(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】光ファイバケーブルコネクタ
(51)【国際特許分類】
G02B 6/36 20060101AFI20241122BHJP
G02B 6/40 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
G02B6/36
G02B6/40
(21)【出願番号】P 2023130856
(22)【出願日】2023-08-10
(62)【分割の表示】P 2020540776の分割
【原出願日】2019-01-23
【審査請求日】2023-08-10
(32)【優先日】2018-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519381838
【氏名又は名称】チェン スティーブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チェン スティーブ
【審査官】山本 元彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-276781(JP,A)
【文献】特開2005-189730(JP,A)
【文献】特表2013-522690(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0378109(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/24, 6/255, 6/36-6/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバコネクタアセンブリであって、
光ファイバケーブルに接続されたブーツ部と、
前記ブーツ部に接続された固定本体部と、
前記固定本体部に接続されたシュラウドカプラであって、その一端に
、洗浄媒体を収容するシュラウドディスク
を含むシュラウドカプラと、
前記シュラウドカプラに接続され、前記シュラウド
カプラの前記シュラウドディスクに結合するように構成されたフェルールと、
前記シュラウドカプラを受け入れ、前記光ファイバケーブルを接続するように構成された隔壁アダプタと、を備え
、
前記シュラウドカプラは、前記フェルールのフェルール面を通って延びるガイドピンを含み、前記シュラウドカプラは延びて、前記ガイドピン、前記フェルールのフェルール面および前記フェルールを覆う、光ファイバコネクタアセンブリ。
【請求項2】
前記シュラウドディスクは、前記シュラウドカプラから取り外し可能である、請求項1に記載の光ファイバコネクタアセンブリ。
【請求項3】
前記シュラウドカプラは、固定されたフェルールの周りを回転して前記フェルールを前記洗浄媒体に向かって移動させる回転可能なカプラ領域を含む、請求項1に記載の光ファイバコネクタアセンブリ。
【請求項4】
前記シュラウドカプラは、カプラ領域と、前記カプラ領域内にて前記洗浄媒体に向かって回転するように構成された回転可能なフェルールとを含む、請求項1に記載の光ファイバコネクタアセンブリ。
【請求項5】
前記フェルールは、前記シュラウドカプラから延出し、前記シュラウドディスクと接続される円筒の形状を有する、請求項1に記載の光ファイバコネクタアセンブリ。
【請求項6】
前記シュラウドディスクは、前記フェルール内にてファイバストランドのバンクを受け入れる切欠隙間を含む、請求項1に記載の光ファイバコネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してケーブルコネクタに関し、より具体的には、自己洗浄機構を有し、隔壁アダプタに接続可能な光ファイバケーブルコネクタに関する。
【発明の概要】
【0002】
様々な実施形態の簡単な要旨を以下に提示する。これらの要旨は簡略、省略されているが、これは、様々な実施形態のいくつかの態様を強調することを意図しているのであり、本発明の範囲を限定することを意図するものでない、当業者が本発明の概念を実施および使用することが可能とするために十分な実施形態の詳細な説明は後述する。
【課題を解決するための手段】
【0003】
様々な実施形態には、光ファイバケーブルに接続されたブーツ部と、前記ブーツ部に接続された固定本体部と、前記固定本体部に接続され、前記固定本体部の周りを回転するように構成された回転可能なカプラと、前記回転可能なカプラに接続され、前記固定本体部の周りを前記回転可能なカプラと共に回転するように構成されたフェルールと、前記回転可能なカプラが一方向に回転され、別の方向に解放された後、前記回転可能なカプラを受け入れるように構成された隔壁アダプタとを備える光ファイバコネクタアセンブリが含まれる。
【0004】
前記回転可能なカプラは、前記隔壁アダプタのポートと接続される少なくとも1つの位置合わせトークンを含み、前記隔壁アダプタは、前記回転可能なカプラと接続される少なくとも1つの位置合わせ溝を含んでいてもよい。
【0005】
回転可能なカプラは、隔壁アダプタのポートと接続するための少なくとも1つの位置合わせトークンを含んでいてもよく、隔壁アダプタは、回転可能なカプラとインターフェースするための少なくとも1つの位置合わせ溝を含んでいる。
【0006】
前記隔壁アダプタのポートは、前記回転可能なカプラと接続される少なくとも1つの位置合わせトークンを含み、前記回転する回転カプラは、前記隔壁アダプタと接続される少なくとも1つの位置合わせ溝を含んでいてもよい。
【0007】
第1の光ファイバコネクタの前記フェルールは、第2の光ファイバコネクタのフェルールに接続するためのガイドピンまたは受け入れガセットを含んでいてもよい。
【0008】
前記第1の光ファイバコネクタの前記ガイドピンは、取り外し可能であり、光ファイバコネクタの雄雌の変更を可能にするために第2の光ファイバコネクタの受け入れガセットに配置することが可能であってもよい。
【0009】
前記隔壁アダプタは、第1の光ファイバコネクタと第2の光ファイバコネクタとの間の接続を受け入れるための位置合わせピンの挿入穴を含んでいてもよい。
【0010】
迅速な極性反転をサポートするために、前記回転可能なカプラまたは前記隔壁アダプタのいずれかにおいて2つの位置合わせ溝が対向する構成にて配置してもよい。
【0011】
前記フェルールは、少なくとも1つのファイバ面および少なくとも1つのファイバストランドのバンクを含んでいてもよい。
【0012】
迅速な極性反転をサポートするために、2つまたは4つのファイバ面がミラー配位にて配置してもよい。
【0013】
前記フェルール面は、ファイバ面の個数とファイバストランドのバンクの個数を乗算した少なくとも2つのファイバ面にて露出させてもよい。
【0014】
前記フェルール内に配置された洗浄媒体剤をさらに含んでいてもよい。
【0015】
また、様々な実施形態には、光ファイバコネクタの回転可能なカプラをそのグリップ部でグリップする、前記回転可能なカプラを隔壁アダプタに一直線に挿入する、前記回転可能なカプラを前方に押し込みながら、前記回転可能なカプラを時計回りまたは反時計回りの方向に回転させて、ばねの張力を増加させ、前記回転可能なカプラを解放して、前記回転可能なカプラが反時計回り方向に回転し、前記光ファイバコネクタを前記隔壁アダプタに固定する、各ステップを含む光ファイバ接続を提供する方法が含まれる。
【0016】
本方法は、前記回転可能なカプラが時計回りまたは反時計回りの方向に回転させ、前記隔壁アダプタの位置合わせ溝の停止点に到達したとき、前記回転可能なカプラを解放することをさらに含んでいてもよい。
【0017】
本方法は、前記回転可能なカプラを前記隔壁アダプタのポートに挿入することをさらに含んでいてもよい。
【0018】
本方法は、前記回転可能なカプラまたは前記隔壁アダプタの位置合わせトークンを、隣接する隔壁アダプタまたは回転可能なカプラの位置合わせ溝に挿入することをさらに含んでいてもよい。
【0019】
本方法は、前記回転可能なカプラを前記隔壁アダプタに挿入するとき、前記回転可能なカプラの前部を洗浄することをさらに含んでいてもよい。
【0020】
また、様々な実施形態には、光ファイバケーブルに接続されたブーツ部と、前記ブーツ部に接続された固定本体部と、前記固定本体部に接続されたシュラウドカプラであって、その一端にシュラウドディスクおよび洗浄媒体剤を含むシュラウドカプラと、前記シュラウドカプラに接続され、前記シュラウドプラの前記シュラウドディスクに結合するように構成されたフェルールと、前記シュラウドカプラを受け入れ、前記光ファイバケーブルを接続するように構成された隔壁アダプタとを備える光ファイバコネクタアセンブリが含まれる。
【0021】
前記シュラウドカプラは、前記フェルールのフェルール面を通って延びるガイドピンを含み、前記シュラウドカプラは延びて、前記ガイドピン、前記フェルールのフェルール面および前記フェルールを覆ってもよい。
【0022】
