(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】サイドフィル用樹脂組成物、半導体装置、及びサイドフィル材の除去方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/29 20060101AFI20241122BHJP
H01L 23/31 20060101ALI20241122BHJP
C08K 3/013 20180101ALI20241122BHJP
C08L 101/00 20060101ALI20241122BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
H01L23/30 R
C08K3/013
C08L101/00
H01L21/60 311Q
(21)【出願番号】P 2021575758
(86)(22)【出願日】2021-01-29
(86)【国際出願番号】 JP2021003158
(87)【国際公開番号】W WO2021157472
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2023-09-13
(31)【優先権主張番号】P 2020017382
(32)【優先日】2020-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020077822
(32)【優先日】2020-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深本 悠介
(72)【発明者】
【氏名】山田 泰史
(72)【発明者】
【氏名】前田 泰明
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-273554(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0259729(US,A1)
【文献】国際公開第2019/098053(WO,A1)
【文献】特開2005-105243(JP,A)
【文献】国際公開第2018/110550(WO,A1)
【文献】特開2009-007467(JP,A)
【文献】特開2013-178378(JP,A)
【文献】特開2019-041097(JP,A)
【文献】特開平08-213428(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/29
C08K 3/013
C08L 101/00
H01L 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、前記基材に表面実装されている実装部品における前記基材と対向する面の周縁部と、の間に介在する、サイドフィル材を作製するために用いられ
るサイドフィル用樹脂組成物であり、
光硬化性を有
し、
ソルダーレジスト処理されたガラスエポキシ基板上で前記サイドフィル用樹脂組成物を硬化させて硬化物を作製した場合の、ボンドテスターで測定される前記硬化物の基板に対するシェア強度は、前記硬化物の温度が125℃では3MPa以上であり、かつ前記硬化物の温度が200℃では0.3MPa以下である、
サイドフィル用樹脂組成物。
【請求項2】
硬化物のガラス転移温度は、130℃以上であり、かつ前記硬化物の前記ガラス転移温度以下における線膨張係数は、40ppm/℃未満である、
請求項1に記載のサイドフィル用樹脂組成物。
【請求項3】
光カチオン重合性化合物(A1)と、カチオン性光重合開始剤(B1)とを含有する、
請求項1又は2に記載のサイドフィル用樹脂組成物。
【請求項4】
無機充填材(C)を含有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のサイドフィル用樹脂組成物。
【請求項5】
基材と、前記基材に表面実装される実装部品と、前記基材と前記実装部品における前記基材と対向する面の周縁部との間に介在するサイドフィル材と、を備え、
前記サイドフィル材は、請求項1から4のいずれか一項に記載のサイドフィル用樹脂組成物の硬化物からなる、
半導体装置。
【請求項6】
請求項5に記載の半導体装置における前記サイドフィル材を200℃以上に加熱した状態で、前記サイドフィル材を前記実装部品の周縁部と前記基材との間から除去する、
サイドフィル材の除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サイドフィル用樹脂組成物、半導体装置、及びサイドフィル材の除去方法に関し、詳しくは、半導体素子等の実装部品を補強するため用いられるサイドフィル用樹脂組成物、このサイドフィル用樹脂組成物から作製されるサイドフィル材を備える半導体装置、及びサイドフィル材の除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基材と、基材に実装される実装部品とを備える半導体装置において、基材と実装部品との接続を補強するため、基材と実装部品との間の隙間に樹脂組成物を充填又は塗布することにより供給することが行われている。樹脂組成物を基材と実装部品との間に充填し、基材及び実装部品を補強するには、アンダーフィルによる方法と、サイドフィルによる方法とがある。
【0003】
アンダーフィルによる方法では、基材と実装部品との間の隙間全体に樹脂組成物を充填し、樹脂組成物を硬化させることで基材と実装部品との間の隙間が封止され、基材と実装部品との接続が補強される。
【0004】
一方、サイドフィルによる方法では、基材と実装部品との間の一部、例えば平面視における実装部品の周端面のみに樹脂組成物を塗布され、樹脂組成物を硬化させることで、基材と実装部品との、特に実装部品における基材と対向する面の周縁部が補強される。アンダーフィル材に比べて、サイドフィル材では基材及び実装部品との接着面積が少ないため、実装部品の検査中や使用中に不良品が発見された場合、容易に実装部品を基板から取り外して良品と取り替えることができる、いわゆるリペア性に優れている。一方、サイドフィルによる方法では、半導体装置の信頼性(特に耐熱信頼性)が低下する傾向にある。
【0005】
特許文献1では、エポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材を含有し、前記無機充填材として、平均アスペクト比が2~150の鱗片状無機物が、前記エポキシ樹脂組成物全量に対して0.1~30質量%含有されていると共に、前記エポキシ樹脂組成物のチクソ指数が3.0~8.0であることを特徴とする液状エポキシ樹脂組成物を開示し、基板と基板上に搭載された素子を封止しうるサイドフィル材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【0007】
本開示の目的は、半導体装置の実装部品における基材と対向する面の周縁部をサイドフィルにより補強しても、半導体装置に優れた耐熱衝撃性を付与でき、かつ実装部品の不良を補修する場合のサイドフィルのリペア性に優れるサイドフィル用樹脂組成物、このサイドフィル用樹脂組成物の硬化物からなるサイドフィル材を備える半導体装置、及びサイドフィル材の除去方法を提供することである。
