(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】パーツボウル自動交換装置及びパーツボウル自動交換方法
(51)【国際特許分類】
B65G 47/14 20060101AFI20241122BHJP
B65G 27/04 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
B65G47/14 101
B65G27/04
(21)【出願番号】P 2024003878
(22)【出願日】2024-01-15
【審査請求日】2024-02-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)発行日 令和5年10月17日 刊行物名 ファスニングジャーナル 第2631号 公開者 株式会社ファスニングジャーナル (2)展示日 令和5年10月25日~令和5年10月27日 展示会名、開催場所 第6回名古屋ロボデックス ポートメッセなごや(名古屋市港区金城ふ頭二丁目2番地) 公開者 有限会社ケイ・アンド・ケイ・エンジニアリング (3)発行日 令和5年11月6日 刊行物名 金属産業新聞 第4109号 公開者 株式会社金属産業新聞社 (4)公開日 令和5年12月21日 公開した場所 井上メッキ工業株式会社(株式会社愛知県碧南市汐田町2-26) 公開者 有限会社ケイ・アンド・ケイ・エンジニアリング (5)発行日 令和5年12月27日 刊行物名 ファスニングジャーナル 第2638号 公開者 株式会社ファスニングジャーナル
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517454239
【氏名又は名称】有限会社ケイ・アンド・ケイ・エンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100136847
【氏名又は名称】▲高▼山 嘉成
(72)【発明者】
【氏名】岸上 俊夫
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-005742(JP,A)
【文献】特開昭61-051482(JP,A)
【文献】特開平08-081056(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 27/08
B65G 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給先に供給したい複数のパーツを入れる第1のパーツボウルと、
交換用の複数のパーツを入れる第2のパーツボウルと、
前記第1のパーツボウルを載置して振動を与えるパーツフィーダと、
交換後の前記第1のパーツボウルを載置するための第1の交換用載置台と、
交換前の前記第2のパーツボウルを載置するための第2の交換用載置台と、
前記第1のパーツボウル又は前記第2のパーツボウルを一つずつ移動させることが可能な移動手段と、
前記移動手段の動作を制御する制御部と
、
前記供給先と前記パーツフィーダとの間に設けられた枠体とを備え、
前記移動手段は、
前記第1のパーツボウル又は前記第2のパーツボウルを一つずつ掴むことが可能なボウル掴み部と、
前記ボウル掴み部を上下に移動させる上下駆動部と、
前記上下駆動部を左右に移動させる左右駆動部とを含み、
前記左右駆動部は、前記枠体の上部に取付けられており、
前記第1及び前記第2の交換用載置台並びに前記パーツフィーダは、前記枠体の前であって、かつ、前記左右駆動部の下に設けられており、
前記左右駆動部に向かって、左右に、前記第1及び前記第2の交換用載置台が設けられており、かつ、前記パーツフィーダが前記第1及び前記第2の交換用載置台の間に設けられており、
前記制御部は、前記移動手段を制御して、前記パーツフィーダに載置されている前記第1のパーツボウルを前記第1の交換用載置台に移動した後、前記第2のパーツボウルを前記第2の交換用載置台から前記パーツフィーダに移動することを特徴とする、パーツボウル自動交換装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記移動手段を制御して、
