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特許7591906人数予測システム、人数推定システム、消費電力量予測システム、人数予測方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】人数予測システム、人数推定システム、消費電力量予測システム、人数予測方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/04 20230101AFI20241122BHJP
【FI】
G06Q10/04
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020186358
(22)【出願日】2020-11-09
(65)【公開番号】P2022076103
(43)【公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】森川 純次
(72)【発明者】
【氏名】西川 尚希
【審査官】上田 智志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/047328(WO,A1)
【文献】特開2015-152179(JP,A)
【文献】国際公開第2018/235841(WO,A1)
【文献】特開2020-001860(JP,A)
【文献】特開2014-109415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の時間に所定のエリアに存在する利用者の人数に関する所定の変数の値を取得して前記時間に前記エリアに存在する利用者の人数推定値を出力する人数推定モデルと、前記人数推定モデルが推定した複数の時間の前記人数推定値を取得して前記複数の時間よりも未来の予測対象時間に前記エリアに存在する利用者の人数予測値を出力する人数予測モデルと、前記予測対象時間における前記人数予測値を取得して前記予測対象時間における空調機の消費電力量の推定値を出力する消費電力量推定モデルとを、前記消費電力量推定モデルが出力した前記消費電力量の推定値が、前記予測対象時間における前記空調機の消費電力の実績値となるように学習する学習部と、
学習済みの前記人数予測モデルに基づいて、前記エリアに存在する利用者の人数を予測する人数予測部と、
を備え、
前記所定の時間に所定のエリアに存在する利用者の人数に関する所定の変数には、前記エリアに存在する利用者の人数の人感センサによる検出値、前記所定の時間における利用者の勤怠データ、前記エリアの利用予約スケジュール、前記エリアの座席ごとの利用者が存在するか否かの検出値が含まれる、
人数予測システム。
【請求項2】
前記人数予測モデルは、前記複数の時間それぞれにおける前記人数推定値の線形結合モデルによって前記人数を予測し、
前記学習部は、前記線形結合モデルのそれぞれの前記時間の前記人数推定値に係る係数を学習する、
請求項1に記載の人数予測システム。
【請求項3】
前記人感センサによる検出値には、複数の人感センサの検出値が含まれ、
前記学習部は、前記人感センサごとの重みづけを学習する、
請求項1又は請求項2に記載の人数予測システム。
【請求項4】
前記消費電力量推定モデルは、前記予測対象時間における前記人数予測値に加え、さらに、消費電力量の推定時点における気温、天気、前記予測対象時間と同様の条件で前記空調機を運転したときの過去の消費電力量の実績値のうちの少なくとも何れかを取得する、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の人数予測システム。
【請求項5】
学習済みの前記人数推定モデルに基づいて、前記エリアに存在する利用者の人数を推定する人数推定部、
をさらに備える請求項1から請求項4の何れか1項に記載の人数予測システム。
【請求項6】
所定の時間に所定のエリアに存在する利用者の人数に関する所定の変数の値を取得して前記時間に前記エリアに存在する利用者の人数推定値を出力する人数推定モデルと、前記人数推定モデルが推定した複数の時間の前記人数推定値を取得して前記複数の時間よりも未来の予測対象時間に前記エリアに存在する利用者の人数予測値を出力する人数予測モデルと、前記予測対象時間における前記人数予測値を取得して前記予測対象時間における空調機の消費電力量の推定値を出力する消費電力量推定モデルとを、前記消費電力量推定モデルが出力した前記消費電力量の推定値が、前記予測対象時間における前記空調機の消費電力量の実績値となるように学習する学習部と、
学習済みの前記人数推定モデルに基づいて、前記エリアに存在する利用者の人数を推定する人数推定部と、
を備え、
前記所定の時間に所定のエリアに存在する利用者の人数に関する所定の変数には、前記エリアに存在する利用者の人数の人感センサによる検出値、前記所定の時間における利用者の勤怠データ、前記エリアの利用予約スケジュール、前記エリアの座席ごとの利用者が存在するか否かの検出値が含まれる、
人数推定システム。
【請求項7】
