(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】口内法X線撮影用の感光体の保護カバー
(51)【国際特許分類】
A61B 6/51 20240101AFI20241125BHJP
A61B 6/42 20240101ALI20241125BHJP
【FI】
A61B6/51 500
A61B6/42 500W
(21)【出願番号】P 2021125274
(22)【出願日】2021-07-30
【審査請求日】2024-02-06
(73)【特許権者】
【識別番号】500175325
【氏名又は名称】学校法人愛知学院
(73)【特許権者】
【識別番号】503110451
【氏名又は名称】株式会社フラット
(73)【特許権者】
【識別番号】520470578
【氏名又は名称】柿本 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】有地 榮一郎
(72)【発明者】
【氏名】蛭川 亜紀子
(72)【発明者】
【氏名】柿本 直也
(72)【発明者】
【氏名】山岡 秀寿
(72)【発明者】
【氏名】勝又 明敏
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 寿延
(72)【発明者】
【氏名】山口 健太
(72)【発明者】
【氏名】谷 直也
【審査官】蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-061723(JP,A)
【文献】登録実用新案第3008518(JP,U)
【文献】特許第3162074(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2005/0265522(US,A1)
【文献】特開2011-212401(JP,A)
【文献】特開2015-208582(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/58
G03B 42/02-42/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口内に配置されて、上下顎の
歯をX線撮影する際に使用されるX線撮影用のシート状の感光体を保護する保護カバーであって、
前記保護カバーは、前記感光体を収容する感光体収容部と、保持部材収容部を有し、
前記感光体収容部は、
第一シート部材の先端部と両側部が第二シート部材と融着した袋状であり、前記感光体を通過させる開口
であって、該第一シート部材の該先端部と反対側の基端側が該第二シート部材と融着されない開口を有し、
前記開口が
融着により封鎖可能であ
り、
前記保持部材収容部は、
口内に配置した前記保護カバーを口外から保持することが可能な保持部材の一部を取り付け可能な部位であり、
該第一シート部材における、該第二シート部材が配置された側とは反対側に配置された第三シート部材であって、
その基端側を除く三方が該第一シート部材と融着された
第三シート部材と該第一シート部材の間に形成されており、かつ、
その基端側に該保持部材の一部が挿入可能な挿入部が形成されており、さらに、
平面視、前記第二シート部材上に前記開口が形成されており、かつ、前記第一シート部材上に前記挿入部が形成されていることを特徴とする口内法X線撮影用の感光体の保護カバー。
【請求項2】
口内に配置されて、上下顎の
歯をX線撮影する際に使用されるX線撮影用のシート状の感光体を保護する保護カバーであって、
前記保護カバーは、前記感光体を収容する感光体収容部と、保持部材収容部を有し、
前記保持部材収容部は、口内に配置した前記保護カバーを口外から保持することが可能な保持部材の一部を取り付け可能な部位であり、
前記感光体収容部は、袋状であり、前記感光体を通過させる開口を有し、
熱融着が可能で四辺を有する第一シート部材と第二シート部材を有し、
前記第一シート部材及び前記第二シート部材の周囲が、一方のみを残して一体化されて前記感光体収容部が形成されており、
前記一方に前記開口が形成されており、
前記第一シート部材と第二シート部材が熱融着されて、前記開口
を封鎖
する熱融着部を形成可能であ
り、
四辺を有する第三シート部材を有し、
前記第三シート部材と前記第一シート部材の間に、前記保持部材収容部が形成されており、
前記熱融着部が形成される部位が、前記保持部材収容部よりも前記一方の側にあることを特徴とする口内法X線撮影用の感光体の保護カバー。
【請求項3】
