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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/06 20060101AFI20241122BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20241122BHJP
   H01L 29/12 20060101ALI20241122BHJP
   H01L 29/739 20060101ALI20241122BHJP
   H01L 29/861 20060101ALI20241122BHJP
   H01L 29/868 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
H01L29/78 652P
H01L29/78 652T
H01L29/78 653C
H01L29/78 655B
H01L29/78 655F
H01L29/06 301V
H01L29/06 301G
H01L29/91 F
H01L29/91 D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021039109
(22)【出願日】2021-03-11
(65)【公開番号】P2022138939
(43)【公開日】2022-09-26
【審査請求日】2023-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】布施 香織
(72)【発明者】
【氏名】河村 圭子
(72)【発明者】
【氏名】もたい 貴子
【審査官】志津木 康
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-167714(JP,A)
【文献】特開2004-349556(JP,A)
【文献】特開2019-012839(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0121386(US,A1)
【文献】特開2018-014419(JP,A)
【文献】特開2010-135677(JP,A)
【文献】特開2010-225833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/06
H01L 29/12
H01L 29/78
H01L 29/739
H01L 29/861
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極の上に設けられた第1導電形の第1半導体領域と、前記第1半導体領域の上に設けられ第2電極と電気的に接続された第2導電形の第2半導体領域と、を含む素子領域と、
前記第1半導体領域の外側に設けられた第1導電形の第3半導体領域と、前記第3半導体領域の表面に設けられ前記素子領域を囲む第2導電形の第1拡散層と、前記第3半導体領域の前記表面に設けられ前記素子領域を囲み前記第1拡散層よりも外側に位置し前記第1拡散層よりも深い第2導電形の第2拡散層と、前記第3半導体領域の前記表面に設けられ前記素子領域を囲み第2拡散層よりも外側に位置する第2導電形の第3拡散層と、を含む終端領域と、
を備え、
前記第2拡散層は、前記第3拡散層よりも深く、
前記終端領域は、前記第1拡散層、前記第2拡散層及び前記第3拡散層を含む、第2導電形の複数の拡散層を含み、
前記複数の拡散層は、互いに離れ 、
前記複数の拡散層のそれぞれは、前記素子領域を囲み、
前記第1拡散層は、前記複数の拡散層のうち最も内側の拡散層ではない、半導体装置。
【請求項2】
第1電極の上に設けられた第1導電形の第1半導体領域と、前記第1半導体領域の上に設けられ第2電極と電気的に接続された第2導電形の第2半導体領域と、を含む素子領域と、
前記第1半導体領域の外側に設けられた第1導電形の第3半導体領域と、前記第3半導体領域の表面から前記第3半導体領域内に延び前記素子領域を囲む第2導電形の第1拡散層と、前記第3半導体領域の前記表面から前記第3半導体領域内に延び前記素子領域を囲み前記第1拡散層よりも外側に位置する第2導電形の第2拡散層と、前記第3半導体領域の前記表面に設けられ前記第2拡散層と接触し前記第1拡散層よりも深いトレンチ部と、を含む終端領域と、
を備えた半導体装置。
【請求項3】
前記トレンチ部は、前記第2拡散層を貫通する請求項記載の半導体装置。
【請求項4】
前記トレンチ部は、前記素子領域を囲む請求項またはに記載の半導体装置。
【請求項5】
前記終端領域は、前記第3半導体領域の前記表面に設けられ前記素子領域を囲み第2拡散層よりも外側に位置する第2導電形の第3拡散層を含み、
前記トレンチ部は、前記第3拡散層よりも深い請求項のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項6】
