IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NTN株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-保持器及び玉軸受 図1
  • 特許-保持器及び玉軸受 図2
  • 特許-保持器及び玉軸受 図3
  • 特許-保持器及び玉軸受 図4
  • 特許-保持器及び玉軸受 図5
  • 特許-保持器及び玉軸受 図6
  • 特許-保持器及び玉軸受 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】保持器及び玉軸受
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/41 20060101AFI20241122BHJP
   F16C 33/44 20060101ALI20241122BHJP
   F16C 19/06 20060101ALI20241122BHJP
   B29C 45/27 20060101ALI20241122BHJP
   B29C 33/42 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
F16C33/41
F16C33/44
F16C19/06
B29C45/27
B29C33/42
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021034476
(22)【出願日】2021-03-04
(65)【公開番号】P2022134949
(43)【公開日】2022-09-15
【審査請求日】2024-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100127340
【弁理士】
【氏名又は名称】飛永 充啓
(72)【発明者】
【氏名】中尾 吾朗
【審査官】藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-236363(JP,A)
【文献】特開2019-199915(JP,A)
【文献】特開2016-169766(JP,A)
【文献】実開平06-059627(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 33/41
F16C 33/44
F16C 19/06
B29C 45/27
B29C 33/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円環状に延びるリング部と、前記リング部から円周方向に均等間隔で軸方向一方側に突き出ている複数のつの部とが合成樹脂の射出成形によって一体に形成され、円周方向に隣り合う前記つの部と前記リング部とで三方から囲まれたポケットに転動体を収容する保持器において、
前記リング部は、前記ポケットの中で最も軸方向他方側の位置を規定するポケット底を有し、
前記つの部は、円周方向に隣り合う前記ポケット同士の間に亘って円周方向に連なりかつ前記リング部まで軸方向に連なる基肉と、互いに円周方向に離れた位置で前記基肉から軸方向一方側に突き出ている対の爪とを有し、前記爪は、前記ポケットに面するポケット内面と、前記ポケット内面に対して円周方向に反対側に位置する対向面とを有し、前記基肉は、前記対の爪をそれぞれ前記リング部に軸方向に接続する対の繋ぎ部と、前記対の繋ぎ部同士を円周方向に接続する中間部とを有し、
前記射出成形で形成されたウェルドは、前記爪と、当該爪に軸方向に連なる前記繋ぎ部と、この繋ぎ部に軸方向に連なる前記リング部の円周方向領域とからなる樹脂領域に配置されており、
前記リング部の中心軸を含む仮想平面に基づいて前記ウェルドを有する前記樹脂領域の外周での当該ウェルドと前記ポケット内面の位置関係を考えたとき、当該ウェルドは、当該ポケット内面の中で前記基肉との境界点を含む前記仮想平面から当該ポケット内面側にはみ出ないように配置されていることを特徴とする保持器。
【請求項2】
前記爪の前記対向面は、当該爪に軸方向に連なる前記繋ぎ部に対して軸方向一方側に寄った位置から当該繋ぎ部まで軸方向他方側に向かって前記ポケット内面より遠ざかる方に曲がる隅面部を有し、
前記リング部の中心軸を含む仮想平面に基づいて前記ウェルドを有する前記樹脂領域の外周での当該ウェルドと前記隅面部の位置関係を考えたとき、当該ウェルドは、当該隅面部の中で円周方向に最も前記ポケットに近い一点を含む前記仮想平面から当該隅面部側にはみ出ないように配置されている請求項1に記載の保持器。
【請求項3】
