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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】包装装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/00 20060101AFI20241122BHJP
【FI】
B65B57/00 H
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020160899
(22)【出願日】2020-09-25
(65)【公開番号】P2022053977
(43)【公開日】2022-04-06
【審査請求日】2023-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】市川 誠
(72)【発明者】
【氏名】小池 伸治
(72)【発明者】
【氏名】藤田 健斗
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-039974(JP,A)
【文献】特開2008-134702(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第3603902(EP,A1)
【文献】特開2012-225831(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 57/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オプション機器を任意選択的に装着可能で、包装機構を動作させて物品が内部に収容されている包装物を製造する包装装置であって、
前記包装機構の動作を制御する動作制御部と、
前記オプション機器が前記包装装置に装着されているか否かを検知する第1検知部と、
前記第1検知部が検知した前記オプション機器の設定が、動作設定になっているか、非動作設定になっているか、を検知する第2検知部と、
前記オプション機器に関する動作状態を報知する報知部と、
前記包装機構の運転開始前に、前記オプション機器が前記包装装置に装着されていると前記第1検知部が検知し、かつ、前記オプション機器の設定が前記非動作設定となっていると前記第2検知部が検知する場合に、前記報知部を制御し、前記オプション機器の設定が前記非動作設定となっていることを前記報知部に報知させる報知制御部と、
を備える、包装装置。
【請求項2】
前記報知部が前記オプション機器の設定が前記非動作設定となっていることを報知する際に、前記オプション機器の設定が前記非動作設定となっていることを確認する確認操作を受け付ける受付部を更に備え、
前記動作制御部は、前記報知部が前記オプション機器の設定が前記非動作設定となっていることを報知する際、前記受付部が前記確認操作を受け付けた後に、前記包装機構に動作を開始させる、
請求項1に記載の包装装置。
【請求項3】
前記受付部が前記確認操作を受け付けたことを示すログを記憶する記憶部、を更に備える、
請求項2に記載の包装装置。
【請求項4】
前記報知制御部は、前記オプション機器が前記包装装置に装着されていると前記第1検知部が検知し、かつ、前記オプション機器の設定が前記動作設定となっていると前記第2検知部が検知する場合に、前記報知部を制御し、前記オプション機器の設定が前記動作設定となっていることを前記報知部に更に報知させる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の包装装置。
【請求項5】
前記報知制御部は、前記オプション機器が前記包装装置に装着されていると前記第1検知部が検知する場合に、前記報知部を制御し、前記オプション機器が装着されていることを前記報知部に更に報知させる、
請求項1から4のいずれか1項に記載の包装装置。
【請求項6】
前記報知制御部は、前記オプション機器が前記包装装置に装着されていないと前記第1検知部が検知する場合に、前記報知部に前記オプション機器に関する動作状態を報知させない、
請求項1から5のいずれか1項に記載の包装装置。
【請求項7】
前記オプション機器は、前記包装物内の空気を所定のガスに置き換えるガス置換装置である、
請求項1から6のいずれか1項に記載の包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品が内部に収容された包装物を製造する包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、包装装置には、任意選択的に各種のオプション機器が装着される場合がある。例えば、特許文献1(特開2018-12508号公報)には、包装物内の空気を所定のガスと置き換えるガス置換装置がオプション機器として装着されている包装装置が開示されている。このようなオプション機器は、通常、必要に応じて(例えば包装される物品の種類に応じて)動作/非動作の設定が切り替えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなオプション機器が設けられている包装装置において、オプション機器を動作させるべき時に、オプション機器を誤って非動作設定にしてしまった場合、設定の誤りにオペレータが気付かなければ、所望の仕様とは異なる包装物が製造されるおそれがある。
【0004】
本発明の課題は、オプション機器を非動作に誤設定したことに伴い所望の仕様とは異なる包装物が製造されることを抑制可能な包装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点の包装装置は、包装機構を動作させて物品が内部に収容されている包装物を製造する。包装装置には、オプション機器を任意選択的に装着可能である。包装装置は、動作制御部と、第1検知部と、第2検知部と、報知部と、報知制御部と、を備える。動作制御部は、包装機構の動作を制御する。第1検知部は、オプション機器が包装装置に装着されているか否かを検知する。第2検知部は、オプション機器の設定が、動作設定になっているか、非動作設定になっているか、を検知する。報知部は、オプション機器に関する情報を報知する。報知制御部は、包装機構の運転開始前に、オプション機器が包装装置に装着されていると第1検知部が検知し、かつ、オプション機器の設定が非動作設定となっていると第2検知部が検知する場合に、報知部を制御し、オプション機器の設定が非動作設定となっていることを報知部に報知させる。
【0006】
第1観点の包装装置では、包装装置に装着されているオプション機器の設定が非動作設定である場合に、オプション機器が非動作設定となっていることが報知される。そのため、オプション機器を動作させるべき時に、オプション機器を動作させないまま包装物が製造される不具合の発生を抑制できる。
【0007】
本発明の第2観点の包装装置は、第1観点の包装装置であって、受付部を更に備える。受付部は、報知部がオプション機器の設定が非動作設定となっていることを報知する際に、オプション機器の設定が非動作設定となっていることを確認する確認操作を受け付ける。動作制御部は、報知部がオプション機器の設定が非動作設定となっていることを報知する際、受付部が確認操作を受け付けた後に、包装機構に動作を開始させる。
【0008】
第2観点の包装装置では、オプション機器が非動作設定となっていることがオペレータにより確認された後に包装機構の運転が開始されるため、オプション機器が誤って非動作に設定されている状態で包装物が製造される不具合の発生を抑制できる。
【0009】
本発明の第3観点の包装装置は、第2観点の包装装置であって、記憶部を更に備える。記憶部は、受付部が確認操作を受け付けたことを示すログを記憶する。
【0010】
第3観点の包装装置では、万が一、オプション機器が動作すべき時に動作しない状態で包装物が製造されてしまった場合に、その不具合が操作ミスによって引き起こされたものか否かを容易に確認できる。
【0011】
本発明の第4観点の包装装置は、第1観点から第3観点のいずれかの包装装置であって、報知制御部は、オプション機器が包装装置に装着されていると第1検知部が検知し、かつ、オプション機器の設定が動作設定となっていると第2検知部が検知する場合に、報知部を制御し、オプション機器の設定が動作設定となっていることを報知部に更に報知させる。
