IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日立産機システムの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】通信システム、通信装置及び通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/18 20090101AFI20241122BHJP
   H04W 4/38 20180101ALI20241122BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
H04W28/18
H04W4/38
H04Q9/00 311J
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021148021
(22)【出願日】2021-09-10
(65)【公開番号】P2023040842
(43)【公開日】2023-03-23
【審査請求日】2023-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】山田 大樹
(72)【発明者】
【氏名】白根 一登
(72)【発明者】
【氏名】木原 一
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-163242(JP,A)
【文献】特開2006-186891(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
H04Q 9/00-9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置管理サーバと、前記通信装置管理サーバとネットワークを介して接続された複数の通信装置と、を有する通信システムであって、
複数の前記通信装置は、
それぞれ異なるグループに属し、
配下機器にそれぞれ接続され、
予め設定されたデータ収集周期に基づいて、前記配下機器からデータを収集して、一定周期毎に前記通信装置管理サーバに使用データ量を送信し、
前記通信装置管理サーバは、
前記使用データ量に基づいて、前記グループ毎に送信周期補正値を算出して前記通信装置に配布し、
前記通信装置は、
前記送信周期補正値に基づいて、前記グループ毎に前記データ収集周期を補正して更新し、
補正された更新データ収集周期に基づいて、前記配下機器から前記データを収集して外部へと送信することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記通信装置は、
前記データ毎に前記送信周期補正値を考慮するか否かを設定し、
前記送信周期補正値を考慮しないと設定された場合には、前記データ収集周期に基づいて、前記配下機器から前記データを収集し、
前記送信周期補正値を考慮すると設定された場合には、
前記更新データ収集周期に基づいて、前記配下機器から前記データを収集することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記通信装置は、
前記データ収集周期が前記送信周期補正値の影響を受けるか否かを判断する周期可変フラグを導入し、
前記周期可変フラグを参照して、前記データ毎に前記送信周期補正値を考慮するか否かを設定することを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記通信装置管理サーバは、
前記グループに属する前記通信装置毎に前記送信周期補正値を考慮するか否かを設定し、
前記送信周期補正値を考慮しないと設定された前記通信装置は、
前記データ収集周期に基づいて、前記配下機器から前記データの収集を行い、
前記送信周期補正値を考慮すると設定された前記通信装置は、
前記更新データ収集周期に基づいて、前記配下機器から前記データの収集を行うことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項5】
前記通信装置管理サーバは、
前記通信装置が前記送信周期補正値の影響を受けるかを判断する周期可変フラグを導入し、
前記周期可変フラグを参照して、前記通信装置毎に前記送信周期補正値を考慮するか否かを設定することを特徴とする請求項4に記載の通信システム。
【請求項6】
前記通信装置管理サーバは、
前記通信装置に対して前記配下機器に応じた優先度を設定し、
設定された前記優先度に基づいて、前記送信周期補正値を再補正して更新し、
前記通信装置は、
再補正された前記更新データ収集周期に基づいて、前記配下機器から前記データを収集することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項7】
前記通信装置管理サーバは、
前記使用データ量として前記通信装置の消費データ量を算出し
算出された前記消費データ量を用いて、前記送信周期補正値を再補正して更新し、
前記通信装置は、
再補正された前記更新データ収集周期に基づいて、前記配下機器から前記データを収集することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項8】
前記通信装置管理サーバは、
前記消費データ量に応じた前記データ収集周期の補正を行うか否かを決定する消費データ量補正フラグを参照して、前記送信周期補正値を再補正することを特徴とする請求項7に記載の通信システム。
【請求項9】
前記通信装置管理サーバは、
通信部と通信装置管理部を有し、
前記通信部は、
前記通信装置と前記通信装置管理部の間でやり取りされるデータを相互に転送し、
前記通信装置管理部は、
前記グループ毎に、前記通信装置一台あたりのデータ容量とユーザが決定するマージンに基づいて、月毎の使用可能な実データ量を算出し、
前記実データ量と前記通信装置から受信したデータ量情報を参照して通信残量を算出し、
前記通信装置は、
WAN通信部、サーバ連携部及びローカル通信部を有し、
前記WAN通信部は、
WAN通信を行うと共に前記使用データ量としてWAN通信量を記録し、
前記サーバ連携部は、
定期的に前記通信装置管理サーバへ前記WAN通信部から取得した前記WAN通信量を送信し、
前記ローカル通信部は、
定期的に前記配下機器から前記データを収集して前記WAN通信部を経由して前記外部へと送信し、
前記通信装置管理サーバの前記通信装置管理部は、
前記通信残量、月末までの日数及び前記グループに所属する前記通信装置の台数に基づいて、前記送信周期補正値を算出して前記通信部を介して前記通信装置へ送信し、
前記通信装置の前記ローカル通信部は、
前記送信周期補正値に基づいて、前記グループ毎に前記データ収集周期を補正して更新することを特徴とする請求項の通信システム。
【請求項10】
前記通信装置管理サーバの前記通信装置管理部は、
前記ローカル通信部で収集する前記データ収集周期の補正の有無を前記通信装置毎に管理し、
前記データ収集周期の補正を行わない前記通信装置からの問い合わせに対して、前記データ収集周期の補正値を返答しないことを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
【請求項11】
前記配下機器は、
産業機器、情報機器又はセンサで構成されることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項12】
通信装置管理サーバとネットワークを介して接続された通信装置であって、
前記通信装置は、
それぞれ異なる複数の前記通信装置で構成されるグループに属し、
予め設定されたデータ収集周期に基づいて、配下機器からデータの収集を行い、
前記通信装置管理サーバで算出された送信周期補正値に基づいて、前記グループ毎に前記データ収集周期を補正して更新し、
補正された更新データ収集周期に基づいて、前記配下機器から前記データを収集して外部へと送信することを特徴とする通信装置。
【請求項13】
前記配下機器は、
産業機器、情報機器又はセンサで構成されることを特徴とする請求項12に記載の通信装置。
【請求項14】
通信装置管理サーバと複数の通信装置とを有する通信システムの通信方法であって、
複数の前記通信装置を、それぞれ異なるグループに属させ、
複数の前記通信装置を、配下機器にそれぞれ接続し、
前記通信装置において、
予め設定されたデータ収集周期に基づいて、前記配下機器からデータを収集して、一定周期毎に前記通信装置管理サーバに使用データ量を送信し、
前記通信装置管理サーバにおいて、
前記使用データ量に基づいて、前記グループ毎に送信周期補正値を算出して前記通信装置に配布し、
前記通信装置において、
