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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】投写型映像表示装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/16 20060101AFI20241122BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
G03B21/16
G03B21/00 D
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020129451
(22)【出願日】2020-07-30
(65)【公開番号】P2022026131
(43)【公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】近山 学
(72)【発明者】
【氏名】寺脇 宏幸
(72)【発明者】
【氏名】辻 企世子
【審査官】藤岡 善行
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-181386(JP,A)
【文献】特開2020-008793(JP,A)
【文献】特開2020-077003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 21/16
G03B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射された光を複数の異なる色光に分離し、分離したそれぞれの色光を合成して出射する光学素子と、
前記光学素子で分離された第1の色光を反射して変調する第1表示パネルと、
前記光学素子で分離された第2の色光を反射して変調する第2表示パネルと、
前記第1表示パネルの熱を放熱する第1放熱部と、
前記第2表示パネルの熱を放熱する第2放熱部と、
前記第2表示パネルにより反射された前記第2の色光の一部が前記第1表示パネルに向けて進行するのを遮光する遮光部と、
前記遮光部の熱を放熱する遮光放熱部と、
前記光学素子、前記第1表示パネル、前記第2表示パネル、前記遮光部、前記第1放熱部、及び前記遮光放熱部を密閉収納する容器と、を備え、
任意のパネルによって反射された後に前記第1表示パネルに入射する光は、任意のパネルによって反射された後に前記第2表示パネルに入射する光よりも光量が大きく、
前記第1放熱部および前記遮光放熱部は、前記第2放熱部と異なる空間に配置されており、
前記第2放熱部は、前記容器の外部に配置されている、
投写型映像表示装置。
【請求項2】
前記第2表示パネルによって反射された後に前記第1表示パネルに入射する光は、前記第1表示パネルによって反射された後に前記第2表示パネルに入射する光よりも光量が大きい、
請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項3】
前記遮光放熱部は、
前記遮光部の熱を放熱する第1遮光放熱器及び第2遮光放熱器と、
前記第1遮光放熱器と前記第2遮光放熱器とを連結し、冷媒または潜熱による熱移動を利用して前記第1遮光放熱器の熱を前記第2遮光放熱器へ輸送する熱輸送部とを備え、
前記熱輸送部の一部は、前記第1遮光放熱器において任意のパネルによって反射された後に前記第1表示パネルに入射する光の領域に沿って配置される、
請求項1または2に記載の投写型映像表示装置。
【請求項4】
前記容器内の熱を前記容器の外へ排熱する空気熱交換器を備える、
請求項1から3のいずれか1つに記載の投写型映像表示装置。
【請求項5】
前記容器内の熱を前記第2放熱部で放熱する空気熱交換器を備える、
請求項1から4のいずれか1つに記載の投写型映像表示装置。
【請求項6】
前記光学素子で分離された第3の色光を反射して変調する第3表示パネルを備え、
前記光学素子は、
色光が入射し、前記第3表示パネルへと第3の色光を導光する第1プリズムと、
前記第1プリズムを出射した前記第3の色光および前記第2の色光の光を含む光が入射し、前記第1表示パネルへと第1の色光を導光する、第2プリズムと、
前記第2のプリズムを出射した前記第2の色光の光を含む光が入射し、前記第2表示パネルへと第2の色光を導光する、第3プリズムと、を有し、
任意のパネルによって反射された後に前記第1表示パネルに入射する光は、任意のパネルによって反射された後に前記第2表示パネルに入射する光、および任意のパネルによって反射された後に前記第3表示パネルに入射する光よりも光量が大きい、
請求項1から5のいずれか1つに記載の投写型映像表示装置。
【請求項7】
前記第2表示パネルおよび前記第3表示パネルによって反射された後に前記第1表示パネルに入射する光は、前記第1表示パネルおよび前記第3表示パネルによって反射された後に前記第2表示パネルに入射する光および前記第1表示パネルおよび前記第2表示パネルによって反射された後に前記第3表示パネルに入射する光よりも光量が大きい、
請求項6に記載の投写型映像表示装置。
【請求項8】
入射された光を複数の異なる色光に分離し、分離したそれぞれの色光を合成して出射する光学素子と、
前記光学素子で分離された第1の色光を反射して変調する第1表示パネルと、
前記光学素子で分離された第2の色光を反射して変調する第2表示パネルと、
前記第1表示パネルの熱を放熱する第1放熱部と、
前記第2表示パネルの熱を放熱する第2放熱部と、
前記第2表示パネルにより反射された前記第2の色光の一部が前記第1表示パネルに向けて進行するのを遮光する遮光部と、
