(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】洗浄システム
(51)【国際特許分類】
A47L 15/42 20060101AFI20241125BHJP
【FI】
A47L15/42 D
A47L15/42 A
(21)【出願番号】P 2024089952
(22)【出願日】2024-06-03
【審査請求日】2024-10-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524210105
【氏名又は名称】株式会社タイビックス
(74)【代理人】
【識別番号】110003524
【氏名又は名称】弁理士法人愛宕綜合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸田 隆士
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-244447(JP,A)
【文献】実開平07-033251(JP,U)
【文献】実開昭63-015956(JP,U)
【文献】特開2010-036950(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 15/00~15/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
純水を使用してグラス、シルバー類を洗浄する食器洗浄機と、該食器洗浄機に隣接して配設されたシンクとを備えた洗浄システムであって、
該洗浄システムは、
該食器洗浄機に純水を供給する純水供給装置と、
該シンクにオゾン水を供給するオゾン水供給装置と、を備え、
該シンクは、該食器洗浄機に投入される一般食器類を該シンクに供給されたオゾン水によって予洗いをするための予洗い槽を備え、
該予洗い槽で予洗いされた一般食器類と、グラス、シルバー類とが該食器洗浄機に投入されて、純水を使用して該グラス、シルバー類を洗浄する際の洗浄条件で一般食器類も同時に洗浄される洗浄システム。
【請求項2】
該シンクには、該オゾン水供給装置から供給されたオゾン水を散水可能な散水手段が配設されている請求項1に記載の洗浄システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、純水を使用してグラス及びシルバー類を洗浄する食器洗浄機と、該食器洗浄機に隣接して配設されたシンクとを備えた洗浄システムに関する。
【背景技術】
【0002】
食器を洗浄する食器洗浄機として、例えば特許文献1に記載されたドアタイプ食器洗浄機が知られている。この食器洗浄機は、ドアを開閉して汚れた食器を入れたラックを洗浄室内に収容し、洗浄液を含む洗浄水を噴射して汚れを落とし、その後、すすぎ水を噴射して残留した洗剤を除去すると共に乾燥を行う。洗浄水及びすすぎ水としては、水道水のような上水が用いられている。
【0003】
食器は大別して、コップ、グラスなどガラス製のグラス、ナイフ、フォーク、スプーンなどステンレススチール製またはめっき処理製のシルバー類、そして、その他の陶磁器製、プラスチック製の皿、椀等を含む一般食器類に分けられる。
【0004】
上記したグラス、シルバー類と、一般食器類とを、例えば上記の特許文献1に記載された従来の食器洗浄機にて洗浄した場合、グラス、シルバー類は、素材の性質上、他の一般食器類の汚れやにおいが移り易く、また上水に含まれるミネラル分などに起因する汚れ、斑点状のウオータスポットが残り易い。したがって、グラス、シルバー類の洗浄においては、綺麗に仕上げるための、別途手洗い、手拭き磨きなど、人手による仕上げが必要になり、洗浄に時間がかかる、洗浄コストが高くなる、必ずしも衛生的とはいえない、などの問題があった。
【0005】
上記した問題に対処すべく、一つのゾーンにおいて順次に洗浄水およびすすぎ水を噴射し食器を洗浄する給水源として上水を備えた単ゾーン型の食器洗浄機であって、上水を純水に精製する純水器を備え、すすぎ水として該上水または純水のいずれかを選択可能に構成して、グラス、シルバー類を洗浄する際には、すすぎ水として純水を使用することができ、一般食器類を洗浄する場合には、上水をすすぎ水として使用すると共に、洗浄条件を変更して洗浄を実施する食器洗浄機が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平09-131292号公報
