(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】作像ユニット及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/18 20060101AFI20241125BHJP
G03G 15/04 20060101ALI20241125BHJP
【FI】
G03G21/18 114
G03G21/18 150
G03G15/04 111
(21)【出願番号】P 2019218802
(22)【出願日】2019-12-03
【審査請求日】2022-11-16
(31)【優先権主張番号】P 2019055496
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】小島 隆宏
(72)【発明者】
【氏名】松島 利弘
【審査官】内藤 万紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-217688(JP,A)
【文献】特開2013-214118(JP,A)
【文献】特開2004-025679(JP,A)
【文献】特開2011-253160(JP,A)
【文献】特開2009-175416(JP,A)
【文献】特開2011-253159(JP,A)
【文献】特開2011-070143(JP,A)
【文献】特開2019-003115(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0364639(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/18
G03G 15/04
G03G 21/16
G03G 15/00
B41J 29/00
B41J 2/385
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降する固体ヘッドが設けられた画像形成装置に一方向に挿入して装着される作像ユニットであって、
前記固体ヘッドに対して所定の位置に配置される感光ドラムと、
前記感光ドラムを支持するドラムケースと、
前記ドラムケースに設けられ、前記感光ドラムに向かって前記固体ヘッドが昇降するときに、前記固体ヘッドを前記一方向及び昇降方向に直交する方向に案内するガイドと、
前記ドラムケースに設けられ、前記固体ヘッドに設けられた一対の開口に挿入される一対の突起体と、
を備え、
前記ガイドは、前記感光ドラムの軸方向に沿った方向に延びる、対向する一対の板状部を含み、
前記一対の板状部の対向面間の幅は、前記一対の板状部の先端から前記感光ドラム側に向かって、中途部まで前記一方向及び前記昇降方向に直交する方向の前記固体ヘッドの幅よりも大きい幅で漸次減少し、そして、前記中途部から前記固体ヘッドの前記幅と同一の一様な幅に設定され、
前記突起体は、前記ガイドの両端に前記感光ドラムの軸方向で隣接し、
前記固体ヘッドは、回転操作する操作レバーを有する昇降機構の、前記操作レバーの操作によって昇降され、
前記昇降機構は、前記操作レバーに設けられた軸部と、前記軸部の外周面に設けられた突起と、前記突起が移動可能な螺旋状の溝を有する筒体と、前記筒体に接続され、直線状に移動するスライダと、前記スライダ及び前記固体ヘッドに接続され、前記スライダの移動を前記固体ヘッドの昇降に変換するリンクと、前記リンクを回転可能に支持する支持部材と、を備え、
前記リンクは、リンク体と、前記リンク体の中央に設けられ、前記支持部材に回転可能に支持される第1軸と、前記リンク体の両端にそれぞれ設けられ、前記スライダ及び前記固体ヘッドに回転可能に接続される二つの第2軸と、を有する、作像ユニット。
【請求項2】
前記固体ヘッドが前記感光ドラムから下降していており、かつ前記画像形成装置に前記作像ユニットを挿入したときに、前記一対の板状部の先端は、前記一方向及び前記昇降方向に直交する方向で前記固体ヘッドと対向する、請求項1に記載の作像ユニット。
【請求項3】
フレームと、
前記フレームに固定されるベース、固体ヘッド、及び、前記ベースに対して前記固体ヘッドを昇降させる昇降機構を有する固体ヘッドユニットと、
請求項1
又は請求項2記載の作像ユニットと、
を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、作像ユニット及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真装置等の画像形成装置において、固体ヘッドを有する露光装置により作像ユニットの感光ドラムを露光し、トナー等の現像剤を感光ドラムに付着させ、紙等の紙葉類に現像剤を転写する技術が知られている。
【0003】
固体ヘッドの清掃や作像ユニットの交換等において、固体ヘッドは感光ドラムから離間した位置にある。そして、画像形成を行う場合においては、固体ヘッドは、作像ユニットに当接し、感光ドラムに対して所定の位置にある。また、固体ヘッド及び感光ドラムの相対位置を所定の位置とするために、固体ヘッド及び作像ユニットは位置決めを行う必要がある。このため、固体ヘッド及び作像ユニットは、突起体及び開口を有し、突起体を開口に挿入することで、固体ヘッド及び作像ユニットの相対位置を案内する。
【0004】
このような画像形成装置は、作像ユニットを画像形成装置のフレーム内に挿入し、その後、固体ヘッドを作像ユニットに当接させる。しかしながら、作像ユニット及び固体ヘッドを配置したときに、突起体及び開口の位置がずれていると、突起体が開口に挿入されず、位置決めができない虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、固体ヘッド及び作像ユニットの相対的な位置関係を案内できる作像ユニット及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、昇降する固体ヘッドが設けられた画像形成装置に一方向に挿入して装着される作像ユニットは、感光ドラムと、ドラムケースと、ガイドと、一対の突起体と、を備える。感光ドラムは、前記固体ヘッドと所定の位置に配置される。ドラムケースは、前記感光ドラムを支持する。ガイドは、前記ドラムケースに設けられ、前記感光ドラムに向かって前記固体ヘッドが昇降するときに、前記固体ヘッドを前記一方向及び昇降方向に直交する方向に案内する。一対の突起体は、前記ドラムケースに設けられ、前記固体ヘッドに設けられた一対の開口に挿入される。前記ガイドは、前記感光ドラムの軸方向に沿った方向に延びる、対向する一対の板状部を含む。前記一対の板状部の対向面間の幅は、前記一対の板状部の先端から前記感光ドラム側に向かって、中途部まで前記一方向及び前記昇降方向に直交する方向の前記固体ヘッドの幅よりも大きい幅で漸次減少し、そして、前記中途部から前記固体ヘッドの前記幅と同一の一様な幅に設定される。前記突起体は、前記ガイドの両端に前記感光ドラムの軸方向で隣接する。前記固体ヘッドは、回転操作する操作レバーを有する昇降機構の、前記操作レバーの操作によって昇降される。前記昇降機構は、前記操作レバーに設けられた軸部と、前記軸部の外周面に設けられた突起と、前記突起が移動可能な螺旋状の溝を有する筒体と、前記筒体に接続され、直線状に移動するスライダと、前記スライダ及び前記固体ヘッドに接続され、前記スライダの移動を前記固体ヘッドの昇降に変換するリンクと、前記リンクを回転可能に支持する支持部材と、を備える。前記リンクは、リンク体と、前記リンク体の中央に設けられ、前記支持部材に回転可能に支持される第1軸と、前記リンク体の両端にそれぞれ設けられ、前記スライダ及び前記固体ヘッドに回転可能に接続される二つの第2軸と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る画像形成装置の構成を示す斜視図。
