(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】コネクタ組立体
(51)【国際特許分類】
A61M 39/10 20060101AFI20241122BHJP
A61M 39/00 20060101ALI20241122BHJP
A61M 39/16 20060101ALI20241122BHJP
A61M 39/18 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
A61M39/10
A61M39/00
A61M39/16
A61M39/18
(21)【出願番号】P 2023575526
(86)(22)【出願日】2022-06-07
(86)【国際出願番号】 US2022032418
(87)【国際公開番号】W WO2022261034
(87)【国際公開日】2022-12-15
【審査請求日】2024-01-26
(32)【優先日】2021-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ザッカリー ジャーロッド トレイナ
【審査官】田中 玲子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第7654843(US,B2)
【文献】米国特許第8167660(US,B2)
【文献】米国特許第7717754(US,B2)
【文献】米国特許第9750926(US,B2)
【文献】国際公開第2020/163297(WO,A1)
【文献】特表2012-504440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/10
A61M 39/00
A61M 39/16
A61M 39/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ組立体が、
基端ポートと末端ポートとの間に延びる流体流路を含む内ハウジングであって、前記内ハウジングの外表面が、第1の電気伝導性外表面と第2の電気伝導性外表面を含む、内ハウジング、
前記内ハウジングを取り囲む外ハウジングであって、前記外ハウジングの内表面が、第1の電気伝導性内表面と第2の電気伝導性内表面とを含み、
前記外ハウジングが、前記第1の電気伝導性外表面が前記第1の電気伝導性内表面から離間されている第1の半径方向位置と、前記第1の電気伝導性外表面が前記第1の電気伝導性内表面と電気的に接触している第2の半径方向位置との間で、前記内ハウジングに対して半径方向に移動するように構成されており、
前記外ハウジングが、前記第2の電気伝導性外表面が前記第2の電気伝導性内表面から離間されている第1の回転位置と、前記第2の電気伝導性外表面が前記第2の電気伝導性内表面と電気的に接触している第2の回転位置との間で、前記内ハウジングに対して回転して移動するように構成されている、外ハウジング、
少なくとも1つのプロセッサであって、
第1の電気伝導性外表面が第1の電気伝導性内表面と電気的に接触しているかどうかに基づいて、内ハウジングに対する外ハウジングの半径方向位置に関連する半径方向データを決定し、
第2の電気伝導性外表面が第2の電気伝導性内表面と電気的に接触しているかどうかに基づいて、内ハウジングに対する外ハウジングの回転位置に関連する回転データを決定するようにプログラム及び/又は構成された、少なくとも1つのプロセッサ、及び
前記半径方向データと前記回転データを外部コンピューティング装置に無線通信するように構成された無線通信回路、
を備える、コネクタ組立体。
【請求項2】
前記内ハウジングの前記外表面に接続された第1の電気接点、
前記外ハウジングの前記内表面に接続された第2の電気接点、
を更に備え、
前記外ハウジングが、第1の軸方向位置と第2の軸方向位置との間で前記内ハウジングに対して軸方向に移動するように構成されており、
前記外ハウジングが前記第1の軸方向位置と前記第2の軸方向位置との間で移動する際に、前記第1の電気接点と前記第2の電気接点との間の相対位置が変化し、
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記第1の電気接点と前記第2の電気接点との間の前記相対位置に基づいて、前記内ハウジングに対する前記外ハウジングの軸方向位置に関連する軸方向データを決定するように、さらにプログラムされ及び/又は構成されており、及び
前記無線通信回路が、前記軸方向データを前記外部コンピューティング装置に無線通信するように構成されている、請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項3】
前記内ハウジングと前記外ハウジングとの間に接続されたバネであって、前記バネは、静止状態と圧縮状態又は伸張状態との間を移行するように構成されており、前記バネは、前記外ハウジングが前記第1の軸方向位置にあるとき、静止状態にあるように構成されており、前記バネは、前記外ハウジングが前記第2の軸方向位置にあるとき、前記圧縮状態又は伸張状態にあるように構成されており、前記外ハウジングを前記第2の軸方向位置に保持する軸方向の力の除去に応答して、前記バネは、前記外ハウジングを前記第1の軸方向位置に戻すように構成されている、バネ、
をさらに備える、請求項2に記載のコネクタ組立体。
【請求項4】
前記外ハウジングの前記内表面に接続されたプリント回路基板組立体であって、前記プリント回路基板組立体が、前記少なくとも1つのプロセッサ、前記無線通信回路、及び前記第2の電気接点を含み、前記プリント回路基板組立体が、前記第1の電気伝導性内表面と前記第2の電気伝導性内表面のそれぞれに電気的に接続されている、プリント回路基板組立体、をさらに備える、請求項2に記載のコネクタ組立体。
【請求項5】
前記第2の電気接点は、互いに離間された複数の個別の電気接点を含み、前記外ハウジングが前記第1の軸方向位置と前記第2の軸方向位置との間で前記内ハウジングに対して軸方向に移動する際に、前記第1の電気接点が前記複数の個別の電気接点と選択的に係合するように構成されている、請求項4に記載のコネクタ組立体。
【請求項6】
前記第2の電気接点が連続抵抗素子を含み、前記外ハウジングが前記第1の軸方向位置と前記第2の軸方向位置との間で前記内ハウジングに対して軸方向に移動する際に、前記第1の電気接点が前記連続抵抗素子の長さに沿って係合して移動するように構成されている、請求項4に記載のコネクタ組立体。
【請求項7】
前記半径方向データが、前記第1の電気伝導性外表面が前記第1の電気伝導性内表面と電気的に接触している回数、前記第1の電気伝導性外表面が前記第1の電気伝導性内表面と電気的に接触している持続時間、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つのパラメータを含む、請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項8】
