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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】LED内視鏡キャップを用いた治療器
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/06 20060101AFI20241125BHJP
【FI】
A61N5/06 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023564138
(86)(22)【出願日】2022-03-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-04
(86)【国際出願番号】 KR2022004465
(87)【国際公開番号】W WO2022225218
(87)【国際公開日】2022-10-27
【審査請求日】2023-10-19
(31)【優先権主張番号】10-2021-0052572
(32)【優先日】2021-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515267910
【氏名又は名称】ジ アサン ファウンデーション
(73)【特許権者】
【識別番号】517301162
【氏名又は名称】ユニバーシティー オブ ウルサン ファウンデーション フォー インダストリー コーオペレイション
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITY OF ULSAN FOUNDATION FOR INDUSTRY COOPERATION
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、 ドヒョン
(72)【発明者】
【氏名】クォン、 ジンヒ
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2016-0104445(KR,A)
【文献】特開2019-150388(JP,A)
【文献】特開2012-040108(JP,A)
【文献】国際公開第2016/047191(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0274765(US,A1)
【文献】特表2017-521140(JP,A)
【文献】国際公開第2020/105096(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 5/06- 5/067
A61B 1/00
A61B 18/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体内に挿入されるように延びて形成され、前記患者の十二指腸の粘膜のしわを広げるための送気部を備えたカテーテルと、
前記カテーテルが内挿されるように内部を貫通する通孔が設けられた内視鏡キャップと、
前記内視鏡キャップの外側の一領域に配置され、少なくとも一領域が前記内視鏡キャップより前方に向かって突出するように配置されたフードと、
前記内視鏡キャップとフードのそれぞれに配置された少なくとも1つのLEDとを含む、LED内視鏡キャップを用いた治療器。
【請求項2】
前記フードは、関節構造で形成される、請求項1に記載のLED内視鏡キャップを用いた治療器。
【請求項3】
前記フードは、一端に曲面で形成された屈曲領域を含む、請求項1に記載のLED内視鏡キャップを用いた治療器。
【請求項4】
前記内視鏡キャップの表面には、第1波長帯の第1光を照射する第1LEDが配置され、
前記フードの表面には、第1波長帯とは異なる第2波長帯の第2光を照射する第2LEDが配置されている、請求項1に記載のLED内視鏡キャップを用いた治療器。
【請求項5】
前記第1波長帯は、600~700nmの間の所定の波長帯であり、
前記第2波長帯は、800~900nmの間の所定の波長帯である、請求項4に記載のLED内視鏡キャップを用いた治療器。
【請求項6】
前記フードは、少なくとも1つの領域が、前記内視鏡キャップから所定の角度をなすように移動可能である、請求項1に記載のLED内視鏡キャップを用いた治療器。
【請求項7】
前記通孔の内部には、前記通孔の直径より小さい直径を有するバンドが挿入される、請求項1に記載のLED内視鏡キャップを用いた治療器。
【請求項8】
前記LEDは、量子ドットを光源とする量子ドットLEDと、フレキシブルOLEDのうち、少なくとも一つを含む、請求項1に記載のLED内視鏡キャップを用いた治療器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED内視鏡キャップを用いた治療器に関する。
【背景技術】
【0002】
十二指腸は、第2型糖尿病患者の体内で異常な粘膜肥厚が発生し、第2型糖尿病/非アルコール性脂肪肝関連ホルモン(例えば、GIP)分泌が増加する場所であり、第2型糖尿病、肥満及び非アルコール性脂肪肝に対する非薬物治療において重要な位置である。
【0003】
GIPは、十二指腸及び膵臓のK-CELLから分泌され、K-CELLへの光治療による刺激で細胞内ミトコンドリアの機能異常を改善し、これを通じてGIP分泌を調節することにより、第2型糖尿病、肥満及び非アルコール性脂肪肝を予防することができる。
【0004】
このような疾患の治療施術方法の一つとして、高周波等を用いた十二指腸粘膜表面再生(duodenal mucosal resurfacing)を、適用することができる。
ただし、このような熱を利用した高周波治療は、十二指腸の狭窄、穿孔、出血を、引き起こす可能性があるという問題がある。