所定の時間に所定のエリアに存在する利用者の人数に関する所定の変数の値を取得して前記時間に前記エリアに存在する利用者の人数推定値を出力する人数推定モデルと、前記人数推定モデルが推定した複数の時間の前記人数推定値を取得して前記複数の時間よりも未来の予測対象時間に前記エリアに存在する利用者の人数予測値を出力する人数予測モデルと、前記予測対象時間における前記人数予測値を取得して前記予測対象時間における空調機の消費電力量の推定値を出力する消費電力量推定モデルとを、前記消費電力量推定モデルが出力した前記消費電力量の推定値が、前記予測対象時間における前記空調機の消費電力量の実績値となるように学習する学習部と、
学習済みの前記人数予測モデルに基づいて、前記エリアに存在する利用者の人数を予測する人数予測部と、
予測された前記利用者の人数と、学習済みの前記消費電力量推定モデルと、に基づいて前記空調機の消費電力量を予測する消費電力量予測部と、
を備え、
前記所定の時間に所定のエリアに存在する利用者の人数に関する所定の変数には、前記エリアに存在する利用者の人数の人感センサによる検出値、前記所定の時間における利用者の勤怠データ、前記エリアの利用予約スケジュール、前記エリアの座席ごとの利用者が存在するか否かの検出値が含まれる、
消費電力量予測システム。
【請求項8】
所定の時間に所定のエリアに存在する利用者の人数に関する所定の変数の値を取得して前記時間に前記エリアに存在する利用者の人数推定値を出力する人数推定モデルと、前記人数推定モデルが推定した複数の時間の前記人数推定値を取得して前記複数の時間よりも未来の予測対象時間に前記エリアに存在する利用者の人数予測値を出力する人数予測モデルと、前記予測対象時間における前記人数予測値を取得して前記予測対象時間における空調機の消費電力量の推定値を出力する消費電力量推定モデルとを、前記消費電力量推定モデルが出力した前記消費電力量の推定値が、前記予測対象時間における前記空調機の消費電力の実績値となるように学習するステップと、
学習済みの前記人数予測モデルに基づいて、前記エリアに存在する利用者の人数を予測するステップと、
を有し、
前記所定の時間に所定のエリアに存在する利用者の人数に関する所定の変数には、前記エリアに存在する利用者の人数の人感センサによる検出値、前記所定の時間における利用者の勤怠データ、前記エリアの利用予約スケジュール、前記エリアの座席ごとの利用者が存在するか否かの検出値が含まれる、
人数予測方法。
【請求項9】
コンピュータに、
所定の時間に所定のエリアに存在する利用者の人数に関する所定の変数の値を取得して前記時間に前記エリアに存在する利用者の人数推定値を出力する人数推定モデルと、前記人数推定モデルが推定した複数の時間の前記人数推定値を取得して前記複数の時間よりも未来の予測対象時間に前記エリアに存在する利用者の人数予測値を出力する人数予測モデルと、前記予測対象時間における前記人数予測値を取得して前記予測対象時間における空調機の消費電力量の推定値を出力する消費電力量推定モデルとを、前記消費電力量推定モデルが出力した前記消費電力量の推定値が、前記予測対象時間における前記空調機の消費電力の実績値となるように学習するステップと、
学習済みの前記人数予測モデルに基づいて、前記エリアに存在する利用者の人数を予測するステップと、
を有し、
前記所定の時間に所定のエリアに存在する利用者の人数に関する所定の変数には、前記エリアに存在する利用者の人数の人感センサによる検出値、前記所定の時間における利用者の勤怠データ、前記エリアの利用予約スケジュール、前記エリアの座席ごとの利用者が存在するか否かの検出値が含まれる処理、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人数予測システム、人数推定システム、消費電力量予測システム、人数予測方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
省エネルギーの観点から、空調機をより少ない消費電力量で効率的に運転する為に、空調機の電力需要を高精度に予測することが必要とされている。空調機の電力需要の予測には、一般に外気温の予測値や曜日などを用いることが多い。特許文献1には、空調対象のフロアに出入りする人の数に基づいてフロアに存在する利用者の人数を推定して、日射量、気温等に加え、推定した利用者の人数を用いて空調機の負荷を推定する方法が開示されている。この方法によれば、時々刻々と変化する実際の人流を考慮した空調機の運転が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2017/216833号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
空調機の電力需要の未来予測においても、利用者の人数を考慮することができれば、予測精度を向上することができると考えられる。その為には、空調エリアに存在する利用者人数を高精度に予測する必要がある。しかし、利用者人数を高精度に予測する方法はこれまでに提供されていない。また、特許文献1にも将来の利用者人数を予測して、未来の電力需要を予測する技術は開示されていない。