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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】コネクタ装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/64 20060101AFI20241122BHJP
   H01R 13/639 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
H01R13/64
H01R13/639 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021098799
(22)【出願日】2021-06-14
(65)【公開番号】P2022190466
(43)【公開日】2022-12-26
【審査請求日】2024-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】水谷 亮太
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-004512(JP,A)
【文献】特開2015-050116(JP,A)
【文献】特開2011-124225(JP,A)
【文献】特開2003-100382(JP,A)
【文献】国際公開第2010/150975(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/56-13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングとレバーと主端子とインターロックハウジングとインターロック端子とを備えるコネクタと、相手側ハウジングと相手側主端子と相手側インターロック端子とを備える相手側コネクタとで構成されるコネクタ装置であって、
前記レバーと前記ハウジングの一方にガイド溝が形成され、他方にガイド軸が形成され、
前記レバーは、前記ガイド軸が前記ガイド溝に位置するように前記ハウジングに取り付けられることにより、前記ハウジングに対し、前記レバーが取る第1位置と第2位置の間で回転可能とされ、前記第2位置と第3位置の間でスライド可能とされており、
カム機構をなすカム溝と従動ボスの一方が前記レバーに形成され、他方が前記相手側ハウジングに形成され、
前記レバーが前記第1位置にある前記コネクタが前記相手側コネクタに対し嵌合準備位置にあるとき、前記レバーを前記第1位置から前記第2位置まで回転させると、前記コネクタは前記カム機構により前記嵌合準備位置よりも前記相手側コネクタに近接した嵌合位置に引き寄せられて前記主端子と前記相手側主端子とが接続し、
前記レバーが前記第2位置にある前記コネクタが前記相手側コネクタに対し前記嵌合位置にあるとき、前記レバーを前記第2位置から前記第1位置まで回転させると、前記コネクタは前記カム機構により前記嵌合準備位置に押し戻されて前記主端子と前記相手側主端子との接続が解除され、
前記インターロック端子は前記インターロックハウジングに取り付けられ、
前記インターロックハウジングには外方に突出する突部を先端に備えたばね片が形成されて、前記突部は押圧されると自然位置から退避位置に変位するものとされ、
前記インターロックハウジングは、前記インターロックハウジングが取る開放位置と閉成位置の間でスライド可能に前記ハウジングに取り付けられ、但し、前記開放位置にある前記インターロックハウジングは、前記突部が前記自然位置にあるときは前記突部が前記ハウジングの突き当て面に突き当たることによって前記閉成位置へのスライドが阻止され、前記突部が前記退避位置にあるときは前記閉成位置へのスライドが可能であり、
前記コネクタが前記相手側コネクタに対し前記嵌合位置にあり、かつ前記インターロックハウジングが前記開放位置にあるとき、前記インターロック端子と前記相手側インターロック端子とは相互に解離し、
前記コネクタが前記相手側コネクタに対し前記嵌合位置にあり、かつ前記インターロックハウジングが前記閉成位置にあるとき、前記インターロック端子と前記相手側インターロック端子とは相互に接続し、
前記コネクタが前記相手側コネクタに対し前記嵌合位置にあり、かつ前記レバーが前記第2位置にあるとき、前記突部は前記自然位置にあり、
前記コネクタが前記相手側コネクタに対し前記嵌合位置にあり、かつ前記レバーが前記第3位置にあるとき、前記突部は前記レバーの押圧部に押圧されて前記退避位置に位置することを特徴とするコネクタ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタ装置において、
前記インターロックハウジングにはレバースライド阻止部が形成され、
前記レバーには被阻止部が形成され、
前記第3位置にある前記レバーは、前記インターロックハウジングが前記閉成位置にあるときには前記レバースライド阻止部と前記被阻止部とが干渉して前記第2位置へのスライドが阻止され、前記インターロックハウジングが前記開放位置にあるときには前記第2位置へのスライドが可能であることを特徴とするコネクタ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコネクタ装置において、
前記インターロックハウジングにはロック片が形成され、
前記ハウジングには係止部が形成され、
前記インターロックハウジングが前記閉成位置にあるときには前記ロック片が前記係止部に係止されて前記インターロックハウジングは前記閉成位置にロックされていることを特徴とするコネクタ装置。
【請求項4】
請求項1から3までの何れかに記載のコネクタ装置において、
前記相手側ハウジングには保持部が形成され、
前記レバーには被保持部が形成され、
