を向いた該凹部(53,54)の凹部基部(57,58)と前記固定機能部(20)とが、互いに間隔をあけて配置されるように十分に深く形成されている請求項8または請求項9に記載のフランジ接続(50)。
【請求項11】
前記凹部(53,54)は、前記長手方向(L)に向く該凹部(53,54)の凹部壁(59,60)と前記固定機能部(20)とが互いに間隔をあけて配置されるように十分に広く設計されている請求項8から請求項10のいずれか1項に記載のフランジ接続(50)。
【請求項12】
前記固定機能部(20)が、前記凹部(53,54)内において前記周方向(U)に遊びを有する請求項8から請求項11のいずれか1項に記載のフランジ接続(50)。
【請求項13】
前記第1構成要素フランジ(51)および前記第2構成要素フランジ(52)が、それぞれ、タービンケーシング(71)、オプションの中間ケーシングおよびコンシューマケーシング(72)からなるグループの構成要素に形成され、
駆動軸(73)が、前記タービンケーシング(71)から前記フランジ接続(50)を通って前記コンシューマケーシング(72)内まで延び、前記駆動軸(73)が、前記タービンケーシング(71)内のタービンホイール(74)によって駆動され、かつ、前記駆動軸(73)が、前記コンシューマケーシング(72)内のコンシューマ(75)を駆動する請求項8から請求項12のいずれか1項に記載のフランジ接続(50)を備えたターボチャージャ(70)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文によるプロファイルクランプ、請求項8によるそれを構成するフランジ接続、および請求項13によるそのようなフランジ接続を備えるターボチャージャに関する。
【0002】
プロファイルクランプは、例えば、径方向外向きのフランジを備えた2つのパイプ端、または2つのハウジングを液密に接続するために使用することができる。ここで、フランジは互いに相対的に配置され、プロファイルクランプは、クランプ可能な分割されたプロファイルストリップでフランジに配置される。フランジは、プロファイルクランプを締め付けることによって互いに相対的に固定され、軸方向および径方向の保持力がフランジに作用する。このため、プロファイルクランプのプロファイルストリップは、通常、フランジと表面的に接触するU字形またはV字形の断面を有している。一般的なプロファイルクランプは、例えば特許出願第10 2009 039 862号に示されている。
【背景技術】
【0003】
このようなクランプの欠点は、様々な技術的用途において、接続されるフランジを持つ部品がねじれ力のためにストレスを受けることである。しかし、このような力は、プロファイルクランプの軸方向および径方向のクランプ力では十分に打ち消すことができない。このようなねじれ力は、例えばターボチャージャのタービンケーシングとコンプレッサケーシングの間の接続で見られる。このようなねじれ力は、接続部品に相対的なねじれを生じさせる可能性がある。そのため、ターボチャージャでは、プロファイルクランプの高いクランプ力が使用され、相対的なねじれに対抗するために十分な摩擦が生成されるようになっている。しかし、これらの必要な高いクランプ力は、クリープ、膨張、温度変動、接続手段の緩みなどにより、時間の経過とともに減少していく。
【0004】
したがって、本発明の目的は、プロファイルクランプによって接続された2つの構成要素フランジ間のねじれ力を、確実に、かつ持続的に、より良く打ち消せることができる技術的解決策を開発することである。これらの技術的解決策は、最小限の設置スペースで実施することができ、かつ低コストである。
【0005】
本発明の主な特徴は、請求項1の特徴部分と、請求項8および請求項13に記載されている。実施形態は、請求項2から7、9から12、および本明細書の主題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、クランプ中心を中心に周方向に延び、かつ、クランプ要素によって互いに接続される2つのクランプヘッドを有するプロファイルストリップを備え、プロファイルストリップの内側に、周方向に延びるプロファイル溝が形成され、溝フランク間の少なくとも一部に配置されたプロファイルストリップベースを有するプロファイルクランプに関する。このプロファイルクランプが、プロファイルストリップの内側に、プロファイル溝内に突出しまたはプロファイルストリップベースからクランプ中心の方向に突出し、または、プロファイル溝内に突出しおよびプロファイルストリップベースからクランプ中心の方向に突出する固定機能部を備え、プロファイルストリップが、2つのクランプヘッドを包含して一体的に形成され、固定機能部が、プロファイルストリップと一体的に形成されている。
【0007】