前記ボウル掴み部で、
前記第1のパーツボウルを把持して、上に持ち上げて、横に移動し、前記第1のパーツボウルを前記第1の交換用載置台に載置して、把持を解消し、
前記第2のパーツボウルを把持して、上に持ち上げて、横に移動し、前記第2のパーツボウルを前記パーツフィーダに載置して、把持を解消することで、
前記第1のパーツボウルと前記第2のパーツボウルの交換を行うことを特徴とする、請求項1に記載のパーツボウル自動交換装置。
【請求項3】
前記ボウル掴み部は、
左右の二本の腕部と、
前記二本の腕部をそれぞれ開閉させることが可能な二つの開閉駆動部とを含むことを特徴とする、請求項
1に記載のパーツボウル自動交換装置。
【請求項4】
前記上下駆動部及び前記左右駆動部は、直動駆動部であることを特徴とする、請求項
1に記載のパーツボウル自動交換装置。
【請求項5】
前記上下駆動部の上下位置、及び、前記左右駆動部の左右位置を検出するための位置検出部をさらに備えることを特徴とする、請求項
4に記載のパーツボウル自動交換装置。
【請求項6】
前記パーツフィーダ、前記第1の交換用載置台、及び前記第2の交換用載置台は、前記第1のパーツボウル及び前記第2のパーツボウルの位置決め手段を含むことを特徴とする、請求項1に記載のパーツボウル自動交換装置。
【請求項7】
前記パーツフィーダは、前記第1のパーツボウル及び前記第2のパーツボウルを分離できる構造となっていることを特徴とする、請求項1に記載のパーツボウル自動交換装置。
【請求項8】
前記パーツフィーダは、前記第1のパーツボウル及び前記第2のパーツボウルのロック機構を含むことを特徴とする、請求項1に記載のパーツボウル自動交換装置。
【請求項9】
供給先に供給したい複数のパーツを入れる第1のパーツボウルと、交換用の複数のパーツを入れる第2のパーツボウルと、前記第1のパーツボウルを載置して振動を与えるパーツフィーダと、交換後の前記第1のパーツボウルを載置するための第1の交換用載置台と、交換前の前記第2のパーツボウルを載置するための第2の交換用載置台と、前記第1のパーツボウル又は前記第2のパーツボウルを一つずつ移動させることが可能な移動手段と
、前記供給先と前記パーツフィーダとの間に設けられた枠体とを備える装置を用いたパーツボウル自動交換方法であって、
前記移動手段は、
前記第1のパーツボウル又は前記第2のパーツボウルを一つずつ掴むことが可能なボウル掴み部と、
前記ボウル掴み部を上下に移動させる上下駆動部と、
前記上下駆動部を左右に移動させる左右駆動部とを含み、
前記左右駆動部は、前記枠体の上部に取付けられており、
前記第1及び第2の交換用載置台並びに前記パーツフィーダは、前記枠体の前であって、かつ、前記左右駆動部の下に設けられており、
前記左右駆動部に向かって、左右に、前記第1及び前記第2の交換用載置台が設けられており、かつ、前記パーツフィーダが前記第1及び前記第2の交換用載置台の間に設けられており、
前記移動手段を用いて、前記パーツフィーダに載置されている前記第1のパーツボウルを前記第1の交換用載置台に移動した後、前記第2のパーツボウルを前記第2の交換用載置台から前記パーツフィーダに移動することを特徴とする、パーツボウル自動交換方法。
【請求項10】
前記移動手段を用いて、
前記ボウル掴み部で、
前記第1のパーツボウルを把持して、上に持ち上げて、横に移動し、前記第1のパーツボウルを前記第1の交換用載置台に載置して、把持を解消し、
前記第2のパーツボウルを把持して、上に持ち上げて、横に移動し、前記第2のパーツボウルを前記パーツフィーダに載置して、把持を解消することで、前記第1のパーツボウルと前記第2のパーツボウルの交換を行うことを特徴とする、請求項
