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特許7592222照明ユニットを凹部に設置するためのモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】照明ユニットを凹部に設置するためのモジュール
(51)【国際特許分類】
   F21V 21/04 20060101AFI20241122BHJP
   F21S 8/02 20060101ALI20241122BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241122BHJP
【FI】
F21V21/04 310
F21S8/02 420
F21Y115:10
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2024519974
(86)(22)【出願日】2022-09-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(86)【国際出願番号】 EP2022076780
(87)【国際公開番号】W WO2023057256
(87)【国際公開日】2023-04-13
【審査請求日】2024-04-02
(31)【優先権主張番号】21200849.4
(32)【優先日】2021-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ブルケ オリヴァー フランシス
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特許第3306575(JP,B2)
【文献】特許第3700092(JP,B2)
【文献】国際公開第2012/035007(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 21/00-21/40
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明ユニットを凹部に設置するためのモジュールであって、
第1のカラーを備える第1の本体と、
第2のカラーを備える第2の本体と、
少なくとも1つの可撓性ストラットと、を備え、
前記第1の本体及び/又は前記第2の本体は、前記照明ユニットを保持するように構成され、
前記第1の本体と前記第2の本体は、回転軸線を中心として相対的に回転可能であり、前記回転軸線の軸線方向において相対的に位置固定され、
前記少なくとも1つの可撓性ストラットは、それぞれの第1の端部及びそれぞれの第2の端部を備え、前記第1の端部は、前記第1のカラー上のそれぞれの第1の接続点に固定され、前記第2の端部は、前記第2のカラー上のそれぞれの第2の接続点に固定され、
前記少なくとも1つの可撓性ストラットは、ストラット長を有し、前記ストラット長は、前記それぞれの第1の接続点と前記第2のカラーとの間の最短距離よりも少なくとも1.2倍長く、
前記少なくとも1つの可撓性ストラットは、前記第1の本体と前記第2の本体の相対的な回転が、前記第1の接続点と前記第2の接続点との間の前記距離を減少させると、前記回転軸線から離れる方向に変形するように構成される、モジュール。
【請求項2】
前記モジュールは、ロック動作モードにおいて、前記第1の本体に対する前記第2の本体の前記回転を解放可能に固定するように構成されたロック機構を備える、請求項1に記載のモジュール。
【請求項3】
前記ロック機構は、前記ロック動作モードにおいて、前記第1の接続点と前記第2の接続点との間の前記距離が、前記それぞれの第1の接続点と前記第2のカラーとの間の前記距離に等しいときに、前記第1の本体に対する前記第2の本体の前記回転を解放可能に固定するように構成される、請求項2に記載のモジュール。
【請求項4】
前記少なくとも1つの可撓性ストラットは、前記第1の本体と前記第2の本体の相対的な回転が、前記第1の接続点と前記第2の接続点との間の前記距離を減少させると、前記回転軸線から離れる方向に弾性変形するように構成される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項5】
前記少なくとも1つの可撓性ストラットは、前記第1の本体と前記第2の本体の相対的な回転が、前記第1の接続点と前記第2の接続点との間の前記距離を減少させると、前記回転軸線から離れる方向に塑性変形するように構成される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項6】
前記少なくとも1つの可撓性ストラットは、ストラット材料を含み、前記ストラット材料は、金属、ポリマー、複合繊維、天然材料のうちの少なくとも1つを含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項7】
前記少なくとも1つの可撓性ストラットは、ストラット幅を有し、前記ストラット幅は、最大で前記ストラット長の5分の1である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項8】
前記第1の本体及び/又は前記第2の本体は、前記照明ユニットを保持するために配置された中空内部空間を備える、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項9】
前記少なくとも1つの可撓性ストラットは、ストラット表面を有し、前記ストラット表面は、パターン化されたテクスチャを有する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項10】
前記第1のカラー及び/又は前記第2のカラーは円形であり、前記第1のカラー及び/又は前記第2のカラーは、少なくとも50ミリメートルの直径を有する円形である、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項11】
前記少なくとも1つの可撓性ストラットは、第1のストラット及び第2のストラットを備え、
前記第1のストラットに関連付けられた前記第1の接続点と前記第2のストラットに関連付けられた前記第1の接続点は、前記第1のカラー上で正反対に配置され、
前記第1のストラットに関連付けられた前記第2の接続点と前記第2のストラットに関連付けられた前記第2の接続点は、前記第2のカラー上で正反対に配置される、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項12】
前記少なくとも1つの可撓性ストラットは、少なくとも3つの可撓性ストラットを備える、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項13】
照明ユニットと、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のモジュールとを備える照明デバイスであって、