前記回転データが、前記第2の電気伝導性外表面が前記第2の電気伝導性内表面と電気的に接触している回数、前記第2の電気伝導性外表面が前記第1の電気伝導性内表面と電気的に接触している持続時間、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つのパラメータを含む、請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項9】
前記軸方向データが、前記第1の軸方向位置から前記第2の軸方向位置へ向かう前記内ハウジングに対する前記外ハウジングの軸方向変位の量、前記第1の軸方向位置から前記第2の軸方向位置へ向かう前記内ハウジングに対する前記外ハウジングの軸方向変位の回数、前記第1の軸方向位置から前記第2の軸方向位置へ向かう前記内ハウジングに対する前記外ハウジングの軸方向変位の持続時間、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つのパラメータを含む、請求項2に記載のコネクタ組立体。
【請求項10】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記半径方向データと前記回転データに基づいて、前記内ハウジングの前記末端ポートに関連する消毒イベントを決定するように更にプログラムされ及び/又は構成されている、請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項11】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記軸方向データに基づいて、前記内ハウジングの前記末端ポートに接続された医療器具の種類を判定するようにさらにプログラムされ及び/又は構成されている、請求項2に記載のコネクタ組立体。
【請求項12】
前記外ハウジングが基端端部と末端端部との間に延びていて、前記外ハウジングの前記基端端部と前記末端端部が前記内ハウジングの前記基端ポートと前記末端ポートの間に配置されおり、前記プリント回路基板組立体が電池とユーザ入力装置をさらに含み、前記ユーザ入力装置が、前記外ハウジングの前記基端端部と前記末端端部の間の前記外ハウジングの開口部を通って延びている、請求項4に記載のコネクタ組立体。
【請求項13】
前記
無線通信回路は、前記ユーザ入力装置への所定のユーザ入力に応答して、前記外部コンピューティング装置との通信を確立するように構成されている、請求項12に記載のコネクタ組立体。
【請求項14】
前記コネクタ組立体は、前記外ハウジングの前記末端端部と前記内ハウジングの前記末端ポートとの間のシールリングをさらに含む、請求項12に記載のコネクタ組立体。
【請求項15】
システムが、
コネクタ組立体であって、
基端ポートと末端ポートとの間に延びる流体流路を含む内ハウジングであって、前記内ハウジングの外表面が、第1の電気伝導性外表面と第2の電気伝導性外表面を含む、内ハウジング、
前記内ハウジングを取り囲む外ハウジングであって、前記外ハウジングの内表面が、第1の電気伝導性内表面と第2の電気伝導性内表面を含み、
前記外ハウジングが、前記第1の電気伝導性外表面が前記第1の電気伝導性内表面から離間された第1の半径方向位置と、前記第1の電気伝導性外表面が前記第1の電気伝導性内表面と電気的に接触している第2の半径方向位置との間で、前記内ハウジングに対して半径方向に移動するように構成されており、
前記外ハウジングが、前記第2の電気伝導性外表面が前記第2の電気伝導性内表面から離間された第1の回転位置と、前記第2の電気伝導性外表面が前記第2の電気伝導性内表面と電気的に接触している第2の回転位置との間で、前記内ハウジングに対して回転して移動するように構成されている、外ハウジング、
少なくとも1つのプロセッサであって、
前記第1の電気伝導性外表面が前記第1の電気伝導性内表面と電気的に接触しているかどうかに基づいて、前記内ハウジングに対する前記外ハウジングの半径方向位置に関連する半径方向データを決定し、
前記第2の電気伝導性外表面が前記第2の電気伝導性内表面と電気的に接触しているかどうかに基づいて、前記内ハウジングに対する前記外ハウジングの回転位置に関連する回転データを決定するようにプログラム及び/又は構成された、少なくとも1つのプロセッサ、及び
前記半径方向データと前記回転データを外部コンピューティング装置に無線通信するように構成された無線通信回路、並びに
前記半径方向データと前記回転データに基づいて、前記内ハウジングの前記末端ポートに関連する消毒イベントを決定するようにプログラムされ及び/又は構成されたコンピューティングシステム、
を備える、システム。
【請求項16】
前記コネクタ組立体が、
前記内ハウジングの前記外表面に接続された第1の電気接点、
前記外ハウジングの前記内表面に接続された第2の電気接点、
を更に備え、
前記外ハウジングが、第1の軸方向位置と第2の軸方向位置との間で前記内ハウジングに対して軸方向に移動するように構成されており、
前記外ハウジングが前記第1の軸方向位置と前記第2の軸方向位置との間で移動する際に、前記第1の電気接点と前記第2の電気接点との間の相対位置が変化し、
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記第1の電気接点と前記第2の電気接点との間の相対位置に基づいて、前記内ハウジングに対する前記外ハウジングの軸方向位置に関連する軸方向データを決定するようにプログラムされ及び/又は構成されており、
前記無線通信回路が、前記軸方向データを前記外部コンピューティング装置に無線通信するように構成されており、
前記1つ又は複数のプロセッサが、前記軸方向データに基づいて、前記内ハウジングの前記末端ポートに接続された医療装置の種類を決定するようにさらにプログラムされ及び/又は構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記半径方向データが、前記第1の電気伝導性外表面が前記第1の電気伝導性内表面と電気的に接触している回数、前記第1の電気伝導性外表面が前記第1の電気伝導性内表面と電気的に接触している持続時間、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つのパラメータを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記回転データは、前記第2の電気伝導性外表面が前記第2の電気伝導性内表面と電気的に接触している回数、前記第2の電気伝導性外表面が前記第1の電気伝導性内表面と電気的に接触している持続時間、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つのパラメータを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記軸方向データは、前記第1の軸方向位置から前記第2の軸方向位置へ向かう前記内ハウジングに対する前記外ハウジングの軸方向変位の量、前記第1の軸方向位置から前記第2の軸方向位置へ向かう前記内ハウジングに対する前記外ハウジングの軸方向変位の回数、前記第1の軸方向位置から前記第2の軸方向位置へ向かう前記内ハウジングに対する前記外ハウジングの軸方向変位の持続時間、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つのパラメータを含む、請求項16に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2021年6月7日に出願された「コネクタ組立体」と題する米国仮出願シリアル番号第63/197,769号の優先権を主張し、その開示全体が参照によりここに組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