前記終端領域は、前記トレンチ部の内部に設けられた絶縁部を含む請求項のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項7】
前記終端領域は、前記トレンチ部の内部に設けられ、前記絶縁部によって前記第3半導体領域と電気的に絶縁された導電部を含む請求項記載の半導体装置。
【請求項8】
前記導電部の電位は、フローティングである請求項記載の半導体装置。
【請求項9】
前記導電部の材料は、ポリシリコン及び金属の少なくともいずれかを含む請求項またはに記載の半導体装置。
【請求項10】
前記素子領域は、
前記第2半導体領域の上に設けられた第1導電形の第4半導体領域と、
前記第2半導体領域と、ゲート絶縁膜を介して対向するゲート電極と、
をさらに含み、
前記第2電極は、前記第2半導体領域、前記第4半導体領域、及び前記ゲート電極の上に設けられ、前記第2半導体領域、及び前記第4半導体領域と電気的に接続された請求項のいずれか1つに記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置において、信頼性の向上が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-181805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、信頼性の向上が可能な半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体装置は、素子領域と終端領域とを含む。素子領域は、第1半導体領域と第2半導体領域とを含む。前記第1半導体領域は、第1電極の上に設けられ第1導電形である。前記第2半導体領域は、前記第1半導体領域の上に設けられ第2電極と電気的に接続される。前記終端領域は、第3半導体領域と第1拡散層と第2拡散層とを含む。前記第3半導体領域は、前記第1半導体領域の外側に設けられ第1導電形である。前記第1拡散層は、前記第3半導体領域の表面に設けられ前記素子領域を囲む第2導電形である。前記第2拡散層は、前記第3半導体領域の前記表面に設けられ前記素子領域を囲み前記第1拡散層よりも外側に位置し前記第1拡散層よりも深い第2導電形である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係る半導体装置を例示する断面図である。
図2図2(a)及び図2(b)は、シミュレーションに使用した半導体装置のモデルを表す断面図である。
図3】半導体装置の特性のシミュレーション結果を表すグラフ図である。
図4】第2実施形態に係る半導体装置を例示する断面図である。
図5図5(a)及び図5(b)は、シミュレーションに使用した半導体装置のモデルを表す断面図である。
図6】半導体装置の特性のシミュレーション結果を表すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既に説明したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
以下の説明及び図面において、n、n及びp、pの表記は、各不純物濃度の相対的な高低を表す。すなわち、「+」が付されている表記は、「+」及び「-」のいずれも付されていない表記よりも不純物濃度が相対的に高く、「-」が付されている表記は、いずれも付されていない表記よりも不純物濃度が相対的に低いことを示す。これらの表記は、それぞれの領域にp形不純物とn形不純物の両方が含まれている場合には、それらの不純物が補償しあった後の正味の不純物濃度の相対的な高低を表す。
以下で説明する各実施形態について、各半導体領域のp形(第2導電形の一例)とn形(第1導電形の一例)を反転させて各実施形態を実施してもよい。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する断面図である。
図1は、半導体装置100の一部の断面を表す。半導体装置100は、第1電極11と、第2電極12と、素子領域R1と、終端領域R2と、を含む。
【0009】
ここでは、第1電極11から第2電極12へ向かう方向をZ方向(第1方向)とする。Z方向に対して垂直であり、相互に直交する2方向をX方向及びY方向とする。また、説明のために、第1電極11から第2電極12に向かう方向を「上」と言い、その反対方向を「下」と言う。これらの方向は、第1電極11と第2電極12との相対的な位置関係に基づき、重力の方向とは無関係である。
【0010】
素子領域R1は、上方から見たときにトランジスタなどの素子が設けられる領域である。この例では、素子領域R1には、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が設けられている。ただし、素子領域R1に設けられる素子は、上記に限定されない。例えば、素子領域R1に設けられる素子は、ダイオード(例えばFRD(ファストリカバリダイオード)、逆導通IGBT(Reverse Conducting Insulated Gate Bipolar Transistor:RC-IGBT)、または縦型パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)でも良い。
