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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】電子基板及びその製造方法、電子装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/09 20060101AFI20241125BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20241125BHJP
【FI】
H05K1/09 C
G06F3/041 495
G06F3/041 660
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019546321
(86)(22)【出願日】2018-12-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 CN2018123230
(87)【国際公開番号】W WO2019148999
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2021-12-20
【審判番号】
【審判請求日】2023-11-24
(31)【優先権主張番号】201810089650.6
(32)【優先日】2018-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】512282165
【氏名又は名称】合肥▲シン▼晟光▲電▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI XINSHENG OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Xinzhan Industrial Park,Hefei,Anhui,230012,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 明
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲啓▼程
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲歓▼
【合議体】
【審判長】土居 仁士
【審判官】稲葉 崇
【審判官】丸山 高政
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-32706(JP,A)
【文献】特開2013-207193(JP,A)
【文献】特開2016-72523(JP,A)
【文献】国際公開第2004/065656(WO,A1)
【文献】特開2013-164698(JP,A)
【文献】国際公開第2017/195451(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/09
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子基板であって、
ベース基板と、前記ベース基板に位置する第1導電構造と、を含み、前記第1導電構造の前記ベース基板に離れる側の位置する部分は第1部分であり、前記第1導電構造の前記ベース基板に近接する側の位置する部分は第2部分であり、前記第1部分は前記第2部分に対してエッチングバリア特性を有しており、
前記電子基板は、前記ベース基板に位置する第2導電構造をさらに含み、
前記第2導電構造の少なくとも一部の材料をエッチングするためのエッチング剤について、前記第1導電構造の前記第1部分のエッチングバリア能力は、前記第2導電構造の前記少なくとも一部の材料のエッチングバリア能力より大きく、
前記第2導電構造は、前記第1導電構造の前記ベース基板における正投影に重なる重なり部分を含むとともに、前記第1導電構造は、前記重なり部分と前記ベース基板との間に位置する部分を含み、
前記電子基板は、タッチエリアと非タッチエリアとを含み、前記第1導電構造は、前記タッチエリア内に位置する第1タッチ電極構造であり、前記第2導電構造は、前記非タッチエリア内に少なくとも部分的に位置する配線構造である、電子基板。
【請求項2】
前記第1導電構造は単層膜構造である、請求項1に記載の電子基板。
【請求項3】
前記第1部分は前記第2部分より結晶化度が大きい、請求項2に記載の電子基板。
【請求項4】
前記第1導電構造は積層構造であるとともに、第1導電層と、前記第1導電層の前記ベース基板に離れる側に積層されるバリア層と、を含み、前記バリア層は前記第1部分である、請求項1に記載の電子基板。
【請求項5】
前記第1導電層の材料は前記バリア層の材料より結晶化度が小さい、請求項4に記載の電子基板。
【請求項6】
前記第1導電層の材料と前記バリア層の材料はいずれも導電性酸化物を含む、請求項4または5に記載の電子基板。
【請求項7】
前記導電性酸化物は酸化インジウムスズであり、前記バリア層の酸化インジウムスズのうちのIn:SnOの比例は、前記第1導電層の酸化インジウムスズのうちのIn:SnOの比例より高い、または、
前記導電性酸化物は酸化インジウム亜鉛であり、前記バリア層の酸化インジウム亜鉛のうちのIn:ZnOの比例は、前記第1導電層の酸化インジウム亜鉛のうちのIn:ZnOの比例より高い、請求項6に記載の電子基板。
【請求項8】
前記第1導電層の材料は導電性酸化物を含み、前記バリア層の材料は結晶化された金属と、結晶化された導電性酸化物と、高分子導電材料のうちの少なくとも1つまたは複数を含む、請求項4に記載の電子基板。
【請求項9】
前記重なり部分の全体は前記第1導電構造に直接に接触される、請求項1に記載の電子基板。
【請求項10】
前記第1導電構造の前記ベース基板に近接する第1下面と、前記第2導電構造の前記ベース基板に近接する第2下面とは、いずれも前記ベース基板に直接に接触される、請求項1または9のいずれか一項に記載の電子基板。
【請求項11】
前記第1導電構造と前記第2導電構造を覆う絶縁層をさらに含み、前記絶縁層は、前記第1導電構造の前記ベース基板に離れる上面と、前記第2導電構造の前記ベース基板に離
れる上面とに直接に接触される、請求項1、9または10のいずれか一項に記載の電子基板。
【請求項12】
前記配線構造は、前記ベース基板から順に積層される第1配線層と第2配線層の積層を含み、または、
前記配線構造は、前記ベース基板から順に積層される第2配線層と第3配線層の積層を含み、または、
前記配線構造は、前記ベース基板から順に積層される第1配線層と第2配線層と第3配線層の積層を含む、請求項1、および9~11のいずれか一項に記載の電子基板。
【請求項13】
前記第1配線層と第3配線層のうちの少なくとも一方の材料は、前記第1導電構造の材料と少なくとも一部が同じである、請求項12に記載の電子基板。
【請求項14】
前記第1配線層と前記第3配線層の材料は導電性酸化物を含み、前記第2配線層の材料は金属を含む、請求項12または13に記載の電子基板。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の電子基板を含む、電子装置。
【請求項16】
電子基板の製造方法であって、
ベース基板に第1導電構造を形成するステップを含み、
前記第1導電構造の前記ベース基板に離れる側の位置する部分は第1部分であり、前記第1導電構造の前記ベース基板に近接する側の位置する部分は第2部分であり、前記第1部分は前記第2部分に対してエッチングバリア特性を有しており、
前記電子基板の製造方法は、前記第1導電構造が形成された前記ベース基板に第2導電構造を形成するステップをさらに含み、
前記第2導電構造の少なくとも一部の材料をエッチングするためのエッチング剤について、前記第1導電構造の前記第1部分のエッチングバリア能力は、前記第2導電構造の前記少なくとも一部の材料のエッチングバリア能力より大きく、
前記第2導電構造は、前記第1導電構造の前記ベース基板における正投影に重なる重なり部分を含むとともに、前記第1導電構造は、前記重なり部分と前記ベース基板との間に位置する部分を含み、
前記電子基板は、タッチエリアと非タッチエリアとを含み、前記第1導電構造は、前記タッチエリア内に位置する第1タッチ電極構造であり、前記第2導電構造は、前記非タッチエリア内に少なくとも部分的に位置する配線構造である、電子基板の製造方法。
【請求項17】
前記第1導電構造を形成するステップは、前記ベース基板に第1導電層薄膜を形成するステップと、前記第1導電層薄膜をパターニングして第1導電パターンを形成するステップと、前記第1導電パターンを前記ベース基板に離れる側から少なくとも一部を結晶化して前記第1導電構造を形成するステップと、を含み、または、
前記第1導電構造を形成するステップは、前記ベース基板に第1導電層薄膜を形成するステップと、前記第1導電層薄膜にバリア層薄膜を形成するステップと、前記第1導電層薄膜と前記バリア層薄膜をパターニングして第1導電層とバリア層をそれぞれに形成するステップと、を含み、前記第1導電構造は前記第1導電層と前記バリア層を含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願に対するクロスレファレンス]
本願は2018年1月30日付出願の中国特許出願第201810089650.6号の優先権を主張し、ここで上述の中国特許出願が開示した全ての内容を援用して本願の一部として取り込む。
【0002】
本開示の実施例は、電子基板及びその製造方法、電子装置に関する。
【背景技術】
【0003】
タッチ基板は、異なるセンシング原理によって、抵抗タッチ基板、静電容量タッチ基板、光学タッチ基板、音波タッチ基板、電磁タッチ基板などに分類できる。静電容量タッチ基板は短応答時間、高感度、高信頼性、高耐久性などのメリットを有するため、ますます多くの分野に適用されている。静電容量タッチ基板は例えば通常タッチ体のタッチ位置を検出するための電極層や配線層などの構造を含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の少なくとも1つの実施例は、ベース基板と前記ベース基板に位置する第1導電構造とを含む電子基板を提供し、前記第1導電構造の前記ベース基板に離れる側の位置する部分は第1部分であり、前記第1導電構造の前記ベース基板に近接する側の位置する部分は第2部分であり、前記第1部分は前記第2部分に対してエッチングバリア特性を有する。