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決することのできる人数予測システム、人数推定システム、消費電力量予測システム、人数予測方法及びプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の人数予測システムは、所定の時間に所定のエリアに存在する利用者の人数に関する所定の変数の値を取得して前記時間に前記エリアに存在する利用者の人数推定値を出力する人数推定モデルと、前記人数推定モデルが推定した複数の時間の前記人数推定値を取得して前記複数の時間よりも未来の予測対象時間に前記エリアに存在する利用者の人数予測値を出力する人数予測モデルと、前記予測対象時間における前記人数予測値を取得して前記予測対象時間における空調機の消費電力量の推定値を出力する消費電力量推定モデルとを、前記消費電力量推定モデルが出力した前記消費電力量の推定値が、前記予測対象時間における前記空調機の消費電力量の実績値となるように学習する学習部と、学習済みの前記人数予測モデルに基づいて、前記エリアに存在する利用者の人数を予測する人数予測部と、を備え、前記所定の時間に所定のエリアに存在する利用者の人数に関する所定の変数には、前記エリアに存在する利用者の人数の人感センサによる検出値、前記所定の時間における利用者の勤怠データ、前記エリアの利用予約スケジュール、前記エリアの座席ごとの利用者が存在するか否かの検出値が含まれる。
【0007】
本開示の人数推定システムは、前記学習部と、学習済みの前記人数推定モデルに基づいて、前記エリアに存在する利用者の人数を推定する人数推定部と、を備える。
【0008】
本開示の消費電力量予測システムは、前記学習部と、前記人数予測部と、学習済みの前記消費電力量推定モデルに基づいて、前記空調機の消費電力量を予測する消費電力量予測部と、を備える。
【0009】
また、本開示の人数予測方法は、所定の時間に所定のエリアに存在する利用者の人数に関する所定の変数の値を取得して前記時間に前記エリアに存在する利用者の人数推定値を出力する人数推定モデルと、前記人数推定モデルが推定した複数の時間の前記人数推定値を取得して前記複数の時間よりも未来の予測対象時間に前記エリアに存在する利用者の人数予測値を出力する人数予測モデルと、前記予測対象時間における前記人数予測値を取得して前記予測対象時間における空調機の消費電力量の推定値を出力する消費電力量推定モデルとを、前記消費電力量推定モデルが出力した前記消費電力量の推定値が、前記予測対象時間における前記空調機の消費電力量の実績値となるように学習するステップと、学習済みの前記人数予測モデルに基づいて、前記エリアに存在する利用者の人数を予測するステップと、を有し、前記所定の時間に所定のエリアに存在する利用者の人数に関する所定の変数には、前記エリアに存在する利用者の人数の人感センサによる検出値、前記所定の時間における利用者の勤怠データ、前記エリアの利用予約スケジュール、前記エリアの座席ごとの利用者が存在するか否かの検出値が含まれる。
【0010】
また、本開示のプログラムは、コンピュータに、所定の時間に所定のエリアに存在する利用者の人数に関する所定の変数の値を取得して前記時間に前記エリアに存在する利用者の人数推定値を出力する人数推定モデルと、前記人数推定モデルが推定した複数の時間の前記人数推定値を取得して前記複数の時間よりも未来の予測対象時間に前記エリアに存在する利用者の人数予測値を出力する人数予測モデルと、前記予測対象時間における前記人数予測値を取得して前記予測対象時間における空調機の消費電力量の推定値を出力する消費電力量推定モデルとを、前記消費電力量推定モデルが出力した前記消費電力量の推定値が、前記予測対象時間における前記空調機の消費電力量の実績値となるように学習するステップと、学習済みの前記人数予測モデルに基づいて、前記エリアに存在する利用者の人数を予測するステップと、を有し、前記所定の時間に所定のエリアに存在する利用者の人数に関する所定の変数には、前記エリアに存在する利用者の人数の人感センサによる検出値、前記所定の時間における利用者の勤怠データ、前記エリアの利用予約スケジュール、前記エリアの座席ごとの利用者が存在するか否かの検出値が含まれる処理、を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
上述の人数予測システム、人数予測方法及びプログラムによれば、精度よく利用者の人数を予測することができる。上述の人数推定システムによれば、精度よく利用者の人数を推定することができる。上述の消費電力量予測システムによれば、精度よく消費電力量を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態に係る予測システムの一例を示す機能ブロック図である。
図2A】一実施形態に係る空調エリアと人数の関係を示す図である。
図2B】一実施形態に係る空調エリアの人数と消費電力量の関係を示す図である。
図3A】一実施形態に係る人数推定モデルの一例を示す図である。
図3B】一実施形態に係る人数予測モデルの一例を示す図である。
図3C】一実施形態に係る消費電力量予測モデルの一例を示す図である。
図4】一実施形態に係る学習部の機能の一例を示す図である。
図5】一実施形態に係る各モデルの構築処理の一例を示すフローチャートである。
図6A】一実施形態に係る人数推定処理の一例を示すフローチャートである。
図6B】一実施形態に係る人数予測処理の一例を示すフローチャートである。
図6C】一実施形態に係る消費電力量予測処理の一例を示すフローチャートである。
図7】一実施形態に係る予測システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態>
以下、本開示の一実施形態による予測システムを図1図7を参照して説明する。
