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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】水洗便器
(51)【国際特許分類】
   E03D 11/13 20060101AFI20241122BHJP
   E03D 11/02 20060101ALI20241122BHJP
   E03D 5/012 20060101ALI20241122BHJP
   F16L 11/11 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
E03D11/13
E03D11/02 Z
E03D5/012
F16L11/11
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021029257
(22)【出願日】2021-02-25
(65)【公開番号】P2022130205
(43)【公開日】2022-09-06
【審査請求日】2023-11-13
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】嵐 謙次郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 健太
(72)【発明者】
【氏名】松尾 隆史
(72)【発明者】
【氏名】和田 晃輝
(72)【発明者】
【氏名】杉園 達馬
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-173971(JP,A)
【文献】特開2002-081123(JP,A)
【文献】特開2001-227684(JP,A)
【文献】特開2005-232838(JP,A)
【文献】特開平10-115387(JP,A)
【文献】特開2017-031654(JP,A)
【文献】特開2004-169840(JP,A)
【文献】特開2009-213812(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 1/00 - 7/00
E03D 11/00 - 13/00
F16L 9/00 - 11/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボウル部と、
前記ボウル部に溜まった溜め水を排出する排出管と、
前記排出管に接続された可動トラップとを備え、
前記可動トラップは、環状の山部と谷部とが交互に設けられた変形可能な円筒状の蛇腹管部を含み、
前記山部は、前記山部の上側半部を構成する上部分と、前記山部の下側半部を構成する下部分とを含み、前記上部分と前記下部分の山の高さは、互いに異なるように設けられており、
前記上部分の山の高さは、前記下部分の山の高さよりも低くなるように周方向において漸次変化し、
前記上部分の最上部における山の高さは、6mmから10mmの範囲内で設定されている、
水洗便器。
【請求項2】
前記上部分の前記最上部における厚みは、0.5mmから1.5mmの範囲内で設定されている、
請求項1の水洗便器。
【請求項3】
ボウル部と、
前記ボウル部に溜まった溜め水を排出する排出管と、
前記排出管に接続された可動トラップとを備え、
前記可動トラップは、環状の山部と谷部とが交互に設けられた変形可能な蛇腹管部を含み、
前記山部は、前記山部の上側半部を構成する上部分と、前記山部の下側半部を構成する下部分とを含み、前記上部分と前記下部分の山の高さは、互いに異なるように設けられており、
前記上部分の山の高さは、前記下部分の山の高さよりも低く設けられ、
前記上部分は、前記下部分よりも薄肉に設けられている、
洗便器。
【請求項4】
前記上部分の傾斜角度は、45°以上に設けられている、
請求項1から3のいずれか一項に記載の水洗便器。
【請求項5】
前記蛇腹管部は、エチレンプロピレンジエンゴムで形成されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載の水洗便器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、水洗便器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、可動トラップを備える水洗便器が記載されている。可動トラップは、円筒状の蛇腹構造を有したものであり、可動トラップの一端が便器鉢の排水口部に接続され、可動トラップの他端が開放端とされている。可動トラップの他端は、モータ駆動により上下に移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-098485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、蛇腹構造の可動トラップをモータ駆動するように構成された水洗便器においては、可動トラップが屈曲した姿勢となるときに、可動トラップの蛇腹部分に負荷が掛かり、また、モータに負荷が掛かる。
【0005】