【0011】
終端領域R2は、上方から見たときに素子領域R1の外側に設けられ、素子領域R1を囲む領域である。例えば、終端領域R2は、素子領域R1の四方を途切れることなく囲む環状である。終端領域R2には、トランジスタなどの素子が設けられていない。
【0012】
素子領域R1は、コレクタ領域37、バッファ領域40、ドリフト領域31(第1半導体領域)、ベース領域32(第2半導体領域)、エミッタ領域34(第4半導体領域)、ゲート電極21、及びゲート絶縁膜23を含む。
【0013】
第1電極11は、例えば、IGBTのコレクタ電極として機能する。コレクタ領域37は、第1電極11の上に設けられており、第1電極11と電気的に接続されている。コレクタ領域37は、p形(第2導電形)である。バッファ領域40は、コレクタ領域37の上に設けられており、n形(第1導電形)である。
【0014】
ドリフト領域31は、バッファ領域40の上に設けられており、n形(第1導電形)である。ベース領域32は、ドリフト領域31の上に設けられており、p形(第2導電形)である。
【0015】
エミッタ領域34は、ベース領域32の上に選択的に設けられており、n形(第1導電形)である。複数のエミッタ領域34がX方向に並んで設けられており、各エミッタ領域34はY方向に延在している。
【0016】
ゲート電極21は、ドリフト領域31の一部、ベース領域32、及びエミッタ領域34の一部と、ゲート絶縁膜23を介して対向している。複数のゲート電極21がX方向に並んで設けられており、各ゲート電極21はY方向に延在している。
【0017】
この例では、ドリフト領域31の上に、複数のトレンチ部T1が形成されている。複数のトレンチ部T1は、X方向に並んで設けられており、各トレンチ部T1はY方向に延在している。各トレンチ部T1は、エミッタ領域34及びベース領域32を貫通し、ドリフト領域31まで到達している。各トレンチ部T1内に、ゲート絶縁膜23を含む絶縁部25が設けられており、その絶縁部内に各ゲート電極21が設けられている。
【0018】
第2電極12は、ベース領域32、エミッタ領域34及びゲート電極21の上に設けられており、ベース領域32及びエミッタ領域34と電気的に接続されている。第2電極12は、例えば、IGBTのエミッタ電極として機能する。
【0019】
なお、既に述べたとおり、素子領域R1に設けられる素子は、例えばダイオードでも良い。この場合にも、素子領域R1には、第1電極11の上に設けられたn形の第1半導体層と、第1半導体層の上に設けられ第2電極12と接続されたp形の第2半導体層と、が設けられる。例えば、第1電極11をカソードとし、第2電極12をアノードとすることができる。
【0020】
終端領域R2は、半導体領域33(第3半導体領域)と、複数の拡散層50と、を有する。半導体領域33は、素子領域R1のドリフト領域31、ベース領域32、エミッタ領域34の外側において、第1電極11の上に設けられている。半導体領域33は、ドリフト領域31から連続した領域であり、n形(第1導電形)である。半導体領域33は、ドリフト領域31、ベース領域32及びエミッタ領域34のそれぞれとZ方向と垂直な方向において並んでいる。例えば、半導体領域33は、上方から見たときに、ドリフト領域31、ベース領域32及びエミッタ領域34の四方を途切れることなく囲む環状である。
【0021】
第1電極11と半導体領域33との間に、半導体領域41が設けられていても良い。半導体領域41は、例えばバッファ領域40から連続した領域であり、n形である。
【0022】
拡散層50は、半導体領域33の上に設けられたp形の半導体領域である。拡散層50は、半導体領域33の表面33U(上面)から半導体領域33内に延びている。また、拡散層50は、X方向またはY方向に延在し、素子領域R1(ベース領域32、エミッタ領域34、ゲート電極21)を囲む。例えば、拡散層50は、上方から見たときに、素子領域R1の四方を途切れることなく囲む環状である。拡散層50は、いわゆるガードリングである。
【0023】
複数の拡散層50は、互いに離れており、例えば同心状に配置されている。隣り合う拡散層50同士の間隔は、一定でも良いし、変化していてもよい。例えば、半導体装置の外側におけるほど、隣接する拡散層50同士の間隔を広くしてもよい。各拡散層50において、拡散層50の幅(X方向またはY方向に沿った長さ)は、例えば一定である。
【0024】
この例では、4つの拡散層50が設けられている。ただし、実施形態において拡散層50の数はこれに限らず、2以上であればよい。拡散層50の数は、3以上が望ましく、例えば3以上10以下程度である。
【0025】