(構成)
図1は、一実施形態に係る予測システムの一例を示す機能ブロック図である。
予測システム10は、空調エリアに存在する未来の利用者人数を予測し、予測した人数に基づいて空調機の未来の消費電力量を予測する。
【0014】
図示するように予測システム10は、データ取得部11と、学習部12と、人数推定部13と、人数予測部14と、消費電力量予測部15と、記憶部16と、を備える。
データ取得部11は、利用者人数や消費電力量の予測に必要なパラメータ、予測に用いる各種モデル(人数推定モデル161、人数予測モデル162、消費電力量推定モデル163)の作成に必要な学習データなどを取得する。
学習部12は、データ取得部11が取得した学習データを用いて、人数推定モデル161、人数予測モデル162、消費電力量推定モデル163の各モデルを作成する。人数推定モデル161は、空調機に設けられた人感センサが検出した検出値、空調エリアの利用予約スケジュールなどのパラメータを取得して、それらのパラメータが対象とする時間と同じ時間に空調エリアに存在する利用者の人数を推定するモデルである。人数予測モデル162は、過去の1又は複数の時間において空調エリアに存在する利用者の人数を取得すると、空調エリアに存在する未来の利用者人数を予測するモデルである。消費電力量推定モデル163は、空調エリアに存在する利用者の人数など空調機の消費電力量に影響するパラメータを取得すると、それらのパラメータが対象とする時間と同じ時間に空調機が消費する消費電力量を推定する推定モデルである。
人数推定部13は、人感センサの検出値等と、人数推定モデル161に基づいて、空調エリアに存在する利用者人数を推定する。
人数予測部14は、人数推定部13が推定した1又は複数の時間における人数と、人数予測モデル162と、に基づいて、人数を推定した時間よりも未来の時間に空調エリアに存在する利用者の人数を予測する。
消費電力量予測部15は、人数予測部14が予測した未来の利用者人数等と、消費電力量推定モデル163と、に基づいて、その時間に空調機が空調に使用する消費電力量を予測する。
記憶部16は、データ取得部11が取得したパラメータや学習データ、人数推定モデル161、人数予測モデル162、消費電力量推定モデル163などを記憶する。
【0015】
次に、図2A、2Bを参照して、空調エリアに存在する人数と空調機の消費電力量の関係を説明する。
図2Aは、一実施形態に係る空調エリアと人数の関係を示す図である。
空調エリア1A、1B、1C、1Dは、それぞれ空調機(室内機)2A、2B、2C、2Dが空調を担当する空間である。空調エリア1A、1B、1C、1Dには、それぞれ、9人、7人、10人、4人の利用者が存在する。
図2Bに人数と空調機の消費電力量の関係の一例を示す。
図2Bに示すグラフの縦軸は消費電力量、横軸は空調エリアに存在する人数を示している。図2Bの点は、実績値、破線は実績値に基づいて算出された利用者人数と空調機の消費電力量の関係を示すグラフである。図示するように空調エリアに存在する人数と空調機の消費電力量には一定の関係が成立する。この性質を利用して、予測システム10は、空調エリア1A~1Dに存在する未来の利用者人数を予測し、この人数に基づいて、空調機の消費電力量を予測する。未来の消費電力量を予測することにより、例えば、空調機の運転計画を作成することができる。その為に、予測システム10は、空調エリア1A~1Dに存在する未来の利用者人数を、同程度の利用者人数と想定される過去の利用者人数に基づいて予測する。また、同程度の利用者人数と想定される過去に、空調エリア1A~1Dに実際に存在した利用者の人数を正確に把握することは困難であるところ、空調機2A~2Dが備える人感センサ、空調エリア1A~1Dの利用予約スケジュールなどに基づいて、空調エリア1A~1Dの利用者人数を推定する。
【0016】
(人数推定モデル)
次に図3Aを参照して、空調エリアの利用者人数を推定する人数推定モデル161について説明する。図3Aは、一実施形態に係る人数推定モデルの一例を示す図である。
例えば、時間T1に空調エリア1Aに存在する利用者人数を推定する場合、人数推定モデル161の入力パラメータは、空調エリア1Aに設けられたn個の人感センサの時間T1における検出値、時間T1における利用者の勤怠データや空調エリア1Aの利用予約スケジュール、空調エリア1Aの座席ごとの検出値(例えば、座席ごとに設けられたPCへのログオン情報、座席ごとに設けられた近距離無線通信などを利用した着席、離席の検出システムの検出履歴、着座センサの検出値)等である。なお、時間T1は各入力パラメータの実績値が取得できる所定長さの時間、つまり、過去の所定長さの時間である。人数推定モデル161は、過去の利用者人数に関する各種の入力パラメータを学習データとして構築される。人数推定モデル161は、各入力パラメータを変数とする関数である。簡単な例として、人数推定モデル161は、例えば、以下の式(1)で表される関数である。
y=A+A+A+・・・+B ・・・(1)
ここで、x、x、・・・は入力パラメータ、yは利用人数の推定値である。A1、2、等の係数定数Bの値は、図4を参照して説明する学習処理により設定される。人数推定モデル161は、時間T1の入力パラメータを取得すると、時間T1に空調エリア1Aに存在した利用者の人数の推定値を出力する。
【0017】
