(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-20
(45)【発行日】2024-11-28
(54)【発明の名称】管理装置、管理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20241121BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20241121BHJP
【FI】
G06F3/12 326
G06F3/12 303
G06F3/12 357
G06Q50/04
(21)【出願番号】P 2024026933
(22)【出願日】2024-02-26
(62)【分割の表示】P 2020091621の分割
【原出願日】2020-05-26
【審査請求日】2024-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】521469760
【氏名又は名称】アルテミラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【氏名又は名称】水戸 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】小島 真一
(72)【発明者】
【氏名】松島 妃美
(72)【発明者】
【氏名】藤沼 兼司
【審査官】漆原 孝治
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/021739(WO,A1)
【文献】特開2013-210776(JP,A)
【文献】特開2006-031139(JP,A)
【文献】特開2002-196997(JP,A)
【文献】特開昭62-057063(JP,A)
【文献】特開2011-002936(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
G06Q 50/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客から飲料容器の製造の注文を受け付ける受付部と、
顧客に関する情報である顧客情報を取得する取得部と、
前記顧客情報を基に、製造の注文を受け付けた前記飲料容器への印刷を行う印刷装置である容器用印刷装置を決定する印刷装置決定部と、
を備え、
前記印刷装置決定部は、飲料容器への印刷を行う印刷装置を前記顧客が有している場合、前記顧客情報に基づき、当該顧客が有する当該印刷装置および前記注文を受けた者が有する印刷装置の中から、製造の注文を受け付けた前記飲料容器への印刷に用いる前記容器用印刷装置を決定する、
管理装置。
【請求項2】
前記印刷装置決定部は、前記顧客情報として、製造の注文を受け付けた前記飲料容器の数についての情報を取得し、取得した当該数についての情報に基づき、前記顧客が有する前記印刷装置である顧客印刷装置および前記注文を受けた者が有する前記印刷装置である受注者印刷装置の中から、前記容器用印刷装置を決定する、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記印刷装置決定部は、取得した前記数についての情報に基づき特定されるスコアが所定値よりも小さい場合、前記顧客印刷装置を前記容器用印刷装置として決定する、
請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記顧客情報を基に、飲料容器に印刷するデザインについての決定を行うデザイン決定部をさらに備え、
前記デザイン決定部は、前記顧客情報を基に、製造の注文を受け付けた前記飲料容器に印刷するデザインについて、予め用意されたデザインであるテンプレートを使用するか否かを決定し、
前記テンプレートは、製造の注文を受け付けた前記飲料容器に充填される飲料について分類された区分に基づき作成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項5】
前記テンプレートは、ビアスタイルに基づき分類された区分に基づき作成されたものであることを特徴とする請求項4に記載の管理装置。
【請求項6】
前記印刷装置決定部が決定した前記容器用印刷装置に基づき、飲料容器の製造工程を管理する工程管理部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項7】
前記デザインの決定に関し、顧客に支援を行う顧客支援部をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の管理装置。
【請求項8】
前記顧客支援部は、前記デザインを決定する際に支援を行う支援者を選択することを特徴とする請求項7に記載の管理装置。
【請求項9】
前記顧客支援部は、前記顧客情報を基にデザイン教育が必要な顧客を選択し、デザイン支援プログラムを提供することを特徴とする請求項7に記載の管理装置。
【請求項10】
前記顧客支援部は、地域ブランドに関する情報を提供することを特徴とする請求項7に記載の管理装置。
【請求項11】
前記顧客情報を基に前記デザインに関するダイレクトメールを送るとともに、当該ダイレクトメールの返信を管理するメール管理部をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の管理装置。
【請求項12】
顧客が飲料容器を注文する端末装置と、
前記端末装置から注文された飲料容器の製造を管理する管理装置と、
を備え、
前記管理装置は、
顧客から飲料容器の製造の注文を受け付ける受付部と、
顧客に関する情報である顧客情報を取得する取得部と、
前記顧客情報を基に、製造の注文を受け付けた前記飲料容器への印刷を行う印刷装置である容器用印刷装置を決定する印刷装置決定部と、
を備え、
