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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】ポリイミドフィルムおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08G 73/10 20060101AFI20241122BHJP
   B32B 27/34 20060101ALI20241122BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
C08G73/10
B32B27/34
H05K1/03 610N
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023106870
(22)【出願日】2023-06-29
(65)【公開番号】P2024007467
(43)【公開日】2024-01-18
【審査請求日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】10-2022-0080007
(32)【優先日】2022-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520160738
【氏名又は名称】ピーアイ・アドバンスド・マテリアルズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100142594
【弁理士】
【氏名又は名称】阪中 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100090686
【弁理士】
【氏名又は名称】鍬田 充生
(72)【発明者】
【氏名】チョン, ジン-ソク
(72)【発明者】
【氏名】ヨ, ムーン-ジン
(72)【発明者】
【氏名】チェ, ユン-ソク
(72)【発明者】
【氏名】ウォン, ドン-ヨン
【審査官】菅原 愛
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-512988(JP,A)
【文献】特表2022-515452(JP,A)
【文献】国際公開第2006/109832(WO,A1)
【文献】特開2017-145325(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 73/10
B32B 27/34
H05K 1/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライド(BPDA)、ピロメリティックジアンハイドライド(PMDA)およびベンゾフェノンテトラカルボキシリックジアンハイドライド(BTDA)を含む二無水物酸成分と、
オキシジアニリン(ODA)、パラフェニレンジアミン(PPD)、4,4’-ジアミノベンズアニリド(DABA)および2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)を含むジアミン成分と、を含むポリアミック酸溶液をイミド化して製造され、
前記二無水物酸成分の総含有量100モル%を基準として、前記ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライドの含有量が5モル%以上25モル%以下であり、前記ピロメリティックジアンハイドライドの含有量が45モル%以上65モル%以下であり、前記ベンゾフェノンテトラカルボキシリックジアンハイドライドの含有量が20モル%以上40モル%以下であり、かつ
前記ジアミン成分の総含有量100モル%を基準として、前記オキシジアニリンの含有量が1モル%以上30モル%以下であり、前記パラフェニレンジアミンの含有量が56モル%以上75モル%以下であり、前記4,4’-ジアミノベンズアニリドの含有量が1モル%以上15モル%以下であり、前記2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパンの含有量が2モル%以上39モル%以下である、
ポリイミドフィルム。
【請求項2】
2以上のブロックからなるブロック共重合体を含む、
請求項1に記載のポリイミドフィルム。
【請求項3】
引張強度が350MPa以上であり、
耐化学性が80%以上であり、
ガラス転移温度が350℃以上であり、
前記耐化学性が、ポリイミドフィルムの両面をコロナ処理した後、前記ポリイミドフィルム、ボンディングシートおよび銅箔の積層構造で、熱圧着を用いて、圧力50kgf、温度160℃で30分間加えて接合させて試料を作製し、4×10cmに裁断した前記試料を10%NaOH溶液に55℃で3分露出させ、10%NaMnO と4%NaOHとの混合液であるデスミア液に55℃で5分露出させた後、洗浄する工程を2回繰り返し、前記ポリイミドフィルムの厚さを測定し、前記NaOH溶液および前記デスミア液に露出させる前の厚さと比較して、露出前の厚さに対する、露出後の厚さの変化程度を百分率で表示したものである、
請求項1に記載のポリイミドフィルム。
【請求項4】