(人数予測モデル)
次に図3Bを参照して、空調エリアの利用者人数を予測する人数予測モデル162について説明する。図3Bは、一実施形態に係る人数予測モデルの一例を示す図である。
人数推定モデル161が入力パラメータと同じ時間の利用者人数を推定するのに対し、人数予測モデル162は、未来の利用者人数を予測する。例えば、未来の空調エリア1Aの利用者人数を推定する場合、人数予測モデル162の入力パラメータは、過去の時間T1~Tnにおける空調エリア1Aの利用者人数である。人数予測モデル162は、各入力パラメータを変数とする関数である。簡単な例として、人数予測モデル162は、例えば、以下の式(2)で表される関数である。
y=C+C+C+・・・+D ・・・(2)
ここで、x、x、・・・は過去の利用者人数、yは未来の利用人数の予測値である。C1、2、等の係数定数Dの値は、図4を参照して説明する学習処理により設定される。人数予測モデル162は、空調エリア1Aの過去の利用者人数を入力パラメータとして取得し、未来の空調エリア1Aの利用者人数の予測値を出力する。正確な過去の利用者人数が得られる場合、これを式(2)のx、x、・・・に入力してもよいが、正確な過去の利用者人数が得られない場合、人数推定モデル161によって推定された時間T1~Tnにおける利用者人数の推定値を利用することができる。なお、時間T1~Tnは、予測対象の未来のある時間Tn+1と同程度の利用者数が想定される過去の時間であることが好ましい。例えば、空調エリア1Aが、規則的な週間スケジュールに則って使用されている場合、人数予測モデル162は、1~n週間前の同じ日、同じ時間の利用者人数に基づいて未来の利用者人数を予測する。
【0018】
(消費電力量推定モデル)
次に図3Cを参照して、空調機の消費電力量を推定する消費電力量推定モデル163について説明する。図3Cは、一実施形態に係る消費電力量推定モデルの一例を示す図である。
例えば、空調機1~m(例えば、空調機2A~2D)の消費電力量の合計を推定する場合、消費電力量推定モデル163の入力パラメータは、少なくとも空調エリア1~m(例えば、空調エリア1A~1D)の利用者人数である。入力パラメータには、更に、消費電力量の推定時点における気温、天気、同様の条件で空調機1~nを運転したときの過去の消費電力量の実績値などが含まれていてもよい。消費電力量推定モデル163は、これらの入力パラメータを取得し、空調機1~mの消費電力量の合計の推定値を出力する。例えば、消費電力量推定モデル163は、利用者人数ごとの消費電力量の実績値を学習データとして、回帰分析、機械学習などによって構築される。本実施形態では、ある時間Tの空調機1~nの消費電力量の実績値の合計と、人数予測モデル162に基づいて予測された時間Tにおける空調エリア1~nの利用者人数とを組み合わせて学習データを作成する。また、人数予測モデル162に基づいて予測した未来の時間Tfにおける空調エリア1~nの利用者人数等と、消費電力量推定モデル163とに基づいて、未来の時間Tfにおける空調機1~nの消費電力量の合計値を予測する。
【0019】
(各モデルの構築)
次に図4を参照して、空調エリア1Aに関する学習データを用いる場合を例に、人数推定モデル161、人数予測モデル162、消費電力量推定モデル163の構築処理について説明する。図4は、一実施形態に係る学習部の機能の一例を示す図である。
前提として、時間Tn+1における空調機2Aの消費電力量の実績値、時間Tn+1より過去の時間T1~Tnにおける空調エリア1Aの人感センサの検出値、空調エリア1Aの利用予定スケジュールの記録は入手可能である。
学習部12は、過去の時間T1における空調エリア1Aの人感センサの検出値、利用予定スケジュール等(実績値)を人数推定モデル161に入力する。人数推定モデル161は、空調エリア1Aの時間T1の利用者人数を出力する。同様に学習部12は、過去の時間T2~Tnの人感センサの検出値等を各時間別に人数推定モデル161に入力する。人数推定モデル161は、時間T2~Tnそれぞれにおける空調エリア1Aの利用者人数を出力する。学習部12は、時間T1~Tnの利用者人数を人数予測モデル162へ入力する。人数予測モデル162は、未来の時間Tn+1における空調エリア1Aの利用者人数の予測値を出力する。学習部12は、時間Tn+1における空調エリア1Aの利用者人数の予測値を消費電力量推定モデル163へ入力する。消費電力量推定モデル163は、時間Tn+1に空調機2Aが消費する消費電力量の推定値を出力する。学習部12は、時間Tn+1における空調機2Aの消費電力量の実績値と、消費電力量推定モデル163が出力した消費電力量の推定値の差を算出し、その差が0となるように人数推定モデル161の係数や定数、人数予測モデル162の係数や定数、消費電力量推定モデル163の係数や定数を調整し、各モデルの適切なパラメータを学習する。
【0020】
上記した構築処理の流れを図5に示す。
図5は、一実施形態に係る各モデルの構築処理の一例を示すフローチャートである。
データ取得部11は、人数推定モデル161の入力パラメータを取得する(ステップS1)。例えば、データ取得部11は、空調エリア1Aの時間T1~Tnの人感センサの検出値、利用予約スケジュールなどの実績値を取得する。
