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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-20
(45)【発行日】2024-11-28
(54)【発明の名称】目隠し体
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
F24F13/20
F24F1/0007 401D
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2024048441
(22)【出願日】2024-03-25
【審査請求日】2024-05-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】北川 順
(72)【発明者】
【氏名】山田 貴之
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-121120(JP,A)
【文献】特開2023-010286(JP,A)
【文献】特開2012-137237(JP,A)
【文献】特開平05-133165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁に取り付けられる対象物を覆い隠す目隠し体であって、
前記対象物の両側において前記壁に取り付けられる一対のサイドフレームと、
前記対象物から前に離れた位置において前記一対のサイドフレームの間に架け渡されるフロント桟と、
前記一対のサイドフレーム及び前記フロント桟の正面に取り付けられるフロントルーバーと、
を備えることを特徴とする目隠し体。
【請求項2】
壁に取り付けられる対象物を覆い隠す目隠し体であって、
前記対象物の両側において前記壁に取り付けられる一対のサイドフレームと、
前記対象物の前において前記一対のサイドフレームの間に架け渡されるフロント桟と、
前記一対のサイドフレーム及び前記フロント桟の正面に取り付けられるフロントルーバーと、
を備え、
前記フロント桟が、前記対象物の前において前記一対のサイドフレームの上端の間に架け渡される
ことを特徴とする目隠し体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の目隠し体であって、
前記フロントルーバーの背面に固定され、前記フロント桟の上から前記フロント桟に引っ掛けられるフック
を備えることを特徴とする目隠し体。
【請求項4】
請求項に記載の目隠し体であって、
前記フロントルーバーの背面と前記サイドフレームの正面のうち一方に取り付けられ、他方を吸着する吸着部
を備えることを特徴とする目隠し体。
【請求項5】
請求項に記載の目隠し体であって、
前記フックが前記フロント桟の中心軸の回りに回転可能に前記フロント桟に引っ掛けられている
ことを特徴とする目隠し体。
【請求項6】
請求項に記載の目隠し体であって、
前記フックが、
前記フロントルーバーの背面に固定され、前記フロント桟の正面に面接触するベースと、
前記ベースから後方に曲げられて、前記フロント桟の上面に面接触する曲げ片と、
前記曲げ片から上に前記曲げ片に対して斜めに曲げられ、前記フロント桟の上面から浮いた第1板バネと、
前記第1板バネから下に曲げられて、前記フロント桟の後ろに当てられる第2板バネと、
を有する
ことを特徴とする目隠し体。
【請求項7】
請求項に記載の目隠し体であって、
前記フロントルーバーが、
縦方向に延びる縦桟と、
前記縦桟の前に固定され、横方向に延び、間隔を置いて前記縦桟に沿って縦方向に並ぶ複数の羽板と、を有し、
前記フックが前記複数の羽板の何れかと一緒にネジによって前記縦桟に固定される
ことを特徴とする目隠し体。
【請求項8】
請求項に記載の目隠し体であって、
前記フロントルーバーに対するフックの固定位置が上下方向に調整可能である
ことを特徴とする目隠し体。
【請求項9】
請求項に記載の目隠し体であって、
前記一対のサイドフレームの一方又は両方の側面に取り付けられる1体又は2体のサイ
ドルーバー
を備え、
前記サイドフレームが枠状に設けられている
ことを特徴とする目隠し体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目隠し体に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1は、空調装置の室内機を覆い隠す目隠し構造を開示する。具体的には、収納空間がクローゼットの上に設けられており、室内機が収納空間の奥の壁に設置され、ルーバーが収納空間の開口に設置され、室内機がルーバーの裏に覆い隠されている。ルーバーが跳ね上げ式ヒンジによって開口の上縁に連結され、ルーバーが振り上げられることによって開口が開放され、ルーバーが振り下げられることによって開口がルーバーによって閉じられる。収納空間がクローゼットの内部空間と一緒に施工されることから、この目隠し構造の作製が難しい上、この目隠し構造は汎用性が無い。室内機が収納空間の内側に収まるため、室内機の上下左右の内壁面が室内機の吸排気に支障を及ぼす。更に、室内機の清掃及びメンテナンスも行いにくい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】インターネット<URL:https://marushin-tategu.com/archives/555>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、汎用性が高く、設置が容易であり、目隠し対象の吸い込み・吹き出しに影響を及ぼしづらい目隠し体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下の括弧書きで示された参照符号は図1図12において参照される。
