(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】取り付けプラットフォーム、電池交換装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
B60L 53/80 20190101AFI20241122BHJP
H01M 50/244 20210101ALI20241122BHJP
B60S 5/06 20190101ALI20241122BHJP
【FI】
B60L53/80
H01M50/244 Z
B60S5/06
(21)【出願番号】P 2021558697
(86)(22)【出願日】2020-04-03
(86)【国際出願番号】 CN2020083249
(87)【国際公開番号】W WO2020200313
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-03-06
(31)【優先権主張番号】201910264615.8
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910264544.1
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519236398
【氏名又は名称】奥動新能源汽車科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】AULTON NEW ENERGY AUTOMOTIVE TECHNOLOGY GROUP
【住所又は居所原語表記】Block 1, Room 606, No. 1 Yichuang Street, China-Singapore Guangzhou Knowledge City, Huangpu District, Guangzhou, Guangdong 510700, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】張 建平
(72)【発明者】
【氏名】黄 春華
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-518710(JP,A)
【文献】特開2012-040935(JP,A)
【文献】特開2011-042309(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0151723(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 - 13/00
B60L 15/00 - 58/40
H01M 50/244
B60S 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレイ及び固定盤を含み、
前記トレイは、電池を支えるためのものであり、前記固定盤に設けられていると共に前記固定盤に対して第一方向に水平移動可能であり、
前記固定盤は、前記第一方向と垂直する第二方向に水平移動可能である第一ガイドフォークが一方側に設けられており、前記第一ガイドフォークは前記電池が所定の位置まで移動するようにカイドし、且つ、車両と係合され、前記トレイは、前記第二方向に水平移動可能である第二ガイドフォークが一方側に設けられており、前記第二ガイドフォークは前記電池が所定の位置まで移動するようにガイドし、且つ、前記車両と係合される、ことを特徴とする取り付けプラットフォーム。
【請求項2】
前記固定盤は、延出する第一ガイドレールが一方側に設けられており、前記第一ガイドフォークは、前記第一ガイドレールに摺動可能に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の取り付けプラットフォーム。
【請求項3】
前記固定盤には、第一ガイドフォークが前記第一ガイドレールを摺動するように駆動するための第一駆動部が設けられている、ことを特徴とする請求項2に記載の取り付けプラットフォーム。
【請求項4】
前記第一駆動部は、ベルトプーリによる駆動、スクリューナットによる駆動、リニアモーターによるもののいずれか一つによりなされるものである、ことを特徴とする請求項3に記載の取り付けプラットフォーム。
【請求項5】
前記トレイは、第二ガイドレールが上面に設けられており、前記第二ガイドフォークは、前記第二ガイドレールに摺動可能であるように設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の取り付けプラットフォーム。
【請求項6】
