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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】椅子
(51)【国際特許分類】
   A47C 3/04 20060101AFI20241125BHJP
   A47C 7/00 20060101ALI20241125BHJP
【FI】
A47C3/04
A47C7/00 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020100166
(22)【出願日】2020-06-09
(65)【公開番号】P2021194039
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】原 永祐
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 裕一郎
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-063167(JP,A)
【文献】特開2017-086362(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 1/00-9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
座面を有する座と、
前記座を支持する脚体と、
を備えた椅子において、
前記脚体は、
前記座の幅方向に離間する一対の前脚と、
前記前脚に対して後方に位置するとともに、前記幅方向に離間する一対の後脚と、
を備え、
前記前脚と前記後脚とは、前記幅方向に位置をずらして配され、前後に並ぶ前記椅子同士で前の椅子の前記座の下方に前記前の椅子の前記後脚と前記幅方向に位置をずらして後の椅子の前記前脚の少なくとも一部を挿入可能とされ、
前記後脚は、前記座の下方に前記前脚が挿入される前記後の椅子の前記脚体の被当接面に当接する下向きの当接面を有し、
前記当接面は、前記後脚に沿うとともに前記幅方向に延在する断面において、前記幅方向に対して45度以内の角度で傾斜している椅子。
【請求項2】
前記脚体は、
被当接面と、
前記被当接面から前記被当接面の向く方向とは反対側の方向に延び、前記前の椅子における前記後脚に前記幅方向で対向する対向側面と、
を有し、
前記対向側面は、前記被当接面の向く方向とは反対側の方向に向かうに従い、前記前の椅子における前記後脚から前記幅方向に離間する請求項1に記載の椅子。
【請求項3】
前記脚体において前記被当接面と前記対向側面との境界部分には、面取りされた面取り部が形成されている請求項2に記載の椅子。
【請求項4】
前記当接面は、後方に延びるに従い上下方向の一方に延びる傾斜面を含む請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の椅子。
【請求項5】
前記椅子同士が前後で重ね合わされた状態において、前記後の椅子の前記前脚は、前記前の椅子における一対の前記後脚の間に挿入され、
前記後脚は、
脚本体と、
前記脚本体の前記幅方向の内側を向く側面から突出して設けられ、前記当接面を有する当接部と、を備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の椅子。
【請求項6】
前記当接部は、前記当接面に対して上下方向の両側において、前記脚本体に連結されている請求項5に記載の椅子。
【請求項7】
前記後脚は、
脚本体と、
前記脚本体の前記幅方向の内側を向く側面から離間して設けられた前記当接面と、 前記当接面に連なるとともに、前記当接面から上下方向に離間するに従い前記幅方向で前記脚本体に向けて延びるガイド部と、を備える請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の椅子
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
椅子の格納スペースを縮小するために、複数の椅子を、互いの椅子の脚体同士が入れ子になった状態で前後方向に重ね合わせる(いわゆる、ネスティング)構成が知られている。具体的に、複数の椅子は、後の椅子の前脚が、前の椅子における一対の後脚の間に挿入された状態でネスティングされる。例えば下記特許文献1には、後脚の内側面には、ネスティング時に後の椅子の前脚が当接する緩衝用の当たり部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6153312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるような椅子の当たり部には、ネスティング時に、後の椅子の前脚が幅方向内側から当接する。このため、ネスティングが荒く行われた場合等には、前の椅子の当たり部に後の椅子の前脚が当接した際に、前の椅子の後脚に作用する荷重が大きくなる。