一方、低レベルレーザーを用いた光治療方法は、十二指腸の表面に光を照射することにより、異常細胞ミトコンドリアの機能改善、ATP生成の増加などによるK細胞の機能抑制、正常十二指腸及び膵臓細胞の再生、十二指腸内の腸内細菌の環境改善を起こし、糖尿病を治療できるという特徴がある。
【0005】
一方、このような光治療方法は、内視鏡などのカテーテルを患者の体内に挿入して行わなければならないため、その過程でカテーテルやカテーテルの外側に結合されたキャップなどにより患者の体内部の臓器や粘膜などを損傷するおそれがある。
【0006】
また、効率的な治療のためには、十二指腸などの表面にLEDなどの光源をできるだけ広く接触させることが望ましい。
【0007】
したがって、患者の身体に挿入されるカテーテルなどにより患者の臓器や粘膜などが損傷することなく、光源が内臓の表面に広く接触することができる治療器の開発が、求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、患者の臓器の表面や粘膜などを損傷することなく、光源を内臓などの表面に広く接触させる治療器を提供することである。
【0009】
また、本発明の目的は、患者の十二指腸と膵臓に異なる波長の光を照射する治療器を提供することである。
【0010】
ただし、このような課題は、例示的なものであり、これにより、本発明が解決しようとする課題が限定されるわけではない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明は、患者の体内に挿入されるように延びて形成され、前記患者の十二指腸の粘膜のしわを広げるための送気部を備えたカテーテル、前記カテーテルが内挿されるように内部を貫通する通孔が設けられた内視鏡キャップ、前記内視鏡キャップの外側の一領域に配置され、少なくとも一領域が前記内視鏡キャップより前方に向かって突出するように配置されたフード、及び、前記内視鏡キャップとフードのそれぞれに配置された少なくとも1つのLEDを含むことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の治療器は、患者の臓器の表面や粘膜などを損傷することなく、光源が内蔵などの表面に広く接触することができる。
【0013】
また、本発明の治療器は、患者の十二指腸と膵臓に異なる波長の光を照射することができる。
【0014】
ただし、このような効果は、例示的なものであり、これにより本発明の効果が限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】糖尿病マウスにLED治療を行った場合と行わなかった場合との血液中の血糖量を比較した実験結果を示す図である。
【0016】
図2】本発明の一実施形態によるLED内視鏡キャップを用いた低レベルレーザー治療器を概略的に示す図である。
【0017】
図3図2の本体の一実施形態を概略的に示す図である。
【0018】
図4(a)】図2の本体を下から見た図である。
図4(b)】図2の本体を上から見た図である。
【0019】
図5】LEDが発する光を説明するための図である。
【0020】
図6】本発明によるLED内視鏡キャップを用いた低レベルレーザー治療器の使用例を説明するための図である。
【0021】
図7図3のXを拡大した図である。
【0022】
図8図2のLED内視鏡キャップを用いた低レベルレーザー治療器を側面から見た図である。
【0023】
図9図3のフードの一実施形態を示す図である。
【0024】
図10図3のフードの他の実施形態を示す図である。
【0025】
図11】本体の内部を説明するための図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
前記目的を達成するために、本発明は、患者の体内に挿入されるように延びて形成され、前記患者の十二指腸の粘膜のしわを広げるための送気部を備えたカテーテル、前記カテーテルが内挿されるように内部を貫通する通孔が設けられた内視鏡キャップ、前記内視鏡キャップの外側の一領域に配置され、少なくとも一領域が、前記内視鏡キャップより前方に向かって突出するように配置されたフード及び前記内視鏡キャップとフードのそれぞれに配置された少なくとも1つのLEDを含むことができる。
【0027】
また、前記フードは、関節構造で形成することができる。
【0028】
また、前記フードは、一端に曲面で形成される屈曲領域を含むことができる。
【0029】
また、前記内視鏡キャップの表面には、第1波長帯の第1光を照射する第1LEDが配置され、前記フードの表面には、第1波長帯とは異なる第2波長帯の第2光を照射する第2LEDを配置することができます。
【0030】
また、前記第1波長帯は、600~700nmの間の所定の波長帯であり、前記第2波長帯は、800~900nmの間の所定の波長帯であってもよい。
【0031】
さらに、前記フードは、少なくとも一領域が前記内視鏡キャップから所定の角度をなすように移動可能である。
【0032】
また、前記通孔の内部には、前記通孔の直径よりも小さい直径を有するバンドを挿入することができる。
【0033】
また、前記LEDは、量子ドットを光源とする量子ドットLEDとフレキシブルOLEDのうち、少なくとも一つを含むことができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は、様々な変換を加えることができ、様々な実施形態を有するので、特定の実施形態を図面に示し、詳細な説明に詳細に説明する。
本発明の効果及び特徴、並びにそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に後述する実施形態を参照することによって明らかになるであろう。
