(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】衣類処理装置、制御プログラム、制御方法、及び衣類処理システム
(51)【国際特許分類】
D06F 33/37 20200101AFI20241122BHJP
【FI】
D06F33/37
(21)【出願番号】P 2023500726
(86)(22)【出願日】2022-02-04
(86)【国際出願番号】 JP2022004532
(87)【国際公開番号】W WO2022176656
(87)【国際公開日】2022-08-25
【審査請求日】2023-08-29
(31)【優先権主張番号】P 2021026259
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100151378
【氏名又は名称】宮村 憲浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157484
【氏名又は名称】廣田 智之
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 広基
(72)【発明者】
【氏名】宇美 紘太郎
(72)【発明者】
【氏名】高橋 啓太
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-151037(JP,A)
【文献】特開2020-137581(JP,A)
【文献】特開2020-058601(JP,A)
【文献】特表2016-522729(JP,A)
【文献】特開2021-007635(JP,A)
【文献】特開2018-175901(JP,A)
【文献】特開2020-179154(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 33/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類が収容される槽と、
運転中に前記槽に投入される処理剤を貯留する複数のタンクと、
前記タンクに貯留された処理剤を前記槽に自動投入する自動投入部と、
制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記衣類を処理するための運転コースの設定を受け付ける運転コース設定部と、
前記運転コース設定部により設定を受け付けた運転コースにおいて複数の前記タンクに貯留された複数の処理剤の自動投入が可能である場合、設定された運転コースに基づいて処理剤を推奨する処理剤推奨部と、
前記運転コースが実行されるときに前記タンクから前記槽に投入される処理剤の設定を受け付ける自動投入設定部と、
を有し、
前記タンクとして、第1
の洗剤を貯留する第1タンクと、前記第1
の洗剤と異なる
種類の第2
の洗剤を貯留する第2タンクと、を含み、
前記制御装置は、
前記運転コースの選択指示を受け付け、
前記運転コースとして、前記第1
の洗剤および前記第2
の洗剤を自動投入可能であり、前記第1
の洗剤が推奨される第1コースが選択された場合、前記第1コースにおける前記第1
の洗剤の自動投入を初期設定し、
前記第1コースにおいて自動投入する
洗剤として、
初期設定された前記第1
の洗剤
から前記第2
の洗剤
への設定
の変更を受付可能である、
衣類処理装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記運転コースにおいて自動投入が可能な処理剤を使用者に提示する処理剤提示部を有する、
請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項3】
前記制御装置は、自動投入する処理剤の設定情報を運転コースに対応付けて保存する運転コース保存部を更に有する、
請求項1又は2に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
前記運転コース設定部は、前記タンクに貯留された処理剤の自動投入が可能な運転コースを使用者に提示する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の衣類処理装置。
【請求項5】
前記運転コース設定部は、使用者又は気象に関する情報を取得し、取得された情報に応じて推奨される運転コースを使用者に提示する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
複数の前記タンクのうち少なくとも1つは、貯留される処理剤の種類を変更可能とされる、
請求項1から5のいずれか一項に記載の衣類処理装置。
【請求項7】
前記制御装置は、貯留される処理剤の種類を変更可能とされたタンクに貯留されている処理剤に関する情報を取得する処理剤情報取得部を更に有する、
請求項6に記載の衣類処理装置。
【請求項8】
衣類が収容される槽と、第1
の洗剤を貯留する第1タンクおよび前記第1
の洗剤と異なる
種類の第2
の洗剤を貯留する第2タンクを含むタンクと、前記タンクに貯留された処理剤を前記槽に自動投入する自動投入部と、を備える衣類処理装置を制御するコンピュータを、
衣類を処理するための運転コースの設定を受け付ける運転コース設定部と、
前記運転コース設定部により設定を受け付けた運転コースにおいて複数のタンクに貯留された複数の処理剤の自動投入が可能である場合、設定された運転コースに基づいて処理剤を推奨する処理剤推奨部と、
前記運転コースが実行されるときに前記タンクから前記槽に投入される処理剤の設定を受け付ける自動投入設定部と、
として機能させ、
前記運転コースの選択指示を受け付けるステップと、
前記運転コースとして、前記第1
の洗剤および前記第2
の洗剤を自動投入可能であり、前記第1
の洗剤が推奨される第1コースが選択された場合、前記第1コースにおける前記第1
の洗剤の自動投入を初期設定するステップと、
前記第1コースにおいて自動投入する洗剤として、
初期設定された前記第1
の洗剤
から前記第2
の洗剤の設定
の変更を受け付けるステップと、
を実行させるための制御プログラム。
【請求項9】
衣類が収容される槽と、第1
の洗剤を貯留する第1タンクおよび前記第1
の洗剤と異なる
種類の第2
の洗剤を貯留する第2タンクを含むタンクと、前記タンクに貯留された処理剤を前記槽に自動投入する自動投入部と、を備える衣類処理装置を制御するコンピュータに、
衣類を処理するための運転コースの選択指示を受け付けるステップと、
前記運転コースとして、前記第1
の洗剤および前記第2
の洗剤を自動投入可能であり、前記第1
の洗剤が推奨される第1コースが選択された場合、前記第1コースにおける前記第1
の洗剤の自動投入を初期設定するステップと、
前記第1コースにおいて自動投入する
洗剤として、
初期設定された前記第1
の洗剤
から前記第2の洗剤
への設定
の変更を受け付けるステップと、
を実行させる制御方法。
【請求項10】
衣類処理装置と、
前記衣類処理装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記衣類処理装置は、衣類が収容される槽と、第1
の洗剤を貯留する第1タンクおよび前記第1
の洗剤と異なる第2
の洗剤を貯留する第2タンクを含むタンクと、前記タンクに貯留された処理剤を前記槽に自動投入する自動投入部と、を備え、
前記制御装置は、
衣類を処理するための運転コースの設定を受け付ける運転コース設定部と、
前記運転コース設定部により設定を受け付けた運転コースにおいて複数のタンクに貯留された複数の処理剤の自動投入が可能である場合、設定された運転コースに基づいて処理剤を推奨する処理剤推奨部と、
前記運転コースが実行されるときに前記タンクから前記槽に投入される処理剤の設定を受け付ける自動投入設定部と、
を備え、
前記制御装置は、
前記運転コースの選択指示を受け付け、
前記運転コースとして、前記第1
の洗剤および前記第2
の洗剤を自動投入可能であり、前記第1
の洗剤が推奨される第1コースが選択された場合、前記第1コースにおける前記第1
の洗剤の自動投入を初期設定し、
前記第1コースにおいて自動投入する
洗剤として、
初期設定された前記第1
の洗剤
から前記第2
の洗剤
への設定
の変更を受付可能である、
衣類処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、衣類処理装置、衣類処理装置を制御するための制御プログラム、制御方法、及び衣類処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転中に、洗剤や柔軟剤などの処理剤を自動的に槽に投入する機能を有する洗濯機が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような従来の洗濯機は、洗剤タンクに貯留されている処理剤の種類に応じて、適切なタイミングで適量の処理剤を槽に自動投入する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
しかし、洗濯運転の際に自動投入される処理剤を使用者が設定する際に、適切な種類の処理剤が選択されない場合がありうる。
【0005】
そこで、本開示は、例えば洗濯機などの衣類処理装置の運転を適切に制御する技術を提供する。
【0006】
