(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-20
(45)【発行日】2024-11-28
(54)【発明の名称】拡張可能エネルギー貯蔵システム及びその拡張方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241121BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20241121BHJP
H02J 7/34 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
H02J7/00 303C
H02J7/02 J
H02J7/34
(21)【出願番号】P 2023580623
(86)(22)【出願日】2023-04-17
(86)【国際出願番号】 CN2023088662
(87)【国際公開番号】W WO2023221709
(87)【国際公開日】2023-11-23
【審査請求日】2023-12-27
(31)【優先権主張番号】202210538432.2
(32)【優先日】2022-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523187376
【氏名又は名称】深▲せん▼市徳蘭明海新能源股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN POWEROAK NEWENER CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】F19,BLD NO.1, Kaidaer,Tongsha Rd No.168, Xinwei Community, Xili Street,Nanshan,Shenzhen, Guangdong 518000 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】雷健華
(72)【発明者】
【氏名】蒙仲平
(72)【発明者】
【氏名】秦▲ガァン▼
【審査官】木村 励
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111446755(CN,A)
【文献】中国実用新案第210380317(CN,U)
【文献】特表2021-506199(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106169795(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112838648(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0013428(US,A1)
【文献】特表2009-502109(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02J 7/02
H02J 7/34
H02J 9/06
H01M 10/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内蔵電池が設けられたインバータシステムと、
それぞれがホットプラグ接続線を介して前記インバータシステムと通信接続された外部電池と、
各前記外部電池をさらに前記内蔵電池と接続させる切替補償回路と、を備え、
前記切替補償回路は、
前記内蔵電池と前記外部電池との間に接続されたスイッチ切替補償モジュールであって、カソードが前記内蔵電池の正極と前記外部電池の正極との間に接続されたフライホイールダイオードと、一端が前記フライホイールダイオードのアノードに接続され、他端が前記外部電池の負極に接続されたインダクタと、アノードが前記インダクタの一端に接続された単方向ダイオードと、ドレインが前記単方向ダイオードのカソードに接続され、ソースが前記内蔵電池の負極に接続された第1のスイッチ管と、を備えるスイッチ切替補償モジュールと、
前記内蔵電池の負極と前記外部電池の負極との間に接続され、充電管と放電管を含む電池メインスイッチモジュールと、
前記第1のスイッチ管、前記充電管と前記放電管の制御端子にそれぞれ接続されたコントローラと、を備え、
前記コントローラは、前記内蔵電池の電力量が予め設定された電力量よりも低いときに前記充電管を
オフし、前記放電管を
オンし、及び、前記内蔵電池の電力量が前記予め設定された電力量よりも低く、かつ前記外部電池の電力量が前記内蔵電池の電力量よりも高いときに、前記第1のスイッチ管を
オンするように駆動するように構成されている
ことを特徴とする拡張可能エネルギー貯蔵システム。
【請求項2】
前記スイッチ切替補償モジュールは、
前記第1のスイッチ管のソースとゲートとの間に接続された第1の抵抗と、
前記コントローラと前記第1のスイッチ管のゲートとの間に接続された第2の抵抗と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項3】
前記電池メインスイッチモジュールは、
ソースが前記内蔵電池の負極に接続され、ゲートが前記コントローラに接続され、前記外部電池による前記内蔵電池の充電時にオンするように構成された第2のスイッチ管と、
ソースが前記外部電池の負極に接続され、ゲートが前記コントローラに接続され、ドレインが前記第2のスイッチ管のドレインに接続され、前記内蔵電池による給電時にオンするように構成された第3のスイッチ管と、を備え、
前記第2のスイッチ管は前記充電管であり、前記第3のスイッチ管は前記放電管である
ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記第1のスイッチ管にPWM信号を出力して前記第1のスイッチ管のオン状態を制御するために用いられ、ここで、
前記内蔵電池の電力量が前記予め設定された電力量よりも低いときに、前記コントローラは前記PWM信号のデューティ比を予め設定された時間だけ、前記デューティ比が100%に達するまで徐々に増加させるように制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項5】
