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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】仕切構造
(51)【国際特許分類】
   A47B 65/00 20060101AFI20241122BHJP
   A47F 5/00 20060101ALI20241122BHJP
   A47B 81/00 20060101ALN20241122BHJP
【FI】
A47B65/00 602E
A47F5/00 G
A47B81/00 P
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021209459
(22)【出願日】2021-12-23
(65)【公開番号】P2023094156
(43)【公開日】2023-07-05
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000213138
【氏名又は名称】中日産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100112900
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 路子
(74)【代理人】
【識別番号】100163164
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 敏之
(72)【発明者】
【氏名】林 誠浩
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-104063(JP,A)
【文献】特開平11-018889(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110840106(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0175034(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 65/00、81/00
A47F 5/00
A61J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納用什器の棚板部材の前端部に左右方向に沿って取り付けられるスライドレールと、
前記スライドレールに対して左右方向に沿って移動可能な複数の仕切板と、
を備え、
前記スライドレールは、前壁部と、底壁部と、後壁部と、を有して略コの字状に形成され、
記後壁部には、ガイド部が配設され、
前記仕切板には、前記ガイド部にガイドされる被ガイド部が配設され、
前記前壁部と、前記底壁部と、前記後壁部と、前記仕切板と、で囲まれる領域で、端数となった被収納物が収納される端数用スペースが形成されることを特徴とする仕切構造。
【請求項2】
前記仕切板の前記被ガイド部の上端部には、前記棚板部材と連設可能な補助傾斜板が後下方に向かって延設されていることを特徴とする請求項1記載の仕切構造。
【請求項3】
収納用什器の棚板部材の前端部に左右方向に沿って取り付けられるスライドレールと、
前記スライドレールに対して左右方向に沿って移動可能な複数の仕切板と、
を備え、
前記スライドレールは、前壁部と、底壁部と、後壁部と、を有して略コの字状に形成され、
前記前壁部には、ガイド部が配設され、
前記後壁部の上端部には、前記棚板部材と連設可能な傾斜板が後下方に向かって延設され、
前記仕切板には、前記ガイド部にガイドされる被ガイド部が配設され、
前記前壁部と、前記底壁部と、前記後壁部と、前記仕切板と、で囲まれる領域で、端数となった被収納物が収納される端数用スペースが形成されることを特徴とする仕切構造。
【請求項4】
前記底壁部又は前記前壁部には、前記棚板部材に配設された差込部に差し込み可能な差込板が配設されていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の仕切構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納スペースを変更可能な仕切構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の収納用什器の仕切構造としては、本出願人が先にした特許文献1に記載されるものがあった。これによれば、収納用什器は、ベースフレームと、縦支柱と、背面パネルと、棚板ブラケットと、天板と、下板と、棚板部材と、を備えていた。