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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】水洗便器
(51)【国際特許分類】
   E03D 11/13 20060101AFI20241122BHJP
   E03D 11/02 20060101ALI20241122BHJP
   E03D 5/012 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
E03D11/13
E03D11/02 Z
E03D5/012
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021030839
(22)【出願日】2021-02-26
(65)【公開番号】P2022131736
(43)【公開日】2022-09-07
【審査請求日】2023-11-13
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】嵐 謙次郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 健太
(72)【発明者】
【氏名】松尾 隆史
(72)【発明者】
【氏名】和田 晃輝
(72)【発明者】
【氏名】杉園 達馬
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-113815(JP,A)
【文献】特開2016-098485(JP,A)
【文献】登録実用新案第3046184(JP,U)
【文献】特開平08-280983(JP,A)
【文献】特開2009-213812(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 1/00 - 7/00
E03D 11/00 - 13/00
F16L 9/00 - 11/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボウル部と、
前記ボウル部に溜まった溜め水を排出する排出管と、
前記排出管に接続された可動トラップとを備え、
前記可動トラップは、上流から下流へと複数の山部が並設された変形可能な蛇腹管部を含み、
前記蛇腹管部が水平方向に真っすぐ伸びた状態において、前記複数の山部のうち一部の山部は、その下流側に位置する別の山部よりも、低く設けられている、
水洗便器。
【請求項2】
前記蛇腹管部は、
前記蛇腹管部の上流を構成する上流部分と、
前記蛇腹管部の下流を構成する下流部分とを含み、
前記蛇腹管部が水平方向に真っすぐ伸びた状態において、前記複数の山部のうち、前記上流部分に設けられた山部は、前記下流部分に設けられた山部よりも、低く設けられている、
請求項1に記載の水洗便器。
【請求項3】
前記蛇腹管部が水平方向に真っすぐ伸びた状態において、前記複数の山部は、前記蛇腹管部の下流から上流にむけて段階的に低くなるように設けられている、
請求項1に記載の水洗便器。
【請求項4】
前記蛇腹管部は、
前記蛇腹管部の上流を構成する上流部分と、
前記蛇腹管部の中流を構成する中流部分と、
前記蛇腹管部の下流を構成する下流部分とを含み、
前記蛇腹管部が水平方向に真っすぐ伸びた状態において、前記複数の山部のうち、前記中流部分に設けられた山部は、前記下流部分に設けられた山部よりも低く設けられ、かつ、前記上流部分に設けられた山部よりも低く設けられている、
請求項1の水洗便器。
【請求項5】
前記中流部分には、前記山部が一つ設けられている、
請求項4に記載の水洗便器。
【請求項6】
ボウル部と、
前記ボウル部に溜まった溜め水を排出する排出管と、
前記排出管に接続された可動トラップとを備え、
前記可動トラップは、上流から下流へと複数の山部が並設された変形可能な蛇腹管部を含み、
前記蛇腹管部は、
前記蛇腹管部の上流を構成する上流部分と、
前記蛇腹管部の下流を構成する下流部分とを含み、
前記蛇腹管部が水平方向に真っすぐ伸びた状態において、前記複数の山部のうち、前記上流部分に設けられた山部は、前記下流部分に設けられた山部よりも、薄肉に設けられている、
水洗便器。
【請求項7】
ボウル部と、
前記ボウル部に溜まった溜め水を排出する排出管と、
前記排出管に接続された可動トラップとを備え、
前記可動トラップは、上流から下流へと複数の山部が並設された変形可能な蛇腹管部を
含み、
前記蛇腹管部は、
前記蛇腹管部の上流を構成する上流部分と、
前記蛇腹管部の中流を構成する中流部分と、
前記蛇腹管部の下流を構成する下流部分とを含み、
前記蛇腹管部が水平方向に真っすぐ伸びた状態において、前記複数の山部のうち、前記中流部分に設けられた山部は、前記下流部分に設けられた山部よりも薄肉に設けられ、かつ、前記上流部分に設けられた山部よりも薄肉に設けられている、
水洗便器。
【請求項8】
ボウル部と、
前記ボウル部に溜まった溜め水を排出する排出管と、
前記排出管に接続された可動トラップとを備え、
前記可動トラップは、上流から下流へと複数の山部が並設された変形可能な蛇腹管部を含み、
前記蛇腹管部は、
前記蛇腹管部の上流を構成する上流部分と、
前記蛇腹管部の下流を構成する下流部分とを含み、
前記蛇腹管部が水平方向に真っすぐ伸びた状態において、前記複数の山部のうち、前記上流部分に設けられた複数の山部のピッチは、前記下流部分に設けられた複数の山部のピッチよりも、広く設けられている、
水洗便器。
【請求項9】
ボウル部と、
前記ボウル部に溜まった溜め水を排出する排出管と、
前記排出管に接続された可動トラップとを備え、
前記可動トラップは、上流から下流へと複数の山部が並設された変形可能な蛇腹管部を含み、
前記蛇腹管部は、
前記蛇腹管部の上流を構成する上流部分と、
前記蛇腹管部の中流を構成する中流部分と、
前記蛇腹管部の下流を構成する下流部分とを含み、
