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特許7591722植物配置支援システム、植物配置支援方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】植物配置支援システム、植物配置支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/04 20230101AFI20241122BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241122BHJP
【FI】
G06Q10/04 300
G06Q50/10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023502268
(86)(22)【出願日】2022-02-09
(86)【国際出願番号】 JP2022005087
(87)【国際公開番号】W WO2022181335
(87)【国際公開日】2022-09-01
【審査請求日】2023-08-02
(31)【優先権主張番号】P 2021029256
(32)【優先日】2021-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白坂 勇也
(72)【発明者】
【氏名】酒井 あゆみ
(72)【発明者】
【氏名】臼倉 徹
(72)【発明者】
【氏名】星原 悠希
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/261977(WO,A1)
【文献】特開2018-147434(JP,A)
【文献】特開2010-172305(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物の配置を支援する植物配置支援システムであって、
空間に配置された前記植物の位置に係る植物位置情報を取得する植物位置情報取得部と、
前記空間における利用者の行動に係る行動情報を取得する行動情報取得部と、
前記行動情報を基に、前記空間での前記利用者の利用状況に関する利用状況情報を取得する利用状況取得部と、
前記植物位置情報と前記利用状況情報とを基に、前記植物の配置に対する前記空間の評価を行う評価部と、
前記評価部の評価結果を通知する通知部と
前記空間のレイアウトに関するレイアウト情報を取得するレイアウト情報取得部と、を備え、
前記評価部は、前記レイアウト情報を基に前記空間を複数の評価領域に分割し、前記複数の評価領域のそれぞれに対して、前記評価を行い、
前記利用状況情報は、前記利用者の前記空間での移動を表す空間内動線、前記利用者の前記空間の利用に関する空間利用関連情報、及び前記利用者の前記空間での視線の位置の分布を表す視線位置分布のうち少なくとも1つを含み、
前記行動情報は、前記利用者の前記空間での位置を表す位置情報を含み、
前記利用状況取得部は、前記位置情報を基に、前記利用者の前記空間内動線を取得し、
前記評価部は、前記空間内動線を用いて、前記複数の評価領域のそれぞれでの前記利用者の通過頻度を取得し、取得した前記通過頻度を基に前記評価を行う、
植物配置支援システム。
【請求項2】
植物の配置を支援する植物配置支援システムであって、
空間に配置された前記植物の位置に係る植物位置情報を取得する植物位置情報取得部と、
前記空間における利用者の行動に係る行動情報を取得する行動情報取得部と、
前記行動情報を基に、前記空間での前記利用者の利用状況に関する利用状況情報を取得する利用状況取得部と、
前記植物位置情報と前記利用状況情報とを基に、前記植物の配置に対する前記空間の評価を行う評価部と、
前記評価部の評価結果を通知する通知部と、
前記空間のレイアウトに関するレイアウト情報を取得するレイアウト情報取得部と、を備え、
前記評価部は、前記レイアウト情報を基に前記空間を複数の評価領域に分割し、前記複数の評価領域のそれぞれに対して、前記評価を行い、
前記利用状況情報は、前記利用者の前記空間での移動を表す空間内動線、前記利用者の前記空間の利用に関する空間利用関連情報、及び前記利用者の前記空間での視線の位置の分布を表す視線位置分布のうち少なくとも1つを含み、
前記行動情報は、前記利用者の前記空間の利用回数を表す利用回数情報及び利用時間を表す利用時間情報のうち少なくとも1つの情報を含み、
前記利用状況取得部は、前記少なくとも1つの情報を基に、前記利用者の前記空間利用関連情報を取得し、
前記評価部は、前記空間利用関連情報を用いて、前記複数の評価領域のそれぞれでの前記利用者の利用回数又は利用回数に基づく情報を取得し、取得した前記複数の評価領域のそれぞれの前記利用回数又は前記利用回数に基づく前記情報を基に前記評価を行う、
植物配置支援システム。
【請求項3】
植物の配置を支援する植物配置支援システムであって、
空間に配置された前記植物の位置に係る植物位置情報を取得する植物位置情報取得部と、
前記空間における利用者の行動に係る行動情報を取得する行動情報取得部と、
前記行動情報を基に、前記空間での前記利用者の利用状況に関する利用状況情報を取得する利用状況取得部と、
前記植物位置情報と前記利用状況情報とを基に、前記植物の配置に対する前記空間の評価を行う評価部と、
前記評価部の評価結果を通知する通知部と、
前記空間のレイアウトに関するレイアウト情報を取得するレイアウト情報取得部と、を備え、
前記評価部は、前記レイアウト情報を基に前記空間を複数の評価領域に分割し、前記複数の評価領域のそれぞれに対して、前記評価を行い、
前記利用状況情報は、前記利用者の前記空間での移動を表す空間内動線、前記利用者の前記空間の利用に関する空間利用関連情報、及び前記利用者の前記空間での視線の位置の分布を表す視線位置分布のうち少なくとも1つを含み、
前記評価部が行った、前記空間内動線を用いた評価、前記空間利用関連情報を用いた評価、及び前記視線位置分布を用いた評価のうち少なくとも2つの評価を合成する合成部を更に備え、
前記評価部は、前記合成部による合成結果を基に、前記複数の評価領域のそれぞれに対して、前記植物の配置に対する評価を更に行い、
前記通知部は、前記合成結果に基づく前記評価を通知する、
植物配置支援システム。
【請求項4】
前記行動情報は、前記利用者の視線の位置を表す視線位置情報を含み、
前記利用状況取得部は、前記視線位置情報を基に、前記利用者の前記視線位置分布を取得し、
前記評価部は、前記視線位置分布を用いて、前記複数の評価領域のそれぞれに対して前記評価を行う、
請求項1~3のいずれか一項に記載の植物配置支援システム。
【請求項5】
前記空間での環境を表す環境情報を取得する環境情報取得部と、
前記植物位置情報と前記環境情報とを基に、前記植物の育成を評価する植物育成評価部と、を更に備え、
前記通知部は、前記植物育成評価部の評価結果を通知する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の植物配置支援システム。
【請求項6】
植物位置情報取得部と行動情報取得部と利用状況取得部と評価部と通知部とレイアウト情報取得部とを備え、植物の配置を支援する植物配置支援システムで用いられる植物配置支援方法であって、
前記植物位置情報取得部が、空間に配置された前記植物の位置に係る植物位置情報を取得する植物位置情報取得ステップと、
前記行動情報取得部が、前記空間における利用者の行動に係る行動情報を取得する行動情報取得ステップと、
前記利用状況取得部が、前記行動情報を基に、前記空間での前記利用者の利用状況に関する利用状況情報を取得する利用状況取得ステップと、
前記評価部が、前記植物位置情報と前記利用状況情報とを基に、前記植物の配置に対する前記空間の評価を行う評価ステップと、
前記通知部が、前記評価ステップでの評価結果を通知する通知ステップと、
前記レイアウト情報取得部が、前記空間のレイアウトに関するレイアウト情報を取得するレイアウト情報取得ステップと、を含み、