前記リング部の中心軸を含む仮想平面で切断した片側樹脂断面を考えたとき、前記ポケット底を含む前記片側樹脂断面の断面積をA1とし、前記中間部を含む任意の円周方向位置の前記片側樹脂断面の中で前記リング部及び前記中間部が成す最小の断面積をA2とすると、断面積A2は、断面積A1の3倍未満になっている請求項1又は2に記載の保持器。
【請求項4】
前記断面積A2は、前記断面積A1の2倍以下になっている請求項に記載の保持器。
【請求項5】
前記つの部は、前記対の爪同士の間に突き出ているイジェクト軸を有する請求項1からのいずれか1項に記載の保持器。
【請求項6】
前記合成樹脂として熱可塑性樹脂が使用されている請求項1からのいずれか1項に記載の保持器。
【請求項7】
前記合成樹脂として熱硬化性樹脂が使用されている請求項1からのいずれか1項に記載の保持器。
【請求項8】
前記射出成形によるゲート痕は、前記リング部及び前記複数のつの部の内径又は外径を成す表面に配置されている請求項1からのいずれか1項に記載の保持器。
【請求項9】
請求項1からのいずれか1項に記載の保持器と、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に配置された状態で前記ポケットに収容された複数の前記転動体とを備える玉軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、合成樹脂を金型に射出することによって一体に成形された保持器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の保持器として、円環状に延びるリング部と、リング部から円周方向に均等間隔で軸方向一方側に突き出ている複数のつの部とが一体に射出成形されたものがある。円周方向に隣り合うつの部とリング部とで三方から囲まれたポケットは、転動体を収容するための空間として使用される。これら転動体及び保持器は、転がり軸受を構成する軸受部品である。ポケットに収容された転動体は、転がり軸受の内外の軌道間に介在する。
【0003】
玉軸受に備わる保持器においては、玉軸受の高速化に伴い、前述のつの部が遠心力によって変形させられることを抑制するための対策が取られている。その対策として、つの部において凹状空間を形成するように対の爪を軸方向一方側へ突出させることにより、つの部の体積を減少させることが行われている。このため、それら爪の根元同士の間を繋ぐ凹底面が位置する円周方向領域においては、つの部とリング部を成す樹脂部の断面積が減少している(例えば、特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-46069号公報
【文献】特開2015-197210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
射出成形された保持器には、金型内に射出された溶融樹脂同士の合流部であるウェルドが存在する。ウェルドでは、合流した溶融樹脂同士が完全に混ざり合わずに固化するため、比較的強度が弱くなる。特許文献1,2の保持器では、ウェルドがリング部のポケット底付近や、つの部の凹底面上に配置されている。
【0006】
しかしながら、保持器の片側樹脂部断面積は、ポケット底を含む断面のところで最小になるから、ポケット底付近にウェルドを配置することは好ましくない。
【0007】
また、つの部の凹底面上にウェルドを配置すると、ウェルドでの樹脂配向が樹脂流れ方向に対し垂直方向になり、ウェルドの強度が低下する。つまり、合流部の境界(ウェルドライン)がはっきりしたウェルドになり、ウェルドから破れ易くなる。ウェルドでの強度低下を考慮すると、高速回転時、ポケット底上の最小断面部に対して、ウェルドを含む凹底面上の断面部の強度が不足する可能性がある。特に、合成樹脂が高強度のものである程、ウェルドの強度低下が大きくなる傾向があり、ウェルドの強度が著しく低下するので、強度不足の可能性が高まる。
【0008】
そこで、この発明が解決しようとする課題は、つの部とリング部が合成樹脂で一体に成形された保持器において、遠心力によるつの部の変形を抑制することと、ウェルドの強度低下を抑制することを両立させることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を達成するため、この発明は、円環状に延びるリング部と、前記リング部から円周方向に均等間隔で軸方向一方側に突き出ている複数のつの部とが合成樹脂の射出成形によって一体に形成され、円周方向に隣り合う前記つの部と前記リング部とで三方から囲まれたポケットに転動体を収容する保持器において、前記リング部は、前記ポケットの中で最も軸方向他方側の位置を規定するポケット底を有し、前記つの部は、円周方向に隣り合う前記ポケット同士の間に亘って円周方向に連なりかつ前記リング部まで軸方向に連なる基肉と、互いに円周方向に離れた位置で前記基肉から軸方向一方側に突き出ている対の爪とを有し、前記爪は、前記ポケットに面するポケット内面と、前記ポケット内面に対して円周方向に反対側に位置する対向面とを有し、前記基肉は、前記対の爪をそれぞれ前記リング部に軸方向に接続する対の繋ぎ部と、前記対の繋ぎ部同士を円周方向に接続する中間部とを有し、前記射出成形で形成されたウェルドは、前記爪と、当該爪に軸方向に連なる前記繋ぎ部と、この繋ぎ部に軸方向に連なる前記リング部の円周方向領域とからなる樹脂領域に配置されている構成を採用した。