本開示における衣類処理装置は、衣類が収容される槽と、複数のタンクと、投入部と、制御装置と、を備える。複数のタンクは、運転中に槽に自動投入される処理剤を貯留する。自動投入部は、タンクに貯留された処理剤を槽に自動投入する。制御装置は、運転コース設定部と、処理剤推奨部と、自動投入設定部と、を有する。運転コース設定部は、衣類を処理するための運転コースの設定を受け付ける。処理剤推奨部は、運転コース設定部により設定を受け付けた運転コースにおいて複数のタンクに貯留された複数の処理剤の自動投入が可能である場合、設定された運転コースに基づいて処理剤を推奨する。自動投入設定部は、運転コースが実行されるときにタンクから槽に投入される処理剤の設定を受け付ける。また、本開示における衣類処理装置は、タンクとして、第1の洗剤を貯留する第1タンクと、第1の洗剤と異なる第2の洗剤を貯留する第2タンクと、を含む。制御装置は、運転コースの選択指示を受け付け、運転コースとして、第1の洗剤および第2の洗剤を自動投入可能であり、第1の洗剤が推奨される第1コースが選択された場合、第1コースにおける第1の洗剤の自動投入を初期設定し、第1コースにおいて自動投入する処理剤として、初期設定された第1の洗剤から第2の洗剤への設定の変更を受付可能である。
【0007】
本開示における制御プログラムは、衣類が収容される槽と、第1の洗剤を貯留する第1タンクおよび第1の洗剤と異なる種類の第2の洗剤を貯留する第2タンクを含むタンクと、前記タンクに貯留された処理剤を前記槽に自動投入する自動投入部と、を備える衣類処
理装置を制御するコンピュータを、運転コース設定部と、処理剤推奨部と、自動投入設定部と、として機能させる。運転コース設定部は、衣類を処理するための運転コースの設定を受け付ける。処理剤推奨部は、運転コース設定部により設定を受け付けた運転コースにおいて複数のタンクに貯留された複数の処理剤の自動投入が可能である場合、設定された運転コースに基づいて処理剤を推奨する。自動投入設定部は、運転コースが実行されるときにタンクから槽に投入される処理剤の設定を受け付ける。また、本開示における制御プログラムは、運転コースの選択指示を受け付けるステップと、運転コースとして、第1の洗剤および第2の洗剤を自動投入可能であり、第1の洗剤が推奨される第1コースが選択された場合、第1コースにおける第1の洗剤の自動投入を初期設定するステップと、第1コースにおいて自動投入する処理剤として、初期設定された第1の洗剤から第2の洗剤の設定の変更を受け付けるステップと、を実行させる。
【0008】
本開示における制御方法は、衣類が収容される槽と、第1の洗剤を貯留する第1タンクおよび第1の洗剤と異なる種類の第2の洗剤を貯留する第2タンクを含むタンクと、タンクに貯留された処理剤を槽に自動投入する自動投入部と、を備える衣類処理装置を制御するコンピュータに、衣類を処理するための運転コースの選択指示を受け付けるステップを実行させる。また、本開示における制御方法は、コンピュータに、運転コースとして、第1の洗剤および第2の洗剤を自動投入可能であり、第1の洗剤が推奨される第1コースが選択された場合、第1コースにおける第1の洗剤の自動投入を初期設定するステップを実行させる。また、本開示における制御方法は、第1コースにおいて自動投入する処理剤として、初期設定された第1の洗剤から第2処理剤への設定の変更を受け付けるステップを実行させる。
【0009】
本開示における衣類処理システムは、衣類処理装置と、衣類処理装置を制御する制御装置と、を備える。衣類処理装置は、衣類が収容される槽と、第1の洗剤を貯留する第1タンクおよび第1の洗剤と異なる第2の洗剤を貯留する第2タンクを含むタンクと、タンクに貯留された処理剤を槽に自動投入する自動投入部と、を備える。制御装置は、運転コース設定部と、処理剤推奨部と、自動投入設定部と、を備える。運転コース設定部は、衣類を処理するための運転コースの設定を受け付ける。処理剤推奨部は、運転コース設定部により設定を受け付けた運転コースにおいて複数のタンクに貯留された複数の処理剤の自動投入が可能である場合、設定された運転コースに基づいて処理剤を推奨する。自動投入設定部は、運転コースが実行されるときにタンクから槽に投入される処理剤の設定を受け付ける。制御装置は、運転コースの選択指示を受け付け、運転コースとして、第1の洗剤および第2の洗剤を自動投入可能であり、第1の洗剤が推奨される第1コースが選択された場合、第1コースにおける第1の洗剤の自動投入を初期設定し、第1コースにおいて自動投入する処理剤として、初期設定された第1の洗剤から第2の洗剤への設定の変更を受付可能である。
【0010】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【0011】
本開示の技術によれば、衣類処理装置の運転を適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本開示の実施の形態1に係る洗濯システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施の形態1における洗濯機の構成を示す縦断面図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係る洗濯機の洗剤自動投入装置の外観を示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態1に係る洗濯機のタンクの構成を示す縦断面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1に係る洗濯機の制御装置の機能構成を示す図である。
【
図6】
図6は、運転コース情報保持部の内部データの例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施の形態1に係る洗濯機の操作表示部に表示される表示画面の例を示す図である。
【
図8】
図8は、操作表示部に表示されるメニュー画面の例を示す図である。
【
図9】
図9は、操作表示部に表示される自動投入設定画面の例を示す図である。
【
図10】
図10は、操作表示部に表示される処理剤設定画面の例を示す図である。
【
図11】
図11は、操作表示部に表示される処理剤設定画面の例を示す図である。
【
図12】
図12は、操作表示部に表示される処理剤設定画面の例を示す図である。
【
図13】
図13は、操作表示部に表示される自動投入設定画面の別の例を示す図である。
【
図14】
図14は、操作表示部に表示される処理剤設定画面の別の例を示す図である。
【
図15】
図15は、操作表示部に表示される運転コース設定画面の例を示す図である。
【
図16】
図16は、操作表示部に表示される自動投入設定画面の例を示す図である。
【
図17】
図17は、実施の形態1に係る端末装置の機能構成を示す図である。
【
図18】
図18は、端末装置の表示装置に表示される自動投入設定画面の例を示す図である。
【
図19】
図19は、端末装置の表示装置に表示される自動投入設定画面の例を示す図である。
【
図20】
図20は、洗濯機の操作表示部の別の例を示す図である。
【
図21】
図21は、実施の形態1に係る洗濯機の制御処理の手順を示すフローチャートである。
【
図22】
図22は、実施の形態1に係る洗濯機の制御処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、又は、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0014】
なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0015】
本開示の実施の形態として、洗濯機などの衣類処理装置の衣類を処理するための運転コースが設定される際に、設定された運転コースに適した処理剤の使用を推奨する技術を説明する。具体的には、実施の形態の洗濯機は、洗濯機が実行可能な、洗濯物を洗濯するための運転コースと、その運転コースにおいて使用可能な処理剤の種類と、使用可能な処理剤が複数種類ある場合はそれらの推奨順との対応関係を保持する。そして、洗濯機は、この対応関係を用いて、設定された運転コースに対応付けられた処理剤を推奨する。これにより、運転コースに適した処理剤の種類を使用者が知らない場合であっても、洗濯機は、適切な処理剤の自動投入の設定を支援することができる。したがって、洗濯機は、洗濯の効率を向上させることができるとともに、使用者の利便性を向上させることができる。なお、実施の形態では、本開示の衣類処理装置の一例である洗濯機について主に説明する。衣類は、衣服に限定されず、毛布、靴、タオル、ぬいぐるみ等も含む。また、衣類に対する処理は、洗濯に限定されず、乾燥処理や、処理剤に衣類を浸ける処理なども含む。
【0016】
(実施の形態1)
以下、
図1~
図22を用いて、実施の形態1を説明する。
【0017】
[1-1.構成]
図1は、本開示の実施の形態1に係る洗濯システム1の構成を示す。洗濯システム1は、本開示の衣類処理システムの一例であり、洗濯機100と、端末装置200と、洗濯支援サーバ300と、それらの装置を接続する通信網の一例であるインターネット2とを備える。端末装置200は、洗濯機100の運転コースなどを設定するためのアプリケーションを実行可能である。洗濯支援サーバ300は、洗濯機100による洗濯を支援する。
【0018】
洗濯機100は、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程、乾燥工程などの運転を自動的に制御するための複数の運転コースを設定可能である。それぞれの運転コースにおいて、各工程の運転態様が、時間、布量、水量、洗剤投入基準量、温度、ドラムの回転速度、回転トルク、回転パターンなどのパラメータで規定される。洗濯機100は、タッチパネルなどのユーザインタフェースを介して、運転コースの指定を使用者から受け付ける。洗濯機100は、使用者により指定された運転コースを設定し、設定された運転コースに規定されたパラメータにしたがって各工程を制御する。