複数の拡散層50は、第1拡散層51と、第2拡散層52と、第3拡散層53と、を含む。第1拡散層51は、第2拡散層52及び第3拡散層53よりも内側(素子領域R1側)に位置する。この例では、第1拡散層51は、複数の拡散層50のうち最も内側の拡散層50である。ただし、第1拡散層51は、最も内側でなくても良い。
【0026】
第2拡散層52は、第1拡散層51よりも外側に位置する。この例では、第2拡散層52は、複数の拡散層50のうち内側から2番目の拡散層である。ただし、第2拡散層52は、内側から2番目でなくても良いし、第1拡散層51と隣接する拡散層50でなくても良い。例えば、第1拡散層51と第2拡散層52との間に、任意の数の拡散層50が設けられていても良い。
【0027】
第3拡散層53は、第2拡散層52よりも外側に位置する。この例では、第3拡散層53は、複数の拡散層50のうち最も外側の拡散層50であり、第2拡散層52と第3拡散層53との間には、1つの拡散層50が配置されている。ただし、第3拡散層53は、最も外側の拡散層50でなくても良い。第2拡散層52と第3拡散層53との間には、別の拡散層50が設けられなくても良い。すなわち、第3拡散層53は、第2拡散層52と隣接する拡散層50であっても良い。また、第2拡散層52と第3拡散層53との間には、任意の数の拡散層50が設けられても良い。
【0028】
第2拡散層52は、第1拡散層51よりも深い。すなわち、第2拡散層52の下端52LのZ方向の位置は、第1拡散層51の下端51LのZ方向の位置よりも下方である。なお、複数の拡散層50の上端50Uの高さ(Z方向における位置)は、互いに略同じであり、半導体領域33の表面33Uの高さである。
【0029】
また、第2拡散層52は、第3拡散層53よりも深い。すなわち、第2拡散層52の下端52LのZ方向の位置は、第3拡散層53の下端53LのZ方向の位置よりも下方である。
【0030】
第2拡散層52は、例えば、複数の拡散層50のうち最も深い拡散層50である。すなわち、第2拡散層52の下端52LのZ方向の位置は、複数の拡散層50の下端のZ方向の位置のうち最も下方である。第2拡散層52を除く複数の拡散層50の深さは、互いに略同じでも良い。
【0031】
例えば、第1拡散層51のZ方向に沿った長さL51は、1μm以上15μm以下であり、第2拡散層52のZ方向に沿った長さL52は、1.5μm以上40μm以下であり、第3拡散層53のZ方向に沿った長さL53は、1μm以上15μm以下である。
例えば、長さL51と長さL52との差は、0.5μm以上25μm以下である。例えば、第2拡散層52は、第1拡散層51及び第3拡散層53よりも0.5μm以上深い。例えば、長さL52は、長さL51の1.5倍以上40倍以下である。
【0032】
各拡散層50において、拡散層50の深さ(下端のZ方向における位置)は、例えば素子領域R1を囲む全周にわたって略一定である。例えば、第2拡散層52は、素子領域R1を囲む全周にわたって、他の拡散層50(例えば、第1拡散層51、第3拡散層53)よりも深い。
【0033】
半導体装置100の材料の一例を説明する。
コレクタ領域37、バッファ領域40、ドリフト領域31、ベース領域32、エミッタ領域34、半導体領域41、半導体領域33、拡散層50は、半導体材料として、シリコン、炭化シリコン、窒化ガリウム、またはガリウムヒ素を含む。半導体材料としてシリコンが用いられる場合、n形不純物として、ヒ素、リン、またはアンチモンを用いることができる。p形不純物として、ボロンを用いることができる。例えば、シリコン半導体基板に、不純物をイオン注入することにより、各領域及び拡散層50を形成することができる。
ゲート電極21は、不純物がドープされたポリシリコンなどの導電材料を含む。
ゲート絶縁膜23、及び絶縁部25は、酸化シリコンなどの絶縁材料を含む。
第1電極11及び第2電極12は、例えば、ニッケル、金、またはシリコンを含有したアルミニウムなどの金属を含む。
【0034】
半導体装置100の動作について説明する。
第1電極11と第2電極12の間に、第2電極12が負極となり第1電極11が正極となるような電圧が印加された状態で、ゲート電極21に閾値以上の電圧が印加される。これにより、ベース領域32にチャネル(反転層)が形成され、素子領域R1においてIGBTがオン状態となる。電子は、第2電極12からエミッタ領域34及びチャネルを通ってドリフト領域31へ流れる。正孔は、第1電極11からコレクタ領域37を通ってドリフト領域31へ流れる。一方、ゲート電極21に印加される電圧が閾値よりも低くなると、ベース領域32におけるチャネルが消滅し、IGBTがオフ状態となる。
【0035】
オフ状態において、第1電極11は、拡散層50に対して正の電圧が印加された状態とされている。言い換えれば、拡散層50と半導体領域33とによって形成されるpn接合には、逆バイアスが印加されている。例えば拡散層50は接地電位に設定される。終端領域R2の表面に拡散層50を設けることで、素子領域R1の外側端部(すなわち、この例ではベース領域32の端部)における電界集中を抑制することができる。したがって、半導体装置100の耐圧を向上させることができる。