本開示は、可動トラップの蛇腹部分に負荷が掛かることを抑え、また、モータに負荷が掛かることを抑えることができる水洗便器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る水洗便器は、ボウル部と、前記ボウル部に溜まった溜め水を排出する排出管と、前記排出管に接続された可動トラップとを備える。前記可動トラップは、環状の山部と谷部とが交互に設けられた変形可能な蛇腹管部を含む。前記山部は、前記山部の上側半部を構成する上部分と、前記山部の下側半部を構成する下部分とを含む。前記上部分と前記下部分の山の高さは、互いに異なるように設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本開示の水洗便器は、可動トラップの蛇腹部分に負荷が掛かることを抑え、また、モータに負荷が掛かることを抑えることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示に係る一実施形態の水洗便器において可動トラップが封水姿勢にあるときを示す概略的な側断面図である。
図2図2は、同上の水洗便器において可動トラップが水平方向に伸びた姿勢にあるときを示す概略的な側断面図である。
図3図3は、同上の水洗便器において可動トラップが排水姿勢にあるときを示す概略的な側断面図である。
図4図4は、同上の水洗便器の可動トラップの要部を示す側面図である。
図5図5は、図4のA-A線断面図である。
図6図6は、図5のB-B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(一実施形態)
一実施形態の水洗便器1について、添付図面に基づいて説明する。以下の説明において用いる前後方向は、水洗便器1に座った利用者を基準とした前後方向である。
【0010】
(水洗便器の全体構成)
図1に示すように、水洗便器1は、ボウル部2、給水部3、可動トラップ4及び制御部5を備える。
【0011】
ボウル部2の上端部には、リム21が形成されている。リム21は、ボウル部2の中心側に突出する庇状の形状を有する。ボウル部2の底部からは、排出管22が後方に向けて突出している。排出管22の先端(言い換えれば排出管22の後端)には、後方に向けて開口する開口部23が設けられている。排出管22には、可動トラップ4が接続されている。可動トラップ4の詳細な構成については、後述する。
【0012】
給水部3は、ボウル部2の上端部からボウル部2の内周面に沿うように洗浄水を吐出する吐出ノズル32と、給水源33に接続されて吐出ノズル32に給水を行う給水管34と、給水管34の途中に設けられた電磁弁35とを有する。
【0013】
電磁弁35は、制御部5によってその開度が制御される。給水部3からボウル部2に供給する洗浄水の量は、電磁弁35を用いて制御される。一実施形態において、給水源33は水道管である。
【0014】
制御部5は、例えば、CPU等のプロセッサ及びメモリを含むコンピュータ(マイクロコンピュータを含む)を有する。制御部5は、メモリに記憶された適宜のプログラムを実行することにより、給水部3の電磁弁35と後述する可動トラップ4のモータ41を制御する。制御部5は、給水部3の電磁弁35と可動トラップ4のモータ41のそれぞれに対して電気的に接続されている。
【0015】
水洗便器1は、更に、スカート11、便座12、便蓋13及び上部ケース14を備える。スカート11は、ボウル部2の周囲を覆うように設けられている。便座12は、ボウル部2のリム21に載置される。ボウル部2とスカート11は、リム21を介して一体に設けられている。便座12とこれを覆う便蓋13は、上部ケース14に回転自在に支持されている。上部ケース14の内部には、制御部5が収容されている。
【0016】
(可動トラップ)
可動トラップ4は、トラップ主管42及び移動装置43を含む。
【0017】
トラップ主管42は、ボウル部2から突出した排出管22の開口部23に接続された、変形可能な管である。トラップ主管42の変形は、移動装置43によって操作される。
【0018】
まず、移動装置43の構成について説明する。移動装置43は、保持部44、アーム部45及びモータ41を含む。
【0019】
保持部44は、可動トラップ4の下流端部46を保持する部分であり、下流端部46に固定されている。可動トラップ4の下流端部46は、トラップ主管42の下流端部で構成されている。
【0020】
アーム部45は、互いに反対側に位置する第一端部451と第二端部452とを有する。アーム部45の第一端部451には保持部44が接続されており、アーム部45の第二端部452にはモータ41が接続されている。モータ41が回転すると、アーム部45が第二端部452を中心として回転する。これに連動して、アーム部45とこれに接続された保持部44とを介して、可動トラップ4の下流端部46が、側方から見て円弧状の軌跡に沿って、上下動する。
【0021】
モータ41の回転は、制御部5によって制御される。可動トラップ4の下流端部46は、上方位置と下方位置の間で往復動を行い、この往復動は制御部5によって制御される。
【0022】
可動トラップ4の下流端部46が上方位置にあるときには、ボウル部2は封水可能な状態となり、ボウル部2の所定の封水高さまで溜め水31を溜めることができる。下流端部46が上方位置にあるときの可動トラップ4の姿勢が、図1に示す封水姿勢である。
【0023】
可動トラップ4の下流端部46が下方位置にあるときには、ボウル部2内の溜め水31と汚物を、可動トラップ4を通じて排出することができる。下流端部46が下方位置にあるときの可動トラップ4の姿勢が、図3に示す排水姿勢である。
【0024】