【0019】
端末装置200は、洗濯機100のユーザインタフェースに代えて、又は加えて、洗濯機100の運転コースなどを指定するためのユーザインタフェースとして機能するアプリケーションを実行する。端末装置200は、使用者により指定された運転コースを洗濯機100に通知する。洗濯機100は、端末装置200から通知された運転コースを設定する。このように、使用者により指定された運転コースが端末装置200から洗濯機100に設定される。つまり、端末装置200は、洗濯機100の運転コースなどを設定するためのユーザインタフェースとして機能するアプリケーションを実行するとも言える。端末装置200は、洗濯支援サーバ300を介して洗濯機100との間で通信を行ってもよい。この場合、端末装置200は、使用者により指定された運転コースを洗濯支援サーバ300に通知し、洗濯支援サーバ300は、通知された運転コースを洗濯機100に通知する。端末装置200は、洗濯機100との間で直接通信を行ってもよい。
【0020】
本開示の制御装置は、洗濯機100に内蔵された、後述する制御装置81でもよいし、端末装置200において実行されるアプリケーションにより実現されてもよい。又は、本開示の制御装置は、制御装置81と端末装置200において実行されるアプリケーションの双方により実現されてもよい。
【0021】
洗濯支援サーバ300は、運転コースに関する情報を洗濯機100又は端末装置200に提供する。また、洗濯支援サーバ300は、洗濯機100において実行可能な運転コースのデータを洗濯機100に提供する。洗濯支援サーバ300は、洗濯機100により洗濯される衣類などの洗濯対象の種類や洗濯対象の洗い方又は汚れ方などに合った運転コースを複数の運転コースの中から検索し、検索結果を洗濯機100に提供してもよい。洗濯支援サーバ300は、複数の洗濯機100における運転コースの設定履歴を取得してもよい。そして、洗濯支援サーバ300は、取得した設定履歴を学習データとして、洗濯機100により洗濯される洗濯対象の種類や洗濯対象の洗い方又は汚れ方などに合った運転コースを判定するためのアルゴリズムを学習してもよい。
【0022】
図2は、本開示の実施の形態1における洗濯機100の構成を示す縦断面図である。なお、本実施の形態では、
図2に示すように洗濯機100が設置された状態での鉛直方向を上下方向として記載する場合がある。また、洗濯機100の蓋体52が存在する側(
図2における左側)を洗濯機100の前側、対向する側(
図2における右側)を洗濯機100の後ろ側として、記載する場合がある。
【0023】
図2において、洗濯機100には、上部前面部に操作表示部79が設けられており、操作表示部79の近傍には洗濯機通信部230が設けられている。操作表示部79は、運転コース等のモードや各種機能の指定(選択)が可能な入力装置と、入力装置に入力された情報などを表示する表示装置とが併設されたタッチパネルとして構成される。洗濯機筐体41の上部前面部には、電源ボタンなどの入力部104も設けられている。使用者は、操作表示部79や入力部104を介して、運転コース等のモードや各種機能の指定を行うことができる。
【0024】
洗濯機筐体41内の上部には、制御装置81が設けられている。制御装置81は、マイクロコンピュータなどで構成されている。
【0025】
洗濯機100の洗濯機筐体41の内部には、水槽ユニット49が設けられている。水槽ユニット49は、水槽42と、回転ドラム43と、第1のモータ101とを備えている。
【0026】
水槽42は、洗濯機筐体41の内部にサスペンション構造により揺動自在に配設されている。サスペンション構造は、洗濯機筐体41の下部に取り付けられた複数の防振ダンパー51と、洗濯機筐体41の上部と水槽42との間に設けられた複数のばね体50とにより構成され、水槽42を揺動自在に防振支持している。
【0027】
水槽42の内部には、有底円筒形に形成された回転ドラム43が回転自在に配設されている。回転ドラム43の回転中心部分には、水平方向に延在する回転軸(回転中心軸)44が設けられている。回転軸44には、水槽42の背面側近傍に配置された第1のモータ101が、ベルト46を介して連結されている。第1のモータ101により回転ドラム43が正転方向又は逆転方向に回転駆動される。
【0028】
回転ドラム43の内壁面には、衣類などの洗濯物を撹拌するための数個の突起板47が設けられており、また、回転ドラム43の外周壁には、多数の通水孔48が設けられている。
【0029】
また、洗濯機筐体41には、回転ドラム43の衣類出入口53と対向する位置に筐体開口部45が設けられている。筐体開口部45を開閉自在に覆うように蓋体52が設けられている。蓋体52を開くことにより、衣類出入口53を通じて回転ドラム43内に衣類などの洗濯物を出し入れすることができる。
【0030】
また、洗濯機筐体41の内部には、洗濯水(例えば、水道水)を水槽42内に供給する給水経路54と、水槽42内の洗濯水を洗濯機筐体41の外部に排出する排水経路55と、が設けられている。
【0031】
給水経路54は、第1の給水ホース59と、第2の給水ホース60と、洗剤自動投入装置61と、注水ホース62などで構成されている。
【0032】
第1の給水ホース59には、第1の給水弁57が設けられている。第2の給水ホース60には、第2の給水弁58が設けられている。洗剤自動投入装置61は、所定量の洗剤を収納することができる。
【0033】
第1の給水弁57を開くことにより、水が第1の給水ホース59から図示しない注水口を介して、水槽42に給水される。
【0034】
また、第2の給水弁58を開くことにより、水が第2の給水ホース60から洗剤自動投入装置61に流入し、洗剤自動投入装置61の洗剤弁(図示せず)から吐出された所定量の洗剤とともに注水ホース62から水槽42内に供給される。
【0035】
排水経路55は、排水管64と、フィルタ65と、排水ポンプ63と、排水ホース66とで構成されている。
【0036】
排水管64は、水槽42の底部の凹部71に設けられた排水口95と、フィルタ65とに接続されている。フィルタ65は、洗濯水内の糸屑類を補集するものであり、外部から取り外し可能に構成されている。
【0037】
凹部71には、洗濯水を加熱するためのヒータ72が設けられ、ヒータ72の近傍には、洗濯水の温度を検知する温度検知部73が設けられている。
【0038】
排水ポンプ63は、フィルタ65と排水ホース66とに接続されている。排水ホース66は、洗濯機筐体41の内部から洗濯機筐体41の外部の上方まで延在するように設けられている。洗い工程終了時、すすぎ工程終了時などの所定のタイミングで、排水ポンプ63が駆動することによって、水槽42内の洗濯水が、排水管64、フィルタ65、排水ポンプ63、及び排水ホース66を順に通過して外部に排水される。
【0039】
また、水槽42の底部後方の側壁には、排水管64と連通するようにエアートラップ74が形成されている。エアートラップ74は、空気管75に接続され、空気管75は、洗濯機筐体41内の上部に設けられた水位検知部85に接続されている。水位検知部85は、例えば、圧力センサなどで構成されており、水槽42内部の洗濯水の水圧、即ち、対応するエアートラップ74内の圧力に基づいて、水槽42内の洗濯水の水位を検知する。
【0040】
また、水槽42の上面後部には、水槽ユニット49の振動を検知する振動検知部78が配設されている。本実施の形態では、振動検知部78として、一方向の振動だけでなく前後方向(X軸方向)、左右方向(Y軸方向)、上下方向(Z軸方向)の3次元方向の振動成分を検出する加速度センサが用いられている。
【0041】
ここでは、振動検知部78が検知する3次元方向のそれぞれの軸を「検知軸」という。実際の水槽ユニット49の振動は、必ずしも一方向にのみ発生するものではないので、振動検知部78として複数方向の振動を検知する加速度センサが用いられることで、水槽ユニット49の振動を高精度で検知することができる。制御装置81は、振動検知部78の検知結果に基づいて運転を制御する。
【0042】
図3は、実施の形態1に係る洗濯機100の洗剤自動投入装置61の外観を示す。洗剤自動投入装置61は、内部に処理剤を貯留可能な3つのタンク86a、86b、86cと、それぞれのタンク86a、86b、86cに貯留された処理剤を水槽42に自動投入する自動投入ユニット87と、ホールIC90とを備える。自動投入ユニット87は、ピストン、シリンダ、ポンプ、モータ、弁などにより構成される。3つのタンク86a、86b、86cのうち少なくとも1つは、貯留される処理剤の種類を変更可能とされる。例えば、洗剤、おしゃれ着洗剤、柔軟剤、漂白剤などの処理剤が3つのタンク86a、86b、86cのうちの1つに変更可能に貯留されてもよい。おしゃれ着洗剤は、例えば中性洗剤を含む。3つのタンク86a、86b、86cのうちの残りの2つは、貯留される処理剤の種類が定められてもよいし、任意の種類の処理剤を貯留可能としてもよい。前者の場合、例えば、洗剤専用のタンクと柔軟剤専用のタンクが設けられてもよい。なお、本実施の形態では、タンク86a、86b、86cを特に区別せずにタンク86、3つのタンク86又は複数のタンク86と呼ぶ場合がある。
【0043】