前記シュラウドディスクは、前記シュラウドカプラから取り外し可能であってもよい。前記シュラウドカプラは、固定されたフェルールの周りを回転して前記フェルールを前記洗浄媒体に向かって移動させる回転可能なカプラ領域を含んでいてもよい。前記シュラウドカプラは、カプラ領域と、前記カプラ領域内にて前記洗浄媒体に向かって回転するように構成された回転可能なフェルールとを含んでいてもよい。
【0023】
前記フェルールは、前記シュラウドカプラから延出し、前記シュラウドディスクと接続される円筒の形状を有してもよい。
【0024】
前記シュラウドディスクは、前記フェルール内にてファイバストランドのバンクを受け入れる切欠隙間を含んでいてもよい。
【0025】
本発明の他の目的および特徴は、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から、図面を考慮すれば、より容易に明らかになるであろう。 いくつかの実施形態が図示され
て説明されているが、同一の参照番号は、各図において同一の箇所を示している。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、本明細書で説明される実施形態に係る、光ファイバコネクタおよび隔壁アダプタのシュラウドの2つの構成を示す。
【
図2】
図2は、
図1に係る光ファイバコネクタおよび円形フェルールの正面図を示す。
【
図3】
図3は、
図1に係る隔壁アダプタを介した光ファイバケーブルコネクタの嵌合接続を示す。
【
図4】
図4は、
図3に係る別の隔壁アダプタを介した光ファイバケーブルコネクタの別の嵌合接続を示す。
【
図5】
図5Aから
図5Cは、本明細書で説明される実施形態に係る、例示的なファイババンクおよび光ファイバストランドの構成を示す。
【
図6】
図6は、 本明細書に記載の実施形態に係る隔壁アダプタのシュラウド上の洗浄媒体剤の使用を示す。
【
図7】
図7Aおよび
図7Bは、本明細書に記載の実施形態に係る、光ファイバコネクタに埋め込まれた複数のファイババンクの構成を示す。
【
図8】
図8は、
図7に係るさらに小さい形状因子の光ファイバコネクタを示す。
【
図9】
図9は、本明細書に記載の実施形態に係る、固定された円形フェルールを有する回転可能なシュラウドカプラの斜視図を示す。
【
図11】
図11は、本明細書に記載の実施形態に係る、固定されたシュラウドカプラおよび回転する円形フェルールの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図面は単なる概略図であり、一定の縮尺で描かれていないことを理解されたい。また、図面全体を通して、同じ参照番号が同じまたは同様の部分を示すために使用されていることを理解されたい。
【0028】
説明および図面は、様々な例示的な実施形態の原理を示している。したがって、当業者は、本明細書では明示的に説明または示されていないが、本発明の原理を具現化し、その範囲内に含まれる様々な構成を考案できることが理解されよう。さらに、本明細書に記載されている全ての例は、主に、読者が本発明の原理および本発明の技術者が技術を促進するために貢献した概念を理解するのを助けるための教育的目的であることを明示的に意図しており、このような具体的に列挙された例および条件に限定されないと解釈されるべきである。
【0029】
さらに、本明細書で使用される「または」という用語は、他に示されない限り(例えば、「または他」または「または代替として」)、非排他的(すなわち、および/または)であることを示す。また、いくつかの実施形態は、1つまたは複数の他の実施形態と組み合わせて新しい実施形態を形成することができるので、本明細書で説明される様々な実施形態は、必ずしも相互に排他的ではない。「第1」、「第2」、「第3」などの記述子は
、論じられる要素の順序を制限することを意味せず、ある要素を次の要素と区別するために使用され、一般に交換可能である。最大値や最小値などの値は事前に決定され、用途に基づいて異なる値に設定される。製造のステップ、使用のプロセス、または他の方法のステップが説明または主張されている場合、与えられたステップの順序は、提示された順序に制約されず、異なっていてもよい。 「下」、「上」、「右」、および「左」などの用
語は、図に示されているデバイスまたは装置の相対的な向きに使用される場合がある。図の装置またはコンポーネントが回転しても、説明されているのと同様の方法で機能する場合、方向を示す用語は、特定の図に示されている向きに限定されない。回転すると「下」が「右」、「左」、「上」になることがある。同じことが他の方向を示す用語にも当てはまる。
【0030】
ここで説明する実施形態においては、多機能、小さな形状因子(small form factor)、光ファイバコネクタが含まれ、多数のファイバストランド(high quantity fiber strand)、低挿入損失、嵌合面での自動洗浄、アクセスの容易さ、到達距離の延長、銅または追加された媒体接続の可能性を有する機能を伴う光ファイバ接続を提供する。互換性のある隔壁アダプタ(bulkhead adapter)に固定し、2つのコネクタフェルール面(connector ferrule faces)とそれらの埋め込み光ファイバストランド(embedded fiber optic strands)を結合して光の波長を継続する標準の光ファイバコネクタには、接続性能を妨げ、機能を制限する多くの問題がある。
【0031】
発生するいくつかの問題には、信号の劣化と損失を引き起こす汚れや破片の影響をコネクタ嵌合面(connector mating surfaces)が受けやすいことが含まれる。コネクタヘッド/フェルールを隔壁アダプタから取り外すためにコネクタヘッド/フェルールの周りにアクセスする必要があるコネクタの固定および解放の機構があり、パッチパネルのポート密度を制限する各アダプタの周りに余分なスペースが必要である。一部のコネクタのフェルールの設計は、最適または理想的な接続性能でサポートされるファイバストランドの数量の妨げとなる。ファイバストランドシーケンスの極性の反転を簡単かつ均一に行うことができない場合、ファイバストランドの向きの柔軟性が制限される可能性がある。また、従来技術の設計では、単一の接続内で複数のタイプの媒体接続(media connectivity)を提供する能力が制限される。
【0032】
自己洗浄ファイバ相互接続面は、本開示に含まれる。嵌合した光ファイバコネクタ間のほこり、破片、または物理的な封じ込めによって、信号の劣化またはパフォーマンスの低下が引き起される可能性がある(dB損失、減衰などで測定)。標準の光ファイバコネクタの端部は、出荷時および日常の取り扱い中に構成要素や汚染物質にさらされる。コネクタ同士を結合するための典型的なプッシュイン設計を追加すると、破片を光ファイバコネクタの端に閉じ込めて埋め込み、接続性能に影響を与える可能性がある。
【0033】
本明細書で説明する実施形態は、接続性の性能、効率、柔軟性、および数量を向上する新しい機能および属性を提供しながら、これらおよび他の問題に対処して解決する。
【0034】
図1は、本明細書で説明される実施形態に係る、隔壁アダプタ(bulkhead adapters)150,250(
図3および
図4に示す)の光ファイバコネクタ100,200およびポート151,251の2つの構成を示す。光ファイバコネクタ100および関連する隔壁アダプタのポート151は、列Iに示されている。光ファイバコネクタ200および関連する隔壁アダプタのポート251は、列IIに示さている。光ファイバコネクタ100,200は、1本の光ファイバケーブル105を別の光ファイバケーブル105(
図3に示す)に接続するために使用でき、また、光ファイバケーブル105をインフラストラクチャパッチパネル(図示せず)に結合するためにも使用できる。光ファイバコネクタ100,200は、拡張された範囲と共にスペース効率を提供し、円形フェルール設計、回転カプラシステム、およびそのねじれ作用の締結および解放能力のサポートを可能にする円形および円筒形の形状因子を有する。
【0035】
行「A」に示すように、光ファイバコネクタ100,200はそれぞれ、光ファイバケーブル105を包み込み、光ファイバコネクタ100内に確実に保持するブーツ部110を含むことができる。ブーツ部110は、ポリマーまたは 当技術分野で知られている他
の材料からなっている。ブーツ部110は、光ファイバコネクタ100の端部内の光ファイバケーブル105の終端を保護する。ブーツ部110の材料は、ストレインリリーフを提供するように設定され、光ファイバコネクタ100との接合点で光ファイバケーブル105を曲げることが可能となっている。ブーツ部110は、識別および編成を容易にするために色分けされてもよい。
【0036】
ブーツ部110は、光ファイバコネクタ100の固定本体部120に組み付けられる。固定本体部120の大きさは、ブーツ部の近くでは小さいが離れるにつれて拡大する。隣接する円形フェルール135を有するそれぞれの回転可能なカプラ130,230が固定本体部120に取り付けられている。回転可能なカプラ130,230およびこれらに隣接する円形フェルール135は、固定本体部120の周りを回転するように構成されている。回転可能なカプラ130,230およびこれらに隣接する円形フェルール135は、制限された程度の回転を有するばね張力で固定本体部120の周りを回転し、解放されると元の停止位置に戻る。回転可能なカプラ130,230の回転の程度は、フェルール135内に提供された、または隔壁アダプタのポート151の面上に配置された(