一実施形態の水洗便器1において、可動トラップ4は、下流端部46が上方位置にあるとき(つまり可動トラップ4が封水姿勢にあるとき)には、トラップ主管42の後方の開口が後斜め上方を向くように構成されているが、封水姿勢はこれに限定されない。例えば、可動トラップ4の下流端部46が上方位置にあるときに、トラップ主管42の後方の開口が上方を向くように設けられてもよい。
【0025】
また、一実施形態の水洗便器1において、可動トラップ4は、下流端部46が下方位置にあるとき(つまり可動トラップ4が排水姿勢にあるとき)には、トラップ主管42の後方の開口が後斜め下方を向くように構成されているが、排水姿勢はこれに限定されない。例えば、可動トラップ4の下流端部46が下方位置にあるときに、トラップ主管42の後方の開口が下方を向くように設けられてもよい。
【0026】
次に、トラップ主管42について説明する。トラップ主管42は、変形可能な蛇腹管部47を含む。蛇腹管部47は、例えばエチレンプロピレンジエンゴム製の筒体であるが、他の種類のゴム、又は樹脂を用いて形成することも可能である。一実施形態の水洗便器1では、蛇腹管部47によって、トラップ主管42の全部が構成されているが、これに限定されず、蛇腹管部47によってトラップ主管42の一部が構成されてもよい。
【0027】
以下では、蛇腹管部47が水平方向に真っすぐ伸びた状態を基準として、蛇腹管部47の構造を説明する。図4に示すように、蛇腹管部47は、複数の山部48と複数の谷部49とを有する。山部48と谷部49は、蛇腹管部47の中心軸に沿って交互に位置している。
【0028】
山部48と谷部49は、それぞれ蛇腹管部47の中心軸を囲んで環状に設けられている。蛇腹管部47が有する複数の谷部49の径は、互いに同一である。複数の谷部49の中心軸が、蛇腹管部47の中心軸である。複数の山部48の径は、それぞれ谷部49の径よりも大きく設けられている。
【0029】
山部48は、山部48の上側半部を構成する上部分481と、山部48の下側半部を構成する下部分482とを含む。上部分481は、環状である山部48を、蛇腹管部47の中心軸を含んだ水平面で上下半分に区分したときの、上側の部分である。下部分482は、環状である山部48を、蛇腹管部47の中心軸を含んだ水平面で上下半分に区分したときの、下側の部分である。
【0030】
各山部48の山の高さは、上部分481と下部分482とで異なるように設けられている。ここでの「山の高さ」とは、隣接する谷部49の谷底部分に比較して、山部48が径方向に突出する高さである。該径方向は、蛇腹管部47の中心軸を基準とする。
【0031】
一実施形態の水洗便器1においては、上部分481の山の高さが、下部分482の山の高さよりも、低く設けられている。
【0032】
具体的には、上部分481の山の高さは、8mmから10mmの範囲内で周方向に沿って漸次変化し、下部分482の山の高さは、10mmから12mmの範囲内で周方向に沿って漸次変化するように設けられている。上部分481の最上部(つまり環状である山部48の最上部)における山の高さは8mmであり、下部分482の最下部(つまり環状である山部48の最下部)における山の高さは12mmである。上部分481の山の高さのうち最も低い部分と、下部分482の山の高さのうち最も高い部分との差は、4mmである。
【0033】
なお、上記の山の高さは一例に過ぎず、上部分481の最上部における山の高さが6mmから10mmの範囲内で設定され、下部分482の最下部(つまり山部48の最下部)における山の高さが10mmから14mmの範囲内で設定されることも好ましい。
【0034】
また、上部分481の山の高さのうち最も低い部分と、下部分482の山の高さのうち最も高い部分との差が、例えば1mmから8mmの範囲内で設定されてもよいし、3mmから6mmの範囲内で設定されてもよい。
【0035】
加えて、一実施形態の水洗便器1において、蛇腹管部47の上側半部は、蛇腹管部47の下側半部よりも、薄肉に設けられている。
【0036】
つまり、一実施形態の水洗便器1において、山部48の上部分481は、その山部48の下部分482よりも、薄肉に設けられている(図5参照)。具体的には、上部分481の厚みXは、1mmから1.5mmの範囲内で周方向に沿って漸次変化し、下部分482の厚みYは、1.5mmから2mmの範囲内で周方向に沿って漸次変化するように設けられている。
【0037】
上部分481の最上部(つまり環状である山部48の最上部)における厚みXは1mmであり、下部分482の最下部(つまり環状である山部48の最下部)における厚みYは2mmである。上部分481の最小の厚みXと、下部分482の最大の厚みYとの差は、1mmである。
【0038】
上記の厚みは一例に過ぎず、上部分481の最上部における厚みXが0.5mmから1.5mmの範囲内で設定され、下部分482の最下部における厚みYが1.5mmから2.5mmの範囲内で設定されることも好ましい。もっとも、上部分481の最上部における厚みXが1.5mmであるとき、下部分482の最下部における厚みYが1.5mmを超えていればよい。また、下部分482の最下部における厚みYが1.5mmであるとき、上部分481の最上部における厚みXが1.5mm未満であればよい。
【0039】
また、上部分481のうち最小の厚みX(つまり上部分481の最上部における厚みX)と、下部分482のうち最大の厚みY(つまり下部分482の最下部における厚みY)との差が、例えば0.1mmから2mmの範囲内で設定されてもよいし、0.7mmから1.5mmの範囲内で設定されてもよい。