(a)ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライド(BPDA)、ピロメリティックジアンハイドライド(PMDA)およびベンゾフェノンテトラカルボキシリックジアンハイドライド(BTDA)を含む二無水物酸成分と、オキシジアニリン(ODA)、パラフェニレンジアミン(PPD)、4,4’-ジアミノベンズアニリド(DABA)および2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)を含むジアミン成分と、を有機溶媒中で重合してポリアミック酸を製造するステップと、
(b)前記ポリアミック酸をイミド化するステップと、を含み、
前記二無水物酸成分の総含有量100モル%を基準として、前記ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライドの含有量が5モル%以上25モル%以下であり、前記ピロメリティックジアンハイドライドの含有量が45モル%以上65モル%以下であり、前記ベンゾフェノンテトラカルボキシリックジアンハイドライドの含有量が20モル%以上40モル%以下であり、かつ
前記ジアミン成分の総含有量100モル%を基準として、前記オキシジアニリンの含有量が1モル%以上30モル%以下であり、前記パラフェニレンジアミンの含有量が56モル%以上75モル%以下であり、前記4,4’-ジアミノベンズアニリドの含有量が1モル%以上15モル%以下であり、前記2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパンの含有量が2モル%以上39モル%以下である
ポリイミドフィルムの製造方法。
【請求項5】
前記ポリイミドフィルムの引張強度が350MPa以上であり、
耐化学性が80%以上であり、
ガラス転移温度が350℃以上であり、
前記耐化学性が、ポリイミドフィルムの両面をコロナ処理した後、前記ポリイミドフィルム、ボンディングシートおよび銅箔の積層構造で、熱圧着を用いて、圧力50kgf、温度160℃で30分間加えて接合させて試料を作製し、4×10cmに裁断した前記試料を10%NaOH溶液に55℃で3分露出させ、10%NaMnO と4%NaOHとの混合液であるデスミア液に55℃で5分露出させた後、洗浄する工程を2回繰り返し、前記ポリイミドフィルムの厚さを測定し、前記NaOH溶液および前記デスミア液に露出させる前の厚さと比較して、露出前の厚さに対する、露出後の厚さの変化程度を百分率で表示したものである、
請求項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
【請求項6】
請求項1~のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムを含む、
多層フィルム。
【請求項7】
熱可塑性樹脂層を含む、
請求項に記載の多層フィルム。
【請求項8】
電気伝導性の金属箔を含む、
請求項に記載の多層フィルム。
【請求項9】
請求項に記載の多層フィルムを含む、
電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械的特性、耐熱性および耐化学性に優れたポリイミドフィルムおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリイミド(polyimide、PI)は、剛直な芳香族主鎖と共に化学的に安定性が非常に優れたイミド環をベースとして、有機材料の中でも最高水準の耐薬品性、電気絶縁性、耐化学性、耐候性を有する高分子材料である。
【0003】
特に、優れた絶縁特性、すなわち低い誘電率のような優れた電気的特性により、電気、電子、光学分野などに至るまで高機能性高分子材料として注目されている。
【0004】
最近、電子製品の軽量化、小型化に伴い、集積度が高くて柔軟な薄型回路基板が活発に開発されている。
【0005】
このような薄型回路基板は、優れた耐熱性、耐低温性および絶縁特性を有しながらも、屈曲が容易なポリイミドフィルム上に金属箔を含む回路が形成されている構造が多く活用される傾向にある。
【0006】
このような薄型回路基板としてはフレキシブル金属箔積層板が主に用いられており、一例として、金属箔に薄い銅板を用いるフレキシブル銅箔積層板(Flexible Copper Clad Laminate、FCCL)が含まれる。その他にも、ポリイミドを薄型回路基板の保護フィルム、絶縁フィルムなどとして活用したりする。
【0007】
特に、最近、電子機器に多様な機能が内在するにつれ、前記電子機器に速い演算速度と通信速度が要求されており、これを満たすために、高周波で高速通信可能な薄型回路基板が開発されている。
【0008】
しかし、従来のポリイミドフィルムは最新の回路基板に用いられるには比較的耐熱性が低いというデメリットがあり、耐熱性を向上させるための多様な先行研究がなされていたが、耐熱性の向上は機械的強度やガラス転移温度のような熱的特性の低下を伴った。
【0009】
したがって、耐熱性を向上させながらも、ポリイミド本来の機械的強度やガラス転移温度のような熱的特性を維持するポリイミドフィルムの開発が依然として必要なのが現状である。
【0010】
特に、ポリイミドフィルムの耐熱性は、FCCL製造時の積層工程で重要に考慮されるべき要素である。
【0011】
