IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社カジワラの特許一覧

特許7591816製品製造装置、洗浄プログラム、及び洗浄方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】製品製造装置、洗浄プログラム、及び洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/14 20060101AFI20241122BHJP
   A23L 11/00 20210101ALI20241122BHJP
【FI】
A47J27/14 E
A23L11/00 301A
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021033620
(22)【出願日】2021-03-03
(65)【公開番号】P2022134481
(43)【公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-12-27
(73)【特許権者】
【識別番号】500148592
【氏名又は名称】株式会社カジワラ
(74)【代理人】
【識別番号】100110629
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100166615
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】梶原 秀浩
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 慎次郎
(72)【発明者】
【氏名】笠原 徹
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-232165(JP,A)
【文献】特開平01-151415(JP,A)
【文献】特開平07-067570(JP,A)
【文献】特表2021-501644(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/14
A23L 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端が開口し対象物を攪拌羽根の回転駆動により撹拌する容器と、
前記容器の開口を開閉する開閉蓋と、
前記開閉蓋の閉じ状態で前記開閉蓋の前記容器側における内面に洗浄液を散布可能とする内部散布栓と、
前記容器内に収容された湯の蒸発を促進させて前記開閉蓋の前記内面に付着している対象物を膨潤させると共に前記内部散布栓の洗浄液の散布で前記開閉蓋の前記内面を洗浄する制御部と、
を備えた製品製造装置。
【請求項2】
請求項1記載の製品製造装置であって、
前記容器は、加熱機構を備え、
前記加熱機構は、前記を加熱する、
製品製造装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の製品製造装置であって、
前記容器は、傾斜動作可能に起立支持された、
製品製造装置。
【請求項4】
請求項3記載の製品製造装置であって、
前記容器を傾斜動作させた状態で前記開閉蓋を開いた開口に向けて前記容器外の横方向から洗浄液を散布可能とする外部散布栓を備えた、
製品製造装置。
【請求項5】
請求項4記載の製品製造装置であって、
前記内部散布栓は、前記開閉蓋に支持され、
前記外部散布栓は、前記容器を支持するフレームに支持された、
製品製造装置。
【請求項6】
請求項4又は5記載の製品製造装置であって、
前記制御部は、前記内部散布栓の洗浄液の散布と前記外部散布栓の洗浄液の散布とを制御する、
製品製造装置。
【請求項7】
請求項6記載の製品製造装置であって、
前記制御部は、前記内部散布栓又は前記外部散布栓の洗浄液の散布を制御するときに前記攪拌羽根の回転駆動を制御する、
製品製造装置。
【請求項8】
請求項1~7の何れか1項記載の製品製造装置を洗浄するための洗浄プログラムであって、
前記容器内に収容された湯を前記開閉蓋の閉じ状態で前記撹拌羽根の回転駆動により撹拌して溜め洗いを行う機能及び前記内部散布栓の洗浄液の散布で前記開閉蓋内を洗浄する機能、
をコンピューターに実行させる、
洗浄プログラム。
【請求項9】
請求項4~7の何れか1項記載の製品製造装置を洗浄するための洗浄プログラムであって、
前記容器を傾斜動作させて前記外部散布栓の洗浄液の散布を制御する機能をコンピューターに実行させる、
洗浄プログラム。
【請求項10】
請求項9記載の洗浄プログラムであって、
前記内部散布栓又は前記外部散布栓の洗浄液の散布を制御するときに前記攪拌羽根の回転駆動を制御する機能をコンピューターに実行させる、
洗浄プログラム。
【請求項11】
上端が開口し対象物を攪拌羽根の回転駆動により撹拌する容器と、
前記容器の開口を開閉する開閉蓋と、
前記開閉蓋の閉じ状態で前記開閉蓋の前記容器側における内面に洗浄液を散布可能とする内部散布栓と、
を備えた製品製造装置を洗浄するための洗浄方法であって、
前記容器内に収容された湯の蒸発を促進させて前記開閉蓋の前記内面に付着している対象物を膨潤させるステップ及び前記内部散布栓の洗浄液の散布で前記開閉蓋の前記内面を洗浄するステップを備えた、
洗浄方法。
【請求項12】
請求項11記載の製品製造装置を洗浄するための洗浄方法であって、
前記容器を傾斜動作させた状態で前記開閉蓋を開いた開口に向けて前記容器外の横方向から洗浄液を散布可能とする外部散布栓を備え、
前記容器を傾斜動作させて前記外部散布栓の洗浄液の散布を行うステップを備えた、
洗浄方法。
【請求項13】
請求項12記載の洗浄方法であって、
前記内部散布栓又は前記外部散布栓の散布を行うときに前記攪拌羽根の回転駆動を行うステップを備えた、
洗浄方法。
【請求項14】
請求項1又は2記載の製品製造装置であって、
前記容器は、底部排出口に渋切り排出兼用バルブを備えて起立支持された、
製品製造装置。
【請求項15】
請求項14記載の製品製造装置であって、
前記内部散布栓は、前記開閉蓋に支持された、
製品製造装置。
【請求項16】
請求項14又は15記載の製品製造装置であって、
前記制御部は、前記内部散布栓の洗浄液の散布と前記渋切り排出兼用バルブとを制御する、
製品製造装置。
【請求項17】
請求項16記載の製品製造装置であって、
前記制御部は、前記内部散布栓の洗浄液の散布を制御するときに前記攪拌羽根の回転駆動を制御する、
製品製造装置。
【請求項18】
請求項14~17の何れか1項記載の製品製造装置を洗浄するための洗浄プログラムであって、
前記容器内に収容された湯を前記開閉蓋の閉じ状態で前記撹拌羽根の回転駆動により撹拌して溜め洗いを行う機能及び前記内部散布栓の洗浄液の散布で前記開閉蓋内を洗浄する機能と、
前記渋切り排出兼用バルブを切り替え制御する機能と、
をコンピューターに実行させる、
洗浄プログラム。
【請求項19】
請求項18記載の洗浄プログラムであって、
前記内部散布栓の洗浄液の散布を制御するときに前記攪拌羽根の回転駆動を制御する機能をコンピューターに実行させる、
洗浄プログラム。
【請求項20】
請求項14~17の何れか1項記載の製品製造装置を洗浄するための洗浄方法であって、
前記容器内に収容された湯を前記開閉蓋の閉じ状態で前記撹拌羽根の回転駆動により撹拌して溜め洗いを行うステップ及び前記内部散布栓の洗浄液の散布で前記開閉蓋内を洗浄するステップと、
前記渋切り排出兼用バルブを切り替えるステップと、
を備えた洗浄方法。
【請求項21】
請求項20記載の洗浄方法であって、
前記内部散布栓の散布を制御するときに前記攪拌羽根の回転駆動を行うステップを備えた、
洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、粘性のある物質を製造する製品製造装置、洗浄プログラム、及び洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、粘性のある物質を製造する製品製造装置として、例えば特許文献1に記載のあんの製造装置がある。このあん製造装置は、1つの煮練り兼用釜の釜本体内に小豆を入れたままで、前炊き、煮上げ、煮詰め練り上げの工程を行うものである。
【0003】
かかるあん製造装置における製造のバッチ間では、煮練り兼用釜内を次バッチの製造に影響が無い程度に清掃する必要がある。この清掃は、練り製品の残存物の除去という困難を伴うものであり、且つ作業者が人手により行っていたため、作業性及び清掃の完成度にもばらつきがあった。
【0004】
これに対し、非特許文献1としてCIP洗浄システムが開示されている。このシステムは、生産用タンク内を自動洗浄するものである。この自動洗浄は、低圧温水による粗洗浄、高圧温水による洗剤洗浄、低圧温水によるすすぎ洗浄、リンスなどの工程を含んでいる。かかるシステムにより生産用タンク内を自動洗浄することができる。
【0005】
しかし、このようなCIP洗浄システムをあん製造装置のバッチ間洗浄に適用しても釜本体内で練り上げられるあんは、各部に付着して少し乾く場所もあり、ノズルからの温水等の散布のみでは付着したあんの除去に困難を伴うという問題があった。
【0006】
かかる問題は、あん製造装置に限らず、粘性のある対象物一般のバッチ製造における容器一般についても同様に起こり得るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第3445808号公報
【非特許文献】
【0008】
【文献】https://www.kit-coltd.co.jp/product/cipcleaning.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
解決しようとする問題点は、容器内のノズルからの温水等の散布のみでは粘性を有する対象物の除去には困難を伴う点である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、粘性のある物質を製造するに際し、バッチ間の洗浄性能を向上させることを可能にするため、以下の手段とした。
【0011】
本発明の製品製造装置は、上端が開口し対象物を攪拌羽根の回転駆動により撹拌する容器と、前記容器の開口を開閉する開閉蓋と、前記開閉蓋の閉じ状態で前記開閉蓋の前記容器側における内面に洗浄液を散布可能とする内部散布栓と、前記容器内に収容された湯の蒸発を促進させて前記開閉蓋の前記内面に付着している対象物を膨潤させると共に前記内部散布栓の洗浄液の散布で前記開閉蓋の前記内面を洗浄する制御部とを備えた。
【0012】
本発明の洗浄プログラムは、前記容器内に収容された溜め洗い用の湯を前記開閉蓋の閉じ状態で前記撹拌羽根の回転駆動により撹拌して溜め洗いを行う機能及び前記内部散布栓の洗浄液の散布で前記開閉蓋内を洗浄する機能をコンピューターに実行させる。
【0013】
本発明の洗浄方法は、上端が開口し対象物を攪拌羽根の回転駆動により撹拌する容器と、前記容器の開口を開閉する開閉蓋と、前記開閉蓋の閉じ状態で前記開閉蓋の前記容器側における内面に洗浄液を散布可能とする内部散布栓とを備えた製品製造装置を洗浄するための洗浄方法であって、前記容器内に収容された湯の蒸発を促進させて前記開閉蓋の前記内面に付着している対象物を膨潤させるステップ及び前記内部散布栓の洗浄液の散布で前記開閉蓋の前記内面を洗浄するステップを備えた。
【発明の効果】
【0014】
本発明の製品製造装置は、上端の開口を開閉蓋で閉じ、容器内で対象物を攪拌羽根の回転駆動により攪拌することができる。攪拌した対象物を取り出した後に開閉蓋を閉じ、内部散布栓を稼働させると洗浄液は開閉蓋の閉じ状態で開閉蓋の容器側における内面に散布され、開閉蓋の容器側の内面を洗浄することができる。
【0015】
また、湯の蒸発により開閉蓋の容器側の内面に付着した対象物に蒸気を付着させて膨潤させ、対象物を取り易くして洗浄することができる。
【0016】
このため、内部散布栓の洗浄液の散布で開閉蓋の容器側の内面を洗浄するとき膨潤した対象物を容易に除去することができる。
【0017】
本発明の洗浄プログラムは、コンピューターの機能の実行により、前記内部散布栓の洗浄液の散布を制御することができる。また、湯の蒸発により開閉蓋の容器側の内面に付着した対象物に蒸気を付着させることができる。
【0018】
したがって、内部散布栓が散布する洗浄液により開閉蓋の容器側の内面を洗浄することができる。また、湯の蒸発により開閉蓋の容器側の内面に付着した対象物に蒸気を付着させ、対象物を取り易くして洗浄することができる。
【0019】
本発明の洗浄方法は、前記内部散布栓の洗浄液の散布を行うことができる。また、湯の蒸発により開閉蓋の内面に付着した対象物に蒸気を付着させることができる。
【0020】
したがって、内部散布栓が散布する洗浄液により開閉蓋の容器側の内面を洗浄することができる。また、湯の蒸発により開閉蓋の容器側の内面に付着した対象物に蒸気を付着させ、対象物を取り易くして洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、実施例1に係るあん製造装置の正面図である。
図2図2は、実施例1に係るあん製造装置の平面図である。
図3図3は、実施例1に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の正面から見た一部省略の概略断面図である。
図4図4は、実施例1に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視した一部省略の概略側面図である。
図5図5は、実施例1に係るあん製造装置の洗浄プログラムのフローチャートである。
図6図6は、実施例1に係るあん製造装置の洗浄プログラムの図5に続くフローチャートである。
図7図7は、実施例1に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視し内部散布栓による散布状況を示す一部省略の概略側面図である。
図8図8は、実施例1に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視し攪拌羽根の攪拌による溜め洗いの洗浄状況を示す一部省略の概略側面図である。
図9図9は、実施例1に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視し溜め洗い洗浄後の湯の排出状況を示す一部省略の概略側面図である。
図10図10は、実施例1に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視し外部散布栓による散布状況を示す一部省略の概略側面図である。
図11図11は、実施例1に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視し内部散布栓によるすすぎ状況を示す一部省略の概略側面図である。
図12図12は、実施例1に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視しすすぎ洗浄後の湯の排出状況を示す一部省略の概略側面図である。
図13図13は、実施例1に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視し外部散布栓による洗浄状況を示す一部省略の概略側面図である。
図14図14は、実施例1の変形例に係る内部散布栓の散布状況を示す一部省略の概略断面図である。