前記コネクタが前記嵌合位置にあり、かつ前記レバーが前記第3位置にあるときには前記被保持部は前記保持部に保持されていることを特徴とするコネクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はHVIL(High-Voltage Inter Lock:高電圧インターロック)を備える高電圧大電流用コネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図24はこの種のコネクタ装置の従来例として特許文献1に記載されている構成を示したものであり、一方のコネクタハウジング11に取り付けられたレバー12の操作により一方のコネクタハウジング11は他方のコネクタハウジング21に装着されるものとなっている。
【0003】
コネクタハウジング11の下方には端子フード部11aが設けられ、端子フード部11a内には一対の端子(雄端子)13が設けられている。コネクタハウジング11の外壁には後述するレバー12のガイド溝14にそれぞれ係合する一対のガイドピン11bが突設されている。
【0004】
レバー12は図25に示すように一対のアームプレート部12a,12bと、一対のアームプレート部12a,12bを連結する操作部12cとを備えている。一対のアームプレート部12a,12bには水平方向に延びるガイド溝14が設けられている。各ガイド溝14にはコネクタハウジング11の一対のガイドピン11bがそれぞれ挿入され、これによりレバー12はコネクタハウジング11に対して回転移動、かつ直線移動可能に設けられている。
【0005】
また、一対のアームプレート部12a,12bにはカム溝15が設けられており、一対のカム溝15には一方のコネクタハウジング11を他方のコネクタハウジング21に装着する際に他方のコネクタハウジング21の後述するカムピン21aが挿入される。
【0006】
さらに、一対のアームプレート部12a,12bの一方は他方に比べて幅広に設けられ、幅広のアームプレート部12bにはコネクタ部12dが設けられ、コネクタ部12dには嵌合検知用雄端子16が設けられている。
【0007】
他方のコネクタハウジング21は上面が解放された略直方体形状を有し、その内部スペースがコネクタハウジング11の装着スペース21bとなっている。装着スペース21bの下面となる底面部には端子フード収容部21cが設けられており、端子フード収容部21c内には一対の端子(雌端子)22が収容されている。
【0008】
コネクタハウジング21の内周壁の対称位置には一対のカムピン21aが突設され、さらに装着スペース21b内にはコネクタ部21dが設けられている。コネクタ部21dには一対の嵌合検知用雌端子23が設けられている(後述する図27参照)。
【0009】
図26A~Cは図24に示した一方のコネクタハウジング11が他方のコネクタハウジング21に装着される前の状態から他方のコネクタハウジング21の装着スペース21b内に一方のコネクタハウジング11が挿入され、一方のコネクタハウジング11が他方のコネクタハウジング21に装着される過程におけるレバー12の状態を他方のコネクタハウジング21のカムピン21aと共に示したものであり、図26Aはレバー12が図24に示した回転開始位置から矢印a方向に回転され、回転開始位置と回転完了位置との間にある状態を示し、図26Bはレバー12が回転完了位置にある状態を示す。また、図26Cはレバー12が矢印b方向にスライドされて嵌合完了位置にある状態を示す。
【0010】
レバー12のカム溝15に入り込んだ他方のコネクタハウジング21のカムピン21aはレバー12の回転に伴い、カム溝15内を移動することによって一方のコネクタハウジング11は他方のコネクタハウジング21内に徐々に近接移動されて入り込み、この近接移動によってレバー12が回転完了位置に位置するまでに双方のコネクタハウジング11,21の端子13,22が接触状態となる。
【0011】
次に、レバー12を矢印b方向にスライドさせ、回転完了位置から嵌合完了位置までスライド移動させると、レバー12が嵌合完了位置に位置するまでにレバー12の嵌合検知用雄端子16が他方のコネクタハウジング21の一対の嵌合検知用雌端子23に接触する。図27はレバー12が嵌合完了位置に位置し、一方のコネクタハウジング11の、他方のコネクタハウジング21への装着が完了した状態を示す。
【0012】
レバー12の操作はこのように回転操作とスライド操作の2アクションからなり、回転操作後のスライド操作によって嵌合検知用雄端子16が嵌合検知用雌端子23に接触して嵌合検知されることによって電源回路が初めて導通状態となり、端子13,22間に電流が流れるものとなっている。
【0013】
また、電源回路を導通状態から非導通状態とするレバー12の操作はその逆の2アクションからなり、先のスライド操作で電源回路がオフされ、その次の回転操作で端子13と端子22が離間するものとなっている。
【0014】
よって、レバー12の操作が完了する前に電源回路が導通状態となるのを防止することができ、かつアーク放電の発生を防止することができるものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】特開2003-100382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述したように、図24に示した従来のコネクタ装置では、レバーの回転操作により大電流用の端子の接続、解離が行われ、HVILを構成する嵌合検知用の端子の接続、解離はレバーのスライド操作によって行われるものとなっており、これにより大電流用の端子の接続、解離とHVILの接続、解離に時間差が確保され、コネクタ装置の嵌合及び離脱が安全に行われるものとなっている。
【0017】
しかるに、このように大電流用の端子の接続、解離とHVILの接続、解離がレバーの回転、スライドといったレバーの一連の操作で行われる方式では一連の操作が素早く行われた場合、安全性を確保するための十分な時間間隔が大電流用の端子の接続、解離とHVILの接続、解離との間に確保されないといった状況が生じる虞がある。
