(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】皮革様シート及び加飾成形体
(51)【国際特許分類】
D06N 3/00 20060101AFI20241122BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20241122BHJP
B32B 27/12 20060101ALI20241122BHJP
B32B 27/40 20060101ALI20241122BHJP
B32B 3/30 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
D06N3/00
B32B27/00 E
B32B27/12
B32B27/40
B32B3/30
(21)【出願番号】P 2021036032
(22)【出願日】2021-03-08
【審査請求日】2023-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000001085
【氏名又は名称】株式会社クラレ
(74)【代理人】
【識別番号】100133798
【氏名又は名称】江川 勝
(72)【発明者】
【氏名】大門 竜也
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 敏幸
【審査官】伊藤 寿美
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-213471(JP,A)
【文献】国際公開第2020/203243(WO,A1)
【文献】特開2009-001946(JP,A)
【文献】特開2014-181414(JP,A)
【文献】特開平05-051804(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06N 1/00- 7/06
B32B 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維基材の一面に高分子弾性体を主体とする樹脂層が被着された皮革様シートであり、
20℃における20%強力の最大値T1が4kg/2.5cm以上であり、
前記樹脂層の表面はエンボス凹凸面を有し、ISO 25178に準じた面粗さ測定において最大高さSzの80%以上の部分に対応する領域の面積が全面積の25~65%であることを特徴とする皮革様シート。
【請求項2】
前記高分子弾性体はポリウレタンである請求項1に記載の皮革様シート。
【請求項3】
前記樹脂層の表面の静止摩擦係数が0.55以上である請求項1または2に記載の皮革様シート。
【請求項4】
前記エンボス凹凸面の最大高さSzが30~100μmである請求項1~3の何れか1項に記載の皮革様シート。
【請求項5】
前記繊維基材は、20℃における20%強力の最大値T2が2.5kg/2.5cm以上である請求項1~4の何れか1項に記載の皮革様シート。
【請求項6】
前記皮革様シートの20%強力の最大値T1に対する前記繊維基材の20%強力の最大値T2の比T2/T1が0.5~2.0である請求項1~5の何れか1項に記載の皮革様シート。
【請求項7】
樹脂成形体と、前記樹脂成形体の表面に被着された加飾層とを備える加飾成形体であって、
前記加飾層が、請求項1~6の何れか1項に記載の皮革様シートであることを特徴とする加飾成形体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品に対するグリップ性に優れる皮革様シートに関する。
【背景技術】
【0002】
鞄、衣類、車両や航空機等の内装材、携帯電話、モバイル機器、家電製品の筐体の外装材、建材、家具雑貨、スポーツ用品等の外装材として、皮革様シートが用いられている。また、このような皮革様シートを樹脂成形体の表面に配した加飾成形体も知られている。
【0003】
例えば、下記特許文献1は、繊維布帛と、繊維布帛に積層された高分子弾性体を含む銀面層と、銀面層を被覆する表皮層とを備え、表皮層は、100%モジュラスが1MPa以下のポリウレタンを30~80質量%含むポリウレタン成分と、平均一次粒子径200~300nmの中空ナノシリカ粒子と、を含有する平均厚さ0.1~5μmの膜である、人工皮革を開示する。また、このような人工皮革は、銀面層及び表皮層が形成された面にディンプルを有することが開示されている。そして、このような人工皮革は、ウェット時の優れたグリップ性に加えて、ドライ時のグリップ性も顕著に優れ、ボールの表皮材として好ましく用いられることが記載されている。
【0004】
