IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本航空電子工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-デバイス 図1
  • 特許-デバイス 図2
  • 特許-デバイス 図3
  • 特許-デバイス 図4
  • 特許-デバイス 図5
  • 特許-デバイス 図6
  • 特許-デバイス 図7
  • 特許-デバイス 図8
  • 特許-デバイス 図9
  • 特許-デバイス 図10
  • 特許-デバイス 図11
  • 特許-デバイス 図12
  • 特許-デバイス 図13
  • 特許-デバイス 図14
  • 特許-デバイス 図15
  • 特許-デバイス 図16
  • 特許-デバイス 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/02 20060101AFI20241122BHJP
   H05K 1/14 20060101ALI20241122BHJP
   H01L 21/56 20060101ALI20241122BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
H01L23/02 B
H05K1/14 A
H01L21/56 R
H01L21/60 321E
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020131420
(22)【出願日】2020-08-03
(65)【公開番号】P2021153164
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2023-07-24
(31)【優先権主張番号】P 2020047177
(32)【優先日】2020-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】上田 真慈
【審査官】秋山 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-309343(JP,A)
【文献】実開昭64-029196(JP,U)
【文献】特開2009-202929(JP,A)
【文献】特開2006-310870(JP,A)
【文献】特開平07-240433(JP,A)
【文献】特開平04-294770(JP,A)
【文献】実開昭64-055294(JP,U)
【文献】実開昭52-168744(JP,U)
【文献】国際公開第2015/041049(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/02
H05K 1/14
H01L 21/56
H01L 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1フィルムと第2フィルムと第1回路部材と第2回路部材とを備えるデバイスであって、
前記第1フィルムは、第1内側部と、第1外側部とを有しており、
前記第1内側部は、前記第1外側部の内側に位置しており、
前記第2フィルムは、第2内側部と、第2外側部とを有しており、
前記第2内側部は、前記第2外側部の内側に位置しており、
前記第1外側部は、第1シール部と、第1接触部とを有しており、
前記第2外側部は、第2シール部と、第2接触部とを有しており、
前記第1シール部と前記第2シール部とは、互いに接続されてシール痕を形成しており、
前記第1接触部と前記第2接触部とは、接触領域において互いに接触しており、
前記接触領域は、前記第1内側部及び前記第2内側部を、全周に亘って囲んでおり、
前記デバイスには、前記第1内側部及び前記第2内側部によって囲まれた密封空間が形成されており、
前記第1回路部材及び前記第2回路部材は、前記密封空間の内部に封じられており、
前記第1回路部材は、第1接点を備えており、
前記第2回路部材は、第2接点を備えており、
前記第1接点と前記第2接点とは、互いに接触しており、
他の電子機器に物理的に取り付けることなく、単独で動作可能な
デバイス。
【請求項2】
請求項1記載のデバイスであって、
前記第1回路部材は、第1基体と、第1導体パターンとを有しており、
前記第1基体は、絶縁フィルムからなり、
前記第1導体パターンは、前記第1基体上に形成されており、前記第1接点を有しており、
前記第2回路部材は、第2基体と、第2導体パターンとを有しており、
前記第2基体は、絶縁フィルムからなり、
前記第2導体パターンは、前記第2基体上に形成されており、前記第2接点を有している
デバイス。
【請求項3】
第1フィルムと第2フィルムと第1回路部材と第2回路部材とを備えるデバイスであって、
前記第1フィルムは、第1内側部と、第1外側部とを有しており、
前記第1内側部は、前記第1外側部の内側に位置しており、
前記第2フィルムは、第2内側部と、第2外側部とを有しており、
前記第2内側部は、前記第2外側部の内側に位置しており、
前記第1外側部は、第1シール部と、第1接触部とを有しており、
前記第2外側部は、第2シール部と、第2接触部とを有しており、
前記第1シール部と前記第2シール部とは、互いに接続されてシール痕を形成しており、
前記第1接触部と前記第2接触部とは、接触領域において互いに接触しており、
前記接触領域は、前記第1内側部及び前記第2内側部を、全周に亘って囲んでおり、
前記デバイスには、前記第1内側部及び前記第2内側部によって囲まれた密封空間が形成されており、
前記第1回路部材及び前記第2回路部材は、前記密封空間の内部に封じられており、
前記第1回路部材は、第1接点を備えており、
前記第2回路部材は、第2接点を備えており、
前記第1接点と前記第2接点とは、互いに接触しており、
前記第1回路部材は、第1基体と、第1導体パターンとを有しており、
前記第1基体は、絶縁フィルムからなり、
前記第1導体パターンは、前記第1基体上に形成されており、前記第1接点を有しており、
前記第2回路部材は、第2基体と、第2導体パターンとを有しており、
前記第2基体は、絶縁フィルムからなり、
前記第2導体パターンは、前記第2基体上に形成されており、前記第2接点を有している
デバイス。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれかに記載のデバイスであって、
前記デバイスは、1以上の弾性部材を備えており、
前記弾性部材は、前記密封空間の内部に封じられており、
前記弾性部材は、第1弾性部材及び第2弾性部材のうちの少なくとも一方を含んでおり、
前記第1弾性部材は、少なくとも部分的に前記第1フィルムと前記第1接点との間に位置しており、
前記第2弾性部材は、少なくとも部分的に前記第2フィルムと前記第2接点との間に位置している
デバイス。
【請求項5】
第1フィルムと第2フィルムと第1回路部材と第2回路部材とを備えるデバイスであって、
前記第1フィルムは、第1内側部と、第1外側部とを有しており、
前記第1内側部は、前記第1外側部の内側に位置しており、
前記第2フィルムは、第2内側部と、第2外側部とを有しており、
前記第2内側部は、前記第2外側部の内側に位置しており、
前記第1外側部は、第1シール部と、第1接触部とを有しており、
前記第2外側部は、第2シール部と、第2接触部とを有しており、
前記第1シール部と前記第2シール部とは、互いに接続されてシール痕を形成しており、
前記第1接触部と前記第2接触部とは、接触領域において互いに接触しており、
前記接触領域は、前記第1内側部及び前記第2内側部を、全周に亘って囲んでおり、
前記デバイスには、前記第1内側部及び前記第2内側部によって囲まれた密封空間が形成されており、
前記第1回路部材及び前記第2回路部材は、前記密封空間の内部に封じられており、