また、FPCB製造工程中、レーザ(laser)やビット(bit)加工時に熱によってホールの内壁に発生した炭化物(smear)を薬品で除去する段階を経るが、強い酸化物(KMnOなど)が使用されるので、ポリイミドフィルムの耐化学性がまずます重要になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】韓国登録特許第10-1004429号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、優れた高耐熱特性と機械的特性を兼ね備えたポリイミドフィルムおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
特に、本発明は、高温安定性が高く、引張強度および耐化学特性に優れたポリイミドフィルムおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
したがって、本発明は、その具体的な実施例を提供することを実質的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するための、本発明の一実施形態は、ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライド(BPDA)、ピロメリティックジアンハイドライド(PMDA)およびベンゾフェノンテトラカルボキシリックジアンハイドライド(BTDA)を含む二無水物酸成分と、
オキシジアニリン(ODA)、パラフェニレンジアミン(PPD)、4,4’-ジアミノベンズアニリド(DABA)および2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)を含むジアミン成分と、を含むポリアミック酸溶液をイミド化して製造される、
ポリイミドフィルムを提供する。
【0017】
本発明の他の実施形態は、(a)ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライド(BPDA)、ピロメリティックジアンハイドライド(PMDA)およびベンゾフェノンテトラカルボキシリックジアンハイドライド(BTDA)を含む二無水物酸成分と、オキシジアニリン(ODA)、パラフェニレンジアミン(PPD)、4,4’-ジアミノベンズアニリド(DABA)および2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)を含むジアミン成分と、を有機溶媒下で重合してポリアミック酸を製造するステップと、
(b)前記ポリアミック酸をイミド化するステップと、を含む、
ポリイミドフィルムの製造方法を提供する。
【0018】
本発明のさらに他の実施形態は、前記ポリイミドフィルムを含む、多層フィルムを提供する。
【0019】
本発明のさらに他の実施形態は、前記多層フィルムを含む電子部品を提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の実施形態によるポリイミドフィルムは、特定の二無水物酸成分と特定のジアミン成分とを特定のモル比で組み合わせて使用することにより、優れた機械的特性、高耐熱特性および耐化学性を同時に有することができる。
【0021】
一方、本発明は、前記のようなポリイミドフィルムを含むことでフレキシブル金属箔積層板などの電子部品などに有用に適用可能である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明による「ポリイミドフィルム」および「ポリイミドフィルムの製造方法」の順に発明の実施形態をより詳細に説明する。
【0023】
これに先立ち、本明細書および特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常または辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は自らの発明を最も最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則り、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されなければならない。
【0024】
したがって、本明細書に記載された実施例の構成は本発明の最も好ましい一つの実施例に過ぎず、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替可能な多様な均等物と変形例が存在できることを理解しなければならない。
【0025】
本明細書において、単数の表現は、文脈上明らかに異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」、「備える」または「有する」などの用語は、実施された特徴、数字、段階、構成要素、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や、数字、段階、構成要素、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないことが理解されなければならない。
【0026】
