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特許7591718照明器具、ソケットユニット、ユニットセット及びスピーカ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】照明器具、ソケットユニット、ユニットセット及びスピーカ
(51)【国際特許分類】
   F21V 33/00 20060101AFI20241122BHJP
   F21S 8/02 20060101ALI20241122BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20241122BHJP
   G10K 11/16 20060101ALI20241122BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20241122BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241122BHJP
【FI】
F21V33/00 430
F21S8/02 420
F21V19/00 110
F21V33/00 300
G10K11/16 120
G10K11/16 160
H04R1/02 103F
F21Y115:10
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021054317
(22)【出願日】2021-03-26
(65)【公開番号】P2022151307
(43)【公開日】2022-10-07
【審査請求日】2023-12-18
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 光
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-25071(JP,A)
【文献】特開2019-102291(JP,A)
【文献】特開2015-75038(JP,A)
【文献】特開2003-30961(JP,A)
【文献】特開2018-148527(JP,A)
【文献】特開2017-84798(JP,A)
【文献】国際公開第2020/162602(WO,A1)
【文献】特開2017-181970(JP,A)
【文献】特開2011-249051(JP,A)
【文献】登録実用新案第3181792(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2018/0087766(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 33/00
F21S 8/02
F21V 19/00
G10K 11/16
H04R 1/02
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を伝える導電性部材が一部に配置され、前記電力に応じた光を発する第1のユニットと、振動が発生する第2のユニットとが交換可能に装着されるソケット本体と、
前記ソケット本体が取り付けられ、少なくとも前記ソケット本体に装着された前記第1のユニットに前記導電性部材を介して前記電力を供給する器具本体と、
前記器具本体と前記ソケット本体との間に介在し、前記ソケット本体の少なくとも前記導電性部材が配置された部分を覆うソケットカバーと、
前記ソケット本体に装着された前記第2のユニットの振動に応じて、前記器具本体と前記ソケットカバーとの隙間である第1隙間、及び前記ソケットカバーと前記ソケット本体との隙間である第2隙間、の少なくとも一方で生じる振動に起因する音響ノイズを抑制するノイズ抑制部材と、を備える、
照明器具。
【請求項2】
前記ノイズ抑制部材は、前記第1隙間に介挿される膜状の部材で形成されている、
請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記部材は、不織布である、
請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記部材は、吸音シートである、
請求項2に記載の照明器具。
【請求項5】
前記部材は、防虫シートである、
請求項2に記載の照明器具。
【請求項6】
前記部材は、前記ソケットカバーの外面と接する側の面に接着剤層を有する、
請求項2-5のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記器具本体は、
少なくとも前記ソケット本体及び前記ソケットカバーを収納可能な筒状のフレームと、
前記ソケット本体を前記フレームの内底面に固定する固定部材と、を有し、
前記第1隙間は、前記フレームの内底面と前記ソケットカバーの外面との隙間であり、
前記ノイズ抑制部材は、前記ソケットカバーの外面の少なくとも一部に設けられる、
請求項1-6のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項8】
前記器具本体は、
少なくとも前記ソケット本体及び前記ソケットカバーを収納可能な筒状のフレームと、
前記ソケット本体を前記フレームの内底面に固定する固定部材と、を有し、
前記第1隙間は、前記フレームの内底面と前記ソケットカバーの外面との隙間であり、
前記ノイズ抑制部材は、前記フレームの内底面及び前記ソケットカバーの外面の少なくとも一方に設けられ、前記第1隙間を押し広げることにより、前記ソケット本体を前記ソケットカバーに押し当てるように構成される、
請求項1に記載の照明器具。
【請求項9】
前記ノイズ抑制部材は、前記第2隙間に注入されて固化した接着剤である、
請求項1に記載の照明器具。
【請求項10】
電力を伝える導電性部材が一部に配置され、前記電力に応じた光を発する第1のユニットと、振動が発生する第2のユニットとが交換可能に装着されるソケット本体と、
前記ソケット本体の少なくとも前記導電性部材が配置された部分を覆うソケットカバーと、
前記ソケット本体に装着された前記第2のユニットの振動に応じて前記ソケットカバーと前記ソケット本体との隙間で生じる振動に起因する音響ノイズを抑制するノイズ抑制部材と、を備える、
ソケットユニット。
【請求項11】
前記ノイズ抑制部材は、前記隙間に介挿される膜状の部材である、
請求項10に記載のソケットユニット。
【請求項12】
前記ノイズ抑制部材は、前記隙間に注入されて固化した接着剤である、
請求項10に記載のソケットユニット。
【請求項13】
電力を伝える導電性部材が一部に配置され、前記電力に応じた光を発する第1のユニットと、振動が発生する第2のユニットとが交換可能に装着されるソケット本体と、
前記ソケット本体の少なくとも前記導電性部材が配置された部分を覆うソケットカバーと、
前記ソケット本体に装着された前記第2のユニットの振動に応じて前記ソケットカバーと前記ソケット本体との隙間で生じる振動に起因する音響ノイズを抑制するノイズ抑制部材と、を備え、
前記ソケット本体が取り付けられ、少なくとも前記ソケット本体に装着された前記第1のユニットに前記導電性部材を介して前記電力を供給する器具本体は、
少なくとも前記ソケット本体及び前記ソケットカバーを収納可能な筒状のフレームと、