前記第1回路部材は、第1接点を備えており、
前記第2回路部材は、第2接点を備えており、
前記第1接点と前記第2接点とは、互いに接触しており、
前記デバイスは、1以上の弾性部材を備えており、
前記弾性部材は、前記密封空間の内部に封じられており、
前記弾性部材は、第1弾性部材及び第2弾性部材のうちの少なくとも一方を含んでおり、
前記第1弾性部材は、少なくとも部分的に前記第1フィルムと前記第1接点との間に位置しており、
前記第2弾性部材は、少なくとも部分的に前記第2フィルムと前記第2接点との間に位置しており、
前記第1弾性部材は、前記第1接点を覆う一方で前記第1回路部材全体を覆っておらず、
前記第2弾性部材は、前記第2接点を覆う一方で前記第2回路部材全体を覆っていない
デバイス。
【請求項6】
請求項4又は請求項5記載のデバイスであって、
前記弾性部材の夫々は、本体部と、2つの主面とを有しており、
前記弾性部材の夫々における前記2つの主面は、所定方向において前記本体部を挟んで互いに反対側に位置しており、
前記弾性部材の夫々において、2つの前記主面が前記所定方向において互いに近づくように前記本体部を圧縮すると、前記本体部に含まれていた空気の一部が排出され、圧縮を止めると、前記本体部に空気が流入する
デバイス。
【請求項7】
請求項記載のデバイスであって、
前記弾性部材の夫々は、連続気泡構造体である
デバイス。
【請求項8】
請求項1から請求項までのいずれかに記載のデバイスであって、
前記第1シール部と前記第2シール部とは、熱シーリングによって互いに接続されている
デバイス。
【請求項9】
請求項記載のデバイスであって、
前記第1フィルム及び前記第2フィルムの夫々は、熱シーリングによって溶融する溶融層と、熱シーリングによって溶融しない非溶融層との2層を備えている
デバイス。
【請求項10】
請求項1から請求項までのいずれかに記載のデバイスであって、
前記第1フィルム及び前記第2フィルムは、1枚のフィルム部材において互いに重ねられた2枚のシート片であり、
前記フィルム部材は、所定部と、端縁とを有しており、
前記第1フィルム及び前記第2フィルムは、前記所定部において互いに繋がっており、
前記シール痕は、少なくとも前記接触領域と前記端縁との間に形成されている
デバイス。
【請求項11】
請求項10記載のデバイスであって、
前記フィルム部材は、1枚の平面シートであり、
前記第1フィルム及び前記第2フィルムは、前記所定部において折り重ねられた2枚の前記シート片である
デバイス。
【請求項12】
請求項10記載のデバイスであって、
前記フィルム部材は、1枚の袋状シートであり、
前記第1フィルム及び前記第2フィルムは、前記所定部において互いに繋がった2枚の前記シート片である
デバイス。
【請求項13】
請求項1から請求項12までのいずれかに記載のデバイスであって、
前記第1フィルム及び前記第2フィルムの夫々は、バリア性を有している
デバイス。
【請求項14】
請求項13記載のデバイスであって、
前記第1フィルム及び前記第2フィルムの夫々は、酸素バリア性を有している
デバイス。
【請求項15】
請求項13記載のデバイスであって、
前記第1フィルム及び前記第2フィルムの夫々は、水蒸気バリア性を有している
デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムによって封じられた回路部材を備えるデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、薄型化可能なデバイスが開示されている。
【0003】
図17を参照すると、特許文献1には、半導体チップ内蔵モジュール(デバイス)90が開示されている。デバイス90は、熱硬化性樹脂組成物(封止樹脂)92と、半導体チップ96及び配線パターン98を含む回路部材94とを備えている。封止樹脂92は、回路部材94を内部に埋設するようにして形成される。その後、封止樹脂92の表面が研磨され、これにより、デバイス90が薄型化される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-332654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
回路部材を備えるデバイスについて、更なる薄型化が求められている。
【0006】
そこで、本発明は、薄型化可能な新たなデバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1のデバイスとして、
第1フィルムと第2フィルムと第1回路部材と第2回路部材とを備えるデバイスであって、
前記第1フィルムは、第1内側部と、第1外側部とを有しており、
前記第1内側部は、前記第1外側部の内側に位置しており、
前記第2フィルムは、第2内側部と、第2外側部とを有しており、
前記第2内側部は、前記第2外側部の内側に位置しており、
前記第1外側部は、第1シール部と、第1接触部とを有しており、
前記第2外側部は、第2シール部と、第2接触部とを有しており、
前記第1シール部と前記第2シール部とは、互いに接続されてシール痕を形成しており、
前記第1接触部と前記第2接触部とは、接触領域において互いに接触しており、
前記接触領域は、前記第1内側部及び前記第2内側部を、全周に亘って囲んでおり、
前記デバイスには、前記第1内側部及び前記第2内側部によって囲まれた密封空間が形成されており、
前記第1回路部材及び前記第2回路部材は、前記密封空間の内部に封じられており、
前記第1回路部材は、第1接点を備えており、
前記第2回路部材は、第2接点を備えており、
前記第1接点と前記第2接点とは、互いに接触している
デバイスを提供する。
【0008】
本発明は、第2のデバイスとして、第1のデバイスであって、
前記第1シール部と前記第2シール部とは、熱シーリングによって互いに接続されている
デバイスを提供する。
【0009】
本発明は、第3のデバイスとして、第2のデバイスであって、
前記第1フィルム及び前記第2フィルムの夫々は、熱シーリングによって溶融する溶融層と、熱シーリングによって溶融しない非溶融層との2層を備えている
デバイスを提供する。
【0010】
本発明は、第4のデバイスとして、第1から第3までのいずれかのデバイスであって、
前記第1フィルム及び前記第2フィルムは、1枚のフィルム部材において互いに重ねられた2枚のシート片であり、
前記フィルム部材は、所定部と、端縁とを有しており、
前記第1フィルム及び前記第2フィルムは、前記所定部において互いに繋がっており、
前記シール痕は、少なくとも前記接触領域と前記端縁との間に形成されている
デバイスを提供する。
【0011】
本発明は、第5のデバイスとして、第4のデバイスであって、
前記フィルム部材は、1枚の平面シートであり、
前記第1フィルム及び前記第2フィルムは、前記所定部において折り重ねられた2枚の前記シート片である
デバイスを提供する。
【0012】
本発明は、第6のデバイスとして、第4のデバイスであって、
前記フィルム部材は、1枚の袋状シートであり、
前記第1フィルム及び前記第2フィルムは、前記所定部において互いに繋がった2枚の前記シート片である
デバイスを提供する。
【0013】
本発明は、第7のデバイスとして、第1から第6までのいずれかのデバイスであって、
前記第1回路部材は、第1基体と、第1導体パターンとを有しており、
前記第1基体は、絶縁フィルムからなり、
前記第1導体パターンは、前記第1基体上に形成されており、前記第1接点を有しており、
前記第2回路部材は、第2基体と、第2導体パターンとを有しており、
前記第2基体は、絶縁フィルムからなり、
前記第2導体パターンは、前記第2基体上に形成されており、前記第2接点を有している