【
図3】同画像形成装置の構成を正面側から示す断面図。
【
図6】同画像形成装置に用いられるフレーム、固体ヘッドユニット及び作像ユニットの構成を示す斜視図。
【
図7】同フレーム、固体ヘッドユニット及び作像ユニットの要部構成を示す斜視図。
【
図8】同固体ヘッドユニット及び作像ユニットの構成を示す斜視図。
【
図9】同固体ヘッドユニット及び作像ユニットの構成を示す斜視図。
【
図10】同固体ヘッドユニット及び作像ユニットの構成を示す斜視図。
【
図11】同固体ヘッドユニット及び作像ユニットの構成を示す断面図。
【
図12】同固体ヘッドユニット及び作像ユニットの構成を示す斜視図。
【
図13】同固体ヘッドユニット及び作像ユニットの構成を示す斜視図。
【
図14】同固体ヘッドユニット及び作像ユニットの構成を示す斜視図。
【
図15】同固体ヘッドユニット及び作像ユニットの構成を示す断面図。
【
図16】同固体ヘッドユニットの要部構成を示す斜視図。
【
図17】同固体ヘッドユニットの要部構成を示す斜視図。
【
図18】同固体ヘッドユニットの要部構成を拡大して示す斜視図。
【
図19】同固体ヘッドユニットの要部構成を拡大して示す斜視図。
【
図20】同固体ヘッドユニットの要部構成を拡大して示す斜視図。
【
図21】同固体ヘッドユニットの昇降機構の構成を拡大して示す斜視図。
【
図25】同作像ユニットに用いられるドラムケースの構成を示す断面図。
【
図26】同作像ユニットに用いられるドラムケースの構成を示す斜視図。
【
図27】同固体ヘッドユニットの動作の一を示す説明図。
【
図28】同固体ヘッドユニットの動作の一を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、一実施形態に係る作像ユニット13を有する画像形成装置1について、
図1乃至
図26を用いて説明する。
【0010】
なお、本実施形態において、画像形成装置1は、作像ユニット13の挿入方向に沿った方向をX方向、重力方向に沿った方向をZ方向、X方向及びZ方向に直交する方向をY方向として、以下説明する。また、画像形成装置1は、X方向を前後方向とし、そして、作像ユニット13を挿入する側をフロントとして説明する。なお、X方向は、作像ユニット13がフレーム11内に配置され、そして、固体ヘッドユニット12に装着されたときの感光ドラム52の軸方向でもある。
【0011】
図1乃至
図3は、画像形成装置1の構成をそれぞれ斜視、正面及び断面で示す。なお、
図1乃至
図3において、画像形成装置1に用いられる化粧板は省略する。
図4及び
図5は、同画像形成装置1の要部構成を示す斜視図である。なお、
図4は作像ユニット13がフレーム11から取り出された状態を示し、
図5は、作像ユニット13をフレーム11内に挿入するときの状態を示す。
【0012】
図6及び
図7は、画像形成装置1に用いられるフレーム11、固体ヘッドユニット12及び作像ユニット13の構成を示す斜視図であり、
図7は、要部を拡大して示す。なお、
図6及び
図7において、固体ヘッドユニット12及び作像ユニット13は、説明の便宜上、一つのみ示す。
【0013】
図8は、4つの固体ヘッドユニット12及び4つの作像ユニット13の構成を示す斜視図であり、
図9は、4つの固体ヘッドユニット12及び1つの作像ユニット13の構成を示す斜視図である。
図10及び
図11は、一つの固体ヘッドユニット12及び一つの作像ユニット13の構成であって、固体ヘッド33が作像ユニット13に対して所定の位置にある状態を斜視及び断面で示す図である。
図12乃至
図15は、一つの固体ヘッドユニット12及び一つの作像ユニット13の構成であって、固体ヘッド33が作像ユニット13から離間した位置にある状態を示す図である。また、
図12は斜視図であり、
図13及び
図14は、一つの固体ヘッドユニット12及び一つの作像ユニット13の両端側の構成をそれぞれ示す斜視図であり、
図15は、断面図である。
【0014】
図16及び
図17は、固体ヘッドユニット12のベース31、昇降機構32及び固体ヘッド33の構成を示す斜視図であり、
図16は固体ヘッド33がベース31側へ下降している状態を示し、
図17は固体ヘッド33がベース31に対して上昇している状態を示す。
【0015】
図18及び
図19は、ベース31、昇降機構32及び固体ヘッド33の構成を、昇降機構32の操作レバー32a側で示す斜視図であり、
図18は固体ヘッド33がベース31側へ下降している状態を示し、
図19は固体ヘッド33がベース31に対して上昇している状態を示す。
【0016】
図20は、ベース31、昇降機構32及び固体ヘッド33の構成を拡大して示す斜視図である。
図21及び
図22は、昇降機構32のフロント側上方の構成をフロント側からリア側に向かって拡大して示すとともに、変換機構32bの筒体32b3を省略して示す斜視図である。また、
図21は、昇降機構32が下降した状態を示し、
図22は、昇降機構32が上昇した状態を示す。
【0017】
図23及び
図24は、昇降機構32のフロント側上方の構成をリア側からフロント側に向かって拡大して示すとともに、変換機構32bの筒体32b3を省略して示す斜視図である。また、
図23は、昇降機構32が下降した状態を示し、
図24は、昇降機構32が上昇した状態を示す。
【0018】
図25は作像ユニット13の構成を示す断面図であり、
図26は作像ユニット13に用いられるドラムケース51の構成を示す斜視図である。
【0019】
図27は、固体ヘッドユニット12が上昇した状態を示し、
図28は、固体ヘッドユニット12が下降した状態を示す。
【0020】
画像形成装置1は、例えば、コピー、スキャン、プリンタ等の機能を集約した多機能周辺機器(MFP:Multi Function Peripherals)である。
図1乃至
図3に示すように、画像形成装置1は、フレーム11と、複数の固体ヘッドユニット12と、複数の作像ユニット13と、を備える。また、
図1乃至
図3に示すように、画像形成装置1は、例えば、収容トレイ14と、スキャナユニット15と、転写ベルト16と、定着装置17と、排紙トレイ18と、搬送装置と、制御ユニットと、を備える。また、画像形成装置1は、外面側に化粧板が設けられる。