その結果、前の椅子の後脚を幅方向の外側に押し曲げるモーメントが大きくなり、脚体に歪みが発生する可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、ネスティングに起因して脚体に歪みが発生するのを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る椅子は、座面を有する座と、前記座を支持する脚体と、を備えた椅子において、前記脚体は、前記座の幅方向に離間する一対の前脚と、前記前脚に対して後方に位置するとともに、前記幅方向に離間する一対の後脚と、を備え、前記前脚と前記後脚とは、前記幅方向に位置をずらして配され、前後に並ぶ前記椅子同士で前の椅子の前記座の下方に前記前の椅子の前記後脚と前記幅方向に位置をずらして後の椅子の前記前脚の少なくとも一部を挿入可能とされ、前記後脚は、前記座の下方に前記前脚が挿入される前記後の椅子の前記脚体の被当接面に当接する下向きの当接面を有し、前記当接面は、前記後脚に沿うとともに前記幅方向に延在する断面において、前記幅方向に対して45度以内の角度で傾斜している。
【0007】
本態様によれば、後脚は、椅子の座の下方に前脚が挿入される後の椅子の前脚に当接する下向きの当接面を有する。これにより、ネスティング時に、当接面には、後の椅子の前脚下方から当接される。このため、ネスティング時に、当接面に作用する荷重のうち、左右方向の成分を低減することができるので、当接面を有する脚体に作用する幅方向のモーメントを低減できる。したがって、ネスティングに起因して脚体に歪みが発生することを抑制できるので、椅子の耐久性を向上できる。
また、本態様によれば、当接面が上向きである場合と比較して、当接面に埃が溜まるのを抑制できる。
【0008】
上記態様の椅子において、前記脚体は、前被当接面と、前記被当接面から前記被当接面の向く方向とは反対側の方向に延び、前記前の椅子における前記後脚に前記幅方向で対向する対向側面と、を有し、前記対向側面は、前記被当接面の向く方向とは反対側の方向に向かうに従い、前記前の椅子における前記後脚から前記幅方向に離間してもよい。
本態様によれば、対向側面は、被当接面の向く方向とは反対側の方向に向かうに従い、前の椅子における当接面を有する後脚から幅方向に離間する。これにより、ネスティング時に対向側面が前の椅子における後脚に幅方向で当接することを抑制できる。このため、ネスティング時に、前の椅子における後脚を幅方向に押し曲げるモーメントをより一層低減できる。したがって、ネスティングに起因して脚体に歪みが発生することをより一層抑制できるので、椅子の耐久性をより一層向上できる。
【0009】
上記態様の椅子において、前記脚体において前記被当接面と前記対向側面との境界部分には、面取りされた面取り部が形成されていてもよい。
本態様によれば、被当接面と対向側面との境界部分に突出した角が形成されることを抑制できる。これにより、被当接面が当接面と点接触することを抑制できるので、当接面と被当接面との当接時に、当接面と被当接面との間に作用する荷重を軽減できる。したがって、椅子の耐久性を向上できる。
【0010】
上記態様の椅子において、前記当接面は、後方に延びるに従い上下方向の一方に延びる傾斜面を含んでもよい。
本態様によれば、ネスティング時に、当接面と後の椅子における脚体とが、上下方向だけでなく前後方向にも当接する。これにより、前の椅子に対して後の椅子を前後方向に位置決めできる。
また、本態様によれば、当接面の前後方向の幅を一定にしつつ当接面の面積を拡大できる。これにより、ネスティング時に後の椅子から当接面に作用する荷重を分散できる。
【0011】
上記態様の椅子において、前記椅子同士が前後で重ね合わされた状態において、前記後の椅子の前記前脚は、前記前の椅子における一対の前記後脚の間に挿入され、前記後脚は、脚本体と、前記脚本体の前記幅方向の内側を向く側面から突出して設けられ、前記当接面を有する当接部と、を備えてもよい。
本態様によれば、当接面を有する後脚は、脚本体と、当接面を有する当接部と、を備えている。これにより、当接部を脚本体とは別部材として形成できるので、当接面の形状や、広さ等を自由に形成し易くできる。
また、本態様によれば、当接部は、脚本体の幅方向の内側を向く側面から突出している。これにより、当接部が脚本体の幅方向の外側に突出することを抑制できる。したがって、椅子が幅方向に大型化することを抑制できる。また、当接部が幅方向の外側から視認されることを抑制できるので、椅子の意匠性を向上できる。
【0012】
上記態様の椅子において、前記当接部は、前記当接面に対して上下方向の両側において、前記脚本体に連結されていてもよい。
本態様によれば、当接部を脚本体に対して強固に固定できる。したがって、当接部の取付け強度を向上できる。
【0013】
上記態様の椅子において、前記後脚は、脚本体と、前記脚本体の前記幅方向の内側を向く側面から離間して設けられた前記当接面と、前記当接面に連なるとともに、前記当接面から上下方向に離間するに従い前記幅方向で前記脚本体に向けて延びるガイド部と、を備えてもよい。
本態様によれば、当接面を有する後脚は、当接面から上下方向に離間するに従い幅方向で脚本体に向けて延びるガイド部を備えている。これにより、前の椅子に対して後の椅子を前方に相対移動させるだけで、後の椅子の脚体を、前の椅子のガイド部に沿わせながら当接面に当接するまで移動させることができる。よって、ネスティング時に、後の椅子の脚体を下向きの当接面に確実に当接させることができるので、当接面を有する脚体に作用する幅方向のモーメントを低減できる。したがって、ネスティングに起因して脚体に歪みが発生することを抑制できるので、椅子の耐久性を向上できる。
