(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】インプライドキャップレートによる不動産時価査定システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20240101AFI20241122BHJP
【FI】
G06Q50/16
(21)【出願番号】P 2024116248
(22)【出願日】2024-07-19
【審査請求日】2024-07-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524274772
【氏名又は名称】フェアバリュー研究所株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100186990
【氏名又は名称】大谷 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】奥田 貴宏
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-125534(JP,A)
【文献】特開2024-067207(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された複数の端末と、
前記ネットワークに接続され、前記ネットワークに接続された複数の機器の求めに応じて、投資法人の情報を提供する複数の第1サーバと、
前記ネットワークに接続され、前記ネットワークに接続された複数の機器の求めに応じて投資法人の価格情報を提供する第2サーバと、
前記ネットワークに接続され、前記ネットワークに接続された前記複数の端末に対して、第1不動産に関する情報を提供する第3サーバと、
を備え、
前記第3サーバは、データを記録可能な第3サーバ記録装置と、前記第3サーバ記録装置に記録されたデータに基づいて情報を処理する第3サーバ制御装置とを、備え、
前記第3サーバ制御装置は、
所定のタイミングにおいて、前記第1サーバから、前記投資法人が投資している複数の第1不動産に関する第1不動産情報を取得し、前記複数の第1不動産に関するデータベースを構築して当該データベースを前記第3サーバ記録装置に記録し、
評価を行う1つの第2不動産と、複数の前記投資法人が各々保有する複数の前記第1不動産との比較を容易にするため、前記投資法人
の各々が投資している複数の第1不動産のデータに基づいて
前記投資法人ごとに1つの仮想不動産を設定
する仮想不動産設定処理を行い、
前記仮想不動産のデータと前記第2不動産のデータとに基づいて、前記第2不動産に類似する
前記仮想不動産が設定された前記投資法人を選択し、選択した前記投資法人の価格情報を、前記第2サーバから取得して前記第3サーバ記録装置に初期登録時として記録し、
前記初期登録時の後の別の日時における基準時において、前記複数の端末のうちいずれかの前記端末より前記第2不動産に関する第2不動産情報が求められた場合には、前記第2サーバから前記第2不動産に類似する
前記仮想不動産が設定された前記投資法人の現在の価格情報を取得して前記第3サーバ記録装置に基準時として記録し、
前記初期登録時の価格情報と基準時の価格情報との相違をインプライドキャップレートの相違とし、当該インプライドキャップレートの相違に対応して、
前記初期登録時における
前記第2不動産の還元利回りから基準時における
前記第2不動産の還元利回りを算出し、
前記基準時の後の別の日時における評価時において、前記複数の端末のうちいずれかの前記端末より前記第2不動産に関する
前記第2不動産情報が求められた場合には、前記第2サーバから前記第2不動産に類似する
前記仮想不動産が設定された前記投資法人の現在の価格情報を取得して前記第3サーバ記録装置に評価時として記録し、前記基準時の価格情報と評価時の価格情報との相違をインプライドキャップレートの相違とし、当該インプライドキャップレートの相違に対応して、前記基準時における
前記第2不動産の還元利回りから評価時における
前記第2不動産の還元利回りを算出する、
インプライドキャップレートによる不動産時価査定システム。
【請求項2】
前記第3サーバ制御装置は、
前記仮想不動産のデータと前記第2不動産のデータとに基づいて、前記第2不動産に類似する
前記仮想不動産が設定された前記投資法人を
複数選択し、選択した前記複数の投資法人の価格情報を、前記第2サーバから取得して前記第3サーバ記録装置に初期登録時として記録し、
前記初期登録時の後の別の日時における基準時において、前記複数の端末のうちいずれかの前記端末より前記第2不動産に関する
前記第2不動産情報が求められた場合には、前記第2サーバから前記第2不動産に類似する
複数の前記仮想不動産の各々が設定された前記投資法人の現在の価格情報を取得して前記第3サーバ記録装置に基準時として記録し、第2不動産に対して類似性が高い第1不動産が多く含まれる投資法人のウエイトを高くする一方、第2不動産に対して類似性が低い第1不動産が多く含まれる投資法人のウエイトを低くして前記複数の投資法人にウエイト付けを行いながら
前記初期登録時の価格情報と基準時の価格情報との相違をインプライドキャップレートの相違とし、当該インプライドキャップレートの相違に対応して、
前記初期登録時における
前記第2不動産の還元利回りから基準時における
前記第2不動産の還元利回りを算出し、
前記基準時の後の別の日時における評価時において、前記複数の端末のうちいずれかの前記端末より前記第2不動産に関する
前記第2不動産情報が求められた場合には、前記第2サーバから前記第2不動産に類似する
複数の前記仮想不動産の各々が設定された前記投資法人の現在の価格情報を取得して前記第3サーバ記録装置に評価時として記録し、第2不動産に対して類似性が高い第1不動産が多く含まれる投資法人のウエイトを高くする一方、第2不動産に対して類似性が低い第1不動産が多く含まれる投資法人のウエイトを低くして前記複数の投資法人にウエイト付けを行いながら前記基準時の価格情報と評価時の価格情報との相違をインプライドキャップレートの相違とし、当該インプライドキャップレートの相違に対応して、前記基準時における
前記第2不動産の還元利回りから評価時における
前記第2不動産の還元利回りを算出する、
請求項1に記載のインプライドキャップレートによる不動産時価査定システム。
【請求項3】
前記第3サーバ制御装置は、
前記仮想不動産のデータと前記第2不動産のデータとに基づいて、前記第2不動産に類似する
前記仮想不動産が設定された前記投資法人を
1つ選択し、選択した1つの前記投資法人の価格情報を、前記第2サーバから取得して前記第3サーバ記録装置に初期登録時として記録し、
前記初期登録時の後の別の日時における基準時において、前記複数の端末のうちいずれかの前記端末より前記第2不動産に関する
前記第2不動産情報が求められた場合には、前記第2サーバから前記第2不動産に類似する
前記仮想不動産が設定された前記投資法人の現在の価格情報を取得して前記第3サーバ記録装置に基準時として記録し、
前記初期登録時の価格情報と基準時の価格情報との相違をインプライドキャップレートの相違とし、当該インプライドキャップレートの相違に対応して、
前記初期登録時における
前記第2不動産の還元利回りから基準時における
前記第2不動産の還元利回りを算出し、
前記基準時の後の別の日時における評価時において、前記複数の端末のうちいずれかの前記端末より前記第2不動産に関する
前記第2不動産情報が求められた場合には、前記第2サーバから前記第2不動産に類似する
前記仮想不動産が設定された前記投資法人の現在の価格情報を取得して前記第3サーバ記録装置に評価時として記録し、前記基準時の価格情報と評価時の価格情報との相違をインプライドキャップレートの相違とし、当該インプライドキャップレートの相違に対応して、前記基準時における
前記第2不動産の還元利回りから評価時における
前記第2不動産の還元利回りを算出する、
