(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-20
(45)【発行日】2024-11-28
(54)【発明の名称】インテリア空間シミュレーション装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241121BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2024030495
(22)【出願日】2024-02-29
【審査請求日】2024-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000130824
【氏名又は名称】株式会社サンゲツ
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】古内 晋也
(72)【発明者】
【氏名】後藤 一意
(72)【発明者】
【氏名】高木 史緒
(72)【発明者】
【氏名】板倉 寛和
(72)【発明者】
【氏名】樋口 航介
(72)【発明者】
【氏名】岩田 実
【審査官】三吉 翔子
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2022-0080269(KR,A)
【文献】特表2024-507656(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2023-0068084(KR,A)
【文献】壁紙・床・カーテンのカラーシミュレーター「SINCOL」,online,2023年12月03日、[2024年9月5日検索]、インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20231203095850/https://simulatorgallery.com/sincol/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末によって入力されたアンケート結果を取得する取得部と、
キーワードの組合せとインテリア用品を含むインテリア空間の雰囲気情報とを教師データとして機械学習された学習モデルに、前記アンケート結果に含まれるキーワードの組合せを入力することで、前記学習モデルから前記インテリア空間の雰囲気情報を取得する雰囲気情報取得部と、
前記インテリア空間の雰囲気情報と、前記インテリア空間の表示用画像とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記雰囲気情報取得部によって取得された前記インテリア空間の雰囲気情報に関連付けられて記憶されている前記インテリア空間の表示用画像を前記記憶部から取得して前記ユーザ端末に送信する送信部と、を備える、インテリア空間シミュレーション装置。
【請求項2】
前記送信部は、前記ユーザ端末からの要求に応じて、前記インテリア空間の表示用画像に含まれる前記インテリア用品を変更する、請求項1に記載のインテリア空間シミュレーション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、インテリア空間シミュレーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザによるインテリア用品の選定を支援する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、複雑な機械学習を行う必要があるという問題点があった。
【0005】
そこで、本開示は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、複雑な機械学習を用いることなく、ユーザのイメージに合致するインテリア用品を含むインテリア空間を推奨することができるインテリア空間シミュレーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の特徴は、インテリア空間シミュレーション装置であって、ユーザ端末によって入力されたアンケート結果を取得する取得部と、キーワードの組合せとインテリア用品を含むインテリア空間の雰囲気情報とを教師データとして機械学習された学習モデルに、前記アンケート結果に含まれるキーワードの組合せを入力することで、前記学習モデルから前記インテリア空間の雰囲気情報を取得する雰囲気情報取得部と、前記インテリア空間の雰囲気情報と、前記インテリア空間の表示用画像とを関連付けて記憶する記憶部と、前記雰囲気情報取得部によって取得された前記インテリア空間の雰囲気情報に関連付けられて記憶されている前記インテリア空間の表示用画像を前記記憶部から取得して前記ユーザ端末に送信する送信部と、を備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、複雑な機械学習を用いることなく、ユーザのイメージに合致するインテリア用品を含むインテリア空間を推奨することができるインテリア空間シミュレーション装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態に係るインテリア空間シミュレーション装置1の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係るインテリア空間シミュレーション装置11に入力されるアンケート結果の一例及び一実施形態に係るインテリア空間シミュレーション装置11によって出力されるインテリア空間の表示用画像の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、一実施形態に係るインテリア空間シミュレーション装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0010】
(第1実施形態)
以下、
図1~
図3を参照して、本発明の第1実施形態に係るインテリア空間シミュレーション装置1について説明する。
図1は、本実施形態に係るインテリア空間シミュレーション装置1の機能ブロックの一例を示す図であり、
図2(a)は、本実施形態に係るインテリア空間シミュレーション装置11に入力されるアンケート結果の一例を示す図であり、
図2(b)は、本実施形態に係るインテリア空間シミュレーション装置1によって出力されるインテリア空間の表示用画像の一例を示す図であり、
図3は、本実施形態に係るインテリア空間シミュレーション装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0011】
本実施形態に係るインテリア空間シミュレーション装置1は、ユーザのイメージに合致するインテリア空間の表示画像を、所定のユーザ端末20に表示させることができる装置である。
【0012】