【文献】特開2007-244447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記した特許文献2に記載された技術によって、グラス、シルバー類を洗浄する際には、少なくともすすぎに使用する水として純水を選択して洗浄室に供給することで、上水に含まれるミネラル分などに起因する斑点状のウオータスポットを発生させることなく効果的に洗浄することができ、手洗い、手拭き磨きなどの人手による仕上げの必要がなくなり、仕上げに時間がかかる、洗浄コストが高くなる、などの問題が解決される。
【0008】
しかしながら、上記した特許文献2に記載された食器洗浄機では、グラス、シルバー類と一緒に一般食器類を洗浄室に投入すると、一般食器類の汚れや臭気がグラス、シルバー類に移ることを完全に防止することができないという問題がある。さらに、一般食器類を洗浄する際には、油汚れや臭気を除去すべく、洗浄水の温度をグラス、シルバー類を洗浄する場合と比べて高く設定する必要があるのに対し、クリスタルガラスを材料とするグラスは、高温の洗浄水を用いた場合に、白化現象を起こす問題があることから、グラス、シルバー類を洗浄する場合と、一般食器類を洗浄する場合とで、洗浄条件を変えて別々に洗浄する必要がある。したがって、グラス、シルバー類と、一般食器類とを1台の食器洗浄機を使用して洗浄する場合には、非効率であるという問題がある。
【0009】
さらに、飲食店等においては、大量のグラス、シルバー類と、一般食器類とを洗浄する必要があることから、結局、一般食器類を洗浄する食器洗浄機と、グラス、シルバー類を洗浄する食器洗浄機とを別々に用意しなければならず、不経済であるという問題も生じる。
【0010】
本発明は、上記事実に鑑みなされたものであり、その主たる技術課題は、グラス、シルバー類と一般食器類とを同時に洗浄しても、一般食器類を十分に洗浄すると共に、一般食器類の油汚れや臭気がグラス、シルバー類に移らず、グラス、シルバー類の仕上げ磨き等が不要な洗浄システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、純水を使用してグラス、シルバー類を洗浄する食器洗浄機と、該食器洗浄機に隣接して配設されたシンクとを備えた洗浄システムであって、該洗浄システムは、該食器洗浄機に純水を供給する純水供給装置と、該シンクにオゾン水を供給するオゾン水供給装置と、を備え、該シンクは、該食器洗浄機に投入される一般食器類を該シンクに供給されたオゾン水によって予洗いをするための予洗い槽を備え、該予洗い槽で予洗いされた一般食器類と、グラス、シルバー類とが該食器洗浄機に投入されて、純水を使用して該グラス、シルバー類を洗浄する際の洗浄条件で一般食器類も同時に洗浄される洗浄システムが提供される。
【0012】
該シンクには、該オゾン水供給装置から供給されたオゾン水を散水可能な散水手段が配設されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の洗浄システムは、純水を使用してグラス、シルバー類を洗浄する食器洗浄機と、該食器洗浄機に隣接して配設されたシンクとを備えた洗浄システムであって、該洗浄システムは、該食器洗浄機に純水を供給する純水供給装置と、該シンクにオゾン水を供給するオゾン水供給装置と、を備え、該シンクは、該食器洗浄機に投入される一般食器類を該シンクに供給されたオゾン水によって予洗いをするための予洗い槽を備え、該予洗い槽で予洗いされた一般食器類と、グラス、シルバー類とが該食器洗浄機に投入されて、純水を使用して該グラス、シルバー類を洗浄する際の洗浄条件で一般食器類も同時に洗浄されることから、該食器洗浄機による洗浄が、グラス、シルバー類に適した洗浄条件で洗浄されたとしても、一般食器類の汚れが十分に落とされると共に、一般食器類からグラス、シルバー類に対してにおい移りが発生せず、且つグラス、シルバー類の表面に、斑点状のウオータスポット等が残らない光輝く仕上がりを得ることができる。すなわち、グラス、シルバー類と一般食器類とを区別して、別々に洗浄する必要がなく経済的であるという効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態の洗浄システムを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に基づいて構成される洗浄システムに係る実施形態について、添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0016】