2つの構成要素フランジの接続において、本発明によるプロファイルクランプは、プロファイル溝が引き続き構成要素フランジに対して軸方向のクランプ力を適用し、横方向への変位に対して構成要素フランジを固定できることを保証し、固定機能部が、第1および/または第2構成要素フランジに対して、好ましくは第1および第2構成要素フランジの間のプロファイルクランプの捻りをさらに防止できる。この捻り防止機能は、プロファイルクランプのクランプ力が、クリーピング、膨張、温度変化、接続手段の緩みなどによって時間とともに低下しても、恒久的に維持することができる。この方法は、原則として、プロファイルストリップが2つのフランジを接続する必要があり、スリップトルクに対する耐性に高い要求があるすべての用途に使用することができる。
【0008】
このプロファイルクランプにおいて、プロファイル溝は、V字形またはU字形の断面を有することができる。これは、幾何学的に製造が簡単であり、2つのフランジを長手方向の軸力によって互いに対して締め付けるのに適している。
【0009】
任意に、プロファイルストリップが、V字形またはU字形の断面を有することもできる。これは、特に製造が容易となる。さらに、プロファイルストリップは、金属から構成されてもよい。プロファイルストリップが金属板を成形することによって製造される場合、製造は特に経済的である。
【0010】
プロファイルクランプの一変形例によれば、固定機能部が、プロファイル溝内にまたはプロファイルクランプベースからクランプ中心の方向に突出する、または、プロファイル溝内におよびプロファイルクランプベースからクランプ中心の方向に突出する、第1固定ピンを有する。このような固定ピンは経済的であり、通常、捻りを防止するために十分な安定性を形成することができる。ほとんどの用途において、固定ピンが剪断されるほどねじれ力が高くなることはないと考えられる。
【0011】
特定の実施形態において、固定機能部が、プロファイル溝内にまたはプロファイルストリップベースからクランプ中心の方向に突出する、または、プロファイル溝内におよびプロファイルクランプベースからクランプ中心の方向に突出する第2固定ピンを備え、第2固定ピンが、周方向に第1固定ピンに対してオフセットし、かつ/または、周方向に対して横方向に延びるプロファイルクランプの長手方向に第1固定ピンに対してオフセットしている。
【0012】
周方向のオフセットは、固定機能部によって吸収可能なねじれ力を増加させるのに適している。これは、単に吸収可能な力を2倍にすることであってもよい。あるいは、固定ピンが、2つの周方向のうちの1つの方向に力を吸収するように設計されることもある。そうすると、第1および第2固定ピンは、両方の周方向において等しく大きなねじれ力を吸収することができるように、反対方向に配向することができる。
【0013】
これに対して、長手方向のオフセットは、第1固定ピンが第1構成要素フランジにのみ係合し、第2固定ピンが第2構成要素フランジにのみ係合することを確実にするために役立つことがある。構成要素フランジの凹部は、例えば、そこにシールが配置されている場合、2つの構成要素フランジの間の接触面積を減少させることはない。第1および第2固定ピンは、それぞれ、溝フランクの1つに配置され、そこからプロファイル溝内に突出してもよい。
【0014】
任意に、第1固定ピンおよび/または第2固定ピンが、ボルト、ピン、ペグ、歯、櫛歯、マンドレルおよびカムのグループからのものであることが提供される。
【0015】
さらに、固定機能部は、プロファイルストリップに接続される少なくとも1つの別の構成要素を含んでいてもよい。これにより、非常に自由な材料厚さおよび形状を有する固定機能部を確保することができる。
【0016】
特に経済的な実施形態は、固定機能部がプロファイルストリップと一体的に、特に成形によって形成されている場合に実現できる。その場合、生産時に必要な部品や取り付け工程が少なくて済む。
【0017】
可能性のある一実施形態によれば、固定機能部が、溝フランクの間のプロファイルストリップベースから突出している。したがって、溝フランクは安定したままである。
【0018】
代替的な実施形態では、溝フランクが、プロファイルストリップベースの橋渡し部分の領域において中断される。このような橋渡し部分は、取り付けの際にプロファイルクランプの開放を容易にする。そして、好ましくは撓みヒンジとして作用する。プロファイルストリップは、好ましくは、2つのクランプヘッドを包含して一体的に形成される。しかし、橋渡し部分は、プロファイルストリップの2つの部分の間の接続部を形成することもできる。したがって、2つの部分に固定的に接続される橋渡し部分が撓みヒンジを形成することも、2つの部分の間の可動接続が形成されることも可能である。
【0019】
より詳細な実施形態では、溝フランクがプロファイルストリップベースの橋渡し部分の領域で中断され、固定機能部が橋渡し部分の領域においてクランプ中心の方向にプロファイルストリップベースから突出することが提供される。ここで、固定機能部は、取り付けの際の位置決めおよび位置合わせが容易である。
【0020】