【0012】
第4観点の包装装置では、オプション機器を非動作とすべき時に、オプション機器を動作させた状態で包装物が製造される不具合の発生を抑制できる。
【0013】
本発明の第5観点の包装装置は、第1観点から第4観点のいずれかの包装装置であって、報知制御部は、オプション機器が包装装置に装着されていると第1検知部が検知する場合に、報知部を制御し、オプション機器が装着されていることを報知部に更に報知させる。
【0014】
第5観点の包装装置では、包装装置がオプション機器の存在を検知していることを容易に認識できる。
【0015】
本発明の第6観点の包装装置は、第1観点から第5観点のいずれかの包装装置であって、報知制御部は、オプション機器が包装装置に装着されていないと第1検知部が検知する場合に、報知部にオプション機器に関する情報を報知させない。
【0016】
第6観点の包装装置では、存在していないオプション機器に関する情報が報知されないため、オペレータが不要な情報により混乱することがない。
【0017】
本発明の第7観点の包装装置は、第1観点から第6観点のいずれかの包装装置であって、オプション機器は、包装物内の空気を所定のガスに置き換えるガス置換装置である。
【0018】
第7観点の包装装置では、オプション機器が、動作状態を目視で確認しにくいガス置換装置である場合にも、ガス置換装置を動作させるべき時に、ガス置換装置を動作させないまま包装物が製造される不具合の発生を抑制できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、オプション機器を動作させるべき時に、オプション機器を動作させないまま包装物が製造される不具合の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の包装装置の一実施形態に係る製袋包装装置を含む、計量包装システムの概略斜視図である。
図2図1の計量包装システムの概略側面図であり、製袋包装装置のオプション機器であるガス置換装置は二点鎖線で概念的に描画している。
図3図1の製袋包装装置の制御ブロック図であり、製袋包装装置のオプション機器であるガス置換装置は二点鎖線で描画している。
図4図1の製袋包装装置の記憶部に記憶される運転予約情報の例である。
図5図1の製袋包装装置におけるオプション機器に関する報知の有無の決定処理のフローチャートである。
図6図1の製袋包装装置にオプション機器が装着されている場合の、製袋包装装置の運転開始処理、及び、オプション機器に関する報知の制御のフローチャートである。
図7図1の製袋包装装置にガス置換装置が装着され、ガス置換装置が動作設定になっている場合に、製袋包装装置の運転の際にタッチパネル式ディスプレイに表示される画像の例である。
図8図1の製袋包装装置にガス置換装置が装着され、ガス置換装置が非動作設定になっている場合に、製袋包装装置の運転開始前にタッチパネル式ディスプレイに表示される画像の例である。
図9図1の製袋包装装置にガス置換装置が装着され、ガス置換装置が非動作設定になっていることを確認する確認操作を受付部が受け付け、かつ、製袋包装装置が運転中である場合にタッチパネル式ディスプレイに表示される画像の例である。
図10図1の製袋包装装置の記憶部に記憶される運転ログの例である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面を参照しながら、本発明の包装装置の一実施形態に係る製袋包装装置100について説明する。
【0022】
なお、以下の説明は、本発明の包装装置の具体例に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【0023】
(1)全体構成
図1図3を参照しながら、製袋包装装置100を含む、計量包装システム1について概要を説明する。計量包装システム1は、内部に所定量の物品Aが収容された包装物(袋B)を製造するシステムである。
【0024】
図1は、計量包装システム1の外観斜視図である。図2は、計量包装システム1の概略側面図である。図2では、製袋包装装置100のオプション機器であるガス置換装置50を二点鎖線で概念的に描画している。図3は、製袋包装装置100の機能ブロック図である。図3では、製袋包装装置100のオプション機器であるガス置換装置50を二点鎖線で描画している。
【0025】
計量包装システム1は、組合せ計量器2及び製袋包装装置100を主に含む(図1参照)。
【0026】
組合せ計量器2は、物品A(被包装物)の重量を複数の計量ホッパで計量し、複数の計量値を所定の合計重量になるように組み合わせ、組み合わせた所定の合計重量の物品Aを組合せ計量器2の下方に配置される製袋包装装置100に供給する。
【0027】
製袋包装装置100は、組合せ計量器2から供給される所定の合計重量の物品Aが収容された袋B(包装物)を製造する装置である。
【0028】
製袋包装装置100は、主に、製袋包装ユニット100a、フィルム供給ユニット100b、及びコントローラ90を備える(図1及び図3参照)。製袋包装装置100は、包装機構の一例である製袋包装ユニット100aを動作させて物品Aが内部に収容されている袋Bを製造する。
【0029】
製袋包装装置100には、オプション機器を任意選択的に装着可能である。言い換えれば、製袋包装装置100には、オプション機器が装着される場合もあれば、オプション機器が装着されない場合もある。
【0030】
限定されるものではないが、本実施形態では、オプション機器は、ガス置換装置50である。ガス置換装置50は、物品Aが内部に収容されている袋Bを製造する際に、袋B内の空気を所定のガスに置き換える装置である。使用するガスの種類を限定するものではないが、ガス置換装置50が使用する所定のガスは、例えば窒素ガス等の不活性ガスである。
【0031】
物品Aは、例えば、例えばポテトチップスである。ただしこれに限定されるものではなく、物品Aは、小袋に収容されている食品(例えば小袋に入ったチョコレート菓子等)であってもよい。なお、物品Aの種類は、例示した以外の食品であってもよい。また、物品Aの種類は、食品以外であってもよい。
【0032】
製袋包装ユニット100aは、組合せ計量器2の下方に配置される。製袋包装ユニット100aは、組合せ計量器2の供給する物品Aが収容された袋Bを製造する。
【0033】
フィルム供給ユニット100bは、製袋包装ユニット100aに袋Bの素材である包装用のフィルム(シート状のフィルムF)を供給する。
【0034】
コントローラ90は、製袋包装ユニット100a及びフィルム供給ユニット100bの動作を制御する装置である。また、製袋包装装置100にガス置換装置50が装着される場合には、コントローラ90はガス置換装置50の動作も制御する。
【0035】
計量包装システム1は、組合せ計量器2及び製袋包装装置100に関する各種情報を表示するタッチパネル式ディスプレイ94を含む(図1及び図3参照)。また、計量包装システム1は、組合せ計量器2及び製袋包装装置100を操作するための操作スイッチ92を含む。タッチパネル式ディスプレイ94も、組合せ計量器2及び製袋包装装置100の操作に用いられる。本実施例では、操作スイッチ92及びタッチパネル式ディスプレイ94は、組合せ計量器2及び製袋包装装置100で共用される。ただし、これに限定されず、組合せ計量器2及び製袋包装装置100それぞれに対し操作スイッチやタッチパネル式ディスプレイが設けられてもよい。
【0036】
(2)製袋包装装置の詳細構成
以下に、製袋包装装置100の詳細構成について説明する。具体的には、製袋包装ユニット100a、フィルム供給ユニット100b、コントローラ90、ガス置換装置50、操作スイッチ92、及びタッチパネル式ディスプレイ94について説明する。
【0037】
以下の説明では、説明の便宜上、方向や向きを表すために、「前(正面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「左」、「右」等の表現を使用する場合があるが、ここでは、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」は、図中に矢印で示した方向に従う。また、以下の説明では、「上流」、「下流」という表現を使用する場合があるが、「上流」、「下流」はフィルム(シート状のフィルムF及び筒状フィルムFt)の搬送方向における「上流」、「下流」を意味する。