図15図15は、実施例1の他の変形例に係る内部散布栓の散布状況を示す一部省略の概略断面図である。
図16図16は、実施例2に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の正面から見た一部省略の概略断面図である。
図17図17は、実施例2に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の側面から見た一部省略の概略断面図である。
図18図18は、実施例2に係るあん製造装置の洗浄プログラムのフローチャートである。
図19図19は、実施例2に係るあん製造装置の洗浄プログラムの図18に続くフローチャートである。
図20図20は、実施例2に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視し内部散布栓による散布状況を示す一部省略の概略側面図である。
図21図21は、実施例2に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視し攪拌羽根の攪拌による溜め洗いの洗浄状況を示す一部省略の概略側面図である。
図22図22は、実施例2に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視し溜め洗い洗浄後の湯の排出状況を示す一部省略の概略側面図である。
図23図23は、実施例2に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視し内部散布栓による洗浄状況及び洗浄による湯の排出状況を示す一部省略の概略側面図である。
図24図24は、実施例2に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視し内部散布栓によるすすぎ状況を示す一部省略の概略側面図である。
図25図25は、実施例2に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視し攪拌状況及びすすぎ洗浄の湯の排出状況を示す一部省略の概略側面図である。
図26図26は、実施例2に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視し内部散布栓による洗浄及び洗浄による湯の排出状況を示す一部省略の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、粘性のある物質を製造するに際し、バッチ間の洗浄性能を向上させることを可能にするという目的を以下のように実現した。
【0023】
本発明の製品製造装置は、上端が開口し対象物を攪拌羽根の回転駆動により撹拌する容器と、前記容器の開口を開閉する開閉蓋と、前記開閉蓋が閉じ状態である前記開閉蓋及び容器内の空間に配置され洗浄液を散布可能とする内部散布栓と、前記容器内に収容された溜め洗い用の湯を前記開閉蓋の閉状態で前記撹拌羽根の回転駆動により撹拌して溜め洗いを行うと共に前記内部散布栓の洗浄液の散布で前記開閉蓋内を洗浄する制御部とを備えたことで実現した。
【0024】
前記製品製造装置は、あん製造装置の他、粘性のある対象物を製造する装置一般として実現できる。
【0025】
前記内部散布栓が散布可能とする範囲は、例えば容器内の上下方向360°、横方向360°である。但し、上下方向の範囲は、開閉蓋内面を含む範囲で種々選択して実現できる。
【0026】
前記内部散布栓による散布は、スプレーノズルのスリットから上下方向に面状に散布し、このスプレーノズルを水平方向に360°回転させることで実現できる。また、この散布は、複数の孔から洗浄液を噴霧等するスプレー栓を回転させることでも実現できる。但し内部散布栓は、多数の孔から洗浄液を散布するシャワー栓でも実現できる。シャワー栓からの散布は、シャワー状であるが、シャワー状の散布にマイクロバブルを含んでも実現できる。
【0027】
前記容器内に収容された溜め洗い用の湯は、結果として容器内に収容されればよく、当初から十分蒸発を伴う温度の湯を収容し、或いは適度な温度の湯又は水を収容してから加熱により十分蒸発を伴う湯としてもよい。
【0028】
前記撹拌羽根の回転駆動による溜め洗いと前記内部散布栓の洗浄液の散布による洗浄とは、順に行われるが、同時に行うことでも実現できる。
【0029】
前記制御部は、コンピューターなどに限らず、撹拌羽根の回転駆動をON、OFF制御可能とする手動のスイッチ、内部散布栓の洗浄液の散布をON、OFF制御可能とする手動のスイッチ等を含む。
【0030】
前記容器は、加熱機構を備え、前記加熱機構は、前記溜め洗い用の湯を加熱することでも実現できる。
【0031】
前記容器を傾斜動作させた状態で前記開閉蓋を開いた開口に向けて前記容器外の横方向から洗浄液を散布可能とする外部散布栓を備えても実現できる。
【0032】
前記外部散布栓は、例えば単一の孔から洗浄液を噴霧等するスプレー栓で実現できる。但し内部散布栓は、多数の孔から洗浄液を散布するシャワー栓でも実現できる。シャワー栓からの散布は、シャワー状であるが、シャワー状の散布にマイクロバブルを含んでも実現できる。
【0033】
前記内部散布栓は、前記開閉蓋に支持され、前記外部散布栓は、前記容器を支持するフレームに支持されても実現できる。
【0034】
前記内部散布栓の洗浄液の散布と前記外部散布栓の洗浄液の散布とを制御する制御部を備えても実現できる。
【0035】
前記制御部は、前記内部散布栓又は前記外部散布栓の散布を制御するときに前記攪拌羽根の回転駆動を制御するようにも実現できる。
【0036】
本発明の製品製造装置を洗浄するための洗浄プログラムは、前記容器内に収容された溜め洗い用の湯を前記開閉蓋の閉じ状態で前記撹拌羽根の回転駆動により撹拌して溜め洗いを行う機能及び前記内部散布栓の洗浄液の散布で前記開閉蓋内を洗浄する機能とをコンピューターに実行させることで実現できる。
【0037】
前記容器を傾斜動作させて前記外部散布栓の洗浄液の散布を制御する機能をコンピューターに実行させることでも実現できる。
【0038】
前記内部散布栓又は前記外部散布栓の散布を制御するときに前記攪拌羽根の回転駆動を制御する機能をコンピューターに実行させることを備えても実現できる。
【0039】
本発明の洗浄方法は、前記容器内に収容された溜め洗い用の湯を前記開閉蓋の閉じ状態で前記撹拌羽根の回転駆動により撹拌して溜め洗いを行うステップ及び前記内部散布栓の洗浄液の散布で前記開閉蓋内を洗浄するステップとを備えて実現できる。
【0040】
前記容器を傾斜動作させて前記外部散布栓の洗浄液の散布を行うステップを備えても実現できる。
【0041】
前記内部散布栓又は前記外部散布栓の散布を制御するときに前記攪拌羽根の回転駆動を行うステップを備えても実現できる。
【0042】
本発明の製品製造装置は、前記容器の底部排出口に渋切り排出兼用バルブを備え、かかる容器が起立支持されても実現できる。この形態は、容器を傾斜させずに起立支持としたまま渋切りと対象物の排出とを渋切り排出兼用バルブの切り替えにより行わせる。外部散布栓は備えない。かかる形態においても、前記内部散布栓を、前記開閉蓋に支持させて実現できる。
【0043】
かかる製品製造装置であって、前記制御部は、前記内部散布栓の洗浄液の散布と前記渋切り排出兼用バルブとを制御することで実現できる。前記制御部は、前記内部散布栓の洗浄液の散布を制御するときに前記攪拌羽根の回転駆動を制御するようにして実現することもできる。
【0044】
前記製品製造装置を洗浄するための洗浄プログラムであって、前記容器内に収容された溜め洗い用の湯を前記開閉蓋の閉じ状態で前記撹拌羽根の回転駆動により撹拌して溜め洗いを行う機能及び前記内部散布栓の洗浄液の散布で前記開閉蓋内を洗浄する機能と、前記渋切り排出兼用バルブを切り替え制御する機能とをコンピューターに実行させることで実現できる。