しかし、本発明は、以下に開示される実施形態に限定されるものではなく、様々な形態で実現することができる。
【0035】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明するが、図面を参照して説明するにあたり、同一又は対応する構成要素には、同一の図面符号を付与し、それについての重複する説明は省略する。
【0036】
以下の実施形態において第1、第2などの用語は、限定的な意味ではなく、ある構成要素を他の構成要素と区別する目的で使用された。
【0037】
以下の実施形態において、単数の表現には、文脈上明らかに他の意味を表さない限り、複数の表現が含まれる。
【0038】
以下の実施形態において、「含む」や「有する」などの用語は、明細書に記載された特徴又は構成要素が存在することを意味するものであり、1つ以上の他の特徴又は構成要素が付加される可能性を予め排除するものではない。
【0039】
図面においては、説明の便宜上、構成要素の大きさが誇張又は縮小されることがある。
例えば、図面に示す各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜上任意に示しているので、本発明は、必ずしも図示のものに限定されるものではない。
【0040】
以下の実施形態において、x軸、y軸及びz軸は、直交座標系上の3軸に限定されず、これらを含む広い意味で解釈することができる。
例えば、x軸、y軸、及びz軸は、互いに直交してもよいが、互いに直交せず異なる方向を指してもよい。
【0041】
ある実施形態の他の実現が可能な場合、特定の工程の順序は、説明される順序と異なる順序で行われてもよい。
例えば、連続して説明される2つの工程は、実質的に同時に実行されてもよく、説明される順序と逆の順序で行われてもよい。
【0042】
以下では、前述した原則に従って本発明によるLED内視鏡キャップを用いた治療器である低レベルレーザー治療器10について詳細に説明する。
【0043】
人体に有害な腸内細菌は、体内で短鎖脂肪酸(short-chain fatty acid)を減らし、これにより、十二指腸の粘膜を損傷させ、これによって人体に有害な腸内細菌から作られた代謝物が血流を介して全身に広がり、代謝性疾患などの様々な疾患を引き起こす問題がある。
【0044】
これを解決するために、本発明は、LEDを通じた光生体調節(photobiomodulation)治療機能を提供することができる。
例えば、本発明は、十二指腸内のマイクロバイオームを光生体調節(photobiomodulation)することによって人体に有害な腸内細菌(clostridium等)の成長を抑制し、人体に有用な腸内細菌(Bifidobacterium and Lactobacillus等)が十二指腸内に着床( photo microbiota transplant、PMT)するようにすることができる。
したがって、十二指腸の粘膜及び腸内細菌の環境改善効果により、第2型糖尿病、脂肪肝を含む代謝性疾患の治療効果や十二指腸におけるマイクロバイオームの腸内細菌不均衡による認知症などの神経疾患、心臓、がん疾患を改善する効果がある。
【0045】
結局、本発明は、PMTを通じて患者の十二指腸内の有害な細菌を減少させ、有益な細菌を増加させる効果がある。
【0046】
図1は、糖尿病マウスにLED治療を行った場合と行わなかった場合との血液中の血糖量を比較した実験結果を示す図である。
【0047】
図1に示した本発明によるLED内視鏡キャップを用いた低レベルレーザー治療器10(以下、レーザー治療器)を利用して糖尿病モデルマウスを対象に行った実験結果によれば、LED治療の結果として、発熱効果なしに光照射のみで血糖降下効果があることが確認できる。
【0048】
図2は、本発明の一実施形態によるレーザー治療器10を概略的に示す図である。
【0049】
図2を参照すると、本発明の一実施形態によるレーザー治療器10は、本体100、カテーテル200、及び、バッテリー300を含むことができる。
【0050】
カテーテル200は、患者の体内に挿入される手段であってもよい。
例えば、カテーテル200は、柔軟性を有する材料で形成される内視鏡管であってもよい。
【0051】
カテーテル200は、円形の断面を有する管の形状であってもよい。
または、カテーテル200は、多角形の断面を有する管の形状であってもよい。
【0052】
カテーテル200の一側には、後述するように、内視鏡キャップ110に連結されてもよい。
例えば、カテーテル200は、内視鏡キャップ110に形成された通孔111に挿入されてもよい。
【0053】
カテーテル200は、患者の体内に挿入され、内視鏡キャップ110の移動をガイドすることができる。
すなわち、カテーテル200が、患者の内部に挿入されると、カテーテル200の一側に連結された内視鏡キャップ110が一緒に移動するので、内視鏡キャップ110が患者の体内で移動する経路をガイドすることができる。
例えば、カテーテル200は、使用者の十二指腸に挿入されてもよい。
【0054】
本実施形態によるレーザー治療器は、一端とバッテリー300とが連結されてもよい。
バッテリー300は、医療用バッテリーであってもよく、レーザー治療器10は、それからレーザー治療のための電力を供給されてもよい。
【0055】
また、レーザー治療器10は、体外の端に結合される形態で、医療用高周波発生器又は低出力電力発生器から光照射に、必要な電力を供給されてもよい。
【0056】
本実施形態によるレーザー治療器10は、レーザー治療を行うことができる。
例えば、レーザー治療器10は、低レベルレーザー治療を行うことができる。
【0057】
