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特許7592348リアルタイム面談アドバイス提供システム、リアルタイム面談アドバイス提供方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】リアルタイム面談アドバイス提供システム、リアルタイム面談アドバイス提供方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241125BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2024146054
(22)【出願日】2024-08-27
【審査請求日】2024-08-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518261685
【氏名又は名称】株式会社Value market
(74)【代理人】
【識別番号】110004440
【氏名又は名称】弁理士法人ソシデア知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】内田 裕希
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-109461(JP,A)
【文献】特開2023-108346(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第117725173(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアルタイムで進行する面談の最中に、音声データの発言内容の意味を解析して、予め設定した面談目標を達成するための面談アドバイスを生成して提供するリアルタイム面談アドバイス提供システムであって、
面談の種類に応じた面談目標を設定する面談目標設定部と、
リアルタイムで進行する面談の最中に、面談時の前記音声データを取得する音声データ取得部と、
リアルタイムで進行する面談の最中に、取得した前記音声データの発言内容の意味を解析する発言内容解析部と、
リアルタイムで進行する面談の最中に、前記発言内容の意味の解析結果に基づいて、前記面談目標を達成するための面談アドバイスを生成する面談アドバイス生成部と、
リアルタイムで進行する面談の最中に、前記面談アドバイスを面談する側に提供する面談アドバイス提供部と、
を備えるリアルタイム面談アドバイス提供システム。
【請求項2】
取得した前記音声データを記憶する記憶部と、
面談終了後、記憶した前記音声データを面談する側に提供する音声データ提供部と、
を更に備える請求項1に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システム。
【請求項3】
所定の内部データを学習する内部データ学習部、
を更に備え、
前記面談アドバイス生成部は、前記内部データの学習結果及び前記発言内容の意味の解析結果に基づいて、前記面談アドバイスを生成する、
請求項1に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システム。
【請求項4】
前記発言内容解析部は、取得した前記音声データにおける面談される側の発言内容の意味を解析し、
前記面談アドバイス生成部は、前記内部データの学習結果に基づいて、前記面談される側の発言内容の意味の解析結果に基づいた当該面談される側の質問内容に沿った回答内容を、前記面談アドバイスとして生成する、
請求項3に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システム。
【請求項5】
前記面談アドバイス生成部は、前記内部データの学習結果に基づいて、面談アジェンダを、前記面談アドバイスとして生成する、
請求項3に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システム。
【請求項6】
前記面談アドバイス生成部は、事前の面談アジェンダが存在する場合、当該事前の面談アジェンダを、生成した前記面談アジェンダに更新する、
請求項5に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システム。
【請求項7】
過去に取得した前記音声データを学習する音声データ学習部と、
を更に備え、
前記面談アドバイス生成部は、過去に取得した前記音声データの学習結果と、今回取得した前記音声データとを比較し、面談する側の改善点を、前記面談アドバイスとして生成する、
請求項1に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システム。
【請求項8】
前記面談アドバイス生成部は、事前の面談アジェンダが存在する場合、取得した前記音声データに基づいて、当該事前の面談アジェンダ通りに面談が進行しているか否かを判断し、面談の進行の判断結果に基づいた前記面談アドバイスを生成する、
請求項1に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システム。
【請求項9】
前記発言内容解析部は、前記発言内容の意味に加え、面談される側の音声のトーン、テンポ及び会話内容を含めて解析し、
前記面談アドバイス生成部は、前記発言内容の意味の解析結果及び前記面談される側の音声のトーン、テンポ及び会話内容の解析結果に基づいて、前記面談アドバイスを生成する、
請求項1に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システム。
【請求項10】
前記面談アドバイス生成部は、前記面談される側の音声のトーン、テンポ及び会話内容の解析結果に基づいて、当該面談される側の満足度を算出し、算出した前記満足度に基づいた面談アドバイスを生成する、
請求項9に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システム。
【請求項11】
前記面談アドバイス生成部は、前記面談される側の音声のトーン、テンポ及び会話内容の解析結果に基づいて、当該面談される側の不満足度を算出し、算出した前記不満足度に基づいた面談アドバイスを生成する、
請求項9に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システム。
【請求項12】
前記面談アドバイス生成部は、前記発言内容の意味の解析結果及び前記面談される側の音声のトーン、テンポ及び会話内容の解析結果に基づいた面談する側の改善点を、前記面談アドバイスとして生成する、
請求項9に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システム。
【請求項13】
禁句を設定する禁句設定部と、
前記音声データに、設定した前記禁句が含まれているか否かを判断する禁句判断部と、
禁句が含まれている場合、前記面談する側にアラートするアラート部と、
を更に備える請求項1に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システム。
【請求項14】
前記面談アドバイス生成部は、禁句が含まれている場合、リカバリ案を、前記面談アドバイスとして生成する、
請求項13に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システム。
【請求項15】
面談終了後、面談に対する全体的な評価を生成する評価生成部と、
生成した前記評価を、面談する側に提供する評価提供部と、
を更に備える請求項1に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システム。
【請求項16】
前記音声データ取得部は、面談時の複数の面談する側の音声データを取得し、
前記発言内容解析部は、取得した前記複数の面談する側の音声データの、面談する側毎の発言内容の意味を解析し、
前記面談アドバイス生成部は、前記発言内容の意味の解析結果に基づいて、話者以外の面談する側が前記面談目標を達成するための前記面談アドバイスを生成し、
前記面談アドバイス提供部は、前記面談アドバイスを、前記話者以外の面談する側に提供する、
請求項1に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システム。
【請求項17】
リアルタイムで進行する面談の最中に、議事録を生成する議事録生成部、
を更に備える請求項1に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システム。
【請求項18】
面談終了後、前記発言内容の意味の解析結果に基づいて、面談の内容を要約する要約部と、
要約に基づいて、面談における重要ポイントを抽出する抽出部と、
前記重要ポイントを纏めたレポートを生成するレポート生成部と、
を更に備える請求項1に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システム。
【請求項19】
面談の種類に応じて設定されたテンプレートの内、前記面談する側が所望する前記テンプレートを選択する選択部、
を更に備え、
前記面談目標設定部は、選択した前記テンプレートを、前記面談目標に設定する、
請求項1に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システム。
【請求項20】
評価情報を取得する評価情報取得部と、