【0008】
本開示の一態様に係るサイドフィル用樹脂組成物は、基材と、前記基材に表面実装されている実装部品における前記基材と対向する面の周縁部と、の間に介在する、サイドフィル材を作製するために用いられ、光硬化性を有する。
【0009】
本開示の一態様に係る半導体装置は、基材と、前記基材に表面実装される実装部品における前記基材と対向する面の周縁部との間に介在するサイドフィル材と、を備える。前記サイドフィル材は、前記サイドフィル用樹脂組成物の硬化物からなる。
【0010】
本開示の一態様に係るサイドフィル材の除去方法は、半導体装置における前記サイドフィル材を200℃以上に加熱した状態で、前記サイドフィル材を前記実装部品の周縁部と前記基材との間から除去する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係る半導体装置を示す概略の断面図である。
【
図2】
図2Aは、本開示の一実施形態に係る半導体装置において、実装部品の周縁部にサイドフィル材が介在する第一例を示す平面図である。
図2Bは、本開示の一実施形態に係る半導体装置において、実装部品の周縁部にサイドフィル材が介在する第二例を示す平面図である。
図2Cは、本開示の一実施形態に係る半導体装置において、実装部品の周縁部にサイドフィル材が介在する第三例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.概要
まず、本開示に至った経緯について説明する。
【0013】
特許文献1(特開2013-102167号公報)の液状エポキシ樹脂組成物では、この液状エポキシ樹脂組成物を硬化させてサイドフィル材として用いると、基板上に実装された実装部品に不良が生じてリペア(補修)する場合に、リペア時にサイドフィル材の残渣を基板及び実装部品から完全に除去することが難しいという問題があった。また、半導体装置において、例えば車載用途等といった基板上の実装部品を過酷な熱環境においた場合に、導通不良が生じにくくするために耐熱衝撃性の向上が要求される。
【0014】
発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、半導体装置の実装部品における基材と対向する面の周縁部をサイドフィルにより補強しても、半導体装置に優れた耐熱衝撃性を付与でき、かつ実装部品の不良を補修する場合のサイドフィルのリペア性に優れるサイドフィル用樹脂組成物を実現するに至った。
【0015】
すなわち、本実施形態に係るサイドフィル用樹脂組成物は、基材2と、基材2に表面実装されている実装部品3における基材2と対向する面の周縁部と、の間に介在する、サイドフィル材4を作製するために用いられる。本実施形態に係るサイドフィル用樹脂組成物は、光硬化性を有する。本開示において、「サイドフィル材」とは、基材上に表面実装されている半導体素子等の実装部品を補強するための材料である。本実施形態では、サイドフィル材4は、サイドフィル用樹脂組成物の硬化物からなる。また、サイドフィル材4は、基材2と実装部品3における基材2と対向する面の周縁部との間に介在させて用いられる補強材ともいえる。実装部品3における基材2と対向する面の周縁部とは、平面視で実装部品3の全周縁であってもよく、全周縁のうちの少なくとも一部であってもよい。
【0016】
本実施形態に係るサイドフィル用樹脂組成物は、
図1に示すように、半導体装置1において、基材2と、基材2に表面実装されている半導体チップ等の実装部品3における基材2と対向する面の周縁部との間に介在し、基材2と実装部品3とを補強するための補強材(サイドフィル材4)に好適に用いることができる。
【0017】
本実施形態のサイドフィル用樹脂組成物は、光硬化性を有する。本実施形態で用いられる、光硬化性を有する光重合性成分は、熱重合性成分と比較して低粘度であることが多い。このため、サイドフィル用樹脂組成物中の無機充填材の割合をより多く配合しても、サイドフィル用樹脂組成物の粘度が高くなりにくい。これにより、硬化物の線膨張係数を低く調整しやすく、そのためサイドフィル用樹脂組成物から作製される硬化物を備える半導体装置1の耐熱衝撃性を向上させることができる。このため、サイドフィル用樹脂組成物の硬化物からなるサイドフィル材4を備える半導体装置1は、高い耐熱信頼性を有しうる。
【0018】
また、半導体装置1において、基材2と、基材2に表面実装されている実装部品3とを、例えばアンダーフィル用の樹脂組成物の硬化物(アンダーフィル材)等で補強する場合、アンダーフィル材では、基材2と実装部品3との間の隙間(継ぎ目)の奥の方にまで全体にわたって樹脂組成物が供給及び充填される。そして、樹脂組成物が硬化されることで基材2と実装部品3との接続が補強される。そのため、半導体装置1に不良が生じてリペア(補修)をする場合、基材2と実装部品3との間の全体にわたって形成されているアンダーフィル材を除去するのに手間が掛かったり、基材2及び実装部品3の全部を廃棄する事態が生じたり、また基材2及び実装部品3にサイドフィル材の残渣が残存するおそれがある。
【0019】
これに対し、本実施形態では、サイドフィル用樹脂組成物を光硬化させて作製されるサイドフィル材であるため、加熱により容易に除去されうる。そのため、本実施形態のサイドフィル用樹脂組成物の硬化物からなるサイドフィル材4を備える半導体装置1において、サイドフィル材は優れたリペア性を有しうる。ここでいう、「リペア性」とは、半導体装置における樹脂組成物から作製される硬化物(アンダーフィル材及びサイドフィル材を含む)の基材上からの除去のしやすさである。
【0020】
本実施形態のサイドフィル用樹脂組成物がリペア性に優れる理由は、正確には明らかにされていないが、次のような理由によると考えられる。本実施形態のサイドフィル用樹脂組成物では、半導体装置1における基材2(基板)とサイドフィル用樹脂組成物の硬化物との密着強度を調整しやすく、基板上にサイドフィル用樹脂組成物の硬化物で作製したサイドフィル材を除去する場合でも、サイドフィル材の残渣を基板及び実装部品から除去しやすい。このため、サイドフィル用樹脂組成物は、優れたリペア性を有しうる、と推察される。
【0021】
このように、本実施形態によれば、サイドフィル用樹脂組成物から作製される硬化物を加熱することより、容易に除去可能である。したがって、本実施形態のサイドフィル用樹脂組成物は、仮に半導体装置1において不良が生じた場合であっても、リペアしやすい。
【0022】