【発明の効果】
【0015】
上記各態様によれば、ネスティングに起因して脚体に歪みが発生するのを抑制できる椅子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係る椅子の斜視図である。
図2】実施形態に係る椅子の正面図である。
図3】2個の椅子をネスティングした状態を示す断面図である。
図4】当接部周辺の分解斜視図である。
図5】当接部を拡大して左右方向の内側から見た側面図である。
図6図5のVI-VI線に沿う断面図である。
図7】第1変形例に係る当接部を拡大して前後方向から見た側面図である。
図8】第2変形例に係る当接部を拡大して前後方向から見た側面図である。
図9】第3変形例に係る当接部を拡大して前後方向から見た側面図である。
図10】第4変形例に係る椅子において、2個の椅子をネスティングした状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する実施形態及び変形例において、対応する構成については、同じ符号を付して説明を適宜省略する。
図1は、椅子1の斜視図である。
図1に示すように、椅子1は、脚体2と、座3と、背凭れ4と、肘掛け5と、を備えている。
【0018】
以下の説明においては、前後上下左右等の向きは、特に記載がなければ、水平な床面に設置した椅子1の座3に、正規姿勢で着座した着座者の正面側を「前」、その逆側を「後」とし、上下左右も着座者から見た向きと同一とする。図中において、矢印UPは上方を示し、矢印FRは前方を示し、矢印LHは左方を示す。
【0019】
図2は、椅子1の正面図である。図2では、クッション材の記載を省略し、背凭れ5については、骨組みのみを記載している。
図1及び図2に示すように、脚体2は、左右一対の脚部20と、一対の脚部20同士を連結する連結杆30と、を備えている。一対の脚部20は、左右方向(幅方向)に離間して配されている。脚部20は、前脚21と、前脚21に対して後方に位置する後脚22(一方の脚)と、を備えている。前脚21及び後脚22の下端には、設置面上を転動可能なキャスター23が取り付けられている。
【0020】
前脚21は、後脚22から前方に向かうに従い下方に傾斜している。前脚21は、前方に向かうに従い左右方向の内側に傾斜している。前脚21の後端部は、左右方向の外側に向けて屈曲している。
【0021】
後脚22は、脚本体24と、当接部25と、を有している。
脚本体24は、下方に向かうに従い後方に傾斜している。脚本体24の上下方向の中間位置には、前脚21の後端部が接続されている。左右方向から見た側面視において、脚本体24の設置面に対する角度は、前脚21の設置面に対する角度よりも大きい。
脚本体24は、下方に向かうに従い左右方向の外側に傾斜して延びている。脚本体24のうち少なくとも前脚21よりも下方の部分は、前脚21に対して左右方向の外側に位置をずらして配されている。このため、前後に並ぶ椅子1同士は、前の椅子1の座3の下方に前の椅子1の後脚22に対して左右方向の内側に位置をずらして後の椅子1の前脚21の一部を挿入可能とされている。すなわち、前後に並ぶ椅子1は、ネスティング可能とされている。
【0022】
当接部25は、脚本体24における前脚21との接続部分よりも下部に設けられている。当接部25は、ネスティング時に、後の椅子1の前脚21と当接する。なお、当接部25の詳細については後述する。
【0023】
連結杆30は、一対の脚部20における前脚21同士を左右方向に接続している。連結杆30は、延出部31と、左右一対のアーム部32と、を有している。延出部31は、左右方向に延びている。一対のアーム部32は、延出部31の両端部から一対の前脚21それぞれに向かって延びている。アーム部32は、延出部31の両端部それぞれから前脚21に向かうに従って下方に延びている。また、図2に示すように、アーム部32を側面視したとき、アーム部32の幅は、延出部31から前脚21に向かうに従って、漸次広がっている。アーム部32における左右方向の外側端には、前脚21に沿って延びる張り出し部33a,33bが設けられている。張り出し部33a,33bは、前脚21に対してボルト等によって締結されている。
【0024】
座3は、脚本体24の上部(前脚21との接続部分よりも上方に位置する部分)に回動可能に連結されている。具体的に、座3は、後端部が左右方向に沿う軸線回りに回動可能に脚本体に連結されることで、前端部が上方に跳ね上げ可能とされている。このため、座3は、座面3aが上方を向き、着座者が着座可能な使用状態と、座面3aが後方を向いた収納状態と、を取ることができる。使用状態において、座3は、延出部31に下方から支持されている。収納状態において、座面3aは、後述する背凭れ4に前後方向で重ね合わされる。
【0025】
背凭れ4は、使用状態の座3の上方において、左右一対の脚本体24の間に架け渡されている。肘掛け5は、背凭れ4の左右両側に配されている。
【0026】
以下、前後に並ぶ椅子1がネスティングされた状態に基づいて、当接部25、脚本体24のうち当接部25が取り付けられる部分及び前脚21のうち当接部25と当接する部分について詳細に説明する。
【0027】
図3は、複数の椅子1をネスティングした状態を示す断面図である。図3では、肘掛け5及びクッション材の記載を省略し、背凭れ5については、骨組みのみを記載している。