【0045】
かかる洗浄プログラムであって、前記内部散布栓の洗浄液の散布を制御するときに前記攪拌羽根の回転駆動を制御する機能をコンピューターに実行させることで実現できる。
【0046】
前記製品製造装置を洗浄するための洗浄方法であって、前記容器内に収容された溜め洗い用の湯を前記開閉蓋の閉じ状態で前記撹拌羽根の回転駆動により撹拌して溜め洗いを行うステップ及び前記内部散布栓の洗浄液の散布で前記開閉蓋内を洗浄するステップと、前記渋切り排出兼用バルブを切り替えるステップとを備えて実現できる。
【0047】
かかる洗浄方法であって、前記内部散布栓の散布を制御するときに前記攪拌羽根の回転駆動を行うステップを備えても実現できる。
【実施例1】
【0048】
図1は、実施例1に係るあん製造装置の正面図である。図2は、実施例1に係るあん製造装置の平面図である。図3は、実施例1に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の正面から見た一部省略の概略断面図である。図4は、実施例1に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視した一部省略の概略側面図である。
【0049】
図1図4のように、製品製造装置の一例であるあん製造装置1は、煮練り兼用釜3と、対象物の一例であるあんを製造するために回転駆動される攪拌羽根5とを備えている。
【0050】
前記煮練り兼用釜3は、開閉蓋としての釜蓋7を備えている。また、あん製造装置1は、内部散布栓9と外部散布栓11とを備えている。さらに、あん製造装置1は、制御部である制御ボックス13を備え、バッチ間で自動洗浄するように構成されている。
【0051】
前記煮練り兼用釜3は、上面が開口した容器としての釜本体15に下部外周を包囲するジャケット17を備えている。釜本体15の下方には、釜本体15を支持するフレームの接地されたベース19が備えられている。正面から見てベース19の一側部には支柱21が固定され、他側部には前記制御ボックス13が支持されている。
【0052】
前記制御ボックス13及び支柱21間には、釜傾動機構23の水平な筒状の軸25a、25bによって釜本体15が前傾、後傾動作が可能に起立支持されている。釜本体15の上端は、開口27となっている。
【0053】
前記釜傾動機構23は、制御ボックス13側の軸25bが図示省略した釜用電動機に連結されている。この釜用電動機の正,逆回転によって、釜本体15がジャケット17と共に図4右方向の正面側下がりの前傾、図4の左方向の背面側下がりの後傾、および図1図3の垂直な起立の3位置で停止することが可能となっている。
【0054】
前記煮練り兼用釜3は、前記ジャケット17を含む加熱機構29を備えている。ジャケット17は、釜本体15の下部外周面を覆う上段ジャケット31と、釜本体15の下端部下面を覆う下段ジャケット33とを備えている。これら上段ジャケット31及び下段ジャケット33に囲まれた内部に独立して各蒸気室が区画されている。これらの蒸気室は、蒸気圧の調節機構35を介してフレキシブルホースに接続され、このホースが蒸気供給源に接続されている。調節機構35は、配管及び調整弁等で構成されている。
【0055】
前記煮練り兼用釜3の攪拌羽根5は、あん製造のために回転駆動されるものである。攪拌羽根5は、円弧状の攪拌アーム37に取り付けられている。攪拌アーム37は、撹拌軸39に支持されている。撹拌軸39は、釜本体15の筒状の胴部の下端で球状の底部の上部に横断して設けられている。撹拌軸39は、制御ボックス19内の攪拌用電動機(図示省略)に連動構成されている。攪拌用電動機の駆動によって攪拌羽根5が攪拌アーム37と共に撹拌軸39の軸心周りに旋回し、攪拌用電動機の停止によって、攪拌羽根5が攪拌アーム37と共に攪拌軸39上方の退避位置で停止するように制御される。
【0056】
前記釜本体15の開口27には、対象物、例えば小豆を前炊きした湯を釜本体15の後傾状態で渋切り排出するための多孔板(図示せず。)が着脱自在に取り付けられる。この多孔板は、煮練り兼用釜3の洗浄時は取り外される。釜本体15の前傾で前記開口27から前記釜本体15内のあんを取り出し可能にする。
【0057】
前記釜蓋7は、制御ボックス13側へ延びる釜開閉アーム41の先端部に支持されている。蓋開閉アーム41の基端部は、制御ボックス箱13上の回動軸43に結合支持されている。回動軸43が蓋開閉機構45に連結され、蓋開閉機構45の蓋用電動機の正,逆回転によって釜蓋7が釜本体15の開口27を開閉するように構成されている。
【0058】
前記内部散布栓9は、煮練り兼用釜3の釜本体15及び釜蓋7内の空間で上部側に配置されている。この内部散布栓9は、本実施例において釜蓋7の内面に支持され、内面から下方に突出している。この内部散布栓9の支持位置は、内部散布栓9により煮練り兼用釜3の内面を洗浄するに適した位置として設定される。内部散布栓9のノズル部は、開口27内へ若干突出するように配置されている。但し、洗浄形態によっては内部散布栓9のノズル部の位置を開口27よりも上方の釜蓋7内に配置することも可能である。
【0059】
前記内部散布栓9は、例えばスプレーイングシステムス社(米国)製のスプレーノズルである例えばRV-316SS15で構成されている。このスプレーノズルは、噴射圧により回転しながら上下前後左右に洗浄液を散布可能とする。つまり、内部散布栓9のノズルのスリットから面状に上下方向180°の範囲に散布され、且つノズルが水平方向に360°の範囲を回転する。かかる散布状況により釜蓋7内面から釜本体15内面全体に渡って洗浄液が散布されることになる。なお、内部散布栓9の散布範囲の変形例は、図14図15により後述する。
【0060】
前記内部散布栓9は、給水給湯管47に接続されている。給水給湯管47は、回動軸43に回動可能に嵌合したジのョイント45を介して給水給湯源(図示省略)に接続されている。なお、本実施例では洗浄液として湯を使用する。但し、湯以外のものを洗浄液として用いることもできる。湯以外の洗浄液を用いるときは、洗浄液を湯の供給源とは別の供給源とし、バルブで切り換える構成にすることで実現できる。
【0061】
前記内部散布栓9による散布に基づいて前記釜本体15内に収容された溜め洗い用の湯を前記撹拌羽根5の回転駆動により撹拌して溜め洗いを行うと共に、前記内部散布栓9の湯の散布で前記釜本体15及び釜蓋7内の上部を洗浄することができる。
【0062】
前記煮練り兼用釜3は、加熱機構29のジャケット17に加熱蒸気を供給して前記溜め洗い用の湯を加熱することができる。
【0063】
前記外部散布栓11は、前記釜本体15を傾斜動作、本実施例では後傾動作させた状態で前記釜蓋7を開いた開口27に向けて前記釜本体15外の横方向から洗浄液として湯を散布可能とするものである。
【0064】
前記外部散布栓11は、例えばスプレー栓で構成されている。外部散布栓11は、後傾状態の釜本体15の開口27から湯を散布して前炊きし、渋切りした後の小豆を洗浄させることにも使用できる。
【0065】
前記外部散布栓11は、3個連設されている。3個の外部散布栓11は、後傾した釜本体15の開口27に向けられている。外部散布栓11は、釜本体15内を洗浄できるものであれば単一にすることもできる。
【0066】
前記外部散布栓11は、前記攪拌軸39を含めて例えば45°の範囲等で攪拌羽根5等に十分に散布できるようにする。外部散布栓11には、制御ボックス19によるバルブ制御で約60℃以上の湯が洗浄液としてポンプにより圧送されるようになっている。
【0067】