前記外部電池は電力量が前記内蔵電池の電力量と一致するまで放電されると、前記コントローラは前記充電管を
オンして前記内蔵電池と前記外部電池とを並列接続させるように制御する、
ことを特徴とする請求項4に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵システムに適用されており、
内蔵電池の電力量が予め設定された電力量よりも低いか否かを判断し、
前記内蔵電池の電力量が予め設定された電力量よりも低い場合、前記内蔵電池の充電管を
オフし、前記内蔵電池の放電管を
オンすることと、
前記内蔵電池の電力量が外部電池の電力量よりも低いか否かを判断し、
前記内蔵電池の電力量が外部電池の電力量よりも低い場合、切替補償回路により前記外部電池と前記内蔵電池が接続するように制御することとを含むことを特徴とするエネルギー貯蔵システムの拡張方法。
【請求項7】
前記外部電池が少なくとも2つ含まれる場合に、前記方法は、
現在電力供給している外部電池の電力量が前記内蔵電池の電力量よりも低いか否かを判断し、
現在電力供給している外部電池の電力量が前記内蔵電池の電力量よりも低い場合、前記内蔵電池よりも電力量の高い他の外部電池を取得し、前記切替補償回路を介して接続を確立することをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の拡張方法。
【請求項8】
上記した切替補償回路により前記外部電池と前記内蔵電池が接続するように制御することは、
前記内蔵電池の電力量が前記予め設定された電力量よりも低いときに、前記切替補償回路は、PWM信号のデューティ比を予め設定された時間だけ、前記デューティ比が100%に達するまで徐々に増加させた後、前記外部電池が前記インバータシステムに完全に接続されるように制御することを含むことを特徴とする請求項6に記載の拡張方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2022年05月18日に中国特許庁に提出された、出願番号が202210538432.2であり、発明の名称が「拡張可能エネルギー貯蔵システム及びその拡張方法」である中国特許出願の優先権を請求しており、その全ての内容は援用により本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願の実施例は、エネルギー貯蔵の技術分野に関し、特に、拡張可能エネルギー貯蔵システムおよびその拡張方法に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、エネルギー貯蔵インバータ電源の発展は成長期に入り、大型のエネルギー貯蔵発電所、家庭用エネルギー貯蔵インバータから、小型のポータブルエネルギー貯蔵インバータまで、各種技術はすべて実践に応用されている。技術は絶えず更新を反復していることに従って、当該分野で、人々が携帯エネルギー貯蔵電源の使用電力、使用時間に対する需要と現在の電池のエネルギー密度が小さいことの矛盾により、電池の容量不足の問題は日増しに際立っている。
【0004】
周知のように、ポータブルエネルギー貯蔵電源の本体は電池であり、電池はシステム全体のほとんどの重量を占めているが、携帯エネルギー貯蔵電源はそのポータビリティ、軽便を主な特徴とし、同一重量条件下で電池パックを増大することはできない。したがって、機器全体を並列に接続するあるいは電池を並列に接続することで、電池容量不足の問題を効果的に解決することができるが、発明者は本出願の実施例を実現する過程において、以上の関連技術に少なくとも次のような問題点があることを発見した。機器全体を並列に接続するあるいは電池を並列に接続する多くの形態の中で、外部電池にスイッチを設けるのは主な方案であり、ただし、外部電池を組み込む際に、外部電池の電力量が他の電池の電力量と一致になってからスイッチをオンにしなければならなく、そうしないと、非常に大きな衝突電流が発生し、電池を損傷させることがあり、このような形態は、システムに負荷がかかっている場合、システムの電源オフを引き起こしやすく、外部電池のホットプラグを実現することができない。
【発明の概要】
【0005】
本出願の実施例は、拡張可能エネルギー貯蔵システム及びその拡張方法を提供する。
【0006】
本出願の実施例の目的は、以下の技術方案によって達成される。
【0007】
上述した技術的課題を解決するために、第1の方面において、本出願の実施例では、内蔵電池が設けられたインバータシステムと、それぞれが前記インバータシステムとホットプラグ接続線を介して通信接続された外部電池と、各前記外部電池をさらに前記内蔵電池と接続させる切替補償回路と、を備え、前記インバータシステムは、前記内蔵電池の電力量が予め設定された電力量よりも低いときに前記内蔵電池の充電管を開き、前記内蔵電池の放電管を閉じるように構成されており、前記切替補償回路は、前記内蔵電池の電力量が前記予め設定された電力量よりも低く、かつ前記外部電池の電力量が前記内蔵電池の電力量よりも高いときに、前記外部電池と前記内蔵電池が接続するように制御するように構成されている拡張可能エネルギー貯蔵システムを提供する。
【0008】
いくつかの実施例において、前記切替補償回路は、前記内蔵電池と前記外部電池との間に接続されたスイッチ切替補償モジュールと、前記内蔵電池の負極と前記外部電池の負極との間に接続された電池メインスイッチモジュールと、前記スイッチ切替補償モジュールの制御端子と前記電池メインスイッチモジュールの制御端子とにそれぞれ接続され、前記内蔵電池の電力量の状態に応じて、前記スイッチ切替補償モジュールおよび前記電池メインスイッチモジュールのオン状態をそれぞれ制御するように構成されたコントローラと、を備える。
【0009】