【0006】
請求項1によれば、壁(11)に取り付けられる対象物(19)を覆い隠す目隠し体(30)であって、前記対象物(19)の両側において前記壁(11)に取り付けられる一対のサイドフレーム(41)と、前記対象物(19)から前に離れた位置において前記一対のサイドフレーム(41)の間に架け渡されるフロント桟(48)と、前記一対のサイドフレーム(41)及び前記フロント桟(48)の正面に取り付けられるフロントルーバー(60)と、を備えることを特徴とする目隠し体(30)が提供される。
請求項2によれば、壁(11)に取り付けられる対象物(19)を覆い隠す目隠し体(30)であって、前記対象物(19)の両側において前記壁(11)に取り付けられる一対のサイドフレーム(41)と、前記対象物(19)の前において前記一対のサイドフレーム(41)の間に架け渡されるフロント桟(48)と、前記一対のサイドフレーム(41)及び前記フロント桟(48)の正面に取り付けられるフロントルーバー(60)と、を備え、前記フロント桟(48)が、前記対象物(19)の前において前記一対のサイドフレーム(41)の上端の間に架け渡されることを特徴とする目隠し体(30)が提供される。
【0007】
以上のような請求項1,2によれば、一対のサイドフレーム(41)を対象物(19)の両側において壁(11)に取り付け、フロント桟(48)を一対のサイドフレーム(41)の間に架け渡し、フロントルーバー(60)を一対のサイドフレーム(41)及びフロント桟(48)の正面に取り付ければ、対象物(19)が目隠し体(30)によって覆い隠される。このような目隠し体(30)は壁(11)に取り付けられた様々な種類の対象物(19)を覆い隠すに適しており、目隠し体(30)の汎用性が高い。このような目隠し体(30)の設置が容易である。
一対のサイドフレーム(41)が対象物(19)の両側において壁(11)に取り付けられ、フロントルーバー(60)がサイドフレーム(41)及びフロント桟(48)の正
面に取り付けられているため、目隠し体(30)の上面及び下面が開放され、目隠し体(30)の正面がフロントルーバー(60)によって構成される。対象物(19)が空調装置の室内機等のように空気の流れを発生させるものであれば、このような目隠し体(30)が対象物(19)の吸い込み・吹き出しに影響を及ぼしづらい。
以上のような請求項2によれば、フロント桟(48)が対象物(19)の前において一対のサイドフレーム(41)の上端の間に架け渡されるため、フロント桟(48)が邪魔にならない。例えば、フロント桟(48)が対象物(19)まで配管されるダクトなどの邪魔にならない。
【0008】
請求項によれば
請求項1又は2に記載の目隠し体(30)であって、
前記フロントルーバー(60)の背面に固定され、前記フロント桟(48)の上から前記フロント桟(48)に引っ掛けられるフック(70)
を備えることを特徴とする目隠し体(30)が提供される。
【0009】
以上のような請求項によれば、フック(70)をフロント桟(48)の上からフロント桟(48)に引っ掛ければ、フロントルーバー(60)がフロント桟(48)及びサイドフレーム(41)の正面に容易に取り付けられる。
【0010】
請求項によれば、
請求項に記載の目隠し体(30)であって、
前記フロントルーバー(60)の背面と前記サイドフレーム(41)の正面のうち一方に取り付けられ、他方を吸着する吸着部(80)
を備えることを特徴とする目隠し体(30)が提供される。
【0011】
以上のような請求項によれば、フロントルーバー(60)がフック(70)のみならず吸着部(80)によってもフロント桟(48)及びサイドフレーム(41)に支持されるため、フロントルーバー(60)が安定して、フロントルーバー(60)の脱落が防止される。
【0012】
請求項によれば、
請求項に記載の目隠し体(30)であって、
前記フック(70)が前記フロント桟(48)の中心軸の回りに回転可能に前記フロント桟(48)に引っ掛けられている
ことを特徴とする目隠し体(30)が提供される。
【0013】
以上のような請求項によれば、フック(70)がフロント桟(48)の中心軸の回りに回転可能にフロント桟(48)に引っ掛けられているため、フロントルーバー(60)を振り上げたり、振り下げたりすることができる。フロントルーバー(60)が振り上げられると、対象物(19)の正面が開放されることから、対象物(19)の清掃又はメンテナンス等のような取り扱いを容易に行える。
【0014】
請求項によれば、
請求項に記載の目隠し体(30)であって、
前記フック(70)が、