図3に示すように、椅子1同士が前後で重ね合わされた状態(いわゆるネスティングされた状態)において、後の椅子1の前脚21は、前の椅子1における一対の後脚22の間に挿入される。なお、ネスティング時において、各椅子1の座3は、収納状態に位置している。
【0028】
図4は、当接部25周辺の分解斜視図である。
図5は、当接部25周辺を拡大して左右方向の内側から見た側面図である。図5では、当接部25に当接する後の椅子1の前脚21が二点鎖線で示されている。
図6は、図5のVI-VI線に沿う断面図である。
以下、後脚22は前の椅子1を例にして説明し、前脚21は後の椅子1を例にして説明する。
【0029】
図4から図6に示すように、脚本体24には、当接部25が取り付けられる取付部29が設けられている。取付部29は、脚本体24と一体成形されている。取付部29は、脚本体24の左右方向の内側を向く面(以下、内側面という。)から、左右方向の内側に向けて突出している。取付部29は、前後方向から見て三角形状に形成されている。取付部29は、前後方向から見て、左右方向の内側端の頂部29aから下方に延びる下部傾斜面29eと、頂部29aから上方に延びる上部傾斜面29fと、を有している。下部傾斜面29eは、下方に向かうに従い左右方向の外側に向けて延びている。上部傾斜面29fは、上方に向かうに従い左右方向の外側に向けて延びている。
【0030】
取付部29には、頂部29aよりも下部に第1孔29bが設けられている。第1孔29bは、下部傾斜面29e上において左右方向の内側に向けて開口している。取付部29には、頂部29a及び第1孔29bを挟んで上下両側に第2孔29cが設けられている。第2孔29cのうち、一方の第2孔29cは、下部傾斜面29eと脚本体24の内側面との境界部分において、左右方向の内側に向けて開口している。第2孔29cのうち、他方の第2孔29cは、上部傾斜面29fと脚本体24の内側面との境界部分において、左右方向の内側に向けて開口している。取付部29における前後方向に対向する一対の前後側面29dは、脚本体24に沿って延びる平坦面である。一対の前後側面29dは、互いに平行となっている。
【0031】
当接部25は、樹脂製の一体成形品である。当接部25は、ベース部25aと、当接部本体26と、ガイド部27と、連結部28と、を有している。
ベース部25aは、左右方向の外側に開口する凹部25bを有するカップ状に形成されている。凹部25bは、取付部29の外面に倣って形成されている。凹部25bは、取付部29に左右方向の内側から嵌め込まれている。凹部25bのうち前後方向に対向する前後内側面は、取付部29のうち対応する前後側面29dと対向している。
【0032】
ベース部25aの外面は、取付部29の外面に倣って形成されている。ベース部25aの内側面のうち、取付部29の下部傾斜面29eを被覆する面は、上方に向かうに従い左右方向の内側に向かって傾斜して延びている。ベース部25aの内側面は、ネスティングする際に、前脚21を左右方向の内側に向けて案内するガイド部27として機能する。
【0033】
当接部本体26は、ベース部25aから左右方向の内側に向けて膨出している。図6に示す断面視において、当接部本体26は、左右方向の内側に向かうに従い下方に湾曲しながら延びる内側面26cと、内側面26cの下端から左右方向の外側に延びる当接面26aと、を備えている。
【0034】
当接面26aには、ネスティングの際に後の椅子1の前脚21が当接する。当接面26aは、上述した頂部29aよりも下方に位置している。当接面26aは、少なくとも下方を向く(下向きの成分を有する)平坦面である。本実施形態の当接面26aは、後方に向かうに従い上方に延びている。当接面26aは、前脚21の傾斜角度と同等の角度で、設置面に対して傾斜している。当接面26aは、前後方向から見て、設置面に対して例えば45度以内の角度で傾斜している。当接面26aは、左右方向から見て、設置面に対して例えば45度以内の角度で傾斜している。当接面26aの左右方向の内側端において、内側面26cとの境界部分には、面取りされた面取り部26bが形成されている。
当接面26aの左右方向の外側端は、ガイド部27の上端に連なっている。したがって、当接面26aは、脚本体24の内側面から離間して設けられている。ガイド部27と当接面26aとの境界部27aは、湾曲状に形成されている。ガイド部27は、下方に向かうに従い、左右方向で脚本体24に向けて延びている。
【0035】
連結部28は、中間連結部28aと、端部連結部28bと、を有している。
中間連結部28aは、取付部29の第1孔29bに対して上下方向で同じ位置に設けられている。中間連結部28aは、ベース部25aの凹部25bから脚本体24に向けて突出した円筒状に形成されている。中間連結部28aは、第1孔29b内に挿入されている。中間連結部28aは、当接部25の脚本体24に対する上下方向の位置決めに寄与している。
【0036】
端部連結部28bは、取付部29の第2孔29cに対して上下方向の両側に設けられている。各端部連結部28bは、凹部25bから脚本体24に向けて突出している。各端部連結部28bは、対応する第2孔29c内にそれぞれ嵌合している。端部連結部28bは、複数の突起部28cを有している。突起部28cは、端部連結部28bにおいて、中間連結部28aとは上下方向で反対側の面に複数設けられている。突起部28cは、弾性変形可能に形成されている。突起部28cは、第2孔29cの内周面に、左右方向に弾性変形した状態で接触している。突起部28cは、第2孔29cと連結部28との公差を吸収しつつ、第2孔29cと連結部28との嵌合力(摩擦力)を確保している。