前記送信周期補正値に基づいて、前記グループ毎に前記データ収集周期を補正して更新し、
補正された更新データ収集周期に基づいて、前記配下機器から前記データを収集して外部へと送信することを特徴とする通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、通信装置及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線ルータなどの通信装置がエッジデバイスとして、データの一次処理や、プロトコル変換など多様な処理を行うケースが増加している。さらに、通信機能を含む、これらのアプリケーション(機能)の更新・追加を実施するFOTA(Firmware Over The Air)の技術が確立されつつある。
【0003】
エッジデバイスは配下に存在する機器のデータを収集し、サーバへ送信する役割を主として果たす。IoTシステムの多くの例では、通信網にLTEなどのモバイル回線を活用する。モバイル回線は契約ごとに一か月におけるデータ通信量の上限が設定されるのが一般的である。このため、エッジデバイスはデータの一次処理や送信周期の変更、データごとの送信優先度付けなどにより、必要な情報を抜き出して送信データの削減を実現することも多い。
【0004】
例えば、特許文献1では、通信にかかる費用の条件とデータ種別ごとの優先度の条件とを含む通信条件情報と、通信にかかる料金体系を表す料金情報とに基づいて、通信データのデータ送信ルールを決定する。これにより、通信費用が予算内になるよう通信しつつ、優先度の高い重要なデータは直ちに通知できる通信制御システムを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-069403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に通信装置が活用可能なデータ量は限られている。しかしながら、大量の通信装置が回線に繋がる場合、回線契約の上限は全通信装置の通信量の合計値で設定されることが多い。
【0007】
特許文献1の場合、通信装置一台当たりのデータ通信量の最適化は行われるが、包括的に回線契約が交わされた場合、エッジデバイス群全体に対してデータ通信量の最適化が行われない。このため、通信装置群全体で見れば十分に残データ量がある場合にも、通信装置個別の通信量を制限してしまう可能性がある。
【0008】
また、通信装置自体のアップデート(FOTA)など、予想不可能な通信が発生した場合に、通信量の計算にずれが生じ、上限料金を超過する可能性が存在する。
【0009】
本発明の目的は、通信システムにおいて、包括的に回線契約が交わされた場合、通信端末群全体に対してデータ通信量の最適化を行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様の通信システムは、通信装置管理サーバと、前記通信装置管理サーバとネットワークを介して接続された複数の通信装置と、を有する通信システムであって、複数の前記通信装置は、それぞれ異なるグループに属し、配下機器にそれぞれ接続され、予め設定されたデータ収集周期に基づいて、前記配下機器からデータを収集して、一定周期毎に前記通信装置管理サーバに通信量として使用データ量を送信し、前記通信装置管理サーバは、前記使用データ量に基づいて、前記グループ毎に送信周期補正値を算出して前記通信装置に配布し、前記通信装置は、前記送信周期補正値に基づいて、前記グループ毎に前記データ収集周期を補正して更新し、補正された更新データ収集周期に基づいて、前記配下機器から前記データを収集することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、通信システムにおいて、包括的に回線契約が交わされた場合、通信端末群全体に対してデータ通信量の最適化を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例1の通信システムの全体構成を示す図である。
図2】実施例1の通信装置管理サーバのハードウェア構成を示す図である。
図3】実施例1の通信装置登録データを示す図である。
図4】実施例1のデータ収集設定を示す図である。
図5】実施例1のデータ収集設定登録データを示す図である。
図6】実施例1のデータ量設定を示す図である。
図7】実施例1のWAN側データ量ログを示す図である。
図8】実施例1のデータ容量情報を示す図である。
図9】実施例1の通信装置のハードウェア構成を示す図である。
図10】実施例1のシリアル通信設定を示す図である。
図11】実施例1のLAN通信設定を示す図である。
図12】実施例1のWAN側データ量記録ファイルである。
図13】実施例1のメニュー画面のGUIを示す図である。
図14】実施例1の通信装置登録画面のGUIを示す図である。
図15】実施例1のデータ収集設定登録画面のGUIを示す図である。
図16】実施例1のデータ量設定画面のGUIを示す図である。
図17】実施例1の通信装置におけるサーバ連携部の問い合わせ処理フローである。
図18】実施例1の通信装置におけるサーバ連携部が通信装置管理サーバへ送信する問い合わせデータである。
図19】実施例1の通信装置におけるWAN側通信部のWAN側通信データ量測定の処理フローである。
図20】実施例1の通信装置におけるWAN側通信部のWAN側通信データ量応答の処理フローである。
図21】実施例1の通信装置管理サーバにおける通信装置管理部の問い合わせ待ち受けの処理フローである。
図22】実施例1の通信装置管理サーバにおける通信装置管理部が通信装置へ送信する問い合わせ応答データである。
図23】実施例1の通信装置管理サーバにおける通信装置管理部の送信周期補正値算出の処理フローである。
図24】実施例1の通信装置におけるローカル通信部の通信設定通知待ち受けの処理フローである。
図25】実施例1の通信装置におけるローカル通信部のデータ収集の処理フローである。
図26】実施例2のデータ収集設定を示す図である。
図27】実施例2の通信装置におけるローカル通信部のデータ収集の処理フローである。
図28】実施例3の通信装置登録データを示す図である。
図29】実施例3の通信装置管理サーバにおける通信装置管理部の問い合わせ待ち受けの処理フローである。
図30】実施例4の通信装置登録データを示す図である。
図31】実施例4の通信装置管理サーバにおける通信装置管理部の問い合わせ待ち受けの処理フローである。
図32】実施例5のデータ量設定を示す図である。
図33】実施例5のデータ量設定画面のGUIを示す図である。
図34】実施例5の通信装置管理サーバにおける通信装置管理部の問い合わせ待ち受けの処理フローである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明の思想ないし趣旨から逸脱しない範囲で、その具体的構成を変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。
【0014】
以下に説明する発明の構成において、同一又は類似する構成又は機能には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【実施例1】
【0015】
図1は実施例1の通信システムの全体構成を示す図である。
通信システムは、通信装置管理サーバ100、ユーザ設備110、通信装置120、配下機器130およびモバイル通信ネットワーク140で構成される。
【0016】
通信装置管理サーバ100には、モバイル通信ネットワーク140を介して、複数の通信装置120が接続されている。複数の通信装置120は、それぞれ異なるグループに属し、配下機器130にそれぞれ接続されている。
【0017】
通信装置管理サーバ100は、通信装置120を一括管理するために設置されるサーバである。ユーザ設備110は、通信装置120のユーザが配下機器130の情報を収集するために設置するサーバやネットワーク機器、および通信装置管理サーバへアクセスするためのPCなどである。
【0018】
通信装置は、通信系統1を介したユーザ設備110への配下機器130の情報送信や、通信系統2を介した管理用通信を実行する通信装置である。
【0019】
配下機器130は、産業機器や情報機器である。例えばサーバや空気圧縮機やインバータなどが配下機器130に該当する。また、配下機器130として、温度や湿度などを出力するセンサ類を設置しても良い。
【0020】
モバイル通信ネットワーク140は、LTE回線などを想定しており、通信事業者に月額料金を支払うことで利用可能な無線通信網およびバックボーン通信網である。