レーザー治療器10の体外の端に電力が供給される場合、医療用高周波電流は、レーザー治療器10に直接供給されてもよく、このために、レーザー治療器10は、一実施形態として体外の端部に可変抵抗を変更する構成をさらに含むことができる。
例えば、レーザー治療器10の体外の端部の可変抵抗が上昇することにより、高周波電流は、低レベルレーザー治療に適した大きさの電流に切り替わることができる。
【0058】
選択的な実施形態として、レーザー治療器10は、他端に充電式バッテリーをさらに含むことができ、充電式バッテリーは、前述したバッテリー、例えば、医療用高周波発生器から供給されるエネルギーを用いて急速電源300を充電することができる。
【0059】
一実施形態として、レーザー治療器10は、適切な電力が供給されるまで予備モードで維持されてもよく、適切な電力が供給されると、施術者によって施術モードに変更されてもよい。
このために、選択的な実施形態として、レーザー治療器10は、予備モードを施術モードに変更するためのスイッチを含むことができる。
例えば、スイッチはペダル、ボタン、回転式スイッチであってもよい。
ただし、これに限定されるものではない。
【0060】
レーザー治療器10のレーザーの照射は、パルスモードであってもよく、持続的な照射モードであってもよい。
例えば、レーザー治療器10で照射される光は、周期を有するように強度の変化が伴った光であってもよく、照射と中止が周期的に繰り返される光であってもよく、持続的に照射される光であってもよい。
【0061】
選択的な実施形態として、レーザー治療器10は、レーザー治療時間を制御するためのタイマーをさらに含むことができる。
【0062】
図3は、図2の本体100の実施形態を概略的に示す図である。
【0063】
図3を参照すると、本体100は、内視鏡キャップ110とフード120とを含むことができる。
【0064】
一実施形態として、本発明によるレーザー治療器は、患者の体内に挿入されるように延びて形成され、送気部を備えたカテーテル200、前記カテーテル200が内挿されるように内部を貫通する通孔111が設けられた内視鏡キャップ110、前記内視鏡キャップ110の外側一領域に配置され、少なくとも一領域が、前記内視鏡キャップ110より前方に向かって突出するように配置されたフード120及び前記内視鏡キャップ110とフード120のそれぞれに配置された少なくとも1つのLEDを含むことができる。
【0065】
前述したように、カテーテル200は、患者の体内に挿入される手段であってもよい。
【0066】
一実施形態として、カテーテル200は、送気部を含むことができる。
送気部は、患者の十二指腸の内部で送気(air insufflation)を介して十二指腸の粘膜のしわを広げるための手段であってもよく、例えば、レーザー治療器10が、接触する部位の十二指腸の粘膜のしわを広げるための手段であってもよい。
これにより、送気部を介して広がった十二指腸の粘膜の広い面積に、光を照射することができ、光照射効率を向上させることができる。
【0067】
言い換えれば、送気部は、十二指腸の粘膜のしわを広げて光源の効果を向上させることができ、具体的には、光照射に用いられる光源が面光源である場合、面光源の効果を最大化することができる。
【0068】
内視鏡キャップ110は、カテーテル200を挿入するための手段であってもよい。
【0069】
一実施形態として、内視鏡キャップ110は、カテーテル200が内挿できるように内部を貫通する通孔111を含むことができる。
例えば、通孔111は、カテーテル200が内挿できる長さを有するように内視鏡キャップ110の内部に形成されてもよい。
したがって、カテーテル200は、通孔111に一定の長さ分挿入され、しっかりと固定することができる。
【0070】
このように、内視鏡キャップ110には、通孔111が形成され、カテーテル200が挿入できる構造であるので、結局、本発明によるレーザー治療器は、モジュール化された構造で形成されてもよい。
例えば、施術者は、施術目的によって、本体100をカテーテル200と結合して使用するか否かを選択することができる。
【0071】
内視鏡キャップ110は、外側面が曲面で形成されてもよく、例えば、概略的に円柱状の形状で形成されてもよい。
したがって、患者の体内に挿入される場合、角状に突出した部分がないため、十二指腸の粘膜など患者の臓器の粘膜などを損傷する危険を軽減することができる。
【0072】
また、内視鏡キャップ110の外側面は曲面で形成されるため、後述するように、第1LED112は、内視鏡キャップ110の表面に沿って放射状に配置されてもよく、十二指腸の下部粘膜の広い面積に第1光L1を照射してもよい。
このような曲面構造と十二指腸の屈曲、粘膜のシワを考慮して、後述するように、光源、例えば、OLEDを用いた面光源が、曲面フード120に配置されてもよい。
【0073】
また、内視鏡キャップ110は、透明な材料で形成されてもよい。
例えば、内視鏡キャップ110は、透明キャップであってもよい。
【0074】
フード120は、内視鏡キャップ110の外側の一領域に配置される構成であってもよい。
例えば、フード120は、内視鏡キャップ110の外側に結合されるが、少なくとも一領域が内視鏡キャップ110より前方に向かって突出するように形成されてもよい。
【0075】
一実施形態として、フード120は、図3を基準に内視鏡キャップ110の上側に配置されてもよい。
したがって、後述するように、本体100が患者の十二指腸内に挿入された後、フード120に配置された第2LED121は、十二指腸の内部において上側、例えば、十二指腸の上部粘膜及び膵臓に向かって第2光L2を照射することができる。
【0076】
このとき、内視鏡キャップ110は、上側にはフード120が配置されるので、内視鏡キャップ110の下側面に第1LED112が配置されてもよい。