前記遮光部の熱を放熱する遮光放熱部と、を備え、
任意のパネルによって反射された後に前記第1表示パネルに入射する光は、任意のパネルによって反射された後に前記第2表示パネルに入射する光よりも光量が大きく、
前記第1放熱部および前記遮光放熱部は、前記第2放熱部と異なる空間に配置されている、
投写型映像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、投写型映像表示装置に関し、特にその冷却構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、防塵効果と冷却効果とを得るための投写型映像表示装置が開示されている。画像表示器と、画像表示器に隣接して配置される光学部材とで形成される空間内の温度上昇を軽減すると共に防塵を図り、投写画像のコントラストが良好な画像投写装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5038043号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
分離された色光ごとに用意された表示パネルでそれぞれの色光を変調してそれぞれの色光の映像光を生成する場合、ある表示パネルが生成した映像光の一部が迷光として別の表示パネルの周囲を加熱してこの表示パネルの温度分布に偏りを生じさせ、表示パネルの表示性能を低下させる
【0005】
本開示は、迷光が照射される表示パネルの温度分布の偏り抑制する投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の投写型映像表示装置は、入射された光を複数の異なる色光に分離し、分離したそれぞれの色光を合成して出射する光学素子と、光学素子で分離された第1の色光を反射して変調する第1表示パネルと、光学素子で分離された第2の色光を反射して変調する第2表示パネルと、第1表示パネルの熱を放熱する第1放熱部と、第2表示パネルの熱を放熱する第2放熱部と、第2表示パネルにより反射された第2の色光の一部が第1表示パネルに向けて進行するのを遮光する遮光部と、遮光部の熱を放熱する遮光放熱部と、光学素子、第1表示パネル、第2表示パネル、遮光部、第1放熱部、及び遮光放熱部を密閉収納する容器と、を備え、第2放熱部は、容器の外部に配置されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示における投写型映像表示装置は、迷光が照射される表示パネルの温度分布の偏り抑制する投写型映像表示装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態における投写型映像表示装置の全体構成を示すブロック図
図2】実施の形態における映像変調部において光の入射軸を説明する平面図
図3】実施の形態における映像変調部において光の出射軸を説明する平面図
図4】実施の形態における容器に収納された表示パネルブロックの構成を示す斜視図
図5】実施の形態における映像変調部を収納する容器の外観斜視図
図6】実施の形態における表示パネルブロックの分解斜視図
図7】実施の形態における容器の蓋を開けた状態の映像変調部を示す平面図
図8】実施の形態における表示パネルブロックの構成を示す分解斜視図
図9】実施の形態における遮光部の分解斜視図
図10】変形例における容器の蓋を開けた状態の映像変調部を示す平面図
図11】変形例における容器の蓋を開けた状態の映像変調部を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明を省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0010】
(実施の形態)
以下、図1図9を用いて、実施の形態を説明する。本開示において、映像とは、静止画像及び動画像を含む。
【0011】
[1-1.構成]
[1-1-1.全体の構成]
図1を参照する。図1は、本開示の投写型映像表示装置10の光学系の構成を説明するための図である。
【0012】
投写型映像表示装置10は、光を出射する光源部30と、光源部30から出射された光を映像変調部50へ導光する導光光学系40と、入射した光に映像情報を与えて映像光として出射する映像変調部50と、入射した映像光を投写する投写レンズユニット60と、光源部30及び映像変調部50を制御する制御部20と、を備える。
【0013】
光源部30は、例えば、励起光源であるレーザ光源を備え、白色光を出射する。光源部30は、例えば、レーザ光源から出射される青色レーザ光から、ダイクロイックミラーや蛍光体ホイール装置等を用いて白色光を生成する。
【0014】
導光光学系40は、光源部30から出射された光を映像変調部50へ導光する。導光光学系40は、例えば、複数のレンズにより構成される。
【0015】
映像変調部50は、入射した白色光を赤色光、緑色光、青色光にそれぞれ分離し、それぞれの色光を制御部20からの画像情報にしたがって変調し、変調により生成されたそれぞれの色の映像光を再び合成して出射する。
【0016】
投写レンズユニット60は、映像変調部50から出射される映像光を拡大して投写する。投写レンズユニット60は、複数のレンズにより構成される。
【0017】