いくつかの実施例において、前記スイッチ切替補償モジュールは、カソードが前記内蔵電池の正極と前記外部電池の正極との間に接続されたフライホイールダイオードと、一端が前記フライホイールダイオードのアノードに接続され、他端が前記外部電池の負極に接続されたインダクタと、アノードが前記インダクタの一端に接続された単方向ダイオードと、ドレインが前記単方向ダイオードのカソードに接続され、ソースが前記内蔵電池の負極に接続され、ゲートが前記コントローラに接続された第1のスイッチ管と、を備え、前記コントローラは、前記内蔵電池の電力量が前記予め設定された電力量よりも低く、かつ前記外部電池の電力量が前記内蔵電池の電力量よりも高いときに、前記第1のスイッチ管を閉じるように駆動するように構成されている。
【0010】
いくつかの実施例において、前記スイッチ切替補償モジュールは、前記第1のスイッチ管のソースとゲートとの間に接続された第1の抵抗と、前記コントローラと前記第1のスイッチ管のゲートとの間に接続された第2の抵抗と、をさらに備える。
【0011】
いくつかの実施例において、前記電池メインスイッチモジュールは、ソースが前記内蔵電池の負極に接続され、ゲートが前記コントローラに接続され、前記外部電池による前記内蔵電池の充電時にオンするように構成された第2のスイッチ管と、ソースが前記外部電池の負極に接続され、ゲートが前記コントローラに接続され、ドレインが前記第2のスイッチ管のドレインに接続され、前記内蔵電池による給電時にオンするように構成された第3のスイッチ管と、を備える。
【0012】
いくつかの実施例において、前記コントローラは、前記スイッチ切替補償モジュールにPWM信号を出力して前記スイッチ切替補償モジュールのオン状態及び出力電圧を制御するために用いられ、ここで、前記内蔵電池の電力量が前記予め設定された電力量よりも低いときに、前記コントローラは、前記PWM信号のデューティ比を予め設定された時間だけ、前記デューティ比が100%に達するまで徐々に増加させた後、前記電池メインスイッチモジュールを閉状態にして、前記外部電池が前記インバータシステムに完全に接続されるように制御する。
【0013】
いくつかの実施例において、前記外部電池は電力量が前記内蔵電池の電力量と一致するまで放電されると、前記インバータシステムは前記内蔵電池の充電管を閉じて前記内蔵電池と前記外部電池とを並列させるように制御する。
【0014】
上述した技術的課題を解決するために、第2の方面において、本出願の実施例では、上記の第1の方面に記載の拡張可能エネルギー貯蔵システムに適用されており、内蔵電池の電力量が予め設定された電力量よりも低いか否かを判断し、そうであれば、インバータシステムにより前記内蔵電池の充電管を開き、前記内蔵電池の放電管を閉じることと、前記内蔵電池の電力量が外部電池の電力量よりも低いか否かを判断し、そうであれば、切替補償回路により前記外部電池と前記内蔵電池が接続するように制御することとを含むエネルギー貯蔵システムの拡張方法を提供する。
【0015】
いくつかの実施例において、前記外部電池が少なくとも2つ含まれる場合に、前記方法は、現在電力供給している外部電池の電力量が前記内蔵電池の電力量よりも低いか否かを判断し、そうであれば、前記内蔵電池よりも電力量の高い他の外部電池を取得し、前記切替補償回路を介して接続を確立することをさらに含む。
【0016】
いくつかの実施例において、上記した切替補償回路により前記外部電池と前記内蔵電池が接続するように制御することは、前記内蔵電池の電力量が前記予め設定された電力量よりも低いときに、前記切替補償回路は、PWM信号のデューティ比を予め設定された時間だけ、前記デューティ比が100%に達するまで徐々に増加させた後、前記外部電池が前記インバータシステムに完全に接続されるように制御することを含む。
【0017】
従来技術と比較すると、本出願の有益な効果は以下のとおりである。従来技術の場合とは異なり、本出願の実施例では、拡張可能エネルギー貯蔵システム及びその拡張方法が提供されており、このシステムは、内蔵電池が設けられたインバータシステムと、外部電池と、切替補償回路とを備え、各前記外部電池は、前記インバータシステムとホットプラグ接続線を介して通信接続され、さらに、前記内蔵電池と前記切替補償回路を介して接続され、前記インバータシステムは、前記内蔵電池の電力量が予め設定された電力量よりも低いときに前記内蔵電池の充電管を開き、前記内蔵電池の放電管を閉じるように構成され、前記切替補償回路は、前記内蔵電池の電力量が前記予め設定された電力量よりも低く、かつ前記外部電池の電力量が前記内蔵電池の電力量よりも高いときに、前記外部電池と前記内蔵電池が接続するように制御するように構成されており、本出願の実施例によるエネルギー貯蔵システムは、電池の並列接続による拡張及び外部電池のホットプラグ接続を可能にし、システム構成が簡単で安全性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0018】
1つ又は複数の実施例において、それに対応する添付図面における図によって例示的に説明するが、これらの例示的な説明は、実施例を限定するものではなく、添付図面において、同じ参照符号を付した要素/モジュールやステップは、類似の要素/モジュールやステップを表し、添付図面における図は、特に明記されない限り、縮尺制限がなされるものではない。
【
図1】本出願の実施例1による拡張可能エネルギー貯蔵システムの構造模式図である。
【
図2】本出願の実施例1による拡張可能エネルギー貯蔵システムの電気的構造の模式図である。
【
図3】本出願の実施例1による切替補償回路の電気的構造の模式図である。
【
図4】本出願の実施例2によるエネルギー貯蔵システムの拡張方法の流れ模式図である。
【
図5】本出願の実施例2による別のエネルギー貯蔵システムの拡張方法の流れ模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本出願について、具体的な実施例を参照しながら詳細に説明する。以下の実施例は、当業者が本出願をさらに理解することに寄与するが、いかなる形でも本出願を制限するものではない。なお、当業者にとっては、本出願の構想を逸脱しないことを前提にして、いくつかの変形および改良を行うこともできる。これらは、すべて本出願による保護範囲に属する。