前記モジュールは、動作中に、前記第1の本体と前記第2の本体の相対的な回転が、前記第1の接続点と前記第2の接続点との間の前記距離を減少させ、前記少なくとも1つの可撓性ストラットを前記回転軸線から離れる方向に変形させると、凹部に固定されるように構成され、
前記少なくとも1つの可撓性ストラットは、変形されると、前記凹部の表面に当接し、
前記照明ユニットは、前記モジュールの前記第1の本体及び/又は前記第2の本体に取り付けられるように構成される、照明デバイス。
【請求項14】
前記モジュールの前記第1の本体及び/又は前記第2の本体は、前記照明ユニットを備える、請求項11に記載の照明デバイス。
【請求項15】
照明ユニットを凹部に設置する方法であって、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のモジュールによって実施され、前記方法は、
前記モジュールを前記凹部に配置することと、
前記第1の本体と前記第2の本体を相対的に回転させて、前記第1の接続点と前記第2の接続点との間の前記距離を減少させると、前記モジュールの前記少なくとも1つの可撓性ストラットを前記回転軸線から離れる方向に変形させることと、を含み、
前記モジュールはロック機構を備え、
前記方法は、
ロック動作モードにおいて、前記ロック機構を用いて前記第1の本体に対する前記第2の本体の前記回転を解放可能に固定することを含み、
前記少なくとも1つの可撓性ストラットは、変形されると、前記モジュールを前記凹部に保持するために前記凹部の表面に当接し、
前記第1の本体及び/又は前記第2の本体は、前記照明ユニットを保持するように構成される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明ユニットを凹部に設置するためのモジュールに関する。本発明は更に、上記照明ユニット及び上記モジュールを備える照明デバイスに関する。本発明は更に、照明ユニットを凹部に設置する方法であって、本発明によるモジュールによって実施される方法に関する。
【背景技術】
【0002】
埋込型照明デバイスは典型的に、ばね固定によって天井の穴などの凹部に保持される。すなわち、凹部に設置するための照明デバイス(又は、例えば、照明器具)は典型的に、それらの周囲にばねクリップ(例えば、ねじりばねクリップ)を備える。これらのばねクリップは、照明デバイスを凹部に移動させるときに、設置者の指で内側に押される。これらのばねクリップは次いで、照明デバイスが凹部に配置されると、自動的に解放される。このことは、照明デバイスを凹部に固定する。このようなばねシステムは、例えば、GU10ダウンライトなどの小型の照明器具と、例えば、Signify社製のダウンライトTTシリーズなどの大型の照明器具との両方で使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなばねシステムの欠点は、埋込型照明デバイスを設置するときにばねクリップを所定位置に保持するのが面倒であることであり、特に、(設置者の指で押される)ばねクリップ自体も、凹部に移動する。これにより、より小さなサイズの照明器具並びに付随するばね及び/又はクリップのサイズの場合に特に扱いにくい。更に、このような埋込型照明デバイスの凹部からの取り外しは概して、力強い引き抜き動作を必要とする。したがって、このような埋込型照明デバイスの保守又は交換は、非人間工学的である場合があり、凹部及び/又は照明デバイス自体の損傷につながる場合が多い。
【0004】
また更に、ばねクリップは、ばねが照明デバイスに取り付けられる領域に大きな力を及ぼす場合があり、より大きな局所応力及び潜在的な亀裂をもたらし、このことは、照明産業も移行しつつある3D印刷型の照明器具にとって特に問題である。
【0005】
したがって、埋込型照明デバイスの設置を改良し、照明ユニットを凹部に設置するための代替案を提供する明確な必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、上述された問題及び欠点を少なくとも軽減し、設置のためのより効率的な解決策をもたらす、照明ユニットを凹部に設置するための改良されたモジュールを提供することである。これに対して、本発明は、照明ユニットを凹部に設置するためのモジュールであって、第1のカラーを備える第1の本体と、第2のカラーを備える第2の本体と、少なくとも1つの可撓性ストラットと、を備え、第1の本体及び/又は第2の本体は、上記照明ユニットを保持するように構成され、第1の本体と第2の本体は、回転軸を中心として相対的に回転可能であり、上記回転軸線の軸線方向において相対的に位置固定され、少なくとも1つの可撓性ストラットは、それぞれの第1の端部及びそれぞれの第2の端部を備え、上記第1の端部は、第1のカラー上のそれぞれの第1の接続点に固定され、上記第2の端部は、第2のカラー上のそれぞれの第2の接続点に固定され、少なくとも1つの可撓性ストラットは、ストラット長を有し、ストラット長は、それぞれの第1の接続点と第2のカラーとの間の最短距離よりも少なくとも1.2倍長く、少なくとも1つの可撓性ストラットは、第1の本体と第2の本体の相対的な回転が上記第1の接続点と上記第2の接続点との間の距離を減少させると、回転軸線から離れる方向に変形するように構成される、モジュールを提供する。
【0007】
上記モジュールは、第1の本体と、第2の本体と、少なくとも1つの可撓性ストラットとを備える。第1の本体と第2の本体は、回転軸線を中心として相対的に回転可能である。第1の本体と第2の本体はまた、上記回転軸線の軸線方向において相対的に位置固定される。したがって、第1の本体と第2の本体は、初期動作モードにおいて、相対的に1自由度のみを有し、これは、回転軸線を中心とする相対的な回転である。上記初期動作モードは、代替的に、ロック解除動作モードと言い換えられ得る。
【0008】
更に、第1の本体は第1のカラーを備える。第2の本体は第2のカラーを備える。少なくとも1つの可撓性ストラットは、細長い構造要素である。少なくとも1つのストラットは、例えば、細長い中心軸線を有し得る。少なくとも1つの可撓性ストラットは、それぞれの第1の端部と、それらとは反対のそれぞれの第2の端部とを備える。上記第1の端部と上記第2の端部は、例えば、上記細長い中心軸線にわたり得る。それにより、少なくとも1つの可撓性ストラットの各可撓性ストラットについて、それぞれの第1の端部は、第1の本体の第1のカラー上のそれぞれの第1の接続点に固定され、それぞれの第2の端部は、第2の本体の第2のカラー上のそれぞれの第2の接続点に固定される。
【0009】
更に、少なくとも1つの可撓性ストラットは、ストラット長を有する。ストラット長は、それぞれの第1の端部とそれぞれの第2の端部との間の長さとして規定され得る。例えば、ストラット長は、上述された上記細長い中心軸線に沿って規定され得る。本発明によれば、少なくとも1つの可撓性ストラットのストラット長は、それぞれの第1の接続点と第2のカラーとの間の最短距離よりも少なくとも1.2倍長い。
【0010】