【0018】
この発明の目的はこのような問題に鑑み、大電流用の端子の接続、解離とHVILの接続、解離との間に従来よりも十分な時間間隔が空くようにし、コネクタ装置の嵌合、離脱作業の安全性を従来よりも高められるようにしたコネクタ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この発明によれば、ハウジングとレバーと主端子とインターロックハウジングとインターロック端子とを備えるコネクタと、相手側ハウジングと相手側主端子と相手側インターロック端子とを備える相手側コネクタとで構成されるコネクタ装置において、レバーとハウジングの一方にガイド溝が形成され、他方にガイド軸が形成され、レバーはガイド軸がガイド溝に位置するようにハウジングに取り付けられることにより、ハウジングに対しレバーが取る第1位置と第2位置の間で回転可能とされ、第2位置と第3位置の間でスライド可能とされ、カム機構をなすカム溝と従動ボスの一方がレバーに形成され、他方が相手側ハウジングに形成され、レバーが第1位置にあるコネクタが相手側コネクタに対し嵌合準備位置にあるとき、レバーを第1位置から第2位置まで回転させると、コネクタはカム機構により嵌合準備位置よりも相手側コネクタに近接した嵌合位置に引き寄せられて主端子と相手側主端子とが接続し、レバーが第2位置にあるコネクタが相手側コネクタに対し嵌合位置にあるとき、レバーを第2位置から第1位置まで回転させると、コネクタはカム機構により嵌合準備位置に押し戻されて主端子と相手側主端子との接続が解除され、インターロック端子はインターロックハウジングに取り付けられ、インターロックハウジングには外方に突出する突部を先端に備えたばね片が形成されて、突部は押圧されると自然位置から退避位置に変位するものとされ、インターロックハウジングはインターロックハウジングが取る開放位置と閉成位置の間でスライド可能にハウジングに取り付けられ、但し開放位置にあるインターロックハウジングは突部が自然位置にあるときは突部がハウジングの突き当て面に突き当たることによって閉成位置へのスライドが阻止され、突部が退避位置にあるときは閉成位置へのスライドが可能であり、コネクタが相手側コネクタに対し嵌合位置にあり、かつインターロックハウジングが開放位置にあるとき、インターロック端子と相手側インターロック端子とは相互に解離し、コネクタが相手側コネクタに対し嵌合位置にあり、かつインターロックハウジングが閉成位置にあるとき、インターロック端子と相手側インターロック端子とは相互に接続し、コネクタが相手側コネクタに対し嵌合位置にあり、かつレバーが第2位置にあるとき、突部は自然位置にあり、コネクタが相手側コネクタに対し嵌合位置にあり、かつレバーが第3位置にあるとき、突部はレバーの押圧部に押圧されて退避位置に位置するものとされる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によるコネクタ装置によれば、HVILの接続はレバーを回転操作して大電流用の主端子を接続した後、レバーをスライド操作し、さらにインターロックハウジングを押し下げることによって行われ、また主端子の解離はインターロックハウジングを引き上げてHVILを解離した後、レバーをスライド操作し、さらにレバーを回転操作することによって行われるものとなっている。
【0021】
よって、レバーの回転操作とスライド操作によって大電流用の端子の接続、解離とHVILの接続、解離とが行われる従来例に比し、インターロックハウジングを操作する手間を余分に必要とする分、大電流用の主端子の接続、解離とHVILの接続、解離との間により大きな時間差が生じるため、コネクタ装置の嵌合、離脱作業の安全性を従来よりも高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】Aはこの発明によるコネクタ装置の実施例1におけるコネクタの上方から見た斜視図、BはAに示したコネクタの下方から見た斜視図。
図2】Aはこの発明によるコネクタ装置の実施例1における相手側コネクタの正面図、BはAに示した相手側コネクタの正面側から見た斜視図、CはAに示した相手側コネクタの背面側から見た斜視図。
図3】Aは図1におけるハウジングの正面図、Bはその右側面図、Cはその上方から見た斜視図、Dはその下方から見た斜視図。
図4】Aは図1におけるレバーの平面図、Bはその正面図、Cはその正面側上方から見た斜視図、Dはその背面側下方から見た斜視図、Eはその背面側上方から見た斜視図、Fはその正面側下方から見た斜視図。
図5】Aは図1におけるインターロック端子が取り付けられたインターロックハウジングの正面図、Bはその右側面図、Cはその正面側上方から見た斜視図、Dはその正面側下方から見た斜視図、Eはその背面側上方から見た斜視図。
図6】この発明によるコネクタ装置の実施例1において、コネクタが嵌合準備位置にある状態を示す斜視図。
図7図6に示した状態からレバーが第2位置まで回転された状態を示す斜視図。
図8図7に示した状態からレバーが第3位置までスライドされた状態を示す斜視図。
図9図8に示した状態からインターロックハウジングが閉成位置にスライドされた状態を示す斜視図。
図10】Aは図6に示した状態の右側面図、BはAのC-C線部分拡大断面図。
図11】Aは図7に示した状態の右側面図、BはAのD-D線部分拡大断面図、CはAのE-E線部分拡大断面図。
図12】Aは図8に示した状態の右側面図、BはAのD-D線部分拡大断面図、CはAのE-E線部分拡大断面図。
図13】Aは図9に示した状態の右側面図、BはAのE-E線部分拡大断面図、CはAの部分拡大中央縦断面図、DはAのF-F線部分拡大断面図。