本明細書において、量、濃度、または他の値またはパラメータが範囲、好ましい範囲または好ましい上限値および好ましい下限値の列挙として与えられる場合、範囲が別途に開示されるかに関係なく、任意の一対の任意の上方範囲の限界値または好ましい値、および任意の下方範囲の限界値または好ましい値で形成されたすべての範囲を具体的に開示すると理解されなければならない。
【0027】
数値の範囲が本明細書で言及される場合、他に記述されなければ、その範囲はその終点およびその範囲内のすべての整数と分数を含むことが意図される。本発明の範疇は、範囲を定義する時に言及される特定の値に限定されないことが意図される。
【0028】
本明細書において、「二無水物酸」は、その前駆体または誘導体を含むことが意図されるが、これらは技術的には二無水物酸でないかも知れないが、それにもかかわらず、ジアミンと反応してポリアミック酸を形成するはずであり、このポリアミック酸は再度ポリイミドに変換される。
【0029】
本明細書において、「ジアミン」は、その前駆体または誘導体を含むことが意図されるが、これらは技術的にはジアミンでないかも知れないが、それにもかかわらず、ジアンハイドライドと反応してポリアミック酸を形成するはずであり、このポリアミック酸は再度ポリイミドに変換される。
【0030】
本発明によるポリイミドフィルムは、ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライド(3,3’,4,4’-Biphenyltetracarboxylic dianhydride、BPDA)、ピロメリティックジアンハイドライド(Pyromellitic dianhydride、PMDA)およびベンゾフェノンテトラカルボキシリックジアンハイドライド(3,3’,4,4’-Benzophenonetetracarboxylic dianhydride、BTDA)を含む二無水物酸成分と、オキシジアニリン(4,4’-Oxydianiline、ODA)、パラフェニレンジアミン(p-Phenylenediamine、PPD)、4,4’-ジアミノベンズアニリド(4,4’-Diaminobenzanilide、DABA)および2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(2,2-Bis[4-(4-aminophenoxy)phenyl]propane、BAPP)を含むジアミン成分と、を含むポリアミック酸溶液をイミド化して製造される。
【0031】
前記ポリイミドフィルムの前記二無水物酸成分は、ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライド、ピロメリティックジアンハイドライドおよびベンゾフェノンテトラカルボキシリックジアンハイドライドのみからなり、前記ジアミン成分は、オキシジアニリン、パラフェニレンジアミン、4,4’-ジアミノベンズアニリドおよび2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパンのみからなる。
【0032】
一実施形態において、前記二無水物酸成分の総含有量100モル%を基準として、前記ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライドの含有量が5モル%以上25モル%以下であり、前記ピロメリティックジアンハイドライドの含有量が45モル%以上65モル%以下であり、前記ベンゾフェノンテトラカルボキシリックジアンハイドライドの含有量が20モル%以上40モル%以下であってもよい。
【0033】
例えば、前記二無水物酸成分の総含有量100モル%を基準として、前記ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライドの含有量が10モル%以上20モル%以下であり、前記ピロメリティックジアンハイドライドの含有量が50モル%以上60モル%以下であり、前記ベンゾフェノンテトラカルボキシリックジアンハイドライドの含有量が25モル%以上35モル%以下であってもよい。
【0034】
ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライドに由来するポリイミド鎖は、電荷移動錯体(CTC:Charge transfer complex)と名付けられた構造、すなわち、電子供与体(electron donnor)と電子受容体(electron acceptor)が互いに近接して位置する規則的な直線構造を有し、分子間相互作用(intermolecular interaction)が強化される。
【0035】
また、カルボニルグループを有しているベンゾフェノンテトラカルボキシリックジアンハイドライドも、ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライドと同じく、CTCの発現に寄与する。
【0036】
特に、前記二無水物酸成分としてピロメリティックジアンハイドライドを追加的に含むことができる。ピロメリティックジアンハイドライドは、相対的に剛直な構造を有する二無水物酸成分で、ポリイミドフィルムに適切な弾性を付与できるという点で好ましい。
【0037】
