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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】全館空調ユニット
(51)【国際特許分類】
   F24F 3/00 20060101AFI20241122BHJP
   F24F 13/02 20060101ALI20241122BHJP
   F24F 13/06 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
F24F3/00 Z
F24F13/02 F
F24F13/02 C
F24F13/06 B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020178623
(22)【出願日】2020-10-26
(65)【公開番号】P2022069779
(43)【公開日】2022-05-12
【審査請求日】2023-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100151378
【弁理士】
【氏名又は名称】宮村 憲浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157484
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 智之
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 圭佑
(72)【発明者】
【氏名】中曽根 孝昭
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康浩
(72)【発明者】
【氏名】柴田 洋
【審査官】安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-337610(JP,A)
【文献】特開2006-207837(JP,A)
【文献】特開2007-178117(JP,A)
【文献】特開2011-027319(JP,A)
【文献】特開2016-033424(JP,A)
【文献】国際公開第2019/107163(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0231019(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 3/00
F24F 13/02
F24F 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と前記本体部で空調された空気を本体外部の所定方向に導くアダプターとを備えた全館空調ユニットであって、
前記本体部は、
前記本体部の内部の空気を空調する空調機と、
前記空調された空気を前記本体部の側面から排出する複数の搬送ファンと、
前記側面に前記アダプターを装着するための複数の装着部と、を備え、
前記アダプターは、
前記本体部から排出された空気を取り込む給気口と、
前記給気口が属する平面に対して所定の角度を備えて設けられた排気口と、
前記給気口と前記排気口とを連通するアダプター送風路と、
前記装着部に対して前記排気口を少なくとも上方、下方、側方のいずれかに向けて取り付け可能な被装着部と、を備え
前記搬送ファンは、
スクロールケーシングとモータとシロッコファンとを備え、
前記本体部の上方から吸気して前記側面に排気し、
前記本体部は、
前記スクロールケーシングに沿って前記本体部の側面に対して角度を有して排出される排気を前記送風路の方向に沿わせて前記アダプター内に導く風向板を備えた全館空調ユニット。
【請求項2】
前記アダプターは、
前記排気口の方向を当該アダプター毎に独立して変更可能に装着できる請求項1記載の全館空調ユニット。
【請求項3】
前記装着部は、
前記側面であって前記搬送ファンの吹出口に設けられ矩形形状を有する凹部であり、
前記被装着部は、
前記給気口が設けられ前記凹部に嵌め込み可能な矩形形状を有する凸部であり、
前記給気口は、
前記凹部と前記凸部とが接触する接触面の中央に設けられた請求項1または2記載の全館空調ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全館空調ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅に設置される空調システムの空調ユニットが特許文献1に開示されている。以下、その従来の空調ユニットについて図13を参照しながら説明する。
【0003】