【0040】
同様に、環状である谷部49の上部分491は、その谷部49の下部分492よりも、薄肉に設けられている。具体的には、上部分491の厚みは、1mmから1.5mmの範囲内で周方向に沿って漸次変化し、下部分492の厚みは、1.5mmから2mmの範囲内で周方向に沿って漸次変化するように設けられている。
【0041】
上部分491の最上部(つまり谷部49の最上部)における厚みは1mmであり、下部分492の最下部(つまり谷部49の最下部)における厚みは2mmである。上部分491の最小の厚みと、下部分492の最大の厚みとの差は、1mmである。
【0042】
谷部49においても、上記の厚みは一例に過ぎず、上部分491の最上部における厚みが0.5mmから1.5mmの範囲内で設定され、下部分492の最下部における厚みが1.5mmから2.5mmの範囲内で設定されることも好ましい。もっとも、上部分491の最上部における厚みが1.5mmであるとき、下部分492の最下部における厚みが1.5mmを超えていればよい。また、下部分492の最下部における厚みが1.5mmであるとき、上部分491の最上部における厚みが1.5mm未満であればよい。
【0043】
また、上部分491のうち最小の厚み(つまり上部分491の最上部における厚み)と、下部分492のうち最大の厚み(つまり下部分492の最下部における厚み)との差が、例えば0.1mmから2mmの範囲内で設定されてもよいし、0.7mmから1.5mmの範囲内で設定されてもよい。
【0044】
なお、山部48の傾斜角度は、その全体にわたって45°以上に設けられている。山部48の傾斜角度は、蛇腹管部47の中心軸を基準とした傾斜角度であって、山部48の上部分481の傾斜角度は、下部分の482の傾斜角度よりも小さい。上部分481の最小の傾斜角度αは、上部分481の最上部(つまり山部48の最上部)の傾斜角度であり、具体的には45°である。
【0045】
山部48の最上部の傾斜角度αは、例えば45°から60°の範囲内にあることが好ましい。山部48の最上部の傾斜角度αが45°よりも小さいと、可動トラップ4が封水姿勢にあるときに、蛇腹管部47が座屈を生じるおそれがある。これに対して、山部48の最上部の傾斜角度αを45°以上に設けること(ひいては山部48全体の傾斜角度を45°以上に設けること)で、蛇腹管部47が座屈を生じることが、効果的に抑えられる。
【0046】
(態様)
以上、添付図面に示す実施形態に基づいて説明したように、第一の態様に係る水洗便器(1)は、ボウル部(2)と、ボウル部(2)に溜まった溜め水(31)を排出する排出管(22)と、排出管(22)に接続された可動トラップ(4)とを備える。可動トラップ(4)は、環状の山部(48)と谷部(49)とが交互に設けられた変形可能な蛇腹管部(47)を含む。山部(48)は、山部(48)の上側半部を構成する上部分(481)と、山部(48)の下側半部を構成する下部分(482)とを含む。上部分(481)と下部分(482)の山の高さは、互いに異なるように設けられている。
【0047】
第一の態様に係る水洗便器(1)によれば、上部分(481)と下部分(482)とで山の高さが異なることで、可動トラップ(4)が上下に屈曲した姿勢となるときに、蛇腹管部(47)に負荷が掛かることを抑えることができる。また、第一の態様に係る水洗便器(1)によれば、モータ(41)に負荷が掛かることを抑えることができる。
【0048】
第二の態様に係る水洗便器(1)では、第一の態様において、上部分(481)の山の高さは、下部分(482)の山の高さよりも低く設けられている。
【0049】
第二の態様に係る水洗便器(1)によれば、可動トラップ(4)が封水姿勢で保持されるときに、蛇腹管部(47)に負荷が掛かることを抑えることができる。また、第二の態様に係る水洗便器(1)によれば、モータ(41)に負荷が掛かることを抑えることができる。
【0050】
第三の態様に係る水洗便器(1)では、第二の態様において、上部分(481)は、下部分(482)よりも薄肉に設けられている。
【0051】
第三の態様に係る水洗便器(1)によれば、可動トラップ(4)が封水姿勢で保持されるときに、蛇腹管部(47)に負荷が掛かることを一層抑えることができる。また、第二の態様に係る水洗便器(1)によれば、モータ(41)に負荷が掛かることを一層抑えることができる。
【0052】
第四の態様に係る水洗便器(1)では、第二又は第三の態様において、上部分(481)の傾斜角度は、45°以上に設けられている。
【0053】
第四の態様に係る水洗便器(1)によれば、可動トラップ(4)が封水姿勢にあるときに、蛇腹管部(47)が座屈を生じることが、効果的に抑えられる。
【0054】
第五の態様に係る水洗便器(1)では、第一から第四のいずれか一つの態様において、蛇腹管部(47)は、エチレンプロピレンジエンゴムで形成されている。
【0055】
第五の態様に係る水洗便器(1)によれば、蛇腹管部(47)において高い耐水性、耐薬品性、耐久性を得ることができる。
【符号の説明】
【0056】
1 水洗便器
2 ボウル部
22 排出管
31 溜め水
4 可動トラップ
47 蛇腹管部
48 山部
481 上部分
482 下部分
49 谷部
図1
図2
図3
図4
図5
図6