前記印刷装置決定部は、飲料容器への印刷を行う印刷装置を前記顧客が有している場合、前記顧客情報に基づき、当該顧客が有する当該印刷装置および前記注文を受けた者が有する印刷装置の中から、製造の注文を受け付けた前記飲料容器への印刷に用いる前記容器用印刷装置を決定する、
管理システム。
【請求項13】
コンピュータに、
顧客から飲料容器の製造の注文を受け付ける受付機能と、
顧客に関する情報である顧客情報を取得する取得機能と、
前記顧客情報を基に、製造の注文を受け付けた前記飲料容器への印刷を行う印刷装置である容器用印刷装置を決定する印刷装置決定機能と、
を実現するためのプログラムであり、
前記印刷装置決定機能は、飲料容器への印刷を行う印刷装置を前記顧客が有している場合、前記顧客情報に基づき、当該顧客が有する当該印刷装置および前記注文を受けた者が有する印刷装置の中から、製造の注文を受け付けた前記飲料容器への印刷に用いる前記容器用印刷装置を決定する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、管理システム、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、顧客からの注文を基に印刷する画像の校正を行うシステムが用いられている。
【0003】
特許文献1には、カラー画像データの印刷をネットワークに接続された端末機を用いて受注及び発注するオンデマンド加飾システムが開示されている。このオンデマンド加飾システムでは、画像編集機能を有する発注者側の端末機から受注者の端末機に印刷を希望するカラー画像データを送信し、カラー画像データを受注者の端末機で受信し、次いで受注者側で作成された校正画像データを発注者の端末機に送信し、校正画像データの確認及び変更を受注者と発注者の双方の端末機の間で行う。
特許文献2には、オンデマンド加飾システムが開示されている。このオンデマンド加飾システムでは、文字・画像情報を、印刷すべき文字・画像の決定に関する発注付加情報に基づいて、文字・画像調整編集手段で集して、印刷すべき文字・画像のサイズ、レイアウト、フォント、色調、明度、大きさ、形状などを決定した印刷情報を印刷情報記録手段に記録するプロセス、印刷情報を印刷機に入力し、文字・画像を基体シート上に印刷して必要数の加飾シートを製造するプロセス、加飾対象物情報に基づいて加飾対象物や成形用金型を用意し、加飾シートを用いて、成形と同時に又は成形後に加飾対象物表面に転写印刷する等して加飾対象物表面に文字・画像を形成し、加飾物を製造するプロセス、製造された加飾物を、発注者又は取次店に配送するプロセスを経る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-155666号公報
【文献】特開2002-133194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
飲料容器への印刷を行う印刷装置としては、例えば、飲料容器の製造の発注を行う顧客が有する印刷装置や、飲料容器の製造の注文を受ける者が有する印刷装置などが挙げられる。
本発明の目的は、飲料容器の製造の発注を行う顧客に関する情報に基づき、複数の印刷装置の候補の中から、飲料容器への印刷を行う印刷装置を決定できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かくして本発明によれば、顧客から飲料容器の製造の注文を受け付ける受付部と、顧客に関する情報である顧客情報を取得する取得部と、顧客情報を基に、製造の注文を受け付けた飲料容器への印刷を行う印刷装置である容器用印刷装置を決定する印刷装置決定部と、を備え、印刷装置決定部は、飲料容器への印刷を行う印刷装置を顧客が有している場合、顧客情報に基づき、顧客が有する印刷装置および注文を受けた者が有する印刷装置の中から、製造の注文を受け付けた飲料容器への印刷に用いる容器用印刷装置を決定する、管理装置が提供される。
【0007】
ここで、印刷装置決定部は、顧客情報として、製造の注文を受け付けた飲料容器の数についての情報を取得し、取得した数についての情報に基づき、顧客が有する印刷装置である顧客印刷装置および注文を受けた者が有する印刷装置である受注者印刷装置の中から、容器用印刷装置を決定するようにしてもよい。
また、印刷装置決定部は、取得した数についての情報に基づき特定されるスコアが所定値よりも小さい場合、顧客印刷装置を容器用印刷装置として決定するようにしてもよい。
また、顧客情報を基に、飲料容器に印刷するデザインについての決定を行うデザイン決定部をさらに備え、デザイン決定部は、顧客情報を基に、製造の注文を受け付けた飲料容器に印刷するデザインについて、予め用意されたデザインであるテンプレートを使用するか否かを決定し、テンプレートは、製造の注文を受け付けた飲料容器に充填される飲料について分類された区分に基づき作成されたものであるようにしてもよい。
また、テンプレートは、ビアスタイルに基づき分類された区分に基づき作成されたものであるようにしてもよい。
また、印刷装置決定部が決定した容器用印刷装置に基づき、飲料容器の製造工程を管理する工程管理部をさらに備えるようにしてもよい。
また、デザインの決定に関し、顧客に支援を行う顧客支援部をさらに備えるようにしてもよい。
また、顧客支援部は、デザインを決定する際に支援を行う支援者を選択するようにしてもよい。
また、顧客支援部は、顧客情報を基にデザイン教育が必要な顧客を選択し、デザイン支援プログラムを提供するようにしてもよい。
また、顧客支援部は、地域ブランドに関する情報を提供するようにしてもよい。
また、顧客情報を基にデザインに関するダイレクトメールを送るとともに、ダイレクトメールの返信を管理するメール管理部をさらに備えるようにしてもよい。
【0008】