背景
針なしコネクタ、消毒剤でスクラブされて針なしコネクタを消毒することがある。しかしながら、針なしコネクタの消毒を検出する既存の機構は存在しない。
【0003】
さらに、使い捨て医療器具の識別は、無線周波数識別(RFID)タグ付けによって一般的に行われている。より大量に使用される場合には堅牢で費用効果が高いが、RFIDタグ付けは、かなりの動作電力を使用し、使い捨て医療器具のコスト、重量、及びサイズを増加させ、これは針なしコネクタでの使用を実行不可能にすることがある。RFIDはまた、検出装置に対する使い捨て医療装置の形状及び向きに制限を設けることがあり、これもまた、針なしコネクタでの使用には実行不可能なことがある。
【発明の概要】
【0004】
概要
いくつかの非限定的な実施形態又は態様によれば、提供されるのは、内ハウジングと、内ハウジングを取り囲む外ハウジングとを含むコネクタ組立体である。内ハウジングは、基端ポートと末端ポートとの間に延びる流体流路を含んでもよい。内ハウジングの外表面は、第1の電気伝導性外表面と第2の電気伝導性外表面を含んでもよい。外ハウジングの内表面は、第1の電気伝導性内表面と第2の電気伝導性内表面を含んでもよい。外ハウジングは、第1の電気伝導性外表面が第1の電気伝導性内表面から離間された第1の半径方向位置と、第1の電気伝導性外表面が第1の電気伝導性内表面と電気的に接触した第2の半径方向位置との間で、内ハウジングに対して半径方向に移動するように構成されてもよい。外ハウジングは、第2の電気伝導性外表面が第2の電気伝導性内表面から離間された第1の回転位置と、第2の電気伝導性外表面が第2の電気伝導性内表面と電気的に接触する第2の回転位置との間で、内ハウジングに対して回転して移動するように構成されてもよい。プロセッサは、第1の電気伝導性外表面が第1の電気伝導性内表面と電気的に接触しているか否かに基づいて、内ハウジングに対する外ハウジングの半径方向位置に関連する半径方向データを決定し、第2の電気伝導性外表面が第2の電気伝導性内表面と電気的に接触しているか否かに基づいて、内ハウジングに対する外ハウジングの回転位置に関連する回転データを決定するようにプログラムされ及び/又は構成されてもよい。無線通信回路は、半径方向データと回転データを外部コンピューティング装置に無線通信するように構成されてもよい。システムは、コネクタ組立体と外部コンピューティング装置を含んでもよい。
【0005】
さらなる非限定的な実施形態又は態様は、以下の番号付けされた条項で説明される。
【0006】
条項1。コネクタ組立体が、基端ポートと末端ポートとの間に延びる流体流路を含む内ハウジングであって、内ハウジングの外表面が第1の電気伝導性外表面と第2の電気伝導性外表面を含む、内ハウジング、内ハウジングを取り囲む外ハウジングであって、外ハウジングの内表面が第1の電気伝導性内表面と第2の電気伝導性内表面を含み、外ハウジングが第1の電気伝導性外表面が第1の電気伝導性内表面から離間されている第1の半径方向位置と、第1の電気伝導性外表面が第1の電気伝導性内表面と電気的に接触している第2の半径方向位置との間で、内ハウジングに対して半径方向に移動するように構成されている、外ハウジング、を備え、外ハウジングが、第2の電気伝導性外表面が第2の電気伝導性内表面から離間されている第1の回転位置と、第2の電気伝導性外表面が第2の電気伝導性内表面と電気的に接触している第2の回転位置との間で、内ハウジングに対して回転して移動するように構成されており、以下のようにプログラムされ及び/又は構成された少なくとも1つのプロセッサ:第1の電気伝導性外表面が第1の電気伝導性内表面と電気的に接触しているか否かに基づいて、内ハウジングに対する外ハウジングの半径方向位置に関連する半径方向データを決定し、第2の電気伝導性外表面が第2の電気伝導性内表面と電気的に接触しているか否かに基づいて、内ハウジングに対する外ハウジングの回転位置に関連する回転データを決定し、半径方向データと回転データを外部コンピューティング装置に無線通信するように構成された無線通信回路、を備えるコネクタ組立体である。
【0007】
条項2。条項1に記載のコネクタ組立体は、さらに:内ハウジングの外表面に接続された第1の電気接点;外ハウジングの内表面に接続された第2の電気接点であって、外ハウジングが、第1の軸方向位置と第2の軸方向位置との間で内ハウジングに対して軸方向に移動するように構成されており、外ハウジングが第1の軸方向位置と第2の軸方向位置との間で移動するにつれて、第1の電気接点と第2の電気接点との間の相対位置が変化する、第2の電気接点、を備え、少なくとも1つのプロセッサは、第1の電気接点と第2の電気接点との間の相対位置に基づいて、内ハウジングに対する外ハウジングの軸方向位置に関連する軸方向データを決定するようにさらにプログラムされ及び/又は構成され、無線通信回路は、軸方向データを外部コンピューティング装置に無線通信するように構成されている。
【0008】
条項3。条項1及び2のいずれかに記載のコネクタ組立体であって、内ハウジングと外ハウジングとの間に接続されたバネであって、バネは、静止状態と圧縮又は伸張状態との間を移行するように構成され、バネは、外ハウジングが第1の軸方向位置にあるときに静止状態にあるように構成され、バネは、外ハウジングが第2の軸方向位置にあるときに圧縮又は伸張状態にあるように構成され、バネは、外ハウジングを第2の軸方向位置に保持する軸方向の力の除去に応答して外ハウジングを第1の軸方向位置に戻させる、バネと、をさらに備える。
【0009】
条項4。条項1~3のいずれかに記載のコネクタ組立体であって、外ハウジングの内表面などの内ハウジング又は外ハウジングに接続されたプリント回路基板組立体であって、プリント回路基板組立体が、少なくとも1つのプロセッサ、無線通信回路、及び第2の電気接点を含み、プリント回路基板組立体が、第1の電気伝導性内表面と第2の電気伝導性内表面のそれぞれに電気的に接続されている、プリント回路基板組立体をさらに備える。
【0010】