制御部20は、光源部30から出射される光の光量及び出射タイミングを制御する。また、制御部20は、映像変調部50での各色光の変調を制御する。制御部20は、半導体素子などで実現可能である。制御部20は、例えば、マイコン、CPU、MPU、GPU、DSP、FPGA、ASICで構成することができる。制御部20の機能は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。制御部20は、ハードディスク(HDD)、SSD、メモリ等の記憶部を有しており、記憶部に格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことで、所定の機能を実現する。
【0018】
次に、図2を参照して、映像変調部50の光学系の構成を説明する。図2は実施の形態における映像変調部50において光の入射を説明する平面図である。
【0019】
映像変調部50は、ダイクロイックプリズム100と、第1表示パネル110、第2表示パネル111、第3表示パネル112とを備える。ダイクロイックプリズム100は、入射した白色光を赤色光、緑色光、及び青色光へと分離し、さらに、第1表示パネル110~第3表示パネル112のそれぞれにおいて変調された赤色光、緑色光、及び青色光を合成する。
【0020】
第1表示パネル110~第3表示パネル112は、それぞれ、入射する光を変調して反射する反射型画像表示器であり、例えば、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)である。DMDは画素に相当する複数のマイクロミラーを有しており、映像コンテンツに合わせて表示素子としてのマイクロミラーの回転が制御部20に制御される。なお、反射型画像表示器として、DMDの他にも液晶パネルを採用してもよい。
【0021】
ダイクロイックプリズム100は、例えば、第1プリズム100a、第2プリズム100b、及び第3プリズム100cから構成され、各プリズムの境界面にダイクロイック層が形成されている。ダイクロイックプリズム100に入射した光はこのダイクロイック層において分離され、また、分離された光は第1表示パネル110~第3表示パネル112のそれぞれにおいて反射されてこのダイクロイック層において合成される。
【0022】
ダイクロイックプリズム100に入射する白色入射光120は、第1プリズム100aと第2プリズム100bとの境界面で青色入射光123が反射して分離される。分離された青色入射光123は、第1プリズム100a内で反射して、第3表示パネル112へ入射する。
【0023】
第1プリズム100aと第2プリズム100bとの境界面で青色入射光123が分離された光は、第2プリズム100bと第3プリズム100cとの境界面で赤色入射光121と緑色入射光122とに分離される。第2プリズム100bと第3プリズム100cとの境界面で反射されて分離された赤色入射光121は、第2プリズム100b内で反射して、第1表示パネル110へ入射する。
【0024】
第2プリズム100bと第3プリズム100cとの境界面で分離された緑色入射光122は、第3プリズム内を直進して、第2表示パネル111へ入射する。
【0025】
次に、図3を参照して、ダイクロイックプリズム100で分離されて各表示パネルで反射された光の合成を説明する。図3は実施の形態における映像変調部50において光の出射を説明する平面図である。
【0026】
第2表示パネル111で反射した緑色反射光132は、第3プリズム100cへ入射して直進する。第1表示パネル110で反射した赤色反射光131は、第2プリズム100bへ入射し、第2プリズム100b内で反射して、第2プリズム100bと第3プリズム100cとの境界面で反射して、緑色反射光132と合成される。
【0027】
第3表示パネル112で反射した青色反射光133は、第1プリズム100a内で反射して、第1プリズム100aと第2プリズム100bとの境界面で反射して、赤色反射光131及び緑色反射光132と合成され、白色反射光130が生成される。白色反射光130は、ダイクロイックプリズム100から出射して、投写レンズユニット60へ入射する。
【0028】
第1プリズム100aと第2プリズム100bとの境界面において、青色反射光133の一部が直進し、緑色反射光132の一部が反射することで、迷光134が発生する。迷光134は、第1表示パネル110へ進行し、第1表示パネル110のダイクロイックプリズム100側を照射する。第1表示パネル110の表示素子(マイクロミラー)以外のダイクロイックプリズム100側の部分は、迷光134が照射されることで温度が上昇する。したがって、第1表示パネル110のダイクロイックプリズム100側とその反対側とで温度差が発生すると共に、第1表示パネル110自体の温度も上昇する。
【0029】
また、第1表示パネル110~第3表示パネル112は、それぞれ、高速で表示素子を駆動させるので、熱を発生する。これら、迷光及び表示素子の駆動による温度上昇を冷却する冷却装置が必要となる。第1表示パネル110~第3表示パネル112は、それぞれの表面に埃が付着すると、それぞれの色の反射光が暗くなる。したがって、第1表示パネル110~第3表示パネル112に埃の侵入を防止する防塵構造が必要となる。
【0030】
[1-1-2.要部の構成]
次に、図4及び図5を参照して、映像変調部50の冷却構造および防塵構造の構成を説明する。図4は、実施の形態における容器190に収納された表示パネルブロック220の構成を示す斜視図である。図5は、実施の形態における映像変調部50を収納する容器190の外観斜視図である。
【0031】
映像変調部50は、表示パネルブロック220、レンズ200、光伝送部201、及び容器190を備える。
【0032】