請求項1に記載のインプライドキャップレートによる不動産時価査定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプライドキャップレートによる不動産時価査定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、不動産価格が種々の方法によって算出されている。例えば、特許文献1には、不動産価格の評価方法が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、不動産価格査定システムが開示されている。さらに、特許文献3には、賃貸不動産評価装置等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-145491号公報
【文献】特開2004-171211号公報
【文献】特開2022-162390号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来における種々の不動産価格の算出方法等には、時々刻々と変化する現在の経済状況に応じた適正な価格を算出することに関して改善の余地がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、時々刻々と変化する現在の経済状況に応じた適正な不動産の価格を算出することができるインプライドキャップレートによる不動産時価査定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明に係るインプライドキャップレートによる不動産時価査定システムは、ネットワークに接続された複数の端末と、前記ネットワークに接続され、前記ネットワークに接続された複数の機器の求めに応じて、投資法人の情報を提供する複数の第1サーバと、前記ネットワークに接続され、前記ネットワークに接続された複数の機器の求めに応じて投資法人の価格情報を提供する第2サーバと、前記ネットワークに接続され、前記ネットワークに接続された前記複数の端末に対して、第1不動産に関する情報を提供する第3サーバと、を備える。前記第3サーバは、データを記録可能な第3サーバ記録装置と、前記第3サーバ記録装置に記録されたデータに基づいて情報を処理する第3サーバ制御装置とを、備える。前記第3サーバ制御装置は、所定のタイミングにおいて、前記第1サーバから、前記投資法人が投資している複数の第1不動産に関する第1不動産情報を取得し、前記複数の第1不動産に関するデータベースを構築して当該データベースを前記第3サーバ記録装置に記録し、評価を行う1つの第2不動産と、複数の前記投資法人が各々保有する複数の前記第1不動産との比較を容易にするため、前記投資法人の各々が投資している複数の第1不動産のデータに基づいて前記投資法人ごとに1つの仮想不動産を設定する仮想不動産設定処理を行い、前記仮想不動産のデータと前記第2不動産のデータとに基づいて、前記第2不動産に類似する前記仮想不動産が設定された前記投資法人を選択し、選択した前記投資法人の価格情報を、前記第2サーバから取得して前記第3サーバ記録装置に初期登録時として記録し、前記初期登録時の後の別の日時における基準時において、前記複数の端末のうちいずれかの前記端末より前記第2不動産に関する第2不動産情報が求められた場合には、前記第2サーバから前記第2不動産に類似する前記仮想不動産が設定された前記投資法人の現在の価格情報を取得して前記第3サーバ記録装置に基準時として記録し、前記初期登録時の価格情報と基準時の価格情報との相違をインプライドキャップレートの相違とし、当該インプライドキャップレートの相違に対応して、前記初期登録時における前記第2不動産の還元利回りから基準時における前記第2不動産の還元利回りを算出し、前記基準時の後の別の日時における評価時において、前記複数の端末のうちいずれかの前記端末より前記第2不動産に関する前記第2不動産情報が求められた場合には、前記第2サーバから前記第2不動産に類似する前記仮想不動産が設定された前記投資法人の現在の価格情報を取得して前記第3サーバ記録装置に評価時として記録し、前記基準時の価格情報と評価時の価格情報との相違をインプライドキャップレートの相違とし、当該インプライドキャップレートの相違に対応して、前記基準時における前記第2不動産の還元利回りから評価時における前記第2不動産の還元利回りを算出する。
【0008】
また、本実施形態に係るインプライドキャップレートによる不動産時価査定システムにおいて、前記第3サーバ制御装置は、前記仮想不動産のデータと前記第2不動産のデータとに基づいて、前記第2不動産に類似する前記仮想不動産が設定された前記投資法人を複数選択し、選択した前記複数の投資法人の価格情報を、前記第2サーバから取得して前記第3サーバ記録装置に初期登録時として記録し、前記初期登録時の後の別の日時における基準時において、前記複数の端末のうちいずれかの前記端末より前記第2不動産に関する前記第2不動産情報が求められた場合には、前記第2サーバから前記第2不動産に類似する複数の前記仮想不動産の各々が設定された前記投資法人の現在の価格情報を取得して前記第3サーバ記録装置に基準時として記録し、第2不動産に対して類似性が高い第1不動産が多く含まれる投資法人のウエイトを高くする一方、第2不動産に対して類似性が低い第1不動産が多く含まれる投資法人のウエイトを低くして前記複数の投資法人にウエイト付けを行いながら前記初期登録時の価格情報と基準時の価格情報との相違をインプライドキャップレートの相違とし、当該インプライドキャップレートの相違に対応して、前記初期登録時における前記第2不動産の還元利回りから基準時における前記第2不動産の還元利回りを算出し、前記基準時の後の別の日時における評価時において、前記複数の端末のうちいずれかの前記端末より前記第2不動産に関する前記第2不動産情報が求められた場合には、前記第2サーバから前記第2不動産に類似する複数の前記仮想不動産の各々が設定された前記投資法人の現在の価格情報を取得して前記第3サーバ記録装置に評価時として記録し、第2不動産に対して類似性が高い第1不動産が多く含まれる投資法人のウエイトを高くする一方、第2不動産に対して類似性が低い第1不動産が多く含まれる投資法人のウエイトを低くして前記複数の投資法人にウエイト付けを行いながら前記基準時の価格情報と評価時の価格情報との相違をインプライドキャップレートの相違とし、当該インプライドキャップレートの相違に対応して、前記基準時における前記第2不動産の還元利回りから評価時における前記第2不動産の還元利回りを算出する。
【0009】
また、本実施形態に係るインプライドキャップレートによる不動産時価査定システムにおいて、前記第3サーバ制御装置は、前記仮想不動産のデータと前記第2不動産のデータとに基づいて、前記第2不動産に類似する前記仮想不動産が設定された前記投資法人を1つ選択し、選択した1つの前記投資法人の価格情報を、前記第2サーバから取得して前記第3サーバ記録装置に初期登録時として記録し、前記初期登録時の後の別の日時における基準時において、前記複数の端末のうちいずれかの前記端末より前記第2不動産に関する前記第2不動産情報が求められた場合には、前記第2サーバから前記第2不動産に類似する前記仮想不動産が設定された前記投資法人の現在の価格情報を取得して前記第3サーバ記録装置に基準時として記録し、前記初期登録時の価格情報と基準時の価格情報との相違をインプライドキャップレートの相違とし、当該インプライドキャップレートの相違に対応して、前記初期登録時における前記第2不動産の還元利回りから基準時における前記第2不動産の還元利回りを算出し、前記基準時の後の別の日時における評価時において、前記複数の端末のうちいずれかの前記端末より前記第2不動産に関する前記第2不動産情報が求められた場合には、前記第2サーバから前記第2不動産に類似する前記仮想不動産が設定された前記投資法人の現在の価格情報を取得して前記第3サーバ記録装置に評価時として記録し、前記基準時の価格情報と評価時の価格情報との相違をインプライドキャップレートの相違とし、当該インプライドキャップレートの相違に対応して、前記基準時における前記第2不動産の還元利回りから評価時における前記第2不動産の還元利回りを算出する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るインプライドキャップレートによる不動産時価査定システムにおいて、基準時の後の別の日時における評価時において、複数の端末のうちいずれかの端末より第2不動産に関する第2不動産情報が求められた場合には、第2サーバから第2不動産に類似する投資法人の現在の価格情報を取得して第3サーバ記録装置に評価時として記録し、基準時の価格情報と評価時の価格情報との相違をインプライドキャップレートの相違とし、当該インプライドキャップレートの相違に対応して、基準時における還元利回りから評価時における還元利回りを算出等する。そのため、時々刻々と変化する現在の経済状況に応じた適正な不動産の価格を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態に係るインプライドキャップレートによる不動産時価査定システム(以下、単に「不動産時価査定システム」と記載する)を概念的に説明するブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す不動産時価査定システムが備える複数の端末のそれぞれを概念的に説明するブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す不動産時価査定システムが備える複数の第1サーバを概念的に説明するブロック図である。