本発明はさらに、長手方向に互いに対向して配置される第1および第2構成要素フランジを備え、第1および第2構成要素フランジが、それぞれ、凹部を備え、上述および後述のプロファイルクランプが、2つの構成要素フランジを一緒にクランプし、固定機能部が、2つの凹部に突出し、それによって、第1および第2構成要素フランジ間で捻りを防止するフランジ接続に関する。
【0021】
したがって、形状適合によって、固定機能部が、第1および第2構成要素フランジに対する、したがってまた、第1および第2構成要素フランジ間の、プロファイルクランプの捻りを防止する。この捻り防止は、プロファイルクランプのクランプ力が、クリープ、膨張、温度変動、接続手段の緩みなどによって経時的に低下しても、恒久的に維持されるものである。この方法は、原則として、2つの構成要素フランジ間をプロファイルストリップで接続する必要があり、その間にスリップトルクに対する高い耐性が要求されるすべての用途に使用することが可能である。
【0022】
より詳細な実施形態によれば、第1および第2構成要素フランジの凹部が、互いに対向して配置され、共に径方向外側に向いた挿入口を形成する固定凹部を形成し、固定機能部が、固定凹部内に突出し、それによって、第1および第2構成要素フランジの凹部内に延びて捻りを防止する。
【0023】
まず、簡単な態様で、これは、プロファイルクランプが取り付けられる前に、2つの凹部が互いに相対的に位置決めされるという、第1および第2構成要素フランジの位置的配向を達成する。また、固定機能部の単純に設計された形態で、第1および第2構成要素フランジの間に直接的な捻り防止が形成される。
【0024】
各構成要素フランジは、特にプロファイル溝の断面形状に対応し、クランプのために溝フランクと接触する斜めのクランプフランクを備えている。
【0025】
任意で、凹部は、クランプ中心の方を向いた凹部基部と固定機能部とが、互いに間隔をあけて配置されるように十分に深く形成さている。従って、プロファイルクランプは、凹部基部と接触することなく締め付けることができる。
【0026】
ある実施形態では、凹部は、長手方向に向く凹部の凹部壁と固定機能部とが互いに間隔をあけて配置されるように十分に広く設計されている。したがって、固定機能部が、長手方向において構成要素フランジと接触することはなく、構成要素フランジの円周にわたって長手方向に均一なクランプが達成される。
【0027】
また、固定機能部が、凹部内において周方向に遊びを有している設計も可能である。この遊びは、取り付けを容易にする。遊びの範囲内での最小限の捻りは、ごく一部の用途においてのみ悪影響をもたらす。
【0028】
本発明はまた、第1構成要素フランジおよび第2構成要素フランジが、それぞれ、タービンケーシング、オプション中間ケーシングおよびコンシューマケーシング(consumer casing)からなるグループの構成要素に形成され、駆動軸が、タービンケーシングからフランジ接続を通ってコンシューマケーシング内まで延び、駆動軸が、タービンケーシング内のタービンホイールによって駆動され、かつ、駆動軸が、コンシューマケーシング内のコンシューマを駆動する、上述および後述のフランジ接続を備えたターボチャージャに関する。
【0029】
特にこのような ターボチャージャでは、プロファイルクランプによる捻り防止のシンプルな設計が特に有益である。後者はコンパクトかつ軽量にすることができ、ターボチャージャの非常に高温の部品は、相対的なねじれのために、機関室内での位置が変わることはない。このため、給排気管や電気接続部を含むターボチャージャの全周囲が保護される。熱負荷が捻り防止に悪影響を及ぼすことはない。
【0030】
特に、駆動軸用のシール付き、またはシールなしの軸受は、任意の中間ケーシングに配置することができる。あるいは、駆動軸用のシール付き、またはシールなしの軸受を、タービンケーシングまたはコンシューマケーシングに配置することも可能である。
【0031】
任意に、ターボチャージャが、上述および後述の2つのフランジ接続を備え、2つのフランジ接続のうちの第1のフランジ接続の第1構成要素フランジおよび第2構成要素フランジが、タービンケーシングおよび中間ケーシング上に形成され、2つのフランジ接続のうちの第2のフランジ接続の第1構成要素フランジおよび第2構成要素フランジが中間ケーシングおよびコンシューマケーシング上に形成さてれてもよく、駆動軸がタービンケーシングから中間ケーシングおよび2つのフランジ接続を通ってコンシューマケーシングに延び、駆動軸がタービンケーシング内のタービンホイールによって駆動され、駆動軸がコンシューマケーシング内のコンシューマを駆動することを特徴とする。
【0032】
フランジ接続が1つのタイプと、フランジ接続が2つのタイプの両方において、タービンホイールとコンシューマとの間のシールは、タービンケーシング内および/またはコンシューマケーシング内に形成されている。このシールは、好ましくは、駆動軸のための軸通路を含んでいる。タービンケーシングは、さらに好ましくは、排気ガス入口および排気ガス出口を有する。