図5に示すように)、洗浄媒体剤(cleaning media agent)145に関するファイバ面(fiber plane)140の特定の設計に基づいている。洗浄媒体剤145は、光ファイバコネクタ100,200の締結または解放のプロセス中に、対向するファイバ面140の表面の拭き取り/洗浄(wiping / cleaning)を行うように設定されている。洗浄媒体剤145は、ファイバ面140の表面を拭くときに汚れや破片を引き付けて除去する材料からなるものであればよいが、ファイバ面140の表面を損傷しないほど十分に柔らかく、さらにファイバ面140を研磨して、最適なファイバストランドの接続性および性能を確保することができればよい。回転可能なカプラ130,230は、フェルール135に隣接する回転可能なカプラ130,230の前部または固定本体部120に隣接する回転可能なカプラ130,230の後部のいずれかに配置され、隔壁アダプタのポートから遠く離れた接続グリップ132を有していてもよい。
【0037】
回転可能なカプラ130,230は、ばねで作動する回転アセンブリである。回転可能なカプラ130,230は、時計回りの回転および反時計回りの戻り(すなわち、ツイスト及びリターン動作)を行うように構成されていてもよい。これにより、それぞれの光ファイバコネクタ100,200上の回転可能なカプラ130,230の単純な押し、ねじりおよび解放により、光ファイバコネクタ100を隔壁に予め引張および解放を付与することが可能になる。ばねの引張張力は例えば約1キログラムの負荷に設定してもよい。回転可能なカプラ130,230の最初の回転が、回転可能なカプラ130,230が取り付けられるトラックまたは溝(track / groove)の配置に関して、時計回りまたは反時計回りになるように予め構成しておいてもよい。
【0038】
ファイバストランドは、ファイバ面140内に構成することができる。ファイバ面140は、その中に含まれるファイバストランドのバンク143(
図2に示す)を有してもよい。円形フェルール135は、フェルール面137を有してもよく、そこからファイバ面および埋め込まれたファイバストランドが、結合コネクタの隣接するファイバストランド、またはインフラストラクチャパネルに結合されている。円形フェルール135はファイバストランドが露出するフェルール面137の形態を有してもよく、回転可能なカプラ130は、フェルール面137よりも外側に延びるように設計され、定期的な取り扱い中の摩耗または汚染に対するファイバストランドのバンク143(複数可)に対してファイバ面140および表面領域を保護するためのシュラウドまたはガードを形成してもよい。シュラウドまたはカバーを用いた場合、隔壁アダプタの隔壁アダプタのポート151に挿入されると、回転可能なカプラ130のカバーが後退してフェルール面137を露出させ、ファイバ表面領域の適切な嵌合を確実に行うことができる。
【0039】
光ファイバコネクタ100,200は、隔壁アダプタ150(
図3に示される),250(
図4に示される)を含むそれぞれのアセンブリの一部となっていてもよい。 隔壁アダプタ150,250は、対向する光ファイバコネクタ100,200を受け入れて結合し、それらの円形フェルール面137とファイバストランドの埋め込みバンク143(複数可)を合わせて位置合わせし、光ファイバの接続が完成される。光ファイバコネクタ100が隔壁アダプタを介して光ファイバコネクタ200に接続することができるミックスアンドマッチ構成(mix and match arrangement)であってもよい。また、隔壁アダプタ150,250は、インフラストラクチャパッチパネル内のポートとして機能してもよい。
【0040】
回転可能なカプラ130を参照して、回転可能なカプラ130は、第1および/または第2の位置合わせトークン162,164、ならびに第1および第2の位置合わせトラック/溝161,163を含んでいてもよい。第1の位置合わせトークン162は、隔壁アダプタのポート151上の第1の位置合わせトラック/溝161に接続し、その中でスライドすることができてもよい。第1の位置合わせトークン162は雄として構成され、第1の位置合わせトラック/溝161は雌として構成される。第1の位置合わせトークン162は、特に、光ファイバコネクタ100を結合して隔壁アダプタ150に固定する第1の位置合わせトラック/溝161に適合する鍵形状モジュールであってもよい。
【0041】
第1の位置合わせトークン162は、隔壁アダプタ150の隔壁アダプタのポート151上の第1の位置合わせトラック/溝161へのプライマリまたはキーアップトークン(primary, or key-up token)として構成されてもよい。これは、第1の位置合わせトークン162が、光ファイバコネクタ100のキーアップの向き(key-up orientation)とファイバストランドの向き(fiber strand orientation)を示すために使用可能な主要なピンと考えられることを意味し得る。第2のキーダウン位置合わせトークン164は、追加の位置合わせおよびセキュリティを提供することができる二次的なピンであり、光ファイバコネクタ100のキーダウン方向およびファイバストランドの向きを表すことが可能である。第1の位置合わせトークン162および第2の位置合わせトークン164は、光ファイバコネクタ100を隔壁アダプタ150に嵌合するように構成され、ツイストアンドリターン嵌合配置(twist-and-return mating arrangement)をガイドする。これにより、固定および解放(fasten and release)中に自己洗浄動作がアクティブになり、固定時におけるフェルール面とコネクタ端の位置合わせがさらに正確になる。
【0042】
列IIの光ファイバコネクタ200は、光ファイバコネクタ100と同様であり、隔壁アダプタのポート251の内側に上下逆に取り付けられ得る代替の位置合わせトークン262,264を含んでいる。位置合わせトークン262,264は、回転可能なカプラ230の別の実施形態の1または複数の結合する位置合わせトラック/溝261,263と嵌合し得る。列IIにおいて、位置合わせトラック/溝261,263は、位置合わせトークン262,264の周りを移動し得る。
図1に図示および説明されているような位置合わせピンおよび位置合わせトラック/溝の二面性は、これに限定されない。回転可能なカプラ230は、単一の位置合わせトラック/溝のみで構成されてもよく、隔壁アダプタのポート251は、単一の位置合わせピンのみで構成されてもよい。
【0043】
図1を参照して、位置合わせトークントラック/溝161,163は、第1および第2の位置合わせトークン162,164を受け入れ、次に回転可能カプラ130を位置合わせトークントラック/溝161,163を介して案内する。トラック/溝は、ユーザが回転可能なカプラ130を挿入したとき、回転することを可能にする。隔壁アダプタ150内の最終的な位置合わせ位置に光ファイバコネクタ100を固定する。
【0044】
回転可能なカプラ130,230のこのようなねじれおよび戻り動作(twist-and-return action)は、これらを押し込み、トラック/溝に回転可能なカプラ130,230の回転が案内させて、光ファイバコネクタ100,200を固定することを可能にする。解放態様は、隣接する円形フェルール135または隔壁アダプタ150,250に近傍にユーザの指を位置させることなく、回転可能なカプラ130,230の別のねじれを介して実行される。位置合わせトークンが回転可能なカプラ130,230に配置されていても、隔壁アダプタ150,250内に配置されていても、隔壁アダプタ内への回転可能なカプラ130,230の挿入動作は同じ隔壁アダプタ150,250である。洗浄媒体剤145と組み合わせたツイストアンドリターンアクションは、最終的な嵌合位置合わせおよびファイバストランドの嵌合を行う前に、対向するファイバ面140およびファイバストランド表面を拭いて自己洗浄機能も実行することもできる。
【0045】
図2は、
図1に係る光ファイバコネクタ100および円形フェルール135の正面図を示す。光ファイバコネクタ100に関して説明された構成および同様な要素は、光ファイバコネクタ200にも該当する。円形フェルール135は、回転可能なカプラ130に取り付けられ、ねじりおよび戻り締結中に回転可能なカプラ130と共に回転してもよい。円形フェルール135の前部は、フェルール面137である。フェルール135およびフェルール面137は、特にフェルール135およびフェルール面137を貫通し、フェルール135の一部であり、埋め込まれた台形状の扇形などの形成されたファイバ面140、繊維ストランドの放射状バンク143(複数可)、および洗浄媒体剤145(