前記ソケット本体を前記フレームの内底面に固定する固定部材と、を有し、
前記ノイズ抑制部材は、前記ソケット本体に装着された前記第2のユニットの振動に応じて、前記フレームの内底面と前記ソケットカバーの外面との隙間である第1隙間、及び前記ソケットカバーと前記ソケット本体との隙間である第2隙間、の各々で生じる振動に起因する音響ノイズを抑制し、
前記ノイズ抑制部材は、前記フレームの内底面及び前記ソケットカバーの外面の少なくとも一方に設けられ、前記第1隙間を押し広げることにより、前記ソケット本体を前記ソケットカバーに押し当てるように構成される、
ソケットユニット。
【請求項14】
請求項10-13のいずれか一項に記載のソケットユニットと、
前記第2のユニットと、を備える、
ユニットセット。
【請求項15】
前記第1のユニットは、光源ユニットであり、
前記第2のユニットは、音波を発するスピーカユニットである、
請求項14に記載のユニットセット。
【請求項16】
電力を伝える導電性部材が一部に配置され、前記電力に応じた光を発する光源ユニットと、音波を発するスピーカユニットとが交換可能に装着されるソケット本体と、
前記ソケット本体が取り付けられ、少なくとも前記ソケット本体に装着された前記光源ユニットに前記導電性部材を介して前記電力を供給する器具本体と、
前記器具本体と前記ソケット本体との間に介在し、前記ソケット本体の少なくとも前記導電性部材が配置された部分を覆うソケットカバーと、
前記ソケット本体に装着された前記スピーカユニットの振動に応じて、前記器具本体と前記ソケットカバーとの隙間である第1隙間、及び前記ソケットカバーと前記ソケット本体との隙間である第2隙間、の少なくとも一方で生じる振動に起因する音響ノイズを抑制するノイズ抑制部材と、を備える、
スピーカ。
【請求項17】
電力を伝える導電性部材が一部に配置され、前記電力に応じた光を発する第1のユニットと、振動が発生する第2のユニットとが交換可能に装着されるソケット本体と、
前記ソケット本体が取り付けられ、少なくとも前記ソケット本体に装着された前記第1のユニットに前記導電性部材を介して前記電力を供給する器具本体と、
前記器具本体と前記ソケット本体との間に介在し、前記ソケット本体の少なくとも前記導電性部材が配置された部分を覆うソケットカバーと、
前記ソケット本体に装着された前記第2のユニットの振動に応じて、前記器具本体と前記ソケットカバーとの隙間である第1隙間、及び前記ソケットカバーと前記ソケット本体との隙間である第2隙間、の少なくとも一方で生じる振動に起因する音響ノイズを抑制するノイズ抑制部材と、を備え、
前記器具本体は、
少なくとも前記ソケット本体及び前記ソケットカバーを収納可能な筒状のフレームと、
前記ソケット本体を前記フレームの内底面に固定する固定部材と、を有し、
前記第1隙間は、前記フレームの内底面と前記ソケットカバーの外面との隙間であり、
前記ノイズ抑制部材は、前記フレームの内底面及び前記ソケットカバーの外面の少なくとも一方に設けられ、前記第1隙間を押し広げることにより、前記ソケット本体を前記ソケットカバーに押し当てるように構成される、
照明器具。
【請求項18】
電力を伝える導電性部材が一部に配置され、前記電力に応じた光を発する光源ユニットと、音波を発するスピーカユニットとが交換可能に装着されるソケット本体と、
前記ソケット本体が取り付けられ、少なくとも前記ソケット本体に装着された前記光源ユニットに前記導電性部材を介して前記電力を供給する器具本体と、
前記器具本体と前記ソケット本体との間に介在し、前記ソケット本体の少なくとも前記導電性部材が配置された部分を覆うソケットカバーと、
前記ソケット本体に装着された前記スピーカユニットの振動に応じて、前記器具本体と前記ソケットカバーとの隙間である第1隙間、及び前記ソケットカバーと前記ソケット本体との隙間である第2隙間、の少なくとも一方で生じる振動に起因する音響ノイズを抑制するノイズ抑制部材と、を備え、
前記器具本体は、
少なくとも前記ソケット本体及び前記ソケットカバーを収納可能な筒状のフレームと、
前記ソケット本体を前記フレームの内底面に固定する固定部材と、を有し、
前記第1隙間は、前記フレームの内底面と前記ソケットカバーの外面との隙間であり、
前記ノイズ抑制部材は、前記フレームの内底面及び前記ソケットカバーの外面の少なくとも一方に設けられ、前記第1隙間を押し広げることにより、前記ソケット本体を前記ソケットカバーに押し当てるように構成される、
スピーカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具、ソケットユニット、ユニットセット及びスピーカに関し、より詳細には、光源ユニットやスピーカユニット等の各種のユニットが着脱可能な照明器具、ソケットユニット、ユニットセット及びスピーカに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光源ユニットを着脱可能に取り付けるためのソケットが記載されている。このソケットは、フランジ部と、一対の端子部と、導電線規制部とを備える。フランジ部には、径方向の中央位置に中央開口が形成される。一対の端子部は、前記中央開口を挟んで前記フランジ部に設けられる。一対の端子部には、導電線が接続され、導電線規制部は、前記導電線が前記フランジ部から離れる方向に移動するのを規制する。前記導電線は、第1挟持部と、第2挟持部とを有する。第1挟持部は、前記フランジ部に設けられ、第2挟持部は、第1挟持部との間に前記導電線を挟み込む隙間を存して前記フランジ部に設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-136209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、スピーカ付きのダウンライトや、イオン発生器付きのシーリングライトといった、照明以外の機能を付加した照明器具が提供されている。また、LED電球等の光源ユニットと、スピーカ等の付加的なユニット(以下、付加ユニット)との間でソケットを共通化し、光源ユニットに代えて付加ユニットを照明器具に装着(換装)可能にすることも考案されている。
【0005】
しかし、付加ユニットとの換装が可能なソケットでは、次の点が課題となる。すなわち、付加ユニットが、スピーカのように振動(音波)を発生させる機器であるか、又はイオン発生器のように(ファンが回転する)結果として振動が発生する機器である場合、ソケット内の要素間に隙間があると、付加ユニットの振動に応じて、当該隙間で振動(いわゆるビビリ振動)生じ、当該振動に起因する音響ノイズ(ビビリ音)が発生する。
【0006】
この点、特許文献1のソケットでは、第1挟持部と第2挟持部との隙間で振動が生じ、音響ノイズが発生する可能性がある。
【0007】