【0005】
例えば、本開示の1つの実施例に係る電子基板において、前記第1導電構造は単層膜構造である。
【0006】
例えば、本開示の1つの実施例に係る電子基板において、前記第1部分は前記第2部分より結晶化度が大きい。
【0007】
例えば、本開示の1つの実施例に係る電子基板において、前記第1導電構造は積層構造であるとともに、第1導電層と、前記第1導電層の前記ベース基板に離れる側に積層されるバリア層と、を含み、前記バリア層は前記第1導電構造の前記第1部分である、請求項1に記載の電子基板。
【0008】
例えば、本開示の1つの実施例に係る電子基板において、前記第1導電層の材料は前記バリア層の材料より結晶化度が小さい。
【0009】
例えば、本開示の1つの実施例に係る電子基板において、前記第1導電層の材料と前記バリア層の材料はいずれも導電性酸化物を含む。
【0010】
例えば、本開示の1つの実施例に係る電子基板において、前記導電性酸化物は酸化インジウムスズであり、前記バリア層の酸化インジウムスズのうちのIn:SnOの比例は、前記第1導電層の酸化インジウムスズのうちのIn:SnOの比例より高い、または、前記導電性酸化物は酸化インジウム亜鉛であり、前記バリア層の酸化インジウム亜鉛のうちのIn:ZnOの比例は、前記第1導電層の酸化インジウム亜鉛のうちのIn:ZnOの比例より高い。
【0011】
例えば、本開示の1つの実施例に係る電子基板において、前記第1導電層の材料は導電性酸化物を含み、前記バリア層の材料は結晶化された金属と、結晶化された導電性酸化物と、高分子導電材料のうちの少なくとも1つまたは複数を含む。
【0012】
例えば、本開示の1つの実施例に係る電子基板は、前記ベース基板に位置する第2導電構造をさらに含み、前記第2導電構造の少なくとも一部の材料をエッチングするためのエッチング剤について、前記第1導電構造の前記第1部分のエッチングバリア能力は、前記第2導電構造の前記少なくとも一部の材料のエッチングバリア能力より大きい。
【0013】
例えば、本開示の1つの実施例に係る電子基板において、前記第2導電構造の前記少なくとも一部の材料は導電性酸化物を含む。
【0014】
例えば、本開示の1つの実施例に係る電子基板において、前記第2導電構造は、前記第1導電構造の前記ベース基板における正投影に重なる重なり部分を含むとともに、前記第1導電構造は、前記第2導電構造の前記重なり部分と前記ベース基板との間に位置する部分を含む。
【0015】
例えば、本開示の1つの実施例に係る電子基板において、前記第2導電構造の前記重なり部分の全体は前記第1導電構造に直接に接触される。
【0016】
例えば、本開示の1つの実施例に係る電子基板において、前記第1導電構造の前記ベース基板に近接する第1下面と、前記第2導電構造の前記ベース基板に近接する第2下面とは、いずれも前記ベース基板に直接に接触される。
【0017】
例えば、本開示の1つの実施例に係る電子基板は、前記第1導電構造と前記第2導電構造を覆う絶縁層をさらに含み、前記絶縁層は、前記第1導電構造の前記ベース基板に離れる上面と、前記第2導電構造の前記ベース基板に離れる上面とに直接に接触される。
【0018】
例えば、本開示の1つの実施例に係る電子基板は、配線構造をさらに含み、前記タッチ基板はタッチエリアと非タッチエリアを含み、前記第1導電構造と前記第2導電構造の一方は前記タッチエリア内に位置し、前記第1導電構造と前記第2導電構造の他方は少なくとも一部が前記非タッチエリア内に位置する。
【0019】
例えば、本開示の1つの実施例に係る電子基板において、前記第1導電構造と前記第2導電構造の一方は配線構造であり、前記配線構造は積層構造であり、且つ、前記配線構造は、前記ベース基板から順に積層される第1配線層と第2配線層の積層を含み、または、前記配線構造は、前記ベース基板から順に積層される第2配線層と第3配線層の積層を含み、または、前記配線構造は、前記ベース基板から順に積層される第1配線層と第2配線層と第3配線層の積層を含む。
【0020】
例えば、本開示の1つの実施例に係る電子基板において、前記第1配線層と第3配線層のうちの少なくとも一方の材料は、前記第1導電構造の材料と少なくとも一部が同じである。
【0021】
例えば、本開示の1つの実施例に係る電子基板において、前記第1配線層と前記第3配線層の材料は導電性酸化物を含み、前記第2配線層の材料は金属を含む。
【0022】
例えば、本開示の1つの実施例に係る電子基板において、前記第1導電構造と前記第2導電構造の一方は第1タッチ電極構造であり、前記第1タッチ電極構造は複数のブロック状の第1サブ電極パターンと複数のストリップ状の第2サブ電極パターンとを含み、前記電子基板は、前記第1タッチ電極構造と異なる層に位置する第2タッチ電極構造をさらに含み、第2タッチ電極構造は、前記第2サブ電極パターンによって離間される隣接の前記第1サブ電極パターンを電気的接続する。
【0023】
本開示の少なくとも1つの実施例は、本開示のいずれかの実施例の電子基板を含む電子装置を提供する。
【0024】
本開示の少なくとも1つの実施例は、ベース基板に第1導電構造を形成するステップを含む、電子基板の製造方法を提供し、前記第1導電構造の前記ベース基板に離れる側の位置する部分は第1部分であり、前記第1導電構造の前記ベース基板に近接する側の位置する部分は第2部分であり、前記第1部分は前記第2部分に対してエッチングバリア特性を有する。
【0025】
例えば、本開示の1つの実施例に係る方法において、前記第1導電構造を形成するステップは、前記ベース基板に第1導電層薄膜を形成するステップと、前記第1導電層薄膜をパターニングして第1導電パターンを形成するステップと、前記第1導電パターンを前記ベース基板に離れる側から少なくとも一部を結晶化して前記第1導電構造を形成するステップと、を含む。
【0026】
例えば、本開示の1つの実施例に係る方法において、前記第1導電構造を形成するステップは、前記ベース基板に第1導電層薄膜を形成するステップと、前記第1導電層薄膜にバリア層薄膜を形成するステップと、前記第1導電層薄膜と前記バリア層薄膜をパターニングして第1導電層とバリア層をそれぞれ形成するステップと、を含み、前記第1導電構造は前記第1導電層と前記バリア層を含む。
【0027】
例えば、本開示の1つの実施例に係る方法において、前記第1導電層薄膜の材料は導電性酸化物を含む。
【0028】
例えば、本開示の1つの実施例に係る方法は、前記第1導電構造が形成された前記ベース基板に第2導電構造を形成するステップをさらに含み、前記第2導電構造の少なくとも一部の材料をエッチングするためのエッチング剤について、前記第1導電構造の前記第1部分のエッチングバリア能力は、前記第2導電構造の前記少なくとも一部の材料のエッチングバリア能力より大きい。
【0029】
例えば、本開示の1つの実施例に係る方法は、前記第1導電構造と前記第2導電構造の一方は第1タッチ電極構造で、他方は配線構造であり、前記配線構造は積層構造で、前記第1タッチ電極構造と同じ層に形成され、または前記第1タッチ電極構造の上に形成される。
【0030】
例えば、本開示の1つの実施例に係る方法において、前記配線構造を形成するステップは、前記ベース基板に順に第1配線層薄膜、第2配線層薄膜、第3配線層薄膜を形成するステップと、前記第1配線層薄膜、第2配線層薄膜、第3配線層薄膜の積層をパターニングして前記配線構造を形成するステップと、を含む。
【0031】
例えば、本開示の1つの実施例に係る方法において、前記第1導電構造と前記第2導電構造の一方は第1タッチ電極構造であり、前記第1タッチ電極構造は交互にする複数のブロック状の第1サブ電極パターンと複数のストリップ状の第2サブ電極パターンとを含み、前記方法は、前記第1タッチ電極構造と異なる層に位置する第2タッチ電極構造を形成するステップさらに含み、第2タッチ電極構造は、前記第2サブ電極パターンによって離間される隣接の前記第1サブ電極パターンを電気的接続する。
【0032】
本開示の少なくとも1つの実施例に係る電子基板は、ベース基板と、前記ベース基板に位置する第1導電構造とを含み、前記第2導電構造の少なくとも一部の材料をエッチングするためのエッチング剤について、前記第1導電構造の前記ベース基板に離れる側に位置する部分のエッチングバリア能力は、前記第2導電構造の前記少なくとも一部の材料のエッチングバリア能力より大きい。
【0033】
例えば、本開示の1つの実施例に係る電子基板において、前記第1導電構造の前記ベース基板に近接する第1下面と、前記第2導電構造の前記ベース基板に近接する第2下面とは、いずれも前記ベース基板に直接に接触される。
【0034】
例えば、本開示の1つの実施例に係る電子基板は、前記第1導電構造と前記第2導電構造を覆う絶縁層をさらに含み、前記絶縁層は、前記第1導電構造の前記ベース基板に離れる上面と、前記第2導電構造の前記ベース基板に離れる上面とに直接に接触される。
【0035】
例えば、本開示の1つの実施例に係る電子基板において、前記第2導電構造は、前記第1導電構造の前記ベース基板における正投影に重なる重なり部分を含むとともに、前記第1導電構造は、前記第2導電構造の前記重なり部分と前記ベース基板との間に位置する部分を含む。
【0036】
例えば、本開示の1つの実施例に係る電子基板において、前記第2導電構造の前記重なり部分の全体は前記第1導電構造に直接に接触される。
【0037】
例えば、本開示の1つの実施例は、上記いずれかの電子基板を含む電子装置を提供する。
【0038】
本開示の少なくとも1つの実施例は、ベース基板に第1導電構造を形成するステップと、次に前記ベース基板に第2導電構造を形成するステップとを含む、電子基板の製造方法を提供し、前記第2導電構造の少なくとも一部の材料をエッチングするためのエッチング剤について、前記第1導電構造の少なくとも前記ベース基板に離れる側の位置する部分のエッチングバリア能力は、前記第2導電構造の前記少なくとも一部の材料のエッチングバリア能力より大きい。