【0010】
上記構成によれば、つの部が有する対の爪の互いの対向面同士の間を凹状空間として、つの部の体積を減らし、遠心力によるつの部の変形を抑制することができる。また、射出成形に際し、円周方向一方側から他方側へ流れる溶融樹脂は、ポケット底を成形する充填領域を通過してから、また、円周方向他方側から一方側へ流れる溶融樹脂は、つの部の基肉の中間部を成形する充填空間を通過してから、爪と基肉の繋ぎ部とリング部とを一連に成形する幅広な充填空間で合流してウェルドを形成する。この幅広な充填空間は、爪のポケット内面と対向面を成形するために断面積が軸方向に著しく拡大する充填空間であるから、樹脂流れが乱れ易く、固化した樹脂領域ではっきりとしたウェルドになりにくく、ウェルドの強度低下を抑制することに有効であると共に、また、ウェルドが樹脂流れに対し垂直方向とならず斜め方向になってウェルド断面も大きくなるため、ウェルドの強度を増すことに有効である。これにより、ウェルドの強度低下を抑制することもできる。
【0011】
好ましくは、前記爪の前記対向面は、当該爪に軸方向に連なる前記繋ぎ部に対して軸方向一方側に寄った位置から当該繋ぎ部まで軸方向他方側に向かって前記ポケット内面より遠ざかる方に曲がる隅面部を有し、前記リング部の中心軸を含む仮想平面に基づいて前記ウェルドを有する前記樹脂領域の外周での当該ウェルドと前記隅面部の位置関係を考えたとき、当該ウェルドは、当該隅面部の中で円周方向に最も前記ポケットに近い一点を含む前記仮想平面から当該隅面部側にはみ出ないように配置されているとよい。このようにすると、隅面部により、爪の根元の応力集中を緩和することができ、また、応力が比較的高くなる隅面部を避けてウェルドを形成することができる。
【0012】
また、前記リング部の中心軸を含む仮想平面に基づいて前記ウェルドを有する前記樹脂領域の外周での当該ウェルドと前記ポケット内面の位置関係を考えたとき、当該ウェルドは、当該ポケット内面の中で前記基肉との境界点を含む前記仮想平面から当該ポケット内面側にはみ出ないように配置されているとよい。ウェルドは、保持器の内外周間の周長差から樹脂領域の外周で長くなる。その外周での爪のポケット内面と基肉の境界点は、その外周での爪の基端であるから、ここを過ぎると、上述の断面積が軸方向に著しく拡大する。したがって、ウェルドが比較的長くなる樹脂領域の外周においてウェルドを不鮮明化して強度低下を抑制することができる。
【0013】
また、前記リング部の中心軸を含む仮想平面で切断した片側樹脂断面を考えたとき、前記ポケット底を含む前記片側樹脂断面の断面積をA1とし、前記中間部を含む任意の円周方向位置の前記片側樹脂断面の中で前記リング部及び前記中間部が成す最小の断面積をA2とすると、断面積A2は、断面積A1の3倍未満になっているとよい。これにより、断面積A2を減らして、つの部の体積減少を図ることが可能である。
【0014】
前記断面積A2は、前記断面積A1の2倍以下になっているとよい。これにより、つの部の一層の体積減少を図ることができる。
【0015】
また、前記つの部は、前記対の爪同士の間に突き出ているイジェクト軸を有してもよい。対の爪同士の間の凹底付近が狭い場合、金型からイジェクトする際に保持器を突き出すイジェクトピンが爪の対向面に干渉し、基肉の中間部を適切に突くことができない。対の爪同士の間に突き出ているイジェクト軸を成形すれば、イジェクトピンをイジェクト軸に突き当てて保持器をイジェクトすることができる。このため、保持器の外径が小さい場合にも、この発明を適用することが可能である。
【0016】
前記合成樹脂の種類は特に限定されない。例えば、前記合成樹脂として熱可塑性樹脂を使用してもよいし、熱硬化性樹脂を使用してもよい。
【0017】
射出成形時のゲートの位置、すなわち、保持器に形成されたゲート痕は、例えば、前記リング部及び前記複数のつの部の内径又は外径を成す表面に配置することができる。
【0018】
この発明に係る保持器と、内輪と、外輪と、前記内輪の軌道と前記外輪の軌道との間に配置された前記複数の転動体とを備える玉軸受は、つの部の変形抑制とウェルドの強度低下の抑制により、高速回転に好適なものとなる。
【発明の効果】