9に記載のパーツボウル自動交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーツボウルを自動的に交換するための装置及び方法である。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来のボウル型振動パーツフィーダ(10)(括弧内の符号は先行技術文献での符号を示す。以下同様)が記載されている。ボウル型振動パーツフィーダ(10)は、所定の振幅で振動するボウル(11)と、ボウル(11)内の部品(14)を振動により搬送する螺旋搬送路(13)と、螺旋搬送路(13)に搬送される部品(14)を姿勢により選別して排出口(17a)へ送る選別路(18,19)とを備える。
【0003】
排出口(17a)に連続するリニアフィーダ(9)が設けられている。ボウル型振動パーツフィーダ(10)を動作させるとともに、そのリニアフィーダ(9)も駆動させる。リニアフィーダ(9)の駆動により、ボウル型振動パーツフィーダ(10)により整列されてその排出口(17a)から排出された所定の形状の部品(14)は、リニアフィーダ(9)に受け継がれて、その後水平方向に真っ直ぐに目的位置まで搬送されることになる。
【0004】
このように、従来のボウル型のパーツフィーダ(部品供給装置ともいう)は、複数の部品(パーツやワークともいう)を入れるボウルを振動させることで、螺旋搬送路から一つ一つの部品を排出口構造となっていた。排出された部品は、特許文献1に記載のように直進の搬送路に供給されたり、円形の搬送路に供給されたり、検査装置に供給されたりしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
パーツフィーダに用いられるパーツボウル(以下、単に、「ボウル」という)は、供給する部品の種類によっては、使用できない場合がある。そのため、供給先(検査装置や、搬送路など)に供給する部品を別な種類の部品に交換したい場合に、交換前のボウルを使えないときには、作業員が手作業でパーツフィーダごと交換していた。
【0007】
このように、従来、ボウルを自動で交換することができる装置は存在しなかった。
【0008】
それゆえ、本発明は、パーツフィーダのボウルを自動で交換することができるようにするための装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、以下の特徴を有する。本発明は、供給先に供給したい複数のパーツを入れる第1のパーツボウルと、交換用の複数のパーツを入れる第2のパーツボウルと、第1のパーツボウルを載置して振動を与えるパーツフィーダと、交換後の第1のパーツボウルを載置するための第1の交換用載置台と、交換前の第2のパーツボウルを載置するための第2の交換用載置台と、第1のパーツボウル又は第2のパーツボウルを一つずつ移動させることが可能な移動手段と、移動手段の動作を制御する制御部と、供給先とパーツフィーダとの間に設けられた枠体とを備える。
移動手段は、第1のパーツボウル又は第2のパーツボウルを一つずつ掴むことが可能なボウル掴み部と、ボウル掴み部を上下に移動させる上下駆動部と、上下駆動部を左右に移動させる左右駆動部とを含む。
左右駆動部は、枠体の上部に取付けられている。
第1及び第2の交換用載置台並びにパーツフィーダは、枠体の前であって、かつ、左右駆動部の下に設けられている。
左右駆動部に向かって、左右に、第1及び第2の交換用載置台が設けられており、かつ、パーツフィーダが第1及び第2の交換用載置台の間に設けられている。
制御部は、移動手段を制御して、パーツフィーダに載置されている第1のパーツボウルを第1の交換用載置台に移動した後、第2のパーツボウルを第2の交換用載置台からパーツフィーダに移動する。
【0010】
好ましくは、制御部は、移動手段を制御して、ボウル掴み部で、第1のパーツボウルを把持して、上に持ち上げて、横に移動し、第1のパーツボウルを第1の交換用載置台に載置して、把持を解消し、第2のパーツボウルを把持して、上に持ち上げて、横に移動し、第2のパーツボウルをパーツフィーダに載置して、把持を解消することで、第1のパーツボウルと第2のパーツボウルの交換を行う。
【0012】
好ましくは、ボウル掴み部は、左右の二本の腕部と、二本の腕部をそれぞれ開閉させることが可能な二つの開閉駆動部とを含む。
【0013】
好ましくは、上下駆動部及び左右駆動部は、直動駆動部である。
【0014】