なお、本実施形態のサイドフィル用樹脂組成物は、光硬化性であることにより、基材2と、基材2に表面実装されている実装部品3との間において、実装部品3における基材2と対向する面の周縁部を、サイドフィル用樹脂組成物の硬化物で補強するにあたって、熱硬化性の樹脂成分に比べて、タクトタイム(例えば、硬化物を形成するための時間)を短縮させることができる。また、本実施形態のサイドフィル用樹脂組成物は、熱硬化性の場合に比べて、硬化前後での気泡の混入を抑制することができる。このため、硬化物にボイドを生じにくくすることができ、その結果、サイドフィル用樹脂組成物で実装部品3における基材2と対向する面の周縁部を補強しても、半導体装置1に不良を生じにくくできる。また、サイドフィル用樹脂組成物を硬化させるために加熱しなくてもよいため、サイドフィル材4に、加熱による熱履歴の影響を受けにくい。このため、サイドフィル用樹脂組成物は、半導体装置1における実装部品3を脱離しにくくして基材2と、実装部品3における基材2と対向する周縁部と補強でき、かつ半導体装置1における導通不良を生じにくくできる。これにより、サイドフィル用樹脂組成物を、半導体装置1における基材2と、基材2に表面実装されている実装部品3の基材2と対向する面の周縁部とに介在させて、基材2と実装部品3とを補強すると、短時間でサイドフィル材4を作製でき、かつサイドフィル材4に熱履歴が残りにくい。したがって、サイドフィル用樹脂組成物から作製された補強材には、反り及びボイドが生じにくい。
【0023】
このように、本実施形態に係るサイドフィル用樹脂組成物は、半導体装置1の基材2と、基材2に実装されている実装部品3における基材2と対向する面の周縁部と、の間において、基材2と実装部品3との接続を補強することができる。サイドフィル用樹脂組成物の好ましい特性は、より具体的には、以下で説明する組成の成分を適宜調整することにより、実現可能である。
【0024】
2.詳細
本実施形態に係るサイドフィル用樹脂組成物に含まれうる成分、及びサイドフィル用樹脂組成物の特性について更に具体的に説明する。
【0025】
本実施形態のサイドフィル用樹脂組成物は、光硬化性成分(A)と光重合開始剤(B)とを含有することが好ましい。この場合、サイドフィル用樹脂組成物に容易に光硬化性を付与できる。また、サイドフィル用樹脂組成物を光硬化させて作製されるサイドフィル材4は、熱硬化性成分の硬化物に比して、加熱により容易に除去されうる。そのため、本実施形態のサイドフィル用樹脂組成物の硬化物からなるサイドフィル材4を備える半導体装置1は、高い耐熱衝撃性を有し、また半導体装置1におけるサイドフィル材4が優れたリペア性を有しうる。特に、熱硬化性の硬化物からサイドフィル材を作製する場合においては、柔軟性付与剤等の添加剤を添加することでリペア性を向上させることが行われてきたが、この場合、柔軟性付与剤の影響で耐熱性、耐熱衝撃性等の熱的特性が低下しうるという問題があった。これに対し、本実施形態のサイドフィル用樹脂組成物では、サイドフィル用樹脂組成物から作製される硬化物を備えることで、半導体装置1が優れた耐熱衝撃性を有することができ、更に柔軟性付与剤等の添加剤を添加しなくても、サイドフィル材4は優れたリペア性を有しうる。
【0026】
[光重合性成分(A)]
光重合性成分(A)は、サイドフィル用樹脂組成物に光硬化性を付与しうる。光重合性成分(A)としては、例えば適宜の光硬化性を有する化合物が挙げられる。光硬化性を有する化合物は、例えばカチオン重合性化合物、及びラジカル重合性化合物等を挙げることができる。
【0027】
サイドフィル用樹脂組成物固形分全量に対する光硬化性成分(A)の質量割合は、10質量%以上60質量%以下であることが好ましい。この場合、サイドフィル用樹脂組成物により高い光硬化性を付与することができる。サイドフィル用樹脂組成物固形分全量に対する光硬化性成分(A)の質量割合は、15質量%以上55質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上50質量%以下であることが更に好ましい。
【0028】
光重合性成分(A)は、光カチオン重合性化合物(A1)を含有することが好ましい。すなわち、サイドフィル用樹脂組成物は、光カチオン重合性化合物(A1)を含有することが好ましい。この場合、半導体装置1の基材2と、実装部品3における基材2と対向する面の周縁部との間にサイドフィル用樹脂組成物の硬化物を介在させることで基材2と実装部品3とを補強しても、加熱することにより、容易に硬化物を除去することができる。このため、サイドフィル用樹脂組成物は、半導体装置1に、より優れたリペア性を付与できる。また、サイドフィル用樹脂組成物が光カチオン重合性化合物(A1)を含有すると、半導体装置1においてサイドフィル用樹脂組成物の硬化物で基材2と実装部品3とを補強した場合の、ヒートサイクルにおける優れた信頼性を有しうる。本開示における「ヒートサイクル」とは、低温域(例えば-40℃)から高温域(例えば125℃)の間で加熱及び冷却を繰り返す温度サイクルのことをいう。
【0029】
光カチオン重合性化合物(A1)は、光が照射されることにより、例えば光重合開始剤(B)の作用によりカチオン種を生成し、カチオン種を成長鎖として重合しうる成分である。光重合開始剤(B)は、カチオン性光重合開始剤(B1)を含有することが好ましい。カチオン性光重合開始剤(B1)は、例えば光酸発生剤の機能を有することが好ましい。光酸発生剤とは、照射された光を吸収することで分解して、酸を発生し、光重合性の成分を重合させる機能を有する化合物である。
【0030】
光カチオン重合性化合物(A1)は、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、及びビニルエーテル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。
【0031】
エポキシ樹脂は、例えば1分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物である。具体的には、エポキシ樹脂としては、例えばビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、アントラセン環含有エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ブロム含有エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、脂肪族ポリエーテル系エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートからなる群から選択される少なくとも一種の化合物を挙げることができる。エポキシ樹脂は、グリシジル基を有していてもよい。
【0032】
オキセタン樹脂は、例えば1分子内に少なくとも一つのオキセタン骨格を有する化合物である。具体的には、オキセタン樹脂としては、例えば3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、2-エチルヘキシルオキセタン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(シクロヘキシロキシ)メチルオキセタン、3-エチル-3-(フェノキシメチル)オキセタンからなる群から選択される少なくとも一種の化合物を挙げることができる。
【0033】
ビニルエーテル樹脂は、例えば1分子内に少なくとも一つのビニルエーテル骨格を有する化合物である。具体的には、ビニルエーテル樹脂としては、例えばエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテルからなる群から選択される少なくとも一種の化合物を挙げることができる。
【0034】