前記蛇腹管部が水平方向に真っすぐ伸びた状態において、前記複数の山部のうち、前記中流部分に設けられた複数の山部のピッチは、前記上流部分に設けられた複数の山部のピッチよりも広く設けられ、かつ、前記下流部分に設けられた複数の山部のピッチよりも広く設けられている、
水洗便器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、水洗便器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、可動トラップを備える水洗便器が記載されている。可動トラップは、円筒状の蛇腹構造を有したものであり、可動トラップの一端が便器鉢の排水口部に接続され、可動トラップの他端が開放端とされている。可動トラップの他端は、モータ駆動により上下に移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-098485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、蛇腹構造の可動トラップをモータ駆動するように構成された水洗便器においては、可動トラップが屈曲した姿勢となるときに、可動トラップの蛇腹部分に負荷が掛かり、また、モータに負荷が掛かる。
【0005】
本開示は、可動トラップの蛇腹部分に負荷が掛かることを抑え、また、モータに負荷が掛かることを抑えることができる水洗便器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る水洗便器は、ボウル部と、前記ボウル部に溜まった溜め水を排出する排出管と、前記排出管に接続された可動トラップとを備える。前記可動トラップは、上流から下流へと複数の山部が並設された変形可能な蛇腹管部を含む。前記複数の山部のうち一部の山部は、その下流側に位置する別の山部よりも、低く設けられている。
【0007】
本開示の別態様に係る水洗便器は、ボウル部と、前記ボウル部に溜まった溜め水を排出する排出管と、前記排出管に接続された可動トラップとを備える。前記可動トラップは、上流から下流へと複数の山部が並設された変形可能な蛇腹管部を含む。前記蛇腹管部は、前記蛇腹管部の上流を構成する上流部分と、前記蛇腹管部の下流を構成する下流部分とを含む。前記複数の山部のうち、前記上流部分に設けられた山部は、前記下流部分に設けられた山部よりも、薄肉に設けられている。
【0008】
本開示の別態様に係る水洗便器は、ボウル部と、前記ボウル部に溜まった溜め水を排出する排出管と、前記排出管に接続された可動トラップとを備える。前記可動トラップは、上流から下流へと複数の山部が並設された変形可能な蛇腹管部を含む。前記蛇腹管部は、前記蛇腹管部の上流を構成する上流部分と、前記蛇腹管部の中流を構成する中流部分と、前記蛇腹管部の下流を構成する下流部分とを含む。前記複数の山部のうち、前記中流部分に設けられた山部は、前記下流部分に設けられた山部よりも薄肉に設けられ、かつ、前記上流部分に設けられた山部よりも薄肉に設けられている。
【0009】
本開示の別態様に係る水洗便器は、ボウル部と、前記ボウル部に溜まった溜め水を排出する排出管と、前記排出管に接続された可動トラップとを備える。前記可動トラップは、上流から下流へと複数の山部が並設された変形可能な蛇腹管部を含む。前記蛇腹管部は、前記蛇腹管部の上流を構成する上流部分と、前記蛇腹管部の下流を構成する下流部分とを含む。前記複数の山部のうち、前記上流部分に設けられた複数の山部のピッチは、前記下流部分に設けられた複数の山部のピッチよりも、広く設けられている。
【0010】
本開示の別態様に係る水洗便器は、ボウル部と、前記ボウル部に溜まった溜め水を排出する排出管と、前記排出管に接続された可動トラップとを備える。前記可動トラップは、上流から下流へと複数の山部が並設された変形可能な蛇腹管部を含む。前記蛇腹管部は、前記蛇腹管部の上流を構成する上流部分と、前記蛇腹管部の中流を構成する中流部分と、前記蛇腹管部の下流を構成する下流部分とを含む。前記複数の山部のうち、前記中流部分に設けられた複数の山部のピッチは、前記上流部分に設けられた複数の山部のピッチよりも広く設けられ、かつ、前記下流部分に設けられた複数の山部のピッチよりも広く設けられている。
【発明の効果】
【0011】
本開示の水洗便器は、可動トラップの蛇腹部分に負荷が掛かることを抑え、また、モータに負荷が掛かることを抑えることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示に係る第一実施形態の水洗便器において可動トラップが封水姿勢にあるときを示す概略的な側断面図である。
図2図2は、同上の水洗便器において可動トラップが水平方向に伸びた姿勢にあるときを示す概略的な側断面図である。
図3図3は、同上の水洗便器において可動トラップが排水姿勢にあるときを示す概略的な側断面図である。
図4図4は、同上の可動トラップの要部を示す側面図である。
図5図5は、同上の可動トラップの要部の厚さを示すグラフ図である。
図6図6は、本開示に係る第二実施形態の可動トラップの要部を示す側面図である。
図7図7は、同上の可動トラップの要部の厚さを示すグラフ図である。
図8図8は、本開示に係る第三実施形態の水洗便器の可動トラップの要部を示す側面図である。
図9図9は、本開示に係る第四実施形態の水洗便器の可動トラップの要部を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第一実施形態)
第一実施形態の水洗便器1について、添付図面に基づいて説明する。以下の説明において用いる前後方向は、水洗便器1に座った利用者を基準とした前後方向である。
【0014】
(水洗便器の全体構成)
図1に示すように、水洗便器1は、ボウル部2、給水部3、可動トラップ4及び制御部5を備える。
【0015】
ボウル部2の上端部には、リム21が形成されている。リム21は、ボウル部2の中心側に突出する庇状の形状を有する。ボウル部2の底部からは、排出管22が後方に向けて突出している。排出管22の先端(言い換えれば排出管22の後端)には、後方に向けて開口する開口部23が設けられている。排出管22には、可動トラップ4が接続されている。可動トラップ4の詳細な構成については、後述する。