【0033】
任意に、コンシューマケーシングは、供給空気接続口および圧縮空気出口を含んでいてもよく、コンシューマはコンプレッサホイールである。したがって、圧縮された燃焼空気を提供することができる。
【0034】
代替的にあるいは追加的に、コンシューマは、特にターボ複合エンジンを形成するために、トランスミッションであってもよい。
【0035】
さらに、代替的あるいは追加的に、コンシューマは、発電機であってもよい。
【0036】
また、これらの異なるコンシューマの組み合わせも考えられる。
【0037】
本発明のさらなる特徴、詳細および利点は、特許請求の範囲の文言および図面を参照した例示的な実施形態の以下の説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】プロファイルクランプを有するフランジ接続を通る断面図である。
図2図1のプロファイルクランプの斜視図である。
図3】プロファイルクランプの斜視図である。
図4】プロファイルクランプを有するフランジ接続を通る斜視断面図である。
図5】第2構成要素フランジを有するコンシューマケーシングの一部を示す図である。
図6】隣接する第1および第2構成要素フランジを備えて配置される1つのコンシューマケーシングおよび1つのタービンケーシングを通る断面の一部を示す図である。
図7】ターボチャージャの一部の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、プロファイルクランプ1を備えたフランジ接続50を通る断面図である。このプロファイルクランプは、図2において斜視図で示されている。したがって、同じ参照符号は、同じ特徴に関連しており、共通して説明される。
【0040】
プロファイルクランプ1は、実質的に、クランプ中心Zを中心に周方向Uに延び、2つのクランプヘッド3、4を有するプロファイルストリップ2を備える。2つのクランプヘッド3、4は、クランプ要素5、すなわちナット付きボルトによって互いに接続されている。
【0041】
プロファイルストリップ2の内側Iに、周方向Uに延びるプロファイル溝10が形成されている。プロファイル溝10は、溝フランク12、13の間の部分に配置されるプロファイルストリップベース11を有する。したがって、プロファイル溝10は、より広い幅と丸みを帯びた形状で、U字形とみなすこともできるV字形断面を有する。プロファイルストリップ2は、金属板を成形することによって作られ、プロファイルストリップ2自体もV字形またはU字形の断面を有している。
【0042】
溝フランク12、13は、プロファイルストリップベースの橋渡し部分14の領域において中断される。橋渡し部分14は、周方向Uにおいてクランプヘッド3、4と反対側に位置し、撓みヒンジを形成する。
【0043】
橋渡し部分14の領域において、プロファイルクランプ1は、プロファイルストリップ2の内側Iに、クランプ中心Zの方向にプロファイルストリップベース11から延びる固定機能部20を有している。固定機能部20は、プロファイルストリップベース11からクランプ中心Zの方向に突出する第1固定ピン21であり、この固定ピン21はプロファイルストリップ2との整形により歯または櫛歯として一体的に成形されている。
【0044】
図1のフランジ接続50から明らかなように、固定機能部20(ここでは固定ピン21)は、凹部53に係合している。したがって、まず、図5および図6を参照して、構成要素フランジ51、52の構造についてより詳細に説明する。
【0045】
図6によれば、第1および第2構成要素フランジ51、52が、長手方向Lにおいて互いに対向して配置される。構成要素フランジ51、52がそれぞれ、特にプロファイル溝10の断面形状に対応し、クランプするために、溝フランク12、13に接触している斜めのクランプフランクを備えている。
【0046】
第1および第2構成要素フランジ51、52が、それぞれ、凹部53、54を備え、第2構成要素フランジ52の凹部54が、図6の透視図からも確認することができる。第1および第2構成要素フランジ51、52の凹部53、54は、長手方向Lにおいて互いに対向して配置され、共に径方向外側に向いた挿入口56を形成する固定凹部55を形成する。
【0047】
ここで、図1に示した固定機能部20が、図6の固定凹部55に係合し、第1および第2構成要素フランジ51、52の凹部53、54内に延びているため、第1および第2構成要素フランジ51、52間の捻りを防止する。また、プロファイルクランプ1は、2つの構成要素フランジ51、52を一緒にクランプする。このクランプは主に長手方向Lで行われる。長手方向Lに対して横方向には、第2構成要素フランジ52を有する構成要素72が第1構成要素フランジ51を有する構成要素71にぴったりと係合するように、構成要素フランジ51、52は位置が固定されている。