また、皮革様シートではないが、下記特許文献2には、不織布等からなる基材シ-トがアクリル酸エステル樹脂等の展着剤を含有する樹脂撥水剤配合物により予め含浸法、塗布法又は噴霧法により処理されており、かつ基材シ-トの少なくとも片面に、アクリル系樹脂又はポリウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニ-ル樹脂等の樹脂エマルジョン組成物が互いに間隔を置いて分布され、かつ比較的均等な凸部高さの突起樹脂体を点在突設してなる滑り防止シ-ト材を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-101802号公報
【文献】特開平7-178855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
皮革様シートの表面の、物品に対するグリップ性が充分でない場合には、皮革様シートの表面に物体を載置したときに物体が滑り落ちる懸念があった。このような場合、例えば、皮革様シートが車両や航空機等の内装材に用いられ、その皮革様シートの表面に携帯端末機器等の物品を載置した場合に、車両の発進時や飛行機の離陸時に物品が皮革様シートの表面から滑り落ちることが想定される。
【0007】
本発明は、皮革様シートの表面から物品が滑り落ちる懸念を考慮した、物品に対するグリップ性に優れた皮革様シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本件発明者らは、皮革様シートを形成するシボのようなエンボス凹凸面を有する樹脂層の表面に物品を載置したときに、物品が滑り落ち易くなる要因を鋭意検討し、その一つの要因を見出した。この要因を
図4を参照して説明する。
図4において、20は繊維基材11の一面に、エンボス凹凸面を有し、高分子弾性体を主体とする樹脂層12が被着された従来の皮革様シートであり、Mは、樹脂層12のエンボス凹凸面に載置された物品である。
図4(a)に示すように、皮革様シート20の樹脂層12のエンボス凹凸面に物品Mを載置した場合、物品Mはエンボス凹凸面の凸部に密着する。このような場合において、
図4(b)に示すように、物品Mに水平方向である矢印で示す方向に力が掛かったとき、物品Mとエンボス凹凸面の凸部との摩擦力により、皮革様シート20が撓むことにより、物品Mと接触しない凸部が発生することにより空隙vが形成されることに気づいた。そして、物品Mと接触しない凸部が発生する結果、物品Mが凸部に接触することによるグリップ性が低下することを見出した。また、とくには、皮革様シート20のこのような撓みの発生は、繊維基材11がしなやかで柔らかなほど、発生しやすいことに気付いた。本件発明者らは、このような知見に基づいて鋭意検討した結果、本発明に想到するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の一局面は、繊維基材の一面に高分子弾性体を主体とする樹脂層が被着された皮革様シートであり、20℃における20%強力の最大値T1が4kg/2.5cm以上であり、樹脂層の表面はエンボス凹凸面を有し、ISO 25178に準じた面粗さ測定において最大高さSzの80%以上の部分に対応する領域の面積が全面積の25~65%である皮革様シートである。このような皮革様シートによれば、エンボス凹凸面の凸部に相当する領域の面積が適度であるために、エンボス凹凸面による物品に対する静止摩擦抵抗が高くなり、物品に対するグリップ性を向上させる。また、皮革様シートの20℃における20%強力の最大値T1が4kg/2.5cm以上であることにより、エンボス凹凸面に載置された物品が水平方向に力を受けて動きだすときに皮革様シートが撓みにくくなるために、物品とエンボス凹凸面の凸部との接触面が小さくなりにくい。それにより、物品に対するグリップ性に優れた皮革様シートが得られる。
【0010】
高分子弾性体としては、例えば、ポリウレタンが好ましく用いられる。
【0011】
また、樹脂層の表面の静止摩擦係数は0.55以上であることが、スマートフォン等の一般的な物品に対して充分なグリップ性を保持できる点から好ましい。
【0012】
また、エンボス凹凸面の最大高さSzが30~100μmであることが、表面の意匠性を保持しながら一般的な物品に対して充分なグリップ性を保持できる点から好ましい。
【0013】
また、繊維基材は、20℃における20%強力の最大値T2が2.5kg/2.5cm以上であることが、撓みにくい皮革様シートが形成されやすくなる点から好ましい。
【0014】
また、皮革様シートの20%強力の最大値T1に対する繊維基材の20%強力の最大値T2の比T2/T1が0.5~2.0であることが、繊維基材の剛性が相対的に高くなるために、上述したような皮革様シートが得られやすくなる点から好ましい。
【0015】