前記評価ステップでは、前記レイアウト情報を基に前記空間を複数の評価領域に分割し、前記複数の評価領域のそれぞれに対して、前記評価を行い、
前記利用状況情報は、前記利用者の前記空間での移動を表す空間内動線、前記利用者の前記空間の利用に関する空間利用関連情報、及び前記利用者の前記空間での視線の位置の分布を表す視線位置分布のうち少なくとも1つを含み、
前記行動情報は、前記利用者の前記空間での位置を表す位置情報を含み、
前記利用状況取得ステップでは、前記位置情報を基に、前記利用者の前記空間内動線を取得し、
前記評価ステップでは、前記空間内動線を用いて、前記複数の評価領域のそれぞれでの前記利用者の通過頻度を取得し、取得した前記通過頻度を基に前記評価を行う、
植物配置支援方法。
【請求項7】
植物位置情報取得部と行動情報取得部と利用状況取得部と評価部と通知部とレイアウト情報取得部とを備え、植物の配置を支援する植物配置支援システムで用いられる植物配置支援方法であって、
前記植物位置情報取得部が、空間に配置された前記植物の位置に係る植物位置情報を取得する植物位置情報取得ステップと、
前記行動情報取得部が、前記空間における利用者の行動に係る行動情報を取得する行動情報取得ステップと、
前記利用状況取得部が、前記行動情報を基に、前記空間での前記利用者の利用状況に関する利用状況情報を取得する利用状況取得ステップと、
前記評価部が、前記植物位置情報と前記利用状況情報とを基に、前記植物の配置に対する前記空間の評価を行う評価ステップと、
前記通知部が、前記評価ステップでの評価結果を通知する通知ステップと、
前記レイアウト情報取得部が、前記空間のレイアウトに関するレイアウト情報を取得するレイアウト情報取得ステップと、を含み、
前記評価ステップでは、前記レイアウト情報を基に前記空間を複数の評価領域に分割し、前記複数の評価領域のそれぞれに対して、前記評価を行い、
前記利用状況情報は、前記利用者の前記空間での移動を表す空間内動線、前記利用者の前記空間の利用に関する空間利用関連情報、及び前記利用者の前記空間での視線の位置の分布を表す視線位置分布のうち少なくとも1つを含み、
前記行動情報は、前記利用者の前記空間の利用回数を表す利用回数情報及び利用時間を表す利用時間情報のうち少なくとも1つの情報を含み、
前記利用状況取得ステップでは、前記少なくとも1つの情報を基に、前記利用者の前記空間利用関連情報を取得し、
前記評価ステップでは、前記空間利用関連情報を用いて、前記複数の評価領域のそれぞれでの前記利用者の利用回数又は利用回数に基づく情報を取得し、取得した前記複数の評価領域のそれぞれの前記利用回数又は前記利用回数に基づく前記情報を基に前記評価を行う、
植物配置支援方法。
【請求項8】
コンピュータに、請求項6又は7に記載の植物配置支援方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に植物配置支援システム、植物配置支援方法及びプログラムに関し、より詳細には植物の配置を支援する植物配置支援システム、植物配置支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィスを使用する複数の使用者の緑視率を所望の緑視率となるように植物を配置する植物配置支援システムが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の植物配置支援システムは、各種植物と前記各種植物の緑色部分の大きさ、形状及び面積の情報を数値化して記憶しているデータベースと、オフィス内の植物を配置する場所を入力する手段と、複数の使用者の位置を入力する手段と、所望の緑視率を入力する手段と、前記所望の緑視率と前記複数の使用者の平均緑視率とが一致するように前記データベースに記憶された各種植物を組み合わせて前記入力した配置場所に植物を配置する処理手段と、前記処理手段によって算出された配置場所に配置された植物を出力する手段と、を備える。
【0004】
特許文献1の植物配置支援システムでは、所望の緑視率となるように植物を配置することはできるが、植物の配置が適切である否かを知ることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-147434号公報
【発明の概要】
【0006】
本開示は上記課題に鑑みてなされ、植物の配置が適切である否かを知ることができる植物配置支援システム、植物配置支援方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【0007】
本開示の一態様に係る植物配置支援システムは、植物の配置を支援する。植物配置支援システムは、植物位置情報取得部と、行動情報取得部と、利用状況取得部と、評価部と、通知部と、レイアウト情報取得部と、を備える。前記植物位置情報取得部は、空間に配置された前記植物の位置に係る植物位置情報を取得する。前記行動情報取得部は、前記空間における利用者の行動に係る行動情報を取得する。前記利用状況取得部は、前記行動情報を基に、前記空間での前記利用者の利用状況に関する利用状況情報を取得する。前記評価部は、前記植物位置情報と前記利用状況情報とを基に、前記植物の配置に対する前記空間の評価を行う。前記通知部は、前記評価部の評価結果を通知する。前記レイアウト情報取得部は、前記空間のレイアウトに関するレイアウト情報を取得する。前記評価部は、前記レイアウト情報を基に前記空間を複数の評価領域に分割し、前記複数の評価領域のそれぞれに対して、前記評価を行う。前記利用状況情報は、前記利用者の前記空間での移動を表す空間内動線、前記利用者の前記空間の利用に関する空間利用関連情報、及び前記利用者の前記空間での視線の位置の分布を表す視線位置分布のうち少なくとも1つを含む。前記行動情報は、前記利用者の前記空間での位置を表す位置情報を含む。前記利用状況取得部は、前記位置情報を基に、前記利用者の前記空間内動線を取得する。前記評価部は、前記空間内動線を用いて、前記複数の評価領域のそれぞれでの前記利用者の通過頻度を取得し、取得した前記通過頻度を基に前記評価を行う。
本開示の一態様に係る植物配置支援システムは、植物の配置を支援する。植物配置支援システムは、植物位置情報取得部と、行動情報取得部と、利用状況取得部と、評価部と、通知部と、レイアウト情報取得部と、を備える。前記植物位置情報取得部は、空間に配置された前記植物の位置に係る植物位置情報を取得する。前記行動情報取得部は、前記空間における利用者の行動に係る行動情報を取得する。前記利用状況取得部は、前記行動情報を基に、前記空間での前記利用者の利用状況に関する利用状況情報を取得する。前記評価部は、前記植物位置情報と前記利用状況情報とを基に、前記植物の配置に対する前記空間の評価を行う。前記通知部は、前記評価部の評価結果を通知する。前記レイアウト情報取得部は、前記空間のレイアウトに関するレイアウト情報を取得する。前記評価部は、前記レイアウト情報を基に前記空間を複数の評価領域に分割し、前記複数の評価領域のそれぞれに対して、前記評価を行う。前記利用状況情報は、前記利用者の前記空間での移動を表す空間内動線、前記利用者の前記空間の利用に関する空間利用関連情報、及び前記利用者の前記空間での視線の位置の分布を表す視線位置分布のうち少なくとも1つを含む。前記行動情報は、前記利用者の前記空間の利用回数を表す利用回数情報及び利用時間を表す利用時間情報のうち少なくとも1つの情報を含む。前記利用状況取得部は、前記少なくとも1つの情報を基に、前記利用者の前記空間利用関連情報を取得する。前記評価部は、前記空間利用関連情報を用いて、前記複数の評価領域のそれぞれでの前記利用者の利用回数又は利用回数に基づく情報を取得し、取得した前記複数の評価領域のそれぞれの前記利用回数又は前記利用回数に基づく前記情報を基に前記評価を行う。