【0021】
なお、画像形成装置1に用いられる固体ヘッドユニット12及び作像ユニット13の数は、画像形成装置1で用いる現像剤の種類によって設定される。本実施形態においては、一例として、現像剤として、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色のトナーを用いる構成を説明する。よって、
図1乃至
図3、
図8に示すように、本実施形態においては、例えば、画像形成装置1が4つの固体ヘッドユニット12及び4つの作像ユニット13を有する例を用いて説明する。
【0022】
図1乃至
図7に示すように、フレーム11は、フロントフレーム21と、リアフレーム22と、複数の連結フレーム23と、を備える。フレーム11の外面側には、化粧板が設けられる。フレーム11は、画像形成装置1に用いられる各構成品を支持する。
【0023】
図6及び
図7に示すように、フロントフレーム21及びリアフレーム22は、画像形成装置1の作像ユニット13を挿入する方向であるX方向に対向して配置される。フロントフレーム21及びリアフレーム22は、例えば、連結フレーム23等によって一体に固定される。また、フロントフレーム21及びリアフレーム22には、4つの固体ヘッドユニット12が固定される。
【0024】
図4乃至
図7に示すように、フロントフレーム21は、複数の作像ユニット13をX方向に沿ってフロントフレーム21側からリアフレーム22に向かって挿入する挿入口21aを有する。挿入口21aは、フロントフレーム21に形成された開口である。挿入口21aは、フレーム11に固定された固体ヘッドユニット12の端部及び作像ユニット13をフレーム11外に露出させる。具体例としては、挿入口21aは、少なくとも、固体ヘッドユニット12の後述する操作レバー32a、及び、作像ユニット13を外部へ露出させる。
【0025】
即ち、挿入口21aは、4つの固体ヘッドユニット12の端部を外部に露出させた状態で、4つの作像ユニット13を挿入可能な形状を有する。なお、挿入口21aの形状は、固体ヘッドユニット12及び作像ユニット13の数及び配置によって適宜設定される。本実施形態においては、
図2に示すように、Z方向において固体ヘッドユニット12の上方に作像ユニット13が配置され、そして、Y方向の一方から他方に向かって、4つの固体ヘッドユニット12及び4つの作像ユニット13のZ方向における高さ位置が漸次変わる配置に設定される。そして、挿入口21aの形状は、これら固体ヘッドユニット12及び作像ユニット13の配置が可能な形状に設定される。
【0026】
リアフレーム22は、複数の支持孔22aと、複数の案内孔22bと、を有する。支持孔22a及び案内孔22bは、作像ユニット13の数と同数、本実施形態においては、それぞれ4つ設けられる。各支持孔22a及び各案内孔22bは、リアフレーム22のフロントフレーム21に形成された挿入口21aとX方向で対向する領域に形成される。支持孔22aは、作像ユニット13の挿入方向で先端側を支持する。支持孔22aは、リアフレーム22に形成された円形状の穴である。案内孔22bは、支持孔22aに支持された作像ユニット13の挿入方向に沿った軸を回転中心とした一軸周りの姿勢を案内する。案内孔22bは、リアフレーム22に形成された円形状の穴である。案内孔22bの内径は、支持孔22aの内径よりも大径に設定される。
【0027】
図8乃至
図24に示すように、固体ヘッドユニット12は、ベース31と、昇降機構32と、固体ヘッド33と、第1ガイド34と、を備える。固体ヘッドユニット12は、一方向に長く形成され、この長手方向がX方向に沿って、フレーム11に固定される。
【0028】
ベース31は、フロントフレーム21及びリアフレーム22に螺子等の締結部材により固定される。ベース31は、昇降機構32の一部を支持する。
【0029】
昇降機構32は、ベース31に対して固体ヘッド33を一方向に往復移動させる。以下、ベース31に対する固体ヘッド33の一方向の往復移動を昇降として説明する。
図9乃至
図19に示すように、昇降機構32は、例えば、操作レバー32aと、変換機構32bと、スライダ32cと、付勢部材32dと、支持部材32eと、リンク32fと、を備える。
【0030】
操作レバー32aは、操作されることで、所定の角度範囲で回転可能に形成される。
図10、
図12、
図13、
図16乃至
図19、
図21乃至
図24に示すように、操作レバー32aは、作業者に回転操作される操作部32a1と、操作部32a1に一体に設けられた軸部32a2と、を含む。軸部32a2は、操作部32a1の回転に伴って回転する。
【0031】
変換機構32bは、軸部32a2の回転移動を軸部32a2の軸方向の移動に変換する。なお、固体ヘッドユニット12がフレーム11に固定された姿勢において、軸部32a2の軸方向は、X方向に沿う。
【0032】
具体例として、
図16乃至
図19、
図21乃至
図24に示すように、変換機構32bは、軸部32a2の外周面の一部に設けられた突起32b1と、軸部32a2を覆うとともに、周方向及び軸方向に対して傾斜する方向に延びる溝32b2を有する筒体32b3と、により構成される。具体例として、溝32b2は、筒体32b3の周面に沿って螺旋状に延びる開口である。変換機構32bは、操作部32a1が操作され、軸部32a2が回転すると、軸部32a2に設けられた突起32b1の移動が溝32b2に案内されることから、軸部32a2の回転方向の移動を、軸部32a2の回転方向の移動に加えて軸方向の移動に変換する。筒体32b3は、例えば、ベース31に固定される。
【0033】
スライダ32cは、軸部32a2の軸方向で軸部32a2に固定される。スライダ32cは、例えば、軸部32a2に螺子等の締結部材で固定される。具体例として、スライダ32cは、軸部32a2がスライダ32cに対してX方向に沿った軸周りに回転可能に、軸部32a2に固定される。スライダ32cは、X方向に移動可能に、ベース31に支持される。即ち、スライダ32cは、直線状に移動する。スライダ32cは、X方向で一端側に軸部32a2が固定され、他端側に付勢部材32dが接続される。スライダ32cは、X方向に沿って移動したときに、リンク32fをX方向に操作する。具体例として、スライダ32cは、リンク32fの一端を回転可能に支持する。スライダ32cは、支持部材32eを配置する開口32c1を有する。開口32c1は、ベース31の上面の一部を露出させる。開口32c1は、スライダ32cの両端に設けられる。
【0034】
付勢部材32dはスライダ32cを一方向に付勢する。具体例として、付勢部材32dはコイルバネである。付勢部材32dは、X方向に沿ってスライダ32cを操作レバー32aから離間する方向に付勢する。付勢部材32dは、一端がベース31に支持され、そして、他端がスライダ32cに支持される。
【0035】