この結果、第1の接続点と第2の接続点との間の距離が、少なくとも1つの可撓性ストラットのストラット長に等しいときに、少なくとも1つの可撓性ストラットは、実質的に、第1のカラーと第2のカラーとの間にわたる周面に位置する。しかし、第1の本体と第2の本体の相対的な回転が、上記第1の接続点と上記第2の接続点との間の(最短)距離を減少させるときに、少なくとも1つの可撓性ストラットのストラット長が実質的に等しいままであり、少なくとも1つの可撓性ストラットは、回転軸線から離れる方向に変形する。したがって、少なくとも1つの可撓性ストラットは、半径方向外向きに変形し得る。「変形する」という上記句は、代替的に、本出願を通して、「撓む」、「形作る」、又は「拡張する」と表現され得る。
【0011】
それにより、半径方向外向きの最大変形が、第1の点と第2の点との間の距離が最小であるときに、すなわち、上記距離が第1の点と第2のカラーとの間の最短距離に等しいときに、又は、すなわち、第1の点及び第2の点を通る仮想線が回転軸線に平行であるときに生じる。
【0012】
したがって、第1の接続点と第2の接続点との間の距離を減少させる回転が、少なくとも1つのストラットを回転軸線から離れる方向に変形させるので、少なくとも1つの可撓性ストラットは、変形されると、モジュール及び関連付けられた照明ユニットが設置される凹部の表面に当接し得る。それにより、少なくとも1つのストラットは、凹部の表面に力を及ぼし得、このことは、上記凹部に固定されたモジュールを保持する。例では、上記力は、例えば、上記表面の法線力であり得る。
【0013】
別の言い方をすれば、本出願を通して、上記少なくとも1つの可撓性ストラットは、変形されると、モジュール及び関連する照明ユニットが設置される凹部の表面に少なくとも部分的に当接し得る。
【0014】
それにより、照明ユニットは、例えば、モジュールを凹部に設置した後にモジュールに取り付けられてもよく、又は、照明ユニットは、モジュールを凹部に設置するときに既にモジュールの一部であってもよいことに留意されたい。本発明によれば、照明ユニットとモジュールは、動作中に電気的に接続されてもよく、かつ/又は機械的に接続されてもよい。
【0015】
更に、第1の本体及び/又は第2の本体は、上記照明ユニットを保持するように構成されるので、本発明によるモジュールは、有利なことに、モジュールが少なくとも部分的に凹部に配置されたときに、扱いにくく非人間工学的なばねクリップを使用することなく、第1の本体と第2の本体の相対的な容易な回転により、照明ユニットを凹部に設置することを可能にする。
【0016】
上述されたように、第1の本体と第2の本体は、回転軸線を中心として相対的に回転可能である。したがって、本発明によれば、第1の本体は静止状態に保たれ、第2の本体は回転されてもよく、又は、第1の本体は回転され、第2の本体は静止状態に保たれてもよく、又は、第1の本体と第2の本体は、相対的に同時に回転されてもよい。このような本体の相対的な回転は、一般に理解されている。設置者は、例えば、それぞれの一方の本体を静止状態に保ち、それぞれの他方の本体を回転させ得る。このことは、代替的に、一方の本体を表面に押し付けて、上記本体が静止状態に保たれ、他方の本体が回転されることによって実施されてもよい。例えば、第2の本体は、それを静止状態に保つために、第1の本体が回転している間に表面に押し付けられてもよく、逆もまた同様である。
【0017】
本発明の態様では、第1の本体は、第1の本体にアクセスするための開口を備え得る。本発明の態様では、第2の本体は、第1の本体を通してアクセス可能であり得る。例えば、第1の本体は、例えばスリーブ又はスリットなどの第1の本体開口部を備えてもよく、第2の本体は、第1の本体を通して第2の本体にアクセスするために、上記第1の本体開口部を通って延びる突起、又は上記第1の本体開口部を通ってアクセス可能な突起を備えてよい。
【0018】
部分的に述べたように、第1の本体と第2の本体は、初期動作モードにおいて、回転軸線を中心として相対的に回転可能である。ある実施形態では、モジュールは、ロック動作モードにおいて、第1の本体に対する第2の本体の回転を解放可能に固定するように構成されたロック機構を備えてもよい。
【0019】
ロック機構は、第1の本体に対する第2の本体の回転を解放可能に固定するので、ロックは、上記ロック動作モードにおいて、第2の本体が第1の本体とは別に回転すること、又はその逆を防止する。このことは、上記第1の接続点と上記第2の接続点との間の距離が、上記ロック動作モードにおいて、解放可能に固定されたままであるようにし、このことは、少なくとも1つの可撓性ストラットの変形を固定された状態に保ち、それにより、設置されたときに、モジュールを凹部に固定された状態に保つ。
【0020】
また更に、ロック機構は、ロック動作モードにおいて、第1の本体に対する第2の本体の回転を解放可能に固定するように構成されるので、ロック機構は、モジュールを解放して、第1の本体と第2の本体が回転軸線を中心にして相対的に回転可能である初期動作モードに戻すこともできる。このことは、有利なことに、引き抜くための力を必要とすることなく、又は凹部自体に影響を及ぼすことなく、例えば、保守又は交換を目的として、モジュールを凹部から取り外すことも可能にする。
【0021】
ある実施形態では、上記ロック機構は、上記ロック動作モードにおいて、上記第1の接続点と上記第2の接続点との間の距離が、それぞれの第1の接続点と第2のカラーとの間の距離に等しいときに、第1の本体に対する第2の本体の回転を解放可能に固定するように構成されてもよい。したがって、第1の本体に対する第2の本体の回転は、少なくとも1つのストラットが半径方向外向きに実質的に最大変形にあるときに、解放可能に固定される。このことは、少なくとも1つのストラットが、凹部の表面に最適に当接し、力を及ぼすときに、ロック動作モードが生じ得ることを確実にする。
【0022】
ロック機構は、例えば磁石を利用してもよい。したがって、態様では、ロック機構は、第1の本体上の第1の磁石と、第2の本体上の第2の磁石とを備えてもよく、第1の磁石が第2の磁石と整列するとき、第2の本体は、第1の本体に解放可能にロックされる。このような磁石は、第1の本体及び第2の本体が、互いに対向するそれぞれの平坦な表面を有することを可能にし得、上記平坦な表面は、それぞれの磁石を備える一方で、クリック操作又は嵌合なしに解放可能にロックすることを依然として可能にする。
【0023】
ロック機構は、例えば、スナップ嵌め接続を利用してもよい。したがって、態様では、ロック機構は、第1の本体上の突起と、第2の本体上のスロットとを備えてもよく、第2の本体は、突起がスロットと整合し、スロットにスナップ留めされると、第1の本体に解放可能にロックされる。代替的に、第2の本体は上記突起を備え、第1の本体は上記スロットを備えてもよい。
【0024】
