IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電子精機株式会社の特許一覧 ▶ 島根県の特許一覧

<>
  • 特許-離床検出装置と離床検出方法 図1
  • 特許-離床検出装置と離床検出方法 図2
  • 特許-離床検出装置と離床検出方法 図3
  • 特許-離床検出装置と離床検出方法 図4
  • 特許-離床検出装置と離床検出方法 図5
  • 特許-離床検出装置と離床検出方法 図6
  • 特許-離床検出装置と離床検出方法 図7
  • 特許-離床検出装置と離床検出方法 図8
  • 特許-離床検出装置と離床検出方法 図9
  • 特許-離床検出装置と離床検出方法 図10
  • 特許-離床検出装置と離床検出方法 図11
  • 特許-離床検出装置と離床検出方法 図12
  • 特許-離床検出装置と離床検出方法 図13
  • 特許-離床検出装置と離床検出方法 図14
  • 特許-離床検出装置と離床検出方法 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】離床検出装置と離床検出方法
(51)【国際特許分類】
   A61G 7/043 20060101AFI20241125BHJP
   A61G 12/00 20060101ALI20241125BHJP
【FI】
A61G7/043
A61G12/00 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020145142
(22)【出願日】2020-08-30
(65)【公開番号】P2021146183
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-08-09
(31)【優先権主張番号】P 2020044851
(32)【優先日】2020-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】593008427
【氏名又は名称】日本電子精機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591282205
【氏名又は名称】島根県
(74)【代理人】
【識別番号】100183575
【弁理士】
【氏名又は名称】老田 政憲
(72)【発明者】
【氏名】安部 聡一郎
(72)【発明者】
【氏名】加藤 伸幸
(72)【発明者】
【氏名】丸野 正徳
(72)【発明者】
【氏名】岩田 史郎
(72)【発明者】
【氏名】今若 直人
【審査官】岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0128628(US,A1)
【文献】特開2012-247372(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0008156(US,A1)
【文献】特開2015-047243(JP,A)
【文献】特開2004-310584(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0164409(US,A1)
【文献】特開2015-025666(JP,A)
【文献】特開2014-239066(JP,A)
【文献】特開2010-167147(JP,A)
【文献】特許第6659065(JP,B1)
【文献】特開2007-085959(JP,A)
【文献】中国実用新案第206867371(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 7/043
A61G 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
離床を検出するセンサユニットと、
センサユニットを制御する制御部と、
前記センサユニットと前記制御部とを接続する接続部と、有し、
前記センサユニットは、
基材上に位置するアンテナ部と、
前記アンテナ部と接続される第1配線と、
前記アンテナ部と前記第1配線とを覆うカバーと、
前記基材と前記カバーとを接着もしくは粘着するためのラミネート層を含み、
前記アンテナ部は、自己容量式静電容量型センサの電極である離床検出装置であり、
前記接続部は、前記センサユニットと接続されるコネクタと、前記コネクタと前記制御部とを結ぶ第2配線とを含み、前記コネクタは、前記基材上の前記第1配線と、脱着可能に、接続され、
前記センサユニットは、支持材を有し、
前記コネクタは、前記支持材を挟みこんで保持する離床検出装置。
【請求項2】
前記支持材と前記コネクタとは、開口部又は凹部と、凸部とを組み合わせて接合される請求項1記載の離床検出装置。
【請求項3】
前記コネクタは、コネクタ上部とコネクタ下部とを有し、
前記コネクタ上部と前記コネクタ下部との間に、前記支持材が挟み込まれる請求項1又は2記載の離床検出装置。
【請求項4】
前記コネクタは、前記第2配線と接続されるバネ式電極を有する請求項1~3のいずれか1項に記載の離床検出装置。
【請求項5】
前記コネクタ上部と前記コネクタ下部とは、スナップフィット突起とスナップフィット開口とで固定される請求項3に記載の離床検出装置。
【請求項6】
前記コネクタ下部は、磁石を有する請求項3又は5のいずれか1項に記載の離床検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッド上の対象者の離床に関する姿勢および動作を検出する離床検出装置と離床検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