支持部材32eは、一端がベース31に回転可能に支持され、他端がリンク32fの後述する第1軸32f1を回転可能に支持する。支持部材32eは、例えば二つ設けられる。例えば、二つの支持部材32eの一方は、X方向で、ベース31の一端側の上面に設けられ、スライダ32cの一方の開口32c1に配置される。また、二つの支持部材32eの他方は、X方向で、ベース31の他端側の上面に設けられ、スライダ32cの他方の開口32c1に配置される。
【0036】
リンク32fは、例えば、X方向で二箇所に設けられる。リンク32fは、支持部材32e、スライダ32c及び固体ヘッド33に回転可能に接続される。リンク32fは、スライダ32cの移動を固体ヘッド33の昇降に変換する。
図10、
図12乃至
図14、
図16、
図17、
図20乃至
図24に示すように、リンク32fは、支持部材32eに回転可能に支持される第1軸32f1と、第1軸32f1の軸方向で端部に設けられたリンク体32f2と、リンク体32f2の両端に設けられた二つの第2軸32f3と、を備える。
図20乃至
図24に示すように、具体例として、一つのリンク32fは、第1軸32f1、リンク体32f2及び二つの第2軸32f3を一対有する。
【0037】
リンク体32f2は、一方向に長い板状又は棒状の部材である。リンク体32f2は、長手方向の中央に第1軸32f1が設けられ、長手方向の両端に、それぞれ第2軸32f3が設けられる。各第2軸32f3は、リンク体32f2の両端の主面から、第1軸32f1と同方向に突出する。例えば、一対のリンク体32f2は、一対のリンク体32f2に設けられた第1軸32f1同士及び第2軸32f3同士が対向する姿勢で配置される。
【0038】
図13、
図14及び
図21乃至
図23に示すように、例えば、一対のリンク体32f2に対向して配置された一対の第1軸32f1は、支持部材32eに回転可能に接続される。具体例として、一対の第1軸32f1は、支持部材32eに設けられた孔に挿入される。
【0039】
図21乃至
図24に示すように、例えば、リンク体32f2の一端側に設けられた第2軸32f3は、スライダ32cに回転可能に接続される。また、例えば、リンク体32f2の他端側に設けられた第2軸32f3は、固体ヘッド33に回転可能に接続される。例えば、
図13及び
図14に示すように、一対の第2軸32f3は、スライダ32cの側面に設けられた孔32c2及び固体ヘッド33の側面に設けられた孔42aにそれぞれ回転可能に支持される。
【0040】
具体例として、スライダ32cは、スライダ32cのX方向で両端側のそれぞれに、両側面に設けられた一対の孔32c2を有する。一対のリンク体32f2に対向して配置された一方の第2軸32f3の対は、スライダ32cの一対の孔32c2に挿入される。また、具体例として、固体ヘッド33は、固体ヘッド33のX方向で両端側のそれぞれに、両側面に設けられた一対の孔42aを有する。一対のリンク体32f2に対向して配置された他方の第2軸32f3の対は、固体ヘッド33の一対の孔42aに挿入される。
【0041】
このようなリンク32fは、一対の第1軸32f1、一対のリンク体32f2及び一対の二つの第2軸32f3によって、両持ち構造で、支持部材32e、スライダ32c及び固体ヘッド33に接続される。そして、リンク32fは、スライダ32cがX方向に移動すると、スライダ32cに支持された一方の第2軸32f3がX方向に移動することで、リンク体32f2のスライダ32c側の端部にX方向の力が印加される。しかし、スライダ32cは、X方向にのみ移動し、そして、リンク体32f2の他方の第2軸32f3が固体ヘッド33に支持されている。よって、リンク体32f2の長手方向の中央に設けられた第1軸32f1が支持部材32eを押圧し、支持部材32eの一端を中心に支持部材32eをベース31に対して回転させる。また、このとき、リンク体32f2が第1軸32f1を中心として回転することで、リンク体32f2のX方向に対する角度が変化し、固体ヘッド33に支持された第2軸32f3が昇降する。このように、リンク32fは、スライダ32cがX方向に移動すると、リンク体32f2及び支持部材32eが回転移動するため、固体ヘッド33側の第2軸32f3が昇降し、ベース31に対して固体ヘッド33を昇降させる。
【0042】
固体ヘッド33は、露光装置である。固体ヘッド33は、作像ユニット13に静電潜像を形成する書き込み用の光源を構成する。
図10乃至
図19に示すように、固体ヘッド33は、プリントヘッド41と、ホルダ42と、付勢部材43と、を備える。固体ヘッド33は、ベース31に対して上昇し、作像ユニット13に対して所定の位置に位置するときに、例えば、プリントヘッド41又はホルダ42の上昇方向の先端の一部が作像ユニット13の一部に当接する。
【0043】
プリントヘッド41は、一方向に長い形状を有する。プリントヘッド41は、例えば、光を照射するLEDを光源とするLEDプリントヘッドである。プリントヘッド41は、作像ユニット13へ露光するときに、作像ユニット13の後述する感光ドラム52に対して、感光ドラム52の軸方向及び感光ドラム52の径方向において、所定の位置関係に配置される。
図12乃至
図14、
図16乃至
図19に示すように、プリントヘッド41は、長手方向の両端部であって、且つ、固体ヘッド33の上昇方向における先端に形成されたガイド用の開口41aを有する。また、プリントヘッド41は、例えば、開口41aが形成された両端部の端面が作像ユニット13の一部に当接する当接面を構成する。開口41aは、円形又は楕円形の穴である。なお、例えば、開口41aは、プリントヘッド41の先端面及び内周面との稜部が、環状の平面又は曲面により面取り形状に形成されていてもよい。また、プリントヘッド41は、作像ユニット13の感光ドラム52に対して所定の位置とするために、作像ユニット13のいずれかの構成と当接する当接部や突起を適宜有している。
【0044】
ホルダ42は、プリントヘッド41を支持する。
図10、
図12、
図16、
図17に示すように、具体例として、ホルダ42は、固体ヘッド33の昇降方向で、プリントヘッド41の感光ドラム52と対向する側とは反対側の下面側、及び、プリントヘッド41の長手方向の両端を支持する。ホルダ42は、例えば、二つのリンク32fに接続される。具体例として、
図13、
図14、
図16及び
図17に示すように、ホルダ42は、X方向で両端側であって、且つ、Y方向で両側面に孔42aを有する。即ち、ホルダ42の両端側の両側面の4箇所に、第2軸32f3が挿入される孔42aが形成される。孔42aは、リンク体32f2の端部に設けられた一方の第2軸32f3を回転可能に配置する。
【0045】
付勢部材43は、プリントヘッド41をホルダ42から感光ドラム52側に離間する方向に付勢する。付勢部材43は、複数設けられる。
図10、
図12、
図16、
図17に示すように、付勢部材43は、プリントヘッド41の昇降方向でプリントヘッド41及びホルダ42の間であって、且つ、プリントヘッド41の長手方向で両端側の二箇所に設けられる。付勢部材43は、例えばコイルバネである。