ある実施形態では、少なくとも1つの可撓性ストラットは、第1の本体と第2の本体の相対的な回転が、上記第1の接続点と上記第2の接続点との間の距離を減少させると、回転軸線から離れる方向に弾性変形するように構成されてもよい。上記弾性変形は、例えば、上記ロック手段をロック動作モードから解放することと組み合わせて、第1の本体と第2の本体の相対的な回転が、上記第1の接続点と上記第2の接続点との間の距離を増大させると、少なくとも1つの可撓性ストラットが、変形して以前の形状に戻ること、又は初期動作モードに戻ることを可能にし得る。したがって、弾性変形は、モジュールを容易に再使用すること、より具体的に、上記モジュールを凹部に取り付け、また取り外すことを可能にする。更に、弾性変形は、第1の本体と第2の本体の相対的な回転によって、少なくとも1つの可撓性ストラットを様々な変形状態の間で随意に変形させることを可能にする。
【0025】
代替的な実施形態では、少なくとも1つの可撓性ストラットは、第1の本体と第2の本体の相対的な回転が、上記第1の接続点と上記第2の接続点との間の距離を減少させると、回転軸線から離れる方向に塑性変形するように構成されてもよい。上記塑性変形は、少なくとも1つの可撓性ストラットが、例えば、歪み硬化による、その変形した形状を維持し得ることを可能にし得る。したがって、ロック機構は、塑性変形する可撓性ストラットには必ずしも必要でない場合がある。
【0026】
ある実施形態では、少なくとも1つの可撓性ストラットは、ストラット材料を含み、ストラット材料は、金属、ポリマー、複合繊維、天然材料のうちの少なくとも1つを含む。上記金属は、例えば、銅、ステンレス鋼、鋼、鉄のうちの1つを含み得る。上記ポリマーは、例えば、ABS、TPU、PE、PA、EVAのうちの少なくとも1つを含み得る。上記ストラット材料は、例えば、ゴム、革、コルク、木材などの天然材料を使用することもできる。上記天然材料は、例えば、上記金属又はポリマー材料で強化されてもよい。
【0027】
上述されたように、少なくとも1つの可撓性ストラットは、細長い構造要素である。したがって、ある実施形態では、少なくとも1つの可撓性ストラットは、ストラット幅を有し、ストラット幅は、最大でストラット長の5分の1である。上記ストラット幅は、例えば、前述されたように、細長い中心軸線に垂直な方向に規定され得る。それにより、上記ストラット幅は、回転軸線に対して実質的に接線方向に規定され得る。
【0028】
同様に、ある実施形態では、少なくとも1つの可撓性ストラットは、ストラット厚を有し、ストラット厚は、最大でストラット幅に等しいか、又は好ましくは最大でストラット幅の5分の1である。上記ストラット厚は、例えば、前述されたように、細長い中心軸線に垂直な方向に規定され得る。それにより、上記ストラット厚は、少なくとも1つの可撓性ストラットの第1の端部及び第2の端部にわたる平面に垂直な方向に、かつ回転軸線に対して半径方向に規定され得る。
【0029】
ある実施形態では、第1の本体及び/又は第2の本体は、上記照明ユニットを保持するために配置された中空内部空間を有する。したがって、照明ユニットは、第1の本体及び/又は第2の本体の上記中空内部空間内に取り付けられてもよく、設置されてもよい。
【0030】
ある実施形態では、少なくとも1つの可撓性ストラットは、ストラット表面を有し、ストラット表面は、パターン化されたテクスチャを有する。上記パターン化されたテクスチャは、少なくとも1つのストラットが、変形されると、照明ユニットが設置される凹部の表面に、より大きな摩擦で当接し得るように、ストラット表面の粗さを増大させ得る。したがって、上記ストラット表面は粗さを有し得る。上記粗さは、少なくとも0.5マイクロメートルのRa値を有し得る。上記ストラット表面は、代替的に、凹部内のモジュールの固定を同様に改良するために、突起のアレイを備えてもよい。
【0031】
ある実施形態では、第1のカラー及び/又は第2のカラーは円形であり、第1のカラー及び/又は第2のカラーは、少なくとも50ミリメートルの直径を有する円形である。したがって、本発明によるモジュールは、ダウンライトに適し得る。
【0032】
代替的に、上記第1のカラー及び/又は上記第2のカラーは楕円形であってもよい。代替的に、上記第1のカラー及び/又は上記第2のカラーは、正方形又は任意の他の多角形であってもよい。
【0033】
ある実施形態では、少なくとも1つの可撓性ストラットは、第1のストラット及び第2のストラットを備え、第1のストラットに関連付けられた第1の接続点と第2のストラットに関連付けられた第1の接続点は、第1のカラー上で正反対に配置され、第1のストラットに関連付けられた第2の接続点と第2のストラットに関連付けられた第2の接続点は、第2のカラー上で正反対に配置される。このような実施形態は、モジュールを凹部に保持するために2つの可撓性ストラットのみが必要とされるため、有利である。
【0034】
ある実施形態では、少なくとも1つの可撓性ストラットは、少なくとも3つの可撓性ストラットを備える。
【0035】
ある実施形態では、第1の本体は、上記照明ユニットによって放射される光を制御するための光学要素を備える。ある実施形態では、第2の本体は、上記照明ユニットを備えるダウンライトであり、第1の本体は、ダウンライトのトリムを備える。ある実施形態では、上記第1の本体は、ダウンライトのトリムを備えてもよい。
【0036】
ある実施形態では、本発明によるモジュールは、照明ユニットに電力を伝達するための電力手段を有してもよく、第1の本体及び/又は第2の本体は、照明ユニットを電力手段に接続するためのコネクタを備える。
【0037】
更に、上述された問題及び欠点を少なくとも軽減する、改良された照明デバイスを提供することが、本発明の目的である。これに対し、本発明は、照明ユニットと、本発明によるモジュールとを備える照明デバイスであって、モジュールは、動作中に、第1の本体と第2の本体の相対的な回転が、上記第1の接続点と上記第2の接続点との間の距離を減少させ、少なくとも1つの可撓性ストラットを回転軸線から離れる方向に変形させると、凹部に固定されるように構成され、少なくとも1つの可撓性ストラットは、変形されると、上記凹部の表面に当接し、照明ユニットは、モジュールの第1の本体及び/又は第2の本体に取り付けられるように構成される、照明デバイスを提供する。それにより、本発明によるモジュールに当てはまる利点及び/又は実施形態は、本発明による上記照明デバイスに準用され得る。
【0038】
本発明によれば、照明ユニットとモジュールは、動作中に電気的に接続されてもよく、かつ/又は機械的に接続されてもよい。
【0039】
ある実施形態では、モジュールの第1の本体及び/又は第2の本体は、照明ユニットを備える。したがって、照明ユニットは、第1の本体及び/又は第2の本体に埋め込まれてもよい。更に、態様では、第1の本体及び/又は第2の本体は、照明ユニット自体であってもよい。したがって、本発明は、照明ユニットを凹部に設置するためのモジュールを有する照明デバイスを提供し得る。
【0040】