好ましくは、上下駆動部の上下位置、及び、左右駆動部の左右位置を検出するための位置検出部をさらに備える。
【0015】
好ましくは、パーツフィーダ、第1の交換用載置台、及び第2の交換用載置台は、第1のパーツボウル及び第2のパーツボウルの位置決め手段を含む。
【0016】
好ましくは、パーツフィーダは、第1のパーツボウル及び第2のパーツボウルを分離できる構造となっている。
【0017】
好ましくは、パーツフィーダは、第1のパーツボウル及び第2のパーツボウルのロック機構を含む。
【0018】
また、本発明は、供給先に供給したい複数のパーツを入れる第1のパーツボウルと、交換用の複数のパーツを入れる第2のパーツボウルと、第1のパーツボウルを載置して振動を与えるパーツフィーダと、交換後の第1のパーツボウルを載置するための第1の交換用載置台と、交換前の第2のパーツボウルを載置するための第2の交換用載置台と、第1のパーツボウル又は第2のパーツボウルを一つずつ移動させることが可能な移動手段と、供給先とパーツフィーダとの間に設けられた枠体とを備える装置を用いたパーツボウル自動交換方法である。
移動手段は、第1のパーツボウル又は第2のパーツボウルを一つずつ掴むことが可能なボウル掴み部と、ボウル掴み部を上下に移動させる上下駆動部と、上下駆動部を左右に移動させる左右駆動部とを含む。
左右駆動部は、枠体の上部に取付けられている。
第1及び第2の交換用載置台並びにパーツフィーダは、枠体の前であって、かつ、左右駆動部の下に設けられている。
左右駆動部に向かって、左右に、第1及び第2の交換用載置台が設けられており、かつ、パーツフィーダが第1及び第2の交換用載置台の間に設けられている。
当該方法では、移動手段を用いて、パーツフィーダに載置されている第1のパーツボウルを第1の交換用載置台に移動した後、第2のパーツボウルを第2の交換用載置台からパーツフィーダに移動する。
【0019】
好ましくは、当該方法では、移動手段を用いて、ボウル掴み部で、第1のパーツボウルを把持して、上に持ち上げて、横に移動し、第1のパーツボウルを第1の交換用載置台に載置して、把持を解消し、第2のパーツボウルを把持して、上に持ち上げて、横に移動し、第2のパーツボウルをパーツフィーダに載置して、把持を解消することで、第1のパーツボウルと第2のパーツボウルの交換を行うとよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、パーツフィーダのボウルを自動で交換することが可能となる。
【0021】
交換対象となる第1のパーツボウルをパーツフィーダから第1の交換用載置台に移動させて、第2の交換用載置台でスタンバイしていた第2のパーツボウルを、第2の交換用載置台からパーツフィーダに移動させることができる。
【0022】
ボウルの交換のための移動手段として、上下駆動部、左右駆動部、及びボウル掴み部を用いることで、ボウルをしっかりと把持して、確実に目的の場所に移動させることができる。
【0023】
ボウル掴み部として、二本の腕部の開閉で掴む構造とすれば、確実に、ボウルを掴むことができる。
【0024】
上下駆動部及び左右駆動部を直動駆動部とすれば、既存の直動部材を利用して、本発明の装置を製造することが可能となる。
【0025】
位置検出部を設けることで、所定の位置に、上下駆動部及び左右駆動部を移動させることができる。
【0026】
交換用載置台に位置決め手段を設けておけば、パーツボウルがずれるのを防止できる。
【0027】
パーツフィーダからパーツボウルを分離できるようにしておけば、パーツボウルの交換が可能となる。
【0028】
パーツボウルのロック機構を設けておけば、パーツボウルがパーツフィーダにしっかりと固定することができる。
【0029】
本発明のこれら、及び他の目的、特徴、局面、効果は、添付図面と照合して、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態のパーツボウル自動交換装置1(以下、「装置1」という)の機能的構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、装置1の制御部2の動作を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、装置1の正面図である。