【0020】
本出願の目的、技術方案及び利点をより明らかにするために、以下、本出願を添付図面及び実施例に基づいてさらに詳細に説明する。ここに記述されている具体的な実施例は本出願を説明するためだけに使用されており、本出願を限定するために使用されるものではないことを理解されたい。
【0021】
なお、本出願の実施例における各特徴は、衝突しない場合、互いに結合されることができ、いずれも本出願による保護範囲内にある。また、装置の模式図において、機能モジュール分割を行って、かつフローチャートに論理的な手順を示したが、いくつかの場合には、装置におけるモジュールの分割、あるいはフローチャートにおける手順と異なる分割、あるいは手順で、示されるあるいは記述されるステップを実行してもよい。なお、ある要素は別の要素に「接続」されるという場合、別の要素に直接接続されていてもよいし、1つ以上の介在要素がその間に存在していてもよい。
【0022】
特に定義されない限り、本明細書で用いられるすべての技術用語および科学用語は、本出願の技術分野に属する技術者によって一般的に理解される意味と同じである。本明細書で本出願の説明に用いられる用語は、具体的な実施形態を記述するためのものだけであり、本出願を制限するためのものではない。本明細書で用いられる用語「及び/又は」は、関連するリスト項目のうちの1つまたは複数の任意の及びすべての組み合わせを含む。
【0023】
また、以下に記述する本出願の各実施形態に係る技術特徴は、お互いに衝突しない限り、相互に組み合わせることができる。
【0024】
具体的に、以下では、添付図面を参照しながら、本出願の実施例についてさらに説明する。
【0025】
実施例1
本出願の実施例は、拡張可能エネルギー貯蔵システムを提供し、本出願の実施例による拡張可能エネルギー貯蔵システム100の構成が示される
図1を参照すると、前記拡張可能エネルギー貯蔵システム100はインバータシステム110と、外部電池120と、切替補償回路130とを備える。
【0026】
前記インバータシステム110には内蔵電池111が設けられ、前記インバータシステム110は、前記内蔵電池111の電力量が予め設定された電力量よりも低いときに前記内蔵電池111の充電管を開き、前記内蔵電池111の放電管を閉じるように構成されており、前記インバータシステム110は、ユーザの持ち運びに適した小型軽量のエネルギー貯蔵設備であり、例えば、内蔵電池と、内蔵電池が接続されたインバータ回路とを備えた携帯エネルギー貯蔵電源であってもよい。インバータ回路は、内蔵電池の出力電圧を反転して負荷に電力を供給すること、および外付け電源を反転し直流に変換して内蔵電池を充電することに用いられる。前記内蔵電池111の電力量及びタイプは、市場におけるユーザの一般的なニーズに応じて設置することができ、例えば、航空託送貨物の管轄設定に応じて、その電力量を1万ミリアンペア以下に設定したり、リチウム電池等のエネルギー密度の高い電池タイプを選択して前記内蔵電池111として設定することなどが可能であり、前記インバータシステム110の内部構造、外観を、実需及び市場ニーズ等に応じて具体的に設置することができ、その中の内蔵電池111の具体的な構造などが本出願の実施例の限定に拘る必要はない。前記インバータシステム110は、前記外部電池120の電圧を前記内蔵電池111の充電電圧に調整して前記内蔵電池111に安全かつ安定的に電力を供給することができ、前記インバータシステム110の構成は、実際の変圧のニーズに合わせて設計することができ、前記インバータシステム110はさらに前記外部電池120とホットプラグ接続線を介して通信接続されることにより、外部電池120に接続されているか否かを判定すること、または外部電池120の電力量を取得することが実現され、前記ホットプラグ接続線はCANバスのようなホットプラグ可能な通信バスであってもよく、実際のニーズに合わせて具体的に選択することができる。なお、本実施例に記載の内蔵電池は、インバータシステムに内蔵された電池、すなわち、エネルギー貯蔵システムに内蔵された電池であってもよいし、エネルギー貯蔵システムに接続された電池であってもよく、そして、この電池は正常の電力供給状態にある。
【0027】
前記外部電池120の数は少なくとも1つであり、各前記外部電池120は、ホットプラグ接続線を介して前記インバータシステム110と通信接続され、ここで、各前記外部電池120の正極は、前記内蔵電池111の正極に接続され、各前記外部電池120は、ホットプラグ接続線を介して前記インバータシステム110と通信接続されている。前記外部電池120は、前記インバータシステム110と独立して個別に包装され、設計された電気エネルギーを貯蔵することができる設備または装置であり、前記内蔵電池111の構造と同一または異なる構造を有してもよい。ユーザは、前記インバータシステム110に前記外部電池120を接続することにより、負荷および/または前記内蔵電池111への電力供給を実現することができ、また、実際のニーズに応じて前記外部電池120の数を設定しながら、一度に接続できる前記外部電池120の数に相当するジャックを前記インバータシステム110に設けることができ、前記外部電池120の内部構造、外観、数量等を、実需や市場ニーズ等に応じて具体的に設定することができる。なお、前記外部電池120は、ホットプラグ、すなわち活線挿抜可能な設備であり、換言すれば、前記インバータシステム110には、電源を切断することなく前記外部電池120を接続することができ、これにより、異なる使用シナリオにおける設備の柔軟な使用を可能にする。
【0028】
