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特許7591857ワーカーの勤務状況を管理するシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】ワーカーの勤務状況を管理するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/109 20230101AFI20241122BHJP
【FI】
G06Q10/109
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2024137945
(22)【出願日】2024-08-19
【審査請求日】2024-09-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518159382
【氏名又は名称】株式会社タイミー
(74)【代理人】
【識別番号】100125195
【弁理士】
【氏名又は名称】尾畑 雄一
(72)【発明者】
【氏名】三好 孝明
(72)【発明者】
【氏名】中島 遼
(72)【発明者】
【氏名】前田 直哉
(72)【発明者】
【氏名】江田 優樹
(72)【発明者】
【氏名】山田 将輝
(72)【発明者】
【氏名】田中 幸一
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2022/113589(WO,A1)
【文献】特開2015-14884(JP,A)
【文献】特開2015-323666(JP,A)
【文献】特開2015-158838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワーカーが操作するワーカー端末と、サーバと、を備え、前記ワーカーの勤務状況を管理するシステムであって、
前記ワーカー端末が、店舗に設置されている電子タグに記憶されているタグ記憶情報であって、前記電子タグの有効性を判定するための第1判定用情報を含む前記タグ記憶情報を取得するステップと、
前記ワーカー端末が、前記タグ記憶情報を前記サーバに対して送信するステップと、
前記ワーカー端末が、前記電子タグが記憶する前記第1判定用情報を更新するステップと、
前記サーバが、前記第1判定用情報に少なくとも基づいて前記電子タグの有効性を判定するステップと、
前記電子タグが有効であると判定された場合に、前記サーバが、前記店舗における前記ワーカーの勤務状況を更新するステップと、を実行する、
システム。
【請求項2】
前記タグ記憶情報は、前記電子タグを特定可能な電子タグ特定情報を含み、
前記電子タグの有効性を判定するステップは、前記電子タグと、前記電子タグが記憶する前記第1判定用情報に基づく第2判定用情報と、を関連付けて記憶する記憶装置から、前記電子タグ特定情報によって特定される前記電子タグに関連付けられた前記第2判定用情報を取得し、前記タグ記憶情報に含まれる前記第1判定用情報の値に基づく前記第2判定用情報の値と、前記記憶装置から取得した前記第2判定用情報の値と、が一致する場合に、前記電子タグが有効であると判定し、
前記システムは、さらに、前記サーバが、前記ワーカー端末による前記第1判定用情報の更新に伴って、前記記憶装置が前記電子タグに関連付けて記憶する前記第2判定用情報を更新するステップを実行する、
請求項1のシステム。
【請求項3】
前記第2判定用情報は、前記第1判定用情報である、
請求項2のシステム。
【請求項4】
前記勤務状況を更新するステップは、前記ワーカーの勤務状態であって、出勤前の第1状態、勤務中の第2状態、及び、退勤後の第3状態の少なくとも1つを含む前記勤務状態を更新する、
請求項1のシステム。
【請求項5】
前記勤務状況を更新するステップは、前記店舗における前記ワーカーの勤務予定が登録されていない場合に、所定のエラー処理を行うことを含む、
請求項1のシステム。
【請求項6】
前記第1判定用情報を更新するステップは、前記第1判定用情報の更新に失敗した場合に、前記第1判定用情報の更新の失敗を示す更新失敗情報を前記サーバに対して送信し、
前記システムは、さらに、前記サーバが、前記更新失敗情報を受信した場合に、前記電子タグを、有効性の判定が不要な電子タグに設定するステップを実行する、
請求項1のシステム。
【請求項7】
前記電子タグの有効性を判定するステップは、前記電子タグが、有効性の判定が不要な電子タグに設定されている場合に、前記第1判定用情報にかかわらず、前記電子タグが有効であると判定する、
請求項6のシステム。
【請求項8】
前記第1判定用情報を更新するステップは、所定条件を充足する場合に、前記第1判定用情報を更新する、
請求項1のシステム。
【請求項9】
前記所定条件は、前記第1判定用情報の最終更新日時からの経過時間に基づいて充足する、
請求項8のシステム。
【請求項10】
前記勤務状況を更新するステップは、前記ワーカーの勤務状態であって、出勤前の第1状態、勤務中の第2状態、及び、退勤後の第3状態の少なくとも1つを含む前記勤務状態を更新し、
前記所定条件は、前記店舗における前記ワーカーの前記勤務状態に基づいて充足する、
請求項8のシステム。
【請求項11】
前記所定条件は、前記第1判定用情報の更新回数に基づいて変化する、
請求項8のシステム。
【請求項12】
前記所定条件は、前記店舗に対して設定される、
請求項8のシステム。
【請求項13】
前記所定条件は、前記店舗に関連付けられたパラメータの値に基づいて変化する、
請求項8のシステム。
【請求項14】
ワーカーが操作するワーカー端末と、サーバと、によって実行され、前記ワーカーの勤務状況を管理する方法であって、
前記ワーカー端末が、店舗に設置されている電子タグに記憶されているタグ記憶情報であって、前記電子タグの有効性を判定するための第1判定用情報を含む前記タグ記憶情報を取得するステップと、
前記ワーカー端末が、前記タグ記憶情報を前記サーバに対して送信するステップと、
前記ワーカー端末が、前記電子タグが記憶する前記第1判定用情報を更新するステップと、
前記サーバが、前記第1判定用情報に少なくとも基づいて前記電子タグの有効性を判定するステップと、