また、本発明の他の一局面は、樹脂成形体と、樹脂成形体の表面に被着された加飾層とを備える加飾成形体であって、加飾層が、上記何れかの皮革様シートである加飾成形体である。このような加飾成形体によれば、表面に物品を載置したときに、繊維基材が沈み込みにくいために、上述したようなグリップ性が発現しやすい点から好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、物品に対するグリップ性に優れた皮革様シートが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、実施形態の皮革様シート10の模式断面図である。
【
図2】
図2は、皮革様シート10を用いて加飾成形体を成形する各工程を説明する模式断面図である。
【
図3】
図3は、実施例1で得られた皮革様シートのエンボス凹凸面2aの最大高さSzの80%以上の部分に対応する領域の面積の算出に用いた表面性状を示す図である。
【
図4】
図4は、従来の皮革様シート20のエンボス凹凸面に物品を載置したときに、物品が滑り落ち易くなる要因を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本実施形態の皮革様シートを図面を参照して詳しく説明する。
【0019】
図1は、本実施形態の皮革様シート10の模式断面図である。
図1に示すように、皮革様シート10は、繊維基材1の一面に高分子弾性体を主体とする樹脂層2が被着された人工皮革や合成皮革等の皮革様シートである。そして、樹脂層2は、表面にエンボス凹凸面2aを有する。
【0020】
そして、皮革様シート10は、後述するように、20℃における20%強力の最大値T1が4kg/2.5cm以上であり、エンボス凹凸面2aは、ISO 25178に準じた面粗さ測定において最大高さSzの80%以上の部分に対応する領域の面積が全面積の25~65%である凹凸表面を有する。
【0021】
繊維基材は、不織布、織物、編物、またはそれらを組み合わせた繊維絡合体を含み、好ましくは、繊維絡合体に含浸付与された高分子弾性体を含む。これらの中では、後述するような高分子弾性体を極細繊維の不織布に含浸付与してなる繊維基材が、充実感に優れるために、20℃における20%強力の最大値T1が4kg/2.5cm以上である繊維基材が得られる点からとくに好ましい。
【0022】
繊維絡合体を形成する繊維の種類は特に限定されない。繊維を形成する樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、変性ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリトリエチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の芳香族ポリエステル系樹脂;ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリヒドロキシブチレート-ポリヒドロキシバリレート共重合体等の脂肪族ポリエステル系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6-12等のナイロン系樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、塩素系ポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル共重合体、スチレンエチレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
【0023】
また、繊維絡合体を形成する繊維の繊度は特に限定されないが、1dtex以下、さらには0.001~0.8dtex、とくには0.001~0.1dtexの繊度を有する極細繊維を含むことが、充実感を兼ね備えたしなやかな風合いを備えるとともに、20℃における20%強力の最大値T1が4kg/2.5cm以上である繊維基材が得られやすい点から好ましい。極細繊維は、海島型複合繊維のような極細繊維形成型繊維を経て形成されるような、複数本の極細繊維が集束してなる繊維束として存在していてもよい。
【0024】
また、繊維基材は、繊維絡合体に含浸付与された高分子弾性体を含有することが好ましい。繊維絡合体に含浸付与される高分子弾性体の具体例としては、例えば、ポリウレタン、アクリロニトリルエラストマー、オレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、アクリルエラストマー等が挙げられる。これらの中では、ポリウレタン、さらには、水系ポリウレタンエマルジョンを凝固して得られる架橋型の水系ポリウレタン、とくには、ポリカーボネート/エーテル系ポリウレタンを含む架橋型の水系ポリウレタンが、20℃における20%強力の最大値T1が4kg/2.5cm以上になる皮革様シートが得られやすい点から好ましい。
【0025】
繊維基材中の高分子弾性体の含有割合は特に限定されないが、5~60質量%、さらには、8~40質量%であることが好ましい。また、繊維基材の厚さはとくに限定されないが、250~750μm、さらには300~500μmであることが好ましい。