【0046】
第1ガイド34は、フレーム11又はベース31の少なくとも一方に固定される。
図5に示すように、第1ガイド34は、作像ユニット13をフロントフレーム21の挿入口21aから挿入するとき、及び、挿入口21aから挿入後、固体ヘッドユニット12上をX方向に移動するときに、作像ユニット13の移動方向をX方向に沿って案内する。第1ガイド34は、例えば、作像ユニット13を挿入口21aから挿入するときに、作像ユニット13の一部と当接することで作像ユニット13を案内するレールである。
図9に示すように、例えば、第1ガイド34は、X方向に延び、作像ユニット13の外面の一部を摺動可能に支持する一対のレール34aにより構成される。
【0047】
作像ユニット13は、例えば、電子写真プロセスユニット(EPU:Electrophotographic Process Unit)である。本実施形態においては、例えば、
図2に示すように、紙葉類の搬送方向で一次側から二次側に向かって、イエローのトナーを収容した作像ユニット13A、マゼンタのトナーを収容した作像ユニット13B、シアンのトナーを収容した作像ユニット13C、ブラックのトナーを収容した作像ユニット13Dが順に配置される。
【0048】
図10乃至
図15、
図25、
図26に示すように、作像ユニット13は、ドラムケース51と、感光ドラム52と、第2ガイド53と、突起体54と、を含む。
図12乃至
図14に示すように、作像ユニット13は、例えば、複数のスペーサ55を有する。また、作像ユニット13は、例えば、現像ローラと、帯電ユニットと、トナータンクと、クリーナケースと、を含む。
【0049】
図26に示すように、ドラムケース51は、一方向に長く形成される。ドラムケース51は、感光ドラム52を回転可能に支持する。
図7及び
図26に示すように、ドラムケース51は、長手方向で一端側に、リアフレーム22の支持孔22aに挿入される被支持部51aと、リアフレーム22の案内孔22bに挿入される案内部51bと、を備える。ドラムケース51は、作像ユニット13を挿入口21aから挿入するときに、第1ガイド34の一対のレール34aと当接し、作像ユニット13のX方向の移動を案内する。
【0050】
被支持部51aは、例えば、円筒状に形成される。被支持部51aの外径は、支持孔22aの内径よりも若干小径に設定される。
【0051】
案内部51bは、例えば、円柱状に形成される。案内部51bの外径は、例えば、案内孔22bの内径よりも若干小径に設定される。案内部51bは、案内孔22bに挿入されることで、ドラムケース51の被支持部51aの中心軸を回転中心としたドラムケース51の回転方向の姿勢を案内する。
【0052】
感光ドラム52は、表面上に一様の電荷を形成可能、且つ、表面が露光されることで、表面上に静電潜像を形成可能に形成される。また、感光ドラム52は、静電潜像に付着したトナーを紙に転写可能に形成される。
【0053】
第2ガイド53は、例えば、ドラムケース51と一体に形成される。例えば、第2ガイド53は、ドラムケース51と一体成形されるか、または、ドラムケース51に一体に組み立てられる。
【0054】
作像ユニット13を挿入口21aへ挿入するときに、第2ガイド53は、固体ヘッド33と当接すると、固体ヘッド33の作像ユニット13に対する、作像ユニット13の挿入方向及び固体ヘッド33の上昇方向に対して直交する方向の位置を案内する。また、固体ヘッドユニット12の固体ヘッド33が感光ドラム52に向かって上昇するときに、第2ガイド53は、固体ヘッド33が感光ドラム52に対して所定の位置となるように、固体ヘッド33の移動を案内する。
【0055】
例えば、第2ガイド53は、固体ヘッド33のホルダ42と少なくとも当接することで、固体ヘッド33の上昇の案内を行う。具体例として、第2ガイド53は、感光ドラム52の軸方向に沿った方向に延びる一対の板状部53aを有する。一対の板状部53aは、感光ドラム52側の幅が、固体ヘッド33の長手方向及び上昇方向に直交する方向の幅と同じ又は感光ドラム52の所定の位置に固体ヘッド33を案内可能な程度に若干大きい、一様な幅に設定される。また、一対の板状部53aは、先端部の幅が先端から感光ドラム52側に向かって漸次減少する。具体例として、一対の板状部53aの先端部は、先端から感光ドラム52側に向かって幅が漸次減少するように、固体ヘッド33の上昇方向に対して傾斜する平面か、又は、当該上昇方向に対して接線が傾斜する曲面により形成される。なお、ここで、一対の板状部53aの幅とは、一対の板状部53aの対向面の間に形成される隙間の幅である。
【0056】
即ち、
図25に示すように、一対の板状部53aの幅は、先端から感光ドラム52側に向かって、中途部まで長手方向及び上昇方向に直交する方向の固体ヘッド33の幅よりも大きい隙間であって、且つ、漸次減少し、そして、中途部から固体ヘッド33の該幅と略同一の一様な幅に設定される。
【0057】
また、
図15に示すように、一対の板状部53aの先端は、作像ユニット13を挿入口21aから挿入するときに、固体ヘッド33の少なくともホルダ42の先端と、固体ヘッド33の長手方向及び昇降方向に直交する方向でオーバーラップする。換言すると、
図15に示すように、作像ユニット13を挿入口21aから挿入するときに、一対の板状部53aの先端は、ベース31側に下降している固体ヘッド33のホルダ42の少なくとも固体ヘッド33の上昇方向における先端と、固体ヘッド33の長手方向及び昇降方向に直交する方向で対向する。
【0058】
突起体54は、所謂ダボである。突起体54は、例えばドラムケース51に設けられた突起である。突起体54は、例えば、円柱状に形成されるとともに、先端の稜部が環状の平面又は曲面により面取りされるか、又は、先端が縮径する。突起体54は、第2ガイド53の両端に感光ドラム52の軸方向で隣接する。突起体54は、プリントヘッド41に設けられた開口41aに挿入される。突起体54は、開口41aに挿入されることで、ドラムケース51に支持された感光ドラム52の固体ヘッド33に対する長手方向の位置を位置決めする。また、突起体54は、開口41aに挿入されることで、ドラムケース51のX方向の移動を規制し、作像ユニット13をフレーム11及び固体ヘッドユニット12に固定する。
【0059】
スペーサ55は、例えば、ドラムケース51に設けられる。例えば、スペーサ55は、感光ドラム52及びプリントヘッド41の間に配置される。
図13及び
図14に示すように、スペーサ55は、例えば、感光ドラム52のX方向で両端側と対向する位置に配置される。スペーサ55は、感光体である感光ドラム52と、固体ヘッド33のプリントヘッド41との間に、感光ドラム52及びプリントヘッド41が画像形成処理に適した位置関係となる隙間を生じさせる。例えば、プリントヘッド41の上端の一部が接触してスペーサ55に一定の荷重を与えることで、感光ドラム52及びプリントヘッド41の間の隙間が所望の隙間となる。
【0060】