図14】Aはこの発明によるコネクタ装置の実施例2におけるコネクタの上方から見た斜視図、BはAに示したコネクタの下方から見た斜視図。
図15】Aはこの発明によるコネクタ装置の実施例2における相手側コネクタの正面図、BはAに示した相手側コネクタの右側面図、CはAに示した相手側コネクタの正面側から見た斜視図、DはAに示した相手側コネクタの背面側から見た斜視図。
図16】Aは図14におけるハウジングの平面図、Bはその正面図、Cはその上方から見た斜視図、Dはその下方から見た斜視図。
図17】Aは図14におけるレバーの平面図、Bはその正面図、Cはその正面側上方から見た斜視図、Dはその背面側下方から見た斜視図。
図18】Aは図14におけるインターロック端子が取り付けられたインターロックハウジングの正面図、Bはその右側面図、CはBのF-F線断面図、Dはその正面側上方から見た斜視図、Eはその背面側下方から見た斜視図。
図19】Aはこの発明によるコネクタ装置の実施例2において、コネクタが嵌合準備位置にある状態を示す正面図、BはAのC-C線断面図。
図20】Aは図19Aに示した状態からレバーが第2位置まで回転された状態を示す平面図、BはAのD-D線部分拡大断面図、CはAのE-E線部分拡大断面図。
図21】Aは図20Aに示した状態からレバーが第3位置までスライドされた状態を示す平面図、BはAのD-D線部分拡大断面図、CはAのE-E線部分拡大断面図。
図22】Aは図21Aに示した状態からインターロックハウジングが閉成位置にスライドされた状態を示す平面図、BはAのD-D線部分拡大断面図、CはAのE-E線部分拡大断面図。
図23】Aは図20Aに示した状態の部分拡大横断面図、Bは図21Aに示した状態の部分拡大横断面図、Cは図22Aに示した状態の部分拡大横断面図。
図24】コネクタ装置の従来例を示す斜視図。
図25】Aは図24におけるレバーの斜視図、Bはその側面図。
図26】Aはレバーが回転開始位置と回転完了位置との間にある状態を示す正面図、Bはレバーが回転完了位置にある状態を示す正面図、Cはレバーが嵌合完了位置にある状態を示す正面図。
図27】Aは図24に示したコネクタ装置の装着完了状態を示す部分断面図、BはAの要部拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
この発明の実施形態を図面を参照して実施例により説明する。
【実施例1】
【0024】
図1及び2はHVILを備えるこの発明による高電圧大電流用のコネクタ装置の実施例1を構成するコネクタ100と相手側コネクタ200をそれぞれ示したものである。図1中、30はハウジングを示し、40はレバーを示す。また、50はインターロックハウジングを示し、インターロックハウジング50には後述するようにインターロック端子60が取り付けられている。図1中、300はケーブルを示し、コネクタ100はこの例では2本のケーブル300の端末に取り付けられている。図1中、70は2本のケーブル300とそれぞれ接続されている主端子を示し、80はハウジング30に取り付けられているケーブルカバーを示す。
【0025】
まず、コネクタ100のハウジング30、レバー40及びインターロックハウジング50の構成について説明する。
【0026】
ハウジング30は図3に示したように大別して嵌合部31と、嵌合部31の後方に続くケーブル収容部32と、嵌合部31の前面に位置する取付け部33とよりなる。嵌合部31は下面が開放された箱状をなし、この嵌合部31内に主端子70が収容配置される。嵌合部31の両側面には一対のガイド軸34が互いに外向きに突出して形成されている。
【0027】
取付け部33はインターロックハウジング50が取り付けられる部分であり、上下方向に開口した略筒状をなす。取付け部33にはその上下方向の中間に、取付け部33の前端から後方に向かって延びる一対のスリット35が互いに対向する位置に形成されており、さらに取付け部33の上端からそれぞれスリット35に至るように一対のスリット36が互いに対向する位置に形成されている。スリット35の内端側及びスリット36は取付け部33の内外を連通するものとなっている。
【0028】
レバー40は図4に示したように板状をなす一対のアーム部41と、一対のアーム部41の基端を連結する連結部42と、連結部42を挟んでアーム部41と反対側に位置する操作部43を備えている。操作部43は連結部42の下端側に位置し、上下方向に延びる一対の補強壁44が操作部43の幅方向両端に位置して連結部42と操作部43との間にまたがって設けられている。
【0029】
一対のアーム部41にはアーム部41の伸長方向に延びるガイド溝41aがそれぞれ形成されており、さらにカム溝41bがそれぞれ形成されている。カム溝41bは図4に示したように湾曲形状をなし、その先端はアーム部41の先端に位置している。また、両アーム部41の先端の下端側の外面には被保持部41cが凹部形状をなして形成されている。
【0030】
連結部42には下半部側に開口42aが形成され、この開口42aと連通する開口43aが操作部43にも形成されている。操作部43の開口43aの幅方向両側には上下方向に延びる壁部45がそれぞれ形成され、一対の壁部45の互いの内側には一対の突出部46がそれぞれ壁部45に沿って形成されている。
【0031】
突出部46は断面L字状をなしてアーム部41の伸長方向に延び、壁部45と垂直をなし、互いに内向きに突出する各L字の一半部はそれぞれスライド挿入部46aをなす。スライド挿入部46aのアーム部41側に位置する先端は押圧部46bとして機能し、押圧部46bに隣接して切り欠かれた部分は被阻止部46cとして機能する。一対の壁部45の互いの外側面には軸状をなす被保持部47がそれぞれ突出形成されている。
【0032】
インターロックハウジング50は図5に示したように筒状部51と、筒状部51の上端に位置して筒状部51を蓋する形状の操作部52とを備えている。ショート端子をなすインターロック端子60は筒状部51の内部に取り付け固定されている。