【0021】
通信装置管理サーバ100は、設定DB101、集計DB102、GUI生成部103、通信装置管理部104および通信部105を有する。
【0022】
設定DB101は、通信装置管理サーバ100および通信装置120に関わる設定値を保存しておくデータベースである。集計DB102は、通信装置120の通信量に関わる集計値や、集計に必要なデータを格納するデータベースである。
【0023】
GUI生成部103は、HTTPを用いたアクセスに対する画面データ(HTML)の返信や、設定値の格納を実行する。通信部105は、ユーザ設備110や通信装置120とデータを送受信する。
【0024】
通信装置管理部104は、通信装置120から受信したデータの集計DB102への格納や設定DB101に格納された情報に基づいてデータ量の管理を行う。通信部105は、通信装置120とデータ通信を行う。
【0025】
通信装置は120、サーバ連携部121、WAN通信部120およびローカル通信部123を有する。サーバ連携部121は、通信系統2を活用して通信管理サーバ100の通信装置管理部104と通信することで、配下機器130から情報収集内容や収集周期に関わる設定値を更新する。
【0026】
WAN通信部122は、サーバ連携部121やローカル通信部123がモバイル通信ネットワーク140を介して行う通信の中継と、モバイル通信ネットワーク140への送受信データ量の測定を行う。配下機器130は、稼働情報131や設定情報132を持つ。
【0027】
稼働情報131は、例えば情報機器のメモリ使用率や、産業機器におけるモータの時間当たり回転数などの情報である。設定情報132は、情報機器で実行されるプログラムの設定ファイルや、産業機器のモータ回転数の設定値などの情報である。
【0028】
通信装置120のローカル通信部123は、設定値に従って、配下機器130と通信し、稼働情報131や設定情報132を周期的に収集する。
【0029】
図2は実施例1の通信装置管理サーバ100のハードウェア構成を示す図である。
通信装置管理サーバ100は、CPU200、主記憶装置201、補助記憶I/F202、入出力I/F203、ネットワークI/F204がバスにより結合された形態になっている。
【0030】
CPU200は、通信装置管理サーバ100の各部を制御し、主記憶装置201に必要なプログラムをロードして実行する。主記憶装置210は、通常、RAMなどの揮発メモリで構成されCPU200が実行するプログラム、参照するデータが記憶される。
【0031】
補助記憶I/F202は、HDDやSSDなどの補助記憶装置を接続するためのインターフェースである。入出力I/F202は、キーボードやマウスなどの入出力装置を接続するためのインターフェースである。ネットワークI/F204は、ネットワークと接続するためのインターフェースである。
【0032】
補助記憶装置201は、大容量の記憶容量を有しており、本実施例を実行するためのプログラムが格納されている。通信装置管理サーバ100には、DBMS210、GUI生成プログラム211、装置管理プログラム212および通信プログラムがインストールされている。
【0033】
DBMS210、GUI生成プログラム211、装置管理プログラム212および通信プログラムは、それぞれ設定DB101と集計DB102、GUI生成部103、通信装置管理部104の機能を実現するプログラムである。
【0034】
設定DB101は、複数の設定データを管理するデータベースである。設定DB101には、通信装置登録データ213、データ収集設定214、データ収集設定登録データ215、データ量設定216を格納する。
【0035】
通信装置登録データ213は、通信装置管理サーバ100で管理する通信装置120の情報を記載したデータである。データ収集設定214は、通信装置120が実行するデータ収集に関わる設定である。データ収集設定214は、通信装置120が配下機器130からデータを取得する際に参照するデータであり、取得するデータ毎に、データ取得先、データの詳細、通信方式、収集周期設定が記載される。設定DB101では、通信装置120に適用する複数のデータ収集設定を管理する。データ収集設定登録データ215は、通信装置120とデータ収集設定の対応を記録するデータである。
【0036】
データ量設定214は、通信装置120のグループとデータ容量に関わる設定の対応を記録するデータである。集計DB102は、複数の集計データを管理するデータベースである。集計DB102には、WAN側データ量ログ217とデータ容量情報218を格納する。
【0037】
WAN側データ量ログ217は、各通信装置120の送受信データ量の増加量を連続的に記録するログデータである。データ容量情報218は、複数の通信装置で構成されるグループ毎の、データの使用状況を記録するデータである。
【0038】
図3は実施例1の通信装置登録データ213を示す図である。
通信装置登録データ213は、通信装置120毎にモデル名301、デバイスID302、グループID303、ハードウェアID304、IMEI305の項目を持つ。以下に各項目の説明を記載する。
【0039】
モデル名301は、通信装置120のモデルを示す名称である。デバイスID303は、通信装置120毎に固有に割り振られるIDである。通信装置120の出荷時に決定され、通信装置120の内部ファイルに書き込まれ、通信装置120に貼り付ける銘板に記載される。
【0040】
グループID303は、複数の通信装置120により構成されるグループを区別するIDである。通常は出荷先などを基準にグループID303を区別する。
【0041】
ハードウェアID304は、通信装置120のハードウェアを区別するIDである。ハードウェアID304は、部品変更など、ハードウェアに変更が生じた場合に変更される。
【0042】
IMEI305は、通信モジュール毎に割り振られる「国際移動体装置識別番号(International Mobile Equipment Identifier)」を示す。通信装置120に組み込まれた通信モジュールを識別するためのIDである。
【0043】
図4は実施例1のデータ収集設定214を示す図である。
データ収集設定214は、データ毎にデータ名401、接続先ID402、データ格納先403、データ長404、データ型405、通信方式406、周期407の項目を持つ。以下に各項目の説明を記載する。
【0044】
データ名401は、データ毎の名称を示す。接続先ID402は、配下機器130を一意に識別する識別子である。
【0045】
データ格納先403は、接続先でデータが格納されている箇所を特定する情報である。例えばModbus-TCP/RTUであればレジスタ番号を示す。
【0046】
データ長404は、取得するデータのバイト数を示す。
【0047】
データ型405は、取得するデータのデータ型を示す。例えばInt16B(ビッグエンディアン16bit整数型)やFloatL(リトルエンディアン浮動小数型)などが格納される。
【0048】
通信方式406は、通信装置120が配下機器130と通信する方式を示す。実施例1の場合、LANもしくはシリアルを想定する。周期407は、通信装置120がデータを取得する周期を秒単位で示す。周期407を0に設定すると、通信装置120の起動時と、取得値が変化した時点でデータを送信する。
【0049】
図5は実施例1のデータ収集設定登録データ215を示す図である。
データ収集設定登録データ215には、一行毎にデバイスID501とデータ収集設定ID502を格納する。以下に各項目の説明を記載する。
【0050】
デバイスID501は、通信装置登録データ213のデバイスID302と同一である。データ収集設定ID502は、データ収集設定毎に割当てられるIDである。データ収集設定ID502は、データ収集設定の登録・生成時の日付、「アンダーバー」、通番のフォーマットで記載されるIDであり、通番はデータ収集設定が登録・生成される毎にカウントアップされる。日付が変更されるとカウントは1に戻る。本実施例では通番を5桁で記載するが、桁数はシステム規模に応じて変更しても良い。
【0051】
図6は実施例1のデータ量設定216を示す図である。
データ量設定216は、グループID601毎にデータ容量602と余裕マージン603を格納する。以下に各項目の説明を記載する。
【0052】
グループID601は、通信装置登録データ213のグループID302と同一である。データ容量602は、グループ毎に設定する通信装置一台当たりのデータ容量をメガバイト(MBytes)単位で示す。データ容量602は、主にモバイル通信の契約形態に応じて設定される値である。