したがって、本体100が、患者の十二指腸内に挿入された後、内視鏡キャップ110に配置された第1LED112は、十二指腸の内部で下側、例えば、十二指腸の下部粘膜に向かって第1光L1を照射することができる。
【0077】
したがって、本体100が、患者の十二指腸内に挿入された後、上側と下側にそれぞれ異なる光を照射することができ、必要に応じて異なる波長帯を有する光を、それぞれ照射することができる。
すなわち、1つの装置を患者の体内に挿入した状態で、本体100を基準に上部と下部に同時治療が可能である。
また、本体100の上側と下側に異なる波長帯の光を照射するLEDを配置して、異なる効果を有する治療を行うことができる。
また、量子ドット光源を用いて、所望の光波長への切り替えを施行することができる。
これに関する詳細は、後述する。
【0078】
フード120は、表面が曲率を有する曲面で形成されてもよい。
例えば、フードは、上面に向かって突出するように形成された板状の翼状で形成されてもよい。
したがって、フード120が内視鏡キャップ110に結合された状態の本体100の全体的な形状は、概略的な柱状で形成されてもよい。
これにより、本体100が患者の体内に進入する場合でも、十二指腸又はそれ以外の臓器の粘膜などを損傷する危険が低減される。
【0079】
一実施形態として、フード120は、関節構造で形成されてもよい。
例えば、フード120は、少なくとも1つ以上の関節を含んで構成することができる。
フード120は、少なくとも1つの関節を含めて柔軟性を有することができるため、患者の十二指腸内に挿入される場合、周囲粘膜の損傷を最小限に抑えることができる。
【0080】
例えば、フード120は、複数の関節を含むが、長手方向とその垂直方向の両方に柔軟性を有することができる。
すなわち、フード120は、長手方向に屈曲するように曲がってもよく、幅方向に屈曲するように曲がってもよい。
【0081】
また、後述するように、フード120は、関節構造で形成され、少なくとも一領域が膵臓が位置する方向に持ち上げられてもよく、例えば、長手方向に屈曲するように曲がって持ち上げられてもよい。
【0082】
フード120は、患者の十二指腸内に容易に挿入され、治療を行うために4~6cmの長さで形成されてもよい。
フード120の長さが4cm未満で形成される場合、フード120の表面に第2LED121が十分に配置されないため、第2光L2の照射範囲が狭くなる問題が発生する。
また、フード120の長さが6cmより長く形成される場合、患者の十二指腸内に容易に進入しにくくなり、進入中に周囲粘膜を損傷させる危険性が上昇する問題がある。
【0083】
図4(a)は、図2の本体100を下から見た図であり、図4(b)は、図2の本体100を上から見た図であり、図5は、LEDが発する光を説明するのための図である。
【0084】
図4(a)を参照すると、内視鏡キャップ110には、少なくとも1つの第1LED112が配置されてもよい。
例えば、内視鏡キャップ110の下側の表面には、少なくとも1つの第1LED112が配置されてもよい。
【0085】
第1LED112は、第1波長帯の第1光L1を照射する手段であってもよい。
例えば、第1LED112は、内視鏡キャップ110の曲面構造に最適化できるように点光源であってもよく、具体的には、第1LED112は、miniLED、microLED、OLEDであってもよい。
したがって、第1LED112を含む内視鏡キャップ110は、小型化することができ、患者の体内で適切な施術を行うことができる。
選択的な実施形態として、第1LED112は、量子ドット(quantum dot)を光源とする量子ドットLEDである。
したがって、粒子の大きさのみを調整することにより、第1LED112を介して照射する第1光L1の振動数及び波長を効率的に制御することができ、消費される電力を低減することができる。
すなわち、第1LED112が量子ドットLEDである場合、光波長の切り替えは、比較的に自由である。
【0086】
第1LED112は、内視鏡キャップ110の表面に複数個配置されてもよい。
例えば、第1LED112は、内視鏡キャップ110の表面に放射状に配置されるが、複数の列と行をなすように配置されてもよい。
【0087】
したがって、図5に示すように、第1LED112から照射される第1光L1は、内視鏡キャップ110から一直線方向にのみ照射されるのではなく放射状に照射され、十二指腸の下部粘膜の広い面積に照射されてもよい。
【0088】
他の実施形態として、第1LED112は、フレキシブル(flexible)LEDであってもよく、例えば、フレキシブルOLEDであってもよい。
すなわち、第1LED112は、OLEDを用いた面光源を内視鏡キャップ110の表面に配置したものであってもよい。
したがって、第1LED112を内視鏡キャップ110の表面に容易に配置することができ、内視鏡キャップ110の表面の形状と対応するように第1LED112が、曲面をなすように配置することができるので、十二指腸の下部粘膜に第1光L1を効率的に照射することができる。
【0089】
さらに他の選択的な実施形態として、第1LED112は、量子ドットLEDとフレキシブルOLEDが、波長ごとに独立して配置されたものであってもよい。
例えば、波長ごとに量子ドットLEDとフレキシブルOLEDが内視鏡キャップ110の表面に独立して配置されてもよい。
したがって、第1LED112は、所望の波長の光を十二指腸の所望の部位に照射することができ、治療効率を向上させることができる。
【0090】
さらに他の選択的な実施形態として、第1LED112は、量子ドットLEDとフレキシブルOLEDとが、混合されたハイブリッド形態で配置されたものであってもよい。