前記第一シート部材及び前記第三シート部材が、透明又は半透明の熱融着が可能な樹脂シートで構成されており、かつ、
前記第二シート部材が、不透明であって光を通さない樹脂シートで形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の口内法X線撮影用の感光体の保護カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口内法X線撮影に使用されるX線撮影用の感光体の保護カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ウ蝕や歯周病等を診断するための方策として、口内のX線撮影が広く行われている。口内をX線撮影する方法の一つとして、口内法がある。口内法は、口の中に感光フィルムを入れ、外部からX線を照射して感光フィルムを感光させる方策の総称である。口内に挿入される感光フィルムは、X線のみを透過し、太陽光等を遮断する遮光フィルムで包装され、口内に装着される。そして撮影後に暗室等の中で包装を外し、感光フィルムを取り出して現像を行う。
【0003】
また、昨今は、感光フィルムの代わりにX線撮影用のイメージングプレートが使用される機会が増えてきた。イメージングプレートは、X線撮影された画像を繰り返し記録することができる感光体であり、X線フィルムとは異なり、再利用が可能である。
【0004】
口内法に使用されるイメージングプレートは、長方形の四隅が丸みを帯びた薄板状の部材である。イメージングプレートは、X線に感光する感光面を有している。X線により、感光面に、画像データが記録され、記録された感光面をレーザで照射する。感光面がレーザで照射されると、画像データに応じた発光量の蛍光が発光し、その蛍光の発光量をデジタル変換し、デジタルデータとして保存する。
【0005】
イメージングプレートは、遮光性を有する袋状の保護カバー部材に収容された状態で、患者の口内に配置される。その際、保護カバーに収容されたイメージングプレートは、治具に取り付けられ、患者が治具の一部を上下の歯で噛むことにより、口内の適正な位置にイメージングプレートが保持される。
【0006】
このようなイメージングプレートを収容する保護カバーが、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された保護カバーは、内装部材(内袋)と外装部材(外袋)を有し、イメージングプレートを二重に包装することで遮光性を高めたり、患者の唾液がイメージングプレートに付着することを阻止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、昨今はウイルス感染症が懸念されており、再利用されるイメージングプレートにウイルスが付着することを防止することが望ましい。特許文献1に開示された保護カバーでも、イメージングプレートを保護することはできるが、イメージングプレートと外気が完全に遮断されているわけではなく、改善の余地がある。
【0009】
また、イメージングプレートを口内で保持するために、患者自身の上下の歯で噛むことは、患者の歯が健全であれば問題はないが、X線撮影を実施する患者においては、歯に疾患を抱えている場合が多く、また、上下の歯が抜けている場合もあり、治具を噛むことができない場合もある。このような場合には、患者が噛んで口内にイメージングプレートを保持する治具を使用することはできない。
【0010】
そこで本発明は、感光体と外気を遮断することができ、さらに患者の口外から口内の感光体を保持することができる口内法X線撮影用の感光体の保護カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための本発明の第一の様相は、口内に配置されて、上下顎の歯をX線撮影する際に使用されるX線撮影用のシート状の感光体を保護する保護カバーであって、前記保護カバーは、前記感光体を収容する感光体収容部と、保持部材収容部を有し、前記感光体収容部は、第一シート部材の先端部と両側部が第二シート部材と融着した袋状であり、前記感光体を通過させる開口であって、該第一シート部材の該先端部と反対側の基端側が該第二シート部材と融着されない開口を有し、前記開口が融着により封鎖可能であり、前記保持部材収容部は、口内に配置した前記保護カバーを口外から保持することが可能な保持部材の一部を取り付け可能な部位であり、該第一シート部材における、該第二シート部材が配置された側とは反対側に配置された第三シート部材であって、その基端側を除く三方が該第一シート部材と融着された第三シート部材と該第一シート部材の間に形成されており、かつ、その基端側に該保持部材の一部が挿入可能な挿入部が形成されており、さらに、平面視、前記第二シート部材上に前記開口が形成されており、かつ、前記第一シート部材上に前記挿入部が形成されていることを特徴とする口内法X線撮影用の感光体の保護カバーである。