容器190は、容器本体191と蓋192とを有する。容器本体191にOリング等のシール材を介して蓋192が締結される。表示パネルブロック220、及び、光伝送部201も容器本体191に締結される。容器本体191の底面には光入射開口193が設けられ、側面には光出射開口194と、第2熱輸送部162を通す開口195と、第3熱輸送部172を通す開口196とが設けられている。
【0033】
容器190の光入射開口193には、レンズ200が取り付けられている。また、容器190の光出射開口194には、投写レンズユニット60が取り付けられている。容器190の開口195、196それぞれと第2熱輸送部162及び第3熱輸送部172それぞれとの間にもシール部材が設けられている。このように、容器190は防塵構造を有しており、容器190内の空間に外部から空気が侵入しない構造にされている。
【0034】
導光光学系40から伝送された光は、レンズ200から容器190内へ入射し、光伝送部201を通じて表示パネルブロック220へ入射する。表示パネルブロック220で変調された光は、光出射開口194を通って投写レンズユニット60へ入射する。
【0035】
次に図6を参照する。図6は、実施の形態における表示パネルブロック220の分解斜視図である。
【0036】
表示パネルブロック220は、ダイクロイックプリズム100、底面保持具230、天面保持具231、側面保持具232、233、234、第1表示パネルブロック250、第2表示パネルブロック251、及び第3表示パネルブロック252で構成される。
【0037】
底面保持具230は、ダイクロイックプリズム100の底面に接着され、ダイクロイックプリズム100を保持する。天面保持具231は、ダイクロイックプリズム100の天面に接着され、ダイクロイックプリズム100を保持する。また、底面保持具230及び天面保持具231は、3枚の側面保持具232、233、234をそれぞれ保持する。
【0038】
側面保持具232は第1表示パネルブロック250を保持し、側面保持具233は第2表示パネルブロック251を保持し、側面保持具234は第3表示パネルブロック252を保持する。
【0039】
各側面保持具232、233、234は、ダイクロイックプリズム100と第1表示パネルブロック250~第3表示パネルブロック252との間でそれぞれ光が通過するための開口235が設けられている。開口235の周囲には、ダイクロイックプリズム100及び第1表示パネル110~第3表示パネル112のそれぞれの表面への埃の付着を防止するための防塵材236が配置されている。防塵材236は、シート部材で、例えば、アクリル製の透明シートである。
【0040】
次に、図7を参照して、各表示パネルブロックの構成を説明する。図7は、実施の形態における容器190の蓋192を開けた状態の映像変調部50を示す平面図である。
【0041】
第1表示パネルブロック250は、第1表示パネル110、第1受熱部150、第1放熱部151、及び遮光ユニット180を備える。第2表示パネルブロック251は、第2表示パネル111、第2受熱部160、第2放熱部161、及び、第2熱輸送部162を備える。第3表示パネルブロック252は、第3表示パネル112、第3受熱部170、第3放熱部171、及び、第3熱輸送部172を備える。
【0042】
第1表示パネルブロック250の遮光ユニット180は、遮光部181と遮光放熱部182とを備える。遮光部181は、第1表示パネル110とダイクロイックプリズム100との間に配置されている。遮光部181は、第1表示パネル110に向けて進行する迷光の少なくとも一部を遮光する。遮光部181は、第1表示パネル110のダイクロイックプリズム100側の面(表面)に取り付けられている。
【0043】
遮光放熱部182は、遮光部181と接続されており、遮光部181の熱を周りの空気中に放熱する。
【0044】
ダイクロイックプリズム100側と反対側の第1表示パネル110の面(裏面)に、第1受熱部150が取り付けられている。第1受熱部150は、第1表示パネル110の熱を吸熱する。
【0045】
第1表示パネル110側と反対側の第1受熱部150の面に、第1放熱部151が取り付けられている。第1放熱部151は、第1受熱部150の熱を放熱する。したがって、第1放熱部151は、第1受熱部150を介して第1表示パネルの熱を放熱する。
【0046】
第2表示パネルブロック251において、ダイクロイックプリズム100側と反対側の第2表示パネル111の面に、第2受熱部160が取り付けられている。第2受熱部160は、第2表示パネル111の熱を吸熱する。
【0047】
第2受熱部160は、第2熱輸送部162を介して第2放熱部161と接続されている。第2熱輸送部162は、第2受熱部160の熱を第2放熱部161へ伝熱する。第2放熱部161は、第2熱輸送部162を介して第2受熱部160の熱を放熱する。
【0048】
第3表示パネルブロック252において、ダイクロイックプリズム100側と反対側の第3表示パネル112の面に、第3受熱部170が取り付けられている。第3受熱部170は、第3表示パネル112の熱を吸熱する。
【0049】
第3受熱部170は、第3熱輸送部172を介して第3放熱部171と接続されている。第3熱輸送部172は、第3受熱部170の熱を第3放熱部171へ伝熱する。第3放熱部171は、第3熱輸送部172を介して第3受熱部170の熱を放熱する。
【0050】
容器190は、ダイクロイックプリズム100、第1表示パネル110、第1受熱部150、第1放熱部151、遮光部181、遮光放熱部182、第2表示パネル111、第2受熱部160、第3表示パネル112、及び第3受熱部170を内部に収容する。