また、ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライドおよびベンゾフェノンテトラカルボキシリックジアンハイドライドは、芳香族部分に相当するベンゼン環を2個含むのに対し、ピロメリティックジアンハイドライドは、芳香族部分に相当するベンゼン環を1個含む。
【0038】
二無水物酸成分においてピロメリティックジアンハイドライドの含有量の増加は、同一の分子量を基準とした時、分子内のイミド基が増加すると理解することができ、これは、ポリイミド高分子鎖に、前記ピロメリティックジアンハイドライドに由来するイミド基の比率が、ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライドおよびベンゾフェノンテトラカルボキシリックジアンハイドライドに由来するイミド基に比べて相対的に増加すると理解することができる。
【0039】
ピロメリティックジアンハイドライドの含有量比が過度に減少すると、相対的に剛直な構造の成分が減少して、ポリイミドフィルムの機械的特性が所望の水準以下に低下しうる。
【0040】
この理由により、前記ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライドおよびベンゾフェノンテトラカルボキシリックジアンハイドライドの含有量が前記範囲を上回る場合、ポリイミドフィルムの機械的物性が低下する。
【0041】
一実施形態において、前記ジアミン成分の総含有量100モル%を基準として、前記オキシジアニリンの含有量が1モル%以上30モル%以下であり、前記パラフェニレンジアミンの含有量が56モル%以上75モル%以下であり、前記4,4’-ジアミノベンズアニリドの含有量が1モル%以上15モル%以下であり、前記2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパンの含有量が2モル%以上39モル%以下であってもよい。
【0042】
例えば、前記ジアミン成分の総含有量100モル%を基準として、前記オキシジアニリンの含有量が2モル%以上27モル%以下であり、前記パラフェニレンジアミンの含有量が60モル%以上70モル%以下であり、前記4,4’-ジアミノベンズアニリドの含有量が1モル%以上10モル%以下であり、前記2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパンの含有量が2モル%以上35モル%以下であってもよい。
【0043】
特に、前記ジアミン成分の総含有量100モル%を基準として、前記2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパンの含有量が5モル%以上30モル%以下であってもよい。
【0044】
前記ジアミン成分中、前記2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパンの含有量が本願の範囲を上回ると、ポリイミドフィルムの機械的強度が低下し、ガラス転移温度が低くなって熱安定性が低下しうる。
【0045】
また、前記4,4’-ジアミノベンズアニリドは、アミド基を含んでいて、本願の含有量範囲内で本願のポリイミドフィルムの優れた耐熱性と機械的物性の向上に寄与することができる。
【0046】
その他にも、前記オキシジアニリンおよび前記パラフェニレンジアミンの含有量が本願の含有量範囲を外れる場合、ポリイミドフィルムの機械的強度および耐化学性が低下したり、ガラス転移温度が低くなって熱安定性が低下しうる。
【0047】
一実施形態において、前記ポリイミドフィルムは、2以上のブロックからなるブロック共重合体を含むことができる。
【0048】
このようなブロック共重合体のブロック調整によりポリイミドフィルムのガラス転移温度を高めて、ポリイミドフィルムの高温安定性を確保することができる。また、ポリイミドフィルムの機械的強度および耐化学性を向上させることができる。
【0049】
一実施形態において、本願のポリイミドフィルムの引張強度が350MPa以上であり、耐化学性が80%以上であり、ガラス転移温度が350℃以上であってもよい。
【0050】
本発明において、ポリアミック酸の製造は、例えば、
(1)ジアミン成分の全量を溶媒中に入れて、その後、二無水物酸成分をジアミン成分と実質的に等モルとなるように添加して重合する方法;
(2)二無水物酸成分の全量を溶媒中に入れて、その後、ジアミン成分を二無水物酸成分と実質的に等モルとなるように添加して重合する方法;
(3)ジアミン成分の一部の成分を溶媒中に入れた後、反応成分に対して二無水物酸成分の一部の成分を約95~105モル%の比率で混合した後、残りのジアミン成分を添加し、これに連続して残りの二無水物酸成分を添加して、ジアミン成分および二無水物酸成分が実質的に等モルとなるようにして重合する方法;
(4)二無水物酸成分を溶媒中に入れた後、反応成分に対してジアミン化合物中の一部の成分を95~105モル%の比率で混合した後、他の二無水物酸成分を添加し、続いて残りのジアミン成分を添加して、ジアミン成分および二無水物酸成分が実質的に等モルとなるようにして重合する方法;