前記外部散布栓11は、前記釜本体15を支持するフレームに取り付けられている。本実施例1において前記フレームは、前記後傾した釜本体15の通水域から渋切り排出した湯を受ける受け部49を備え、前記外部散布栓11の取り付けは、前記受け部49の上部位置としている。受け部49は、横断面が凹形状となっており、釜本体15が後傾して渋切する熱湯を受けて下方から排出する。この受け部49の上部は、後傾した釜本体15の開口27に対し外部散布栓11を外部から配向するのに適している。このため、フレーム側に外部散布栓11を適切に支持するための特別な支持部材を省略することができる。外部散布栓11と釜本体15の回転中心までの距離は本実施例において740mmに設定されている。この距離は、釜本体15が円形でない場合を含めて釜本体15の前後(奥行き)方向の寸法の1~1.5倍程度として設定されている。
【0068】
前記3個の外部散布栓11は、給水給湯管51に取り付けられている。給水給湯管51は、受け部49の上部に沿って配管されている。給水給湯管51は、給水給湯源(図示省略)に接続されている。
【0069】
前記制御ボックス13は、前記内部散布栓9又は前記外部散布栓11の散布を制御するときに前記攪拌羽根5の回転駆動を制御するようになっている。制御ボックス13は、あん練り工程等において撹拌羽根5の駆動制御を行う。制御ボックス13は、その他、各種のバルブ等、あん製造装置1全体を制御する。
【0070】
あんの製造に際しては、煮練り兼用釜3上部の釜蓋を開き、あん用の豆である小豆30Kgを適宜の手段で釜本体15内に投入し、投入完了後に釜蓋7を閉じ、豆煮工程を開始する。
【0071】
続いて、渋切り工程、本炊き工程、密漬け工程などを経て、撹拌羽根5の回転駆動によるあん練り工程を行わせる。あん練り工程後、撹拌羽根5が停止され、釜蓋7が開いた状態で釜本体15が前傾され、製品としてのあんが容器等に取り出される。かかるあんの製造工程を1バッチとして連続的にあんの製造が行われ、バッチ間において釜本体15の洗浄が行われる。
【0072】
図5は、実施例1に係るあん製造装置の自動洗浄プログラムのフローチャートである。図6は、実施例1に係るあん製造装置の自動洗浄プログラムの図5に続くフローチャートである。
【0073】
前記バッチ間における釜本体15の自動洗浄では、前記開口27の多孔板が取り外されている。
【0074】
前記制御ボックス13の自動洗浄ボタンがON操作されると制御ボックス13による自動洗浄フローが実行される。
【0075】
ステップS1では、「重量表示バッチゼロ」が実行され、制御ボックス13のディスプレイに釜本体1内の内容物重量がゼロであることが表示され、ステップS2へ移行する。
【0076】
ステップS2~S4により煮練り兼用釜3の起立支持状態で前記内部散布栓9の湯の散布を制御する機能を実行する。また、内部散布栓9の散布を制御するときに攪拌羽根5の回転駆動を制御する機能を実行する。洗浄方法としては、煮練り兼用釜3の起立支持状態で前記内部散布栓9の湯の散布を行うステップとなる。また、洗浄方法として内部散布栓9の散布を制御するときに攪拌羽根5の回転駆動を行うステップとなる。
【0077】
ステップS2では、「給水(湯)開始撹拌ON」が実行される。このステップでは、閉じられた釜蓋7の内部散布栓9から釜本体15内部に湯が散布されると共に撹拌軸39が回転駆動され、撹拌羽根5が旋回するように制御され、ステップ3へ移行する。内部散布栓9の湯の散布は、110kg給湯(水圧::約0.1MPa、流量:約43L/min、回転数:約60rpm)とした。性能上50kg程度給湯すると温度が下がり始め、110kg給湯すると約55 ℃前後になる。
【0078】
ステップS3では、「洗浄水質量」が実行される。このステップでは、釜本体15内に散布された湯の質量が検出され、ステップS4へ移行する。湯の質量つまり洗浄水質量は、洗浄時に溜める水(湯)量であり、例えば110kgとした。この質量は、煮練り兼用釜3内容積の40~80%としている。なお、この質量の範囲以外の質量を設定することもできる。質量の検出は、ベース19の脚部に取り付けられたロードセルの検出値の読取による。この読み取りによりあん製造装置1全質量の変化が湯の質量として算出される。撹拌羽根5は、5rpmで回転する。以下の自動洗浄において攪拌羽根5を回転させるステップでは、同様に5rpmで撹拌羽根5は回転する。
【0079】
ステップS4では、「給水(湯)停止」が実行される。このステップでは、ステップS3で散布された湯の質量が規定値になったとき内部散布栓9の制御が停止され、ステップS5へ移行する。湯の質量の規定値は、撹拌軸39より若干上位となる程度である。
【0080】
ステップS5では、「加熱開始」が実行される。このステップでは、加熱機構29の上段ジャケット31及び下段ジャケット33に蒸気供給源から蒸気が供給制御されて釜本体15が加熱制御され、釜本体15内の湯が加熱されてステップS6へ移行する。
【0081】
ステップS6では、「設定温度」が実行される。このステップでは、釜本体15内の湯の温度が設定温度か否かが判断され、設定温度になるとステップS7へ移行する。つまり、釜本体15内の湯の設定温度が60℃以上、例えば65℃程度になったか否かの判断が行われる。この温度の設定は、内部散布栓9から釜本体15内部に供給された湯が60℃未満となるためである。温度の検出は、例えば攪拌軸に支持された温度センサーによる。
【0082】
ステップS7では、「加熱停止」が実行される。このステップでは、釜本体15内の湯の温度が設定温度の65℃になったので加熱機構29による加熱が停止され、ステップS8へ移行する。釜本体15内の湯が65℃になると蒸気の上昇が促進され、釜本体15内面及び釜蓋7内面に付着する。この蒸気の付着により少し乾き気味であったあんが膨潤され、洗浄で落とし易くなる。
【0083】
ステップS8,S9により内部散布栓9による散布に基づいて前記釜本体15内に収容された溜め洗い用の湯を前記撹拌羽根5の回転駆動により撹拌して溜め洗いを行う機能を実行する。洗浄方法としては、内部散布栓9による散布に基づいて前記釜本体15内に収容された溜め洗い用の湯を前記撹拌羽根5の回転駆動により撹拌して溜め洗いを行うステップとなる。
【0084】
ステップS8では、「洗浄タイマーON」が実行される。このステップでは、撹拌羽根5の駆動による溜め洗いの時間を設定し、ステップS9へ移行する。溜め洗いの時間は、汚れ具合により異なるが、本実施例においては、1minとした。溜め洗いでは、撹拌羽根5が回転駆動され、撹拌羽根5及び釜本体15内部が洗浄される。この溜め洗いにおいて65℃程度の湯の蒸発が促進される。この蒸発の促進により内部に付着したあんの膨潤が促進され、洗浄で落とし易くなる。
【0085】
ステップS9では、「タイムアップ撹拌OFF」が実行される。このステップでは、撹拌羽根5の駆動が停止され、ステップS10へ移行する。
【0086】
ステップS10では、「フタ開」が実行される。このステップでは、釜蓋7が蓋開閉機構45の駆動により図1鎖線図示のように上方へ開かれ、ステップS11へ移行する。
【0087】
ステップS11では、「釜後傾」が実行される。このステップでは、煮練り兼用釜3が釜用電動機による軸25bの駆動で煮練り兼用釜3が受け部49方向へ傾斜駆動され後傾状態となり、ステップS12へ移行する。
【0088】
ステップS12では、「排水攪拌」が実行される。このステップでは、釜本体15の傾斜により溜め洗いの湯が排出され、撹拌羽根5が回転駆動されてステップS13へ移行する。
【0089】