【0033】
筒状部51には一対のばね片53と一対のレバースライド阻止部54とロック片55と抜け止め片56が一体形成されている。一対のばね片53は筒状部51の周壁51aに上下方向に切り込みが入れられて周壁51aの互いに対向する位置に形成されている。一対のばね片53は上端が基端とされ、下端(先端)には互いに外向きに突出する突部53aが形成されている。
【0034】
一対のばね片の突部53aの突出方向を左右方向とするとき、ロック片55は周壁51aの前方に、周壁51aの下端から上方に伸長されて形成されている。ロック片55の先端(上端)には操作突部55aが前方に突出して形成され、ロック片55の伸長方向中間には突起55bが前方に突出して形成されている。抜け止め片56はロック片55が位置する周壁51aの位置と反対側の周壁51aの位置に、周壁51aの下端から上方に伸長されて形成されており、抜け止め片56の先端には突起56aが後方に突出して形成されている。
【0035】
一対のレバースライド阻止部54はそれぞればね片53に対し、前方側に、即ちロック片55が位置する側に隣接して形成されており、周壁51aから互いに外向きに突出して形成されて上下方向に延びる板部57からさらに外向きに突出延長されて形成されている。
【0036】
上記のような構成を有し、インターロック端子60を保持したインターロックハウジング50はハウジング30の取付け部33に上方から挿入されて取り付けられ、抜け止め片56の突起56aが引っ掛かることによって抜け止めされる。また、レバー40は一対のアーム部41の各ガイド溝41aに、ハウジング30の一対のガイド軸34がそれぞれ挿入、位置されてハウジング30に取り付けられる。レバー40はハウジング30に対し、後述するようにレバー40が取る第1位置と第2位置の間で回転可能とされ、第2位置と第3位置の間でスライド可能とされている。図1はレバー40が第1位置にある状態を示す。
【0037】
一方、相手側コネクタ200を示した図2において、110は相手側ハウジングを示し、120は相手側主端子を示す。また、130は相手側インターロック端子を示す。相手側コネクタ200は基板に実装されるものとなっている。
【0038】
相手側ハウジング110は板部111と、上方に開口する枠状をなして板部111上に突出して位置する被嵌合部112とを備えている。被嵌合部112の枠状をなす周壁112aにおいて、左右に位置する部分の外側面には一対の従動ボス113が互いに外向きに突出して形成されている。また、周壁112aの後方に向く部分は切欠き114によって大きく切り欠かれている。一対の相手側主端子120は被嵌合部112内に収容配置されている。
【0039】
相手側ハウジング110の板部111上にはさらに取付け部115と各一対の保持部116,117が形成されている。取付け部115は被嵌合部112の前方に位置して上方に開口する筒状をなし、相手側インターロック端子130はこの取付け部115内に取付け固定されている。
【0040】
一対の保持部116は被嵌合部112の前方において取付け部115の左右に設けられている。保持部116は前方に向くひさし状部116aが板部111から垂直に立ち上がった直立部116bに支持された形状を有する。一対の保持部117は被嵌合部112の後部側において被嵌合部112の左右に設けられている。保持部117は板部111に垂直な板面を有し、一対の保持部117の板面には互いに内向きに突起117aが突出形成されている。
【0041】
次に、上述したコネクタ100と相手側コネクタ200の嵌合動作について説明する。
【0042】
図6~9はコネクタ100と相手側コネクタ200の嵌合過程における各状態1~4を順に示したものであり、図10~13は状態1~4における要部詳細をそれぞれ示したものである。
【0043】
<状態1:図6,10>
状態1はレバー40が第1位置にあるコネクタ100のハウジング30の嵌合部31が相手側コネクタ200の相手側ハウジング110の被嵌合部112に嵌合され、コネクタ100が相手側コネクタ200に対し、嵌合準備位置にある状態であり、相手側コネクタ200の一対の従動ボス113はコネクタ100のレバー40のカム溝41bにそれぞれ入り込んだ状態となっている。この状態1では主端子70と相手側主端子120とはまだ接続していない。
【0044】
コネクタ100のハウジング30の取付け部33に取り付けられているインターロックハウジング50はその一対のばね片53の突部53aが自然位置に位置して図10Bに示したように取付け部33のスリット35に入り込んだ状態となっている。これによりインターロックハウジング50はその操作部52を押しても突部53aがスリット35の下側の内面がなす突き当て面35aに突き当たることにより押し下げることはできず、即ちコネクタ100のインターロック端子60と相手側コネクタ200の相手側インターロック端子130が相互に接続する閉成位置へのスライドが阻止されている。
【0045】
<状態2:図7,11>
状態2はレバー40が第1位置から第2位置まで回転された状態であり、レバー40のカム溝41bと、カム溝41bに入り込んだ相手側コネクタ200の従動ボス113とよりなるカム機構により、コネクタ100は状態1の嵌合準備位置よりも相手側コネクタ200に近接した嵌合位置に引き寄せられて状態2となる。この状態2でコネクタ100の主端子70と相手側コネクタ200の相手側主端子120とは図11Bに示したように接続される。
【0046】
インターロックハウジング50は状態1と同様、状態1の開放位置にあり、かつばね片53の突部53aは自然位置にあって、インターロックハウジング50は閉成位置へのスライドが阻止されており、相手側コネクタ200にコネクタ100が近接するも図11Cに示したようにインターロック端子60と相手側インターロック端子130はまだ接続されず、相互に解離している。