【0026】
繊維基材としては、剛性の高い繊維基材、具体的には、例えば、20℃における20%強力の最大値T2が2.5kg/2.5cm以上、さらには、2.5~15kg/2.5cmであるような硬い繊維基材であることが好ましい。このような硬い繊維基材を用いることにより、撓みにくい皮革様シートが形成されやすくなる。その結果、高いグリップ性を保持する皮革様シートが得られやすくなる。繊維基材の20℃における20%強力の最大値T2が低すぎる場合には、上述したように、樹脂層の表面に載置された物品が動き始めるときに繊維基材が撓んで樹脂層の表面が沈みやすくなり、その結果、物品と樹脂層の凸部との密着性が低下する傾向がある。
【0027】
ここで、20℃における20%強力の最大値とは、後述するようにして測定される皮革様シートまたは繊維基材の20℃における20%強力である。通常、皮革様シートまたは繊維基材の生産ラインの進行方向に対して平行なMD方向(縦方向)の20%強力が最大値になる。すなわち、皮革様シートまたは繊維基材は生産ラインの進行方向にテンションが掛けられて引き取られながら製造されることによりMD方向においては繊維が最も伸びているために、MD方向が20%強力の最大値になる。
【0028】
繊維基材の20℃における20%強力は、繊維基材を形成する繊維の繊度や種類や強度、繊維絡合体の絡合構造及びニードルパンチ等により調整される絡合度合、見掛け密度、目付け、厚さ等を調整することによって調整される。すなわち、繊維の強度が高い場合、絡合度合が高い場合、見掛け密度が高い場合、厚い場合、目付けが高い場合には、20%強力は高くなる。
【0029】
繊維基材の見掛け密度は特に限定されないが、0.20~1.00g/cm3、とくには0.30~1.00g/cm3であることが好ましい。
【0030】
このような繊維基材の一面に高分子弾性体を主体とする樹脂層を形成することにより皮革様シートが得られる。
【0031】
樹脂層の主体となる高分子弾性体としては、従来から皮革様シートの銀付調の樹脂層の形成に用いられている、ポリエーテル―ポリエステル系ポリウレタン、ポリカーボネート系ポリウレタン、シリコーン変性ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン等のポリウレタン;アクリル系弾性体;ポリウレタンアクリル複合系弾性体;シリコーン系弾性体;ポリ塩化ビニル系弾性体;合成ゴム等の高分子弾性体が挙げられる。これらの中では、ポリウレタンが、表面の耐摩耗性や耐傷付性と、グリップ性とのバランスに優れる点から好ましい。
【0032】
樹脂層は、高分子弾性体を主体とし、必要に応じて、顔料や染料等の着色剤、柔軟化剤、防汚剤、親水化剤、滑剤、劣化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤などの添加剤を含んでもよい。なお、高分子弾性体を主体とするとは、樹脂層が高分子弾性体を50質量%以上、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上含有することを意味する。
【0033】
このような樹脂層の100%モジュラスとしては、20℃において、2~100MPa、さらには、25~50MPaであることが、凹凸表面の撓みにくさと、表面の柔軟な弾性とのバランスに優れる点から好ましい。
【0034】
また樹脂層の貯蔵弾性率としては、2~80MPa、さらには、25~50MPaであることが、凹凸表面の撓みにくさと、表面の柔軟な弾性とのバランスに優れる点から好ましい。
【0035】
樹脂層の厚さは、特に限定されないが、30~500μm、さらには、50~200μmであることが、エンボス凹凸面を形成しやすく、また、皮革様シートに表面の柔軟な表面のクッション性と銀付調の意匠性を充分に付与できる点から好ましい。
【0036】
このような樹脂層は、均質な単独の層からなるものであっても、接着層、中間層、表皮層のように、複数層が積層された積層構造を有していてもよい。
【0037】
そして、皮革様シートに積層された樹脂層は、ISO 25178に準じた面粗さ測定において最大高さSzの80%以上の部分に対応する領域の面積が全面積の25~65%である凹凸表面を有するエンボス凹凸面2aを有する。
【0038】
ここで、ISO 25178に準じた面粗さ測定とは、物品の表面に特殊な縞模様を投光してその反射光をCMOSセンサで受光して、その受光の結果から数学的に表面性状を算出する方法により表面性状を表現する画像を形成して物体表面の三次元表面性状を測定する測定方法であり、非接触式の表面粗さ・形状測定機で測定される。そして、測定された物体表面の三次元表面性状に基づいて、最大高さSz、算術平均高さSa、二乗平均平方根高さSq、スキューネス(偏り度)Ssk、クルトシス(尖り度)Sku、最大山高さSp、最大谷深さSv等の三次元的な面粗さのパラメータを算出できる。