条項5。条項1~4のいずれかに記載のコネクタ組立体であって、第2の電気接点は、互いに離間された複数の離散的な電気接点を含み、第1の電気接点は、第1の軸方向位置と第2の軸方向位置との間で外ハウジングが内ハウジングに対して軸方向に移動する際に、複数の離散的な電気接点と選択的に係合するように構成されている。
【0011】
条項6。条項1~5のいずれかに記載のコネクタ組立体であって、第2の電気接点は、連続抵抗素子を含み、第1の電気接点は、第1の軸方向位置と第2の軸方向位置との間で外ハウジングが内ハウジングに対して軸方向に相対的に移動する際に、連続抵抗素子の長さに沿って係合して移動するように構成されている。
【0012】
条項7。条項1~6のいずれかに記載のコネクタ組立体であって、半径方向データは、以下のパラメータの少なくとも1つを含む:第1の電気伝導性外表面が第1の電気伝導性内表面と電気的に接触している回数、第1の電気伝導性外表面が第1の電気伝導性内表面と電気的に接触している持続時間、又はそれらの組み合わせ。
【0013】
条項8。条項1~7のいずれかに記載のコネクタ組立体であって、回転データは、以下のパラメータの少なくとも1つを含む:第2の電気伝導性外表面が第2の電気伝導性内表面と電気的に接触している回数、第2の電気伝導性外表面が第1の電気伝導性内表面と電気的に接触している持続時間、又はそれらの組み合わせ。
【0014】
条項9。条項1~8のいずれかに記載のコネクタ組立体であって、軸方向データは、以下のパラメータの少なくとも1つを含む:第1の軸方向位置から第2の軸方向位置へ向かう内ハウジングに対する外ハウジングの軸方向変位の量、第1の軸方向位置から第2の軸方向位置へ向かう内ハウジングに対する外ハウジングの軸方向変位の回数、第1の軸方向位置から第2の軸方向位置へ向かう内ハウジングに対する外ハウジングの軸方向変位の持続時間、変位の割合/速度、又はそれらの組み合わせ。
【0015】
条項10。条項1~9のいずれかに記載のコネクタ組立体であって、少なくとも1つのプロセッサは、半径方向データと回転データに基づいて、内ハウジングの基端ポートに関連する消毒イベントを決定するようにさらにプログラムされ及び/又は構成されている。
【0016】
条項11。条項1~10のいずれかに記載のコネクタ組立体であって、少なくとも1つのプロセッサは、軸方向データに基づいて、内ハウジングの末端ポートに接続された医療装置の種類を決定するようにさらにプログラムされ及び/又は構成されている。
【0017】
条項12。条項1~11のいずれかに記載のコネクタ組立体であって、外ハウジングが基端端部と末端端部との間に延びていて、外ハウジングの基端端部と末端端部が内ハウジングの基端ポートと末端ポートの間に配置され、プリント回路基板組立体が電池とユーザ入力装置をさらに含み、ユーザ入力装置が、外ハウジングの基端端部と末端端部の間の外ハウジングの開口部を通って延びていて、代替的に、ユーザ入力装置が外ハウジングと一体であってもよい。
【0018】
条項13。条項1~12のいずれかに記載のコネクタ組立体であって、通信回路は、ユーザ入力装置への所定のユーザ入力に応答して、外部コンピューティング装置との通信を確立するように構成されている。
【0019】
条項14。条項1~13のいずれかに記載のコネクタ組立体であって、コネクタ組立体は、外ハウジングの基端端部と内ハウジングの基端ポートの間にシールリングをさらに含む。
【0020】
条項15。システムが、コネクタ組立体であって、基端ポートと末端ポートの間に延びる流体流路を含む内ハウジングであって、内ハウジングの外表面が、第1の電気伝導性外表面と第2の電気伝導性外表面を含む、内ハウジング、内ハウジングを取り囲む外ハウジングであって、外ハウジングの内表面が、第1の電気伝導性内表面と第2の電気伝導性内表面を含み、外ハウジングが、第1の電気伝導性外表面が第1の電気伝導性内表面から離間されている第1の半径方向位置と、第1の電気伝導性外表面が第1の電気伝導性内表面と電気的に接触している第2の半径方向位置との間で、内ハウジングに対して半径方向に移動するように構成されており、外ハウジングが、第2の電気伝導性外表面が第2の電気伝導性内表面から離間されている第1の回転位置と、第2の電気伝導性外表面が第2の電気伝導性内表面と電気的に接触している第2の回転位置との間で、内ハウジングに対して回転して移動するように構成されている、外ハウジング、第1の電気伝導性外表面が第1の電気伝導性内表面と電気的に接触しているかどうかに基づいて、内ハウジングに対する外ハウジングの半径方向位置に関連する半径方向データを決定し、及び第2の電気伝導性外表面が第2の電気伝導性内表面と電気的に接触しているかどうかに基づいて、内ハウジングに対する外ハウジングの回転位置に関連する回転データを決定するようにプログラムされ及び/又は構成された少なくとも1つのプロセッサ、及び半径方向データ及び回転データを外部のコンピューティング装置に無線通信するように構成された無線通信回路、並びに半径方向データ及び回転データに基づいて、内ハウジングの末端ポートに関連する消毒イベントを決定するようにプログラムされ及び/又は構成された1つ又は複数のプロセッサを含むコンピューティングシステム、を含む。
【0021】
条項16。条項15のシステムであって、コネクタ組立体がさらに、内ハウジングの外表面に接続された第1の電気接点、外ハウジングの内表面に接続された第2の電気接点であって、外ハウジングは、第1の軸方向位置と第2の軸方向位置との間で内ハウジングに対して軸方向に移動するように構成され、第1の電気接点と第2の電気接点との間の相対位置は、外ハウジングが第1の軸方向位置と第2の軸方向位置との間で移動するにつれて変化する、第2の電気接点、を含み、少なくとも1つのプロセッサは、第1の電気接点と第2の電気接点との間の相対位置に基づいて、内ハウジングに対する外ハウジングの軸方向位置に関連する軸方向データを決定するようにプログラムされ及び/又は構成され、無線通信回路が、軸方向データを外部コンピューティング装置に無線通信するように構成され、1つ又は複数のプロセッサが、軸方向データに基づいて、内ハウジングの末端ポートに接続された医療装置の種類を決定するようにさらにプログラムされ及び/又は構成される。任意選択で、少なくとも1つのプロセッサは、ユニットがスクラブされているかどうか及び/又はどのような装置が取り付けられてもよいかについての決定を局所的に行ってもよく、これは、光源LEDを介した即時フィードバックによって提供されてもよい。
【0022】
条項17。条項15及び16のいずれかに記載のシステムであって、半径方向データは、以下の少なくとも1つのパラメータを含む:第1の電気伝導性外表面が第1の電気伝導性内表面と電気的に接触している回数、第1の電気伝導性外表面が第1の電気伝導性内表面と電気的に接触している持続時間、又はそれらの組み合わせ。
【0023】
条項18。条項15~17のいずれかに記載のシステムであって、回転データが、以下の少なくとも1つのパラメータを含む:第2の電気伝導性外表面が第2の電気伝導性内表面と電気的に接触している回数、第2の電気伝導性外表面が第1の電気伝導性内表面と電気的に接触している持続時間、又はそれらの組み合わせ。