【0053】
余裕マージン603は、グループID601で指定されるグループにおいて、データ総量の内、どの程度のデータを余裕値として使用しない範囲とするかを決める設定値を示す。例えば、100台のグループにおいて、一台当たり20メガバイトのデータ容量が存在する場合には、最大データ量は2000メガバイトであり、余裕マージンを20とすれば、データ総量の20パーセントにあたる400メガバイトを余裕値とし、残りの1600メガバイトの範囲でデータ収集を実施する。
【0054】
図7は実施例1のWAN側データ量ログを示す図である。
WAN側データ量ログ217は、一行毎にデバイスID701、グループID702、タイムスタンプ703、送受信データ量704が格納される。以下に各項目の説明を記載する。
【0055】
デバイスID701は、通信装置登録データ213のデバイスIDと同一である。グループID702は、通信装置登録データ213のグループIDと同一である。タイムスタンプ703は、同一行のログデータ作成時の時刻を示す。
【0056】
送受信データ量704は、同一行のデバイスID701と対応する通信装置120において、前回記録時からの送受信データ量の増加量を示す。送受信データ量704は、通信装置120から送信される累計の送受信データ量を元に通信装置管理部104によって算出される。
【0057】
図8は実施例1のデータ容量情報218を示す図である。
データ容量情報218は、グループ毎にグループID801、データ総量802、当月通信残量803、送信周期補正値804を格納する。以下に各項目の説明を記載する。
【0058】
グループID801は、通信装置登録データ213のグループIDと同一である。データ総量802は、グループ毎の利用可能な最大データ量を示す。データ総量802は、グループ毎の台数と一台当たりのデータ容量から通信装置管理部104によって算出される。
【0059】
当月通信残量803は、データ総量802から余裕マージンと、当月中に使用した通信量を差し引いて得られる通信残量を示す。当月通信残量803は、通信装置管理部104によって算出される。送信周期補正値804は、当月通信残量803と通信装置毎の一日あたりの送受信量から通信装置管理部104によって算出される補正値を示す。
【0060】
図9は実施例1の通信装置120のハードウェア構成を示す図である。
通信装置120は、CPU900、主記憶装置901、WAN通信I/F902、シリアル通信I/F905、LAN通信I/F906、補助記憶I/F904がバスにより結合された形態になっている。
【0061】
CPU900は、通信装置120の各部を制御し、主記憶装置901に必要なプログラムをロードして実行する。主記憶装置901は、通常、RAMなどの揮発メモリで構成されCPU900が実行するプログラム、参照するデータが記憶される。
【0062】
WAN通信I/F902は、モバイル通信ネットワーク140と接続するためのインターフェースである。入出力I/F903は、キーボードやマウスなどの入出力装置を接続するためのインターフェースである。補助記憶I/F904は、EEPROM、HDD、SSDなどの補助記憶装置を接続するためのインターフェースである。
【0063】
シリアル通信I/F905は、配下機器130とModbus-RTUなどのシリアル通信を実施する場合に、配下機器130のシリアル通信I/Fと接続するインターフェースである。LAN通信I/F906は、配下機器130とModbus-TCPなどのLAN通信を実施する場合に、配下機器130のLAN通信I/Fと接続するインターフェースである。
【0064】
補助記憶装置910は、大容量の記憶容量を有しており、設定・記録ファイル911や本実施例を実行するためのプログラムが格納されている。通信装置120には、サーバ連携プログラム912、WAN通信プログラム913、ローカル通信プログラム914がインストールされている。
【0065】
サーバ連携プログラム912、WAN通信プログラム913およびローカル通信プログラム914は、それぞれサーバ連携部121、WAN通信部122、ローカル通信部123の機能を実現するプログラムである。
【0066】
設定・記録ファイル911は、シリアル通信設定915、LAN通信設定916、データ収集設定917、WAN側データ量記録ファイル918に分類される。シリアル通信設定915は、配下機器130とのシリアル通信に必要な設定項目とプロトコルの設定を記録するデータである。
【0067】
LAN通信設定916は、配下機器130とのLAN通信に必要な設定項目とプロトコルの設定を記録するデータである。データ収集設定917は、通信装置管理サーバ100の設定DB101に格納された複数のデータ収集設定の内の一つである。
【0068】
WAN側データ量記録ファイル918は、モバイル通信ネットワーク140を介した通信量に関する情報を記録するファイルである。
【0069】
図10は実施例1のシリアル通信設定915を示す図である。
シリアル通信設定915は、通信対象毎に接続先ID1001、ボーレート1002、ビットサイズ1003、パリティ1004、ストップビット1005、プロトコル1006を格納する。
【0070】
接続先ID1001は、データ収集設定の接続先IDと同一である。ボーレート1002は、シリアル通信の通信速度(ボーレート)を示す。ビットサイズ1003は、シリアル通信におけるスタートビットからストップビットまでのビット長を示す。パリティ1004は、シリアル通信における誤り検出符号ビットの適用方式を示す。格納する値として、なし、偶数、奇数を想定する。
【0071】
ストップビット1005は、シリアル通信におけるストップビットの長さを示す。プロトコル1006は、シリアル通信時のプロトコルを示す。例えばModbus-RTUを格納する。
【0072】
図11は実施例1のLAN通信設定916を示す図である。
シリアル通信設定916は、通信対象毎に接続先ID1101、IPアドレス1102、ポート番号1103、プロトコル1104を格納する。
【0073】
接続先ID1101は、データ収集設定の接続先IDと同一である。IPアドレス1102は、LAN通信の宛先となるIPアドレスを示す。ポート番号1103は、LAN通信の宛先TCPポート番号を示す。プロトコル1104は、LAN通信時のプロトコルを示す。例えばModbus-TCPを格納する。
【0074】
図12は実施例1のWAN側データ量記録ファイル918である。
WAN側データ量記録ファイル918は、WAN側の送信と受信の項目1201に対して、それぞれ前回値1202と累積値1203を格納する。
【0075】
前回値1202は、WAN通信部122がWAN側通信データ量を測定した際に、処理の最後に記録される取得値である。最新のWAN側通信データ量測定時にWAN側インターフェースから取得した通信量が格納される。
【0076】
累積値1203は、WAN側データ量記録ファイル918が最後にクリアされた時点からの累積送受信データ量である。通信装置120の電源が切られた場合に、WAN側インターフェースから取得する通信量がリセットされることを考慮し、WAN側通信データ量測定時に前回値との差分を累積加算する。
【0077】
図13は実施例1のメニュー画面1300のGUIを示す図である。
メニュー画面1300では、通信装置登録1301、データ収集設定1302、データ量1303のメニューアイコンが表示される。それぞれのアイコンを選択することで、詳細な設定画面へと遷移する。
【0078】
図14は実施例1の通信装置登録画面1400のGUIを示す図である。
ファイル選択ボタン1401を選択することで、ファイル選択画面が開かれ、操作しているPCのファイルを選択できる。ファイル選択後、ファイル選択ボタン1401の左のテキストボックスには選択されたファイルのファイルパスが表示される。
【0079】
アップロードボタン1402を選択することで、ファイル選択ボタン1401を選択した際の操作で選択されたファイルをアップロードする。アップロードするファイルは、通信装置登録データ213のフォーマットと形式が一致しない場合、ポップアップにて「フォーマットが違います」とメッセージが表示される。
【0080】
テンプレートダウンロードリンク1403を選択することで、通信装置登録データ213のテンプレートをダウンロードできる。検索窓1404に文字列を入力することで、通信装置登録データ213の中から任意の通信端末120を検索できる。検索は全項目に対する部分一致で実行され、検索窓1404に入力された文字列と通信装置登録データ213の項目の内、一部でも一致した項目があれば、通信装置登録データ213の該当行が画面に表示される。なお、検索窓1404に入力が無い場合、通信装置登録データ213の全項目が画面に表示される。