本開示の一態様に係る植物配置支援システムは、植物の配置を支援する。植物配置支援システムは、植物位置情報取得部と、行動情報取得部と、利用状況取得部と、評価部と、通知部と、レイアウト情報取得部と、合成部と、を備える。前記植物位置情報取得部は、空間に配置された前記植物の位置に係る植物位置情報を取得する。前記行動情報取得部は、前記空間における利用者の行動に係る行動情報を取得する。前記利用状況取得部は、前記行動情報を基に、前記空間での前記利用者の利用状況に関する利用状況情報を取得する。前記評価部は、前記植物位置情報と前記利用状況情報とを基に、前記植物の配置に対する前記空間の評価を行う。前記通知部は、前記評価部の評価結果を通知する。前記レイアウト情報取得部は、前記空間のレイアウトに関するレイアウト情報を取得する。前記評価部は、前記レイアウト情報を基に前記空間を複数の評価領域に分割し、前記複数の評価領域のそれぞれに対して、前記評価を行う。前記利用状況情報は、前記利用者の前記空間での移動を表す空間内動線、前記利用者の前記空間の利用に関する空間利用関連情報、及び前記利用者の前記空間での視線の位置の分布を表す視線位置分布のうち少なくとも1つを含む。前記合成部は、前記評価部が行った、前記空間内動線を用いた評価、前記空間利用関連情報を用いた評価、及び前記視線位置分布を用いた評価のうち少なくとも2つの評価を合成する。前記評価部は、前記合成部による合成結果を基に、前記複数の評価領域のそれぞれに対して、前記植物の配置に対する評価を更に行う。前記通知部は、前記合成結果に基づく前記評価を通知する。
【0008】
本開示の一態様に係る植物配置支援方法は、植物位置情報取得部と行動情報取得部と利用状況取得部と評価部と通知部とレイアウト情報取得部とを備え、植物の配置を支援する植物配置支援システムで用いられる。前記植物配置支援方法は、植物位置情報取得ステップと、行動情報取得ステップと、利用状況取得ステップと、評価ステップと、通知ステップと、レイアウト情報取得ステップと、を含む。前記植物位置情報取得ステップでは、前記植物位置情報取得部が、空間に配置された前記植物の位置に係る植物位置情報を取得する。前記行動情報取得ステップでは、前記行動情報取得部が、前記空間における利用者の行動に係る行動情報を取得する。前記利用状況取得ステップでは、前記利用状況取得部が、前記行動情報を基に、前記空間での前記利用者の利用状況に関する利用状況情報を取得する。前記評価ステップでは、前記評価部が、前記植物位置情報と前記利用状況情報とを基に、前記植物の配置に対する前記空間の評価を行う。前記通知ステップでは、前記通知部が、前記評価ステップでの評価結果を通知する。前記レイアウト情報取得ステップでは、前記レイアウト情報取得部が、前記空間のレイアウトに関するレイアウト情報を取得する。前記評価ステップでは、前記レイアウト情報を基に前記空間を複数の評価領域に分割し、前記複数の評価領域のそれぞれに対して、前記評価を行う。前記利用状況情報は、前記利用者の前記空間での移動を表す空間内動線、前記利用者の前記空間の利用に関する空間利用関連情報、及び前記利用者の前記空間での視線の位置の分布を表す視線位置分布のうち少なくとも1つを含む。前記行動情報は、前記利用者の前記空間での位置を表す位置情報を含む。前記利用状況取得ステップでは、前記位置情報を基に、前記利用者の前記空間内動線を取得する。前記評価ステップでは、前記空間内動線を用いて、前記複数の評価領域のそれぞれでの前記利用者の通過頻度を取得し、取得した前記通過頻度を基に前記評価を行う。
本開示の一態様に係る植物配置支援方法は、植物位置情報取得部と行動情報取得部と利用状況取得部と評価部と通知部とレイアウト情報取得部とを備え、植物の配置を支援する植物配置支援システムで用いられる。前記植物配置支援方法は、植物位置情報取得ステップと、行動情報取得ステップと、利用状況取得ステップと、評価ステップと、通知ステップと、レイアウト情報取得ステップと、を含む。前記植物位置情報取得ステップでは、前記植物位置情報取得部が、空間に配置された前記植物の位置に係る植物位置情報を取得する。前記行動情報取得ステップでは、前記行動情報取得部が、前記空間における利用者の行動に係る行動情報を取得する。前記利用状況取得ステップでは、前記利用状況取得部が、前記行動情報を基に、前記空間での前記利用者の利用状況に関する利用状況情報を取得する。前記評価ステップでは、前記評価部が、前記植物位置情報と前記利用状況情報とを基に、前記植物の配置に対する前記空間の評価を行う。前記通知ステップでは、前記通知部が、前記評価ステップでの評価結果を通知する。前記レイアウト情報取得ステップでは、前記レイアウト情報取得部が、前記空間のレイアウトに関するレイアウト情報を取得する。前記評価ステップでは、前記レイアウト情報を基に前記空間を複数の評価領域に分割し、前記複数の評価領域のそれぞれに対して、前記評価を行う。前記利用状況情報は、前記利用者の前記空間での移動を表す空間内動線、前記利用者の前記空間の利用に関する空間利用関連情報、及び前記利用者の前記空間での視線の位置の分布を表す視線位置分布のうち少なくとも1つを含む。前記行動情報は、前記利用者の前記空間の利用回数を表す利用回数情報及び利用時間を表す利用時間情報のうち少なくとも1つの情報を含む。前記利用状況取得ステップでは、前記少なくとも1つの情報を基に、前記利用者の前記空間利用関連情報を取得する。前記評価ステップでは、前記空間利用関連情報を用いて、前記複数の評価領域のそれぞれでの前記利用者の利用回数又は利用回数に基づく情報を取得し、取得した前記複数の評価領域のそれぞれの前記利用回数又は前記利用回数に基づく前記情報を基に前記評価を行う。
【0009】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、前記植物配置支援方法を実行させるためのプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一実施形態に係る植物配置支援システムとしての植物配置支援装置の構成を示すブロック図である。
図2図2Aは、同上の植物配置支援装置が取得する空間内動線を表す図である。図2Bは、同上の植物配置支援装置が空間内動線を用いた植物の配置に対する評価結果を表す図である。
図3図3Aは、同上の植物配置支援装置が取得する利用者の利用回数を表す図である。図3Bは、同上の植物配置支援装置が利用回数を用いた植物の配置に対する評価結果を表す図である。
図4図4Aは、同上の植物配置支援装置が取得する視点位置分布を表す図である。図4Bは、同上の植物配置支援装置が視線位置分布を用いた植物の配置に対する評価結果を表す図である。
図5図5Aは、同上の植物配置支援装置の各評価結果としての第1レイア、第2レイア及び第3レイアを表す図である。図5Bは、同上の植物配置支援装置が各評価結果を合成した場合の評価結果を表す図である。
図6図6は、同上の植物配置支援装置が取得した環境情報を用いた植物の配置に対する育成評価結果を表す図である。
図7図7は、同上の植物配置支援装置の動作を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。以下の実施形態及び変形例以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0012】
(実施形態)
以下、本実施形態に係る植物配置支援システム1及び植物支援方法について、図1図7を用いて説明する。
【0013】
(1)概要
本実施形態の植物配置支援システム1としての植物配置支援装置10は、植物の配置を支援し、植物40の配置に対する空間E1の評価を行う。すなわち、植物配置支援装置10は、施設内の空間(一室)E1に配置された観賞用植物40の配置に対する評価を行う。本実施形態では、空間E1(図2A等参照)に配置された観賞用植物40の配置に対する評価(以下、配置評価という)を行う。以下、観賞用植物40を、植物40と記載する場合もある。
【0014】
本開示でいう「施設」は、オフィス、店舗、事業所、工場、ビル、学校、福祉施設又は病院等の非住宅施設、及び戸建住宅、集合住宅、又は集合住宅の各住戸等の住宅施設を含む。非住宅施設には、劇場、映画館、公会堂、遊技場、複合施設、飲食店、百貨店、ホテル、旅館、幼稚園、図書館、博物館、美術館、地下街、駅及び空港等も含む。さらには、本開示でいう「施設」には、球場、庭、駐車場、グランド及び公園等の屋外施設を含む。