【0037】
前脚21は、前後方向断面視で、上側面(被当接面)21aから下側面21cに向かうに従い、先細る矩形状に形成されている。前脚21の上側面21aは、前の椅子の当接面26aと当接する。
上側面21aは、前後方向から見て上方に凸の湾曲状に形成されている。
前脚21における左右方向の外側を向く外側面(対向側面)21b1は、上側面21aから下方に延びている。外側面21b1は、ネスティング時において、前の椅子1における後脚22の脚本体24に左右方向で対向する。外側面21b1は、下方に向かうに従い、左右方向の内側に延びている。したがって、外側面21b1は、下方に向かうに従い、前の椅子1における後脚22の脚本体24から左右方向に離間している。外側面21b1の下端は、下側面21c左右方向の外側端に連結されている。
前脚21における左右方向の外側を向く内側面21b2は上側面21aから下方に延びている。内側面21b2は、下方に向かうに従い、左右方向の外側に延びている。内側面21b2の下端は、下側面21cの左右方向の内側端に連結されている。
【0038】
上側面21aと左右側面21bとの境界部分及び下側面21cと左右側面21bとの境界部分には、面取り部21dが形成されている。特に、上側面21aと外側面21b1との境界部分における面取り部21dは、当接部25における境界部27aの形状にあわせて湾曲している。
なお、このように、前脚21が、上下方向の中間位置を基準とした場合に非対称となる複雑な形状をなすことから、脚部20は、アルミ等の金属や、ガラス繊維の含有量を増やすことによって剛性を強化してなる樹脂等の素材によって形成される成型品であることが望ましい。
【0039】
図3を参照し、本実施形態の椅子1のネスティングの方法について説明する。椅子1は、座3を収納状態とした状態で、前後方向で入れ子状に複数(図示の例では、2個)重ねること(ネスティング)が可能である。ネスティングする際、椅子1を前後に並べて、前の椅子1に対して、後の椅子1を前方に移動させる。後の椅子1の前脚21が、前の椅子1における一対の後脚22の間に進入する。その後、後の椅子1が前方に移動するに従い、後の椅子1の前脚21は、前の椅子1のガイド部27に沿って移動する。具体的に、後の椅子1の前脚21は、前の椅子1に対して前方に移動するに従い、ガイド部27によって左右方向の内側に案内される。最終的に、後の椅子1における前脚21の上側面21aは、前の椅子1の当接面26aに当接する。このようにして椅子1のネスティングが行われる。
【0040】
ここで、当接面26aは、後方に向かうに従い、上方に向かって傾斜している。上側面21aは、当接面26aと同等の傾きで傾斜している。このため、当接面26aと上側面21aとは、上下方向だけでなく前後方向にも当接する。すなわち、本実施形態では、後の椅子1の前脚21が前の椅子1の当接面26aに後斜め下方から当接することで、前の椅子1に対する後の椅子1の前後方向の位置決めが行われるとともに、ネスティング時に後の椅子1から前の椅子1に作用する荷重を当接面26aで受けることができる。
【0041】
上述の実施形態によれば、以下の作用及び効果が得られる。
本実施形態では、後脚22は、椅子1の座3の下方に前脚21が挿入される後の椅子1の前脚21に当接する下向きの当接面26aを有している。
この構成によれば、ネスティング時に、当接面26aには、後の椅子1の前脚21が下方から当接される。これにより、ネスティング時に当接面26aに作用する荷重のうち、左右方向の成分を低減することができるので、後脚22に作用する左右方向のモーメントを低減できる。したがって、ネスティングに起因して脚体2に歪みが発生することを抑制できるので、椅子1の耐久性を向上できる。
【0042】
本実施形態では、後の椅子1における前脚21の外側面21b1は、下方に向かうに従い、前の椅子1における脚本体24から左右方向に離間している。
この構成によれば、ネスティング時に外側面21b1が前の椅子1における後脚22に左右方向で当接することを抑制できる。このため、ネスティング時に、前の椅子1における後脚22を左右方向に押し曲げるモーメントをより一層低減できる。したがって、ネスティングに起因して脚体2に歪みが発生することをより一層抑制できるので、椅子1の耐久性をより一層向上できる。
【0043】
本実施形態では、前脚21において上側面21aと外側面21b1との境界部分には、面取りされた面取り部21dが形成されている。
この構成によれば、上側面21aと外側面21b1との境界部分に突出した角が形成されることを抑制できる。これにより、上側面21aが当接面26aと点接触することを抑制できるので、当接面26aと上側面21aとの当接時に、当接面26aと上側面21aとの間に作用する荷重を軽減できる。したがって、椅子1の耐久性を向上できる。
【0044】
本実施形態では、当接面26aは、後方に延びるに従い上方に延びる傾斜面となっている。