デバイスを提供する。
【0014】
本発明は、第8のデバイスとして、第1から第7までのいずれかのデバイスであって、
前記第1フィルム及び前記第2フィルムの夫々は、高いバリア性を有している
デバイスを提供する。
【0015】
本発明は、第9のデバイスとして、第8のデバイスであって、
前記第1フィルム及び前記第2フィルムの夫々は、高い酸素バリア性を有している
デバイスを提供する。
【0016】
本発明は、第10のデバイスとして、第8のデバイスであって、
前記第1フィルム及び前記第2フィルムの夫々は、高い水蒸気バリア性を有している
デバイスを提供する。
【0017】
本発明は、第11のデバイスとして、第1から第10までのいずれかのデバイスであって、
前記デバイスは、1以上の弾性部材を備えており、
前記弾性部材は、前記密封空間の内部に封じられており、
前記弾性部材は、第1弾性部材及び第2弾性部材のうちの少なくとも一方を含んでおり、
前記第1弾性部材は、少なくとも部分的に前記第1フィルムと前記第1接点との間に位置しており、
前記第2弾性部材は、少なくとも部分的に前記第2フィルムと前記第2接点との間に位置している
デバイスを提供する。
【0018】
本発明は、第12のデバイスとして、第11のデバイスであって、
前記弾性部材の夫々は、本体部と、2つの主面とを有しており、
前記弾性部材の夫々における前記2つの主面は、所定方向において前記本体部を挟んで互いに反対側に位置しており、
前記弾性部材の夫々において、2つの前記主面が前記所定方向において互いに近づくように前記本体部を圧縮すると、前記本体部に含まれていた空気の一部が排出され、圧縮を止めると、前記本体部に空気が流入する
デバイスを提供する。
【0019】
本発明は、第13のデバイスとして、第12のデバイスであって、
前記弾性部材の夫々は、連続気泡構造体である
デバイスを提供する。
【0020】
本発明は、第1の製造方法として、
第1フィルムと第2フィルムと第1回路部材と第2回路部材とを備えるデバイスの製造方法であって、
前記第1フィルム、前記第2フィルム、前記第1回路部材及び前記第2回路部材を準備する準備工程であって、前記第1回路部材は、第1接点を備えており、前記第2回路部材は、第2接点を備えている、準備工程と、
前記第1フィルム、前記第1回路部材、前記第2回路部材及び前記第2フィルムを、この順に互いに重ね、前記第1接点と前記第2接点とを対向させて、チャンバー内に配置する、配置工程と、
前記チャンバー内を真空引きした状態で、前記第1フィルムと前記第2フィルムとをシーリングし、これにより、前記第1回路部材及び前記第2回路部材を前記第1フィルム及び前記第2フィルムによって囲まれた密封空間内に封じ、且つ、前記第1接点と前記第2接点とを互いに接触させる、密封工程と、を備える
製造方法を提供する。
【0021】
本発明は、第2の製造方法として、第1の製造法であって、
前記密封工程において、前記第1フィルムと前記第2フィルムとを熱シーリングする
製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明のデバイスにおいて、第1フィルム及び第2フィルムは、第1回路部材及び第2回路部材(以下、単に「回路部材」という)を間に挟んで、互いに接触するように重ねられている。また、回路部材の夫々は、接点を備えていることを除いて、構造上の制約がない。即ち、本発明の回路部材は、簡易な構造を有しており、様々な材料から形成出来る。例えば、回路部材は、接点を有する導体パターンが形成された絶縁フィルムであってもよい。この場合、デバイス全体の厚さを極めて薄くできる。即ち、本発明によれば、薄型化可能な新たなデバイスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施の形態によるデバイスを示す斜視図である。第1フィルムと第2フィルムとの間に形成された接触領域の境界を破線で描画している。デバイスの一部(1点鎖線で囲んだ部分)を拡大して描画している。
図2図1のデバイスを示す分解斜視図である。第1フィルム及び第2フィルムの夫々における接触領域の境界を破線で描画している。
図3図1のデバイスを示す斜視図である。第1フィルムを描画していない。第2フィルムにおける接触領域の境界を破線で描画している。隠れた第1導体パターン及び第2導体パターンの輪郭を1点鎖線で描画している。
図4図3の第1回路部材の第1導体パターン及び第2回路部材の第2導体パターンの具体的な例を示す図である。
図5図1のデバイスをV-V線に沿って示す断面図である。デバイスの一部(1点鎖線で囲んだ3つの部分)を拡大して描画している。拡大図のうちの1つにおいて、接触領域の境界を破線で描画している。
図6図1のデバイスの製造方法の例を示す図である。
図7図6の製造方法の準備工程で準備されたデバイス部材を示す斜視図である。隠れた第1回路部材及び第2回路部材の輪郭を破線で描画している。
図8図7のデバイス部材を示す側面図である。デバイス部材の一部(破線で囲んだ3つの部分)を拡大して描画している。
図9図6の製造方法の配置工程においてチャンバー内に配置されたデバイス部材の側面を、チャンバーの模式的な構造と共に示す図である。
図10図7のデバイス部材を複数備えた部材を示す斜視図である。隠れた第1回路部材及び第2回路部材の輪郭を破線で描画している。デバイス部材の間の境界を1点鎖線で描画している。
図11図7のデバイス部材の変形例を示す斜視図である。隠れた第1回路部材及び第2回路部材の輪郭を破線で描画している。
図12図11のデバイス部材から製造されたデバイスを示す斜視図である。第1フィルムと第2フィルムとの間に形成された接触領域の境界を破線で描画している。
図13図7のデバイス部材の別の変形例を示す斜視図である。隠れた第1回路部材及び第2回路部材の輪郭を破線で描画している。
図14図13のデバイス部材から製造されたデバイスを示す斜視図である。第1フィルムと第2フィルムとの間に形成された接触領域の境界を破線で描画している。
図15図2のデバイスの変形例を示す分解斜視図である。隠れた第1導体パターンの輪郭を破線で描画している。
図16図15のデバイスのデバイス部材を示す側面図である。デバイス部材の一部(破線で囲んだ部分)を拡大して描画している。拡大図において、弾性部材が圧縮されたときの主面の位置を2点鎖線で描画している。拡大図の一部(1点鎖線で囲んだ部分)を更に拡大して、デバイスが組み立てられた際の断面を描画している。
図17】特許文献1のデバイスを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1を参照すると、本発明の実施の形態によるデバイス10は、独立した電子機器である。より具体的には、デバイス10は、他の電子機器(図示せず)に物理的に取り付けることなく、単独で動作可能である。例えば、デバイス10は、対象者の心臓付近に貼付することで、対象者の心拍数を測定し、測定結果を他の電子機器に送信する。即ち、デバイス10は、心拍数等の生体情報を測定する電子機器として使用できる。但し、本発明は、これに限られず、様々な機能を有するデバイスに適用可能である。
【0025】
本実施の形態のデバイス10は、回路構造体12と、フィルム部材14とを備えている。回路構造体12は、デバイス10を電子機器として機能させるための部材である。例えば、回路構造体12は、心拍数を測定するための電子回路(図示せず)と、測定結果を他の電子機器(図示せず)に送信するための電子回路(図示せず)とを有している。フィルム部材14は、回路構造体12全体を内部に収容しており、回路構造体12を外部環境から保護している。即ち、回路構造体12は、フィルム部材14の内部に封じられている。
【0026】
以下、本実施の形態のデバイス10の構造について説明する。