【0038】
(2-1)フィルム供給ユニット
フィルム供給ユニット100bは、製袋包装ユニット100aの後述する成形部10にシート状のフィルムFを供給するユニットである。
【0039】
フィルム供給ユニット100bは、製袋包装ユニット100aに隣接して配置される。フィルム供給ユニット100bは、製袋包装ユニット100aの後方に配置される。フィルム供給ユニット100bには、フィルムFが巻かれたフィルムロール(図示せず)がセットされている。フィルム供給ユニット100bは、フィルムロールから繰り出されるフィルムFを、所定の経路に沿って搬送し、製袋包装ユニット100aの成形部10に供給する(図2参照)。
【0040】
(2-2)製袋包装ユニット及びガス置換装置
製袋包装ユニット100a及びオプション機器であるガス置換装置50について説明する。
【0041】
製袋包装ユニット100aは、図1図3に示すように、成形部10と、筒状部材20と、プルダウンベルト機構30と、縦シール機構40と、横シール機構80と、これらを支える支持フレーム4とを有する。
【0042】
製袋包装装置100にガス置換装置50が装着される場合には、筒状部材20にガス置換装置50のガス供給流路54が接続される。ガス置換装置50は、その設定を、袋Bの製造時に筒状部材20の内部にガスを供給する動作設定と、袋Bの製造時に筒状部材20の内部にガスを供給しない非動作設定と、の間で切り換え可能である。
【0043】
製袋包装ユニット100a及びガス置換装置50の動作について概説する。成形部10は、フィルム供給ユニット100bから搬送されてくるシート状のフィルムFを筒状に成形する。言い換えれば、成形部10は、フィルム供給ユニット100bから搬送されてくるシート状のフィルムFから、筒状フィルムFtを成形する。筒状部材20は、成形部10の上方から、成形部10の下方まで鉛直方向に延びるように配置される。筒状部材20の上端部の開口は、組合せ計量器2が供給する物品Aを受け入れる。筒状部材20の上端部の開口に投入された物品Aは、筒状部材20の内部を落下搬送される。製袋包装装置100にガス置換装置50が装着され、ガス置換装置50が動作設定である場合には、ガス置換装置50は、袋Bの製造時に、所定のタイミングで筒状部材20の内部に所定のガスを吹き出す。プルダウンベルト機構30は、成形部10が成形した筒状フィルムFtを下方に搬送する。縦シール機構40は、筒状フィルムFtの重なり部分を縦方向にシールする。横シール機構80は、下方に向かって搬送される筒状フィルムFtを横方向にシールすることで、袋Bの上下端を封止する。言い換えれば、横シール機構80は、下方に向かって搬送される筒状フィルムFtを、筒状フィルムFtの搬送方向と交差する方向に沿ってシールすることで、袋Bの上下端を封止する。
【0044】
以下に、製袋包装ユニット100aの各構成及びガス置換装置50について詳細に説明する。
【0045】
(2-2-1)成形部
成形部10は、フォーマ12を主に含む。フォーマ12は、筒状部材20を取り囲むように配置されている。フォーマ12は、シート状のフィルムFを、左右方向に延びる幅方向に、フィルムFの左端部及び右端部が重なるように曲げて、筒状フィルムFtを成形する。
【0046】
(2-2-2)筒状部材
筒状部材20は、上下方向に延び、上下端に開口を有する筒状の部材である。筒状部材20は、フォーマ12の上方から、フォーマ12の下方まで、鉛直方向に延びる。限定するものではないが、筒状部材20は、単一の部材であってもよいし、複数の部材を組み合わせて形成されてもよい。
【0047】
筒状部材20には、フォーマ12が、図示しないブラケットを介して固定されている。また、製袋包装装置100にガス置換装置50が装着される場合には、筒状部材20の外面に設けられた接続部22に、ガス置換装置50のガス供給流路54が接続される。なお、図2では、筒状部材20の接続部22を1つだけ描画しているが、筒状部材20には接続部22が複数設けられ、ガス置換装置50のガスは筒状部材20の複数個所から供給されてもよい。
【0048】
筒状部材20の上端の開口は、漏斗形状になっている。組合せ計量器2が製袋包装装置100に供給する物品Aは、図2に示すように、筒状部材20の漏斗形状の上部の開口から投入され、筒状部材20の内部を通過して落下する。
【0049】
(2-2-3)プルダウンベルト機構
プルダウンベルト機構30は、筒状部材20に巻き付いた筒状フィルムFtを吸着して下方に搬送する。プルダウンベルト機構30は、筒状部材20の左右両側に筒状部材20を挟むように配置されている一対のベルト32を有する(図1参照)。ベルト32は、吸着機能を有する。ベルト32が、図示しないモータにより駆動される駆動ローラ34と、従動ローラ36とによって回転駆動されることで、ベルト32によって吸着された筒状フィルムFtは下方に搬送される(図2参照)。
【0050】
(2-2-4)縦シール機構
縦シール機構40は、筒状部材20に巻き付いた筒状フィルムFtの重なりあう部分を縦方向(ここでは鉛直方向)に沿ってシールする。
【0051】
縦シール機構40は、筒状部材20の正面側に配置されている(図2参照)。縦シール機構40は、図示しないヒータと、筒状フィルムFtの重なり部分に接触するヒータベルト42と、ヒータベルト42を駆動する駆動機構(図示せず)と、を有する。ヒータは、ヒータベルト42を加熱する。駆動機構は、ヒータベルト42を筒状部材20に近づくように、あるいは、筒状部材20から遠ざかるように前後方向に駆動する。ヒータベルト42が、駆動機構により筒状部材20に近づくように駆動されることで、筒状部材20に巻き付いた筒状フィルムFtの重なり部分が、ヒータベルト42と筒状部材20との間に挟まれる。縦シール機構40は、加熱されたヒータベルト42で、筒状フィルムFtの重なり部分を一定の圧力で筒状部材20に押しつけることで、筒状フィルムFtの重なり部分を熱シールする。
【0052】
(2-2-5)横シール機構
横シール機構80は、縦シール機構40の下方に配置されている(図2参照)。横シール機構80は、ヒータを内蔵する一対のシールジョー82を含む機構である(図2参照)。
【0053】
一対のシールジョー82は、限定するものではないが、図示しないモータにより駆動され、例えば、互いに対称な軌跡を描きながら略D字状に旋回する。このようにシールジョー82を旋回移動させる駆動機構としては、例えば特開平10-53206号公報に開示されているような機構が用いられる。略D字状に旋回する一対のシールジョー82は、互いに押しつけ合う状態で筒状フィルムFtを挟持し、袋Bの上下の端部となる筒状フィルムFtの一部分に圧力及び熱を加えてシールを施す。一対のシールジョー82は、縦シール機構40により縦シールされた筒状フィルムFtを、筒状フィルムFtの搬送方向(こここでは上下方向)に交差する方向に横シールする。特に本実施形態では、一対のシールジョー82は、縦シール機構40により縦シールされた筒状フィルムFtを、筒状フィルムFtの搬送方向に直交する方向に横シールする。
【0054】
一対のシールジョー82の一方には、図示しないカッターが内蔵されている。カッターは、シールジョー82による横シール部分の高さ方向の中心位置において、袋Bと後続の筒状フィルムFtとを切り離す。
【0055】
(2-2-6)ガス置換装置
ガス置換装置50は、任意選択的に製袋包装装置100に装着される装置である。
【0056】
例えば、製袋包装装置100の使用されるサイトにおいて製造される袋Bに収容される可能性のある全ての物品が、不活性ガスが無くても劣化しない、あるいは劣化しにくい物品である場合、ガス置換装置50が製袋包装装置100に装着されなくてもよい。また、例えば、製袋包装装置100の使用されるサイトにおいて製造される袋Bに収容される物品の中に、酸素の存在により劣化しやすい物品が存在する場合には、ガス置換装置50が製袋包装装置100に装着されることが好ましい。
【0057】
ガス置換装置50は、主に、ガスボンベ56と、ガス供給流路54と、バルブ52と、を含む。