図13は従来の空調ユニットの風路構成を現した断面図である。
【0004】
空調ユニット101において、流入口102から流入した空気は空調機103で加熱または冷却、すなわち温度調整され、或いは、湿度調整される。空調機103より下方に向けて送風された空気は、ファン104に吸い込まれた後、排出部105から排出され、チャンバー106または角ダクト107を経由し、接続されたダクトを介して各部屋に送風されることで空調が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-39611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来の空調ユニット101は空調機103により加熱、冷却された空気をファンから排気した後、チャンバー106は底面方向に、角ダクト107は天面方向に排気し、ダクトを介して各部屋に供給していた。つまり、従来の空調ユニット101は、一方は天面方向、他方は底面方向にのみ空気を排気していた。
【0007】
このように、従来の空調ユニット101は空調機103によって加熱、冷却された空気がチャンバー106もしくは角ダクト107の排気する向きの制限により設置できる住宅が制限されていた。なお、排気方向に制限を設けないために、柔軟性を有するダクトを空調ユニットに接続することも考えられるが、柔軟性を有するダクトは断熱性が十分ではなく、全館空調の熱効率の悪化を招くことになる。
【0008】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、搬送ファンから排気された空気の方向を制限せず、且つ断熱性能も確保できる全館空調ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そして、この目的を達成するために、本発明は、本体部と前記本体部で空調された空気を本体外部の所定方向に導くアダプターとを備えた全館空調ユニットであって、前記本体部は、前記本体部の内部の空気を空調する空調機と、前記空調された空気を前記本体部の側面から排出する複数の搬送ファンと、前記側面に前記アダプターを装着するための複数の装着部と、を備え、前記アダプターは、前記本体部から排出された空気を取り込む給気口と、前記給気口が属する平面に対して所定の角度を備えて設けられた排気口と、前記給気口と前記排気口とを連通するアダプター送風路と、前記装着部に対して前記排気口を少なくとも上方、下方、側方のいずれかに向けて取り付け可能な被装着部と、を備える。そして搬送ファンは、スクロールケーシングとモータとシロッコファンとを備え、本体部の上方から吸気して前記側面に排気し、本体部は、スクロールケーシングに沿って本体部の側面に対して角度を有して排出される排気を前記送風路の方向に沿わせてアダプター内に導く風向板を備えた全館空調ユニットとし、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、搬送ファンから排気された空気の方向を制限せず、且つ断熱性能も確保できる全館空調ユニット提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る空調システムの接続概略図である。
図2図2は、全館空調ユニットの概略正面断面図である。
図3図3は、全館空調ユニットの概略側面断面図である。
図4図4は、アダプターを取り外した状態の全館空調ユニットの背面の斜視図である。
図5図5は、風向板を装着部側から見た斜面図である。
図6図6は、風向板を被装着部側から見た斜面図である。
図7図7は、アダプターの斜視図である。
図8図8は、アダプターの正面図である。
図9図9は、アダプターの側面断面図である。
図10図10は、全館空調ユニットとアダプターの接合前の背面からの斜視図である。
図11図11は全館空調ユニットとアダプターの接合後の背面からの斜視図である。
図12図12は、アダプターの取り付け方の一例である。
図13図13は、従来の空調ユニットの風路構成を現した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。よって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。従って、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0013】
(実施の形態)