【0015】
植物配置支援システム1としての植物配置支援装置10は、空間E1に配置された植物40(観賞用植物40)の位置に係る植物位置情報を取得する。植物配置支援装置10は、空間E1における利用者の行動に係る行動情報を取得する。植物配置支援装置10は、空間E1のレイアウトに関するレイアウト情報を取得する。植物配置支援装置10は、行動情報を基に、空間E1での利用者の利用状況に関する利用状況情報を取得する。植物配置支援装置10は、植物位置情報と利用状況情報とレイアウト情報とを基に、配置評価を行う。植物配置支援装置10は、評価結果(以下、配置評価結果という)を通知する。ここで、レイアウト情報は、空間E1での机、椅子等の配置に係る情報を含む。
【0016】
行動情報は、位置情報、利用回数情報、利用時間情報及び視線位置情報のうち少なくとも1つの情報を含む。位置情報は、利用者の空間E1での位置を表す情報である。利用回数情報は、利用者の空間E1の利用回数を表す情報である。利用時間情報は、利用者の空間E1での利用時間を表す情報である。視線位置情報は、利用者の空間E1での視線の位置を表す情報である。
【0017】
利用状況情報は、利用者の空間E1での移動を表す空間内動線、利用者の空間E1の利用に関する空間利用関連情報、及び利用者の空間E1での視線の位置の分布を表す視線位置分布のうち少なくとも1つを含む。植物配置支援装置10は、位置情報を基に、利用者の空間内動線を取得する。植物配置支援装置10は、利用回数情報及び利用時間情報のうち少なくとも1つの情報を基に、利用者の空間利用関連情報を取得する。植物配置支援装置10は、視線位置情報を基に、利用者の視線位置分布を取得する。
【0018】
植物配置支援装置10は、空間内動線、空間利用関連情報及び視線位置分布のうち少なくとも1つを利用状況情報として用いて、配置評価を行う。
【0019】
さらに、植物配置支援装置10は、空間E1での環境を表す環境情報を取得する。植物配置支援装置10は、植物位置情報と環境情報とを基に、植物の育成の評価(以下、育成評価という)を行う。植物配置支援装置10は、植物育成の評価結果(以下、育成評価結果という)を通知する。
【0020】
(2)構成
本実施形態の植物配置支援装置10は、図1に示すように、通信部11、記憶部12、表示部13及び制御部14を備える。
【0021】
植物配置支援装置10は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部14として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0022】
通信部11は、空間E1に設けられた複数(図示例では、3つ)のカメラ20及びセンサ30と通信を行うための通信インタフェースを含む。すなわち、通信部11は、複数のカメラ20及びセンサ30と通信可能に構成されている。本実施形態では、通信部11は、複数のカメラ20及びセンサ30と無線通信が可能に構成されている。なお、通信部11と複数のカメラ20及びセンサ30との通信は、無線通信に限らず、有線通信であってもよい。ここで、複数のカメラ20は、定点カメラであり、空間E1内の動画像を撮像する。複数のカメラ20は、空間E1に含まれる第1空間E11、第2空間E12及び第3空間E13にそれぞれ配置されている。センサ30は、空間E1の環境を検出するセンサであり、例えば温度センサである。センサ30は、空間E1内での温度分布を検出する。
【0023】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等から選択されるデバイスで構成される。記憶部12は、植物40の配置に対する評価に用いられる情報を記憶する。例えば、記憶部12は、複数のカメラ20のそれぞれで撮像された動画像を記憶する。
【0024】
表示部13は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(electroluminescence)ディスプレイのような薄型のディスプレイ装置である。表示部13は、植物40の配置に対する評価結果(配置評価結果)、及び植物育成の評価結果(育成評価結果)を、表示する。
【0025】
制御部14は、図1に示すように、植物位置情報取得部101、行動情報取得部102、レイアウト情報取得部103、環境情報取得部104、利用状況取得部105、評価部106、合成部107、植物育成評価部108及び通知部109を有している。
【0026】
植物位置情報取得部101は、空間E1に配置された植物40(観賞用植物40)の位置に係る植物位置情報を取得する。例えば、植物位置情報取得部101は、植物配置支援装置10の操作者からの入力により、植物位置情報を取得する。
【0027】
行動情報取得部102は、空間E1における利用者の行動に係る行動情報を取得する。行動情報取得部102は、位置情報、利用回数情報、利用時間情報及び視線位置分布のうち少なくとも1つの情報を取得する。本実施形態では、行動情報取得部102は、複数のカメラ20のそれぞれが撮像した画像を基に、位置情報、利用回数情報、利用時間情報及び視線位置情報を取得する。行動情報取得部102は、複数のカメラ20のそれぞれが撮像した画像を基に、所定期間における利用者の位置変化を表す情報を位置情報として取得する。行動情報取得部102は、複数のカメラ20のそれぞれが撮像した画像を基に、所定期間において利用者が空間E1を利用する回数を利用回数情報として取得する。行動情報取得部102は、複数のカメラ20のそれぞれが撮像した画像を基に、所定期間において利用者が空間E1を利用する時間を利用時間情報として取得する。行動情報取得部102は、複数のカメラ20のそれぞれが撮像した画像を基に、所定期間における利用者の空間E1での視点位置分布を取得する。
【0028】
レイアウト情報取得部103は、空間E1のレイアウトに関するレイアウト情報を取得する。例えば、レイアウト情報取得部103は、植物配置支援装置10の操作者からの入力により、レイアウト情報を取得する。
【0029】
環境情報取得部104は、空間E1での環境を表す環境情報を取得する。例えば、環境情報取得部104は、センサ30からセンサ30の計測結果(空間E1での温度分布)を環境情報として取得する。
【0030】
利用状況取得部105は、空間E1での利用者の利用状況に関する利用状況情報を取得する。
【0031】
利用状況取得部105は、行動情報取得部102が取得した位置情報を基に、空間E1内での利用者の空間内動線L1(図2A参照)を利用状況情報として取得する。利用状況取得部105は、複数の利用者が存在する場合には、利用者ごとに、空間E1内での利用者の空間内動線L1を取得する。
【0032】
利用状況取得部105は、行動情報取得部102が取得した利用回数情報及び利用時間情報のうち少なくとも1つの情報を基に、空間E1での利用者の空間利用関連情報を利用状況情報として取得する。例えば、利用状況取得部105は、利用回数情報を基に、空間E1での利用者の空間利用関連情報として、所定期間(例えば、1か月)における座席及び会議室のそれぞれの利用回数(図3A参照)を取得する。
【0033】
利用状況取得部105は、行動情報取得部102が取得した視線位置情報を基に、利用者の視線位置分布(図4A参照)を利用状況情報として取得する。図4Aの下方に示すバーグラフは、利用者の視線が向く頻度を表し、バーグラフの左から右に向かうにつれて頻度が低くなっている。図4Aの上方は、バーグラフに基づいて空間E1における利用者の視線が向く位置の頻度を表す。
【0034】