離床検出装置は、病院や介護施設もしくは一般家庭において、ベッド上の対象者の離床に関する姿勢(側臥位、長座位、端座位、片腕をベッド上につく姿勢など)、ならびにベッド上の対象者の離床に関する動作(覚醒動作、起き上がり動作、体位変換動作、重心移動動作、立ち上がり動作など)を検出し、検出した姿勢および動作に応じて施設の管理者や介護従事者などに報知することを目的としている。
【0003】
対象者は、例えば認知機能および身体機能が低下した高齢者、あるいはせん妄(意識障害)の恐れのある入院患者などである。対象者はベッドからの離床の際に転落事故や転倒事故を起こすおそれがある。転落事故や転倒事故は、対象者の骨折や死亡の原因となりうる。従来から、離床検出装置(特許文献1~3)はあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-264009号公報
【文献】特開2012-29871号公報
【文献】特開2012-11174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の離床検出装置のセンサユニットは、検出機構に掛かる配線およびアンテナ部が複雑な構造であり、厚さ、重量、洗浄性などの観点から、管理者等に負担があった。
よって、本願の課題は、管理者等の負担軽減につながる離床検出装置と離床検出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、離床を検出するセンサユニットと、センサユニットを制御する制御部と、上記センサユニットと上記制御部とを接続する接続部と、を有し、上記センサユニットは、基材上に位置するアンテナ部と、上記アンテナ部と接続される第1配線と、上記アンテナ部と上記第1配線とを覆うカバーと、上記基材と上記カバーとを接着もしくは粘着するためのラミネート層を含み、上記アンテナ部は、自己容量式静電容量型センサの電極である離床検出装置を用いる。
また、上記離床検出装置を用いて、対象者の離床に関する姿勢および動作を検出する離床検出方法を用いる。
また、離床を検出するセンサユニットと、センサユニットを制御する制御部と、上記センサユニットと上記制御部とを接続する接続部と、有し、上記センサユニットは、支持材を有し、上記接続部は、上記センサユニットと接続されるコネクタと、上記コネクタと上記制御部とを結ぶ第2配線と、を含み、上記コネクタは、上記支持材を挟みこんで保持する離床検出装置を用いる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の離床検出装置と離床検出方法は、管理者等の負担軽減につながる離床検出装置と離床検出方法である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(a)実施の形態1の離床検出装置22の構成図、(b)実施の形態1の離床検出装置の外観図
図2】(a)実施の形態1の離床検出装置22の斜視図、(b)実施の形態1の離床検出装置の第1配線10a2の断面図
図3】(a)実施の形態1の離床検出装置の使用を説明する平面図、(b)ベッド上に実施の形態1センサユニットが搭載された状態での断面図
図4】(a)実施の形態1の離床検出装置において、コネクタ13と第1配線10a2およびアース線10eとの接続部分の断面図、(b)実施の形態1のセンサユニットの端部の平面図、(c)実施の形態1のセンサユニットに支持材を設けた平面図
図5】(a)実施の形態1のセンサユニットとコネクタ下部との斜視図、(b)実施の形態1のコネクタとセンサユニットとが組み合わせられた状態の斜視図
図6】実施の形態1の離床検出装置が、図3の配置で、アンテナ部における信号を絶対値で測定する方法で測定した結果を示す図
図7】(a)~(d)実施の形態2のアンテナ部の斜視図
図8】(a)~(e)実施の形態2のアンテナ部を説明する基台の斜視図
図9】実施の形態2の複数種類のアンテナ部を複数種類の基台上に、それぞれ乗せた場合の静電容量値を示す図
図10】(a)~(b)実施の形態3のセンサユニットの拡大構成図
図11】(a)実施の形態4のセンサユニットが配置されたベッド上の対象者が、仰向け(仰臥位)でいる状態を示す平面図、(b)実施の形態4のセンサユニットが配置されたベッド上の対象者が横向け(側臥位)でいる状態を示す平面図、(c)(a)~(b)時のアンテナ部の信号応答を示す図
図12】実施の形態4のプロセスを示す図
図13】(a)~(c)実施の形態5のアンテナ部のパターンを示す平面図
図14】(a)~(e)実施の形態6の基材のパターンを示す平面図
図15】(a)~(g)実施の形態6の基材のパターンを示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態1)
<構造>
図1(a)は、実施の形態1の離床検出装置22の構成図である。離床検出装置22は、センサユニット20と接続部29と制御部15とを含む。センサユニット20は、センサユニット20上の人(対象者31)の姿勢および動作を検出する。
接続部29は、センサユニット20と制御部15の間で、それぞれの信号を伝達する。
制御部15は、センサユニット20における信号検出を制御する。また、センサユニット20からの信号を処理する。
図1(b)は、離床検出装置22の外観図である。図2(a)は、離床検出装置22の斜視図である。ただし、センサユニット20の部分は分解図である。図2(b)は、第1配線10a2の断面図である。
【0010】
<センサユニット20>