【0039】
ISO 25178に準じた面粗さ測定における最大高さSzは、エンボス凹凸面の最も高い点から最も低い点までの距離を表す。最大高さSzの80%以上の部分に対応する領域の面積は、表面の高低差の情報を含む三次元表面性状を示す画像から高さコンター図を生成させ、高さコンター図を画像処理ソフトで最大高さSzの80%以上の部分に対応する等高線を閾として二値化処理することにより、算出することができる。
【0040】
皮革様シートに積層された樹脂層は、最大高さSzの50%以上の部分に対応する領域の面積が全面積の60~90%である凹凸表面を有するエンボス凹凸面を有することが好ましい。このような凹凸表面を有することにより、凹凸表面の凸部に物品がさらに密着して高い静止摩擦係数を維持することができる傾向がある。
【0041】
皮革様シートに積層された樹脂層は、最大高さSzの80%以上の部分に対応する領域の面積が全面積の25~65%、好ましくは25~60%である凹凸表面を有するエンボス凹凸面を有する。このような凹凸表面を有することにより、凹凸表面の凸部に物品が密着して高い静止摩擦係数を維持することができる。最大高さSzの80%以上の部分に対応する領域の面積が全面積の25%未満の場合には、凹凸表面と物品の密着面積が小さくなるため、また、65%超である場合には、凹凸が少なく物品が動き出す際に生じる凸部撓みに伴う抵抗力が小さくなるため、高い静止摩擦係数を維持しにくくなる。
【0042】
また、皮革様シートは、ISO 25178に準じた面粗さ測定において、算術平均高さSa、二乗平均平方根高さSq、スキューネスSsk、クルトシスSku、最大山高さSp、最大谷深さSvのパラメータは特に限定されないが、例えば、次のような範囲であることが好ましい。Saとしては5~15μm、Sqとしては5~15μm、Skuとしては1~5、Sskとしては-2~-0.4、Spとしては10~25μm、Svとしては15~60μmであることが好ましい。
【0043】
皮革様シートの樹脂層の表面にエンボス凹凸面を形成する方法としては、例えばシボ調の凹凸表面であって、樹脂フィルムの表面にその凹凸表面を転写させることにより、最大高さSzの80%以上の部分に対応する領域の面積が全面積の25~65%になるような凹凸表面を有する樹脂フィルムを形成させるように設計された、凹凸表面を有する離型紙を用いる方法が挙げられる。具体的には、このような離型紙の表面に、高分子弾性体を主体とする樹脂フィルムを形成するための樹脂液を塗布し、固化させることによりエンボス凹凸面を有する樹脂フィルムが形成される。
【0044】
そして、上述のように凹凸表面を有する離型紙上に形成された樹脂フィルムの表面に接着層を形成するための接着剤を塗布し、繊維基材の表面に貼り合せて、必要によりプレスして接着した後、離型紙を剥離する。このようにして、上述したような皮革様シートを製造することができる。
【0045】
上述のようなエンボス凹凸面を形成するための離型紙は、例えば、基材となる紙とエンボス凹凸面を転写するための剥離層から構成されている。紙の種類は、半晒、上質紙、グラシン紙等があり、剥離層にはシリコーン樹脂が使用される。剥離層の凹凸表面は、表面の凹凸形状が異なる元型をシリコーン樹脂にプレスしてその形状のまま硬化させることにより調整される。剥離層は皮革様シートの樹脂層と適度な密着性を持ち、硬化の後、剥離できる性能を有する。
【0046】
用いられる離型紙は、用いられる樹脂層の凹凸転写性を考慮して適宜選択されるが、例えば、Sz(μm)が35~100、Sa(μm)が6~15程度の凹凸表面を有する離型紙が好ましく用いられる。
【0047】
本実施形態の皮革様シートは、上述したように、繊維基材の一面に高分子弾性体を主体とする樹脂層が被着された皮革様シートであり、20℃における20%強力の最大値T1が4kg/2.5cm以上であり、樹脂層の表面はエンボス凹凸面を有し、ISO 25178に準じた面粗さ測定において最大高さSzの80%以上の部分に対応する領域の面積が全面積の25~65%である皮革様シートである。
【0048】
本実施形態の皮革様シートは、20℃における20%強力の最大値T1が4kg/2.5cm以上であり、好ましくは4~25kg/2.5cm、特に好ましくは4~15kg/2.5cmであるような比較的硬い皮革様シートである。このような硬い皮革様シートによれば、表面に載置された物品が動き始めるときに撓みにくく、その結果、高いグリップ性を保持する。皮革様シートの20℃における20%強力の最大値T1が4kg/2.5cm未満である場合には、上述したように、樹脂層の表面に載置された物品が動き始めるときに皮革様シートが撓むことにより、樹脂層の表面が沈みやすくなり、その結果、物品と樹脂層の凸部との密着性が低下する。また、皮革様シートの20℃における20%強力の最大値T1が高すぎる場合には、皮革様シートがしなやかな風合いを失いやすくなる傾向がある。