前記電子タグが有効であると判定された場合に、前記サーバが、前記店舗における前記ワーカーの勤務状況を更新するステップと、を備える、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワーカーの勤務状況を管理する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ワーカー(労働者)と雇用者とのマッチングを行う求人マッチングサービスが提供されている(例えば、下記特許文献1を参照)。こうしたサービスでは、典型的には、ワーカーと雇用者とのマッチング後、当該雇用者が有する店舗において勤務するワーカーの勤務状況の管理が行われる。例えば、当該店舗において、当該店舗を識別する情報が埋め込まれた二次元コードが掲示され、ワーカーの出退勤の際には、当該ワーカーが操作するスマートフォン等の端末によって当該二次元コードの読み取りが行われ、これにより、店舗におけるワーカーの出退勤が認識される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6474089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような従来のサービスにおいて、店舗において掲示される二次元コードの情報を悪用した不正が行われるおそれがある。例えば、悪意のあるワーカーが、二次元コードの画像を入手し、当該二次元コードに対応する店舗からの求人に応募し、マッチング後、実際には勤務していないにもかかわらず、入手した画像を用いて出退勤の操作が可能となってしまうことも想定される。このように、店舗におけるワーカーの勤務状況の管理には改善の余地がある。
【0005】
本発明の実施形態は、ワーカーの勤務状況の適切な管理を支援することを目的の一つとする。本発明の実施形態の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るシステムは、ワーカーが操作するワーカー端末と、サーバと、を備え、前記ワーカーの勤務状況を管理するシステムであって、前記ワーカー端末が、店舗に設置されている電子タグに記憶されているタグ記憶情報であって、前記電子タグの有効性を判定するための第1判定用情報を含む前記タグ記憶情報を取得するステップと、前記ワーカー端末が、前記タグ記憶情報を前記サーバに対して送信するステップと、前記ワーカー端末が、前記電子タグが記憶する前記第1判定用情報を更新するステップと、前記サーバが、前記第1判定用情報に少なくとも基づいて前記電子タグの有効性を判定するステップと、前記電子タグが有効であると判定された場合に、前記サーバが、前記店舗における前記ワーカーの勤務状況を更新するステップと、を実行する。
【0007】
本発明の一実施形態に係る方法は、ワーカーが操作するワーカー端末と、サーバと、によって実行され、前記ワーカーの勤務状況を管理する方法であって、前記ワーカー端末が、店舗に設置されている電子タグに記憶されているタグ記憶情報であって、前記電子タグの有効性を判定するための第1判定用情報を含む前記タグ記憶情報を取得するステップと、前記ワーカー端末が、前記タグ記憶情報を前記サーバに対して送信するステップと、前記ワーカー端末が、前記電子タグが記憶する前記第1判定用情報を更新するステップと、前記サーバが、前記第1判定用情報に少なくとも基づいて前記電子タグの有効性を判定するステップと、前記電子タグが有効であると判定された場合に、前記サーバが、前記店舗における前記ワーカーの勤務状況を更新するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の様々な実施形態は、ワーカーの勤務状況の適切な管理を支援する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る求人マッチングサービス提供システム1の構成を概略的に示す構成図。
図2】雇用者情報テーブル1511が管理する情報を例示する図。
図3】店舗情報テーブル1512が管理する情報を例示する図。
図4】NFCタグ情報テーブル1513が管理する情報を例示する図。
図5】トークン管理テーブル1514が管理する情報を例示する図。
図6】ワーカー情報テーブル1515が管理する情報を例示する図。
図7】求人管理テーブル1516が管理する情報を例示する図。
図8】勤務状況管理テーブル1517が管理する情報を例示する図。
図9】求人登録画面50を例示する図。
図10】店舗用求人一覧画面60を例示する図。
図11】ワーカー用求人一覧画面70を例示する図。
図12】個別表示領域761の表示内容を例示する図。
図13】仕事詳細画面80を例示する図。
図14】ワーカー端末30及びサーバ10が実行する処理を例示するシーケンス図。
図15】タグ読取案内画面90を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。各図面において、同一の又は類似する構成要素に対しては同一の参照符号が付され得る。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る求人マッチングサービス提供システム1の構成を概略的に示す構成図である。システム1は、図示するように、サーバ10と、当該サーバ10とインターネット等の通信ネットワークNWを介して通信可能に接続された、店舗端末20及びワーカー端末30とを備える。図1においては、それぞれ1つの店舗端末20及びワーカー端末30のみが図示されているが、システム1は、それぞれ複数の店舗端末20及びワーカー端末30を備える。サーバ10は、店舗端末20を操作する店舗の担当者、及び、ワーカー端末30を操作するワーカー(労働者)に対して、求人における雇用者とワーカーとのマッチングを行うための求人マッチングサービスを提供する。当該求人マッチングサービスは、雇用者が有する店舗におけるワーカーの勤務状況を管理する機能を有する。
【0012】
まず、サーバ10のハードウェア構成について説明する。サーバ10は、一般的なコンピュータとして構成されており、図1に示すように、コンピュータプロセッサ11と、メインメモリ12と、入出力I/F13と、通信I/F14と、ストレージ(情報記憶装置)15とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
【0013】
コンピュータプロセッサ11は、CPU又はGPU等として構成され、ストレージ15等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ12に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ12は、例えば、DRAM等によって構成される。
【0014】
入出力I/F13は、操作者等との間で情報をやり取りするための各種の入出力装置を含む。入出力I/F13は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、入出力I/F13は、ディスプレイ等の画像出力装置、スピーカー等の音声出力装置を含む。
【0015】
通信I/F14は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワークNW等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0016】