また、本発明によれば、顧客が飲料容器を注文する端末装置と、端末装置から注文された飲料容器の製造を管理する管理装置と、を備え、管理装置は、顧客から飲料容器の製造の注文を受け付ける受付部と、顧客に関する情報である顧客情報を取得する取得部と、顧客情報を基に、製造の注文を受け付けた飲料容器への印刷を行う印刷装置である容器用印刷装置を決定する印刷装置決定部と、を備え、印刷装置決定部は、飲料容器への印刷を行う印刷装置を顧客が有している場合、顧客情報に基づき、顧客が有する印刷装置および注文を受けた者が有する印刷装置の中から、製造の注文を受け付けた飲料容器への印刷に用いる容器用印刷装置を決定する、管理システムが提供される。
【0009】
さらに、本発明によれば、コンピュータに、顧客から飲料容器の製造の注文を受け付ける受付機能と、顧客に関する情報である顧客情報を取得する取得機能と、顧客情報を基に、製造の注文を受け付けた飲料容器への印刷を行う印刷装置である容器用印刷装置を決定する印刷装置決定機能と、を実現するためのプログラムであり、印刷装置決定機能は、飲料容器への印刷を行う印刷装置を顧客が有している場合、顧客情報に基づき、顧客が有する印刷装置および注文を受けた者が有する印刷装置の中から、製造の注文を受け付けた飲料容器への印刷に用いる容器用印刷装置を決定する、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、飲料容器の製造の発注を行う顧客に関する情報に基づき、複数の印刷装置の候補の中から、飲料容器への印刷を行う印刷装置を決定できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施の形態における管理システムの構成例を示す図である。
【
図2】管理システムの概略動作について示した図である。
【
図3】(A)~(C)は、本実施形態の飲料容器の説明図である。
【
図4】第1の実施形態における管理システムの機能構成例を示したブロック図である。
【
図5】ビアスタイルを基にテンプレートの中からデザインを決定する方法について示した図である。
【
図6】デザイン決定部が、スコアや重み付けを利用して、テンプレートを決定する方法について示した図である。
【
図7】印刷装置決定部が、スコアや重み付けを利用して、印刷装置を決定する方法について示した図である。
【
図8】第1の実施形態の管理システムの動作について説明したフローチャートである。
【
図9】第2の実施形態における管理システムの機能構成例を示したブロック図である。
【
図10】第2の実施形態の管理システムの動作について説明したフローチャートである。
【
図11】第3の実施形態における管理システムの機能構成例を示したブロック図である。
【
図12】第3の実施形態の管理システムの動作について説明したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施する形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することが出来る。また、使用する図面は本実施の形態を説明するためのものであり、実際の大きさを表すものではない。
【0013】
<管理システム1全体の説明>
図1は、本実施の形態における管理システム1の構成例を示す図である。
本実施の形態の管理システム1は、図示するように、飲料容器50を注文する端末装置10と、飲料容器50の製造を管理するサーバ装置30と、を備えている。そして、本実施形態の管理システム1において、端末装置10およびサーバ装置30は、ネットワーク40を介して相互に情報通信が可能になっている。
【0014】
端末装置10は、顧客が操作することで、顧客が飲料容器50を注文することができる装置である。ここで、「顧客」は、特に限られるものではないが、例えば、飲料容器に充填する飲料を製造するメーカである。なお、「顧客」は、過去の飲料容器50の注文の有無は問わない。即ち、過去に飲料容器50を注文したことがある場合のみならず、初めて飲料容器50を注文する場合も含む。また、飲料は、特に限られるものではなく、例えば、ジュース、茶、コーヒー、紅茶、コーラ、サイダーなどのソフトドリンクや、ビール、ウィスキー、ブランデー、ワインなどの酒類が挙げられる。
端末装置10は、例えば、顧客が所有するパーソナルコンピュータ(PC)である。また、モバイルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、タブレット等のモバイル端末であってもよい。端末装置10は、有線通信や無線通信を行い、ネットワーク40に接続する。なお、ここでは、端末装置10は、1つだけを図示したが、複数の顧客に応じて複数の端末装置10を設けることができる。また、それぞれの顧客が、複数の端末装置10を有していてもよい。
【0015】
サーバ装置30は、管理装置の一例であり、端末装置10から注文された飲料容器50の製造を管理する。サーバ装置30は、管理システム1の全体の管理をするサーバコンピュータである。サーバ装置30は、例えば、飲料容器50を製造するメーカが所有するサーバコンピュータである。また、サーバ装置30は、クラウド上に設けることもでき、この場合は、サーバ装置30は、クラウドサーバであると言うこともできる。
【0016】
端末装置10およびサーバ装置30は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)と、記憶手段であるメインメモリ、およびHDDやSSD(Solid State Drive)等のストレージを備える。CPUは、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアを実行する。また、メインメモリは、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、ストレージは、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