図1に示されている)などのホストコンポーネントを形成してもよい。ファイバストランドのバンク143(複数可)を有するファイバ面140は、台形状の扇形に限定されず、嵌合コネクタのファイバストランドを接続するための他の構成を用いてもよい。例えば、ファイバ面140は、楕円形、長方形、正方形、三角形、または単一または一群のファイバスタンドを取り囲み得る他の多角形形状であってもよい。洗浄媒体剤145のレイアウトは、洗浄媒体剤145がファイバストランドを適切に拭き取ることができるように、ファイバ面と同様に形成されていてもよい。フェルール135のフェルール面137は、隣接する/対向する光ファイバコネクタ(図示せず)と一致し、嵌合して、光ファイバ接続を完成させることができる。センターガイドピン172を使用して、1の光ファイバコネクタ100を別の光ファイバコネクタ100に接続し、追加の通信能力を提供することができる。センターガイドピン172を中心に配置すれば、光ファイバコネクタ100の締結および解放中の回転機能が可能になり、また、嵌合したときに、ファイバ面140およびファイバストランドバンク143の正確な軸方向の位置合わせが可能になる。
【0046】
図3は、
図1に係る隔壁アダプタ150を介した光ファイバケーブルコネクタ102,104の嵌合接続を示す。隔壁アダプタのポート151は、光ファイバコネクタ100を受け入れるスリーブまたはシュラウドの形態をとることができ、使用時の設計に応じて、埋め込まれた位置合わせトラック/溝161,163または位置合わせトークン262,264もホスト(host)する。隔壁アダプタ150は、対向する隔壁アダプタのポート151内に隔壁嵌合面165を有していてもよい。隔壁嵌合面165は、隔壁アダプタ150の本体部149の両側に配置することができる。隔壁アダプタのポート151内に取り付けられる場合、対向する光ファイバコネクタ102,104のフェルール135は、本体部149内にて嵌合面165を介して嵌合する。対向するフェルール135は、2つの結合/嵌合されたファイバ面140およびファイバストランドのバンク143(複数可)に寄りかかり、それらを位置合わせ、光ファイバケーブル接続を行う。一緒になると、第1の光ファイバコネクタ102の第1のフェルール内の洗浄媒体剤145は、第2の光ファイバコネクタ104の対向するフェルールに対して回転し、第2の光ファイバコネクタ104のファイバストランドの先端を拭き取り、洗浄することができる。あるいは、または同時に、第2の光ファイバコネクタ104の洗浄媒体剤145は、第1の光ファイバコネクタ102のファイバストランドを洗浄してもよい。
【0047】
隔壁嵌合面165または本体部149内には、ファイバストランド143のバンクが含まれ、位置合わせされるファイバ位置合わせ面が存在してもよい。隔壁ポート151は、光ファイバコネクタ100を受け入れるための受け入れキャビティ175を含んでいてもよく、これは嵌合平面165を有している。また、隔壁アダプタ150は、それ自体に洗浄拭き取り領域を含んでいてもよく、ここでは、光ファイバコネクタ102,104の隔壁アダプタ150へのねじりおよび戻りの固定および解放中に、光ファイバコネクタ102,104の光ファイバ面140の拭き取りまたは拭き取りするために使用されるファイバ洗浄媒体を本体部149がホストすることができる。
【0048】
隔壁アダプタ150は、さらに、隔壁アダプタ150をインフラストラクチャパスパネルまたはトランシーバに付着および固定するために使用され、本体部149に埋め込まれたパネルクリップまたは取付ねじ(図示せず)を含んでいてもよい。
【0049】
隔壁アダプタ150は、さらに、挿入された光ファイバコネクタ102のセンターガイドピン172を受け入れるために、本体部149および隔壁嵌合面165内に位置合わせピン挿入穴174をさらに含んでいる。センターガイドピン172は、嵌合面165および本体部149を挿通し、結合する雌光ファイバコネクタ104のガセット(gusset)139に挿入される。位置合わせピン挿入穴174は、特にセンターガイドピン172を受け入れる特定の直径のものであって、光ファイバコネクタ102,100は回転可能であり、位置合わせおよび接続を最適に行うことを補助することが可能である。直径は、ガセット139の直径及び長さと同様とすることができ、例えば、直径1.5~2.0mm、長さ15mmである(直径1.5~2mm、長さ15mmを推奨)。
【0050】
図3に示されるように、雄型光ファイバコネクタ102は、雌型光ファイバコネクタ104に結合されるように配置される。雄型光ファイバコネクタ102は、円形フェルール135Aの中心に配置された雄型センターガイドピン172を有している。雌型光ファイバコネクタ104は、センターガイドピン172を受け入れて2つのコネクタ102,104の結合を完了するための受け入れガセット(receiving gusset)139を有している。ガセット139は、円形フェルール135Bおよび回転可能なカプラ330B上に配置される。
【0051】
センターガイドピン172は、コネクタ100またはその構成要素を分解する必要なしに雄雌の変更を行うことができるように、容易に取り外しおよび交換が可能である。センターガイドピン172は、位置合わせおよび接続を最適に行うことができる特定の直径および長さであればよい。 例えば、センターガイドピン172は、直径が1.5mmから
2.0mmのオーダーであり、長さが約15mmである。
【0052】
受け入れガセット139は、センターガイドピン172を特に受け入れる特定の直径のものであってもよく、これにより、隔壁アダプタ150の隔壁アダプタのポート151に挿入されたとき、回転可能なカプラ330Aの回転が可能になる。受け入れ雌型光ファイバコネクタ104のガセット139は、位置合わせおよび接続を最適に行うこと際に有用である。受け入れガセット139の直径は、センターガイドピン172と同じサイズであってもよく、約15mmの長さを有し、直径が1.5mmから2.0mm程度又はこれより少し大きくてもよい。
【0053】
受け入れガセット139は、嵌合されたセンターガイドピン172との接続を完了するために導電性であってもよく、光ファイバストランドに加えて、コネクタ内の追加的なまたは補足的な接続源(source of connectivity)を提供する。
【0054】
光ファイバ接続に加えて、本明細書で説明される光ファイバコネクタ100は、複数の媒体機能(multimedia capabilities)を有する。光ファイバコネクタ100には、センターガイドピン172または複数のファイバ面140の設計を作成または使用して、銅などの個別の接続媒体のタイプ、光ファイバのバリエーション、または他の媒体を含めて、コネクタが単一の接続内で複数の媒体接続をサポートすることを可能とする機能であるという、追加の特徴を有している。センターガイドピン172は、別の嵌合光ファイバコネクタ100のガセット139に直接的に挿入したときに、銅ケーブル接続をサポートするために使用することができる。また、個々のファイバ面140はそれぞれ、主要なファイバ面およびファイバストランドの埋め込みバンク143(複数可)と並列に、別個の異なる埋め込み媒体タイプをホストすることができる。
【0055】
フェルール面137の形状が円形および球形(circular and round)であるので、ファイバストランドごとに良好な空間効率が得られるように大きな嵌合表面領域が得られるなど、いくつかの有益な属性がある。
図2に示すように、円形フェルール135は、容易に「オンザフライ」極性調整/フリップ(“on the fly”polarity adjustments / flips)を提供する対向する光ファイバコネクタに平行かつ対向する構成を有する少なくとも1つの扇形(sector shaped)のファイバ面140を収容する。球形のフェルール135は、隔壁アダプタ150からの光ファイバコネクタ100の空間が乏しい固定および解放のために、回転可能なカプラ130のねじれおよび戻り動作を可能にする。
【0056】
図4は、
図1に係る別の隔壁アダプタ250を介した光ファイバケーブルコネクタ202,204の他の嵌合接続を示している。
図2に示される構成の代替として、本明細書で説明するように、位置合わせ溝261Aは、光ファイバコネクタ202の回転可能なカプラ230Aに配置され、第2の位置合わせ溝261Bは、光ファイバコネクタ204の回転可能なカプラ230Bに配置されていてもよい。回転可能なカプラ230Aは、隔壁アダプタのポート251Aに配置された位置合わせピン262Aを中心に回転することができる。回転可能なカプラ230Bは、隔壁アダプタのポート251B内の位置合わせピン262Bを中心に回転することができる。
図1、
図2および
図3を参照して前述した他の共通した特徴は、
図4の実施形態にも該当するが、フェルールまたは本体部内の洗浄媒体の配置はこれに限定されない。
【0057】
本明細書で説明される実施形態のツイストアンドリターン動作は、
図1に従って説明する。