【0039】
本開示の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下では実施例の図面を簡単に説明し、明らかなように、下記図面は単に本開示の一部の実施例に過ぎず、本開示を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1A図1A図1Bは本開示の実施例に係るタッチ基板の断面構造模式図である。
図1B図1A図1Bは本開示の実施例に係るタッチ基板の断面構造模式図である。
図2A図2A図2Bは本開示の実施例に係る別のタッチ基板の断面構造模式図である。
図2B図2A図2Bは本開示の実施例に係る別のタッチ基板の断面構造模式図である。
図3A図3A図3Bは本開示の実施例に係るさらに別のタッチ基板の断面構造模式図である。
図3B図3A図3Bは本開示の実施例に係るさらに別のタッチ基板の断面構造模式図である。
図4A図4A図4Dは本開示の別の実施例に係るタッチ基板の第1タッチ電極構造が製造過程における断面構造模式図である。
図4B図4A図4Dは本開示の別の実施例に係るタッチ基板の第1タッチ電極構造が製造過程における断面構造模式図である。
図4C図4A図4Dは本開示の別の実施例に係るタッチ基板の第1タッチ電極構造が製造過程における断面構造模式図である。
図4D図4A図4Dは本開示の別の実施例に係るタッチ基板の第1タッチ電極構造が製造過程における断面構造模式図である。
図5A図5A図5Eは本開示の別の実施例に係る別のタッチ基板の第1タッチ電極構造が製造過程における断面構造模式図である。
図5B図5A図5Eは本開示の別の実施例に係る別のタッチ基板の第1タッチ電極構造が製造過程における断面構造模式図である。
図5C図5A図5Eは本開示の別の実施例に係る別のタッチ基板の第1タッチ電極構造が製造過程における断面構造模式図である。
図5D図5A図5Eは本開示の別の実施例に係る別のタッチ基板の第1タッチ電極構造が製造過程における断面構造模式図である。
図5E図5A図5Eは本開示の別の実施例に係る別のタッチ基板の第1タッチ電極構造が製造過程における断面構造模式図である。
図6A図6A図6Jは本開示のさらに別の実施例に係るタッチ基板の製造過程における断面構造模式図である。
図6B図6A図6Jは本開示のさらに別の実施例に係るタッチ基板の製造過程における断面構造模式図である。
図6C図6A図6Jは本開示のさらに別の実施例に係るタッチ基板の製造過程における断面構造模式図である。
図6D図6A図6Jは本開示のさらに別の実施例に係るタッチ基板の製造過程における断面構造模式図である。
図6E図6A図6Jは本開示のさらに別の実施例に係るタッチ基板の製造過程における断面構造模式図である。
図6F図6A図6Jは本開示のさらに別の実施例に係るタッチ基板の製造過程における断面構造模式図である。
図6G図6A図6Jは本開示のさらに別の実施例に係るタッチ基板の製造過程における断面構造模式図である。
図6H図6A図6Jは本開示のさらに別の実施例に係るタッチ基板の製造過程における断面構造模式図である。
図6I図6A図6Jは本開示のさらに別の実施例に係るタッチ基板の製造過程における断面構造模式図である。
図6J図6A図6Jは本開示のさらに別の実施例に係るタッチ基板の製造過程における断面構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本開示の実施例の目的、技術案及び利点をより明瞭にするために、以下では本開示の実施例の図面を参照しながら、本開示の実施例の技術案を明瞭で、完全に説明する。勿論、説明した実施例は本開示の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。説明した本開示の実施例に基づいて、当業者が進歩性のある労働を必要とせずに得られる全ての他の実施例は、本開示の保護範囲に属する。
【0042】
特に定義しない限り、本開示に使用される技術用語又は科学用語は当業者が理解可能な一般的なの意味である。本開示に使用される「第一」、「第二」及び類似する単語は、順序、数量又は重要性を示すものではなく、異なる構成部材を区別するものだけである。「含む」又は「備える」のような用語は該用語前に現れた素子又はデバイスが該用語後に現れる素子又はデバイス及びその同等物をカバーすることを意味し、他の素子又はデバイスを排除しない。「接続」又は「連結」のような用語は物理的又は機械的接続に限定されず、直接か間接に関わらず電気的接続を含むことができる。「上」、「下」、「左」、「右」等は相対位置関係を示すものに過ぎず、説明する対象の絶対位置が変わると、該相対位置関係も変わる。
【0043】
静電容量タッチ基板は例えば通常電極層と配線層などの構造を含み、電極層の材料は通常透明金属酸化物が採用され、銅または銀が優れた延性と導電性を備えるため、配線層の材料は通常銅または銀が採用されるが、銅または銀の金属層は、ベース基板に対する付着力が低く、耐酸化性が不十分である。
【0044】
銅または銀の金属層のベース基板に対する付着力を向上するために、例えば銅または銀の金属層の下に緩衝層を準備し、緩衝層の材料は例えば金属または金属酸化物であってもよく、銅または銀の金属層が空気に曝されて酸化するのを防ぐために、例えば銅または銀の金属層の上に保護層を準備し、保護層の材料は例えば金属または金属酸化物であってもよい。このような多層薄膜で形成された配線構造は、銅または銀の金属層の付着力を向上可能で、耐酸化性が優れるが、配線構造と電極層は材料がいずれも金属酸化物であるため、配線層をエッチングする際に、配線層をエッチングするためのエッチング液は、配線層の下のパターン形成済みの電極層をさらにエッチングしやすく、電極層の寸法精度が影響を受け、ひいては電極層が破損され、当該電極層によって構成された例えばタッチパネルのタッチ効果に影響を与える。
【0045】
本開示の少なくとも1つの実施例は、電子基板及びその製造方法、当該電子基板を含む電子装置を提供する。いくつかの実施例において、電子基板はタッチ基板であり、例えば静電容量タッチ基板である。いくつかの実施例において、当該電子基板はフレキシブル基板であり、例えばフレキシブルタッチ基板である。
【0046】
当該電子基板はベース基板と第1導電構造を含み、第1導電構造はベース基板に位置して少なくともベース基板に離れる側の位置する部分がエッチングバリア特性を有する。
【0047】
例えば、第1導電構造は以下のようなエッチングバリア特性を有する。第1導電構造のベース基板に離れる側の位置する部分は第1部分であり(即ち第1導電構造のベース基板に離れる上面の位置する部分)、第1導電構造のベース基板に近接する側の位置する部分は第2部分であり(即ち第1導電構造のベース基板に近接する下面の位置する部分)、第1部分は第2部分に対してエッチングバリア特性を有し、つまり、同じ種類のエッチング剤について、第1部分は第2部分よりエッチングバリア能力が大きく、よって、第1部分が第2部分よりエッチングされにくい。
【0048】
例えば、当該電子基板は、ベース基板に位置する第1導電構造と第2導電構造を含み、第1導電構造は以下のようなエッチングバリア特性を有する。前記第2導電構造の少なくとも一部の材料をエッチングするためのエッチング剤について、第1導電構造の前記少なくともベース基板に離れる側の位置する部分は、第2導電構造の当該少なくとも一部の材料よりエッチングバリア能力が大きく、つまり、第2導電構造の当該少なくとも一部の材料より、第1導電構造の上面は当該エッチング剤にエッチングされにくい。このような場合に、例えば、第1導電構造の第1部分は、第1導電構造の第2部分よりエッチングバリア能力が大きいか等しい。
【0049】
例えば、第2導電構造は、第1導電構造のベース基板における正投影以外に位置する部分を含むとともに、第1導電構造の位置する層以外に位置する部分を含む(即ち第1導電構造は第2導電構造の少なくとも一部と異なる層に設けられ、よって、製造過程において異なるフォトリソグラフィ工程によって製造される)。
【0050】
それに応じて、当該電子基板の製造方法は、ベース基板に第1導電構造を形成するステップを含み、第1導電構造の少なくともベース基板に離れる側の位置する部分がエッチングバリア特性を有する。
【0051】
例えば、当該製造方法において、第1導電構造のベース基板に離れる側の位置する部分は第1部分であり、第1導電構造のベース基板に近接する側の位置する部分は第2部分であり、第1部分は第2部分に対してエッチングバリア特性を有する。
【0052】
例えば、電子基板が第2導電構造を含む場合に、当該電子基板の製造方法は、ベース基板に第1導電構造を形成するステップと、次に前記ベース基板に第2導電構造を形成するステップとを含み、第2導電構造の少なくとも一部の材料をエッチングするためのエッチング剤について、第1導電構造の少なくとも前記ベース基板に離れる側の位置する部分(即ち上記第1部分)のエッチングバリア能力は、第2導電構造の少なくとも一部の材料のエッチングバリア能力より大きい。
【0053】
本開示の少なくとも1つの実施例において、第1導電構造の少なくともベース基板に離れる側の位置する部分はより強いエッチングバリア特性を有し、よって、本開示の実施例はよりよいエッチングバリア特性を有する。例えば、第1導電構造の少なくともベース基板に離れる側の位置する部分は、第2導電構造の少なくとも一部の材料よりエッチングバリア能力が大きい場合に、エッチング剤(例えばエッチング液)で後続に形成される例えば第1導電構造に隣接する第2導電構造(例えば金属層と金属酸化層の積層)をエッチングする際に、当該第1導電構造はエッチング剤にエッチング攻撃されにくい。
【0054】
例えば、第1電源構造は単層膜構造である。例えば、第1導電構造が単層膜構造の場合に、少なくとも第1導電構造の第1部分は結晶化され(例えば、第1導電構造の全体は結晶化され、または第1導電構造は第1部分のみ結晶化される)、つまり、第1導電構造の第1部分は、第1導電構造の第2部分より結晶化度が大きいか等しい。本開示の実施例において、第1導電構造の上面の位置する部分の材料は結晶化された材料、例えば結晶化された導電酸化物であるため、第1導電構造の上面はより強いエッチングバリア能力を有する。