【0051】
容器190の外部に、第2放熱部161及び第3放熱部171が露出して配置されている。容器190の内部の第2受熱部160と容器190の外部に配置された第2放熱部161とが第2熱輸送部162により接続されている。また、容器190の内部の第3受熱部170と容器190の外部に配置された第3放熱部171とが第3熱輸送部172により接続されている。
【0052】
第2熱輸送部162は、第2受熱部160と第2放熱部161との間でファンまたはポンプ(不図示)により熱媒体を循環させる。熱媒体は、気体でもよいし、液体でもよい。第2熱輸送部162は、例えば、2本の配管を備える。第2受熱部160から熱を吸熱した熱媒体は、第2熱輸送部162の一方の配管を通って第2放熱部で放熱し、温度が下がった熱媒体は第2熱輸送部162の他方の配管を通って第2受熱部160へ戻る。同様に、第3熱輸送部172も、第3受熱部170と第3放熱部171との間でファンまたはポンプ(不図示)により熱媒体を循環させる。第2放熱部161及び第3放熱部171は、例えば液冷の場合ラジエータであり、例えば空冷の場合複数のフィンチューブを備える。
【0053】
次に、図8を参照して、第1表示パネルブロック250の構成を詳細に説明する。図8は第1表示パネルブロック250の構成を示す分解斜視図である。
【0054】
第1表示パネルブロック250は、パネル保持具258、インターポーザ253、回路基板254、絶縁材255、及び、放熱部保持具256をさらに備える。ダイクロイックプリズム100の近傍に配置された側面保持具232から、遮光部181、パネル保持具258、第1表示パネル110、インターポーザ253、回路基板254、絶縁材255、放熱部保持具256、第1受熱部150、第1放熱部151が順に配置されている。以下、これらの部材のダイクロイックプリズム100側のそれぞれの面を表面、表面と対向する反対側の面を裏面と称する。
【0055】
第1表示パネル110は、裏面方向にインターポーザ253により回路基板254に固定及び電気的に接続されている。回路基板254から第1表示パネル110の裏面方向に、絶縁材255を介して放熱部保持具256が配置されている。
【0056】
第1受熱部150は、例えば、ブロック状の受熱金属である。第1放熱部151は、例えば、放熱フィンであり、第1受熱部150の熱を容器190内の空気中に放熱する。第1受熱部150及び第1放熱部151とは一体的に構成されており、第1受熱部150及び第1放熱部151がねじ260により放熱部保持具256に固定されている。第1放熱部151は、第1表示パネル110のダイクロイックプリズム100から離れる方向の面、すなわち、第1表示パネル110の裏面と、第1受熱部を介して接続されている。したがって、第1表示パネル110の駆動熱が第1放熱部151へ直接伝熱する。
【0057】
インターポーザ253、回路基板254、絶縁材255、及び放熱部保持具256のそれぞれの中央部には開口253a、254a、255a、256aが設けられており、第1受熱部150はこれらの開口を貫通して第1表示パネル110の裏面に直接接触している。これにより、第1表示パネル110の各画素に相当するマイクロミラーの駆動による熱を第1受熱部150が吸熱することができる。
【0058】
第1表示パネル110を支持する回路基板254と、絶縁材255と、第1放熱部151を支持する放熱部保持具256とが、ねじ257によりパネル保持具258の裏面側に固定される。遮光部181がパネル保持具258の表面側にねじ280により固定される。パネル保持具258は、側面保持具232の裏面側に接着剤259により固定される。
【0059】
第2表示パネルブロック251、第3表示パネルブロック252は、第1表示パネルブロック250の第1放熱部151の代わりに、液冷やヒートパイプなどの熱輸送手段により第2放熱部161及び第3放熱部171が容器190の外部に配置されている。また、第2表示パネルブロック251、第3表示パネルブロック252において、遮光部181を省略してもよい。第2表示パネルブロック251及び第3表示パネルブロック252において、その他の構成については、第1表示パネルブロック250と同様の構成である。
【0060】
次に図9を参照して、遮光ユニット180の構成を説明する。図9は、実施の形態における遮光ユニット180の分解斜視図である。
【0061】
遮光ユニット180は、遮光部181、遮光放熱部182、放熱シート302、及び、防塵材308を備える。ダイクロイックプリズム100側から防塵材308、遮光放熱部182、放熱シート302、遮光部181が順に配置されている。
【0062】
遮光部181は、板状の透明部材300と、透明部材300の表面に形成された遮光マスク部301とを備える。透明部材300は、第1表示パネル110への色光及び第1表示パネル110からの色光が通過するように透過率が高い材料で構成され、例えば、テンパックスまたはサファイア材で形成されたガラスで構成されている。
【0063】
遮光マスク部301は、第1表示パネル110への迷光を吸収する薄膜として構成されている。遮光マスク部301は、数μm程度の厚みの金属膜または誘電体膜である。金属膜は、例えば、クロム多層膜であるが、他の金属を用いてもよい。金属膜は、例えば、蒸着またはスパッタリングにより製膜される。誘電体膜は、例えば、シリコン系膜である。
【0064】