前記フロントルーバー(60)の背面に固定され、前記フロント桟(48)の正面に面接触するベース(71)と、
前記ベース(71)から後方に曲げられて、前記フロント桟(48)の上面に面接触する曲げ片(72)と、
前記曲げ片(72)から上に前記曲げ片(72)に対して斜めに曲げられ、前記フロント桟(48)の上面から浮いた第1板バネ(73)と、
前記第1板バネ(73)から下に曲げられて、前記フロント桟(48)の後ろに当てられる第2板バネ(74)と、
を有する
ことを特徴とする目隠し体(30)が提供される。
【0015】
以上のような請求項によれば、ベース(71)がフロント桟(48)の正面に面接触し、曲げ片(72)がフロント桟(48)の上面に面接触し、第2板バネ(74)がフロント桟(48)の後ろに当てられることによって、フック(70)がフロント桟(48)に引っ掛けられ、フロントルーバー(60)がフロント桟(48)に支持される。第1板バネ(73)及び第2板バネ(74)が採用され、第1板バネ(73)がフロント桟(48)の上面から浮いているため、フロントルーバー(60)を振り上げることができる。
フロントルーバー(60)を振り上げると、第2板バネ(74)がフロント桟(48)の後ろに当てられた状態で、曲げ片(72)がフロント桟(48)の上面から離れ、ベース(71)がフロント桟(48)の正面から離れ、第1板バネ(73)がフロント桟(48)の上面に当たる。曲げ片(72)がフロント桟(48)の上面から離れているため、フロントルーバー(60)を振り下げることができる。
フロントルーバー(60)を振り下げると、第2板バネ(74)がフロント桟(48)の後ろに当てられた状態で、ベース(71)がフロント桟(48)の正面に当たり、曲げ片(72)がフロント桟(48)の上面に当たり、第1板バネ(73)がフロント桟(48)の上面から離れる。
このように構成されたフック(70)は、フロントルーバー(60)の振り上げ・振り下げの実現に貢献する。
【0016】
請求項によれば、
請求項に記載の目隠し体(30)であって、
前記フロントルーバー(60)が、
縦方向に延びる縦桟(61)と、
前記縦桟(61)の前に固定され、横方向に延び、間隔を置いて前記縦桟(61)に沿って縦方向に並ぶ複数の羽板(62)と、を有し、
前記フック(70)が前記複数の羽板(62)の何れかと一緒にネジ(78)によって前記縦桟(61)に固定される
ことを特徴とする目隠し体(30)が提供される。
【0017】
以上のような請求項によれば、ネジ(78)は、縦桟(61)へのフック(70)の固定と、縦桟(61)への羽板(62)の固定の両方に利用される。よって、目隠し体(30)の部品点数が削減される。
【0018】
請求項によれば、
請求項に記載の目隠し体(30)であって、
前記フロントルーバー(60)に対するフック(70)の固定位置が上下方向に調整可能である
ことを特徴とする目隠し体(30)が提供される。
【0019】
以上のような請求項によれば、サイドフレーム(41)及びフロント桟(48)に対するフロントルーバー(60)の相対的な位置を上下方向に調整することができる。
【0020】
請求項によれば、
請求項に記載の目隠し体(30)であって、
前記一対のサイドフレーム(41)の一方又は両方の側面に取り付けられる1体又は2体のサイドルーバー(50)
を更に備え、
前記サイドフレーム(41)が枠状に設けられている
ことを特徴とする目隠し体(30)が提供される。
【0021】
以上のような請求項によれば、サイドフレーム(41)が枠状に設けられ、サイドルーバー(50)がサイドフレーム(41)の側面に取り付けられているため、目隠し体(30)が対象物(19)の吸い込み・吹き出しに影響を及ぼしづらい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、目隠し体の汎用性が高く、目隠し体の設置が容易である。対象物が空気の流れを発生させるものであれば、目隠し体が対象物の吸い込み・吹き出しに影響を及ぼしづらい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は住宅の居室の内観図である。
図2図2は目隠し体の斜視図である。
図3図3は目隠し体の分解斜視図である。
図4図4は目隠し体の左側面図である。
図5図5は目隠し体の右側面図である。
図6図6は目隠し体の上面図である。
図7図7は目隠し体の背面図である。
図8図8は本体フレームの斜視図である。
図9図9は右のサイドフレームの左側面図である。
図10図10はフロントルーバーが振り下げられた状態を示す縦断面図である。
図11図11はフロントルーバーが振り上げられた状態を示す縦断面図である。
図12図12(a)はフロントルーバーの上部の背面図であり、図12(b)はフロントルーバーの上部の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。実施形態の特徴及び技術的な効果は、以下の詳細な説明及び図面から理解される。ただし、本発明の範囲は、以下に開示された実施形態に限定されない。図面は例示のみのために提供されるため、本発明の範囲は図面の例示に限定されない。
【0027】
<1. 居室>