【0055】
例えば、当該単層膜構造の第1導電構造は以下のように形成される。前記ベース基板に第1導電層薄膜を形成し、前記第1導電層薄膜をパターニングして第1導電パターンを形成し、前記第1導電パターンを前記ベース基板に離れる側から少なくとも一部を結晶化して前記第1導電構造を形成する。
【0056】
例えば、第1導電構造は多層膜構造(即ち積層構造)であるとともに、第1導電層と、第1導電層のベース基板に離れる側に積層されるバリア層とを含み、上記エッチング剤について、バリア層は第1導電層より強いエッチングバリア能力を有し(即ちよりエッチングされにくい)、よって、第1導電構造の上面がより強いエッチングバリア能力を有する。
【0057】
例えば、当該多層膜構造の第1導電構造は以下のように形成される。前記ベース基板に第1導電層薄膜を形成し、前記第1導電層薄膜にバリア層薄膜を形成し、前記第1導電層薄膜と前記バリア層薄膜をパターニングして第1導電層とバリア層をそれぞれ形成し、前記第1導電構造は前記第1導電層と前記バリア層を含む。
【0058】
先に第1導電構造を形成し、次にエッチング剤によってエッチングを行って第2導電構造を形成するため、いくつかの実施例において、第2導電構造は、第1導電構造のベース基板における正投影に重なる部分を含み、第1導電構造は、第2導電構造の重なり部分とベース基板との間に位置する部分を含む。
【0059】
いくつかの実施例において、第1導電構造を形成するステップの後に、第2導電構造を形成するステップを直接に行う(即ち第1導電構造を形成するステップと第2導電構造を形成するステップとの間に他の薄膜を形成するステップがない)ため、第1導電構造のベース基板に近接する第1下面と第2導電構造のベース基板に近接する第2下面はいずれも同じ層(例えばベース基板)に直接に接触される。
【0060】
別のいくつかの実施例において、第1導電構造を形成するステップの後に、第2導電構造を形成するステップを直接に行う(即ち第1導電構造を形成するステップと第2導電構造を形成するステップとの間に他の薄膜を形成するステップがない)ため、第1導電構造のベース基板に離れる上面と第2導電構造のベース基板に離れる上面はいずれも同じ層(例えば第1導電構造と第2導電構造を覆う絶縁層)に直接に接触される。
【0061】
例えば、第1導電構造と第2導電構造の一方は第1タッチ電極構造であり、第1タッチ電極構造は複数のブロック状の第1サブ電極パターンと複数のストリップ状の第2サブ電極パターンとを含み、電子基板は、第1タッチ電極構造と異なる層に位置する第2タッチ電極構造をさらに含み、第2タッチ電極構造は、第2サブ電極パターンによって離間される隣接の第1サブ電極パターンを電気的接続する。
【0062】
例えば、第2タッチ電極構造と第1サブ電極パターンとの間の電気的接続を確保するために、第1導電構造が第2導電構造の重なり部分とベース基板との間に位置する部分を含む場合に、第1導電構造の前記上面の位置する部分の材料は導電材料である。
【0063】
例えば、第1導電構造と第2導電構造の他方はタッチ信号伝送用の配線構造である。例えば、配線構造は多層膜構造であり、配線構造はベース基板から順に積層される第1配線層と第2配線層の積層および/またはベース基板から順に積層される第2配線層と第3配線層の積層を含む。第1配線層は第2配線層とベース基板との間の付着力を向上するためのものであり、第3配線層は第2配線層の酸化の防止のためのものである。
【0064】
例えば、配線構造が第1配線層、第2配線層、第3配線層を含む場合に、配線構造を形成するステップは、ベース基板に順に第1配線層薄膜、第2配線層薄膜、第3配線層薄膜を形成するステップと、第1配線層薄膜、第2配線層薄膜、第3配線層薄膜の積層をパターニングして配線構造を形成するステップと、を含む。
【0065】
例えば、上記各構造を形成するためのパターニング工程は例えばフォトリソグラフィ工程は、所望の構造を形成するための薄膜(単層膜または多層膜)にコーティング、露光および現像によってフォトレジストパターンを形成し、フォトレジストパターンをマスクとしてエッチング剤を利用して薄膜をエッチングする。
【0066】
例えば、多層膜構造のエッチングについて、多層膜構造における複数の薄膜に用いるエッチング剤はすべて異なるか、または少なくとも2つの薄膜が同じ種類のエッチング剤を用いてエッチングを行う。
【0067】
以下にいくつかの具体的な実施例で本開示を説明する。本開示の実施例の以下の説明をはっきりで簡潔にさせるために、既知の機能と既知の部品に対する詳細な説明は省略してもよい。本開示の実施例のいずれかの部品が1つ以上の図面に現れた場合に、当該部品は各図面に同じ記号で表してもよい。以下の実施例において、電子基板がタッチ基板であり、第1導電構造が第1タッチ電極構造であり、第2導電構造が配線構造であり、第3導電構造が第2タッチ電極構造であり、エッチング剤がエッチング液であるのを例として説明する。本開示は以下で列挙される実施例を含むが、それに限定されるものではない。他の実施例に係るタッチ基板において、第1導電構造が配線構造であり、第2導電構造が第1タッチ電極構造であってもよく、先に形成される導電構造の上面がより強いエッチングバリア能力を有することを満たせばよい。
【0068】
本開示の少なくとも1つの実施例は、図1A図1Bに示すタッチ基板100と、図2A図2Bに示すタッチ基板200と、図3A図3Bに示すタッチ基板300とを提供する。
【0069】
図1Aから図3Bに示すように、当該タッチ基板100/200/300はベース基板101と第1タッチ電極構造102とを含む。第1タッチ電極構造102はベース基板101に設けられ、ベース基板101に離れる側の位置する部分(即ち上面2Bの位置する第1部分)はエッチングバリア特性を有する。
【0070】
例えば、図1A、1B、3Aと3Bに示すように、第1タッチ電極構造102は以下のようなエッチングバリア特性を有する。同じ種類のエッチング剤について、第1タッチ電極構造102の上部分(即ち上記第1部分)は、第1タッチ電極構造102の下部分(即ち上記第2部分)よりエッチングバリア能力が大きく、よって、第1部分は第2部分よりさらにエッチングされにくい。
【0071】
例えば、図1Aから図3Bに示すように、当該タッチ基板100/200/300は、ベース基板101に位置する第1タッチ電極構造102と配線構造103を含み、第1タッチ電極構造102は以下のようなエッチングバリア特性を有する。配線構造103の少なくとも一部の材料をエッチングするためのエッチング剤について、第1タッチ電極構造102の少なくともベース基板101に離れる側の位置する部分(上面2Bの位置する第1部分)は、配線構造103の当該少なくとも一部の材料よりエッチングバリア能力が大きく、つまり、配線構造103の当該少なくとも一部の材料より、第1タッチ電極構造102の上面2Bは当該エッチング剤にさらにエッチングされにくい。このような場合に、例えば、第1タッチ電極構造102の第1部分は、第1タッチ電極構造102の第2部分よりエッチングバリア能力が大きいか等しい。
【0072】
例えば、図1Aから図3Bに示すように、電子基板100/200/300は、第1タッチ電極構造102を覆う絶縁層104と、絶縁層104に位置する第2タッチ電極構造105とをさらに含み、第2タッチ電極構造105は第1タッチ電極構造102と異なる層に位置する。図6Iに示すように、第1タッチ電極構造102は複数のブロック状の第1サブ電極パターン102Aと複数のストリップ状の第2サブ電極パターン102Bとを含む。図1Aから図3Bに示すように、絶縁層104は第1サブ電極パターン102Aの一部の表面を曝し、第2タッチ電極構造105は第2サブ電極パターン102Bによって離間される隣接の第1サブ電極パターン102Aを電気的接続する。
【0073】
例えば、図1Aから図3Bに示すように、第1タッチ電極構造102はベース基板101と第2タッチ電極構造105との間に位置する。この場合に、第1タッチ構造102の上面2Bの位置する部分の材料は導電材料であり、第1タッチ電極構造102の第1サブ電極パターン102Aと第2タッチ電極構造105との間の電気的接続を確保する。他の実施例において、例えば、第2タッチ電極構造105がベース基板101と第1タッチ電極構造102との間に位置する場合に、第1タッチ構造102の上面2Bの位置する部分の材料は導電材料であってもよい。
【0074】
例えば、図1Aから図3Bに示すように、第1タッチ構造102のベース基板101に近接する第1下面2Aと、配線構造103のベース基板101に近接する第2下面103Aとは、いずれもベース基板101に直接に接触される。
【0075】
例えば、図1Aから図3Bに示すように、第1タッチ構造102のベース基板101に離れる上面2Bと、配線構造103のベース基板101に離れる上面103Bとは、いずれも絶縁層104に直接に接触される。
【0076】
例えば、図1B図2B図3Bに示すように、電子基板100/200/300は、タッチ信号伝送を実現するための配線構造103をさらに含み、図6Iに示すように、配線構造103は、サブ電極パターンの1行または1列にそれぞれ電気的に接続された複数の信号伝送線を含む。例えば、配線構造103は、第1タッチ構造102のベース基板101における正投影に重なる重なり部分103Cを含むとともに、第1タッチ構造102は、配線構造103の重なり部分103Cとベース基板101との間に位置する部分を含む。
【0077】
例えば、図1B図2B図3Bに示すように、配線構造103の重なり部分103Cの全体は第1タッチ構造102に直接に接触される。このようにして、配線構造103の重なり部分103Cは、第1タッチ電極102を保護する作用をさらに果たす。
【0078】
図1Aから図3Bに示すように、ベース基板101は例えばガラス基板、石英基板、プラスチック基板またはその他のふさわしい材料の基板であってもよく、本開示の実施例はそれに対して具体的な限定をしない。
【0079】