さらに、前記ホットプラグ接続線には、自己ロックモジュールが設けられていてもよく、前記切替補償回路130は、自己ロックモジュールから発信された解除信号を受信すると、前記ホットプラグ接続線の電気的接続を切る。具体的には、前記ホットプラグ接続線は、特製の自己ロック機能付きプラグを有する線であってもよく、プラグにおけるキーを押してトリガ信号が対応する外部電池に送信されると、ユーザーがこの外部電池を取り外したいことを示すため、外部電池のマスタスイッチを直ちにオフにし、これにより、引き抜き時のアーク放電やスパーキングの危険を防止して、ユーザーが安全に電池を引き抜くことを可能にする。
【0029】
前記インバータシステムは、前記内蔵電池の電力量が予め設定された電力量よりも低いときに、前記内蔵電池の充電管を開き、前記内蔵電池の放電管を閉じるように構成されている。具体的には、内蔵電池の電力量が予め設定された電力量よりも低いと、内蔵電池の電力量が設定値よりも低いことを示し、その際に外部電池がインバータシステムに接続されていることを検出すると、外部電池接続準備状態に入り、この場合、内蔵電池の充電管を開き、内蔵電池の放電管を閉じることにより、外部電池から内蔵電池への充電によるリング電流の発生を回避することができ、充電負荷の正常な動作を保証することもできる。
【0030】
前記切替補償回路130は、前記内蔵電池111の電力量が前記予め設定された電力量よりも低く、かつ、前記外部電池120の電力量が前記内蔵電池111の電力量よりも高い時に、前記外部電池120と前記内蔵電池111が接続するように制御するように構成されており、前記切替補償回路130は、外部電池120と内蔵電池111との間の接続を制御可能な回路モジュールであり、各前記外部電池120の負極が、前記切替補償回路130を介して前記内蔵電池111の負極に接続され、前記切替補償回路130は、前記内蔵電池111の電力量が前記外部電池120の電力量よりも低く、かつ、前記外部電池120と前記インバータシステム110との通信接続が確立された後に、前記外部電池120と前記内蔵電池111を接続するように構成されている。具体的には、本実施例では、切替補償回路は、前記外部電池120と前記内蔵電池111が接続するように制御するように構成されており、この場合、本来に内蔵電池によりインバータシステムにおけるインバータ回路に電源を供給している状態から、外部電池によりインバータシステムに電源を供給するように切り替え、外部電池の活線ホットプラグが実現され、また、外部電池がインバータシステムに接続される際に、内蔵電池の充電管がオフしているので、外付け電池が内蔵電池を充電してリング電流サージを発生することが回避できる。また、内蔵電池の放電管は閉じた状態であるが、外部電池の電圧は内蔵電池の電圧よりも高いため、内蔵電池の出力が抑制され、外部電池は正常にインバータ回路や負荷に電力を供給することとなる。さらに、前記外部電池は電力量が内蔵電池の電力量に一致するまで放電されると、外部電池と内蔵電池とがパック並列接続動作を完成し、両方がインバータ回路または負荷に電力を供給するようになる。本出願の実施例によるエネルギー貯蔵システム100は、外部電池120の並列ホットプラグを実現し、従来の電池容量拡張方式に対して、ユーザーが実際の状況に応じて、外に拡張された外部電池120を常時交換することができ、現在動作している設備が中断されないことを保証することができ、予備の外部電池120が接続されていれば、電力が途切れることなく、電源オフのトラブルが解消され、ユーザーが安全かつ迅速に電池パックを交換することができるとともに、外部電池120の後のメンテナンスも便利になり、このシステムは安全で信頼性が高く、簡単で使いやすいものといえる。
【0031】
いくつかの実施例において、本出願の実施例による拡張可能エネルギー貯蔵システムの回路構成が示される
図2を参照すると、前記切替補償回路130の数と前記外部電池120の数とは同じであり、前記外部電池120は前記切替補償回路130と1対1対応しつつ前記切替補償回路130を介して前記インバータシステム110に接続されており、前記切替補償回路130は、前記内蔵電池111と前記外部電池120との間に接続されたスイッチ切替補償モジュール131と、前記内蔵電池111の負極と前記外部電池120の負極との間に接続された電池メインスイッチモジュール132と、前記スイッチ切替補償モジュール131の制御端子と前記電池メインスイッチモジュール132の制御端子とにそれぞれ接続され、前記内蔵電池111の電力量の状態に応じて、前記スイッチ切替補償モジュール131および前記電池メインスイッチモジュール132のオン状態をそれぞれ制御するように構成されたコントローラ133と、を備え、また、前記コントローラ133の検出端子は、前記内蔵電池111と前記外部電池120とにそれぞれ接続されている。
【0032】
一つの実施例において、前記電池メインスイッチモジュールは、前記外部電池120と前記内蔵電池111が接続するように制御して、前記外部電池によりインバータシステムに電力を供給するように切り替えるように構成され、前記スイッチ切替補償モジュールは、前記電池主スイッチモジュールによる切替時に、前記電池主スイッチモジュールのスイッチ管両端の電圧差が1V以内となるように前記電池主スイッチモジュールを補償するように構成されることにより、スイッチ管への突入電流スパイクの影響を低減し、スイッチ管のライフタイムを延長し、外部電池のシームレスな切替を実現する。すなわち、内部電池が正常に電力を供給している状態で、外部電池により電力を供給するように切り替えられることが保証され、切り替え中に負荷の電源オフを回避することができる。
【0033】
なお、
図2では、2つの外部電池120と2つの切替補償回路130を有すること、およびホットプラグ接続線にはコントローラエリアネットワーク(CAN:Controller Area Network)通信バスCANを使用して通信接続を実現することを例示しているが、他のいくつかの実施例では、本出願の実施例および
図2における各モジュールおよびデバイスのタイプや構造、数量の限定に拘泥する必要はなく、実際のニーズに応じて設定することができる。
【0034】
具体的に、本出願の実施例による切替補償回路130の回路構成が示される