【0012】
本様相では、保護カバーは、感光体を収容する感光体収容部と、保持部材収容部を有し、保持部材収容部は、口内に配置した保護カバーを口外から保持することが可能な保持部材の一部を取り付け可能な部位である。
そのため、保護カバーは、感光体収容部に感光体を収容することができると共に、保持部材の一部を保持部材収容部に取り付けることにより、保護カバーに保持部材を取り付けることができる。そして、患者の口内に配置した感光体を収容した保護カバーを、患者の口外から保持部材を介して保持することができる。すなわち、患者の口内の疾患状態に関わらず、患者の口内で、保護カバーで保護された感光体を保持することができる。
感光体収容部は、袋状を呈していて感光体を通過させる開口を有するので、開口を介して感光体収容部内に感光体を収容することができる。
また、開口が封鎖可能であるので、感光体収容部の内外が遮断される。すなわち、感光体収容部に収容された感光体が、外気に晒されることを防止することができ、患者の口内で感光体にウイルスが付着するのを阻止することができる。
【0013】
また、上記課題を解決するための本発明の様相は、口内に配置されて、上下顎の歯をX線撮影する際に使用されるX線撮影用のシート状の感光体を保護する保護カバーであって、前記保護カバーは、前記感光体を収容する感光体収容部と、保持部材収容部を有し、前記保持部材収容部は、口内に配置した前記保護カバーを口外から保持することが可能な保持部材の一部を取り付け可能な部位であり、前記感光体収容部は、袋状であり、前記感光体を通過させる開口を有し、熱融着が可能で四辺を有する第一シート部材と第二シート部材を有し、前記第一シート部材及び前記第二シート部材の周囲が、一方のみを残して一体化されて前記感光体収容部が形成されており、前記一方に前記開口が形成されており、前記第一シート部材と第二シート部材が熱融着されて、前記開口を封鎖する熱融着部を形成可能であり、四辺を有する第三シート部材を有し、前記第三シート部材と前記第一シート部材の間に、前記保持部材収容部が形成されており、前記熱融着部が形成される部位が、前記保持部材収容部よりも前記一方の側にあることを特徴とする口内法X線撮影用の感光体の保護カバーである。即ち、熱融着が可能な第一シート部材と第二シート部材を有し、前記第一シート部材及び前記第二シート部材の周囲が、一方のみを残して一体化されて前記感光体収容部が形成されており、前記一方に前記開口が形成されている。
【0014】
この構成によると、熱融着が可能な第一シート部材と第二シート部材を有し、第一シート部材及び第二シート部材の周囲が、一方のみを残して一体化されて感光体収容部が形成されており、一方に開口が形成されているので、開口を介して保護カバー内に感光体を収容することができる。また、第一シート部材と第二シート部材を熱融着することにより、開口を閉じることができる。すなわち、保護カバーの内外を遮断することができる。そのため、感光体にウイルスが付着するのを阻止することができる。
【0015】
さらに、本発明の好ましい様相は、前記第一シート部材及び前記第三シート部材が、透明又は半透明の熱融着が可能な樹脂シートで構成されており、かつ、前記第二シート部材が、不透明であって光を通さない樹脂シートで形成されており、このように、第三シート部材を有し、前記第三シート部材と前記第一シート部材の間に、前記保持部材収容部が形成されている。
【0016】
この構成によると、第三シート部材を有し、第三シート部材と第一シート部材の間、又は第三シート部材と第二シート部材の間に、保持部材収容部が形成されているので、保護カバーに保持部材を取り付けることができる。すなわち、保護カバーに保持部材の一部を容易に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の口内法X線撮影用の感光体の保護カバーによると、感光体を外気に晒すことがなく、また、容易に患者の口内で感光体を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】(a)は、本実施形態に係る口内法X線撮影用の感光体の保護カバーと感光体の斜視図であり、(b)は、(a)の保護カバーの分解斜視図である。