棚板部材の上には、合成樹脂製の収納ケースが配置されて、仕切られていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-153875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の収納用什器の仕切構造では、収納ケースは、剛性を有する合成樹脂で形成されているので、収納スペースを変更できないうえ、多数の収納ケースが必要で、使用する合成樹脂の量が多く材料のコストが高くなっていた。さらに、箱詰めされた被収納物だけでなく、端数となった被収納物が収納されるスペースも合わせて要請されるため、改善が望まれていた。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、収納スペースを変更可能とし、材料のコストを低減でき、さらに、端数となった被収納物が収納されるスペースを形成できる仕切構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明では、収納用什器の棚板部材の前端部に左右方向に沿って取り付けられるスライドレールと、
前記スライドレールに対して左右方向に沿って移動可能な複数の仕切板と、
を備え、
前記スライドレールは、前壁部と、底壁部と、後壁部と、を有して略コの字状に形成され、
前記前壁部又は前記後壁部には、ガイド部が配設され、
前記仕切板には、前記ガイド部にガイドされる被ガイド部が配設され、
前記前壁部と、前記底壁部と、前記後壁部と、前記仕切板と、で囲まれる領域で、端数となった被収納物が収納される端数用スペースが形成される。
【0007】
これによれば、仕切板を移動させて収納スペースを変更可能とし、材料の量を減らすことができるので材料のコストを低減でき、さらに、端数となった被収納物が収納される端数用スペースを形成可能な、仕切構造とすることができる。
【0008】
また、前記後壁部に、前記ガイド部が配設されている。
【0009】
これによれば、前壁部側の設計自由度が高くなるので、前壁部を傾斜させたり、断面円弧状等に形成させたりして、被収納物を取り出しやすくすることが可能となる。
【0010】
また、前記仕切板の前記被ガイド部の上端部には、前記棚板部材と連設可能な補助傾斜板が後下方に向かって延設されている。
【0011】
これによれば、箱に入れられた被収納物を補助傾斜板により誘導可能となるので、被収納物を取り出しやすくすることができる。
【0012】
また、前記前壁部に、前記ガイド部が配設されている。
【0013】
これによれば、後壁部側の設計自由度を高くすることができる。
【0014】
また、前記後壁部の上端部には、前記棚板部材と連設可能な傾斜板が後下方に向かって延設されている。
【0015】
これによれば、箱に入れられた被収納物を傾斜板により誘導可能となるので、被収納物を取り出しやすくすることができる。
【0016】
また、前記底壁部又は前記前壁部には、前記棚板部材に配設された差込部に差し込み可能な差込板が配設されている。
【0017】
これによれば、差込部が配設された棚板部材に好適な仕切構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明における第一実施形態の仕切構造が取り付けられた収納用什器の斜視図である。
図2】同実施形態の仕切構造の分解斜視図である。
図3】同実施形態の仕切構造のスライドレール部分での側面断面図である。
図4図3の部分拡大側面断面図である。
図5】第二実施形態の仕切構造の分解斜視図である。
図6】同実施形態の仕切構造のスライドレール部分での側面断面図である。
図7図6の部分拡大側面断面図である。
図8】第一実施形態の仕切構造を、差込部が配設された棚板部材に取り付けた状態の側面断面図である。
図9】第二実施形態の仕切構造を、差込部が配設された棚板部材に取り付けた状態の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明における第一実施形態の仕切構造が取り付けられる収納用什器の一実施形態を、図面に基づいて説明する。以下の説明では、各図面に付される矢印の、Fを前、Bを後ろ、Rを右、Lを左、Uを上、Dを下、とする。
【0020】
収納用什器10は、図1に示すように、ベースフレーム11と、縦支柱12と、背面パネル13と、棚板ブラケット14と、棚板部材17と、引き出しユニット20と、を備えた既存の収納用什器が用いられている。本実施形態では、収納用什器10は、調剤用の収納用什器とされている。
【0021】
仕切構造30は、図1~4に示すように、収納用什器10の棚板部材17の前端部に左右方向に沿って取り付けられるスライドレール40と、スライドレール40に対して左右方向に沿って移動可能な複数の仕切板60と、を備えて、棚板部材17に取り付けられている。
【0022】
スライドレール40は、合成樹脂製で、前壁部41と、底壁部42と、後壁部43と、を有して断面略コの字状に形成されている。
【0023】
前壁部41、後壁部43は、断面円弧状に形成され、底壁部42は、平板状に形成されている。
【0024】