【0016】
給水部3は、ボウル部2の上端部からボウル部2の内周面に沿うように洗浄水を吐出する吐出ノズル32と、給水源33に接続されて吐出ノズル32に給水を行う給水管34と、給水管34の途中に設けられた電磁弁35とを有する。
【0017】
電磁弁35は、制御部5によってその開度が制御される。給水部3からボウル部2に供給する洗浄水の量は、電磁弁35を用いて制御される。本実施形態において、給水源33は水道管である。
【0018】
制御部5は、例えば、CPU等のプロセッサ及びメモリを含むコンピュータ(マイクロコンピュータを含む)を有する。制御部5は、メモリに記憶された適宜のプログラムを実行することにより、給水部3の電磁弁35と後述する可動トラップ4のモータ41を制御する。制御部5は、給水部3の電磁弁35と可動トラップ4のモータ41のそれぞれに対して電気的に接続されている。
【0019】
水洗便器1は、更に、スカート11、便座12、便蓋13及び上部ケース14を備える。スカート11は、ボウル部2の周囲を覆うように設けられている。便座12は、ボウル部2のリム21に載置される。ボウル部2とスカート11は、リム21を介して一体に設けられている。便座12とこれを覆う便蓋13は、上部ケース14に回転自在に支持されている。上部ケース14の内部には、制御部5が収容されている。
【0020】
(可動トラップ)
可動トラップ4は、トラップ主管42及び移動装置43を含む。
【0021】
トラップ主管42は、ボウル部2から突出した排出管22の開口部23に接続された、変形可能な管である。トラップ主管42の変形は、移動装置43によって操作される。
【0022】
まず、移動装置43の構成について説明する。移動装置43は、アーム部45及びモータ41を含む。
【0023】
アーム部45は、互いに反対側に位置する第一端部451と第二端部452とを有する。アーム部45の第一端部451には、可動トラップ4の下流端部46が接続されており、アーム部45の第二端部452には、モータ41が接続されている。可動トラップ4の下流端部46は、トラップ主管42の下流端部で構成されている。モータ41が回転すると、アーム部45が第二端部452を中心として回転する。これに連動して、アーム部45を介して、可動トラップ4の下流端部46が、側方から見て円弧状の軌跡に沿って、上下動する。
【0024】
モータ41の回転は、制御部5によって制御される。可動トラップ4の下流端部46は、上方位置と下方位置の間で往復動を行い、この往復動は制御部5によって制御される。
【0025】
可動トラップ4の下流端部46が上方位置にあるときには、ボウル部2は封水可能な状態となり、ボウル部2の所定の封水高さまで溜め水31を溜めることができる。下流端部46が上方位置にあるときの可動トラップ4の姿勢が、図1に示す封水姿勢である。
【0026】
可動トラップ4の下流端部46が下方位置にあるときには、ボウル部2内の溜め水31と汚物を、可動トラップ4を通じて排出することができる。下流端部46が下方位置にあるときの可動トラップ4の姿勢が、図3に示す排水姿勢である。
【0027】
本実施形態の水洗便器1において、可動トラップ4は、下流端部46が上方位置にあるとき(つまり可動トラップ4が封水姿勢にあるとき)には、トラップ主管42の後方の開口が後斜め上方を向くように構成されているが、封水姿勢はこれに限定されない。例えば、可動トラップ4の下流端部46が上方位置にあるときに、トラップ主管42の後方の開口が上方を向くように設けられてもよい。
【0028】
また、本実施形態の水洗便器1において、可動トラップ4は、下流端部46が下方位置にあるとき(つまり可動トラップ4が排水姿勢にあるとき)には、トラップ主管42の後方の開口が後斜め下方を向くように構成されているが、排水姿勢はこれに限定されない。例えば、可動トラップ4の下流端部46が下方位置にあるときに、トラップ主管42の後方の開口が下方を向くように設けられてもよい。
【0029】
次に、トラップ主管42について説明する。トラップ主管42は、変形可能な蛇腹管部47を含む。蛇腹管部47は、例えばエチレンプロピレンジエンゴム製の筒体であるが、他の種類のゴム、又は樹脂を用いて形成することも可能である。本実施形態の水洗便器1では、蛇腹管部47によって、トラップ主管42の全部が構成されているが、これに限定されず、蛇腹管部47によってトラップ主管42の一部が構成されてもよい。
【0030】
以下では、蛇腹管部47が水平方向に真っすぐ伸びた状態を基準として、蛇腹管部47の構造を説明する。
【0031】
本実施形態の蛇腹管部47は、複数の山部48と複数の谷部49とを有する(図4参照)。山部48と谷部49は、蛇腹管部47の中心軸に沿って交互に位置している。
【0032】
山部48と谷部49は、それぞれ蛇腹管部47の中心軸を囲んで環状に設けられている。蛇腹管部47が有する複数の谷部49の径は、互いに同一である。複数の谷部49の中心軸が、蛇腹管部47の中心軸である。
【0033】
複数の山部48の高さは、互いに同一ではなく、一部の山部48の高さは、その下流側に位置する別の山部48の高さよりも、低く設けられている。ここでの山部48の「高さ」は、隣接する谷部49の谷底部分に比較して、山部48が径方向に突出する高さである。
【0034】
図4に示すように本実施形態の蛇腹管部47は、蛇腹管部47の上流を構成する上流部分470と、蛇腹管部47の下流を構成する下流部分471とを含む。
【0035】
上流部分470と下流部分471のそれぞれに、複数の山部48が設けられている。上流部分470に設けられた山部48の高さは、下流部分471に設けられた山部48の高さよりも、低く設けられている。
【0036】