【
図4】
図4は、
図1に示す不動産時価査定システムが備える第2サーバを概念的に説明するブロック図である。
【
図5】
図5は、
図1に示す不動産時価査定システムが備える第3サーバを概念的に説明するブロック図である。
【
図6】
図6は、
図1に示す第1サーバが提供する不動産(第1不動産)の情報であって、投資法人が保有する第1不動産の情報を示す説明図である。
【
図7】
図7は、
図1に示す第1サーバが提供する不動産(第1不動産)の情報であって、投資法人が保有する第1不動産の一覧を示す説明図である。
【
図8】
図8は、
図5に示す第3サーバの初期登録時の不動産(第2不動産)に関する情報を示す説明図である。
【
図9】
図9は、第3サーバ制御装置が行う仮想不動産設定処理のフローチャートである。
【
図10】
図10は、
図5に示す第3サーバが有する第3サーバ制御装置が行うスコア算出処理のフローチャートの一部である。
【
図11】
図11は、
図5に示す第3サーバが有する第3サーバ制御装置が行うスコア算出処理のフローチャートの一部である。
【
図12】
図12は、
図5に示す第3サーバが有する第3サーバ制御装置が行う類似判定処理のフローチャートである。
【
図13】
図13は、
図5に示す第3サーバ5が有する第3サーバ制御装置51が提供する第2不動産に関する情報を示す説明図である。
【
図14】
図14は、
図5に示す第3サーバが基準時に提供する不動産(第2不動産)に関する情報を示す説明図である。
【
図15】
図15は、
図5に示す第3サーバが評価時に提供する不動産(第2不動産)に関する情報を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施形態]
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、以下に図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0013】
まず、実施形態に係るインプライドキャップレートによる不動産時価査定システム(以下、単に「不動産時価査定システム」と記載する)1の構成について以下に説明する。
図1は、実施形態に係る不動産時価査定システム1を概念的に説明するブロック図である。
図2は、
図1に示す不動産時価査定システム1が備える複数の端末2のそれぞれを概念的に説明するブロック図である。
図3は、
図1に示す不動産時価査定システム1が備える複数の第1サーバ3のそれぞれを概念的に説明するブロック図である。
図4は、
図1に示す不動産時価査定システム1が備える第2サーバ4を概念的に説明するブロック図である。
図5は、
図1に示す不動産時価査定システム1が備える第3サーバ5を概念的に説明するブロック図である。
図6は、
図1に示す第1サーバ3が提供する不動産(第1不動産)の情報であって、投資法人が保有する第1不動産の情報を示す説明図である。
図7は、
図1に示す第1サーバ3が提供する不動産(第1不動産)の情報であって、投資法人が保有する第1不動産の一覧を示す説明図である。
【0014】
本実施形態における不動産時価査定システム1は、
図1に示すように、複数の端末2と、第1サーバ3と、第2サーバ4と、第3サーバ5と、を備える。そして、複数の端末2のそれぞれは、ネットワーク(例えば、インターネット)NT1を介して、第1サーバ3、第2サーバ4、および、第3サーバ5に接続される。
【0015】
図2に示す複数の端末2のそれぞれは、例えば、パーソナルコンピュータ等の電子計算機である。本実施形態に係る端末2は、例えば、不動産投資を行う投資家等が所有する。
【0016】
端末2のそれぞれは、例えば、ネットワークNT1に対して接続線Wを介して接続される。端末2は、端末制御装置21と、端末記録装置22と、を備える。
【0017】
端末制御装置21は、当該端末2の各部を統括的に制御する。端末記録装置22は、端末2の各部を作動するプログラム等の各種のデータが格納される。
【0018】
また、端末2は、マウス23a、および、キーボード23b等の端末入力装置23と、端末出力装置(ディスプレイ等)24と、を備える。
【0019】
図3に示す複数の第1サーバ3のそれぞれは、例えば、ワークステーション等の電子計算機である。本実施形態に係る第1サーバ3は、例えば、不動産に関する投資法人が所有する。不動産に関する投資法人には、証券コードが証券コード協議会から割り当てられている。証券コードは、公開株式や公募債券、その他上場証券について、識別のために付与しているコード番号であって、4ケタの数字で決定される。不動産に関する投資法人は、投資を目的として例えば複数の不動産を所有する。また、
図1において、1つの投資法人が所有する1つの第1サーバ3を示したが、実際には、ネットワークNT1に複数の第1サーバ3が接続される。そして、複数の第1サーバ3は、異なる、不動産に関する投資法人がそれぞれ所有する。
【0020】
第1サーバ3のそれぞれは、例えば、ネットワークNT1に対して接続線Wを介して接続される。そして、第1サーバ3は、ネットワークNT1を介して複数の端末2にそれぞれ接続される。第1サーバ3は、第1サーバ制御装置31と、第1サーバ記録装置32と、を備える。
【0021】
第1サーバ制御装置31は、当該第1サーバ3の各部を統括的に制御する。第1サーバ記録装置32は、第1サーバ3の各部を作動するプログラム等の各種のデータが格納される。
【0022】
また、第1サーバ3は、マウス33a、および、キーボード33b等の第1サーバ入力装置33と、第1サーバ出力装置(ディスプレイ等)34と、を備える。
【0023】
第1サーバ制御装置31は、投資法人が投資している不動産に関する情報を、ネットワークNT1を介して複数の機器(例えば、複数の端末2および第3サーバ5等)の求めに応じて提供する。
【0024】
例えば、第1サーバ制御装置31によって、作成された投資法人のホームページを、複数の端末2のそれぞれで閲覧可能である。投資法人のホームページには、投資法人が投資している不動産(以下、「第1不動産」と呼称する)に関する情報(以下、「第1不動産情報」と呼称する)が記載されている。投資法人が投資している第1不動産に関する第1不動産情報は、例えば、端末2を所有する不動産投資を行う利用者等が閲覧し、当該投資家が当該不動産に対して投資を行うか否かを検討する。また、第1不動産情報は、第3サーバ5で閲覧可能である。
【0025】
投資法人が投資している第1不動産に関する第1不動産情報は、
図6に示すように、当該不動産の外観、当該不動産の所在地、当該不動産の構造、当該不動産の階数、当該不動産の土地面積、当該不動産の延床面積、当該不動産の施工年月、当該不動産を投資法人が取得した年月、当該不動産の設計者/施工者、当該不動産の建築検査機関、および、資産の種類である。また、
図7に示すように、投資法人が投資している第1不動産に関する第1不動産情報には、当該第1不動産のそれぞれのタイプが含まれる。不動産のタイプの詳細については、後述する。第1不動産のタイプには、例えば、オフィス、レジデンシャル、リテール、ロジステック、ホテルおよびその他が含まれる。
【0026】