図4は、実施の形態1に係る洗濯機100のタンク86の構成を示す縦断面図である。タンク86は、内部に貯留された処理剤の残量を検知するために、フロート88と、マグネット89とを備える。フロート88のヘッドは、処理剤の液面に浮くように構成されているので、フロート88は処理剤の液高に合わせて回動する。フロート88の回動によりマグネット89の位置が移動し、マグネット89の位置に応じた磁力がホールIC90により検知される。これにより、タンク86に貯留された処理剤の残量を検知することができる。なお、本実施の形態では、ホールIC90がタンク86の底面に設けられる構成を示したが、これに限定されない。例えば、ホールIC90は、タンク86を覆う筐体(図示せず)に設けられてもよい。
【0044】
図5は、実施の形態1に係る洗濯機100の制御装置81の機能構成を示す。本図は、主に、洗濯機100において実行される運転コースと、運転コースの実行中に自動投入される処理剤とを設定するための機能構成を示す。制御装置81は、処理装置120及び記憶装置160を備える。
【0045】
記憶装置160は、処理装置120が使用するデータ、プログラム、パラメータなどを記憶する。記憶装置160は、運転コース情報保持部161、運転コースデータ保持部162、及び処理剤情報保持部163を備える。なお、記憶装置160は、半導体メモリ、ハードディスク、クラウドストレージなどであってもよい。
【0046】
運転コース情報保持部161は、洗濯機100が設定可能な運転コースに関する情報を保持する。運転コース情報保持部161は、例えば、運転コースの名称、概要、所要時間、洗濯可能な洗濯対象の容量、洗濯可能な洗濯対象の種類、洗濯可能な汚れの種類又は程度、表示の優先度、設定回数などの情報を運転コースに対応付けて保持する。運転コース情報保持部161は、更に、運転コースにおいて使用可能な処理剤の種類、量、複数の処理剤が使用可能である場合は推奨される処理剤の優先度などを運転コースに対応付けて保持する。
【0047】
図6は、運転コース情報保持部161の内部データの例を示す。
図6は、運転コース情報保持部161に保持された情報のうち、運転コースにおいて使用可能な処理剤の種類と優先度を示す。同図では、自動投入が推奨される処理剤を「◎」、自動投入可能な処理剤を「〇」、自動投入できない処理剤を「×」でそれぞれ示している。ここで、おしゃれ着洗剤は、泡立ちが多くなるため、水流を抑えた専用の運転コースでのみ使用可能である。したがって、同図に示すように、「おしゃれ着」コース、「おうちクリーニング」コース、「毛布」コースでおしゃれ着洗剤を自動投入することが可能である。「おしゃれ着」コースは、衣類の傷みを抑えることが優先されたコースである。「おうちクリーニング」コースは、従来は洗濯業者に洗濯を依頼していたカシミアなどの素材の衣類を洗濯可能なコースである。「毛布」コースは、毛布を洗濯するコースである。それに対し、「おまかせ」コースでは、洗浄力を担保するために比較的強い水流が用いられているため、おしゃれ着洗剤を自動投入することはできない。また、漂白剤は、衣類が傷む可能性があるので、「おしゃれ着」コースや「おうちクリーニング」コース等では自動投入できない。「おうちクリーニング」コースは、通常の洗剤では洗濯できないような衣類を洗濯することが想定されているので、おしゃれ着洗剤は自動投入可能であるが、通常の洗剤は自動投入できない。「おうちクリーニング」コースにおいて、タンク86にメーカーが推奨する銘柄のおしゃれ着洗剤と、それ以外の銘柄のおしゃれ着洗剤が貯留されている場合は、メーカーが推奨する銘柄のおしゃれ着洗剤が推奨されてもよい。「おしゃれ着」コースは、通常の洗剤でも洗濯可能な素材の衣類を洗濯する際に選択される場合もあるので、通常の洗剤が推奨されるが、おしゃれ着洗剤がタンク86に貯留されている場合は、おしゃれ着洗剤も自動投入可能である。「槽洗浄」コースでは、洗剤、柔軟剤、及び、おしゃれ着洗剤を使用しないので、いずれの処理剤も自動投入できない。しかし、タンク86に槽洗浄用の処理剤が貯留されている場合は、槽洗浄用の処理剤は自動投入できる。なお、タンク86に、メーカーが推奨する銘柄の槽洗浄用の処理剤と、それ以外の銘柄の槽洗浄用の処理剤が貯留されている場合は、メーカーが推奨する銘柄の槽洗浄用の処理剤が推奨されてもよい。処理剤の使用可否や優先度は、洗濯機100における運転コースの内容や仕様などに応じて定められてもよい。又は、運転コース情報保持部161に、以前に運転コースが実行されたときに自動投入が設定された処理剤の種類が記録されてもよい。この場合、運転コースにおいて自動投入可能な処理剤として、以前にその運転コースが実行されたときに自動投入が設定された処理剤の種類が推奨されてもよい。なお、メーカーが推奨する処理剤の銘柄が優先して推奨されるのは、「おうちクリーニング」コースや「槽洗浄」コースに限定されない。
【0048】
運転コースデータ保持部162は、運転コースに規定されたパラメータの値などを保持する。
【0049】
処理剤情報保持部163は、複数のタンク86のそれぞれに貯留されている処理剤に関する情報を保持する。処理剤情報保持部163は、複数のタンク86のそれぞれについて、貯留されている処理剤の種類、銘柄、投入基準量、投入タイミングなどの情報を対応付けて保持する。
【0050】
処理装置120は、ユーザインタフェース制御部121、運転コース設定部122、自動投入設定部123、自動投入可否判定部124、処理剤推奨部125、運転コース保存部126、使用者情報取得部127、処理剤残量取得部128、及び自動投入制御部129を備える。これらの構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、その他のLSI(Large Scale Integration)で実現できる。また、これらの構成は、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現される。
図5は、一例として、ハードウエア及びソフトウエアの連携によって実現される処理装置120の構成を、機能ブロックにより示している。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ハードウエアとソフトウエアの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。なお、CPUが実行するプログラムは、予めメモリに記録されているものに限らず、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット2等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0051】
ユーザインタフェース制御部121は、操作表示部79に表示される表示画面を生成し、操作表示部79に表示する。ユーザインタフェース制御部121は、操作表示部79により受け付けられた操作入力を取得する。
【0052】
運転コース設定部122は、洗濯物を洗濯するための運転コースの設定を使用者から受け付ける。具体的には、運転コース設定部122は、運転コース情報保持部161に格納された複数の運転コースの情報を取得して操作表示部79に表示し、使用者からの選択指示を受け付ける。運転コース設定部122は、使用者により選択された運転コースを設定する。なお、運転コース設定部122による表示は、ユーザインタフェース制御部121を介して行われてもよい。
【0053】
運転コース設定部122は、タンク86に貯留されている処理剤の種類を処理剤情報保持部163から取得し、処理剤の種類に応じて操作表示部79に表示する運転コースの種類や表示順を決定してもよい。例えば、タンク86に漂白剤などの特定の処理剤が貯留されている場合は、その処理剤を必要とする運転コースを表示し、タンク86にその処理剤が貯留されていない場合は、その処理剤を必要とする運転コースを表示しないようにしてもよい。また、タンク86に漂白剤などの特定の処理剤が貯留されている場合は、その処理剤を使用可能な運転コースの表示順を高くし、タンク86にその処理剤が貯留されていない場合は、その処理剤を使用可能な運転コースの表示順を低くしてもよい。
【0054】
自動投入設定部123は、洗濯運転中にタンク86から水槽42に自動投入される処理剤を設定する。自動投入設定部123は、複数のタンク86のそれぞれに貯留されている処理剤の種類を処理剤情報保持部163から取得して操作表示部79に表示し、使用者から自動投入の有無の選択指示を受け付ける。自動投入設定部123は、使用者により選択された処理剤の自動投入を設定する。本実施の形態においては、自動投入設定部123は運転コース設定部122で設定された運転コースにおいて使用可能な処理剤を使用者に提示させる処理剤提示部の役割を兼ねている。なお、処理剤提示部及び自動投入設定部123はそれぞれ設けられてもよい。また、自動投入設定部123による表示は、ユーザインタフェース制御部121を介して行われてもよい。
【0055】
自動投入可否判定部124は、運転コース情報保持部161を参照して、運転コースにおける処理剤の自動投入の可否を判定する。自動投入可否判定部124は、衣類などの洗濯物に添付された絵表示の内容をカメラなどにより読み取り、絵表示により指定された洗濯条件に応じて処理剤の自動投入の可否を判定してもよい。自動投入可否判定部124は、自動投入設定部123が処理剤の種類を操作表示部79に表示する際に、処理剤の自動投入の可否を判定してもよい。この場合、自動投入設定部123は、処理剤の自動投入の可否に応じて異なる態様で処理剤の種類を操作表示部79に表示してもよい。これにより、自動投入設定部123は、運転コースにおいて自動投入可能な処理剤と自動投入不可能な処理剤を使用者に分かりやすく報知することができる。自動投入可否判定部124は、自動投入設定部123が処理剤の自動投入の設定を受け付けた後に、処理剤の自動投入の可否を判定してもよい。この場合、受け付けた処理剤の自動投入が不可である場合には、自動投入設定部123は、その旨を使用者に報知し、処理剤の自動投入を設定しない。自動投入設定部123は、運転コースにおいて処理剤の自動投入が不可である理由を使用者に報知してもよい。