図1A図1Bに示すように、第1タッチ電極構造102は多膜層構造で、第1導電層(例えば第1電極層)1021と、第1導電層1021に積層されるバリア層1022とを含む。例えば、バリア層1022のベース基板101における正投影は、第1導電層1021のベース基板101における正投影に重ね合う。例えば、配線構造103の少なくとも一部の材料をエッチングするためのエッチング液について、バリア層1022は第1導電層1021よりエッチングバリア能力が大きい。
【0080】
例えば、第1導電層1021の材料とバリア層1022の材料はいずれも導電性酸化物を含む。例えば、当該第1タッチ電極構造102によって構成されるタッチ基板100が表示パネルに適用される際に、当該第1タッチ電極構造102は通常表示パネルの表示エリアに設けられるため、第1タッチ電極構造102を構成する材料は透明導電材料が選択され、例えば、第1導電層1021の材料とバリア層1022の材料は透明導電性酸化物である。
【0081】
例えば、第1導電層1021の材料はバリア層1022の材料より結晶化度が小さく、よって、バリア層1022は第1導電層1021よりエッチングバリア能力が大きい。例えば、第1導電層1021の材料は導電性酸化物(例えばアモルファス導電性酸化物)を含み、バリア層1022の材料は結晶化された金属、結晶化された導電性酸化物、高分子導電材料のうちの少なくとも1つまたは複数の組み合わせを含み、例えば結晶化された金、銀、アルミニウム、白金、パラジウム、アルミニウムドープ酸化亜鉛、フッ素ドープ酸化スズ、グラフェン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどの1つまたは複数である。
【0082】
例えば、本開示の1つの例示において、第1導電層1021の材料は導電性酸化物、例えば透明導電性酸化物(例えばアモルファス透明導電性酸化物)を含み、バリア層1022の材料は結晶化された導電性酸化物(例えば結晶化された透明導電性酸化物)を含む。
【0083】
例えば、第1導電層1021とバリア層1022が含む導電性酸化物は例えば酸化インジウムスズ(indium tin oxide、ITOと略される)、酸化インジウム亜鉛(indium zinc oxide、IZOと略される)、酸化スズ(stannic oxide、化学式がSnO)などであってもよい。
【0084】
例えば、第1導電層1021は酸化インジウムスズ(例えばアモルファス酸化インジウムスズ)によって構成され、バリア層1022は結晶化された酸化インジウムスズによって構成される時に、バリア層1022が結晶化処理されたため、バリア層1022を構成する酸化インジウムスズにおけるIn:SnOの比例(質量比)は、第1導電層1021を構成する酸化インジウムスズにおけるIn:SnOの比例(質量比)より高い。例えば、バリア層1022の酸化インジウムスズにおけるIn:SnOの比例は例えば93:7より大きいか等しく、第1導電層1021の酸化インジウムスズにおけるIn:SnOの比例は例えばおおよそ89:11から91:9の間にある。
【0085】
例えば、本開示の実施例の別の例示において、第1導電層1021は酸化インジウム亜鉛によって構成され、バリア層1022は結晶化された酸化インジウム亜鉛によって構成される。例えば、バリア層1022の酸化インジウム亜鉛におけるIn:ZnOの比例(質量比)は、第1導電層1021の酸化インジウム亜鉛におけるIn:ZnOの比例(質量比)より高い。
【0086】
なお、第1導電層1021とバリア層1022が含む導電性酸化物は、含む元素の少なくとも一部(例えばいずれもインジウムおよび/または亜鉛など)が同じか、含む元素が異なる。
【0087】
例えば、第1導電層1021とバリア層1022は異なる材料によって構成されてもよく、例えば異なる元素を含む材料で製造される。例えば、本開示の実施例の別の例示において、第1導電層1021の材料は例えば酸化インジウムスズまたは酸化インジウム亜鉛であってもよく、バリア層1022の材料は例えば結晶化されたアルミニウムドープ酸化亜鉛、フッ素ドープ酸化スズなど、任意のふさわしい結晶化された透明導電性材料であってもよい。例えば、本開示の実施例の別の例示において、第1導電層1021の材料は例えば酸化インジウムスズまたは酸化インジウム亜鉛であってもよく、バリア層1022の材料は例えばグラフェン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンまたはその他の任意のふさわしい有機高分子透明導電性材料であってもよい。
【0088】
上記の図1A図1Bに示すような実施例において、第1タッチ電極構造102は第1導電層1021と、第1導電層1021の上に位置するバリア層1022とを含む。本開示の実施例において、例えばフッ化水素酸などの弱酸を選択して、後続に形成される配線構造103に含まれる金属または金属酸化物をエッチングしてもよいが、フッ化水素酸などの弱酸はバリア層1022をエッチングすることができず、またはバリア層1022に対するエッチング速度が小さいため、当該バリア層1022は、他の金属層/金属酸化層に対してエッチングをするときに、エッチング溶液によって第1の導電層1021がエッチング攻撃されるのを防ぐことができる。
【0089】
図1Aから図3Bに示すように、配線構造103はベース基板101の上に設けられて第1タッチ電極構造102と同じ層に位置する。図1Aから図3Bに示すように、積層構造の配線構造103は、ベース基板101から順に積層される第1配線層1031、第2配線層1032、第3配線層1033を含む。例えば、第1配線層1031と第3配線層1033の材料はアモルファス導電性酸化物(例えばアモルファス透明導電性酸化物)を含み、例えば、延性の良好なインジウムスズ酸化物またはインジウム亜鉛酸化物であってもよい。例えば、第2配線層1032の材料の例示には金属、例えば銀、銅、アルミニウム、クロム、モリブデン、チタン、銀合金、銅合金、アルミニウム-ビスマス合金、銅-モリブデン合金、モリブデン-ニオブ合金、モリブデン-ニオブ合金、またはそれらの任意の組み合わせを含み、本開示の実施例はこれに対して具体的な限定をしない。
【0090】
本開示の実施例において、例えば、図1Aから図3Bに示すように、当該タッチ基板100/200/300はタッチエリアD1と非タッチエリアD2を含み、第1タッチ電極構造102はタッチエリアD1内に設けられ、配線構造103の少なくとも一部は非タッチエリアD2内に設けられる。例えば、配線構造103が当該タッチ基板100の周辺トレースを指す場合に、配線構造103は当該タッチ基板100の非タッチエリアD2に設けられ、配線構造103が当該タッチ基板100の全てのトレースを指す場合に、配線構造103は当該タッチ基板100のタッチエリアD1と非タッチエリアD2に設けられてもよい。
【0091】
本開示の実施例において、配線構造103は第1配線層1031、第2配線層1032、第3配線層1033によって順に積層して構成され、インジウムスズ酸化物またはインジウム亜鉛酸化物は、延性および耐酸化性が良好であるため、インジウムスズ酸化物またはインジウム亜鉛酸化物などの導電性酸化物によって構成される第1配線層1031は、その上に形成される第2配線層1032の緩衝層として用い、第2配線層1032とベース基板101との間の付着力の改善に用いることができ、酸化インジウムスズ、酸化インジウム亜鉛などの導電性酸化物によって構成される第3配線層1033は、第2配線層1032の保護層として用いることができ、第2配線層1032が大気に曝されることを防ぎ、よって、第2配線層1032の酸化を回避することができる。
【0092】
配線構造103の積層構造は図1Aから図3Bに示す実施例を含むが、それに限定されるものではない。例えば、本開示の実施例の別の例示において、配線構造103は、例えばベース基板101から順に積層される第1配線層1031、第2配線層1032を含み、第3配線層1033を含まなくてもよい。本例示において、第1配線層1031の材料は導電性酸化物(例えば透明導電性酸化物)、例えば酸化インジウムスズまたは酸化インジウム亜鉛などを含み、第2配線層1032の材料の例示は金属、例えば銀、銅、アルミニウム、クロム、モリブデン、チタン、銀合金、銅合金、アルミニウム-ビスマス合金、銅-モリブデン合金、モリブデン-ニオブ合金、モリブデン-ニオブ合金、またはそれらの任意の組み合わせを含み、本例示はこれに対して具体的な限定をしない。例えば、本開示の実施例の別の例示において、配線構造103は、例えばベース基板101から順に積層される第2配線層1032、第3配線層1033を含み、第1配線層1031を含まなくてもよい。
【0093】
なお、本開示の実施例において、配線構造103と第1タッチ電極構造102の位置関係はこれを含むが、限定されるものではなく、例えば、本実施例の別の例示において、配線構造103は第1タッチ電極構造102の上に設けられ、例えば第1タッチ電極構造102の上を覆う絶縁層またはパッシベーション層(当該絶縁層またはパッシベーション層に第1タッチ電極構造102を曝すスルーホールが設けられる)の上に形成される。
【0094】
図1Aから図3Bに示すように、第1タッチ電極構造102を曝す複数のスルーホールを有する絶縁層104は、ベース基板101の上に設けられて配線構造103と第1タッチ電極構造102を覆う。当該絶縁層104の材料の例示は、SiNx、SiOxまたはその他のふさわしい材料を含み、本開示の実施例はこれに対して限定しない。
【0095】
図1Aから図3Bに示すように、第2タッチ電極構造105は、ベース基板101に設けられて第1タッチ電極構造102と異なる層に位置し、絶縁層104における複数のスルーホールによって第1タッチ電極構造102に電気的接続される。もちろん、第2タッチ電極構造105と第1タッチ電極構造102の位置関係は図1に示すことを含むが、限定されるものではなく、例えば、本開示の実施例の別の例示において、第2タッチ電極構造105はベース基板101と第1タッチ電極構造102との間に位置して第1タッチ電極構造102に電気的接続される。当該第2タッチ電極構造105の材料の例示は、導電性酸化物(例えば透明導電性酸化物)、例えば酸化インジウムスズまたは酸化インジウム亜鉛あるいはその他のふさわしい材料を含み、本開示の実施例はこれに対して限定しない。