図1には、本実施形態の洗浄システム1の概略図が示されている。洗浄システム1は、純水を使用して洗浄、すすぎを実施するグラス、シルバー類を洗浄するのに好適な食器洗浄機2と、該食器洗浄機2に隣接して配設されたシンク3とを備えている。図示の実施形態では、食器洗浄機2は第一ラック棚10に載置され、シンク3は第二ラック棚12上に載置されている。食器洗浄機2とシンク3との間には、食器洗浄機2の洗浄室21を開閉する開閉扉2aを受け止めるテーブル13が配設されているが、テーブル13は省略してもよい。
【0017】
該洗浄システム1は、該食器洗浄機2に純水を供給するための純水供給装置4を備えている。該純水供給装置4は、上水L0を純水L1に精製し、該食器洗浄機2に供給する。純水供給装置4には、外部の水道のような上水供給手段100から経路P1を介して上水L0が導入される。なお、本実施形態の上水供給手段100から導入される上水L0は、常温のままでもよいが、上水供給手段100に給湯機能が備えられている場合は、加温した状態で純水供給装置4に導入してもよい。その場合は、40℃未満であることが好ましい。
【0018】
純水供給装置4は、周知の純水供給手段から選択可能であり、例えば、給水フィルターで上水L0を濾過して不純物等を除去すると共に、逆浸透膜(RO膜)、又はイオン交換樹脂膜を通すことにより上水L0を純水L1に精製する。純水供給装置4にて精製された純水L1は、給湯器5に導入されて所望の温度に調整されて、食器洗浄機2に供給される。
【0019】
該食器洗浄機2は、開閉扉2aによって開閉される開口部2bを備えると共に、洗浄水、すすぎ水が供給される洗浄室21と、食器洗浄機2を構成する貯留タンク、圧送ポンプ、洗浄液タンク、リンス剤タンク、制御回路等(いずれも図示は省略する)を含む収納室22とを含み構成される。なお、図示の実施形態では、純水供給装置4及び給湯器5を食器洗浄機2の外部に配設しているが、本発明は、純水供給装置4及び給湯器5を食器洗浄機2の収納室22の内部に配設することを除外するものではない。
【0020】
該洗浄室21の内部には、洗浄ノズルと、すすぎノズルとが配設されている(いずれも図示していない)。該洗浄ノズルには、該貯留タンクに貯留された洗浄水が、洗浄に適した温度(例えば55℃以上、より好ましくは60℃前後)に加熱されて供給される。該洗浄水は、好ましくはクリスタルガラスを使用したグラスが白化し難い60℃以下の温度(例えば55℃)に調整されると共に、洗浄液が混入されて、ポンプによって圧送され該洗浄ノズルから洗浄室21内に噴射される。該洗浄ノズルから洗浄室21内に噴射された洗浄水は、該貯留タンクに落下して適宜の濾過手段によって濾過されながら、洗浄水として洗浄ノズルから噴射されて、食器洗浄機2内を循環する。該貯留タンクに貯留された洗浄水は、洗浄毎に一定量を汚染水L3として図示の経路P2を介して排水し、清浄な純水に一部入れ替える。なお、該洗浄水ノズルから噴射する洗浄水は、必ずしも純水である必要はなく、上水供給手段100から供給される上水L0を上記した所定の温度(例えば55℃)に加熱して食器洗浄機2に導入し、該洗浄水ノズルから噴射してもよい。
【0021】
該洗浄水ノズルから所定時間洗浄水を噴射した後に、該すすぎノズルから純水L1を洗浄室21内の食器類に噴射する。該すすぎノズルから噴射される純水L1は、上記した純水供給装置4から供給された純水L1であり、好ましくは収納室22に配設された上記のリンス剤タンクからリンス剤が添加されて、洗浄室21内に噴射される。該すすぎノズルから噴射される純水L1の温度は、例えば60℃前後に設定されて、洗浄室21内に所定時間(例えば10~15秒)噴射される。これにより、洗浄室21内で洗浄される食器類に付着した洗浄水が除去される。また、該すすぎノズルから供給される純水L1には、リンス剤が添加されていることから、洗浄及びすすぎを実施した後に実施される乾燥工程が、該リンス剤の効果により良好に促進される。
【0022】