光重合性成分(A)が、光カチオン重合性化合物(A1)を含有する場合、光カチオン重合性化合物(A1)は、エポキシ樹脂とオキセタン樹脂とを含有することが好ましい。この場合、サイドフィル用樹脂組成物の光硬化をより良好に進行させることができる。光カチオン重合性化合物(A1)がエポキシ樹脂とオキセタン樹脂とを含有する場合、エポキシ樹脂とオキセタン樹脂との合計量に対するエポキシ樹脂の質量割合は、5質量%以上95質量%以下であることが好ましい。この場合、サイドフィル用樹脂組成物の光硬化を更に良好に進行させることができる。なお、光カチオン重合性化合物(A1)は、前記に限られず、適宜のカチオン重合性を有するモノマー、及びオリゴマーであればよい。
【0035】
光硬化性成分(A)における光カチオン重合性化合物(A1)の質量割合は、光硬化性成分(A)全量に対して、5質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
【0036】
また、光カチオン重合性化合物(A1)におけるオキセタン樹脂の質量割合は、光硬化性成分(A)全量に対して、5質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
【0037】
光硬化性成分(A)におけるオキセタン樹脂の質量割合は、光硬化性成分(A)全量に対して、5質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
【0038】
光硬化性成分(A)におけるビニルエーテル樹脂の質量割合は、光硬化性成分(A)全量に対して、0質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
【0039】
なお、サイドフィル用樹脂組成物において光重合性成分(A)に含まれうる成分は、上記で説明したものに限らず、上記以外の樹脂を含有してもよい。
【0040】
[光重合開始剤(B)]
光重合開始剤(B)は、サイドフィル用樹脂組成物において、光硬化性の成分(本実施形態においては、光重合性成分(A))の硬化反応を促進しうる。
【0041】
光重合開始剤(B)は、カチオン性光重合開始剤(B1)を含有することが好ましい。すなわち、サイドフィル用樹脂組成物は、カチオン性光重合開始剤(B1)を含有することが好ましい。この場合、サイドフィル用樹脂組成物から作製される、半導体装置1におけるサイドフィル材4のリペア性を更に向上させることができる。特に、サイドフィル用樹脂組成物が、光カチオン重合性化合物(A1)と、カチオン性光重合開始剤(B1)とを含有することが好ましい。この場合、半導体装置1において、サイドフィル用樹脂組成物から作製された硬化物からなるサイドフィル材4を更に容易に除去することができる。これは、次のような理由によると考えられる。光カチオン重合性化合物(A1)とカチオン性光重合開始剤(B1)とを含有するサイドフィル用樹脂組成物を硬化させると、カチオン性光重合開始剤(B1)から副生する酸成分が硬化物内に残存する。そして、この硬化物をより高い温度に加熱すると、前記の酸成分と硬化物とが反応し、硬化物が熱分解される。これにより、硬化物の物性が低下し、剥離しやすくなるため、と推察される。
【0042】
サイドフィル用樹脂組成物がカチオン性光重合開始剤(B1)を含有する場合、光重合性成分(A)に対するカチオン性光重合開始剤(B1)の質量割合は、0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上3質量%以下であればより好ましく、0.5質量%以上2質量%以下であれば更に好ましい。
【0043】
[無機充填材(C)]
サイドフィル材用樹脂組成物は、無機充填材(C)を更に含有することが好ましい。サイドフィル用樹脂組成物が無機充填材(C)を含有する場合、サイドフィル用樹脂組成物から作製される硬化物の線膨張係数(CTE:Coefficient of Thermal Expansion)を低めることができる。このため、サイドフィル用樹脂組成物を、半導体装置1の基材2と、実装部品3における基材2と対向する面の周縁部との間に介在させて、その硬化物で基材2と実装部品3とを補強しても、サイドフィル材4に反りを生じにくくできる。これにより、半導体装置1の発熱等による不良をより生じにくくできる。
【0044】
無機充填材(C)を含有する場合、サイドフィル用樹脂組成物の固形分全量に対する無機充填材(C)の質量割合は、30質量%以上90質量%以下であることが好ましい。この場合、サイドフィル用樹脂組成物から作製される硬化物のCTEをより低めやすい。サイドフィル用樹脂組成物の固形分全量に対する無機充填材(C)の質量割合は、40質量%以上80質量%以下であればより好ましく、50質量%以上75質量%以下であれば更に好ましい。
【0045】
無機充填材(C)は、例えばシリカ、アルミナ、クレー、マイカ、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、及びガラスからなる群から選択される少なくとも一種の材料を含む。シリカは、例えば溶融シリカ、結晶性シリカ、フュームドシリカ等であってよい。
【0046】
無機充填材(C)がシリカを含有する場合、シリカは表面処理がされていてもよい。シリカが表面処理されていると、サイドフィル用樹脂組成物における、光硬化性の成分とシリカとを馴染みやすくでき、サイドフィル用樹脂組成物の分散性を向上させることができる。シリカの表面処理は、例えばシリカをシランカップリング剤で処理することにより実現できる。シランカップリング剤としては、例えばエポキシ基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基、及びフェニル基からなる群から選択される少なくとも一種の官能基を有する化合物が挙げられる。
【0047】
無機充填材(C)の平均粒径は、例えば2.5μm以上200μm以下であることが好ましい。無機充填材(C)の平均粒径がこの範囲内であると、サイドフィル用樹脂組成物を基材2と、実装部品3における基材2と対向する面の周縁部との間に介在させるにあたって、サイドフィル用樹脂組成物のより良好な流動性を維持することができる。ここで、本開示における「平均粒径」は、メジアン径D50である。メジアン径D50は、レーザー回折・散乱法で測定して得られる粒度分布から算出される。粒度分布は、例えばレーザー回折式粒度分布測定装置により測定できる。
【0048】
[その他の成分]
サイドフィル用樹脂組成物は、本開示の効果を阻害しない限りにおいて、上記で説明した成分以外の成分を含有できる。例えば、サイドフィル用樹脂組成物は、上記で説明した樹脂以外の樹脂成分を含有してもよい。
【0049】
また、封止用樹脂組成物は、適宜の添加剤を含有できる。添加剤の例としては、例えば硬化剤、フラックス、粘度調整剤、表面調整剤、シランカップリング剤、消泡剤、レベリング剤、低応力剤、及び顔料等が挙げられる。例えば、サイドフィル用樹脂組成物は、チクソ性付与剤を含有してもよい。この場合、サイドフィル用樹脂組成物を、半導体装置1の基材2と実装部品3との間の、実装部品3における基材2と対向する面の周縁部に供給するにあたり、サイドフィル用樹脂組成物のより良好な流動性及びチクソ性を確保しやすい。これにより、サイドフィル用樹脂組成物はより高い成形性を有することができ、サイドフィル用樹脂組成物から、実装部品3における周縁部を補強するサイドフィル材4を作製しても、サイドフィル材4に優れた強度を付与できる。