本開示の目的は、異なる種類のユニット間の換装を可能化し、かつ音響ノイズの低減を図ることができる照明器具、ソケットユニット、ユニットセット、スピーカを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る照明器具は、ソケット本体と、器具本体と、ソケットカバーと、ノイズ抑制部材とを備える。前記ソケット本体の一部に、電力を伝える導電性部材が配置されており、前記ソケット本体には、第1のユニットと、第2のユニットとが交換可能に装着される。前記第1のユニットは、前記電力に応じた光を発し、前記第2のユニットでは、振動が発生する。前記器具本体には前記ソケット本体が取り付けられ、前記器具本体は、少なくとも前記ソケット本体に装着された前記第1のユニットに前記導電性部材を介
して前記電力を供給する。前記ソケットカバーは、前記器具本体と前記ソケット本体との間に介在し、前記ソケット本体の少なくとも前記導電性部材が配置された部分を覆う。前記ソケット本体に装着された前記第2のユニットの振動に応じて、前記器具本体と前記ソケットカバーとの隙間である第1隙間、及び前記ソケットカバーと前記ソケット本体との隙間である第2隙間、の少なくとも一方で、振動が生じる。前記ノイズ抑制部材は、こうして生じる振動に起因する音響ノイズを抑制する。
本開示の一態様に係る照明器具は、ソケット本体と、器具本体と、ソケットカバーと、ノイズ抑制部材とを備える。前記ソケット本体の一部に、電力を伝える導電性部材が配置されており、前記ソケット本体には、第1のユニットと、第2のユニットとが交換可能に装着される。前記第1のユニットは、前記電力に応じた光を発し、前記第2のユニットでは、振動が発生する。前記器具本体には前記ソケット本体が取り付けられ、前記器具本体は、少なくとも前記ソケット本体に装着された前記第1のユニットに前記導電性部材を介して前記電力を供給する。前記ソケットカバーは、前記器具本体と前記ソケット本体との間に介在し、前記ソケット本体の少なくとも前記導電性部材が配置された部分を覆う。前記ソケット本体に装着された前記第2のユニットの振動に応じて、前記器具本体と前記ソケットカバーとの隙間である第1隙間、及び前記ソケットカバーと前記ソケット本体との隙間である第2隙間、の少なくとも一方で、振動が生じる。前記ノイズ抑制部材は、こうして生じる振動に起因する音響ノイズを抑制する。前記器具本体は、少なくとも前記ソケット本体及び前記ソケットカバーを収納可能な筒状のフレームと、前記ソケット本体を前記フレームの内底面に固定する固定部材と、を有する。前記第1隙間は、前記フレームの内底面と前記ソケットカバーの外面との隙間である。前記ノイズ抑制部材は、前記フレームの内底面及び前記ソケットカバーの外面の少なくとも一方に設けられ、前記第1隙間を押し広げることにより、前記ソケット本体を前記ソケットカバーに押し当てるように構成される。
【0009】
本開示の一態様に係るソケットユニットは、ソケット本体と、ソケットカバーと、ノイズ抑制部材とを備える。前記ソケット本体の一部に、電力を伝える導電性部材が配置され、前記ソケット本体には、第1のユニットと第2のユニットとが交換可能に装着される。前記第1のユニットは、前記電力に応じた光を発し、前記第2のユニットでは、振動が発生する。前記ソケットカバーは、前記ソケット本体の少なくとも前記導電性部材が配置された部分を覆う。前記ソケット本体に装着された前記第2のユニットの振動に応じて、前記ソケットカバーと前記ソケット本体との隙間で振動が生じる。前記ノイズ抑制部材は、こうして生じる振動に起因する音響ノイズを抑制する。
本開示の一態様に係るソケットユニットは、ソケット本体と、ソケットカバーと、ノイズ抑制部材とを備える。前記ソケット本体の一部に、電力を伝える導電性部材が配置され、前記ソケット本体には、第1のユニットと第2のユニットとが交換可能に装着される。前記第1のユニットは、前記電力に応じた光を発し、前記第2のユニットでは、振動が発生する。前記ソケットカバーは、前記ソケット本体の少なくとも前記導電性部材が配置された部分を覆う。前記ソケット本体に装着された前記第2のユニットの振動に応じて、前記ソケットカバーと前記ソケット本体との隙間で振動が生じる。前記ノイズ抑制部材は、こうして生じる振動に起因する音響ノイズを抑制する。前記ソケット本体が取り付けられ、少なくとも前記ソケット本体に装着された前記第1のユニットに前記導電性部材を介して前記電力を供給する器具本体は、少なくとも前記ソケット本体及び前記ソケットカバーを収納可能な筒状のフレームと、前記ソケット本体を前記フレームの内底面に固定する固定部材と、を有する。前記ノイズ抑制部材は、前記ソケット本体に装着された前記第2のユニットの振動に応じて、前記フレームの内底面と前記ソケットカバーの外面との隙間である第1隙間、及び前記ソケットカバーと前記ソケット本体との隙間である第2隙間、の各々で生じる振動に起因する音響ノイズを抑制する。前記ノイズ抑制部材は、前記フレームの内底面及び前記ソケットカバーの外面の少なくとも一方に設けられ、前記第1隙間を押し広げることにより、前記ソケット本体を前記ソケットカバーに押し当てるように構成される。
【0010】
本開示の一態様に係るユニットセットは、前記ソケットユニットと、前記第2のユニットとを備える。
【0011】
本開示の一態様に係るスピーカは、ソケット本体と、器具本体と、ソケットカバーと、ノイズ抑制部材とを備える。前記ソケット本体の一部に、電力を伝える導電性部材が配置され、前記ソケット本体には、光源ユニットと、スピーカユニットとが交換可能に装着される。前記光源ユニットは、前記電力に応じた光を発し、前記スピーカユニットは、音波を発する。前記器具本体には、前記ソケット本体が取り付けられる。前記器具本体は、少なくとも前記ソケット本体に装着された前記光源ユニットに、前記導電性部材を介して前記電力を供給する。前記ソケットカバーは、前記器具本体と前記ソケット本体との間に介在し、前記ソケット本体の少なくとも前記導電性部材が配置された部分を覆う。前記ソケット本体に装着された前記スピーカユニットの振動に応じて、前記器具本体と前記ソケットカバーとの隙間である第1隙間、及び前記ソケットカバーと前記ソケット本体との隙間である第2隙間、の少なくとも一方で振動が生じる。前記ノイズ抑制部材は、こうして生じる振動に起因する音響ノイズを抑制する。
本開示の一態様に係るスピーカは、ソケット本体と、器具本体と、ソケットカバーと、ノイズ抑制部材とを備える。前記ソケット本体の一部に、電力を伝える導電性部材が配置され、前記ソケット本体には、光源ユニットと、スピーカユニットとが交換可能に装着される。前記光源ユニットは、前記電力に応じた光を発し、前記スピーカユニットは、音波を発する。前記器具本体には、前記ソケット本体が取り付けられる。前記器具本体は、少なくとも前記ソケット本体に装着された前記光源ユニットに、前記導電性部材を介して前記電力を供給する。前記ソケットカバーは、前記器具本体と前記ソケット本体との間に介在し、前記ソケット本体の少なくとも前記導電性部材が配置された部分を覆う。前記ソケット本体に装着された前記スピーカユニットの振動に応じて、前記器具本体と前記ソケットカバーとの隙間である第1隙間、及び前記ソケットカバーと前記ソケット本体との隙間である第2隙間、の少なくとも一方で振動が生じる。前記ノイズ抑制部材は、こうして生じる振動に起因する音響ノイズを抑制する。前記器具本体は、少なくとも前記ソケット本体及び前記ソケットカバーを収納可能な筒状のフレームと、前記ソケット本体を前記フレームの内底面に固定する固定部材と、を有する。前記第1隙間は、前記フレームの内底面と前記ソケットカバーの外面との隙間である。前記ノイズ抑制部材は、前記フレームの内底面及び前記ソケットカバーの外面の少なくとも一方に設けられ、前記第1隙間を押し広げることにより、前記ソケット本体を前記ソケットカバーに押し当てるように構成される。