評価部106は、植物位置情報と利用状況情報とレイアウト情報とを基に、配置評価を行う。評価部106は、レイアウト情報を基に空間E1を複数の評価領域E30(例えば、40個の矩形領域)に分割し、複数の評価領域E30のそれぞれに対して、配置評価を行う。または、評価部106は、レイアウト情報を基に空間E1を複数の評価領域E31(例えば、机、会議室)に分割し、複数の評価領域E30のそれぞれに対して、配置評価を行う。すなわち、評価部106は、レイアウト情報を基に空間E1に配置された机、及び会議室ごとに、配置評価を行う。複数の評価領域E30のそれぞれに対する配置評価は、空間E1を等分した領域それぞれに対する評価である。複数の評価領域E30のそれぞれに対する配置評価は、空間E1を機能(役割)に基づいて分割した領域それぞれに対する評価である。
【0035】
評価部106は、1又は複数の利用者の空間内動線L1を基に、配置評価を行う。具体的には、評価部106は、空間内動線L1を用いて、複数の評価領域E30のそれぞれでの利用者の通過頻度を取得し、取得した通過頻度を基に配置評価(以下、第1配置評価という)を行う。評価部106は、複数の評価領域E30のそれぞれに対して、利用者の通過頻度に応じて0~100のうちいずれかの数値(整数)を割り当てる。より詳細には、評価部106は、複数の評価領域E30のうち通過頻度が最も高い評価領域E30に対して数値“100”を割り当てる。評価部106は、他の通過頻度の評価領域E30に対して、以下の数式“数値=100・a2/a1”で定まる数値を割り当てる。ここで、a1は、数値100が割り当てられた評価領域E30での通過頻度である。a2は、他の通過頻度である。すなわち、評価部106は、通過頻度が最も高い評価領域E30の値で、他の通過頻度の評価領域E30の値を規格化する。
【0036】
評価部106は、空間利用関連情報を基に、配置評価を行う。具体的には、評価部106は、空間利用関連情報を用いて、複数の評価領域E31、すなわち複数の机及び会議室のそれぞれでの利用者の利用回数を取得し、取得した利用回数を基に配置評価(以下、第2配置評価という)を行う。図3Aの評価領域E31内に記載している数値は、所定期間(例えば、1か月)における評価領域E31(座席及び会議室)のそれぞれの利用回数を表す。評価部106は、複数の評価領域E31のそれぞれに対して、利用者の利用回数に応じて0~100のうちいずれかの数値(整数)を割り当てる。より詳細には、評価部106は、複数の評価領域E31のうち利用回数が最も高い評価領域E31に対して数値“100”を割り当てる。評価部106は、他の利用回数の評価領域E31に対して、以下の数式“数値=100・b2/b1”で定まる数値を割り当てる。ここで、b1は、数値100が割り当てられた評価領域E31での利用回数である。b2は、他の利用回数である。すなわち、評価部106は、利用回数が最も高い評価領域E30の値で、他の利用回数の評価領域E30の値を規格化する。
【0037】
評価部106は、視線位置分布を基に、配置評価を行う。具体的には、評価部106は、視線位置分布を用いて、複数の評価領域E30のそれぞれでの利用者の視線位置分布を取得し、取得した視線位置分布を基に配置評価(以下、第3配置評価という)を行う。評価部106は、複数の評価領域E30のそれぞれに対して、利用者の視線位置分布に応じて0~100のうちいずれかの数値(整数)を割り当てる。より詳細には、評価部106は、複数の評価領域E30のうち視線位置分布が最も高い評価領域E30に対して数値“100”を割り当てる。評価部106は、他の視線位置分布の評価領域E30に対して、以下の数式“数値=100・c2/c1”で定まる数値を割り当てる。ここで、c1は、数値100が割り当てられた評価領域E30での視線位置分布の値である。c2は、他の視線位置分布の値である。すなわち、評価部106は、視線一分布の値が最も高い評価領域E30の値で、他の視線位置分布の値の評価領域E30の値を規格化する。
【0038】
さらに、評価部106は、第1配置評価、第2配置評価及び第3配置評価のうち少なくとも2つの配置評価を用いて、植物40の配置に対する評価(総合評価)を行う。ここでは、評価部106は、第1配置評価、第2配置評価及び第3配置評価を用いて、総合評価を行う。評価部106は、合成部107で複数の評価領域E30に対して得られた合成値(合成結果)を基に、総合評価を行う。評価部106は、複数の評価領域E30のそれぞれに対して、その評価領域E30の合成値に応じて0~100のうちいずれかの数値(整数)を割り当てる。より詳細には、評価部106は、複数の評価領域E30のうち合成値が最も高い評価領域E30に対して数値“100”を割り当てる。評価部106は、他の合成値の評価領域E30に対して、以下の数式“数値=100・d2/d1”で定まる数値を割り当てる。ここで、d1は、数値100が割り当てられた評価領域E30での合成値である。d2は、他の合成値である。すなわち、評価部106は、合成値が最も高い評価領域E30の値で、他の合成値の評価領域E30の値を規格化する。
【0039】
合成部107は、評価部106が行った、空間内動線L1を用いた評価、空間利用関連情報を用いた評価、及び視線位置分布を用いた評価のうち少なくとも2つの評価を合成する。ここでは、合成部107は、空間内動線L1を用いた評価(第1配置評価)、空間利用関連情報を用いた評価(第2配置評価)、及び視線位置分布を用いた評価(第3配置評価)を合成する。
【0040】
合成部107は、図5Aに示す第1レイアE21,第2レイアE22及び第3レイアE23を、レイアウト情報で表される空間E1のレイアウトE2に、重ね合わせて、評価領域E30ごとに合成値を取得する。第1レイアE21は、第1配置評価で得られた複数の評価領域E30のそれぞれの数値の分布を表す。第2レイアE22は、第2配置評価で得られた複数の評価領域E31のそれぞれの数値の分布を表す。第3レイアE23は、第3配置評価で得られた複数の評価領域E30のそれぞれの数値の分布を表す。本実施形態では、第1配置評価、第2配置評価及び第3配置評価に一対一に重み係数が対応付けられている。ここで、重み係数は、0以上かつ1以下の数である。
【0041】
合成部107は、複数の評価領域E30のそれぞれに対して、第1配置評価で割り当てられた数値に、第1配置評価に対応する重み係数を乗算し、第1値を算出する。合成部107は、複数の評価領域E31のそれぞれに対して、第2配置評価で割り当てられた数値に、第2配置評価に対応する重み係数を乗算し、第2値を算出する。合成部107は、複数の評価領域E30のそれぞれに対して、第3配置評価で割り当てられた数値に、第3配置評価に対応する重み係数を乗算し、第3値を算出する。合成部107は、複数の評価領域E30のそれぞれに対して、当該評価領域E30の第1値、第2値及び第3値の合計値を合成値として取得(算出)する。
【0042】
なお、第2レイアE22を他のレイアに重ね合わせる場合、評価領域E31が2つ以上の評価領域E30と重なるときには、合成部107は、評価領域E31に対する第2値を、当該2つ以上の評価領域E30のそれぞれの第1値(第3値、又は双方の値)に加算する。
【0043】
上述したように、本実施形態では、評価部106は、第2配置評価において複数の評価領域E31のそれぞれに対して評価を行っているが、評価領域E31に重複する2つ以上の評価領域E30のそれぞれに、重複する評価領域E31の数値を加算している。すなわち、第2配置評価において、複数の評価領域E31のそれぞれに数値を割り当てることは、空間E1を複数の評価領域E30に分割し、座席又は会議室と重複する2つ以上の評価領域E30に、重複する座席又は会議室の利用回数を割り当てることと同じである。そのため、本実施形態では、評価部106は、第2配置評価において複数の評価領域E31のそれぞれに対して評価を行っているが、第2配置評価において複数の評価領域E30のそれぞれに対して評価を行うことに置き換えても問題ない。
【0044】