したがって、第1LED112は、十二指腸の下部粘膜に効率的に第1光L1を照射することができ、治療効率を向上させることができる。
【0091】
図4(b)を参照すると、フード120には、少なくとも1つの第2LED121を配置することができる。
例えば、フード120の上側の表面には、少なくとも1つの第2LED121を配置することができる。
【0092】
第2LED121は、第2波長帯の第2光L2を照射する手段であってもよい。
例えば、第2LED121は、フード120の曲面構造に最適化できるように点光源であってもよく、具体的には、第2のLED121は、miniLED、microLED、OLEDであってもよい。
したがって、第2LED121を含むフード120は、小型化することができ、患者の体内で適切な施術を行うことができる。
【0093】
選択的な実施形態として、第2LED121は、量子ドット(quantum dot)を光源とする量子ドットLEDである。
したがって、粒子の大きさのみを調整することにより、第2LED121を介して照射する第2光L2の振動数及び波長を効率的に制御することができ、消費される電力を低減することができる。
すなわち、第2LED121が量子ドットLEDである場合、光波長の切り替えは、比較的に自由である。
【0094】
第2LED121は、フード120の表面に複数個配置されてもよい。
例えば、第2LED121は、フード120の表面に放射状に配置されるが、複数の列と行をなすように配置されてもよい。
【0095】
したがって、図5に示すように、第2LED121から照射される第2光L2は、フード120から一直線方向にのみ照射されるのではなく放射状に照射され、十二指腸の上部粘膜の広い面積に照射することができ、さらには、膵臓にまで照射することができる。
【0096】
他の実施形態として、第2LED121は、フレキシブルLEDであってもよく、例えば、フレキシブルOLEDであってもよい。
すなわち、第2LED121は、OLEDを用いた面光源をフード120の表面に配置したものである。
したがって、第2LED121をフード120の表面に容易に配置することができ、フード120の表面の形状に対応するように第2LED121が曲面をなすように配置することができるので、十二指腸の上部粘膜に第2光L2を効率的に照射することができる。
【0097】
さらに他の選択的な実施形態として、第2LED121は、量子ドットLEDとフレキシブルOLEDが波長ごとに独立して配置されたものであってもよい。
例えば、波長ごとに量子ドットLEDとフレキシブルOLEDが、フード120の表面に独立して配置されてもよい。
したがって、第2LED121は、所望の波長の光を十二指腸の所望の部位に照射することができ、治療効率を向上させることができる。
【0098】
さらに他の選択的な実施形態として、第2LED121は、量子ドットLEDとフレキシブルOLEDとが混合されたハイブリッド形態で配置されたものであってもよい。
したがって、第2LED121は、十二指腸の上部粘膜に効率的に第2光L2を照射することができ、治療効率を向上させることができる。
【0099】
図5を参照すると、内視鏡キャップ110に配置された第1LED112は、第1光L1を照射することができ、フード120に配置された第2LED121は、第2光L2を照射することができる。
【0100】
前述したように、第1LED112と第2LED121は、概略的に反対方向に配置され、それぞれ上側と下側に向かって光を照射することができる。
これにより、異なる波長帯を有する光が異なる方向に照射されてもい。
【0101】
内視鏡キャップ110の表面には、第1波長帯の第1光L1を照射する第1LED112が配置されてもよく、フード120の表面には、第1波長帯とは異なる第2波長帯の第2光L2を照射する第2LED121が配置されてもよい。
【0102】
第1光L1と第2光L2は、十二指腸の粘膜又は膵臓の細胞再生治療のために照射される光である。
【0103】
一実施形態として、第1波長帯は、600~700nmの間の所定の波長帯であってもよく、第2波長帯は、800~900nmの間の所定の波長帯であってもよい。
【0104】
第1光L1は、第1波長帯の波長帯を有し、十二指腸の下部粘膜に向かって照射される光であり、表面温度が比較的に高いことがある。
したがって、第1光L1を照射することにより、光線力学的療法だけでなく、効率的な光熱療法の効果も同時に期待することができる。
【0105】
第2光L2は、第2波長帯の波長帯を有し、十二指腸の上部粘膜に向かって照射される光であり、エネルギー効率に比べて透過力が高い。
したがって、第2光L2が、十二指腸の上部粘膜に向かって照射される場合、十二指腸の上側に位置する膵臓まで第2光L2が到達することができ、細胞再生治療、すなわち、wound healingが可能である。
【0106】
選択的な実施形態として、第1波長帯と第2波長帯の分布比率は、2:1又は3:1である。
例えば、第1光L1と第2光L2の分布比率は、2:1、又は、3:1であってもよい。
これを通して、レーザー治療器10の治療効率を、さらに向上させることができる。
【0107】
本発明によれば、1つの装置を介して複数の波長帯を有する光を異なる方向に照射することにより、効率的な治療が可能となる。
例えば、第1光L1は、十二指腸の下部粘膜に向かって照射され、第2光L2は、十二指腸の上部粘膜に向かって照射されるので、十二指腸及び膵臓細胞の再生を促し、GIPなど糖尿病関連のホルモン分泌に関与する細胞の細胞機能を抑制することができ、正常細胞への再生を促すことができる。