さらに、端末装置10およびサーバ装置30は、外部との通信を行うための通信インタフェース(以下、「通信I/F」と表記する)と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示デバイスと、キーボードやマウス等の入力デバイスとを備える。
【0017】
ネットワーク40は、端末装置10およびサーバ装置30の間の情報通信に用いられる通信手段であり、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットである。データ通信に用いられる通信回線は、有線か無線かを問わず、これらを併用してもよい。また、端末装置10やサーバ装置30は、ゲートウェイ装置やルータ等の中継装置を用い、複数のネットワークや通信回線を介して接続されてもよい。
【0018】
<管理システム1の動作の概略説明>
図2は、管理システム1の概略動作について示した図である。
まず、端末装置10を操作する顧客が、飲料容器50の注文を入力する(1A)。飲料容器50の注文は、端末装置10で動作するアプリケーションプログラムを用いて行うことができる。そして、飲料容器50を注文した情報である注文情報は、サーバ装置30に送られる(1B)。
飲料容器50の注文情報を受け取ったサーバ装置30は、この注文情報や顧客の情報である顧客情報を基に、飲料容器50のデザインを決定する(1C)。
そして、サーバ装置30は、決定したデザインや顧客情報に応じ、飲料容器50の製造工程を設定する(1D)。
さらに、飲料容器50は、サーバ装置30が決定した製造工程により、管理され、工場等で製造される(1E)。製造された飲料容器50は,出荷され、顧客に届けられる(1F)。
【0019】
<飲料容器50>
次に、本実施形態の飲料容器50について具体的に説明する。
図3(A)~(C)は、本実施形態の飲料容器50の説明図である。
ここでは、飲料容器50の一例として、缶体50Aを例に取り説明を行う。
図3(A)は、所定方向から見た場合の缶体50Aの斜視図である。また、
図3(B)は、
図3(A)の所定方向とは異なる方向から見た場合の缶体50Aの斜視図である。そして、
図3(C)は、缶体50Aに印刷される画像の説明図である。即ち、
図3(A)~(C)は、缶体50Aに印刷される画像のデザインについて示している。
【0020】
図3(A)および
図3(B)に示すように、缶体50Aは、筒状に形成される筒部510と、缶体50Aの軸方向における一端部に位置する開口を塞ぐ蓋部520と、筒部510の軸方向において蓋部520とは反対側に設けられる底部530とを有している。本実施形態の缶体50Aは、アルミニウムなどの金属を材料に用いることができる。そして、缶体50Aには、飲料などの内容物が密封される。
なお、本実施形態の筒部510は、円形状に形成された円筒であるが、多角形に形成されていてもよい。
【0021】
そして、
図3(C)に示すように、缶体50Aの筒部510には、飲料メーカ名51m、商品図形51g、商品名51p、お酒マーク51a、リサイクル識別表示マーク51r、バーコード51b、製缶メーカロゴ51s、商品テキスト51t、栄養成分表示51n、注意喚起テキスト51cおよび商品説明欄51eを含む各種の情報が印刷されている。
【0022】
飲料メーカ名51mは、缶体50Aに飲料を充填して製造したり、飲料が充填された缶体50Aを販売したりする企業名を示す情報である。商品図形51gは、商品のロゴを示す情報である。商品名51pは、商品名を示す情報である。お酒マーク51aは、商品が酒類であることを示す情報である。リサイクル識別表示マーク51rは、缶体50Aを資源として再利用する際の目印となる情報である。バーコード51bは、商品を製造したり、販売したりしている企業名、商品の種類などの情報を符号化した情報である。
【0023】
製缶メーカロゴ51sは、缶体50Aそのものを製造している企業のロゴを示す情報である。商品テキスト51tは、商品に関する各種情報をテキストで示す情報である。栄養成分表示51nは、商品の栄養に関する内容を示す情報である。注意喚起テキスト51cは、商品の取扱いに関する注意事項を示す情報である。
商品説明欄51eは、商品の説明をするテキスト51e1と、商品のイメージを図形によって表す説明図形51e2とを含んでいる。
【0024】
なお、ここでは、管理システム1による読み取り対象物である飲料容器50として、缶体50Aを例示したが、缶体50Aに限定されない。飲料容器50としては、例えば金属を材料としてボトル状に形成されてキャップを有するボトル缶、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂を材料に用いたキャップ付きのプラスティックボトル、ガラスを材料とするガラス瓶などでもよい。これらの場合においても、上述した各種の情報は、ボトルの表面や、ボトルを覆う包装材や、ボトルに貼り付けられるラベル等に設けられていればよい。
【0025】
<管理システム1の構成の説明>
[第1の実施形態]
次に、本実施の形態の管理システム1の構成について具体的に説明する。
ここでは、まず本実施の形態の管理システム1の第1の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、サーバ装置30は、注文情報および顧客情報を基に、飲料容器50に印刷する画像のデザインを決定する。このデザインは、顧客により、予め定められたデザインであるテンプレートの中から選択される場合がある。
【0026】
図4は、第1の実施形態における管理システム1の機能構成例を示したブロック図である。
なお、ここでは、管理システム1が有する種々の機能のうち本実施の形態に関係するものを選択して図示している。
【0027】
管理システム1の端末装置10は、外部装置と情報の送受信を行う送受信部110と、画像の表示を行う表示部120と、注文情報を入力する入力部130と、端末装置10全体の制御を行う制御部140とを備える。