前記トレイには、前記第二ガイドフォークが前記第二ガイドレールを摺動するように駆動するための第二駆動部が設けられている、ことを特徴とする請求項5に記載の取り付けプラットフォーム。
【請求項7】
前記第二駆動部は、ベルトプーリによる駆動、スクリューナットによる駆動、リニアモーターによるもののいずれか一つによりなされるものである、ことを特徴とする請求項6に記載の取り付けプラットフォーム。
【請求項8】
前記固定盤は、前記第一ガイドフォークが両側にそれぞれ設けられており、及び/又は、
前記トレイは、前記第二ガイドフォークが両側にそれぞれ設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の取り付けプラットフォーム。
【請求項9】
請求項1から8のうちのいずれか一項に記載の取り付けプラットフォーム及び昇降機構を含み、前記昇降機構は、前記固定盤を昇降させるためのものである、ことを特徴とする電池交換装置。
【請求項10】
請求項1から8のうちのいずれか一項に記載の取り付けプラットフォームを制御するためのものであって、
車両の型式を検測するステップS1と、
検測結果に基づいて、第一ガイドフォーク及び第二ガイドフォークの移動位置を制御するステップS2と、を含む、ことを特徴とする制御方法。
【請求項11】
トレイ及び固定盤を含み、
前記トレイは、電池を支えるためのものであり、
前記トレイは、前記固定盤に設けられると共に前記固定盤に対して第一方向に水平移動可能であり、
前記固定盤は、前記固定盤に対して前記第一方向と垂直する第二方向に水平移動可能である第一ガイドフォークが一方側に設けられており、前記第一ガイドフォークは前記電池が所定の位置まで移動するようにガイドし、且つ、車両と係合され、
前記トレイは、積載層を有しており、
前記固定盤は、接続層を有しており、前記接続層は、前記トレイが固定盤に対して第一方向において水平移動できるために使用され、前記積載層は、前記接続層の上方に取り外し可能に設けられると共に固定ガイドフォークが設けられており、前記固定ガイドフォークは
、前記電池が所定の位置まで移動するようにガイドし、且つ、前記車両と係合される、ことを特徴とする取り付けプラットフォーム。
【請求項12】
前記固定盤は、延出する第一ガイドレールが一方側に設けられており、前記第一ガイドフォークは、前記第一ガイドレールに摺動可能であるように設けられている、ことを特徴とする請求項11に記載の取り付けプラットフォーム。
【請求項13】
前記固定盤には、前記第一ガイドフォークが前記第一ガイドレールを摺動するように駆動するための第一駆動部が設けられている、ことを特徴とする請求項12に記載の取り付けプラットフォーム。
【請求項14】
前記第一駆動部は、ベルトプーリによる駆動、スクリューナットによる駆動、リニアモーターによるもののいずれか一つによりなされるものである、ことを特徴とする請求項13に記載の取り付けプラットフォーム。
【請求項15】
前記接続層には、弾性部が固定設置されており、前記積載層は、前記弾性部に置かれている、ことを特徴とする請求項11に記載の取り付けプラットフォーム。
【請求項16】
前記弾性部は、ばねである、ことを特徴とする請求項15に記載の取り付けプラットフォーム。
【請求項17】
昇降機構及び請求項11から16のうちのいずれか一項に記載の取り付けプラットフォームを含み、前記昇降機構は、前記固定盤を昇降させるためのものである、ことを特徴とする電池交換装置。
【請求項18】
請求項11から16のうちのいずれか一項に記載の取り付けプラットフォームを制御するためのものであって、
車両の型式を検測するステップS1と、
検測結果に基づいて、第一ガイドフォークの移動位置を制御すると共に前記車両の型式と対応する積載層を接続層に取り付ける、ステップS2と、を含むことを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願日が2019年4月3日となる、2019102646158という中国特許出願及び2019102645441という中国特許出願に基づいて、優先権を主張する。本願は、上記の中国特許出願の全てを援用しているものである。
【0002】