【0019】
上述のように、この発明は、上記構成の採用により、つの部とリング部が合成樹脂で一体に成形された保持器において、遠心力によるつの部の変形を抑制することと、ウェルドの強度低下を抑制することを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】この発明の第一実施形態に係る保持器のポケット付近を径方向外側から示す拡大正面図
図2】この発明の第一実施形態に係る玉軸受を示す断面図
図3図1の保持器を軸方向一方側から示す斜視図
図4図1の保持器の軸方向一方側の側面図
図5図4に示すV-V線の断面図
図6】この発明の第二実施形態に係る保持器の軸方向一方側の部分側面図
図7図6の保持器の図5相当の切断面を示す部分拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の一例としての第一実施形態を添付図面の図1図5に基づいて説明する。
【0022】
図1~5に示す保持器1は、内輪2と外輪3との間に配置された複数の転動体4を円周方向に均等に配置するための軸受部品である。複数の転動体4は、内輪2に形成された内方の軌道5と、外輪3に形成された外方の軌道6との間に円周方向に一列に介在する。転動体4は、玉からなる。
【0023】
図2において、保持器1、内輪2及び外輪3のそれぞれの中心軸(図示省略)は同軸に配置されており、玉軸受の設計上の回転中心である軸受中心軸に相当する。以下、保持器1の中心軸を単に「中心軸」という。
【0024】
ここで、軸方向とは、中心軸に沿った方向のことをいう。また、軸方向一方側とは、軸方向の一方向のことをいい、図2において左側である。また、軸方向他方側とは、前記一方向とは逆方向のことをいい、図2において右側である。また、径方向とは、中心軸と直交する方向のことをいう。また、径方向外側とは、径方向に中心軸から遠ざかる方向のことをいい、図2においては、上方側である。また、径方向内側とは、径方向に中心軸に接近する方向のことをいい、図2においては、下方側である。また、円周方向とは、中心軸周りに一周する円周に沿った方向のことをいう。また、中心軸に直交する仮想平面を「ラジアル平面」という。また、中心軸を含む仮想平面を「アキシアル平面」という。
【0025】
図3図5に示すように、保持器1は、円環状に延びるリング部7と、リング部7から円周方向に均等間隔で軸方向一方側に突き出ている複数のつの部8とが合成樹脂の射出成形によって一体に形成された成形品からなる。保持器1の全部が射出成形によって形成されている。
【0026】
その合成樹脂は、射出成形可能な樹脂であれば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよく、結晶性樹脂、非結晶性樹脂のいずれの樹脂を使用してもよい。また、合成樹脂は、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を主成分とし、適宜、他の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ゴム、ガラス繊維、炭素繊維、カーボンブラック、黒鉛等を添加したものであってもよい。
【0027】
リング部7は、円周方向全周に連続する樹脂部からなる。つの部8は、リング部7の軸方向一方側から中空に突き出た片持ちの樹脂部からなる。
【0028】
リング部7の外径面と内径面は、それぞれ円周方向に延びる円筒面状になっている。つの部8の外径面と内径面は、それぞれリング部7の外径面又は内径面と同一面状になっている。保持器1の外径と内径は、それぞれリング部7及び複数のつの部8に外接又は内接する仮想円筒面の直径に相当する。
【0029】
リング部7は、保持器1の軸方向一方側の側面に露出する複数のポケット底9を有する。ポケット底9は、同一円周上に円周方向に均等間隔で存在する。これらポケット底9は、リング部7の中で最も軸方向一方側に位置する部位となる。リング部7は、保持器1の最も軸方向他方側の端に位置する他方端面を有する。リング部7の他方端面は、円周方向全周に亘って径方向に沿った平坦面状になっている。保持器1の軸方向他方側の側面は、リング部7からなる。
【0030】
図1図5において、一点鎖線L1~L4は、それぞれラジアル平面を示し、一点鎖線L5~L7は、それぞれアキシアル平面を示す。図1図5に示すラジアル平面L1は、リング部7のポケット底9に軸方向に接する位置にある。図1に示すラジアル平面L2は、リング部7の他方端面に軸方向に接する位置にある。図1に示すラジアル平面L3は、つの部8の中で最も軸方向一方側の部位に軸方向に接する位置にある。
【0031】