植物育成評価部108は、植物位置情報と環境情報とを基に、植物の育成の評価を行う。植物育成評価部108は、環境情報が表す温度分布を基に、植物位置情報が表す植物40の位置での育成評価を行う。植物育成評価部108は、複数の評価領域E30のうち植物の育成に最適な温度の評価領域E30に対して数値“100”を割り当てる。植物育成評価部108は、複数の評価領域E30のうち植物の育成に不適切な温度の評価領域E30に対して数値“0”を割り当てる。植物育成評価部108は、他の温度の評価領域E30に対して、0より大きく、かつ100より小さい数値を割り当てる。
【0045】
通知部109は、植物40の配置による利用者に与える効果の評価を通知する。具体的には、通知部109は、植物40の配置に対する評価結果(配置評価結果)、及び植物育成の評価結果(育成評価結果)を、表示部13に表示させる。
【0046】
例えば、通知部109は、植物40が利用者に与える効果として植物40の配置に対する配置評価結果を、表示部13に表示させる。具体的には、通知部109は、複数の評価領域E30のそれぞれに対して割り当てた数値に関する情報を通知する。より詳細には、通知部109は、0~100の数値を所定の範囲に分割し、範囲毎に対応付けられた色で評価領域E30を表示部13に表示させる。ここでは、0~100を0~20(第1区間)、20~40(第2区間)、40~60(第3区間)、60~80(第4区間)及び80~100(第5区間)に分割する。第1区間~第5区間には、表示色が一対一に対応付けられている。通知部109は、複数の評価領域E30のそれぞれについて、当該評価領域E30に割り当てられた数値が属する区間の表示色で表示部13に表示させる。
【0047】
通知部109は、第1配置評価での評価結果を表示する場合には、複数の評価領域E30のそれぞれについて、第1配置評価で割り当てられた数値が属する区間の表示色で表示部13に表示させる(図2B参照)。
【0048】
通知部109は、第2配置評価での評価結果を表示する場合には、複数の評価領域E31のそれぞれについて、第2配置評価で割り当てられた数値が属する区間の表示色で表示部13に表示させる(図3B参照)。
【0049】
通知部109は、第3配置評価での評価結果を表示する場合には、複数の評価領域E30のそれぞれについて、第3配置評価で割り当てられた数値が属する区間の表示色で表示部13に表示させる(図4B参照)。
【0050】
通知部109は、総合評価での評価結果を表示する場合には、複数の評価領域E30のそれぞれについて、総合評価で割り当てられた数値が属する区間の表示色で表示部13に表示させる(図5B参照)。
【0051】
さらに、通知部109は、植物育成の評価結果を通知する。通知部109は、配置評価結果を表示部13に表示させる場合と同様に、0~100の数値を所定の範囲に分割し、範囲毎に対応付けられた色で評価領域E30を表示部13に表示させる。通知部109は、植物育成評価部108の評価結果を表示する場合には、複数の評価領域E30のそれぞれについて、第1配置評価で割り当てられた数値が属する区間の表示色で表示部13に表示させる(図6参照)。
【0052】
(3)動作
ここでは、植物配置支援装置10の動作について、図7を用いて説明する。
【0053】
植物配置支援装置10の植物位置情報取得部101は、空間E1に配置された植物40(観賞用植物40)の植物位置情報を取得する(ステップS1)。例えば、植物位置情報取得部101は、植物配置支援装置10の操作者からの入力により、植物位置情報を取得する。
【0054】
行動情報取得部102は、空間E1における利用者の行動に係る行動情報を取得する(ステップS2)。具体的には、行動情報取得部102は、位置情報、利用回数情報、利用時間情報及び視線位置分布のそれぞれを行動情報として取得する。より詳細には、行動情報取得部102は、複数のカメラ20のそれぞれが撮像した画像を基に、所定期間における利用者の位置変化を表す情報を位置情報として取得する。行動情報取得部102は、複数のカメラ20のそれぞれが撮像した画像を基に、所定期間において利用者が空間E1を利用する回数を利用回数情報として取得する。行動情報取得部102は、複数のカメラ20のそれぞれが撮像した画像を基に、所定期間において利用者が空間E1を利用する時間を利用時間情報として取得する。行動情報取得部102は、複数のカメラ20のそれぞれが撮像した画像を基に、所定期間における利用者の空間E1での視点位置分布を取得する。
【0055】
レイアウト情報取得部103は、空間E1のレイアウトに関するレイアウト情報を取得する(ステップS3)。例えば、レイアウト情報取得部103は、植物配置支援装置10の操作者からの入力により、レイアウト情報を取得する。
【0056】
環境情報取得部104は、空間E1での環境を表す環境情報を取得する(ステップS4)。例えば、環境情報取得部104は、センサ30からセンサ30の計測結果を環境情報として取得する。
【0057】
利用状況取得部105は、空間E1での利用者の利用状況に関する利用状況情報を取得する(ステップS5)。利用状況取得部105は、行動情報取得部102が取得した位置情報を基に、空間E1内での利用者の空間内動線L1を取得する。なお、利用状況取得部105は、複数の利用者が存在する場合には、利用者ごとに、空間E1内での利用者の空間内動線L1を取得する。利用状況取得部105は、行動情報取得部102が取得した利用回数情報及び利用時間情報のうち少なくとも1つの情報を基に、空間E1での利用者の空間利用関連情報を取得する。例えば、利用状況取得部105は、利用回数情報を基に、空間E1での利用者の空間利用関連情報として、所定期間(例えば、1か月)における座席及び会議室のそれぞれの利用回数を取得する。利用状況取得部105は、行動情報取得部102が取得した視線位置情報を基に、利用者の視線位置分布を取得する。
【0058】
評価部106は、第1評価処理を行う(ステップS6)。具体的には、評価部106は、第1評価処理において、第1配置評価、第2配置評価及び第3配置評価を行う。
【0059】
合成部107は、合成処理を行う(ステップS7)。具体的には、合成部107は、合成処理において、第1配置評価における評価結果、第2配置評価における評価結果及び第3配置評価における評価結果を合成する。より詳細には、合成部107は、合成処理において、複数の評価領域E30のそれぞれに対して、第1配置評価で割り当てられた数値に、第1配置評価に対応する重み係数を乗算し、第1値を算出する。合成部107は、合成処理において、複数の評価領域E31のそれぞれに対して、第2配置評価で割り当てられた数値に、第2配置評価に対応する重み係数を乗算し、第2値を算出する。合成部107は、合成処理において、複数の評価領域E30のそれぞれに対して、第3配置評価で割り当てられた数値に、第3配置評価に対応する重み係数を乗算し、第3値を算出する。合成部107は、複数の評価領域E30のそれぞれに対して、当該評価領域E30の第1値、第2及び第3値の合計値を合成値として取得(算出)する。
【0060】
評価部106は、第2評価処理を行う(ステップS8)。具体的には、評価部106は、第2評価処理において、第1配置評価、第2配置評価及び第3配置評価のうち少なくとも2つの配置評価を用いて、植物40の配置に対する評価(総合評価)を行う。ここでは、評価部106は、第2評価処理において、第1配置評価、第2配置評価及び第3配置評価を用いて、総合評価を行う。より詳細には、評価部106は、第2評価処理において、評価部106は、合成部107で複数の評価領域E30に対して得られた合成値(合成結果)を基に、総合評価を行う。
【0061】
植物育成評価部108は、植物育成評価処理を行う(ステップS9)。具体的には、植物育成評価部108は、環境情報が表す温度分布を基に、植物位置情報が表す植物40の位置での育成評価を行う。
【0062】
通知部109は、通知処理を行う(ステップS10)。具体的には、通知部109は、通知処理において、植物40が利用者に与える効果として植物40の配置に対する配置評価結果を、表示部13に表示させる。より詳細には、通知部109は、第1配置評価、第2配置評価、第3配置評価及び総合評価のうち少なくとも1つの評価の結果を表示部13に表示させる。さらに、通知部109は、通知処理において、植物育成の評価結果を表示部13に表示させる。