【0049】
また、本実施形態の皮革様シートは、皮革様シートの20%強力の最大値T1に対する繊維基材の20%強力の最大値T2の比T2/T1が0.5~2.0、さらには0.5~1.0であることが、繊維基材の剛性が相対的に高くなるために、上述したような皮革様シートが得られやすくなる点から好ましい。T2/T1が小さ過ぎる場合には、皮革様シートが撓むことにより、物品と接触しない凸部が発生しやすく、グリップ性の低下に繋がり、T2/T1が大きすぎる場合には、樹脂層が繊維基材に対して軟質になるために、物品を載置した際に樹脂層のエンボス凹凸面が変形しやすくなり、物品が凹凸面から充分な静止摩擦抵抗を得られず、グリップ性が低下する傾向がある。
【0050】
皮革様シートの厚さとしては、300~1500μm、さらには、400~1000μmであることが、エンボス凹凸面を有する樹脂層を形成しやすく、また、撓みにくい皮革様シートが形成されやすくなる点から好ましい。
【0051】
このような本実施形態の皮革様シートは、後述するように測定される樹脂層の表面の静止摩擦係数が0.55以上、さらには、0.6以上、とくには、0.6~0.9であることが充分なグリップ性を発揮して物品を表面から滑り落ちにくくする点から好ましい。また、後述するように測定される樹脂層の表面の動摩擦係数が0.3以上、さらには、0.4以上、とくには、0.4~0.9であることが、動き出しても滑りを止めるのに充分なグリップ性を発揮する点から好ましい。
【0052】
以上説明した皮革様シートは、従来から知られた皮革様シートの用途に特に限定なく用いられるが、とくには、車両や航空機等の内装材、携帯電話、モバイル機器、家電製品の筐体、建材、家具雑貨、スポーツ用品等の外装素材のような、表面に物品が載置され、それらの滑り落ちにくさが求められるような用途に好ましく用いられる。また、このような用途としては、筐体を形成する表面を加飾するような、加飾成形体と形成する皮革様シートとして、とくに好ましく用いられる。
【0053】
本実施形態の加飾成形体は、樹脂成形体の表面に加飾層が被着された加飾成形体であって、加飾層として、上述した皮革様シートが用いられる。このような加飾成形体は、物品に対するグリップ性の高い皮革様の表面を備えることができる。
【0054】
このような加飾成形体は、皮革様シートを樹脂成形体の被着される面の形状に合わせてトリミングし、その被着される面に接着剤でトリミングされた皮革様シートを接着させたり、射出成形により成形される樹脂成形体の表面に皮革様シートを射出成形と同時に一体化するインモールド成形を用いたりして製造される。
【0055】
図2を参照して、加飾層として皮革様シート10を用いて射出成形によりインモールド成形による加飾成形をすることにより、立体的なエンボス凹凸面を有する皮革様の表面である加飾面を有する加飾成形体を成形する工程について説明する。
【0056】
図2(a)に示すように、金型17は、キャビティCを備える可動側金型17aと、固定側金型17bとを備える。はじめに、エンボス凹凸面を有する皮革様シート10をキャビティCを形成する可動側金型17aの表面に樹脂層2が面するように配置する。
【0057】
皮革様シート10は、熱プレス成形や真空成形、真空圧空成形等により、インモールド成形に用いられる金型17のキャビティCの形状に沿うように予め成形されたプリフォーム成形体に成形されていることが好ましい。
【0058】
そして、
図2(b)に示すように、射出成形により金型17内の皮革様シート10の樹脂層2が配された面に対する裏面の繊維基材1の側に溶融樹脂30aを射出することにより、皮革様シート10を表面に一体化したインモールド成形体を成形する。詳しくは可動側金型17aと固定側金型17bとを型締めし、射出成形機7のシリンダ18をノズル16が固定側金型17bのスプルーブッシュ17fに接触するまで前進させて、射出成形機のシリンダ18内で溶融された溶融樹脂30aをスクリュー19で射出することにより、金型17内に溶融樹脂30aを射出して射出成形する。射出された溶融樹脂30aは、金型17内の樹脂流路Rを流れてキャビティC内に流入し、充填される。このとき、皮革様シート10が繊維基材1に積層形成された樹脂層2を備える皮革様シートである場合には、繊維基材1に溶融樹脂30aが適度に浸透するために、射出成形により成形される射出成形体30が投錨効果による高い接着性を維持するように皮革様シート10と一体化される。
【0059】
射出成形で射出される樹脂としては、ABS系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂、各種ポリアミド系樹脂のような各種熱可塑性樹脂が特に限定なく用いられる。