【発明の効果】
【0012】
本開示の照明器具、ソケットユニット、ユニットセット及びスピーカは、異なる種類のユニット間の換装を可能化し、かつ音響ノイズの低減を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本開示の実施形態1に係る照明器具の斜視図である。
図2図2は、同上の照明器具の分解斜視図である。
図3図3は、同上の照明器具の、導電性部材が配置された部分の拡大図である。
図4図4は、同上の照明器具の、2点PQ(図1)を通る鉛直面での断面図である。
図5図5Aは、同上の照明器具を構成するソケットユニットの、ノイズ抑制部材が貼付される前の状態を示す斜視図であり、図5Bは、同上のソケットユニットの、ノイズ抑制部材の貼付後の状態を示す斜視図である。
図6図6Aは、同上の照明器具の、ソケットユニットが取り外された状態を示す下面図であり、図6Bは、同上の照明器具の変形例において、ソケットユニットが取り外された状態を示す下面図である。
図7図7Aは、同上の照明器具を構成するフレームの下面図であり、図7Bは、同上の変形例におけるフレームの下面図である。
図8図8Aは、同上のソケットユニットの変形例の、ノイズ抑制部材が貼付される前の状態を示す斜視図であり、図8Bは、同上の変形例の、ノイズ抑制部材の貼付後の状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0015】
(1)実施形態1
(1-1)照明器具
本開示の実施形態1に係る照明器具1Aは、図1に示すように、器具本体10と、ソケットユニット13とを備え、第1のユニット11と第2のユニット12とがソケットユニット13を介して交換可能に装着される、照明器具である。
【0016】
器具本体10は、通常、ソケットユニット13に装着された第1のユニット11及び第2のユニット12に、図示しない電源回路からの電力を供給する。つまり、第1のユニット11及び第2のユニット12のうち、ソケットユニット13に装着された方のユニットに、器具本体10から電力が供給される。
【0017】
ただし、第2のユニット12へは、必ずしも器具本体10から電力が供給されなくてもよい。
【0018】
(1-2)第1及び第2のユニット
第1のユニット11は、電力に応じた光を発する器具である。第1のユニット11は、例えば、LED等の発光素子を用いたダウンライト、スポットライトなどの、照明用の光源を含む器具(以下「光源ユニット」と記す)である。
【0019】
第2のユニット12は、電力に応じた音波を発する動作を行う器具、又は電力に応じた動作により振動が発生する器具である。本実施形態における第2のユニット12の動作は、電力に応じた音波を発する動作である。
【0020】
ただし、第2のユニット12の動作は、結果として振動が発生する動作であれば、その種類は問わない。なお、結果として振動が発生する動作は、例えば、“(3-1)ユニットセットの変形例”で説明するイオン発生動作である。
【0021】
本実施形態における第2のユニット12は、電力に応じた音波を発するスピーカを含む器具(以下「スピーカユニット」と記す)である。第2のユニット12は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の無線通信モジュールを更に含むワイヤレススピーカが好適である。
【0022】
ただし、第2のユニット12は、ユニットセットの変形例で説明するような、電力に応じてイオン発生動作を行う器具(イオンを拡散させるためのファンを有する:以下「イオン発生ユニット」と記す)でもよいし、スピーカ及びファン以外の何らかの振動源を含む器具でもよい。
【0023】
なお、第1のユニット11が光を発するための電力、及び第2のユニット12が動作するための電力は、本実施形態では、前述したように、器具本体10から供給される。ただし、第2のユニット12への電力は、例えば、内蔵電池(図示しない)から供給されてもよいし、外部の装置(図示しない)からワイヤレス給電されてもよく、その供給源は問わない。
【0024】
また、第2のユニット12は、例えば、無電源スピーカといった、電力なしで動作又は機能する器具でもよい。つまり、第2のユニット12で生じる振動は、必ずしも電力に応じた動作の結果でなくてもよく、例えば、他の振動源との共鳴による振動などでも構わない。
【0025】
なお、本実施形態における照明器具1Aは、器具本体10、ソケットユニット13及び第1のユニット11のセットであり、第2のユニット12は、照明器具1Aに対応した付加ユニットとして別途、提供される。
【0026】
ただし、照明器具1Aは、器具本体10及びソケットユニット13のセットであり、第1のユニット11及び第2のユニット12は、それぞれ照明器具1Aに対応した付加ユニットとして別途、提供されてもよい。
【0027】
(1-3)ソケットユニット
ソケットユニット13は、図2に示すように、ソケット本体131と、ソケットカバー132とで構成される。ソケット本体131は、本実施形態では、中心部が中空のドーナツ形状を有する。ただし、ソケット本体131の形状は、中心部が中空の多角形でもよいし、中空の部分がなくてもよい。
【0028】
(1-3-1)ソケット本体
ソケット本体131は、図2に示すように、器具本体10の一対のピン端子103が貫通する一対の貫通孔131cを有する。第1のユニット11及び第2のユニット12の各々は、ソケット本体131の上記一対の貫通孔131cを貫通した一対のピン端子103に対応する一対のピン挿入孔(図示しない)を有する。
【0029】
第1のユニット11を器具本体10に装着(フレーム101内に挿入)すると、第1のユニット11の上記一対のピン挿入孔に、ソケット本体131の一対の貫通孔131cを貫通した一対のピン端子103が挿入され、第1のユニット11は、ソケット本体131の導電性部材131a(後述)と電気的に結合される。
【0030】
装着された第1のユニット11をソケットユニット13から離脱させた後、第2のユニット12を器具本体10に装着すると、第2のユニット12の上記一対のピン挿入孔に、ソケット本体131の一対の貫通孔131cを貫通した一対のピン端子103が挿入され、第2のユニット12は、ソケット本体131の導電性部材131aと電気的に結合される。これにより、第1のユニット11から第2のユニット12への換装が実現される。
【0031】
ソケット本体131は、図3に示すように、電力を伝える導電性部材131aが一部(ここでは左右の端部)に配置されており、当該導電性部材131aを介して、ソケット本体131に装着された第1のユニット11及び第2のユニット12に、図示しない電源からの電力が供給される。
【0032】
(1-3-2)ソケットカバー