ストレージ15は、例えば、磁気ディスク又はフラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ15は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム及び各種データ等を記憶する。例えば、ストレージ15は、図1に示すように、求人マッチングサービスを提供するための様々な情報を管理する各種テーブル151を有する。また、例えば、ストレージ15は、サーバ側プログラム40を記憶する。当該プログラム40は、サーバ10を、求人マッチングサービスを提供するための装置として機能させるためのプログラムである。サーバ側プログラム40の少なくとも一部は、後述する店舗端末側プログラム42又はワーカー端末側プログラム44を介して、店舗端末20又はワーカー端末30において実行されるように構成され得る。
【0017】
本実施形態において、サーバ10は、それぞれが上述したハードウェア構成を有する複数のコンピュータを用いて構成され得る。例えば、サーバ10は、複数のサーバ装置によって構成される。
【0018】
このように構成されたサーバ10は、ウェブサーバ及びアプリケーションサーバとしての機能を有するように構成することができ、店舗端末20又はワーカー端末30からの要求に応答して各種の処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ(例えば、HTMLデータ)及び制御データ等を店舗端末20又はワーカー端末30に対して送信する。店舗端末20又はワーカー端末30では、受信したデータに基づくウェブページ又はその他の画面が出力される。
【0019】
次に、店舗端末20のハードウェア構成について説明する。店舗端末20は、一般的なコンピュータとして構成されており、図1に示すように、コンピュータプロセッサ21と、メインメモリ22と、入出力I/F23と、通信I/F24と、ストレージ(記憶装置)25とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
【0020】
コンピュータプロセッサ21は、CPU又はGPU等として構成され、ストレージ25等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ22に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ22は、例えば、DRAM等によって構成される。
【0021】
入出力I/F23は、操作者等との間で情報をやり取りするための各種の入出力装置を含む。入出力I/F23は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、入出力I/F23は、ディスプレイ等の画像出力装置、スピーカー等の音声出力装置を含む。
【0022】
通信I/F24は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワークNW等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0023】
ストレージ25は、例えば、磁気ディスク又はフラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ25は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム及び各種データ等を記憶する。ストレージ25が記憶するプログラムは、アプリケーションマーケット等からダウンロードされてインストールされ得る。また、ストレージ25は、上述した店舗端末側プログラム42を記憶する。当該プログラム42は、ウェブブラウザ、又は、その他のアプリケーション(例えば、求人マッチングサービスの店舗用アプリケーション等)として構成され、上述したように、サーバ側プログラム40の少なくとも一部を実行するように構成され得る。
【0024】
本実施形態において、店舗端末20は、スマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータ等として構成され得る。
【0025】
このように構成された店舗端末20を操作するユーザ(店舗の担当者)は、ストレージ25等にインストールされている店舗端末側プログラム42を介したサーバ10との通信を実行することによって、当該サーバ10が提供する求人マッチングサービスの店舗用機能を利用することができる。
【0026】
次に、ワーカー端末30のハードウェア構成について説明する。ワーカー端末30は、上述した店舗端末20と同様に、一般的なコンピュータとして構成されており、図1に示すように、コンピュータプロセッサ31と、メインメモリ32と、入出力I/F33と、通信I/F34と、ストレージ(記憶装置)35とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。本実施形態において、通信I/F34は、ワーカーが勤務する店舗に設置されている電子タグ400との間の無線通信を実現するように構成されている。
【0027】
ストレージ35は、上述したワーカー端末側プログラム44を記憶する。当該プログラム44は、ウェブブラウザ、又は、その他のアプリケーション(例えば、求人マッチングサービスのワーカー用アプリケーション等)として構成され、上述したように、サーバ側プログラム40の少なくとも一部を実行するように構成され得る。本実施形態において、ワーカー端末30は、スマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータ等として構成され得る。
【0028】
このように構成されたワーカー端末30を操作するユーザ(ワーカー)は、ストレージ35等にインストールされているワーカー端末側プログラム44を介したサーバ10との通信を実行することによって、当該サーバ10が提供する求人マッチングサービスのワーカー用機能を利用することができる。
【0029】
次に、このように構成された求人マッチングサービス提供システム1が有する機能について説明する。サーバ10のコンピュータプロセッサ11は、図1に示すように、メインメモリ12に読み込まれたプログラム(例えば、サーバ側プログラム40の少なくとも一部)に含まれる命令を実行することによって、サーバ側制御部112として機能するように構成されている。当該サーバ側制御部112は、求人マッチングサービスが有する各機能のサーバ10側の制御に関する様々な処理を実行するように構成されている。求人マッチングサービスが有する各機能は、例えば、管理機能(例えば、ログイン処理(ユーザ認証)、及び、各種マスタデータの管理等)、雇用者とワーカーとのマッチング機能、及び、勤務状況管理機能等を含む。例えば、サーバ側制御部112は、これらの機能を制御するための様々な画面の画面データ及び制御データ等を店舗端末20又はワーカー端末30に対して送信し、店舗端末20又はワーカー端末30において出力される当該画面を介した操作者による操作入力に応答して様々な処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ及び制御データ等を店舗端末20又はワーカー端末30に対して送信する。