センサユニット20は、基材10c、アンテナ部10a1、第1配線10a2などを含む。
基材10cは、柔軟な絶縁性のシートであり、その上にアンテナ部10a1、第1配線10a2などが位置する。基材10cは、例えば、樹脂フィルム、布、紙などから構成される。
【0011】
アンテナ部10a1は、自己容量式静電容量センサの電極である。アンテナ部10a1に対象者が近接すると測定される静電容量値は増加する。制御部15の測定IC14により、アンテナ部10a1における静電容量値を測定することで、対象者とアンテナ部10a1との両者の近接度合いを測定する。
第1配線10a2は、アンテナ部10a1とコネクタ13とを接続する部分である。第1配線10a2は、コネクタ13を介して、アンテナ部10a1と測定IC14とを電気的に接続する。
【0012】
センサユニット20は、フレキシブルペースト、ストレッチャブルペースト、フレキシブルシート、ストレッチャブルシートなど柔軟性の材料で構成され、センサユニット20は全体として薄く、軽量で、柔軟性がある。
【0013】
<接続部29>
接続部29は、コネクタ13と第2配線26とを有する。コネクタ13は、第1配線10a2とアース線(図2(a)のアース線10e)を、制御部15と接続する部分である。コネクタ13は、ワンタッチで第1配線10a2とアース線10eとを接続できるのが好ましく、ピンコネクタ方式やクリップ方式、マグネット方式などでもよい。また、コネクタ13および制御部15のそれぞれに送受信機能を付与させ、第2配線26の代わりに、無線方式で、コネクタ13と制御部15を接続してもよい。
【0014】
<制御部15>
制御部15は、測定IC14と、記録部16と、表示部17と、通信部18と、電源部19と、制御IC14aとを含む。
測定IC14は、複数のアンテナ部10a1における信号から、各々のアンテナ部10a1における静電容量値を測定する部分である。なお、アンテナ部10a1が1つの場合もあり得る。
また、測定IC14は、離床検出装置22の各構成要素を制御する制御IC14aを含んでもよく、その場合、測定IC14にはどのように制御するかが設定されている。
また、測定IC14は、接続部29のコネクタ13内に含まれていてもよく、その場合、測定IC14は第2配線26を介して制御IC14aにより制御される。
【0015】
記録部16は、測定IC14での測定結果や各構成要素の設定値などを保存するICメモリなどである。記録部16はSDカード、USBメモリなどの取外し可能な記録媒体としても良い。
表示部17は、液晶、ELなどのデイスプレイやLEDなどのインジケータであり、離床検出装置22の設定や測定結果などを表示する。また、表示部17は構成要素の設定、指示をする入力する操作ボタンなどを含み、離床検出装置22の稼働の指示などが入力、設定可能である。
【0016】
通信部18は、記録部16のデータなどを外部へ送る部分である。Bluetooth(登録商標)、無線LANなどの無線方式、もしくは通信線15bを介した有線方式でパーソナルコンピュータ、スマートホン、携帯機器、ナースコールシステム、在宅介護システムなどへデータを送信でき、管理者等へ情報を伝えることができる。通信線15bは、たとえば有線LANケーブル、シリアル信号線、電圧信号線などである。
制御IC14aは、離床検出装置22の各構成要素を制御するICなどである。センサユニット20における信号を処理し、判断し、表示部17に測定結果を表示、また通信部18からの情報を発信する。
また、制御部15は、電源供給線15aで外部から電力の供給を受けることができる。
【0017】
<動作>
図3(a)で、離床検出装置22の使用方法を説明する。
図3(a)は、ベッド30上に離床検出装置22のセンサユニット20を配置し、その上に、対象者31が仰向けでいる状態を示す平面図である。図3(a)では、配置がわかるように、センサユニット20を対象者31の上側で表現している。
ここで、対象者31は、例えば認知機能、又は、身体機能が低下した高齢者、せん妄(意識障害)の恐れのある入院患者などである。そのほか乳幼児、新生児などの場合もある。
【0018】
図3(a)の離床検出装置22では、センサユニット20に12個のアンテナ部10a1が位置する。図3(a)では、それぞれのアンテナ部10a1にアンテナ部の番号23を表示している。制御部15は、センサユニット20における信号検出を制御し、各々のアンテナ部10a1における信号を受け取る。データの例を下記図5で説明する。制御部15はセンサユニット20内の複数のアンテナ部10a1における信号検出を制御する。
図3(b)で、ベッド30にセンサユニット20が搭載された断面図を示す。センサユニット20は、長方形形状のシートで、ベッド30の対向する側面まで位置する。その側面に、コネクタ13が位置する。コネクタ13には、磁石が配置され、ベッド30の金属部に固定される。または、ベッド30にコネクタ13を保持できる機構があってもよい。または、コネクタ13と接続されるセンサユニット20の端部と対向するセンサユニット20のもう一方の端部も、ベッド30の側面に、別途準備した磁石や留め具などで固定してもよい。センサユニット20が、ベッド30に固定できる。
【0019】
<アンテナ部10a1>
図2(a)には、センサユニット20の分解図が含まれる。アンテナ部10a1は、平板状の基材10c上に位置し、その上にカバー10bが配置されている。
アンテナ部10a1への対象者31の近接度合いを、アンテナ部10a1における静電容量値の変化によって測定する。
【0020】