【0063】
(4)利点
以上説明したように、本実施形態に係る植物配置支援システム1は、植物40の配置を支援する。植物配置支援システム1は、植物位置情報取得部101と、行動情報取得部102と、利用状況取得部105と、評価部106と、通知部109と、を備える。植物位置情報取得部101は、空間E1に配置された植物40の位置に係る植物位置情報を取得する。行動情報取得部102は、空間E1における利用者の行動に係る行動情報を取得する。利用状況取得部105は、行動情報を基に、空間E1での利用者の利用状況に関する利用状況情報を取得する。評価部106は、植物位置情報と利用状況情報とを基に、植物40の配置に対する空間E1の評価を行う。通知部109は、評価部106の評価結果を通知する。
【0064】
この構成によると、利用者の行動情報に基づく空間E1での利用者の利用状況を用いて、植物の配置に対する評価を行っている。すなわち、植物40を配置したことによる利用者の空間E1の利用状況に基に植物40の配置に対する空間E1の評価を行う。これにより、植物40の配置が適切であるか否かの評価結果を知ることができる。
【0065】
(5)変形例
以下に、変形例について列記する。なお、以下に説明する変形例は、上記実施形態と適宜組み合わせて適用可能である。
【0066】
(5.1)変形例1
行動情報取得部102は、位置情報を取得するために、カメラ20で撮像された動画像を用いる構成としているが、この構成に限定されない。
【0067】
行動情報取得部102は、位置情報を取得する際に、施設内での利用者の位置を測位する屋内位置測位システムを用いてもよい。屋内位置測位システムは、例えば、LPS(Local Positioning System)である。
【0068】
また、行動情報取得部102は、カメラ20及び屋内位置測位システムの双方を用いて位置情報を取得してもよい。すなわち、行動情報取得部102は、カメラ20及び屋内位置測位システムのうち少なくとも1つを用いて位置情報を取得してもよい。
【0069】
(5.2)変形例2
行動情報取得部102は、利用回数情報及び利用時間情報を取得するために、カメラ20で撮像された動画像を用いる構成としているが、この構成に限定されない。
【0070】
行動情報取得部102は、利用回数情報及び利用時間情報を取得する際に、人感センサ、在席センサ又は会議室予約の情報を用いてもよい。人感センサ及び在席センサは、座席ごとに設けられる。
【0071】
また、行動情報取得部102は、カメラ20、人感センサ、在席センサ及び会議室予約の情報のうち2つ以上を組み合わせて、利用回数情報及び利用時間情報取得してもよい。すなわち、行動情報取得部102は、カメラ20、人感センサ、在席センサ及び会議室予約の情報のうち少なくとも1つを用いて、利用回数情報及び利用時間情報取得してもよい。
【0072】
(5.3)変形例3
行動情報取得部102は、視線位置分布を取得するために、カメラ20で撮像された動画像を用いる構成としているが、この構成に限定されない。
【0073】
行動情報取得部102は、視線位置分布を取得する際に、装着型視線センサを用いてもよい。
【0074】
また、行動情報取得部102は、カメラ20及び装着型視線センサの双方を用いて視線位置分布を取得してもよい。すなわち、行動情報取得部102は、カメラ20及び装着型視線センサのうち少なくとも1つを用いて視線位置分布を取得してもよい。
【0075】
(5.4)変形例4
センサ30は、温度センサである構成としているが、この構成に限定されない。センサ30は、例えば湿度センサ、照度センサ、二酸化炭素濃度センサ、風速センサ及び次亜塩素酸濃度センサであってもよい。
【0076】
環境情報取得部104は、温度センサ、湿度センサ、照度センサ、二酸化炭素濃度センサ、風速センサ及び次亜塩素酸濃度センサのいずれかの検出結果を取得する。植物育成評価部108は、取得した検出結果、すなわち温度センサ、湿度センサ、照度センサ、二酸化炭素濃度センサ、風速センサ及び次亜塩素酸濃度センサのいずれかの検出結果を用いて、植物40の育成の評価を行う。
【0077】
環境情報取得部104は、温度センサ、湿度センサ、照度センサ、二酸化炭素濃度センサ、風速センサ及び次亜塩素酸濃度センサのうち2つ以上の検出結果を取得してもよい。植物育成評価部108は、取得した2つ以上の検出結果を用いて、植物40の育成の評価を行う。
【0078】
すなわち、環境情報取得部104は、温度センサ、湿度センサ、照度センサ、二酸化炭素濃度センサ、風速センサ及び次亜塩素酸濃度センサのうち少なくとも1つの検出結果を取得してもよい。植物育成評価部108は、取得した少なくとも1つ以上の検出結果を用いて、植物40の育成の評価を行う。
【0079】
(5.5)変形例5
第2配置評価において、評価部106は、空間E1の利用回数を用いる構成としているが、この構成に限定されない。
【0080】
評価部106は、第2配置評価において、座席及び会議室ごとの利用率、在籍率を用いてもよい。
【0081】
(5.6)変形例6
通知部109は、評価部106の評価結果、及び植物育成評価部108の評価結果を表示部13に表示させる構成としているが、この構成に限定されない。
【0082】
通知部109は、電子メール等により、外部の端末(例えば、スマートフォン、タブレット端末)に評価部106の評価結果を通知してもよい。同様に、通知部109は、電子メール等により、外部の端末(例えば、スマートフォン、タブレット端末)に植物育成評価部108の評価結果を通知してもよい。
【0083】
また、評価部106の評価結果の表示態様として、図2B図3B図4B図5Bのように、図形を用いた表示態様としているが、他の表示態様(例えば、テキスト表示)であってもよい。すなわち、通知部109は、表示部13又は外部の装置に、評価部106の評価結果を、図形を用いて表示してもよいし、他の表示態様(例えばテキスト表示)で表示してもよい。
【0084】
同様に、評価部106の評価結果の表示態様として、図6のように、図形を用いた表示態様としているが、他の表示態様(例えば、テキスト表示)であってもよい。通知部109は、表示部13又は外部の装置に、植物育成評価部108の評価結果を、図形を用いて表示してもよいし、他の表示態様(例えばテキスト表示)で表示してもよい。
【0085】
(その他の変形例)
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、植物配置支援システム1と同様の機能は、植物配置支援方法、コンピュータプログラム、又はプログラムを記録した非一時的な記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係る植物配置支援方法は、植物の配置を支援する植物配置支援システムで用いられる。植物配置支援方法は、植物位置情報取得ステップと、行動情報ステップと、利用状況取得ステップと、評価ステップと、通知ステップと、を含む。植物位置情報取得ステップは、空間E1に配置された植物40の位置に係る植物位置情報を取得する。行動情報取得ステップは、空間E1における利用者の行動に係る行動情報を取得する。利用状況取得ステップは、行動情報を基に、空間E1での利用者の利用状況に関する利用状況情報を取得する。評価ステップは、植物位置情報と利用状況情報とを基に、植物40の配置に対する空間E1の評価を行う。通知ステップは、評価ステップでの評価結果を通知する。一態様に係るプログラムは、コンピュータシステムを、上述した植物配置支援システム1又は植物配置支援方法として機能させるためのプログラムである。
【0086】
本開示における植物配置支援システム1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における植物配置支援システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0087】