次に学習部12は、人数推定モデル161に基づいて、過去の利用者人数を推定する(ステップS2)。例えば、学習部12は、ステップS1で取得した学習データを人数推定モデル161へ入力する。人数推定モデル161は、時間T1~Tnの利用者人数の推定値を出力する。
次に学習部12は、人数予測モデル162に基づいて、時間T1~Tnより未来の時間Tn+1の利用者人数を予測する(ステップS3)。例えば、学習部12は、ステップS2で推定した時間T1~Tnの利用者人数を人数予測モデル162へ入力する。人数予測モデル162は、時間Tn+1の利用者人数の予測値を出力する。
次に学習部12は、消費電力量推定モデル163に基づいて、未来の消費電力量を予測する(ステップS4)。例えば、学習部12は、ステップS3で予測した時間Tn+1の利用者人数を消費電力量推定モデル163へ入力する。消費電力量推定モデル163は、時間Tn+1における利用者人数の予測値を出力する。
次にデータ取得部11は、消費電力量推定モデル163の入力パラメータを取得する(ステップS5)。例えば、データ取得部11は、時間Tn+1における消費電力量の実績値を取得する。
次に学習部12は、人数推定モデル161と、人数予測モデル162と、消費電力量推定モデル163のパラメータを学習する(ステップS6)。学習部12は、ステップS4で予測した消費電力量の予測値と、ステップS5で取得された消費電力量の実績値との差を計算し、この差が0となるように人数推定モデル161、人数予測モデル162、消費電力量推定モデル163の各モデルのパラメータ(係数、定数)を調整する。例えば、学習部12は、式(1)のA1,A2,A3,・・・,B、式(2)のC1,C2,C3,・・・,Dの値を調整する。例えば、式(1)に関して、空調機2Aに複数の人感センサが設けられていて、そのうちの1つが故障している場合には、故障した人感センサに係る係数の値は小さく調整される。
これにより、各モデルを構築することができる。次に図6A図6Cを参照して、翌日の空調機2Aの消費電力量を予測する場合を例に消費電力量を予測する処理について説明する。
【0021】
(過去の利用者人数の推定)
図6Aは、一実施形態に係る人数推定処理の一例を示すフローチャートである。
まず、データ取得部11が、例えば、過去1~n週間前までの予測対象日(翌日)と同じ曜日の空調エリア1Aの人感センサの時間ごとの検出値、利用予約スケジュールを取得する(ステップS11)。次に人数推定部13は、1~n週間前の同じ日の利用者人数を推定する(ステップS12)。例えば、人数推定部13は、1~n週間前の時間ごとの人感センサの検出値を人数推定モデル161に入力する。人数推定モデル161は、1~n週間前の同じ日の時間ごとの利用者人数を出力する。これにより、過去の任意の時間に空調エリア1Aに存在した利用者人数の推定値を得ることができる。次に人数推定部13は、推定した人数を人数予測部14へ出力する(ステップS13)。
【0022】
(未来の利用者人数の予測)
図6Bは、一実施形態に係る人数予測処理の一例を示すフローチャートである。
人数予測部14は、人数推定部13が推定した1~n週間前の同じ日の時間ごとの利用者人数を取得する(ステップS21)。人数予測部14は、翌日の利用者人数を予測する(ステップS22)。例えば、人数予測部14は、1~n週間前の時間ごとの利用者人数を人数予測モデル162に入力する。人数予測モデル162は、翌日の時間ごとの利用者人数の予測値を出力する。これにより、未来の予測対象日における空調エリア1Aに存在する利用者人数の予測値を得ることができる。次に人数予測部14は、予測した利用者人数を消費電力量予測部15へ出力する(ステップS23)。
【0023】
(未来の消費電力量の予測)
図6Cは、一実施形態に係る消費電力量予測処理の一例を示すフローチャートである。
消費電力量予測部15は、人数予測部14が予測した翌日の時間ごとの利用者人数、翌日の時間ごとの気温や天気の予測値、過去の消費電力量の実績値などを入力パラメータとして取得する(ステップS31)。消費電力量予測部15は、翌日の時間ごとの空調機2Aの消費電力量を予測する(ステップS32)。例えば、消費電力量予測部15は、ステップS31で取得した各入力パラメータを消費電力量推定モデル163に入力する。消費電力量推定モデル163は、翌日の時間ごとの消費電力量の推定値を出力する。これにより、空調エリア1Aの空調に要する予測対象日の時間ごとの消費電力量の予測値を得ることができる。次に消費電力量予測部15は、予測した消費電力量を、空調機2Aの制御装置へ出力する(ステップS33)。例えば、空調機2Aの制御装置は、取得した翌日の時間ごとの消費電力量の予測値に基づいて翌日の運転計画を作成する。
【0024】
以上説明したように、予測システム10は、人数推定モデル161に基づいて過去の利用者人数を推定し、過去の利用者人数と人数予測モデル162に基づいて未来の利用者人数を予測する。これにより、予測システム10は、未来の利用者人数と消費電力量推定モデル163に基づいて空調機の消費電力量を予測することができる。また、実際に入手しやすいデータ、例えば、空調機が備える人感センサの検出値、勤怠データ、空調エリアの利用予約スケジュール、空調機の消費電力量を用いて、人数推定モデル161、人数予測モデル162、消費電力量推定モデル163を構築することができるので、空調機を設置した如何なる空調エリアでも予測システム10を導入することができる。
【0025】