図1に示すように、列Iおよび列II、行「A」は、光ファイバコネクタ100および隔壁アダプタ151の非結合段階、ならびに光ファイバコネクタ200および隔壁アダプタのポート251の非結合位置を示している。位置合わせトークントラック/溝161,163,261,263は、それぞれの隔壁アダプタのポート151の周囲の断面に対して垂直に配置される最初の直線部分(軸「Z」に沿った)を有するように構成されていてもよい。列「B」の段階では、光ファイバコネクタ100は、最初に隔壁アダプタのポート151に結合される。あるいは、光ファイバコネクタ200は、最初に隔壁アダプタのポート251に結合される。列「C」の段階では、位置合わせトークントラック/溝161,163,261,263は、光ファイバコネクタ100,200をさらに挿入するための対角部を含んでいる。対角部は、それぞれの隔壁アダプタのポート151,251内における回転可能なカプラ130,230の回転動作をガイドする。「D」の段階では、第1および/または第2の位置合わせトークントラック/溝161,163、261,263における固定されたまたは完全な取り付けられた構成を達成するために、位置決めトラックは、嵌合アダプタのポート151,251の周囲の断面に平行な直線部(軸「X」に沿った)が終端であってもよい。回転可能なカプラ130,230が対角経路に沿って回転するとき、回転可能なカプラ130,230のばね張力は、列「C」において増加し得る。列「D」の直線溝内にて解放されると、回転可能なカプラ130,230は、回転可能なカプラ130,230の内部ばねによって付勢されて、隔壁アダプタのポート151,251内に確実に保持され得る。
【0058】
本明細書で説明する実施形態によれば、光ファイバコネクタ100が隔壁アダプタ150内に取り付けられると、1の光ファイバストランドバンク143と別の光ファイババンク143との間にて多様な接続を行うことが可能となる。円形フェルール135は、光ファイバストランドのバンクのための複数の可能な配置を受け入れることができる。
ファイバストランドは、扇形と呼ばれる台形(trapezoid)の形状を有するフイババンク143内にあってもよい。この扇形により、台形の広い部分を円形フェルール135の弧に合わせることができ、台形の狭い部分をセンターガイドピン172または受け入れガセット139に沿って合わせることができる。台形状の扇形の形状は、嵌合時に、従来のフラットローフォーマット(flat row formats)と比較して、多数のファイバストランドにおいて、ファイバストランド143のバンクを正確に位置合わせすることが可能になる。ファイバ面140は、ファイバストランドのバンク143(複数可)が含まれて整列された、フェルール面137上の指定された領域である。光ファイバコネクタ100内に複数のファイババンク140を設けることができる。ファイバ面140は、媒体の洗浄/拭き取りの対象となる領域でもある。
【0059】
ファイバ面140は、ファイバストランドの埋め込まれたバンク143(複数可)を収容するために使用されるフェルール面137上の領域である。台形状の扇形(trapezoid sector)の形状は、ファイバストランドのバンク143(複数可)を放射状または平坦に形成/配向することを可能にし、嵌合した光ファイバコネクタ100間におけるファイバストランドの位置合わせ精度が向上する。
【0060】
ファイバ面140の台形状の形状は、ファイバのねじれおよび解放動作中に、ファイバ面140の反対側の表面およびファイバストランドの埋め込まれたバンク143(複数可)を拭くために使用される媒体145の洗浄/拭き取りを可能にする。ファイバ面140は、円形フェルール135上に平行に、直径方向に、および4方向に配置して、ファイバストランドの形成をミラー化することができる。これにより、回転カプラ130を変更または削除することを必要とせずに、極性の変更または反転を簡易に行うことができる。
【0061】
本明細書に記載される実施形態によれば、ファイバストランド143の放射状バンクの複数のレイアウト配向があり得る。ファイバストランド143のバンクは、ファイバ面140内にてグループ化および形成される。互いに接続された2又はそれ以上のケーブルの光ファイバ接続、および/またはパッチパネル、ソース、または宛先パネルへのケーブルとの接続を完了するために、隣接する光ファイバコネクタ100と嵌合および結合するように正確に位置合わせされる。
【0062】
円形フェルール面137は、コネクタ本体比にて大きな嵌合表面積を有している。本明細書にて説明される実施形態においては、低損失で多数のファイバストランドを含んでいる。その結果、48ストランドを超える数量で、より高い光ファイバ接続性能(>0.3db)が得られる。ストランド数が非常に多いため、優れたファイバ位置合わせが可能になり、ファイバストランドの数とコネクタあたりの密度が共に大幅に増加する。
【0063】
図5Aから
図5Cは、本明細書で説明される実施形態に係る例示的なファイババンクおよび光ファイバストランドの構成を示す。
図5Aは、本明細書で説明される実施形態に係る、デュプレックスおよびクワッドスモールフォームファクタプラガブル(quad small form-factor pluggable:QSFP)ファイバコネクタ510の異なる態様を示す。第1のグループ512は、本明細書で説明される実施形態に従って使用され得る1つのストランドファイバ配向の異なる構成を表す。各ストランドは、その中に埋め込まれた多数のより小さなストランドを含んでいてもよい。第2のグループ514は、本明細書で説明される実施形態に従って使用され得る2つのストランドファイバ配向の異なる構成を表す。第3のグループ516は、本明細書で説明される実施形態に従って使用され得る4つのストランドファイバ配向の異なる構成を表す。第4のグループ518は、本明細書で説明される実施形態に従って使用され得る8つのストランドファイバ配向の異なる構成を表す。当業者は、開示されたファイバセクタ(fiber sectors)の台形形状を前提として、本明細書に提示される実装の精神から逸脱することなく、1、2、4、および8つの異なるファイバ配向を代替した配置を定めることができる。
【0064】
図5Bは、本明細書で説明される実施形態に係る高密度ファイバコネクタ520の異なるファイバストランドの配向を示す。
図5Bに示されるように、高密度ファイバコネクタ520は、12のストランドファイバ配向のために様々な構成を含んでいる。特定の配置はこれらに限定されない。当業者は、開示されたファイバセクタ(fiber sectors)の台形形状を前提として、本明細書に提示される実装の精神から逸脱することなく、12の異なるファイバ配向を代替した配置を定めることができる。
【0065】
図5Cは、本明細書で説明される実施形態に係る超高密度ファイバコネクタ530の異なるファイバストランド配向を示している。
図5Bに示すように、超高密度ファイバ530は、24のストランドファイバ配向のための様々な構成を含んでいる。特定の配置はこれらに限定されない。当業者は、開示されたファイバセクタの台形形状を前提として、本明細書に提示される実装の精神から逸脱することなく、24の異なるファイバ配向を代替した配置を定めることができる。
【0066】
ファイバ面140およびファイバストランド143のバンクは、本明細書に記載されるように洗浄され得る。
図1に示すように、円形フェルール135は、光ファイバコネクタ100の隔壁アダプタ150への締結および解放中に、ファイバ面140および埋め込まれたファイバストランド143の表面を拭くために使用される洗浄媒体剤145をさらに収容していてもよい。
【0067】
洗浄媒体を円形フェルール135内で使用して、光ファイバコネクタ100と隔壁アダプタ150へのねじりと戻りの締め付けおよび解放プロセス中に、ファイバ面140(複数可)および対向する光ファイバコネクタの対向するファイバストランドのバンク143(複数可)を拭き取りまたは拭き取りして、2つのコネクタインターフェイス間の接続を確実にクリーンでゴミのない状態とする。これは、コネクタサーキュラフェルール135または隔壁アダプタ150のいずれかに洗浄媒体剤145を埋め込む機能によって可能になり、ファイバストランド143のバンクの表面のプリエンプティブの拭き取り/洗浄を予防的に実行し、結合プロセスの一部として、ファイバストランド143のバンク内の嵌合されたファイバ間に閉じ込められたまたは埋め込まれた汚染物質を除去する。
【0068】
円形フェルール135は、ファイバ面140およびファイバストランド143のバンク(複数可)からの破片の洗浄を補助でき、ファイバ面140の拭き取り媒体を飽和させることができる液体または半固体の洗浄媒体剤145を注入するための注入ポート穴(図示せず)を含んでいてもよい。注入ポート穴は、拭き取り媒体を除去して交換できるようにするためのプッシュスルー(push through)として使用することもできる。
【0069】
洗浄媒体剤145は、円形フェルール135および隔壁アダプタ150の嵌合表面領域内に特に適合するように配合されてもよい。洗浄媒体剤145は、また、フェルール面137またはファイバ面140の表面を傷つけず、また、洗浄媒体剤145が拭き取りプロセスを実行するときに、破片および汚染物質を引き付けるが解放する布またはブラシ材料からなっていてもよい。洗浄媒体剤145は、円形フェルール135または隔壁アダプタ150のいずれかで容易に除去および交換することができる。