この構成によれば、ネスティング時に、当接面26aと後の椅子1における脚体2とが、上下方向だけでなく前後方向にも当接する。これにより、前の椅子1に対して後の椅子1を前後方向に位置決めできる。
また、本実施形態の構成によれば、当接面26aの前後方向の幅を一定にしつつ当接面26aの面積を拡大できる。これにより、ネスティング時に後の椅子1から前の椅子1の当接面26aに作用する荷重を分散できる。
【0045】
本実施形態では、当接面26aを有する後脚22は、脚本体24と、当接面26aを有する当接部25と、を備えている。
この構成によれば、当接部25を脚本体24とは別部材として形成できるので、当接面26aの形状や、広さ等を自由に形成し易くできる。
また、本実施形態では、当接部25は、脚本体24の内側面から突出している。
この構成によれば、当接部25が脚本体24の左右方向の外側に突出することを抑制できる。したがって、椅子1が左右方向に大型化することを抑制できる。また、当接部25が左右方向の外側から視認されることを抑制できるので、椅子1の意匠性を向上できる。
【0046】
本実施形態では、当接部25は、当接面26aに対して上下方向の両側において、脚本体24に連結されている。
この構成によれば、当接面26aに作用する上下方向の荷重に起因するモーメントに対して、当接面26aに対してモーメントの方向と反対方向にある連結点で、モーメントに抗することができる。これにより、当接部25を脚本体24に対して強固に固定できる。したがって、当接部25の取付け強度を向上できる。
【0047】
本実施形態では、後脚22は、当接面26aから上下方向に離間するに従い左右方向で脚本体24に向けて延びるガイド部27を備えている。
この構成によれば、前の椅子1に対して後の椅子1を前方に相対移動させるだけで、後の椅子1の前脚21を、前の椅子1のガイド部27に沿わせながら当接面26aに当接するまで移動させることができる。これにより、ネスティング時に、後の椅子1の前脚21を当接面26aに確実に当接させることができるので、当接面26aを有する脚体2に作用する左右方向のモーメントを低減できる。したがって、ネスティングに起因して脚体2に歪みが発生することを抑制できるので、椅子1の耐久性を向上できる。
また、本実施形態の構成によれば、ネスティングする際に、前の椅子1の脚本体24に後の椅子1の前脚21が直接当接してしまうこと抑制できる。これにより、ネスティング時に椅子1が損傷することを抑制できる。
【0048】
本実施形態では、当接面26aは、下向きである。
この構成によれば、当接面26aが上向きである場合と比較して、当接面26aに埃が溜まるのを抑制できる。
【0049】
本実施形態では、当接部本体26の左右方向の内側端には、面取りされた面取り部26bが形成されている。
この構成によれば、当接部本体26の左右方向の内側端に、突出した角が形成されることを抑制できる。このため、ネスティング時に後の椅子1の脚体2が当接部本体26に衝突した場合に、後の椅子1の脚体2に作用する荷重を分散できる。したがって、ネスティング時に、脚体2が損傷することを抑制できる。
【0050】
[第1変形例]
以下、本発明の第1変形例について図面を参照して説明する。
図7は、第1変形例に係る当接部25を拡大して前後方向から見た側面図である。
図7に示すように、当接部25は、例えば1本のボルト7によって後脚22の脚本体24に連結されている。当接部25は、当接部本体26から構成されている。当接部本体26は、前後方向からみて、脚本体24から左右方向の内側に向けて膨出している。当接部本体26の上面は、脚本体24から左右方向の内側に向かうに従い、幅方向の内側に湾曲しながら下方に延びている。当接面26aは、当接部本体26の上面における左右方向の内側端部と脚本体24と繋いでいる。当接面26aは、下向きに形成されている。当接面26aは、設置面に対して平行に形成されている。
第1変形例では、当接部25はボルト締結によって脚本体24に連結されている。
この構成によれば、当接部25を脚本体24に対して確実に連結できる。
第1変形例では、当接面26aは、脚本体24と連なっている。
この構成によれば、当接面26aが、脚本体24から離間している場合と比較して、当接面26aの面積を拡大できる。これにより、ネスティング時に、当接面26aに対して、前の椅子1の前脚21をより確実に当接できる。したがって、ネスティングされた椅子1同士の安定性を向上できる。加えて、当接面26aと後の椅子1の前脚21における上側面21aとの接触面積を増大できる。これにより、ネスティング時に後の椅子1から前の椅子1の当接面26aに作用する荷重を分散できる。
【0051】
[第2変形例]
以下、本発明の第2変形例について図面を参照して説明する。
図8は、第2変形例に係る当接部25を拡大して前後方向から見た側面図である。
図8に示すように、当接部25は、例えば溶接によって後脚22の脚本体24に連結されている。当接部25のうち、脚本体24と接触している箇所の周縁部には、溶接部Aが設けられている。当接部25は、当接部本体26から構成されている。
第2変形例では、当接部25は脚本体24に溶接されている。
この構成によれば、例えば、当接部25と脚本体24とを連結するためにボルトを用いる必要がなくなる。これにより、椅子1の部品点数を削減できる。また、脚本体24を、たとえば鉄製のパイプ材といった、比較的安価な素材から構成することもできるようになる。