【0058】
ガスボンベ56には、窒素ガス等の不活性ガスが加圧状態で貯留されている。ガス供給流路54は、ガスボンベ56と筒状部材20の接続部22とを接続する配管やチューブである。バルブ52には、ガス供給流路54に設けられる。バルブ52は、コントローラ90により開閉が制御される弁である。本実施形態では、バルブ52は電動弁である。ただし、これに限定されるものではなく、バルブ52は、圧縮空気を駆動源とする空気式の弁であってもよい。
【0059】
ガス置換装置50が動作設定である場合には、コントローラ90は、所定のタイミングでバルブ52を開くように制御する。バルブ52が開かれると、ガスボンベ56内の不活性ガスが筒状部材20の内部に噴射され、筒状フィルムFt内の空気が不活性ガスに置換される。ガス置換装置50が非動作設定である場合には、コントローラ90は、製袋包装装置100の運転中にバルブ52を閉じたままの状態に制御する(バルブ52を開かない)。
【0060】
(2-3)コントローラ、操作スイッチ及びタッチパネル式ディスプレイ
コントローラ90、操作スイッチ92及びタッチパネル式ディスプレイ94に関して説明する。
【0061】
前述のように、本実施形態では、操作スイッチ92及びタッチパネル式ディスプレイ94は、組合せ計量器2及び製袋包装装置100で共用される。しかし、ここでは操作スイッチ92及びタッチパネル式ディスプレイ94の機能のうち、製袋包装装置100の操作や、製袋包装装置100に関する情報表示等の機能についてのみ説明する。操作スイッチ92及びタッチパネル式ディスプレイ94の機能のうち、組合せ計量器2の操作や組合せ計量器2に関する情報表示等の機能についての説明は省略する。
【0062】
コントローラ90は、CPUや、ROM、RAM、補助記憶装置を含む記憶装置等を主な構成機器として有する。コントローラ90は、図3のように、製袋包装ユニット100aのプルダウンベルト機構30、縦シール機構40、及び横シール機構80や、フィルム供給ユニット100bに電気的に接続されている。
【0063】
また、製袋包装装置100にガス置換装置50が装着される場合には、コントローラ90は、図3のように、ガス置換装置50のバルブ52に電気的に接続されている。なお、ガス置換装置50がバルブ52の動作等を制御するコントローラ90とは別の制御装置を有する場合には、コントローラ90は、バルブ52に電気的に接続されるのではなく、ガス置換装置50の制御装置と通信可能に接続されてもよい。
【0064】
また、コントローラ90は、図3のように、操作スイッチ92及びタッチパネル式ディスプレイ94に電気的に接続されている。
【0065】
操作スイッチ92は、製袋包装装置100を操作するためのスイッチである。タッチパネル式ディスプレイ94は、製袋包装装置100の動作状態を表示するディスプレイである。また、タッチパネル式ディスプレイ94は、製袋包装装置100に対する各種の操作や情報の入力も受け付ける。
【0066】
要するに、操作スイッチ92及びタッチパネル式ディスプレイ94は、製袋包装装置100に対する各種指示や、製袋包装装置100に関する各種設定を受け付ける受付部(入力部)として機能する。また、タッチパネル式ディスプレイ94は、製袋包装装置100に関する情報(ガス置換装置50に関する情報を含む)を報知する報知部(情報を出力する出力部)として機能する。
【0067】
なお、コントローラ90は、製袋包装装置100の設置されるサイトの上位の図示しない管理装置や、製袋包装装置100のオペレータの携帯する図示しない携帯情報端末と、通信可能に接続されていてもよい。そして、コントローラ90の通信部97が、管理装置や携帯情報端末からの製袋包装装置100に関する各種指令や各種設定を受け付ける受付部や、管理装置や携帯情報端末に対して製袋包装装置100に関する情報を報知する報知部として機能してもよい。
【0068】
以後、説明が冗長になるのを防ぐため、“受付部”という語を、操作スイッチ92、タッチパネル式ディスプレイ94、及び通信部97のいずれかを意味する語として用いる場合がある。また、“報知部”という語を、タッチパネル式ディスプレイ94及び通信部97のいずれかを意味する語として用いる場合がある。
【0069】
受付部が受け付ける設定には、製袋包装装置100にガス置換装置50が装着されているか否かの設定を含む。例えば、タッチパネル式ディスプレイ94において、ガス置換装置50の装着の有無の設定を切り替える操作を行うことで、コントローラ90に、ガス置換装置50が装着の有無を認識させることができる。具体的には、後述するコントローラ90の記憶部98の第1記憶領域98aには、受付部が受け付けたガス置換装置50が装着されているか否かの設定に基づき、製袋包装装置100に対するガス置換装置50の装着の有無に関する情報が記憶される。記憶部98の第1記憶領域98aに記憶されている情報に基づいて、コントローラ90は、ガス置換装置50が装着の有無を検知できる。
【0070】
受付部が受け付ける指令には、製袋包装装置100の運転指令を含む。製袋包装装置100の運転指令には、製袋包装装置100に対する運転実行要求の他、製袋包装装置100の運転設定や、袋Bの製造数量に関する情報も含む。
【0071】
製袋包装装置100の運転指令は、例えば図4に示すような、運転予約情報として受付部に入力される。限定するものではないが、運転予約情報には、図4に示すような、予約番号、予定数量(製造する予定の袋Bの数量)、製品名、ガス置換のON/OFF(ガス置換装置50の動作設定/非動作設定)の情報の他、図示しない各種の運転設定が含まれる。図4の運転予約情報の各行の情報(各予約番号と対応付けられた情報)が、1つの運転指令となっている。受付部に入力された運転予約情報は、後述するコントローラ90の記憶部98の第3記憶領域98cに記憶される。
【0072】
コントローラ90は、入力された運転予約情報に従い、物品Aの収容されている袋Bを製造する。コントローラ90は、例えば運転予約情報の予約番号の小さい方から順に、各予約番号に対応付けられた予定数量ずつ、各予約番号に対応する各種の運転設定で、物品Aの収容されている袋Bを製造する。
【0073】
各予約番号に対応付けられたガス置換のON/OFFは、その予約番号の運転指令に基づいて袋Bを製造する際に、ガス置換装置50を動作設定にするのか、非動作設定にするのかを示している。
【0074】
コントローラ90は、基本的に運転予約情報のガス置換のON/OFFに基づき、ガス置換装置50の動作/非動作を制御する。ただし、後述するように、ある予約番号において、ガス置換がOFFになっている場合には、コントローラ90は、その予約番号の袋Bの製造開始前に、その旨を報知部に報知させる。また、ある予約番号において、ガス置換がOFFになっている場合には、コントローラ90は、製袋包装装置100のオペレータに対し、ガス置換の設定に誤りが無いか、確認を求めてもよい。詳細については後述する。
【0075】
なお、ここでは、運転指令が運転予約情報として、複数の予約番号について一括して入力される場合について説明したが、運転指令の入力の態様は、このような態様に限定されるものではない。例えば、運転指令は、ある1つの製品を製造する毎に製袋包装装置100のオペレータが受付部に入力してもよい。
【0076】
報知部が報知する情報には、製袋包装装置100の運転状況を含む。製袋包装装置100の運転状況には、製袋包装装置100が運転中か否か、製袋包装装置100が袋Bをいくつ製造したか等の情報を含む。
【0077】
また、報知部が報知する情報には、ガス置換装置50の設定が非動作設定になっていることを示す情報を含む。また、報知部が報知する情報には、ガス置換装置50の設定が動作設定になっていることを示す情報を含んでもよい。ガス置換装置50に関する情報の報知の詳細については後述する。
【0078】
コントローラ90は、プログラムや各種情報を記憶する記憶部98を有する。記憶部98は、情報の記憶領域として、第1記憶領域98a、第2記憶領域98b、第3記憶領域98c及び第4記憶領域98dを含む。各記憶領域98a~98dに記憶される情報の内容については後述する。
【0079】