【0047】
なお、レバー40が第2位置にあるコネクタ100が相手側コネクタ200に対し、この状態2の嵌合位置にあるとき、レバー40を第2位置から第1位置まで回転させると、コネクタ100はカム機構により状態1の嵌合準備位置に押し戻されて主端子70と相手側主端子120との接続は解除される。
【0048】
<状態3:図8,12>
状態3はレバー40が第2位置から第3位置にスライドされた状態であり、レバー40の一対の突出部46のスライド挿入部46aはハウジング30のスリット35に入り込む。これにより、インターロックハウジング50の一対のばね片53の突部53aは図12Bに示したようにスライド挿入部46aの先端の押圧部46bによって押圧され、自然位置から退避位置に変位する。突部53aが退避位置に変位することにより、ハウジング30の取付け部33に、インタークロックハウジング50が取る開放位置と閉成位置の間でスライド可能に取り付けられているインターロックハウジング50は閉成位置へのスライドが可能になる。
【0049】
なお、レバー40はスライド挿入部46aがハウジング30のスリット35に入り込むことによってスライド可能となるため、例えばレバー40が状態2の第2位置になく、回転し切ってない(倒し切ってない)ような場合にはスライド挿入部46aがスリット35に入り込めず、レバー40を第3位置にスライドさせることはできない。
【0050】
また、このようにレバー40のスライド挿入部46aがハウジング30のスリット35に入り込む構造のため、レバー40が第3位置にある状態3ではレバー40は回転できないものとなっている。
【0051】
加えて、レバー40が第3位置にある状態3では、この例では図12Bに示したように一対のアーム部41に凹部形状をなして設けられている被保持部41cに、相手側コネクタ200に設けられている保持部117の突起117aが入り込み、さらにレバー40の操作部43に設けられている軸状をなす一対の被保持部47が相手側コネクタ200に設けられている保持部116のひさし状部116aの下に入り込むものとなっている。これにより、被保持部41c,47はそれぞれ保持部117,116に保持されてレバー40は相手側コネクタ200の相手側ハウジング110に堅固に固定されるものとなっている。
【0052】
<状態4:図9,13>
状態4は状態3において開放位置に位置しているインターロックハウジング50が、その操作部52が押されて押し込まれ、閉成位置にスライドして位置した状態であり、インターロック端子60と相手側インターロック端子130は図13Dに示したように相互に接続する。これにより、嵌合が検知される。
【0053】
なお、このようにインターロックハウジング50が押し下げられて閉成位置に位置する状態ではインターロックハウジング50に設けられている一対のレバースライド阻止部54が図13Bに示したようにレバー40のスライド挿入部46aに切り欠かれて設けられている被阻止部46cに入り込む。これにより、レバー40は第3位置に固定されてスライドできないものとなり、つまり第2位置へのスライドが阻止される。
【0054】
閉成位置に位置するインターロックハウジング50はロック片55の突起55bが図13cに示したようにハウジング30の取付け部33に設けられている係止部37に引っ掛かって係止されて閉成位置にロックされる。ロックの解除はロック片55の操作突部55aを押すことによって行われ、これによりインターロックハウジング50は開放位置へのスライド復帰が可能となり、さらにレバー40の第2位置へのスライド復帰が可能となる。
【0055】
以上、コネクタ100と相手側コネクタ200とで構成される、この発明によるコネクタ装置の実施例1の構成、嵌合動作について説明したが、大電流用の主端子70と相手側主端子120が接続した上で、HVIL用のインターロック端子60と相手側インターロック端子130が接続し、HVIL回路が閉じることで、主端子70と相手側主端子120間に大電流を流す回路装置がコネクタ装置の外部に備えられる。
【0056】
上述した実施例1のコネクタ装置によれば、以下の効果を得ることができる。
【0057】
(1)この例ではHVILの接続、解離はレバー40とは別に設けたインターロックハウジング50の押し下げ、引き上げによって行われるものとなっている。即ち、HVILの接続はレバー40を回転操作して主端子70と相手側主端子120を接続した後、レバー40をスライド操作し、さらにインターロックハウジング50を押し下げることによって行われ、また主端子70と相手側主端子120の解離はインターロックハウジング50を引き上げてHVILを解離した後、レバー40をスライド操作し、さらに回転操作することによって行われるものとなっている。
【0058】
従って、大電流用の端子の接続、解離とHVILの接続、解離がレバーの回転、スライドといったレバーの操作だけで行われる従来のコネクタ装置と比べ、この例では大電流用の主端子の接続、解離とHVILの接続、解離との間にインターロックハウジング50を押し下げる又は引き上げるといったステップが余分に必要となっており、その分だけ両者の間により大きな時間間隔が空くものとなっている。
【0059】
これにより、操作者がコネクタ装置の嵌合操作や離脱操作に慣れて操作を素早く行うようになっても、大電流用の主端子の接続、解離とHVILの接続、解離とが十分な時間間隔を空けて行われることになり、よってコネクタ装置の嵌合、離脱作業の安全性を従来よりも高めることができる。
【0060】
(2)レバー40を第2位置まで完全に回転させないと、レバー40をスライドさせることはできず、よって主端子70と相手側主端子120との接続が不完全な状態(コネクタ100の嵌合が不完全な状態)でHVILが接続されることはない。また、レバー40をスライドさせることができないことにより、コネクタ100が嵌合位置に位置せず、嵌合が不完全であることを知ることができる。