遮光部181は、放熱シート302を介して保持材306に支持されて遮光放熱部182の金属板303に取り付けられる。保持材306は、例えば、金属製の板金であり、ねじ307により金属板303の裏面に固定される。
【0065】
遮光放熱部182は、金属板303、熱輸送部304、及び、放熱フィン305を備える。第1遮光放熱器としての金属板303は、遮光部181の遮光マスク部301が吸収した熱を放熱シート302を介して吸熱し、周囲の空気中に放熱する。金属板303の中央部には、色光が通るための開口303aが設けられている。
【0066】
金属板303の表面側に熱輸送部304の一端が取り付けられ、熱輸送部304の他端には、第2遮光放熱器としての放熱フィン305が接続されている。金属板303の熱が熱輸送部304により放熱フィン305に伝えられ、放熱フィン305から周囲の空気中へ放熱される。熱輸送部304は、例えば、ヒートパイプである。このように、遮光放熱部182は、熱輸送部304及び放熱フィン305を備えることにより、放熱効率を向上させることができるが、金属板303だけで迷光による熱量を十分に放熱できる場合には、熱輸送部304及び放熱フィン305を省略してもよい。
【0067】
熱輸送部304は、金属板303において迷光が照射される領域に沿って配置されている。具体的には、熱輸送部304は、金属板303の開口303aの周囲に沿って延びるように配置されている。開口303aが例えば矩形の場合、開口303aの短辺および長辺に沿って熱輸送部304が配置されている。金属板303において、迷光が照射される領域は、色光が通過する開口303a及び開口303aの周囲の領域である。したがって、熱輸送部304を開口303aの周囲領域に配置することで、迷光が熱輸送部304を直接照射するので、放熱効率を向上させることができる。
【0068】
金属板303は、防塵材308を介して側面保持具232へ接触することで、金属板303を側面保持具232へ密着することができ、透明部材300の表面を防塵することができる。防塵材308は、クッション性を備えた材料から形成され、例えば、シリコーンゴム製である。組み立て時に、第1表示パネル110~第3表示パネル112それぞれの映像が精度よく重なるように、第1表示パネル110~第3表示パネル112をそれぞれ3次元的に動かして位置調整を行う。防塵材308は、クッション性を備えることで、第1表示パネル110~第3表示パネル112の位置調整がしやすくなる。
【0069】
第1表示パネル110の駆動熱を放熱する第1放熱部151と、遮光部181の熱を放熱する遮光放熱部182とが同じ容器内の空気中で放熱するので、第1放熱部151と遮光放熱部182との温度差を低減することができる。また、遮光部181により、第1表示パネル110の表面の発熱が抑制される。さらに、第1表示パネル110の熱が空気層を介して遮光部181の透明部材300へ伝熱されるので、第1表示パネル110の表面の温度上昇を抑制し、表面と裏面との温度差がさらに抑制される。透明部材300と第1表示パネル110とは、近接配置されており、透明部材300と第1表示パネル110との距離が近いほど、第1表示パネル110から透明部材300への伝熱効果が高まる。
【0070】
[1-2.効果等]
以上のように、本実施の形態に係る投写型映像表示装置10は、入射された光を複数の異なる色光に分離し、分離したそれぞれの色光を合成して出射するダイクロイックプリズム100と、ダイクロイックプリズム100で分離された赤色入射光を反射して変調する第1表示パネル110と、を備える。投写型映像表示装置10は、ダイクロイックプリズム100で分離された緑色光を反射して変調する第2表示パネル111と、第1表示パネル110の熱を放熱する第1放熱部151と、第2表示パネル111の熱を放熱する第2放熱部161と、を備える。投写型映像表示装置10は、第2表示パネル111により反射された緑色反射光の一部が第1表示パネル110に向けて進行するのを遮光する遮光部181と、遮光部181の熱を放熱する遮光放熱部182と、を備える。投写型映像表示装置10は、さらに、ダイクロイックプリズム100、第1表示パネル110、第2表示パネル111、遮光部181、第1放熱部151、及び遮光放熱部182を密閉収納する容器190を備える。第2放熱部161は、容器190の外部に配置されている。
【0071】
本実施の形態において、第2表示パネル111からの迷光が入射する第1表示パネル110には、遮光部181が設けられている。第1表示パネル110の駆動熱を放熱する第1放熱部151と、遮光部181の熱を放熱する遮光放熱部182とが同じ容器内の空気中で放熱するので、第1放熱部151と遮光放熱部182との温度差を低減することができる。したがって、第1表示パネル110の遮光放熱部182側と第1放熱部151側との温度分布の偏りを低減することができる。また、迷光の影響が低い第2表示パネル111の熱を放熱する第2放熱部161は容器190の外部に配置されているので、容器190内の温度が過度に上昇し、第1表示パネル110及び第2表示パネル111が動作不良になるのを防止することができる。また、密閉された容器190内に第1表示パネル110及び第2表示パネル111が収容されているので、第1表示パネル110及び第2表示パネル111に対して防塵することができる。
【0072】
