(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】マスク用クリップ部材
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20241122BHJP
A62B 18/08 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A62B18/08 D
(21)【出願番号】P 2021010365
(22)【出願日】2021-01-26
【審査請求日】2024-01-15
(73)【特許権者】
【識別番号】518432126
【氏名又は名称】平塚 豊
(74)【代理人】
【識別番号】721000608
【氏名又は名称】上野 喜弘
(72)【発明者】
【氏名】平塚 豊
(72)【発明者】
【氏名】上野 喜弘
【審査官】嘉村 泰光
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-188281(JP,A)
【文献】特開2020-7662(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0122516(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/11
A62B 18/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクの表面から鼻をクリップする弾力性を有したマスク用クリップ部材であり、鼻突と鼻翼の形状に対応して形成されたU字状の中央部分と中央部分から曲線状に連続して両側に形成された両側部分を備え、マスク表面から鼻をクリップした時に尾翼を挟む力を利用して鼻突とマスクの間に隙間を作ることが可能なマスク用クリップ部材。
【請求項2】
両側部分のマスクに触れる面に複数のカエシを有し、鼻をクリップした時にカエシがマスクに密着することでマスク用クリップ部材のずれを防止することを特徴とする請求項1に記載のマスク用クリップ部材。
【請求項3】
マスク用クリップ部材は弾力性を有した素材で形成され、中央部分を左右に広げながらマスクの表面から鼻をクリップすることで、中央部分が鼻翼を挟む力と両側部分が鼻突方向に狭まることでマスクに密着したカエシがマスクの表面を鼻突方向に寄せる力を利用しマスクと鼻突の間に隙間を作り、呼気をこの隙間から眼鏡のブリッジに抜けるように排出することで眼鏡の曇りを低減させることを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載のマスク用クリップ部材。
【請求項4】
マスク用クリップ部材は中央部分と両側部分は幅を広く、中央部分と両側部分を連結する部分は幅を狭くすることにより、中央部分が尾翼を挟む力と両側部分がマスクを押さえる力を保ちながら左右に広げやすくすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のマスク用クリップ部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼鏡とマスクを併用した時に上方に排出される呼気で眼鏡が曇ってしまうことを軽減する、マスクの表面に取り付けて使用するマスク用クリップ部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の眼鏡の曇り防止の多くは、マスクと顔を密着させて呼気の上部への抜けを低減させるものである。
【0003】
特許文献1は、マスクと顔を密着させ逃げ場を失った呼気を曇り防止器具により前方に放出させ眼鏡の曇りを低減させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これまでの眼鏡とマスクを併用した時に発生する眼鏡の曇り止め防止は、マスクを顔に密着させることで呼気の上昇を防ぐものであったが、飛沫拡散防止効果が高いマスクは前方に排出される呼気が少なくなり呼気の逃げ場が無くなるため、上方に流れる呼気が多くなり呼気が密着状態をすり抜けて眼鏡が曇る場合がある。
【0006】
マスクを顔に密着させ行き場を失った呼気を曇り防止器具により前方に排出させると前方への飛沫拡散に繋がる恐れがある。このことを解決するためのマスク用クリップ部材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のマスク用クリップ部材は、鼻翼を挟む力を利用して鼻尖とマスクの間に隙間を作り、抜け道を失った呼気をこの隙間から眼鏡のブリッジに抜けるように排出することで、眼鏡の曇りと前方への飛沫拡散を低減させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のマスク用クリップ部材は、弾力性のある素材で形成されたクリップをマスクの上から装着することによりマスクと顔の隙間を押さえ、逃げ場を失った呼気を鼻尖とマスクの間に作られた隙間から排出することで、眼鏡のレンズ部分とマスク前方に排出される呼気の量を低減させる効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図4】マスク用クリップ部材を取り付けた状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
マスク用クリップ部材は、マスクの表面から鼻をクリップする弾力性を有した素材、例えば樹脂素材や竹素材等で形成され、鼻をクリップするためのU字状の中央部分とマスクを押さえるための中央部分から曲線状に連続して両側に形成されたマスクに触れる面にカエシを有する両側部分を備えることを最大の特徴とする。
なお、本実施例で示されるマスク用クリップ部材の全体形状や形成素材は、本発明の技術的思想の範囲内であれば同一の作用効果を発揮できる形状および素材内で変更できるものとする。
【0011】
マスク用クリップ部材の中央部分を左右に広げながらマスクの表面から鼻をクリップすることで、中央部分が鼻翼を挟む力とマスクに密着したカエシがマスクの表面を鼻突方向に寄せる力を利用しマスクと鼻突の間に隙間を作り、呼気をこの隙間から眼鏡のブリッジに抜けるように排出することで眼鏡の曇りを低減できる。
【0012】
マスク用クリップ部材は、柔軟な素材のマスクであれば様々な形状のマスクに装着でき、繰り返し使用できるので経済効果が高い。
【実施例】
【0013】
マスク用クリップ部材10は、
図1.(c)の中央部分12と
図1.(d)の両側部分13を備え、マスクに触れる面にはマスク用クリップ部材をマスクに密着させるための滑り止めのカエシ11を有する。
【0014】
マスク用クリップ部材10は、
図2に示すように中央部分12と両側部分13は幅を広く、中央部分12と両側部分13を連結する部分は幅を狭くすることにより、中央部分12が尾翼31を挟む力と両側部分13がマスクを押さえる力を保ちながら左右に広げやすくする。
【0015】
マスク用クリップ部材10は、
図4.(a)に示すように中央部分12を左右に広げながら尾翼31を挟むようにマスクの表面から取付位置40に装着することで、両側部分13のマスクに触れる部分に有したカエシ11がマスク44に密着してマスク44を押さえる。
【0016】
マスク用クリップ部材10は、
図4.(b)に示すように中央部分12が尾翼31を挟む力45と両側部分13が鼻突方向に狭まることでマスクに密着したマスクに触れる面に有するカエシ11がマスク44の表面を鼻突方向に寄せる力を利用して、マスク44と鼻突30の間に呼気が抜ける隙間46を作る。
【0017】
マスク用クリップ部材10の両側部分13が鼻突方向に狭まることで頬32とマスク44が押さえられるため眼鏡のレンズ41方向に抜ける呼気が軽減され、逃げ場を失った呼気が、呼気が抜ける隙間46から眼鏡のブリッジ42を経由して呼気が抜ける方向43に排出され眼鏡のレンズ41の曇りを軽減する。
【符号の説明】
【0018】
10 マスク用クリップ部材
11 滑り止めのカエシ
12 中央部分
13 両側部分
20 マスク用クリップ部材表面
21 マスク用クリップ部材裏面
30 鼻突
31 鼻翼
32 頬
40 マスク用クリップ部材取付位置
41 眼鏡のレンズ
42 ブリッジ
43 呼気が抜ける方向
44 マスク
45 マスク用クリップ部材の挟む力の方向
46 呼気が抜ける隙間