【0027】
図2を参照すると、本実施の形態の回路構造体12は、第1回路部材40と、第2回路部材50とを備えている。また、本実施の形態のフィルム部材14は、絶縁体からなる第1フィルム20と、絶縁体からなる第2フィルム30とを備えている。即ち、デバイス10は、第1フィルム20と、第2フィルム30と、第1回路部材40と、第2回路部材50とを備えている。上述の4つの部材(第1フィルム20、第2フィルム30、第1回路部材40及び第2回路部材50)は、上下方向(Z方向)において積み重ねられ、1つのデバイス10(図1参照)として組み立てられている。本実施の形態のデバイス10は、上述の4つの部材のみを備えている。但し、本発明は、これに限られず、デバイス10は、上述の4つの部材に加えて、他の部材を更に備えていてもよい。例えば、デバイス10は、付加的回路部材を更に備えていてもよい。
【0028】
図2及び図3を参照すると、本実施の形態の第1回路部材40は、第1基体42と、第1導体パターン44とを有している。本実施の形態の第1基体42は、絶縁フィルムからなる矩形の薄いシートであり、可撓性を有している。第1基体42は、Z方向と直交する水平面(シート面:XY平面)と平行に延びている。第1導体パターン44は、第1基体42上に形成されている。詳しくは、第1導体パターン44は、銅等の導電体からなり、第1基体42の下面(-Z側の面)に、シルバーインク印刷やエッチング等の形成方法によって形成されている。
【0029】
本実施の形態の第2回路部材50は、第2基体52と、第2導体パターン54とを有している。本実施の形態の第2基体52は、絶縁フィルムからなる矩形の薄いシートであり、可撓性を有している。第2基体52は、XY平面と平行に延びている。第2導体パターン54は、第2基体52上に形成されている。詳しくは、第2導体パターン54は、銅等の導電体からなり、第2基体52の上面(+Z側の面)に、シルバーインク印刷やエッチング等の形成方法によって形成されている。
【0030】
本実施の形態の第1回路部材40及び第2回路部材50の夫々は、上述の構造を有している。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第1基体42及び第2基体52の夫々の形状は、矩形に限られず、必要に応じて変形可能である。第1基体42及び第2基体52の夫々は、リジットな回路基板であってもよい。第1導体パターン44及び第2導体パターン54の夫々が導電体から形成されている限り、第1導体パターン44及び第2導体パターン54の夫々の形成方法は、特に限定されない。
【0031】
本実施の形態において、第1導体パターン44は、第1接点48を有しており、第2導体パターン54は、第2接点58を有している。即ち、第1回路部材40は、第1接点48を備えており、第2回路部材50は、第2接点58を備えている。組み立てられたデバイス10(図1参照)において、第1接点48と第2接点58とは、互いに接触している(図3の1点鎖線参照)。即ち、第1回路部材40と第2回路部材50とは、第1接点48と第2接点58とが互いに接触するようにして組み合わされて、回路構造体12を形成している。回路構造体12の第1導体パターン44及び第2導体パターン54は、互いに電気的に接続されている。
【0032】
図2及び図3に示した第1導体パターン44及び第2導体パターン54は、本発明を簡易に説明するための抽象的な導体パターンであり、具体的な機能を有していない。即ち、図示した第1接点48と第2接点58とが互いに接触しても、デバイス10(図1参照)は、電子機器として機能しない。一方、実際の第1導体パターン44及び第2導体パターン54は、例えば、図4に示した構造を有している。
【0033】
図4を参照すると、第1基体42の下面には、第1回路43が形成されており、第2基体52の上面には、第2回路53が形成されている。第1回路43は、第1接点48が夫々形成された2つの第1導体パターン44と、コイン電池46とを有している。第2回路53は、第2接点58が夫々形成された2つの第2導体パターン54と、LED(Light Emitting Diode)56とを有している。第1接点48と第2接点58とが互いに接触すると、コイン電池46からLED56に電力が供給され、LED56が発光する。第1回路43及び第2回路53の構造は、図4の実施例よりも更に実用的な構造に変形できる。例えば、第2回路53は、LED56に代えて、心拍数の測定回路と、測定結果の送信回路とを有していてもよい。
【0034】
図4の実施例によれば、第1接点48及び第2接点58の夫々の数は2である。但し、第1接点48及び第2接点58の夫々の数は、図2に示したように1であってもよいし、3以上であってもよい。即ち、図2及び図3を参照すると、第1回路部材40は、1以上の第1接点48を備えていればよく、第2回路部材50は、第1接点48に夫々対応する1以上の第2接点58を備えていればよい。組み立てられたデバイス10(図1参照)において、第1接点48の夫々は、対応する第2接点58と接触していればよい。
【0035】
図2を参照すると、本実施の形態の第1フィルム20と第2フィルム30とは、互いに同様な構造を有している。より具体的には、第1フィルム20及び第2フィルム30の夫々は、矩形の薄いシートであり、可撓性を有している。第1フィルム20及び第2フィルム30の夫々は、XY平面と平行に延びている。第1フィルム20は、XY平面における周縁29を有している。第2フィルム30は、XY平面における周縁39を有している。
【0036】
図1図2と併せて参照すると、本実施の形態の第1フィルム20と第2フィルム30とは、XY平面における周縁29の位置と周縁39の位置とを互いに一致させるようにして、互いに重ねられている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、XY平面における第1フィルム20のサイズとXY平面における第2フィルム30のサイズとは、互いに異なっていてもよい。第1フィルム20及び第2フィルム30の夫々の形状は、矩形に限られず、必要に応じて変形可能である。
【0037】
図2を参照すると、第1フィルム20は、第1内側部22と、第1外側部24とを有している。第1内側部22は、XY平面において、第1外側部24の内側に位置している。換言すれば、第1外側部24は、第1フィルム20のうち第1内側部22を囲む部位である。同様に、第2フィルム30は、第2内側部32と、第2外側部34とを有している。第2内側部32は、XY平面において、第2外側部34の内側に位置している。換言すれば、第2外側部34は、第2フィルム30のうち第2内側部32を囲む部位である。
【0038】
図1図2及び図5を参照すると、第1フィルム20の第1内側部22及び第2フィルム30の第2内側部32は、デバイス10において回路構造体12を収容する部位である。本実施の形態によれば、デバイス10が組み立てられる前には、第1フィルム20は、XY平面に沿って一様に延びており、第1内側部22と第1外側部24との間に視認可能な境界はない。同様に、デバイス10が組み立てられる前には、第2フィルム30は、XY平面に沿って一様に延びており、第2内側部32と第2外側部34との間に視認可能な境界はない。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第1内側部22と第1外側部24との間に凹み等の視認可能な境界が形成されていてもよく、第2内側部32と第2外側部34との間に凹み等の視認可能な境界が形成されていてもよい。
【0039】