【
図2】(a)は、
図1の保護カバーに感光体を収容する途中の状態を示す斜視図であり、(b)は、保護カバーに感光体を完全に収容した状態を示す斜視図であり、(c)は、保護カバーを熱融着して開口の内外を遮断した状態を示す斜視図である。
【
図3】
図2(c)に示す保護カバーに、保持部材を取り付ける直前の状態を示す斜視図である。
【
図4】
図3において、保護カバーに保持部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図5】
図4の保護カバーを、患者の口内に配置した状態を示す斜視図である。
【
図6】(a)~(c)は、
図1とは別の保護カバーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、各図を参照しながら本発明の実施形態の保護カバーについて説明する。
保護カバー1は、感光体であるシート状のイメージングプレート10を収容し(
図3)、保持部材11(
図4)で支持されて、患者の口内に配置される(
図5)。保持部材11は、X線撮影者、又は患者自身が把持する把持部11aと、保護カバー1を取り付けて支持する支持部11bを有する。把持部11aと支持部11bの間には、アーム部11cが設けられている。すなわち、
図5に示すように、保持部材11は、長さを有するアーム部11cを備えており、支持部11bを患者の口内に配置した際に、把持部11aが患者の口外に突出する。
【0020】
イメージングプレート10は、X線を受けた後にレーザー光線を照射すると蛍光を発する材料を、プラスチック基板(有機フィルム)に塗布して構成された部材である。
【0021】
図示しないX線照射装置によってX線が照射されて、感光したイメージングプレート10は、図示しない処理装置に装填され、撮影されたX線画像が処理装置側へコピー(抽出)される。コピー後、イメージングプレート10に記録された画像データは、処理装置で消去される。画像データが消去されたイメージングプレート10は再利用される。
【0022】
次に保護カバー1について説明する。
図1(a)、
図1(b)に示す様に、保護カバー1は、第一シート部材2、第二シート部材3、第三シート部材4で構成されている。
【0023】
第一シート部材2は、透明又は半透明の熱融着が可能な樹脂シートで構成されており、イメージングプレート10よりも大きな面積を有している。また、第一シート部材2は、表側シートを構成しており、光を透過し、第一シート部材2を通して後述の収容部5内を視認することができる。
【0024】
一方、第二シート部材3は、不透明であって光を通さない樹脂シートで形成されており、裏側シートを構成している。第二シート部材3は、第一シート部材2よりも大きく、幅は一致しているが、長さが長い。すなわち、第一シート部材2と第二シート部材3を、先端側を一致させて重ねると、
図1(a)に示すように、第一シート部材2側から見て第二シート部材3の一部(基端側)が露出する。
【0025】
第一シート部材2と第二シート部材3は、先端側が一致するように重なり、第一シート部材2の先端部6と両側部7a、7bが第二シート部材3と一体化(融着)している。すなわち、第一シート部材2と第二シート部材3の間には、収容部5(収容部5を感光体収容部5とも呼ぶ)が形成されている。また、第一シート部材2の基端側は、第二シート部材3と固定されておらず、第一シート部材2と第二シート部材3は、三方が塞がっていて、残りの一方が開いている。すなわち、第一シート部材2と第二シート部材3の基端側には、収容部5の内外を連通させる開口5aが形成されている。換言すると、収容部5は、三方が閉じ、一方が開いた袋状の空間である。
【0026】
第一シート部材2と第二シート部材3は、熱融着することにより、帯状の熱融着部8(
図2(c))が形成される。熱融着部8によって開口5a付近を閉じることができる。すなわち、熱融着部8によって収容部5の内外を遮断することができる。
【0027】
また、第三シート部材4は、第一シート部材2における、第二シート部材3が配置された側とは反対側に配置されている。第三シート部材4は、第一シート部材2と同様の素材で構成されており、第一シート部材2と同じ幅を有し、長さが第一シート部材2よりも短い。
【0028】