【0028】
送受信部110は、サーバ装置30との間で飲料容器50の注文情報や、飲料容器50の製造の経過の情報である経過情報の送受信を行う。送受信部110は、例えば、通信I/Fに対応する。
【0029】
表示部120は、顧客の操作画面や経過情報を表示する。表示部120は、例えば、ディスプレイ等の表示デバイスに対応する。
入力部130は、顧客が飲料容器50を注文する際に、必要な事項を入力する機構部である。入力部130は、例えば入力デバイスに対応する。
なお、表示デバイスおよび入力デバイスは、これらの機能を兼ね備えたタッチパネルなどであってもよい。
【0030】
制御部140は、送受信部110を介し、入力部130で入力された、飲料容器50の注文情報をサーバ装置30に送る制御を行う。
また、制御部140は、表示部120で表示する、注文受け付けの画面や経過情報の画像を作成する。
【0031】
管理システム1のサーバ装置30は、外部装置と情報の送受信を行う送受信部310と、顧客情報を取得する取得部320と、飲料容器50のデザインを決定するデザイン決定部330と、飲料容器50に印刷を行う印刷装置を決定する印刷装置決定部340と、飲料容器50の製造工程を管理する工程管理部350と、注文情報や顧客情報を記憶する記憶部360とを備える。
【0032】
送受信部310は、端末装置10との間で飲料容器50の注文情報や経過情報の送受信を行う。よって、送受信部310は、顧客から飲料容器50の製造の注文を受け付ける受付部として機能する。送受信部310は、例えば、通信I/Fに対応する。
注文情報は、飲料容器50の注文に関する情報であれば、特に限られることはないが、例えば、注文の日付、注文番号、費用、飲料容器50の発注元・発注先・ロット数・納期・納入先、飲料の種類・商品名、使用用途などが挙げられる。
【0033】
取得部320は、顧客に関する情報である顧客情報を取得する。
顧客情報は、顧客に関する情報であれば、特に限られるものではないが、例えば、売上げ、利益、従業員数などの企業情報や、過去の注文の履歴、製造する飲料の種類、製造設備の所有の有無などが挙げられる。顧客情報は、予め取得し、記憶部360に記憶されている情報を、取得部320が取得してもよく、端末装置10から顧客が入力した情報を、送受信部310を介し取得部320が取得してもよい。
【0034】
デザイン決定部330は、注文情報や顧客情報を基に、飲料容器50に印刷するデザインを決定する。このときデザイン決定部330は、顧客情報を基に、予め用意されたデザインであるテンプレートを使用するか否かを決定する場合がある。例えば、顧客が小規模の飲料メーカであり、顧客の注文する飲料容器50のロット数が小さい場合は、デザイナに飲料容器50のデザインをするのは、製造コストが高くなり過ぎるときがある。この場合、デザイン決定部330は、デザイナによりデザインを行わず、テンプレートの中から選択を行う。一方、例えば、顧客が大規模の飲料メーカであり、顧客の注文する飲料容器50のロット数が大きい場合は、デザイン決定部330は、テンプレートではなく、デザイナによりデザインを行うことを決定する場合がある。
【0035】
印刷装置決定部340は、注文情報、顧客情報および決定されたデザインに基づき、飲料容器50に印刷する印刷装置を決定する。この印刷装置は、例えば、注文を受けた飲料容器50の製造メーカが所有する。そして、印刷装置決定部340は、飲料容器50を製造する工場やラインを決定する。また、この印刷装置は、顧客が所有するものであってもよい。近年、少量多品種で飲料を生産する顧客に対応するため、小規模の印刷装置を顧客が所有または借り受け、これにより飲料容器50に印刷を行う場合がある。よって、飲料容器50のロット数が小さいなどの所定の条件を満たせば、顧客の印刷装置を用いて飲料容器50の印刷を行うこともできる。
【0036】
工程管理部350は、注文情報、デザイン決定部330で決定されたデザインおよび印刷装置決定部340で決定された印刷装置に基づき、飲料容器50の製造工程を管理する。工程管理部350は、例えば、注文情報に含まれる納期、決定されたデザインおよび決定された印刷装置に合わせ、印刷前の飲料容器50や印刷に使用するインクの準備、印刷、梱包などの各工程を決定し、管理を行う。このとき、工程管理部350は、各工程のシーケンス図などを作成し、これを表示するようにしてもよい。さらに、工程管理部350は、飲料容器50の製造経過を経過情報として、顧客に提供してもよい。また、作業の遅れなどが生じたときは、通知などを行うようにしてもよい。なお、工程を管理する管理者が、これらの各工程を決定し、工程管理部350が、決定された工程を管理するようにしてもよい。
【0037】
記憶部360は、注文情報、顧客情報、テンプレートなどのデザインの情報、工程管理の情報、経過情報などを記憶し、必要に応じこれらの情報を提供する。
【0038】
<デザイン決定部330の詳細説明>
次に、デザイン決定部330の処理について、さらに詳しく説明を行う。
デザイン決定部330は、上述したように、予め用意されたデザインであるテンプレートを使用するか否かを決定する場合がある。ここで、「テンプレート」は、飲料容器50に充填される飲料について分類された区分に基づき作成されたものである。この区分は、特に限られるものではないが、例えば、飲料の原料により区分される。飲料の原料は、飲料が、ジュースの場合、例えば、果実の種類である。また、飲料がビール等であった場合、例えば、麦芽の含有量であり、ビール、発泡酒、第3のビールなどに区分される。また、他の例として、アルコールの含有量により区分したり、原料や製造方法により区分する場合が挙げられる。
飲料がビールであり、原料や製造方法により区分する場合、テンプレートは、ビアスタイルに基づき分類された区分に基づき作成されたものとすることができる。
【0039】