図1は、住宅の居室を示した図である。この居室は、四方の第1壁11、第2壁12、第3壁13及び第4壁によって囲われたリビング・ダイニング・キッチンである。第1壁11が第2壁12に対向し、第3壁13が第4壁に対向する。システムキッチン台15が、壁11,12から離れて且つ第3壁13に隣接して設置されている。天板を有する食器棚16が第1壁11に寄って第1壁11及び床に設置され、吊り棚18が食器棚16から上に離れて第1壁11に設置されている。空気調和装置の室内機19及び目隠し体30が吊り棚18の横において第1壁11に設置されている。吊り棚18と目隠し体30が同じ高さで横に並んでおり、室内機19が目隠し体30の後ろに覆い隠されている。なお、室内機19に代えてサーキュレーター、扇風機、空気洗浄機、加湿器又は除湿器が第1壁11に設置されてもよい。室内機19、サーキュレーター、扇風機、空気洗浄機、加湿器及び除湿器の何れもが空調機器の一種である。目隠し体30によって覆い隠される対象物は、壁に取り付けられているものであれば、空調機器以外のものでもよい。
【0028】
<2. 目隠し体>
図2は目隠し体30の斜視図であり、図3は目隠し体30の分解斜視図であり、図4は目隠し体30の左側面図であり、図5は目隠し体30の右側面図であり、図6は目隠し体30の上面図であり、図7は目隠し体30の背面図であり、図8は目隠し体30の本体フレーム40の斜視図である。
【0029】
目隠し体30は本体フレーム40、サイドルーバー50、フロントルーバー60及び複数のフック70を備える。
【0030】
本体フレーム40は、室内機19の左右の脇において第1壁11に固定されている。フロントルーバー60は、本体フレーム40の正面に取り付けられ、室内機19の正面を覆い隠す。フロントルーバー60は、本体フレーム40に対して着脱可能である。サイドルーバー50は、本体フレーム40の左側面に取り付けられ、室内機19の左側面を覆い隠す。
【0031】
本体フレーム40は、一対のサイドフレーム41及びフロント桟48を有する。
【0032】
一対のサイドフレーム41は、これらの間に間隔をおいて左右に並んで、第1壁11に固定されている。サイドフレーム41がロ字型、すなわち長方形又は正方形の枠状に形作られていることから、サイドフレーム41がその中央に長方形又は正方形の開口を有する。サイドフレーム41は、ステンレス鋼又はアルミニウム合金などのような金属製である。サイドフレーム41は、磁性、特に常磁性を有してもよい。
【0033】
サイドフレーム41は、基材42、アッパーアーム43、ロアアーム44及び縦材45を有する。これら基材42、アッパーアーム43、ロアアーム44及び縦材45は、角棒からなり、より具体的には中空を有した角パイプからなる。基材42は、室内機19の側方において上下方向に鉛直に延びて、ビスなどによって第1壁11に固定されている。基材42の上端がアッパーアーム43の後端に接合されて、アッパーアーム43が基材42の上端から第1壁11に対して垂直な方向に延びている。基材42の下端がロアアーム44の後端に接合されて、ロアアーム44の下端から第1壁11に対して垂直に延びている。縦材45の上端がアッパーアーム43の前端に接合され、縦材45の下端がロアアーム44の前端に接合され、縦材45が上下方向に鉛直に延びている。基材42と縦材45が互いに平行であり、アッパーアーム43とロアアーム44が互いに平行である。
【0034】
フロント桟48は、角棒からなり、より具体的には中空を有した角パイプからなる。フロント桟48は2体のサイドフレーム41の前端且つ上端の間に架け渡されている。フロント桟48の両端が2体のサイドフレーム41にそれぞれ連結されている。具体的には、図9に示すように、L字型のジョイント46が右のサイドフレーム41の左側面の前上の角部から反対のサイドフレーム41の方へ突出しており、ジョイント46がフロント桟48の右端の開口に嵌め入れられる。ジョイント46がネジ又は爪などによってフロント桟48に留められてもよい。同様に、左のサイドフレーム41のジョイントがフロント桟48の左端の開口に嵌め入れられる。
【0035】
図2図7に示すように、サイドルーバー50は、本体フレーム40の左側面、つまり左のサイドフレーム41の左側面に取り付けられている。サイドルーバー50は横ルーバーである。サイドルーバー50は2本の縦桟51及び複数の羽板52を有する。
【0036】
縦桟51は角棒からなり、より具体的には中空を有した角パイプからなる。縦桟51は、ステンレス鋼又はアルミニウム合金などのような金属製である。縦桟51は、磁性、特に常磁性を有してもよい。縦桟51は、これらの間に間隔を置いて互いに平行に配置されている。縦桟51の縦方向の長さは吊り棚18の縦方向のサイズに合わせて設定されている。つまり、吊り棚18の縦方向のサイズが大きいほど、縦桟51の縦方向の長さが長い。
【0037】
羽板52は、無垢材、合板、集成材又はパーティクルボードなどのような木製の帯板からなる。化粧シートが羽板52の表面に貼り付けられてもよいし、羽板52が塗装されたものでもよい。羽板52が無垢材かなり、無垢材の木目が羽板52の表面に表れてもよく、更に木目が残るように羽板52が塗装されてもよい。なお、羽板52が木目調の樹脂成形品であってもよい。羽板52の数は吊り棚18の縦方向のサイズに合わせて設定されている。つまり、吊り棚18の縦方向のサイズが大きいほど、羽板52が多い。