【0070】
ツールおよび洗剤を実装して、光ファイバコネクタ100または隔壁アダプタ150上の洗浄媒体剤145をクレンジングし、光ファイバコネクタ100が頻繁に接続または接続が切られた場合に、残留破片で相互汚染が起きないようにすることができる。
図6は、本明細書にて説明する実施形態に係る隔壁アダプタのポート651上の薄い洗浄媒体剤645の使用を示す。
図6において、列Iでは、薄い洗浄媒体剤645が隔壁アダプタのポート651の端面654に配置されている。同様に、列IIでは、薄い洗浄媒体剤655が隔壁アダプタ661の端面664に配置されている。洗浄媒体剤645,655は十分に薄いので、両方のコネクタのフェルール面を近接して配置し、隣接するファイバ面とファイバストランドが光接続を完了することができる。端面664上の洗浄媒体剤645,655の形状は、コネクタの挿入または解放の回転および戻り動作中に、フェルール面の完全な拭き取りおよび洗浄をサポートするように構成されている。切欠隙間(cutout gap)647,657は、端面664の残りのスペースを利用し、フェルール面137およびファイババンク140に適合するように形成されている。切欠隙間647,657は、洗浄されたファイバストランドの先端を露出させて、隔壁アダプタ内の反対側のコネクタのファイバストランドと結合するために、ファイバ面140が切欠隙間を介して延出するように形成されている。
【0071】
列Iを参照して、光ファイバコネクタ100は、
図6に関して説明された回転の取り付けと同様の態様で、隔壁アダプタのポート651に装填され得る。行「A」は非結合段階を示す。行「B」は、最初の結合段階を示す。行「C」では、位置合わせトラック(複数可)/溝(複数可)の対角部に沿った回転段階中に、ファイバ面140は、隔壁アダプタのポート651の洗浄媒体剤645の近傍に移動される。対角位置合わせ溝の端部において、ファイバ面140は完全に回転し、前方に押されて洗浄媒体剤645と同一平面になる。段階「D」の間に回転可能なカプラ130が解放されると、洗浄剤545はファイバ面140に露出しているファイバストランドのバンク143(複数可)に対してブラシかけを行い、洗浄媒体剤545がファイバ面140の表面を拭くと、ほこりや破片を引き付けて抽出する。ファイバ面140をこのように拭く動作は、本明細書に説明された実施形態に係る、フェルール面に露出したファイバ面が1,2,4又はそれ以上のいずれの場合にも生じる。
【0072】
本明細書で説明する実施形態においては、柔軟なファイバストランドの向きの迅速な極性の反転(flip or reverse)が可能となる。本明細書で説明する光ファイバコネクタ100の設計は、光ファイバコネクタ100またはその構成要素を分解または変更することを必要とせずに、ファイバストランド143のシーケンス/構成のバンクの極性を反転する能力を有している。これは、光ファイバコネクタ100を上下逆にまたは右側を上にして隔壁アダプタ150に挿入するだけで行うことができる。逆に挿入する機能は、位置合わせトークン162,164,262,264および/または位置合わせトラックによって可能になる。溝161,163,261,263は、回転可能なカプラ130および隔壁アダプタ150の反対側に配置され、どちらの向きに挿入されても光ファイバコネクタ100を受け入れることができる。
【0073】
図7Aおよび
図7Bは、本明細書で説明される実施形態に係る、光ファイバコネクタに埋め込まれた複数のファイババンクの構成を示す。ファイバストランドの接続数を増加するために、ファイバストランドの複数のファイババンクを単一のコネクタで使用することができる。
図7Aは、24から48のファイバストランドが使用され得る態様を図示する。
【0074】
ファイバストランドの第1および第2のバンク743A,743Bは、光ファイバコネクタ100の接続量を増加させるために使用され得る。
図7Aの光ファイバ接続は、ミラー化されたファイバ面レイアウトを有してもよい。ファイバストランドの両方のバンク743A,743Bは、台形状の扇形を有し、円形フェルール面137内の空間を最大化している。
図7Aの第1のファイババンクは、単一の位置合わせトークン162の使用を示しているが、実施形態はこれに限定されない。第2の位置合わせトークンを使用して、光ファイバコネクタ100の接続性を高めることができる。
【0075】
図7Bは、48から96のファイバストランドが、ファイバ面743C,743D,743E,743Fの4つのバンクのミラーリングされた配置で使用され得る態様を示す。
図7Aおよび
図7Bに示すように、ミラーリングされたファイバ面のレイアウト配向を有する円形フェルール面137により、光ファイバコネクタ100を上下逆にまたは右側を上にして隔壁アダプタ(図示せず)に挿入するだけで、コネクタハウジングを変更または除去することを必要とせずに、簡易な極性変更/反転が可能になる。
図6Bは、ファイバ面140の間に配置された洗浄媒体剤145をさらに示す。
【0076】
図8は、
図4Aに係るさらに小さい形状因子の光ファイバコネクタ800を示す。
図7Aおよび
図7Bに示す実施形態では、
図4Aまたは
図4Bに示されるファイバストランドのバンクのいずれかが用いられている。
図4Aに示されたさらに小さなファイババンクが用いられる場合、
図8に示されるものなど、さらに小さいフェルールおよびさらに小さいフェルール面を備えたさらに小さな光ファイバコネクタを適宜使用することができる。同様に、本明細書で説明される実施形態は、さらに小さいフォームファクタの光ファイバコネクタおよびフェルールをサポートするための互換性のある隔壁アダプタを含んでいる。
図8に示されるさらに小さいフォームファクタは、デュプレックスおよびQuad Small Form-factor(QFSP)ファイバ構成をホストすることができる。
図7Aおよび
図7Bに示されるさらに大きなフォームファクタコネクタ700は、高密度および超高密度ファイバ形成をホストしてもよい。
【0077】
本明細書で説明される光ファイバコネクタ100の動作方法は、例示された図を参照して説明され得る。
図1の列Iおよび
図2を参照して、ユーザが雄型光ファイバコネクタ102上のファイバ面140を雌型光ファイバコネクタ104に接続することを望む場合、いくつかのステップが行われ得る。接続に指定された順序は存在しない。雄型光ファイバコネクタ102または雌型光ファイバコネクタ104の光ファイバコネクタを最初または2番目に接続することができる。雄型光ファイバコネクタ102の側面にて、ユーザは、雄型光ファイバコネクタ102の接続グリップ部132を把持する。単一の位置合わせトークン162が雄型光ファイバコネクタ102上に存在する場合、ユーザは、位置合わせトークン162を位置合わせトラック/溝161と位置合わせすることができる。雄型光ファイバコネクタ102の嵌合アダプタ150への結合を開始するために、ユーザは、回転可能なカプラ130を、嵌合アダプタ150の嵌合アダプタのポート151上の位置合わせトラック/溝161の当初の直線部分に前方に向けて押し込まなければならない。
【0078】
ユーザが回転可能なカプラ130を前方に押し続けると、位置合わせトラック/溝161の第2の部分、すなわち、その角度の付いた部分は、位置合わせトラック/溝161の向きに応じて、時計回りまたは反時計回りに回転カプラ130を回転させる。光ファイバケーブル105、ブーツ部110、および固定本体部120は、回転しない。回転可能なカプラ130は、内部のばね機構によって当初のばね機構によって予め負荷が付与された状態で回転し始めてもよく、回転の程度が増大すると、ばねの付与される張力が増加する。ユーザが回転可能なカプラ130をその動きが停止する位置合わせトラック/溝161内の点に回転させる、ユーザは、ばねの張力を解放することができ、位置合わせトークン162は、位置合わせトラック/溝161の最後の直線部分に沿って移動し、隔壁アダプタ150の隔壁アダプタのポート151内の静止位置までに至る。この動作は、本明細書では、締結および解放機構、またはねじれおよび解放動作と記載されている。このような構成および動きによって、光ファイバコネクタ100のファイバ面140が嵌合および信号通信のために適切に位置合わせされ得るように、光ファイバコネクタ100を隔壁アダプタのポートにしっかりと装填および保持することが可能となる。隔壁アダプタ150の嵌合面165に着けた洗浄媒体剤145が存在する場合、光ファイバコネクタ100が取り付けられる際に、ファイバ面140およびファイバストランドのバンク143(複数可)を洗浄することができる。光ファイバコネクタ100を緩める場合、内部ばね機構の圧縮および解放を含む挿入動作を逆にして、光ファイバコネクタ100を隔壁アダプタ150から切り離すことができる。
【0079】
添付図面に示されているように、複数の位置合わせトークンと位置合わせ溝を使用して、システムの安全性をさらに向上することができる。また、代替として、