「ビアスタイル」は、例えば、ビールを製造する際の発酵方法の違いにより大きく3区分に分類される。この3区分は、ラガー系、エール系、その他である。発酵の際にラガー酵母を使い、下面発酵させる場合は、「ラガー系」に区分される。この場合、例えば、低温(4℃~15℃)で約11週間発酵を行う。また、発酵の際にエール酵母を使い、上面発酵させる場合は、「エール系」に区分される。この場合、例えば、常温(15℃~25℃)で3日~5日間発酵を行う。また、他の発酵方法の場合は、「その他」に区分される。
【0040】
また、ビアスタイルは、地域や原料により、さらに細分化されて区分され、例えば、100種類以上に区分される。ラガー系の場合、例えば、ドイツ発祥のラガー、アメリカ発祥のプロントラガー、チェコ発祥のビルスナー等が含まれる。また、エール系の場合、例えば、イギリス発祥のエールやスタウト、アメリカ発祥のアメリカンペールエール、ドイツ発祥のヴァイツェン等が含まれる。
【0041】
図5は、ビアスタイルを基にテンプレートの中からデザインを決定する方法について示した図である。
ここでは、デザイン決定部330は、テンプレート管理テーブルT1によりデザインを決定する。
図示するように、テンプレート管理テーブルT1には、管理番号ごとに、「ビアスタイル」、「テンプレート」、「使用状態」が関連付けられている。
このうち、テンプレートは、例えば、
図3の商品図形51gのデザインである。そして、例えば、ビアスタイルが、ラガーの場合、3つのテンプレート「image001」~「image003」が設定される。また、使用状態は、これらのテンプレートが、既に使用されているか否かを表し、「使用済」の場合は、既に使用されていることを表し、「未使用」の場合は、まだ使用されていないことを表す。つまり、デザイン決定部330は、ビアスタイルにより、まだ使用されていないテンプレートを選択し、商品図形51gのデザインとする。ビアスタイルごとに用意するテンプレートの数は、例えば、使用頻度に応じて増減させることができる。例えば、ビアスタイルが、ピルスナーなどの場合は、これを製造する飲料メーカは多いため、予め多くのテンプレートを用意しておく。また、未使用のテンプレートが、予め定められた個数より少なくなったときは、補充を行うために、管理者に通知するようにしてもよい。また、複数のテンプレートを決定し、顧客や管理システム1の管理者がそのうち1つを選択してもよい。
【0042】
また、
図3に示したデザインの他の要素は、顧客情報または規定のデザインを基に決定することができる。つまり、飲料メーカ名51m、商品名51p、バーコード51b、商品テキスト51tは、顧客情報を基に決定することができる。また、お酒マーク51a、リサイクル識別表示マーク51r、製缶メーカロゴ51s、栄養成分表示51n、注意喚起テキスト51cおよび商品説明欄51eは、規定のデザインを流用することができる。よって、デザイン決定部330は、テンプレート管理テーブルT1により商品図形51gを決定するとともに、これらのデザインを決定し、
図3に示すように合成して、飲料容器50に印刷する画像全体のデザインを作成する。
【0043】
飲料がビールの場合、テンプレートをビアスタイルに基づき決定することで、ビールの種類に適したデザインを決定することができる。
なおここでは、デザイン決定部330は、ビアスタイルと使用状態の項目に応じてテンプレートの選択をしたが、他の項目に応じてテンプレートを決定することもできる。例えば、地ビールの場合は、顧客の地域性に応じて、それぞれテンプレートを用意することができる。また、飲料の種類に応じてテンプレートを決定することもできる。さらに、顧客がデザインに支払える費用を基にテンプレートを決定することもできる。またさらに、季節性や、イベントで配布するなど飲料の用途に応じてテンプレートを決定することもできる。
【0044】
また、以上述べたような各項目に対し重み付けをしてテンプレートを決定してもよい。例えば、各項目に対し優先順位を付けたり、これらの各項目に対し、スコアを設定し、さらにこれらのスコアに重み付けして加算した総スコアの大小に基づき、テンプレートを決定してもよい。これらの項目は、顧客情報に基づき決定されるパラメータと考えることもでき、この場合、デザイン決定部330は、このパラメータを使用して、テンプレートを決定すると言うこともできる。この場合、デザインを決定するのに、より重要な項目について、より大きく反映させてデザインを決定することができる。
【0045】
図6は、デザイン決定部330が、スコアや重み付けを利用して、テンプレートを決定する方法について示した図である。
ここでは、項目として、ロット数、費用、季節性、イベントについてスコアおよび重みが設定され、これらから算出される総スコアに応じてテンプレートを決定する。そして、ロット数、費用、季節性、イベントの各項目に対し、スコアとして、ロット数、費用の区分(費用の大小により、1以上5以下に規格化された整数値)、季節性の有無(季節性を要する場合は1、要しない場合は0)、イベントでの使用の有無(イベントで使用される場合は1、使用されない場合は0)が設定されている。また、各項目に対し、重みとして、それぞれ0.01、10、5、1が設定される。そして、各スコアに重みを乗じ、総計した値が総スコアとなる。この場合、例えば、ロット数が多いときは、総スコアが大きくなる。また、費用が多い場合も総スコアが大きくなる。よって、ロット数や費用が大きい場合は、総スコアが大きくなり、この場合、デザイナによりデザインを行う設定になる。対して、これらが小さい場合は、総スコアが小さくなり、この場合、テンプレートからデザインを選択する設定になる。さらに、季節性の有無や、イベントの有無により異なる総スコアが算出される。そしてここでは、総スコアに応じて、グループが決定される。このグループは、テンプレートのグループであり、デザイン決定部330は、このグループの中に登録されているテンプレートから、デザインを選択する。
【0046】