図4に示す第2サーバ4のそれぞれは、例えば、ワークステーション等の電子計算機である。本実施形態に係る第2サーバ4は、例えば、証券会社が所有する。
【0027】
第2サーバ4のそれぞれは、例えば、ネットワークNT1に対して接続線Wを介して接続される。そして、第2サーバ4は、ネットワークNT1を介して複数の端末2にそれぞれ接続される。第2サーバ4は、第2サーバ制御装置41と、第2サーバ記録装置42と、を備える。
【0028】
第2サーバ制御装置41は、当該第2サーバ4の各部を統括的に制御する。第2サーバ記録装置42は、第2サーバ4の各部を作動するプログラム等の各種のデータが格納される。
【0029】
また、第2サーバ4は、マウス43a、および、キーボード43b等の第2サーバ入力装置43と、第2サーバ出力装置(ディスプレイ等)44と、を備える。
【0030】
第2サーバ制御装置41は、企業の株価に関する情報、および、投資法人の価格情報を、ネットワークNT1を介して複数の機器(例えば、複数の端末2および第3サーバ5等)の求めに応じて提供する。
【0031】
例えば、第2サーバ制御装置41によって、作成された証券会社のホームページを、複数の端末2のそれぞれで閲覧可能であり、かつ、第3サーバ5で閲覧可能である。証券会社のホームページには、複数の企業の株価に関する株価情報、および、複数の投資法人の価格情報がそれぞれ記載されている。これらの情報は、東京証券取引所等の取引所が開いている時間(平日の9時~15時)では、現在の経済状況に応じて時々刻々と変化する。
【0032】
図5に示す第3サーバ5は、例えば、ワークステーション等の電子計算機である。本実施形態に係る第3サーバ5は、例えば、不動産の情報を提供する不動産情報提供会社が所有する。
【0033】
第3サーバ5は、例えば、ネットワークNT1に対して接続線Wを介して接続される。そして、第3サーバ5は、ネットワークNT1を介して複数の端末2にそれぞれ接続される。第3サーバ5は、第3サーバ制御装置51と、第3サーバ記録装置52と、を備える。
【0034】
第3サーバ制御装置51は、第3サーバ5の各部を統括的に制御する。第3サーバ記録装置52は、第3サーバ5の各部を作動するプログラム等の各種のデータが格納される。
【0035】
また、第3サーバ5は、マウス53a、および、キーボード53b等の第3サーバ入力装置53と、ディスプレイ等の第3サーバ出力装置54と、を備える。
【0036】
次に、第3サーバ記録装置52に記録される情報について説明する。第3サーバ記録装置52には、上記した投資法人のホームページが記録され、かつ、上記した証券会社のホームページが記録される。そして、第3サーバ制御装置51は、第3サーバ記録装置52に記録された投資法人のホームページから、投資法人のそれぞれが投資している複数の第1不動産の第1不動産情報を取得する。また、第3サーバ制御装置51は、第3サーバ記録装置52に記録された証券会社のホームページから、および、投資法人の価格情報を取得する。
【0037】
そして、第3サーバ制御装置51は、所定のタイミングにおいて、取得した複数の第1不動産情報でデータベースを作成し、当該データベースを第3サーバ記録装置52に記録する。この例では、所定のタイミングは、後述する第2不動産に関する第2不動産情報が、第3サーバ記録装置52に記録される前である。つまり、第3サーバ記録装置52には、予め、第1不動産に関する第1不動産情報が記録され、その後、第2不動産に関する第2不動産情報が記録される。
【0038】
また、第3サーバ制御装置51は、例えば、所定の期間を経過する毎に、または、予め定められた日時毎に、投資法人のそれぞれが投資している複数の第1不動産の第1不動産情報を取得して、第3サーバ記録装置52に上書きする。
【0039】
さらに、第3サーバ記録装置52には、不動産情報提供会社が評価を行う複数の不動産(以下、「第2不動産」と呼称する)に関する情報(以下、「第2不動産情報」と呼称する)が記録される。そこで、第2不動産に関する第2不動産情報について
図8を用いて説明する。
図8は、
図5に示す第3サーバ5の設定登録時の不動産(第2不動産)に関する情報を示す説明図である。
【0040】
第2不動産情報には、第2不動産の外観、当該不動産の所在地、当該不動産への交通手段および最寄り駅からの距離、当該不動産の土地面積、当該不動産の延床面積、当該不動産の施工年月、並びに、当該不動産の構造、当該不動産の階層である。また、第2不動産情報には、第2不動産のそれぞれに関する1年間の運営純収益、資本的支出、および純収益が含まれる。運営純収益は、
図8に示すように、賃料収入、および、駐車場収入等の種々の費用を加減することで算出される。資本的支出は、第2不動産を維持するのに必要な費用である。純収益は、1年間の想定収支であって、運営純収益から資本的支出を減算することによって算出する。また、第2不動産の還元利回りは、不動産情報提供会社が取得した複数の売買情報としての第2不動産、および、不動産情報提供会社が取得した複数の売買情報としての第2不動産において、後述する情報(データ)が最も近似している第2不動産の取引利回り(還元利回りの指標となる値)が、不動産情報提供会社の当該会社の社員等により第3サーバ入力装置53で第3サーバ記録装置52に記録される。この例において、第2不動産の還元利回りは、5パーセントであったとする。また、第2不動産情報の他の情報についても、不動産情報提供会社の当該会社の社員等により第3サーバ入力装置53で第3サーバ記録装置52に記録される。
【0041】
また第2不動産情報には、不動産(第2不動産)のタイプが含まれる。第2不動産のタイプには、例えば、オフィス、レジデンシャル、リテール、ロジステック、ホテルおよびその他が含まれる。上述した第2不動産情報は、例えば、不動産情報提供会社が、不動産の評価を行うことが決定した際、当該会社の社員等が第3サーバ入力装置53を使用して第3サーバ記録装置52に記録する。
【0042】
オフィスは、事務所として使用される不動産である。レジデンシャルは、居住用に使用される不動産である。リテールは、店舗に使用される不動産である。ロジステックは、物流施設に用いられる不動産である。ホテルは、宿泊、食事またはその他のサービスを提供する不動産である。その他は、上述したオフィス、レジデンシャル、リテール、ロジステックおよびホテルに該当しない不動産である。
【0043】
さらに、第3サーバ記録装置52には、都道府県における各市町村の単位面積あたりの土地の価格がそれぞれ記録される。ここで、都道府県における各市町村の単位面積あたりの土地の価格は、例えば国土交通省土地鑑定委員会によって公示される地価のデータを、不動産情報提供会社の社員等が、第3サーバ入力装置53を使用して第3サーバ記録装置52に記録する。なお、都道府県における各市町村の単位面積あたりの土地の価格は、例えば路線価のデータを、不動産情報提供会社の社員等が、第3サーバ入力装置53を使用して第3サーバ記録装置52に記録してもよい。
【0044】
次に、第3サーバ制御装置51が行う類似判定処理について説明する。類似判定処理は、第3サーバ制御装置51が行う処理である。そして、類似判定処理において、第3サーバ制御装置51は、1つの第2不動産について評価する一方、1つの投資法人は、複数の不動産(第1不動産)を保有する。そこで、両者の比較を容易にするため、以下に説明するように、第3サーバ制御装置51は、類似判定処理を行う前に、複数の投資法人のそれぞれにおいて、選択した個々の投資法人が保有する複数の不動産(第1不動産)に関して、1つの仮想不動産を設定する仮想不動産設定処理を行う。
【0045】
そこで、第3サーバ制御装置51が行う仮想不動産設定処理について
図9を用いて以下に説明する。
図9は、第3サーバ制御装置51が行う仮想不動産設定処理のフローチャートである。まず、第3サーバ制御装置51は、複数の投資法人のうち、仮想不動産が設定されていない1つの投資法人を選択する(ステップS001)。
【0046】
次に、第3サーバ制御装置51は、選択した1つの投資法人(以下、単に「当該投資法人」と記載する)が保有する複数の不動産(第1不動産)において、最も数が多い第1不動産のタイプを仮想不動産のタイプとして設定する(ステップS002)。
【0047】