【0081】
チェックボックス1405を選択することで、通信装置登録データ表示にチェックを付ける。一行目のチェックボックスは検索結果として表示された全ての行にチェックを付ける。
【0082】
通信装置登録用データ表示には通信装置登録データ213の内容が表示される。一画面中に最大で30件まで表示する。ページスクロールリンク1407は、通信装置登録データ213に30件以上のデータが登録されている場合に、次のもしくは前の30件を表示するリンクである。
【0083】
選択端末削除ボタン1408を選択することで、チェックボックス1405にチェックを付けた行のデータを削除する。削除結果は設定DB101に格納された通信装置登録データ213に反映される。メニューへのリンク1409を選択することで、メニュー画面へと遷移する。
【0084】
図15は実施例1のデータ収集設定登録画面1500のGUIを示す図である。
検索窓1501に文字列を入力することで、通信装置登録データ213の中から任意の通信端末120を検索できる。検索は全項目に対する部分一致で実行され、検索窓1501に入力された文字列と通信装置登録データ213の項目の内、一部でも一致した項目があれば、通信装置登録データ213の該当行が画面に表示される。なお、検索窓1501に入力が無い場合、通信装置登録データ213の全項目が画面に表示される。
【0085】
チェックボックス1502を選択することで、通信装置登録データ表示にチェックを付ける。一行目のチェックボックス1502は検索結果として表示された全ての行にチェックを付ける。
【0086】
通信装置登録データ表示には通信装置登録データ213の内容とデータ収集設定ダウンロードボタン1504が表示される。一画面中に最大で30件まで表示する。
【0087】
データ収集設定ダウンロードボタン1504を選択することで、同一行の通信装置120に設定されたデータ収集設定をダウンロードできる。ページスクロールリンク1505は、通信装置登録データ213に30件以上のデータが登録されている場合に、次のもしくは前の30件を表示するリンクである。
【0088】
ファイル選択ボタン1506を選択することで、ファイル選択画面が開かれ、操作しているPCのファイルを選択できる。ファイル選択後、ファイル選択ボタン1506の左のテキストボックスには選択されたファイルのファイルパスが表示される。
【0089】
テンプレートダウンロードリンク1507を選択することで、データ収集設定のテンプレートをダウンロードできる。データ収集設定登録ボタン1508を選択することで、チェックボックス1502にチェックを付けた行の通信装置120に対して、ファイル選択ボタン1506で選択したデータ収集設定を対応付ける。
【0090】
データ収集設定登録ボタン1508が選択されると、ファイル選択ボタン1506で選択したファイルにデータ収集設定IDが割り当てられ、設定DB101へアップロードされ、データ収集設定登録データのチェックボックス1502にチェックを付けた行の通信装置120のデバイスIDに対応するデータ収集設定IDが更新される。選択されたファイルがデータ収集設定のフォーマットと形式が一致しない場合、ポップアップにて「フォーマットが違います」とメッセージが表示される。
【0091】
通信装置登録用データ表示に1秒以上カーソルを合わせ続けることで、データ収集設定内容表示ポップが表示される。データ収集設定内容表示ポップには、カーソルが存在する行の通信装置120に適用されているデータ収集設定が表示される。
メニューへのリンク1510を選択することで、メニュー画面へと遷移する。
【0092】
図16は実施例1のデータ量設定画面1600のGUIを示す図である。
検索窓1601に文字列を入力することで、グループID表示から任意のグループを検索できる。検索は部分一致で実行され、検索窓1601に入力された文字列とグループIDで、一部でも一致した項目があれば、グループID1603が画面に表示される。なお、検索窓1601に入力が無い場合、全グループIDが画面に表示される。
【0093】
チェックボックス1602を選択することで、グループID表示にチェックを付ける。一行目のチェックボックス1602は、検索結果として表示された全ての行にチェックを付ける。グループID表示には通信装置登録データ213のグループIDの列から、重複を省いた項目を表示する。一画面中に最大で30件まで表示する。
【0094】
ページスクロールリンク1604は、グループID表示に30件以上のデータが表示されている場合に、次のもしくは前の30件を表示するリンクである。
【0095】
データ容量入力ボックス1605には、数値で通信装置1台当たりの月間データ容量を入力する。余裕マージン入力ボックス1606には、数値で余裕マージンを入力する。
【0096】
設定反映ボタン1607を選択することで、データ量設定のグループID、データ容量、余裕マージンの組み合わせを更新する。データ容量入力ボックス1605、余裕マージン入力ボックス1606に数値以外のデータを入力した場合、ポップアップにて「入力値エラー」とメッセージが表示される。
【0097】
グループID表示に1秒以上カーソルを合わせ続けることで、設定表示ポップ1608が表示される。設定表示ポップ1608には、カーソルが存在する行のグループIDに適用されているデータ容量、余裕マージンが表示される。
【0098】
図17は実施例1の通信装置120におけるサーバ連携部121のサーバ問い合わせ処理フローである。
以下、フローチャートの項目に従い、サーバ連携部の動作を説明する。
【0099】
S1700において、通信装置120の起動時および前回サーバ問い合わせ処理実行から24時間以上経過した場合に以降の処理を開始する。なお、本発明は周期を24時間に固定するものではなく、周期には任意の時間を設定できるものとする。
【0100】
S1701において、WAN通信部122へデータ量取得要求を送信し、WAN側データ量を取得する。S1702において、通信装置120に保存されている問い合わせデータを参照し、WAN送信データ量、WAN受信データ量をS1701とS1702で取得した値に更新する。S1703とS1702で更新した問い合わせデータを、HTTPSのPOSTメソッドを使用して通信装置管理サーバ100へ送信する。
【0101】
S1704において、HTTPSはTCPを活用しているため、ACKの受信を確認することで、通信装置管理サーバ100への到達を確認できる。S1703で送信した問い合わせデータが通信装置管理サーバ100に到達した場合には、S1705に処理を進める。通信装置管理サーバ100への到達を確認できない場合には、S1710に処理を進める。
【0102】
S1705とS1703で送信したリクエストの応答を受信した場合には処理をS1706に進める。受信していない場合には、一定時間待機し、再度S1705の処理を実行する。
【0103】
S1706とS1705で受信した通信装置管理サーバ100からの問い合わせ応答データにデータ収集設定が含まれるならS1707に処理を進める。含まれなければS1708に処理を進める。
【0104】
S1707とS1705で受信したデータ収集設定をローカル通信部123へ通知する。また、問い合わせデータの値をS1705で受信したデータ収集設定IDに更新する。
【0105】
S1708とS1705で受信した通信装置管理サーバ100からの問い合わせ応答データに送信周期補正値が含まれるならS1709に処理を進める。含まれなければS1710に処理を進める。S1709とS1705で受信した送信周期補正値をローカル通信部123へ通知する。
(S1710)サーバ問い合わせ処理を終了する。
【0106】
図18は実施例1の通信装置120におけるサーバ連携部121が通信装置管理サーバ100へ送信する問い合わせデータである。
問い合わせデータはサーバ連携部212が参照可能なJSONファイルであり、通信装置120に記録されている。問い合わせデータにはデバイスID1801、グループID1802、データ収集設定ID1803、WAN送信データ量1804、WAN受信データ量1805が格納される。
【0107】
デバイスID1801とグループID1802は、通信装置120の出荷時に値が書き込まれる。データ収集設定ID1803は、通信装置管理サーバ100との初回通信時までは空欄である。初回通信時、S1707で値が書き込まれる。WAN送信データ量1804とWAN受信データ量1805は初回のサーバ問い合わせ処理が実行されるまでは空欄である。サーバ問い合わせ処理が実行されると、S1702で値が書き込まれる。