(5)溶媒中において一部のジアミン成分と一部の二無水物酸成分とをいずれか1つが過剰となるように反応させて、第1組成物を形成し、他の溶媒中において一部のジアミン成分と一部の二無水物酸成分とをいずれか1つが過剰となるように反応させて、第2組成物を形成した後、第1、第2組成物を混合し、重合を完了する方法であって、この時、第1組成物を形成する時、ジアミン成分が過剰の場合、第2組成物では二無水物酸成分を過剰にし、第1組成物で二無水物酸成分が過剰の場合、第2組成物ではジアミン成分を過剰にして、第1、第2組成物を混合してこれらの反応に使用される全体のジアミン成分と二無水物酸成分とが実質的に等モルとなるようにして重合する方法、などが挙げられる。
【0051】
ただし、前記重合方法が以上の例のみに限定されるものではなく、ポリアミック酸の製造は公知のいかなる方法も使用できることはもちろんである。
【0052】
一つの具体例において、本発明によるポリイミドフィルムの製造方法は、
(a)ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライド(BPDA)、ピロメリティックジアンハイドライド(PMDA)およびベンゾフェノンテトラカルボキシリックジアンハイドライド(BTDA)を含む二無水物酸成分と、オキシジアニリン(ODA)、パラフェニレンジアミン(PPD)、4,4’-ジアミノベンズアニリド(DABA)および2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)を含むジアミン成分と、を有機溶媒中で重合してポリアミック酸を製造するステップと、(b)前記ポリアミック酸をイミド化するステップと、を含むことができる。
【0053】
一実施形態において、前記二無水物酸成分の総含有量100モル%を基準として、前記ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライドの含有量が5モル%以上25モル%以下であり、前記ピロメリティックジアンハイドライドの含有量が45モル%以上65モル%以下であり、前記ベンゾフェノンテトラカルボキシリックジアンハイドライドの含有量が20モル%以上40モル%以下であり、前記ジアミン成分の総含有量100モル%を基準として、前記オキシジアニリンの含有量が1モル%以上30モル%以下であり、前記パラフェニレンジアミンの含有量が56モル%以上75モル%以下であり、前記4,4’-ジアミノベンズアニリドの含有量が1モル%以上15モル%以下であり、前記2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパンの含有量が2モル%以上39モル%以下であってもよい。
【0054】
前記ポリイミドフィルムの引張強度が350MPa以上であり、耐化学性が80%以上であり、ガラス転移温度が350℃以上であってもよい。
【0055】
本発明では、前記のようなポリアミック酸の重合方法をランダム(random)重合方式で定義することができ、前記のような過程で製造された本発明のポリアミック酸から製造されたポリイミドフィルムは、機械的特性、耐熱性および耐化学性を向上させる本発明の効果に好ましく適用可能である。
【0056】
一方、ポリアミック酸を合成するための溶媒は特に限定されるものではなく、ポリアミック酸を溶解させる溶媒であればいかなる溶媒も使用可能であるが、アミド系溶媒であることが好ましい。
【0057】
具体的には、前記溶媒は、有機極性溶媒であってもよく、詳しくは、非プロトン性極性溶媒(aprotic polar solvent)であってもよいし、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチル-ピロリドン(NMP)、p-クロロフェノール、o-クロロフェノール、N-メチル-ピロリドン(NMP)、ガンマブチロラクトン(GBL)、ジグリム(Diglyme)からなる群より選択された1つ以上であってもよいが、これに限定されるものではなく、必要に応じて、単独でまたは2種以上組み合わせて使用可能である。
【0058】
一つの例において、前記溶媒は、N,N-ジメチルホルムアミドおよびN,N-ジメチルアセトアミドが特に好ましく使用できる。
【0059】
また、ポリアミック酸の製造工程では、摺動性、熱伝導性、コロナ耐性、ループ硬さなどのフィルムの様々な特性を改善する目的で、ナノシリカ以外の充填材を添加することもできる。添加される充填材は特に限定されるものではないが、好ましい例としては、酸化チタン、アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、雲母などが挙げられる。
【0060】
充填材の粒径は特に限定されるものではなく、改質すべきフィルム特性と添加する充填材の種類によって決定すれば良い。一般的には、平均粒径が0.05~100μm、好ましくは0.1~75μm、さらに好ましくは0.1~50μm、特に好ましくは0.1~25μmである。
【0061】
粒径がこの範囲を下回ると、改質効果が現れにくくなり、この範囲を上回ると、表面性を大きく損傷させたり、機械的特性が大きく低下する場合がある。
【0062】
また、充填材の添加量に対しても特に限定されるものではなく、改質すべきフィルム特性や充填材の粒径などによって決定すれば良い。一般的に、充填材の添加量は、ポリイミド100重量部に対して、0.01~100重量部、好ましくは0.01~90重量部、さらに好ましくは0.02~80重量部である。
【0063】