【0030】
店舗端末20のコンピュータプロセッサ21は、図1に示すように、メインメモリ22に読み込まれたプログラム(例えば、店舗端末側プログラム42の少なくとも一部)に含まれる命令を実行することによって、店舗端末側制御部212として機能するように構成されている。当該店舗端末側制御部212は、求人マッチングサービスが有する各機能の店舗端末20側の制御に関する様々な処理を実行するように構成されている。
【0031】
ワーカー端末30のコンピュータプロセッサ31は、図1に示すように、メインメモリ32に読み込まれたプログラム(例えば、ワーカー端末側プログラム44の少なくとも一部)に含まれる命令を実行することによって、ワーカー端末側制御部312として機能するように構成されている。当該ワーカー端末側制御部312は、求人マッチングサービスが有する各機能のワーカー端末30側の制御に関する様々な処理を実行するように構成されている。
【0032】
本実施形態において、ワーカー端末30のワーカー端末側制御部312は、勤務状況を管理する際に、店舗に設置されている電子タグ400に記憶されているタグ記憶情報を取得するように構成されている。当該タグ記憶情報は、対応する電子タグ400の有効性を判定するためのタグ側判定用情報を含む。電子タグ400は、ICタグ、RFタグ、及び、無線タグ等と呼ばれることもあり、無線電波を用いた非接触での情報(データ)の読み書きが可能なタグである。こうした非接触での情報の読み書きは、例えば、RFIDの技術を用いて実現される。
【0033】
また、ワーカー端末側制御部312は、電子タグ400から取得したタグ記憶情報をサーバ10に対して送信すると共に、当該電子タグ400が記憶するタグ側判定用情報を更新するように構成されている。タグ側判定用情報の更新後の値は、例えば、サーバ10から提供される。
【0034】
また、サーバ10のサーバ側制御部112は、ワーカー端末30から受信したタグ記憶情報に含まれるタグ側判定用情報に少なくとも基づいて、当該電子タグ400の有効性を判定し、電子タグ400が有効であると判定された場合に、対応する店舗(電子タグ400が設置されている店舗)における、対応するワーカー(ワーカー端末30を操作するワーカー)の勤務状況を更新するように構成されている。ワーカーの勤務状況は、例えば、ストレージ15が有する各種テーブル151に含まれる特定のテーブルにおいて管理される。
【0035】
このように、本実施形態における求人マッチングサービス提供システム1では、ワーカーのワーカー端末30が、店舗に設置された電子タグ400が記憶するタグ記憶情報を取得すると、当該タグ記憶情報に含まれるタグ側判定用情報に基づいて、当該電子タグ400の有効性が判定され、当該電子タグ400が有効であると判定された場合に、当該ワーカーの当該店舗における勤務状況が更新され、さらに、タグ記憶情報の取得に応じて、電子タグ400が記憶するタグ側判定用情報が更新されるから、店舗を識別する情報が埋め込まれた二次元コード等を用いる場合と比較して、例えば、悪意のあるワーカーによる出退勤の不正な操作等が抑制される。つまり、システム1は、ワーカーの勤務状況の適切な管理を支援する。
【0036】
本実施形態において、タグ記憶情報は、対応する電子タグ400を特定可能な電子タグ特定情報を含み、ストレージ15(例えば、各種テーブル151に含まれる特定のテーブル)において、複数の電子タグ400の各々と、対応する電子タグ400が記憶するタグ側判定用情報に基づくサーバ側判定用情報と、が関連付けて記憶されるようにしてもよい。この場合、サーバ10のサーバ側制御部112は、ワーカー端末30から受信したタグ記憶情報に含まれる電子タグ特定情報によって特定される電子タグ400に関連付けられたサーバ側判定用情報をストレージ15から取得し、当該サーバ側判定用情報の値と、当該タグ記憶情報に含まれるタグ側判定用情報の値に基づくサーバ側判定用情報の値と、が一致する場合に、当該電子タグ400が有効であると判定し、さらに、ワーカー端末側制御部312によるタグ側判定用情報の更新に伴って、ストレージ15が記憶するサーバ側判定用情報を更新するように構成され得る。サーバ側判定用情報は、タグ側判定用情報がそのまま設定されてもよい。こうした構成は、タグ側判定用情報、及び、サーバ側判定用情報に基づく電子タグ400の有効性の判定を可能とする。
【0037】
本実施形態において、サーバ側制御部112は、店舗におけるワーカーの勤務状況として、出勤前の第1状態、勤務中の第2状態、及び、退勤後の第3状態の少なくとも1つを含む勤務状態を更新するように構成され得る。例えば、特定の店舗における勤務状態が第1状態であるワーカーが、当該特定の店舗に配置されている電子タグ400が記憶するタグ記憶情報を、ワーカー端末30を介して取得すると、当該電子タグ400が有効であると判定された場合に、当該ワーカーの勤務状態は、勤務中の第2状態に更新される。第2状態は、出勤日時が登録された状態であってもよい。同様に、例えば、特定の店舗における勤務状態が第2状態であるワーカーが、当該特定の店舗に配置されている電子タグ400が記憶するタグ記憶情報を、ワーカー端末30を介して取得すると、当該電子タグ400が有効であると判定された場合に、当該ワーカーの勤務状態は、退勤後の第3状態に更新される。第3状態は、退勤日時が登録された状態であってもよい。こうした構成は、電子タグ400に記憶されているタグ記憶情報のワーカー端末30による取得に応じた、勤務状態の更新を可能とする。
【0038】
また、サーバ側制御部112は、対応する店舗(電子タグ400が設置されている店舗)における、対応するワーカー(ワーカー端末30を操作するワーカー)の勤務状況を更新する際に、当該店舗における当該ワーカーの勤務予定が登録されていない場合には、所定のエラー処理を行うように構成され得る。こうした構成は、勤務予定が登録されていない場合に対応することを可能とする。
【0039】
本実施形態において、サーバ側制御部112は、電子タグ400が記憶するタグ側判定用情報の更新に失敗した場合に、当該タグ側判定用情報の更新の失敗を示す更新失敗情報をサーバ10に対して送信するように構成することができ、この場合、サーバ10は、当該更新失敗情報を受信した場合に、対応する電子タグ400を、有効性の判定が不要な電子タグに設定するように構成され得る。有効性の判定が不要な電子タグは、タグ側判定用情報に基づく有効性の判定の対象外となる。例えば、サーバ側制御部112は、電子タグ400が、有効性の判定が不要な電子タグに設定されている場合に、タグ側判定用情報にかかわらず、当該電子タグ400が有効であると判定する。こうした構成は、電子タグ400が記憶するタグ側判定用情報の更新に失敗した場合であっても、当該電子タグ400を用いた勤務状況の更新を継続することを可能とする。