【0036】
なお、IGBT以外の素子の素子が素子領域R1に設けられた場合においても、この素子がオフ状態である場合には、第2電極12及び拡散層50に対して第1電極11に正の電圧が印加される。この際、終端領域R2の表面の拡散層50によって、素子領域R1の外側端部における電界集中を抑制することができる。
【0037】
第1実施形態の効果を説明する。
複数のガードリングが設けられた半導体装置の動作において、ソース電極に対するドレイン電極の電圧が大きくなると、いずれかのガードリングの下端に電界が集中し、スナップバック(負性抵抗)が生じることがある。スナップバック(負性抵抗)は、例えば図3に関して後述するように、電流と電圧との関係において、電流の上昇時に電圧が急激に低下する現象である。スナップバックが生じると、大電流が流れて素子が破壊されることがある。これに対して、実施形態においては、第2拡散層52が第1拡散層51よりも深くなっている。これにより、第1電極11に対する第2電極12の電圧が大きくなったときに、第1拡散層51よりも第2拡散層52に電流が集中しやすくなる。第2拡散層52と素子領域R1との間には第1拡散層51が介在しており、第2拡散層52は素子領域R1から離れているため、大電流の電流経路には水平方向の抵抗成分が発生する。このため、負性抵抗が生じにくくなり、素子が破壊されにくくなる。すなわち、素子の信頼性(ブレイクオーバー耐量)を向上させることができる。以下、これについて、シミュレーションを参照して説明する。
【0038】
図2(a)及び図2(b)は、シミュレーションに使用した半導体装置のモデルを表す断面図である。
図2(a)は、参考例に係る半導体装置190の終端領域を表している。図2(b)は、実施例に係る半導体装置101の終端領域を表している。なお、これらの図において、左側が半導体装置の内側(すなわち素子領域側)であり、右側が半導体装置の外側である。また、素子領域の図示は省略している。
【0039】
図2(a)に表した半導体装置190においては、複数の拡散層50の深さが、互いに同じとなっている。これ以外については、半導体装置190は、図1に関して説明した半導体装置100と同様の説明を適用することができる。この例では、拡散層50の数は、11である。図中の最も左側の拡散層50が、複数の拡散層50のうち最も内側(素子領域R1側)の拡散層50である。また、複数の拡散層50の不純物濃度は互いに略同じであり、例えば1×1016cm-3程度である。
図2(b)に表した半導体装置101においては、第2拡散層52は、第1拡散層51及び第3拡散層53のそれぞれよりも深い。より具体的には、複数の拡散層50のうち第2拡散層52のみ深く形成されており、他の拡散層50の深さは互いに同じとなっている。これ以外については、半導体装置101は、半導体装置190と同様である。
【0040】
シミュレーションにおいては、第2電極12を0V、拡散層50をフローティング(浮遊電位)とし、第1電極11に、正の電圧を印加する。そして、終端領域R2における電界強度、インパクトイオン化が生じる確率、電流密度、及び第1電極11に流れる電流などを計算する。参考例の半導体装置190においては、複数の拡散層50のうち最も内側の拡散層50において、電界強度、インパクトイオン化率、及び電流密度が高くなる。これに対して、実施例の半導体装置101においては、複数の拡散層50のうち第2拡散層52において、電界強度、インパクトイオン化率、及び電流密度が、他の拡散層50におけるよりも高くなる。実施例においては、第2拡散層52に電流集中させることができる。
【0041】
図3は、半導体装置の電流-電圧特性のシミュレーション結果を表すグラフ図である。 図3の横軸は、第1電極11における電圧V(V)、縦軸は電流I(A)に対応する。図3には、半導体装置190、101a、101b、101cのI-V特性を示す。半導体装置101a、101b及び101cは、図2(b)に示した半導体装置101と同様の半導体装置である。半導体装置101aにおいては、第2拡散層52の深さが30μm、不純物濃度が1×1016cm-3である。半導体装置101bにおいては、第2拡散層52の深さが40μm、不純物濃度が1×1016cm-3である。半導体装置101cにおいては、第2拡散層52の深さが40μm、不純物濃度が1×1020cm-3である。
【0042】
半導体装置190においては、電圧が1600V程度のときに電流値が大きくなり、電流が1×10-5(A)程度のときにI-V特性に変曲点が見られる。すなわち、電流が約1×10-5(A)より大きくなると、負性抵抗が生じている。
半導体装置101aにおいては、電圧が1430V程度のときに電流値が大きくなる。さらに電圧が大きくなると、電流が約2×10-5(A)のときにI-V特性に変曲点が見られる。すなわち、電流が約2×10-5(A)より大きくなると、負性抵抗が生じている。