取得した評価情報を解析する評価情報解析部と、
を更に備え、
前記面談アドバイス生成部は、前記発言内容の意味の解析結果及び前記評価情報の解析結果に基づいて、前記面談アドバイスを生成する、
請求項1に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システム。
【請求項21】
評価情報を取得する評価情報取得部、
を更に備え、
前記面談目標設定部は、前記面談の種類及び前記評価情報に応じた前記面談目標を設定する、
請求項1に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システム。
【請求項22】
リアルタイムで進行する面談の最中に、音声データの発言内容の意味を解析して、予め設定した面談目標を達成するための面談アドバイスを生成して提供するコンピュータが実行するリアルタイム面談アドバイス提供方法であって、
面談の種類に応じた面談目標を設定するステップと、
リアルタイムで進行する面談の最中に、面談時の前記音声データを取得するステップと、
リアルタイムで進行する面談の最中に、取得した前記音声データの発言内容の意味を解析するステップと、
リアルタイムで進行する面談の最中に、前記発言内容の意味の解析結果に基づいて、前記面談目標を達成するための面談アドバイスを生成するステップと、
リアルタイムで進行する面談の最中に、前記面談アドバイスを面談する側に提供するステップと、
を備えるリアルタイム面談アドバイス提供方法。
【請求項23】
リアルタイムで進行する面談の最中に、音声データの発言内容の意味を解析して、予め設定した面談目標を達成するための面談アドバイスを生成して提供するコンピュータに、
面談の種類に応じた面談目標を設定するステップ、
リアルタイムで進行する面談の最中に、面談時の前記音声データを取得するステップ、
リアルタイムで進行する面談の最中に、取得した前記音声データの発言内容の意味を解析するステップ、
リアルタイムで進行する面談の最中に、前記発言内容の意味の解析結果に基づいて、前記面談目標を達成するための面談アドバイスを生成するステップ、
リアルタイムで進行する面談の最中に、前記面談アドバイスを面談する側に提供するステップ、
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リアルタイムで進行する面談の最中に、予め設定した面談目標の達成に必要な面談アドバイスの提供に有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、企業や団体等の、求職者の採用評価や、社内人材の人事評価等の評価を行う面談に関する技術が注目されている。
例えば、特許文献1では、面談者の発話量と、被面談者の発話量とを分析して、面談中に助言及び警告の内、少なくとも一方を面談者に提供する技術が提供されている。特許文献1に記載された技術において、助言及び警告は、発話量に関するものであり、助言とは、「発話量を少なくしましょう」といったものであり、警告とは、「発話量が多いです」といったものである。
また、他には、特許文献2では、被面談者との面談を行っている面談者の音声を分析して、面談者に助言を提供する技術が提供されている。特許文献2に記載された技術において、助言は、面談者の表情、目線、頷きに関するものであり、「信頼感等を表情でも十分示せているようです。今後もポジティブな表情で部下と接し、関係構築に努めましょう。」、「ポジティブな表情で部下と接することができているようです。ただし、無表情、悲しみ又は怒りといったネガティブな表情も多いです。ポジティブな表情をより多くするように心がけましょう。」といったものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2023-108346号公報
【文献】特開2023-054558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
企業や団体等では、求職者、社外人材、社内人材等の面談が行われている。
しかしながら、これらの面談では、面談の最中に第三者が客観的に分析していないため、面談に対して予め設定された面談目標を達成しにくいという問題がある。
そこで、リアルタイムで進行する面談の最中に、予め設定した面談目標を達成するための面談アドバイスを面談する側に提供する技術が求められている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載の技術では、発話量、表情、目線、頷き等の面談する側の発言や行動等に対しての助言や警告に過ぎず、面談目標を達成するための面談アドバイスを提供することが出来なかった。
そのため、本発明者は、リアルタイムで進行する面談の最中に、音声データの発言内容を解析して、予め設定された面談目標を達成するための面談アドバイスを生成し、面談アドバイスを提供する仕組みに着目した。
【0005】
本発明は、このような課題を鑑み、リアルタイムで進行する面談の最中に、予め設定した面談目標を達成することが可能なリアルタイム面談アドバイス提供システム、リアルタイム面談アドバイス提供方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、リアルタイムで進行する面談の最中に、音声データの発言内容の意味を解析して、予め設定した面談目標を達成するための面談アドバイスを生成して提供するリアルタイム面談アドバイス提供システムであって、
面談の種類に応じた面談目標を設定する面談目標設定部と、
リアルタイムで進行する面談の最中に、面談時の前記音声データを取得する音声データ取得部と、
リアルタイムで進行する面談の最中に、取得した前記音声データの発言内容の意味を解析する発言内容解析部と、
リアルタイムで進行する面談の最中に、前記発言内容の意味の解析結果に基づいて、前記面談目標を達成するための面談アドバイスを生成する面談アドバイス生成部と、
リアルタイムで進行する面談の最中に、前記面談アドバイスを面談する側に提供する面談アドバイス提供部と、
を備えるリアルタイム面談アドバイス提供システムを提供する。
【0007】
本発明によれば、面談時の音声データの解析結果に基づいて、面談目標を達成するための面談アドバイスを生成し、面談アドバイスを面談する側に提供する。
その結果、リアルタイムで進行する面談の最中に、面談する側が、面談目標の達成に必要な面談アドバイスを受け取ることになり、面談する側がこの面談アドバイスに応じて面談の内容を修正、変更等することにより、リアルタイムで進行する面談の最中に、予め設定した面談目標を達成することが可能となる。
【0008】
本発明は、システムのカテゴリであるが、方法及びプログラムであっても同様の作用、効果を奏する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、リアルタイムで進行する面談の最中に、予め設定した面談目標を達成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】リアルタイム面談アドバイス提供システム1の概要を説明する図である。
図2】リアルタイム面談アドバイス提供システム1の機能構成を示す図である。
図3】コンピュータ10が実行する第1の面談目標設定処理のフローチャートを示す図である。
図4】コンピュータ10が実行する第2の面談目標設定処理のフローチャートを示す図である。
図5】コンピュータ10が実行する禁句設定処理のフローチャートを示す図である。
図6】コンピュータ10が実行する第1の学習処理のフローチャートを示す図である。
図7】コンピュータ10が実行する第2の学習処理のフローチャートを示す図である。
図8】コンピュータ10が実行する面談アドバイス提供処理のフローチャートを示す図である。
図9】コンピュータ10が実行するアラート処理のフローチャートを示す図である。
図10】コンピュータ10が実行する議事録提供処理のフローチャートを示す図である。
図11】コンピュータ10が実行する音声データ提供処理のフローチャートを示す図である。
図12】コンピュータ10が実行する評価提供処理のフローチャートを示す図である。
図13】コンピュータ10が実行するレポート提供処理のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
【0012】
[リアルタイム面談アドバイス提供システム1の概要]
図1は、リアルタイム面談アドバイス提供システム1の概要を説明するための模式図である。図1に基づいて、リアルタイム面談アドバイス提供システム1の構成物について説明する。
リアルタイム面談アドバイス提供システム1は、少なくとも、サーバ機能を有するコンピュータ10からなる、リアルタイムで進行する面談の最中に、音声データの発言内容の意味を解析して、予め設定した面談目標を達成するための面談アドバイスを生成して提供するシステムである。本実施形態において、リアルタイム面談アドバイス提供システム1は、コンピュータ10に加え、面談する側(以下、面談者とも称す)が使用する情報端末3を備える。また、以下の説明において、面談される側を、被面談者とも称す。
【0013】
情報端末3は、面談者が使用する端末装置であり、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ等の端末装置や、スマートウォッチ、スマートグラス、HMD(Head Mounted Display)等のウェアラブル端末である。情報端末3は、面談者の数に応じて、適宜設計可能である。