【0108】
図19は実施例1の通信装置120におけるWAN通信部122のWAN側通信データ量測定の処理フローである。
以下、フローチャートの項目に従い、WAN側通信部の動作を説明する。
【0109】
S1900において、通信装置120の起動時もしくは前回のWAN側通信データ量測定から30分以上経過した場合に以降の処理を開始する。なお、本発明は周期を30分に固定するものではなく、周期には任意の時間を設定できるものとする。
【0110】
S1901において、WAN側インターフェースから送受信データ量を今回値として取得する。データの取得には、例えばLinux(登録商標)コマンドのifconfigを用いる。S1902において、WAN側データ量記録ファイルを読み出し、送信・受信それぞれの前回値と累計値を取得する。
【0111】
S1903とS1901で取得した今回値とS1902で取得した前回値とを比較し、今回値が前回値より大きい場合にはS1904に処理を進める。小さい場合にはS1905に処理を進める。S1904)とS1902で取得した累積値からS1902で取得した前回値を減算して更新する。
【0112】
S1905とS1902で取得した累積値にS1901で取得した今回値を加算して更新する。S1906とS1901で取得した今回値とS1905で更新した累計値を、新たな前回値、累計値としてWAN側データ量記録ファイル918を更新する。S1907において、WAN側通信データ量測定を終了する。
【0113】
図20は実施例1の通信装置120におけるWAN通信部122のWAN側通信データ量応答の処理フローである。
以下、フローチャートの項目に従い、WAN通信部122の動作を説明する。
【0114】
S2000において、通信装置120の起動時に以降の処理を開始する。S2001において、エラーなどが発生し、処理の終了が命令されていないかを確認する。終了が命令されていればS2006に処理を進める。命令されていなければS2002に処理を進める。
【0115】
S2002において、サーバ連携部121からデータ量取得要求を受信しているか確認する。受信している場合にはS2003に処理を進める。受信していない場合にはS2001に処理を戻す。
【0116】
S2003において、WAN側データ量記録ファイル918を読み出し、送信・受信データ量の前回値・累計値を取得する。S2004とS2003で取得した送信・受信データ量の前回値・累計値を返信する。
【0117】
S2005において、送信・受信データ量の累計値に0を代入し、WAN側データ量記録ファイルを更新する。S2006において、WAN側通信データ量応答の処理を終了する。
【0118】
図21は実施例1の通信装置管理サーバ100における通信装置管理部104の問い合わせ待ち受けの処理フローである。
以下、フローチャートの項目に従い、装置管理部の動作を説明する。
【0119】
S2100において、通信装置管理サーバ100の起動時に以降の処理を開始する。
S2101において、エラーなどが発生し、処理の終了が命令されていないかを確認する。終了が命令されていればS2111に処理を進める。命令されていなければS2102に処理を進める。
S2102において、通信部105を介して通信装置120からリクエストを受信しているか確認する。受信している場合にはS2103に処理を進める。受信していない場合にはS2101に処理を戻す。S2103とS2102で取得した問い合わせデータから、リクエストを送信した通信装置120のデバイスID、グループID、WAN送信データ量、WAN受信データ量を取得する。
【0120】
処理時点での時刻情報を取得し、タイムスタンプとする。WAN送信データ量とWAN受信データ量を加算して、送受信データ量を算出する。デバイスID、グループID、タイムスタンプ、送受信データ量を集計DB102のWAN側データ量ログ217に追記する。
【0121】
S2104において、設定DB101からデータ収集設定登録データ215を取得する。S2105とS2102で取得した問い合わせデータから、データ収集設定IDを取得する。S2104で取得したデータ収集設定IDが一致するか確認する。一致する場合、S2108に処理を進める。一致しない場合、S2106に処理を進める。
【0122】
S2106において、設定DB1010からS2104で取得したデータ収集設定IDのデータ収集設定を検索し、取得する。S2107とS2104で取得したデータ収集設定IDとS2106で取得したデータ収集設定を、HTTPSのレスポンスボディにJSON形式で格納する。
【0123】
S2108において、集計DB102からS2103で取得したグループIDに対応するデータ容量情報を取得する。S2109とS2108で取得したデータ容量情報から送信周期補正値を取得し、HTTPSのレスポンスボディに格納する。S2110とS2109で更新したHTTPSのレスポンスボディをリクエストの送信元である通信装置120に、通信部105を介して送信する。S2111において、問い合わせ待ち受けの処理を終了する。
【0124】
図22は実施例1の通信装置管理サーバ100における通信装置管理部104がサーバ連携部121へ送信する問い合わせ応答データ2200である。問い合わせ応答データ2200は、データ収集設定キー2201、送信周期補正値キー2204で構成される。
【0125】
データ収集設定キー2201には、データ収集設定IDキー2202とデータキー2203が含まれる。データ収集設定IDキー2202の値はS2107で格納されるデータ収集設定IDである。データキー2203の値はS2107で格納されるデータ収集設定である。送信周期補正値2204はS2109で格納される送信周期補正値である。
【0126】
図23は実施例1の通信装置管理サーバ100における通信装置管理部104の送信周期補正値算出の処理フローである。
以下、フローチャートの項目に従い、装置管理部の動作を説明する。
【0127】
S2300において、通信装置120の起動時もしくは前回の送信周期補正値算出から24時間以上経過した場合に以降の処理を開始する。なお、本発明は周期を24時間に固定するものではなく、周期には任意の時間を設定できるものとする。
【0128】
S2301において、集計DB102からデータ容量情報を取得する。S2302において、処理時点での時刻情報を取得し、日付の値が1の場合、S2303において設定DB101からデータ量設定を取得する。
【0129】
S2304において、集計DB102のデータ容量情報において全ての行の当月通信残量を更新する。当月通信残量の更新値はS2303で取得したデータ量設定の余裕マージンから使用可能なデータ総量の割合を算出した後、算出値をS2301で取得したデータ量設定のデータ総量に掛け合わせることで算出する。
【0130】
S2305とS2301で取得したデータ容量情報を一行読み出す。S2306からS2310までの処理は、読み出した一行の情報を対象に実施する。
【0131】
S2306において、集計DB102からS2305で読み出した行のグループIDが含まれ、前回の送信周期補正値算出以降に追加されたWAN側データ量ログ217を取得する。S2307とS2306で取得したWAN側データ量ログ217の送受信データ量の列の値を全て加算して、一日あたりの送受信データ増加量を算出する。S2305で読み出した行の当月通信残量から一日あたりの送受信データ増加量を減算して、新たな当月通信残量とする。
【0132】
S2308とS2302で取得した時刻情報から当月の残日数を算出する。その後、当月の残日数とS2307で算出した一日あたりの送受信データ増加量を掛け合わせ、当月予想通信量を算出する。S2305で読み出した行の当月通信残量を当月予想通信量で割り、さらにS2305で読み出した行の周期補正値を掛けることで送信周期補正値を算出する。算出した送信周期補正値を新たな送信周期補正値とする。
【0133】
S2309とS2305で読み出した一行分のデータ容量情報に対し、S2305で読み出したグループID、データ総量、S2307で算出した新たな当月通信残量、S2308で算出した新たな送信周期補正値を一行分のデータとして、集計DBのデータ容量情報を更新する。
【0134】
S2310とS2305で読み出したデータ容量情報の行が末尾の情報の場合、S2311に処理を進める。末尾の情報でない場合、S2305に処理を戻す。S2311において、送信周期補正値算出の処理を終了する。
【0135】