【0024】
条項19。条項15~18のいずれかに記載のシステムであって、軸方向データが、以下の少なくとも1つのパラメータを含む:第1の軸方向位置から第2の軸方向位置へ向かう内ハウジングに対する外ハウジングの軸方向変位の量、第1の軸方向位置から第2の軸方向位置へ向かう内ハウジングに対する外ハウジングの軸方向変位の数、第1の軸方向位置から第2の軸方向位置へ向かう内ハウジングに対する外ハウジングの軸方向変位の持続時間、又はそれらの組み合わせ。
【0025】
本開示のこれら及び他の特徴及び特性、並びに構造体の関連要素の動作方法及び機能、並びに部品の組み合わせ及び製造の経済性は、添付の図面を参照しながら以下の説明及び添付の特許請求の範囲を検討することにより、より明らかになるであろう。しかしながら、図面は例示及び説明のみを目的とするものであり、限界の定義を意図するものではないことを明示的に理解されたい。本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、「a」、「an」、及び「the」の単数形は、文脈上明らかにそうでないことが指示されない限り、複数の参照語を含む。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本開示の実施形態又は態様の追加の利点及び詳細は、添付の概略図に示される例示的な実施形態を参照して、以下により詳細に説明される。
【
図1】
図1は、コネクタ組立体の非限定的な実施形態又は態様の斜視図である。
【
図2】
図2は、コネクタ組立体の非限定的な実施形態又は態様の切断斜視図である。
【
図3】
図3は、コネクタ組立体の内ハウジングの非限定的な実施形態又は態様の斜視図である。
【
図4】
図4は、コネクタ組立体の外ハウジングの非限定的な実施形態又は態様の切断斜視図である。
【
図5】
図5は、コネクタ組立体の非限定的な実施形態又は態様の断面図である。
【
図6】
図6は、コネクタ組立体の非限定的な実施形態又は態様の別の断面図である。
【
図7】
図7は、コネクタ組立体の非限定的な実施形態又は態様の分解斜視図である。
【
図8】
図8は、コネクタ組立体の内ハウジングに対する外ハウジングの軸方向変位の非限定的な実施形態又は態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
詳細な説明
本開示は、これと反対のことが明示的に特定されている場合を除き、様々な代替的な変形例及びステップシーケンスを想定してもよいことが理解されるべきである。また、添付の図面に図示され、以下の明細書に記載された特定の装置及び工程は、単に例示的かつ非限定的な実施形態又は態様であることが理解されるべきである。ここに開示される実施形態又は態様に関連する静止状態、特定の寸法、及び他の物理的特性は、限定的であるとみなされない。
【0028】
以下の説明の目的のために、用語「端部」、「上方」、「下方」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「横方向」、「長手方向」、及びそれらの派生語は、図面において方向付けられるような実施形態又は態様に関するものとする。しかしながら、実施形態又は態様は、それとは逆に明示的に規定されている場合を除き、様々な代替的変形例及びステップシーケンスを想定してもよいことが理解されるべきである。また、添付図面に図示され、以下の明細書に記載される特定の装置及び工程は、単に非限定的な例示的実施形態又は態様であることが理解されるべきである。ここに開示される実施形態又は態様に関連する静止状態、特定の寸法、及び他の物理的特性は、別段の指示がない限り、限定的であるとみなされない。
【0029】
ここで使用されるいかなる態様、構成要素、要素、構造、行為、ステップ、機能、指示、及び/又は同様のものもまた、そのように明示的に記載されない限り、必然又は必須と解釈されるべきではない。また、ここで使用される場合、冠詞“a”及び“an”は、1つ又は複数の項目を含むことを意図しており、“1つ又は複数”及び“少なくとも1つ”と互換的に使用されてもよい。さらに、ここで使用される場合、用語「セット」は、1つ以上の項目(例えば、関連項目、関連しない項目、関連する項目と関連しない項目の組み合わせなど)を含むことを意図しており、“1つ以上”又は“少なくとも1つ”と互換的に使用されてもよい。1つの項目のみが意図される場合、用語「1つ」又は類似の文言が使用される。また、ここで使用される場合、「有し」、「有する」、「有している」などの用語は、オープンエンドの用語であることが意図される。さらに、「に基づく」という語句は、明示的に別段の記載がない限り、「少なくとも部分的に基づく」を意味することが意図される。
【0030】
ここで使用される場合、「通信」及び「通信する」という用語は、情報(例えば、データ、信号、メッセージ、命令、コマンド、及び/又はこれらに類するもの)の聴取、受信、送信、転送、提供、及び/又はこれらに類するものを指してもよい。あるユニット(例えば、装置、システム、装置又はシステムの構成要素、それらの組み合わせなど)が別のユニットと通信することは、あるユニットが他のユニットから直接又は間接的に情報を受信し、及び/又は他のユニットに情報を送信してもよいことを意味する。これは、本質的に有線及び/又は無線である直接的又は間接的な接続を指してもよい。さらに、2つのユニットは、送信される情報が第1のユニットと第2のユニットとの間で変更、処理、中継、及び/又は経路指定されることがある場合でさえも、互いに通信してもよい。例えば、第1のユニットが受動的に情報を受信し、第2のユニットに能動的に情報を送信しない場合でさえも、第1のユニットは第2のユニットと通信してもよい。別の例として、少なくとも1つの仲介ユニット(例えば、第1のユニットと第2のユニットとの間に位置する第3のユニット)が第1のユニットから受信した情報を処理し、処理された情報を第2のユニットに伝達する場合、第1のユニットは第2のユニットと通信してもよい。いくつかの非限定的な実施形態又は態様において、メッセージは、データを含むネットワークパケット(例えば、データパケット及び/又は同種のもの)を指してもよい。多数の他の配置が可能であることが理解されるだろう。
【0031】