【0038】
サイドルーバー50が横ルーバーであるため、複数の羽板52が互いに平行になって横に延びているとともに、これら羽板52が縦桟51に沿って縦方向に等間隔で並んでいる。これら羽板52は、水平に伏せた姿勢で、ネジにより縦桟51に固定されている。羽板52は、縦桟51の延びる方向に厚みを有する。ネジは縦桟51の方から羽板52に留められている。ネジの頭部は縦桟51の内側に収まってもよい。羽板52はネジ以外の留め具によって縦桟51に固定されてもよい。
【0039】
羽板52と縦桟51の交差部において、羽板52と縦桟51の両方に切り欠きが形成され、羽板52の切り欠きと縦桟51の切り欠きが合わさって、羽板52と縦桟51が相欠き継ぎのように相手方の切り欠きに嵌められてもよい。羽板52と縦桟51の交差部において、羽板52と縦桟51のどちらか一方に切り欠きが形成され、他方が片欠き継ぎのように切り欠きに嵌められてもよい。
【0040】
縦桟51の上端の位置は最上段の羽板52の上面の位置に揃っているか、その位置よりも下に位置する。従って、縦桟51は羽板52の上面から上へ突き出ていない。縦桟51の下端の位置は最下段の羽板52の下面の位置に揃っているか、その位置よりも上に位置する。
【0041】
サイドルーバー50が以下のように本体フレーム40の左側面に取り付けられている。
一方の縦桟51が左のサイドフレーム41の基材42の左側面に当てられて、その縦桟51がネジによって基材42に固定されている。ネジは基材42の方から縦桟51に留められている。ネジの頭部は縦桟51の内側に収まってもよい。他方の縦桟51が左のサイドフレーム41の縦材45の左側面に当てられて、その縦桟51がネジによって縦材45に固定されている。ネジは縦材45の方から縦桟51に留められている。ネジの頭部は縦桟51の内側に収まってもよい。
【0042】
目隠し体30の左から見て、縦桟51が羽板52の背後に配置されている。そのため、目隠し体30の左から見て、縦桟51が目立たない。縦桟51が暗色、特に黒色であると、縦桟51が更に目立たない。
【0043】
なお、サイドルーバー50と同じように設けられた第2サイドルーバーが本体フレーム40の右側面に取り付けられてもよい。第2サイドルーバーが本体フレーム40の右側面に取り付けられていれば、目隠し体30が左右対称である。
【0044】
フロントルーバー60は、本体フレーム40の正面、つまりサイドフレーム41及びフロント桟48の正面に取り付けられている。フロントルーバー60は、フロントルーバー60が本体フレーム40の正面に沿って振り下げられた状態から、フロントルーバー60が本体フレーム40の正面から振り上げられた状態に振り上げ可能に設けられているとともに、その逆に振り下げ可能に設けられている。フロントルーバー60は本体フレーム40から取り外し可能に設けられている。フロントルーバー60が不意に本体フレーム40から取り外されてもフロントルーバー60の落下を防止するために、紐、帯紐、ロープ、ワイヤ又はテープなどのような可撓性線材90が本体フレーム40又はフロント桟48とフロントルーバー60とを繋ぐ。フロントルーバー60は横ルーバーである。フロントルーバー60は複数本の縦桟61及び複数の羽板62を有する。
【0045】
フロントルーバー60の縦桟61はサイドルーバー50の縦桟51と同様のものである。これら縦桟61は、互いに平行になって縦方向に延びているとともに、これら縦桟61が間隔を置いて横方向に並んでいる。縦桟61の縦方向の長さは吊り棚18の縦方向のサイズに合わせて設定されている。つまり、吊り棚18の縦方向のサイズが大きいほど、縦桟61の縦方向の長さが長い。フロントルーバー60の羽板62はサイドルーバー50の羽板52と同様のものである。これら羽板62が互いに平行になって横に延びているとともに、これら羽板62が縦桟61に沿って縦方向に等間隔で並んでいる。羽板62の数は吊り棚18の縦方向のサイズに合わせて設定されている。つまり、吊り棚18の縦方向のサイズが大きいほど、羽板62が多い。フロントルーバー60の羽板62の間隔は、サイドルーバー50の羽板52の間隔に等しい。フロントルーバー60の羽板62の間隔は、吊り棚18の縦方向のサイズに関わらず一定であってよい。サイドルーバー50の羽板52が縦桟51に固定されるのと同様に、フロントルーバー60の羽板62が縦桟61に固定されている。羽板62と縦桟61の交差部は、サイドルーバー50における羽板52と縦桟51の交差部と同様に設けられてもよい。羽板62は、縦桟61の延びる方向に厚みを有する。縦桟61の上端の位置は最上段の羽板62の上面の位置に揃っているか、その位置よりも下に位置する。縦桟61の下端の位置は最下段の羽板62の下面の位置に揃っているか、その位置よりも上に位置する。
【0046】
フロントルーバー60が以下のように本体フレーム40の正面に取り付けられている。
フック70が縦桟61の背面の上部にネジによって固定され、フック70がフロント桟48の上からフロント桟48に引っ掛かられている。フック70がフロント桟48によって僅かに開くように弾性変形しており、フック70がその弾性力によりフロント桟48を前後に挟み込んでいる。フック70の固定位置が縦桟61に対して相対的に上下に調整可能であってもよい。