【0052】
[第3変形例]
以下、本発明の第3変形例について図面を参照して説明する。
図9は、第3変形例に係る当接部25を拡大して前後方向から見た側面図である。
図9に示すように、当接部25は、後脚22の脚本体24と一体成形されている。当接部25は、当接部本体26と、当接部本体26の下面に設けられた滑り止め部材8と、を有している。
滑り止め部材8は、ゴム等の樹脂製の弾性材料によって形成されている。滑り止め部材8の下面が、当接面26aとなる。
【0053】
第3変形例では、当接部25は、脚本体24と一体成形されている。
この構成によれば、当接部25の脚本体24への取付強度を向上できる。これにより、椅子1の耐久性をより一層向上できる。
第3変形例では、当接部25は、当接部本体26の下側に設けられた滑り止め部材8と、を有している。滑り止め部材8は、弾性材料によって形成されている。滑り止め部材8の下面が、当接面26aとなる。
この構成によれば、ネスティング時に後の椅子1から前の椅子の当接面26aに作用する荷重を滑り止め部材8で吸収できる。これにより、例えばネスティングが荒く行われた場合でも、前の椅子1の後脚22に作用する荷重を滑り止め部材8で緩和できる。したがって、ネスティングに起因して脚体2に歪みが発生することを抑制できる。
また、本変形例の構成によれば、当接部本体26の下側に滑り止め部材8が設けられていない場合と比較して、ネスティング時に当接面26aと後の椅子1の前脚21における上側面21aとの間に生じる摩擦力を増大できる。これにより、ネスティングされた椅子1同士の安定性を向上できる。加えて、摩擦力うち前後方向の成分を増大できるので、前の椅子1に対して後の椅子1が前後方向に位置ずれすることを抑制できる。
なお、第3変形例の滑り止め部材8は、上述した実施形態及び他の変形例における当接部本体26の下側に設けることも可能である。
【0054】
[第4変形例]
以下、本発明の第4変形例について図面を参照して説明する。上述した実施形態と同一の構成については、同じ符号を付して説明を適宜省略する。
図10は、第4変形例に係る椅子1において、2個の椅子1をネスティングした状態を示す断面図である。
図10に示すように、当接部25は、前脚21の下側面21cに設けられている。当接部25は、下側面21cから後方に延びている。当接部25は、左右方向から見て、設置面に平行な2辺と前脚21に平行な2辺とを有するひし形状にされている。当接部25は、ネスティング時に、後の椅子1の前脚21の上側面21aに当接する。
【0055】
第4変形例では、前脚21に当接部25が設けられている。
この構成によれば、後脚22に当接部25を設ける必要がなくなる。これにより、後脚22に当接部25が設けられている場合と比較して、後脚22を突起の少ないシンプルな構造にすることができる。したがって、ネスティング後に最後方の椅子1の後脚22が後方に突出していたとしても、ネスティングされた椅子1の運搬時に使用者の脚が当接部25にあたることを抑制できる。このため、椅子1をより安全に運搬できるようになる。
【0056】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
例えば、上記実施形態では、椅子1は、背凭れ5及び肘掛け6を備えているとしたがこれに限られるものではない。椅子1は、背凭れ5及び肘掛け6を必ずしも備えていなくてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、前脚21及び後脚22は、それぞれ前方及び後方に延びているとしたが、これに限られるものではない。後脚22は、前脚21の後方に位置していればよい。例えば、前脚21及び後脚22は、それぞれ設置面に対して直立していてもよい。例えば、前脚21が左右方向から見て逆L字型に形成されていてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、後脚22の後部は、前脚21の前部に対して左右方向の外側に位置をずらして配されているとしたが、これに限られるものではない。前脚21と後脚22とは、左右方向に位置をずらして配されていればよい。例えば、後脚22の後部は、前脚21の前部に対して左右方向の内側に位置をずらして配されていてもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、前後に並ぶ椅子1同士は、前の椅子1の座3の下方に後の椅子1の前脚21の一部を挿入可能とされているとしたが、これに限られるものではない。例えば、前後に並ぶ椅子1同士は、前の椅子1の座3の下方に後の椅子1の前脚21の全体を挿入可能とされていてもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、椅子1同士が前後で重ね合わされた状態において、後の椅子1の前脚21は、前の椅子1における一対の後脚22の間に挿入されるとしたが、これに限られるものではない。前の椅子1の座3の下方に前の椅子1の後脚22に対して左右方向に位置をずらして後の椅子1の前脚21を挿入可能とされていればよい。例えば、前の椅子1の座3の下方に前の椅子1の後脚22に対して左右方向の外側に位置をずらして後の椅子1の前脚21を挿入可能とされていてもよい。