図24は実施例1の通信装置120におけるローカル通信部123の通信設定通知待ち受けの処理フローである。
以下、フローチャートの項目に従い、ローカル通信部の動作を説明する。
【0136】
S2400において、通信装置120の起動時に以降の処理を開始する。S2401において、エラーなどが発生し、処理の終了が命令されていないかを確認する。終了が命令されていればS2408に処理を進める。命令されていなければS2402に処理を進める。
【0137】
S2402において、サーバ連携部121より通知を受信しているかを確認する。受信していればS2403に処理を進める。受信していなければS2401に処理を戻す。
【0138】
S2403とS2402で受信したサーバ連携部121からの通知にデータ収集設定を含むかを確認する。受信していればS2404に処理を進める。受信していなければS2405に処理を進める。
【0139】
S2404とS2403で受信したデータ収集設定を新たなデータ収集設定としてデータを更新する。S2405とS2402で受信したサーバ連携部121からの通知に送信周期補正値を含むかを確認する。受信していればS2406に処理を進める。受信していなければS2407に処理を進める。S2406とS2405で受信した送信周期補正値を新たな送信周期補正値としてデータを更新する。
【0140】
S2407において、データ収集処理を実行しているスレッドに対し、再設定命令を送信する。S2408において、通信設定通知待ち受け処理を終了する。
【0141】
図25は実施例1の通信装置120におけるローカル通信部123のデータ収集の処理フローである。
以下、フローチャートの項目に従い、ローカル通信部の動作を説明する。
【0142】
S2500において、通信装置120の起動時に以降の処理を開始する。S2501において、エラーなどが発生し、処理の終了が命令されていないかを確認する。終了が命令されていればS2508に処理を進める。命令されていなければS2502に処理を進める。
【0143】
S2502において、通信設定通知待ち受けを実行中のスレッドより再設定命令を受信しているかを確認する。受信していればS2503に処理を進める。受信していなければS2501に処理を戻す。
【0144】
S2503において、データ収集処理によってセットされた全ての周期処理を停止する。周期処理は設定ファイルに従って実行されるデータ収集処理であり、周期到来毎に設定ファイルにより定義される接続先のデータ格納先からデータを収集し、ユーザ設備へ送信する。
【0145】
S2504において、現在の設定内容を破棄し、データ収集設定、LAN通信設定、シリアル通信設定を読み出す。S2505とS2504で読み出された設定ファイル群に対し、設定ファイルに不備がないかを確認する。設定ファイルの不備とは、例えば、データ収集設定が存在しない、データ収集設定記載の接続先IDに対応するLAN通信設定やシリアル通信設定が存在しないことを指す。不備がなくファイルが正常な場合にはS2506に処理を進める。不備が見つかった場合にはS2501に処理を戻す。
【0146】
S2506において、送信周期補正値を読み出す。S2507とS2504で読み出された設定ファイル群に従って、複数の周期処理をセットする。周期処理をセットするにあたり、データ収集設定から読み出した周期に送信周期補正値を掛け(少数以下は切り捨てる)、周期処理の実行周期とする。周期処理はこれ以降、別スレッドにて継続的に実行される。S2508において、データ収集処理を終了する。
【0147】
実施例1によると、24時間に一度、グループID毎に送信周期補正値が更新される。送信周期補正値は24時間に一度、通信装置120が通信装置管理サーバ100に問い合わせ処理を行う際に配布される。配布された送信周期補正値は通信装置120のローカル通信部123に通知される。
【0148】
ローカル通信部123は、データ収集設定を参照して周期的に配下機器130からデータ収集とユーザ設備へのデータ送信を行うが、送信周期補正値の値を参照してデータ収集周期を補正する。これにより、複数の通信装置120で構成されるグループに対して、データ量の実使用状況を鑑みた使用データ量制御が可能となる。
【実施例2】
【0149】
実施例1では通信装置120において全てのデータ収集周期を一律に送信周期補正値で補正した。しかしながら、例えば配下機器130のワーニングなど機器の異常に直結することからデータの収集周期を固定したいデータが存在する場合がある。実施例1の方式では、これらのデータも含めてまとめてデータ収集周期が調整されてしまい、機器の異常発見が遅れ、ユーザの損失に繋がる可能性がある。
【0150】
このため実施例2では、データ収集設定において、周期可変フラグを導入する。ローカル通信部123のデータ収集処理においても周期可変フラグを考慮した処理フローへと変更する。以下、実施例2の実施例1からの差分について図を用いて説明する。
【0151】
図26は実施例2のデータ収集設定を示す図である。実施例1からの差分として周期可変フラグ2600が追加されている。
周期可変フラグ2600は、その行のデータ収集周期が送信周期補正値の影響を受けるかを判断するフラグである。送信周期補正値の値に合わせて周期を変更する場合には0が、周期を変更しない場合には1がセットされる。
【0152】
図27は実施例2の通信装置120におけるローカル通信部123のデータ収集の処理フローである。実施例2では実施例1からの差分として、S2507の処理がS2700とS2701に分かれる。
以下、実施例1からの差分について、ローカル通信部の動作を説明する。
【0153】
S2700において、データ収集設定の周期可変フラグが0である行の収集データに関して、S2507と同様に周期に送信周期補正値を掛けた上で、周期処理をセットする。
S2701において、データ収集設定の周期可変フラグが1である行の収集データに関して、周期に送信補正値を掛けずに、周期処理をセットする。
【0154】
実施例2によると、周期可変フラグ2600の導入によりデータ毎に送信周期補正値を考慮するか否かを設定可能となる。送信周期補正値によるデータ量削減効果は薄くなるものの、継続的にデータ量を調整する機構と余裕マージンの効果により最大のデータ容量に達する事態が発生する確率は極めて稀であると言える。
【0155】
これにより、重要なデータに対しては収集周期を保ったまま、複数の通信装置120で構成されるグループに対して、データ量の実使用状況を鑑みた使用データ量制御が可能となる。
【実施例3】
【0156】
実施例1、実施例2では複数の通信装置120で構成されるグループにおいてデータ収集周期を一律に送信周期補正値で補正した。しかしながら、通信装置120の配下機器130にはセンサ類のようなデータ取得の優先度が低いものから、大型の産業機器のように定常的な機器監視による最適化が必要な機器まで多種多様な機器が存在する。
【0157】
実施例1の方式では通信装置毎にデータ収集周期が変更できず、配下機器を考慮した設定が困難である。また、実施例2の方式では通信装置毎にデータ収集設定を生成する必要があり、手間が大きい。
【0158】
このため実施例3では通信装置120に対しても周期可変フラグを適用し、通信装置毎に送信周期補正値の影響を調整できる機構を導入する。以下、実施例3と実施例2までの差分について図を用いて説明する。
【0159】
図28は実施例3の通信装置登録データを示す図である。実施例2までの差分として、周期可変フラグ2800が追加される。
周期可変フラグ2800は、その行の端末が送信周期補正値の影響を受けるかを判断するフラグである。送信周期補正値の値に合わせて周期を変更する場合には0が、周期を変更しない場合には1がセットされる。
【0160】
図29は実施例3の通信装置管理サーバ100における通信装置管理部104の問い合わせ待ち受けの処理フローである。実施例2までの差分として、S2104の処理が、S2900に置き換わる。また、S2901の処理を追加する。
以下、実施例2までの差分について、通信装置管理部の動作を説明する。
【0161】
S2900において、設定DB101からS2104で取得したデータ収集設定登録データに加えて通信装置登録データを取得する。S2901とS2900で取得した通信装置登録データを参照し、リクエスト送信元の通信装置120の周期可変フラグが1であるかを確認する。1である場合、S2109に処理を進める。0である場合、S2110に処理を進める。
【0162】