【0040】
本実施形態において、タグ側判定用情報の更新(及び、それに伴うサーバ側判定用情報の更新)が、所定条件を充足する場合に行われ、当該所定条件を充足しない場合に行われないようにしてもよい。当該所定条件は、タグ側判定用情報の更新頻度を変化させるための条件であってもよい。こうした構成は、判定用情報の更新が無条件に行われることを防止する。
【0041】
判定用情報を更新するための上記所定条件は、例えば、タグ側判定用情報の最終更新日時からの経過時間に基づいて充足するように構成され得る。この場合、例えば、電子タグ400が記憶するタグ記憶情報が、タグ側判定用情報の最終更新日時を含んでもよい。例えば、タグ側判定用情報は、最終更新日時からの経過時間が閾値以上である場合に更新される一方、最終更新日時からの経過時間が閾値未満である場合に更新されない。こうした構成は、最終更新日時からの経過時間に基づいて、判定用情報の更新の有無を制御することを可能とする。
【0042】
また、上記所定条件は、ワーカーの上記勤務状態に基づいて充足するようにしてもよい。例えば、上記所定条件は、ワーカーの勤務状態が、出勤前の第1状態である場合に充足する一方、ワーカーの勤務状態が、当該第1状態でない(例えば、勤務中の第2状態である)場合に充足しないように構成される。こうした構成は、ワーカーの勤務状態に基づいて、判定用情報の更新の有無を制御することを可能とする。
【0043】
また、上記所定条件が、対応する電子タグ400における判定用情報の更新回数(累計値)に基づいて変化するようにしてもよい。例えば、タグ側判定用情報の更新回数が多いほど、更新頻度が低くなるように、所定条件が変化する。例えば、所定条件は、タグ側判定用情報の更新回数が所定値未満である間、最終更新日時からの経過時間が第1閾値以上である場合に更新され、当該更新回数が当該所定値以上になると、当該最終更新日時からの経過時間が、第1閾値よりも大きい第2閾値以上である場合に更新される。こうした構成は、タグ側判定用情報の更新回数に基づいて、判定用情報の更新タイミング等を制御することを可能とする。
【0044】
また、上記所定条件が、店舗毎に設定されるようにしてもよい。こうした構成は、店舗毎に、判定用情報の更新タイミング等を制御することを可能とする。
【0045】
また、上記所定条件が、店舗に関連付けられたパラメータ(例えば、地域、業界、及び、事業規模等)の値に基づいて変化するようにしてもよい。例えば、当該パラメータの値に基づいて、タグ側判定用情報の更新頻度が変化する。こうした構成は、店舗に関連付けられたパラメータの値に基づいて、判定用情報の更新タイミング等を制御することを可能とする。
【0046】
次に、このような機能を有する本実施形態のサーバ10の一態様としての具体例について説明する。まず、この具体例において、各種テーブル151に含まれる各テーブルが管理する情報について説明する。
【0047】
図2は、この例において、雇用者情報テーブル1511が管理する情報を例示する。この例における雇用者情報テーブル1511は、求人マッチングサービスにおいてワーカーを雇用する雇用者に関する情報を管理し、図示するように、個別の雇用者を識別する「雇用者ID」に対応付けて、「雇用者名」等の情報を管理する。雇用者は、例えば、チェーンを展開する企業、及び、フランチャイジー企業等を含む。
【0048】
図3は、この例において、店舗情報テーブル1512が管理する情報を例示する。この例における店舗情報テーブル1512は、雇用者が有する店舗に関する情報を管理し、図示するように、個別の店舗を識別する「店舗ID」に対応付けて、店舗名、住所、及び、連絡先等を含む「基本情報」、対応する雇用者を識別する「雇用者ID」等の情報を管理する。この例において、各雇用者は、1又は複数の店舗を有する。
【0049】
図4は、この例において、NFCタグ情報テーブル1513が管理する情報を例示する。この例におけるNFCタグ情報テーブル1513は、各店舗に設置されているNFCタグ(電子タグ)400に関する情報を管理し、図示するように、個別のNFCタグ400を識別する「タグID」に対応付けて、設置されている店舗を識別する「店舗ID」、このNFCタグ400に割り当てられているトークンである「割当トークン」(サーバ側判定用情報)等の情報を管理する。トークンは、詳しくは後述するが、NFCタグ400の有効性を判定するための情報である。
【0050】
図5は、この例において、トークン管理テーブル1514が管理する情報を例示する。この例におけるトークン管理テーブル1514は、上述したトークンに関する情報を管理し、図示するように、個別の「トークン」に対応付けて、対応するトークンが、更新用のトークンとしてワーカーに割り当て済みであることを示す「割当済みフラグ」等の情報を管理する。この例において、トークンは、UUID等のユニークな数値であり、トークン管理テーブル1514において、予め生成された複数のトークンが管理されている。
【0051】
図6は、この例において、ワーカー情報テーブル1515が管理する情報を例示する。この例におけるワーカー情報テーブル1515は、求人マッチングサービスにおけるワーカーとしてのユーザに関する情報を管理し、図示するように、個別のワーカーを識別する「ワーカーID」に対応付けて、氏名、生年月日、住所、及び、連絡先等を含む「基本情報」、求人マッチングサービスにおける各店舗での勤務実績に関する情報である「勤務実績情報」、このワーカーに対して割り当てられている「更新用トークン」等の情報を管理する。更新用トークンは、詳しくは後述するが、対応するワーカーの出退勤の際に、店舗に設置されているNFCタグ400が記憶するトークン(タグ側判定用情報)を更新するためのものである。
【0052】
図7は、この例において、求人管理テーブル1516が管理する情報を例示する。この例における求人管理テーブル1516は、店舗からの求人情報を管理し、図示するように、個別の求人を識別する「求人ID」に対応付けて、対応する店舗を識別する「店舗ID」、「求人タイトル」、「説明文」、「勤務日」、「勤務開始時刻」、「勤務終了時刻」、「求人掲載日時」、「求人締切日時」、「募集人数」、「時給」、求人の状態を示す「求人状態種別」等の情報を管理する。この例では、求人状態種別には、募集中、勤務中、及び、勤務完了の何れかに対応する値が設定される。
【0053】