図1図5に示すように、リング部7を構成する樹脂部は、ラジアル平面L1とラジアル平面L2間の軸方向領域B1に存在し、かつこの軸方向領域B1において円周方向全周に連続している。
【0032】
つの部8を構成する樹脂部は、ラジアル平面L1とラジアル平面L3間の軸方向領域B2に存在し、かつこの軸方向領域B2において円周方向全周に連続していない。
【0033】
つの部8は、リング部7に軸方向に連なる基肉10と、基肉10から軸方向一方側に突き出ている対の爪11a,11bとを有する。
【0034】
保持器1は、円周方向に隣り合うつの部8,8とリング部7とで三方から囲まれたポケット12に転動体4を収容する。ポケット12は、径方向外側、径方向内側及び軸方向一方側に開口した空間である。ポケット12は、複数のつの部8の個数Nと同数だけ形成される。各ポケット12に一つの転動体4が収容される。保持器1は、その中心軸に関してN回の回転対称性をもった形状になっている。
【0035】
ポケット12は、保持器1の外径面と内径面間を径方向に貫通しているが、その径方向外側の開口と径方向内側の開口は、転動体4を径方向に通過させることができない口径になっている。保持器1は、複数のつの部8を弾性変形させてポケット12の軸方向一方側の開口を円周方向に広げることにより、内外の軌道5,6間に配置された複数の転動体4を複数のポケット12に収容することが可能な冠形保持器になっている。
【0036】
ポケット12を形成する樹脂表面は、概ね仮想球面に沿う形状になっており、転動体4との間のポケットすきまを規定する接触領域を含む。保持器1と転動体4は、ポケットすきまの範囲内で相対的に自由に動き得る。その仮想球面の中心は、複数の転動体4のピッチ円直径上に配列された転動体4の中心に一致する。ポケット12を形成する樹脂表面は、その中心と中心軸を含む仮想平面に関して面対称状になっている。
【0037】
内外の軌道5,6間に介在する状態の転動体4に対して対の爪11a,11bを爪先から軸方向に押し付けることにより、各爪11a,11bが弾性変形させられてポケット12の軸方向一方側の開口が拡がり、転動体4が隣り合うつの部8、8同士の間に入り込む。
【0038】
リング部7のポケット底9は、ポケット12の中で最も軸方向他方側の位置を規定する。すなわち、ポケット底9は、ポケット12を形成する樹脂表面の中で、最も軸方向他方側の部位である。上述の仮想球面の球径Dを図1に示す。ポケット底9は、球径Dの一端に位置する。
【0039】
つの部8の基肉10は、円周方向に隣り合うポケット12,12同士の間に亘って円周方向に連なる樹脂部からなる。対の爪11a,11bは、互いに円周方向に離れた第一の爪11aと第二の爪11bとからなる。各爪11a,11bは、基肉10の軸方向一方側から中空に突き出た片持ちの樹脂部からなる。
【0040】
つの部8の対の爪11a,11b同士の間には、爪先から軸方向他方側に深さをもった凹状空間が形成されている。これにより、その凹状空間を樹脂部で満たした場合に比して、つの部8の体積が減少させられている。つの部8の体積減少により、保持器1の回転時につの部8に作用する遠心力が小さくなり、遠心力によるつの部8の変形が抑制される。
【0041】
基肉10は、対の爪11a,11bをそれぞれリング部7に軸方向に接続する対の繋ぎ部10a,10bと、対の繋ぎ部10a,10b同士を円周方向に接続する中間部10cとからなる。
【0042】
各爪11a,11bは、ポケット12に面するポケット内面13と、ポケット内面13に対して円周方向に反対側に位置する対向面14とを有する。
【0043】
ポケット12を形成する樹脂表面は、隣り合うつの部8,8のうち、第一のつの部8が有する第一の爪11aのポケット内面13と、第二のつの部8が有する第二の爪11bのポケット内面13と、リング部7のポケット底9とからなる。そのポケット底9は、点状になっており、それら第一、第二の爪11a,11bのポケット内面13,13は、ポケット12を形成する樹脂表面のうち、ポケット底9以外の全部を成している。
【0044】
各爪11a,11bの対向面14は、当該爪11a,11bに軸方向に連なる繋ぎ部10a,10bに対して軸方向一方側に寄った位置から当該繋ぎ部10a,10bまで軸方向他方側に向かってポケット内面13より遠ざかる方に曲がる隅面部15と、当該隅面部15から軸方向一方側に向かってポケット内面13に接近する方に曲がる曲面部16とを有する。隅面部15と曲面部16の境界は変曲部になっている。各爪11a,11bの円周方向幅は、各爪11a,11bの根元で最大になっており、その爪先に向かう程に小さくなっている。
【0045】
基肉10の中間部10cは、対の爪11a,11bの根元同士を円周方向に繋ぐ凹底面17を有する。凹底面17は、保持器1の軸方向一方側の側面において露出している。凹底面17は、円周方向及び径方向に沿った平坦面状になっている。