すなわち、十二指腸の表面にLEDを介した光を照射することにより、正常細胞のミトコンドリアの機能を改善し、ATP生成増加などを通じてK細胞の機能を抑制し、正常十二指腸及び膵臓細胞の再生を促すことができる。
また、本発明によれば、効率的なPMT(photo microbiota transplant)を介して小腸内の正常常在菌の機能改善と糖尿病及び代謝性疾患関連の異常常在菌の増殖を抑制し、第2型糖尿病及び代謝性疾患治療を行うことができる。
【0108】
図6は、本発明によるLED内視鏡キャップを用いた低レベルレーザー治療器10の使用例を説明するための図である。
【0109】
図6を参照すると、本体100は、十二指腸(duodenum)の内側に挿入され、十二指腸の上部粘膜及び膵臓(pancreas)と十二指腸の下部粘膜に光を照射することができる。
【0110】
選択的な実施形態として、本体100が患者の十二指腸に挿入され、フード120が十二指腸の上部粘膜に接触する場合、送気部は、送気量を減少させることができる。
例えば、施術者は、フード120が所望の部位に接触すると、送気部を介して送気量(air insufflation)を減少させることができる。
このとき、送気量が減少するにつれて十二指腸の内腔は、収縮することができ、これにより十二指腸の上部粘膜は、フード120とより広い面積で接触することができる。
また、前述したように、フード120は、関節構造で形成されて柔軟性を有するため、送気量が減少する場合、フード120は、十二指腸の上部粘膜とより広い面積で接触することができる。
また、一実施形態として、フード120は、透明キャップ構造で構成され、十二指腸の粘膜に密着する程度をリアルタイムで把握することができる。
【0111】
図7は、図3のXを拡大した図である。
【0112】
図7を参照すると、フード120は、一端に曲面として形成された屈曲領域122を含むことができる。
【0113】
本体100は、カテーテル200に連結されて患者の体内に挿入される。
したがって、本体100が体内に挿入される過程で、臓器の粘膜や臓器の表面を損傷するという問題が発生する。
したがって、そのような損傷を最小限に抑えるために、本体100を構成する表面は、曲面に形成されてもよい。
【0114】
屈曲領域122は、フード120の一端に形成されてもよく、例えば、屈曲領域122はフード120の最前端部に形成されてもよい。
【0115】
屈曲領域122は、フード120の最前端部に位置し、曲面で滑らかに形成され、十二指腸または他の腸の粘膜と接触する場合、自然に滑ることができる。
【0116】
したがって、本体100が患者の十二指腸に向かって進入する場合、本体100の最前端に位置するフード120の最前端部が、周囲の粘膜に真っ先にかつ多く接触する特性上、フード120の最先端部に屈曲領域122を形成することにより、粘膜の損傷を最小限に抑えることができる。
【0117】
図8は、図2のLED内視鏡キャップを用いた低レベルレーザー治療器10を側面から見た図である。
【0118】
図8を参照すると、フード120は、内視鏡キャップ110の外側一領域に配置され、少なくとも一領域は、内視鏡キャップ110より前方に向かって突出するように配置されてもよい。
ここで、前方とは、フード120の長手方向を意味するものであり、カテーテル200が連結された部分の反対方向を意味し、図8を基準に右を意味する。
【0119】
再び図6を参照すると、十二指腸の内腔に本体100が、挿入される方向を考慮すると、膵臓、及び、十二指腸の上部粘膜に光を照射するためには、下部粘膜に比べてより深い位置でレーザーを照射することが望ましい。
ただし、このために、本体100をより深い位置まで挿入する場合、むしろ、十二指腸の下部粘膜にレーザーが十分に照射されない問題が発生する。
【0120】
これを解決するために、フード120と内視鏡キャップ110は、比較的に位置が異なることがあり、例えば、フード120の少なくとも一領域は、内視鏡キャップ110より前方に向かって突出するように配置されもよい。
【0121】
これにより、フード120に配置された第2LED121は、内視鏡キャップ110に配置された第1LED112より比較的に十二指腸の深い位置に配置される。
したがって、第2LED121は、第2光L2を十二指腸の上部粘膜及び膵臓の広い面積に照射することができ、第1LED112は、第1光L1を十二指腸の下部粘膜の広い面積に照射することができる。
【0122】
図9は、図3のフード120の一実施形態を示す図であり、図10は、図3のフード120の他の実施形態を示す図である。
【0123】
再び図6を参照すると、十二指腸の内部は屈曲するように形成されているので、フード120が、上部粘膜とできるだけ広い面積に接触するためには、フード120の角度が変更されることが望ましい。
例えば、本体100が、十二指腸の内部に位置した状態でフード120と内視鏡キャップ110の間に角度が形成されるように配置される場合、フード120に配置されたLEDは、上部粘膜の広い面積に接触することができ、内視鏡キャップ110に配置されたLEDは、依然として十二指腸の下部粘膜に向かって用いられる。
【0124】
したがって、このためにフード120は、少なくとも一領域が内視鏡キャップ110から所定の角度をなすように移動可能である。
【0125】
図9を参照すると、フード120は、一側が内視鏡キャップ110に結合され固定された状態で回転可能である。
例えば、フード120は、内視鏡キャップ110とヒンジ結合することができる。
このとき、ヒンジ結合された部分は、フード120の回転軸とする。
【0126】
一実施形態として、フード120の回転角A1は、5~15°である。
フード120の回転角が5°以下の場合、フード120に配置されたLEDが上部粘膜と適切な面積以上に接触されないという問題が発生する。