図3では第1のボウル(パーツボウル)11が、検査装置や供給装置などの供給先13にパーツを供給しているときの配置を示している。
【
図4】
図4は、第1のボウル11が持ち上げられたときの正面図である。
【
図6】
図6は、第1のボウル11を第1の交換用載置台13の上まで移動したときの正面図である。
【
図7】
図7は、第1のボウル11を第1の交換用載置台13の上に載置したときの正面図である。
【
図8】
図8は、第1のボウル11を第1の交換用載置台13の上に載置したときの正面図であり、把持を解除している様子を示す。
【
図9】
図9は、第1のボウル11を第1の交換用載置台13の上に載置したときの正面図であり、ボウル掴み部7を上方向に移動させている様子を示す。
【
図10】
図10は、ボウル掴み部7を第2の交換用載置台14の上まで移動させたときの正面図である。
【
図11】
図11は、ボウル掴み部7が第2のボウル(パーツボウル)12を把持するときの正面図である。
【
図12】
図12は、第2のボウル12が持ち上げられたときの正面図である。
【
図13】
図13は、第2のボウル12をパーツフィーダ10の上まで移動させたときの正面図である。
【
図14】
図14は、第2のボウル12をパーツフィーダ10の上に載置したときの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について詳述する。
(装置1の構成)
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る装置1は、制御部2と、移動手段3と、ロック機構8と、位置検出部9と、第1のボウル(パーツボウル)11と、第2のボウル(パーツボウル)12と、第1の交換用載置台13と、第2の交換用載置台14とを備える。
移動手段3は、左右駆動部4と、上下駆動部5と、開閉駆動部6と、ボウル掴み部(以下、「掴み部」)7とを含む
【0032】
制御部2は、左右駆動部4、上下駆動部5、及び開閉駆動部6、並びにロック機構8の動作を制御するためのプログラムを備えたコンピュータ装置である。
位置検出部9は、所定の位置に設けられた複数のセンサである。
制御部2は、位置検出部9からの信号を利用して、左右駆動部4の左右位置、及び上下駆動部5の上下位置を認識する。
なお、位置検出部9は、左右駆動部4、及び上下駆動部5のモータの回転数によって、位置を認識するものであってもよい。
【0033】
左右駆動部4は、上下駆動部5、開閉駆動部6、及び掴み部7を左右に移動させるための装置である。
図3及び
図5に示すように、左右駆動部4は、レール4aと、スライド台4bと、モータ4cとを備える。ここでは、左右駆動部4は、直動駆動部であり、レール4aを、直線レールとしている。ただし、直動駆動に限定されず、レール4aを湾曲させて、移動させるようにしてもよい。
モータ4cを回転させることで、レール4aの上を、スライド台4bが左右に移動する機構となっており、このような機構は周知の機構であるので、詳述を割愛する。
【0034】
図3及び
図5に示すように、上下駆動部5は、ボールねじ5aと、2本のガイド棒5b,5bと、プレート5cと、L型金具5dと、本体5eと、モータ5fとを含む。
【0035】
スライド台4bと上下駆動部5とが、L型金具5dで連結されているので、左右駆動部4を駆動させると、スライド台4bの摺動に合せて、上下駆動部5も左右に移動する。
【0036】
プレート5cの左右に設けられた穴に、ガイド棒5b,5bが摺動可能に通されている。プレート5cの中央に設けられた穴に、ボールねじ5aが通されている。本体5eの下部にプレート5cが取付けられている。ボールねじ5aのナット(図示せず)は、本体5eの内部で、モータ5fの回転軸と連結している。
【0037】
ボールねじ5a及びガイド棒5b,5bの下端は、掴み部7と連結している。
モータ5fの回転軸が回転してナットが回転すると、回転方向に合せて、ボールねじ5aが上下するとともに、ガイド棒5b,5bが摺動して、掴み部7が上下する。