次いで、第3サーバ制御装置51は、当該投資法人が保有する複数の不動産(第1不動産)において、最も数が多い第1不動産の所在地の住所を、仮想不動産の所在地の住所として設定する(ステップS003)。
【0048】
次に、第3サーバ制御装置51は、当該投資法人が保有する複数の不動産(第1不動産)において、第1不動産の階数の平均値を算出し、算出した階数を仮想不動産の階数として設定する(ステップS004)。
【0049】
次いで、第3サーバ制御装置51は、当該投資法人が保有する複数の不動産(第1不動産)において、第1不動産の施工年月の平均値を算出し、算出した施工年月を仮想不動産の施工年月として設定する(ステップS005)。
【0050】
そして、第3サーバ制御装置51は、第3サーバ記録装置52に記録されている複数の投資法人のすべてに仮想不動産が設定されているか否かを判断する(ステップS006)。
【0051】
第3サーバ制御装置51は、第3サーバ記録装置52に記録されている複数の投資法人のすべてに仮想不動産が設定されていない場合(ステップS006:No)、ステップS001に戻る。
【0052】
一方、第3サーバ制御装置51は、第3サーバ記録装置52に記録されている複数の投資法人のすべてに仮想不動産が設定されている場合(ステップS006:Yes)この処理を終了する。
【0053】
次に、第3サーバ制御装置51が行う類似判定処理に用いられるスコア算出処理について
図10、
図11を用いて説明する。
図10は、
図5に示す第3サーバ5が有する第3サーバ制御装置51が行うスコア算出処理のフローチャートの一部である。
図11は、
図5に示す第3サーバ5が有する第3サーバ制御装置51が行うスコア算出処理のフローチャートの一部である。スコアは、後述する類似判定処理において、仮想不動産と第2不動産との類似を判断する指標である。
【0054】
まず、第3サーバ制御装置51は、仮想不動産のタイプが、第2不動産のタイプと同一であるか否かを判断する(ステップS101)。
【0055】
第3サーバ制御装置51は、仮想不動産のタイプが、第2不動産のタイプと同一である場合には(ステップS101:Yes)、仮想不動産にスコアA1(A1のスコアは例えば700点)を付けて(ステップS102)ステップS104に進む。
【0056】
一方、第3サーバ制御装置51は、仮想不動産のタイプが、第2不動産のタイプと同一ではない場合には(ステップS101:No)、仮想不動産にスコアを加算せずに(ステップS103)この処理を終了する。
【0057】
次に、第3サーバ制御装置51は、仮想不動産の所在地の住所の市町村が、第2不動産の所在地の住所の市町村と同一であるか否かを判断する(ステップS104)。
【0058】
第3サーバ制御装置51は、仮想不動産の所在地の住所の市町村が、第2不動産の所在地の住所の市町村と同一である場合(ステップS104:Yes)には、仮想不動産にスコアB1(B1のスコアは例えば350点)を付けて(ステップS105)ステップS109に進む。
【0059】
一方、第3サーバ制御装置51は、仮想不動産の所在地の住所の市町村が、第2不動産の所在地の住所の市町村と同一でない場合には(ステップS104:No)、ステップS106に進む。
【0060】
次に、第3サーバ制御装置51は、第3サーバ記録装置52に記録されているデータ(都道府県における各市町村の単位面積あたりの土地の価格のデータ)を読み出し、第2不動産の単位面積当たりの土地の価格と、仮想不動産の単位面積当たりの土地の価格とを比較し、仮想不動産の単位面積当たりの土地の価格が、第2不動産の単位面積当たりの土地の価格のプラスマイナス10パーセントであるか否かを判断する(ステップS106)。
【0061】
第3サーバ制御装置51は、仮想不動産の単位面積当たりの土地の価格が、第2不動産の単位面積当たりの土地の価格のプラスマイナス10パーセントである場合(ステップS106:Yes)には、仮想不動産にスコアB2(B2のスコアは例えば250点)を付けて(ステップS107)ステップS109に進む。
【0062】
一方、第3サーバ制御装置51は、仮想不動産の単位面積当たりの土地の価格が、第2不動産の階層のプラスマイナス10パーセントでない場合(ステップS106:No)には、第1不動産にスコアを加算せずに(ステップS108)ステップS109に進む。
【0063】
次に、第3サーバ制御装置51は、仮想不動産の階層が、第2不動産の階層と同一であるか否かを判断する(ステップS109)。
【0064】
第3サーバ制御装置51は、仮想不動産の階層が、第2不動産の階層と同一である場合(ステップS109:Yes)には、仮想不動産にスコアC1(C1のスコアは例えば200点)を付けて(ステップS110)ステップS114に進む。
【0065】
一方、第3サーバ制御装置51は、仮想不動産の階層が、第2不動産の階層と同一でない場合には(ステップS109:No)、ステップS111に進む。
【0066】
そして、第3サーバ制御装置51は、仮想不動産の階層が、第2不動産の階層のプラスマイナス30パーセントであるか否かを判断する(ステップS111)。
【0067】
第3サーバ制御装置51は、仮想不動産の階層が、第2不動産の階層のプラスマイナス30パーセントである場合(ステップS111:Yes)には、仮想不動産にスコアC2(C2のスコアは例えば50点)を付けて(ステップS112)ステップS114に進む。
【0068】
一方、第3サーバ制御装置51は、仮想不動産の階層が、第2不動産の階層のプラスマイナス30パーセントでない場合(ステップS111:No)には、仮想不動産にスコアを加算せずに(ステップS113)ステップS114に進む。
【0069】
次に、第3サーバ制御装置51は、仮想不動産の施工年月が、第2不動産の施工年月と同一であるか否かを判断する(ステップS114)。
【0070】
第3サーバ制御装置51は、仮想不動産の施工年月が、第2不動産の施工年月と同一である場合(ステップS114:Yes)には、仮想不動産にスコアD1(D1のスコアは例えば100点)を付けて(ステップS115)この処理を終了する。
【0071】
一方、第3サーバ制御装置51は、仮想不動産の施工年月が、第2不動産の施工年月と同一でない場合には(ステップS114:No)、ステップS116に進む。
【0072】
そして、第3サーバ制御装置51は、仮想不動産の施工年月が、第2不動産の施工年月のプラスマイナス2年であるか否かを判断する(ステップS116)。
【0073】
第3サーバ制御装置51は、仮想不動産の施工年月が、第2不動産の施工年月日のプラスマイナス2年である場合(ステップS116:Yes)には、仮想不動産にスコアD2(D2のスコアは例えば40点)を付けて(ステップS117)この処理を終了する。
【0074】
一方、第3サーバ制御装置51は、仮想不動産の施工年月が、第2不動産の施工年月のプラスマイナス2年でない場合(ステップS116:No)には、仮想不動産にスコアを加算せずに(ステップS118)この処理を終了する。
【0075】
次に、第3サーバ制御装置51が行う類似判定処理について
図12を用いて説明する。
図12は、
図5に示す第3サーバが有する第3サーバ制御装置が行う類似判定処理のフローチャートである。類似判定処理は、仮想不動産が第2不動産に類似(近似)しているか否かを判定する処理である。類似判定処理は、例えば、上述した第2不動産に関する情報のすべてが第3サーバ記録装置52に記録されたことを条件に行われる。また、類似判定処理は、第2不動産に対して基準となる投資法人を選択する処理である。この処理では、第2不動産の各種情報と、仮想不動産の各種情報とを比較し、第2不動産に類似する第1不動産を多く保有する投資法人を選択する。この類似判定処理において、スコアが大きい仮想不動産が第2不動産に類似している一方、スコアが小さい仮想不動産は第2不動産に類似していない。また、本実施形態に係る類似判定処理は、あらかじめ設定されたスコア閾値よりも、総スコアが大きい仮想不動産が第2不動産に類似しているものとして投資法人を選出する。
【0076】
まず、第3サーバ制御装置51は、第3サーバ記録装置52に記録されているデータベースにおいて、複数の投資法人から総スコアが関連付けられていない投資法人を1つ選択して(ステップS201)ステップS202に進む。
【0077】