【0014】
コンピュータ10は、サーバ機能を有し、例えば、1台のコンピュータで実現されても良いし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されても良い。
本明細書におけるクラウドコンピュータとは、ある特定の機能を果たす際に、任意のコンピュータをスケーラブルに用いるものや、あるシステムを実現するために複数の機能モジュールを含み、その機能を自由に組み合わせて用いるものの何れであっても良い。
【0015】
なお、リアルタイム面談アドバイス提供システム1は、上述した情報端末3及びコンピュータ10に加え、その他の端末や装置類等が含まれていても良く、その数、種類及び機能については、特に限定されるものではなく、適宜設計可能である。
【0016】
リアルタイム面談アドバイス提供システム1が、リアルタイムで進行する面談の最中に、音声データの発言内容の意味を解析して、予め設定した面談目標を達成するための面談アドバイスを生成して提供する際の処理ステップの概要について説明する。
【0017】
コンピュータ10は、面談の種類に応じた面談目標を設定する(ステップS1)。
コンピュータ10は、情報端末3を介して、面談の種類を受け付け、受け付けた面談の種類に応じたテンプレートに基づいて、面談目標を設定しても良いし、AI(Artificial Intelligence)を用いて、受け付けた面談の種類に応じた面談目標を設定しても良いし、面談目標そのものを直接受け付けても良いし、外部データベースから取得した又は自身が保有する評価情報に基づいた面談目標を設定しても良い。
【0018】
コンピュータ10は、リアルタイムで進行する面談の最中に、面談時の音声データを取得する(ステップS2)。
コンピュータ10は、面談の実施場所に設置されたマイク等の集音装置や、情報端末3から、音声データを取得する。
【0019】
コンピュータ10は、リアルタイムで進行する面談の最中に、取得した音声データの発言内容の意味を解析する(ステップS3)。
コンピュータ10は、音声データにおける面談者の発言内容の意味、音声のトーン、テンポ及び会話内容と、被面談者の発言内容の意味、音声のトーン、テンポ及び会話内容とを、所定のアルゴリズムや、AIを用いて解析する。
【0020】
コンピュータ10は、リアルタイムで進行する面談の最中に、発言内容の意味の解析結果に基づいて、面談目標を達成するための面談アドバイスを生成する(ステップS4)。
コンピュータ10は、音声データの解析結果に基づいた面談アドバイスを生成する。
【0021】
コンピュータ10は、リアルタイムで進行する面談の最中に、面談アドバイスを面談する側に提供する(ステップS5)。
コンピュータ10は、生成した面談アドバイスを情報端末3に出力し、情報端末3に面談アドバイスを表示させる。
【0022】
以上が、リアルタイム面談アドバイス提供システム1の概要である。
本リアルタイム面談アドバイス提供システム1によれば、リアルタイムで進行する面談の最中に、予め設定した面談目標を達成することが可能となる。
【0023】
[装置構成]
図2は、リアルタイム面談アドバイス提供システム1の構成を示すブロック図である。図2に基づいて、リアルタイム面談アドバイス提供システム1の装置構成について説明する。
リアルタイム面談アドバイス提供システム1は、リアルタイムで進行する面談の最中に、音声データの発言内容の意味を解析して、予め設定した面談目標を達成するための面談アドバイスを生成して提供するシステムであり、少なくとも、コンピュータ10により構成される。本実施形態において、リアルタイム面談アドバイス提供システム1は、上述した通り、コンピュータ10に加え、情報端末3により構成される。
リアルタイム面談アドバイス提供システム1は、コンピュータ10が、公衆回線網、イントラネット等のネットワーク8を介して、情報端末3とデータ通信可能に接続されたシステムである。
なお、リアルタイム面談アドバイス提供システム1は、情報端末3及びコンピュータ10に加えて、その他の端末や装置類等を含んでいても良く、その他の端末や装置類等の数、種類及び機能については、適宜設計可能である。また、上述した通り、情報端末3の数は、面談者の数に応じて、適宜設計可能である。
【0024】
情報端末3は、面談する側が使用する上述した端末装置である。
情報端末3は、端末制御部として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス等を備える。
情報端末3は、入出力部として、所定の入力等の受付、各種データの入出力等を実行する各種デバイス等を備える。
【0025】
コンピュータ10は、サーバ機能を有し、例えば、1台のコンピュータで実現されても良いし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されても良い。
コンピュータ10は、制御部として、CPU、GPU、RAM、ROM等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、リアルタイムで進行する面談の最中に、面談時の音声データを取得する音声データ取得部、リアルタイムで進行する面談の最中に、面談アドバイスを面談する側に提供する面談アドバイス提供部等を備える。
コンピュータ10は、記憶部として、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。
コンピュータ10は、処理部として、各種処理を実行する各種デバイス、面談の種類に応じた面談目標を設定する面談目標設定部、リアルタイムで進行する面談の最中に、取得した音声データの発言内容の意味を解析する発言内容解析部、リアルタイムで進行する面談の最中に、発言内容の意味の解析結果に基づいて、面談目標を達成するための面談アドバイスを生成する面談アドバイス生成部等を備える。
【0026】
コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部と協働して、面談種類受付モジュール、テンプレート出力モジュール、テンプレート受付モジュール、評価情報取得モジュール、禁句受付モジュール、内部データ取得モジュール、音声データ取得モジュール、アドバイス提供モジュール、アラートモジュール、議事録提供モジュール、音声データ提供モジュール、評価提供モジュール、レポート提供モジュールを実現する。
また、コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、記憶部と協働して、記憶モジュールを実現する。
また、コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、処理部と協働して、テンプレート選択モジュール、面談目標設定モジュール、評価情報解析モジュール、禁句設定モジュール、リカバリ案設定モジュール、学習モジュール、モデル生成モジュール、音声データ取得モジュール、発言内容解析モジュール、アドバイス生成モジュール、禁句判断モジュール、議事録生成モジュール、終了判断モジュール、評価生成モジュール、要約モジュール、抽出モジュール、レポート生成モジュールを実現する。
【0027】
以下、リアルタイム面談アドバイス提供システム1が実行する各処理について、上述した各モジュールが実行する処理と併せて説明する。
本明細書において、各モジュールは、その処理内容を、自身が有する機能として実行するものであっても良いし、所定のアプリケーションを介して実行するものであっても良い。
【0028】
[コンピュータ10が実行する第1の面談目標設定処理]
図3に基づいて、コンピュータ10が実行する第1の面談目標設定処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する第1の面談目標設定処理のフローチャートを示す図である。本第1の面談目標設定処理は、面談の種類に応じた面談目標を設定する面談目標設定処理(ステップS1)の詳細である。
本第1の面談目標設定処理は、面談者が面談を実施するよりも前に実行される処理である。
【0029】
面談種類受付モジュールは、面談の種類を受け付ける(ステップS10)。
面談は、面談する側(面談者)と、面談される側(被面談者)とが、面会して直接に話すことである。面談の種類は、例えば、採用面談、人事評価面談、1on1面談である。
情報端末3は、所定のアプリケーション、所定のWebサイト等の所定のUI(User Interface)を介して、面談者から面談の種類に関するデータ(面談の種類、面談者の識別子、被面談者の識別子、面談日時、面談時間等)の入力を受け付け、受け付けたデータを、コンピュータ10に送信する。
面談種類受付モジュールは、このデータを受信し、面談の種類を受け付ける。
【0030】
テンプレート選択モジュールは、面談の種類に応じて設定されたテンプレートを選択する(ステップS11)。
テンプレートは、面談の種類に応じた面談目標が登録されたものである。テンプレートは、面談目標が登録されたものであれば、その形式は特に限定されるものではなく、例えば、面談の種類と、この面談の種類に応じた一又は複数の面談目標が記載された文書である。
面談目標は、面談の目標であり、例えば、採用面談である場合、被面談者の能力が基準を満たすかの確認、自社のカルチャーにマッチするかの確認等の採用に際して必要な確認の達成であり、人事評価面談である場合、評価の意図が正しく伝わっているかの確認、評価に納得しているかの確認等の被面談者の人事評価の達成であり、1on1面談である場合、部下の悩みを引き出す、適切なサポート等の被面談者の成長や面談者と被面談者との相互理解の促進である。