【0050】
サイドフィル用樹脂組成物は、光増感剤を含有することも好ましい。この場合、サイドフィル用樹脂組成物の硬化反応を促進させうる。そのため、サイドフィル用樹脂組成物から硬化物を作製にあたり、タクトタイムをより短くすることができる。
【0051】
サイドフィル用樹脂組成物は、有機溶剤を含まず、又は有機溶剤の含有割合が0.5質量%以下であることが好ましい。
【0052】
サイドフィル用樹脂組成物は、例えば上記成分を配合し、必要に応じて適宜の添加剤を加えて混合することで得られる。具体的には、サイドフィル用樹脂組成物は、例えば次の方法により調製できる。
【0053】
まず、上記で説明したサイドフィル用樹脂組成物に含まれうる成分を、同時に又は順次配合することで、混合物を得る。この混合物を、必要に応じて加熱処理や冷却処理を行いながら撹拌して混合する。
【0054】
次に、必要に応じて、この混合物に添加剤を加え、必要に応じて加熱処理や冷却処理を行いながら、再度撹拌して均一に分散されるまで混合する。これにより、サイドフィル用樹脂組成物を得ることができる。混合物の攪拌のためには、例えばディスパー、プラネタリーミキサー、ボールミル、3本ロール、及びビーズミルなどを、必要により適宜組み合わせて適用することができる。
【0055】
サイドフィル用樹脂組成物の25℃における粘度は、1000Pa・s以下であることが好ましい。この場合、サイドフィル用樹脂組成物の成形性を確保しやすい。またこの場合、基材2と、半導体チップ等の実装部品3における基材2と対向する面の周縁部との間への良好な充填性を達成しうる。サイドフィル用樹脂組成物の25℃における粘度は、B型粘度計により、ローターNo.7、回転数1~50rpm、測定時間60秒~180秒の条件で測定可能である。サイドフィル用樹脂組成物の25℃における粘度は、500Pa・s以下であればより好ましく、200Pa・s以下であれば更に好ましい。
【0056】
サイドフィル用樹脂組成物の25℃におけるチクソ指数は、2以上であることが好ましい。この場合、サイドフィル用樹脂組成物の成形性を確保しやすい。サイドフィル用樹脂組成物の25℃におけるチクソ指数は、3以上であればより好ましい。サイドフィル用樹脂組成物の25℃におけるチクソ指数とは、B型粘度計で測定した、ローターNo.7、回転数1rpmの粘度の値を、回転数10rpmの粘度で割ることで算出可能である。
【0057】
本実施形態のサイドフィル用樹脂組成物は、既に述べたとおり、光硬化性を有する。このため、サイドフィル用樹脂組成物は、光を照射することにより、硬化させることができる。光を照射する際の条件、例えば光の照射波長、光の照射強度(光量)、及び光の照射時間等は、サイドフィル用樹脂組成物に含まれうる成分(例えば光硬化性成分(A))の種類、及び重合開始剤(例えば光重合開始剤(B))の種類に応じて適宜調整すればよい。サイドフィル用樹脂組成物に光を照射するための光源は、適宜の光源を採用することができ、例えばケミカルランプ、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、LED、YAG、g線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)、並びにg線、h線及びi線のうちの二種以上の組み合わせからなる群から選択される少なくとも一種の光源であってよい。光源はこれらに限定されず、サイドフィル用樹脂組成物を硬化させうる紫外線を照射できる光源であればよい。
【0058】
サイドフィル用樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)は、130℃以上であることが好ましい。ガラス転移温度が130℃以上であれば、サイドフィル用樹脂組成物の硬化物が耐熱性を有しうる。ガラス転移温度は、例えばTMA(Thermomechanical Analysis)により測定可能である。また、ガラス転移温度が130℃以上であれば、ヒートサイクル試験における高温域(例えば125℃付近)においても、サイドフィル用樹脂組成物の硬化物を軟化しにくくできる。このため、サイドフィル用樹脂組成物は、半導体装置1における高い耐熱信頼性を確保することができる。特に、半導体装置1において、従来の樹脂組成物の硬化物で作製されたサイドフィル材で基板上の実装部品を補強した場合、半導体装置1が過酷な熱環境下(例えば-40℃以下、および125℃以上)に置かれると、基板と実装部品との間で導通不良が生じやすいという問題があった。これに対し、本実施形態のサイドフィル用樹脂組成物から、半導体装置1における基材2上の実装部品3を補強するためのサイドフィル材を作製すると、サイドフィル用樹脂組成物の硬化物は、半導体装置1に高い耐熱衝撃性を付与しうる。
【0059】
サイドフィル用樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度Tg以下における線膨張係数(CTE)は、40ppm/℃未満であることも好ましい。この場合、ガラス転移温度以下では、サイドフィル用樹脂組成物の硬化物からなるサイドフィル材4に反りを生じにくくでき、また基材2及び実装部品3とサイドフィル用樹脂組成物の硬化物との剥離を生じにくくできる。このため、封止用樹脂組成物の硬化物にクラックをより生じにくくできる。そのため、サイドフィル用樹脂組成物から作製されるサイドフィル材4では、半導体装置1における耐熱信頼性をより向上させることができる。サイドフィル用樹脂組成物の硬化物のTg以下におけるCTEは、35ppm/℃以下であればより好ましく、30ppm/℃以下であれば更に好ましい。サイドフィル用樹脂組成物の硬化物のTg以下におけるCTEは、Tg以下の任意の2点の温度間での寸法変化に基づく接線の傾きを算出することで得られる。
【0060】