本発明は、急速交換式の電気自動車の分野に関し、特に、取り付けプラットフォーム、電池交換装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の電池交換の技術は、異なる型式である車同士に電池交換スタンドを共有して電池を交換することが難しい。それは、異なる型式の自動車に異なる電池パックを用いるが、電池交換スタンドにおける電池交換装置の型式が同じであり、あらゆる電池パックに対応できないためである。故に、電池を交換するモードが汎用性を得難い。また、異なる型式や異なる種類の電池パックにより電池を交換することは、電池交換スタンドにとって、異なる型式の自動車と電池交換装置との間の位置決めが問題の一つとなる。それは、たとえ同じ型式の自動車である場合でも、それと電池交換装置との位置決めの精度が様々な要素に影響されてしまうことがあり、例えば、自動車自体の寸法の一致性、タイヤの空気圧などの要素が自動車の位置決めに影響を与えることもあるため、異なる型式について言うまでもない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の解決しようとする技術問題は、従来の技術において、電池交換スタンドが、異なる型式の車両について位置決めが難しいという欠陥を克服すべく、取り付けプラットフォーム、電池交換装置及びその制御方法、を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、下記の技術的手段により、上記の技術問題を解決するものである。取り付けプラットフォームは、トレイ及び固定盤を含み、前記トレイは、電池を支えるためのものであり、前記固定盤に設けられると共に前記固定盤に対して第一方向に水平移動可能であり、前記固定盤は、前記第一方向と垂直する第二方向に水平移動可能である第一ガイドフォークが一方側に設けられており、前記トレイは、前記第二方向に水平移動可能である第二ガイドフォークが一方側に設けられている。
【0006】
取り付けプラットフォームは、トレイ及び固定盤を含み、前記トレイは、電池を支えるためのものであり、前記固定盤に設けられると共に前記固定盤に対して第一方向に水平移動可能であり、前記固定盤は、前記固定盤に対して前記第一方向と垂直する第二方向に水平移動可能である第一ガイドフォークが一方側に設けられており、前記トレイは、積載層及び接続層を有しており、前記接続層は、前記固定盤に設けられると共に前記固定盤に対して水平移動可能であり、前記積載層は、前記接続層の上方に取り外し可能に設けられると共に固定ガイドフォークが設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本発明による積極的な進歩・効果は、当該取り付けプラットフォーム及びそれを含む電池交換装置は、第二方向に移動可能な第一ガイドフォーク及び第二ガイドフォークを設置することにより、複数種類の型式の車両電池に対応でき、電池交換スタンドの汎用性を実現できるということにある。当該制御方法によると、同一の電池交換装置により、複数種類の型式の車両電池を交換することが実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施例1による電池交換装置における立体構成の模式図である。
【
図2】本発明の実施例1による電池交換装置における一部の立体構成の模式図であり、ただし、積載層が取り外された。
【
図3】本発明の実施例1による昇降機構における構成の模式図である。
【
図4】本発明の実施例1による積載層における立体構成の模式図である。
【
図5】本発明の実施例1による制御方法におけるフローチャートの模式図である。
【
図6】本発明の実施例2による電池交換装置における立体構成の模式図である。
【
図7】本発明の実施例2による電池交換装置における一部の立体構成の模式図であり、ただし、積載層が取り外された。
【
図8】本発明の実施例2による昇降機構における構成の模式図である。
【
図9】本発明の実施例2による制御方法におけるフローチャートの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施例1>
図1及び
図2は、本実施例に係る電池交換装置10を模式的に示す。当該電池交換装置10は、昇降機構及び取り付けプラットフォーム16を含み、昇降機構は、固定盤22を昇降させるためのものである。
【0010】
昇降機構12は、挟み式支持構成が通常のものである。挟み式支持構成は、
図3に示されるように、ベース11及び固定盤22に接続され、交差して設置される第一支持アーム13及び第二支持アーム14を含む。第一支持アーム13は、一方端が固定盤22に摺動可能であるようにヒンジで接続され、他方端がベース11に固定するようにヒンジで接続される。第二支持アーム14は、一方端が固定盤22に固定するようにヒンジで接続され、他方端が底板に摺動可能であるようにヒンジで接続される。持ち上がり駆動手段15は、第一支持アーム13に接続されると共に第一支持アーム13が第一支持アーム13とベース11とのヒンジポイント周りに回転するように駆動する。摺動可能であるようにヒンジで接続されるとは、ヒンジポイントが摺動可能であることを意味しており、本実施例においては、水平に摺動するということである。また、固定するようにヒンジで接続されるとは、ヒンジポイントが固定されており、移動不能であるということである。