更に、上述された問題及び欠点を少なくとも軽減する、改良された方法を提供することが、本発明の目的である。これに対し、本発明は、照明ユニットを凹部に設置する方法であって、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のモジュールによって実施され、方法は、モジュールを凹部に配置することと、第1の本体と第2の本体を相対的に回転させて、上記第1の接続点と上記第2の接続点との間の距離を減少させると、モジュールの少なくとも1つの可撓性ストラットを回転軸線から離れる方向に変形させることと、を含み、モジュールはロック機構を備え、方法は、ロック動作モードにおいて、ロック機構を用いて第1の本体に対する第2の本体の回転を解放可能に固定することを含み、少なくとも1つの可撓性ストラットは、変形されると、モジュールを凹部に保持するために上記凹部の表面に当接し、第1の本体及び/又は第2の本体は、上記照明ユニットを保持するように構成される、方法を提供する。それにより、本発明によるモジュール及び/又は照明デバイスに当てはまる利点及び/又は実施形態は、本発明による上記方法に準用され得る。
【0041】
ある実施形態では、方法は、照明ユニットをモジュールの第1の本体及び/又は第2の本体に取り付けることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本発明は、ここで、非限定的な概略図面を用いて更に説明される。
図1】本発明によるモジュールの実施形態を概略的に示す。
図2】本発明によるロック機構を概略的に示す。
図3】本発明による照明デバイスを概略的に示す。
図4】本発明による方法を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
埋込型照明デバイスは典型的に、ばね固定によって凹部に保持される。上記凹部は、例えば天井の穴であってもよい。この既知のばね固定法は、背景技術の項で述べたように、欠点を与える可能性があるので、埋込型照明デバイスの設置を改良し、照明ユニットを凹部に設置するための代替案を提供する明確な必要性が存在する。本発明は、上記欠点に対処し、照明ユニットを凹部に設置するための改良されたモジュール、上記モジュール及び上記照明ユニットを備える改良された照明デバイス、並びに照明ユニットを凹部に設置する改良された方法を提供する。
【0044】
図1は、本発明によるモジュール100を非限定的な例によって概略的に示す。モジュール100は、凹部(図示せず)に設置されるように構成される。モジュール100はまた、照明ユニット(図示せず)を保持するように構成される。したがって、モジュール100は、照明ユニットを凹部に設置するために配置される。ここで、モジュール100は、上記モジュール100の動作を示すために、第1の時点I及び同様に第2の時点IIにおける正面図及び側断面図で示される。
【0045】
モジュール100は第1の本体10を備える。モジュール100は第2の本体20を備える。両方の本体10、20は固い部品である。第1の本体10及び/又は第2の本体20は、上記照明ユニット(図示せず)を保持するように構成される。ここで、第1の本体10及び第2の本体20は、両方とも円筒形部品であり、両方とも、中空内部空間、すなわち、同じ中空内部空間4を備える。換言すれば、第1の本体10と第2の本体20は、同じ(例えば、連続した)中空内部空間4を取り囲む。中空内部空間4は、照明ユニット(図示せず)を保持するために配置される。したがって、本例では、照明ユニット(図示せず)が、上記中空内部空間4内に取り付けられ得る。上記モジュール100と上記照明ユニットの組立体が、ダウンライト又はスポットライトなどの照明デバイスと考えられ得る。
【0046】
代替的に、他の例では、第1の本体のみが、照明ユニットを保持するために配置される上記中空空間を備えてもよい。それにより、第2の本体は、中空空間に保持された照明ユニットに給電するための電源手段及び/若しくはコネクタを任意に備えてもよく、かつ/又は、第2の本体は、中空空間に保持された照明ユニットからの熱を伝導するためのヒートシンクを任意に備えてもよく、かつ/又は、第2の本体は、中空空間に保持された上記照明ユニットに制御信号を伝達するためのコントローラを任意に備えてもよい。
【0047】
更に代替的に、他の例では、第2の本体のみが、照明ユニットを保持するために配置される上記中空空間を備えてもよい。それにより、第1の本体は、動作中の照明ユニットによって放射される光を制御するための光学要素であってもよい。したがって、第1の本体は、例えば、レンズ、拡散器、ルーバー、混合ロッド、又は光ガイドを備えてもよい。したがって、第1の本体は、透明、不透明、又は少なくとも部分的に透明であってもよい。
【0048】
更に代替的に、他の例では、第1の本体及び/又は第2の本体は、照明ユニットを備えてもよい。例えば、第1の本体及び/又は第2の本体は、中空内部空間に面するそれぞれの内面領域を備えてもよく、少なくとも1つのLED照明ユニットが、それぞれの内面領域にあるように構成される。それにより、LED照明ユニットは、動作中、混合チャンバとして機能し得る中空内部空間に光を放射してもよい。更に代替的に、上記中空内部空間は、導光体を受容するように構成されてもよく、それにより、導光体の受容後に、導光体が中空内部空間を満たして、導光体の出力結合領域において光を出力結合する。
【0049】
上述されたように、第1の本体10及び第2の本体20は両方とも円筒形である。モジュールの第1の本体10及び第2の本体20は、例えば、少なくとも50ミリメートルの直径を有し得る。このような直径は、凹部に設置されるダウンライトにとって一般的であり得る。代替的に、第1の本体及び/又は第2の本体は管状部品であってもよいが、断面は、円形ではなく、例えば、楕円形、三角形、正方形、又は多角形である。
【0050】
図1を参照すると、第1の本体10と第2の本体20は、構造的関係によって互いに接続される。より具体的に、第1本体10と第2本体20は、回転軸線3を中心として相対的に回転可能である。更に、第1の本体10と第2の本体20は、上記回転軸線3の軸線方向において相対的に位置固定される。したがって、第1の本体10及び第2の本体20は、初期動作モードにおいて、相対的に1自由度のみを有し、これは、回転軸線3を中心とする相対的な回転である。
【0051】
上で規定されたような構造的関係を有する上記接続は、当業者に知られている様々な構成で想定され得る。ここで、本実施形態では、上記構成は、第1の本体10と第2の本体20との間の単純なフック接続で示され、また可能にされ、フック接続は、第1の本体10と第2の本体20が上記回転軸線3を中心として相対的に回転することを可能にするが、第1の本体10と第2の本体20を上記回転軸線3の軸線方向において相対的に位置固定する(すなわち、第1の本体と第2の本体は、上記軸線方向において相対的に移動することができない)。上で規定された上記構造的関係を満たす、第1の本体及び第2の本体の他の構成が、同様に想定され得る。
【0052】