【0047】
フック70が取り付けられる縦桟61は、横方向に並んだ複数の縦桟61のうち、中央に配置された縦桟61である。つまり、フック70は、横方向に並んだ縦桟61のうち、最も左及び右の縦桟61以外の縦桟61に取り付けられている。最も左及び右の縦桟61は左右のサイドフレーム41の縦材45の前に配置されている。図3及び図8に示すように、マグネット80が左右の縦材45の正面にそれぞれ取り付けられており、最も左及び右の縦桟61がマグネット80にそれぞれ吸着されている。なお、縦桟61自体が磁性を有さなければ、磁性体が縦桟61に取り付けられ、磁性体がマグネット80に吸着されてもよい。また、マグネット80が最も右及び左の縦桟61の背面にそれぞれ取り付けられ、左右の縦材45又はそれに取り付けられた磁性体がマグネット80にそれぞれ吸着されてもよい。
【0048】
以上のように、フック70がフロント桟48に引っ掛けられ、最も右及び左の縦桟61がマグネット80の磁気的引力によって左右の縦材45にそれぞれ吸着されることによって、フロントルーバー60が本体フレーム40の正面に取り付けられている。なお、マグネット80の代わりにサッカー(吸盤)が縦桟61と縦材45のどちらか一方に取り付けられ、他方がサッカーに吸着されるものとしてもよい。吸着部の例として、マグネット80及びサッカーが挙げられるが、マグネット80及びサッカー以外の吸着部が採用されてもよい。
【0049】
フック70がフロント桟48の上からフロント桟48に引っ掛けられることから、図10及び図12に示すように、フロント桟48がサポートシャフトとなってフック70がフロント桟48の中心軸の回りに回転可能である。フック70がフロント桟48の中心軸の回りに回転されることによって、フロントルーバー60が振り下げられ、又は振り上げられるように傾動する。
【0050】
フロントルーバー60が鉛直な姿勢が維持されやすいように、またフロントルーバー60が鉛直な姿勢から所定角度振り上げられた振り上げ姿勢が維持されやすいように、フック70が以下のように設けられている。
【0051】
フック70はステンレス鋼又はアルミニウム合金などのような金属製である。図12に示すように、フック70はベース71、曲げ片72、第1板バネ73及び第2板バネ74を有する。
【0052】
ベース71は帯板状に設けられている。ベース71が縦桟61の背面の上部に当てられてネジ78によって縦桟61に固定されている。ネジ78は羽板62まで至っており、羽板62がネジ78によって縦桟61に固定されている。なお、ネジ78はベース71に形成された穴75に通されており、その穴75の縦方向のサイズがその穴75の横方向のサイズよりも大きくてもよい。そうすれば、ネジ78が緩められると、縦桟61に対するフック70の相対的な固定位置を調整することができる。フック70の固定位置が調整されることによって、フロントルーバー60の羽板62の高さがサイドルーバー50の羽板52の高さに調整される。
【0053】
曲げ片72は、ベース71の上端から後方へベース71に対して垂直に折り曲げられている。第1板バネ73は、曲げ片72の後縁から上方へ曲げ片72に対して斜めに折り曲げられている。第2板バネ74は、第1板バネ73の後縁から下へ、曲げ片72に対して斜めに且つ第1板バネ73に対して垂直に曲げられている。
【0054】
フロントルーバー60が鉛直な姿勢である場合、曲げ片72がフロント桟48の上面に面接触し、ベース71の上部がフロント桟48の正面に面接触し、フロント桟48の上面と正面の間の角が、曲げ片72とベース71の間の入り隅に嵌まっている。第1板バネ73は、フロント桟48の上面に対して斜めになって、フロント桟48の上面から浮き上がっており、後ろに向かって上りに傾斜する。第2板バネ74は、第1板バネ73の後縁からフロント桟48の後ろに回り込んで、第1板バネ73及び第2板バネ74の弾性力によってフロント桟48の上面と背面の間の角に後ろ斜め上からフロント桟48に押し当てられている。フロント桟48の上面と正面の間の角が曲げ片72とベース71の間の入り隅に嵌まるとともに、第2板バネ74及びベース71がこれらの間にフロント桟48を弾性力により挟み込んでいるため、フロントルーバー60が鉛直な姿勢が維持されやすい。
【0055】
フロントルーバー60が振り上げられると、曲げ片72がフロント桟48の上面から浮き上がり、ベース71の上部がフロント桟48の正面から離れ、フロント桟48の上面と正面の間の角が曲げ片72とベース71の間の入り隅から外れる。第1板バネ73がフロント桟48の上面に伏せてそこに当たり、第2板バネ74がフロント桟48の背面に面接触し、フロント桟48の上面と背面の間の角が第1板バネ73と第2板バネ74の間の入り隅に嵌まる。この際、第1板バネ73及び第2板バネ74の復元力は、フロントルーバー60を持ち上げる者にクリック感を与える。フロント桟48の上面と背面の間の角が第1板バネ73と第2板バネ74の間の入り隅に嵌まることによって、フロントルーバー60の振り上げ姿勢が維持されやすく、フロントルーバー60を支える力が軽減される。
【0056】