なお、上記の実施例では、空調エリア1Aの時間ごとの利用者人数の予測に、過去の同じ曜日の同じ時間の利用者人数の推定値を用いることとしたが、直前n日の同じ時間の利用者人数の推定値を用いてもよいし、1~n年前の同日、同じ時間の利用者人数の推定値を用いてもよい。また、空調エリア1A~1Dの全エリアを対象に利用者人数や消費電力量を予測できるように各モデルを構築してもよい。また、室内機単位ではなく空調機(室外機)単位で消費電力量を予測するように各モデルを構築してもよい。また人数や消費電力量を予測する時間の単位は、1時間単位に限らず、3時間単位でもよいし、1日単位でもよい。
【0026】
図7は、一実施形態に係る予測システムのハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、入出力インタフェース904、通信インタフェース905を備える。
上述の予測システム10は、コンピュータ900に実装される。そして、上述した各機能は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、記憶領域を主記憶装置902に確保する。また、CPU901は、プログラムに従って、処理中のデータを記憶する記憶領域を補助記憶装置903に確保する。
【0027】
なお、予測システム10の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各機能部による処理を行ってもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、CD、DVD、USB等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ900に配信される場合、配信を受けたコンピュータ900が当該プログラムを主記憶装置902に展開し、上記処理を実行しても良い。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0028】
以上のとおり、本開示に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0029】
<付記>
各実施形態に記載の人数予測システム、人数推定システム、消費電力量予測システム、人数予測方法及びプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0030】
(1)第1の態様に係る人数予測システム(予測システム10)は、所定の時間に所定のエリア(空調エリア1A)に存在する利用者の人数に関する所定の変数の値(人感センサの検出値、勤怠データ、利用予約スケジュール)を取得して前記時間に前記エリアに存在する利用者の人数推定値を出力する人数推定モデル161と、前記人数推定モデル161が推定した複数の時間(時間T1~Tn)の前記人数推定値を取得して前記複数の時間よりも未来の予測対象時間(時間Tn+1)に前記エリアに存在する利用者の人数予測値を出力する人数予測モデル162と、前記予測対象時間における前記人数予測値を含む所定の変数(利用者人数、天気、気温、過去の消費電力量の実績値など)を取得して前記予測対象時間における空調機(例えば、空調機2A)の消費電力量の推定値を出力する消費電力量推定モデル163とを、前記消費電力量推定モデル163が出力した前記消費電力量の推定値が、前記予測対象時間における前記空調機の消費電力量の実績値となるように学習する学習部12と、学習済みの前記人数予測モデル162に基づいて、前記エリアに存在する利用者の人数を予測する人数予測部14と、を備える。
これにより、未来の利用者人数を精度よく予測することができる。
【0031】
(2)第2の態様に係る人数予測システム(予測システム10)は、(1)の人数予測システム(予測システム10)であって、前記人数予測モデル162は、前記複数の時間それぞれにおける前記人数推定値の線形結合モデル(式(2))によって前記人数を予測し、前記学習部12は、前記線形結合モデルのそれぞれの時間の前記人数推定値に係る係数(C、C・・・)を学習する。
【0032】
(3)第3の態様に係る人数予測システム(予測システム10)は、(1)~(2)の人数予測システム(予測システム10)であって、前記人数推定モデル161に入力する前記変数には、複数の人感センサの検出値が含まれ、前記学習部12は、前記人感センサごとの重みづけを学習する。
【0033】
(4)第4の態様に係る人数予測システム(予測システム10)は、(1)~(3)の人数予測システム(予測システム10)であって、前記人数推定モデル161に入力する前記変数には、人感センサと、前記エリアの利用予定情報とが含まれ、前記学習部12は、前記変数ごとの重みづけを学習する。
【0034】
(5)第5の態様に係る人数予測システム(予測システム10)は、(1)~(4)の人数予測システム(予測システム10)であって、学習済みの前記人数推定モデル161に基づいて、前記エリアに存在する利用者の人数を推定する人数推定部13、をさらに備える。
これにより、未来の人数予測に必要な過去の人数推定値を得ることができる。
【0035】