【0056】
処理剤推奨部125は、洗濯運転中に水槽42に自動投入可能な処理剤が複数ある場合、運転コース情報保持部161を参照して、運転コースの内容に適した処理剤、又は以前に運転コースが実行されたときに自動投入が設定された処理剤を推奨する。自動投入設定部123は、処理剤推奨部125によって推奨された剤を自動的に設定してもよい。処理剤推奨部125は、衣類などの洗濯物に添付された絵表示の内容をカメラなどにより読み取り、絵表示により指定された洗濯条件に応じて処理剤の優先度を判定してもよい。自動投入設定部123は、処理剤推奨部125により推奨される処理剤を、推奨されることを示す態様で表示してもよいし、推奨される処理剤の自動投入をデフォルトで設定してもよい。例えば、タンク86に洗剤とおしゃれ着洗剤が貯留されているときに、おしゃれ着を洗濯するための運転コースが選択された場合、洗剤とおしゃれ着洗剤の双方を使用可能であるが、通常の洗剤の使用が推奨される。この場合、自動投入設定部123は、通常の洗剤の使用が推奨されることを使用者に報知してもよいし、通常の洗剤の自動投入を初期設定してもよい。処理剤推奨部125により推奨された処理剤以外の処理剤の自動投入を使用者が希望する場合、自動投入設定部123は、自動投入する処理剤の設定の変更を使用者から受け付けてもよい。また、処理剤推奨部125は、処理剤の種類を推奨してもよいし、処理剤の銘柄を推奨してもよい。
【0057】
運転コース保存部126は、自動投入する処理剤の設定情報を運転コースの種類に対応付けて運転コース情報保持部161に保存する。例えば、タンク86に柔軟剤Aと柔軟剤Bが貯留されているときに、使用者が柔軟剤Aを自動投入する洗濯運転と柔軟剤Bを自動投入する洗濯運転を使い分けたい場合は、それぞれを新たな運転コースとして運転コース情報保持部161に保存する。これにより、運転コース設定部122が運転コースの設定を受け付ける際に、柔軟剤Aを自動投入する運転コースと柔軟剤Bを自動投入する運転コースが操作表示部79に表示される。したがって、使用者は運転コースを選択するだけで所望の柔軟剤の自動投入を設定することができる。この場合、自動投入設定部123は、運転コースに対応付けられた処理剤の自動投入を自動的に設定する。
【0058】
使用者情報取得部127は、使用者や使用者の同居者などに関する情報を端末装置200や洗濯支援サーバ300などから取得する。使用者情報取得部127は、使用者又は同居者のスケジュール、行動履歴、外出の有無などの情報を取得する。運転コース設定部122は、使用者情報取得部127により取得された情報に応じて、運転コースの表示順を決定してもよい。例えば、使用者の子供の運動会が開催された日の翌日に洗濯機100が使用される場合、泥汚れに合った運転コースが優先的に表示されてもよい。また、使用者が知人と会食した日の翌日に洗濯機100が使用される場合、おしゃれ着に合った運転コースが優先的に表示されてもよい。運転コース設定部122は、更に、天気、降雨量、降雪量、積雪量、温度、湿度などの気象情報に応じて運転コースの表示順を決定してもよい。
【0059】
処理剤残量取得部128は、タンク86に貯留された処理剤の残量をホールIC90から取得する。自動投入設定部123は、タンク86内の処理剤の残量が投入量に満たない場合、処理剤の自動投入の設定を受け付けなくてもよい。この場合であっても、別のタンク86に同種の処理剤が貯留されている場合は、自動投入設定部123は、処理剤の自動投入の設定を受け付けてもよい。この場合、自動投入設定部123は、タンク86内の処理剤の残量が少ない旨を使用者に報知してもよい。
【0060】
自動投入制御部129は、自動投入設定部123により自動投入が設定されている場合、洗濯運転中の所定の投入タイミングに自動投入ユニット87を制御して、所定量の処理剤をタンク86から水槽42に自動投入させる。自動投入制御部129は、タンク86内の処理剤の残量が不足して投入量に満たない場合、同種の処理剤を貯留している別のタンク86に切り替えて、別のタンク86から残りの投入量を自動投入してもよい。
【0061】
処理剤情報取得部130は、タンク86に貯留されている処理剤に関する情報を取得して処理剤情報保持部163に格納する。処理剤情報取得部130は、処理剤の種類、銘柄、投入基準量、投入タイミングなどの情報を使用者、端末装置200、洗濯支援サーバ300などから取得する。処理剤情報取得部130は、タンク86に貯留された処理剤の種類又は銘柄が変更されたことが検知された場合、変更後の処理剤に関する情報を取得して処理剤情報保持部163に格納された情報を更新する。タンク86に貯留された処理剤の種類又は銘柄が変更されたことは、処理剤残量取得部128により取得された処理剤の残量の変化や、図示しない泡量センサにより検知された洗濯運転時の泡の量の変化などにより検知されてもよい。例えば、タンク86に貯留されている処理剤の残量が、前回運転終了時の残量より所定量以上増加している場合に、タンク86内に貯留されている処理剤の種類又は銘柄が変更されたことが検知されてもよい。また、前回運転終了時の残量が所定の閾値以下であった場合に、タンク86内に貯留されている処理剤の種類又は銘柄が変更されたことが検知されてもよい。
【0062】
図7は、実施の形態1に係る洗濯機100の操作表示部79に表示される表示画面の例を示す。
図7に示した表示画面は、洗濯機100の電源ボタンが投入された後に表示されるトップ画面400である。トップ画面400には、ヘッダー領域405が常時表示される。ヘッダー領域405は、メニューボタン401、トップ画面ボタン402、検索ボタン403及び通知ボタン404を含む。メニューボタン401は、メニュー画面430に遷移するためのボタンである。トップ画面ボタン402は、トップ画面400以外の画面が表示されている場合にトップ画面400に遷移させるためのボタンである。検索ボタン403は、運転コースの検索画面に遷移するためのボタンである。通知ボタン404は、使用者に対する通知を表示するためのボタンである。ヘッダー領域405の各ボタンが入力されると、入力されたボタンに応じた内容が表示される。なお、ヘッダー領域405は、トップ画面400に限らず、トップ画面400以外の画面においても表示されてもよい。
【0063】
運転コースの検索画面において、運転コース設定部122は、タンク86に貯留されている処理剤の種類に応じて、表示される運転コースの種類や表示順序を決定してもよい。使用者のスケジュールや気象情報などに応じて推奨される運転コースがある場合は、運転コース設定部122は、運転コースの検索画面において推奨される運転コースを優先的に表示してもよい。又は、運転コース設定部122は、通知ボタン404が入力されたときに表示される通知画面において推奨される運転コースを表示してもよい。
【0064】
図8は、操作表示部79に表示されるメニュー画面430の例を示す。メニュー画面430には、処理剤の自動投入に関する設定を行うための自動投入設定ボタン431が表示される。自動投入設定ボタン431が入力されると、処理剤情報取得部130は、処理剤の自動投入に関する設定を行うための自動投入設定画面440に遷移させる。なお、処理剤情報取得部130による表示は、ユーザインタフェース制御部121を介して行われてもよい。
【0065】
図9は、操作表示部79に表示される自動投入設定画面440の例を示す。本図は、タンク86aに洗剤、タンク86bに柔軟剤、タンク86cにおしゃれ着洗剤が貯留される例を示している。自動投入設定画面440には、複数のタンク86a、86b、86cのそれぞれについて、貯留された処理剤の種類と銘柄が表示される。複数のタンク86a、86b、86cのそれぞれのボタン441a、441b、441cのいずれかが入力されると、処理剤情報取得部130は、以下のように画面を遷移させる。即ち、処理剤情報取得部130は、入力されたボタンに対応するタンク86に貯留された処理剤に関する情報を設定するための処理剤設定画面450に遷移させる。
【0066】
図10は、操作表示部79に表示される処理剤設定画面450の例を示す。処理剤設定画面450には、処理剤の投入設定を入力するための投入設定入力部と、処理剤の水30Lあたりの投入基準量を入力するための投入基準量入力部が表示される。投入設定入力部では、タンク86に貯留された処理剤の自動投入の有無及び投入調整量が設定される。投入基準量入力部では、処理剤の自動投入の投入基準量が設定される。処理剤情報取得部130は、受け付けた設定内容を処理剤情報保持部163に格納する。
【0067】
図11は、操作表示部79に表示される処理剤設定画面450の例を示す。処理剤設定画面450の投入設定入力部において、なし、多め、標準、少なめが選択可能に表示される。多め、標準、少なめが選択されると、選択された内容が投入調整量の設定として記憶される。なしを選択すると、自動投入しない設定が記憶される。
【0068】
図12は、操作表示部79に表示される処理剤設定画面450の例を示す。処理剤設定画面450の投入基準量入力部において、処理剤の水30Lあたりの投入基準量が設定される。
【0069】
図13は、操作表示部79に表示される自動投入設定画面440の別の例を示す。本図は、タンク86aに洗剤、タンク86bに柔軟剤が貯留され、タンク86cには任意の種類の処理剤が貯留される例を示している。