ソケットカバー132は、器具本体10とソケット本体131との間に介在し、ソケット本体131の少なくとも導電性部材131aが配置された部分を覆う。ソケット本体131には、図3に示すような爪131bが形成されており、ソケットカバー132は、当該爪131bで係止されることによって、図5Aに示すように、ソケット本体131に取り付けられる。
【0033】
(1-4)ソケットカバーとの隙間で生じる音響ノイズ
以上のように構成された照明器具1Aでは、図4に示すように、器具本体10とソケットカバー132との間、及びソケットカバー132とソケット本体131との間、の各々に隙間が生じる。
【0034】
以下では、器具本体10とソケットカバー132との隙間(より詳細には、フレーム101の内底面101aと、ソケットカバー132の外面132aとの隙間)を第1隙間d1、ソケットカバー132とソケット本体131との隙間(より詳細には、ソケットカバー132の内面132bと、ソケット本体131の爪131bの先端との隙間)を第2隙間d2と記す。
【0035】
なお、本実施形態における第1隙間d1は、図5に示されるように、ソケットユニット13を構成するソケット本体131の高さがソケットカバー132の高さよりもやや高いために生じている。また、第2隙間d2は、ソケットユニット13が、ソケットカバー132をソケット本体131に爪131bで係止する構造のため、必要な隙間として確保されている。ただし、ソケットカバー132との隙間は、第1隙間d1及び第2隙間d2のいずれか一方のみでもよい。また、隙間が生じる要因は何でもよい。
【0036】
ソケット本体131に第2のユニット12が装着されている状態では、第2のユニット12の振動に応じて、第1隙間d1及び第2隙間d2の少なくとも一方で振動(ビビリ振動:以下同様)が生じ、当該振動に起因する音響ノイズ(ビビリ音:以下同様)が発生する可能性がある。
【0037】
(1-5)ノイズ抑制部材
照明器具1Aの主要な特徴は、上記のような隙間で生じる振動に起因する音響ノイズを抑制するためのノイズ抑制部材14を更に備える点にある。
【0038】
本実施形態1におけるノイズ抑制部材14は、膜部材14Aである。膜部材14Aとは、膜状の部材である。膜部材14Aは、第1隙間d1とほぼ同等又はやや大きい厚みを有する。本実施形態における膜部材14Aは、図4に示されるように、第1隙間d1に介挿される。
【0039】
(1-5-1)膜部材の配置
膜部材14Aは、通常、図5Bに示すように、ソケットカバー132の外面132aに設けられる。これによって、音響ノイズの発生源の1つである第1隙間d1が解消又は縮小され、簡単な構成で、音響ノイズの低減を図ることができる。
【0040】
(1-5-2)膜部材の材料
膜部材14Aの材料は、例えば、不織布が好適である。これによって、低コストで、音響ノイズの低減を図ることができる。
【0041】
または、膜部材14Aの材料は、吸音シートであってもよい。吸音シートとは、音を吸収する性質(吸音性)が高い材料で形成された膜状の部材である。吸音性が高い材料とは、例えば、多数の微細な孔を有する多孔質の材料であり、具体的には、ウレタンスポンジ、グラスウール、フェルトなどである。これによって、より一層、音響ノイズの低減を図ることができる。
【0042】
または、膜部材14Aの材料は、防虫シートであってもよい。防虫シートとは、虫の侵入を防ぐ性質を有する物質(防虫剤)を含む膜状の部材である。これにより、明りに集まる虫の侵入を防ぎつつ、音響ノイズの低減を図ることができる。
【0043】
なお、膜部材14Aは、接着剤層を有することが好適である。接着材層とは、接着剤で形成された層である。本実施形態における接着剤層は、膜部材14Aの2つの面のうち、ソケットカバー132の外面132aと接する側の面に形成される。これにより、膜部材14Aをソケットカバー132の外面132aに簡易に貼付できる。
【0044】
ただし、膜部材14Aがフレーム101の内底面101aに設けられる場合、接着剤層は、膜部材14Aの2つの面のうち、フレーム101の内底面101aと接する側の面に設けられる。
【0045】
(1-5-3)膜部材の他の配置
なお、膜部材14Aが器具本体10側に設けられても、上記と同様のノイズ低減効果は得られる。
【0046】
詳しくは、器具本体10は、図2に示されるような、前面側が開放された筒状のフレーム101と、ソケット本体131をフレーム101の内底面101aに固定するための固定部材102を有する。
【0047】
フレーム101の内底面101aの形状は、通常、ソケット本体131の外周の形状と同じである。従って、フレーム101の内底面101aは、本実施形態では円形であるが、四角形や六角形等の多角形でもよい。フレーム101の内底面101aのサイズは、ソケット本体131の外周のサイズよりもやや大きい。なお、ここでいうサイズは、ソケット本体131の外周及びフレーム101の内底面101aの円周が、円形の場合は直径であり、多角形の場合は、複数の対角線のうち最長の対角線の長さである。
【0048】
本実施形態におけるフレーム101は、ソケット本体131及びソケットカバー132と、ソケット本体131に装着された第1のユニット11及び第2のユニット12とを収納可能である。つまり、フレーム101の深さ(開放された前面から内底面101aまでの距離)は、第1のユニット11又は第2のユニット12の厚みに、ソケット本体131の厚みを加えた距離とほぼ同等又はそれ以上である。
【0049】
ただし、フレーム101は、少なくともソケット本体131及びソケットカバー132を収納可能であればよい。つまり、フレーム101の深さは、ソケット本体131の厚みと略同等又はそれ以上であればよく、第1のユニット11及び第2のユニット12は、フレーム101から露出していてもよい。
【0050】
固定部材102は、例えば、図6Aに示されるようなネジであり、フレーム101には、例えば、図7Aに示されるような、当該ネジと契合するネジ孔102aが形成される。ただし、固定部材102は、ソケット本体131をフレーム101に固定し得る部材であれば、例えば接着剤など何でもよい。
【0051】
前述した第1隙間d1は、具体的には、フレーム101の内底面101aと、ソケットカバー132の外面132aとの隙間である。
【0052】
そして、本実施形態の膜部材14Aは、前述したように、通常、ソケットカバー132の外面132aに設けられるが、器具本体10を構成するフレーム101の内底面101aに設けられてもよい。
【0053】
なお、膜部材14Aは、図5Bの例では、ソケットカバー132の外面132aの略全体に設けられているが、外面132aの一部のみに設けられてもよい。
【0054】
こうして、膜部材14Aがソケットカバー132の外面132aの少なくとも一部に設けられることで、主として第1隙間d1について、効果的に音響ノイズの低減を図ることができる。
【0055】
なお、膜部材14Aは、第1隙間d1に代えて又は第1隙間d1に加えて、第2隙間d2に介挿されてもよい。この場合、例えば、ソケットカバー132の内面132bに、接着剤層を有する膜部材14Aが貼り付けられる。
【0056】
例えば、図4の断面図では、第1隙間d1にのみ膜部材14Aが介挿されているが、第2隙間d2にも膜部材14Aが介挿されてもよい。