サイドフィル用樹脂組成物の硬化物の125℃におけるシェア強度は、3MPa以上であり、かつ200℃におけるシェア強度は、0.1MPa未満であることが好ましい。硬化物の125℃におけるシェア強度が3MPa以上であると、硬化物のTg付近の温度域までは、硬化物の密着強度が低下しにくいため、熱衝撃によるはんだバンプにおける応力を抑制することができる。つまり、サイドフィル用樹脂組成物の硬化物の加熱による寸法変化が生じにくい。このため、本実施形態のサイドフィル用樹脂組成物は、半導体装置1に対し、例えば低温域-40℃付近から高温域125℃付近の温度サイクル(ヒートサイクル)でのより優れた耐熱信頼性を付与できる。一方、200℃におけるシェア強度が0.1MPa未満であると、リペア作業での温度、例えば240℃付近の加熱温度においては、サイドフィル用樹脂組成物の硬化物の密着強度が低下することで、半導体装置1において、不良が生じた際にリペア(補修)するにあたり、不良が生じた部分のみの交換が容易である。すなわち、半導体装置1における基材2から容易にサイドフィル用樹脂組成物の硬化物を除去して、半導体装置1に補修を施すことができる。このため、本実施形態のサイドフィル用樹脂組成物は、その硬化物が優れたリペア性を付与することができる。本実施形態におけるサイドフィル用樹脂組成物の硬化物のシェア強度は、ソルダーレジスト処理されたガラスエポキシ基板上でサイドフィル用樹脂組成物を硬化させた場合の、ボンドテスターで測定される硬化物の基板に対する密着強度である。サイドフィル用樹脂組成物のシェア強度は、具体的には、次のようにして得ることができる。まず適宜のガラスエポキシ基板上にソルダーレジスト層を作製する。本実施形態では、ガラスエポキシ基板は、より具体的には、パナソニック株式会社製の品名FR4(板厚0.6mm)である。ソルダーレジスト層は、適宜のソルダーレジスト組成物から作製され、UV硬化、熱硬化などにより硬化させてから、必要によりアルカリ現像等の現像処理を施すことにより作製される。ソルダーレジスト組成物の組成としては、例えば、ノボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸との反応生成物に、飽和又は不飽和多塩基酸無水物を付加した活性エネルギー線硬化性樹脂、光重合開始剤、希釈剤、及びエポキシ化合物からなる二液型の液状ソルダーレジスト組成物が挙げられる。具体的には、例えば太陽インキ製造株式会社製 PSR4000のレジストから作製される。なお、ソルダーレジスト層の作製方法は前記に限定されるものではなく、例えばソルダーレジスト組成物は一液性又は二液性のいずれから構成されていてもよい。また、ソルダーレジスト組成物の硬化は、熱硬化、光硬化、又は熱硬化と光硬化との併用のいずれであってもよい。また、ソルダーレジスト組成物の性状は、液状であっても、ドライフィルム状であってもよい。ガラスエポキシ基板上にこのレジストで処理することでガラスエポキシ基板をソルダーレジスト層で被覆できる。続いて、ソルダーレジスト層上にサイドフィル用樹脂組成物を塗布してから光硬化させることで、ソルダーレジスト層上にサイドフィル用樹脂組成物の硬化物を作製する。サイドフィル用樹脂組成物の光硬化条件は、既に述べたとおり、サイドフィル用樹脂組成物に含まれうる成分により適宜調整されうるが、サイドフィル用樹脂組成物の硬化物のシェア強度を測定するためのサイドフィル用樹脂組成物の硬化条件は、照射波長が365nm、光の照射強度(光量)が1000mW/cm2、照射時間が4秒間である。続いて、ガラスエポキシ基板上のソルダーレジスト層と、このソルダーレジスト層上の硬化物とを125℃又は200℃まで加熱した場合の、硬化物とソルダーレジスト層との密着強度をボンドテスターで測定する。測定時の条件は、テスト高さ(基板表面と測定治具先端との距離)50μm、テストスピード500μm/sであり、測定サンプルは、直径3mm、高さ1mmの円柱状硬化物である。加熱は装置のステージ温度により制御する。これにより、サイドフィル用樹脂組成物の硬化物のシェア強度が得られる。ボンドテスターは、例えばノードソン・アドバンスト・テクノロジー株式会社製 品名Nordson DAGE 4000 Optima等の測定装置を用いることができる。なお、上記の説明は、本実施形態で規定するサイドフィル用樹脂組成物の硬化物のシェア強度を測定する場合の条件であり、サイドフィル用樹脂組成物が塗布される対象をソルダーレジスト層に限定する趣旨ではない。
【0061】
本実施形態のサイドフィル用樹脂組成物は、既に述べたとおりサイドフィル材として好適に用いることができる。サイドフィル用樹脂組成物は、特にフリップチップ実装における後供給型のサイドフィル材として特に好適に用いることができる。
【0062】
[半導体装置]
上記のとおり、本実施形態に係るサイドフィル用樹脂組成物は、半導体装置1における基材2と実装部品3とを補強するサイドフィル材4を作製するために、好適に用いることができる。特に、サイドフィル用樹脂組成物では、基材2と実装部品3とを補強して実装部品3を脱離しにくくし、かつ導通不良を生じにくくするにあたって、基材2と、実装部品3における基材2と対向する面の周縁部との間にサイドフィル用樹脂組成物を供給するだけで補強できるため、基材2と実装部品3との隙間全体にわたって充填されるアンダーフィル材に比べて、樹脂組成物の供給量を低減できる。さらに、半導体装置1において、基材2と実装部品3との間に接続不良が生じた場合に半導体装置1をリペア(補修)するにあたって、基材2と実装部品3を支持するサイドフィル材4(具体的には、実装部品3の周縁部に介在するサイドフィル材4)のみを剥離すればよいため、正常な箇所の部材を廃棄することなく補修できる。そして、本実施形態のサイドフィル材4は、過剰に高い温度へ加熱しなくても容易に除去されうる。そのため、半導体装置1において、本実施形態のサイドフィル用樹脂組成物から作製されるサイドフィル材4は、リペア性に優れる。さらに、半導体装置1を補修するにあたり、上記のとおり、不良部分以外の部分の廃棄を低減できるため、アンダーフィル材に比して、不良が生じた際のコストの低減にも寄与できる。
【0063】
本実施形態の半導体装置1は、基材2と、実装部品3と、サイドフィル材4と、を備える。実装部品3は、基材2に表面実装されている。サイドフィル材4は、実装部品3における基材2と対向する面の周縁部との間に介在する。サイドフィル材4は、上記で説明したサイドフィル用樹脂組成物の硬化物からなる。
【0064】
図1には、本実施形態の半導体装置1の例を示す。半導体装置1は、半導体チップ等の実装部品3を支持する基材2と、基材2にフェイスダウンで表面実装されている実装部品3と、基材2と実装部品3との間における、基材2と実装部品3における基材2と対向する面の周縁部の間とに介在するサイドフィル材4とを備えている。サイドフィル材4は、基材2と実装部品3における周縁部との間で基材2及び実装部品3を支持しうる。
【0065】
サイドフィル材4は、基材2と実装部品3との間において、サイドフィル用樹脂組成物を、基材2と、実装部品3における基材2と対向する面の周縁部の一部又は全部とに供給し、光硬化させることで形成される。サイドフィル用樹脂組成物を、平面視で基材2と実装部品3との間における実装部品3の基材2と対向する面よりも内部の位置へ浸入させる距離は適宜調整すればよいが、例えば浸入距離は、実装部品3の長さ寸法に対して0%超5%以下であることが好ましい。なお、浸入距離とは、実装部品3の基材2と対向する面において、平面視で実装部品3の外周に対応する位置から、実装部品3と基材2とが対向する面の内側の位置へ、サイドフィル用樹脂組成物が浸入した長さである。
【0066】
半導体装置1及びその製造方法について、具体的に説明する。
【0067】
半導体装置1は、導体配線21を備える基材2と、バンプ電極33を備え、バンプ電極33が導体配線21に接合されることで基材2に実装されている半導体チップ等の実装部品3と、サイドフィル材4とを備える。サイドフィル材4が、上記で説明したサイドフィル用樹脂組成物の硬化物である。
【0068】