【0061】
(3)インターロックハウジング50を押し下げ、閉成位置に位置させてHVILを接続する作業は、レバー40を回転、スライドして第3位置に位置させた状態(状態3)で可能であり、それまでの状態(状態1,2)ではインターロックハウジング50を押し下げることはできない。
【0062】
(4)レバー40をスライドして第3位置に位置させると、レバー40は逆向きの回転はできず、コネクタ100は嵌合位置に位置して相手側コネクタ200との嵌合がロックされる。また、レバー40をスライドして第3位置に位置させると、レバー40に設けた被保持部41c,47が相手側コネクタ200の保持部116,117によって堅固に保持されるため、例えば振動等によってレバー40が外れたり、あるいはこすれて摩耗するといったことを防止することができる。
【0063】
(5)インターロックハウジング50を押し下げて閉成位置に位置させることにより、インターロックハウジング50のレバースライド阻止部54がレバー40の被阻止部46cに入り込むことによってレバー40は第2位置へのスライドが阻止されるものとなっており、つまりインターロックハウジング50を押し下げる1アクションでHVILによる嵌合検知とレバー40のロック、即ちCPA(Connector Position Assurance:コネクタ位置保証)を行えるものとなっている。よって、CPAの機能のための部品を別に設ける必要はなく、部品を削減することができる。
【実施例2】
【0064】
図14及び15は実施例2のコネクタ装置を構成するコネクタ400と相手側コネクタ500をそれぞれ示したものである。コネクタ400及び相手側コネクタ500の各部において実施例1と対応する部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0065】
この例ではコネクタ400のレバー40は実施例1とは逆方向に回転するものとなっており、即ちケーブル300に近づく方向に回転するものとなっている。
【0066】
コネクタ400のハウジング30は図16に示したように嵌合部31とケーブル収容部32と取付け部33とよりなる。嵌合部31の両側面には一対のガイド軸34が形成されている。
【0067】
インターロックハウジング50が取り付けられる取付け部33はケーブル収容部32の基端側(嵌合部31側の端部)の一方の側面に設けられており、ケーブル収容部32の側面に形成された凹部38と、その凹部38との間に上下方向に開口する空間を構成する枠部39とによって構成されている。
【0068】
枠部39はケーブル収容部32から嵌合部31にまたがって形成されており、枠部39の上下方向の中間には前後方向に延びるスリット35が形成され、さらに枠部39の前後方向の中間には上下方向に延びて枠部39を2分するスリット36がスリット35と交差して形成されている。
【0069】
コネクタ400のレバー40は図17に示したように一対のアーム部41と、一対のアーム部41を連結する連結部42とよりなる。この例では連結部42がレバー40を操作する操作部をなす。一対のアーム部41にはガイド溝41aとカム溝41bがそれぞれ形成されている。
【0070】
一方のアーム部41の内側面にはスライド挿入部46aが突出形成されている。スライド挿入部46aの連結部42側に位置する一端は1段高くされており、この部分が押圧部46bとして機能する。またスライド挿入部46aの他端側には切欠きによって完全に切り欠かれた部分が存在しており、この切り欠かれた部分は被阻止部46cとして機能する。
【0071】
コネクタ400のインターロックハウジング50は図18に示したように扁平な筒状部51と、筒状部51の上端に位置する操作部52とを備えている。筒状部51はこの例では上端側は中実とされている。また、筒状部51の一側面には段部58が存在し、段部58より上は下に比べて断面積が大とされている。インターロック端子60は筒状部51の内部に取り付け固定されている。
【0072】
筒状部51にはこの例では1つのばね片53と1つのレバースライド阻止部54が形成されている。ばね片53は筒状部51の側面上に突出して形成され、上端が基端とされ、下端(先端)には突部53aが形成されている。
【0073】
レバースライド阻止部54は筒状部51の側面に、ばね片53の突出方向と90°をなす方向に突出して形成されており、上下方向に延びるレバースライド阻止部54の上端は段部58に連結された状態となっている。
【0074】
上記のような構成を有し、インターロック端子60を保持したインターロックハウジング50はハウジング30の取付け部33に上方から挿入されて取り付けられる。また、レバー40は一対のアーム部41の各ガイド溝41aに、ハウジング30の一対のガイド軸34がそれぞれ挿入、位置されてハウジング30に取り付けられる。レバー40は実施例1と同様、ハウジング30に対し、第1位置と第2位置と第3位置を取るものとされる。図14はレバー40が第1位置にある状態を示す。
【0075】
相手側コネクタ500は基板に実装されるもので、図15に示したように相手側コネクタ500の相手側ハウジング110は板部111と、板部111上に位置する被嵌合部112とを備えている。被嵌合部112の周壁112aには一対の従動ボス113が形成されている。一対の相手側主端子120は被嵌合部112内に収容配置されている。
【0076】
被嵌合部112の後方、即ち周壁112aに設けられている切欠き114が位置する側において板部111上には取付け部115が突出形成されている。取付け部115は筒状をなし、相手側インターロック端子130は取付け部115内に取付け固定されている。
【0077】
次に、上述したコネクタ400と相手側コネクタ500の嵌合動作について説明する。
【0078】