【0096】
例えば、本開示の実施例に係るタッチ基板100/200/300は、タッチ検出チップを含んでもよく、第1タッチ電極構造102と第2タッチ電極構造105は配線構造103によってタッチ検出チップに接続され、タッチ信号を受信または伝送してタッチ機能を実現する。
【0097】
なお、はっきりさせるように、図には当該タッチ基板100/200/300の全ての構造を示しているわけではない。タッチ基板の必要な機能を実現するために、当業者は具体的な適用シナリオに応じて他の未図示の構造を設けてもよく、本開示の実施例はそれに対して限定しない。
【0098】
図1A図1Bに示すように、本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチ基板100において、第1タッチ電極構造102は、ベース基板101に設けられる第1導電層1021と、第1導電層1021のベース基板101に離れる側に設けられるバリア層1022とを含み、バリア層1022は、第1導電層1021と同じ材料をエッチングするためのエッチング液に対してバリア特性を有し、配線構造103を構成する第1配線層1031、第2配線層1032、第3配線層1033をエッチングする時に、使用するエッチング液が第1導電層1021に対してエッチング機能を果たしても、バリア層1022はエッチング液の不利な影響から第1の導電層1021を保護することができる。
【0099】
また、少なくとも1つの実施例において、第1配線層1031、第2配線層1032、第3配線層1033によって順に積層して配線構造103が構成され、第1配線層1031は、その上に形成される第2配線層1032の緩衝層として用い、第2配線層1032の付着力の改善に用いることができ、第3配線層1033は、第2配線層1032の保護層として用いることができ、第2配線層1032が大気に曝されることを防ぎ、よって、第2配線層1032の酸化を回避することができる。また、当該積層構造の配線構造103は、一次フォトリソグラフィ工程(上記パターニング工程の一例)によって形成されてもよく、よって、プロセスコストとマスクコストを節約可能である一方、多層薄膜の複数回のエッチングによる異なる層の間の位置合わせを省き、よって、当該配線構造103の線幅はさらに細かくすることができ、例えば、当該配線構造103の線幅は約10μm程度とすることができる。
【0100】
図2A図2Bに示すように、本例示に係るタッチ基板200において、第1タッチ電極構造102はベース基板101に設けられて且つ単層構造であり、第1タッチ電極構造102の全体が結晶化された導電性酸化物であり、即ち、当該第1タッチ電極構造102を構成する材料は結晶化された導電性酸化物(例えば透明導電性酸化物)であり、例えば結晶化された酸化インジウムスズまたは結晶化された酸化インジウム亜鉛などである。例えば、第1タッチ電極構造102が結晶化された酸化インジウムスズによって構成される場合に、第1タッチ電極構造102の酸化インジウムスズにおけるIn:SnOの比例は例えば93:7より大きいか等しい。酸化インジウムスズまたは酸化インジウム亜鉛が結晶化処理された後に、分子構造が変化され、フッ化水素酸などの弱酸特性のエッチング液は、結晶化された酸化インジウムスズまたは酸化インジウム亜鉛に対する腐食効果が少ないため、結晶化された第1タッチ電極構造102は、弱酸特性を有するエッチング液に対してバリア特性を有することができる。例えばエッチング液、例えばフッ化水素酸などの弱酸を利用して配線構造103をエッチングする場合に、使用するエッチング液が第1タッチ電極構造102を形成するための材料に対して当該材料が結晶化される前にエッチングの機能を果たしても、結晶化された第1タッチ電極構造102が当該エッチング液のエッチング攻撃から回避できる。
【0101】
図3A図3Bに示すように、本例示に係るタッチ基板300において、第1タッチ電極構造102はベース基板101に設けられて且つ単層構造であり、第1タッチ電極構造102は導電性酸化物によって構成され、例えば透明導電酸化物例えば酸化インジウムスズまたは酸化インジウム亜鉛などによって構成され、且つ第1タッチ電極構造102のベース基板101に離れる側の部分が結晶化される。図3における第1タッチ電極構造102のより色深い部分は結晶化されたものを示し、例えば結晶化度が図において上面から下へ徐々に低下される。
【0102】
例えば、当該第1タッチ電極構造102が酸化インジウムスズによって構成される場合に、当該第1タッチ電極構造102の結晶化された部分の酸化インジウムスズにおけるIn:SnOの比例は当該第1タッチ電極構造102の結晶化されていない部分の酸化インジウムスズにおけるIn:SnOの比例より高い。例えば、当該第1タッチ電極構造102の結晶化された部分の酸化インジウムスズにおけるIn:SnOの比例は例えば93:7より大きいか等しく、当該第1タッチ電極構造102の結晶化されていない部分の酸化インジウムスズにおけるIn:SnOの比例は例えばおおよそ89:11から91:9の間にある。
【0103】
例えば、本開示の実施例の別の例示において、当該第1タッチ電極構造102が酸化インジウム亜鉛によって構成される場合に、当該第1タッチ電極構造102の結晶化された部分の酸化インジウム亜鉛におけるIn:ZnOの比例は当該第1タッチ電極構造102の結晶化されていない部分の酸化インジウム亜鉛におけるIn:ZnOの比例より高い。
【0104】
酸化インジウムスズまたは酸化インジウム亜鉛が結晶化処理された後に、分子構造が変化され、フッ化水素酸などの弱酸特性のエッチング液は、結晶化された酸化インジウムスズまたは酸化インジウム亜鉛に対する腐食効果が少ないため、当該第1タッチ電極構造102の結晶化された部分は、エッチング液に対してバリア特性を有する。例えばエッチング液、例えばフッ化水素酸などの弱酸を利用して配線構造103をエッチングする場合に、当該エッチング液が当該第1タッチ電極構造102の基板に近接する側の結晶化されていない部分に対してエッチングの機能を果たしても、当該第1タッチ電極構造102のベース基板101に離れる側の結晶化された部分もエッチング液の不利な影響から当該第1タッチ電極構造102を保護することができる。
【0105】
例えば、本開示の実施例は、上記実施例に記載のいずれかのタッチ基板を含む電子装置を提供する。当該電子装置は例えばタッチパネル、表示パネル、表示装置、テレビ、電子紙、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲータ等の任意のタッチ機能を有する製品又は部材であってもよい。本開示の実施例は電子装置が表示装置であることを例として説明するが、当該表示装置は表示パネルをさらに含み、タッチ基板は別体に形成して表示パネルに結合してもよく、または表示パネルと一部の部品を共用して一体に形成してもよい。なお、本開示の実施例はタッチ基板と表示パネルの結合方式を限定しない。
【0106】
例えば、タッチ基板のベース基板101は、表示パネルをカバーして保護するための保護カバーであってもよく、保護カバーの第1タッチ電極構造102の形成された側が表示パネルに臨む。即ち当該タッチ基板と表示パネルの結合方式はOGS(One Glass Solution)方式である。
【0107】
また例えば、タッチ基板のベース基板101は、表示パネルのカラーフィルタ基板であってもよく、カラーフィルタ基板はアレイ基板とマッチングするためのものであり、タッチ基板の第1タッチ電極構造102はカラーフィルタ基板のアレイ基板と反対側に設けられる。即ち当該タッチ基板と表示パネルの結合方式はOn-Cell式(表面を覆う方式)である。
【0108】
さらに例えば、タッチ基板のベース基板101は、アレイ基板とマッチングするためのカラーフィルタ基板であってもよく、タッチ基板の第1タッチ電極構造102はカラーフィルタ基板のアレイ基板に臨む側に設けられる。即ち当該タッチ基板と表示パネルの結合方式はIn-Cell式(埋め込み式)である。
【0109】
本開示の実施例に係る表示装置の技術効果は、上記実施例に記載のいずれかのタッチ基板の技術効果を参照してもよく、ここで説明はしない。
【0110】
本開示の実施例は、ベース基板101に第1タッチ電極構造102を形成するステップと、次にベース基板101に配線構造103を形成するステップと、を含むタッチ基板100/200/300の製造方法をさらに提供する。当該製造方法において、第1タッチ電極構造102の上面2Bの位置する部分はエッチングバリア特性を有する。
【0111】
本開示の1つの実施例はタッチ基板100における第1タッチ電極構造102の製造方法を提供し、図4A図4Dは本開示の実施例に係るタッチ基板100における第1タッチ電極構造102が製造過程における断面構造模式図である。
【0112】
図4Aに示すように、まずベース基板101を提供し、当該ベース基板101は例えばガラス基板、石英基板、プラスチック基板またはその他のふさわしい材料の基板であってもよい。
【0113】
図4Aに示すように、例えばベース基板101に電極層薄膜21(第1導電層薄膜の一例)とバリア層薄膜22を順に堆積してもよい。例えば、電極層薄膜21は、化学気相成長法または物理気相成長法などの方法によりベース基板101に堆積されてもよい。電極層薄膜21の材料の例示は、導電性酸化物(例えばアモルファス導電性酸化物)、例えば酸化インジウムスズまたは酸化インジウム亜鉛などの透明導電性酸化物を含み、本開示の実施例はこれに対して限定しない。例えば電極層薄膜21が酸化インジウムスズ(例えばアモルファス酸化インジウムスズ)によって構成される場合に、電極層薄膜21の酸化インジウムスズにおけるIn:SnOの比例は例えばおおよそ89:11から91:9の間にあってもよい。
【0114】