図1を更に参照すると、上記第1の本体10は第1のカラー11を備える。ここで、第1のカラー11は、上記第1の本体の外面、すなわち、回転軸線から離れる方を向いた表面において、第1の本体10から突出するリング形状の突起である。更に、上記第2の本体20は第2のカラー22を備える。ここで、第2のカラー22は、上記第1の本体の外面、すなわち、回転軸線から離れる方を向いた表面において、第2の本体20から突出するリング形状の突起である。代替的に、上記第1のカラー及び上記第2のカラーはそれぞれ、第1の本体及び第2の本体の任意の周面領域又は表面要素であってもよい。
【0053】
モジュール100は、少なくとも1つの可撓性ストラット30を更に備える。少なくとも1つの可撓性ストラット30は、細長い構造要素である。ここで、モジュール100の少なくとも1つの可撓性ストラット30は、2つの可撓性ストラットを備える。第1の可撓性ストラットも参照番号30で示される。便宜上、第2の可撓性ストラットは、参照番号で別個に示されず、第1の可撓性ストラットに帰するすべての特徴は、上記第2の可撓性ストラットに準用される。代替的に、少なくとも1つの可撓性ストラットは、3つの可撓性ストラット、4つの可撓性ストラット、少なくとも5つの可撓性ストラット、又は最大で20個の可撓性ストラットを備えてもよい。
【0054】
上述されたように、少なくとも1つの可撓性ストラット30は、細長い構造要素である。したがって、少なくとも1つのストラット30は、細長い中心軸線(明示せず)を有し得る。図1を更に参照すると、少なくとも1つの可撓性ストラット30は、それぞれの第1の端部31と、それらとは反対のそれぞれの第2の端部32とを備える。細長い中心軸線は、上記第1の端部31と上記第2の端部32との間にわたり得る。それにより、少なくとも1つの可撓性ストラット30の各可撓性ストラットについて、それぞれの第1の端部31は、第1の本体10の第1のカラー11上のそれぞれの第1の接続点1に固定され、それぞれの第2の端部32は、第2の本体20の第2のカラー22上のそれぞれの第2の接続点2に固定される。
【0055】
したがって、第1のカラー11は、少なくとも1つの可撓性ストラット30のそれぞれの第1の端部31を固定するように構成され、第2のカラー22は、少なくとも1つの可撓性ストラット30のそれぞれの第2の端部32を固定するように構成される。
【0056】
したがって、第1のカラー及び第2のカラーの機能は、少なくとも1つのストラットをそれらの第1の端部及び第2の端部においてそれぞれ固定することである。上述されたように、第1のカラー11及び第2のカラー22は、リング形状の突起として具現化される。しかし、代替例では、第1のカラー及び第2のカラーについては、少なくとも1つの可撓性ストラットのそれぞれの端部を固定するように構成される限り、他の形状因子が同様に想定され得る。例えば、上記第1のカラー及び/又は上記第2のカラーは、可撓性ストラットの端部が接続/固定され得る、それぞれ第1の本体及び/又は第2の本体の表面領域であってもよい。
【0057】
図1を更に参照すると、少なくとも1つの可撓性は、ストラット長33を有する。ストラット長は、少なくとも1つのストラット30のそれぞれのストラットのそれぞれの第1の端部31とそれぞれの第2の端部32との間の長さとして規定され得る。言い換えれば、少なくとも1つのストラットの各ストラットは、(同じ)ストラット長33を有する。本発明によれば、上記ストラット長33は、それぞれの第1の接続点1と第2のカラー22との間の最短距離よりも少なくとも1.2倍長い。
【0058】
本実施形態では、図示されるように、上記ストラット長は、それぞれの第1の接続点1と第2のカラー22との間の最短距離よりも1.2倍長い。しかし、本発明によれば、代替的な実施形態では、上記ストラット長は、それぞれの第1の接続点と第2のカラーとの間の最短距離よりも少なくとも1.2倍、例えば、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、2倍、3倍など長くてもよい。更に代替的に、上記倍数は最大で10倍であってもよい。
【0059】
この結果、第1の接続点1と第2の接続点2との間の距離が、少なくとも1つの可撓性ストラット30のストラット長33に等しいときに、少なくとも1つの可撓性ストラット30は、実質的に、第1のカラー11と第2のカラー22との間にわたる周面(図1に参照符号5で概略的に示される)に位置する。この状況は、参照符号Iで示される第1の時点において図1に示される。
【0060】
しかし、第1の本体10と第2の本体20の相対的な回転6が、上記第1の接続点1と上記第2の接続点2との間の(最短)距離を減少させると、少なくとも1つの可撓性ストラット30のストラット長33は、実質的に等しく一定のままであり、少なくとも1つの可撓性ストラット30は、回転軸線3から離れる方向に変形する。この(変形された)状況は、参照符号IIで示される時点において図1に示される。したがって、少なくとも1つの可撓性ストラット30は、半径方向外向きに変形する。
【0061】
更に、上記第1の接続点1と上記第2の接続点2との間の上記距離が最小であるとき、すなわち、上記距離が第1の接続点1と第2のカラー22との間の最短距離に等しいときに、少なくとも1つのストラット30の最大変形が、半径方向外向きに生じる。このことは、図1の状況IIに示される。上記最小値は、例えば、第1の点1及び第2の点2を通る仮想線が回転軸線3に平行であるときに達成され、代替的に示される。
【0062】
したがって、第1の接続点1と第2の接続点2との間の距離を減少させる回転6が、少なくとも1つのストラット30を回転軸線3から離れる方向に変形させるので、少なくとも1つのストラット30は、変形されると、モジュール100及び関連する照明ユニット(図示せず)が設置される凹部(図示せず)の表面に(少なくとも部分的に)当接する。それにより、少なくとも1つのストラット30は、凹部の表面に力を及ぼすことができ、モジュール100が上記凹部に固定されて保持される。それにより、照明ユニットは、例えば、モジュール100を凹部に設置する前又は設置した後にモジュール100に取り付けられ得ることに留意されたい。代替的に、モジュール100は、例えば、第1の本体10及び/又は第2の本体20に埋め込まれた、照明ユニットを既に備えてもよい。
【0063】
全体として、第1の本体10及び/又は第2の本体20は、上記照明ユニット(図示せず)を保持するように構成されるので、本発明によるモジュール100は、有利なことに、モジュール100が少なくとも部分的に凹部に配置されたときに、扱いにくく非人間工学的なばねクリップを使用することなく、第1の本体10と第2の本体20の相対的な容易な回転6により、照明ユニットを凹部に設置することを可能にする。
【0064】
図1を更に参照すると、少なくとも1つの可撓性ストラット30は、ストラット材料を含む。ここで、ストラット材料は金属である。その結果、本実施形態では、少なくとも1つの可撓性ストラット30は、第1の本体10と第2の本体20の相対的な上記回転6が、上記第1の接続点1と上記第2の接続点2との間の距離を減少させると、回転軸線3から離れる方向に塑性変形するように構成される。上記塑性変形は、少なくとも1つの可撓性ストラット30が、例えば歪み硬化による、その変形された形状を維持し得ることを可能にし得、それにより、凹部に設置されたときのモジュール100を所定位置に保持する。