ここで使用される場合、「コンピューティング装置」という用語は、1つ又は複数のネットワークと直接的又は間接的に通信するように構成された1つ又は複数の電子装置を指してもよい。コンピューティング装置は、モバイル又はポータブルコンピューティング装置、デスクトップコンピュータ、サーバ、及び/又はそのようなものであってもよい。さらに、「コンピュータ」という用語は、データを受信し、処理し、出力するために必要な構成要素を含む任意のコンピューティング装置を指してもよく、通常、ディスプレイ、プロセッサ、メモリ、入力装置、及びネットワークインターフェースを含む。「コンピューティングシステム」は、1つ以上のコンピューティング装置又はコンピュータを含んでもよい。「アプリケーション」又は「アプリケーション・プログラム・インターフェース」(API)は、クライアント側フロントエンド及び/又はクライアントからデータを受信するためのサーバ側バックエンドなどのソフトウェアコンポーネント間の相互作用を容易にするために、プロセッサによって実行されてもよい、コンピュータ読み取り可能媒体上に並べ替えられたコンピュータコード又は他のデータを指す。「インターフェース」は、ユーザが直接又は間接的に(例えば、キーボード、マウス、タッチスクリーンなどを通じて)対話してもよい1つ又は複数のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)などの生成されたディスプレイを指す。さらに、ネットワーク環境において直接的又は間接的に通信する複数のコンピュータ、例えばサーバ、又は他のコンピュータ化された装置は、「システム」又は「コンピューティングシステム」を構成してもよい。
【0032】
ここで説明されるシステム及び/又は方法は、異なる形態のハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実施され得ることは明らかであろう。これらのシステム及び/又は方法を実装するために使用される実際の特殊な制御ハードウェア又はソフトウェアコードは、実装を限定するものではない。したがって、システム及び/又は方法の動作及び挙動は、特定のソフトウェアコードを参照することなくここで説明されるが、ソフトウェア及びハードウェアは、ここでの説明に基づいてシステム及び/又は方法を実装するように設計され得ることが理解される。
【0033】
いくつかの非限定的な実施形態又は態様は、閾値に関連してここに説明される。ここで使用される場合、閾値を満たすとは、値が閾値より大きい、閾値より多い、閾値より高い、閾値より大きいか等しい、閾値より小さい、閾値より少ない、閾値より低い、閾値と等しい等を指してもよい。
【0034】
ここで
図1~8を参照すると、コネクタ組立体10は、内ハウジング100と外ハウジング200を含んでもよい。内ハウジング100は、内ハウジング100の末端ポート102aと基端ポート102bとの間に延びる流体流路を含んでもよい。内ハウジング100は、内ハウジング100の軸方向に延びるレール103、レール103の第1の側に設けられた上方開口部105a(例えば、半円筒状又は円弧状の開口部など)、及びレール103の第1の側とは反対側のレール103の第2の側に設けられた下方開口部105b(例えば、半円筒状又は弧形状の開口部など)を含んでもよい。
【0035】
内ハウジング100の外表面104は、第1の電気伝導性外表面106aと第2の電気伝導性外表面106bを含んでもよい。第1の電気伝導性外表面106aと第2の電気伝導性外表面106bは、マスク気相堆積、パッド印刷銀インク、電気伝導性リブの選択的印刷及び/又は成形等によって内ハウジング100の外表面104上に形成された金属化された表面を含んでもよい。第1の電気伝導性外表面106aは、末端ポート102bに隣接する内ハウジング100の周囲を取り囲んでもよく、及び/又はそこから基端ポート102aに向けて延びる1つ以上の延長部を含んでもよい。第2の電気伝導性外表面106bは、レール103の第1の側面に沿って、及び/又はレール103を互いに接続する内ハウジング100の外表面104の一部に沿って延びてもよい。
【0036】
いくつかの非限定的な実施形態又は態様において、内ハウジング100は、BD MaxPlus(商標)コネクタ、BD MaxZero(商標)針なしコネクタ、などを含んでもよい。しかし、非限定的な実施形態又は態様はこれに限定されず、内ハウジング100は、流体投与での使用のための任意の針なしコネクタを含んでもよい。
【0037】
第1の電気接点402が、内ハウジング100の外表面104に接続されてもよい。第1の電気接点402は、内ハウジング100の外表面104から外ハウジング200の内表面204に向けて延びていてもよい。
【0038】
外ハウジング200は、内ハウジング100を取り囲んでもよい。外ハウジング200は、末端端部202aと基端端部202bとの間に延びてもよい。外ハウジング200の末端端部202aと基端端部202bは、内ハウジング100の末端ポート102aと基端ポート102bとの間に配置されてもよい。外ハウジング200の内表面204は、第1の電気伝導性内表面206aと第2の電気伝導性内表面206bを含んでもよい。第1の電気伝導性内表面206aと第2の電気伝導性外表面206bは、マスク蒸着、銀インクのパッド印刷、電気伝導性リブの選択的印刷及び/又は成形などによって外ハウジング200の内表面204上に形成された金属化された表面を含んでもよい。第1の電気伝導性内表面206aは、内ハウジング100を取り囲む外ハウジング200の基端端部202bの開口部を取り囲んでもよく、そこから半径方向内向きに面し及び/又はそこから末端端部202aに向けて延びる1つ以上の延長部を含んでもよい。第2の電気伝導性内表面206bは、突出部(複数可)207上に延びてもよく、これは外ハウジング200の内表面204から半径方向内向きに、内ハウジング100の上方開口部105a内に延びてもよい。
【0039】
外ハウジング200は、末端端部202aと基端端部202bとの間に開口部208を含んでもよく、及び/又は外ハウジング200の基端端部202bは、外ハウジング200の末端端部202bと内ハウジング100の基端ポート102bとの間に(例えば、末端ポート102bにおける内ハウジング100の外表面104との間などで)水密シールを形成するように構成されたシールリング403を含む溝210を含んでもよい。例えば、外ハウジング200の内部領域は、内ハウジング100と外ハウジング200によって外部環境から流体的にシールされてもよい。
【0040】
プリント回路基板組立体(PCBA)300が、外ハウジング200の内表面204に接続されてもよい。PCBA300は、プロセッサ302(例えば、低電力マイクロコントローラユニット(MCU)など)、無線通信回路304、電池306、及び/又はユーザ入力/フィードバック装置308を含んでもよい。PCBA300は、内ハウジング100の内表面204に面する上面310aと、上面310aの反対側で内ハウジング100の外表面104に面する下面310bとを含んでもよい。第2の電気接点404は、PCBA300の下面310b上に(及び/又は外ハウジング200の内表面204上に、PCBA300に電気的に接続されるなどして)あってもよい。第2の電気接点404は、第1の電気接点402を含む内ハウジング100の外表面104に面していてもよい。しかしながら、非限定的な実施形態又は態様はこれに限定されず、PCBA300の1つ又は複数の構成要素が内ハウジング100及び/又は外ハウジング200内に含まれ及び/又は一体化されてもよい。
【0041】