コネクタ400と相手側コネクタ500の嵌合過程は実施例1と同様、状態1~4の4状態によって説明することができる。図19~22は状態1~4の状態を順に示したものであり、図23のA~Cは状態2~4におけるレバー40のスライド挿入部46aとハウジング30の取付け部33に位置するインターロックハウジング50の状態を横断面で、即ち相手側ハウジング110の板部111に平行な断面で示したものである。
【0079】
<状態1:図19
レバー40が第1位置にあるコネクタ400のハウジング30の嵌合部31が相手側コネクタ500の相手側ハウジング110の被嵌合部112に嵌合され、コネクタ400が相手側コネクタ500に対し、嵌合準備位置にある状態を示す。相手側コネクタ500の一対の従動ボス113はコネクタ400のレバー40のカム溝41bにそれぞれ入り込んだ状態となっている。
【0080】
インターロックハウジング50のばね片53はその突部53aが自然位置に位置して取付け部33のスリット35に入り込んだ状態となっており(図20C参照)、これにより突部53aがスリット35の突き当て面35aに突き当たることによりインターロックハウジング50は閉成位置へのスライドが阻止されている。
【0081】
<状態2:図20,23A>
レバー40が第1位置から第2位置まで回転された状態を示す。コネクタ400はカム機構により相手側コネクタ500に対し、嵌合位置に引き寄せられ、コネクタ400の主端子70と相手側コネクタ500の相手側主端子120とが接続する。インターロックハウジング50は状態1と同様、開放位置に位置している。
【0082】
<状態3:図21,23B>
レバー40が第2位置から第3位置にスライドされた状態を示す。レバー40のスライド挿入部46aはハウジング30の取付け部33のスリット35に入り込む。これによりインターロックハウジング50のばね片53の突部53aは図21C図23Bに示したようにスライド挿入部46aの押圧部46bによって押圧され、退避位置に変位する。これにより、インターロックハウジング50は閉成位置へのスライドが可能になる。
【0083】
<状態4:図22,23C>
インターロックハウジング50が押し込まれ、閉成位置にスライドして位置した状態を示す。インターロック端子60と相手側インターロック端子130は図22Bに示したように相互に接続し、これにより嵌合が検知される。
【0084】
インターロックハウジング50に設けられているレバースライド阻止部54は図23Cに示したようにレバー40のスライド挿入部46aに切り欠かれて設けられている被阻止部46cに入り込む。これにより、レバー40は第3位置に固定され、第2位置へのスライド復帰が阻止される。
【0085】
なお、閉成位置に位置するインターロックハウジング50はばね片53の突部53aが図22Cに示したようにハウジング30の取付け部33から抜け出し、枠部39の下に位置して枠部39に引っ掛かった状態となる。これにより、インターロックハウジング50は抜け止めされ、閉成位置にロックされる。ロックの解除はばね片53の突起53aを押す(退避位置に位置させる)ことによって行うことができ、これによりインターロックハウジング50は開放位置へのスライド復帰が可能となり、さらにレバー40の第2位置へのスライド復帰が可能となる。
【0086】
以上、実施例2のコネクタ装置について説明したが、実施例2のコネクタ装置においても前述した実施例1のコネクタ装置と同様の効果を得ることができる。
【0087】
加えて、実施例2ではレバー40の回転方向が実施例1とは逆方向であって、ハウジング30のケーブル収容部32側に回転するものとなっており、これにより基板に実装された相手側コネクタ500からのレバー40のはみ出しを実施例1に比し、抑えることができ、よって実装スペースの省スペース化を図ることができる。
【符号の説明】
【0088】
11 コネクタハウジング 11a 端子フード部
11b ガイドピン 12 レバー
12a,12b アームプレート部 12c 操作部
12d コネクタ部 13 端子
14 ガイド溝 15 カム溝
16 嵌合検知用雄端子 21 コネクタハウジング
21a カムピン 21b 装着スペース
21c 端子フード収容部 21d コネクタ部
22 端子 23 嵌合検知用雌端子
30 ハウジング 31 嵌合部
32 ケーブル収容部 33 取付け部
34 ガイド軸 35 スリット
35a 突き当て面 36 スリット
37 係止部 38 凹部
39 枠部 40 レバー
41 アーム部 41a ガイド溝
41b カム溝 41c 被保持部
42 連結部 42a 開口
43 操作部 43a 開口
44 補強壁 45 壁部
46 突出部 46a スライド挿入部
46b 押圧部 46c 被阻止部
47 被保持部 50 インターロックハウジング
51 筒状部 51a 周壁
52 操作部 53 ばね片
53a 突部 54 レバースライド阻止部
55 ロック片 55a 操作突部
55b 突起 56 抜け止め片
56a 突起 57 板部
58 段部 60 インターロック端子
70 主端子 80 ケーブルカバー
100 コネクタ 110 相手側ハウジング
111 板部 112 被嵌合部
112a 周壁 113 従動ボス
114 切欠き 115 取付け部
116 保持部 116a ひさし状部
116b 直立部 117 保持部
117a 突起 120 相手側主端子
130 相手側インターロック端子 200 相手側コネクタ
300 ケーブル 400 コネクタ
500 相手側コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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図22
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図27