【0070】
図14は、操作表示部79に表示される処理剤設定画面450の別の例を示す。タンク86cに貯留される処理剤の情報を設定するための処理剤設定画面450には、投入基準量入力部と、投入設定入力部と、タンク設定入力部とが表示される。
図10の例と同様、投入基準量入力部は、処理剤の水30Lあたりの投入基準量を入力するための入力部であり、投入設定入力部は、処理剤の投入設定を入力するための入力部である。タンク設定入力部は、タンク86cに貯留された処理剤の種類を設定するための入力部である。上述のように、投入基準量入力部では、処理剤の水30Lあたりの投入基準量が設定される。投入設定入力部では、投入の有無及び投入調整量が設定される。タンク設定入力部では、タンク86cに貯留された処理剤の種類が設定される。処理剤情報取得部130は、受け付けた設定内容を処理剤情報保持部163に格納する。
【0071】
図15は、操作表示部79に表示される運転コース設定画面460の例を示す。なお、本実施の形態では、アイコン461a、461b、461cを特に区別せずにアイコン461と呼ぶ場合がある。運転コース設定画面460には、使用者により選択された運転コースの内容が表示される。また、自動投入設定画面440において設定された、各タンク86の自動投入の可/不可及び自動投入を使用する/使用しないの設定内容が表示される。処理剤の投入調整量の設定内容が表示されてもよい。本図の例では、「おまかせ」コースが選択されているので、
図6に示したように、おしゃれ着洗剤を自動投入することはできない。したがって、運転コース設定画面460において、自動投入可能な洗剤のアイコン461aと柔軟剤のアイコン461bとは異なる態様で、おしゃれ着洗剤のアイコン461cが表示される。自動投入できない処理剤のアイコンは、入力できないことが視覚的に分かりやすいような態様、例えばグレーで表示されてもよい。これにより、洗濯機100は、選択されている運転コースにおいて使用が推奨されない処理剤を使用者に知らせることができるので、その処理剤を手動でも投入しないようにさせることができる。自動投入ができない処理剤は、自動投入が設定されていない処理剤と、アイコン461の表示態様を異ならせてもよい。例えば、自動投入ができない処理剤が貯留されているタンク86のアイコン461は、タンクの画像と文字列の双方をグレーダウンして表示してもよい。一方、自動投入が設定されていないタンク86のアイコン461は、タンクの画像のみをグレーダウンして表示し、文字列はグレーダウンせずに表示してもよい。運転コース設定画面460において、処理剤の自動投入設定は、使用者により変更可能とされており、いずれかのアイコン461が入力されると、自動投入設定画面470に遷移する。
【0072】
図16は、操作表示部79に表示される自動投入設定画面470の例を示す。自動投入設定画面470には、3つのタンク86a、86b、86cに貯留されている処理剤の種類として設定されている情報が表示される。使用者は、設定ボタン471a、471b、471cを入力して、タンク86a、86b、86cに貯留されているそれぞれの処理剤の自動投入の有無と投入調整量を変更可能である。自動投入設定画面470においても、運転コースに応じて自動投入ができない処理剤のアイコンは、他のアイコンと異なる表示態様で表示される。
【0073】
図17は、実施の形態1に係る端末装置200の機能構成を示す。本図は、端末装置200において実行されるアプリケーションのうち、洗濯機100のタンク86に貯留された処理剤の自動投入を設定するための機能構成を主に示す。端末装置200は、通信装置201、入力装置202、表示装置203、処理装置220、及び記憶装置260を備える。端末装置200は、パーソナルコンピューターなどの端末装置であってもよいし、携帯電話端末、スマートフォン、タブレット端末などの携帯端末装置であってもよいし、ホーム端末、テレビジョン受像機、車載機器などであってもよい。
【0074】
通信装置201は、他の装置との間の通信を制御する。通信装置201は、有線又は無線の任意の通信方式により通信を行ってもよい。入力装置202は、端末装置200の使用者による指示入力を処理装置220に伝達する。入力装置202は、マウス、キーボード、タッチパッドなどであってもよい。表示装置203は、処理装置220により生成される画面を表示する。表示装置203は、液晶表示装置、有機EL(Electro Luminescence)表示装置などであってもよい。入力装置202及び表示装置203は、タッチパネルとして実装されてもよい。
【0075】
記憶装置260は、処理装置220により使用されるプログラム、データなどを記憶する。記憶装置260は、半導体メモリ、ハードディスク、クラウドストレージなどであってもよい。記憶装置260は、運転コース情報保持部261及び処理剤情報保持部263を備える。
【0076】
運転コース情報保持部261は、洗濯機100が設定可能な運転コースに関する情報を保持する。運転コース情報保持部261に保持される情報は、洗濯機100の運転コース情報保持部161に保持される情報と同様である。運転コース情報保持部261に保持される情報は、所定のタイミングで、例えば所定の時間間隔で定期的に、洗濯機100の運転コース情報保持部161に保持された情報と同期されてもよい。端末装置200と洗濯機100の間での情報の同期は、洗濯支援サーバ300を介して実行されてもよい。
【0077】
処理剤情報保持部263は、複数のタンク86のそれぞれに貯留されている処理剤に関する情報を保持する。
【0078】
処理装置220は、処理剤情報取得部221、運転コース設定部222、自動投入設定部223、自動投入可否判定部224、処理剤推奨部225、運転コース保存部226、使用者情報取得部227、使用者情報送信部228、及び設定情報送信部229を備える。これらの構成も、ハードウエアのみ、又はハードウエアとソフトウエアの組合せなど、いろいろな形で実現できる。
図17は、一例として、ハードウエア及びソフトウエアの連携によって実現される処理装置220の構成を、機能ブロックにより示している。なお、ソフトウエアは、処理装置220を構成するメモリに予め記録されているものに限らず、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット2等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0079】
処理剤情報取得部221は、洗濯機100のタンク86に貯留されている処理剤の種類を洗濯機100から取得して処理剤情報保持部263に格納する。運転コース設定部222は、洗濯機100において実行される運転コースの設定を使用者から受け付ける。自動投入設定部223は、洗濯運転中にタンク86から水槽42に自動投入される処理剤を設定する。自動投入可否判定部224は、運転コース情報保持部261を参照して、運転コースにおける処理剤の自動投入の可否を判定する。処理剤推奨部225は、洗濯運転中に水槽42に自動投入可能な処理剤が複数ある場合、運転コース情報保持部261を参照して、運転コースの内容に適した処理剤を推奨する。なお、自動投入設定部223は、処理剤推奨部225で推奨された処理剤を設定してもよい。運転コース保存部226は、自動投入する処理剤の設定情報を運転コースの種類に対応付けて運転コース情報保持部261に保存する。使用者情報取得部227は、使用者や使用者の同居者などに関する情報を使用者や他のアプリケーションのデータなどから取得する。使用者情報送信部228は、使用者情報取得部227により取得された情報を洗濯機100に送信する。設定情報送信部229は、各構成により設定された情報を洗濯機100に送信する。なお、使用者情報送信部228、設定情報送信部229による洗濯機100への送信は、洗濯支援サーバ300を介して行われてもよい。
【0080】
図18は、端末装置200の表示装置203に表示される自動投入設定画面500の例を示す。自動投入設定画面500には、複数のタンク86a、86b、86cのそれぞれについて、貯留された処理剤の種類及び銘柄と、自動投入の有無及び投入調整量のデフォルト設定が表示される。自動投入設定画面500において、使用者は、複数のタンク86a、86b、86cのそれぞれについて、処理剤の自動投入の有無と、投入調整量の設定を変更可能である。
【0081】
図19は、端末装置200の表示装置203に表示される自動投入設定画面500の例を示す。本図の例では、タンク86bに貯留されている処理剤は、自動投入可否判定部224により自動投入が不可であると判定され、手動投入すべき旨が表示されている。
【0082】
図20は、洗濯機100の操作表示部79の別の例を示す。なお、本実施の形態では、ボタン600a、600b、600を特に区別せずにボタン600と呼ぶ場合がある。本図の例では、操作表示部79として、タッチパネルに代えて、スイッチやLED(機械式・静電容量式を含む)などが設けられる。操作表示部79には、タンク86a、86b、86cに貯留されている処理剤の自動投入を設定するためのボタン600a、600b、600cが設けられる。設定された運転コースにおいて自動投入可能な処理剤のボタン600は入力可能とされており、入力されるごとに、設定値が「なし」(無点灯)、「標準」、「多め」、「少なめ」、「なし」(無点灯)のように変更される。自動投入可能でない処理剤のボタン600は消灯されており、入力を受け付けない。設定された運転コースにおいて自動投入可能な処理剤が複数ある場合は、推奨される処理剤の自動投入が初期設定され、その処理剤のLEDが点灯される。タンク86に貯留されている処理剤の種類が変更された場合は、特定のボタンを入力することにより調整機能モードに遷移させ、調整機能モードにおいて特定のボタンを入力することにより処理剤の種類の設定を受け付ける。