基材2は、例えばマザー基板、パッケージ基板又はインターポーザー基板である。例えば基材2は、ガラスエポキシ製、ポリイミド製、ポリエステル製、セラミック製などの絶縁基板と、その表面上に形成された銅などの導体製の導体配線21とを備える。導体配線21は例えば電極パッドを備える。
【0069】
実装部品3は、例えば半導体チップである。半導体チップは、例えばBGA(ボール・グリッド・アレイ)、LGA(ランド・グリッド・アレイ)、又はCSP(チップ・サイズ・パッケージ)などの、フリップチップ型のチップである。半導体チップは、PoP(パッケージ・オン・パッケージ)型のチップであってもよい。
【0070】
実装部品3は、複数のバンプ電極33を備えていてもよい。バンプ電極33は、はんだを備える。例えばバンプ電極33は、
図1に示すように、ピラー31と、ピラー31の先端に設けられた、はんだバンプ32とを備える。はんだバンプ32ははんだから作製され、このため、バンプ電極33ははんだを備える。ピラー31は例えば銅製である。
【0071】
バンプ電極33が備えるはんだ(例えばはんだバンプ32におけるはんだ)の融点は、特に制限されないが、例えば半導体チップ等の実装部品3を実装する際の実装温度(例えば220~260℃)以下で溶融可能な温度であればよい。また、はんだの組成は、特に制限されず、適宜の組成であってよいが、例えばSn-Ag系はんだ、及びSn-Ag-Cu系はんだとすることができる。なお、はんだを備えるバンプ電極33の構造は上記に限られず、例えばバンプ電極33は、球状のはんだバンプ32(はんだボール)のみを備えてもよい。すなわち、バンプ電極33はピラーを備えなくてもよい。
【0072】
図1に示す半導体装置1では、サイドフィル材4は、基材2と実装部品3との間の隙間において、基材2と、実装部品3の基材2と対向する面の周縁部の一部との間のみを埋めている。これにより、サイドフィル材4は基材2に表面実装された実装部品3を実装部品3の周端部で補強している。
【0073】
半導体装置1の製造方法について、一例をあげて説明する。なお、半導体装置1の製造方法は、以下に説明する方法に限られず、半導体装置1において、上記で説明したサイドフィル用樹脂組成物で、基材2に表面実装された実装部品3における基材2と対向する面の周縁部に一部又は全部に介在するように供給できればよい。
【0074】
まず、導体配線21を備える基材2と、バンプ電極33を備える実装部品3とを用意し、基材2上に実装部品3を配置し、かつ導体配線21上にバンプ電極33を配置する。導体配線21とバンプ電極33とは、例えば加熱することにより電気的に接続すればよい。
【0075】
続いて、サイドフィル用樹脂組成物を、基材2に表面実装された実装部品3における、基材2と対向する面の周縁部にサイドフィル用樹脂組成物を供給してから、供給したサイドフィル用樹脂組成物に光照射をすることで、サイドフィル用樹脂組成物を硬化させる。これにより、基材2と、実装部品3における基材2と対向する周縁部とにサイドフィル材4が作製される。サイドフィル用樹脂組成物の硬化条件は、既に説明したとおりである。
【0076】
上記の順序は、上記のとおりでなくてもよい。製造工程中において、結果的にサイドフィル用樹脂組成物を、基材2と、実装部品3における基材2と対向する面の周縁部の一部または全部に介在するように配置できるのであれば、サイドフィル用樹脂組成物をいかなる時期に、実装部品3及び基材2におけるいかなる位置に配置してもよい。
【0077】
半導体装置1におけるサイドフィル材4が配置される位置の具体的な例を、
図2A~
図2Cを参照して説明する。ただし、半導体装置1におけるサイドフィル材4の位置はこれらに限られない。
【0078】
図2A~
図2Cには、半導体装置1において、平面視で、基材2と、基材2に表面実装された実装部品3における基材2と対向する面の周縁部との間にサイドフィル用樹脂組成物が供給され、硬化されることでサイドフィル材4が作製されている。すなわち、
図2A~
図2Cは、基材2と実装部品3における周縁部とをサイドフィル材4で補強した状態の例(第一例~第三例)を示している。
図2A~Cに示す半導体装置1では、基材2と実装部品3との間、例えば実装部品3の下側中央部を含んだ全体といった、隙間の奥の方にまでサイドフィル用樹脂組成物が供給されていない。本実施形態のサイドフィル用樹脂組成物では、実装部品3における周縁部に供給するだけであっても、半導体装置1における基材2と実装部品3とを補強可能であるためである。特に、サイドフィル用樹脂組成物から作製されるサイドフィル材4では、半導体装置1における実装部品3の周縁部を支持している。そのため、実装部品3に反りが生じにくくできる。
【0079】
図2Aに示す第一例では、実装部品3における、基材2と対向する面の全周縁にサイドフィル用樹脂組成物の硬化物からなるサイドフィル材4が形成されている。この場合、半導体装置1における基材2と実装部品3とを補強する強度を高めることができ、基材2と実装部品3とに反りをより生じにくくできる。また、この場合、アンダーフィル材の場合に比べて、半導体装置1に不良が生じた場合のリペアがしやすい。
【0080】
図2Bに示す第二例では、基材2と、実装部品3における基材2と対向する面の周縁部のうち複数の角部(より具体的には、平面視で略矩形状の実装部品3の四隅を含む箇所)とにサイドフィル用樹脂組成物の硬化物からなるサイドフィル材4が形成されている。この場合、半導体装置1における基材2と実装部品3とを補強する強度を維持することができ、基材2と実装部品3とに反りを生じにくくできる。また、この場合、アンダーフィル材の場合に比べて、半導体装置1に不良が生じた場合のリペアがよりしやすい。
【0081】
図2Cに示す第三例では、実装部品3における、基材2と対向する面の周縁部の角部と、対向する二辺とにサイドフィル用樹脂組成物の硬化物からなるサイドフィル材が形成されている。この場合、半導体装置1における基材2と実装部品3とを補強する強度を維持することができ、基材2と実装部品3とに反りを生じにくくできる。また、この場合、アンダーフィル材の場合に比べて、半導体装置1に不良が生じた場合のリペアがしやすい。
【0082】
本実施形態において、サイドフィル材を除去する方法について説明する。
【0083】
本実施形態のサイドフィル材の除去方法は、半導体装置1におけるサイドフィル材を200℃以上に加熱した状態で、サイドフィル材4を実装部品3の周縁部と基材2との間から除去する。半導体装置1において、不良が生じた箇所を補修するにあたっては、基材2と実装部品3との電気的な接続を除去するために、はんだバンプ32等のはんだ材料を溶融させる必要がある。本実施形態では、はんだ材料の溶融温度(約200℃)以上に加熱されることでサイドフィル材4が除去可能である。このため、本実施形態のサイドフィル材4の除去方法によれば、容易に半導体装置1のリペアを実現できる。
【実施例】
【0084】
以下、本開示の具体的な実施例を提示する。ただし、本開示は実施例のみに制限されない。
【0085】
1.サイドフィル材用樹脂組成物の調製
[実施例1~9及び比較例1~3]
後掲の表1中に示す成分を、表1に示す配合割合(質量部)で、プラネタリ―ミキサーに投入し、撹拌混合し、3本ロールを用いて、均一に分散させ、樹脂組成物を得た。表1に示す、成分の詳細は、以下のとおりである。