具体的には、上流部分470に設けられ、中心軸に沿って並んだ三つの山部48の高さが、例えば8mmである。これに対して、下流部分471に設けられ、中心軸に沿って並んだ三つの山部48の高さが、例えば12mmである。複数の山部48のうち、低い山部48と他の山部48との、高さの差は4mmである。
【0037】
なお、上記した山部48の高さは一例に過ぎず、低い山部48の高さが6mmから10mmの範囲内で設定され、他の山部48の高さが10mmから14mmの範囲内で設定されることも好ましい。
【0038】
また、複数の山部48のうち、低い山部48と他の山部48との高さの差が、例えば1mmから8mmの範囲内で設定されてもよいし、3mmから6mmの範囲内で設定されてもよい。
【0039】
本実施形態においては、上記のように、複数の山部48のうち一部の山部48が、その下流側に位置する別の山部48よりも、低く設けられている。そのため、可動トラップ4が上下に屈曲した姿勢となるときに、蛇腹管部47に負荷が掛かることを抑えることができ、また、モータ41に負荷が掛かることを抑えることができる。
【0040】
特に、本実施形態においては、アーム部45の回転中心となる第二端部452が、排出管22の近くに位置しており(図1参照)、トラップ主管42が封水姿勢や排水姿勢となったときに、蛇腹管部47の上流部分470が下流部分471よりも大きな曲率となりやすい。これに対して、上流部分470に設けられた三つの山部48が、下流部分471に設けられた三つの山部48よりも、低く設けられていることで、蛇腹管部47に負荷が掛かることを効果的に抑えることができ、また、モータ41に負荷が掛かることを効果的に抑えることができる。
【0041】
言い換えれば、本実施形態において、複数の山部48は、蛇腹管部47の下流から上流にむけて、三つずつ段階的に低くなるように設けられている。しかし、山部48が段階的に低くなる形態はこれに限定されず、複数又は一つずつ段階的に低くなるように設けられればよい。例えば、複数の山部48が、蛇腹管部47の下流から上流にむけて、二つずつ段階的に低くなるように設けられてもよいし、一つずつ段階的に低くなるように設けられてもよい。いずれの場合であっても、蛇腹管部47に負荷が掛かることを抑えることができ、また、モータ41に負荷が掛かることを抑えることができる。
【0042】
図5には、可動トラップ4の要部を構成する蛇腹管部47の、厚さの変化を示している。蛇腹管部47においては、上流部分470が、下流部分471よりも薄肉に設けられており、上流部分470に設けられた山部48は、下流部分471に設けられた山部48よりも薄肉に設けられている。上流部分470の厚さt0(つまり上流部分470の山部48の厚さ)は、例えば1mmであり、下流部分471の厚さt1(つまり下流部分471の山部48の厚さ)は、例えば2mmであるが、上記の厚さは一例に過ぎない。
【0043】
上流部分470の厚さt0が0.5mmから1.5mmの範囲内で設定され、下流部分471の厚さt1が1.5mmから2.5mmの範囲内で設定されることも好ましい。もっとも、上流部分470のt0の厚さが1.5mmであるとき、下流部分471のt1の厚さが1.5mmを超えていればよく、下流部分471の厚さt1が1.5mmであるとき、上流部分470の厚さt0が1.5mm未満であればよい。
【0044】
また、上流部分470の厚さt0と下流部分471の厚さt1の差が、例えば0.1mmから2mmの範囲内で設定されてもよいし、0.7mmから1.5mmの範囲内で設定されてもよい。
【0045】
上記のように、上流部分470に設けられた複数の山部48が、下流部分471に設けられた複数の山部48よりも薄肉であることで、可動トラップ4が上下に屈曲した姿勢(封水姿勢や排水姿勢)となるときに、蛇腹管部47に負荷が掛かることを効果的に抑えることができ、また、モータ41に負荷が掛かることを効果的に抑えることができる。
【0046】
(変形例)
本実施形態の水洗便器1では、環状である山部48が、その全周にわたって均一の高さに設けられているが、山部48の周方向の一部だけが低く設けられてもよい。
【0047】
具体的には、上流部分470に設けられた複数の山部48のうち一つ以上の山部48において、該山部48の上側半部を構成する上部分481が、該山部48の下側半部を構成する下部分482よりも、低く設けられてもよい。
【0048】
この場合、蛇腹管部47に設けられた複数の山部48のうち、一部の山部48は、その下流側に位置する別の山部48よりも、上部分481においては低く設けられた構造となる。この構造によれば、可動トラップ4が特に封水姿勢となるときに、蛇腹管部47に負荷が掛かることを効果的に抑えることができ、また、モータ41に負荷が掛かることを効果的に抑えることができる。
【0049】
また、本実施形態の水洗便器1では、環状である山部48が、その全周にわたって均一の厚さに設けられているが、山部48の周方向の一部だけが薄く設けられてもよい。
【0050】
具体的には、上流部分470に設けられた複数の山部48のうち一つ以上の山部48において、該山部48の上側半部を構成する上部分481が、該山部48の下側半部を構成する下部分482よりも、薄肉に設けられてもよい。
【0051】
この場合、蛇腹管部47に設けられた複数の山部48のうち、一部の山部48は、その下流側に位置する別の山部48よりも、上部分481においては薄肉に設けられた構造となる。この構造によれば、可動トラップ4が特に封水姿勢となるときに、蛇腹管部47に負荷が掛かることを効果的に抑えることができ、また、モータ41に負荷が掛かることを効果的に抑えることができる。
【0052】
(第二実施形態)
次に、第二施形態の水洗便器1について、図6及び図7に基づいて説明する。なお、本実施形態の水洗便器1の基本的な構成は、第一実施形態と共通であるから、第一実施形態と重複する説明については、同符号を付して説明を省略する。
【0053】
図6に示すように、本実施形態の蛇腹管部47は、蛇腹管部47の上流を構成する上流部分472と、蛇腹管部47の下流を構成する下流部分473と、蛇腹管部47の中流を構成する中流部分474とを含む。