アンテナ部10a1は、例えば、導電性の箔から構成される。導電性の箔は、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、カーボン、導電性高分子などの箔体であり、軽量で薄く柔軟性がある。導電性の箔は、スパッタ、蒸着など薄膜工法で形成してもよく、別途作製したものを接着してもよい。
または、アンテナ部10a1は、導電ペーストを用いて、印刷工法、コート工法などで形成されてもよい。
【0021】
または、アンテナ部10a1は、一部もしくは全部が導電糸で形成されてもよい。金糸、銀糸、銅糸、アルミニウム糸、カーボン糸などの導電性の糸を用いて、平板状に形成してもよい。導電糸は、樹脂繊維に各金属を被覆したものでもよい。導電糸を用いたアンテナ部10a1は、軽量で薄く柔軟性があり、耐久性が優れていて好ましい。
導電性の箔、導電性糸、導電ペーストを組み合わせて、アンテナ部10a1を形成してもよい。
【0022】
なお、アンテナ部10a1は、第1配線10a2と続くものが好ましい。例えば、アンテナ部10a1と第1配線10a2が同じ導電性ペーストで印刷されてもよい。
第1配線10a2、絶縁層10f、アース線10eの三層は印刷工法により重ねて印刷工法(3色印刷工法)で形成してもよい。印刷工法は、インクジェット印刷、グラビアオフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷などがある。スクリーン印刷の場合、大きな対象物に、安価に印刷でき、好ましい。
【0023】
<ラミネート層10d>
ラミネート層10dは、カバー10bと基材10cとの間を、基材10c上に位置する複数のアンテナ部10a1、第1配線10a2を覆いつつ、接着もしくは粘着する部分である。ラミネート層10dは、柔軟性があり絶縁性の樹脂材料などで構成される。エラストマーを含む樹脂材料、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などでもよい。そのほか、熱可塑性樹脂、二液混合型接着剤、UV架橋型接着剤などでもよい。
【0024】
<カバー10b>
カバー10bは、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PEI(ポリエーテルイミド)、PI(ポリイミド)など絶縁性の樹脂シートである。また、絶縁性の布や紙、不織布などを用いてもよい。基材10cとカバー10bが同様の材質でもよい。
【0025】
離床検出装置22のセンサユニット20は、ベッド30上において、対象者の下に敷かれて使用される。そのため、センサユニット20の複数のアンテナ部10a1間ならびに第1配線10a2間が、対象者の汗などによって電気的不良(短絡不良など)を生じることを回避するために、カバー10bのラミネート層に接する表面とラミネート層10dの少なくとも一方は、防水性能をもつ必要がある。また、離床検出装置22のセンサユニット20は、ベッド30を衛生的に保護する防水シーツとしても機能する。その場合、カバー10bは吸水性材料からなる必要がある。
【0026】
アンテナ部10a1は、センサユニット20の基材10c上に複数位置し、制御部15によって、それぞれのアンテナ部10a1に対する対象者31の近接度合いを測定できる。
図1および図2のアンテナ部10a1の形状は、方形であるが、円形、台形、多角形、線形状などでもよい。細いライン形状、または、線形状の場合、複数平行に配置できよい。形状を三角形状、または、配置を三角形状とすれば、高い密度に配置できる。実施の形態2でアンテナ部10a1のより好ましい形状を説明する。
【0027】
<第1配線10a2>
第1配線10a2は、アンテナ部10a1とコネクタ13とを電気的に接続する。第1配線10a2は、基材10c上に印刷工法などによりパターン形成された導電性材料、または、導電性ワイヤー、導電糸などでもよい。アンテナ部10a1と第1配線10a2とは同じ材料で、同じ工程で形成するのが好ましい。
図2(b)に、第1配線10a2周辺の断面図を示す。
第1配線10a2は、絶縁層10fで覆われ、絶縁層10fの上に形成されるアース線10eと電気的に絶縁される。アース線10eは、第1配線10a2の電磁遮蔽層として機能し、第1配線10a2における対象者31が近接した際の応答を低減させる。
【0028】
<自己容量式静電容量センサ>
アンテナ部10a1は、自己容量式静電容量センサの電極である。そのため、アンテナ部10a1の構造は、図2(a)のように単極構成であり、かつ、電極間の中間層などを必要としない簡易な単層構造である。アンテナ部10a1への対象者31の近接度合いはアンテナ部10a1における静電容量値の変化によって測定される。この静電容量値の変化を、第2配線26を介して、制御部15で測定する。
【0029】
さらに、第2配線26には被覆のアース線26aを設けるのが好ましい。アース線26aは導電性があり、被覆を制御部15に接地接続することで外部からの電磁ノイズを遮断できる。第2配線26とアース線26aが同軸構造となっているいわゆるシールド線を用いることもできる。
【0030】
<静電容量値の変化の測定方法>
実施の形態1のアンテナ部10a1における静電容量値は、以下の2つの測定方法がある。
(1) 絶対値で測定する。
アンテナ部10a1における静電容量値の絶対値の経時変化によって対象者31の、アンテナ部10a1への近接度合いを測定する。アンテナ部10a1と対象者31が近接するほど、静電容量値の絶対値が増える。
【0031】