【0065】
任意で、少なくとも1つの可撓性ストラットは、ストラット表面を有し、ストラット表面は、パターン化されたテクスチャを有する。上記パターン化されたテクスチャは、少なくとも1つの可撓性ストラットが、変形されると、照明ユニットが上記モジュールを介して設置される凹部の表面に、より大きな摩擦で(少なくとも部分的に)当接するように、ストラット表面の粗さを増大させ得る。
【0066】
異なる実施形態では、図1に示されるのと同じモジュール100が提供されるが、少なくとも1つの可撓性ストラットは、異なるストラット材料を含み、弾性変形するように構成される。この実施形態では、ストラット材料は熱可塑性ポリウレタン(TPU)である。代替的に、他のポリマー材料が、ストラット材料として選択されてもよい。
【0067】
少なくとも1つの可撓性ストラットはまた、ストラット幅(明示せず)を有する。ここで、上記ストラット幅は、ストラット長の6分の1である。代替的に、上記ストラット幅は、最大で上記ストラット長の5分の1であってもよい。それにより、上記ストラット幅は、前述されたように細長い中心軸線に垂直な方向で、かつ回転軸線に対して実質的に接線方向で規定される。更に、少なくとも1つの可撓性ストラットはまた、ストラット厚(明示せず)を有する。ここで、上記ストラット厚は、ストラット幅の5分の1である。代替的に、上記ストラット幅は、最大でストラット幅に等しくてもよく、好ましくは最大でストラット幅の5分の1であってもよい。それにより、上記ストラット厚は、前述されたように細長い中心軸線に垂直な方向で、かつ回転軸線に対して半径方向で規定される。本実施形態では、ストラット材料がTPUであり、単に非限定的な一例として、ストラットの長さX幅X厚さは、90X15X3ミリメートルに等しい。他の手段も同様に想定され得る。
【0068】
任意で、少なくとも1つの可撓性ストラットは、ストラット表面を有し、ストラット表面は、パターン化されたテクスチャを有する。上記パターン化されたテクスチャは、少なくとも1つのストラットが、変形されると、照明ユニットが設置される凹部の表面に、より大きな摩擦で(少なくとも部分的に)当接するように、ストラット表面の粗さを増大させ得る。
【0069】
したがって、この実施形態では、少なくとも1つの可撓性ストラットは、弾性変形するように構成される。より具体的に、少なくとも1つの可撓性ストラットは、第1の本体と第2の本体の相対的な回転が、上記第1の接続点と上記第2の接続点との間の距離を減少させると、回転軸線から離れる方向に弾性変形するように構成される。
【0070】
更に、この実施形態では、モジュールはロック機構を備える。図2は、上記ロック機構の例を非限定的な例によって概略的に示す。図1及び図2を参照すると、ロック機構40は、ロック動作モードにおいて、例えば、上記第1の接続点1と上記第2の接続点2との間の距離が、それぞれの第1の接続点1と第2のカラー22との間の距離に等しいときに、第1の本体10に対する第2の本体20の回転を解放可能に固定するように構成される。それにより、上記ロック動作モードは、図1に示されるような第2の時点に対応する。その結果、第1の本体に対する第2の本体の回転は、少なくとも1つのストラットが半径方向外向きに実質的に最大変形にあるときに、解放可能に固定される。このことは、少なくとも1つのストラットが、凹部の表面に最適に当接し、力を及ぼすときに、ロック動作モードが生じ得ることを確実にする。
【0071】
概して言えば:ロック機構は、第1の本体に対する第2の本体の回転を解放可能に固定するので、ロックは、上記ロック動作モードにおいて、第2の本体が第1の本体とは別に回転すること、又はその逆を防止する。このことは、上記第1の接続点と上記第2の接続点との間の距離が、上記ロック動作モードにおいて解放可能に固定されたままであるようにし、このことは、少なくとも1つの可撓性ストラットの変形を固定された状態に保ち、それにより、設置されたときに、モジュールを凹部に固定された状態に保つ。
【0072】
また更に、ロック機構は、ロック動作モードにおいて、第1の本体に対する第2の本体の回転を解放可能に固定するように構成されているので、ロック機構は、モジュールを解放して、第1の本体と第2の本体が回転軸線を中心として相対的に回転可能である初期動作モードに戻すこともできる。このことは、有利なことに、引き抜くための力を必要とすることなく、又は凹部自体に影響を及ぼすことなく、例えば、保守又は交換を目的として、モジュールを凹部から取り外すことも可能にする。
【0073】
図2を更に参照すると、ロック機構40は、第1の本体10上のスロット41と、第2の本体20上の突起42とを備える。したがって、突起42がスロット41と整列し、スロットに嵌まり込むと、第2の本体20は、第1の本体10に解放可能にロックされる。
【0074】
代替的に、ロック機構は、第1の本体上の第1の磁石と、第2の本体上の第2の磁石とを備えてもよく、第1の磁石が第2の磁石と整列すると、第2の本体は、第1の本体に解放可能にロックされる。更に代替的に、当業者に知られているように、例えば2つの固い本体を連結するために、他のロック機構が想定されてもよい。
【0075】
上述されたように、この実施形態では、少なくとも1つの可撓性ストラットは、弾性変形するように構成される。上記弾性変形は、上記ロック手段40をロック動作モードから解放することと組み合わせて、第1の本体と第2の本体の相対的な回転が、上記第1の接続点と上記第2の接続点との間の距離を増大させると、少なくとも1つの可撓性ストラットが変形して以前の形状に戻ること、又は(図1の第1の時点Iとして示されるような)初期動作モードに戻ることを可能にする。したがって、弾性変形は、モジュールを容易に再使用すること、より具体的に、上記モジュールを凹部に取り付け、また取り外すことを可能にする。
【0076】
図3は、本発明による照明デバイス300を非限定的な例によって概略的に示す。照明デバイス300は、本発明によるモジュール350を備える。モジュール350は、凹部320に固定されるように構成される。空の凹部320*も、例示的な参照として役立つように図3に示される。モジュール350は、第1の本体351と、第2の本体352と、上述されたような本発明による少なくとも1つの可撓性ストラット353とを備える。照明デバイス300は、照明ユニット310を更に備える。ここで、第1の本体351及び第2の本体352は、上記照明ユニット310を保持するように構成される。
【0077】