コントローラ90では、CPUが記憶部98に記憶されているプログラムを実行することで、各種機能を実行する。例えば、コントローラ90は、CPUが記憶装置に記憶されているプログラムを実行することで、動作制御部96a、報知制御部96b、第1検知部96c、第2検知部96d、通信部97として機能する。なお、各機能部の機能は、ソフトウェアにより実現されても、ハードウェアにより実現されても、ソフトウェアとハードウェアとが協働することで実現されてもよい。
【0080】
コントローラ90の記憶部98、通信部97、第1検知部96c、第2検知部96d、動作制御部96a及び報知制御部96bについて説明する。
【0081】
(2-3-1)記憶部
記憶部98の第1記憶領域98a、第2記憶領域98b、第3記憶領域98c及び第4記憶領域98dに記憶される情報について説明する。
【0082】
(a)第1記憶領域
第1記憶領域98aには、受付部(例えばタッチパネル式ディスプレイ94)が受け付けた製袋包装装置100にガス置換装置50が装着されているか否かの設定に応じて、製袋包装装置100にガス置換装置50が装着されているか否かに関する情報が記憶される。例えば、第1記憶領域98aでは、初期設定ではフラグが降ろされており、受付部が製袋包装装置100にガス置換装置50が装着されているという設定を受け付けた場合にフラグが立てられる。
【0083】
(b)第2記憶領域
第2記憶領域98bには、受付部が受け付けた製袋包装装置100の運転指令に含まれる、ガス置換装置50の動作設定/非動作設定の情報(ガス置換のON/OFF)が記憶される。例えば、製袋包装装置100の運転指令が図4のような運転予約情報であり、ある予約番号について製袋包装装置100の運転が開始される際、予約番号と対応付けられているガス置換装置50の動作設定/非動作設定の情報が第2記憶領域98bに記憶される。例えば、ある予約番号と対応付けられているガス置換装置50の設定が動作設定(ガス置換がON)であれば第2記憶領域98bのフラグが立てられる。例えば、ある予約番号と対応付けられているガス置換装置50の設定が非動作設定(ガス置換がOFF)であれば第2記憶領域98bのフラグが降ろされる。
【0084】
(c)第3記憶領域
第3記憶領域98cには、受付部が受け付けた運転予約情報が記憶される。運転予約情報は、操作スイッチ92やタッチパネル式ディスプレイ94から入力されてもよいし、上位の管理装置やオペレータの携帯情報端末から、通信部97を介して入力されてもよい。
【0085】
(d)第4記憶領域
第4記憶領域98dには、例えば図10のような運転ログが記憶される。運転ログは、運転予約情報(言い換えれば運転指令)に応じて実行された、実際の運転内容に関する情報である。
【0086】
なお、後述するように、製袋包装ユニット100aの運転開始前にガス置換装置50の設定が非動作設定となっていることを報知部が報知する際に、受付部が確認操作/変更操作を受け付けるように構成される場合には、第4記憶領域98dに記憶される運転ログには、受付部が確認操作/変更操作を受け付けたことを示すログが記憶されることが好ましい。
【0087】
また、後述するように、製袋包装ユニット100aの運転開始前に、ガス置換装置50の設定が動作設定となっていることを報知部が報知する際に、受付部が確認操作/変更操作を受け付けるように構成される場合には、第4記憶領域98dに記憶される運転ログには、受付部が確認操作/変更操作を受け付けたことを示すログが記憶されることが好ましい。
【0088】
確認操作/変更操作については後述する。
【0089】
(2-3-2)通信部
通信部97は、コントローラ90と有線又は無線で通信可能に接続されている機器(例えば、図示しない上位の管理装置やオペレータの携帯情報端末)に対し、必要に応じて各種情報を送信し、機器から送信されてくる各種情報を受信する。
【0090】
限定するものではないが、通信部97は、図示しない管理装置や携帯情報端末から運転予約情報を受け付ける。通信部97が受け付けた運転予約情報は、記憶部98の第3記憶領域98cに記憶される。
【0091】
また、限定するものではないが、通信部97は、記憶部98の第4記憶領域98dに記憶されている運転ログ情報を、図示しない管理装置や携帯情報端末からの要求に応じ、あるいは、所定のタイミングで、管理装置や携帯情報端末に対して送信する。
【0092】
(2-3-3)第1検知部
第1検知部96cは、オプション機器が製袋包装装置100に装着されているか否かを検知する。本実施形態では、第1検知部96cは、ガス置換装置50が製袋包装装置100に装着されているか否かを検知する。具体的には、第1検知部96cは、記憶部98の第1記憶領域98aを参照することで、ガス置換装置50が製袋包装装置100に装着されているか否かを検知する。
【0093】
(2-3-4)第2検知部
第2検知部96dは、オプション機器の設定が、動作設定になっているか、非動作設定になっているか、を検知する。本実施形態では、第2検知部96dは、ガス置換装置50の設定が、動作設定になっているか、非動作設定になっているか、を検知する。具体的には、第2検知部96dは、記憶部98の第2記憶領域98bを参照することで、ガス置換装置50の設定が、動作設定になっているか、非動作設定になっているか、を検知する。
【0094】
(2-3-5)動作制御部
動作制御部96aは、包装機構の一例である製袋包装ユニット100a(プルダウンベルト機構30、縦シール機構40、横シール機構80等)の動作を制御する。また、動作制御部96aは、フィルム供給ユニット100bの動作も制御する。
【0095】
さらに、動作制御部96aは、製袋包装装置100にガス置換装置50が装着されている場合であって、ガス置換装置50が動作設定になっている場合には、ガス置換装置50の動作を制御する。
【0096】
動作制御部96aは、受付部(操作スイッチ92、タッチパネル式ディスプレイ94、通信部97)に入力された指令や設定に従い、製袋包装ユニット100aの各種構成、フィルム供給ユニット100b及びガス置換装置50の動作を制御する。例えば、動作制御部96aは、受付部に入力され、記憶部98の第3記憶領域98cに記憶された運転予約情報に従い、製袋包装装置100の各種構成の動作を制御する。
【0097】
より具体的には、例えば、動作制御部96aは、運転予約情報に含まれる未実行の予約番号(未実行の運転指令)の内、最も小さな予約番号(以下、選択予約番号と呼ぶ)に対応する運転設定に従い、製袋包装装置100の各種構成の設定等を変更し、袋Bの製造を開始する。また、動作制御部96aは、製袋包装装置100に設置されている各種センサ(図示せず)から必要な情報を取り込み、その情報に基づき製袋包装装置100の各種構成の動作を制御する。そして、選択予約番号と対応づけられている予定数量だけ袋Bを製造すると、動作制御部96aは、再び、運転予約情報に含まれる未実行の予約番号の内、実行済みの予約番号の次の予約番号に対応する運転設定に従って、製袋包装装置100の各種構成の設定等を変更し、変更後の設定で袋Bの製造を開始する。
【0098】
動作制御部96aにより制御される製袋包装装置100の動作について説明する。なお、動作制御部96aが製袋包装装置100の運転を開始する際のコントローラ90の処理については後述する。
【0099】
動作制御部96aは、フィルム供給ユニット100b及びプルダウンベルト機構30の動作を制御して、シート状のフィルムFを成形部10へと搬送する。成形部10では、シート状のフィルムFは、フォーマ12と筒状部材20との隙間を通り抜ける間に筒状部材20の外表面に巻き付けられ、筒状フィルムFtとなる。筒状フィルムFtでは、その横方向の両縁部が縦方向に重ね合わせられた状態となっている。プルダウンベルト機構30は、筒状フィルムFtを、筒状部材20の外表面に沿って下方へと搬送する。縦シール機構40は、筒状フィルムFtの重ね合わせ部分を縦方向に熱シールする。その後、筒状フィルムFtは、筒状部材20の存在する部分を通過して、横シール機構80へと降りていく。製袋包装装置100にガス置換装置50が装着されている場合であって、ガス置換装置50が動作設定になっている場合には、動作制御部96aは所定のタイミングでバルブ52を開き、筒状部材20内にガスを噴出させる。具体的には、第1記憶領域98aにガス置換装置50が装着されているという情報が記憶され、かつ、第2記憶領域98bにガス置換装置50が動作設定という情報が記憶されている場合には、動作制御部96aは所定のタイミングでバルブ52を開き、袋B内の空気をガスで置換するために、筒状部材20内にガスを噴出させる。横シール機構80は、筒状フィルムFtの下端近傍に物品Aが存在する状態で、筒状フィルムFtを一対のシールジョー82で横方向に熱シールし、先行する袋Bの上シール部分と、後続の袋Bの下シール部分とを同時に形成する。この時、一対のシールジョー82の一方に内蔵されているカッター(図示省略)により、先行する袋Bと後続の袋B(筒状フィルムFt)とが切り離される。