また、投写型映像表示装置10は、ダイクロイックプリズム100で分離された青色光を反射して変調する第3表示パネル112と、第3表示パネル112の熱を放熱する第3放熱部171と、を備える。投写型映像表示装置10の遮光部181は、第3表示パネル112により反射された青色反射光の一部が第1表示パネル110に向けて進行するのを遮光する。投写型映像表示装置10の容器190は、第3表示パネル112を密閉収納し、第3放熱部171は、容器190の外部に配置されている。したがって、第3表示パネル112からの迷光が入射する第1表示パネル110には、遮光部181が設けられているので、遮光部181が迷光を吸収し、これにより生じる熱を遮光放熱部182が容器内の空気中で放熱する。この結果、第1放熱部151と遮光放熱部182との温度差を低減することができる。また、迷光の影響が低い第3表示パネル112の熱を放熱する第3放熱部171は容器190の外部に配置されているので、容器190内の温度が過度に上昇し、第1表示パネル110及び第3表示パネル112が動作不良になるのを防止することができる。また、密閉された容器190内に第1表示パネル110及び第3表示パネル112が収容されているので、第1表示パネル110及び第3表示パネル112に対して防塵することができる。
【0073】
本実施の形態において、遮光部181と第1放熱部151との間に第1表示パネル110が配置され、第1表示パネル110の表面側に遮光部181が配置され、第1放熱部151と第1表示パネル110の裏面とが接続されている。これにより、第1表示パネル110の表面と裏面との温度ギャップを抑制することができる。
【0074】
本実施の形態において、遮光放熱部182は、遮光部181の熱を放熱する金属板303及び放熱フィン305と、を備える。金属板303と放熱フィン305とを連結し、冷媒または潜熱による熱移動を利用して金属板303の熱を放熱フィン305へ輸送する熱輸送部304とを備える。熱輸送部304の一部は、金属板303において第2表示パネル111により反射された第2の色光が照射される領域に沿って配置される。これにより、熱輸送部304が迷光である第2の色光に直接照射されるので、照射により発生する熱を放熱フィン305へ輸送することができ、放熱フィン305から放熱することができる。この結果、放熱効率を向上させることができる。
【0075】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、上記実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0076】
実施の形態では、容器190内の熱は容器190の壁を介して外気に放熱していたが、これに限定されない。図10に示すように、映像変調部50Aは、容器190内の熱を容器190の外へ排熱する空気熱交換器310と空気熱交換器310に容器190内の空気を送る送風部315とを備えてもよい。図10に示す映像変調部50Aは、実施の形態の映像変調部50の構成に空気熱交換器310と送風部315とを追加した構成であり、その他の構成は共通である。
【0077】
空気熱交換器310は、容器190内の熱を吸熱する受熱フィン311と、受熱フィン311の熱を容器190外の空気中に放熱する放熱フィン312と、容器190の容器本体191に設けられた開口197を通って受熱フィン311の熱を放熱フィン312へ伝える熱輸送部313とを備える。熱輸送部313は、例えば、熱伝導率の高い金属棒であり、中央部に固定プレート198が溶接されている。空気熱交換器310は、固定プレート198を介して容器190の容器本体191に固定される。送風部315は、容器190内の空気を循環させる。送風部315から排気された風は、第1放熱部151を冷却し、さらに遮光放熱部182を冷却する。容器190内を循環した風は、受熱フィン311で吸熱されて冷却される。冷却された風は送風部315に吸引されて再び容器190内に排気される。
【0078】
空気熱交換器310が吸熱した容器190内の熱を容器190外へ伝熱して放熱するので、第1放熱部151及び遮光放熱部182による容器190内の温度上昇を抑制することができる。これにより、第1表示パネル110~第3表示パネル112のそれぞれの温度上昇を抑制することができる。空気熱交換器310は、液冷の場合例えばラジエータであり、空冷の場合例えば複数のフィンチューブを備える。なお、空気熱交換器310だけで容器190内の熱量を十分に放熱できる場合には、送風部315を省略してもよい。
【0079】
また、図11に示すように、映像変調部50Bは、容器190内の熱を容器190の外の第2放熱部161へ排熱する空気熱交換器320を備えてもよい。図11に示す映像変調部50Bは、実施の形態の映像変調部50の構成に空気熱交換器320と送風部315とを追加した構成であり、その他の構成は共通である。
【0080】
第2熱輸送部162Bは、第2放熱部161、第2受熱部160と空気熱交換器320との間でファンまたはポンプ(不図示)により熱媒体を循環させる。第2熱輸送部162は、第2放熱部161で冷却された冷媒を第2受熱部160へ送る配管162Baと、第2受熱部160で昇温した冷媒を空気熱交換器320へ送る配管162Bbと、空気熱交換器320でさらに昇温した冷媒を第2放熱部161へ送る配管162Bcとを備える。第2受熱部160から熱を吸熱した熱媒体は、配管162Bbを通って空気熱交換器320で容器190内の空気から熱を吸熱し、配管162Bcを通って第2放熱部で放熱する。温度が下がった熱媒体は配管162Baを通って第2受熱部160へ戻る。
【0081】
空気熱交換器320は、液冷の場合例えばラジエータであり、空冷の場合例えば複数のフィンチューブを備える。
【0082】