実施例3によると、通信装置毎の周期可変フラグの導入により、通信装置毎に送信周期補正値を考慮するか否か設定可能となる。実施例2と同様、送信周期補正値によるデータ量削減効果は薄くなるものの、継続的にデータ量を調整する機構と余裕マージンの効果により最大のデータ容量に達する事態が発生する確率は極めて稀であると言える。
【0163】
これにより、重要な配下機器130と接続された通信装置120に対しては収集周期を保ったまま、複数の通信装置120で構成されるグループに対して、データ量の実使用状況を鑑みた使用データ量制御が可能となる。
【実施例4】
【0164】
実施例3までは複数の通信装置120で構成されるグループにおいてデータ収集周期を通信装置120やデータ毎に柔軟に変更する方式について記載した。しかしながら、グループ内において通信装置120の配下機器130の種類が多様な場合、周期固定と送信周期補正値の二種類の区別では周期の調整が十分でない可能性がある。
【0165】
例えば、優先度が低く参考程度にしか取得しないセンサ、生産現場で使用される産業機器、工場全域の電力供給系統に配置される産業機器の三種類の種別がある場合を想定する。
【0166】
優先度が低く参考程度にしか取得しないセンサは少量かつ低周期で良く、生産現場で使用される産業機器は多量かつ最低限の周期を下回らない制御が必要で、工場全域の電力供給系統に配置される産業機器は少量かつ周期を低下させてはならないとする。
【0167】
この場合、単純にセンサのみを周期可変としてもデータ量の低減効果は薄く、生産現場で使用される産業機器をセンサと同様の周期で収集する事も不自然である。このような場合を考慮し、実施例4では通信装置120に対して配下機器130に応じた優先度を設定できるようにする。以下、実施例4と実施例3までの差分について図を用いて説明する。
【0168】
図30は実施例4の通信装置登録データを示す図である。実施例3までの差分として、優先度3000が追加される。
優先度3000は、通信装置120に接続される配下機器130に応じて設定される優先度である。優先度は数値で与えられ、実施例4では100を最大、0を最小値とする。数値が大きい程高い優先度を持ち、低い程低い優先度を持つ。なお、本発明は優先度の数値範囲に依らず同等の効果が得られる。
【0169】
図31は実施例4の通信装置管理サーバ100における通信装置管理部104の問い合わせ待ち受けの処理フローである。実施例3までの差分として、S3100の処理が追加される。実施例3のS2901については処理を含む場合も含まない場合も同様に処理が可能なため、実施例4では記載を割愛する。
以下、実施例3までの差分について、通信装置管理部の動作を説明する。
【0170】
S3100において、S2900で取得した通信装置登録データを参照し、リクエストの送信元である通信装置120が属するグループにおける優先度の平均値を算出する。その後、リクエストの送信元である通信装置120の優先度を算出した平均値で割り、優先度補正値を算出する。例えば、平均が50であり、通信装置120の優先度が75の場合、優先度補正値は1.5となる。S2108で取得したデータ容量情報から送信周期補正値を取得し、優先度補正値を掛けた値を新たな送信周期補正値として更新する。
【0171】
実施例4によると、通信装置120に対して配下機器130に応じた優先度を設定することで、送信周期補正に対して優先度に応じた補正を追加で実行する。これにより、接続された配下機器130の重要度に応じて通信装置120のデータ収集周期を調整することが可能となる。
【実施例5】
【0172】
実施例4までは複数の通信装置120で構成されるグループにおいて主として重要な機器に接続された通信装置120を優先する形でデータ収集周期を通信装置120やデータ毎に柔軟に変更する方式について記載した。しかしながら、人的ミスで誤ったデータ収集設定が与えられる場合や、収集の中で想定した以上にデータ量を浪費する通信装置120が出現する場合が存在する。この時、これらの通信装置が高い優先度で優先されれば、データ量を不要に消費する可能性が存在する。
【0173】
実施例5ではグループ毎に消費データ量による補正を実施する設定項目を導入する。消費データ量による補正では同じグループ内で消費データ量が多い通信装置に対し、送信データ量を削減するように送信周期補正値を追加で補正する。以下、実施例5と実施例4までの差分について図を用いて説明する。
【0174】
図32は実施例5のデータ量設定を示す図である。実施例3までの差分として、消費データ量補正フラグ3200が追加される。
消費データ量補正フラグ3200は、同じグループIDを持つグループ内で、消費データ量に応じたデータ収集周期の補正を行うか否かを決定するフラグである。
【0175】
図33は実施例5のデータ量設定画面のGUIを示す図である。実施例3までの差分として、消費データ量補正チェックボックス3300が追加される。
消費データ量補正チェックボックス3300が選択された状態で設定反映ボタンが押下されると、チェックボックスにチェックが付けられたグループIDのグループに対して、消費データ量補正フラグが1の状態でデータ量設定が更新される。
【0176】
図34は実施例5の通信装置管理サーバ100における通信装置管理部104の問い合わせ待ち受けの処理フローである。
【0177】
実施例4までの差分として、S2104の処理が、S3400に置き換わる。また、S2108の処理が、S3401に置き換わる。また、S3402とS3403の処理が追加される。実施例3のS2901、実施例4のS3100については処理を含む場合も含まない場合も同様に処理が可能なため、実施例4では記載を割愛する。以下、実施例4までの差分について、通信装置管理部の動作を説明する。
【0178】
S3400において、設定DB101からS2104で取得したデータ収集設定登録データに加えてデータ量設定を取得する。S3401において、集計DB102からS2108で取得したデータ容量情報に加えてWAN側データ量ログを取得する。WAN側データ量ログはリクエストの送信元である通信装置が所属するグループの全通信装置の最新のログを取得する。
【0179】
S3402とS3400で取得したデータ量設定を参照し、リクエストの送信元である通信装置120が所属するグループの消費データ量補正フラグを確認する。消費データ量補正フラグが1である場合、S3402に処理を進める。消費データ量補正フラグが0である場合、S2109に処理を進める。
【0180】
S3403とS3401で取得したリクエストの送信元である通信装置120が所属するグループの全通信装置120の最新のログにおける送受信データ量の平均値を取得する。その後、リクエストの送信元である通信装置120の送受信データ量を算出した平均値で割り、消費データ量補正値を算出する。S2108で取得したデータ容量情報から送信周期補正値を取得し、消費データ量補正値を掛けた値を新たな送信周期補正値として更新する。
【0181】
実施例5によると、グループ毎に消費データ量による補正を実行するか否かを消費データ量補正フラグで決定する。消費データ量補正フラグが有効であれば、同じグループ内で消費データ量が多い通信装置に対し、送信データ量を削減するように送信周期補正値を追加で補正する。
【0182】
これにより、人的ミスで誤ったデータ収集設定が与えられる場合や、収集の中で想定した以上にデータ量を浪費する通信装置120が出現する場合において通信装置120が正常と見なされる設定の中で、大量のデータを送信する事態を防止することが可能となる。
【0183】
上記実施例では、通信装置120を管理する通信装置管理サーバ100を設置し、通信装置管理サーバ100に管理する通信装置120を登録する。通信装置120は通信量を記録し、一定周期毎に通信装置管理サーバ100へ通信量を送信する。通信装置管理サーバ100は受信した通信量を記録し、管理する通信装置120の台数に応じて、月のデータ通信残量を算出する。通信装置管理サーバ100は、データ通信残量、月末までの日数、通信装置の台数を元にデータの送信周期の補正値を算出して通信装置へ送信する。
【0184】
上記実施例によれば、包括的に回線契約を交わしたIoTシステムにおいて、端末ごとのデータ量最適化ではなく、端末群に対するデータ量の最適化が可能となる。
【符号の説明】
【0185】
100 通信装置管理サーバ
110 ユーザ設備
120 通信装置
130 配下機器
140 通信ネットワーク
101 設定DB
102 集計DB
103 GUI生成部
104 通信装置管理部
105 通信部
121 サーバ連携部
122 WAN通信部
123 ローカル通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34