【0038】
図3及び
図8の拡大図に示すように、開閉駆動部6は、掴み部7の腕部7cをヒンジ7aを中心に揺動させるために、プッシュイン(
図3の拡大図の状態)及びプッシュアウト(
図8の拡大図の状態)が可能な装置である。たとえば、開閉駆動部6は、エアの力で作動してもよし、電磁石の力で作動してもよし、モータの力で作動してもよく、どのような駆動方式であってもよく、このような装置は周知であるので、詳述を割愛する。
【0039】
図3及び
図8の拡大図に示すように、掴み部7は、左右のヒンジ7a,7aと、上部の支持杆7bと、左右の腕部7c,7cと、腕部7c,7cの下部の出っ張り部7d,7dとを含む。
開閉駆動部6のプッシュアウト動作によって、ヒンジ7a,7aを中心に、腕部7c,7cが外側に開く。開閉駆動部6のプッシュイン動作によって、ヒンジ7a,7aを中心に、腕部7c,7cが内側に閉じる。
【0040】
図4の拡大図に示すように、閉じた場合、出っ張り部7b,7bが、第1のボウル11の下部から左右に突出している引っ掛け部11a,11aの下側に位置するようになっている。
この状態で、掴み部7を上に移動させれば、第1のボウル11を持ち上げることができるようになっている。
【0041】
図5に示すように、第2のボウル12の下部にも、左右に突出している引っ掛け部12a,12aが設けられている。そのため、第2のボウル12についても、同様に、出っ張り部7b,7bが、引っ掛け部12a,12aの下側に位置するようになっているので、掴み部7を上に移動させれば、第2のボウル12を持ち上げることができるようになっている。
【0042】
ロック機構8は、パーツフィーダ10に取付けられており、モータの先端にロック部材を有する構造を備える。当該ロック部材が回転することで、パーツフィーダ10の上に載置された第1のボウル11又は第2のボウル12をロックすることが可能となっている。
なお、ロック機構8としては、周知のあらゆる機構を利用できるので、本発明において、限定されない。また、ロック機構8は無くてもよく、本発明において、必須の構成ではない。
【0043】
パーツフィーダ10は、パーツフィーダ用台16の上に載置されている。
パーツフィーダ10は、載置された第1のボウル11又は第2のボウル12に振動を与えて、第1のボウル11又は第2のボウル12に入れられたパーツを供給先15に送る。
【0044】
第1のボウル11及び第2のボウル12は、それぞれ、パーツフィーダ10に載置されるパーツ供給のためのパーツボウルである。第1のボウル11及び第2のボウル12は、パーツフィーダ10によって与えられる振動を利用して、パーツを一つ一つ送り出す螺旋状の搬送路を有している。ただし、第1のボウル11及び第2のボウル12の構造は、本発明において限定されるものではなく、パーツフィーダから分離可能となっていれば、周知のあらゆる構造を利用できる。
先述したように、第1のボウル11及び第2のボウル12の下部には、それぞれ、引っ掛け部11a,11a及び12a,12aが設けられている。
【0045】
第1の交換用載置台13は、交換時に使用するボウル用の台であり、第1のボウル11及び第2のボウル12のどちらも載置できるようになっているのが好ましいが、どちらかのボウルのみが載置できる構造であってもよい。
【0046】
図5に示すように、第1の交換用載置台13は、中心に穴13aを有しており、穴13aに、第1のボウル11及び/又は第2のボウル12を入れるができる。ただし、穴13aは必須の構成ではない。
【0047】
また、第1のボウル11及び第2のボウル12を載置した際にずれないようにするために、第1の交換用載置台13は、上面の四方に位置決めプレート13bを設けている。また、第1の交換用載置台13に、穴を位置決めのために開けておいてもよい。
【0048】
第2の交換用載置台14も、交換時に使用するボウル用の台であり、第1のボウル11及び/又は第2のボウル12を載置できるようになっている。同じく、