本実施形態において採用される食器洗浄機2は、食器洗浄機2内で作動する電装部品、例えばポンプを駆動するモータ等が100V仕様で設計されており、200V電源が取れない小規模な飲食店においても容易に導入することが可能である。また、食器洗浄機2内において洗浄水、すすぎ水が流動する箇所には、耐食性を考慮して、オーステナイト系ステンレス、例えばSUS304を材料とした部材を使用している。これにより、純水を使用して洗浄を繰り返し実施したとしても、錆等が発生する問題が回避される。なお、本発明は、上記したように100V仕様で設計されたコンパクトな食器洗浄機2を使用することに限定されず、例えば200V仕様で設計された、いわゆるボックスタイプと称される大型の食器洗浄機であってもよい。
【0023】
シンク3は、予洗い槽30と、オゾン水供給装置6とを備えている。図示の実施形態では、オゾン水供給装置6は、シンク3の予洗い槽30内に配設されており、上水供給手段100から経路P3を介して供給された上水L0にオゾンを溶解してオゾン水L2を生成し、予洗い槽30にオゾン水L2を満たす機能を有する。また、オゾン水供給装置6から経路P4を介して、シンク3に配設された混合栓31にオゾン水L2を供給する機能も備えており、混合栓31の散水手段32からは、オゾン水L2をシャワー状に散水することが可能である。なお、散水手段32は、オゾン水L2をシャワー状に散水するのみならず、適宜の切換レバーを操作することで、経路P5を介して供給される上水L0を放射することも可能であり、また、シャワー状に散水するほか、ストレート放射することも可能である。シンク3に溜めたオゾン水L2は任意のタイミングで排水口33から外部に排水することができる。
【0024】
オゾン水供給装置6は、周知のオゾン水供給装置を採用することが可能である。オゾンを発生させる方法としては例えば無声放電法、紫外線照射法、電解法等が知られており、図示のように上水供給手段100から導入された上水L0に対してオゾンを溶解させてオゾン水L2を生成することができる。図示の実施形態では、オゾン水供給装置6をシンク3の予洗い槽30内に設置しているが、本発明はこれに限定されず、予洗い槽30の外部に設置するようにしてもよい。また、図示の実施形態では、シンク3全体を予洗い槽30として使用しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、シンク3を2つの槽で構成し、一方の槽にオゾン水を溜めた予洗い槽30とし、他方の槽にはオゾン水を溜めずに空の状態として、食器から大きな残渣を落としたり、食器の洗浄以外の作業に使用したりすることができる。
【0025】
上記した食器洗浄機2は、グラス、シルバー類の洗浄に適した洗浄条件で作動するように構成されており、従来の一般的な食器洗浄機に対して、洗浄する際に使用される洗浄水及びすすぎ水の温度が低く設定され、少なくともすすぎ水として純水が使用されることから、グラス、シルバー類の表面に、斑点状のウオータスポット等が残らない光輝く仕上がりを得ることができる。また、洗浄水、すすぎ水を加熱する際に、60℃以下に調整されることから、仮に洗浄されるグラスがクリスタルガラスを使用したものであったとしても白化を生じることが無い。
【0026】
本実施形態の洗浄システム1は、概ね上記したとおりの構成を備えており、以下の説明では、図示のように、コップ、ワイングラス等のガラス製のグラス、及びナイフ、フォーク、スプーンなどステンレススチール製またはめっき処理製のシルバー類S1と、その他の陶磁器製、プラスチック製の皿、椀等を含む一般食器類S2とを一緒に該洗浄システム1によって洗浄する際の手順、及びその場合の作用効果について説明する。
【0027】
上記したように、食器洗浄機2は、グラス、シルバー類S1の洗浄に適した洗浄条件で作動するように設定されている。ここで、本実施形態の洗浄システム1により、グラス、シルバー類S1と、一般食器類S2とを一緒に洗浄する場合、
図1に示すように、上記したオゾン水供給装置6を作動して、上水供給手段100から供給された上水L0にオゾンを溶解して生成したオゾン水L2をシンク3の予洗い槽30内に溜める。
【0028】