半導体装置101bにおいては、電圧が1430V程度のときに電流値が大きくなる。さらに電圧が大きくなると、電流が約3×10-5(A)のときにI-V特性に変曲点が見られる。すなわち、電流が約3×10-5(A)より大きくなると、負性抵抗が生じている。
半導体装置101cにおいては、電圧が1100V程度のときに電流値が大きくなる。さらに電圧が大きくなると、電流が約8×10-5(A)程度のときにI-V特性に変曲点が見られる。すなわち、電流が約8×10-5(A)より大きくなると、負性抵抗が生じている。
【0043】
このように、実施例に係る半導体装置101a、101b、101cにおいて負性抵抗が生じる電流値は、参考例に係る半導体装置190において負性抵抗が生じる電流値よりも大きい。すなわち、実施例においては、参考例よりも負性抵抗が発生しにくい。これにより、半導体装置を破壊されにくくなり、信頼性(ブレークオーバー耐量)を向上させることができる。
【0044】
例えば、IGBTのターンオフ状態において、スナップバックが生じているときには、いずれかのガードリングに電流が集中し、コレクタ電極からそのガードリングに向かって縦方向に大電流が流れる。このようなスナップバックが生じた状態になると、十分なブレークオーバー耐量がなく、素子が破壊することがある。これに対して、実施形態によれば、スナップバックが生じる電流値(変曲点)を増加させることができる。よって、ブレークオーバー耐量が向上し、破壊が生じにくくなる。
【0045】
例えば、第1電極11の電圧が大きくなると、インパクトイオン化や裏面側(下側)からの正孔によって、正孔電流が流れ、表面側(上側)のpn接合近傍において正孔の密度が高くなる。素子の表面側において、集中した正孔が素子領域R1の第2電極12側へ流れると、負性抵抗が生じ、素子が破壊されると推測される。
【0046】
ここで、前述したように、参考例の半導体装置190においては、複数の拡散層50のうち、最も素子領域側の拡散層50に電流が集中する。一方、実施例の半導体装置101においては、実施例の半導体装置101においては、第1拡散層51よりも外側の第2拡散層52に電流が集中する。すなわち、参考例に比べて、実施例においては、素子領域から遠く離れた位置に電流が集中する。素子領域から離れた位置に電流が集中することで、電流が集中した位置から素子領域に向かって終端領域の表面を流れる電流の経路が長くなる。これにより、終端領域の表面において、素子領域への電流経路の抵抗成分が大きくなり、負性抵抗が生じにくくなると推定される。
【0047】
また、半導体装置においては、製造プロセスのばらつきにより、拡散層の位置、深さ、または不純物濃度などにばらつきが生じる恐れがある。例えば拡散ばらつきなどのゆらぎに起因して抵抗が低い箇所が生じると、その箇所に電流が集中する。製造プロセスのばらつきによって、負性抵抗の生じやすさもばらつき、信頼性(ブレークオーバー耐量)が低下する恐れがある。これに対して、実施形態においては、第1拡散層51よりも深い第2拡散層52を設けることで、電流が集中しやすい箇所を制限することができる。これにより、製造プロセスのばらつきの影響を抑制することができ、信頼性を向上させることができる。半導体装置101においては、決まった位置(最も深い第2拡散層52の位置)に電流を集中させることで、信頼性をより向上させることができる。
【0048】
また、実施形態においては、第2拡散層52は、第3拡散層53よりも深い。つまり、相対的に深く、電流が集中しやすい第2拡散層52の外側に、第2拡散層52よりも浅い第3拡散層53が設けられている。これにより、外部チャージの影響を抑制することができる。
【0049】
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する断面図である。
図4は、半導体装置200の一部の断面を表す。半導体装置200においても、第1電極11と、第2電極12と、素子領域R1と、終端領域R2と、が設けられている。さらに、半導体装置200は、トレンチ部60を含む。また、半導体装置200においては、第2拡散層52の深さは、第1拡散層51の深さと略同じでも良い。これ以外については、半導体装置200には、半導体装置100と同様の説明を適用することができる。
【0050】
トレンチ部60は、半導体領域33の表面33Uに設けられた凹部である。トレンチ部60は、半導体領域33の表面33Uから下方に延びている。トレンチ部60は、第2拡散層52と接触している。
【0051】
トレンチ部60は、第1拡散層51及び第3拡散層53のそれぞれよりも深い。すなわち、トレンチ部60の下端60LのZ方向の位置は、第1拡散層51の下端51LのZ方向の位置よりも下方であり、第3拡散層53の下端53LのZ方向の位置よりも下方である。
【0052】
トレンチ部60の上端60Uの高さ(Z方向における位置)は、半導体領域33の表面33Uの高さである。トレンチ部60のZ方向に沿った長さL60は、例えば1.5μm以上40μm以下である。
【0053】