まず、図1図2を参照して、本発明の実施形態に係る空調システム40について説明する。図1は、本実施の形態に係る空調システム40の接続概略図である。図2は全館空調ユニットの概略正面断面図である。 空調システム40は、全館空調ユニット3と、外気導入ファン4と、居室温度センサー7(居室温度センサー7a,7b,7c,7d)と、入出力端末8と、システムコントローラ9(空調システムコントローラに該当)と、分岐チャンバー21を備えて構成される。
【0014】
空調システム40は、建物の一例である一般住宅1内に設置される。一般住宅1は、複数(本実施形態では4つ)の居室2(居室2a,2b,2c,2d)に加え、居室2と独立した少なくとも1つの空調室6を有している。ここで一般住宅1(住宅)とは、居住者がプライベートな生活を営む場として提供された住居であり、一般的な構成として居室2にはリビング、ダイニング、寝室、個室、子供部屋等が含まれる。また空調システム40が提供する居室にトイレ、浴室、洗面所、脱衣所等を含んでもよい。
【0015】
空調室6では、各居室2より搬送された空気同士が混合される。また、外気導入ファン4により外気が空調室6内に取り込まれ、各居室2より循環してきた空気と混合される。空調室6の空気は、空調室6内に設けられた全館空調ユニット3によって加熱、冷却、徐加湿により温度・湿度が制御され、すなわち空調されて、居室2に搬送すべき空気が生成される。空調された空気は、全館空調ユニット3内部に備えられた搬送ファン13により、グリル5を介して各居室2に搬送される。ここで、空調室6は、全館空調ユニット3が配置でき、各居室の空調をコントロールできる一定の広さを備えた空間を意味するが、居住空間を意図するものではなく、基本的に居住者が滞在する部屋を意味するものではない。
【0016】
外気導入ファン4は、一般住宅1の室内に外気を取り込むファンであり、給気ファンや熱交換気扇の給気機能等が該当する。上述した通り、外気導入ファン4により取り込まれた外気は、空調室6内に導入される。
【0017】
分岐チャンバー21は、空調ユニットから排気された空気を各居室に分岐するためのチャンバーであり、分岐チャンバー21で分岐された空気はダクトを介して各居室に供給される。分岐チャンバー21は、住宅の小屋裏(屋根裏)、階間、床下に設置される。
【0018】
居室温度センサー7aは、居室2aに設けられ、居室温度センサー7bは、居室2bに設けられ、居室温度センサー7cは、居室2cに設けられ、居室温度センサー7dは、居室2dに設けられている。居室温度センサー7a~7dは、対応する居室2a~2dそれぞれの室内温度を取得して、システムコントローラ9に送信するセンサーである。
【0019】
システムコントローラ9は、空調システム40全体を制御するコントローラである。システムコントローラ9は、外気導入ファン4、全館空調ユニット3内部の搬送ファン13、居室温度センサー7、全館空調ユニット3内部の空調機12、と無線通信により通信可能に接続されている。
【0020】
システムコントローラ9は、居室温度センサー7により取得された各居室2それぞれの室内温度、居室2a~2d毎に設定された目標温度(居室目標温度)等に応じて、搬送ファン13の風量や空調機12の風量を設定する。
【0021】
ここで、システムコントローラ9と、外気導入ファン4、搬送ファン13、居室温度センサー7、空調機12とが、無線通信で接続されることにより、複雑な配線工事を不要とすることができる。ただし、これら全体を、又は、システムコントローラ9とこれらの一部を、有線通信により通信可能に構成してもよい。
【0022】
入出力端末8は、システムコントローラ9と無線通信により通信可能に接続され、空調システム40を構築するうえで必要な情報の入力を受け付けてシステムコントローラ9に記憶させたり、空調システム40の状態をシステムコントローラ9から取得して表示したりするものである。入出力端末8は、携帯電話、スマートフォン、タブレットといった携帯情報端末が例として挙げられる。
【0023】
なお、入出力端末8は、必ずしも無線通信によりシステムコントローラ9と接続される必要はなく、有線通信により通信可能にシステムコントローラ9と接続されてもよい。この場合、入出力端末8は、例えば、壁掛のリモートコントローラにより実現されるものであってもよい。
【0024】
次いで図2図3図4を参照しながら、全館空調ユニット3について説明する。図3は、全館空調ユニットの概略側面断面図である。図4は、アダプター19を取り外した状態の同全館空調ユニット3の背面の斜視図である。
【0025】
全館空調ユニット3は、図2に示すように、全館空調ユニット3の外郭を形成するユニット本体11とユニット本体11の内部に流入させる空気の空調を行う空気調和機としての空調機12と空調機12で空調された空気をユニット本体11の外部へ送風する搬送ファン13a、13bを備えている。全館空調ユニット3は住宅に設けた空調室6に設置され、空調室6には扉が設けられており、扉は例えば住宅の廊下に面している。