(光重合性成分)
・エポキシ樹脂1:DIC株式会社製 品名 エピクロン 840A。
・エポキシ樹脂2:株式会社ダイセル製 品名 セロキサイド2021。
・エポキシ樹脂3:ナガセケムテックス株式会社製 品名EX-192。
・オキセタン樹脂:東亜合成株式会社製 品名 OXT-221。
(重合開始剤)
・光重合開始剤1:サンアプロ株式会社製 品名 CPI-200K。
・光重合開始剤2:富士フイルム和光純薬株式会社製 WPI-170。
(その他(添加剤等))
・光増感剤:富士フイルム和光純薬株式会社製 品名2-Isopropylthioxanthone。
・熱硬化剤1:酸無水物(DIC株式会社製 品名B650)。
・熱硬化剤2:イミダゾール(四国化成工業株式会社製 2MAOK)。
・無機充填材:デンカ株式会社製 品名 QS-6(30μmカット)。
・チクソ性付与剤:日本アエロジル株式会社製 品名 RY200。
・柔軟性付与剤:株式会社クラレ製 品名 LBR-302。
【0086】
2.評価試験
2.1.ガラス転移温度及び損失弾性率(熱時弾性率)
実施例1~9では、上記1.で調製したサイドフィル用樹脂組成物を、LED UV照射器(パナソニックデバイスSUNX株式会社製 型番Aicure UD40)により、照度1000mW/cm2の条件で4秒間光を照射し、硬化させた。得られたサイドフィル用樹脂組成物の硬化物を、幅5mm、長さ50mm、厚さ0.2mmに切り出し、試験片を作製した。比較例1~3では、サイドフィル用樹脂組成物を加熱温度150℃、加熱時間1時間の条件で加熱することにより、硬化させた。得られたサイドフィル用樹脂組成物の硬化物を、幅5mm、長さ50mm、厚さ0.2mmに切り出し、試験片を作製した。
【0087】
粘弾性スペクトルメーター(日立ハイテクサイエンス株式会社製 型番DMA7100)により、作製した各試験片に対し、曲げモードで測定を行い、DMA法により、ガラス転移温度、及び熱時弾性率を算出した。これにより得られた硬化物のガラス転移温度(℃)の結果を表1に示す。
【0088】
2.2.線膨張係数(α1)
実施例1~9では、上記2.1.と同様の光照射条件で光硬化させ、サイドフィル用樹脂組成物の硬化物を得、幅3mm、長さ15mm、厚さ3mmに切り出し、試験片を作製した。また、比較例1では、上記2.1.と同様の加熱条件で熱硬化させ、サイドフィル用樹脂組成物の硬化物を得、幅3mm、長さ15mm、厚さ3mmに切り出し、試験片を作製した。
【0089】
熱分析装置(日立ハイテクサイエンス株式会社製 型番 TMA7100)により、昇温速度5℃/分、測定温度30~260℃で、試験片を加熱し、TMA法により線膨張係数を算出した。これにより得られた硬化物の線膨張係数(ppm/℃)の結果を表1に示す。
【0090】
2.3.リペア性
ソルダーレジスト処理されたガラスエポキシ基板(基材:パナソニック株式会社製 FR4 板厚0.6mm/レジスト:太陽インキ製造株式会社製 PSR4000)上に、上記1.で作製したサイドフィル用樹脂組成物10mgを塗布し、硬化させることで基板上にサイドフィル用樹脂組成物の硬化物を有する試験片を作製した。なお、硬化の条件は、実施例1~9については、上記2.1の光照射の条件と同様であり、また比較例1~3については、上記2.1の加熱条件と同様である。
【0091】
試験片を、ホットプレート上に配置し、基板の表面温度が200℃となるように10分間加熱してから、竹串により、基板から硬化物を剥がし取る操作を行い、硬化物の状態及び基板の状態を目視で確認することにより、以下の基準で評価し、その結果を表1に示す。
A:基板から硬化物が剥離でき、基板上に硬化物の残渣が残っていない。
B:基板から硬化物が剥離できるが、基板上に硬化物の残渣が残っている。
C:基板から硬化物が剥離できず、基板に硬化物が残っている。
【0092】
2.4.温度サイクル(TC)性
デイジーチェーン電極を有するFR-4回路基板(ウォルツ社製 WALTS KIT WLP300P)に、実装用ICチップ(ウォルツ社製 WLP TEG<0.3mm pitch BGA>, 6mm)を実装することによりTEG(Test Element Group)を作製した。TEGにおける、基板と、ICチップの基板と対向する面の周縁部との間に、上記1.で作製したサイドフィル用樹脂組成物を、
図2Bに示す平面視形状となるように、幅0.8mm、高さ0.4mmとなるよう、塗布した。なお、サイドフィル材用樹脂組成物とICチップとの接触する部分の長さは2.5mmとした。塗布したサイドフィル用樹脂組成物を硬化させることで、TEG上にサイドフィル用樹脂組成物の硬化物を備える試験片を作製した。硬化の条件は、実施例1~9については、上記2.1の光照射の条件と同様であり、また比較例1~3については、上記2.1の加熱条件と同様である。
【0093】
作製した試験片に対して、熱衝撃試験機(エスペック株式会社製 型番TSE-12-A)を用いて、気相中において-40℃で30分間、125℃で30分間を1サイクルとする温度変化を与え、合計2000サイクル行った。100サイクルごとに、試験片の抵抗値測定することにより、動作確認を行った。試験開始からの試験片の抵抗値変化が10%以上上昇したものを動作不良と判定し、以下の基準で評価した。その結果を表1に示す。
A:2000サイクル超えても、動作不良が生じない。
B:500サイクル以上2000サイクル以下の間に動作不良が生じる。
C:500サイクル未満の間に動作不良が生じる。
【0094】
2.5.チクソ性試験
上記1で作製したサイドフィル用樹脂組成物を円筒状容器に入れ、B型粘度計(東機産業製 型番 TVB10)を用いて、ローターNo.7、回転数10rpm、測定時間60秒の条件で粘度の値を測定した。1rpmにおける粘度の値を、10rpmにおける粘度の値で割ることでチクソ指数を算出した。
【0095】
2.6.密着強度(シェア強度)試験
ガラスエポキシ基板(基材:パナソニック株式会社製 FR4 板厚0.6mm上に、このガラスエポキシ基板をレジスト(太陽インキ製造株式会社製 PSR4000)で処理することで、ソルダーレジスト層を作製した。これにより、ガラスエポキシ基板をソルダーレジスト層で被覆した基板を作製した。続いて、作製した基板上に、直径3mmの円形の穴を空けた厚さ1mmのシリコン板を設置し、その穴の中に上記1.で作製したサイドフィル用樹脂組成物を充填、硬化させ、シリコン板を外すことでシェア強度測定用試験片を作成した。なお、サイドフィル用樹脂組成物の硬化は、LED UV照射器(パナソニックデバイスSUNX株式会社製 型番Aicure UD40)によって施し、硬化条件は、照射波長が365nm、光の照射強度(光量)が1000mW/cm2、照射時間が4秒間である。
【0096】
作成した試験片に対して、ボンドテスター(Nordson DAGE 4000 Optima)を用いて、ロードセルS200KG、テスト高さ50μm、テストスピード500μm/sの条件でシェア強度の値を測定した。
【0097】
【符号の説明】
【0098】
1 半導体装置
2 基材
3 実装部品
4 サイドフィル材