図2を参照すると、第1外側部24は、第1シール部26と、第1接触部28とを有している。第2外側部34は、第2シール部36と、第2接触部38とを有している。図1図2と併せて参照すると、第1シール部26と第2シール部36とは、互いに接続されてシール痕16を形成している。本実施の形態によれば、第1シール部26と第2シール部36とは、熱シーリングによって互いに接続されている。即ち、本実施の形態のシール痕16は、第1シール部26と第2シール部36とが加熱によって互いに溶着した跡である。但し、本発明は、これに限られず、第1シール部26と第2シール部36とは、高周波、超音波、レーザー等の様々な方法で接続可能である。
【0040】
図1及び図2を参照すると、本実施の形態のシール痕16は、第1シール部26及び第2シール部36の全周に亘って形成されている。即ち、シール痕16は、第1内側部22及び第2内側部32をXY平面において全周に亘って囲んでいる。一方、第1シール部26及び第2シール部36の一部(特に、XY平面における外周部)は、熱シーリングされておらず、シール痕16が形成されていない。但し、本発明は、これに限られず、シール痕16は、第1シール部26及び第2シール部36全体に亘って形成されていてもよい。
【0041】
図1図5と併せて参照すると、後述するように、第1シール部26と第2シール部36とは、真空引きされた環境内において互いに接続する。第1シール部26と第2シール部36とが互いに接続する際、第1接触部28と第2接触部38とは、気圧差により、接触領域17において互いに接触する。接触領域17は、第1内側部22及び第2内側部32を、XY平面において全周に亘って切れ目なく囲んでいる。この結果、デバイス10には、第1内側部22及び第2内側部32によって囲まれた密封空間18が形成されている。本実施の形態によれば、第1シール部26と第2シール部36とは、密封空間18の内部の気圧を真空に近い低気圧にした状態で、互いに接続されている。加えて、接触領域17は、密封空間18の内部と外部との間の空気の流れを遮断している。即ち、密封空間18の内部の気圧は、大気圧よりも低い低気圧になるように維持されている。
【0042】
図5を参照すると、第1回路部材40及び第2回路部材50は、上述した低気圧に維持された密封空間18の内部に封じられている。第1接点48と第2接点58とは、密封空間18の内部において互いに接触している。即ち、第1接点48と第2接点58とは、密封空間18の内部と外部との間の気圧差に起因して互いに押し付けられており、これにより、第1接点48及び第2接点58の夫々に金メッキ等のメッキを施さなくても、第1接点48と第2接点58との間の接触が確実に維持される。
【0043】
以上の説明を纏めると、本実施の形態のデバイス10において、第1フィルム20及び第2フィルム30は、第1回路部材40及び第2回路部材50(以下、単に「回路部材」という)を間に挟んで、互いに接触するように重ねられている。また、回路部材の夫々は、接点(第1接点48又は第2接点58)を備えていることを除いて、構造上の制約がない。即ち、本実施の形態の回路部材は、簡易な構造を有しており、様々な材料から形成出来る。例えば、回路部材は、接点を有する導体パターン(第1導体パターン44又は第2導体パターン54)が形成された絶縁フィルムであってもよい。この場合、デバイス10全体の厚さを極めて薄くできる。即ち、本実施の形態によれば、薄型化可能な新たなデバイス10を提供できる。
【0044】
図2及び図5を参照すると、第1フィルム20の第1シール部26及び第2フィルム30の第2シール部36は、第1フィルム20及び第2フィルム30を熱シーリング等のシーリングによって互いに強固に接続するための部位である。第1フィルム20の第1接触部28及び第2フィルム30の第2接触部38は、第1シール部26及び第2シール部36の低気圧下での接続に伴って互いに接触する部位である。本実施の形態によれば、シーリング前には、第1シール部26と第1接触部28との間に視認可能な境界はない。同様に、シーリング前には、第2シール部36と第2接触部38との間に視認可能な境界はない。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第1シール部26と第1接触部28との間に凹み等の視認可能な境界が形成されていてもよく、第2シール部36と第2接触部38との間に凹み等の視認可能な境界が形成されていてもよい。
【0045】
本実施の形態によれば、第1接触部28及び第2接触部38は、第1内側部22及び第2内側部32を、XY平面において全周に亘って切れ目なく囲んでいる。第1シール部26及び第2シール部36は、第1接触部28及び第2接触部38を、XY平面において全周に亘って切れ目なく囲んでいる。この構造によれば、密封空間18の気密性が確実に維持できる。加えて、第1シール部26及び第2シール部36を切り取ることで、第1回路部材40及び第2回路部材50を密封空間18から容易に取り出せる。即ち、本実施の形態によれば、部材を容易に分別回収でき、且つ、再利用できる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第1シール部26及び第2シール部36は、第1接触部28及び第2接触部38を、XY平面において部分的に囲んでいてもよい。また、第1シール部26及び第2シール部36は、部分的に第1接触部28及び第2接触部38に囲まれていてもよい。
【0046】
図1及び図8を参照すると、本実施の形態の第1フィルム20及び第2フィルム30の夫々は、熱シーリングによって溶融する溶融層146と、熱シーリングによって溶融しない非溶融層148との2層を備えている。即ち、第1フィルム20及び第2フィルム30の夫々は、溶融層146及び非溶融層148からなる2層構造を有している。例えば、溶融層146は、ポリエチレンからなり、非溶融層148は、ナイロンからなる。この構造により、第1シール部26及び第2シール部36の非溶融層148を維持しつつ、溶融層146を互いに融着できる。但し、本発明は、これに限られず、第1フィルム20及び第2フィルム30の夫々は、シーリング方法に応じた構造を有していればよい。例えば、第1フィルム20及び第2フィルム30の夫々は、1層のみを備えていてもよいし、3層以上の層を備えていてもよい。
【0047】
本実施の形態の第1フィルム20及び第2フィルム30の夫々は、第1シール部26及び第2シール部36以外の部位にも、溶融層146と非溶融層148とを備えている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、溶融層146は、第1シール部26及び第2シール部36の夫々にのみ形成されていてもよい。
【0048】
図1を参照すると、第1フィルム20及び第2フィルム30の夫々は、高い酸素バリア性を有していることが好ましい。より具体的には、第1フィルム20及び第2フィルム30の夫々は、高い酸素バリア性を有する材料(高酸素バリア材)からなる層を備えていることが好ましい。この層構造によれば、回路構造体12の金属部材の酸化を低減できる。
【0049】
例えば、高酸素バリア材は、リニアポリエチレン(LLDPE :Linear Low Density Polyethylene)であってもよい。より具体的には、高酸素バリア材は、ポリエチレンテレフタレート、アルミニウム及びポリエチレンをラミネート加工したPET/Al/PEであってもよいし、二軸延伸ナイロン及びポリエチレンをラミネート加工したON/PEであってもよいし、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル及びポリエチレンをラミネート加工したPET/EVOH/PEであってもよいし、透明ハイバリアフィルム及びポリエチレンをラミネート加工して形成してもよい。透明ハイバリアフィルムは、SiOx蒸着PET(ポリエチレンテレフタレート)であってもよいし、酸化アルミニウム蒸着PET(ポリエチレンテレフタレート)であってもよい。