【0046】
ラジアル平面L4は、保持器1の外径面における各爪11a,11bの根元を含む位置にある。すなわち、ラジアル平面L4は、保持器1の外径面におけるポケット内面13と基肉10の境界に位置する。また、ラジアル平面L4は、凹底面17に軸方向に接する位置にある。
【0047】
基肉10を構成する樹脂部は、ラジアル平面L1とラジアル平面L4間の軸方向領域B3に存在し、円周方向に隣り合うポケット12間に亘って円周方向に連続している。各爪11a,11bを構成する各樹脂部は、ラジアル平面L3とラジアル平面L4間の軸方向領域B4に存在し、円周方向に隣り合う爪11a,11b同士の間で円周方向に非連続になっている。
【0048】
アキシアル平面L5は、保持器1の外径面における凹底面17と隅面部15の境界点P1を含む位置にある。図1に示すアキシアル平面L6は、保持器1の外径面におけるポケット内面13と基肉10の境界点P2を含む位置にある。
【0049】
各繋ぎ部10a,10bは、保持器1の外径面において、対応のアキシアル平面L5とアキシアル平面L6間の領域(すなわち接続相手の爪11a又は爪11bの円周方向幅に対応する。)、かつ軸方向領域B3に該当する区画の樹脂表面を成している。各中間部10cは、保持器1の外径面において、円周方向に隣り合うアキシアル平面L5,L5同士の間の領域(すなわち対の繋ぎ部10a,10b間の円周方向距離に対応する。)、かつ軸方向領域B3に該当する区画の樹脂表面を成している。
【0050】
保持器1の任意の円周方向位置上をアキシアル平面で切断したときの片側樹脂断面を考えると、全周連続部であるリング部7は、どの円周方向位置の片側樹脂断面においても同一部位を占める。
【0051】
ここで、片側樹脂断面とは、アキシアル平面で保持器1の外径と中心軸間の径方向範囲を切断したときの樹脂部断面のことをいう。
【0052】
ポケット底9を含むアキシアル平面で切断した片側樹脂断面の断面積をA1とする。断面積A1の片側樹脂断面は、図2に示された保持器1の樹脂断面、図5に示された保持器1の下側部における樹脂断面に相当する。断面積A1は、保持器1の任意の片側樹脂断面の中で最小の断面積になっている。
【0053】
中間部10cを含む任意の円周方向位置の片側樹脂断面の中でリング部7及び中間部10cが成す最小の断面積をA2とする。最小の断面積A2となる片側樹脂断面は、図5に示された保持器1の上側部における片側樹脂断面に相当する。
【0054】
中間部10cを軸方向に薄くしてつの部8の体積減少を図るため、断面積A2は、断面積A1の3倍未満になっている。特に、図示例において、断面積A2は、断面積A1の2倍以下になっている。
【0055】
図4において、合成樹脂を射出するゲートGの円周方向位置を径方向の矢線で示し、射出成形で保持器1に形成されたウェルドWの円周方向位置を径方向の矢線で示す。保持器1が金型からイジェクトされる際にゲートG内の樹脂とせん断されることにより、保持器1には、ゲートGの位置にゲート痕が形成される。ゲートGに対応のゲート痕は、保持器1の外径面又は内径面のいずれに配置してもよい。
【0056】
ウェルドWは、図5の上側に示す断面積A2の片側樹脂断面と、同図の下側に示す断面積A1の片側樹脂断面から外れたところに配置されている。
【0057】
図1に示すように、一か所の爪11a(或いは11b)と、当該一か所の爪11a(或いは11b)に軸方向に連なる一か所の繋ぎ部10a(或いは10b)と、この一か所の繋ぎ部10a(或いは10b)に軸方向に連なるリング部7の円周方向領域とからなる樹脂領域を考える。このような樹脂領域は、保持器1が有する爪11a,11bの数と同数だけ存在しており、保持器1において円周方向に均等に分布している。保持器1の外径面において、一か所の樹脂領域の外周が占める区画は、図1の例で考えると、円周方向に関して、隣り合うアキシアル平面L5とアキシアル平面L6間の範囲であり、かつ軸方向に関して、ラジアル平面L2とラジアル平面L3間の範囲(軸方向領域B1及びB2)である。
【0058】
保持器1の外径面におけるウェルドWの概略的なラインを図1において二点鎖線で示す。ウェルドWを有する樹脂領域の外周において、ウェルドWは、円周方向に関して、隣り合うアキシアル平面L5とアキシアル平面L6間の範囲に配置されている。
【0059】
ウェルドWを有する樹脂領域の外周での当該ウェルドWと当該隅面部15の位置関係を考えると、当該ウェルドWは、当該隅面部15の中で円周方向に最もポケット12に近い一点P3を含むアキシアル平面L7から当該隅面部15側にはみ出ないように配置されている。一点P3は、保持器1の外径面における隅面部15と曲面部16の境界点になっている。ウェルドWは、隅面部15から円周方向及び軸方向に離れている。