対象者31が近接していない状態のそれぞれのアンテナ部10a1における初期静電容量値を等しくし、予め、静電容量値の絶対値をレベル分けし、そのレベルで近接度合いを測定する。たとえば、複数の第1配線10a2の長さを合わせることで、それぞれのアンテナ部10a1における初期静電容量値を等しくできる。
結果、この方法では、定量的に、対象者31の、アンテナ部10a1への近接度合いを測定できる。
複数のアンテナ部10a1における静電容量値を等しくする方法は、実施の形態3でも説明する。
【0032】
(2) 差分を測定する。
アンテナ部10a1における初期静電容量値を等しくしない場合、アンテナ部10a1における静電容量値の変化量の経時変化によって対象者31の、アンテナ部10a1への近接度合いを測定する。アンテナ部10a1と対象者31が近接するほど、静電容量値の変化量が増える。
それぞれのアンテナ部10a1における初期静電容量値が等しくないため、測定前のそれぞれのアンテナ部10a1における静電容量値(測定前の一定時間の平均)を基準に、その基準に対して、静電容量値がどれだけ変化したか(経時変化)をそれぞれの電極に対して計算し、その変化量を閾値判定し、その判定で近接を検出する。
結果、この方法では、定性的に、対象者31の、アンテナ部10a1への近接を検出できる。
【0033】
<コネクタ13>
図4(a)に、コネクタ13と第1配線10a2との接続部分の断面図を示す。
コネクタ13には、アース電極13aと配線電極13bとがあり、それぞれアース線10eと第1配線10a2とに接続される。
コネクタ13とセンサユニット20とは、脱着可能に接続される。たとえば、コネクタ13にセンサユニット20を挿入する方式でもよい。また、コネクタ13を分割式にして、センサユニット20の上下からはさむ方式でもよい。
離床検出装置22のセンサユニット20は、簡単な構造で安価に作製されるため、センサユニット20のみを使い捨てすることが可能である。センサユニット20が汚染した時、管理者等はセンサユニット20を洗浄・乾燥して再利用する手間を省くことができる。また、汚染したセンサユニット20による感染症の伝搬リスクなどを回避することができる。
【0034】
<別例のコネクタ13>
図4(b)~図5(b)で、別例のコネクタ13の例を説明する。説明しない事項は、他のところでの説明と同様である。
図4(b)は、センサユニット20の端部の平面図である。センサユニット20は、人31の下部に敷くので、柔軟性がある。そのため、コネクタ13にしっかりはめ込みにくい。また、人31がセンサユニット20上に乗るので、全体で変位する。また、センサユニット20を使い捨てにする場合、センサユニット20にしっかりした構造を設けることができない。
【0035】
そこで、図4(c)に示すように、支持材40を設ける。支持材40を基材10cの表面に接着剤、留め具などで取り付ける。
支持材40には、開口部41、掴み部42、スナップフィット開口43aを有する。
支持材40は、硬い材料で作製される。例えば、硬質の樹脂板などである。支持材40により、センサユニット20をコネクタ13に接続するので強度が必要である。
開口部41は、貫通穴であり、コネクタ13の凸部49にはめ込まれる(図5(a))。
掴み部42は、支持材40の両側面に位置し、人が作業しやすいように凹形状にされている部分である。
【0036】
スナップフィット開口43aは、コネクタ上部13cのスナップフィット突起43bが挿入される部分(図5(b))である。
図5(a)に、センサユニット20とコネクタ下部13dとの斜視図を示す。コネクタ下部13dには、凹部又は貫通穴である支持材受け部50、凸部49、嵌合部下46b、スナップフィット開口43aを有する。
支持材40は、凹部状の掴み部42を指で掴かまれ、開口部41が凸部49にはめられる。また、同時に、支持材40の先端は、支持材受け部50にはめ込まれる。支持材40の先端と支持材受け部50とは、遊びが少なく、全体の位置を保証できる。このため、開口部41と凸部49とは、はめられ易い。支持材受け部50は、突起形状または、突起形状に凹部があり、支持材40の先端が、固定される。
【0037】
なお、開口部41と凸部49とは、それぞれ、センサユニット20とコネクタ13とにあってもよい。開口部41は、貫通穴でなくとも凹部でもよい。
図5(b)は、コネクタ13とセンサユニット20とが組み合わせられた状態の斜視図である。コネクタ上部13cは、回路基板収納部48、バネ式電極44、嵌合部上46a、スナップフィット突起43bを有する。コネクタ13は、コネクタ上部13cとコネクタ下部13dとが組み合わされセンサユニット20が固定され、接続される。回路基板収納部48は、第二配線26とバネ式電極44を電気的に接続するコネクタ内に電子回路基板を収納し、固定する部分である。電子回路基板は、測定IC14や可変素子28(図10(b))を含んでも良い。
【0038】
嵌合部下46bは、コネクタ上部13cの嵌合部上46aと組み合わされる。嵌合部分を支点に、コネクタ上部13cとコネクタ下部13dは、開いたり、閉じたりできる。
コネクタ上部13cとコネクタ下部13dとは、スナップフィット構造でしっかり保持できる。つまり、スナップフィット突起43bとスナップフィット開口43aとで固定できる。また、スナップフィット構造なので、開くこともできる。
なお、スナップフィット構造でなくとも、容易に、繰り返し、開閉操作できる構造ならよい。
【0039】