テンプレート選択モジュールは、受け付けた面談の種類が設定された一又は複数のテンプレートを選択する。
【0031】
テンプレート出力モジュールは、面談の種類に応じて設定されたテンプレートを出力する(ステップS12)。
テンプレート出力モジュールは、選択したテンプレートを情報端末3に送信する。
情報端末3は、このテンプレートを受信し、所定のアプリケーション、所定のWebサイト等の所定のUIを介して、自身の表示部に表示する。
テンプレート出力モジュールは、情報端末3に、このテンプレートを表示させることにより、面談の種類に応じて設定されたテンプレートを出力する。
【0032】
テンプレート受付モジュールは、面談する側が所望するテンプレートを受け付ける(ステップS13)。
情報端末3は、表示したテンプレートの内、面談者が所望するテンプレートに対するタップやクリック等の選択の入力を受け付け、受け付けたテンプレートを示すデータを、コンピュータ10に送信する。
テンプレート受付モジュールは、このデータを受信し、面談する側が所望するテンプレートを受け付ける。
【0033】
テンプレート選択モジュールは、面談する側が所望するテンプレートを選択する(ステップS14)。
テンプレート選択モジュールは、受信したテンプレートを示すデータに基づいて、このデータに該当するテンプレートを、面談者が所望するテンプレートとして選択する。
【0034】
面談目標設定モジュールは、選択したテンプレートを面談目標に設定する(ステップS15)。
面談目標設定モジュールは、選択したテンプレートに登録された面談目標を、面談者が面談する際の面談目標に設定する。
【0035】
以上が、第1の面談目標設定処理である。
第1の面談目標設定処理では、テンプレートの選択により、面談目標を設定しているが、それ以外の方法により面談目標を設定しても良い。例えば、情報端末3が、面談者から面談目標の直接入力を受け付け、コンピュータ10に送信し、コンピュータ10がこの面談目標を受信し、この面談目標を面談の種類に応じた面談目標として設定しても良い。また、コンピュータ10は、AIを用い、受け付けた面談の種類に応じた面談目標を設定しても良い。
【0036】
[コンピュータ10が実行する第2の面談目標設定処理]
図4に基づいて、コンピュータ10が実行する第2の面談目標設定処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する第2の面談目標設定処理のフローチャートを示す図である。本第2の面談目標設定処理は、第1の面談目標設定処理とは別の面談目標設定処理(ステップS1)の詳細である。
本第2の面談目標設定処理は、面談者が面談を実施するよりも前に実行される処理である。
なお、上述した処理と同様の処理については、その詳細な説明は省略する。
【0037】
面談種類受付モジュールは、面談の種類を受け付ける(ステップS20)。
ステップS20の処理は、上述したステップS10の処理と同様である。
【0038】
評価情報取得モジュールは、評価情報を取得する(ステップS21)。
評価情報は、被面談者の評価に関するデータであり、例えば、サーベイ、求人情報、職歴、人事評価履歴である。
評価情報取得モジュールは、評価情報を、外部データベース(不図示)等から取得する。なお、予め、コンピュータ10自身が、評価情報を保持している場合、保持する評価情報を取得すれば良い。
【0039】
評価情報解析モジュールは、評価情報を解析する(ステップS22)。
評価情報解析モジュールは、取得した評価情報を所定のアルゴリズムを用いて解析する。例えば、評価情報解析モジュールは、評価情報に基づいて、被面談者の人柄、能力、意欲、職務経験等を解析する。
【0040】
面談目標設定モジュールは、面談の種類及び評価情報に応じた面談目標を設定する(ステップS23)。
面談目標設定モジュールは、受け付けた面談の種類と、取得した評価情報とに基づいて、面談目標を設定する。面談目標設定モジュールは、所定のアルゴリズム等を用い、面談の種類と、評価情報とに基づいた面談目標を設定する。
なお、面談目標設定モジュールは、上述したステップS15の処理において面談目標を設定する際、選択したテンプレートと、取得した評価情報とに基づいた面談目標を設定しても良い。
また、面談目標設定モジュールは、受け付けた面談の種類と、評価情報の解析結果とに基づいて、面談目標を設定しても良い。面談目標設定モジュールは、所定のアルゴリズム等を用い、面談の種類と、評価情報の解析結果とに基づいた面談目標を設定する。
【0041】
以上が、第2の面談目標設定処理である。
【0042】
コンピュータ10は、上述した第1の又は第2の面談目標設定処理を実行し、面談者が、被面談者に対して面談を実施する際の面談目標を設定する。コンピュータ10は、設定した面談目標を用いて、後述する面談アドバイス提供処理を実行する。
【0043】
[コンピュータ10が実行する禁句設定処理]
図5に基づいて、コンピュータ10が実行する禁句設定処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する禁句設定処理のフローチャートを示す図である。
本禁句設定処理は、面談者が、被面談者に対して面談を実施するよりも前に実行される処理である。
【0044】
禁句受付モジュールは、禁句の入力を受け付ける(ステップS30)。
禁句は、面談者が被面談者に対して発言してはならない文言であり、本籍地や居住環境に関する発言、資産に関する発言、特定の性別に限定した発言、支持政党に関する発言、宗教観に関する発言、家族構成に関する発言、法的に問題が有る発言、倫理的に問題が有る発言等である。
情報端末3は、所定のアプリケーション、所定のWebサイト等の所定のUIを介して、面談者から禁句に関するデータの入力を受け付け、受け付けたデータを、コンピュータ10に送信する。
禁句受付モジュールは、このデータを受信し、禁句の入力を受け付ける。
【0045】
なお、コンピュータ10は、禁句の入力を受け付ける代わりに、予め、コンピュータ10自身が禁句を保持している場合、保持する禁句を用いて、後述する処理を実行すれば良い。
また、コンピュータ10は、面談者以外の人物から、禁句の入力を受け付ける構成であっても良い。この場合、該当する人物が使用する端末装置等を介して、禁句の入力を受け付ければ良い。
【0046】
禁句設定モジュールは、禁句を設定する(ステップS31)。
禁句設定モジュールは、受け付けた禁句を、面談時に面談者が発言してはならない禁句として設定する。
【0047】
リカバリ案設定モジュールは、リカバリ案を設定する(ステップS32)。
リカバリ案は、面談者が面談時に禁句を発言した後の対応方法であり、例えば、謝罪方法、釈明方法、話の切替方法である。
リカバリ案設定モジュールは、設定した禁句毎に、リカバリ案を設定する。リカバリ案設定モジュールは、一の禁句に対して、一又は複数のリカバリ案を設定する。リカバリ案設定モジュールは、予め設定されたリカバリ案を、禁句毎に設定しても良いし、禁句の入力に合わせてリカバリ案の入力を受け付けておき、受け付けたリカバリ案を禁句毎に設定しても良いし、それ以外の方法により禁句毎にリカバリ案を設定しても良い。
【0048】
以上が、禁句設定処理である。
コンピュータ10は、設定した禁句を用いて、後述するアラート処理を実行する。
【0049】
[コンピュータ10が実行する第1の学習処理]
図6に基づいて、コンピュータ10が実行する第1の学習処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する第1の学習処理のフローチャートを示す図である。
本第1の学習処理は、面談者が、被面談者に対して面談を実施するよりも前に実行される処理である。
【0050】
内部データ取得モジュールは、所定の内部データを取得する(ステップS40)。
内部データは、企業や団体等の内部で遣り取りされたデータであり、例えば、社内資料や社内チャット内容である。
内部データ取得モジュールは、内部データを、外部データベース(不図示)等から取得する。なお、予め、コンピュータ10自身が、内部データを保持している場合、保持する内部データを取得すれば良い。
【0051】
学習モジュールは、所定の内部データを学習する(ステップS41)。
学習モジュールが実行する学習の方法としては、教師あり学習、教師なし学習、強化学習等による機械学習や、畳み込みニューラルネットワーク、再起型ニューラルネットワーク、長・短期記憶等によるディープラーニング等が挙げられる。なお、学習モジュールが実行する学習方法は、上述した例に限定されるものではない。
【0052】
モデル生成モジュールは、学習結果に基づいた第1学習済モデルを生成する(ステップS42)。
モデル生成モジュールが、学習結果に基づいた第1学習済モデルを生成する方法は、既存の方法であれば良く、その詳細な説明は省略する。
【0053】
記憶モジュールは、第1学習済モデルを記憶する(ステップS43)。
【0054】
以上が、第1の学習処理である。
コンピュータ10は、生成した第1学習済モデルを用いて、後述する面談アドバイス提供処理を実行する。
【0055】
[コンピュータ10が実行する第2の学習処理]
図7に基づいて、コンピュータ10が実行する第2の学習処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する第2の学習処理のフローチャートを示す図である。