【0100】
(2-3-6)報知制御部
報知制御部96bは、例えば、報知部として機能するタッチパネル式ディスプレイ94の動作を制御し、タッチパネル式ディスプレイ94に所定の情報を報知させる(表示させる)。また、報知制御部96bは、例えば、報知部として機能する通信部97の動作を制御し、通信部97に、コントローラ90と通信可能に接続されている管理装置や携帯情報端末に対して、所定の情報を報知させる。
【0101】
ここでは、報知制御部96bが報知部としてのタッチパネル式ディスプレイ94の動作を制御する場合を例に、報知制御部96bが実行する処理を説明する。
【0102】
報知制御部96bは、タッチパネル式ディスプレイ94に、ガス置換装置50に関する情報を報知(出力)させる。なお、報知制御部96bは、ガス置換装置50に関する情報以外の情報がタッチパネル式ディスプレイ94に報知されるように、タッチパネル式ディスプレイ94を制御してもよい。ただし、ここでは、報知制御部96bによる、タッチパネル式ディスプレイ94に対するガス置換装置50に関する情報の報知の制御について主に説明する。
【0103】
報知制御部96bは、第1条件が成立している場合に、少なくとも製袋包装ユニット100aの運転を開始する前に、ガス置換装置50の設定が非動作設定となっていることをタッチパネル式ディスプレイ94に報知させる(図8参照)。第1条件は、ガス置換装置50が製袋包装装置100に装着され、ガス置換装置50の設定が非動作設定となっているという条件である。より具体的には、第1条件は、ガス置換装置50が製袋包装装置100に装着されていると第1検知部96cが検知し、かつ、ガス置換装置50の設定が非動作設定となっていると第2検知部96dが検知しているという条件である。また、報知制御部96bは、第1条件が成立している場合に、製袋包装ユニット100aの運転中にも、ガス置換装置50の設定が非動作設定となっていることをタッチパネル式ディスプレイ94に報知させてもよい(図9参照)。
【0104】
このように構成されることで、ガス置換装置50の設定が非動作設定になっていることが誤りである場合に、製袋包装装置100のオペレータがこの誤りに気付きやすい。そのため、要求仕様と合致しない、内部の空気がガスで置換されていない袋Bが製造されることを防止できる。
【0105】
なお、報知制御部96bは、製袋包装ユニット100aの運転開始前に、ガス置換装置50の設定が非動作設定となっていることをタッチパネル式ディスプレイ94に報知させる際、更にタッチパネル式ディスプレイ94に第1情報を表示させることが好ましい。第1情報は、製袋包装装置100のオペレータに対し、ガス置換装置50の設定が非動作設定になっていることを確認する確認操作の実行を促す情報である(図8参照)。そして、動作制御部96aは、製袋包装ユニット100aの運転開始前にタッチパネル式ディスプレイ94がガス置換装置50の設定が非動作設定となっていることを報知する際、受付部が確認操作を受け付けた後に、製袋包装ユニット100aに動作を開始させることが好ましい。限定するものではないが、ここでの確認操作は、例えば受付部としてのタッチパネル式ディスプレイ94に表示される“OK”ボタン(図8参照)部分にタッチすることである。
【0106】
このように構成されることで、ガス置換装置50の設定が非動作設定になっていることが誤りである場合に、製袋包装装置100のオペレータがこの誤りを見落としにくい。また、製袋包装ユニット100aがオペレータの確認を待たずに自動で運転を開始しないので、ガス置換装置50の設定に誤りがあれば、オペレータは、袋Bの製造を開始前に、ガス置換装置50の設定を正しい設定に変更できる。
【0107】
なお、受付部としてのタッチパネル式ディスプレイ94には、“OK”ボタンに加え、ガス置換装置50の設定を動作設定に変更するための“変更”ボタンを表示させてもよい(図8参照)。“変更”ボタン部分がタッチされた場合(この操作を変更操作と呼ぶ)には、記憶部98の第2記憶領域98bに記憶されるガス置換装置50の設定が非動作設定から動作設定に変更される。受付部としてのタッチパネル式ディスプレイ94に“変更”ボタンも表示させる場合、動作制御部96aは、受付部が確認操作又は変更操作を受け付けた後に、製袋包装ユニット100aに動作を開始させることが好ましい。動作制御部96aは、製袋包装装置100の運転中、記憶部98の第2記憶領域98bに記憶されるガス置換装置50の設定に基づき、ガス置換装置50の動作を制御する。
【0108】
なお、記憶部98には、受付部が確認操作を受け付けたことを示すログが記憶されることが好ましい。また、記憶部98には、受付部が変更操作を受け付けたことを示すログが記憶されることが好ましい。例えば、受付部が確認操作/変更操作を受け付けたことを示すログは、運転ログの一部として記憶部98の第4記憶領域98dに記憶される。
【0109】
また、報知制御部96bは、第2条件が成立している場合に、ガス置換装置50の設定が動作設定となっていることをタッチパネル式ディスプレイ94に報知させることが好ましい(図7参照)。第2条件は、ガス置換装置50が製袋包装装置100に装着され、ガス置換装置50の設定が動作設定となっているという条件である。より具体的には、第2条件は、ガス置換装置50が製袋包装装置100に装着されていると第1検知部96cが検知し、かつ、ガス置換装置50の設定が動作設定となっていると第2検知部96dが検知しているという条件である。
【0110】
例えば、報知制御部96bは、第2条件が成立している場合に、製袋包装ユニット100aの運転開始前に、ガス置換装置50の設定が動作設定となっていることをタッチパネル式ディスプレイ94に報知させてもよい。また、例えば、報知制御部96bは、第2条件が成立している場合に、製袋包装ユニット100aの運転開始前に加えて又は代えて、製袋包装ユニット100aの運転中に、ガス置換装置50の設定が動作設定となっていることをタッチパネル式ディスプレイ94に報知させてもよい。
【0111】
このように構成されることで、ガス置換装置50の設定が動作設定になっていることが誤りである場合に、製袋包装装置100のオペレータがこの誤りに気付きやすい。
【0112】
報知制御部96bが、製袋包装ユニット100aの運転開始前に、ガス置換装置50の設定が動作設定となっていることをタッチパネル式ディスプレイ94に報知させる場合、タッチパネル式ディスプレイ94に第2情報を更に表示させてもよい。第2情報は、製袋包装装置100のオペレータに対し、ガス置換装置50の設定が動作設定になっていることを確認する確認操作の実行を促す情報である。そして、動作制御部96aは、製袋包装ユニット100aの運転開始前にタッチパネル式ディスプレイ94がガス置換装置50の設定が動作設定となっていることを報知する際、受付部が確認操作を受け付けた後に、製袋包装ユニット100aに動作を開始させてもよい。限定するものではないが、ここでの確認操作は、例えば受付部としてのタッチパネル式ディスプレイ94に表示される“OK”ボタン部分にタッチすることである。
【0113】
なお、受付部としてのタッチパネル式ディスプレイ94には、“OK”ボタンに加え、ガス置換装置50の設定を動作設定に変更するための“変更”ボタンを表示させてもよい。“変更”ボタン部分がタッチされた場合(この操作を変更操作と呼ぶ)には、記憶部98の第2記憶領域98bに記憶されるガス置換装置50の設定が動作設定から非動作設定に変更される。受付部としてのタッチパネル式ディスプレイ94に“変更”ボタンも表示させる場合、動作制御部96aは、受付部が確認操作又は変更操作を受け付けた後に、製袋包装ユニット100aに動作を開始させることが好ましい。動作制御部96aは、製袋包装装置100の運転中、記憶部98の第2記憶領域98bに記憶されるガス置換装置50の設定に基づき、ガス置換装置50の動作を制御する。