【0060】
射出成形条件は、射出する樹脂の融点および溶融粘度、成形体の形状、および樹脂厚みに応じて流動末端部まで樹脂流動が可能な条件(樹脂温度、金型温度、射出圧力、射出速度、射出後の保持圧力、冷却時間)が適宜選択される。
【0061】
そして、射出終了後、
図2(c)に示すように、溶融樹脂30aが冷却されて射出成形体30が形成され、皮革様シート10が一体化されたインモールド成形体31が成形される。そして、
図2(d)に示すように、金型17を型開きすることにより、可動側金型17aと固定側金型17bとが隔離されて、ランナー32を有するインモールド成形体31が取り出される。そして、ランナー32を取り外すことにより、
図2(e)に示すように、加飾成形体40が得られる。
【実施例】
【0062】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
【0063】
はじめに、本実施例で用いた評価方法を以下にまとめて説明する。
【0064】
(ISO 25178に準じた表面性状の測定)
皮革様シートの樹脂層の表面のISO 25178に準じた表面性状を非接触式の表面粗さ・形状測定機である「デジタルマクロスコープVHX-6000」((株)キーエンス製)を用いて測定した。具体的には、皮革様シートの樹脂層の表面の18mm×24mmの範囲を高輝度LEDから照射された構造化照明光により、400万画素モノクロC-MOSカメラで100倍の倍率で歪みの生じた縞投影画像撮影を行った。そして、得られた画像を解析処理して最大高さSzを求めた。さらに、算術平均高さSa、二乗平均平方根高さSq、スキューネス(偏り度)Ssk、クルトシス(尖り度)Sku、最大山高さSp、最大谷深さSvを求めた。測定は3回行い、その平均値を各数値として採用した。また、最大高さSzの80%以上の部分に対応する領域の面積、及び50%以上の部分に対応する領域の面積は、観察画像から高さコンター図を生成させ、高さコンター図を画像処理ソフトで二値化処理することにより、算出した。実施例1で得られた皮革様シートの樹脂層の表面の、高さコンター図及びそれを二値化処理した画像を
図3に示す。
【0065】
(20%強力)
皮革様シートを20℃、65RH%の恒温恒湿環境で20時間放置した。そして、皮革様シートから切り出した2.5cm×16cmの試験片、万能材料試験機(米国インストロン社製、Instron5566)を用いて、JIS L 1096の8.12.1「引張強度試験」に準じて応力-歪み曲線を得た。そして、応力-歪み曲線から20%伸びたときの応力を読み取り、20%強力を求めた。なお、試験は、皮革様シートの製造工程の進行方向に沿うMD方向で最大値になるために、MD方向の試験片を3本測定し、それらの平均値を20%強力とした。引張速度は200mm/min.とした。
【0066】
(皮革様シート、樹脂層及び繊維基材の厚さ)
皮革様シート、樹脂層及び繊維基材の厚さは「ダイヤルシックネスゲージ」(Peacock、型式:H、(株)尾崎製作所製)を用いて測定した。測定は5回行い、その平均値を求めた。
【0067】
(樹脂層の100%モジュラス)
各実施例及び比較例で用いた樹脂層を形成するポリウレタン組成物の厚さ約400μmのフィルムを作成し、2.5cm幅に切り出したものを万能材料試験機(米国インストロン社製、Instron5566)で強伸度測定した。引張速度は200mm/min.とした。得られたSSカーブの伸度100%の強力を読み取り、フィルム厚さと2.5cm幅から得られた断面積で割り、100%モジュラス(MPa)を求めた。
【0068】
(樹脂層の貯蔵弾性率)
各実施例及び比較例で用いた樹脂層を形成するポリウレタン組成物の厚さ約120μmのフィルムを作成し、5×10mmに切り出した試験片を用いて、動的粘弾性測定装置(ユービーエム(株)社製、Rheogel-E400)で常温(27℃)における貯蔵弾性率を測定した。なお、測定条件は、周波数11Hz、試料サイズ:5×10mm、厚み:0.12mm、測定温度:0~240℃、昇温速度:3℃/min.、測定モード:引張、波形:正弦波で行った。
【0069】
(摩擦係数)
皮革様シートから、100mm×200mmの試験片を切り出した。そして、摩擦摩耗試験機(新東科学(株)製のHEIDONトライポギア TYPE:18L)を用い、JIS K 7125を参照して静止摩擦係数(μS)及び動摩擦係数(μD)を算出した。接触子には材質がアルミニウム、寸法30mm×30mmの正方形の平面接触子を用いた。荷重は200g重とした。
【0070】
また、本実施例で用いた繊維基材について、以下に説明する。