PCBA300(及び/又はプロセッサ302)は、無線通信回路304、電池306、ユーザ入力/フィードバック装置308、第1の電気伝導性内表面206a、第2の電気伝導性内表面206b、及び/又は第2の電気接点404に電気的に接続され及び/又は電気的に相互接続されてもよい。
【0042】
無線通信回路304は、情報及び/又はデータを外部のコンピューティング装置と無線通信するように(例えば、NFC通信接続、RFID通信接続、Bluetooth(登録商標)通信接続等の近距離無線通信接続を介して)構成されてもよい。無線通信回路304は、ユーザ入力/フィードバック装置308への所定のユーザ入力に基づいて(例えば、ユーザがボタンを押下及び/又は保持することに応答して等)、外部コンピューティング装置との通信を確立する(例えば、外部コンピューティング装置とペアリングするためのペアリングシーケンスをペアリング及び/又は起動する等)ように構成されてもよい。
【0043】
電池306は、充電式電池、単回使用電池、交換可能電池、又はそれらの任意の組合せを含んでもよい。いくつかの非限定的な実施形態又は態様において、電池306は、エネルギーハーベスタ(例えば、熱電エネルギーハーベスタ、光起電力エネルギーハーベスタ、圧電エネルギーハーベスタなど)を含んでもよい。電池306は、PCBA300のコンポーネントを動作させるための電力を供給してもよい。
【0044】
ユーザ入力/フィードバック装置308は、ユーザからユーザ入力を受信するように、及び/又はユーザにフィードバックを提供するように構成されてもよい。例えば、ユーザ入力/フィードバック装置308は、ボタン、ディスプレイ、発光ダイオード(LED)、音声出力装置(例えば、ブザー、スピーカなど)、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含んでもよい。ユーザ入力/フィードバック装置308(例えば、エラストマーボタンなど)は、外ハウジング200の開口部208を通って延びて、ユーザによって視認可能でありユーザによってアクセス可能であってもよい。
【0045】
ダストキャップ又は出荷用くさび410が、内ハウジング100の末端ポート102a及び/又は外ハウジング200の末端端部202aに接続されてもよい。ダストキャップ又は出荷用くさび410は、PCBA300の構成要素に電力を供給するために電池306に接続された回路を遮断してもよい。ダストキャップ又は出荷用くさび410の取り外しは、PCBA300の構成要素を電池306からの電力に接続(例えば、不可逆接続など)してもよい。
【0046】
外ハウジング200は、第1の電気伝導性外表面106aが第1の電気伝導性内表面206aから離間された第1の半径方向位置と、第1の電気伝導性外表面106aが第1の電気伝導性内表面206aと電気的に接触している第2の半径方向位置との間で、内ハウジング100に対して半径方向に移動するように構成されてもよい。例えば、特に
図5を参照すると、第1の電気伝導性外表面106aと第1の電気伝導性内表面206aは、コネクタ組立体10に加えられる周期的な力(例えば、周期的な半径方向の力など)により互いに接触し及び接触しなくてもよく(例えば、外ハウジング200に対して半径方向内向きに、内ハウジング100に対して半径方向外向きに、など)、これは第1の電気伝導性外表面106aと第1の電気伝導性内表面206aとの組み合わせにより形成される回路を開放及び閉鎖してもよく、その開放及び閉鎖は、プロセッサ302により検出されてもよい。
【0047】
外ハウジング200は、第2の電気伝導性外表面106bが第2の電気伝導性内表面206bから離間された第1の回転位置と、第2の電気伝導性外表面106bが第2の電気伝導性内表面206bと電気的に接触している第2の回転位置との間で、内ハウジング100に対して回転して移動するように構成されてもよい。例えば、特に
図6を参照すると、第2の電気伝導性外表面106bと第2の電気伝導性内表面206bは、コネクタ組立体10に加えられる周期的な力(例えば、周期的な回転力など)によって互いに接触して及び接触しなくてもよく(例えば、外ハウジング200に対して回転して、内ハウジング100に対して反対方向に回転して、など)、これは第2の電気伝導性外表面106bと第2の電気伝導性内表面206bとの組み合わせにより形成される回路を開放及び閉鎖してもよく、その開放及び閉鎖はプロセッサ302により検出されてもよい。
【0048】
外ハウジング200は、第1の軸方向位置と第2の軸方向位置との間で内ハウジング100に対して軸方向に移動するように構成されてもよい。例えば、特に
図8を参照すると、第1の電気接点402と第2の電気接点404との間の相対位置は、外ハウジング200が第1の軸方向位置と第2の軸方向位置との間を移動するにつれて変化してもよい。一例として、第1の電気接点402と第2の電気接点404との組み合わせによって形成される1つ又は複数の回路の1つ又は複数の特性(例えば、抵抗、電圧、電流、接続など)は、外ハウジング200が第1の軸方向位置と第2の軸方向位置との間を移動するにつれて変化してもよく、その変化は、プロセッサ302により検出されてもよい。このような例では、外ハウジング200の基端端部202bは、内ハウジング100の基端ポート102bに使い捨て医療器具800、850が取り付けられる際に、それらと接触してもよく、これは、外ハウジング200が、取り付けられる使い捨て医療器具800、850の幾何構造に依存する距離だけ、内ハウジング100に対して軸方向に変位されることを引き起こす。例えば、
図8に示されるように、使い捨て医療器具800は、末端ポート102bに取り付けられたとき、外ハウジング200を内ハウジング100に対して第1の距離だけ進行させることを引き起こし、使い捨て医療器具850は、末端ポート102bに取り付けられたとき、外ハウジング200を内ハウジング100に対して第1の距離よりも大きい第2の距離だけ進行させることを引き起こす。別の例として、使い捨て医療器具800、850は、最終変位距離で完全に取り付けられる前に、内ハウジング100に対して外ハウジング200を1つ以上の変位距離まで複数回変位させるなど、末端ポート102bに取り付けられたときに独特の変位プロファイルを作成してもよい。プロセッサ302は、第1の電気接点402と第2の電気接点404との組み合わせによって形成される1つ又は複数の回路の1つ又は複数の特性によって示される第1の電気接点402と第2の電気接点404との間の相対位置に基づいて、内ハウジング100に対する外ハウジング200の進行された距離又は変位を決定してもよい。
【0049】