また、フード120の回転角が15°以上の場合、むしろ、上部粘膜とフード120の接触面積が減少するという問題が発生する。
【0127】
図10を参照すると、フード120は、前方の一部領域が屈曲するように曲がってもよい。
例えば、フード120が、内視鏡キャップ110と結合する部分は、曲がらないまま維持されてもよく、他方は、上部粘膜に向かった方向に曲がってもよい。
【0128】
一実施形態として、このときフード120の前部が曲がる角度は、5~15°である。
フード120の前部が5°以下に曲がる場合、フード120に配置されたLEDが上部粘膜と適切な面積以上に接触されないという問題が発生する。
また、フード120の前部の曲がる角度が15°以上である場合、むしろ、上部粘膜とフード120とが接触する面積が減少するという問題が発生する。
【0129】
図11は、本体100の内部を説明するための図である。
【0130】
図11を参照すると、本発明の一実施形態によるレーザー治療器は、バンド130をさらに含むことができる。
【0131】
例えば、通孔111の内部には、通孔111の直径より小さい直径を有するバンド130が挿入されてもよい。
【0132】
一般に、内視鏡に用いられる管は、規格が多様であるため、必要に応じて様々な管を挿入して固定することが望ましい。
したがって、通孔111の直径より小さい直径のカテーテル200が挿入される場合、カテーテル200をしっかりと固定するために通孔111の内部には、通孔111の直径より小さい直径を有するバンド130が挿入されてもよい。
すなわち、通孔111の内部にバンド130が挿入されることにより、本実施形態によるレーザー治療器10は、様々な直径の内視鏡と互換できる。
【0133】
一実施形態として、カテーテル200を容易に挿入することができ、挿入されたカテーテル200をしっかりと固定するために、バンド130は、延性材料で形成されてもよい。
例えば、バンド130は、シリコン材料で形成することができる。
【0134】
一実施形態として、バンド130は、リング状に形成することができる。
例えば、円形の穴で、形成されたリング状に形成することができる。
ただし、これに限定されるものではなく、通孔111に挿入されたカテーテル200を、容易に固定できる構造であれば採択することができる。
【0135】
選択的な実施形態として、バンド130は、内視鏡キャップ110に形成された通孔111の内側に着脱できるように挿入することができる。
例えば、施術者が比較的に小さい直径のカテーテル200を使用する場合、バンド130を通孔111の内部に挿入し、カテーテル200が、しっかりと挿入または固定されるようにしてもよい。
これとは逆に、施術者が、比較的に大きな直径のカテーテル200を使用する場合、バンド130を通孔111に挿入しない状態で、カテーテル200を直接通孔111の内部に挿入して利用することができる。
【0136】
このように、本発明は、図面に示された実施形態を参照して説明されたが、これは、例示的なものに過ぎず、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、これから様々な変形及び均等な他の実施形態が可能であることを理解するはずである。
したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、添付の特許請求範囲の技術的思想によって定められるべきである。
【0137】
実施形態で説明する特定の実行は、一実施形態であり、いかなる方法でも、実施形態の範囲を限定するものではない。
本明細書の簡潔さのために、従来の電子構成、制御システム、ソフトウェア、前記システムの他の機能的な側面に対する記載は、省略することができる。
さらに、図面に示されている構成要素間の線の連結又は連結部材は、機能的連結及び/又は物理的又は回路的連結を例示的に示したものであり、実際の装置では、代替可能か、追加の様々な機能的連結、物理的連結、又は回路連結として表示することができる。
さらに、「必須」、「重要」などの具体的な言及がなければ、本発明の適用において必ずしも必要な構成要素ではない可能性がある。
【0138】
実施形態の明細書(特に特許請求の範囲)における「前記」という用語及びそれに類似した指示用語の使用は、単数及び複数の両方に該当するものである。
また、実施形態において範囲(range)を記載した場合、前記範囲に属する個別の値を適用した発明を含むものであり(これに反する記載がない場合)、詳細の説明に前記範囲を構成する各個別の値を記載したものと同様である。
最後に、実施形態による方法を構成するステップに関して、明白な順序の記載又はそれに反する記載がなければ、前記ステップは適切な順序で行われてもよい。必ずしも前記ステップの記載順序によって実施形態が限定されるものではない。
実施形態における全ての例又は例示的な用語(例えば、など)の使用は、単に実施形態を詳細に説明するためのものであり、特許請求の範囲により限定されない限り、前記例又は例示的な用語により実施形態の範囲が限定されるわけではない。
さらに、当業者は、様々な修正、組み合わせ及び変更が追加された特許請求の範囲、又はその均等物の範疇内で設計条件及び要因に応じて構成できることを理解するであろう。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明の一実施形態によれば、LED内視鏡キャップを用いた低レベルレーザー治療器を提供する。また、産業上利用する低レベルレーザー治療器に本発明の実施形態を適用することができる。

図1
図2
図3
図4(a)】
図4(b)】
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11