充填材の添加量がこの範囲を下回ると、充填材による改質効果が現れにくく、この範囲を上回ると、フィルムの機械的特性が大きく損傷する可能性がある。充填材の添加方法は特に限定されるものではなく、公知のいかなる方法を用いてもよい。
【0064】
本発明の製造方法において、ポリイミドフィルムは、熱イミド化法および化学的イミド化法により製造される。
【0065】
また、熱イミド化法および化学的イミド化法が並行される複合イミド化法により製造されてもよい。
【0066】
前記熱イミド化法とは、化学的触媒を排除し、熱風や赤外線乾燥機などの熱源でイミド化反応を誘導する方法である。
【0067】
前記熱イミド化法は、前記ゲルフィルムを100~600℃の範囲の可変的な温度で熱処理して、ゲルフィルムに存在するアミック酸基をイミド化することができ、詳しくは、200~500℃、さらに詳しくは、300~500℃で熱処理して、ゲルフィルムに存在するアミック酸基をイミド化することができる。
【0068】
ただし、ゲルフィルムを形成する過程でもアミック酸中の一部(約0.1モル%~10モル%)がイミド化され、このために、50℃~200℃の範囲の可変的な温度でポリアミック酸組成物を乾燥することができ、これも前記熱イミド化法の範疇に含まれる。
【0069】
化学的イミド化法の場合、当業界における公知の方法により、脱水剤およびイミド化剤を用いて、ポリイミドフィルムを製造することができる。ここで、「脱水剤」とは、ポリアミック酸に対する脱水作用により閉環反応を促進する物質を意味し、これに対する非制限的な例として、脂肪族のアシッドアンハイドライド、芳香族のアシッドアンハイドライド、N,N’-ジアルキルカルボジイミド、ハロゲン化低級脂肪族、ハロゲン化低級脂肪酸アンハイドライド、アリールホスホニックジハライド、およびチオニルハライドなどが挙げられる。なかでも、入手の容易性および費用の観点から、脂肪族のアシッドアンハイドライドが好ましく、その非制限的な例として、アセティックアンハイドライド(または無水酢酸、AA)、プロピオン酸アンハイドライド、および乳酸アンハイドライドなどが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を混合して使用可能である。
【0070】
また、「イミド化剤」とは、ポリアミック酸に対する閉環反応を促進する効果を有する物質を意味し、例えば、脂肪族3級アミン、芳香族3級アミン、および複素環式3級アミンなどのイミン系成分であってもよい。なかでも、触媒としての反応性の観点から、複素環式3級アミンが好ましい。複素環式3級アミンの非制限的な例として、キノリン、イソキノリン、β-ピコリン(BP)、ピリジンなどが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を混合して使用可能である。
【0071】
脱水剤の添加量は、ポリアミック酸中のアミック酸基1モルに対して0.5~5モルの範囲内のものが好ましく、1.0モル~4モルの範囲内のものが特に好ましい。また、イミド化剤の添加量は、ポリアミック酸中のアミック酸基1モルに対して0.05モル~2モルの範囲内のものが好ましく、0.2モル~1モルの範囲内のものが特に好ましい。
【0072】
前記脱水剤およびイミド化剤が前記範囲を下回ると、化学的イミド化が不十分であり、製造されるポリイミドフィルムにクラックが形成され、フィルムの機械的強度も低下しうる。また、これらの添加量が前記範囲を上回ると、イミド化が過度に速く進行し、この場合、フィルム状にキャストしにくかったり、製造されたポリイミドフィルムがブリトル(brittle)な特性を示すことがあるので、好ましくない。
【0073】
複合イミド化法の一例としては、ポリアミック酸溶液に脱水剤およびイミド化剤を投入した後、80~200℃、好ましくは100~180℃で加熱して、部分的に硬化および乾燥した後に、200~400℃で5~400秒間加熱することにより、ポリイミドフィルムを製造することができる。
【0074】
本発明は、上述したポリイミドフィルムと熱可塑性樹脂層とを含む多層フィルム、および上述したポリイミドフィルムと電気伝導性の金属箔とを含む多層フィルム(例えば、フレキシブル金属箔積層板)を提供する。
【0075】
前記熱可塑性樹脂層としては、例えば、熱可塑性ポリイミド樹脂層などが適用可能である。
【0076】
使用する金属箔としては特に限定されないが、例えば、電子機器または電気機器用途に本発明の多層フィルムを用いる場合には、銅または銅合金、ステンレス鋼またはその合金、ニッケルまたはニッケル合金(42合金も含む)、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む金属箔であってもよい。
【0077】
一般的なフレキシブル金属箔積層板では、圧延銅箔、電解銅箔という銅箔が多く使用され、本発明においても好ましく使用可能である。また、これら金属箔の表面には防錆層、耐熱層または接着層が塗布されていてもよい。
【0078】
本発明において、前記金属箔の厚さに対しては特に限定されるものではなく、その用途によって十分な機能を発揮できる厚さであれば良い。
【0079】