【0050】
本実施の形態の第1フィルム20及び第2フィルム30の夫々は、高い酸素バリア性に加えて、高い水蒸気バリア性を有していることが好ましい。より具体的には、第1フィルム20及び第2フィルム30の夫々は、高い水蒸気バリア性を有する材料(高水蒸気バリア材)からなる層を備えていることが好ましい。この層構造によれば、回路構造体12を防水できる。例えば、高水蒸気バリア材は、ON/PE、OPP(二軸延伸ポリプロピレン)、PET等のシートにPVDC(ポリ塩化ビニリデン)コートを施した材料であってもよい。
【0051】
第1フィルム20及び第2フィルム30の夫々は、高い酸素バリア性及び高い水蒸気バリア性に加えて、窒素バリア性等の様々なバリア性を有していてもよい。即ち、第1フィルム20及び第2フィルム30の夫々は、用途に応じた高いバリア性を有していることが好ましい。
【0052】
図6を参照すると、本実施の形態のデバイス10(図1参照)は、準備工程(STEP1)、配置工程(STEP2)、及び、密封工程(STEP3)の3つの工程を経て製造される。但し、本発明は、これに限られず、デバイス10の製造方法は、必要に応じて変形可能である。以下、本実施の形態のデバイス10の製造方法について説明する。
【0053】
図7を参照すると、準備工程(図6参照)において、デバイス部材11を準備する。デバイス部材11は、第1フィルム20と、第2フィルム30と、第1回路部材40と、第2回路部材50とを備えている。図8を参照すると、前述したように、第1回路部材40は、第1接点48を備えており、第2回路部材50は、第2接点58を備えている。即ち、本実施の形態の製造方法は、第1フィルム20、第2フィルム30、第1回路部材40及び第2回路部材50を準備する準備工程であって、第1回路部材40は、第1接点48を備えており、第2回路部材50は、第2接点58を備えている、準備工程を備えている。
【0054】
次に、配置工程(図6参照)において、第1フィルム20、第1回路部材40、第2回路部材50及び第2フィルム30を、Z方向に沿って上から下に、この順に互いに重ねる。このとき、第1回路部材40及び第2回路部材50を、第1フィルム20及び第2フィルム30のXY平面における中間部に位置させる。また、第1回路部材40及び第2回路部材50を、第1接点48と第2接点58とがZ方向において対向するように配置する。また、第1フィルム20及び第2フィルム30を、2つの溶融層146がZ方向において対向するように配置する。
【0055】
次に、図9を参照すると、上述のように配置したデバイス部材11をチャンバー70の内部に収容する。即ち、本実施の形態の製造方法は、第1フィルム20、第1回路部材40、第2回路部材50及び第2フィルム30を、この順に互いに重ね、第1接点48と第2接点58とを対向させて、チャンバー70内に配置する、配置工程を備えている。
【0056】
チャンバー70は、内部空間を真空に極めて近い状態にできる装置である。本実施の形態のチャンバー70は、ダイ74と、熱シールバー78とを備えている。デバイス部材11は、ダイ74の上に置かれる。その後、チャンバー70の内部空間の気圧を減少しつつ、第1フィルム20と第2フィルム30とをシーリングする。
【0057】
詳しくは、本実施の形態の熱シールバー78は、加熱部782を有している。本実施の形態によれば、加熱部782を、溶融層146(図8参照)の融点以上の高温になるように加熱する。このように加熱した加熱部782を、上下に重ねられた第1フィルム20の第1シール部26及び第2フィルム30の第2シール部36に押しつけて、第1シール部26と第2シール部36とを熱シーリングする。この結果、第1回路部材40及び第2回路部材50は、第1フィルム20及び第2フィルム30によって囲まれた密封空間18(図5参照)内に封じられる。加えて、第1接点48と第2接点58とは、互いに接触する。
【0058】
即ち、本実施の形態の製造方法は、チャンバー70内を真空引きした状態で、第1フィルム20と第2フィルム30とをシーリングし、これにより、第1回路部材40及び第2回路部材50を第1フィルム20及び第2フィルム30によって囲まれた密封空間18(図5参照)内に封じ、且つ、第1接点48と第2接点58とを互いに接触させる、密封工程を備えている。
【0059】
本実施の形態によれば、密封工程において、第1フィルム20と第2フィルム30とを真空に近い低気圧下で熱シーリングする。この製造方法によれば、第1接点48と第2接点58とは、接着剤等の固定部材を使用することなく互いに確実に接触する。従って、デバイス10(図1参照)が不要になった場合、第1シール部26及び第2シール部36を切り取るだけで、デバイス10を分解できる。加えて、第1回路部材40及び第2回路部材50を低気圧の密封空間18(図5参照)の内部に封じることができ、これにより、金属部材の酸化等による劣化を低減できる。但し、本発明は、これに限られず、デバイス10の製造方法及びシーリング方法は必要に応じて変形可能である。
【0060】
図6から図9までを参照すると、上述した製造方法によれば、準備工程から密封工程までの工程によって1つのデバイス部材11から1つのデバイス10(図1参照)が製造される。但し、本発明は、これに限られない。例えば、図10を参照すると、複数のデバイス部材11を備えた部材を準備及び配置し、この部材全体に対して密封工程(図6及び図9参照)を施してもよい。また、図10に示した部材をローラー等によってチャンバー70(図9参照)の内部に移送してもよい。
【0061】
本実施の形態は、既に説明した変形例に加えて、更に様々に変形可能である。以下、2つの変形例について説明する。
【0062】
図11及び図12を参照すると、本実施の形態の変形例によるデバイス10Aは、デバイス部材11Aから製造される。図11を参照すると、デバイス部材11Aは、デバイス部材11(図7参照)の第1フィルム20(図7参照)及び第2フィルム30(図7参照)に代えて、絶縁体からなる1枚の平面シート14Aを備えており、且つ、デバイス部材11と同じ回路構造体12を備えている。即ち、回路構造体12は、第1回路部材40と、第2回路部材50とを備えている。
【0063】
平面シート14Aは、前後方向(X方向)における中間部(所定部142A)において折り曲げられており、これにより、Z方向において互いに重なった第1フィルム(シート片)20Aと第2フィルム(シート片)30Aとが形成されている。即ち、第1フィルム20A及び第2フィルム30Aは、1枚のフィルム部材14Aにおいて互いに重ねられた2枚のシート片である。フィルム部材14Aは、1枚の平面シートであり、所定部142Aと、端縁144Aとを有している。端縁144Aは、フィルム部材14AのXY平面における縁である。
【0064】
本変形例のデバイス10Aは、デバイス10(図1参照)と同様な製造方法によって製造できる。例えば、配置工程(図6参照)において、回路構造体12は、Z方向における第1フィルム20Aと第2フィルム30Aとの間に配置される。
【0065】
図12を参照すると、デバイス10Aは、デバイス10(図1参照)と同様な構造を有している。例えば、第1シール部26Aと第2シール部36Aとは、互いに接続されてシール痕16Aを形成している。第1接触部28Aと第2接触部38Aとは、接触領域17Aにおいて互いに接触している。接触領域17Aは、第1内側部22及び第2内側部32を、全周に亘って囲んでいる。デバイス10Aには、第1内側部22及び第2内側部32によって囲まれた密封空間18が形成されている。第1回路部材40(図10参照)及び第2回路部材50(図10参照)は、密封空間18の内部に封じられている。第1回路部材40の第1接点48(図3参照)と第2回路部材50の第2接点58(図3参照)とは、互いに接触している。