本第2の学習処理は、面談者が、被面談者に対して面談を実施するよりも前に実行される処理である。
【0056】
音声データ取得モジュールは、過去に取得した音声データを取得する(ステップS50)。
過去に取得した音声データは、後述する面談アドバイス提供処理の結果、過去に取得及び記憶した面談時の音声データである。
音声データ取得モジュールは、自身が保持する過去に取得した音声データを取得する。
【0057】
学習モジュールは、過去に取得した音声データを学習する(ステップS51)。
学習モジュールが実行する学習の方法は、上述したステップS41の処理のものと同様であれば良い。
【0058】
モデル生成モジュールは、学習結果に基づいた第2学習済モデルを生成する(ステップS52)。
モデル生成モジュールが、学習結果に基づいた第2学習済モデルを生成する方法は、既存の方法であれば良く、その詳細な説明は省略する。
【0059】
記憶モジュールは、第2学習済モデルを記憶する(ステップS53)。
【0060】
以上が、第2の学習処理である。
コンピュータ10は、生成した第2学習済モデルを用いて、後述する面談アドバイス提供処理を実行する。
【0061】
[コンピュータ10が実行する面談アドバイス提供処理]
図8に基づいて、コンピュータ10が実行する面談アドバイス提供処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する面談アドバイス提供処理のフローチャートを示す図である。本面談アドバイス提供処理は、リアルタイムで進行する面談の最中に、面談時の音声データを取得する音声データ取得処理(ステップS2)、リアルタイムで進行する面談の最中に、取得した音声データの発言内容の意味を解析する発言内容解析処理(ステップS3)、リアルタイムで進行する面談の最中に、発言内容の意味の解析結果に基づいて、面談目標を達成するための面談アドバイスを生成する面談アドバイス生成処理(ステップS4)、リアルタイムで進行する面談の最中に、面談アドバイスを面談する側に提供する面談アドバイス提供処理(ステップS5)の詳細である。
本面談アドバイス提供処理は、面談者が、被面談者に対して面談を実施している最中に実行される処理である。
【0062】
音声データ取得モジュールは、リアルタイムで進行する面談の最中に、面談時の音声データを取得する(ステップS60)。
面談が実施されている場所に設置されたマイク等の集音装置(不図示)や、情報端末3に設けられた集音装置等は、リアルタイムで進行する面談の最中に、面談者の音声及び被面談者の音声を集音し、集音した音声を、面談時の音声データとしてコンピュータ10に送信する。
音声データ取得モジュールは、この音声データを受信し、リアルタイムで進行する面談の最中に、面談時の音声データを取得する。
なお、音声データ取得モジュールが取得する音声データは、面談者及び被面談者の両者の音声だけでなく、面談者又は被面談者の何れかの音声であっても良い。
また、コンピュータ10は、取得した音声データに対して話者ダイアライゼーションを実行し、音声データに含まれる各話者(面談者か、被面談者か、又は、複数の面談者が存在する場合、各面談者の誰であるか、複数の被面談者が存在する場合、各被面談者の誰であるか)を特定しても良い。
【0063】
記憶モジュールは、取得した音声データを記憶する(ステップS61)。
記憶モジュールは、取得した音声データに、面談の種類、面談目標、面談者の識別子、被面談者の識別子、面談の実施日時等の進行中の面談に関するデータを紐付けて記憶する。また、記憶モジュールは、取得した音声データに対して話者ダイアライゼーションの結果に基づいて、各話者の識別子を、音声毎に紐付けても良い。
【0064】
発言内容解析モジュールは、リアルタイムで進行する面談の最中に、取得した音声データの発言内容の意味を解析する(ステップS62)。
発言内容解析モジュールは、音声データにおける面談者の発言内容の意味及び被面談者の発言内容の意味の其々を解析する。更に、発言内容解析モジュールは、各発言内容の意味に加え、面談者の音声のトーン、テンポ及び会話内容と、被面談者の音声のトーン、テンポ及び会話内容とを含めて、音声データを解析する。発言内容解析モジュールは、話者ダイアライゼーションがなされており、且つ、複数の面談者が存在する場合、話者毎に、発言内容の意味に加え、音声のトーン、テンポ及び会話内容を含めて、音声データを解析する。
発言内容解析モジュールは、所定のアルゴリズム等を用い、各発言内容の意味、各トーン、各テンポ、及び、各会話内容の其々を解析する。なお、発言内容解析モジュールが実行する解析方法は、特に限定されるものではなく、適宜設計可能である。
【0065】
アドバイス生成モジュールは、リアルタイムで進行する面談の最中に、発言内容の意味の解析結果に基づいて、面談目標を達成するための面談アドバイスを生成する(ステップS63)。
面談アドバイスは、時間配分が問題無/有、質問数が十分/不足、質問内容が的確/不的確、会話速度が速い/普通/遅い、回答が明瞭/不明瞭等の、設定した面談目標を達成するために必要なアドバイスである。
アドバイス生成モジュールは、音声データの解析結果に基づいて、この面談アドバイスを生成する。例えば、アドバイス生成モジュールは、解析結果が、面談者の話す速度が速い場合、面談アドバイスとして、「少しゆっくり話しましょう」等の面談者の話す速度を遅くするように促す文言を生成する。また、アドバイス生成モジュールは、他の場合であっても、同様に、面談者が面談目標を達成するために必要となる対応策に関する文言を面談アドバイスとして生成する。
【0066】
また、アドバイス生成モジュールは、発言内容の意味の解析結果及び面談者の音声のトーン、テンポ及び会話内容の解析結果に基づいた面談者の改善点を、面談アドバイスとして生成しても良い。例えば、アドバイス生成モジュールは、解析結果に基づいて、質問内容、話す速度、回答のわかりやすさ等を判断し、判断結果に基づいた改善点を、面談アドバイスとして生成すれば良い。
【0067】
また、アドバイス生成モジュールは、音声データの解析結果に加えて、所定の内部データの学習結果を用いて、面談アドバイスを生成しても良い。
この場合、アドバイス生成モジュールは、上述した第1の学習処理により生成した第1学習済モデルと、音声データの解析結果とに基づいて、面談アドバイスを生成すれば良い。例えば、アドバイス生成モジュールは、内部データの学習結果と、音声データの解析結果とを比較し、内部データと矛盾又は不一致な内容が存在する場合、この矛盾又は不一致を解消する面談アドバイスを生成する。
更に、アドバイス生成モジュールは、第1学習済モデルと、被面談者の発言内容の意味、トーン、テンポ及び会話内容とに基づいて、被面談者の質問内容に沿った回答内容を、面談アドバイスとして生成しても良い。この回答内容は、Q&A形式であっても良いし、単に回答内容だけでも良い。また、回答内容は、一つに限らず、複数であっても良い。例えば、アドバイス生成モジュールは、解析結果に基づいた被面談者の質問内容と、内部データの学習結果を比較し、内部データの学習結果と一致又は近似するものをこの質問内容に対する回答とし、面談アドバイスを生成する。
【0068】
また、アドバイス生成モジュールは、今回取得した音声データの解析結果に加えて、過去の音声データの学習結果を用いて、面談アドバイスを生成しても良い。
この場合、アドバイス生成モジュールは、上述した第2の学習処理により生成した第2学習済モデルと、音声データの解析結果とに基づいて、面談アドバイスを生成すれば良い。例えば、アドバイス生成モジュールは、過去の音声データの学習結果と、音声データの解析結果に基づいた面談者の時間配分、質問数、質問内容とを比較し、時間配分が間違っているか否か、質問数の不足が有るか否か、質問内容が的確か否か等を判断し、判断結果に基づいた面談アドバイスを生成する。
【0069】
また、アドバイス生成モジュールは、音声データの解析結果に基づいて、被面談者の満足度を算出し、この満足度に基づいた面談アドバイスを生成しても良い。満足度は、例えば、採用面談である場合、被面談者が自社に興味を持っている、人事評価面談である場合、面談に納得しているといったものである。
この場合、アドバイス生成モジュールは、被面談者の発言内容の意味、音声のトーン、テンポ及び会話内容の解析結果に基づいて、満足度を算出すれば良い。例えば、アドバイス生成モジュールは、面談者の発言内容の意味、音声のトーン、テンポ及び会話内容の解析結果が、予め設定された基準(トーンの高さ、テンポの高さ、質問数等)に達しているか否かに基づいて、被面談者の満足度を算出する。アドバイス生成モジュールは、トーンやテンポが高い場合、満足度が高く、質問数が増えている場合、満足度が高いと判断する。アドバイス生成モジュールは、判断した満足度に基づいて、被面談者の満足度を算出する。満足度は、数値により表されるものであっても良いし、記号や文字列等の数値以外により表されるものであっても良い。なお、満足度の算出方法は、特に限定されるものではなく、適宜設計可能である。
アドバイス生成モジュールは、算出した満足度に基づいた面談アドバイスを生成する。例えば、アドバイス生成モジュールは、満足度そのものを面談アドバイスとして用いても良いし、満足度に予め設定された文言等を面談アドバイスとして用いても良い。
【0070】
また、アドバイス生成モジュールは、音声データの解析結果に基づいて、被面談者の不満足度を算出し、この不満足度に基づいた面談アドバイスを生成しても良い。不満足度は、例えば、被面談者が怒っている、悲しんでいる、元気がなくなっているといったものである。