空気熱交換器320を流れる熱媒体が容器190内の熱を吸熱し容器190外の第2放熱部161へ伝えて放熱するので、第1放熱部151及び遮光放熱部182による容器190内の温度上昇を抑制することができる。これにより、第1表示パネル110~第3表示パネル112のそれぞれの温度上昇を抑制することができる。また、空気熱交換器320が容器190内の熱を第2放熱部161で放熱するので、空気熱交換器320は専用の放熱部を備える必要がないので、部品数の削減をすることができる。
【0083】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0084】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【0085】
(実施の形態の概要)
(1)本開示の投写型映像表示装置は、入射された光を複数の異なる色光に分離し、分離したそれぞれの色光を合成して出射する光学素子と、光学素子で分離された第1の色光を反射して変調する第1表示パネルと、光学素子で分離された第2の色光を反射して変調する第2表示パネルと、第1表示パネルの熱を放熱する第1放熱部と、第2表示パネルの熱を放熱する第2放熱部と、第2表示パネルにより反射された第2の色光の一部が第1表示パネルに向けて進行するのを遮光する遮光部と、遮光部の熱を放熱する遮光放熱部と、光学素子、第1表示パネル、第2表示パネル、遮光部、第1放熱部、及び遮光放熱部を密閉収納する容器と、を備え、第2放熱部は、容器の外部に配置されている。
【0086】
このように、容器が光学素子、第1表示パネル、第2表示パネル、遮光部、第1放熱部、及び遮光放熱部を密閉収納しているので防塵効果を得ることができる。また、第1放熱部と遮光放熱部とが容器内で放熱しているので、第1表示パネルの温度分布の偏りを低減することができる。これにより、投写型映像表示装置は、迷光が照射される表示パネルの温度分布の偏りの抑制と、表示パネルの防塵とを両立させることができる。
【0087】
(2)(1)の投写型映像表示装置において、遮光部と第1放熱部との間に第1表示パネルが配置され、第1表示パネルの光学素子側に遮光部が配置され、第1放熱部と第1表示パネルの光学素子から離れる方向の面とが接続されている。これにより、第1表示パネルの温度分布を均一に近づけることができる。
【0088】
(3)(1)または(2)の投写型映像表示装置において、遮光放熱部は、遮光部の熱を放熱する第1遮光放熱器及び第2遮光放熱器と、第1遮光放熱器と第2遮光放熱器とを連結し、冷媒または潜熱による熱移動を利用して第1遮光放熱器の熱を第2遮光放熱器へ輸送する熱輸送部とを備え、熱輸送部の一部は、第1遮光放熱器において第2表示パネルにより反射された第2の色光が照射される領域に沿って配置される。これにより、熱輸送部が第2表示パネルにより反射された第2の色光が直接照射されるので、第2の色光による熱を第2遮光放熱器へ伝えることができ第2遮光放熱器から放熱することができる。これにより、放熱効率を向上させることができる。
【0089】
(4)(1)から(3)のいずれか1つの投写型映像表示装置において、容器内の熱を容器の外へ排熱する空気熱交換器を備える。これにより、容器内の温度上昇を抑制することができる。
【0090】
(5)(1)から(3)のいずれか1つの投写型映像表示装置において、容器内の熱を第2放熱部で放熱する空気熱交換器を備える。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本開示は、プロジェクタなどの投写型映像表示装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0092】
10 投写型映像表示装置
20 制御部
30 光源部
40 導光光学系
50、50A、50B 映像変調部
60 投写レンズユニット
100 ダイクロイックプリズム
110 第1表示パネル
111 第2表示パネル
112 第3表示パネル
120 白色入射光
121 赤色入射光
122 緑色入射光
123 青色入射光
130 白色反射光
131 赤色反射光
132 緑色反射光
133 青色反射光
134 迷光
150 第1受熱部
151 第1放熱部
160 第2受熱部
161 第2放熱部
162 第2熱輸送部
170 第3受熱部
171 第3放熱部
172 第3熱輸送部
180 遮光ユニット
181 遮光部
182 遮光放熱部
190 容器
191 容器本体
192 蓋
193 光入射開口
194 光出射開口
195、196、197 開口
200 レンズ
201 光伝送部
220 表示パネルブロック
230 底面保持具
231 天面保持具
232 側面保持具
233 側面保持具
234 側面保持具
235 開口
236 防塵材
250 第1表示パネルブロック
251 第2表示パネルブロック
252 第3表示パネルブロック
253 インターポーザ
253a 開口
254 回路基板
254a 開口
255 絶縁材
255a 開口
256 放熱部保持具
256a 開口
257 ねじ
258 パネル保持具
259 接着剤
260 ねじ
270 遮光ユニット
280 ねじ
300 透明部材
301 遮光マスク部
302 放熱シート
303 金属板
303a 開口
304 熱輸送部
305 放熱フィン
306 保持材
307 ねじ
308 防塵材
310、320 空気熱交換器
311、321 受熱フィン
312 放熱フィン
313、323 熱輸送部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11