前壁部41は、上端部から断面略U字状のカードホルダ部44が延設されている。カードホルダ部44は、上側から、ポップカードを進入させて、ポップカードを把持可能とされている。
【0025】
また、前壁部41の上下方向における中央部分から、長尺で矩形平板状な差込板45が下方に延設されている。差込板45は、棚板部材17の前端面に取り付けられたり、後述する棚板部材17に配設された差込部17aに差し込まれたりするものである。
【0026】
後壁部43には、ガイド部46が配設されている。本実施形態では、ガイド部46は、後壁部43を含んで、上方が開放した断面略U字状に形成され、後述する被ガイド部62を、前後方向において挟み込むようにガイドして前後方向への移動を規制し、左右方向に沿った移動を可能としている。
【0027】
仕切板60は、合成樹脂製で、本体61と、被ガイド部62と、補助傾斜板63と、を有している。
【0028】
本体61は、左右方向からみて、下辺が長い台形平板状に形成されている。本体61には、仕切板60をスライドレール40に取り付けた状態において、仕切板60のスライドレール40の後壁部43に対応する部分が直角三角形状に切り欠かれた切欠61cが配設されている。
【0029】
仕切板60の切欠61c部分には、ガイド部46にガイドされる被ガイド部62が配設されている。
【0030】
本実施形態では、矩形平板状の首部62aと、首部62aから下方に延びて後面側が略三角形状に膨出する頭部62bと、を有している。被ガイド部62は、上下方向及び左右方向に沿って延び、左右方向において本体61よりそれぞれ10mm程度延設されている。
【0031】
仕切板60の被ガイド部62の上端部には、棚板部材17と連設可能な補助傾斜板63が後下方に向かって延設されている。補助傾斜板63は、本体61とも連設されている。
【0032】
仕切板60の本体61は、被ガイド部62より前側の領域が、スライドレール仕切部61aとされ、被ガイド部62より後側の領域が、棚板部材仕切部61bとされる。
【0033】
前壁部41と、底壁部42と、後壁部43と、仕切板60のスライドレール仕切部61aと、で囲まれる領域で、端数となった被収納物が収納される端数用スペース31が形成される。
【0034】
本実施形態における仕切構造30の使用態様を説明する。スライドレール40の底壁部42の下面と棚板部材17の上面の前端部、補助傾斜板63の後面と棚板部材17の前面、を、両面テープを介して当接させて、スライドレール40を収納用什器10の棚板部材17に取り付ける。
【0035】
スライドレール40のガイド部46と、仕切板60の被ガイド部62とを噛み合わせて、スライドレール40に仕切板60を取り付ける。そして、被収納物のサイズ、又は、被収納物が入れられる箱のサイズ、に応じて左右方向の位置を調整する。
【0036】
棚板部材17と、仕切板60の棚板部材仕切部61bと、で囲まれる領域には、被収納物が入れられる箱等を収納する。
【0037】
前壁部41と、底壁部42と、後壁部43と、仕切板60のスライドレール仕切部61aと、で囲まれる領域で、形成される端数用スペース31に、端数となった被収納物を収納する。
【0038】
仕切板60の補助傾斜板63により、被収納物が入れられる箱を取り出すときに、当該箱が誘導されて、取り出しやすくなる。
【0039】
端数用スペース31を構成する前壁部41は、断面円弧状となっているので、端数となった被収納物を取り出しやすくなっている。
【0040】
上記構成の本願発明では、収納用什器10の棚板部材17の前端部に左右方向に沿って取り付けられるスライドレール40と、
スライドレール40に対して左右方向に沿って移動可能な複数の仕切板60と、
を備え、
スライドレール40は、前壁部41と、底壁部42と、後壁部43と、を有して略コの字状に形成され、
後壁部43には、ガイド部46が配設され、
仕切板60には、ガイド部46にガイドされる被ガイド部62が配設され、
前壁部41と、底壁部42と、後壁部43と、仕切板60と、で囲まれる領域で、端数となった被収納物が収納される端数用スペース31が形成される。
【0041】
これによれば、仕切板60を移動させて収納スペースを変更可能とし、材料の量を減らすことができるので材料のコストを低減でき、さらに、端数となった被収納物が収納される端数用スペース31を形成可能な、仕切構造とすることができる。
【0042】
また、後壁部43に、ガイド部46が配設されている。
【0043】
これによれば、前壁部41側の設計自由度が高くなるので、前壁部41を傾斜させたり、断面円弧状等に形成させたりして、被収納物を取り出しやすくすることが可能となる。
【0044】
また、仕切板60の被ガイド部62の上端部には、棚板部材17と連設可能な補助傾斜板63が後下方に向かって延設されている。
【0045】
これによれば、箱に入れられた被収納物を補助傾斜板63により誘導可能となるので、被収納物を取り出しやすくすることができる。