【0054】
上流部分472と下流部分473の中流部分474のそれぞれに、複数の山部48が設けられている。中流部分474に設けられた山部48の高さは、下流部分473に設けられた山部48の高さよりも低く、かつ、上流部分472に設けられた山部48の高さよりも低く設けられている。
【0055】
具体的には、中流部分474に設けられ、中心軸に沿って並んだ二つの山部48の高さは、例えば8mmである。これに対して、下流部分473に設けられ、中心軸に沿って並んだ二つの山部48の高さと、上流部分472に設けられ、中心軸に沿って並んだ二つの山部48の高さは、例えば12mmである。蛇腹管部47に設けられた六つの山部48のうち、低い山部48と他の山部48との、高さの差は4mmである。
【0056】
なお、上記した山部48の高さは一例に過ぎず、低い山部48の高さが6mmから10mmの範囲内で設定され、他の山部48の高さが10mmから14mmの範囲内で設定されることも好ましい。
【0057】
また、複数の山部48のうち、低い山部48と他の山部48との高さの差が、例えば1mmから8mmの範囲内で設定されてもよいし、3mmから6mmの範囲内で設定されてもよい。
【0058】
本実施形態においても、複数の山部48のうち一部の山部48が、その下流側に位置する別の山部48よりも、低く設けられている。そのため、可動トラップ4が上下に屈曲した姿勢となるときに、蛇腹管部47に負荷が掛かることを抑えることができ、また、モータ41に負荷が掛かることを抑えることができる。
【0059】
本実施形態の可動トラップ4は、アーム部45の回転中心となる第二端部452が、排出管22から比較的離れて位置している場合に、好ましく用いられる。この場合には、トラップ主管42が封水姿勢や排水姿勢となったときに、蛇腹管部47の中流部分474が、下流部分473と上流部分472よりも大きな曲率となりやすい。これに対して、中流部分474に設けられた二つの山部48が、下流部分473に設けられた二つの山部48よりも低く、かつ、上流部分472に設けられた二つの山部48よりも低く設けられていることで、蛇腹管部47に負荷が掛かることを効果的に抑えることができ、また、モータ41に負荷が掛かることを効果的に抑えることができる。
【0060】
図7には、可動トラップ4の要部を構成する蛇腹管部47の、厚さの変化を示している。蛇腹管部47においては、中流部分474が、下流部分473よりも薄肉に設けられ、かつ、上流部分472よりも薄肉に設けられている。中流部分474に設けられた山部48は、下流部分473に設けられた山部48よりも薄肉に設けられ、かつ、上流部分472に設けられた山部48よりも薄肉に設けられている。
【0061】
中流部分474の厚さt2(つまり中流部分474の山部48の厚さ)は、例えば1mmであり、下流部分473の厚さt3(つまり下流部分473の山部48の厚さ)と上流部分472の厚さt4(つまり上流部分472の山部48の厚さ)とは、例えば2mmであるが、上記の厚さは一例に過ぎない。
【0062】
中流部分474の厚さt2が0.5mmから1.5mmの範囲内で設定され、下流部分473の厚さt3と上流部分472の厚さt4が1.5mmから2.5mmの範囲内で設定されることも好ましい。もっとも、中流部分474の厚さt2が1.5mmであるとき、下流部分473の厚さt3と上流部分472の厚さt4が1.5mmを超えていればよく、下流部分473の厚さt3と上流部分472の厚さt4が1.5mmであるとき、中流部分474の厚さt2が1.5mm未満であればよい。
【0063】
また、中流部分474の厚さt2と下流部分473の厚さt3の差が、例えば0.1mmから2mmの範囲内で設定されてもよいし、0.7mmから1.5mmの範囲内で設定されてもよい。中流部分474の厚さt2と上流部分472の厚さt4の差が、例えば0.1mmから2mmの範囲内で設定されてもよいし、0.7mmから1.5mmの範囲内で設定されてもよい。
【0064】
上記のように、中流部分474に設けられた複数の山部48が、下流部分473に設けられた複数の山部48よりも薄肉であり、かつ、上流部分472に設けられた複数の山部48よりも薄肉であることで、可動トラップ4が上下に屈曲した姿勢(封水姿勢や排水姿勢)となるときに、蛇腹管部47に負荷が掛かることを効果的に抑えることができ、また、モータ41に負荷が掛かることを効果的に抑えることができる。
【0065】
(変形例)
本実施形態の水洗便器1においても、環状である山部48が、その全周にわたって均一の高さに設けられているが、山部48の周方向の一部だけが低く設けられてもよい。
【0066】
具体的には、中流部分474に設けられた複数の山部48のうち一つ以上の山部48において、該山部48の上側半部を構成する上部分481が、該山部48の下側半部を構成する下部分482よりも、低く設けられてもよい。
【0067】
この場合、蛇腹管部47に設けられた複数の山部48のうち、一部の山部48は、その下流側に位置する別の山部48よりも、上部分481においては低く設けられた構造となる。この構造によれば、可動トラップ4が特に封水姿勢となるときに、蛇腹管部47に負荷が掛かることを効果的に抑えることができ、また、モータ41に負荷が掛かることを効果的に抑えることができる。
【0068】
また、本実施形態の水洗便器1においても、環状である山部48は、その全周にわたって均一の厚さに設けられているが、山部48の周方向の一部だけが薄く設けられてもよい。
【0069】
具体的には、中流部分474に設けられた複数の山部48のうち一つ以上の山部48において、該山部48の上側半部を構成する上部分481が、該山部48の下側半部を構成する下部分482よりも、薄肉に設けられてもよい。
【0070】
この場合、蛇腹管部47に設けられた複数の山部48のうち、一部の山部48は、その下流側に位置する別の山部48よりも、上部分481においては薄肉に設けられた構造となる。この構造によれば、可動トラップ4が特に封水姿勢となるときに、蛇腹管部47に負荷が掛かることを効果的に抑えることができ、また、モータ41に負荷が掛かることを効果的に抑えることができる。