なお、図12中の仮想線で示すように、第1板バネ73が曲げ片72の後縁から曲がっておらず、曲げ片72がフロント桟48の上面の前縁から後縁まで至っており、曲げ片72がフロント桟48の上面に面接触し、板バネ74Aが曲げ片72の後縁から下方へ垂直に曲げられ、板バネ74Aがフロント桟48の背面に当てられてもよい。フロント桟48を板バネ74Aとベース71の間に差し込みやすくするために、板バネ74Aからベース71までの間隔がフロント桟48の前後の幅よりも僅かに大きくてもよい。このようなベース71、曲げ片72及び板バネ74Aから構成されるフック70がフロント桟48に引っ掛けられている場合、フロントルーバー60を振り上げる際に、曲げ片72及び板バネ74Aが弾性変形して、板バネ74Aとベース71の間隔が広がるため、フロントルーバー60を振り上げるのに要する荷重が大きい。フロントルーバー60がほぼ水平に振り上げられていれば、フロント桟48が板バネ74Aとベース71の間に上下に挟まれ、ベース71がフロント桟48の上面に面接触する。このような面接触は、振り上げ姿勢のフロントルーバー60を支える力の軽減に貢献する。
【0057】
<3. 目隠し体の設置方法>
工場又は設置現場にてサイドフレーム41、サイドルーバー50及びフロントルーバー60を組み立てる。工場又は設置現場にて、フック70をフロントルーバー60の縦桟61に組み付ける。工場又は設置現場にて、マグネット80又はサッカーなどのような吸着部をサイドフレーム41の縦材45の正面又はフロントルーバー60の縦桟61の背面に取り付ける。
【0058】
サイドルーバー50を左のサイドフレーム41の左側面に取り付ける。必要に応じて、第2サイドルーバーを右のサイドフレーム41の右側面に取り付ける。なお、左のサイドルーバー50を左のサイドフレーム41に取り付けず、右の第2サイドルーバーを右のサイドフレーム41の右側面に取り付けてもよい。また、両方のサイドルーバーを取り付けなくてもよい。
【0059】
右のサイドフレーム41の基材42を室内機19の右脇の第1壁11に当てて、基材42及び縦材45を鉛直な姿勢に調整し、アッパーアーム43及びロアアーム44を水平な姿勢に調整する。その後、基材42をビス等によって第1壁11に固定する。
なお、右のサイドフレーム41の組立前に、基材42を室内機19の右脇の第1壁11に固定してもよい。その後、アッパーアーム43及びロアアーム44を基材42の上端及び下端にそれぞれ組み付け、次いで、縦材45の上端及び下端をアッパーアーム43及びロアアーム44に組み付け、次いで、第2サイドルーバーを右のサイドフレーム41に取り付けてもよい。
【0060】
次に、フロント桟48を室内機19の前に持ち上げて、右のサイドフレーム41のジョイントをフロント桟48の右端の開口に差し込む。次に、左のサイドフレーム41を室内機19の左脇に持ち上げて、左のサイドフレーム41のジョイントをフロント桟48の左端の開口に差し込む。
【0061】
次に、左のサイドフレーム41の基材42を室内機19の左脇の第1壁11に当てて、基材42及び縦材45を鉛直な姿勢に調整し、アッパーアーム43及びロアアーム44を水平な姿勢に調整する。その後、基材42をビス等によって第1壁11に固定する。
【0062】
次に、フロントルーバー60を持ち上げて、フック70をフロント桟48の上からフロント桟48に引っ掛ける。フロントルーバー60をフロント桟48から垂下させて、サイドフレーム41の縦材45又はフロントルーバー60の縦桟61を吸着部に吸着させる。
【0063】
必要に応じて、縦桟61に対するフック70の相対的な固定位置を上下方向に調整し、フロントルーバー60の羽板62の高さをサイドルーバー50の羽板52の高さに揃える。
最後に、可撓性線材90の一端をサイドフレーム41又はフロント桟48に接続し、可撓性線材90の他端をフロントルーバー60に接続する。
【0064】
<4. まとめ>
(1) 一対のサイドフレーム41を室内機19の両側において第1壁11に取り付け、フロント桟48を一対のサイドフレーム41の間に架け渡し、フロントルーバー60を一対のサイドフレーム41及びフロント桟48の正面に取り付ければ、室内機19が目隠し体30によって覆い隠される。このような目隠し体30の設置は容易である。このような目隠し体30は、室内機19以外にも、壁に取り付けられた様々な種類の対象物を覆い隠すに適しており、目隠し体30の汎用性が高い。
【0065】
(2) 目隠し体30の上面、下面及び左側面が開放され、目隠し体30の正面がフロントルーバー60によって構成され、目隠し体30の左側面がサイドルーバー50によって構成されていることから、目隠し体30は室内機19の空気の吸い込み及び吹き出しを阻害しない。
【0066】
(3) 目隠し体30が室内機19を覆い隠す。このような目隠し体30はリビング・ダイニング・キッチンの美観向上に寄与する。
【0067】
(4) フック70をフロント桟48の上からフロント桟48に引っ掛ければ、フロントルーバー60がフロント桟48及びサイドフレーム41の正面に容易に取り付けられる。
【0068】
(5) フック70がフロント桟48から外れてしまっても、フロントルーバー60が可撓性線材90によって本体フレーム40から吊り下げられる。よって、フロントルーバー60の床への落下が防止される。