図5に示すように、第1の交換用載置台14は、中心に穴14aを有しており、上面の四方に位置決めプレート14bを設けている。その余についても、第1の交換用載置台13と同様である。
【0049】
なお、位置決め手段は、プレートや穴に限られるものではない。
なお、第1の交換用載置台13を、第1のボウル11の専用とし、第2の交換用載置台14を、第2のボウル11の専用としてもよい。
【0050】
(装置1の動作)
以上のような構成を有する装置1の動作について、
図2並びに
図3,4及び
図6~
図14を参照しながら、以下に説明する。
まず、制御部2は、ボウルの交換の指示を受ける(S101)。
【0051】
指示を受けた制御部2は、交換のルートを判断する(S102)。
交換のルートの判断方法は、以下のとおりである。
(1)空いている交換用載置台を認識する。
(2)空いている交換用載置台に、パーツフィーダ10の上に載置されているボウルを移動する。
(3)残りの交換用載置台に載置されているボウルを、パーツフィーダ10の上に移動する。
【0052】
したがって、制御部2は、適宜、空いている交換用載置台を認識している必要がある。その認識のためには、図示しないセンサを第1の交換用載置台13及び第2の交換用載置台14に設けてもよいし、または、作業者が入力して空いている交換用載置台を制御部2に示してもよいし、制御部2が過去に行った作業の履歴から空いている交換用載置台を認識するようにしてもよく、本発明を限定するものではない。
【0053】
以下の説明では、パーツフィーダ10の上に第1のボウル11が載置しており、第1の交換用載置台13が空いており、第2の交換用載置台14の上に第2のボウル12が載置している状態であるとして、第1のボウル11を第2のボウル12に交換する場合の動作について説明する。
【0054】
ここでは、
図3の状態からスタートするとしているが、
図3の状態になっていない場合は、まず、制御部2は、パーツフィーダ10の上に移動手段3が位置するように制御する。
制御部2は、開閉駆動部6を制御して、腕部7c,7cを開けて(S103)、上下駆動部5を下方向に所定の位置まで移動させる(S104)。
【0055】
制御部2は、開閉駆動部6を制御して、腕部7c,7cを閉じて、使用しているパーツボウル(ここでは、第1のボウル11)を把持する(S105)。
制御部2は、上下駆動部5を制御して、上方向に所定の位置まで、第1のボウル11を移動させる(S106)。この時点で、
図4に示す状態となる。
【0056】
制御部2は、左右駆動部4を制御して、右又は左の所定の位置まで(空いている側の交換用載置台の上まで)、把持しているパーツボウル(第1のボウル11)を移動させる(S107)。この時点で、
図6に示す状態となる。
【0057】
制御部2は、上下駆動部5を制御して、下方向に所定の位置まで(交換用載置台にボウルが載置する位置まで)、第1のボウル11を移動させる(S108)。この時点で、
図7に示す状態となる。
【0058】
制御部2は、開閉駆動部6を制御して、腕部7c,7cを開いて、第1のボウル11を第1の交換用載置台13の上に載置する(S109)。この時点で、
図8に示す状態となる。
【0059】
制御部2は、(ボウルを把持していない)掴み部7を、上下駆動部5を制御して、上方向の所定の位置まで(たとえば、最も上の位置まで)、移動させる(S110)。この時点で、
図9に示す状態となる。
【0060】
制御部2は、左右駆動部4を制御して、右又は左の所定の位置まで(空いている側の交換用載置台の上まで、ここでは、第2の交換用載置台14の上まで)、掴み部7を移動させる(S111)。この時点で、
図10に示す状態となる。
【0061】
制御部2は、上下駆動部5を制御して、下方向に所定の位置まで(交換用載置台の上のボウルを把持できる位置まで)、掴み部7を移動させる(S112)。この時点で、
図11に示す状態となる。
【0062】
制御部2は、開閉駆動部6を制御して、腕部7c,7cを閉じて、バーツボウル(第2のボウル12)を把持する(S113)。制御部2は、上下駆動部5を制御して、第2のボウル12を上方向に所定の位置まで(たとえば、最も上の位置まで)、第2のボウル12を移動させる(S114)。この時点で、