図3を参照すると、前記切替補償回路130には、外部電池120の安全な切替と能動的等化を実現するために、単方向BUCK回路が使用されており、前記スイッチ切替補償モジュール131は、カソードが前記内蔵電池111の正極B+と前記外部電池120の正極P+との間に接続されたフライホイールダイオードD1と、一端が前記フライホイールダイオードD1のアノードに接続され、他端が前記外部電池120の負極P-に接続されたインダクタL1と、アノードが前記インダクタL1の一端に接続された単方向ダイオードD2と、ドレインが前記単方向ダイオードD2のカソードに接続され、ソースが前記内蔵電池111の負極B-に接続され、ゲートが前記コントローラ133に接続された第1のスイッチ管Q1と、を備え、前記コントローラ133は、前記内蔵電池111の電力量が前記予め設定された電力量よりも低く、かつ前記外部電池120の電力量が前記内蔵電池111の電力量よりも高いときに、前記第1のスイッチ管Q1を閉じるように駆動するように構成されている。
【0035】
また、
図3を引き続き参照すると、前記スイッチ切替補償モジュール131は、電界効果トランジスタである前記第1のスイッチ管Q1のソースとゲートとの間に接続された第1の抵抗R1と、前記コントローラ133と前記第1のスイッチ管Q1のゲートとの間に接続された第2の抵抗R2と、をさらに備える。
【0036】
また、
図3を引き続き参照すると、前記電池メインスイッチモジュール132は、充電管として、ソースが前記内蔵電池111の負極B-に接続され、ゲートが前記コントローラ133に接続され、前記外部電池120による前記内蔵電池111の充電時にオンするように構成された、電界効果トランジスタである第2のスイッチ管Q2と、放電管として、ソースが前記外部電池120の負極P-に接続され、ゲートが前記コントローラ133に接続され、ドレインが前記第2のスイッチ管Q2のドレインに接続され、前記内蔵電池111による給電時にオンするように構成された、電界効果トランジスタである第3のスイッチ管Q3と、を備える。本出願の実施例では、内蔵電池111の充電と給電との切替が、前記第2のスイッチ管Q2または前記第3のスイッチ管Q3のオン・オフにより実現される。
【0037】
いくつかの実施例において、
図3を引き続き参照すると、前記コントローラ133は、前記スイッチ切替補償モジュール131にPWM信号を出力して前記スイッチ切替補償モジュール131のオン状態及び出力電圧を制御するために用いられ、ここで、前記内蔵電池111の電力量が前記予め設定された電力量よりも低いときに、前記コントローラ133は前記PWM信号のデューティ比を予め設定された時間だけ、前記デューティ比が100%に達するまで徐々に増加させた後、前記電池メインスイッチモジュール132を閉状態にして、前記外部電池120が前記インバータシステム110に完全に接続されるように制御する。前記外部電池120は電力量が前記内蔵電池111の電力量と一致するまで放電されると、前記インバータシステム110は前記内蔵電池111の充電管を閉じて前記内蔵電池111と前記外部電池120とを並列接続させるように制御する。ここで、前記コントローラ133は、前記第1のスイッチ管Q1、前記第2のスイッチ管Q2、前記第3のスイッチ管Q3のデューティ比を調整することにより、外部電池120の接続、すなわち外部電池による負荷への給電にシームレスに切り替えることが可能である。具体的には、前記第1のスイッチ管Q1、前記第2のスイッチ管Q2、前記第3のスイッチ管Q3のデューティ比を、予め設定された時間範囲内でゼロから100パーセントに達するまで徐々に増加させることにより、第2のスイッチ管Q2と第3のスイッチ管Q3とを直列接続した後の両端の電圧差を1V以内に抑えることができ、突入電流スパイクを低減し、スイッチ管のライフタイムを延ばし、電池の切り替えを円滑に行うことが保証される。
【0038】
また、
図3を引き続き参照すると、前記電池メインスイッチモジュール132は、一端が前記内蔵電池111の負極B-に接続された筒形ヒューズF1と、前記筒形ヒューズF1の他端と前記第2のスイッチ管Q2のソースとの間に接続された第3の抵抗R3と、をさらに備える。
【0039】
また、
図3を引き続き参照すると、前記第1のスイッチ管Q1のソースは、前記第2のスイッチ管Q2のソースにも接続され、前記コントローラ133のホール電流検出端は、前記第1のスイッチ管Q1のソースと前記第2のスイッチ管Q2のソースとの間に接続されている。
【0040】
本出願の実施例によるエネルギー貯蔵システム100は、実際に動作する場合、まず、コントローラ133で内蔵電池111および外部電池120の電力量を検出して、内蔵電池111の電力量が外部電池120よりも小さく、かつ前記内蔵電池111の電力量が予め設定された電力量、例えば5Vよりも低いと判定した後、第1のスイッチ管Q1が吸引されて閉じるように制御して切り替えを実現する。さらに、前記外部電池120が複数存在する場合、前記内蔵電池111に電力量が残っていて、かつ主に外部電池120による給電が行われている場合には、現在電力供給している外部電池120の電力量が前記内蔵電池111と一致するまで低下した時点で、両者を並列接続させて完全充電・放電を実現する。さらに、システムが無負荷時、すなわち負荷に電力を供給していない場合には、新たに接続された外部電池120に対して能動的等化が実行され、最大電流、例えば10Aで前記内蔵電池111へ充電させ、両方が等化になると並列されて、システムとして完全充電・放電を行う。
【0041】
本出願の実施例による切替補償回路130は、電池の高電圧側(外部から新たに接続された電池120)から低電圧側(システムにおける内蔵電池111)への電力供給時に、インダクタの磁気飽和特性を十分に活用して、短時間での大電流出力、すなわちシステムの全負荷を200msで支持することが実現でき、電池の切り替えを円滑に行うことが保証される。外部電池120を接続する場合、外部電池120の放電終了電圧と満充電電圧との差は最大20V程度であり、インダクタの磁気飽和特性と相まって、インダクタを小さく設計することができ、低コスト化が図れる。また、