【0066】
一方、デバイス10Aは、以下の点においてデバイス10(図1参照)と異なっている。まず、第1フィルム20A及び第2フィルム30Aは、所定部142Aにおいて折り重ねられた2枚のシート片である。即ち、第1フィルム20A及び第2フィルム30Aは、所定部142Aにおいて互いに繋がっている。この構造によれば、所定部142Aと接触領域17Aとの間は、シーリングする必要がない。従って、接触領域17Aと端縁144Aとの間のみがシーリングされている。即ち、シール痕16Aは、接触領域17Aと端縁144Aとの間のみに形成されている。但し本発明は、これに限られず、所定部142Aと接触領域17Aとの間をシーリングしてもよい。即ち、シール痕16Aは、少なくとも接触領域17Aと端縁144Aとの間に形成されていればよい。
【0067】
図13及び図14を参照すると、本実施の形態の別の変形例によるデバイス10Bは、デバイス部材11Bから製造される。図13を参照すると、デバイス部材11Aは、デバイス部材11(図7参照)の第1フィルム20(図7参照)及び第2フィルム30(図7参照)に代えて、絶縁体からなる1枚の袋状シート14Bを備えており、且つ、デバイス部材11と同じ回路構造体12を備えている。即ち、回路構造体12は、第1回路部材40と、第2回路部材50とを備えている。
【0068】
袋状シート14Bは、XY平面における3辺(所定部142B)において繋がっており、前端(+X側の端)において開口している。この構造により、袋状シート14Bには、Z方向において互いに重なった第1フィルム(シート片)20Bと第2フィルム(シート片)30Bとが形成されている。即ち、第1フィルム20B及び第2フィルム30Bは、1枚のフィルム部材14Bにおいて互いに重ねられた2枚のシート片である。フィルム部材14Bは、1枚の袋状シートであり、所定部142Bと、端縁144Bとを有している。端縁144Bは、フィルム部材14Bの開口部の縁である。
【0069】
本変形例のデバイス10Bは、デバイス10(図1参照)と同様な製造方法によって製造できる。例えば、配置工程(図6参照)において、回路構造体12は、フィルム部材14Bの内部に封入され、Z方向における第1フィルム20Bと第2フィルム30Bとの間に配置される。
【0070】
図14を参照すると、デバイス10Bは、デバイス10(図1参照)と同様な構造を有している。例えば、第1シール部26Bと第2シール部36Bとは、互いに接続されてシール痕16Bを形成している。第1接触部28Bと第2接触部38Bとは、接触領域17Bにおいて互いに接触している。接触領域17Bは、第1内側部22及び第2内側部32を、全周に亘って囲んでいる。デバイス10Bには、第1内側部22及び第2内側部32によって囲まれた密封空間18が形成されている。第1回路部材40(図12参照)及び第2回路部材50(図12参照)は、密封空間18の内部に封じられている。第1回路部材40の第1接点48(図3参照)と第2回路部材50の第2接点58(図3参照)とは、互いに接触している。
【0071】
一方、デバイス10Bは、以下の点においてデバイス10(図1参照)と異なっている。まず、第1フィルム20B及び第2フィルム30Bは、所定部142Bにおいて互いに繋がった2枚のシート片である。即ち、第1フィルム20B及び第2フィルム30Bは、所定部142Bにおいて互いに繋がっている。この構造によれば、所定部142Bと接触領域17Bとの間は、シーリングする必要がない。従って、接触領域17Bと端縁144Bとの間のみがシーリングされている。即ち、シール痕16Bは、接触領域17Bと端縁144Bとの間のみに形成されている。但し、本発明は、これに限られず、所定部142Bと接触領域17Bとの間をシーリングしてもよい。即ち、シール痕16Bは、少なくとも接触領域17Bと端縁144Bとの間に形成されていればよい。
【0072】
上述した2つの変形例において、フィルム部材は、1枚の平面シート又は1枚の袋状シートである。但し、本発明によるフィルム部材は、これに限られず、様々に変形可能である。
【0073】
図1を参照すると、デバイス10は、既に説明した変形例に加えて、更に様々に変形可能である。例えば、前述したように、デバイス10は、4つの部材(第1フィルム20、第2フィルム30、第1回路部材40及び第2回路部材50)に加えて、他の部材を更に備えていてもよい。以下、デバイス10が、他の部材を備える変形例について説明する。
【0074】
図15図2と比較すると、本変形例のデバイス10Cは、デバイス10と同じ第1フィルム20、第2フィルム30、第1回路部材40及び第2回路部材50に加えて、デバイス10が備えていない2つの弾性部材60Cを備えている。本変形例の弾性部材60Cは、第1弾性部材62Cと、第2弾性部材64Cとを含んでいる。図15及び図16を参照すると、弾性部材60Cは、第1回路部材40及び第2回路部材50と共に、密封空間18(図5参照)の内部に封じられている。第1弾性部材62Cは、Z方向において、第1フィルム20と第1接点48との間に位置している。第2弾性部材64Cは、Z方向において、第2フィルム30と第2接点58との間に位置している。
【0075】
図15を参照すると、本変形例の弾性部材60Cの夫々は、反発性を有する発泡性の緩衝材である。より具体的には、本変形例の弾性部材60Cの夫々は、ウレタンスポンジ、ポリオレフィンスポンジ、CR(クロロプレンゴム)スポンジ等の連続気泡構造体である。本変形例の連続気泡構造体は、伸縮可能な弾性体と、弾性体の内部に稠密に形成された多数の気泡とからなる。気泡は、互いに繋がって連続気泡を形成している。連続気泡は、弾性体の外部に開口している。連続気泡構造体を圧縮すると、連続気泡構造体は、気泡内部の空気を外部に排出しつつ収縮する。連続気泡構造体の圧縮を止めると、連続気泡構造体は、外部の空気を気泡内部に吸収しつつ膨張して収縮前の形状に復元する。本変形例の弾性部材60Cの夫々は、このような連続気泡構造体からなる優れた緩衝材である。
【0076】
図15及び図16を参照すると、本変形例の弾性部材60Cの夫々は、本体部602Cと、2つの主面604Cとを有している。弾性部材60Cの夫々における2つの主面604Cは、所定方向(図15及び図16においてZ方向)において本体部602Cを挟んで互いに反対側に位置しており、所定方向と直交する平面(図15及び図16においてXY平面)に沿って、互いに並行に延びている。弾性部材60Cの夫々において、2つの主面604Cが所定方向において互いに近づくように本体部602Cを圧縮すると、本体部602Cに含まれていた空気の一部が排出され、圧縮を止めると、本体部602Cに空気が流入する。
【0077】
図15図1と併せて参照すると、デバイス10Cは、デバイス10と同様に組み立てられている。詳しくは、図6図1及び図15と併せて参照すると、デバイス10Cは、デバイス10と同様に、準備工程(STEP1)、配置工程(STEP2)、及び、密封工程(STEP3)の3つの工程を経て製造される。以下、本変形例のデバイス10Cの製造方法について、デバイス10の製造方法との相違点を中心に説明する。
【0078】
図16図8と比較すると、変形例の準備工程(図6参照)において、デバイス部材11Cを準備する。デバイス部材11Cは、デバイス部材11と同じ第1フィルム20、第2フィルム30、第1回路部材40及び第2回路部材50に加えて、デバイス部材11が備えていない2つの弾性部材60C(第1弾性部材62C及び第2弾性部材64C)を備えている。
【0079】