【0057】
(1-6)ノイズ抑制部材の変形例
ノイズ抑制部材14は、上記のような膜部材14Aに限らず、変形例1で説明する押し部材(14B:図6B図7B参照)、又は変形例2で説明する接着剤(図示しない)であってもよい。
【0058】
(1-6-1)変形例1
変形例1におけるノイズ抑制部材14は、図6Bに示すような押し部材14Bである。押し部材14Bとは、第1隙間d1を押し広げることにより、ソケット本体131をソケットカバー132に押し当てる部材である。
【0059】
本実施形態における押し部材14Bは、弾性材で形成されたタブレット状(薄い円柱状)の突起である。弾性材とは、弾性を有する材料である。弾性材は、例えば、ゴムやエストラマ等であるが、その種類は問わない。
【0060】
また、押し部材14Bの高さは、第1隙間d1及び第2隙間d2の合計よりもやや大きい。
【0061】
そして、押し部材14Bは、図7Bに示すように、フレーム101の内底面101aに設けられる。
【0062】
ノイズ抑制部材14をフレーム101の内底面101aに設けたことで、第1隙間d1は広がる。一方、ソケット本体131は、固定部材102によってフレーム101に固定されているため、フレーム101とソケットカバー132とが、ノイズ抑制部材14を介して互いに押し合う状態となり、第1隙間d1での振動は抑制される。
【0063】
また、ノイズ抑制部材14をフレーム101の内底面101aに設けたことで、ソケットカバー132がソケット本体131側に変位する。一方、ソケット本体131は、固定部材102によってフレーム101に固定されているため、第2隙間d2は狭まる。
【0064】
ここで、押し部材14Bの高さが、第1隙間d1及び第2隙間d2の合計よりも大きいため、ソケットカバー132とソケット本体131とが互いに接触して押し合う状態となり、第2隙間d2での振動も抑制される。
【0065】
こうして、第1隙間d1及び第2隙間d2の各々での振動が抑制される結果、当該振動に起因する音響ノイズの抑制を効果的に図ることができる。
【0066】
従って、本変形例によれば、簡単な構成で、第1及び第2の両方の隙間について、音響ノイズの低減を図ることができる。
【0067】
なお、押し部材14Bは、タブレット状の突起に限らず、角柱状の突起、又は所定の長さの線条などでもよく、その形状は問わない。
【0068】
また、押し部材14Bは、弾性材に限らず、例えば、樹脂や金属等の弾性を有さない材料で形成されてもよい。
【0069】
また、押し部材14Bの高さは、必ずしも、第1隙間d1及び第2隙間d2の合計より大きくなくてもよい。例えば、押し部材14Bの高さが第1隙間d1及び第2隙間d2の合計と同等又は略同等でも、第1隙間d1及び第2隙間d2の各々での音響ノイズの抑制を図ることは可能である。また、押し部材14Bの高さが、第1隙間d1よりも大きければ、少なくとも第1隙間d1での音響ノイズの抑制を図ることはできる。
【0070】
さらに、押し部材14Bは、フレーム101の内底面101aに限らず、例えば、ソケットカバー132の外面132aに設けられてもよいし、フレーム101の内底面101a及びソケットカバー132の外面132aの各々に設けられてもよい。つまり、フレーム101の内底面101a及びソケットカバー132の外面132aの少なくとも一方に押し部材14Bが設けられることで、音響ノイズの抑制を図ることができる。
【0071】
(1-6-2)変形例2
変形例2におけるノイズ抑制部材14は、第2隙間d2に注入されて固化した接着剤(図示しない)である。
【0072】
これによって、第2隙間d2について、簡易に音響ノイズの低減を図ることができる。
【0073】
なお、ノイズ抑制部材14は、第1隙間d1に注入されて固化した接着剤(図示しない)でもよいし、第2隙間d2に注入されて固化した接着剤、及び隙間d1に注入されて固化した接着剤、の両方でもよい。
【0074】
例えば、図4の断面図に示されるように、第1隙間d1に膜部材14Aが介挿される一方、第2隙間d2には、固化した接着剤(図示しない)が存在してもよい。
【0075】
実施形態1によれば、異なる種類のユニット間の換装を可能化し、かつ音響ノイズの低減を図ることができる。
【0076】
なお、以上は一例であり、ソケットユニット13の形状や構造は問わない。
【0077】
(1-7)ソケットユニットの変形例
ソケットユニット13は、例えば、図8Aに示すようなものでもよい。図8Aに示すソケットユニット13(変形例)は、図5Aに示したソケットユニット13に対し、ソケット本体131の輪郭の形状、並びにソケットカバー132の厚み及び形状などが異なっている。
【0078】
図8Aに示すソケットユニット13の場合も、ソケットカバー132の外面132aに、ノイズ抑制部材14として、図8Bに示されるような膜部材14Aが設けられる。この膜部材14Aは、当該ソケットカバー132の厚み及び形状に対応する厚み及び形状を有する。
【0079】
(2)実施形態2
実施形態2は、本開示のソケットユニットに関する実施形態である。実施形態2に係るソケットユニット13は、実施形態1に係る照明器具1Aを構成するソケットユニット13と同等のものである。
【0080】
すなわち、実施形態2に係るソケットユニット13は、電力を伝える導電性部材131aが一部に配置されたソケット本体131と、当該ソケット本体131の少なくとも上記導電性部材131aが配置された部分を覆うソケットカバー132と、ノイズ抑制部材14とを備える。
【0081】
ソケット本体131には、前記電力に応じた光を発する第1のユニット11と、前記電力に応じた動作により振動が発生する第2のユニット12とが交換可能に装着される。
【0082】
本実施形態2におけるノイズ抑制部材14は、ソケット本体131に装着された第2のユニット12の振動に応じて、ソケットカバー132とソケット本体131との隙間(実施形態1における第2隙間d2に対応)で生じる振動に起因する音響ノイズを抑制する。
【0083】
これにより、異なる種類のユニット間の換装を可能化し、かつ音響ノイズの低減を図ることができる。
【0084】
ノイズ抑制部材14は、上記隙間(d2)に介挿される膜状の膜部材14Aである。これにより、簡単な構成で、音響ノイズの低減を図ることができる。
【0085】
(3)実施形態3
実施形態3は、本開示のユニットセットに関する実施形態である。実施形態3に係るユニットセットは、実施形態2に係るソケットユニット13と、実施形態1に係る照明器具1Aを構成する第2のユニット12とを備える、ユニットセットである。
【0086】
第2のユニット12は、電力に応じた音波を発するスピーカユニットであり、ソケットユニット13に装着されている。ソケットユニット13に装着されている第2のユニット12は、実施形態1における第1のユニット11と換装可能である。第1のユニット11は、電力に応じた光を発する光源ユニットである。
【0087】
実施形態3によれば、スピーカユニットとソケットユニット13とのセットであり、スピーカユニットと光源ユニットとの間の換装を可能化し、かつ音響ノイズの低減を図ることができる、ユニットセットが実現される。
【0088】