【0114】
なお、記憶部98には、受付部が確認操作を受け付けたことを示すログが記憶されることが好ましい。また、記憶部98には、受付部が変更操作を受け付けたことを示すログが記憶されることが好ましい。例えば、受付部が確認操作/変更操作を受け付けたことを示すログは、運転ログの一部として記憶部98の第4記憶領域98dに記憶される。
【0115】
ただし、本実施形態では、タッチパネル式ディスプレイ94に第2情報は表示されないものとする。また、本実施形態では、ガス置換装置50の設定が動作設定となっている場合には、受付部は確認操作を受け付けない。
【0116】
また、報知制御部96bは、ガス置換装置50が製袋包装装置100に装着されている場合に、タッチパネル式ディスプレイ94を制御し、ガス置換装置50が装着されていることをタッチパネル式ディスプレイ94に報知させることが好ましい。より具体的には、報知制御部96bは、ガス置換装置50が製袋包装装置100に装着されていると第1検知部96cが検知する場合に、タッチパネル式ディスプレイ94を制御し、ガス置換装置50が装着されていることをタッチパネル式ディスプレイ94に報知させることが好ましい。
【0117】
また、報知制御部96bは、ガス置換装置50が製袋包装装置100に装着されていない場合に、タッチパネル式ディスプレイ94にガス置換装置50に関する情報を報知させないことが好ましい。報知制御部96bは、ガス置換装置50が製袋包装装置100に装着されていないと第1検知部96cが検知する場合に、タッチパネル式ディスプレイ94にガス置換装置50に関する情報を報知させないことが好ましい。このように構成されることで、存在していない(装着されていない)ガス置換装置50の設定に関する情報を報知して、製袋包装装置100のオペレータを混乱させることがない。
【0118】
(3)オプション機器に関する報知の有無の決定処理
オプション機器に関する報知の有無の決定処理について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。ここでは、オプション機器に関する報知の有無の決定処理について、報知部がタッチパネル式ディスプレイ94であり、オプション機器がガス置換装置50である場合を例に説明する。
【0119】
第1検知部96cは、製袋包装装置100にガス置換装置50が装着されているか否かを継続的に検知している。具体的には、第1検知部96cは、記憶部98の第1記憶領域98aを継続的に参照して、ガス置換装置50が製袋包装装置100に装着されているか否かを検知している(ステップS1)。
【0120】
第1検知部96cが、ガス置換装置50の製袋包装装置100への装着を検知すると、報知制御部96bは、報知部を制御し、ガス置換装置50が装着されていることをタッチパネル式ディスプレイ94に報知させる(ステップS2)。具体的には、第1検知部96cが、ガス置換装置50が製袋包装装置100に装着されていると検知する場合、報知制御部96bは、タッチパネル式ディスプレイ94を制御し、ガス置換装置50が装着されていることを知らせる情報をタッチパネル式ディスプレイ94に報知させる。ガス置換装置50が装着されていることを知らせる情報は、例えば、“ガス置換”の文字や、ガス置換装置50を表す画像等である。
【0121】
一方、第1検知部96cが、ガス置換装置50の製袋包装装置100への非装着を検知すると、報知制御部96bは、ガス置換装置50に関する情報を報知部に報知させない(ステップS3)。具体的には、第1検知部96cが、ガス置換装置50が製袋包装装置100に装着されていないと検知する場合、報知制御部96bは、タッチパネル式ディスプレイ94にガス置換装置50に関する情報(例えば、ガス置換装置50が装着されていることを知らせる情報や、ガス置換装置50の設定に関する情報)を報知させない(報知を指示しない)。
【0122】
(4)オプション機器装着時の、製袋包装装置の運転開始処理、及び、オプション機器に関する報知の制御
オプション機器が製袋包装装置100に装着されている時の、製袋包装装置の運転開始処理、及び、オプション機器に関する報知の制御について、図6のフローチャートを参照しながら説明する。なお、図6のフローチャートは、オプション機器が製袋包装装置100に装着されている時の、製袋包装装置の運転開始処理、及び、オプション機器に関する報知の制御の一例に過ぎず、適宜変更可能である。
【0123】
ここでは、オプション機器装着時の、製袋包装装置の運転開始処理、及び、オプション機器に関する報知の制御について、報知部がタッチパネル式ディスプレイ94であり、オプション機器がガス置換装置50である場合を例に説明する。
【0124】
ここでは、前提として、第1検知部96cが、ガス置換装置50が製袋包装装置100に装着されていることを検知しているものとする。
【0125】
以下で説明する処理は、コントローラ90が製袋包装装置100の運転指令を受け付けると開始される(ステップS10)。限定するものではないが、コントローラ90が運転指令を受け付けるとは、ここでは、動作制御部96aが、記憶部98の第3記憶領域98cから、これから実行する1の予約番号に対応する製袋包装装置100の運転指令を呼び出すことを意味する。コントローラ90が製袋包装装置100の運転指令を受け付ける際、記憶部98の第2記憶領域98bには、製袋包装装置100の運転指令に含まれる、ガス置換装置50の動作設定/非動作設定の情報(ガス置換のON/OFF)が記憶される。
【0126】
ステップS11では、第2検知部96dが、記憶部98の第2記憶領域98bを参照して、ガス置換装置50の設定が、動作設定になっているか、非動作設定になっているか、を検知する。ガス置換装置50の設定が動作設定である場合には、ステップS20に進み、ガス置換装置50の設定が非動作設定である場合には、ステップS12に進む。
【0127】
ステップS20では、報知制御部96bは、ガス置換装置50の設定が動作設定となっていることをタッチパネル式ディスプレイ94に報知させる(図7参照)。そして、動作制御部96aは、製袋包装装置100の運転を開始する。なお、製袋包装装置100の運転中、動作制御部96aは、ガス置換装置50を所定のタイミングで動作させる(ステップS21)。
【0128】
ステップS12では、報知制御部96bは、ガス置換装置50の設定が非動作設定となっていることをタッチパネル式ディスプレイ94に報知する(図8参照)。また、報知制御部96bは、上述の第1情報を表示させ(図8参照)、製袋包装装置100のオペレータに対し、ガス置換装置50の設定が非動作設定になっていることを確認する確認操作、又は、ガス置換装置50の設定を動作設定に変更する変更操作、の実行を促す(ステップS13)。受付部は、製袋包装装置100のオペレータの操作(確認操作/変更操作)を受け付け(ステップS14)、受付部が確認操作/変更操作を受け付けたことを示すログを、運転ログの一部として記憶部98の第4記憶領域98dに記憶する(ステップS15)。
【0129】
ステップS16では、第2検知部96dは、記憶部98の第2記憶領域98bを参照して、ガス置換装置50の設定が、動作設定になっているか、非動作設定になっているか、を再度検知する。ガス置換装置50の設定が非動作設定である場合には、ステップS30に進み、ガス置換装置50の設定が動作設定である場合(ガス置換装置50の設定が変更されている場合)には、ステップS40に進む。
【0130】
ステップS30では、報知制御部96bは、ガス置換装置50の設定が非動作設定となっていることをタッチパネル式ディスプレイ94に報知させる(図9参照)。そして、動作制御部96aは、製袋包装装置100の運転を開始する。なお、製袋包装装置100の運転中、動作制御部96aは、ガス置換装置50を動作させない(ステップS31)。
【0131】
ステップS40では、報知制御部96bは、ガス置換装置50の設定が動作設定となっていることをタッチパネル式ディスプレイ94に報知させる(図7参照)。そして、動作制御部96aは、製袋包装装置100の運転を開始する。なお、製袋包装装置100の運転中、動作制御部96aは、ガス置換装置50を所定のタイミングで動作させる(ステップS41)。