この場合、アドバイス生成モジュールは、被面談者の発言内容の意味、音声のトーン、テンポ及び会話内容の解析結果に基づいて、不満足度を算出すれば良い。例えば、アドバイス生成モジュールは、面談者の発言内容の意味、音声のトーン、テンポ及び会話内容の解析結果が、予め設定された基準(トーンの高さ、テンポの高さ、質問数等)に達しているか否かに基づいて、被面談者の不満足度を算出する。アドバイス生成モジュールは、トーンやテンポが低い場合、不満足度が高く、質問数が減っている場合、不満足度が高いと判断する。アドバイス生成モジュールは、判断した不満足度に基づいて、被面談者の不満足度を算出する。不満足度は、数値により表されるものであっても良いし、記号や文字列等の数値以外により表されるものであっても良い。なお、不満足度の算出方法は、特に限定されるものではなく、適宜設計可能である。
アドバイス生成モジュールは、算出した不満足度に基づいた面談アドバイスを生成する。例えば、アドバイス生成モジュールは、不満足度そのものを面談アドバイスとして用いても良いし、不満足度に予め設定された文言等を面談アドバイスとして用いても良い。
【0071】
また、アドバイス生成モジュールは、所定の内部データの学習結果を用いて、面談アジェンダを、面談アドバイスとして生成しても良い。
この場合、アドバイス生成モジュールは、上述した第1の学習処理により生成した第1学習済モデルに基づいた面談アジェンダを、面談アドバイスとして生成すれば良い。例えば、アドバイス生成モジュールは、内部データの学習結果に基づいて、重要な質問内容、時間配分等の面談アジェンダを、面談アドバイスとして生成すれば良い。
更に、アドバイス生成モジュールは、事前の面談アジェンダが存在する場合、この事前の面談アジェンダを、内部データの学習結果に基づいて生成した面談アジェンダの内容で更新しても良い。例えば、アドバイス生成モジュールは、重要な質問事項を増やす、より良い質問内容に変更することにより、事前の面談アジェンダを更新する。
また、アドバイス生成モジュールは、事前の面談アジェンダが存在する場合、音声データの解析結果に基づいて、この面談アジェンダ通りに、面談が進行しているか否かを判断し、面談の進行の判断結果に基づいた面談アドバイスを生成しても良い。例えば、アドバイス生成モジュールは、事前の面談アジェンダに対して、抜けや漏れが無いか、余計なことを言っていないか、時間がかかりすぎていない等を判断し、この判断結果に基づいた面談アドバイスを生成すれば良い。
【0072】
また、アドバイス生成モジュールは、音声データの解析結果に加えて、評価情報の解析結果を用いて、面談アドバイスを生成しても良い。
この場合、アドバイス生成モジュールは、上述したステップS22の処理による評価情報の解析結果と、音声データの解析結果とに基づいて、面談アドバイスを生成すれば良い。例えば、アドバイス生成モジュールは、評価情報の解析結果と、音声データの解析結果とを比較し、評価情報と矛盾又は不一致な内容が存在する場合、この矛盾又は不一致を解消する面談アドバイスを生成する。
【0073】
また、アドバイス生成モジュールは、複数の面談者が存在する場合、話者以外の面談者が面談目標を達成するための面談アドバイスを生成しても良い。
この場合、アドバイス生成モジュールは、話者ダイアライゼーションに基づいた話者毎の発言内容の意味、音声のトーン、テンポ、又は、会話内容の解析結果に基づいて、話者を特定した上で、特定した話者以外の面談目標を達成するための面談アドバイスを生成すれば良い。すなわち、ある面談者以外の他の各面談者向けに面談内容に応じた面談アドバイスを生成すれば良い。例えば、アドバイス生成モジュールは、ある面談者が行った質問内容に対して、別の面談者にこの質問内容に合わせた面談アドバイスを生成する。
この場合、後述するステップS64の処理において、アドバイス提供モジュールは、生成した面談アドバイスを、話者以外の面談者に提供しても良いし、話者を含む面談者に提供しても良い。
【0074】
アドバイス提供モジュールは、リアルタイムで進行する面談の最中に、面談アドバイスを面談する側に提供する(ステップS64)。
アドバイス提供モジュールは、生成した面談アドバイスを、情報端末3に送信する、又は、面談の実施場所に設置されたスピーカー(不図示)等に放音させる等により、この面談アドバイスを面談者に提供する。
アドバイス提供モジュールが、情報端末3に面談アドバイスを提供する場合について説明する。
アドバイス提供モジュールは、生成した面談アドバイスを、情報端末3に送信する。
情報端末3は、この面談アドバイスを受信し、所定のアプリケーション、所定のWebサイト等の所定のUIを介して、自身の表示部に表示する。
アドバイス提供モジュールは、情報端末3に、面談アドバイスを表示させることにより、リアルタイムで進行する面談の最中に、面談アドバイスを面談する側に提供する。
【0075】
以上が、面談アドバイス提供処理である。
【0076】
[コンピュータ10が実行するアラート処理]
図9に基づいて、コンピュータ10が実行するアラート処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行するアラート処理のフローチャートを示す図である。
本アラート処理は、面談者が、被面談者に対して面談を実施している最中に実行される処理であり、上述した面談アドバイス提供処理と同時に行われる処理である。
【0077】
禁句判断モジュールは、取得した音声データに禁句が含まれているか否かを判断する(ステップS70)。
禁句判断モジュールは、ステップS62の処理による音声データの解析結果に基づいて、取得した音声データに、ステップS31の処理により設定した禁句が含まれているか否かを判断する。
禁句判断モジュールが、取得した音声データに禁句が含まれていないと判断した場合(ステップS70 NO)、コンピュータ10は、本アラート処理を終了する。
【0078】
一方、禁句判断モジュールが、取得した音声データに禁句が含まれていると判断した場合(ステップS70 YES)、アラートモジュールは、面談する側にアラートする(ステップS71)。
アラートモジュールが実行するアラートは、面談する側に、禁句の発言が有ったことを指摘するための通知であれば特に限定されるものではなく、例えば、面談を実施する場所に設置されたスピーカー等の放音装置から、所定の音声を出力させる、情報端末3に所定の文言をアラートとして通知するといたったものである。
アラートモジュールが、情報端末3にアラートを通知する場合について説明する。
アラートモジュールは、含まれている禁句に対応する文言(宗教観を聞いている、家族構成を聞いている、法的に問題が有る発言である、倫理的に問題が有る発言である等)を、情報端末3に送信する。情報端末3は、この文言を受信し、所定のアプリケーション、所定のWebサイト等の所定のUIを介して、自身の表示部に表示する。
アラートモジュールは、情報端末3に、この文言を表示させることにより、面談する側にアラートする。
【0079】
アドバイス生成モジュールは、リカバリ案を、面談アドバイスとして生成する(ステップS72)。
アドバイス生成モジュールは、ステップS32の処理により設定した、含まれている禁句のリカバリ案に基づいた面談アドバイスを生成する。例えば、アドバイス生成モジュールは、宗教観を聞いていた場合、謝罪方法、話の切替方法等を面談アドバイスとして生成すれば良い。
その後、アドバイス提供モジュールは、ステップS64の処理と同様に、リアルタイムで進行する面談の最中に、生成した面談アドバイスを面談する側に提供する。
【0080】
以上が、アラート処理である。
【0081】
[コンピュータ10が実行する議事録提供処理]
図10に基づいて、コンピュータ10が実行する議事録提供処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する議事録提供処理のフローチャートを示す図である。
本議事録提供処理は、面談者が、被面談者に対して面談を実施している最中から、面談の終了後に実行される処理である。
【0082】
議事録生成モジュールは、リアルタイムで進行する面談の最中に、議事録を生成する(ステップS80)。
議事録生成モジュールは、ステップS62の処理による音声データの解析結果に基づいた議事録を生成する。例えば、議事録生成モジュールは予め設問等が設定された面談シート等が存在する場合、この面談シートに自動的に設問に対する回答や反応等を入力することにより議事録を生成する。なお、議事録生成モジュールが生成する議事録は、上述した例に限定されるものではなく、その形式、内容等は、適宜設計可能である。
【0083】
終了判断モジュールは、面談が終了したか否かを判断する(ステップS81)。
終了判断モジュールは、ステップS62の処理による音声データの解析結果に基づいて、予め設定された面談終了に関する文言(面談を終了します等)の有無を判断し、面談が終了したか否かを判断する。
終了判断モジュールが、面談が終了していないと判断した場合(ステップS81 NO)、コンピュータ10は、再度、ステップS80の処理を繰り返す。
【0084】
一方、終了判断モジュールが、面談が終了したと判断した場合(ステップS81 YES)、議事録生成モジュールは、議事録の生成を終了する(ステップS82)。
【0085】
議事録提供モジュールは、生成した議事録を、面談する側に提供する(ステップS83)。
議事録提供モジュールは、生成した議事録を、情報端末3に送信する。