【0069】
(6) フロントルーバー60がフック70のみならずマグネット80等のような吸着部によっても本体フレーム40に支持される。そのため、フロントルーバー60が安定して、フロントルーバー60の脱落が防止される。
【0070】
(7) フック70がフロント桟48の中心軸の回りに回転可能にフロント桟48に引っ掛けられているため、フロントルーバー60を振り上げたり、振り下げたりすることができる。フロントルーバー60が振り上げられると、室内機19の正面が開放されることから、室内機19の清掃又はメンテナンス等のような取り扱いを容易に行える。
【0071】
(8) フロントルーバー60が振り下げられた状態では、ベース71がフロント桟48の正面に面接触し、曲げ片72がフロント桟48の上面に面接触し、第2板バネ74がフロント桟48の後ろに当てられることによって、フック70がフロント桟48に引っ掛けられ、フロントルーバー60がフロント桟48に支持される。第1板バネ73及び第2板バネ74が採用され、第1板バネ73がフロント桟48の上面から浮いているため、フロントルーバー60を振り下げられた状態から容易に振り上げることができる。
【0072】
(9) フロントルーバー60を振り上げると、第2板バネ74がフロント桟48の後ろに当てられた状態で、曲げ片72がフロント桟48の上面から離れ、ベース71がフロント桟48の正面から離れ、第1板バネ73がフロント桟48の上面に当たり、フロント桟48の上面と背面の間の角が第1板バネ73と第2板バネ74の間の入り隅に嵌まる。この際、第1板バネ73及び第2板バネ74の復元力は、フロントルーバー60を持ち上げる者にクリック感を与える。
【0073】
(10) フロントルーバー60が振り上げられた状態では、曲げ片72がフロント桟48の上面から離れているため、フロントルーバー60を振り上げられた状態から容易に振り下げることができる。
【0074】
(11) フロントルーバー60を振り下げると、第2板バネ74がフロント桟48の後ろに当てられた状態で、ベース71がフロント桟48の正面に当たり、曲げ片72がフロント桟48の上面に当たり、第1板バネ73がフロント桟48の上面から離れる。フロント桟48の正面と上面の間の角がベース71と曲げ片72の間の入り隅に嵌まり、このことがフロントルーバー60を振り下げる者にクリック感を与える。
【0075】
(12) ネジ78が縦桟61へのフック70の固定と、縦桟61への羽板62の固定の両方に兼用される。よって、目隠し体30の部品点数が削減される。
【0076】
(13) ネジ78を緩めると、縦桟61に対するフック70の相対的な固定位置を調整して、フロントルーバー60の羽板62の高さをサイドルーバー50の羽板52の高さに揃えることができる。
【0077】
(14) フロント桟48が室内機19の前において一対のサイドフレーム41の上端の間に架け渡されるため、フロント桟48が室内機19まで配管されるダクトなどの邪魔にならない。また、室内機19によって吹き出される空気がフロント桟48に直接当たらず、フロント桟48の表面で結露が発生しにくいことから、フロント桟48の腐食等が生じにくい。
【0078】
(15) ルーバー50,60の羽板52,62が木製である。木材の生産から廃棄及び処分までに使用されるエネルギーは金属材料又はコンクリート材の生産から廃棄及び処分までに使用されるエネルギーよりも少ないことから、木材を原材料とした目隠し体30は、二酸化炭素の排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現と、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)の達成とに貢献する。
【0079】
(16) 以上に開示の実施形態は、図示及び例のみを目的として作成されたものであって、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて定められる。
【符号の説明】
【0080】
11 壁
19 室内機(対象物)
30 目隠し体
41 サイドフレーム
48 フロント桟
50 サイドルーバー
60 フロントルーバー
61 縦桟
62 羽板
70 フック
71 ベース
72 曲げ片
73 第1板バネ
74 第2板バネ
78 ネジ
80 マグネット(吸着部)
【要約】
【課題】本発明は、本発明の目的は、汎用性が高く、設置が容易であり、目隠し対象の吸い込み・吹き出しに影響を及ぼしづらい目隠し体を提供することを目的とする。
【解決手段】 壁(11)に取り付けられる対象物(19)を覆い隠す目隠し体(30)は、一対のサイドフレーム(41)、フロント桟(48)及びフロントルーバー(60)を備える。前記サイドフレーム(41)は、前記対象物(19)の両側において前記壁(11)に取り付けられる.前記フロント桟(48)は、前記対象物(19)の前において前記一対のサイドフレーム(41)の間に架け渡される。前記フロントルーバー(60)は、前記一対のサイドフレーム(41)及び前記フロント桟(48)の正面に取り付けられる。
【選択図】図3
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