【0071】
また、本実施形態の水洗便器1において、中流部分474には山部48が二つ設けられているが、山部48の数はこれに限定されず、中流部分474に山部48が一つだけ設けられてもよい。この場合も、蛇腹管部47に負荷が掛かることを効果的に抑えることができ、また、モータ41に負荷が掛かることを効果的に抑えることができる。
【0072】
(第三実施形態)
次に、第三実施形態の水洗便器1について、図8に基づいて説明する。なお、本実施形態の水洗便器1の基本的な構成は、第一実施形態と共通であるから、第一実施形態と重複する説明については、同符号を付して説明を省略する。
【0073】
図8に示すように、本実施形態の蛇腹管部47は、蛇腹管部47の上流を構成する上流部分475と、蛇腹管部の下流を構成する下流部分476とを含む。
【0074】
蛇腹管部47に設けられた複数の山部48は、上流部分475に設けられた複数の山部48(具体的には三つの山部48)と、下流部分476に設けられた複数の山部48(具体的には三つの山部48)とを含む。上流部分475に設けられた三つの山部48のピッチは、下流部分476に設けられた三つの山部48のピッチよりも、広く設けられている。
【0075】
上流部分475に設けられた三つの山部48のピッチは、例えば15mmである。これに対して、下流部分476に設けられた三つの山部48のピッチは、例えば10mmである。
【0076】
上流部分475に設けられた複数の山部48のピッチは、15mmに限定されず、一例として12mmから18mmの範囲内で設定されることも好ましく、14mmから16mmの範囲内で設定されることも好ましい。また、下流部分476に設けられた複数の山部48のピッチは、10mmに限定されず、8mmから12mmの範囲内で設定されることも好ましく、9mmから11mmの範囲内で設定されることも好ましい。
【0077】
上流部分475に設けられた複数の山部48のピッチと、下流部分476に設けられた複数の山部48のピッチとの差は、例えば5mmであるが、これに限定されず、10mmから1mmの範囲内で設定されてもよいし、7mmから3mmの範囲内で設定されてもよい。
【0078】
上記のように、蛇腹管部47に設けられた複数の山部48のうち、上流部分475に設けられた複数の山部48のピッチが、下流部分476に設けられた複数の山部48のピッチよりも広く設けられていることで、可動トラップ4が上下に屈曲した姿勢(封水姿勢や排水姿勢)となるときに、蛇腹管部47に負荷が掛かることを効果的に抑えることができ、また、モータ41に負荷が掛かることを効果的に抑えることができる。
【0079】
(変形例)
本実施形態においては、環状である山部48が、その全周にわたって均一の高さに設けられているが、山部48の周方向の一部だけが低く設けられてもよい。
【0080】
具体的には、上流部分475に設けられた複数の山部48のうち一つ以上の山部48において、該山部48の上側半部を構成する上部分481が、該山部48の下側半部を構成する下部分482よりも、低く設けられてもよい。
【0081】
この場合、上流部分475に設けられた複数の山部48のうち一つ以上の山部48の上部分481が、下流部分476に設けられた複数の山部48よりも低く設けられた構造となる。
【0082】
また、上流部分475に設けられた複数の山部48のうち一つ以上の山部48の全体(つまり上部分481と下部分482の両方)が、下流部分476に設けられた複数の山部48よりも低く設けられてもよい。
【0083】
また、本実施形態においては、蛇腹管部47の全体が均一の厚さを有しており、環状である山部48は、その全周にわたって均一の厚さに設けられているが、山部48の周方向の一部だけが薄く設けられてもよい。
【0084】
具体的には、上流部分475に設けられた複数の山部48のうち一つ以上の山部48において、該山部48の上側半部を構成する上部分481が、該山部48の下側半部を構成する下部分482よりも、薄肉に設けられてもよい。
【0085】
この場合、上流部分475に設けられた複数の山部48のうち一つ以上の山部48の上部分481が、下流部分476に設けられた複数の山部48よりも低く設けられた構造となる。
【0086】
また、上流部分475に設けられた複数の山部48のうち一つ以上の山部48の全体(つまり上部分481と下部分482の両方)が、下流部分476に設けられた複数の山部48よりも薄肉に設けられてもよい。
【0087】
(第四実施形態)
次に、第四実施形態の水洗便器1について、図9に基づいて説明する。なお、本実施形態の水洗便器1の基本的な構成は、第一実施形態と共通であるから、第一実施形態と重複する説明については、同符号を付して説明を省略する。
【0088】
図9に示すように、本実施形態の蛇腹管部47は、蛇腹管部47の上流を構成する上流部分477と、蛇腹管部47の下流を構成する下流部分478と、蛇腹管部47の中流を構成する中流部分479とを含む。
【0089】
蛇腹管部47に設けられた複数の山部48は、上流部分477に設けられた複数の山部48(具体的には二つの山部48)と、下流部分478に設けられた複数の山部48(具体的には二つの山部48)と、中流部分479に設けられた複数の山部48(具体的には三つの山部48)とを含む。
【0090】
中流部分479に設けられた三つの山部48のピッチは、上流部分477に設けられた二つの山部48のピッチよりも広く、かつ、下流部分478に設けられた二つの山部48のピッチよりも広く設けられている。
【0091】
中流部分479に設けられた三つの山部48のピッチは、例えば15mmである。これに対して、上流部分477に設けられた二つの山部48のピッチと、下流部分478に設けられた二つの山部48のピッチは、例えば10mmである。
【0092】