現像ローラは、感光ドラム52の表面にトナータンクのトナーを供給する。帯電ユニットは、感光ドラム52の表面上に一様の電荷を形成する。トナータンクは、トナーを収容する。クリーナケースは、感光ドラム52にトナーを付着させたときの余剰なトナーを回収する。
【0061】
収容トレイ14は、印字等を行う紙やフィルム等の紙葉類を収容する。収容トレイ14は、フレーム11の下方、例えば、複数の固体ヘッドユニット12及び複数の作像ユニット13の下方に配置される。収容トレイ14は、ピックアップローラを含み、画像形成処理に応じて対応する紙葉類を取り出す。なお、取り出された紙葉類は、搬送装置等によって作像ユニット13及び転写ベルト16へと搬送される。
【0062】
スキャナユニット15は、配置された原稿等を読み取る。スキャナユニット15は、例えば、手差しトレイ15aを含む。
【0063】
転写ベルト16は、感光ドラム52を通過する紙葉類に、感光ドラム52の静電潜像に付着したトナーを転写する。定着装置17は、トナーが転写された紙葉類にトナーを定着させる。
【0064】
排紙トレイ18は、トナーが定着し、排紙された紙葉類を受ける。搬送装置は、収容トレイ14から排紙トレイ18まで、紙葉類を搬送する。例えば、搬送装置は、フレーム11内に設けられた複数のローラと、ローラを回転させる駆動装置と、により構成される。
なお、
図1及び
図2において、排紙トレイ18は、化粧板を省略して示す。
【0065】
制御ユニットは、各構成を制御し、画像形成処理を行う。画像形成処理としては、例えば、帯電ユニットを制御して作像ユニット13の感光ドラム52に一様の電荷を形成する帯電処理、感光ドラム52に固体ヘッドユニット12を制御して静電潜像を形成する露光処理、感光ドラム52の静電潜像にトナーを付着させる現像プロセス、感光ドラム52を通過する紙葉類に転写ベルト16等によって静電潜像に付着したトナーを転写する転写処理、定着装置17によりトナーが転写された紙葉類にトナーを定着させる定着処理を含む。
【0066】
次に、このように構成された画像形成装置1の作像ユニット13の着脱作業の一例として、作像ユニット13の交換作業の一例を以下説明する。なお、作像ユニット13は、例えば、トナーが消耗品であることから、トナーが消耗した場合に交換される。また、他の作像ユニット13の着脱の例としては、固体ヘッド33の清掃時等に、作像ユニット13が画像形成装置1から一時的に取り外される例が考えられる。
【0067】
先ず、作業者は、
図10、
図11に示すように、取り外す作像ユニット13が装着された固体ヘッドユニット12の操作レバー32aを操作する。具体的には、
図17に矢印で示す方向に作業者が固体ヘッドユニット12の操作部32a1を回転させると、操作部32a1の回転に追従して、軸部32a2が回転する。軸部32a2が回転すると、
図19に示す軸部32a2に設けられた突起32b1が筒体32b3の溝32b2に沿って
図18に示すように移動し、軸部32a2が回転方向の移動に加えて、X方向に沿ってリア側からフロント側に移動する。
【0068】
軸部32a2がX方向に移動すると、軸部32a2に固定されたスライダ32cもX方向に沿って移動する。スライダ32cがX方向に沿ってリア側からフロント側に移動すると、支持部材32e及びリンク体32f2が回転移動し、固体ヘッド33がベース31に向かって下降する。
【0069】
具体的に説明すると、スライダ32cがX方向に沿ってリア側からフロント側に移動すると、スライダ32cに回転可能に支持された第2軸32f3もX方向に沿ってリア側からフロント側に移動する。一方の第2軸32f3の移動によって、ベース31側の端部の軸周りで、支持部材32eがベース31に向かって回転する。支持部材32eの回転により、第1軸32f1がX方向でリア側からフロント側へ移動するとともに、Z方向で上方側から下方側へと移動する。よって、第1軸32f1を中心として、リンク体32f2がX方向に沿う姿勢となる方向に回転し、固体ヘッド33に接続された他方の第2軸32f3が下方へと移動する。よって、他方の第2軸32f3に接続された固体ヘッド33がベース31に向かって下降する。
【0070】
固体ヘッド33がベース31に向かって下降すると、
図12乃至
図15に示すようにプリントヘッド41の開口41aに挿入されていた作像ユニット13の突起体54が開口41aから抜ける。これにより、作像ユニット13のX方向の規制が解除される。
【0071】
次に、作業者は、作像ユニット13をX方向に沿って引き抜く。この操作により、作像ユニット13が第1ガイド34に案内されてX方向に移動する。即ち、ドラムケース51の被支持部51a及び案内部51bが、それぞれリアフレーム22の支持孔22a及び案内孔22bから離れ、そして、ドラムケース51が第1ガイド34と当接しながらX方向に移動する。そして、
図4に示すように、フロントフレーム21の挿入口21aから作像ユニット13が引き抜かれる。
【0072】
次に、作業者は、
図16に示すように、固体ヘッド33がベース31側に下降した状態で、
図5に示すように、交換する新たな作像ユニット13を、挿入口21aから挿入する。挿入口21aから挿入された作像ユニット13は、先ず、
図5に示すように、ドラムケース51が第1ガイド34に当接し、第1ガイド34に沿ってX方向に移動する。このとき、
図15に示すように、固体ヘッド33のホルダ42の先端が作像ユニット13の第2ガイド53の先端とオーバーラップした状態となる。換言すると、固体ヘッド33のホルダ42の先端が、X方向及び固体ヘッド33の昇降方向に直交した方向で、第2ガイド53の先端と対向した状態となる。
【0073】
このため、ドラムケース51が第1ガイド34に当接してX方向に移動するときに、作像ユニット13がX方向及び固体ヘッド33の昇降方向に直交した方向で所定の位置からずれると、第2ガイド53がホルダ42に当接する。よって、固体ヘッド33は、作像ユニット13に対する作像ユニット13の挿入時にX方向及び固体ヘッド33の昇降方向に直交する方向の位置が、第2ガイド53及びホルダ42によって案内される。
【0074】
さらに、作像ユニット13が挿入されると、ドラムケース51の被支持部51a及び案内部51bがリアフレーム22の支持孔22a及び案内孔22bに挿入される。これにより、作像ユニット13は、リアフレーム22及び固体ヘッドユニット12に支持される。
【0075】
なお、このとき、作像ユニット13は、案内孔22bに挿入された案内部51bにより、被支持部51aの中心軸回りの姿勢が定められる。また、作像ユニット13は、ホルダ42及び第2ガイド53により、作像ユニット13の挿入方向及び固体ヘッド33の昇降方向に直交する方向の位置が案内される。よって、作像ユニット13に設けられた一対の突起体54が固体ヘッド33のプリントヘッド41に形成された一対の開口41aと対向する。
【0076】
次に作業者は、操作レバー32aを操作して、ベース31に対して固体ヘッド33を上昇させる。具体的に説明すると、