次に、第3サーバ制御装置51は、選択した1つの投資法人の仮想不動産に対して上述したスコア算出処理を行い(ステップS202)ステップS203に進む。
【0078】
次いで、第3サーバ制御装置51は、スコア算出処理において算出したすべてのスコアを加算することによって総スコアを算出し、算出した総スコアを投資法人に関連付けて第3サーバ記録装置52に記録し(ステップS203)ステップS204に進む。
【0079】
次に、第3サーバ制御装置51は、第3サーバ記録装置52に記録されている複数の投資法人のすべてに総スコアが関連付けられているか否かを判断する(ステップS204)。
【0080】
次いで、第3サーバ制御装置51は、第3サーバ記録装置52に記録されている複数の投資法人のすべてに総スコアが関連付けられている場合(ステップS204:Yes)ステップS205に進む。
【0081】
一方、第3サーバ制御装置51は、第3サーバ記録装置52に記録されている複数の投資法人のすべてに総スコアが関連付けられていない場合(ステップS204:No)ステップS201に戻る。
【0082】
次に、第3サーバ制御装置51は、あらかじめ設定されたスコア閾値よりも総スコアが大きい投資法人を選択し(ステップS205)ステップS206に進む。この例では、あらかじめ設定されたスコア閾値は、690点である。本実施形態において、スコア閾値が690点である一方、条件を満たす場合のスコアA1が700点であり、かつ、スコアB1が350点であり、スコアC1が200点であり、スコアD1が100である。そのため、本実施形態に係る類似判定処理においては、類似と判定されるためには、少なくとも、タイプが同一であることが必要である。
【0083】
次いで、第3サーバ制御装置51は、選択した投資法人において、総スコアの大小に応じて投資法人にウエイト付けして(ステップS206)この処理を終了する。より具体的に説明すると、第3サーバ制御装置51は、選択した投資法人において、総スコアが最も大きい投資法人のウエイトを最も大きくし、かつ、総スコアが最も小さい投資法人のウエイトを最も小さくし、総スコアの大小に応じてウエイトの大小を算出する。一例をあげると、第3サーバ制御装置51は、選択した投資法人において、総スコアが最も大きいα1投資法人のウエイトを40パーセントとして最も大きくし、かつ、総スコアが最も小さい2つのβ1投資法人およびγ1投資法人のウエイトを30パーセントとして最も小さくする。ここでは、第3サーバ制御装置51は、3つの投資法人を類似と判定して選択したため、3つの投資法人の合計を100パーセントとして、上記のようにウエイトを振り分ける。
【0084】
仮に、第3サーバ制御装置51は、3つの投資法人を類似と判定して選択した場合において、例えば、α2投資法人の総スコアが最も大きく、β2投資法人の総スコアが最も小さく、γ2投資法人の総スコアが両者の中間である場合、第3サーバ制御装置51は、選択した投資法人において、総スコアが最も大きいα2投資法人のウエイトを37パーセントとして最も大きくし、かつ、総スコアが最も小さいβ2投資法人のウエイトを30パーセントとして最も小さくし、総スコアが両者の中間であるγ2投資法人のウエイトを33パーセントとする。
【0085】
また、仮に、第3サーバ制御装置51は、4つの投資法人を類似と判定して選択した場合において、例えば、α3投資法人の総スコアが最も大きく、β3投資法人の総スコアが最も小さく、γ3投資法人とδ3投資法人の総スコアが両者の中間である場合、第3サーバ制御装置51は、選択した投資法人において、総スコアが最も大きいα3投資法人のウエイトを30パーセントとして最も大きくし、かつ、総スコアが最も小さいβ3投資法人のウエイトを20パーセントとして最も小さくし、総スコアが両者の中間であるγ3投資法人およびδ3投資法人のウエイトを25パーセントとする。
【0086】
つまり、本実施形態において、第2不動産に対して類似性が高い第1不動産を多く保有する投資法人のウエイトを大きくする一方、第2不動産に対して類似性が低い第1不動産を多く保有する投資法人のウエイトを小さくする。
【0087】
次に、上記した類似判定処理において、第2不動産に類似する仮想不動産の投資法人が、α1投資法人、β1投資法人、および、γ1投資法人であって、α1投資法人の総スコアが最も大きく、β1投資法人およびγ1投資法人の総スコアが次に大きいものであったとして、以下、還元利回り算出処理について説明する。
【0088】
第3サーバ制御装置51は、例えば、第2不動産に関するすべての情報(データ)が第3サーバ記録装置52に記録された場合には、上記した類似判定処理を行って第2不動産に類似する仮想不動産の投資法人(この例では、(α1投資法人、β1投資法人およびγ1投資法人))を選択する。そして、第3サーバ制御装置51は、選択した3つの投資法人(α1投資法人、β1投資法人およびγ1投資法人)の価格情報のそれぞれを、投資法人の価格情報を提供する第2サーバ4から取得して第3サーバ記録装置52に初期設定時として記録する。
【0089】
例えば、初期登録時において、第3サーバ制御装置51は、第2サーバ4(証券会社のホームページ)から、α1投資法人の価格情報(例えばαX1万円)を取得し、当該価格情報をα1投資法人の初期設定時の価格情報として第3サーバ記録装置52に記録する。
【0090】
同様に、初期登録時において、第3サーバ制御装置51は、第2サーバ4(証券会社のホームページ)から、β1投資法人の価格情報(例えばβY1万円)を取得し、当該価格情報をβ1投資法人の初期設定時の価格情報として第3サーバ記録装置52に記録する。
【0091】
同様に、初期登録時において、第3サーバ制御装置51は、第2サーバ4(証券会社のホームページ)から、γ1投資法人の価格情報(例えばγZ1万円)を取得し、当該価格情報をサーバ記録装置52に記録する。
【0092】
第3サーバ制御装置51は、これらの投資法人の価格情報を第3サーバ記録装置52に記録した場合には、その後、不動産情報提供会社の利用者に対し、不動産情報提供会社のホームページを閲覧することを許可する。具体的には、不動産情報提供会社のホームページにおいて、ログインIDおよびパスワードを入力すると、当該ホームページにおいて不動産情報提供会社の情報が閲覧可能である。
【0093】
そこで、次に、第3サーバ制御装置51によって端末2に提供される情報(不動産情報提供会社から提供される情報)について
図12を用いて説明する。
図13は、
図5に示す第3サーバ5が有する第3サーバ制御装置51が提供する第2不動産に関する情報を示す説明図である。
【0094】
利用者等が、不動産情報提供会社のホームページに、ログインIDおよびパスワードを入力すると、
図13に示すように、端末2のディスプレイ24に地図等が表示される。そして、利用者が端末2のマウス23aを操作して、地図上に表示される、上述した第2不動産をクリックする。
【0095】
すると、第3サーバ制御装置51は、第2不動産の情報であって、第3サーバ記録装置52に記録された以下の情報を読み出す。第3サーバ制御装置51は、第3サーバ記録装置52に記録されている初期登録時におけるα1投資法人の価格情報(αX1万円)、β1投資法人の価格情報(βY1万円)、γ1投資法人の価格情報(γZ1万円)を読み出す。また、第3サーバ制御装置51は、第3サーバ記録装置52に記録されている初期登録時における、第2不動産の還元利回り(例えば6.7パーセント)を読み出す。
【0096】
さらに、第3サーバ制御装置51は、第2サーバ4(証券会社のホームページ)から、現在の、投資法人の価格情報を所得する。この例では、利用者が端末2を操作している際の基準時において、α1投資会社の価格情報がαX2万円であり、β1投資会社の価格情報がβY2万円であり、γ1投資会社の価格情報がγZ2万円であったとする。そして、第3サーバ制御装置51は、投資法人において、初期設定時の価格情報と、基準時の価格情報との相違をインプライドキャップレートの相違として算出する。
【0097】
例えば、α1投資法人において、初期設定時の価格情報がαX1万円であり、基準時の価格情報がαX2万円であり、価格情報の相違が-0.3パーセントであったとする。
【0098】