【0011】
第一支持アーム13及び第二支持アーム14同士は、ヒンジで接続されておらず、又は、接続されない。持ち上がり駆動手段15は、伸縮により、第一支持アーム13が回転するようにして、固定盤22が昇降するようにする。持ち上がり駆動手段15は、油圧駆動装置が好ましい。
【0012】
選択的に、昇降機構12は、スクリューナットからなる伝動構成又は直接的な油圧ジャッキなどの昇降を直接に実現できる機械構成とされてもよい。
【0013】
取り付けプラットフォーム16は、トレイ17及び固定盤22を含む。トレイ17は、電池を支えるためのものである。電気自動車などの車両から取り外された電池切れのパック及び電気自動車に取り付けられる満充電のパックは、それぞれ、転送や取り付けのために、トレイ17に置かれる。トレイ17は、固定盤22に設けられており、固定盤22に対して、第一方向に水平移動可能である。固定盤22及びトレイ17は、リニアモーター、スクリューナット伝動機構などの駆動装置を介して接続されることにより、固定盤22に対するトレイ17の移動が実現され得る。固定盤22は、両側に、それぞれ、第一ガイドフォーク23が設けられており、第一ガイドフォーク23は、第一方向と垂直する第二方向に水平移動可能である。固定盤22は、両側に、それぞれ、延出する第一ガイドレール25が設けられており、第一ガイドフォーク23は、第一ガイドレール25に摺動可能であるように設けられている。固定盤22には、第一駆動部が設けられており、第一駆動部は、第一ガイドフォーク23が第一ガイドレール25を摺動するように駆動するためのものである。第一駆動部は、ベルトプーリによる駆動、スクリューナットによる駆動、リニアモーターによるもののうちのいずれか一つによりなされるものである。
【0014】
第一ガイドフォーク23は、車両における急速交換ホルダーに位置するロッカーベースに係合されるためのものである。二つの第一ガイドフォーク23が第二方向に移動することにより、二つの第一ガイドフォーク23間の距離を調節して、取り付けプラットフォーム16に搭載される電池パックの寸法に対応できるようになる。トレイ17は、両側(本実施例では、トレイ17の上面の側辺領域であるが、他の実施例では、トレイ17の側面であってもよい)に、第二ガイドフォーク24が設けられており、第二ガイドフォーク24は、第二方向に水平移動可能である。トレイ17は、上面に第二ガイドレール26が設けられており、第二ガイドフォーク24は、第二ガイドレール26に摺動可能であるように設けられている。トレイ17には、第二駆動部が設けられており、第二駆動部は、第二ガイドフォーク24が第二ガイドレール26を摺動するように駆動するためのものである。第二駆動部は、ベルトプーリによる駆動、スクリューナットによる駆動、リニアモーターによるもののうちのいずれか一つによりなされるものである。
【0015】
第二ガイドフォーク24は、電池パックにおける位置決めブロックに係合されるためのものである。二つの第二ガイドフォーク24が第二方向に移動することにより、二つの第二ガイドフォーク24間の距離を調節して、取り付けプラットフォーム16に搭載される電池パックの寸法に対応できるようになる。トレイ17は、積載層18及び接続層21を有している。接続層21は、固定盤22に設けられると共に固定盤22に対して水平移動可能であり、積載層18は、接続層21の上方に取り外し可能であるように設けられている。第二ガイドレール26は、接続層21の上面に設置されている。
図4に示されるように、積載層18には、貫通穴181が設けられており、当該貫通穴181は、第二ガイドフォーク24が通り抜けて、貫通穴181の内部において、第二ガイドレール26に沿って第二ガイドレール26の長さ範囲全体にわたって摺動できるようにする。接続層21には、さらに、挿入溝211が設けられており、挿入溝211と積載層18の下面の挿入部との組み合わせにより、積載層18及び接続層21が第一方向に相対的に動くように限定する。このような形態により積載層18及び接続層21を組み立てると、積載層18と接続層21との着脱が簡便になる。積載層18と接続層21との間に弾性部が設けられており、当該弾性部は、積載層18に緩衝という役割が図り、積載層18に置かれる電池パックへの破壊を避けることができ、ひいては、鉛直方向における位置決め誤差を調節して、電池パックを着脱する際の位置決めを簡便にすることができる。弾性部は、ばね20が好ましい。