インテリア空間シミュレーション装置1及びユーザ端末20は、無線ネットワークを介して接続されていてもよいし、有線ネットワークを介して接続されていてもよい。
【0013】
例えば、ユーザは、ショールーム等に設けられているユーザ端末20を用いて、自身のイメージに合致するインテリア空間の表示画像を表示させてもよいし、自身のユーザ端末を用いて、自身のイメージに合致するインテリア空間の表示画像を表示させてもよい。
【0014】
具体的には、インテリア空間シミュレーション装置1は、取得部11と、雰囲気情報取得部12と、記憶部13と、送信部14とを備える。
【0015】
取得部11は、ユーザ端末20によって入力されたアンケート結果を取得する。
図2(a)に、かかるアンケート結果の一例を示す。
【0016】
例えば、かかるアンケート結果には、ユーザの年齢や性別や家族構成やペットの有無や趣味嗜好(音楽や旅行やスポーツ等)等が含まれる。
【0017】
雰囲気情報取得部12は、キーワードの組合せとインテリア空間の雰囲気情報とを教師データとして機械学習を行うことによって、入力されたキーワードの組合せからインテリア空間の雰囲気情報を判定する学習モデルを作成する。
【0018】
ここで、雰囲気情報取得部12は、ディープラーニングを用いた画像認識によって、かかる学習モデルを作成してもよいし、生成系AIを用いて、かかる学習モデルを作成してもよい。
【0019】
例えば、キーワードの組合せとしては、上述のユーザの年齢と性別と家族構成とペットの有無と趣味嗜好のうちの任意のキーワードの組合せが想定される。
【0020】
例えば、雰囲気情報は、「南国風」や「ヨーロッパ風」や「アジア風」や「北欧風」や「明るい色合い」や「暗い色合い」や「明るい雰囲気」や「落ち着いた雰囲気」や「汚れが目立たない」等といった雰囲気を示す情報である。
【0021】
また、かかるインテリア空間には、インテリア用品が含まれる。 例えば、インテリア用品には、化粧シートや、化粧フィルムや、床材や、タイルや、カーペットや、クッションフロアや、塩ビ長尺シートや、壁紙や、天井材や、椅子生地や、クッションや、マルチカバーや、ラグや、カーテンや、ロールスクリーンや、ブラインド等が含まれる。また、インテリア用品には、各種の家具製や、各種の家電製品や、照明器具や、絵画等の装飾品が含まれてもよい。
【0022】
また、雰囲気情報取得部12は、取得部11によって取得されたアンケート結果に含まれるキーワードの組合せを入力することで、上述の学習モデルからインテリア空間の雰囲気情報を取得する。
【0023】
記憶部13は、インテリア空間の雰囲気情報と、インテリア空間の表示用画像とを関連付けて記憶する。
図2(b)に、かかるインテリア空間の表示用画像の一例を示す。
【0024】
例えば、インテリア空間の表示用画像は、予め準備されている部屋の画像内のインテリア用品を、ユーザに対して提案したいと考えるインテリア用品に置き換えることで生成された画像である。
【0025】
或いは、インテリア空間の表示用画像は、ユーザ端末20から入力されたインテリア空間の画像内のインテリア用品を、ユーザに対して提案したいと考えるインテリア用品に置き換えることで生成された画像であってもよい。
【0026】
なお、送信部14は、ユーザ端末20からの要求に応じて、インテリア空間の表示用画像に含まれるインテリア用品を変更してもよい(
図2(c)及び
図2(d)参照)。ここで、かかる要求には、ユーザが興味を示しているインテリア用品に係る情報(例えば、製品のカテゴリー、画像、製品情報、製品が掲載されている見本帳の情報等)が含まれていてもよい。
【0027】
送信部14は、雰囲気情報取得部12によって取得されたインテリア空間の雰囲気情報に関連付けられて記憶されているインテリア空間の表示用画像を記憶部13から取得してユーザ端末20に送信する。
【0028】
以下、
図3を参照して、本実施形態に係るインテリア空間シミュレーション装置1の動作の一例について説明する。
【0029】
図3に示すように、ステップS101において、ユーザは、ユーザ端末20を用いて、アンケートに対する回答を入力し、かかるアンケート結果をインテリア空間シミュレーション装置1に送信すると、取得部11が、かかるアンケート結果を取得する。
【0030】
ステップS102において、雰囲気情報取得部12は、取得部11によって取得されたアンケート結果に含まれるキーワードの組合せを入力することで、上述の学習モデルからインテリア空間の雰囲気情報を取得する。
【0031】
ステップS103において、送信部14は、記憶部13から、雰囲気情報取得部12によって取得されたインテリア空間の雰囲気情報に関連付けられて記憶されているインテリア空間の表示用画像を取得する。
【0032】
ステップS104において、送信部14は、ユーザ端末20に対して、かかるインテリア空間の表示用画像を送信する。その結果、ユーザ端末20は、インテリア空間シミュレーション装置1から受信したインテリア空間の表示用画像を表示する。
【0033】
本実施形態に係るインテリア空間シミュレーション装置1によれば、インテリア空間の画像とインテリア空間の雰囲気情報とを教師データとして機械学習を行うだけで、ユーザのイメージに合致した雰囲気のインテリア空間を提案することができる。
【0034】
また、本実施形態に係るインテリア空間シミュレーション装置1によれば、ユーザのイメージに合致した雰囲気のインテリア空間の表示用画像に、ユーザに対して提案したいと考えるインテリア用品を柔軟に含めることができる。
【0035】
上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施できる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0036】
1…インテリア空間シミュレーション装置
11…取得部
12…雰囲気情報取得部
13…記憶部
14…送信部
20…ユーザ端末
【要約】
【課題】複雑な機械学習を用いることなく、ユーザのイメージに合致するインテリア用品を含むインテリア空間を推奨すること。
【解決手段】本開示に係るインテリア空間シミュレーション装置1は、ユーザ端末によって入力されたアンケート結果を取得する取得部11と、キーワードの組合せとインテリア用品を含むインテリア空間の雰囲気情報とを教師データとして機械学習された学習モデルに、前記アンケート結果に含まれるキーワードの組合せを入力することで、前記学習モデルから前記インテリア空間の雰囲気情報を取得する雰囲気情報取得部12と、インテリア空間の雰囲気情報とインテリア空間の表示用画像とを関連付けて記憶する記憶部13と、雰囲気情報取得部12によって取得されたインテリア空間の雰囲気情報に関連付けられて記憶されているインテリア空間の表示用画像を記憶部13から取得してユーザ端末20に送信する送信部14とを備える。
【選択図】
図1