すなわち、椅子1同士が前後で重ね合わされた状態において、後の椅子1の一対の前脚21は、前の椅子1における一対の後脚22の左右方向の外側に配置(挿入)されてもよい。また、例えば、後の椅子1の一対の前脚21は、前の椅子1の一対の後脚22と、左右方向に互い違いに配されていてもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、前脚21及び後脚22の下端には、設置面上を転動可能なキャスター23が取り付けられているとしたが、これに限られず、キャスター23は、取り付けられていなくてもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、2個の椅子1がネスティングされる場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、3個以上の複数の椅子1がネスティングされてもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、後脚22が当接部25を有し、当接部25の当接部本体26に当接面26aが形成されているとしたが、これに限られるものではない。ネスティング時に前の椅子1における前脚21及び後脚22の一方と後の椅子1の脚体2とが、上下方向に当接していればよい。例えば、後脚22のうち少なくとも一部分が当接面26aの役割を担い、前の椅子1の前脚21と当接していてもよい。
また、前後に並ぶ椅子1は、前の椅子1の後脚22と後の椅子1の前脚21とが当接しているとしたが、これに限られるものではない。前の椅子1の前脚21及び後脚22のうち一方に、後の椅子1の脚体20が当接していればよい。例えば、図9に示すように、前の椅子1の前脚21と後の椅子1の前脚21とが当接していてもよい。例えば、前の椅子1の後脚22と後の椅子1の後脚22とが当接していてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、当接部25で当接し、前後に並ぶ椅子1同士の前後方向の位置決めをしているとしたが、これに限られるものではない。当接部25以外の箇所で主に当接して前後に並ぶ椅子1同士の前後方向の位置決めをし、当接部25での当接により上下方向の位置決めを補助的に行ってもよい。例えば、前の椅子1の背凭れと、後の椅子1の座3の裏面とが当接することにより、前後に並ぶ椅子1同士の位置決めをしてもよい。また、例えば、前後に並ぶ椅子1は、連結杆30同士で当接することにより、前後方向の位置決めをしていてもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、後脚22が当接部25及び当接面26aを備えているとしたが、これに限られず、例えば、前脚21が当接部25を備えていてもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、当接面26aは下向きであるとしたが、これに限られず、例えば、当接面26aは上向きであってもよい。この場合、被当接面21aは、下向きとなる。
【0067】
また、上記実施形態では、当接面26aは後方に延びるに従い上方に延びる傾斜面としたが、これに限られるものではない。当接面26aの一部が、後方に延びるに従い上下方向の一方に延びていればよい。例えば当接面26aは後方に延びるに従い下方に延びる傾斜面であってもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、前脚21の上側面21aが当接面26aと当接する被当接面21aであるとしたが、これに限られるものではない。例えば、前脚21は、被当接面21aが形成された前後方向又は左右方向に突出する突出部を有していてもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、前脚21の上側面21aは、前後方向から見て上方に湾曲状に突出しているとしたが、これに限られるものではない。例えば、上側面21aは、当接面26aに沿うように形成されていてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、前脚21は、前後方向断面視で、上側面21aから下側面21cに向かうに従い、先細る形状に形成されているとしたがこれに限られるものではない。前脚21は、前後方向断面視で、上側面21aから下側面21cに向かうに従い、幅広になる形状に形成されていなければよい。例えば、前脚21は、前後方向断面視で、上側面21aから下側面21cに向かうに従い幅が一定の長方形状であってもよい。
【0071】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1…椅子
2…脚体
3…座
3a…座面
21…前脚
21a…上側面(被当接面)
21b1…外側面(対向側面)
21d…面取り部
22…後脚(一方の脚)
24…脚本体
25…当接部
26a…当接面
27…ガイド部
図1
図2
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図4
図5
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図7
図8
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図10