開閉操作できる構造が好ましいが、コネクタ13が、開閉式でなく、挿入式でもよい。つまり、支持材40を、コネクタ13に挿入(差し込む)方式でもよい。また、コネクタ下部13は、内部、又は、底面に磁石47を有し、コネクタ13をベッド30の金属部分などに固定できる(図3(b))。コネクタ上部13cの弾性変形可能なバネ式電極44により、アース電極13a、配線電極13bが、アース10e、第1配線10a2と、それぞれ、電気的に接続される。バネ式電極44は、アース電極13aあるいは配線電極13bとして機能する。なお、図5(b)では、1列のバネ式電極44であるが、2列設けて、アース電極13aと配線電極13bとしてもよい。また、バネ式とは、弾性がある構造を意味する。図5(b)では、電極、配線部分は、簡略化して表示している。

【0040】
<効果>
なお、センサユニット20は、この明細書で説明する以外の構造のものでもよい。
コネクタ13は、センサユニット20を脱着可能に保持できる。ドライバーなど道具なしで、コネクタ13とセンサユニット20とを合体できる。離床検出装置の全体構成の中でセンサユニット20のみを使い捨て使用する場合特によい。
また、凹凸を利用してしっかりと保持できる。また、スナップフィット構造でしっかり保持できる。
これらは必須要素でなくいずれか1つ以上あればよい
【0041】
<測定結果>
図6に、図3の配置で、上記(1)の絶対値で測定する方法で測定した結果を示す。縦軸の番号は、図3のアンテナ部の番号23を意味する。横軸の数値は、対象者31が、ベッド上にいる時間に相当する。模様は、アンテナ部10a1と対象者31の近接度合いを四段階のレベルで表現したものである。
【0042】
図6におけるアンテナ部の番号23が0~5は、対象者31の上半身の部分にある。アンテナ部の番号23が、6~11は、対象者31の下半身の部分にある。
図6から、この対象者31は、点線で示されたそれぞれの時間で、体動などによりベッド上での姿勢を大きく変化させている。
【0043】
ベッド上での対象者31の姿勢および動作という比較的遅い経時変化を測定するため、測定間隔は1秒程度以上でよい。より短い測定間隔が求められる呼吸や心拍などのバイタルデータと比較すると測定データの量を少なくすることができる。
1つのアンテナ部10a1から1つの第1配線10a2のみの簡単な構造(単極構造)で、かつ、アンテナ部10a1の構造は簡易な単層構造であるが、ベッド上の対象者31の姿勢および動作を十分に測定できている。
【0044】
この方法で得られたベッド上の対象者31の姿勢及び動作を解析することで、対象者31の離床に関する姿勢および動作を検出することができる。
<実施の形態1の効果>
管理者等は、離床に関する解析結果から、ベッド上の対象者を直接見回ることなく、少数の従事者によって複数の対象者31を同時に簡便に監視できる。また、解析結果を利用することで詳細な監視も実現できる。よって、離床検出装置22と離床検出方法は、管理者等の負担を軽減することができる。さらに、センサユニット20を洗浄せず、使い捨てすることで、管理者等の負担を大幅に軽減することができる。対象者31による失禁、嘔吐、吐血などがあった際、汚染したセンサユニット20のみを廃棄できるので、洗浄・乾燥作業が不要で、管理者等の従来業務の軽減ができる。さらに、コネクタ13は、センサユニット20に、簡単に、容易に、脱着可能な構造であるため、管理者等の離床センサを設置・運用する負担は少ない。
【0045】
(実施の形態2)
実施の形態2を図7(a)~図9を用いて説明する。説明しない事項は、実施の形態1と同様である。
センサユニット20を使用する場合、下部(ベッド30など)が平坦とはかぎらず、緩やかに凹凸がある場合が多い。又は、ベッド30などの上でセンサユニット20を使用する場合、対象者31がその上に乗ると、センサユニット20が凹凸に変形する。
【0046】
このような場合にも、離床検出装置22をより安定して使用するため、アンテナ部10a1の形状を以下で検討する。
図7(a)~図7(d)は、アンテナ部10a1の斜視図である。
図7(a)では、アンテナ部10a1が、ベタ、つまり、ソリッド、全面に形成されている。
図7(b)では、アンテナ部10a1が、ヘビのように、スネーク状にて形成されている。
図7(c)では、アンテナ部10a1が、渦巻形状に形成されている。
図7(d)では、アンテナ部10a1が、碁盤の目状に形成されている。
【0047】
なお、アンテナ部10a1は、その外寸がおおむね50mm角の大きさのもの使用した。図7(a)のアンテナ部10a1には、アルミニウム箔を、図7(b)~図7(d)のアンテナ部10a1には、印刷された銀膜をそれぞれ用いた。カバー10b、基材10cは、PENシートを用いた。図7(b)~図7(d)の各々のアンテナ部10a1の外寸に対する金属領域の割合は約50%である。
【0048】
これらのアンテナ部10a1を、対象者31がアンテナ部10a1の上に乗った時を模して、図8(a)~図8(e)に示す表面が一方向にくぼんだ基台32上に配置する。なお、この場合、基台32は、変形しない。
図8(a)では、基台32の表面が平坦である。
図8(b)~図8(e)では、基台32の表面に、それぞれ200、100、50、30mmの半径の凹部がある。
図8(a)~図8(e)の基台32上に、図7(a)~図7(d)のアンテナ部10a1を配置し、対象者31がアンテナ部10a1の上に乗ったときを模して、接地接続された導電体をアンテナ部10a1の近傍に配置したときの静電容量値を測定した。静電容量値は、Keysight社LCRメータにより測定した。測定時の印加電圧は1V、100kHzとした。
【0049】
結果を、図9に示す。縦軸は、静電容量値を示す。横軸は、図8(a)~図8(e)の各基台32での、各図7(a)~図7(d)の各々のアンテナ部10a1毎に、並べている。なお、X、Yの表記は、それぞれアンテナ部10a1のX方向、Y方向(図7)に、基台32のR形状が設けられていることを示す。