同様に、β1投資法人において、初期設定時の価格情報がβY1万円であり、基準時の価格情報がβY2万円であり、価格情報の相違が-0.2パーセントであったとする。
【0099】
同様に、γ1投資法人において、初期設定時の価格情報がγY1万円であり、基準時の価格情報がγY2万円であり、価格情報の相違が-0.2パーセントであったとする。
【0100】
そして、上述したように、α1投資法人のウエイト付けが40パーセントであり、β1投資法人のウエイト付けが30パーセントであり、γ1投資法人のウエイト付けが30パーセントである。それらのため、この例では、第3サーバ制御装置51は、基準時のインプライドキャップレートの相違を以下の式に基づいて算出する。
Inplied CR=-0.3×40/100-0.2×30/100-0.2×30/100=-0.25パーセント
つまり、この例では、インプライドキャップレートは、25パーセントの減少率である。
【0101】
そこで、第3サーバ制御装置51は、初期登録時における、第2不動産の還元利回りである6.7パーセントに上記の減少率を乗算し、(具体的には、6.7×(1-0.25)を算出)することで、現在の第2不動産の還元利回りを、5パーセントであると算出する。
【0102】
つまり、本実施形態に係る第3サーバ制御装置51は、初期登録時の後の別の日時における基準時において、複数の端末2のうちいずれかの端末2より第2不動産に関する第2不動産情報が求められた場合には、第2サーバ4(証券会社のホームページ)から第2不動産に類似する投資法人(この例では、α1投資法人、β1投資法人、および、γ1投資法人)の現在の価格情報を取得して第3サーバ記録装置52に基準時として記録し、初期登録時の価格情報と基準時の価格情報との相違をインプライドキャップレートの相違とし、当該インプライドキャップレートの相違に対応して、初期設定時における還元利回りから基準時の還元利回りを算出する。
【0103】
その後、第3サーバ制御装置51は、算出した現在の還元利回りに基づいて第2不動産の価格を算出する。
【0104】
例えば、
図8に示すように、初期登録時において、純収益が169,000,000円であり、還元利回りが6.7パーセントであるため、市場価格(第2不動産の価格)は、純収益に還元利回りを除算(つまり、169,000,000÷0.067)することによって2,522,388,060円であった。
【0105】
そして、
図14に示すように、第3サーバ制御装置51は、算出した現在の還元利回りが5.0パーセントであるため、市場価格(第2不動産の価格)は、純収益に還元利回りを除算(つまり、169,000,000÷0.05)することによって3,380,000,000円である。そして、第3サーバ制御装置51は、算出した現在の還元利回り(5.0パーセント)と、算出した市場価格(3,380,000,000円)とを、第2不動産の基準時における情報として、第3サーバ記録装置52に記録する。
【0106】
その後、第3サーバ制御装置51は、端末2の求めに応じて第2不動産の価格に関する情報を端末2の端末出力装置24に、
図14のように表示する。
図14は、
図5に示す第3サーバ5が基準時に提供する不動産(第2不動産)に関する情報を示す説明図である。
【0107】
不動産投資を行う投資家が自身の端末2を用いて、第3サーバ5の第3サーバ制御装置51によって表示される第2不動産に関する情報を閲覧すると、
図14に示すように、基準時において、還元利回りは、5.0パーセントであり、市場価格(第2不動産の価格)は、3,380,000,000円である。
【0108】
また、第3サーバ制御装置51は、基準時の後の別の日時における評価時において、複数の端末2のうちいずれかの端末2より第2不動産に関する第2不動産情報が求められた場合には、第2サーバ4(証券会社のホームページ)から第2不動産に類似する投資法人(この例では、α1投資法人、β1投資法人、および、γ1投資法人)の現在の価格情報を取得して第3サーバ記録装置52に評価時として記録し、基準時の価格情報と評価時の価格情報との相違をインプライドキャップレートの相違とし、当該インプライドキャップレートの相違に対応して、基準時における還元利回りから評価時の還元利回りを算出する。
【0109】
例えば、評価時において、第3サーバ制御装置51は、第2サーバ4(証券会社のホームページ)から、α1投資法人の価格情報(例えばαX3万円)を取得し、当該価格情報をα1投資法人の評価時の価格情報として第3サーバ記録装置52に記録する。
【0110】
同様に、評価時において、第3サーバ制御装置51は、第2サーバ4(証券会社のホームページ)から、β1投資法人の価格情報(例えばβY3万円)を取得し、当該価格情報をβ1投資法人の初期設定時の価格情報として第3サーバ記録装置52に記録する。
【0111】
同様に、評価時において、第3サーバ制御装置51は、第2サーバ4(証券会社のホームページ)から、γ1投資法人の価格情報(例えばγZ3万円)を取得し、当該価格情報をサーバ記録装置52に記録する。
【0112】
そして、第3サーバ制御装置51は、投資法人において、基準時の価格情報と、評価時の価格情報との相違をインプライドキャップレートの相違として算出する。
【0113】
例えば、α1投資法人において、基準時の価格情報がαX2万円であり、評価時の価格情報がαX3万円であり、価格情報の相違が20パーセントであったとする。
【0114】
同様に、β1投資法人において、基準時の価格情報がβY2万円であり、評価時の価格情報がβY3万円であり、価格情報の相違が20パーセントであったとする。
【0115】
同様に、γ1投資法人において、基準時の価格情報がγZ2万円であり、評価時の価格情報がγZ3万円であり、価格情報の相違が20パーセントであったとする。
【0116】
そして、上述したように、α1投資法人のウエイト付けが40パーセントであり、β1投資法人のウエイト付けが30パーセントであり、γ1投資法人のウエイト付けが30パーセントである。それらのため、この例では、第3サーバ制御装置51は、評価時のインプライドキャップレートの相違を以下の式に基づいて算出する。
Inplied CR=0.2×40/100+0.2×30/100+0.2×30/100=0.20パーセント
つまり、この例では、インプライドキャップレートは、20パーセントの増加減少率である。
【0117】
そこで、第3サーバ制御装置51は、基準時における、第2不動産の還元利回りである5.0パーセントに上記の増加率を乗算し、(具体的には、5.0×(1+0.2)を算出)することで、現在(評価時)の第2不動産の還元利回りを、6パーセントであると算出する。
【0118】
その後、第3サーバ制御装置51は、算出した現在の還元利回りに基づいて第2不動産の価格を算出する。
【0119】
そして、第3サーバ制御装置51は、算出した現在の還元利回りが6.0パーセントであるため、市場価格(第2不動産の価格)は、純収益に還元利回りを除算(つまり、169,000,000÷0.06)することによって2,816,666,667円である。そして、第3サーバ制御装置51は、算出した現在の還元利回り(6.0パーセント)と、算出した市場価格(2,816,666,667円)とを、第2不動産の評価時の情報として、第3サーバ記録装置52に記録する。
【0120】
その後、第3サーバ制御装置51は、端末2の求めに応じて第2不動産の価格に関する情報を端末2の端末出力装置24に、
図15のように表示する。
図15は、
図5に示す第3サーバが評価時に提供する不動産(第2不動産)に関する情報を示す説明図である。
【0121】
そして、第3サーバ制御装置51は、評価時における投資法人の価格情報、還元利回り、市場価格(第2不動産の価格)を、基準時における投資法人の価格情報、還元利回り、市場価格(第2不動産の価格)として第3サーバ記録装置52に記録する。その後、第3サーバ制御装置51は、端末2より当該第2不動産の価格に関する情報の求めがあることを待機する。
【0122】