図16に示す矢印の方向に作業者が操作部32a1を回転させると、操作部32a1の回転に追従して、軸部32a2が回転する。軸部32a2が回転すると、
図18に示す軸部32a2に設けられた突起32b1が筒体32b3の溝32b2に沿って
図19に示すように移動し、軸部32a2が回転方向の移動に加えて、X方向に沿ってフロント側からリア側に移動する。
【0077】
軸部32a2がX方向に移動すると、軸部32a2に固定されたスライダ32cもX方向に沿って移動する。スライダ32cがX方向に沿ってフロント側からリア側に移動すると、支持部材32e及びリンク体32f2が回転移動する。
【0078】
具体的に説明すると、スライダ32cがX方向に沿ってフロント側からリア側に移動すると、スライダ32cに回転可能に支持された第2軸32f3もX方向に沿ってフロント側からリア側に移動する。一方の第2軸32f3の移動によって、ベース31側の端部の軸周りに、支持部材32eがベース31から離間する方向に向かって回転する。支持部材32eの回転により、第1軸32f1がX方向でフロント側からリア側へ移動するとともに、Z方向で下方側から上方側へと移動する。リンク体32f2が、X方向に対して傾斜角度が大きくなる方向に第1軸32f1を中心として回転し、結果として、固体ヘッド33に接続された他方の第2軸32f3が上方へと移動する。これにより、他方の第2軸32f3に接続された固体ヘッド33がベース31から離間する方向に上昇する。
【0079】
よって、固体ヘッド33が第2ガイド53内を感光ドラム52に向かって上昇する。このとき、ホルダ42が第2ガイド53の一対の板状部53a間を移動することから、固体ヘッド33は、ホルダ42の作像ユニット13の挿入方向及び固体ヘッド33の昇降方向に直交する方向の位置が所定の位置に案内される。
【0080】
そして、固体ヘッド33が上昇してプリントヘッド41の開口41aに突起体54が挿入されるとともに、例えば、プリントヘッド41がドラムケース51又は感光ドラム52に当接する。これにより、作像ユニット13は、X方向の移動が規制されるとともに、フレーム11及び固体ヘッドユニット12に固定され、そして、固体ヘッド33が感光ドラム52に対して画像形成処理に適した所定の位置に位置合わせされる。また、プリントヘッド41は、付勢部材43によって感光ドラム52に向かって常時付勢され、感光ドラム52に対する所定の位置に保持される。
【0081】
このように構成された作像ユニット13を有する画像形成装置1によれば、作像ユニット13のドラムケース51に第2ガイド53を設けた。そして、第2ガイド53は、作像ユニット13を挿入口21aから挿入するときの、作像ユニット13に対する、作像ユニット13の挿入方向及び固体ヘッド33の昇降方向に直交する方向の固体ヘッド33の位置を案内する。また、第2ガイド53は、固体ヘッド33の上昇時に、固体ヘッド33の作像ユニット13の挿入方向及び固体ヘッド33の昇降方向に直交する方向の位置を案内する。よって、作像ユニット13は、固体ヘッド33及び感光ドラム52の相対位置を、画像形成処理に適した所定の位置に案内することができる。
【0082】
また、作像ユニット13は、第2ガイド53が固体ヘッド33及び作像ユニット13の相対位置を案内することで、固体ヘッド33の開口41aに作像ユニット13の突起体54の位置合わせをすることができる。よって、作像ユニット13を画像形成装置1に装着する作業は、作像ユニット13の被支持部51a及び案内部51bがリアフレーム22の支持孔22a及び案内孔22bに配置されるまで作像ユニット13を挿入し、その後、操作レバー32aを操作する作業でよい。結果、作像ユニット13は、固体ヘッドユニット12へ容易に装着することができる。
【0083】
また、装着性を向上する目的で、フレーム11の挿入口21a、支持孔22a、案内孔22b及び第1ガイド34、並びに、固体ヘッドユニット12及び作像ユニット13の各寸法に寸法差を設けている。しかしながら、第2ガイド53は、作像ユニット13の挿入時における、固体ヘッド33の作像ユニット13に対する位置を案内し、そして、固体ヘッド33の上昇時に作像ユニット13の感光ドラム52に対する固体ヘッド33の位置を案内する。このため、装着性を向上させるために、各構成の寸法に寸法差を設けても、固体ヘッド33及び感光ドラム52の相対位置を画像形成処理に適した位置に案内することができる。
【0084】
また、リンク32fは、第1軸32f1、リンク体32f2及び二つの第2軸32f3を一対有する構成である。また、このようなリンク32fは、X方向で二箇所に設けられる。二つのリンク32fは、両持ち構造によって、スライダ32c、支持部材32e及び固体ヘッド33と接続される。よって、操作レバー32aの回転によって変換機構32bを介して移動するスライダ32cによりリンク32fに力が安定して伝達されるとともに、リンク32fの回転によってホルダ42に力が安定して伝達される。
【0085】
ホルダ42を昇降するための力がホルダ42に設けられた4箇所の孔42aによって均一に伝達されることから、ホルダ42に支持されたプリントヘッド41によりスペーサ55に与える荷重が安定する。即ち、スペーサ55への荷重のばらつきを軽減させることが可能となり、感光ドラム52及びプリントヘッド41の間の隙間が所望の隙間となる。よって、固体ヘッド33及び感光ドラム52の相対位置を画像形成処理に適した位置関係とすることができる。
【0086】
また、昇降機構32は、螺旋状に延びる溝32b2を突起32b1が移動することで、スライダ32cを直線的に移動させ、このスライダ32cの移動によってリンク32fを回転させて固体ヘッド33を昇降させる構成とした。これにより、昇降機構32は、X方向に沿った操作レバー32a及びスライダ32cの移動量(ストローク量)を減少することができる。
【0087】
この効果について
図27及び
図28を用いて説明する。また、
図27及び
図28において、L1~L4を示す。L1は、固体ヘッド33が上昇した状態におけるスライダ32cに接続された第2軸32f3の中心位置である。L2は、固体ヘッド33が下降した状態におけるスライダ32cに接続された第2軸32f3の中心位置である。L3は、固体ヘッド33が上昇した状態におけるプリントヘッド41の上面位置である。L4は、固体ヘッド33が下降した状態におけるプリントヘッド41の上面位置である。L1及びL2の間の幅がスライダ32cのストローク量である。L3及びL4の間の幅が固体ヘッド33の昇降量である。例えば、
図27及び
図28の例では、スライダ32cのストローク量は5mm程度に設定されている。
【0088】
昇降機構32は、操作レバー32aの回転を変換機構32bで直線的な移動に変換してスライダ32cの移動を直線的に移動させる。さらに、スライダ32cの直線的な移動をリンク32f及び支持部材32eによってさらに回転する移動に変換して、リンク32fに接続される固体ヘッド33を上昇させる。よって、スライダ32cのストローク量を固体ヘッド33の昇降量よりも小さく設定できる。