情報端末3は、この議事録を受信し、所定のアプリケーション、所定のWebサイト等の所定のUIを介して、自身の表示部に表示する。
議事録提供モジュールは、情報端末3に、議事録を表示させることにより、議事録を面談する側に提供する。
【0086】
以上が、議事録提供処理である。
【0087】
[コンピュータ10が実行する音声データ提供処理]
図11に基づいて、コンピュータ10が実行する音声データ提供処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する音声データ提供処理のフローチャートを示す図である。
本音声データ提供処理は、面談者が、被面談者に対して面談を実施している最中から、面談の終了後に実行される処理である。
【0088】
終了判断モジュールは、面談が終了したか否かを判断する(ステップS90)。
ステップS90の処理は、上述したステップS81の処理と同様である。
終了判断モジュールが、面談が終了していないと判断した場合(ステップS90 NO)、コンピュータ10は、本音声データ提供処理を終了する。
【0089】
一方、終了判断モジュールが、面談が終了したと判断した場合(ステップS90 YES)、記憶モジュールは、音声データの記憶を終了する(ステップS91)。
【0090】
音声データ提供モジュールは、記憶した音声データを、面談する側に提供する(ステップS92)。
音声データ提供モジュールは、記憶した音声データを、情報端末3に送信する。
情報端末3は、この音声データを受信し、記憶する。
音声データ提供モジュールは、記憶した音声データを、情報端末3に記憶させることにより、記憶した音声データを、面談する側に提供する。
【0091】
以上が、音声データ提供処理である。
【0092】
[コンピュータ10が実行する評価提供処理]
図12に基づいて、コンピュータ10が実行する評価提供処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する評価提供処理のフローチャートを示す図である。
本評価提供処理は、面談者が、被面談者に対して面談を実施している最中から、面談の終了後に実行される処理である。
【0093】
終了判断モジュールは、面談が終了したか否かを判断する(ステップS100)。
ステップS100の処理は、上述したステップS81の処理と同様である。
終了判断モジュールが、面談が終了していないと判断した場合(ステップS100 NO)、コンピュータ10は、本評価提供処理を終了する。
【0094】
一方、終了判断モジュールが、面談が終了したと判断した場合(ステップS100 YES)、評価生成モジュールは、面談に対する全体的な評価を生成する(ステップS101)。
面談に対する全体的な評価は、面談を実施した面談者に対する評価や、面談そのものに対する評価であり、数字で表されるものであっても良いし、記号や文字列等で表されるものであっても良い。
評価生成モジュールは、ステップS62の処理による音声データの解析結果と、ステップS63の処理による面談アドバイスの生成結果とに基づいて、面談の全体的な評価を生成する。例えば、評価生成モジュールは、音声データの解析結果に基づいた被面談者の満足度が高い場合や、生成した面談アドバイスが面談に問題が少なかったことを示すものである場合、高い評価を生成する。逆に、評価生成モジュールは、被面談者の不満足度が高い場合や、生成した面談アドバイスが面談に問題が多かったことを示すものである場合、低い評価を生成する。
なお、評価生成モジュールは、上述した例以外にも、ステップS63の処理に際して説明した各面談アドバイスの生成結果や、ステップS70の処理によるアラートの有無等のそれ以外の内容に基づいて、面談の全体的な評価を生成しても良い。
【0095】
評価提供モジュールは、生成した評価を、面談する側に提供する(ステップS102)。
評価提供モジュールは、生成した評価を、情報端末3に送信する。
情報端末3は、この評価を受信し、所定のアプリケーション、所定のWebサイト等の所定のUIを介して、自身の表示部に表示する。
評価提供モジュールは、情報端末3に、評価を表示させることにより、生成した評価を、面談する側に提供する。
【0096】
以上が、評価提供処理である。
【0097】
[コンピュータ10が実行するレポート提供処理]
図13に基づいて、コンピュータ10が実行するレポート提供処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行するレポート提供処理のフローチャートを示す図である。
本レポート提供処理は、面談者が、被面談者に対して面談を実施している最中から、面談の終了後に実行される処理である。
【0098】
終了判断モジュールは、面談が終了したか否かを判断する(ステップS110)。
ステップS100の処理は、上述したステップS81の処理と同様である。
終了判断モジュールが、面談が終了していないと判断した場合(ステップS110 NO)、コンピュータ10は、本レポート提供処理を終了する。
【0099】
一方、終了判断モジュールが、面談が終了したと判断した場合(ステップS110 YES)、要約モジュールは、発言内容の意味の解析結果に基づいて、面談の内容を要約する(ステップS111)。
要約モジュールは、ステップS62の処理による音声データの解析結果に基づいて、面談の内容を要約する。要約モジュールが実行する面談の内容の要約方法は、特に限定されるものではなく、その形式、内容については、適宜設計可能である。
【0100】
抽出モジュールは、要約に基づいて、面談における重要ポイントを抽出する(ステップS112)。
重要ポイントは、面談目標に関連する予め設定された文言等である。
抽出モジュールは、生成した要約に基づいて、重要ポイントを抽出する。抽出モジュールが実行する重要ポイントの抽出方法は、特に限定されるものではなく、その形式、内容については、適宜設計可能である。
【0101】
レポート生成モジュールは、重要ポイントを纏めたレポートを生成する(ステップS113)。
レポート生成モジュールは、抽出した重要ポイントに基づいて、重要ポイントを纏めたレポートを生成する。レポート生成モジュールが実行するレポートの生成方法は、特に限定されるものではなく、その形式、内容については、適宜設計可能である。
【0102】
レポート提供モジュールは、レポートを面談する側に提供する(ステップS114)。
レポート提供モジュールは、生成したレポートを、情報端末3に送信する。
情報端末3は、このレポートを受信し、所定のアプリケーション、所定のWebサイト等の所定のUIを介して、自身の表示部に表示する。
レポート提供モジュールは、情報端末3に、レポートを表示させることにより、生成したレポートを、面談する側に提供する。
【0103】
以上が、レポート提供処理である。
【0104】
上述した各処理は、別個の処理として記載しているが、コンピュータ10は、上述した各処理の一部又は全部を組み合わせて実行する構成も可能である。また、コンピュータ10は、各処理において、説明したタイミング以外のタイミングであっても、その処理を実行する構成も可能である。
また、上述した各処理は、コンピュータ10が実行する処理として記載しているが、その一部又は全部を、情報端末3自身や、情報端末3にインストールされた所定のアプリケーションが実行する構成も可能である。
【0105】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、コンピュータからネットワーク経由で提供される(SaaS:ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形態やクラウドサービスで提供されて良い。また、プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供されて良い。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記録装置又は外部記録装置に転送し記録して実行する。また、そのプログラムを、記録装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記録装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしても良い。
【0106】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0107】
本実施形態に開示される第1の態様は、リアルタイムで進行する面談の最中に、音声データの発言内容の意味を解析して、予め設定した面談目標を達成するための面談アドバイスを生成して提供するリアルタイム面談アドバイス提供システムであって、
面談の種類に応じた面談目標を設定する面談目標設定部と、
リアルタイムで進行する面談の最中に、面談時の前記音声データを取得する音声データ取得部と、
リアルタイムで進行する面談の最中に、取得した前記音声データの発言内容の意味を解析する発言内容解析部と、
リアルタイムで進行する面談の最中に、前記発言内容の意味の解析結果に基づいて、前記面談目標を達成するための面談アドバイスを生成する面談アドバイス生成部と、
リアルタイムで進行する面談の最中に、前記面談アドバイスを面談する側に提供する面談アドバイス提供部と、
を備えるリアルタイム面談アドバイス提供システムを提供する。
【0108】
本実施形態に開示される第2の態様は、取得した前記音声データを記憶する記憶部と、
面談終了後、記憶した前記音声データを面談する側に提供する音声データ提供部と、