また、植物配置支援システム1における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは植物配置支援システム1に必須の構成ではなく、植物配置支援システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、植物配置支援システム1の少なくとも一部の機能、例えば、植物配置支援装置10の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0088】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様の植物配置支援システム(1)は、植物(40)の配置を支援する。植物配置支援システム(1)は、植物位置情報取得部(101)と、行動情報取得部(102)と、利用状況取得部(105)と、評価部(106)と、通知部(109)と、を備える。植物位置情報取得部(101)は、空間(E1)に配置された植物(40)の位置に係る植物位置情報を取得する。行動情報取得部(102)は、空間(E1)における利用者の行動に係る行動情報を取得する。利用状況取得部(105)は、行動情報を基に、空間(E1)での利用者の利用状況に関する利用状況情報を取得する。評価部(106)は、植物位置情報と利用状況情報とを基に、植物(40)の配置に対する空間(E1)の評価を行う。通知部(109)は、評価部(106)の評価結果を通知する。
【0089】
この構成によると、植物(40)を配置したことによる利用者の空間(E1)の利用状況に基に植物(40)の配置に対する空間(E1)の評価を行うことができる。これにより、植物(40)の配置が適切であるか否かの評価結果を知ることができる。
【0090】
第2の態様の植物配置支援システム(1)は、第1の態様において、レイアウト情報取得部(103)を更に備える。レイアウト情報取得部(103)は、空間(E1)のレイアウトに関するレイアウト情報を取得する。評価部(106)は、レイアウト情報を基に空間(E1)を複数の評価領域(例えば評価領域E30、評価領域E31)に分割し、複数の評価領域のそれぞれに対して、評価を行う。
【0091】
この構成によると、複数の評価領域のそれぞれに対して、空間(E1)に配置された植物(40)の配置に対する評価を行うことができる。
【0092】
第3の態様の植物配置支援システム(1)では、第2の態様において、利用状況情報は、空間内動線(L1)、空間利用関連情報及び視線位置分布のうち少なくとも1つを含む。空間内動線(L1)は、利用者の空間(E1)での移動を表す。空間利用関連情報は、利用者の空間(E1)の利用に関する情報である。視線位置分布は、利用者の空間(E1)での視線の位置の分布を表す。
【0093】
この構成によると、空間内動線(L1)、空間利用関連情報及び視線位置分布のうち少なくとも1つを用いた評価を行うことができる。
【0094】
第4の態様の植物配置支援システム(1)では、第3の態様において、行動情報は、利用者の空間(E1)での位置を表す位置情報を含む。利用状況取得部(105)は、位置情報を基に、利用者の空間内動線(L1)を取得する。評価部(106)は、空間内動線(L1)を用いて、複数の評価領域のそれぞれでの利用者の通過頻度を取得し、取得した通過頻度を基に評価を行う。
【0095】
この構成によると、空間内動線(L1)を用いて、複数の評価領域のそれぞれに対して、空間(E1)に配置された植物(40)の配置に対する評価を行うことができる。
【0096】
第5の態様の植物配置支援システム(1)では、第3又は第4の態様において、行動情報は、利用者の空間(E1)の利用回数を表す利用回数情報及び利用時間を表す利用時間情報のうち少なくとも1つの情報を含む。利用状況取得部(105)は、上記少なくとも1つの情報を基に、利用者の空間利用関連情報を取得する。評価部(106)は、空間利用関連情報を用いて、複数の評価領域のそれぞれでの利用者の利用回数又は利用回数に基づく情報を取得し、取得した複数の評価領域のそれぞれの利用回数又は利用回数に基づく情報を基に評価を行う。
【0097】
この構成によると、利用回数又は利用回数を用いて、複数の評価領域のそれぞれに対して、空間(E1)に配置された植物(40)の配置に対する評価を行うことができる。
【0098】
第6の態様の植物配置支援システム(1)では、第3~第5のいずれかの態様において、行動情報は、利用者の視線の位置を表す視線位置情報を含む。利用状況取得部(105)は、視線位置情報を基に、利用者の視線位置分布を取得する。評価部(106)は、視線位置分布を用いて、複数の評価領域のそれぞれに対して評価を行う。
【0099】
この構成によると、視線位置分布を用いて、複数の評価領域のそれぞれに対して、空間(E1)に配置された植物(40)の配置に対する評価を行うことができる。
【0100】
第7の態様の植物配置支援システム(1)は、第3~第6のいずれかの態様において、合成部(107)を更に備える。合成部(107)は、評価部(106)が行った、空間内動線(L1)を用いた評価、空間利用関連情報を用いた評価、及び視線位置分布を用いた評価のうち少なくとも2つの評価を合成する。評価部(106)は、合成部(107)による合成結果を基に、複数の評価領域のそれぞれに対して、植物の配置に対する評価を更に行う。通知部(109)は、合成結果に基づく評価を通知する。
【0101】
この構成によると、空間内動線(L1)、空間利用関連情報及び視線位置分布のうち少なくとも2つを合成した合成結果を用いて、評価を行うことができる。
【0102】
第8の態様の植物配置支援システム(1)は、第1~第7のいずれかの態様において、環境情報取得部(104)と、植物育成評価部(108)と、を更に備える。環境情報取得部(104)は、空間(E1)での環境を表す環境情報を取得する。植物育成評価部(108)は、植物位置情報と環境情報とを基に、植物の育成を評価する。通知部(109)は、植物育成評価部(108)の評価結果を通知する。
【0103】
この構成によると、植物の育成評価を知ることができる。
【0104】
第9の態様の植物配置支援方法は、植物の配置を支援する植物配置支援システムで用いられる。植物配置支援方法は、植物位置情報取得ステップと、行動情報取得ステップと、利用状況取得ステップと、評価ステップと、通知ステップと、を含む。植物位置情報取得ステップは、空間(E1)に配置された植物(40)の位置に係る植物位置情報を取得する。行動情報取得ステップは、空間(E1)における利用者の行動に係る行動情報を取得する。利用状況取得ステップは、行動情報を基に、空間(E1)での利用者の利用状況に関する利用状況情報を取得する。評価ステップは、植物位置情報と利用状況情報とを基に、植物の配置に対する空間(E1)の評価を行う。通知ステップは、評価ステップでの評価結果を通知する。
【0105】
この植物配置支援方法によると、植物(40)の配置が適切である否かを知ることができる。
【0106】
第10の態様のプログラムは、コンピュータに、第9の態様の植物配置支援方法を実行させるためのプログラムである。
【0107】
このプログラムによると、植物(40)の配置が適切である否かを知ることができる。
【符号の説明】
【0108】
1 植物配置支援システム
10 植物配置支援装置
40 観賞用植物(植物)
101 植物位置情報取得部
102 行動情報取得部
103 レイアウト情報取得部
104 環境情報取得部
105 利用状況取得部
106 評価部
107 合成部
108 植物育成評価部
109 通知部
E1 空間
E30,E31 評価領域
L1 空間内動線
図1
図2
図3
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図5
図6
図7