【0083】
[1-2.動作]
以上のように構成された洗濯機100について、以下その動作、作用を説明する。
【0084】
図21及び
図22は、実施の形態1に係る洗濯機100の制御処理の手順を示すフローチャートである。洗濯機100の電源がオンになると(
図21のステップS1)、
図7に示すように、制御装置81は、操作表示部79にトップ画面400を表示する(ステップS2)。タンク86に貯留された処理剤に関する情報を設定する場合(ステップS3のY)、処理剤情報取得部130は、
図9に示す自動投入設定画面440を表示させる(ステップS4)。即ち、使用者が、トップ画面400においてメニューボタン401を入力して表示させた
図8に示すメニュー画面430において自動投入設定ボタン431を入力した場合(ステップS3のY)、処理剤情報取得部130は、ステップS4の処理を行う。タンク86に貯留された処理剤が変更されたことが検知された場合は、処理剤に関する情報を設定するよう使用者に促すための表示内容が操作表示部79に表示され、自動投入設定画面440が表示されてもよい。
【0085】
自動投入設定画面440に表示された、複数のタンク86a、86b、86cのそれぞれのボタン441a、441b、441cのいずれかが入力されると、処理剤情報取得部130は、以下のように画面を遷移させる。即ち、処理剤情報取得部130は、入力されたボタンに対応するタンク86に貯留された処理剤に関する情報を設定するために、
図10に示す処理剤設定画面450に遷移させる。処理剤情報取得部130は、
図11に示すように投入設定入力部において処理剤の投入調整量を取得し(ステップS5)、
図12に示すように投入基準量入力部において処理剤の投入基準量を取得する(ステップS6)。タンク86に任意の種類の処理剤を貯留可能である場合は、処理剤情報取得部130は、
図14に示すようにタンク設定入力部において処理剤の種類を取得する(ステップS7)。処理剤情報取得部130は、取得した設定内容を処理剤情報保持部163に格納して設定する(ステップS8)。処理剤に関する情報が設定されない場合は(ステップS3のN)、制御装置81は、ステップS4~ステップS8の処理をスキップする。
【0086】
運転コース設定部122は、
図15に示す運転コース設定画面460において、使用者から運転コースの選択指示を受け付け、選択された運転コースを設定する(
図22のステップS10)。設定された運転コースにおいて自動投入可能な処理剤が複数ある場合(ステップS14のY)、自動投入設定部123は、推奨される処理剤の自動投入を初期設定する(ステップS16)。自動投入可能な処理剤が複数ない場合(ステップS14のN)、ステップS16の処理をスキップする。自動投入設定部123は、
図16に示す自動投入設定画面470において、使用者が自動投入設定を初期設定から変更する場合、変更を受け付ける(ステップS18)。使用者が、運転開始を指示するボタン(図示せず)を押下することで、ステップS10で設定された運転コースによる運転が開始される(ステップS20)。処理剤の自動投入が設定されている場合は(ステップS22のY)、自動投入制御部129は、処理剤情報保持部163に保持されている処理剤の投入基準量に基づいて、タンク86から処理剤を水槽42に自動投入する(ステップS24)。処理剤の自動投入が設定されていない場合(ステップS22のN)、ステップS24の処理をスキップする。運転コースにしたがって運転が実行される(ステップS26)。
【0087】
上記では、洗濯機100において処理剤の自動投入を設定する場合を説明したが、端末装置200において処理剤の自動投入を設定する場合も同様である。運転コース設定部222は、使用者から運転コースの選択指示を受け付け、選択された運転コースを設定する(ステップS10)。設定された運転コースにおいて自動投入可能な処理剤が複数ある場合(ステップS14のY)、自動投入設定部223は、推奨される処理剤の自動投入を初期設定する(ステップS16)。自動投入可能な処理剤が複数ない場合(ステップS14のN)、ステップS16の処理をスキップする。自動投入設定部223は、
図18又は
図19に示す自動投入設定画面500において、自動投入設定の変更を使用者から受け付け、変更がなければデフォルト設定のまま自動投入の設定を行う(ステップS18)。設定情報送信部229は、処理剤情報取得部221により取得された設定情報を洗濯機100に送信する。
【0088】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、洗濯機100は、洗濯物が収容される水槽42と、複数のタンク86と、自動投入ユニット87と、制御装置81と、を備える。複数のタンク86は、運転中に水槽42に投入される処理剤を貯留する。自動投入ユニット87は、タンク86に貯留された処理剤を水槽42に投入する。制御装置81は、運転コース設定部122と、処理剤推奨部125と、を有する。運転コース設定部122は、洗濯物を洗濯するための運転コースの設定を受け付ける。処理剤推奨部125は、運転コース設定部122により設定を受け付けた運転コースにおいて複数のタンク86に貯留された複数の処理剤を使用可能である場合、設定された運転コースに基づいて処理剤を推奨する。ここで、水槽42は、本開示における槽の一例であり、自動投入ユニット87は、本開示における投入部の一例である。また、本実施の形態において、衣類処理装置は、洗濯機100と、端末装置200と、を備える。洗濯機100は、洗濯物が収容される水槽42と、複数のタンク86と、自動投入ユニット87と、を有する。複数のタンク86は、運転中に水槽42に投入される処理剤を貯留する。自動投入ユニット87は、タンク86に貯留された処理剤を水槽42に投入する。端末装置200は、運転コース設定部222と、処理剤推奨部225と、を有する。運転コース設定部222は、洗濯物を洗濯するための運転コースの設定を受け付ける。処理剤推奨部225は、運転コース設定部222により設定を受け付けた運転コースにおいて複数のタンク86に貯留された複数の処理剤を使用可能である場合、設定された運転コースに基づいて処理剤を推奨する。ここで、端末装置200は、本開示における制御装置の一例である。これにより、洗濯機100は、運転コースに適した処理剤の自動投入を使用者に選択させることができるので、運転を適切に制御でき、結果として洗濯の効率を向上させることができるとともに、使用者の利便性を向上させることができる。
【0089】
また、本実施の形態において、制御装置81は、運転コースにおいて使用可能な処理剤を使用者に提示する自動投入設定部123(本開示における処理剤提示部の一例である)を有する。また、本実施の形態において、端末装置200は、自動投入設定部223(本開示における処理剤提示部の一例である)を有する。これにより、洗濯機100は、使用者の利便性を向上させることができる。
【0090】
また、本実施の形態において、制御装置81は、運転コースが実行されるときにタンク86から水槽42に投入される処理剤の設定を受け付ける自動投入設定部123を有する。自動投入設定部123は、処理剤推奨部125により推奨された処理剤とは異なる処理剤の設定を受付可能である。また、本実施の形態において、端末装置200は、運転コースが実行されるときにタンク86から水槽42に投入される処理剤の設定を受け付ける自動投入設定部223を有する。自動投入設定部223は、処理剤推奨部225により推奨された処理剤とは異なる処理剤の設定を受付可能である。これにより、洗濯機100は、使用者の利便性を向上させることができる。
【0091】
また、本実施の形態において、洗濯機100は、自動投入する処理剤の設定情報を運転コースに対応付けて保存する運転コース保存部126を更に備える。また、本実施の形態において、端末装置200は、自動投入する処理剤の設定情報を運転コースに対応付けて保存する運転コース保存部226を更に備える。これにより、洗濯機100は、使用者の利便性を向上させることができる。
【0092】
また、本実施の形態において、運転コース設定部122は、タンク86に貯留された処理剤を使用可能な運転コースを使用者に提示する。また、本実施の形態において、運転コース設定部222は、タンク86に貯留された処理剤を使用可能な運転コースを使用者に提示する。これにより、洗濯機100は、使用者の利便性を向上させることができる。
【0093】
また、本実施の形態において、運転コース設定部122は、使用者又は気象に関する情報を取得し、取得された情報に応じて推奨される運転コースを使用者に提示する。また、本実施の形態において、運転コース設定部222は、使用者又は気象に関する情報を取得し、取得された情報に応じて推奨される運転コースを使用者に提示する。これにより、洗濯機100は、使用者の利便性を向上させることができる。
【0094】
また、本実施の形態において、複数のタンク86のうち少なくとも1つは、貯留される処理剤の種類を変更可能とされる。これにより、洗濯機100は、使用者の利便性を向上させることができる。
【0095】