【0016】
選択的に、積載層18と接続層21とは、固定して接続されてもよく、つまり、取り外しができない。第二ガイドレール26は、直接に、積載層18の上面に敷設されてもよい。当該取り付けプラットフォーム16の汎用性を増やすためには、第二ガイドレール26を設置する部分における第二方向の長さを増やすことにより、第二ガイドレール26を簡便に比較的に長く敷設し、又は、第二ガイドレール26を両側と一層に近く近接するように敷設し、そして、第二ガイドフォーク24間の距離の調節可能な範囲を広くして、種類が複雑である数多くの電池に対応できるようになる。
【0017】
選択的に、固定盤における一方側にのみ第一ガイドフォークを設置し、合わせて、固定盤における一方側にのみ、延出する第一ガイドレールを設置し、固定盤における他方側にガイドフォークを固定して設置してもよい。一方側に位置する第一ガイドフォークが第二方向に移動することにより、第一ガイドフォークと固定するガイドフォークとの距離を調節して、取り付けプラットフォームに搭載される電池パックの寸法に対応できるようになる。
【0018】
選択的に、トレイにおける一方側にのみ、第二ガイドフォークを設置し、合わせて、トレイにおける一方側にのみ第二ガイドレールを設置し、トレイにおける他方側にのみガイドフォークを固定して設置してもよい。一方側に位置する第二ガイドフォークが第二方向に移動することにより、第二ガイドフォークと固定するガイドフォークとの間の距離を調節し、取り付けプラットフォームに搭載される電池パックの寸法に対応できるようになる。
【0019】
周知の通り、異なる型式の電池パックは、その長さ寸法及び幅寸法がそれぞれ異なり、異なる型式の電気自動車に異なる型式の電池パックを設置し、各型式の自動車に対して異なる電池交換装置を設置する場合に電池交換スタンドのコストを大幅に増額してしまう。当該取り付けプラットフォーム及びそれを含む電池交換装置は、第二方向に移動できる第一ガイドフォーク及び第二ガイドフォークを設置することにより、複数種類の型式の車両電池パックに対応でき、電池交換スタンドの汎用性を実現できる。
【0020】
本実施例では、取り付けプラットフォーム16を含む電池交換装置10を模式的に示したが、上記した取り付けプラットフォーム16はその限りでない。当該取り付けプラットフォーム16は、本実施例に例示されている電池交換装置10以外の電池パックを交換し又は運送する他の装置に適用されて、電池交換スタンドの汎用性を実現できるようになってもよい。
【0021】
図5は、本発明の実施例に係る制御方法を模式的に示す。制御方法は、上記の取り付けプラットフォーム16を制御するためのものである。
制御方法は、ステップ100とステップ200を含む。
ステップ100は、車両の型式を検測する。当該検測は、人工により検測されてもよく、つまり、人目で車両の型式を識別してもよい。また、機器により自動的に識別してもよい。例えば、当該取り付けプラットフォーム16を用いた電池交換スタンドの車両入口に、監視装置を設置して車両の型式を識別してもよい。このような車型式を識別する技術は、従来技術において幅広く適用されていることから、ここで重複して説明しない。
ステップ200は、検測の結果に基づいて、第一ガイドフォーク23及び第二ガイドフォーク24の移動位置を制御する。
【0022】
異なる車両の型式は、異なる寸法である電池パックに対応していることから、検測された型式に基づいて、対応する電池パックの寸法を照会してから、第一ガイドフォーク23と第二ガイドフォーク24とを所定の位置に調整することにより、二つの第一ガイドフォーク23間の距離と、対応する車両におけるロッカーベース間の距離とを合わせると共に、二つの第二ガイドフォーク24間の距離と当該電池パックの幅とを合わせることができ、そして、取り付けプラットフォーム16における四つのガイドフォークが、いずれも、電池パックに正確に対応して、電池パックを円滑に着脱することができる。
【0023】
ステップ100に係るのは、人工による検測である場合に、手動で第一ガイドフォーク23及び第二ガイドフォーク24の移動を制御するとよい。
【0024】
ステップ100に係るのは、機器により自動識別である場合に、合わせて、制御手段により監視装置からのデータを受信してから、制御手段を介して第一駆動部に命令を送信し、第一ガイドフォーク23及び第二ガイドフォーク24の移動位置を自動的に調節するとよい。当該制御手段は、当該取り付けプラットフォーム16を用いた電池交換スタンドの制御装置とされてもよく、取り付けプラットフォーム16に単独で設けられており信号の転送及びプログラム処理機能を有している装置などとされてもよい。