【0060】
また、ウェルドWを有する樹脂領域の外周での当該ウェルドWと当該ポケット内面13の位置関係を考えると、当該ウェルドWは、当該ポケット内面13の中で基肉10との境界点P2を含むアキシアル平面L6から当該ポケット内面13側にはみ出ないように配置されている。ウェルドWは、ポケット底9からD/4以上離れている。
【0061】
ゲートGの位置や数、ウェルドWの位置や数は、保持器1に形成される全てのウェルドWがウェルドWごとにいずれか一か所の樹脂領域に配置されるように適宜に設定すればよい。ゲートGの数とウェルドWの数は、ポケット12の数Nが偶数か奇数かに応じて適宜に決定すればよい。ウェルドWの数は、少ない程よい。
【0062】
図示例では、ポケット12の数Nが9である。このため、少なくとも二点のゲートGを配置し、各ゲートG,G間に一か所ずつウェルドWを配置しなければ、上述の樹脂領域にウェルドWを形成することができない。ポケット12の数Nが奇数である場合、図4に示すように、互いに円周方向に離れた二か所にそれぞれゲートGを配置し、第一位置のゲートGから第二位置のゲートGまで右回りに進む方のゲートG,G間に第一のウェルドWを形成し、第一位置のゲートGから第二位置のゲートGまで左回りに進む方のゲートG,G間に第二のウェルドWを形成することができる。つまり、保持器1は、互いに円周方向に離れた二か所のゲート痕及びウェルドWを有するものとなる。
【0063】
保持器1のポケット12の数Nを偶数に変更する場合、円周方向の一か所にだけゲートGを配置して、ウェルドWをゲートGと180°反対側の位置に形成することができる。つまり、保持器1は、一か所のゲート痕及びウェルドWを有するものとなる。
【0064】
図1に示すように、保持器1は、つの部8が円周方向に隣り合うポケット12,12同士の間に亘って円周方向に連なりかつリング部7まで軸方向に連なる基肉10と、互いに円周方向に離れた位置で基肉10から軸方向一方側に突き出ている対の爪11a,11bとを有し、各爪11a,11bがポケット12に面するポケット内面13と、ポケット内面13に対して円周方向に反対側に位置する対向面14とを有し、基肉10が対の爪11a,11bをそれぞれリング部7に軸方向に接続する対の繋ぎ部10a,10bと、対の繋ぎ部10a,10b同士を円周方向に接続する中間部10cとを有するため、つの部8が有する対の爪11a,11bの互いの対向面14,14同士の間を凹状空間として、つの部8の体積を減らし、遠心力によるつの部8の変形を抑制することができる。
【0065】
加えて、保持器1は、リング部7がポケット12の中で最も軸方向他方側の位置を規定するポケット底9を有し、射出成形で形成されたウェルドWが爪11aと、当該爪11aに軸方向に連なる繋ぎ部10aと、この繋ぎ部10aに軸方向に連なるリング部7の円周方向領域とからなる樹脂領域に配置されているものであるから、ウェルドWの強度低下を抑制することができる。すなわち、保持器1の射出成形に際し、ウェルドWの周辺の樹脂流れは、図1に複数の矢線で概念的に示すような傾向となる。リング部7を成形する充填空間を円周方向一方側から円周方向他方側へ流れる溶融樹脂を第一の樹脂流れ(図1において左側から右側へ向かう流れ)とし、リング部7を成形する充填空間を円周方向他方側から円周方向一方側へ流れる溶融樹脂を第二の樹脂流れ(図1において右側から左側へ向かう流れ)とすると、第一の樹脂流れは、爪11bを成形する充填空間に分流し、また、ポケット底9付近を形成する転写面にぶつかり、断面積A1の充填空間を通過してから爪11aを成形する充填空間に至ることになる。これに対し、第二の樹脂流れは、中間部10cを成形する断面積A2の充填空間を通過してから、爪11bを成形する充填空間に分流し、ポケット底9付近を形成する転写面にぶつかり、また、爪11a、繋ぎ部10a及びリング部7(上述の樹脂領域)を一連に成形する幅広な充填空間において第一の樹脂流れと合流することになる。このため、第一の樹脂流れと第二の樹脂流れは、爪11bや爪11aを成形する充填空間付近で遅くなり、また、流れを乱す傾向がある一方、第一の樹脂流れは、リング部7の他方端面の転写面付近で第二の樹脂流れに対して比較的速くなる傾向がある。このような第一の樹脂流れと第二の樹脂流れが、爪11aのポケット内面13と対向面14を成形するために断面積が軸方向に著しく拡大する充填空間で合流するから、樹脂流れが乱れて混ざり易く、固化した樹脂領域ではっきりとしたウェルドWになりにくくなり、また、ウェルドWが樹脂流れに対し垂直方向とならず斜め方向になる傾向に形成されるため、ウェルド断面も大きくなる。従って、保持器1は、ウェルドWの強度を増してウェルドWの強度低下を抑制することができる。