電極層薄膜21が形成された後に、バリア層薄膜22が例えば化学気相成長法または物理気相成長法などの方法により電極層薄膜21に堆積されてもよい。バリア層薄膜22の材料は、例えば結晶化された酸化インジウムスズまたは酸化インジウム亜鉛、または結晶化されたアルミニウムドープ酸化亜鉛またはフッ素ドープ酸化スズなどの任意のふさわしい結晶化された導電性材料(例えば、結晶化された透明導電材料)であってもよく、またはグラフェン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどの任意のふさわしい有機高分子導電材料(たとえば、有機高分子透明導電材料)であってもよく、本開示の実施例はバリア層薄膜22の材料に対して具体的な限定はしない。例えば、当該バリア層薄膜22が結晶化された酸化インジウムスズによって構成される場合に、バリア層薄膜22の酸化インジウムスズにおけるIn:SnOの比例は例えば93:7より大きいか等しく、よって、バリア層薄膜22の酸化インジウムスズにおけるIn:SnOの比例は、電極層薄膜21の酸化インジウムスズにおけるIn:SnOの比例より高い。例えば、本開示の実施例の別の例示において、電極層薄膜21は例えば酸化インジウム亜鉛によって形成されてもよく、バリア層薄膜22は結晶化された酸化インジウム亜鉛によって形成されてもよく、且つバリア層薄膜22の酸化インジウム亜鉛におけるIn:ZnOの比例は、電極層薄膜21の酸化インジウム亜鉛におけるIn:ZnOの比例より高い。
【0115】
図4Bに示すように、電極層薄膜21にバリア層薄膜22が堆積された後に、バリア層薄膜22の表面の全体にフォトレジスト層が形成される。フォトレジスト層は、露光工程および現像工程を含むフォトリソグラフィ処理によってパターニングされ、所望の形状を有するフォトレジストパターン106がバリア層薄膜22に形成される。
【0116】
図4Cは形成された第1タッチ電極構造102の平面構造模式図であり、図4D図4CのA-A’線に沿った断面構造模式図である。
【0117】
図4C図4Dを参照し、上記フォトレジストパターン106を利用してエッチングマスクとしてバリア層薄膜22と電極層薄膜21をパターニングして、ベース基板101に第1導電層1021とバリア層1022を形成し、第1導電層1021とバリア層1022は積層構造の第1タッチ電極構造102を構成し、第1タッチ電極構造102は交互にする複数の第1サブ電極パターン102Aと複数の第2サブ電極パターン102Bを含む。バリア層薄膜22は結晶化された金属、結晶化された金属酸化物、有効高分子導電薄膜のうちの少なくとも1つまたは複数の組み合わせであるため、例えばフッ化水素酸などの弱酸性質のエッチング液が当該バリア層薄膜22をエッチングすることができず、またはそれに対するエッチング速度が小さいため、例えば王水などの強酸をエッチング液として選択し、バリア層薄膜22と電極層薄膜21をエッチングパターニングして積層構造である第1タッチ電極構造102を形成する必要がある。
【0118】
本開示の少なくとも1つの実施例で形成されたタッチ基板100において、第1タッチ電極構造102は、ベース基板101に設けられる第1導電層1021と、第1導電層1021のベース基板101に離れる側に設けられるバリア層1022とを含み、バリア層1022はエッチング液に対してバリア特性を有し、例えば後続に形成される金属酸化層に対してエッチングする時に、当該エッチング液が当該第1導電層1021に対してエッチング機能を果たしても、バリア層1022もエッチング液の不利な影響から第1の導電層1021を保護することができる。
【0119】
図5A図5Eは本開示の実施例の別の例示に係るタッチ基板200の第1タッチ電極構造102が製造過程における断面構造模式図である。
【0120】
図5Aに示すように、まずベース基板101を提供し、当該ベース基板101は例えばガラス基板、石英基板、プラスチック基板またはその他のふさわしい材料の基板であってもよい。
【0121】
図5Aに示すように、電極層薄膜21(第1導電層薄膜の一例)は、化学気相成長法または物理気相成長法などの方法によりベース基板101に堆積されてもよい。電極層薄膜21の材料の例示は、導電性酸化物(例えばアモルファス導電性酸化物)、例えば酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)などのアモルファス透明導電性酸化物を含み、本開示の実施例はこれに対して限定しない。例えば電極層薄膜21が酸化インジウムスズによって構成される場合に、電極層薄膜21の酸化インジウムスズにおけるIn:SnOの比例は例えばおおよそ89:11から91:9の間にあってもよい。
【0122】
図5Bに示すように、ベース基板101に電極層薄膜21が形成された後に、電極層薄膜21の表面の全体にフォトレジスト層が形成される。フォトレジスト層は、露光工程および現像工程を含むフォトリソグラフィ処理によってパターニングされ、所望の形状を有するフォトレジストパターン106が電極層薄膜21に形成される。
【0123】
図5Cに示すように、上記フォトレジストパターン106を利用してエッチングマスクとして電極層薄膜21をパターニングして、ベース基板101にアモルファスされた第1タッチ電極構造パターン1020を形成する。電極層薄膜21はアモルファス導電金属酸化物(例えばアモルファス透明導電金属酸化物)によって構成されるため、フッ化水素酸などの弱酸特性のエッチング液を選択して当該電極層薄膜21をエッチングして、アモルファスされた第1タッチ電極構造パターン1020を形成してもよい。
【0124】
図5Dは形成された第1タッチ電極構造102の平面構造模式図であり、図5E図5DのB-B’線に沿った断面構造模式図である。’図5D図5Eを参照し、アモルファス化された第1タッチ電極構造パターン1020を形成した後に、アモルファス化された第1タッチ電極構造パターン1020をアニーリング処理し、アニーリング方法は、例えば、RTA(急速熱アニーリング)、ELA(エキシマ)またはファーネスアニーリングなどのアニーリング方法であってもよい。アニーリング過程において、第1タッチ電極構造パターン1020を構成する材料の分子構造が変化し、アモルファス化された第1タッチ電極構造パターン1020を結晶化された第1タッチ電極構造102に変化させる。例えば、アモルファス化された第1タッチ電極構造102が酸化インジウムスズによって構成される場合に、結晶化された後の第1タッチ電極構造102の酸化インジウムスズにおけるIn:SnOの比例は、アモルファス化された第1タッチ電極構造パターン1020の酸化インジウムスズにおけるIn:SnOの比例より高い。例えば、本開示の実施例の1つの例示において、アモルファス化された第1タッチ電極構造パターン102の酸化インジウムスズにおけるIn:SnOの比例は例えば89:11から91:9の間にあり、結晶された第1タッチ電極構造102の酸化インジウムスズにおけるIn:SnOの比例は例えば93:7より大きいか等しい。例えば、本開示の実施例の別の例示において、アモルファス化された第1タッチ電極構造パターン1020が酸化インジウム亜鉛によって構成される場合に、結晶化された後の第1タッチ電極構造102の酸化インジウム亜鉛におけるIn:ZnOの比例は、アモルファス化された第1タッチ電極構造102の酸化インジウム亜鉛におけるIn:ZnOの比例より高い。図5Dに示すように、形成された結晶化の第1タッチ電極構造102は交互にする複数の第1サブ電極パターン102Aと複数の第2サブ電極パターン102Bとを含む。
【0125】
なお、製品設計要件に従って、第1タッチ電極構造102は、上記の例示で説明したように完全に結晶化してもよく、もちろん、第1タッチ電極構造102は部分的に結晶化してもよい。
【0126】
例えば、本開示の実施例の別の例示において、図5A-5Cで説明した方法でベース基板101を提供してベース基板101にアモルファス化された第1タッチ電極構造パターン1020を形成した後に、アモルファス化された第1タッチ電極構造パターン1020に対して一部アニーリング処理し、アニーリング時間とアニーリング速度などの要因を制御することによって、アニーリングされた第1タッチ電極構造パターン1020のベース基板101に離れる側を結晶化させる。例えば、アモルファス化された第1タッチ電極構造パターン1020が酸化インジウムスズによって構成される場合に、結晶化された後の対応する部分の第1タッチ電極構造102の酸化インジウムスズにおけるIn:SnOの比例は、アモルファス化された第1タッチ電極構造パターン1020の酸化インジウムスズにおけるIn:SnOの比例より高く、または、アモルファス化された第1タッチ電極構造パターン1020が酸化インジウム亜鉛によって構成される場合に、結晶化された後の対応する部分の第1タッチ電極構造102の酸化インジウム亜鉛におけるIn:ZnOの比例は、アモルファス化された第1タッチ電極構造パターン1020の酸化インジウムスズにおけるIn:ZnOの比例より高い。
【0127】
例えば、本開示の実施例の別の例示において、例えば電極層薄膜21の堆積条件を制御することによって第1タッチ電極構造102を形成してもよい。電極層薄膜21の材料の例示は透明導電酸化物、例えば酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)などを含み、本開示の実施例はこれに対して限定しない。異なる材料タイプの電極層薄膜の堆積条件が異なり、本例示は電極層薄膜21の材料が酸化インジウムスズであることを例として紹介する。
【0128】
例えば、まずベース基板101を提供し、当該ベース基板101は例えばガラス基板、石英基板、プラスチック基板またはその他のふさわしい材料の基板であってもよい。
【0129】