図3に示した例では、主MOSスイッチ管が電池の負極端子に配置されているので、MOSスイッチ管の絶縁駆動回路を設ける必要がなく、コストがさらに低減され、PCBのレイアウトが容易になる。ここで、前記200msとは、切り替え時間であり、この時間の範囲では、電池間の電圧差が予め設定されたしきい値、すなわち5V以内に達することができるながら、時間がかかりすぎてMOS管の過熱破壊を招くことはなく、10Aの電流の等化が実現される。
【0042】
実施例2
本出願の実施例は、エネルギー貯蔵システムの拡張方法を提供し、この拡張方法は上記の実施例1に記載の拡張可能エネルギー貯蔵システムに適用可能であり、本出願の実施例によるエネルギー貯蔵システムの拡張方法の流れが示される
図4を参照すると、この方法は以下のステップを含むが、これらに限定されない。
【0043】
ステップS10:内蔵電池の電力量が予め設定された電力量よりも低いか否かを判断し、そうであれば、ステップS20に移行する。
【0044】
本出願の実施例では、まず、前記内蔵電池の電力量を取得して、前記内蔵電池の電力量が予め設定された電力量よりも低いか否かを判断し、予め設定された電力量よりも低いと、バッテリーが切れかけていることを示し、前記内蔵電池を充電する必要が生じ、この場合、ステップS20に移行し、前記予め設定された電力量を下回っていないと、前記内蔵電池の電力量を監視し続ける。ここで、前記予め設定された電力量は、電池保護による実際ニーズおよび電源オフができない負荷による電力量の需要に応じて設定することができる。具体的には、前記内蔵電池の電気エネルギーを特定するために、電量計等の装置又は設備により前記内蔵電池の電力量を検出することができるとともに、上記実施例1及び
図1、
図2、
図3に示したような構成を採用して拡張を実現することができる。
【0045】
なお、本出願の実施例による拡張方法は、上記の実施例1に記載のエネルギー貯蔵システムに適用される場合、前記エネルギー貯蔵システムの主制御チップまたはコントローラに優先的に適用され、この主制御チップまたはコントローラはプロセッサと、プロセッサ実行可能であるこのプロセッサに本実施例による拡張方法を実行させる命令が記憶されているメモリとを含むものであり、ここで、前記メモリは、コンピュータ可読記憶媒体とすることができ、このコンピュータ可読記憶媒体はコンピュータプログラム製品に含まれてもよく、本出願の実施例による拡張方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ実行可能な命令が記憶されている。
【0046】
ステップS20:インバータシステムにより前記内蔵電池の充電管を開き、前記内蔵電池の放電管を閉じる。
【0047】
本出願の実施例では、前記内蔵電池の電力量が予め設定された電力量よりも低い時に、外部電池により負荷に電力を供給する必要があると判定し、この場合、前記内蔵電池の充電管を開き、前記内蔵電池の放電管を閉じる。
【0048】
ステップS30:前記内蔵電池の電力量が外部電池の電力量よりも低いか否かを判断し、そうであれば、ステップS40に移行する。
【0049】
さらに、前記内蔵電池の電力量が外部電池の電力量よりも低いか否かを判断することにより、前記内蔵電池に接続する外部電池が前記内蔵電池との間で電圧差を形成することが可能であるか否かを判定し、そして、内蔵電池の電力量が外部電池の電力量よりも低いと判定した場合には、ステップS40に移行する。
【0050】
さらに、前記内蔵電池の電力量が前記外部電池の電力量よりも低いときには、ホットプラグ接続線を介して前記外部電池と前記インバータシステムとの通信接続を確立し、外部電池のホットプラグ接続を可能とすることで、外部電池が複数存在する場合には、システム全体の動作を停止することなく外部電池の常時交換を可能とする。
【0051】
さらに、まず、インバータシステムと通信接続を確立した外部電池があるか否かを判断することにより、接続可能な外部電池があるか否かを判定してもよく、具体的には、前記通信接続を有線又は無線の通信方式で実現し、前記外部電池から送信される接続信号を受信して接続可能な外部電池を特定してもよい。さらに、エネルギー貯蔵システム全体の管理を容易にするために、前記外部電池は前記携帯エネルギー貯蔵電源にその電力量情報を送信してもよいし、前記携帯エネルギー貯蔵電源はその内部の電量計等の装置により、通信接続を確立した前記外部電池の電力量状況を監視してもよく、実際のニーズに応じて具体的に設定することができる。
【0052】
ステップS40:切替補償回路により前記外部電池と前記内蔵電池が接続するように制御する。
【0053】
本出願の実施例では、前記内蔵電池の電力量が前記外部電池の電力量よりも低いことを検出した後、前記切替補償回路によりスイッチ管のデューティ比を制御することにより、外部電池の接続状態を制御し、外部電池が出力する電圧の大きさを調整する。
【0054】
さらに、スムーズな起動を実現し、起動電流を低減して起動時過電流によるトリップを回避するために、前記切替補償回路がスイッチ管制御信号のデューティ比を調整することにより、外部電池の内蔵電池への組み込みを実現することも可能であり、具体的には、上記した切替補償回路により前記外部電池と前記内蔵電池が接続するように制御することは、前記内蔵電池の電力量が前記予め設定された電力量よりも低いときに、前記切替補償回路は、PWM信号のデューティ比を予め設定された時間だけ、前記デューティ比が100%に達するまで徐々に増加させた後、前記外部電池が前記インバータシステムに完全に接続されるように制御することを含む。例えば、予め設定された時間が200msの場合に、PWM信号のデューティ比を200msの間、デューティ比が100%に達するまで徐々に増加させ、すなわち、200msの間、PWM信号のデューティ比をゼロから、デューティ比が100%になるまで逓増させることにより、前記外部電池が前記インバータシステムに完全に接続されるように制御し、外部電池と内蔵電池の間に電力供給状態をシームレスに切り替えることができる。なお、予め設定された時間を200msに設定すると、インダクタの磁気飽和特性を十分に活用して、短時間での大電流出力、すなわちシステムの全負荷を200msで支持することが実現でき、電池の切り替えを円滑に行うことが保証される。これにより、組み込み時間が短すぎてスイッチ管両端の電圧差が1V以内に達しないことが回避できるながら、時間がかかりすぎてスイッチ管の過熱破壊を招くことも回避できる。前記予め設定された時間の範囲等は、実際のシナリオにおける回路の部品能力に応じて設定することが可能であり、本出願の実施例の限定に拘る必要はない。