また、トレンチ部60は、X方向またはY方向に延在する。例えば、トレンチ部60は、上方から見たときに、ガードリングに沿って設けられており、素子領域R1(ベース領域32、エミッタ領域34、ゲート電極21)を囲む。例えば、トレンチ部60は、上方から見たときに、素子領域R1の四方を途切れることなく囲む環状である。
【0054】
ただし、実施形態において、トレンチ部60は、素子領域R1を断続的に囲む形状でもよい。すなわち、「トレンチ部60が素子領域R1を囲む」という範囲は、環状の一部が途切れている場合や、トレンチ部60が互いに離れた複数の部分に分割され、その複数の部分が素子領域R1の周りに並んで設けられる場合も含む。トレンチ部60の構成要素を巡って得られる軌跡の内側に素子領域R1が位置する場合、トレンチ部60は、素子領域を囲んでいると見なすことができる。なお、トレンチ部60は、必ずしも素子領域R1を囲まなくても良い。
【0055】
この例では、トレンチ部60は、第2拡散層52を貫通している。トレンチ部60の内側面60i及び外側面60eのそれぞれは、第2拡散層52に接触している。第2拡散層52は、トレンチ部60によって内側部分52aと外側部分52bとに分断されていてもよい。
【0056】
終端領域R2は、トレンチ部60の内部に設けられた絶縁部61をさらに含む。絶縁部61は、トレンチ部60の内部に埋め込まれるように配置されており、第2拡散層52および半導体領域33と接している。
【0057】
終端領域R2は、トレンチ部60の内部に設けられた導電部62をさらに含む。導電部62は、トレンチ部60及び絶縁部61の内部に埋め込まれるように配置されており、絶縁部61によって半導体領域33及び拡散層50と電気的に絶縁されている。つまり、絶縁部61は、導電部62と半導体領域33及び拡散層50との間に配置され、導電部62の下面及び側面を覆っている。これにより、導電部62は、半導体領域33及び拡散層50と接しないようになっている。なお、導電部62は、必ずしも設けられなくてもよい。
【0058】
半導体装置200の材料の一例を説明する。
絶縁部61は、酸化シリコンまたは窒化シリコンなどの絶縁材料を含む。
導電部62は、不純物がドープされたポリシリコンなどの導電材料を含む。導電部62には、例えば、ニッケル、金、またはシリコンを含有したアルミニウムなどの金属を用いてもよい。素子の動作時において、導電部62は例えばフローティングに設定される。
【0059】
第2実施形態の効果を説明する。
第2実施形態においては、第1拡散層51よりも深く第2拡散層52に接触するトレンチ部60が設けられている。これにより、第1電極11に対する第2電極12の電圧が大きくなったときに、第1拡散層51よりもトレンチ部60に電流が集中しやすくなり、負性抵抗が生じにくくなり、素子が破壊されにくくなる。以下、これについて、シミュレーションを参照して説明する。
【0060】
図5(a)及び図5(b)は、シミュレーションに使用した半導体装置のモデルを表す断面図である。
図5(a)は、実施例に係る半導体装置201の終端領域を表している。図の左側が半導体装置の内側(すなわち素子領域側)であり、右側が半導体装置の外側である。また、素子領域の図示は省略している。図5(b)は、図5(a)に示す領域R60の拡大図である。半導体装置201においては、第1拡散層51よりも深く第2拡散層52に接触するトレンチ部60が設けられている。これ以外については、半導体装置201は、図2(a)に関して説明した半導体装置190と同様である。
シミュレーションにおいては、第2電極12を0V、拡散層50をフローティングとし、第1電極11に、正の電圧を印加する。そして、終端領域R2における電界強度、インパクトイオン化が生じる確率、電流密度、及び第1電極11に流れる電流などを計算する。
【0061】
実施例の半導体装置201においては、トレンチ部60(第2拡散層52)において、電界強度、インパクトイオン化率、及び電流密度が、他の拡散層50におけるよりも高くなる。電流は、第1電極11から、半導体領域33及びトレンチ部60の表面を経由して、第2拡散層52を通り、終端領域R2の表面へ流れると考えられる。実施例においては、トレンチ部60(第2拡散層52)に電流集中させることができる。
【0062】
図6は、半導体装置の電流-電圧特性のシミュレーションを表すグラフ図である。 図6の横軸は、第1電極11における電圧V(V)、縦軸は電流I(A)に対応に対応する。図6には、半導体装置190、201のI-V特性を示す。
【0063】
半導体装置201においては、電圧が1250V程度のときに電流値が大きくなる。さらに電圧が大きくなり、電流値が4×10-5(A)より大きくなっても負性抵抗が見られていない。一方、参考例の半導体装置190においては、電流が約1×10-5(A)より大きくなると、負性抵抗が生じている。すなわち、実施例においては、参考例よりも負性抵抗が発生しにくい。これにより、半導体装置を破壊されにくくなり、信頼性(ブレークオーバー耐量)を向上させることができる。