【0025】
<実施例2>
図6及び
図7は、本発明における好ましい実施例に係る電池交換装置10を模式的に示す。当該電池交換装置10は、昇降機構12及び取り付けプラットフォーム16を含み、昇降機構12は、固定盤22を昇降させるためのものである。
【0026】
昇降機構12は、挟み式支持構成が通常のものである。挟み式支持構成は、
図8に示されるように、ベース11及び固定盤22に接続され、交差して設置される第一支持アーム13及び第二支持アーム14を含む。第一支持アーム13は、一方端が固定盤22に摺動可能であるようにヒンジで接続され、他方端がベース11に固定するようにヒンジで接続される。第二支持アーム14は、一方端が固定盤22に固定するようにヒンジで接続され、他方端が底板に摺動可能であるようにヒンジで接続される。持ち上がり駆動手段15は、第一支持アーム13に接続されると共に第一支持アーム13が第一支持アーム13とベース11とのヒンジポイント回りに回転するように駆動する。
【0027】
摺動可能であるようにヒンジで接続されるとは、ヒンジポイントが摺動可能であることを意味しており、本実施例に水平に摺動するということであり、固定するようにヒンジで接続されるとは、ヒンジポイントが固定されており、移動不能であるということである。第一支持アーム13及び第二支持アーム14同士は、ヒンジで接続されておらず、又は、接続されない。持ち上がり駆動手段15は、伸縮により、第一支持アーム13が回転するようにして、固定盤22が昇降するようにする。持ち上がり駆動手段15は、油圧駆動装置が好ましい。
【0028】
選択的に、昇降機構12は、スクリューナットからなる伝動構成又は直接的な油圧ジャッキなどの昇降を直接に実現できる機械構成とされてもよい。
【0029】
取り付けプラットフォーム16は、トレイ17及び固定盤22を含む。トレイ17は、電池を支えるためのものである。電気自動車などの車両から取り外された電池切れのパック及び電気自動車に取り付けられる満充電のパックは、それぞれ、転送や取り付けのために、トレイ17に置かれる。トレイ17は、固定盤22に設けられると共に固定盤22に対して第一方向Xに水平移動可能である。固定盤22及びトレイ17は、リニアモーター、スクリューナット伝動機構などの駆動装置を介して接続されることにより、固定盤22に対するトレイ17の移動が実現され得る。固定盤22は、一方側に第一ガイドフォーク23が設けられており、第一ガイドフォーク23は、固定盤22に対して第一方向Xと垂直する第二方向Yに水平移動可能である。固定盤22は、延出する第一ガイドレール25が一方側に設けられており、第一ガイドフォーク23は、第一ガイドレール25に摺動可能であるように設けられている。固定盤22には、第一駆動部が設けられており、第一駆動部は、第一ガイドフォーク23が第一ガイドレール25を摺動するように駆動する。
【0030】
第一駆動部は、ベルトプーリによる駆動、スクリューナットによる駆動、リニアモーターによるもののうちのいずれか一つによりなされるものである。固定盤22は、他方端における第一ガイドフォーク23と対応する位置に第二ガイドフォーク24が設置されており、前記第二ガイドフォーク24は固定盤22に固定して移動しない。第一ガイドフォーク23及び第二ガイドフォーク24は、車両における急速交換ホルダーのロッカーベースに係合されるためのものである。
【0031】
第一ガイドフォーク23が第二方向Yに移動することにより、第二方向Yにおける第一ガイドフォーク23及び第二ガイドフォーク24の距離を調節して、取り付けプラットフォーム16に搭載される電池パックの寸法に対応できるようになる。トレイ17は、積載層18及び接続層21を有しており、接続層21は、固定盤22に設けられると共に固定盤22に対して水平移動可能である。積載層18は、接続層21の上方に取り外し可能であるように設けられると共に固定ガイドフォーク19が設けられている。固定ガイドフォーク19は、電池パックにおける位置決めブロックと係合されるためのものである。
【0032】
図7に示されるように、接続層21に弾性部が固定して設置されており、積載層18が弾性部に置かれる。積載層18と接続層21との間の弾性部は、積載層18に、緩衝という役割が図り、積載層18に位置する電池パックへの破壊を防ぐことができ、ひいては、鉛直方向における位置決め誤差を調節し、電池パックを着脱する際の位置決めを簡便にすることができる。弾性部は、ばね20が好ましい。
【0033】