(3-1)ユニットセットの変形例
なお、ユニットセットを構成する第2のユニット12は、イオン発生ユニット(図示しない)でもよい。イオン発生ユニットとは、前述したように、電力に応じてイオン発生動作を行うユニットである。
【0089】
イオン発生動作とは、ナノサイズの微粒子イオンを発生させ、拡散させる動作である。イオン発生ユニットは、微粒子イオンを発生させるイオン発生器と、発生した微粒子イオンを拡散させるためのファンとを含み、このファンの回転によって振動が発生する。
【0090】
なお、イオン発生器及びファンは、通常、器具本体10から供給される電力で動作するが、例えば、内蔵電池で動作してもよい。また、イオン発生器は、何ら電力の供給を受けることなく、例えば、光触媒等でイオンを発生させてもよい。さらに、イオン発生ユニットでの振動は、ファンの回転に限らず、例えば、他の振動源との共鳴等によって発生してもよい。
【0091】
この変形例によれば、スピーカユニットとソケットユニット13とのセットであり、スピーカユニットと光源ユニットとの間の換装を可能化し、かつ音響ノイズの低減を図ることができる、ユニットセットが実現される。
【0092】
(4)実施形態4
実施形態4は、本開示のスピーカに関する実施形態である。実施形態4に係るスピーカ1Bは、基本的に、実施形態1に係る照明器具1Aと同様の構成を有する。
【0093】
すなわち、実施形態4に係るスピーカ1Bは、図1に示すように、器具本体10と、ソケットユニット13とを備え、第1のユニット11と第2のユニット12とがソケットユニット13を介して交換可能に装着される、スピーカである。
【0094】
第1のユニット11は、電力に応じた光を発する器具(光源ユニット)であり、第2のユニット12は、電力に応じた動作により振動が発生する器具(スピーカユニット)である。
【0095】
なお、実施形態4に係るスピーカ1Bは、器具本体10、ソケットユニット13及び第2のユニット12のセットであり、第1のユニット11は、スピーカ1Bに対応した付加ユニットとして別途、提供される。
【0096】
すなわち、前述した実施形態1に係る照明器具1Aと、本実施形態4に係るスピーカ1Bとの違いは、前者では、第1のユニット11がセットに予め組み込まれ、第2のユニット12は付加ユニットとして別途提供されるのに対し、後者では、第2のユニット12が予めセットに組み込まれ、第1のユニット11は付加ユニットとして別途提供される点である。
【0097】
従って、実施形態4に係るスピーカ1Bの動作は、実施形態1に係る照明器具1Aにおいて、第1のユニット11が第2のユニット12に換装された状態での動作と同様である。
【0098】
実施形態4によれば、異なる種類のユニットであるスピーカユニット及び光源ユニットの間の換装を可能化し、かつ音響ノイズの低減を図ることができる。
【0099】
(4-1)実施形態4の変形例
実施形態4の変形例は、実施形態4の構成において、第2のユニット12がスピーカユニットではなく、イオン発生ユニット(図示しない)であるもの(以下、イオン発生器と称す)である。
【0100】
この変形例によれば、異なる種類のユニットであるイオン発生ユニット及び光源ユニットの間の換装を可能化し、かつ音響ノイズの低減を図ることができる。
【0101】
(5)実施形態1-4の変形例
なお、実施形態2に係るソケットユニット13は、実施形態1に係る照明器具1A、実施形態4に係るスピーカ1B、及び実施形態4の変形例であるイオン発生器(図示しない)以外の器具1に用いられてもよい。
【0102】
これにより、各種の器具1において、異なる種類のユニット間の換装を可能化し、かつ音響ノイズの低減を図ることができる。
【0103】
(6)まとめ
第1の態様に係る照明器具(1A:器具1)は、ソケット本体(131)と、器具本体(10)と、ソケットカバー(132)と、ノイズ抑制部材(14:膜部材14A,押し部材14B)とを備える。前記ソケット本体(131)の一部に、電力を伝える導電性部材(131a)が配置されており、前記ソケット本体(131)には、第1のユニット(11)と、第2のユニット(12)とが交換可能に装着される。
【0104】
第1のユニット(11)は、前記電力に応じた光を発し、前記第2のユニット(12)では、振動が発生する。なお、前記第2のユニット(12)での振動は、通常、前記電力に応じた動作により発生するが、前記電力に応じた動作以外の要因(共鳴等)により発生してもよい。前記器具本体(10)には前記ソケット本体(131)が取り付けられ、前記器具本体(10)は、少なくとも前記ソケット本体(131)に装着された前記第1のユニット(11)導電性部材(131a)を介して前記電力を供給する。なお、前記電力は、通常、前記ソケット本体(131)に装着された前記第2のユニット(12)にも供給され、前記第2のユニット(12)は、前記電力に応じて動作する。ソケットカバー(132)は、前記器具本体(10)と前記ソケット本体(131)との間に介在し、前記ソケット本体(131)の少なくとも前記導電性部材(131a)が配置された部分を覆う。
【0105】
前記ソケット本体(131)に装着された前記第2のユニット(12)の振動に応じて、前記器具本体(10)と前記ソケットカバー(132)との隙間である第1隙間(d1)、及び前記ソケットカバー(132)と前記ソケット本体(131)との隙間である第2隙間(d2)、の少なくとも一方で、振動が生じる。ノイズ抑制部材(14:14A,14B)は、こうして生じる振動に起因する音響ノイズを抑制する。
【0106】
この態様によれば、異なる種類のユニット間の換装を可能化し、かつ音響ノイズの低減を図ることができる。
【0107】
第2の態様に係る照明器具(1A)では、第1の態様において、前記ノイズ抑制部材(14)は、前記第1隙間に介挿される膜状の部材(膜部材14A)で形成されている。
【0108】
この態様によれば、簡単な構成で、音響ノイズの低減を図ることができる。
【0109】
第3の態様に係る照明器具(1A)では、第2の態様において、前記部材(膜部材14A)は、不織布である。
【0110】
この態様によれば、低コストで、音響ノイズの低減を図ることができる。
【0111】
第4の態様に係る照明器具(1A)では、第2の態様において、前記部材(膜部材14A)は、吸音シートである。
【0112】
この態様によれば、より一層、音響ノイズの低減を図ることができる。
【0113】
第5の態様に係る照明器具(1A)では、第2の態様において、前記部材(膜部材14A)は、防虫シートである。
【0114】
この態様によれば、明りに集まる虫の侵入を防ぎつつ、音響ノイズの低減を図ることができる。
【0115】
第6の態様に係る照明器具(1A)では、第2-第5のいずれかの態様において、前記部材(膜部材14A)は、前記ソケットカバー(132)の外面(132a)と接する側の面に接着剤層を有する。
【0116】
この態様によれば、膜部材をソケットカバーの外面に簡易に貼付できる。
【0117】