【0055】
いくつかの実施例では、前記外部電池が少なくとも2つ含まれる場合に、本出願の実施例による別のエネルギー貯蔵システムの拡張方法の流れが示される
図5を参照すると、前記方法は以下のステップをさらに含む。
【0056】
ステップS50:現在電力供給している外部電池の電力量が前記内蔵電池の電力量よりも低いか否かを判断し、そうであれば、ステップS60に移行する。
【0057】
本出願の実施例では、外部電池が複数存在する場合に、前記内蔵電池および/または負荷に並列接続して電力を供給する外部電池は1つだけでよく、電力を供給している外部電池の電気エネルギーが切れかけているときに、直ちに電力量が残っている他の外部電池に切り替えて電力を供給し続ける必要がある。このため、現在電力供給している外部電池の電力量が前記内蔵電池の電力量よりも低いか否かを判断する必要があり、そうであれば、ステップS60に移行し、そうでないと、現在電力供給している外部電池の電力量が前記内蔵電池の電力量よりも低いことが検出されるまで、前記現在電力供給している外部電池の電力量を監視し続け、そして、現在電力供給している外部電池の電力量が内蔵電池の電力量よりも低いと判定されると、現在電力供給している外部電池の電気エネルギーが切れかけていることを示し、この場合、他の外部電池に切り替えて電力を供給し続ける必要がある。具体的には、前記現在電力供給している外部電池の電気エネルギーを特定するために、電量計等の装置又は設備により前記現在電力供給している外部電池の電力量状況を検出することができる。
【0058】
ステップS60:前記内蔵電池よりも電力量の高い他の外部電池を取得し、前記切替補償回路を介して接続を確立する。
【0059】
本出願の実施例では、前記内蔵電池よりも電力量の高い他の外部電池を取得した後、対応する切替補償回路により電気エネルギーが切れかけている外部電池と内蔵電池との電気的接続を切断し、対応する切替補助回路により新たな外部電池と内蔵電池との電気的接続を確立することにより、接続された外部電池への切り替えを実現する。
【0060】
本出願の実施例では、拡張可能エネルギー貯蔵システム及びその拡張方法が提供されており、このシステムは、内蔵電池が設けられたインバータシステムと、外部電池と、切替補償回路とを備え、各前記外部電池は、前記インバータシステムとホットプラグ接続線を介して通信接続され、さらに、前記内蔵電池と前記切替補償回路を介して接続され、前記インバータシステムは、前記内蔵電池の電力量が予め設定された電力量よりも低いときに前記内蔵電池の充電管を開き、前記内蔵電池の放電管を閉じるように構成され、前記切替補償回路は、前記内蔵電池の電力量が前記予め設定された電力量よりも低く、かつ前記外部電池の電力量が前記内蔵電池の電力量よりも高いときに、前記外部電池と前記内蔵電池が接続するように制御するように構成されており、本出願の実施例によるエネルギー貯蔵システムは、電池の並列接続による拡張及び外部電池のホットプラグ接続を可能にし、システム構成が簡単で安全性が高い。
【0061】
なお、以上に記述した装置の実施例は、例示的なものに過ぎず、その中に個別の部品として説明された前記ユニットは、物理的に分離されるものであってもよく、分離されていないものであってもよく、ユニットとして示された部品は、物理的なユニットであってもよく、物理的なユニットではなくてもよく、すなわち、ある箇所に位置してもよく、又は複数のネットワークユニットに分散してもよい。実際のニーズに応じてそのうちの一部又はすべてのモジュールを選択して本実施例の方案の目的を実現することができる。
【0062】
以上の実施形態の記述から、当業者であれば、各実施形態がソフトウェアと汎用のハードウェアプラットフォームを組み合わせた態様により実現でき、もちろん、ハードウェアにより実現できることを明らかに理解することができる。当業者にとって、上記実施例における方法の全部又は一部のフローの実現が、コンピュータプログラムが関連するハードウェアにコマンドを与えることによって成されることは理解できるものであり、上記のプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、このプログラムは実行される時に、上記各方法の実施例のようなフローを含んでもよい。ここで、上記の記憶媒体は、磁気ディスク、光ディスク、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory;ROM)、又はランダムアクセスメモリ(Random Access Memory;RAM)などであってもよい。
【0063】
最後に説明すべきことは、以上の実施例は、本出願の技術方案を説明するためのものに過ぎず、それを制限するものではなく、本出願の考えでは、以上の実施例又は異なる実施例における技術特徴同士を組み合わせることもでき、任意の順序でステップを実現することができ、上述のような本出願の異なる方面の他の変化が多く存在するが、簡略化のために、細部には提供されず、前述の実施例を参照して本出願を詳細に説明したが、当業者は、依然として前述の各実施例に記載の技術方案を補正し、又はそのうちの一部の技術特徴に対して等価の置換を行うことができ、これらの補正および置換は、対応する技術方案の本質を本出願に係る各実施例の技術方案の範囲から逸脱させないと理解すべきである。