<印刷装置決定部340の詳細説明>
印刷装置決定部340は、上述したように、飲料容器50に印刷する印刷装置を決定する。このとき、印刷装置決定部340は、注文情報や顧客情報に基づき決定されるパラメータを使用して決定を行うことができる。このパラメータは、例えば、顧客が印刷装置を有するか否かを表すものである。また、パラメータは、例えば、顧客が注文した飲料容器50のロット数である。さらに、パラメータは、例えば、飲料容器50の飲料の種類や納入先である。
【0047】
また、これらのパラメータに対し重み付けをして印刷装置を決定してもよい。例えば、各パラメータに対し優先順位を付けたり、これらの各パラメータに対し、スコアを設定し、さらにこれらのスコアに重み付けして加算した総スコアの大小に基づき、印刷装置を決定してもよい。この場合、印刷装置を決定するのに、より重要な項目について、より大きく反映させて印刷装置を決定することができる。
【0048】
図7は、印刷装置決定部340が、スコアや重み付けを利用して、印刷装置を決定する方法について示した図である。
ここでは、項目として、ロット数、飲料、印刷装置の有無についてスコアおよび重みが設定され、これらから算出される総スコアに応じて印刷装置を決定する。そして、ロット数、飲料、印刷装置の各項目に対し、スコアとして、ロット数、飲料の種類(例えば、ビールの場合は1、ジュースの場合は、2)、顧客が所有する印刷装置の有無(顧客が印刷装置を所有する場合は1、所有しない場合は0)が設定されている。また、各項目に対し、重みとして、それぞれ0.01、100、5が設定される。そして、各スコアに重みを乗じ、総計した値が総スコアとなる。この場合、例えば、ロット数が多いときは、総スコアが大きくなる。そして、ロット数が大きい場合は、総スコアが大きくなり、この場合、顧客が印刷装置を所有するか否かに拘わらず、注文を受けた側の印刷装置で印刷を行う設定になる。対して、ロット数が少ない場合は、総スコアが小さくなり、この場合、顧客が印刷装置を所有する場合には、顧客の側の印刷装置で印刷を行う設定になる。
【0049】
次に、第1の実施形態の管理システム1の動作について説明する。
図8は、第1の実施形態の管理システム1の動作について説明したフローチャートである。
まず、顧客が、端末装置10の表示部120で表示される入力画面に対し、入力部130を操作することで、飲料容器50の注文を行う(ステップ101)。
この入力画面は、制御部140が生成し、入力部130により受け付けられた注文は、制御部140が、注文情報として、送受信部110を介して、サーバ装置30に送信する。そして、注文情報は、サーバ装置30の送受信部310が受信する(ステップ102)。
【0050】
サーバ装置30は、注文情報に応じ、取得部320が、記憶部360から、顧客に関する情報である顧客情報を取得する(ステップ103)。
そして、デザイン決定部330が、飲料容器50に施すデザインとして、テンプレートを使用し、テンプレートの中からデザインを選択するか、テンプレートを使用せず、デザイナによりデザインを行うか否かを決定する(ステップ104)。これは、例えば、
図6で説明した方法により行うことができる。
その結果、テンプレートを使用する場合(ステップ104でYes)、注文情報や顧客情報に基づき、テンプレートの中からデザインを選択する(ステップ105)。これは、例えば、
図5、6で説明した方法により行うことができる。
対して、テンプレートを使用せずデザイナによりデザインを行う場合(ステップ104でNo)、デザイナによりデザインが行われる(ステップ106)。
【0051】
ステップ105およびステップ106の後は、印刷装置決定部340が、注文情報、顧客情報および決定されたデザインに基づき、飲料容器50に印刷する印刷装置を決定する(ステップ107)。これは、例えば、
図7で説明した方法により行うことができる。
さらに、工程管理部350は、注文情報および決定されたデザインや印刷装置に基づき、飲料容器50の製造工程を管理する(ステップ108)。この際、工程管理部350は、飲料容器50の製造の進捗状態や納期などについて、端末装置10に経過情報を送信することもできる。
そして、飲料容器50の製造が終了すると、顧客に向け飲料容器50の発送がされる(ステップ109)。
【0052】
第1の実施形態によれば、テンプレートを利用することで、飲料容器50に印刷する画像のデザインを、より簡易に決定することができる。また、この場合、顧客にデザインに対する知見を要しない。さらに、デザインに要する費用、校正の労力、期間を低減することができる。さらに、飲料容器50の製造工程を管理することで、飲料容器50の製造に要する労力を軽減することができる。
【0053】
[第2の実施形態]
次に、本実施の形態の管理システム1の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態では、サーバ装置30は、顧客に対し、飲料容器50に対するデザインの決定に関する支援を行う。
【0054】
図9は、第2の実施形態における管理システム1の機能構成例を示したブロック図である。
図9に示した管理システム1は、
図4に示した第1の実施形態における管理システム1と比較して、サーバ装置30に顧客支援部370を有する点が異なり、他は同様である。よって、以後、顧客支援部370の機能を中心に説明を行う。
【0055】
顧客支援部370は、デザインの決定に関し、顧客に支援を行う。顧客は、上述したように、例えば、飲料の製造メーカであり、特に小規模の製造メーカの場合、自己でデザインを行う体制が整っていない場合が多い。しかしながら、その場合でも自己でデザインを行ったり、デザインを選択すれば、要求するデザインが得られやすい。そのため、第2の実施形態では、テンプレートからデザインを選択する場合のみならず、顧客にデザインを決定するための支援を行い、デザインの決定に顧客の要望をより反映させる機構を取り入れる。