該予洗い槽30にオゾン水L2を溜めたならば、作業者は、一般食器類S2をシンク3の予洗い槽30に溜められたオゾン水L2に沈め、一般食器類S2の予洗いを実施する。また、該予洗い槽30内に一般食器類S2を沈めている間、食器洗浄機2の開閉扉2aを開き、被洗浄物を収容するラック7を載置し、該ラック7に、矢印R1で示す動線でグラス、シルバー類S1を収容する。該ラック7にグラス、シルバー類S1を収容したならば、上記したように予洗い槽30に沈めた一般食器類S2を取り出して、矢印R2で示す動線でグラス、シルバー類S1と共に該ラック7に収容する。そして、グラス、シルバー類S1と一般食器類S2を該ラック7に収容したならば、ラック7を矢印R3で示す動線で洗浄室21の開口部2bから収納して開閉扉2aを閉じる。
【0029】
一般食器類S2は、予洗い槽30に溜められ所定の温度(例えば40℃)に加温されたオゾン水L2によって予洗いされることで、一般食器類S2に付着した汚れが大まかに落されると共に、除菌、消臭効果が発揮される。
【0030】
なお、一般食器類S2に対するオゾン水L2による除菌、消臭効果を得るためには、該一般食器類S2を予洗い槽30に沈めるのみならず、上記した混合栓31の散水手段32からオゾン水L2を一般食器類S2に向けて散水し、一般食器類S2に付着した汚れをより確実に除去することができる。また、洗浄すべき一般食器類S2が少ない場合には、必ずしも予洗い槽30にオゾン水L2を溜める必要はなく、オゾン水L2を溜めていない予洗い槽30において、混合栓31の散水手段32から一般食器類S2に対してオゾン水L2を散水し一般食器類S2に付着した汚れを落とすようにしてもよい。
【0031】
本実施形態では、上記したように、食器洗浄機2に隣接して配設されたシンク3において、オゾン水L2による一般食器類S2に対する予洗いを実施して、グラス、シルバー類S1と共に、食器洗浄機2の洗浄室21に収容され、上記したグラス、シルバー類S1を洗浄するのと同一の洗浄条件により洗浄が実施される。
【0032】
ここで、該食器洗浄機2では、グラス、シルバー類S1に適した洗浄条件で洗浄が実施されるにも関わらず、一般食器類S2は、上記したように、シンク3に溜めたオゾン水L2によって予洗いが実施されていることから、洗浄室21内でグラス、シルバー類S1に適した洗浄条件で洗浄されたとしても、十分に汚れが落とされると共に、一般食器類S2からグラス、シルバー類S1に対してにおい移りが発生せず、グラス、シルバー類S1の表面に、斑点状のウオータスポット等が残らない光輝く仕上がりを得ることができる。すなわち、グラス、シルバー類S1と一般食器類S2とを区別して、別々に洗浄する必要がない。
【0033】
なお、上記した実施形態では、一般食器類S2のみに対しオゾン水L2による予洗いを実施したが、本発明はこれに限定されず、グラス、シルバー類S1を食器洗浄機2に投入する前に、シンク3の予洗い槽30に投入して予洗いを実施してもよい。
【0034】
また、本発明における「食器洗浄機に隣接して配設されたシンク」とは、作業者が上記したシンク3において予洗いされた一般食器類S2を取り出して、そのまま食器洗浄機2に投入することができる位置関係に配設されていること意味する。
【符号の説明】
【0035】
1:洗浄システム
2:食器洗浄機
2a:開閉扉
2b:開口部
21:洗浄室
22:収納室
3:シンク
30:予洗い槽
31:混合栓
32:散水手段
33:排水口
4:純水供給装置
5:給湯器
6:オゾン水発生器
7:ラック
10:第一ラック棚
12:第二ラック棚
13:テーブル
100:上水供給手段
L0:上水
L1:純水
L2:オゾン水
L3:汚染水
S1:グラス、シルバー類
S2:一般食器類
P1~P5:経路
【要約】
【課題】グラス、シルバー類と一般食器類とを同時に洗浄しても、一般食器類の油汚れや臭気がグラス、シルバー類に移らず、グラス、シルバー類の仕上げ磨き等が不要な洗浄システムを提供する。
【解決手段】本発明の洗浄システム1は、食器洗浄機2に純水L1を供給する純水供給装置4と、シンク3にオゾン水L2を供給するオゾン水供給装置6とを備え、シンク3は、食器洗浄機2に投入される一般食器類S2を該シンクに供給されたオゾン水L2によって予洗いをするための予洗い槽30であり、シンク3で予洗いされた一般食器類S2と、グラス又はシルバー類S1の少なくともいずれかと、を該食器洗浄機に投入し、グラス、シルバー類S1とを洗浄する際の洗浄条件で一般食器類S2も同時に洗浄する。
【選択図】
図1