本発明によるフレキシブル金属箔積層板として使用可能な多層フィルムは、前記ポリイミドフィルムの一面に金属箔がラミネートされているか、前記ポリイミドフィルムの一面に熱可塑性ポリイミドを含有する接着層が付加されており、前記金属箔が接着層に付着した状態でラミネートされている構造であってもよい。
【0080】
本発明はさらに、前記多層フィルム(例えば、フレキシブル金属箔積層板)を電気的信号伝送回路として含む電子部品を提供する。
【0081】
以下、発明の具体的な実施例を通じて、発明の作用および効果をより詳述する。ただし、このような実施例は発明の例として提示されたものに過ぎず、これによって発明の権利範囲が定められるのではない。
【0082】
<製造例>
撹拌機および窒素注入・排出管を備えた500mlの反応器に窒素を注入させながらDMFを投入し、反応器の温度を30℃に設定した後、ジアミン成分としてオキシジアニリン(ODA)、パラフェニレンジアミン(PPD)、4,4’-ジアミノベンズアニリド(DABA)および2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)と、二無水物酸成分としてビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライド(BPDA)、ピロメリティックジアンハイドライド(PMDA)およびベンゾフェノンテトラカルボキシリックジアンハイドライド(BTDA)を投入して、完全に溶解したことを確認する。
【0083】
以後、窒素雰囲気下、40℃に反応器の温度を上げて加熱しながら120分間撹拌を続けてポリアミック酸を製造した。
【0084】
このように製造したポリアミック酸に触媒および脱水剤を添加し、1,500rpm以上の高速回転により気泡を除去した後、スピンコーターを用いてガラス基板に塗布した。
【0085】
以後、窒素雰囲気下、120℃の温度で30分間乾燥してゲルフィルムを製造し、これを450℃まで2℃/minの速度で昇温し、450℃で60分間熱処理した後、30℃まで2℃/minの速度で再度冷却することにより、最終的なポリイミドフィルムを得ており、蒸留水に浸漬(dipping)してガラス基板から剥離させた。
【0086】
製造されたポリイミドフィルムの厚さは15μmであった。製造されたポリイミドフィルムの厚さはAnritsu社の膜厚測定器(Electric Film thickness tester)を用いて測定した。
【0087】
<実施例1~4および比較例1~3>
先に説明した製造例により製造し、ジアミン単量体および二無水物酸単量体の含有量を表1に示すように調節した。
【0088】
【表1】
【0089】
<実験例>引張強度、ガラス転移温度および耐化学性評価
前記表1に示しているように、実施例1~4および比較例1~3でそれぞれ製造したポリイミドフィルムに対して、引張強度、弾性率、ガラス転移温度および耐化学性を測定して表2に示した。
【0090】
(1)引張強度および弾性率
ASTM D882測定方法により、インストロン(Instron 3365SER)装置を用いて引張強度および弾性率を測定した。
【0091】
(2)ガラス転移温度の測定
ガラス転移温度(T)は、DMAを用いて各フィルムの損失弾性率と貯蔵弾性率を求め、これらのタンジェントグラフで変曲点をガラス転移温度として測定した。
【0092】
(3)耐化学性の測定
製造されたポリイミドフィルムを両面コロナ処理をした後、ポリイミドフィルム+ボンディングシート(接着剤)+銅箔構造で、Hot Pressを用いて、圧力50kgf、温度160℃で30分間加えて接合させてFCCL試料を作る。
【0093】
4×10cmに裁断したFCCLを10%NaOH溶液に55℃で3分露出させ、デスミア液(10%NaMnO+4%NaOH)に55℃で5分露出させた後、洗浄する工程を2回繰り返し、フィルムの厚さを測定し、NaOH溶液およびデスミア液に露出させる前の厚さと比較して、露出前の厚さに対する、露出後の厚さの変化程度を百分率で表示した。
【0094】
例えば、実施例1のポリイミドフィルムの場合、デスミア液露出後のポリイミドフィルムの厚さが、露出前のポリイミドフィルムの厚さの86%に相当した。
【0095】
【表2】
【0096】
表2から確認されるように、本発明の実施例により製造されたポリイミドフィルムは、引張強度が350MPa以上であり、耐化学性が80%以上であり、ガラス転移温度(Tg)が350℃以上に相当して、機械的特性、耐化学性および熱的安定性に優れていた。
【0097】
このような結果は、本願において特定された成分および組成比によって達成されるものであり、各成分の含有量が決定的な役割を果たすことが分かる。
【0098】
これに対し、比較例1~3のポリイミドフィルムは、実施例1~4のポリイミドフィルムに比べて、引張強度、耐化学性および耐熱性のいずれか1つ以上の特性が低下していた。
【0099】
これによって、比較例のポリイミドフィルムは、電子部品への実際の適用には困難を予想することができた。
【0100】
以上、本発明の実施例を参照して説明したが、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、上記の内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用および変形を行うことが可能であろう。