また、デザイナによりデザインを行う場合でも、顧客の要望とデザイナによるデザインの傾向とがマッチングするとは限らない。
そこで、本実施の形態では、顧客支援部370にて、デザインの決定に関し、顧客に支援を行うようにする。
【0056】
顧客支援部370は、例えば、デザインを決定する際に支援を行う支援者を選択する。この支援者は、デザインの決定に際し支援を行うことができれば、特に限られるものではなく、デザイナやアドバイザである。また、AI(Artificial Intelligence)などであってもよい。このような支援者を設定することで、顧客は、デザインの決定に際し、より適切なデザインを注文、決定等することができ、デザインの決定に要する時間も軽減できる。
【0057】
また、顧客支援部370は、例えば、顧客情報を基にデザイン教育が必要な顧客を選択し、デザイン支援プログラムを提供する。この教育プログラムにより、顧客は、デザインに対する感性や技術を習得することができる。
【0058】
さらに、顧客支援部370は、例えば、地域ブランドに関する情報を提供する。顧客が、例えば、地ビールのメーカなどであった場合、デザインに地域性を盛り込むことは重要である。そして、顧客が、地域ブランドとなる飲料を製造することで、顧客の製造する飲料の知名度やブランド価値が向上する。そのため、顧客支援部370は、地域ブランドとして成り立つようなデザインを作成、決定するような支援を行う。また、地域ブランドに関する情報に応じたテンプレートを予め用意しておくこともできる。
【0059】
次に、第2の実施形態の管理システム1の動作について説明する。
図10は、第2の実施形態の管理システム1の動作について説明したフローチャートである。
図10で、ステップ201~ステップ203は、
図8のステップ101~ステップ103と同様である。また、ステップ205~ステップ210は、
図8のステップ104~ステップ109と同様である。よって、ここでは説明を省力する。
ステップ204では、顧客支援部370が、上述したような、顧客に対する支援を行う(ステップ204)。
【0060】
第2の実施形態によれば、第1の実施形態で述べた効果に加え、顧客がデザインに対する知見を有することで、より適切なデザインを決定することができる。
【0061】
[第3の実施形態]
次に、本実施の形態の管理システム1の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態では、飲料を消費する消費者に対し、メールを送付し、これを管理する。
【0062】
図11は、第3の実施形態における管理システム1の機能構成例を示したブロック図である。
図11に示した管理システム1は、
図4に示した第1の実施形態における管理システム1と比較して、サーバ装置30にメール管理部380を有する点が異なり、他は同様である。よって、以後、メール管理部380の機能を中心に説明を行う。
【0063】
メール管理部380は、顧客情報を基にデザインに関するダイレクトメールを送るとともに、ダイレクトメールの返信を管理する。ここで、ダイレクトメールは、はがきや封筒等により送られる紙文書でもよく、電子メール等で送られる電子文書であってもよい。ダイレクトメールを送る消費者は、例えば、過去に送ったダイレクトメールの結果により判断する。また、飲料が地域限定販売などの場合は、この地域に在住する消費者を選択することもできる。
また、メール管理部380は、消費者からの返信を管理する。この返信は、例えば、アンケートの結果などである。これにより、飲料を販売する際やテストマーケティングの際に参考となるデータを収集することができる。
【0064】
次に、第3の実施形態の管理システム1の動作について説明する。
図12は、第3の実施形態の管理システム1の動作について説明したフローチャートである。
図12で、ステップ301~ステップ308は、
図8のステップ101~ステップ108と同様である。また、ステップ310~は、
図8のステップ109と同様である。よって、ここでは説明を省力する。
ステップ309では、メール管理部380が、顧客情報を基にデザインに関するダイレクトメールを送る(ステップ309)。
【0065】
第3の実施形態によれば、第1の実施形態で述べた効果に加え、消費者に対し、飲料容器50のデザインを含む情報をいち早く発信することができるとともに、消費者の反応を取得することができる。
【0066】
<プログラムの説明>
なお本実施の形態におけるサーバ装置30が行う処理は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。即ち、サーバ装置30の内部に設けられた図示しないCPUが、サーバ装置30の各機能を実現するプログラムを実行し、これらの各機能を実現させる。
【0067】
よって、サーバ装置30が行う処理は、コンピュータに、顧客から飲料容器50の製造の注文を受け付ける受付機能と、顧客に関する情報である顧客情報を取得する取得機能と、顧客情報を基に、飲料容器50に印刷するデザインについて、予め用意されたデザインであるテンプレートを使用するか否かを決定するデザイン決定機能と、顧客情報および決定されたデザインに基づき、飲料容器50に印刷する印刷装置を決定する印刷装置決定機能と、を実現するためのプログラムとして捉えることもできる。
【0068】
以上、本実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、種々の変更または改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0069】
1…管理システム、10…端末装置、30…サーバ装置、310…送受信部、320…取得部、330…デザイン決定部、340…印刷装置決定部、350…工程管理部、360…記憶部、370…顧客支援部、380…メール管理部