繊維基材A:長繊維の海島型複合繊維の不織布から海成分を除去することにより得られた、単繊維繊度0.08dtexのPETの極細繊維の繊維束(平均25本/束)を絡合させた見掛け密度0.45g/cm3の不織布に、架橋されたポリカーボネート/エーテル系ポリウレタンを含浸付与して形成された、厚さ370μmの繊維基材。なお、繊維基材のポリウレタン/不織布の質量比は22/78であった。
繊維基材B:長繊維の海島型複合繊維の不織布から海成分を除去することにより得られた、単繊維繊度0.08dtexのPETの極細繊維の繊維束(平均25本/束)を絡合させた見掛け密度0.53g/cm3の不織布に、架橋されたポリカーボネート/エーテル系ポリウレタンを含浸付与して形成された、厚さ470μmの繊維基材。なお、繊維基材のポリウレタン/不織布の質量比は22/78であった。
繊維基材C:長繊維の海島型複合繊維の不織布から海成分を除去することにより得られた、単繊維繊度0.003dtexのナイロン6(Tg47℃)の極細繊維の繊維束(平均25本/束)を絡合させた見掛け密度0.36g/cm3の不織布に、架橋されたポリカーボネート/エーテル系ポリウレタンを含浸付与して形成された、厚さ450μmの繊維基材。なお、繊維基材のポリウレタン/不織布の質量比は39/61であった。
繊維基材D:繊維基材Cに、溶剤に浸して揉む、柔軟化処理を施したもの。
【0071】
また、本実施例で用いたシボ付き離型紙は、基材が上質紙、剥離層がシリコーン樹脂であり、革調の外観シボを有し、剥離層表面の三次元表面性状である最大高さSz(μm)、および、算術平均高さSa(μm)が以下に示すような値を有する離型紙である:
・シボ付き離型紙E:Sz=38.83、Sa=6.56
・シボ付き離型紙F:Sz=90.15、Sa=12.86
・シボ付き離型紙G:Sz=78.23、Sa=13.31
・シボ付き離型紙H:Sz=51.19、Sa=7.87
・シボ付き離型紙I:Sz=49.35、Sa=8.72
・シボ付き離型紙J:Sz=57.05、Sa=8.18
・シボ付き離型紙K:Sz=47.82、Sa=7.29
・シボ付き離型紙L:Sz=73.71、Sa=6.76
【0072】
また、本実施例で用いた樹脂層を形成するために用いたポリウレタン溶液について、以下に説明する。
ポリウレタン溶液M:溶媒である酢酸エチルおよびN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)の混合溶媒にポリエーテル―ポリエステル系ポリウレタン樹脂を溶解し、顔料が添加されたポリウレタン溶液。
ポリウレタンN:溶媒であるDMFにポリカーボネート系ポリウレタン樹脂を溶解し、顔料が添加されたポリウレタン溶液
【0073】
[実施例1]
シボ付き離型紙Eの表面にポリウレタン溶液Mを塗布し、80℃で10分間乾燥することにより厚さ30μmのポリウレタン表皮層を形成した。次いで同様の手順でポリウレタン表皮層に、厚さ30μmの中間層に当たる層を形成した。そして、形成されたポリウレタン表皮層/中間層の表面に、接着層となるポリエーテル-エステル系無黄変タイプの1液硬化型ポリウレタン溶液をさらに塗布し、50℃で3分間乾燥することにより厚さ40μmの接着層を形成した。このようにして厚さ 約100μmの樹脂層を形成した。樹脂層の100%モジュラスは27MPaであった。
【0074】
そして、繊維基材Aの一面にシボ付き離型紙Eの表面に形成された樹脂層の接着層を貼り合わせ、80℃で2分間加熱した。このようにして銀付調の樹脂層を備える厚さ446μmの人工皮革である皮革様シートを得た。そして、得られた皮革様シートを上記評価方法に従って評価した。結果を表1に示す。
【0075】
【0076】
[実施例2~9、比較例1~4]
実施例1において、繊維基材A及びシボ付き離型紙Eを用いた代わりに、表1で示した繊維基材及びシボ付き離型紙を用いた以外は実施例1と同様にして、皮革様シートを得、評価した。結果を表1に示す。
【0077】
表1を参照すれば、20%強力の最大値T1が4kg/2.5cm以上であり、樹脂層の表面の最大高さSzの80%以上の部分に対応する領域頂部の面積が全面積の25~65%の範囲にあった実施例1~9の皮革様シートは、何れも樹脂層の表面の静止摩擦係数が0.55以上を示し、高い摩擦抵抗を示した。一方、最大高さSzの80%以上の部分に対応する領域頂部の面積が全面積の25%以下である比較例1~3で得られた皮革様シートは、最大値T1が4kg/2.5cm以上であっても、何れも樹脂層の表面の静止摩擦係数が0.55未満であり、摩擦抵抗が低かった。また、最大高さSzの80%以上の部分に対応する領域頂部の面積が全面積の25%以上であっても、最大値T1が4kg/2.5cm未満であった比較例4で得られた皮革様シートも樹脂層の表面の静止摩擦係数が0.55未満であり、摩擦抵抗が低かった。
【符号の説明】
【0078】
1 繊維基材
2 樹脂層
2a エンボス凹凸面
10 皮革様シート(加飾層)
40 加飾成形体