中流部分479に設けられた複数の山部48のピッチは、15mmに限定されず、一例として12mmから18mmの範囲内で設定されることも好ましく、14mmから16mmの範囲内で設定されることも好ましい。
【0093】
また、上流部分477に設けられた複数の山部48のピッチは、10mmに限定されず、一例として8mmから12mmの範囲内で設定されることも好ましく、9mmから11mmの範囲内で設定されることも好ましい。中流部分479に設けられた複数の山部48のピッチと、上流部分477に設けられた複数の山部48のピッチとの差は、例えば5mmであるが、これに限定されず、10mmから1mmの範囲内で設定されてもよいし、7mmから3mmの範囲内で設定されてもよい。
【0094】
同様に、下流部分478に設けられた複数の山部48のピッチは、10mmに限定されず、一例として8mmから12mmの範囲内で設定されることも好ましく、9mmから11mmの範囲内で設定されることも好ましい。中流部分479に設けられた複数の山部48のピッチと、下流部分478に設けられた複数の山部48のピッチとの差は、例えば5mmであるが、これに限定されず、10mmから1mmの範囲内で設定されてもよいし、7mmから3mmの範囲内で設定されてもよい。
【0095】
上記のように、蛇腹管部47に設けられた複数の山部48のうち、中流部分479に設けられた複数の山部48のピッチが、上流部分477に設けられた複数の山部48のピッチよりも広く、かつ、下流部分478に設けられた複数の山部48のピッチよりも広く設けられていることで、可動トラップ4が上下に屈曲した姿勢(封水姿勢や排水姿勢)となるときに、蛇腹管部47に負荷が掛かることを効果的に抑えることができ、また、モータ41に負荷が掛かることを効果的に抑えることができる。
【0096】
(変形例)
本実施形態においても、環状である山部48が、その全周にわたって均一の高さに設けられているが、山部48の周方向の一部だけが低く設けられてもよい。
【0097】
具体的には、中流部分479に設けられた複数の山部48のうち一つ以上の山部48において、該山部48の上側半部を構成する上部分481が、該山部48の下側半部を構成する下部分482よりも、低く設けられてもよい。
【0098】
この場合、中流部分479に設けられた複数の山部48のうち一つ以上の山部48の上部分481が、下流部分478及び上流部分477に設けられた複数の山部48よりも、低く設けられた構造となる。
【0099】
また、中流部分479に設けられた複数の山部48のうち一つ以上の山部48の全体(つまり上部分481と下部分482の両方)が、下流部分478及び上流部分477に設けられた複数の山部48よりも低く設けられてもよい。
【0100】
また、本実施形態においては、蛇腹管部47の全体が均一の厚さを有しており、環状である山部48は、その全周にわたって均一の厚さに設けられているが、山部48の周方向の一部だけが薄く設けられてもよい。
【0101】
具体的には、中流部分479に設けられた複数の山部48のうち一つ以上の山部48において、該山部48の上側半部を構成する上部分481が、該山部48の下側半部を構成する下部分482よりも、薄肉に設けられてもよい。
【0102】
この場合、中流部分479に設けられた複数の山部48のうち一つ以上の山部48の上部分481が、下流部分478及び上流部分477に設けられた複数の山部48よりも、薄肉に設けられた構造となる。
【0103】
また、中流部分479に設けられた複数の山部48のうち一つ以上の山部48の全体(つまり上部分481と下部分482の両方)が、下流部分478及び上流部分477に設けられた複数の山部48よりも、薄肉に設けられてもよい。
【0104】
(態様)
第一の態様に係る水洗便器(1)は、ボウル部(2)と、ボウル部(2)に溜まった溜め水(31)を排出する排出管(22)と、排出管(22)に接続された可動トラップ(4)とを備える。可動トラップ(4)は、上流から下流へと複数の山部(48)が並設された変形可能な蛇腹管部(47)を含む。複数の山部(48)のうち一部の山部(48)は、その下流側に位置する別の山部(48)よりも、低く設けられている。
【0105】
第一の態様に係る水洗便器(1)によれば、複数の山部(48)のうち、一部の山部(48)を低くしていることで、可動トラップ(4)が屈曲した姿勢となるときに、蛇腹管部(47)に負荷が掛かることを抑えることができる。また、第一の態様に係る水洗便器(1)によれば、モータ(41)に負荷が掛かることを抑えることができる。
【0106】
第二の態様に係る水洗便器(1)では、第一の態様において、蛇腹管部(47)は、蛇腹管部(47)の上流を構成する上流部分(470)と、蛇腹管部(47)の下流を構成する下流部分(471)とを含む。複数の山部(48)のうち、上流部分(470)に設けられた山部(48)は、下流部分(471)に設けられた山部(48)よりも、低く設けられている。
【0107】
第二の態様に係る水洗便器(1)によれば、可動トラップ(4)が屈曲した姿勢となるときに、蛇腹管部(47)に負荷が掛かることを効果的に抑えることができる。また、第二の態様に係る水洗便器(1)によれば、モータ(41)に負荷が掛かることを効果的に抑えることができる。
【0108】
第三の態様に係る水洗便器(1)では、第一の態様において、複数の山部(48)は、蛇腹管部(47)の下流から上流にむけて段階的に低くなるように設けられている。
【0109】
第三の態様に係る水洗便器(1)によれば、可動トラップ(4)が屈曲した姿勢となるときに、蛇腹管部(47)に負荷が掛かることを効果的に抑えることができる。また、第三の態様に係る水洗便器(1)によれば、モータ(41)に負荷が掛かることを効果的に抑えることができる。
【0110】
第四の態様に係る水洗便器(1)では、第一の態様において、蛇腹管部(47)は、蛇腹管部(47)の上流を構成する上流部分(472)と、蛇腹管部(47)の中流を構成する中流部分(474)と、蛇腹管部(47)の下流を構成する下流部分(473)とを含む。複数の山部(48)のうち、中流部分(474)に設けられた山部(48)は、下流部分(473)に設けられた山部(48)よりも低く設けられ、かつ、上流部分(472)に設けられた山部(48)よりも低く設けられている。