【0048】
凹部53、54、したがって固定凹部55も、クランプ中心Zの方を向いた凹部53、54と固定機能部20の凹部基部57、58とが、クランプ後に互いにわずかに間隔をあけて配置されるように十分に深く形成されている。また、凹部53、54は、長手方向Lに向く凹部53、54の凹部壁59、60と固定機能部20とが、クランプ後に互いに間隔を空けて配置されるように、十分に広く形成されていることが望ましい。明らかに、周方向Uにおいて、固定機能部20は凹部53、54に多少の遊びを有している。
【0049】
図3は、図1および図2の設計とは固定機能部20に関して異なるプロファイルクランプ1の斜視図である。橋渡し部分14の領域における固定機能部20の代わりに、図3のプロファイルクランプ1は、プロファイルストリップ2の内側Iに固定機能部20を有し、これはプロファイル溝10内に、したがって特に溝フランク12、13の間のプロファイルストリップベース11から突出する。
【0050】
図4のプロファイルクランプ1は、固定機能部20に関しても相違している。ここで、固定機能部20は、橋渡し部分14に対して1時方向および11時方向に配置され、それぞれプロファイル溝10内およびプロファイルストリップベース11からクランプ中心Zの方向に突出する第1および第2固定ピン21、22を有する。このように第1および第2固定ピン21、22が、周方向Uに互いにオフセットして配置されている。捻りを防止するために、第2固定ピン22は、長手方向Lに隣接する2つの凹部によって形成される固定凹部61に対応し、構成要素フランジ51、52にそれぞれ1つずつ設けられている。
【0051】
任意に、第1および第2固定ピン21、22は、プロファイルクランプ1の長手方向Lにおいて互いにオフセットして配置することもでき、それぞれが構成要素フランジ51、52の1つの凹部53、54にのみ係合する。
【0052】
図6の第1構成要素フランジ51を有する構成要素71は、タービンケーシング71の一部分である。第2構成要素フランジ52を有する構成要素72は、コンシューマケーシング72の一部分である。
【0053】
タービンケーシング71およびコンシューマケーシング72は、図7によるターボチャージャ70に属することができ、タービンケーシング71およびコンシューマケーシング72は、上述のフランジ接続50のうちの1つによって一緒に接続されている。図7によるターボチャージャ70の部分的に透視した図では、駆動軸73が、タービンケーシング71からフランジ接続50を通ってコンシューマケーシング72内まで延びていることが明らかである。駆動軸73は、タービンケーシング71内のタービンホイール74によって駆動される。また、駆動軸73は、コンシューマケーシング72内の、コンシューマ75、すなわちコンプレッサホイールを駆動する。タービンホイール74とコンシューマ75との間には、コンシューマケーシング72内のコンプレッサ室とタービンケーシング内の駆動室とが互いに分離されるように、タービンケーシング71内および/またはコンシューマケーシング72内にシールが形成される。タービンケーシング71の駆動室には、排気ガス入口76と排気ガス出口77とが開口している。他方には、供給空気接続口78がコンシューマケーシング72のコンプレッサ室に開口し、圧縮空気出口79がコンプレッサ室から外へ通じている。
【0054】
本発明は、上述した実施形態の一つに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0055】
特に、構成要素フランジの安全機能および凹部の数および形態は、それぞれの場合において、技術的適用の目的に応じて当業者によって適合させることができる。
【0056】
構造的詳細、空間的配置および方法ステップを含む、特許請求の範囲、明細書および図面から生じるすべての特徴および利点は、単独でも、また多様な組み合わせでも、本発明に不可欠であり得る。
【符号の説明】
【0057】
1 プロファイルクランプ
2 プロファイルストリップ
3 クランプヘッド
4 クランプヘッド
5 クランプ要素
10 プロファイル溝
11 プロファイルストリップベース
12 溝フランク
13 溝フランク
14 橋渡し部分
20 固定機能部
21 第1固定ピン
22 第2固定ピン
50 フランジ接続
51 第1構成要素フランジ
52 第2構成要素フランジ
53 凹部
54 凹部
55 固定凹部
56 挿入口
57 凹部基部
58 凹部基部
59 凹部壁
60 凹部壁
61 固定凹部
70 ターボチャージャ
71 タービンケーシング
72 コンシューマケーシング
73 駆動軸
74 タービンホイール
75 コンシューマ
76 排気ガス入口
77 排気ガス出口
78 供給空気接続口
79 圧縮空気出口
I 内側
L 長手方向
U 周方向
Z クランプ中心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7