上記に説明したように、本実施形態に係る不動産時価査定システム1は、ネットワークNT1に接続された複数の端末2と、ネットワークNT1に接続され、ネットワークNT1に接続された複数の機器(端末2および第3サーバ5)の求めに応じて、投資法人の情報を提供する複数の第1サーバ3と、ネットワークNT1に接続され、ネットワークNT1に接続された複数の機器(端末2および第3サーバ5)の求めに応じて投資法人の価格情報を提供する第2サーバ4と、ネットワークNT1に接続され、ネットワークNT1に接続された複数の端末2に対して、第1不動産に関する情報を提供する第3サーバ5と、を備える。第3サーバ5は、データを記録可能な第3サーバ記録装置52と、第3サーバ記録装置52に記録されたデータに基づいて情報を処理する第3サーバ制御装置51とを、備える。第3サーバ制御装置51は、所定のタイミングにおいて、第1サーバ3から、投資法人が投資している複数の第1不動産に関する第1不動産情報を取得し、複数の第1不動産に関するデータベースを構築して当該データベースを第3サーバ記録装置52に記録し、投資法人が投資している複数の第1不動産のデータに基づいて仮想不動産を設定する。第3サーバ制御装置51は、仮想不動産のデータと第2不動産のデータとに基づいて、第2不動産に類似する投資法人を選択し、選択した投資法人の価格情報を、第2サーバ4から取得して第3サーバ記録装置52に初期登録時として記録する。第3サーバ制御装置51は、初期登録時の後の別の日時における基準時において、複数の端末2のうちいずれかの端末2より第2不動産に関する第2不動産情報が求められた場合には、第2サーバ4から第2不動産に類似する投資法人の現在の価格情報を取得して第3サーバ記録装置52に基準時として記録し、初期設定時の価格情報と基準時の価格情報との相違をインプライドキャップレートの相違とし、当該インプライドキャップレートの相違に対応して、初期設定時における還元利回りから基準時における還元利回りを算出する。第3サーバ制御装置51は、基準時の後の別の日時における評価時において、複数の端末2のうちいずれかの端末2より第2不動産に関する第2不動産情報が求められた場合には、第2サーバ4から第2不動産に類似する投資法人の現在の価格情報を取得して第3サーバ記録装置52に評価時として記録し、基準時の価格情報と評価時の価格情報との相違をインプライドキャップレートの相違とし、当該インプライドキャップレートの相違に対応して、基準時における還元利回りから評価時における還元利回りを算出する。そのため、本実施形態に係る不動産時価査定システム1は、時々刻々と変化する現在の経済状況に応じた適正な不動産の価格を算出することができる。
【0123】
また、本実施形態に係る不動産時価査定システム1において、第3サーバ制御装置51は、仮想不動産のデータと第2不動産のデータとに基づいて、第2不動産に類似する複数の投資法人を選択し、選択した複数の投資法人の価格情報を、第2サーバ4から取得して第3サーバ記録装置52に初期登録時として記録する。第3サーバ制御装置51は、初期登録時の後の別の日時における基準時において、複数の端末2のうちいずれかの端末2より第2不動産に関する第2不動産情報が求められた場合には、第2サーバ4から第2不動産に類似する複数の投資法人の現在の価格情報を取得して第3サーバ記録装置52に基準時として記録し、第2不動産に対して類似性が高い第1不動産が多く含まれる投資法人のウエイトを高くする一方、第2不動産に対して類似性が低い第1不動産が多く含まれる投資法人のウエイトを低くして複数の投資法人にウエイト付けを行いながら初期設定時の価格情報と基準時の価格情報との相違をインプライドキャップレートの相違とし、当該インプライドキャップレートの相違に対応して、初期設定時における還元利回りから基準時における還元利回りを算出する。第3サーバ制御装置51は、基準時の後の別の日時における評価時において、複数の端末2のうちいずれかの端末2より第2不動産に関する第2不動産情報が求められた場合には、第2サーバ4から第2不動産に類似する複数の投資法人の現在の価格情報を取得して第3サーバ記録装置52に評価時として記録し、第2不動産に対して類似性が高い第1不動産が多く含まれる投資法人のウエイトを高くする一方、第2不動産に対して類似性が低い第1不動産が多く含まれる投資法人のウエイトを低くして複数の投資法人にウエイト付けを行いながら基準時の価格情報と評価時の価格情報との相違をインプライドキャップレートの相違とし、当該インプライドキャップレートの相違に対応して、基準時における還元利回りから評価時における還元利回りを算出する。
【0124】
なお、上述した実施形態に係る不動産時価査定システム1において、第3サーバ制御装置51は、第2不動産に類似する複数の投資法人を選択するものを説明した。しかし、本実施形態に係る不動産時価査定システム1において、第3サーバ制御装置51は、第2不動産に類似する1つの投資法人を選択してもよい。例えば、第3サーバ制御装置51は、複数の投資法人において、最もスコアが大きい仮想不動産の1つの投資法人を選択する。
【0125】
つまり、本発明に係る不動産時価査定システム1には、以下に記載する第3サーバ制御装置51が含まる。
【0126】
本実施形態に係る不動産時価査定システム1において、第3サーバ制御装置51は、仮想不動産のデータと第2不動産のデータとに基づいて、第2不動産に類似する1つの投資法人を選択し、選択した1つの投資法人の価格情報を、第2サーバ4から取得して第3サーバ記録装置52に初期登録時として記録し、初期登録時の後の別の日時における基準時において、複数の端末2のうちいずれかの端末2より第2不動産に関する第2不動産情報が求められた場合には、第2サーバ4から第2不動産に類似する1つの投資法人の現在の価格情報を取得して第3サーバ記録装置52に基準時として記録し、初期設定時の価格情報と基準時の価格情報との相違をインプライドキャップレートの相違とし、当該インプライドキャップレートの相違に対応して、初期設定時における還元利回りから基準時における還元利回りを算出する。第3サーバ制御装置51は、基準時の後の別の日時における評価時において、複数の端末2のうちいずれかの端末2より第2不動産に関する第2不動産情報が求められた場合には、第2サーバ4から第2不動産に類似する1つの投資法人の現在の価格情報を取得して第3サーバ記録装置52に評価時として記録し、基準時の価格情報と評価時の価格情報との相違をインプライドキャップレートの相違とし、当該インプライドキャップレートの相違に対応して、基準時における還元利回りから評価時における還元利回りを算出する。
【0127】
また、上述した実施形態に係る不動産時価査定システム1では、不動産のタイプ、住所、階数、および、施工年月によって仮想不動産と第2不動産の類似性を比較するものを説明した。しかし、本発明に係る不動産時価査定システム1はそれに限られない。例えば、上述した複数の項目において、タイプを除いてもよいし、別の項目(例えば不動産の構造)を付加して、仮想不動産と第2不動産との類似性を比較してもよい。
【0128】
また、上述した実施形態に係る不動産時価査定システム1では、投資法人の価格情報の相違に基づいてインプライドキャップレートを相違させるものを説明した。しかし、本実施形態に係る不動産時価査定システム1はそれに限られない。例えば、不動産時価査定システム1は、投資法人の価格情報の相違に基づいてインプライドキャップレートを相違させると共に、投資法人の価格情報の相違に基づいて期中純利益を変動させてもよい。
【符号の説明】
【0129】
1 不動産時価査定システム
2 端末
24 端末出力装置
3 第1サーバ
4 第2サーバ
5 第3サーバ
51 第3サーバ制御装置
52 第3サーバ記録装置
NT1 ネットワーク
【要約】
【課題】適正な不動産の価格を算出する。
【解決手段】不動産時価査定システムは、ネットワークに接続され、ネットワークに接続された複数の端末に対して、第1不動産に関する情報を提供する第3サーバを備える。第3サーバのデータを記録可能な第3サーバ制御装置は、基準時の後の別の日時における評価時において、複数の端末のうちいずれかの端末より第2不動産に関する第2不動産情報が求められた場合には、第2サーバから第2不動産に類似する投資法人の現在の価格情報を取得して第3サーバ記録装置に評価時として記録し、基準時の価格情報と評価時の価格情報との相違をインプライドキャップレートの相違とし、当該インプライドキャップレートの相違に対応して、基準時における還元利回りから評価時における還元利回りを算出する。
【選択図】
図12