図8は、この例において、勤務状況管理テーブル1517が管理する情報を例示する。この例における勤務状況管理テーブル1517は、求人マッチングサービスを介してマッチングした求人におけるワーカーの勤務状況を管理し、図示するように、個別の求人を識別する「求人ID」、及び、この求人に応募してマッチングしたワーカーを識別する「ワーカーID」の組合せに対応付けて、このワーカーの実際の出勤日時である「出勤日時」、同じく実際の退勤日時である「退勤日時」、対応するワーカーによる店舗の評価である「店舗評価」、対応する店舗によるワーカーの評価である「ワーカー評価」等の情報を管理する。
【0054】
以上、この例において、各テーブルが管理する情報について説明した。次に、この例において、サーバ10等が実行する処理、並びに、店舗端末20及びワーカー端末30において出力される画面等について説明する。
【0055】
図9は、店舗端末20において出力される求人登録画面50を例示する。当該画面50は、店舗の担当者が、求人情報を登録するための画面であり、図示するように、求人タイトルを入力するための求人タイトル入力領域51と、求人の説明文を入力するための説明文入力領域52と、勤務日時を入力するための勤務日時入力領域53と、求人の締切日時を入力するための締切日時入力領域54と、募集人数を入力するための募集人数入力領域57と、時給を入力するための時給入力領域58と、登録ボタン59とを有する。
【0056】
勤務日時入力領域53は、勤務日時として、勤務日、勤務開始時刻、及び、勤務終了時刻を入力できるように構成されている。このように、この例の求人マッチングサービスでは、1日単位で雇用が発生する日雇いの求人が対象とされる。締切日時入力領域54には、初期値として、勤務日における勤務開始時刻が設定される。
【0057】
登録ボタン59が選択されると、求人登録画面50を介して入力された求人情報が登録され、具体的には、求人管理テーブル1516において新たなレコードが挿入され、各データ項目に対して対応する値が設定される。なお、求人状態種別には、「募集中」に対応する値が設定される。
【0058】
図10は、店舗端末20において出力される店舗用求人一覧画面60を例示する。当該画面60は、店舗の担当者が、当該店舗による求人の一覧を確認するための画面であり、図示するように、対応する店舗による求人を一覧表示する一覧表示領域62と、戻るボタン64とを有する。特定の店舗による求人は、求人管理テーブル1516の店舗IDを参照することによって特定される。
【0059】
一覧表示領域62は、求人に関する情報を表形式で表示する。求人に関する情報は、具体的には、求人状態(募集中、勤務中、及び、勤務完了の何れか)、タイトル、求人日時(勤務日時)、及び、応募状況(応募人数/募集人数)を含む。求人に対する応募人数は、勤務状況管理テーブル1517を参照することによって特定される。
【0060】
図11は、ワーカー端末30において出力されるワーカー用求人一覧画面70を例示する。当該画面70は、ワーカーとしてのユーザが、求人を探すための画面であり、図示するように、表示対象となる求人の勤務地(都道府県)を入力するための勤務地入力領域72と、表示対象となる求人の勤務日を入力するための勤務日入力領域74と、表示対象の求人を一覧表示する一覧表示領域76とを有する。勤務地入力領域72は、1又は複数の勤務地を選択して入力できるように構成されている。
【0061】
勤務日入力領域74は、各々が個別の日付に対応する6つの日付オブジェクト741が、日付の順序に従って左右方向に並べて配置されており、6つのオブジェクト741の中から1つのオブジェクト741を選択できるように構成されている。当該領域74は、左右方向へのフリック操作又はスライド操作等によって、表示される日付オブジェクト741が切り替わる。
【0062】
一覧表示領域76は、表示対象の求人を一覧表示し、具体的には、勤務地入力領域72を介して入力された勤務地(店舗の住所)、及び、勤務日入力領域74を介して入力された勤務日に適合する求人であって、求人状態種別が「募集中」である求人が一覧表示される。一覧表示領域76には、各々が個別の求人に対応する複数の個別表示領域761が2列で上下方向に並べて配置される。当該領域76は、上下方向へのフリック操作又はスライド操作等によって、表示される個別表示領域761が切り替わる。
【0063】
図12は、個別表示領域761の表示内容を例示する。個別表示領域761は、図示するように、求人に関する情報(画像、説明文、勤務開始時刻、勤務終了時刻、勤務地(店舗の住所)、及び、時給等)を表示し、その左上隅において、求人の締切日時までの残り時間を表示する締切残り時間表示オブジェクト762が配置されており、その右上隅において、ハート形の形状を有するお気に入りオブジェクト763が配置されている。お気に入りオブジェクト763が選択されると、対応する求人情報が、ワーカーのお気に入りに追加される。
【0064】
個別表示領域761が選択されると、対応する求人に応募するための図示しない画面が出力され、ワーカーは、当該画面を介して、求人に対して応募することができる。この例では、求人への応募が行われると、先着順でワーカーと店舗とのマッチングが成立する。マッチングの成立に応じて、勤務状況管理テーブル1517において新たなレコードが挿入され、各データ項目(求人ID及びワーカーID)に対して対応する値が設定される。
【0065】
マッチングの成立後、勤務日においては、ワーカーの出退勤の管理が行われる。図13は、ワーカー端末30において出力される仕事詳細画面80を例示する。当該画面80は、対応するワーカーとの間でマッチングが成立している求人に関する詳細情報を表示し、図示するように、チェックイン日時(出勤日時)を表示するチェックイン日時表示領域82と、チェックアウト日時(退勤日時)を表示するチェックアウト日時表示領域84と、チェックイン/アウトボタン86とを有する。チェックインは、出勤時において、勤務先の店舗に設置されているNFCタグ400に記憶されているタグ記憶情報を読み取るアクションであり、チェックアウトは、退勤時において、同様に、当該タグ記憶情報を読み取るアクションである。図13に例示する仕事詳細画面80は、出勤前の状態に対応しており、この場合、チェックイン日時表示領域82、及び、チェックアウト日時表示領域84は、空白となる。
【0066】
この例において、チェックイン/アウトボタン86は、対応する求人の勤務開始時刻より所定時間前(例えば、6時間前)の時点から選択可能状態となり、この選択可能状態は、その後、チェックアウトが登録されるまでの間、維持される。ワーカーは、出勤及び退勤の際に、チェックイン/アウトボタン86を選択する。
【0067】