を更に備える第1の態様に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システムを提供する。
【0109】
本実施形態に開示される第3の態様は、所定の内部データを学習する内部データ学習部、
を更に備え、
前記面談アドバイス生成部が、前記内部データの学習結果及び前記発言内容の意味の解析結果に基づいて、前記面談アドバイスを生成する、
第1の態様に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システムを提供する。
【0110】
本実施形態に開示される第4の態様は、前記発言内容解析部が、取得した前記音声データにおける面談される側の発言内容の意味を解析し、
前記面談アドバイス生成部が、前記内部データの学習結果に基づいて、前記面談される側の発言内容の意味の解析結果に基づいた当該面談される側の質問内容に沿った回答内容を、前記面談アドバイスとして生成する、
第3の態様に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システムを提供する。
【0111】
本実施形態に開示される第5の態様は、前記面談アドバイス生成部が、前記内部データの学習結果に基づいて、面談アジェンダを、前記面談アドバイスとして生成する、
第3の態様に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システムを提供する。
【0112】
本実施形態に開示される第6の態様は、前記面談アドバイス生成部が、事前の面談アジェンダが存在する場合、当該事前の面談アジェンダを、生成した前記面談アジェンダに更新する、
第5の態様に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システムを提供する。
【0113】
本実施形態に開示される第7の態様は、過去に取得した前記音声データを学習する音声データ学習部と、
を更に備え、
前記面談アドバイス生成部が、過去に取得した前記音声データの学習結果と、今回取得した前記音声データとを比較し、面談する側の改善点を、前記面談アドバイスとして生成する、
第1の態様に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システムを提供する。
【0114】
本実施形態に開示される第8の態様は、前記面談アドバイス生成部が、事前の面談アジェンダが存在する場合、取得した前記音声データに基づいて、当該事前の面談アジェンダ通りに面談が進行しているか否かを判断し、面談の進行の判断結果に基づいた前記面談アドバイスを生成する、
第1の態様に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システムを提供する。
【0115】
本実施形態に開示される第9の態様は、前記発言内容解析部が、前記発言内容の意味に加え、面談される側の音声のトーン、テンポ及び会話内容を含めて解析し、
前記面談アドバイス生成部が、前記発言内容の意味の解析結果及び前記面談される側の音声のトーン、テンポ及び会話内容の解析結果に基づいて、前記面談アドバイスを生成する、
第1の態様に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システムを提供する。
【0116】
本実施形態に開示される第10の態様は、前記面談アドバイス生成部が、記面談される側の音声のトーン、テンポ及び会話内容の解析結果に基づいて、当該面談される側の満足度を算出し、算出した前記満足度に基づいた面談アドバイスを生成する、
第9の態様に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システムを提供する。
【0117】
本実施形態に開示される第11の態様は、前記面談アドバイス生成部が、前記面談される側の音声のトーン、テンポ及び会話内容の解析結果に基づいて、当該面談される側の不満足度を算出し、算出した前記不満足度に基づいた面談アドバイスを生成する、
第9の態様に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システムを提供する。
【0118】
本実施形態に開示される第12の態様は、前記面談アドバイス生成部が、前記発言内容の意味の解析結果及び前記面談される側の音声のトーン、テンポ及び会話内容の解析結果に基づいた面談する側の改善点を、前記面談アドバイスとして生成する、
第9の態様に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システムを提供する。
【0119】
本実施形態に開示される第13の態様は、禁句を設定する禁句設定部と、
前記音声データに、設定した前記禁句が含まれているか否かを判断する禁句判断部と、
禁句が含まれている場合、前記面談する側にアラートするアラート部と、
を更に備える第1の態様に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システムを提供する。
【0120】
本実施形態に開示される第14の態様は、前記面談アドバイス生成部が、禁句が含まれている場合、リカバリ案を、前記面談アドバイスとして生成する、
第13の態様に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システムを提供する。
【0121】
本実施形態に開示される第15の態様は、面談終了後、面談に対する全体的な評価を生成する評価生成部と、
生成した前記評価を、面談する側に提供する評価提供部と、
を更に備える第1の態様に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システムを提供する。
【0122】
本実施形態に開示される第16の態様は、前記音声データ取得部が、面談時の複数の面談する側の音声データを取得し、
前記発言内容解析部が、取得した前記複数の面談する側の音声データの、面談する側毎の発言内容の意味を解析し、
前記面談アドバイス生成部が、前記発言内容の意味の解析結果に基づいて、話者以外の面談する側が前記面談目標を達成するための前記面談アドバイスを生成し、
前記面談アドバイス提供部が、前記面談アドバイスを、前記話者以外の面談する側に提供する、
第1の態様に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システムを提供する。
【0123】
本実施形態に開示される第17の態様は、リアルタイムで進行する面談の最中に、議事録を生成する議事録生成部、
を更に備える第1の態様に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システムを提供する。
【0124】
本実施形態に開示される第18の態様は、面談終了後、前記発言内容の意味の解析結果に基づいて、面談の内容を要約する要約部と、
要約に基づいて、面談における重要ポイントを抽出する抽出部と、
前記重要ポイントを纏めたレポートを生成するレポート生成部と、
を更に備える第1の態様に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システムを提供する。
【0125】
本実施形態に開示される第19の態様は、面談の種類に応じて設定されたテンプレートの内、前記面談する側が所望する前記テンプレートを選択する選択部、
を更に備え、
前記面談目標設定部が、選択した前記テンプレートを、前記面談目標に設定する、
第1の態様に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システムを提供する。
【0126】
本実施形態に開示される第20の態様は、評価情報を取得する評価情報取得部と、
取得した評価情報を解析する評価情報解析部と、
を更に備え、
前記面談アドバイス生成部が、前記発言内容の意味の解析結果及び前記評価情報の解析結果に基づいて、前記面談アドバイスを生成する、
第1の態様に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システムを提供する。
【0127】
本実施形態に開示される第21の態様は、評価情報を取得する評価情報取得部、
を更に備え、
前記面談目標設定部が、前記面談の種類及び前記評価情報に応じた前記面談目標を設定する、
第1の態様に記載のリアルタイム面談アドバイス提供システムを提供する。
【符号の説明】
【0128】
1 リアルタイム面談アドバイス提供システム
3 情報端末
8 ネットワーク
10 コンピュータ

【要約】
【課題】リアルタイムで進行する面談の最中に、予め設定した面談目標を達成する。
【解決手段】リアルタイムで進行する面談の最中に、音声データの発言内容の意味を解析して、予め設定した面談目標を達成するための面談アドバイスを生成して提供するリアルタイム面談アドバイス提供システムは、面談の種類に応じた面談目標を設定し、リアルタイムで進行する面談の最中に、面談時の前記音声データを取得し、リアルタイムで進行する面談の最中に、取得した前記音声データの発言内容の意味を解析し、リアルタイムで進行する面談の最中に、前記発言内容の意味の解析結果に基づいて、前記面談目標を達成するための面談アドバイスを生成し、リアルタイムで進行する面談の最中に、前記面談アドバイスを面談する側に提供する。
【選択図】 図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13