図1の列IIに示されるように、回転可能なカプラ130は位置合わせ溝を含んでいてもよく、一方、隔壁アダプタのポートは位置合わせトークンを含んでいてもよい。この場合も、同様の方法で取り付けを行うことができる。
【0080】
したがって、本明細書で説明した実施形態においては、高密度ファイバストランドおよび低損失接続の解決方法を提供する。ユニークな光ファイバコネクタ100構成の集合体は、大きな円形フェルール、扇形のファイバ面、ファイバストランドの放射状のバンク、センターガイドピンとガセット、位置合わせトークン、トラック/溝などを含み、その結果として、多数のファイバストランドにおいて、光ファイバコネクタ100が嵌合されたとき、ファイバストランドの正確な位置合わせが実現される。その結果、48本まで及びそれを超える数量のファイバストランドにおいて、さらに高い光ファイバ接続性能(>0.03db)が得られる。
【0081】
円形および円筒形の形状であって、回転可能なカプラを有する光ファイバコネクタ100は、本明細書に記載される「ねじりおよび戻り」動作を可能にし、光ファイバコネクタを隔壁アダプタのポートから締結および解放する。この機能には、光ファイバコネクタの取り扱いをコネクタヘッドまたは隔壁アダプタのポートから離れて行うことができるというさらなる利点があり、光ファイバコネクタの全体的な設置面積を削減し、パッチパネルごとにグループ化をより密にしてポートの数を増加することが可能となる。
【0082】
図9および
図10Aから
図10Cは、本明細書で説明される実施形態に係る、固定された円形フェルール935を有する回転可能なシュラウドカプラ(shroud coupler)930を示す。回転可能なシュラウドカプラ930は、前述した回転可能なカプラ130の変形である。回転可能なシュラウドカプラ930は、細長いカバーを含み、円形フェルール935、フェルール面937、ファイバ面940およびセンターガイドピン972を保護する。この実施形態に示されるように、円形フェルール935は、円筒形状を有し、回転可能なシュラウドカプラ930が隔壁950に挿入されたとき、回転するシュラウドカプラ930の外に突き出る。
【0083】
回転可能なシュラウドカプラ930は、さらに、その一端に、洗浄媒体945を収容することが可能なシュラウドディスク944を含んでいる。回転可能なシュラウドカプラ930のシュラウドディスク944は、拭き取って洗浄した後、フェルールの面937を挿通して延びるファイバストランドのバンク(複数可)を受け入れための切欠隙間947に隣接した洗浄媒体945を含んでいる。回転可能なシュラウドカプラ930のシュラウドディスク944は、接続グリップ932と反対側の回転可能なシュラウドカプラ930の端部に配置される。シュラウドディスク944は、一般的な保守、修理または交換のために回転可能なシュラウドカプラ930から取り外し可能である。
【0084】
他の実施形態と同様に、回転可能なシュラウドカプラ930は、隔壁アダプタ950のトラックまたは溝961内に受け入れられるように配置された位置合わせトークン962を有していてもよい。トラックまたは溝961は、他の実施形態で説明した位置合わせ溝261と異なる形状であってもよい。トラック961は、最初の直線部分、傾斜部分、および他の直線部分を有していてもよい。これらの溝の形状は入れ替え可能であり、その描写および説明は、隔壁アダプタに確実に固定することが可能なカプラに関して限定することを意味するものではない。回転可能なカプラ930は、ばねで負荷を付与されていてもよい。
【0085】
回転可能なシュラウドカプラの挿入のさまざまな段階を列Iおよび列II、段階Aから段落Dに示す。列Iに示すように、段階Aから段階Dに移行すると、回転可能なシュラウドカプラ930に接続された光ファイバケーブル105が嵌合アダプタ950に挿入される。段階Aから段階Dに厳密な境界はないが、これら段階Aから段階Dの描写と説明は、最初の挿入、洗浄から確実な接続まで、構成要素の連続的な動作を表すことを意図している。
【0086】
段階Aから段階Bへと、最初の結合が行われる。位置合わせトークン962がトラック961の第1の直線部分に挿入されると、回転可能なシュラウドカプラ930は隔壁アダプタ950に挿入される。段階Bから段階Cへと、円形フェルール935が押し込まれ、洗浄媒体945と接触するまで、回転可能なシュラウドカプラ930内に突き出したとき、回転可能なシュラウドカプラ930はまだ回転しない。この実施形態においては、円形フェルール935内にファイバストランドを有するファイバ面940の向きは固定されており、回転しない。
【0087】
ユーザが段階Cから段階Dへとさらに挿入すると、回転可能なシュラウドカプラ930の位置合わせトークン962がトラック961に沿って強制的に回転され、シュラウドディスク944の洗浄媒体945がファイバ面940およびその中に含まれるファイバストランドのバンクは、ファイバストランドを洗浄および消毒する。この洗浄により、ファイバストランドの汚れおよび破片が洗浄され、さらにクリーンな通信ラインを確立することができる。洗浄後、ファイバ面940は、シュラウドディスク944の切欠隙間947内に収まる。単一の台形状のセットが列Dに示されているが、これは、切欠隙間947を挿通して延びるファイバ面947を表している。回転可能なシュラウドカプラ930のガイドピン972は、隔壁アダプタの反対側にある反対側の光ファイバカプラの受け入れガセットと結合することができる。この回転によって、隔壁アダプタ950内の隣接するコネクタと結合するために、ガイドピン972に沿ってファイバストランドが露出する。隔壁アダプタ960の反対側は、明細書に記載されるカプラ/フェルールの組み合わせのいずれか1つを受け入れることができる。
【0088】
図9の列IIは、第2の位置合わせトラック/溝963が回転可能なシュラウドカプラ932上に配置され、位置合わせピン964が隔壁アダプタ950に取り付けられた回転シュラウドカプラ932の別の実施形態を示す。円形フェルール935の挿入、回転および洗浄は、シュラウドディスク944が円形フェルール935のファイバストランド上で回転されて、汚れのない嵌合のためのファイバストランドを準備する、列Iの実施形態と同様である。
【0089】
図10Aから
図10Cは、
図9に係る様々な回転シュラウドカプラの正面図を示す。本明細書で説明されるように、複数の形状因子(multiple form factor)が使用され得る。
図10Aは、2から8のファイバストランドの合計数量に対してファイババンク1011,1012ごとに1から4のファイバストランドを利用することが可能なデュプレックスまたはQFSPケーブルコネクタ1010の2つの位置を示す。
図10Aの上の位置は、回転可能なシュラウドカプラのシュラウドディスクの回転の開始点または終了点を示す。
図10Aの下の位置は、隔壁アダプタ950内の回転位置を示す。
図10Aは、小さな「S」本体と言及されることがある。
【0090】
図10Bは、コネクタあたり最大48のストランドの合計数量に対してそれぞれ12から24のファイバストランドをホストする2つの対向するファイババンク1021,1022を含む、さらに大きな「L」本体における高密度(HD)バージョンのケーブルコネクタ1020を示す。
図10Bの上の位置は、洗浄媒体1045を備えたシュラウドディスクとは反対の、フェルール面の回転の開始点または終了点を示す。
図10Bの下の位置は、隔壁アダプタ950に完全に挿入されたとき、洗浄媒体1045を有するフェルール面およびシュラウドディスクの回転した位置を示す。
【0091】
図10Cは、より大きな「L」本体のフォーマット1030も利用するケーブルコネクタ1020の超高密度(SHD)バージョンを示す。SHDケーブルコネクタ1030は、
図10Bの実施形態に追加した2つのファイバ面1031,1032を追加する。各面は、コネクタあたり最大96のストランドの合計数量のために、12から24のファイバストランドをホストする。
【0092】
図10A、
図10Bおよび
図10Cの実施形態においては、
図10Bを参照して説明されたものと同様の構成要素を有する。各実施形態は、固定されたフェルール1035、及び洗浄媒体を含むことができるシュラウドディスク1045を含んでいる。シュラウドディスク1045は、4つのセグメントを有する十字状の形状であるが、この構成に限定されない。洗浄/拭き取り媒体領域は、フェルール面を介して露出されたファイバストランドのバンク(複数可)を適切に拭くことができるような任意の多角形などの形状を形成していればよい。このような多角形の形状は、ファイバストランドの洗浄されたバンク(複数可)を受け入れるための切欠隙間領域1047によって分離されている。
図9に示すように、シュラウドディスク944の洗浄/拭き取り領域945は、フェルール面937の形状に対応するような弧状な領域を含んでいてもよい。