【0026】
ユニット本体11は、上面に、ユニット本体11の内部に空気を取り込むための吸込口14を備え、吸込口14の下方に空調機12を設置するための空調機設置空間15を備える。
【0027】
吸込口14は、矩形形状を有し、矩形幅はユニット本体11の幅と同等である。なお、吸込口14が設けられるのは上面に限らず、空調機12の空気吸込口近傍、つまりユニット本体11の上方であればよい。
【0028】
ユニット本体11は、空調機設置空間15の下方に、搬送ファン13a、13bを設置するための送風機設置空間16を備える。
【0029】
送風機設置空間16の背面側には、搬送ファン13a、13bと連通し、搬送ファン13a、13bから送風された空気をユニット本体11の外部へ放出する排気口17a、17bを有するアダプター19a、19bを備えている。アダプター19に関しては後述する。
【0030】
排気口17a、17bは、それぞれ主空調ダクト(図示しない)が接続される。なお、実施の形態では排気口17aは、ユニット本体11の底面方向に向けて、排気口17bは、ユニット本体11の天面方向に向けて開口されており全館空調ユニット3の設置場所に応じて例えばそれぞれ階上及び階下への主空調ダクトに接続される。
【0031】
主空調ダクトは、屋根裏や、階間空間に設置され、他端は分岐チャンバー21などに接続される。そして主空調ダクトは、分岐チャンバー21を介して複数の副空調ダクトに分岐され、住宅の居室などの各空調対象空間へ接続されている。
【0032】
空調機12と搬送ファン13との間には、必要に応じてフィルター18が備えられる。フィルター18は、通過する空気内の微粒子を集塵し、排気口17より空調ダクトを通じて各空調対象空間へ供給される空気の浄化を行う。
【0033】
ユニット本体11は、アダプター19を装着するための複数の装着部26を備える。
【0034】
装着部26は、搬送ファン13の吹出口に設けられ矩形形状を有する凹部であり、後述のアダプター19の一面である接触面が嵌め込まれる。また、装着部26には、風向板27が固定される。
【0035】
搬送ファン13は、スクロールケーシングとモータとシロッコファンとを備え、ユニット本体11の上方から吸気してアダプター19に排気する。
【0036】
次いで図4図5図6を参照しながら、風向板27の詳細について説明する。図5は風向板を装着部側から見た斜面図である。図6は、風向板を被装着部側から見た斜面図である。
【0037】
ユニット本体11は、搬送ファン13のスクロールケーシングに沿ってユニット本体11の背面に対して角度を有して排出される排気を、アダプター送風路24の方向に沿わせてアダプター19内に導く風向板27を備えている。
【0038】
風向板27は、搬送ファン13から吹き出す空気の流れに沿った角度を有するよう折り返された形状の板である。風向板27は、側断面視にして略L字形状であり、L字形状における一方が装着面28である。装着面28を、ユニット本体11の背面に設けられた装着部26であって、搬送ファン13の吹き出し口近傍に固定することで、風向板27がユニット本体11と固定される。さらに具体的には、風向板27をユニット本体11に固定する際は、矩形形状の搬送ファン13の吹き出し口である開口の辺と風向板27の折り返しの辺が一致するように取付けられる。 次いで図7図8図9を参照しながら、アダプター19について説明する。図7は、アダプターの斜視図である。図8は、アダプターの正面図である。図9は、アダプターの側面断面図である。 アダプター19は、ボディ20と、排気口17と、給気口22と、アダプター送風路24と、被装着部25とを備える。
【0039】
ボディ20は、アダプター19の外郭を形成し、全館空調ユニット3から排気された空気が外気の影響を受けにくいようにするために、断熱性能や消音性能の高い材質で形成するのが好ましく、本実施の形態においては発泡が利用される。
【0040】
排気口17は、円筒形状を有しており、主空調ダクトと接続され、給気口22が属する平面に対して所定の角度を備えている。ここで所定の角度とは本実施の形態では90度である。
【0041】
給気口22は、装着部26と被装着部25とが接触する接触面の中央に設けられた開口である。給気口22は、ボディ20の排気口17a側の端部までの距離と、ボディ20の排気口17aとは逆側の端部までの距離とが等しい。つまり、アダプター19は、排気口17を上方に向けた状態であっても下方に向けた状態であっても、搬送ファン13の吹出口に連通可能に接続される。 アダプター送風路24は、給気口22と排気口17とを連通する風路であり、本実施の形態の場合、矩形形状の給気口22から円形形状の排気口17に連通する。そして、アダプター送風路24は給気口22の形状に合わせた矩形形状から次第に排気口17の形状に合わせた円形状に滑らかに変化する。