また、本実施の形態において、洗濯機100は、貯留される処理剤の種類を変更可能とされたタンク86に貯留されている処理剤に関する情報を取得する処理剤情報取得部130を更に備える。また、本実施の形態において、端末装置200は、貯留される処理剤の種類を変更可能とされたタンク86に貯留されている処理剤に関する情報を取得する処理剤情報取得部221を更に備える。これにより、洗濯機100は、処理剤を適切に自動投入することができる。
【0096】
また、本実施の形態において、洗濯機100は、自動投入制御部129を更に備える。自動投入制御部129は、複数のタンク86のうちの一つのタンク86に貯留されている処理剤を水槽42に自動投入する際に、処理剤の残量が不足したとき、以下のようにする。即ち、自動投入制御部129は、複数のタンク86のうちの別のタンク86に同種の処理剤が貯留されている場合は、別のタンク86に切り替えて処理剤を水槽42に自動投入する。これにより、洗濯機100は、使用者の利便性を向上させることができる。
【0097】
また、本実施の形態において、制御プログラムは、コンピュータを、運転コース設定部122と、処理剤推奨部125と、として機能させる。運転コース設定部122は、洗濯物を洗濯するための運転コースの設定を受け付ける。処理剤推奨部125は、運転コース設定部122により設定を受け付けた運転コースにおいて複数のタンク86に貯留された複数の処理剤を使用可能である場合、設定された運転コースに基づいて処理剤を推奨する。また、本実施の形態において、制御プログラムは、コンピュータを、運転コース設定部222と、処理剤推奨部225と、として機能させる。運転コース設定部222は、洗濯物を洗濯するための運転コースの設定を受け付ける。処理剤推奨部225は、運転コース設定部222により設定を受け付けた運転コースにおいて複数のタンク86に貯留された複数の処理剤を使用可能である場合、設定された運転コースに基づいて処理剤を推奨する。これにより、洗濯機100は、運転コースに適した処理剤の自動投入を使用者に選択させることができるので、運転を適切に制御でき、結果として洗濯の効率を向上させることができるとともに、使用者の利便性を向上させることができる。
【0098】
また、本実施の形態において、制御方法は、コンピュータに、洗濯物を洗濯するための運転コースの設定を受け付けるステップを実行させる。また、この制御方法は、コンピュータに、設定を受け付けた運転コースにおいて複数のタンク86に貯留された複数の処理剤を使用可能である場合、設定された運転コースに基づいて処理剤を推奨するステップを実行させる。これにより、洗濯機100は、運転コースに適した処理剤の自動投入を使用者に選択させることができるので、運転を適切に制御でき、結果として洗濯の効率を向上させることができるとともに、使用者の利便性を向上させることができる。
【0099】
また、本実施の形態において、洗濯システム1は、洗濯機100と、洗濯機100を制御する端末装置200と、を備える。端末装置200は、運転コース設定部222と、処理剤推奨部225と、を備える。運転コース設定部222は、洗濯物を洗濯するための運転コースの設定を受け付ける。処理剤推奨部225は、運転コース設定部222により設定を受け付けた運転コースにおいて複数のタンク86に貯留された複数の処理剤を使用可能である場合、設定された運転コースに基づいて処理剤を推奨する。これにより、洗濯機100は、運転コースに適した処理剤の自動投入を使用者に選択させることができるので、運転を適切に制御でき、結果として洗濯の効率を向上させることができるとともに、使用者の利便性を向上させることができる。
【0100】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0101】
本開示における制御装置による運転コースの設定の受付として、実施の形態では、運転コース設定部122が、運転コースの情報を操作表示部79に表示し、操作表示部79を介して使用者からの選択指示を受け付ける例を説明した。これは一例であり、本開示における運転コースの設定の受付は、操作表示部79への画面表示及び操作によるものに限られず、例えば、スピーカ等からの音声出力及びマイク等からの音声入力によるものでもよい。
【0102】
また、本開示における制御装置による使用可能な処理剤の提示は、実施の形態で説明したように画面表示によるものに限られず、例えば、スピーカ等からの音声出力によるものでもよい。また、使用可能な処理剤は、使用可能でない処理剤と異なる態様で提示されてもよく、音声出力により提示する場合には、使用可能な処理剤の種類と使用可能でない処理剤の種類とが、例えば、音量、周波数等の少なくとも1つを変えて音声出力されてもよい。また、自動投入ができない処理剤は、自動投入が設定されていない処理剤と異なる態様で提示されてもよく、異なる態様での提示は、画面表示によるものに限られず、例えば、スピーカ等からの音声出力によるものであってもよい。音声出力による場合、上記同様、自動投入ができない処理剤は、自動投入が設定されていない処理剤と、例えば、音量、周波数等の少なくとも1つを変えて音声出力されてもよい。
【0103】
また、同様に、本開示における制御装置による運転コースの提示は、運転コースの情報を画面表示する場合に限られず、例えば、スピーカ等からの音声出力によるものでもよい。
【0104】
また、本実施の形態において、自動投入設定部123は、操作表示部79に表示することで報知を行うと説明したが、例えば、スピーカ等からの音声出力により報知してもよい。自動投入設定部123が、処理剤の自動投入の可否に応じて異なる態様で処理剤の種類を音声出力する場合、使用可能な処理剤の種類と使用可能でない処理剤の種類とが、例えば、音量、周波数等の少なくとも1つを変えて音声出力されてもよい。これらのことは、自動投入設定部223においても同様である。
【0105】
なお、上述した、運転コースの設定の受付と、処理剤についての提示と、運転コースの提示と、自動投入設定部123及び自動投入設定部223による報知とは、使用者が画面表示と音声出力とのいずれによって行うかを選択可能にしてもよい。
【0106】
また、本開示における使用者による入力や操作は、実施の形態で説明したように、操作表示部79や入力装置202から行われる場合に限られず、マイク等を介して音声入力により行われてもよく、使用者がいずれの方法で行うかを選択可能にしてもよい。このように、実施の形態における操作表示部79や表示装置203での画面表示による出力は、音声出力に代替可能であり、実施の形態における操作表示部79や入力装置202による入力は、音声入力に代替可能である。
【0107】
また、本開示における衣類処理装置が備える複数のタンクとして、実施の形態では、3つのタンク86a、86b、86cを例に説明したが、本開示における複数のタンクの数は3つでなくてもよく、2つでも4つ以上でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本開示は、各種洗濯機(例えば、縦型洗濯機、ドラム式洗濯機、二槽式洗濯機等)などの衣類処理装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0109】
1 洗濯システム
2 インターネット
41 洗濯機筐体
42 水槽
43 回転ドラム
44 回転軸
45 筐体開口部
46 ベルト
47 突起板
48 通水孔
49 水槽ユニット
50 ばね体
51 防振ダンパー
52 蓋体
53 衣類出入口
54 給水経路
55 排水経路
57 第1の給水弁
58 第2の給水弁
59 第1の給水ホース
60 第2の給水ホース
61 洗剤自動投入装置
62 注水ホース
63 排水ポンプ
64 排水管
65 フィルタ
66 排水ホース
71 凹部
72 ヒータ
73 温度検知部
74 エアートラップ
75 空気管
78 振動検知部
79 操作表示部
81 制御装置
85 水位検知部
86 タンク
86a タンク
86b タンク
86c タンク
87 自動投入ユニット
88 フロート
89 マグネット
90 ホールIC
95 排水口
100 洗濯機
101 第1のモータ
104 入力部
120 処理装置
121 ユーザインタフェース制御部
122 運転コース設定部
123 自動投入設定部
124 自動投入可否判定部
125 処理剤推奨部
126 運転コース保存部
127 使用者情報取得部
128 処理剤残量取得部
129 自動投入制御部
130 処理剤情報取得部
160 記憶装置
161 運転コース情報保持部
162 運転コースデータ保持部
163 処理剤情報保持部
200 端末装置
201 通信装置
202 入力装置
203 表示装置
220 処理装置
221 処理剤情報取得部
222 運転コース設定部
223 自動投入設定部
224 自動投入可否判定部
225 処理剤推奨部
226 運転コース保存部
227 使用者情報取得部
228 使用者情報送信部
229 設定情報送信部
230 洗濯機通信部
260 記憶装置
261 運転コース情報保持部
263 処理剤情報保持部
300 洗濯支援サーバ
400 トップ画面
401 メニューボタン
402 トップ画面ボタン
403 検索ボタン
404 通知ボタン
405 ヘッダー領域
430 メニュー画面
431 自動投入設定ボタン
440 自動投入設定画面
441a ボタン
441b ボタン
441c ボタン
450 処理剤設定画面
460 運転コース設定画面
461 アイコン
461a アイコン
461b アイコン
461c アイコン
470 自動投入設定画面
471a 設定ボタン
471b 設定ボタン
471c 設定ボタン
500 自動投入設定画面
600 ボタン
600a ボタン
600b ボタン
600c ボタン