バネ405が、内ハウジング100と外ハウジング200との間に接続されてもよい。例えば、バネ405は、内ハウジング100の下方開口部105b内の内ハウジング100の端部分112と、下方開口部105bの反対側の端部で内ハウジング100の下方開口部105b内に延びる外ハウジング200の部分212との間に接続されてもよい。バネ405は、静止状態と圧縮又は伸張状態との間を移行するように構成されていてもよい。バネ405は、外ハウジング200が第1の軸方向位置にあるときに静止状態にあるように構成されてもよい。バネ405は、外ハウジング200が第2の軸方向位置にあるときに圧縮状態又は伸張状態にあるように構成されてもよい。ばね405は、外ハウジング200を第2の軸方向位置に保持する軸方向の力の除去に応答して、外ハウジング200を第1の軸方向位置に戻させてもよい。例えば、内ハウジング100の末端ポート102bに取り付けられた廃棄医療器具800、850が取り外されると、外ハウジング200は、自動的に第1の軸方向位置(例えば、静止位置など)に戻ってもよく、これが使い捨て医療器具800、850が取り付けられていないことをプロセッサ302に示してもよい。
【0050】
いくつかの非限定的な実施形態又は態様において、第2の電気接点404は、互いに離間された複数の個別の電気接点を含んでもよく、第1の電気接点402(例えば、摺動/拭き取り接点など)は、ハウジング200が第1の軸方向位置と第2の軸方向位置との間で内ハウジング100に対して軸方向に移動する際に、第2の電気接点404の複数の別個の電気接点と選択的に係合するように構成されてもよい。例えば、第1の電気接点402及び第2の電気接点404の組み合わせによって形成される複数の異なる選択的係合は、プロセッサ302によって検出されてもよく、内ハウジング100に対する外ハウジング200の複数の異なる距離又は変位に関連付けられてもよい。
【0051】
いくつかの非限定的な実施形態又は態様において、第2の電気接点404は、連続抵抗素子を含んでもよく、第1の電気接点402は、外ハウジング200が第1の軸方向位置と第2の軸方向位置との間で内ハウジング100に対して軸方向に移動する際に、連続抵抗素子の長さに沿って係合して移動するように構成されてもよい。例えば、第1の電気接点402及び第2の電気接点404の組み合わせによって形成される複数の異なる抵抗は、プロセッサ302によって検出されてもよく、内ハウジング100(及び/又は複数の異なる種類の医療装置)に対する外ハウジング200の複数の異なる距離又は変位に関連付けられてもよい。
【0052】
プロセッサ302は、第1の電気伝導性外表面106aが第1の電気伝導性内表面206aと電気的に接触しているかどうかに基づいて、内ハウジング100に対する外ハウジング200の半径方向位置に関連する半径方向データを決定するようにプログラムされ及び/又は構成されてもよい。例えば、半径方向データは、第1の電気伝導性外表面106aが第1の電気伝導性内表面206aと電気的に接触している回数、第1の電気伝導性外表面106aが第1の電気伝導性内表面206aと電気的に接触している持続時間、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つのパラメータを含んでもよい。
【0053】
プロセッサ302は、第2の電気伝導性外表面106bが第2の電気伝導性内表面206bと電気的に接触しているかどうかに基づいて、内ハウジング100に対する外ハウジング200の回転位置に関連する回転データを決定するようにプログラムされ及び/又は構成されてもよい。例えば、回転データは、第2の電気伝導性外表面106bが第2の電気伝導性内表面206bと電気的に接触している回数、第2の電気伝導性外表面106bが第1の電気伝導性内表面206bと電気的に接触している持続時間、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つのパラメータを含んでもよい。
【0054】
プロセッサ302は、第1の電気接点402と第2の電気接点404との間の相対位置に基づいて(例えば、第1の電気接点402と第2の電気接点404との組み合わせによって形成される1つ又は複数の回路の1つ又は複数の特性などに基づいて)、内ハウジング100に対する外ハウジング200の軸方向位置に関連する軸方向データを決定するようにプログラムされ及び/又は構成されてもよい。例えば、軸方向データは、第1の軸方向位置から第2の軸方向位置へ向かう内ハウジング100に対する外ハウジング200の軸方向変位の量、第1の軸方向位置から第2の軸方向位置へ向かう内ハウジング100に対する外ハウジング200の軸方向変位の数、第1の軸方向位置から第2の軸方向位置へ向かう内ハウジング100に対する外ハウジング200の軸方向変位の持続時間、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つのパラメータを含んでもよい。
【0055】
無線通信回路304は、半径方向データ、回転データ、及び/又は軸方向データを外部のコンピューティング装置に無線通信するように構成されてもよい。
【0056】
プロセッサ302(及び/又は外部コンピューティング装置)は、半径方向データ及び/又は回転データに基づいて、内ハウジング100の基端ポート102bに関連する消毒イベントを決定するようにプログラムされ及び/又は構成されてもよい。例えば、プロセッサ302(及び/又は外部コンピューティング装置)は、半径方向データ及び/又は回転データのパラメータを1つ以上の閾値と比較し、及び/又はそれに1つ以上のアルゴリズム(例えば、1つ以上の機械学習アルゴリズムなど)を適用して、内ハウジング100の基端ポート102bで消毒イベントが発生したことに関連する確率を決定してもよい。
【0057】
プロセッサ302(及び/又は外部コンピューティング装置)は、軸方向データに基づいて、内ハウジング100の末端ポート102bに接続された医療装置の種類を決定するようにプログラム及び/又は構成されてもよい。例えば、プロセッサ302(及び/又は外部コンピューティング装置)は、軸方向データのパラメータを1つ又は複数の閾値と比較し、及び/又はそれに1つ又は複数のアルゴリズム(例えば、1つ又は複数の機械学習アルゴリズムなど)を適用して、内ハウジング100の末端ポート102bに接続されている医療装置の種類に関連する確率を決定してもよい。
【0058】
実施形態又は態様を図示及び説明の目的のために詳細に説明したが、そのような詳細はもっぱらその目的のためであり、実施形態又は態様は開示された実施形態又は態様に限定されるものではなく、逆に、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内にある変更及び同等の配置をカバーすることが意図されていることを理解されたい。例えば、本開示は、可能な範囲で、任意の実施形態又は態様の1つ又は複数の特徴を、任意の他の実施形態又は態様の1つ又は複数の特徴と組み合わせてもよいことを企図していることを理解されたい。実際、これらの特徴の多くは、特許請求の範囲に具体的に記載されていない方法及び/又は明細書に開示されていない方法で組み合わせてもよい。以下に列挙する各従属請求項は、1つの請求項のみに直接依存する可能性があるが、可能な実施態様の開示は、一群の請求項内の他の全ての請求項と組み合わせた各従属請求項を含む。