次に、変形例の配置工程(図6参照)において、第1フィルム20、第1弾性部材62C、第1回路部材40、第2回路部材50、第2弾性部材64C及び第2フィルム30を、Z方向に沿って上から下に、この順に互いに重ねる。このとき、第1弾性部材62Cを、第1接点48の真上に位置するようにして、Z方向における第1フィルム20と第1回路部材40との間に配置する。また、第2弾性部材64Cを、第2接点58の真下に位置するようにして、Z方向における第2フィルム30と第2回路部材50との間に配置する。
【0080】
次に、図9図16と併せて参照すると、上述のように配置したデバイス部材11Cをチャンバー70の内部に収容する。デバイス部材11Cは、ダイ74の上に置かれる。その後、デバイス10(図1参照)の密封工程と同様の密封工程(図6参照)を行う。より具体的には、真空引きによってチャンバー70の内部空間の気圧を減少しつつ、第1フィルム20と第2フィルム30とを熱シーリングする。この結果、第1回路部材40、第2回路部材50及び弾性部材60Cは、第1フィルム20及び第2フィルム30によって囲まれた密封空間18(図16参照)内に封じられる。また、第1接点48と第2接点58とは、互いに接触する。
【0081】
図16を参照すると、密封工程(図6参照)において、チャンバー70(図9参照)の内部空間の気圧が減少するにつれ、第1フィルム20は、第1回路部材40における第1接点48の真裏の部位に対して第1弾性部材62Cを押し付け、第2フィルム30は、第2回路部材50における第2接点58の真裏の部位に対して第2弾性部材64Cを押し付ける。この結果、弾性部材60Cの夫々は、本体部602Cの空気を排出しつつ、主として所定方向(Z方向)に圧縮される(図16の拡大図において2点鎖線で示した圧縮後の主面604Cの位置参照)。従って、デバイス10Cにおける弾性部材60Cの厚さ(Z方向におけるサイズ)は極めて薄い。即ち、本変形例によれば、薄型化可能な新たなデバイス10Cを提供できる。
【0082】
デバイス10Cにおいて、第1接点48は、圧縮された第1弾性部材62Cの復元力によって、第2接点58に押し付けられる。同様に、第2接点58は、圧縮された第2弾性部材64Cの復元力によって、第1接点48に押し付けられる。本変形例によれば、2つの弾性部材60Cを、第1接点48及び第2接点58を挟み込むように配置することにより、第1接点48と第2接点58とを、より安定的に接続できる。
【0083】
デバイス10Cの使用時に密封空間18の内部に空気が入った場合でも、空気は弾性部材60Cに吸収される。このとき、弾性部材60Cの復元力の減少は僅かであるため、第1接点48と第2接点58との間の接触力の変化を抑制できる。更に、弾性部材60Cを備えたデバイス10Cは、曲げても破損し難い。本変形例によれば、様々な環境において長期間にわたって安定的に動作可能なデバイス10Cを提供できる。
【0084】
本変形例は、以下に説明するように、更に様々に変形可能である。
【0085】
図15を参照すると、弾性部材60Cの夫々は、矩形の平板形状を有している。また、弾性部材60Cの夫々のXY平面におけるサイズは、第1接点48及び第2接点58のXY平面におけるサイズと同程度である。但し、本発明は、これに限られない。例えば、弾性部材60Cの夫々の形状は、特に限定されない。また、弾性部材60Cを、第1接点48及び第2接点58が互いに押しつけられるようにして、密封空間18(図5参照)の内部に封じることができる限り、弾性部材60Cの夫々のXY平面におけるサイズは、特に限定されない。即ち、第1弾性部材62Cは、少なくとも部分的に第1フィルム20と第1接点48との間に位置していればよく、第2弾性部材64Cは、少なくとも部分的に第2フィルム30と第2接点58との間に位置していればよい。
【0086】
例えば、弾性部材60Cの夫々のXY平面におけるサイズは、第1回路部材40及び第2回路部材50の夫々のXY平面におけるサイズと同程度であってもよい。弾性部材60Cのサイズをこのように大きくすることで、密封空間18の内部に空気が入った際の弾性部材60Cの膨張を低減できる。加えて、大きなサイズの弾性部材60Cは、配置工程(図6参照)において、第1接点48及び第2接点58と対応するように配置し易い。特に、第1接点48及び第2接点58の夫々の数が2以上である場合でも、大きなサイズの弾性部材60Cは、弾性部材60Cの数を増やすことなく、配置工程において容易に配置できる。
【0087】
本変形例の弾性部材60Cは、第1弾性部材62C及び第2弾性部材64Cの両方を含んでいる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、弾性部材60Cは、第1弾性部材62C及び第2弾性部材64Cのうちのいずれか一方のみを含んでいてもよい。また、第1弾性部材62C及び第2弾性部材64Cの夫々の数は2以上であってもよい。即ち、デバイス10Cは、1以上の弾性部材60Cを備えていればよい。弾性部材60Cは、第1弾性部材62C及び第2弾性部材64Cのうちの少なくとも一方を含んでいればよい。
【0088】
弾性部材60Cの夫々は、連続気泡構造体以外の材料から形成してもよい。例えば、弾性部材60Cの夫々は、互いに独立した多数の気泡を含む独立気泡構造体から、連続気泡構造体と同様な機能を有するように形成してもよい。より具体的には、独立気泡構造体に外部に開口した孔を形成し、圧縮した際に孔の内部の空気が外部に排出されるようにすればよい。弾性部材60Cの夫々は、2枚の平板を多数のバネによって繋げて連続気泡構造体と同様な機能を有するように形成してもよい。また、弾性部材60Cの夫々は、気泡を含まないゴム等の弾性体から形成してもよい。但し、連続気泡を含まない弾性体から弾性部材60Cの夫々を形成した場合、圧縮された際に弾性変形する部位が偏り、これにより第1接点48(第2接点58)全体を均一に加圧できない場合がある。従って、第1接点48及び第2接点58を互いに安定的に接続するという観点から、弾性部材60Cの夫々を連続気泡構造体から形成することが好ましい。
【0089】
図15図1図12及び図14と併せて参照すると、本変形例によるデバイス10Cは、前述したデバイス10、デバイス10A及びデバイス10Bと同様に変形可能である。例えば、デバイス10Cのフィルム部材14は、1枚の平面シートであってもよいし、1枚の袋状シートであってもよい。また、デバイス10Cの製造方法もデバイス10の製造方法と同様に変形可能である(例えば、図10参照)。
【符号の説明】
【0090】
10,10A,10B,10C デバイス
11,11A,11B,11C デバイス部材
12 回路構造体
14 フィルム部材
14A フィルム部材(平面シート)
14B フィルム部材(袋状シート)
142A,142B 所定部
144A,144B 端縁
146 溶融層
148 非溶融層
16,16A,16B シール痕
17,17A,17B 接触領域
18 密封空間
20 第1フィルム
20A,20B 第1フィルム(シート片)
22 第1内側部
24 第1外側部
26,26A,26B 第1シール部
28,28A,28B 第1接触部
29 周縁
30 第2フィルム
30A,30B 第2フィルム(シート片)
32 第2内側部
34 第2外側部
36,36A,36B 第2シール部
38,38A,38B 第2接触部
39 周縁
40 第1回路部材
42 第1基体
43 第1回路
44 第1導体パターン
46 コイン電池
48 第1接点
50 第2回路部材
52 第2基体
53 第2回路
54 第2導体パターン
56 LED
58 第2接点
60C 弾性部材
602C 本体部
604C 主面
62C 第1弾性部材
64C 第2弾性部材
70 チャンバー
74 ダイ
78 熱シールバー
782 加熱部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17