【0050】
アンテナ部10a1は、基台32のR形状の方向に対し依存性を持たない方が好ましい。そのため、X方向とY方向とで差がないのが好ましい。
図9で、*印は、X方向とY方向に基台32のR形状が設けられたときの測定結果に有意差があることを示す。*印があるのは、すべて図7(b)のアンテナ部10a1である。図7(b)のアンテナ部10a1は、1つの方向に向けて偏ってアンテナ部10a1が形成されている。このため、R形状の方向(アンテナ部10a1が曲がる方向)により測定値に差が生じる。
【0051】
結果、アンテナ部10a1として図7(b)は好ましくなく、図7(a)、図7(c)、図7(d)が好ましい。後者のアンテナ部10a1は、ほぼ点対称な等方的な形状である。等方的な形状であると、アンテナ部10a1の湾曲方向に依存しにくく、安定して測定ができる。ここで、等方的な形状であれば、図7(a)、図7(c)、図7(d)以外でもよく、たとえば、図7(c)で円形状の渦巻でもよい。また、図7(b)、図7(c)のアンテナ部10a1を作製する方法として、印刷法やスパッタ法などによるパターニング方法以外に、薄膜形状の導電材料を打ち抜いて成形する方法、導電線もしくは電磁シールド線の電磁シールド被覆部を除去した導電線を配置するなどが考えられる。
図7(a)、図7(c)、図7(d)のような実施の形態2のアンテナ部10a1の構造により、いろいろな場所でも、安定して、離床検出装置22の使用ができる。
【0052】
(実施の形態3)
実施の形態3は、複数のアンテナ部10a1間の差異をなくす方法、構造である。説明しない事項は上記実施の形態と同様である。
アンテナ部10a1における静電容量値の絶対値に基づく対象者31の近接度合いを定量的に測定するため、複数の第1配線10a2の長さを合わせる。
図10(a)に、センサユニット20の拡大構成図を示す。図10(a)では複数のアンテナ部10a1に接続されたそれぞれの第1配線10a2の長さが、等しくになるように構成してあり、第1配線10a2の長さに依存する静電容量値の差異を緩和している。
【0053】
また、第1配線10a2の長さに依存する静電容量値の差異を緩和するよう、それぞれの第1配線10a2の太さ・高さ・幅を調整してもよい。また、第1配線10a2の長さに依存する静電容量値の差異を制御部15でオフセット処理することで、その差異を緩和してもよい。
さらに、図10(b)のようにコネクタ13に可変素子28をそれぞれの第1配線10a2ごとに設けてもよい。可変素子28は、可変抵抗や可変コンデンサなどである。センサユニット20が汚染し、交換されるとき、交換されるセンサユニット20が同じ構成(同じアンテナ部10a1、第1配線10a2の構成)であれば、可変素子28は、センサユニット20の交換の都度、変更や調整を行う必要はない。
実施の形態3により、アンテナ部10a1における静電容量値の絶対値に基づく対象者31の近接度合いを定量的に測定できる。
【0054】
(実施の形態4)
実施の形態4は、データ処理の方法、構造である。説明しない事項は上記実施の形態と同様である。
制御部15は、センサユニット20から静電容量値のデータを取得する、そのままデータを通信部18で外部へおくってもよい。例えば、管理者等のいる部屋にデータを送り管理者等が対象者の状況を確認してもよい。
さらに、よくするために以下の方法がある。
【0055】
図11(a)~図11(c)を用いて説明する。図11(a)は、ベッド30上に対象者31が、仰向け(仰臥位)でいる状態を示す平面図である。センサユニット20の基材10cにはアンテナ部10a1が9個位置している。図では、第1配線10a2を略している。また、図では、アンテナ部の番号23をつけている。
図11(b)は、ベッド30上に対象者31が横向け(側臥位)でいる状態を示す平面図である。
【0056】
図11(c)は、図11(a)、図11(b)時のアンテナ部10a1における信号を示す。図11(c)中の〇は、アンテナ部10a1の上に対象者31が存在する。×は、アンテナ部10a1の上に対象者31が存在しない。△は、アンテナ部10a1の上に対象者31が一部存在するという近接度合いを示す。近接度合いは、アンテナ部10a1における信号から、測定データの値の範囲を決めて、それぞれを判断できる。
以下に判断パターンの例を示す。判断パターンは、制御部15の記録部16、または、制御IC14aに保存し、使用する。
【0057】
(1)〇の数が、3以上で仰向け(仰臥位)あるいは、うつ伏せ(伏臥位)でいるかを判断する。
(2)〇の数が2以下で座っている(長座位)と判断する。
(3)アンテナ部の番号23が、1,4,7番のいずれかが〇のとき、端座位であると判断し、ベッド30から離床する可能性があると判断する。
(1)~(3)のように判断パターンをあらかじめ設定し、パターンに応じて警告信号を外部へ送る。
【0058】
プロセスを図12で説明する。
アンテナ部10a1における静電容量値を計測する。その計測データを制御部15が取得する。制御部15は、計測データをあらかじめ設定された上記のような判断パターンと対比する。または、判断パターンに当てはまるかデータ処理をする。結果に応じて警告信号を外部の管理者等へ送る。
【0059】
管理者等は、必要な時にのみ警告信号を受けるので、必要な時にのみ、対象者31の離床に関する報知を得ることができる。管理者等は、ベッド上の対象者31を直接見回ることなく、少数の従事者によって複数対象を同時に簡便に監視できる。