周知の通り、異なる型式の電池パックは、その長さ寸法及び幅寸法がそれぞれ異なり、異なる型式の電気自動車に異なる型式の電池パックを設置し、各型式の自動車に対して異なる電池交換装置10を設置する場合に電池交換スタンドのコストを大幅に増額してしまう。当該取り付けプラットフォーム16及びそれを含む電池交換装置10は、第二方向Yに移動できる第一ガイドフォーク23及び代替可能な積載層18を設置することにより、複数種類の型式の車両電池パックに対応でき、電池交換スタンドの汎用性を実現できる。
【0034】
本実施例では、取り付けプラットフォーム16を含む電池交換装置10を模式的に示したが、上記した取り付けプラットフォーム16はその限りでない。当該取り付けプラットフォーム16は、本実施例に例示されている電池交換装置10以外の電池パックを交換し又は運送する他の装置に適用されて、電池交換スタンドの汎用性を実現できるようになってもよい。
【0035】
図9は、本発明の実施例に係る制御方法を模式的に示す。制御方法は、上記の取り付けプラットフォーム16を制御するためのものである。
制御方法は、ステップ100とステップ200を含む。
ステップ100は、車両の型式を検測する。当該検測は、人工により検測されてもよく、つまり、人目で車両の型式を識別してもよい。また、機器により自動的に識別してもよい。例えば、当該取り付けプラットフォーム16を用いた電池交換スタンドの車両入口に、監視装置を設置し車両型式を識別してもよい。このような車型式を識別する技術は、従来技術において幅広く適用されていることから、ここで重複して説明しない。
ステップ200は、検測結果に基づいて、第一ガイドフォーク23の移動位置を制御すると共に車両の型式と対応する積載層18を接続層21に取り付ける。
【0036】
異なる車両型式は、異なる寸法の電池パックに対応し、検測された型式に基づいて、対応する電池パックの寸法を照会してから、第一ガイドフォーク23を所定の位置に調整して、第一ガイドフォーク23と第二ガイドフォーク24との間の距離と、当該電池パックの幅とを合わせて、積載層18について電池パックの幅と対応する積載層18を選んで、積載層における固定フォーク間の距離と当該型式である電池パックの幅とを合わせることができ、そして、取り付けプラットフォーム16における四つのガイドフォークが、いずれも、電池パックに正確に対応して、電池パックを円滑に着脱することができる。
【0037】
ステップ100に係るのは、人工による検測である場合に、手動で、第一ガイドフォーク23の移動を制御して、人工で積載層18を選択するとよい。
【0038】
ステップ100に係るのは、機器により自動識別である場合に、合わせて、制御手段により監視装置のデータを受信してから、制御手段を介して第一駆動部に命令を送信し、第一ガイドフォーク23の移動位置を自動的に調節する。当該制御手段は、当該取り付けプラットフォーム16用いた電池交換スタンドの制御装置とされてもよく、取り付けプラットフォーム16に単独で設けられており信号の転送及びプログラム処理機能を有している装置などとされてもよい。
【0039】
本発明への説明において、理解するべきことは、表現の「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「先端」、「底部」、「内」、「外」などにより指示される方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、本発明を簡便に説明したり説明を簡単にしたりするためのものに過ぎず、係る装置又は素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構造されて操作されるということを指示し又は示唆するものではなく、特別な断りが無ければ、本発明を限定するものだと理解するべきではない。
【0040】
以上に本発明における具体的な実施形態を説明したが、当業者にとっては、これらは例示に過ぎず、本発明に係る保護範囲が特許請求の範囲により限定されるものであると理解すべきである。当業者は、本発明の原理及び趣旨を逸脱しない限り、これらの実施形態について様々な変更や補正が可能であり、これらの変更や補正がいずれも、本発明による保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0041】
10 電池交換装置
11 ベース
12 昇降機構
13 第一支持アーム
14 第二支持アーム
15 持ち上がり駆動手段
16 取り付けプラットフォーム
17 トレイ
18 積載層
181 貫通穴
19 固定ガイドフォーク
20 ばね
21 接続層
211 挿入溝
22 固定盤
23 第一ガイドフォーク
24 第二ガイドフォーク
25 第一ガイドレール
26 第二ガイドレール
X 第一方向
Y 第二方向