【0064】
実施例の半導体装置201においては、第1拡散層51よりも外側のトレンチ部60(第2拡散層52)に電流が集中している。すなわち、参考例に比べて、実施例においては、素子領域から遠く離れた位置に電流が集中する。これにより、第1実施形態と同様に、終端領域の表面において、素子領域への電流経路の抵抗成分が大きくなり、負性抵抗が生じにくくなると推定される。
【0065】
また、実施形態においては、トレンチ部60を設けることにより、電流が集中しやすい箇所を制限することができる。これにより、第1実施形態と同様に、製造プロセスのばらつきの影響を抑制することができ、信頼性を向上させることができる。
【0066】
なお、トレンチ部60を複数設けることも可能である。例えば、複数のトレンチ部60を内側(素子領域R1側)から外側に向けて並べて配置してもよい。例えば、第1のトレンチ部と、第1トレンチ部よりも外側に位置し第1トレンチ部を囲む第2トレンチ部と、を設けても良い。ただし、トレンチ部60の数が1の場合には、決まった位置(1つのトレンチ部60が配置された位置)に電流を集中させやすい。
【0067】
また、トレンチ部60は、第3拡散層53よりも深い。これにより、第1実施形態と同様に、外部チャージの影響を抑制することができる。
【0068】
トレンチ部60は、第2拡散層52を貫通することが望ましい。トレンチ部60が電流のパスとなる第2拡散層52に囲まれていることで、トレンチ部60により電流が集中しやすくすることができ、より負性抵抗を抑制しやすい。
【0069】
トレンチ部60は、上方から見たときに素子領域R1を囲むように設けられることが望ましい。これにより、半導体装置の略全周にわたって、トレンチ部60に電流を集中しやすくすることができ、より負性抵抗を抑制しやすい。
【0070】
トレンチ部60には、絶縁部61が設けられる。さらにトレンチ部60には、ポリシリコンまたは金属を含む導電部62が設けられてもよい。この場合、素子領域R1の一部を形成するための工程(例えばトレンチゲートの形成工程)を用いて、トレンチ部60、絶縁部61及び導電部62を形成してもよい。これにより、製造プロセスを簡易にし、製造コストが増加することを抑制することができる。また、導電部62は、フローティングでも良い。導電部62の電位を制御するための電極や配線を設けなくても良いため、製造プロセスを簡易にすることができる。
【0071】
実施形態によれば、信頼性を向上可能な半導体装置が提供できる。
【0072】
以上で説明した各実施形態における、各半導体領域の間の不純物濃度の相対的な高低については、例えば、SCM(走査型静電容量顕微鏡)を用いて確認することが可能である。なお、各半導体領域におけるキャリア濃度は、各半導体領域において活性化している不純物濃度と等しいものとみなすことができる。従って、各半導体領域の間のキャリア濃度の相対的な高低についても、SCMを用いて確認することができる。また、各半導体領域における不純物濃度については、例えば、SIMS(二次イオン質量分析法)により測定することが可能である。
【0073】
本願明細書において、「電気的に接続」には、直接接触して接続される場合の他に、他の導電性部材などを介して接続される場合も含む。
【0074】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、半導体装置の各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0075】
各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0076】
その他、本発明の実施の形態として上述した半導体装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0077】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0079】
11…第1電極、 12…第2電極、 21…ゲート電極、 23…ゲート絶縁膜、 25…絶縁部、 31…ドリフト領域、 32…ベース領域、 33…半導体領域、 33U…表面、 34…エミッタ領域、 37…コレクタ領域、 40…バッファ領域、 41…半導体領域、 50…拡散層、 50U…上端、 51…第1拡散層、 51L…下端、 52…第2拡散層、 52L…下端、 52a…内側部分、 52b…外側部分、 53…第3拡散層、 53L…下端、 60…トレンチ部、 60L…下端、 60U…上端、 60e…外側面、 60i…内側面、 61…絶縁部、 62…導電部、 100、101、101a、101b、101c、190、200、201…半導体装置、 L51、L52、L53、L60…長さ、 R1…素子領域、 R2…終端領域、 R60…領域、 T1…トレンチ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6