(6)第6の態様に係る人数推定システム(予測システム10)は、所定の時間に所定のエリア(空調エリア1A)に存在する利用者の人数に関する所定の変数の値(人感センサの検出値、勤怠データ、利用予約スケジュール)を取得して前記時間に前記エリアに存在する利用者の人数推定値を出力する人数推定モデル161と、前記人数推定モデル161が推定した複数の時間(時間T1~Tn)の前記人数推定値を取得して前記複数の時間よりも未来の時間(時間Tn+1)に前記エリアに存在する利用者の人数予測値を出力する人数予測モデル162と、前記未来の時間における前記人数予測値を含む所定の変数(利用者人数、天気、気温、過去の消費電力量の実績値など)を取得して前記未来の時間における空調機(例えば、空調機2A)の消費電力量の推定値を出力する消費電力量推定モデル163とを、前記消費電力量推定モデル163が出力した前記消費電力量の推定値が、前記未来の時間における前記空調機の消費電力量の実績値となるように学習する学習部12と、学習済みの前記人数推定モデル161に基づいて、前記エリアに存在する利用者の人数を推定する人数推定部13と、を備える。
これにより、利用者の人数に関する所定の変数の値を入手することができるに任意の時間の利用者人数を推定することができる。また、利用者の人数に関する所定の変数の値と、未来の時間における空調機の消費電力量の実績値を入手することができれば、人数推定モデル161と、人数予測モデル162と、消費電力量推定モデル163を構築することができる。
【0036】
(7)第7の態様に係る消費電力量システム(予測システム10)は、所定の時間に所定のエリア(空調エリア1A)に存在する利用者の人数に関する所定の変数の値(人感センサの検出値、勤怠データ、利用予約スケジュール)を取得して前記時間に前記エリアに存在する利用者の人数推定値を出力する人数推定モデル161と、前記人数推定モデル161が推定した複数の時間(時間T1~Tn)の前記人数推定値を取得して前記複数の時間よりも未来の時間(時間Tn+1)に前記エリアに存在する利用者の人数予測値を出力する人数予測モデル162と、前記未来の時間における前記人数予測値を含む所定の変数(利用者人数、天気、気温、過去の消費電力量の実績値など)を取得して前記未来の時間における空調機(例えば、空調機2A)の消費電力量の推定値を出力する消費電力量推定モデル163とを、前記消費電力量推定モデル163が出力した前記消費電力量の推定値が、前記未来の時間における前記空調機の消費電力量の実績値となるように学習する学習部12と、学習済みの前記人数予測モデルに基づいて、前記エリアに存在する利用者の人数を予測する人数予測部14と、予測された前記利用者の人数と、学習済みの前記消費電力量推定モデルと、に基づいて前記空調機の消費電力量を予測する消費電力量予測部15と、を備える。
これにより、空調機の消費電力量の予測を高精度に行うことができる。また、利用者の人数に関する所定の変数の値と、未来の時間における空調機の消費電力量の実績値を入手することができれば、人数推定モデル161と、人数予測モデル162と、消費電力量推定モデル163を構築することができる。
【0037】
(8)第8の態様に係る人数予測方法は、所定の時間に所定のエリアに存在する利用者の人数に関する所定の変数の値を取得して前記時間に前記エリアに存在する利用者の人数推定値を出力する人数推定モデルと、前記人数推定モデルが推定した複数の時間の前記人数推定値を取得して前記複数の時間よりも未来の予測対象時間に前記エリアに存在する利用者の人数予測値を出力する人数予測モデルと、前記予測対象時間における前記人数予測値を含む所定の変数を取得して前記予測対象時間における空調機の消費電力量の推定値を出力する消費電力量推定モデルとを、前記消費電力量推定モデルが出力した前記消費電力量の推定値が、前記予測対象時間における前記空調機の消費電力の実績値となるように学習するステップと、学習済みの前記人数予測モデルに基づいて、前記エリアに存在する利用者の人数を予測するステップと、を有する。
【0038】
(9)第9の態様に係るプログラムは、コンピュータ900に、所定の時間に所定のエリアに存在する利用者の人数に関する所定の変数の値を取得して前記時間に前記エリアに存在する利用者の人数推定値を出力する人数推定モデルと、前記人数推定モデルが推定した複数の時間の前記人数推定値を取得して前記複数の時間よりも未来の予測対象時間に前記エリアに存在する利用者の人数予測値を出力する人数予測モデルと、前記予測対象時間における前記人数予測値を含む所定の変数を取得して前記予測対象時間における空調機の消費電力量の推定値を出力する消費電力量推定モデルとを、前記消費電力量推定モデルが出力した前記消費電力量の推定値が、前記予測対象時間における前記空調機の消費電力の実績値となるように学習するステップと、学習済みの前記人数予測モデルに基づいて、前記エリアに存在する利用者の人数を予測するステップと、を実行させる。
【符号の説明】
【0039】
10・・・予測システム
11・・・データ取得部
12・・・学習部
13・・・人数推定部
14・・・人数予測部
15・・・消費電力量予測部
16・・・記憶部
161・・・人数推定モデル
162・・・人数予測モデル
163・・・消費電力量推定モデル
900・・・コンピュータ
901・・・CPU
902・・・主記憶装置
903・・・補助記憶装置
904・・・入出力インタフェース
905・・・通信インタフェース
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7