上述されたように、本発明によるモジュールを考慮すると、第1の本体351と第2の本体352は、回転軸線359を中心として相対的に回転可能であり、上記回転軸線359の軸線方向において相対的に位置固定される。第1の本体351は、少なくとも1つの可撓性ストラット353のそれぞれの第1の端部が固定される、第1の本体351のそれぞれの表面である第1のカラーを備える。第2の本体352は、少なくとも1つの可撓性ストラット353のそれぞれの第2の端部が固定される、第2の本体351のそれぞれの表面である第2のカラーを備える。したがって、少なくとも1つの可撓性ストラット353の各可撓性ストラットは、それぞれの第1の端部及びそれぞれの第2の端部を備える。モジュール350は、例えば、少なくとも2つの可撓性ストラット353を備え得る。図3は、モジュール350の2つの可撓性ストラット353を示す。上記第1の端部は、第1のカラー上のそれぞれの第1の接続点に固定され、上記第2の端部は、第2のカラー上のそれぞれの第2の接続点に固定される。ここで、少なくとも1つの可撓性ストラット353は、ストラット長を有し、ストラット長は、それぞれの第1の接続点と第2のカラーとの間の最短距離よりも1.6倍長い。代替的に、上記倍数は少なくとも1.2倍であってもよい。
【0078】
その結果、モジュール350は、凹部320に固定されるように構成される。すなわち、モジュール350は、動作中に、第1の本体351と第2の本体352の相対的な回転が、上記第1の接続点と上記第2の接続点との間の距離を減少させ、少なくとも1つの可撓性ストラット353を回転軸線359から離れる方向に変形させるときに、凹部320に固定される。したがって、変形されると、少なくとも1つの可撓性ストラット353は、上記凹部320の表面321に当接する。
【0079】
ここで、少なくとも1つの可撓性ストラット353は、ストラット表面を更に有する。ストラット表面は、任意ではあるが、パターン化されたテクスチャを有する。パターン化されたテクスチャは、凹部320に面するストラット表面の表面領域に少なくとも存在する。上記パターン化されたテクスチャは、少なくとも1つの可撓性ストラット353が、変形されると、照明ユニット310が上記モジュール350を介して設置される凹部320の上記表面321に、より大きな摩擦で当接するように、ストラット表面の粗さを増大させ得る。上記ストラット表面は、代替的に、凹部内のモジュールの固定を同様に改良するために、突起のアレイを備えてもよい。
【0080】
図3を更に参照すると、照明ユニット310は、モジュール350の第1の本体351及び/又は第2の本体352に取り付けられるように構成される。したがって、例では、モジュール350は、照明ユニット310を取り付けるための取り付け手段を備える。このような取り付け手段は、機械的締結具、接着取り付け手段、磁気取り付け手段、スナップ嵌めコネクタ、モジュール内への照明ユニットの締まり嵌めなど、当業者に知られているものでもよい。
【0081】
したがって、照明ユニット310は、モジュールに取り付けられ、それによって凹部230に設置される。ここで、照明ユニット310はダウンライトである。照明ユニット310は光源313を備える。光源313は、半導体光源であるか、又は代替的に、従来の光源若しくは例えばレーザ光源であり得る。また更に、任意の特徴として、照明ユニット310は、電源ユニット311及びトリム312を備える。更なる例では、上記電源ユニット311は、電力接続手段を用いて、例えば電力ケーブル又は電力ソケットなどの主電源に接続され得る。上記電力接続手段は、照明ユニットに電力を伝達するように、第1の本体及び/又は第2の本体に少なくとも部分的に含まれ得る。したがって、本発明によれば、照明ユニット310とモジュール350は、電気的に接続され得る。
【0082】
また更なる例では、第2の本体は、第1の本体を通してアクセス可能であってもよい。例えば、第1の本体、又は例えば、第1の本体のトリムは、第2の本体にアクセスするための開口部を備えてもよい。第2の本体は、例えば、第1の本体を通って突出するか又はアクセス可能である突起又は本体部分を備えてもよい。
【0083】
結果として、本発明は、有利なことに、モジュールが少なくとも部分的に凹部に配置されるときに、例えば、扱いにくく非人間工学的なばねクリップを使用することなく、第1の本体と第2の本体の相対的な容易な回転により、凹部への照明ユニットの設置を可能にする。
【0084】
図4は、本発明による照明ユニット410を凹部420に設置する方法400を非限定的な例によって概略的に示す。方法400は、少なくとも本発明によるモジュール450によって実施される。
【0085】
上述されたように、本発明によるモジュールを考慮して、図4を参照すると、第1の本体451と第2の本体452は、回転軸線459を中心として相対的に回転可能であり、上記回転軸線459の軸線方向において相対的に位置固定される。第1の本体451は、少なくとも1つの可撓性ストラット453のそれぞれの第1の端部が固定される、第1の本体451のそれぞれの表面である第1のカラーを備える。第2の本体452は、少なくとも1つの可撓性ストラット453のそれぞれの第2の端部が固定される、第2の本体451のそれぞれの表面である第2のカラーを備える。したがって、少なくとも1つの可撓性ストラット453の各可撓性ストラットは、それぞれの第1の端部及びそれぞれの第2の端部を備える。上記第1の端部は、第1のカラー上のそれぞれの第1の接続点に固定され、上記第2の端部は、第2のカラー上のそれぞれの第2の接続点に固定される。ここで、少なくとも1つの可撓性ストラット453は、ストラット長を有し、ストラット長は、それぞれの第1の接続点と第2のカラーとの間の最短距離よりも1.5倍長い。代替的に、上記倍数は少なくとも1.2倍であってもよい。
【0086】
図4を更に参照すると、方法400は、モジュール450を凹部420に配置するステップ401を含む。方法400は、第1の本体451と第2の本体452を相対的に回転させて、上記第1の接続点と上記第2の接続点との間の距離を減少させると、モジュール450の少なくとも1つの可撓性ストラット453を回転軸線459から離れる方向に変形させるステップ402を含み、少なくとも1つの可撓性ストラットは、変形されると、モジュール450を凹部420に保持するために上記凹部420の表面に当接する。
【0087】
方法は、照明ユニット410を第1の本体及び/又は第2の本体に取り付けるステップ404を含む。したがって、第1の本体451及び/又は第2の本体452は、上記照明ユニット410を保持するように構成される。このことは、モジュール450及び照明ユニット410が凹部420に設置され、それにより、図4に示されるように、埋込型照明デバイス500をもたらす。
【0088】
更に、図4に示される実施形態を参照すると、モジュールは、任意でロック機構を更に備える。したがって、このロック機構は、すべての例には必要でなく、特に、少なくとも1つのストラットが塑性変形している例には必要でない。したがって、方法は、ロック動作モードにおいて、ロック機構を用いて第1の本体451に対する第2の本体452の回転を解放可能に固定する任意のステップ403を更に含んでもよい。
図1
図2
図3
図4