ステップS13、S14は、煮練り兼用釜3を傾斜動作させて外部散布栓11の湯の散布を制御する機能を実行する。また、外部散布栓11の散布を制御するときに攪拌羽根5の回転駆動を制御する機能を実行する。洗浄方法としては、煮練り兼用釜3を傾斜動作させて外部散布栓11の湯の散布を行うステップとなる。また、洗浄方法として、外部散布栓11の散布を制御するときに攪拌羽根5の回転駆動を行うステップとなる。
【0090】
ステップS13では、「スプレー洗浄タイマーON」が実行される。このステップでは、3個の外部散布栓11から後傾状態の釜本体15の開口27の内部へ湯が散布され、ステップS14へ移行する。散布される湯は、例えば19L/minで30秒間行われる。この湯の散布が撹拌羽根5の回転駆動と共に行われる。
【0091】
ステップS14では、「タイムアップ攪拌OFF」が実行される。このステップでは、設定時間30秒の経過により外部散布栓11からの散布及び撹拌羽根5の回転駆動が停止され、ステップS15へ移行する。
【0092】
ステップS15では、「釜水平復帰」が実行される。このステップでは、煮練り兼用釜3の傾斜が戻され、ステップS16へ移行する。このステップの実行により煮練り兼用釜3は、起立支持状態に戻る。
【0093】
ステップS16では、「フタ閉」が実行される。このステップでは、釜蓋7が閉じられ、ステップS17へ移行する。
【0094】
ステップS17~S19は、煮練り兼用釜3の起立支持状態で内部散布栓9の湯の散布を制御する機能を実行する。また、内部散布栓9の散布を制御するときに攪拌羽根5の回転駆動を制御し、すすぎ洗いを行う機能を実行する。洗浄方法としては、煮練り兼用釜3の起立支持状態で前記内部散布栓9の湯の散布を行うステップとなる。また、洗浄方法として内部散布栓9の散布を制御するときに攪拌羽根5の回転駆動を制御し、すすぎ洗いを行うステップとなる。
【0095】
ステップS17では、「攪拌ON」が実行される。このステップでは、撹拌羽根5が回転駆動され、ステップS18へ移行する。撹拌羽根5の攪拌回転数は、例えば5rpmとした。
【0096】
ステップS18では、「給水(湯)開始ノズルすすぎタイマーON」が実行される。このステップでは、撹拌軸39が回転駆動された状況で内部散布栓9から釜本体15内部に湯が散布され、ステップS19へ移行する。内部散布栓9からの給湯は、例えば40秒間行われる。このステップでは、内部散布栓9からの散布によるすすぎ洗浄が行われ、釜本体15内面、攪拌羽根5、攪拌アーム37,攪拌軸39、釜蓋7内面等のすすぎ洗浄が行われる。
【0097】
ステップS19では、「タイムアップ攪拌OFF」が実行される。このステップでは、設定時間40秒の経過により内部散布栓9からの給湯及び撹拌羽根5の回転駆動が停止され、ステップS20へ移行する。
【0098】
ステップS20では、「フタ開」が実行される。このステップでは、釜蓋7が再度上方へ開かれ、ステップS21へ移行する。
【0099】
ステップS21では、「釜後傾」が実行される。このステップでは、煮練り兼用釜3が再度受け部49方向へ傾斜駆動され、ステップS22へ移行する。
【0100】
ステップS22~S24は、煮練り兼用釜3を傾斜動作させて外部散布栓11の湯の散布を制御する機能を実行する。また、外部散布栓11の散布を制御するときに攪拌羽根5の回転駆動を制御する機能を実行する。洗浄方法としては、煮練り兼用釜3を傾斜動作させて外部散布栓11の湯の散布を行うステップとなる。また、洗浄方法として外部散布栓11の散布を制御するときに攪拌羽根5の回転駆動を行うステップとなる。
【0101】
ステップS22では、「排水攪拌」が実行される。このステップでは、釜本体15の傾斜によりすすぎ洗浄の湯が排出され、撹拌羽根5が回転駆動されてステップS23へ移行する。
【0102】
ステップS23では、「スプレー洗浄タイマーON」が実行される。このステップでは、3個の外部散布栓11から後傾状態の釜本体15の開口27の内部へ湯が再度散布され、ステップS24へ移行する。散布される湯は、例えば19L/minで30秒間行われる。この湯の散布が撹拌羽根5の回転駆動と共に行われる。
【0103】
ステップS24では、「タイムアップ攪拌OFF」が実行される。このステップでは、設定時間30秒の経過により外部散布栓11からの散布及び撹拌羽根5の回転駆動が停止され、ステップS25へ移行する。
【0104】
ステップS25では、「釜前傾」が実行される。このステップでは、煮練り兼用釜3の後傾傾斜が戻され、且つ前傾状態へ傾斜設定される。この傾斜設定により自動洗浄が終了し、次のバッチのための待機状態となる。
【0105】
[作用効果]
図7は、実施例1に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視し内部散布栓による散布状況を示す一部省略の概略側面図である。図8は、実施例1に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視し攪拌羽根の攪拌による溜め洗いの洗浄状況を示す一部省略の概略側面図である。図9は、実施例1に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視し溜め洗い洗浄後の湯の排出状況を示す一部省略の概略側面図である。図10は、実施例1に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視し外部散布栓による散布状況を示す一部省略の概略側面図である。図11は、実施例1に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視し内部散布栓によるすすぎ状況を示す一部省略の概略側面図である。図12は、実施例1に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視しすすぎ洗浄後の湯の排出状況を示す一部省略の概略側面図である。図13は、実施例1に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視し外部散布栓による洗浄状況を示す一部省略の概略側面図である。
【0106】
前記ステップS2から始まる内部散布栓9の湯の散布では、図7のように、釜本体15、釜蓋7内面等に湯が散布され、攪拌羽根5が回転しながら洗浄が行われる。内部散布栓9のノズルは、水圧により回転を伴いながら湯を散布する。この散布で釜本体15、釜蓋7内面等の上下前後左右の全体に湯が散布され、洗浄が行われる。散布された湯は釜本体15の底部側に溜まる。湯の散布による洗浄で、水で洗浄する場合に比較して洗浄性が向上する。特に、攪拌羽根5及びその周辺の洗浄を確実に行わせることができる。
【0107】
ステップS5から始まる加熱では、釜本体15内に溜まった湯が65℃となるように加熱され、蒸気が釜本体15内面上部や釜蓋7内面に付着し、少し乾いたあんを膨潤させ、浮かして取れやすくする。
【0108】
前記ステップS8から始まる溜め洗いでは、図8のように、攪拌羽根5の回転による溜め洗いと共に湯の攪拌により湯の蒸発が促進される。この蒸発の促進により内部のあんの膨潤が促進され、洗浄で落とし易くなる。
【0109】
前記ステップS12の排水では、図9のように、煮練り兼用釜3が受け部49方向へ後傾し、攪拌羽根5が回転駆動して釜本体15内の溜め洗い後の湯が排出される。
【0110】
前記ステップS13から始まるスプレー洗浄では、図10のように、煮練り兼用釜3の後傾状態で外部散布栓11から湯が散布され、攪拌羽根5が回転しながら洗浄が行われる。これにより煮練り兼用釜3内面、攪拌羽根5、攪拌アーム37、攪拌軸39等が湯により横方向から洗い流される。
【0111】