【0111】
第四の態様に係る水洗便器(1)によれば、可動トラップ(4)が屈曲した姿勢となるときに、蛇腹管部(47)に負荷が掛かることを効果的に抑えることができる。また、第四の態様に係る水洗便器(1)によれば、モータ(41)に負荷が掛かることを効果的に抑えることができる。
【0112】
第五の態様に係る水洗便器(1)では、第四の態様において、中流部分(474)には、山部(48)が一つ設けられている。
【0113】
第五の態様に係る水洗便器(1)によれば、可動トラップ(4)が屈曲した姿勢となるときに、蛇腹管部(47)に負荷が掛かることを効果的に抑えることができる。また、第五の態様に係る水洗便器(1)によれば、モータ(41)に負荷が掛かることを効果的に抑えることができる。
【0114】
第六の態様に係る水洗便器(1)は、ボウル部(2)と、ボウル部(2)に溜まった溜め水(31)を排出する排出管(22)と、排出管(22)に接続された可動トラップ(4)とを備える。可動トラップは、上流から下流へと複数の山部(48)が並設された変形可能な蛇腹管部(47)を含む。蛇腹管部(47)は、蛇腹管部(47)の上流を構成する上流部分(470)と、蛇腹管部(47)の下流を構成する下流部分(471)とを含む。複数の山部(48)のうち、上流部分(470)に設けられた山部(48)は、下流部分(471)に設けられた山部(48)よりも、薄肉に設けられている。
【0115】
第六の態様に係る水洗便器(1)によれば、上流部分(470)に設けられた山部(48)を薄肉にすることで、可動トラップ(4)が屈曲した姿勢となるときに、蛇腹管部(47)に負荷が掛かることを抑えることができる。また、第六の態様に係る水洗便器(1)によれば、モータ(41)に負荷が掛かることを抑えることができる。
【0116】
第七の態様に係る水洗便器(1)は、ボウル部(2)と、ボウル部(2)に溜まった溜め水(31)を排出する排出管(22)と、排出管(22)に接続された可動トラップ(4)とを備える。可動トラップ(4)は、上流から下流へと複数の山部(48)が並設された変形可能な蛇腹管部(47)を含む。蛇腹管部(47)は、蛇腹管部(47)の上流を構成する上流部分(472)と、蛇腹管部(47)の中流を構成する中流部分(474)と、蛇腹管部(47)の下流を構成する下流部分(473)とを含む。複数の山部(48)のうち、中流部分(474)に設けられた山部(48)は、下流部分(473)に設けられた山部(48)よりも薄肉に設けられ、かつ、上流部分(472)に設けられた山部(48)よりも薄肉に設けられている。
【0117】
第七の態様に係る水洗便器(1)によれば、中流部分(474)に設けられた山部(48)を薄肉にしたことで、可動トラップ(4)が屈曲した姿勢となるときに、蛇腹管部(47)に負荷が掛かることを抑えることができる。また、第七の態様に係る水洗便器(1)によれば、モータ(41)に負荷が掛かることを抑えることができる。
【0118】
第八の態様に係る水洗便器(1)は、ボウル部(2)と、ボウル部(2)に溜まった溜め水(31)を排出する排出管(22)と、排出管(22)に接続された可動トラップ(4)とを備える。可動トラップ(4)は、上流から下流へと複数の山部(48)が並設された変形可能な蛇腹管部(47)を含む。蛇腹管部(47)は、蛇腹管部(47)の上流を構成する上流部分(475)と、蛇腹管部(47)の下流を構成する下流部分(476)とを含む。複数の山部(48)のうち、上流部分(475)に設けられた複数の山部(48)のピッチは、下流部分(476)に設けられた複数の山部(48)のピッチよりも、広く設けられている。
【0119】
第八の態様に係る水洗便器(1)によれば、上流部分(475)において複数の山部(48)のピッチを広く設けたことで、可動トラップ(4)が屈曲した姿勢となるときに、蛇腹管部(47)に負荷が掛かることを抑えることができる。また、第八の態様に係る水洗便器(1)によれば、モータ(41)に負荷が掛かることを抑えることができる。
【0120】
第九の態様に係る水洗便器(1)は、ボウル部(2)と、ボウル部(2)に溜まった溜め水(31)を排出する排出管(22)と、排出管(22)に接続された可動トラップ(4)とを備える。可動トラップ(4)は、上流から下流へと複数の山部(48)が並設された変形可能な蛇腹管部(47)を含む。蛇腹管部(47)は、蛇腹管部(47)の上流を構成する上流部分(477)と、蛇腹管部(47)の中流を構成する中流部分(479)と、蛇腹管部(47)の下流を構成する下流部分(478)とを含む。複数の山部(48)のうち、中流部分(479)に設けられた複数の山部(48)のピッチは、上流部分(477)に設けられた複数の山部(48)のピッチよりも広く設けられ、かつ、下流部分(478)に設けられた複数の山部(48)のピッチよりも広く設けられている。
【0121】
第九の態様に係る水洗便器(1)によれば、中流部分(479)において複数の山部(48)のピッチを広く設けたことで、可動トラップ(4)が屈曲した姿勢となるときに、蛇腹管部(47)に負荷が掛かることを抑えることができる。また、第九の態様に係る水洗便器(1)によれば、モータ(41)に負荷が掛かることを抑えることができる。
【符号の説明】
【0122】
1 水洗便器
2 ボウル部
22 排出管
31 溜め水
4 可動トラップ
47 蛇腹管部
470 上流部分(第一実施形態)
471 下流部分(同上)
472 上流部分(第二実施形態)
473 下流部分(同上)
474 中流部分(同上)
475 上流部分(第三実施形態)
476 下流部分(同上)
477 上流部分(第四実施形態)
478 下流部分(同上)
479 中流部分(同上)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9