【0046】
本発明の第二実施形態の仕切構造を図面に基づいて説明する。以下の説明では、第一実施形態と対応する構成については、同一符号にAを付加し、全部又は一部の説明を省略する。
【0047】
仕切構造30Aは、スライドレール40Aと、仕切板60Aと、を備えている。
【0048】
仕切構造30との相違点としては、図5~7に示すように、前壁部41Aにガイド部46Aが配設され、仕切板60Aの前端部に被ガイド部62Aが配設され、後壁部43Aの上端部には、棚板部材17と連設可能な傾斜板47Aが後下方に向かって延設されていることである。
【0049】
スライドレール40Aは、合成樹脂製で、前壁部41Aと、底壁部42Aと、後壁部43Aと、を有して断面略コの字状に形成されている。前壁部41Aと底壁部42Aは略直交して配設され、底壁部42Aと後壁部43Aとは直交して配設されている。
【0050】
ガイド部46Aは、本実施形態では、前壁部41Aを含んで、上方が開放した断面略コの字状に形成され、後述する被ガイド部62Aを、前後方向において挟み込むようにガイドして前後方向への移動を規制し、左右方向に沿った移動を可能としている。
【0051】
また、底壁部42Aの前端部から、長尺な矩形平板状な差込板45Aが下方に延設されている。差込板45Aは、棚板部材17の前端面に取り付けられたり、後述する棚板部材17に配設された差込部17aに差し込まれたりするものである。
【0052】
後壁部43Aの上端部には、棚板部材17と連設可能な傾斜板47Aが後下方に向かって延設されている。傾斜板47Aは、棚板部材17と連設可能とされ、被収納物が入れられる箱を取り出すときに、当該箱が誘導されて、取り出しやすくするものである。
【0053】
仕切板60Aの本体61Aの前側下部分には、ガイド部46Aにガイドされる被ガイド部62Aが配設されている。本実施形態では、被ガイド部62A左右方向からみて、前下部分が開放した略O字状に形成されている。
【0054】
本実施形態では、ガイド部46Aと被ガイド部62Aとは、互いに噛み合うように係合され、仕切板60Aの前後方向への移動を規制し、左右方向に沿った移動を可能としている。被ガイド部62Aは、上下方向及び左右方向に沿って延び、左右方向において本体61Aよりそれぞれ10mm程度延設されている。
【0055】
本体61Aには、仕切板60Aをスライドレール40Aに取り付けた状態において、仕切板60Aのスライドレール40Aの後壁部43Aに対応する部分が直角三角形状に切り欠かれた切欠61Acが配設されている。
【0056】
仕切板60Aの本体61Aは、切欠61Acより前側の領域が、スライドレール仕切部61Aaとされ、被ガイド部62Aより後側の領域が、棚板部材仕切部61Abとされる。
【0057】
上記構成の仕切構造30Aでは、前壁部41Aに、ガイド部46Aが配設されている。これによれば、後壁部43A側の設計自由度を高くすることができる。
【0058】
また、後壁部43Aの上端部には、棚板部材17と連設可能な傾斜板47Aが後下方に向かって延設されている。
【0059】
これによれば、箱に入れられた被収納物を傾斜板47Aにより誘導可能となるので、被収納物を取り出しやすくすることができる。
【0060】
本発明の仕切構造及び収納用什器セットは上記構成に限定されるものではない。即ち、本発明の要旨を逸脱しない限り各種の設計変更等が可能である。以下に、変形した態様を例示する。
【0061】
例えば、仕切構造30、仕切構造30Aは、図8、9に示すように、差込部17aが配設された棚板部材17に取り付けることも可能である。この場合、差込部17aに差込板45、差込板45Aを差し込んでスライドレール40、スライドレール40Aを棚板部材17に取り付けることができる。よって、差込部17aが配設された棚板部材17に好適な仕切構造とすることができる。
【0062】
また、調剤用什器以外の商品陳列用什器等に適用することも可能である。
【0063】
また、収納用什器10の構成は、仕切構造30、仕切構造30Aを、棚板部材17に取り付けられるのであれば、他の構成は適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0064】
10 収納用什器
17 棚板部材
17a 差込部
30 仕切構造
31 端数用スペース
40 スライドレール
41 前壁部
42 底壁部
43 後壁部
45 差込板
46 ガイド部
60 仕切板
62 被ガイド部
63 補助傾斜板
30A 仕切構造
31A 端数用スペース
40A スライドレール
41A 前壁部
42A 底壁部
43A 後壁部
45A 差込板
46A ガイド部
47A 傾斜板
60A 仕切板
62A 被ガイド部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9