図14は、仕事詳細画面80のチェックイン/アウトボタン86の選択に応じて、ワーカー端末30及びサーバ10が実行する処理を例示するシーケンス図である。チェックイン/アウトボタン86が選択されると、まず、ワーカー端末30は、サーバ10に対して、更新用トークンを要求し(ステップS100)、サーバ10が、ワーカー端末30に対して、更新用トークンを送信する(ステップS110)。具体的には、サーバ10は、対応するワーカーに対して予め割り当てられている割当トークンをワーカー情報テーブル1515から取得し、取得した割当トークンを、今回の更新用トークンとして、ワーカー端末30に対して送信する。
【0068】
次に、サーバ10は、ワーカーに対して新たな更新用トークンを割り当てる(ステップS120)。具体的には、ワーカー情報テーブル1515において、対応するワーカーの割当トークンに対して、新たな未割当のトークン(トークン管理テーブル1514において管理されている。)の値が設定される。
【0069】
図15は、更新用トークンの受信に応じて、ワーカー端末30において出力されるタグ読取案内画面90を例示する。当該画面90は、図示するように、ワーカー端末30をNFCタグ400(専用のシート)に近づけることを案内する画像、及び、説明文を表示し、キャンセルボタン92を有する。
【0070】
タグ読取案内画面90が表示されている状態で、ワーカー端末30がNFCタグ400に近づけられると、当該ワーカー端末30は、NFCタグ400が記憶するタグ記憶情報を取得すると共に、当該NFCタグ400に記憶されているトークンを更新する(ステップS130、S140)。具体的には、近距離無線通信を介して、NFCタグ400が記憶するタグ記憶情報が取得されると共に、サーバ10から受信した更新用トークンによって、当該NFCタグ400が記憶するトークンが上書きされる。タグ記憶情報は、トークンに加えて、NFCタグ400を識別するタグID(電子タグ特定情報)を含む。
【0071】
続いて、ワーカー端末30は、サーバ10に対して、チェックイン/アウトの登録を要求する(ステップS150)。当該要求は、NFCタグ400から取得したタグ記憶情報の送信を伴って行われる。
【0072】
次に、サーバ10は、NFCタグ400の有効性を確認する(ステップS160)。具体的には、NFCタグ400は、当該NFCタグ400から取得したタグ記憶情報に含まれるトークンの値と、当該タグ記憶情報に含まれるタグIDによって特定されるNFCタグ400に対して割り当てられているトークンの値(NFCタグ情報テーブル1513において管理されている。)と、が一致する場合に、有効であると判定される一方、これらの値が異なる場合に、無効であると判定される。なお、NFCタグ400が無効であると判定されると、所定のエラー処理が行われ、後続の処理はスキップされる。
【0073】
続いて、サーバ10は、チェックイン/アウト(出勤日時又は退勤日時)の登録を行う(ステップS170)。具体的には、NFCタグ情報テーブル1513を参照することによって、NFCタグ400から取得したタグ記憶情報に含まれるタグIDによって特定されるNFCタグ400が設置されている店舗が特定され、特定された店舗及び勤務日(当日)の組合せに対応する求人が、求人管理テーブル1516を参照することによって特定され、勤務状況管理テーブル1517において、特定された求人及びワーカーの組合せに対する出勤日時又は退勤日時に、現在日時が設定される(出勤日時が未設定である場合には、出勤日時の設定が行われ、出勤日時が設定済みである場合には、退勤日時の設定が行われる。)。出勤日時又は退勤日時の登録は、勤務状態(出勤前、勤務中、及び、退勤後)の更新とも言える。
【0074】
ここで、特定された求人及びワーカーの組合せに対応するレコードが勤務状況管理テーブル1517に存在しない場合(つまり、対応する求人とワーカーとのマッチングが成立しておらず、対応する店舗における当該ワーカーの勤務予定が登録されていない場合)には、所定のエラー処理が行われ、後続の処理はスキップされる。
【0075】
続いて、サーバ10は、NFCタグ400の割当トークンを更新する(ステップS180)。具体的には、NFCタグ情報テーブル1513において、対応するNFCタグ400の割当トークンが、更新後の値(ステップS110においてワーカー端末30に対して送信した更新用トークンの値)に更新される。
【0076】
一方、サーバ10からチェックイン/アウトの登録結果を受信すると、ワーカー端末30は、当該登録結果を表示する(ステップS190)。ここで、チェックイン(出勤日時)の登録に伴って、対応する雇用者とワーカーとの間の雇用契約が自動的に締結されるようにしてもよい。
【0077】
このように、この例では、店舗に設置されているNFCタグ400が記憶するタグ記憶情報に含まれるトークンの値を用いて、当該NFCタグ400の有効性が判定され、さらに、当該タグ記憶情報の取得に応じて、当該トークンの値が更新されるから、NFCタグ400が記憶する情報を悪用した出退勤の不正な操作等が抑制される。
【0078】
なお、ワーカーの退勤後、ワーカー及び店舗の相互評価が行われ、具体的には、店舗端末20及びワーカー端末30においてそれぞれ出力される画面を介して入力される評価が、勤務状況管理テーブル1517の店舗評価、及び、ワーカー評価に登録される。当該評価は、例えば、5段階の評価として行われる。
【0079】
上述した例において、NFCタグ400が記憶するトークンのワーカー端末30による更新(ステップS140)が失敗となった場合に、当該NFCタグ400を、トークンに基づく有効性の判定が不要な有効性判定不要タグとして管理する(例えば、NFCタグ情報テーブル1513に「有効性判定不要フラグ」を追加することによって実現される。)ようにしてもよい。この場合、店舗に設置されているNFCタグ400が有効性判定不要タグであるときには、上述した更新用トークンの送信(ステップS110)、新たな更新用トークンの割当(ステップS120)、トークンの更新(ステップS140)、NFCタグ400の有効性確認(ステップS160)、及び、NFCタグ400の割当トークンの更新(ステップS160)等の処理がスキップされ、チェックイン/アウトの登録(ステップS170)が行われる(つまり、有効性判定不要タグであるNFCタグ400は、トークンの値にかかわらず、有効であると判定される。)。この結果、NFCタグ400の書き込みエラー等が発生する場合であっても、チェックイン/アウトを可能とすることができ、求人マッチングサービスの提供を継続することができる。
【0080】
上述した例では、NFCタグ情報テーブル1513において、対応するNFCタグ400に割り当てられているトークンを管理するようにしたが、トークンとは異なる値を管理するようにしてもよい。例えば、トークンの値に対して所定の計算式を適用した計算後の値を管理し、NFCタグ400の有効性を確認する際には、当該NFCタグ400から取得したタグ記憶情報に含まれるトークンの値に対して当該計算式を適用した値と、NFCタグ情報テーブル1513において管理されている計算後の値と、が一致する場合に、当該NFCタグ400が有効であると判定されるようにしてもよい。