【0089】
換言すると、昇降機構32は、スライダ32cのストローク量を小さく設定しても、固体ヘッド33の昇降量をストローク量よりも大きく設定することができる。また、操作レバー32aの回転を直線方向の力に変換機構32bで変換できることから、昇降機構32の操作が容易となる。また、操作レバー32aの操作に要するX方向の移動距離は、スライダ32cのストローク量と同じでよい。よって、操作レバー32aの操作のために、画像形成装置1のフロント側に要する作業スペースを極力小さくできる。
【0090】
上述したように一実施形態に係る作像ユニット13及び画像形成装置1によれば、固体ヘッド33及び作像ユニット13の相対的な位置関係を案内できる。
【0091】
なお、実施形態は上述した例に限定されない。例えば、上述した例では、固体ヘッド33を感光ドラム52に対して昇降させる構成として、操作レバー32aの回転によって直線的に移動するスライダ32c及びスライダ32cの移動によって回転して固体ヘッド33を昇降させるリンク32fを用いる構成を説明したがこれに限定されない。
【0092】
また、上述した例では、固体ヘッドユニット12の上方に作像ユニット13を配置する構成を説明したがこれに限定されず、例えば、固体ヘッドユニット12の下方に作像ユニット13を配置する構成であってもよい。
【0093】
また、上述した例では、固体ヘッド33のプリントヘッド41に開口41aを設け、開口41aに挿入される突起体54をドラムケース51に設ける構成を説明したがこれに限定されない。例えば、開口41aは、固体ヘッド33のホルダ42に設ける構成であってもよい。また、開口41aを作像ユニット13に設け、そして、突起体54を固体ヘッド33に設ける構成であってもよい。
【0094】
また、上述した例では、第2ガイド53は、一対の板状部53aにより構成される例を説明したがこれに限定されない。即ち、作像ユニット13をX方向に挿入したときに、作像ユニット13に対する固体ヘッド33のX方向及び固体ヘッド33の昇降方向に直交する方向の位置を案内可能、且つ、固体ヘッド33が感光ドラム52に向かって移動(上昇)したときに、固体ヘッド33のX方向及び固体ヘッド33の昇降方向に直交する方向の位置を案内可能であれば、第2ガイド53の形状等は適宜設定できる。例えば、第2ガイド53を構成する一対の板状部53aは、固体ヘッド33のプリントヘッド41の長手方向で両端を支持するホルダと対向する部位以外に、切欠を有する構成であってもよい。
【0095】
また、上述した例では、変換機構32bの筒体32b3に設けられた溝32b2は、筒体32b3の周面に設けられた開口である例を説明したがこれに限定されない。即ち、溝32b2は、突起32b1を案内可能であればよい。例えば、溝32b2は、筒体32b3の周面に開口せず、筒体32b3の内周面に所定の深さで設けられた溝であってもよく、また、他の構成であってもよい。
【0096】
また、画像形成装置1は、例えば、黒のトナーのみを用いる構成とし、固体ヘッドユニット12及び作像ユニット13をそれぞれ一つ備える構成としてもよい。また、画像形成装置1は、上述した構成や処理に加えて、他の構成や処理を含む構成であってもよい。
【0097】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明と同等の記載を付記する。
[1] 昇降する固体ヘッドが設けられた画像形成装置に一方向に挿入して装着される作像ユニットであって、
前記固体ヘッドに対して所定の位置に配置される感光ドラムと、
前記感光ドラムを支持するドラムケースと、
前記ドラムケースに設けられ、前記感光ドラムに向かって前記固体ヘッドが昇降するときに、前記固体ヘッドを前記一方向及び昇降方向に直交する方向に案内するガイドと、
を備える作像ユニット。
[2] 前記ガイドは、対向する一対の板状部を含み、
前記一対の板状部の対向面間の幅は、前記一対の板状部の先端から前記感光ドラム側に向かって、中途部まで前記一方向及び前記昇降方向に直交する方向の前記固体ヘッドの幅よりも大きい幅で漸次減少し、そして、前記中途部から前記固体ヘッドの前記幅と同一の一様な幅に設定される、請求項1に記載の作像ユニット。
[3] 前記固体ヘッドが前記感光ドラムから下降していており、かつ前記画像形成装置に前記作像ユニットを挿入したときに、前記一対の板状部の先端は、前記一方向及び前記昇降方向に直交する方向で前記固体ヘッドと対向する、[2]に記載の作像ユニット。
[4] 前記ドラムケースに設けられ、前記固体ヘッドに設けられた開口に挿入される突起体を備える、[1]に記載の作像ユニット。
[5] 回転操作する操作レバーを有し、前記操作レバーの操作によって、前記固体ヘッドを昇降させる昇降機構と、
を備える[1]に記載の作像ユニット。
[6] 前記昇降機構は、
前記操作レバーに設けられた軸部と、
前記軸部の外周面に設けられた突起と、
前記突起が移動可能な螺旋状の溝を有する筒体と、
前記筒体に接続され、直線状に移動するスライダと、
前記スライダ及び前記固体ヘッドに接続され、前記スライダの移動を前記固体ヘッドの昇降に変換するリンクと、を備える[5]に記載の作像ユニット。
[7] フレームと、
前記フレームに固定されるベース、固体ヘッド、及び、前記ベースに対して前記固体ヘッドを昇降させる昇降機構を有する固体ヘッドユニットと、
上昇した前記固体ヘッドと所定の位置に配置される感光ドラム、前記感光ドラムを支持するドラムケース、並びに、前記ドラムケースに設けられ、前記フレームに一方向に沿って挿入するときに、前記固体ヘッドと当接して前記一方向及び前記固体ヘッドの昇降方向に直交する方向で前記ドラムケースを案内するとともに、前記感光ドラムに向かって前記固体ヘッドが昇降するときに、前記固体ヘッドを前記一方向及び前記昇降方向に直交する方向に案内するガイド、を含む作像ユニットと、
を備える画像形成装置。
【符号の説明】
【0098】
1…画像形成装置、11…フレーム、12…固体ヘッドユニット、13…作像ユニット、14…収容トレイ、15…スキャナユニット、15a…トレイ、16…転写ベルト、17…定着装置、18…排紙トレイ、21…フロントフレーム、21a…挿入口、22…リアフレーム、22a…支持孔、22b…案内孔、23…連結フレーム、31…ベース、32…昇降機構、32a…操作レバー、32a1…操作部、32a2…軸部、32b…変換機構、32b1…突起、32b2…溝、32b3…筒体、32c…スライダ、32c1…開口、32c2…孔、32d…付勢部材、32e…支持部材、32f…リンク、32f1…第1軸、32f2…リンク体、32f3…第2軸、33…固体ヘッド、34…第1ガイド、34a…レール、41…プリントヘッド、41a…開口、42…ホルダ、42a…孔、43…付勢部材、51…ドラムケース、51a…被支持部、51b…案内部、52…感光ドラム、53…第2ガイド、53a…板状部、54…突起体、55…スペーサ。