前記ステップS18から始まるノズルすすぎ洗浄では、図11のように、煮練り兼用釜3の起立状態で内部散布栓9から湯が散布され、攪拌羽根5が回転しながらすすぎ洗浄が行われる。この工程により攪拌軸39や釜本体15上部や釜蓋7に付着した泡や攪拌羽根5、攪拌軸39、攪拌アーム37等に挟まったあんを確実に除去することができる。
【0112】
前記ステップS22の排水では、図12のように、煮練り兼用釜3が受け部49方向へ後傾し、攪拌羽根5が回転駆動して釜本体15内のすすぎ洗浄後の湯が排出される。
【0113】
前記ステップS23から始まるスプレー洗浄では、図13のように、煮練り兼用釜3の後傾状態で外部散布栓11から湯が散布され、攪拌羽根5が回転しながら洗浄が行われる。これにより攪拌羽根5、攪拌軸39、攪拌アーム等が湯により横方向から洗い流される。
【0114】
したがって、内部散布栓9及び外部散布栓11による湯の散布により煮練り兼用釜3の釜本体15内面、釜蓋7内面に付着したあん、攪拌羽根5、攪拌軸39、攪拌アーム37等に挟まったあんを確実に除去することができる。
【0115】
特に湯の蒸発による少し乾いたあんの膨潤、溜め洗い、内部散布栓9及び外部散布栓11による湯の散布によるすすぎ洗浄によりバッチ間でのあんの確実な洗浄除去ができる。
【0116】
こうして本実施例1のバッチ間の洗浄時間は、約10minで完了し、釜蓋7内面、釜本体15内面、攪拌羽根5の細部,攪拌アーム37の細部,攪拌軸39の細部に付着していたあんをほぼ除去することができた。
【0117】
[散布範囲の変形例]
図14は、実施例1の変形例に係る内部散布栓の散布状況を示す一部省略の概略断面図である。図15は、実施例1の他の変形例に係る内部散布栓の散布状況を示す一部省略の概略断面図である。
【0118】
前記内部散布栓9は、面状の散布範囲を変えることで図14の上向き270°、同180°のように散布範囲を選択することもできる。
【0119】
図14の変形例は、内部散布栓9のノズルのスリットから上下135°の範囲で面状に散布され、且つノズルが水平方向に360°の範囲を回転する。かかる散布状況により釜蓋7内面から釜本体15内面上部側に渡って洗浄液が270°の範囲で散布されることになる。
【0120】
図15の他の変形例は、内部散布栓9のノズルのスリットから上下90°の範囲で面状に散布され、且つノズルが水平方向に360°の範囲を回転する。かかる散布状況により釜蓋7内面の180°の範囲に渡って洗浄液が散布されることになる。
【0121】
つまり、前記内部散布栓9のスプレーノズルを図14又は図15の変形例に代えることもできる。
【0122】
図14の変形例においては、釜蓋7内面から釜本体15内壁面上部側に渡って散布された洗浄液が釜本体15内壁面に沿って釜本体15の下部側に流れ、釜本体15の下部側の洗浄もできる。
【0123】
図15の他の変形例においては、釜蓋7内面から釜本体15内壁面に沿って釜本体15の下部側に流れ、釜本体15の内壁面の洗浄もできる。
【0124】
なお、図14図15の散布範囲の変形例は、次の実施例2にも適用できる。
【実施例2】
【0125】
図16は、実施例2に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の正面から見た一部省略の概略断面図である。図17は、実施例2に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の正面から見た一部省略の概略断面図である。なお、実施例1と同一又は対応する構成部分には同符号を付して説明に代え、重複した説明は省略する。また、図16図17にない構成部分は、図1図2を参照する。
【0126】
図16図17の練り製品製造装置の一例であるあん製造装置1は、煮練り兼用釜3が起立状態に支持されている。
【0127】
前記煮練り兼用釜3は、釜本体15の底部排出口に渋切り排出兼用バルブ53を備えてベース19側に対して起立支持されている。渋切り排出兼用バルブ53は、下段ジャケット33を貫通して取り付けられている。渋切り排出兼用バルブ53には、排水口55と排出口57とが備えられている。排水口55及び排出口57の開閉は、制御ボックス13の制御により切り替えられる。
【0128】
前記渋切り排出兼用バルブ53の切り替えにより、排水口55及び派出口57の双方が閉じられた状態から排水口55が開かれたとき、釜本体15内の洗浄後の湯等が排水される。渋切り排出兼用バルブ53の切り替えにより、排水口55及び派出口57の双方が閉じられた状態から排出口57が開かれたときは、釜本体15内のあんが排出される。
【0129】
前記制御ボックス13は、前記内部散布栓9の散布を制御するときに攪拌羽根5の回転駆動を制御するようになっている。制御ボックス13は、あん練り工程等において撹拌羽根5の駆動制御を行う。本実施例において制御ボックス13は、渋切り排出兼用バルブ53の前記制御を行う。制御ボックス13は、実施例1と同様にその他、各種のバルブ等、あん製造装置1全体を制御する。
【0130】
あんの製造に際しては、実施例1と同様に煮練り兼用釜3上部の釜蓋7が開き、あん用の豆である小豆30Kgを適宜の手段で釜本体15内に投入し、投入完了後に釜蓋7を閉じ、豆煮工程を開始する。
【0131】
続いて、渋切り工程、本炊き工程、密漬け工程などを経て、撹拌羽根5の回転駆動によるあん練り工程を行わせる。あん練り工程後、撹拌羽根5が停止され、釜蓋7が開いた状態で釜本体15が前傾され、製品としてのあんが容器等に取り出される。かかるあんの製造工程を1バッチとして連続的にあんの製造が行われ、バッチ間において釜本体15の洗浄が行われる。
【0132】
図18は、実施例2に係るあん製造装置の洗浄プログラムのフローチャートである。
図19は、実施例2に係るあん製造装置の洗浄プログラムの図18に続くフローチャートである。
【0133】
図18図19の洗浄プログラムのフローチャートは、溜め洗いを実施例1と同様に行わせる一方、スプレー洗浄及びすすぎ洗浄共に内部散布栓9で行わせる。このため、実施例1の図5図6の洗浄プログラムのフローチャートに対し、図18図19の洗浄プログラムのフローチャートは、ステップS40~S43、ステップS44、S45、ステップS48~S52が相違し、その他のステップは同一である。
【0134】
実施例1と相違するステップについて説明する。
【0135】
図18のフローチャートにおいて、実施例1同様の湯の蒸発が伴う溜め洗いが終了してステップS39からステップS40へ移行すると、「底抜き(タンク)弁開」が実行される。このステップでは、排水口55及び派出口57の双方が閉じられた状態から排水口55が開かれ、ステップS41へ移行する。
【0136】
ステップS41では、「排水攪拌」が実行される。このステップでは、釜本体15の排水口55が開かれて溜め洗いの湯が排出され、撹拌羽根5が回転駆動されてステップS42へ移行する。
【0137】
ステップS42、S43は、煮練り兼用釜3の起立支持のまま内部散布栓9の湯の散布を制御する機能を実行する。また、内部散布栓9の散布を制御するときに攪拌羽根5の回転駆動を制御する機能を実行する。洗浄方法としては、煮練り兼用釜3の起立支持で内部散布栓9の湯の散布を行うステップとなる。また、洗浄方法として、内部散布栓9の散布を制御するときに攪拌羽根5の回転駆動を行うステップとなる。
【0138】
ステップS42では、「スプレー洗浄タイマーON」が実行される。このステップでは、内部散布栓9から煮練り兼用釜3内へ湯が散布され、ステップS43へ移行する。散布される湯は、例えば19L/minで30秒間行われる。この湯の散布が撹拌羽根5の回転駆動と共に行われる。
【0139】
ステップS43では、「タイムアップ攪拌OFF」が実行される。このステップでは、設定時間30秒の経過により内部散布栓9からの散布及び撹拌羽根5の回転駆動が停止され、ステップS44へ移行する。