次に、例えば化学気相成長法または物理気相成長法などの方法により酸化インジウムスズ電極層薄膜21をベース基板101に堆積してもよい。堆積条件(例えば堆積速度、堆積時間、目標衝撃速度など)を制御することにより、形成される電極層薄膜21におけるIn:SnOの比例を、ベース基板101の近傍からベース基板101に離れる方向において徐々に増加させる。例えば、ベース基板101に近接する側に位置する形成された電極層薄膜21について、電極層薄膜21の酸化インジウムスズにおけるIn:SnOの比例はおおよそ89:11から91:9の間にあってもよく、ベース基板101に離れる側に位置する形成された電極層薄膜21について、電極層薄膜21の酸化インジウムスズにおけるIn:SnOの比例は例えば93:7より大きいか等しいであってもよい。堆積条件を制御することによって、ベース基板101に離れる側に形成された電極層薄膜21の酸化インジウムスズにおけるIn:SnOの比例を、ベース基板101に近接する側に位置する形成された電極層薄膜21の酸化インジウムスズにおけるIn:SnOの比例より高くさせ、よって、後続の配線構造を製造するフォトリソグラフィ工程においてエッチング液の不利な影響から電極層薄膜21を回避させる。
【0130】
ベース基板101に電極層薄膜21が形成された後に、次に電極層薄膜21の表面の全体にフォトレジスト層が堆積される。フォトレジスト層は、露光工程および現像工程を含むフォトリソグラフィ処理によってパターニングされ、所望の形状を有するフォトレジストパターン106が電極層薄膜21に形成される。上記フォトレジストパターン106を利用してエッチングマスクとして電極層薄膜21をパターニングして、ベース基板101に第1タッチ電極構造パターン102を形成する。
【0131】
上記少なくとも1つの例示に係るタッチ基板200の第1タッチ電極構造102の製造方法において、第1タッチ電極構造102を全部結晶化または一部結晶化処理することによって、または堆積条件を制御して形成された電極層薄膜21における分子の濃度を勾配変化を示させ、第1タッチ電極構造102の分子構造を変化させ、当該第1タッチ電極構造102をエッチング液に対してバリア特性を有させる。例えばフッ化水素酸などの弱酸特性のエッチング液を利用して後続で形成される金属層/金属酸化層をエッチングする場合に、当該エッチング液が結晶化されていない第1タッチ電極構造パターン1020に対してエッチングの機能を果たしても、当該第1タッチ電極構造102もエッチング液の再度のエッチング攻撃から回避できる。
【0132】
本開示の実施例は、上記いずれかの実施例に記載のタッチ基板を含むタッチ基板の製造方法を提供する。本開示の実施例はタッチ基板200の製造方法を例として説明し、図6A図6Jは本開示の実施例に係るタッチ基板200の製造過程における断面構造模式図である。
【0133】
図6Aに示すように、図5A図5Eの製造方法を例として参照し、ベース基板101に結晶化された第1タッチ電極構造102を形成した後に、結晶化された第1タッチ電極構造102が形成されたベース基板101に、化学気相成長法または物理気相成長法などの方法によって第1配線層薄膜31、第2配線層薄膜32、第3配線層薄膜33(当該三層の配線層薄膜の積層は上記第2導電構造を形成するための導電薄膜の一例である)を順に堆積する。本開示の実施例において、第1配線層薄膜31と第3配線層薄膜33の材料の例示は導電性酸化物(例えばアモルファス導電性酸化物)を含み、例えば当該導電性酸化物は透明導電酸化物、例えば延性のよい酸化インジウムスズまたは酸化インジウム亜鉛であり、例えばその厚さは50-200オングストローム(Å)であり、第2配線層薄膜32の材料の例示は金属、例えば銀、銅、アルミニウム、クロム、モリブデン、チタン、銀合金、銅合金、アルミニウム-ビスマス合金、銅-モリブデン合金、モリブデン-ニオブ合金、モリブデン-ニオブ合金、またはそれらの任意の組み合わせを含み、本例示はこれに対して具体的な限定をしない。
【0134】
図6Bに示すように、第3配線層薄膜33の表面の全体にフォトレジスト層を形成し、露光工程および現像工程を含むフォトリソグラフィ処理によってフォトレジスト層をパターニングし、所望の形状を有するフォトレジストパターン106を第3電極層薄膜33に形成する。
【0135】
図6Cは形成された電子基板200の平面構造模式図であり、図6D図6CのC-C’線に沿った断面構造模式図である。図6C図6Dを参照し、上記フォトレジストパターン106を利用してエッチングマスクとして第1配線層薄膜31、第2配線層薄膜32、第3配線層薄膜33を同時にパターニングして、ベース基板101に積層構造である配線構造103を形成し、当該配線構造103は第1タッチ電極構造102に電気的接続される。第1配線層薄膜31、第2配線層薄膜32、第3配線層薄膜33は金属または金属酸化物によって構成され、第1配線層薄膜31、第2配線層薄膜32、第3配線層薄膜33のうちの少なくとも1つに対してエッチングする時に、例えばフッ化水素酸などの弱酸特性のエッチング液でエッチングして配線構造103を形成する。第1タッチ電極構造102が結晶化処理され、結晶化された後の第1タッチ電極構造102はエッチング液に対してよりよいバリア特性を有するため、当該弱酸特性のエッチング液のエッチング攻撃から当該第1タッチ電極構造102を回避できる。
【0136】
タッチ基板200はタッチエリアD1と非タッチエリアD2を含み、図6Cと6Dに示すように、本開示の実施例において、第1タッチ電極構造102はタッチ基板200のタッチエリアD1内に形成され、配線構造103はタッチ基板200の非タッチエリアD2内に形成される。
【0137】
なお、配線構造103と第1タッチ電極構造102の位置関係はこれを含むが、限定されるものではなく、例えば、本実施例の別の例示において、配線構造103は例えば第1タッチ電極構造10の上に形成され、例えば第1タッチ電極構造102の上を覆う絶縁層またはパッシベーション層(例えば当該絶縁層またはパッシベーション層に第1タッチ電極構造102を曝すスルーホールが設けられる)の上に形成される。
【0138】
図6Eは形成されたタッチ基板200の平面構造模式図であり、図6F図6EのD-D’線に沿った断面構造模式図である。’図6E図6Fを参照し、ベース基板101に第1タッチ電極構造102と配線構造103を順に形成した後に、次にベース基板101に絶縁層薄膜を堆積し、フォトリソグラフィ工程によって当該絶縁層薄膜をパターニングして絶縁層104を形成する。当該絶縁層104は、配線構造103と第1タッチ電極構造102覆って、第1タッチ電極構造102を曝す複数のスルーホールを有する。当該絶縁層104の材料の例示は、例えばSiNx、SiOxのような無機絶縁材料、樹脂材料のような有機絶縁材料、またはその他のふさわしい材料を含み、本開示の実施例はこれに対して限定しない。
【0139】
図6Gに示すように、ベース基板101に電極層薄膜1050を堆積し、当該電極層薄膜1050の材料の例示は金属または透明導電酸化物、例えば酸化インジウムスズまたは酸化インジウム亜鉛などを含み、本開示の実施例はこれに対して限定しない。
【0140】
図6Hに示すように、電極層薄膜1050の表面の全体にフォトレジスト層を形成し、露光工程および現像工程を含むフォトリソグラフィ処理によってフォトレジスト層をパターニングし、所望の形状を有するフォトレジストパターン106を電極層薄膜1050に形成する。
【0141】
図6Iは形成されたタッチ基板200の平面構造模式図であり、図6J図6IのE-E’線に沿った断面構造模式図である。図6I図6Jを参照し、上記フォトレジストパターン106を利用してエッチングマスクとして電極層薄膜1050をパターニングして、ベース基板101に第2タッチ電極構造105を形成する。図6I図6Jに示すように、第1タッチ電極構造102は交互にする複数の第1サブ電極パターン102Aと複数の第2サブ電極パターン102Bとを含み、第2タッチ電極構造105は第2サブ電極パターン102Bによって離間される隣接の第1サブ電極パターン102Aを電気的接続する。
【0142】
なお、第2タッチ電極構造105と第1タッチ電極構造102の位置関係はこれを含むが、限定されるものではなく、例えば、本開示の実施例の別の例示において、第2タッチ電極構造105はベース基板101と第1タッチ電極構造102との間に位置して第1タッチ電極構造102に電気的接続される。
【0143】
例えば、本開示の実施例に係るタッチ基板200は、タッチ検出チップの形成を含んでもよく、第1タッチ電極構造102と第2タッチ電極構造105は配線構造103によってタッチ検出チップに接続され、タッチ信号を受信または伝送してタッチ機能を実現する。
【0144】
本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチ基板200の製造方法において、第1タッチ電極構造102を結晶化処理することによって、第1タッチ電極構造102の分子構造を変化させ、結晶化された第1タッチ電極構造102がエッチング液に対してバリア特性を有する。例えば、フッ化水素酸などの弱酸特性のエッチング液を利用して後続で形成される第1配線層薄膜31、第2配線層薄膜32、第3配線層薄膜33をエッチングして配線構造103を形成する場合に、当該エッチング液のエッチング攻撃から当該結晶化された第1タッチ電極構造102が回避できる。
【0145】
また、少なくとも1つの実施例において、第1配線層1031、第2配線層1032、第3配線層1033が順に積層して配線構造103を構成し、第1配線層1031は、その上に形成される第2配線層1032の緩衝層として用い、第2配線層1032のベース基板101における付着力不足の課題の改善に用いることができ、第3配線層1033は、第2配線層1032の保護層として用いることができ、第2配線層1032が大気に曝されることを防ぎ、よって、第2配線層1032の酸化を回避することができる。また、当該積層構造の配線構造103は、一次フォトリソグラフィ工程によって形成されてもよく、よって、プロセスコストとマスクコストを節約可能である一方、多層薄膜の複数回のエッチングによる異なる層の間の位置合わせを省き、よって、当該配線構造103の線幅はさらに細かくすることができ、例えば、当該配線構造103の線幅は約10μm程度とすることができる。
【0146】
矛盾がない限り、本開示の各実施例及び実施例における特徴を互いに組み合わせて新たな実施例を得ることができる。
【0147】
以上の説明は、本開示の例示的な実施形態に過ぎず、本開示の範囲を限定するものではなく、本開示の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図6I
図6J