【0081】
上述した例では、出勤及び退勤(チェックイン/アウト)の際に、NFCタグ400が記憶するトークンが更新されるようにしたが、出勤及び退勤の際であって、且つ、所定の更新条件を充足する場合に、当該トークンが更新されるようにしてもよい。当該更新条件は、様々な条件が適用され得る。
【0082】
例えば、所定の更新条件は、対応するNFCタグ400が記憶するトークンの最終更新日時(例えば、タグ記憶情報の一部としてNFCタグ400において管理されてもよい。)からの経過時間に基づいて充足する条件であってもよく、例えば、当該経過時間が閾値(例えば、1日、1週、又は、1月等)以上である場合に充足する条件であってもよい。
【0083】
また、例えば、所定の更新条件は、その時点におけるワーカーの勤務状態(出勤前、又は、勤務中)に基づいて充足する条件であってもよく、例えば、当該勤務状態が出勤前である場合にのみ充足する条件であってもよい(この場合、トークンは、出勤の際に更新される一方、退勤の際に更新されない。)し、当該勤務状態が勤務中である場合にのみ充足する条件であってもよい(この場合、トークンは、退勤の際に更新される一方、出勤の際に更新されない。)。
【0084】
さらに、所定の更新条件が、様々なパラメータに基づいて変化するようにしてもよい。例えば、当該所定の更新条件は、対応するNFCタグ400におけるトークンの更新回数(例えば、NFCタグ情報テーブル1513において管理される。)に基づいて変化し、例えば、当該更新回数が閾値(例えば、10000回)未満である場合には、最終更新日時からの経過時間が第1閾値(例えば、1日)以上である場合に充足する条件として構成される一方、当該更新回数が閾値以上である場合には、最終更新日時からの経過時間が第1閾値より大きい第2閾値(例えば、1週)以上である場合に充足する条件として構成されるようにしてもよい。
【0085】
また、例えば、所定の更新条件は、店舗に関連付けられたパラメータ(例えば、雇用者情報テーブル1511、又は、店舗情報テーブル1512において管理される。)の値に基づいて変化し、例えば、当該店舗の地域が第1地域である場合には、最終更新日時からの経過時間が第1閾値(例えば、1日)以上である場合に充足する条件として構成される一方、店舗の地域が第2地域である場合には、最終更新日時からの経過時間が第1閾値より大きい第2閾値(例えば、1週)以上である場合に充足する条件として構成されるようにしてもよい。また、当該所定の更新条件が、店舗毎に設定される(例えば、店舗の担当者によって選択される。)ようにしてもよい。
【0086】
以上説明した本実施形態に係る求人マッチングサービス提供システム1では、ワーカーのワーカー端末30が、店舗に設置された電子タグ400(例えば、NFCタグ400)が記憶するタグ記憶情報を取得すると、当該タグ記憶情報に含まれるタグ側判定用情報(例えば、トークン)に基づいて、当該電子タグ400の有効性が判定され、当該電子タグ400が有効であると判定された場合に、当該ワーカーの当該店舗における勤務状況が更新され(例えば、チェックイン/アウトが登録され)、さらに、タグ記憶情報の取得に応じて、電子タグ400が記憶するタグ側判定用情報が更新されるから、店舗を識別する情報が埋め込まれた二次元コード等を用いる場合と比較して、例えば、悪意のあるワーカーによる出退勤の不正な操作等が抑制される。つまり、システム1は、ワーカーの勤務状況の適切な管理を支援する。
【0087】
本発明の他の実施形態において、サーバ10が提供するサービスは、店舗におけるワーカーの勤務状況を管理する機能を有する一方、雇用者とワーカーとのマッチングを制御する機能を有しないように構成され得る。
【0088】
本明細書で説明された処理及び手順は、明示的に説明されたもの以外にも、ソフトウェア、ハードウェアまたはこれらの任意の組み合わせによって実現される。例えば、本明細書で説明される処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク等の媒体に、当該処理及び手順に相当するロジックを実装することによって実現される。また、本明細書で説明された処理及び手順は、当該処理・手順に相当するコンピュータプログラムとして実装し、各種のコンピュータに実行させることが可能である。
【0089】
本明細書中で説明された処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理または手順は複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は複数のモジュールによって実行され得る。また、本明細書において説明されたソフトウェアおよびハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、またはより多い構成要素に分解することによって実現することも可能である。
【符号の説明】
【0090】
1 求人マッチングサービス提供システム
10 サーバ
11 コンピュータプロセッサ
112 サーバ側制御部
15 ストレージ
151 各種テーブル
1511 雇用者情報テーブル
1512 店舗情報テーブル
1513 NFCタグ情報テーブル
1514 トークン管理テーブル
1515 ワーカー情報テーブル
1516 求人管理テーブル
1517 勤務状況管理テーブル
20 店舗端末
21 コンピュータプロセッサ
212 店舗端末側制御部
30 ワーカー端末
31 コンピュータプロセッサ
312 ワーカー端末側制御部
40 サーバ側プログラム
42 店舗端末側プログラム
44 ワーカー端末側プログラム
50 求人登録画面
60 店舗用求人一覧画面
70 ワーカー用求人一覧画面
80 仕事詳細画面
90 タグ読取案内画面
400 電子タグ、NFCタグ
【要約】
【課題】 ワーカーの勤務状況の適切な管理を支援する。
【解決手段】
本発明の一実施形態に係る求人マッチングサービス提供システム1は、サーバ10と、店舗端末20及びワーカー端末30とを備え、当該サーバ10は、求人における雇用者とワーカーとのマッチングを行うための求人マッチングサービスを提供する。当該システム1では、ワーカーのワーカー端末30が、店舗に設置された電子タグ400が記憶するタグ記憶情報を取得すると、当該タグ記憶情報に含まれるタグ側判定用情報に基づいて、当該電子タグ400の有効性が判定され、当該電子タグ400が有効であると判定された場合に、当該ワーカーの当該店舗における勤務状況が更新され、さらに、タグ記憶情報の取得に応じて、電子タグ400が記憶するタグ側判定用情報が更新されるから、例えば、悪意のあるワーカーによる出退勤の不正な操作等が抑制される。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15