第三シート部材4の基端側を除く三方が第一シート部材2と一体化されており、基端側は開いている。すなわち、第三シート部材4と第一シート部材2の間には、三方が閉じた保持部材収容部9が形成されており、保持部材収容部9の基端側には挿入部9aが形成されている。保持部材収容部9は、挿入部9aを介して内外が連通している。
【0029】
図1(a)に示す様に、保護カバー1は、第一シート部材2と第二シート部材3の長さが相違しており、開口5aが第二シート部材3上に形成されている。そのため、
図2(a)、
図2(b)に示すように、イメージングプレート10は、第二シート部材3に沿って開口5aから円滑に収容部5内に進入することができる。
【0030】
イメージングプレート10が収容部5内に収容されると、第一シート部材2と第二シート部材3は、図示しない熱融着装置によって開口5a付近が熱融着され、熱融着部8が形成される。熱融着部8は、開口5aと平行に形成されている。すなわち、熱融着部8を形成したことによって、収容部5の四方が閉じ、収容部5の内外が遮断される。その結果、収容部5内のイメージングプレート10は、外気に晒されることがなくなる。よって、イメージングプレート10にウイルス等が付着する恐れがなくなる。第一シート部材2における、熱融着部8よりも基端側には、基端縁部2aが形成されている。
【0031】
図2(c)に示すように、熱融着部8は、第一シート部材2の基端よりは先端側であるが、挿入部9aよりは基端側に設けられている。そのため、挿入部9aは、依然として開口している。
【0032】
挿入部9aは、第三シート部材4の基端に形成されているが、第一シート部材2上に設けられている。そのため、保持部材11の支持部11bは、第一シート部材2に沿って挿入部9aから保持部材収容部9内に進入することができる。
【0033】
イメージングプレート10を収容した保護カバー1は、
図3、
図4に示すように、保持部材11で保持され、
図5に示すように、患者の口内に配置されて上下顎の歯のX線撮影が行われる。保持部材11の把持部11aは、患者の口外に露出しており、X線撮影者又は患者自身によって把持される。保持部材11の支持部11bは、イメージングプレート10と概ね重なっている。よって、支持部11bが患者の口内に配置されると、口内におけるX線撮影を実施する箇所にイメージングプレート10が適切に配置される。すなわち、患者の口内の保護カバー1は、保持部材11によって、患者の口外から良好に保持される。
【0034】
X線撮影が終了すると、撮影者は、手袋をした手で保護カバー1を持ち、第一シート部材2の基端縁部2aと、第二シート部材3を持ち、両者を離間させるようにして保護カバー1を引き裂く。その結果、第一シート部材2の側部7a、7bと、熱融着部8が引き裂かれ、収容部5内のイメージングプレート10が清潔な机上等に落下して取り出される。
【0035】
ここで、撮影者は、手袋をしており、保護カバー1には患者の唾液が付着している。しかし、保護カバー1を引き裂いてイメージングプレート10を落下させることにより、イメージングプレート10に唾液を付着させることなくイメージングプレート10を回収することができる。撮影者は、イメージングプレート10を清潔な床面又は机上に落下させ、唾液が付着した手袋を外した清潔な手でイメージングプレート10を拾い上げる。すなわち、撮影者は、イメージングプレート10を清潔な状態で容易に取り出すことができる。よって、イメージングプレート10を洗浄する必要がない。
【0036】
本実施形態では、第一シート部材2の長さが第二シート部材3の長さよりも短い例を示したが、第一シート部材2、第二シート部材3の長さが一致していても差し支えない。
【0037】
本実施形態では、開口5a付近を熱融着し、熱融着部8を設ける例を示したが、代わりに、第一シート部材2と第二シート部材3を接着し、開口5aを閉塞してもよい。この場合には、第一シート部材2、第二シート部材3は、熱融着不可のシートであっても差し支えがない。
【0038】
また、本実施形態では、保護カバー1に第三シート部材4を設けた例を示したが、第三シート部材4の代わりに、
図6(a)~
図6(c)に示す保護カバー21、31、41のような支持部11bを保持する保持部材収容部12~14を設けてもよい。保持部材収容部12~14は、いずれも保持部材11の支持部11bを係合させて支持することができる。
【符号の説明】
【0039】
1、21、31、41 保護カバー
2 第一シート部材
3 第二シート部材
4 第三シート部材
5 収容部(感光体収容部)
5a 開口
8 熱融着部
9 保持部材収容部
11 保持部材
11b 支持部(保持部材の一部)