第7の態様に係る照明器具(1A)では、第1-第6のいずれかの態様において、前記器具本体(10)は、少なくとも前記ソケット本体(131)及び前記ソケットカバー(132)を収納可能な筒状のフレーム(101)と、前記ソケット本体(131)を前記フレーム(101)の内底面(101a)に固定する固定部材(102)とを有する。前記第1隙間(d1)は、前記フレーム(101)の内底面(101a)と前記ソケットカバー(132)の外面(132a)との隙間である。前記ノイズ抑制部材(膜部材14A,押し部材14B)は、前記ソケットカバー(132)の外面(132a)の少なくとも一部に設けられる。
【0118】
この態様によれば、主として第1隙間について、効果的に音響ノイズの低減を図ることができる。
【0119】
第8の態様に係る照明器具(1A)では、第1の態様において、前記器具本体(10)は、少なくとも前記ソケット本体(131)及び前記ソケットカバー(132)を収納可能な筒状のフレーム(101)と、前記ソケット本体(131)を前記フレーム(101)の内底面(101a)に固定する固定部材(102)とを有する。前記第1隙間(d1)は、前記フレーム(101)の内底面(101a)と前記ソケットカバー(132)の外面(132a)との隙間である。前記ノイズ抑制部材(14:押し部材14B)は、前記フレーム(101)の内底面(101a)及び前記ソケットカバー(132)の外面(132a)の少なくとも一方に設けられ、前記第1隙間(d1)を押し広げることにより、前記ソケット本体(131)を前記ソケットカバー(132)に押し当てるように構成される。
【0120】
この態様によれば、簡単な構成で、第1及び第2の両方の隙間について、音響ノイズの低減を図ることができる。
【0121】
第9の態様に係る照明器具(1A)では、第1の態様において、前記ノイズ抑制部材(14)は、前記第2隙間に注入されて固化した接着剤(図示しない)である。
【0122】
この態様によれば、第2隙間について、簡易に音響ノイズの低減を図ることができる。
【0123】
第10の態様に係るソケットユニットは、ソケット本体(131)と、ソケットカバー(132)と、ノイズ抑制部材(14:膜部材14A)とを備える。前記ソケット本体(131)の一部に、電力を伝える導電性部材(131a)が配置され、前記ソケット本体(131)には、第1のユニット(11)と第2のユニット(12)とが交換可能に装着される。
【0124】
第1のユニット(11)は、前記電力に応じた光を発し、前記第2のユニット(12)では、振動が発生する。なお、前記第2のユニット(12)での振動は、通常、前記電力に応じた動作により発生するが、前記電力に応じた動作以外の要因(共鳴等)により発生してもよい。ソケットカバー(132)は、前記ソケット本体(131)の少なくとも前記導電性部材(131a)が配置された部分を覆う。前記ソケット本体(131)に装着された前記第2のユニット(12)の振動に応じて、前記ソケットカバー(132)と前記ソケット本体(131)との隙間(第2隙間d2)で振動が生じる。ノイズ抑制部材(14)は、こうして生じる振動に起因する音響ノイズを抑制する。
【0125】
この態様によれば、異なる種類のユニット間の換装を可能化し、かつ音響ノイズの低減を図ることができる。
【0126】
第11の態様に係るソケットユニット(13)では、第10の態様において、前記ノイズ抑制部材(14)は、前記隙間(第2隙間d2)に介挿される膜状の部材(膜部材14A)である。
【0127】
この態様によれば、簡単な構成で、音響ノイズの低減を図ることができる。
【0128】
第12の態様に係るソケットユニット(13)では、第10の態様において、前記ノイズ抑制部材(14)は、前記隙間に注入されて固化した接着剤(図示しない)である。
【0129】
この態様によれば、簡易に音響ノイズの低減を図ることができる。
【0130】
第13の態様に係るユニットセットは、第10-第12のいずれかの態様のソケットユニット(13)と、前記第2のユニット(12)とを備える。
【0131】
この態様によれば、異なる種類のユニット間の換装を可能化し、かつ音響ノイズの低減を図ることができる。
【0132】
第14の態様に係るユニットセットは、第13の態様において、前記第1のユニット(11)は、光源ユニットであり、前記第2のユニット(12)は、スピーカユニット(12)である。なお、前記スピーカユニット(12)が発する音波は、通常、前記電力に応じた音波であるが、前記電力以外の要因(共鳴等)により発生する音波でもよい。
【0133】
この態様によれば、光源ユニットとスピーカユニットとの間の換装を可能化し、かつ音響ノイズの低減を図ることができる。
【0134】
第15の態様に係るスピーカ(1B:器具1)は、ソケット本体(131)と、器具本体(10)と、ソケットカバー(132)と、ノイズ抑制部材(14:膜部材14A,押し部材14B)とを備える。前記ソケット本体(131)の一部に、電力を伝える導電性部材(131a)が配置され、前記ソケット本体(131)には、光源ユニット(11)とスピーカユニット(12)とが交換可能に装着される。
【0135】
前記光源ユニット(11)は、前記電力に応じた光を発し、前記スピーカユニット(12)は、音波を発する。なお、前記スピーカユニット(12)が発する音波は、通常、前記電力に応じた音波であるが、前記電力以外の要因(共鳴等)により発生する音波でもよい。前記器具本体(10)には、前記ソケット本体(131)が取り付けられる。前記器具本体(10)は、少なくとも前記ソケット本体(131)に装着された前記光源ユニット(11)に、前記導電性部材(131a)を介して前記電力を供給する。なお、前記電力は、通常、前記ソケット本体(131)に装着された前記スピーカユニット(12)にも供給され、前記スピーカユニット(12)は、前記電力に応じた音波を発する。ソケットカバー(132)は、前記器具本体(10)と前記ソケット本体(131)との間に介在し、前記ソケット本体(131)の少なくとも前記導電性部材(131a)が配置された部分を覆う。
【0136】
前記ソケット本体(131)に装着された前記スピーカユニット(12)の振動に応じて、前記器具本体(10)と前記ソケットカバー(132)との隙間である第1隙間(d1)、及び前記ソケットカバー(132)と前記ソケット本体(131)との隙間である第2隙間(d2)、の少なくとも一方で振動が生じる。ノイズ抑制部材(14:膜部材14A,押し部材14B)は、こうして生じる振動に起因する音響ノイズを抑制する。
【0137】
この態様によれば、異なる種類のユニット間の換装を可能化し、かつ音響ノイズの低減を図ることができる。
【符号の説明】
【0138】
1 器具
1A 照明器具
1B スピーカ
10 器具本体
101 フレーム
101a 内底面
102 固定部材(ネジ)
102a ネジ孔
103 ピン端子
11 第1のユニット(光源ユニット)
12 第2のユニット(スピーカユニット,イオン発生ユニット)
13 ソケットユニット
131 ソケット本体
131a 導電性部材
131b 爪
131c 貫通孔
132 ソケットカバー
132a 外面
132b 内面
14 ノイズ抑制部材
14A 膜部材
14B 押し部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8