【0066】
また、保持器1は、爪11aの対向面14が当該爪11aに軸方向に連なる繋ぎ部10aに対して軸方向一方側に寄った位置から当該繋ぎ部10aまで軸方向他方側に向かってポケット内面13より遠ざかる方に曲がる隅面部15を有し、リング部7の中心軸を含む仮想平面(アキシアル平面)に基づいてウェルドWを有する樹脂領域の外周での当該ウェルドWと隅面部15の位置関係を考えたとき、当該ウェルドWが当該隅面部15の中で円周方向に最もポケット12に近い一点P3を含む仮想平面(アキシアル平面L7)から当該隅面部15側にはみ出ないように配置されていることにより、爪11aの根元の応力集中を隅面部15で緩和することができ、また、応力が比較的高くなる隅面部15を避けてウェルドWを形成することができ、ひいては、ウェルドWからの破壊を防止することができる。
【0067】
また、保持器1は、リング部7の中心軸を含む仮想平面(アキシアル平面)に基づいてウェルドWを有する樹脂領域の外周での当該ウェルドWとポケット内面13の位置関係を考えたとき、当該ウェルドWが当該ポケット内面13の中で基肉10との境界点P2を含む仮想平面(アキシアル平面L6)から当該ポケット内面13側にはみ出ないように配置されていることにより、射出成形時、ウェルドWを比較的円周方向に長い樹脂領域の外周の中でも断面積が軸方向に著しく拡大する充填空間領域に形成することになり、したがって、ウェルドWが比較的長くなる樹脂領域の外周においてウェルドWを不鮮明化して強度低下を抑制することができる。
【0068】
また、保持器1は、リング部7の中心軸を含む仮想平面(アキシアル平面)で切断した片側樹脂断面を考えたとき、ポケット底9を含む片側樹脂断面の断面積A1に対し、中間部10cを含む任意の円周方向位置の片側樹脂断面の中でリング部7及び中間部10cが成す最小の断面積A2が3倍未満になっていることにより、断面積A2を減らして、つの部8の体積減少を図ることができる。
【0069】
ウェルドWの強度は、非ウェルド部に比して単位断面積当たり1/3程度に低下することがある。このため、従来例のように断面積A2領域にウェルドを配置する場合、断面積A1領域(ポケット底)に対する強度比較上、断面積A1に対して断面積A2を3倍以上にする方がよい。一方、上述のように断面積A1領域と断面積A2領域から外れた樹脂領域にウェルドWを配置して強度低下を抑制すれば、断面積A2を断面積A1の3倍未満にしても強度比較上の問題を回避することができる。
【0070】
また、保持器1は、断面積A2が断面積A1の2倍以下になっていることにより、つの部8の一層の体積減少を図ることができる。
【0071】
また、この保持器1を備える玉軸受は、つの部8の変形抑制とウェルドWの強度低下の抑制により、高速回転に好適なものとなる。
【0072】
この発明の第二実施形態を図6図7に基づいて説明する。なお、以下では、第一実施形態との相違点を述べるに留める。
【0073】
第二実施形態に係るつの部20は、対の爪11a,11b同士の間に突き出ているイジェクト軸21を有する。イジェクト軸21は、凹底面17及び隅面部15から軸方向一方側に突き出ている。イジェクト軸21は、金型からイジェクトする際にイジェクトピンで突かれた部位であり、その先端面に突き痕を有する。
【0074】
対の爪11a,11b同士の間の凹底付近が狭いため、金型からイジェクトする際に保持器を突き出すイジェクトピンが爪11a,11bの対向面14,14に干渉し、凹底面17を適切に突くことができない。イジェクト軸21を成形しておけば、イジェクトピンをイジェクト軸21に突き当てて保持器をイジェクトすることができる。このため、保持器のポケット12のピッチ間が狭い場合にも、この発明を適用することが可能である。
【0075】
なお、イジェクト軸21により断面積を拡大することになるが、ここにウェルドWを配置すると、イジェクト軸21の根元に応力集中が生じるため、強度不安がある。イジェクト軸21は、実質的に、隣り合うポケット12,12同士の間に亘って円周方向に連ならないから、イジェクト軸21の断面積は、上述の断面積Aの計算に含まれない。
【0076】
今回開示された各実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0077】
1 保持器
2 内輪
3 外輪
4 転動体
7 リング部
8,20 つの部
9 ポケット底
10 基肉
10a,10b 繋ぎ部
10c 中間部
11a,11b 爪
12 ポケット
13 ポケット内面
14 対向面
15 隅面部
17 凹底面
21 イジェクト軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7