【0132】
(5)特徴
(5-1)
包装装置の一実施形態に係る製袋包装装置100は、包装機構の一例である製袋包装ユニット100aを動作させて物品Aが内部に収容されている袋Bを製造する。製袋包装装置100には、オプション機器としてのガス置換装置50を任意選択的に装着可能である。製袋包装装置100は、動作制御部96aと、第1検知部96cと、第2検知部96dと、報知部と、報知制御部96bと、を備える。ここでの報知部は、タッチパネル式ディスプレイ94、又は、上位の管理装置やオペレータの携帯情報端末に対して報知を行う通信部97である。動作制御部96aは、製袋包装ユニット100aの動作を制御する。第1検知部96cは、ガス置換装置50が製袋包装装置100に装着されているか否かを検知する。第2検知部96dは、ガス置換装置50の設定が、動作設定になっているか、非動作設定になっているか、を検知する。報知部は、ガス置換装置50に関する情報を報知する。報知制御部96bは、製袋包装ユニット100aの運転開始前に、ガス置換装置50が製袋包装装置100に装着されていると第1検知部96cが検知し、かつ、ガス置換装置50の設定が非動作設定となっていると第2検知部96dが検知する場合に、報知部を制御し、ガス置換装置50の設定が非動作設定となっていることを報知部に報知させる。
【0133】
本実施形態の製袋包装装置100では、製袋包装装置100に装着されているガス置換装置50の設定が非動作設定である場合に、ガス置換装置50が非動作設定となっていることが報知される。そのため、ガス置換装置50を動作させるべき時に、ガス置換装置50を動作させないまま袋Bが製造される不具合の発生を抑制できる。
【0134】
本実施形態の製袋包装装置100では、オプション機器が動作状態を目視で確認しにくいガス置換装置50である場合にも、ガス置換装置50を動作させるべき時に、ガス置換装置を動作させないまま袋Bが製造される不具合の発生を抑制できる。
【0135】
(5-2)
本実施形態の製袋包装装置100は、受付部を備える。受付部は、操作スイッチ92、タッチパネル式ディスプレイ94、又は、上位の管理装置やオペレータの携帯情報端末から操作を受け付ける通信部97である。受付部は、報知部がガス置換装置50の設定が非動作設定となっていることを報知する際に、ガス置換装置50の設定が非動作設定となっていることを確認する確認操作を受け付ける。動作制御部96aは、報知部がガス置換装置50の設定が非動作設定となっていることを報知する際、受付部が確認操作を受け付けた後に、製袋包装ユニット100aに動作を開始させる。
【0136】
本実施形態の製袋包装装置100では、ガス置換装置50が非動作設定となっていることがオペレータにより確認された後に製袋包装ユニット100aの運転が開始されるため、ガス置換装置50が誤って非動作に設定されている状態で袋Bが製造される不具合の発生を抑制できる。
【0137】
(5-3)
本実施形態の製袋包装装置100は、記憶部98を備える。記憶部98は、受付部が確認操作を受け付けたことを示すログを記憶する。
【0138】
本実施形態の製袋包装装置100では、万が一、ガス置換装置50が動作すべき時に動作しない状態で袋Bが製造されてしまった場合に、その不具合が操作ミスによって引き起こされたものか否かを容易に確認できる。
【0139】
(5-4)
本実施形態の製袋包装装置100では、報知制御部96bは、ガス置換装置50が製袋包装装置100に装着されていると第1検知部96cが検知し、かつ、ガス置換装置50の設定が動作設定となっていると第2検知部96dが検知する場合に、報知部を制御し、ガス置換装置50の設定が動作設定となっていることを報知部に報知させる。
【0140】
本実施形態の製袋包装装置100では、ガス置換装置50を非動作とすべき時に、ガス置換装置50を動作させた状態で袋Bが製造される不具合の発生を抑制できる。
【0141】
(5-5)
本実施形態の製袋包装装置100では、報知制御部96bは、ガス置換装置50が製袋包装装置100に装着されていると第1検知部96cが検知する場合に、報知部を制御し、ガス置換装置50が装着されていることを報知部に報知させる。
【0142】
本実施形態の製袋包装装置100では、製袋包装装置100がガス置換装置50の存在を検知していることを容易に認識できる。
【0143】
(5-6)
本実施形態の製袋包装装置100では、報知制御部96bは、ガス置換装置50が製袋包装装置100に装着されていないと第1検知部96cが検知する場合に、報知部にガス置換装置50に関する情報を報知させない。
【0144】
本実施形態の製袋包装装置100では、存在していないガス置換装置50に関する情報が報知されないため、オペレータが不要な情報により混乱することがない。
【0145】
(6)変形例
以下に上記実施形態の変形例を示す。なお、変形例は、互いに矛盾しない範囲で適宜組み合わされてもよい。
【0146】
(6-1)変形例A
報知部による報知の態様は、上記の態様に限定されるものではない。例えば、報知部は、製袋包装装置100に付されたランプを点灯させたり、製袋包装装置100に付されたスピーカから音声を出力させたりすることで、オプション機器に関する情報を報知してもよい。
【0147】
(6-2)変形例B
上記実施形態では、第1検知部96cは、記憶部98に記憶された情報に基づいてガス置換装置50の装着の有無を検知するが、第1検知部96cによる検知の方法はこのような方法に限定されない。例えば、第1検知部96cは、製袋包装装置100とガス置換装置50(具体的にはバルブ52)とが電気的に接続されているか否かを検知することで、ガス置換装置50の装着の有無を検知していてもよい。また、第1検知部96cは、図示しないセンサによりガス置換装置50の装着の有無を検知していてもよい。
【0148】
(6-3)変形例C
上記実施形態は、製袋包装装置100に任意選択的に装着可能なオプション機器がガス置換装置50である場合を例に説明している。ただし、オプション機器の種類は、ガス置換装置50に限定されるものではない。
【0149】
例えば、包装装置に任意選択的に装着可能なオプション機器には、印字装置、印字確認装置、及び金属検出装置を含んでもよい。印字装置は、包装用のフィルムFの外面に各種情報(例えば製造日、賞味期限、製造番号等)を印字する装置である。印字確認装置は、例えばカメラでフィルムFの外面を撮像し、印字装置による印字に不具合(位置ずれ、印字抜け等)がないか等を確認する装置である。金属検出装置は、組合せ計量器2から、製袋包装装置100の筒状部材20の上端の開口に供給される物品Aに金属が混入していないかを検知する装置である。
【0150】
これらの装置も、ONとOFFとが切り換えられる場合がある。言い換えれば、これらの装置も、その設定が、動作設定と非動作設定との間で切り換えられる場合がある。そのため、これらの装置が製袋包装装置100に装着されている場合に、第2検知部96dにより装置の設定が、動作設定になっているか、非動作設定になっているか、を検知し、例えば非動作設定となっている場合に、これを報知することが好ましい。なお、オプション機器の種類が異なる点以外は上記実施形態と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【産業上の利用可能性】
【0151】
オプション機器を任意選択的に装着可能な包装装置に広く適用でき有用である。
【符号の説明】
【0152】
50 ガス置換装置(オプション機器)
92 操作スイッチ(受付部)
94 タッチパネル式ディスプレイ(報知部,受付部)
96a 動作制御部
96b 報知制御部
96c 第1検知部
96d 第2検知部
97 通信部(報知部,受付部)
98 記憶部
100 製袋包装装置(包装装置)
100a 製袋包装ユニット(包装機構)
B 袋(包装物)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0153】
【文献】特開2018-12508号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10