図9に示すように、位置合わせピン962がトラック961を横切ると、回転可能なシュラウド付きカプラ930が回転して、洗浄媒体945をファイバストランドのバンク上で拭き取る。フェルール1035は所定の位置に固定されたままである。洗浄後、ファイバストランドのバンク1021,1022は、シュラウドディスクが回転するときに移動する切欠隙間領域1047内に収まり、反対側のコネクタと嵌合する準備が整う。シュラウドディスク1045は、取り外し可能なシュラウドディスク1044の外側リム1048に接続される。反時計回りの回転1060によって、回転可能なシュラウドカプラ930が隔壁950に係合され、反時計回りの回転1050によって、回転可能なシュラウドカプラ930は解放される。位置合わせトラックの向きおよび回転可能なシュラウドカプラ930の回転は、これらとは反対の回転を行うために反回転してもよい。
【0093】
図11および
図12Aから
図12Cは、本明細書で説明される実施形態に係る、固定シュラウドカプラ1130および回転円形フェルール1135を示す。固定されたシュラウドカプラ1130は、接続グリップ1132に隣接するベース部と、円形フェルール1135を覆う延長シュラウド部とを含んでいる。円形フェルール1135が回転すると、円形フェルール1135は、シュラウドカプラのベース部から突出し、固定されたシュラウドカプラの延長部内にて、洗浄されて嵌合位置に配置される。固定されたシュラウドカプラ1130は、フェルール面137の前部、ファイバ面140およびセンターガイドピン
172を保護する。固定されたシュラウドカプラ1130は、シュラウドディスク1144内に一体的に形成された洗浄媒体1145を有するシュラウドディスク1144をさらに含んでいる。シュラウドディスク1144は、洗浄媒体に隣接する切欠隙間を含んでいる。固定されたシュラウドカプラ1130のシュラウドディスク1144は、接続グリップ1132と反対側の固定されたシュラウドカプラ1130の端部に配置されている。シュラウドディスク1144は、一般的な保守、修理または交換のために、固定されたシュラウドカプラ1130から取り外し可能である。固定されたシュラウドカプラ1130のシュラウドディスク1144は、拭き取られて洗浄された後、フェルール1135のフェルール面を挿通して延びるファイバストランドのバンク(複数可)を受け入れるための切欠隙間1147に隣接する洗浄媒体1145を含んでいる。
【0094】
他の実施形態と同様に、固定されたシュラウドカプラ1130は、隔壁アダプタ1150のトラックまたは溝1161内に受け入れるように配置された位置合わせトークン1162を有していてもよい。
図11に示されるように、本明細書で説明される実施形態に係る隔壁アダプタには2つの側面1150,1160が存在している。トラックまたは溝1161は、本明細書で説明されるように、様々な形状であってもよい。
【0095】
列Iに示されるように、段階Aから段階Dに移行させると、固定されたシュラウドカプラ1130に接続された光ファイバケーブル105は、隔壁アダプタ150内に挿入される。ここでも、段階Aから段階Dは、厳密な境界を有していないが、本明細書に記載および図示された構成要素の動作の異なる態様を表す。段階Aから段階Bへと、最初の結合行われる。シュラウドカプラ1130は隔壁アダプタ1150内に挿入され、位置合わせトークン1162はトラック1161の最初の直線部に挿入される。段階Bから段階Cでは、洗浄媒体1145に会うまで円形フェルール1135がシュラウドカプラ1130を介して押し込まれたとき、円形フェルール1135はまだ回転していない。この実施形態では全体を通して、シュラウドカプラ1130の向きは回転しない。円形フェルール1135内のファイバ面1140(複数可)は回転する。
【0096】
ユーザが段階Cから段階Dへとさらに挿入すると、固定されたシュラウドカプラ1130が隔壁1150内にて回転する代わりに、固定されたシュラウドカプラ1130が隔壁アダプタ1150に押し入れられる際、円形フェルール1135が洗浄媒体1145に対して回転する。円形フェルール1135は回転するが、洗浄媒体1145を備えたシュラウドカプラ1130は所定の位置に固定されたままである。この実施形態では、フェルール面1137の回転により、ファイバストランドのバンク(複数可)が洗浄媒体に対して拭き取られ、本明細書で説明するように洗浄および消毒が行われる。洗浄媒体1145の洗浄作用をもたらす。この同様な押し込みおよび回転によって、ファイバ面1140内のファイバストランドのバンクが、シュラウドディスク1144の切欠隙間1147内に収まることが可能となる。単一の台形のセットが列Dに示されているが、これは、切欠隙間1147を介して延びるファイバ面1140を表している。図示しないが、固定されたシュラウドカプラ1130に結合された光ファイバケーブルとの接続を確立するために、バルクヘッドアダプタ1160の反対側に結合された第2の光ファイバケーブルおよびシュラウドカプラが存在してもよい。対向する光ファイバケーブルは、雄型ガイドピンが雌型ガセットと結合するなど、本明細書に記載されているカプラのいずれかに結合されてもよい。
【0097】
図11の列IIは、固定されたシュラウドカプラ1132および回転する円形フェルール1135の別の実施形態を示す。この実施形態においては、第2の位置合わせ溝/トラック1163が固定されたシュラウドカプラ1132に配置され、位置合わせピン1164は隔壁アダプタ1150に取り付けられている。この場合、シュラウドカプラ1132が隔壁アダプタ1150に挿入されると、溝1163が位置合わせピン1164の上方に挿入される。円形フェルール1135をさらに挿入して回転させると、ファイバストランドのバンク(複数可)を洗浄する洗浄媒体1145に対して円形フェルール1135が回転する列Iの実施形態と同様である。
【0098】
図12Aから
図12Cは、
図11に係る様々な固定されたシュラウドカプラの正面図を示す。複数の形状因子を使用することができる。
図12Aは、2から8のファイバストランドの合計数量のためにファイババンクごとに1から4のファイバストランドを利用することが可能なデュプレックスまたはQFSPケーブルのS本体コネクタ1210を示す。
図12Bは、コネクタごとに最大48ストランドの合計数容量に対してそれぞれ12から24のファイバストランドをホストする2つの対向するファイババンク1240,1241を含む、さらに大きな「L」本体フォーマット1220の高密度(HD)バージョンのケーブルコネクタを示す。
図12Bの上位置は、シュラウドディスク1244と反対側の、フェルール面の回転の開始点または終了点を示す。
図12Bの下の位置は、隔壁アダプタ1150に完全に挿入されたときのフェルール面およびシュラウドディスク1244の回転した位置を示す。
【0099】
図12Cは、さらに大きな「L」本体フォーマット1230も利用するケーブルコネクタの超高密度(SHD)バージョンを示す。SHDケーブルコネクタ1230は、
図12Bの実施形態に2つのファイバ面1251,1252を追加したものである。各面は、コネクタあたり最大96ストランドの合計数量のために、12から24のファイバストランドをホストする。
【0100】
図12Aから
図12Cの実施形態は、
図12Bを参照する説明と同様の構成要素を有する。各実施形態は、回転可能なフェルール領域1235および洗浄/拭き取り媒体領域1245を含んでいる。洗浄/拭き取り媒体領域1245は、4本の脚を有する十字状の形状であるが、これに限定されない。洗浄/拭き取り媒体領域は、フェルール面を介して露出したファイバストランドのバンク(複数可)を適切に拭くための任意の多角形または他の形状を形成することができる。この多角形の形状は、ファイバストランドの洗浄されたバンク(複数可)を受け入れるための切欠隙間領域1247によって分離されている。回転可能な円筒形および円形フェルール1135は、ファイバ面1140のバンク(複数可)を露出させるフェルール面1137を提供する。
図11に示すように、位置合わせピン1162がトラック1161を横切ると、回転可能な円形フェルール1135は洗浄媒体領域1245に対して回転して、ファイバストランドを洗浄媒体上で拭き取るが、固定されたシュラウドカプラ1130は固定されたままである。次に、押し込みと回転の動作により、取り外し可能なシュラウドディスク1244の切欠隙間1247内に回転可能な円形フェルール1135が固定され、クリーンなファイバストランドが反対側のケーブルコネクタと結合する準備が整う。洗浄/拭き取り媒体領域1245は、取り外し可能なシュラウドディスク1244の外縁に接続されている。反時計回りの回転1260は、回転可能なフェルール1235を隔壁1150に係合させて、ファイバストランドの拭き取りを引き起こし、時計回りの回転1250は、回転フェルール1235を解放する。
【0101】
実施形態の様々な例を、特定の例示的な態様を特に参照して詳細に説明したが、本明細書で説明する発明は他の実施形態が可能であり、その詳細は様々な観点において変更できることは明らかであることを理解されたい。当業者には容易に明らかであるように、発明の精神および範囲内に留まりながら、変更および修正を行うことが可能である。したがって、前述した開示、説明および図は、例示のみを目的としており、特許請求の範囲によってのみ定まる本発明を決して限定するものではない。