図12に示す状態となる。
【0063】
制御部2は、左右駆動部4を制御して、第2のボウル12を中央の位置まで(パーツフィーダ10の上の位置まで)、移動させる(S115)。この時点で、
図13に示す状態となる。
【0064】
制御部2は、上下駆動部5を制御して、下方向に所定の位置まで(パーツフィーダ10の上に載置する位置まで)、第2のボウル12を移動させる(S116)。この時点で、
図14に示す状態となる。
【0065】
そして、制御部2は、開閉駆動部6を制御して、腕部7c,7cを開いて、第2のボウル12をパーツフィーダ10の上に載置し(S117)、上下駆動部5を制御して、掴み部7を上方向の所定の位置まで移動させる(S118)。最後に、制御部2は、開閉駆動部6を制御して、腕部7c,7cを閉じる(S119)。
【0066】
このようにして、空いていた第1の交換用載置台13の上に、第1のボウル11が載置され、パーツフィーダ10の上に、第2のボウル12が載置され、第2の交換用載置台14が開いた状態となり、ボウルの交換が自動的に行われたこととなる。
【0067】
なお、第2の交換用載置台14が空いている場合に、二つのボウルを交換する動作については、パーツフィーダ10の上のボウルを第2の交換用載置台14の上に載置し、第1の交換用載置台13の上のボウルをパーツフィーダ10の上に載置することで、交換可能であり、容易に理解できるので、これ以上の詳述は割愛する。
【0068】
このように、本発明の一実施形態によって、パーツフィーダのボウルを自動で交換することができる装置及び方法が提供されたことになる。
【0069】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。本明細書に開示されている発明の構成要件は、それぞれ独立に単独した発明として成立するものとする。各構成要件をあらゆる組み合わせ方法で組み合わせた発明も、本発明に含まれることとする。本明細書上の具体的な表現については、あくまでも、例示であり、本発明には、当該例示的表現を概念化したものも含まれることとする。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、パーツボウル自動交換装置及びパーツボウル自動交換方法であり、産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0071】
1 パーツボウル自動交換装置
2 制御部
3 移動手段
4 左右駆動部
4a レール
4b スライド台
4c モータ
5 上下駆動部
5a ボールねじ
5b ガイド棒
5c プレート
5d L型金具
5e 本体
5f モータ
6 開閉駆動部
7 ボウル掴み部
7a ヒンジ
7b 支持杆
7c 腕部
7d 出っ張り部
8 ロック機構
9 位置検出部
10 パーツフィーダ
11 第1のパーツボウル
11a 引っ掛け部
12 第2のパーツボウル
12a 引っ掛け部
13 第1の交換用載置台
13a 穴
13b 位置決めプレート
14 第2の交換用載置台
14a 穴
14b 位置決めプレート
15 供給先
16 パーツフィーダ用台
【要約】 (修正有)
【課題】パーツフィーダのボウルを自動で交換することができる装置及び方法を提供する。
【解決手段】パーツボウル自動交換装置は、供給先に供給したい複数のパーツを入れる第1のパーツボウル11と、交換用の複数のパーツを入れる第2のパーツボウル12と、第1のパーツボウル11を載置して振動を与えるパーツフィーダ10と、交換後の第1のパーツボウル11を載置するための第1の交換用載置台13と、交換前の第2のパーツボウル12を載置するための第2の交換用載置台14と、第1のパーツボウル11又は第2のパーツボウル12を一つずつ移動させることが可能な移動手段と、移動手段の動作を制御する制御部とを備える。移動手段は、第1のパーツボウル11又は第2のパーツボウル12を一つずつ掴むことが可能なボウル掴み部7と、ボウル掴み部を上下に移動させる上下駆動部5と、上下駆動部5を左右に移動させる左右駆動部4とを含む。
【選択図】
図4