また、複数の対象者31のそれぞれの状態に対応してパターンを決定することで、各々の対象者を適切に、容易に監視できる。
【0060】
(実施の形態5)
実施の形態5は、上記実施の形態で使用できるアンテナ部10a1の配置パターンである。図13(a)から図13(c)に基材10c上のアンテナ部10a1の配置パターンの平面図を示す。なお、ベッド30のほぼ全体に基材10cを設ける場合を前提にして説明する。そのため、ベッド30の中央部だけに設ける場合は、以下の長辺は、短辺となる場合がある。いずれも含めて端部34とできる。
【0061】
図13(a)では、方形のコーナと中心とにアンテナ部10a1を設けた。このパターンを連続することで、基材10cに均質に全体に配置できる。
図13(b)は、アンテナ部10a1を基材10cの長辺側に高密度に配置した。中央は密度が小さい。この配置により、対象者のベッド30からの離床をよりよく検出できる。
図13(c)では、2つのセンサユニット20を用いた。短辺側のアンテナ部10a1の密度が高い。
【0062】
アンテナ部10a1の密度は、個数密度である。大きな面積のアンテナ部10a1より、小さな面積のアンテナ部10a1が多いほどより正確に対象者の動きを検出できる。
実施の形態5のアンテナ部10a1の配置パターンの離床検出装置22により、対象者の離床に関する姿勢および動作を、より正確に検出できる。対象者の状態(体格、認知機能および身体機能の低下度)に応じたアンテナ部10a1の配置パターンとすれば、個々の対象者に応じた離床検出装置22となる。
【0063】
(実施の形態6)
実施の形態6は、上記実施の形態で使用できる基材10cの形状パターンである。図14(a)から図14(e)に基材10cの平面図を示す。なお、ベッド30のほぼ全体に基材10cを設ける場合を前提にして説明する。そのため、センサユニット20を小片化して、ベッド30の中央部だけに設ける場合は、実施の形態5と同様に、長辺が、短辺となる場合がある。いずれも含めて端部34とできる。また、この基材10cにアンテナ部10a1を設ける場合は、アンテナ部10a1、第1配線10a2が、切り欠き34a~34c、開口35で途切れないようにする必要がある。
【0064】
基材10c上に、対象者31が過ごす(横わたる)ので、基材10cは柔軟なことが要求される。しかし、アンテナ部10a1、第1配線10a2の形成工程における全体の強度の確保から薄い脆い材料を使用する事ができない場合がある。
そこで以下の構造がとれる。
図14(a)では、基材10cの内側に長い切り欠き34aを設けた。中央に密に設け、中央が変形しやすくした。対象者が快適に過ごすことができる。
図14(b)では、開口35を中央に密に設けた。上記と同様の効果がある。
図14(c)では、端部34からの切り欠き34bを設けた。辺の中央に密に設けた。
図14(d)では、開口を有する切り欠き34cを端部34に設けた。辺の中央に密に設けた。
図14(e)では、センサユニット20を2つ用いる。2つ合わせて、ベッド30の中央の切り欠き34aの密度を高くした。
【0065】
さらに、図15(a)~図15(g)に、基材10cの別の形状パターンを示す。
図15(a)では、基材10cの内側に均等に、切り欠き34aを設けている。
図15(b)では、円形状の開口35を基材10cに均等に設けている。
図15(c)では、基材10cに均等に、切り欠き34aを設けている。
図15(d)では、ひし形(方形)の開口35を基材10cに均等に設けている。
図15(e)では、2つのセンサユニット20を、ベッド30上に配置している。それぞれの基材10cに均等に、切り欠き34aを設けている。2個以上のセンサユニット20を配置してもよい。
図15(f)では、内部の切り欠き34aと端部34から設けた切り欠き34aと交互に配置している。
図15(g)では、端部34に繋がる開口35を設けている。基材10cは、全体として、蛇状、または、複数のS字が繋がった線状の形状になっている。上記の基材10cによれば、基材10cが伸縮変形しやすく、対象者が快適に過ごすことができる。その結果、離床検出装置22でより安定した計測データが測定できる。
【0066】
(全体として)
上記実施の形態は、それぞれ組み合わせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本願発明の離床検出装置22は、病院、介護施設だけでなく、自宅、宿泊施設などでも使用できる。
【符号の説明】
【0068】
10a1 アンテナ部
10a2 第1配線
10b カバー
10c 基材
10d ラミネート層
10e アース線
10f 絶縁層
13 コネクタ
13a アース電極
13b 配線電極
13c コネクタ上部
13d コネクタ下部
14 測定IC
14a 制御IC
15 制御部
15a 電源供給線
15b 通信線
16 記録部
17 表示部
18 通信部
19 電源部
20 センサユニット
22 離床検出装置
23 アンテナ部の番号
26 第2配線
26a アース線
28 可変素子
29 接続部
30 ベッド
31 対象者
32 基台
34 端部
34a 切り欠き
34b 切り欠き
34c 切り欠き
35 開口
40 支持材
41 開口部
42 掴み部
43a スナップフィット開口
43b スナップフィット突起
44 バネ式電極
46a 嵌合部上
46b 嵌合部下
47 磁石
48 回路基板収納部
49 凸部
50 支持材受け部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15