【0140】
ステップS44では、「底抜き(タンク)弁閉」が実行される。このステップでは、排水口55の閉により排水口55及び派出口57の双方が閉じられた状態に戻り、ステップS45へ移行する。
【0141】
ステップS45~S47は、煮練り兼用釜3の起立支持状態で内部散布栓9の湯の散布を制御する機能を実行する。また、内部散布栓9の散布を制御するときに攪拌羽根5の回転駆動を制御し、すすぎ洗いを行う機能を実行する。洗浄方法としては、煮練り兼用釜3の起立支持状態で前記内部散布栓9の湯の散布を行うステップとなる。また、洗浄方法として内部散布栓9の散布を制御するときに攪拌羽根5の回転駆動を制御し、すすぎ洗いを行うステップとなる。
【0142】
ステップS45~S47を経てステップS48へ移行すると「底抜き(タンク)開」が実行される。排水口55及び派出口57の双方が閉じられた状態から排水口55が再度開かれ、ステップS48へ移行する。
【0143】
ステップS48では、「底抜き(タンク)弁開」が実行される。このステップでは、排水口55及び派出口57の双方が閉じられた状態から排水口55が開かれ、ステップS49へ移行する。
【0144】
ステップS49~S51は、煮練り兼用釜3の起立状態で内部散布栓9の湯の散布を制御する機能を実行する。また、内部散布栓9の散布を制御するときに攪拌羽根5の回転駆動を制御する機能を実行する。洗浄方法としては、煮練り兼用釜3の起立状態で内部散布栓9の湯の散布を行うステップとなる。また、洗浄方法として内部散布栓9の散布を制御するときに攪拌羽根5の回転駆動を行うステップとなる。
【0145】
ステップS49では、「排水攪拌」が実行される。このステップでは、釜本体15の排水口55からすすぎ洗浄の湯が排出され、撹拌羽根5が回転駆動されてステップS50へ移行する。
【0146】
ステップS50では、「スプレー洗浄タイマーON」が実行される。このステップでは、内部散布栓9から煮練り兼用釜3内へ湯が散布され、ステップS24へ移行する。散布される湯は、例えば19L/minで30秒間行われる。この湯の散布が撹拌羽根5の回転駆動と共に行われる。
【0147】
ステップS51では、「タイムアップ攪拌OFF」が実行される。このステップでは、設定時間30秒の経過により内部散布栓9からの散布及び撹拌羽根5の回転駆動が停止され、ステップS52へ移行する。
【0148】
ステップS52は、「底抜き(タンク)弁閉」が実行される。このステップでは、排水口55の閉により排水口55及び派出口57の双方が閉じられた状態に戻る。これにより自動洗浄が終了し、次のバッチのための待機状態となる。
【0149】
[作用効果]
図20は、実施例2に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視し内部散布栓による散布状況を示す一部省略の概略側面図である。図21は、実施例2に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視し攪拌羽根の攪拌による溜め洗いの洗浄状況を示す一部省略の概略側面図である。図22は、実施例2に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視し溜め洗い洗浄後の湯の排出状況を示す一部省略の概略側面図である。図23は、実施例2に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視し内部散布栓による洗浄状況及び洗浄による湯の排出状況を示す一部省略の概略側面図である。図24は、実施例2に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視し内部散布栓によるすすぎ状況を示す一部省略の概略側面図である。図25は、実施例2に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視し攪拌状況及びすすぎ洗浄の湯の排出状況を示す一部省略の概略側面図である。図26は、実施例2に係るあん製造装置の煮練り兼用釜の内部を透視し内部散布栓による洗浄及び洗浄による湯の排出状況を示す一部省略の概略側面図である。
【0150】
前記ステップS32から始まる内部散布栓9の湯の散布では、図20のように、釜本体15、釜蓋7内面等に湯が散布され、攪拌羽根5が回転しながら洗浄が行われる。内部散布栓9のノズルは、水圧により回転を伴いながら湯を散布する。この散布で釜本体15、釜蓋7内面等の上下前後左右の全体に湯が散布され、洗浄が行われる。散布された湯は釜本体15の底部側に溜まる。湯の散布による洗浄で、水で洗浄する場合に比較して洗浄性が向上する。特に、攪拌羽根5及びその周辺の洗浄を確実に行わせることができる。
【0151】
ステップS35から始まる加熱では、釜本体15内に溜まった湯が65℃となるように加熱され、蒸気が釜本体15内面上部や釜蓋7内面に付着し、少し乾いたあんを膨潤させ、浮かして取れやすくする。
【0152】
前記ステップS38から始まる溜め洗いでは、図21のように、攪拌羽根5の回転による溜め洗いと共に湯の攪拌により湯の蒸発が促進される。この蒸発の促進により内部のあんの膨潤が促進され、洗浄で落とし易くなる。
【0153】
前記ステップS41の排水では、図22のように、攪拌羽根5が回転を停止し、排水口55から釜本体15内の溜め洗い後の湯が排出される。
【0154】
前記ステップS42から始まるスプレー洗浄では、図23のように、内部散布栓9から湯が散布され、攪拌羽根5が回転し、排水口55から排水されながら洗浄が行われる。この洗浄により煮練り兼用釜3内面、攪拌羽根5、攪拌アーム37、攪拌軸39等が湯により洗い流される。
【0155】
前記ステップS46から始まるノズルすすぎ洗浄では、図24のように、煮練り兼用釜3の起立状態で内部散布栓9から湯が散布され、攪拌羽根5が回転しながらすすぎ洗浄が行われる。この工程により攪拌軸39や釜本体15上部や釜蓋7に付着した泡や攪拌羽根5、攪拌軸39、攪拌アーム37等に挟まったあんを確実に除去することができる。
【0156】
前記ステップS49の排水では、図25のように、攪拌羽根5が回転を停止し、排水口55から釜本体15内のすすぎ洗い後の湯が排出される。
【0157】
前記ステップS50から始まるスプレー洗浄では、図26のように、煮練り兼用釜3の起立状態で内部散布栓9から湯が散布され、攪拌羽根5が回転し、排水口55か排水されながら洗浄が行われる。これにより煮練り兼用釜3内面、攪拌羽根5、攪拌軸39、攪拌アーム等が湯により洗い流される。
【0158】
したがって、内部散布栓9による湯の散布により煮練り兼用釜3の釜本体15内面、釜蓋7内面に付着したあん、攪拌羽根5、攪拌軸39、攪拌アーム37等に挟まったあんを確実に除去することができる。
【0159】
特に湯の蒸発による少し乾いたあんの膨潤、溜め洗い、内部散布栓9による湯の散布によるすすぎ洗浄、洗い流し等によりバッチ間でのあんの確実な洗浄除去ができる。
【0160】
こうして本実施例1のバッチ間の洗浄時間は、約10minで完了し、釜蓋7内面、釜本体15内面、攪拌羽根5の細部,攪拌アーム37の細部,攪拌軸39の細部に付着していたあんをほぼ除去することができた。
【符号の説明】
【0161】
1 あん製造装置
3 煮練り兼用釜
5 攪拌羽根
7 釜蓋(開閉蓋)
9 内部散布栓
11 外部散布栓
13 制御ボックス(制御部)
15 釜本体(容器)
17 ジャケット
19 ベース(フレーム)
27 開口
29 加熱機構
49 受け部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26