【0042】
被装着部25は、給気口22が設けられた接触面に隣接する四つの側面の、ユニット本体側周囲が該当する。被装着部25は、凹部に嵌め込み可能な矩形形状の凸部である。凹部と凸部とが接続されればよく、平面(側面)も被装着部25の凸形状に含まれる。また、被装着部25は装着部26に対して排気口17を少なくとも上方、下方、のいずれかに向けて取り付け可能な形状を有している。なお、接触面の矩形を正方形とすることで、被装着部25は装着部26に対して排気口17を側面に向けて取り付けることも可能である。
【0043】
以上の構成により、アダプター19は、排気口17の方向をアダプター19毎に独立して変更可能に装着できる。また、本実施の形態では、二つの接触面が同一形状であり、どちらの搬送ファン13にも装着可能である。
【0044】
次いで図7図10図11を参照しながら、アダプター19のユニット本体11への取り付けについて説明する。図10は、全館空調ユニット3とアダプター19の接合前の背面からの斜視図である。図11は全館空調ユニット3とアダプター19の接合後の背面からの斜視図である。
【0045】
ユニット本体11の凹部である装着部26aと、アダプター19の凸部である被装着部25aとを嵌め合わせ、同じく装着部26bと被装着部25bとを嵌め合わすことで図11に示す全館空調ユニット3が構成される。
【0046】
図10図11では、排気口17aが上向き、排気口17bが下向きの形になっている全館空調ユニット3の1つの接続形態である。
【0047】
次いで図12を参照しながら、ユニット本体11とアダプター19の他の接続形態を示す。
【0048】
図12(a)はアダプター19の排気口17がアダプター19a、アダプター19b共に上方向を向くように嵌め合わせた実施例である。
【0049】
図12(b)はアダプター19の排気口がアダプター19aは下向き、アダプター19bは上方向を向くように嵌め合わせた実施例である。
【0050】
図12(c)はアダプター19の排気口がアダプター19a、アダプター19b共に下方向を向くように嵌め合わせた実施例である。
【0051】
ここであげた例は一部であり、排気口が側方に向くように装着部26と被装着部25を嵌め合わせても良い。
【0052】
以上の構成により、アダプター19は排気方向を臨機応変に変更できるため、搬送ファンから排気された空気の方向を制限せず、すなわち住宅の小屋裏(屋根裏)、階間等に配置可能になる。
【0053】
また、アダプター19は十分な厚みのある発泡を利用できるため、断熱性や遮音性に優れる。特に風圧の大きい搬送ファン13の下流直後でしかも湾曲した風路に適用することで、遮音性を大幅に上げることができる。
【0054】
また、風向板27をユニット本体11に固定しているため、アダプター19の方向をどちらに向けても搬送ファン13の特性、すなわちスクロールによる風の歪みを修正してアダプター送風路24内に導くことができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、搬送ファンから排気された空気の方向を制限せず、且つ断熱性能も確保できる全館空調ユニットに適用可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 一般住宅
2 居室
2a 居室
2b 居室
2c 居室
2d 居室
3 全館空調ユニット
4 外気導入ファン
5 グリル
5a グリル
5b グリル
5c グリル
5d グリル
6 空調室
7 居室温度センサー
7a 居室温度センサー
7b 居室温度センサー
7c 居室温度センサー
7d 居室温度センサー
8 入出力端末
9 システムコントローラ
11 ユニット本体
12 空調機
13 搬送ファン
13a 搬送ファン
13b 搬送ファン
14 吸込口
15 空調機設置空間
16 送風機設置空間
17 排気口
17a 排気口
17b 排気口
18 フィルター
19 アダプター
19a アダプター
19b アダプター
20 ボディ
21 分岐チャンバー
22 給気口
24 アダプター送風路
25 被装着部
25a 被装着部
25b 被装着部
26 装着部
26a 装着部
26b 装着部
27 風向板
27a 風向板
27b 風向板
28 装着面
40 空調システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13