IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社マキタの特許一覧

<>
  • 特許-撹拌機 図1
  • 特許-撹拌機 図2
  • 特許-撹拌機 図3
  • 特許-撹拌機 図4
  • 特許-撹拌機 図5
  • 特許-撹拌機 図6
  • 特許-撹拌機 図7
  • 特許-撹拌機 図8
  • 特許-撹拌機 図9
  • 特許-撹拌機 図10
  • 特許-撹拌機 図11
  • 特許-撹拌機 図12
  • 特許-撹拌機 図13
  • 特許-撹拌機 図14
  • 特許-撹拌機 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】撹拌機
(51)【国際特許分類】
   B01F 35/40 20220101AFI20241125BHJP
   B01F 35/00 20220101ALI20241125BHJP
   B01F 27/00 20220101ALI20241125BHJP
【FI】
B01F35/40
B01F35/00
B01F27/00
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020101836
(22)【出願日】2020-06-11
(65)【公開番号】P2021194580
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】堀田 凌平
【審査官】小久保 勝伊
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第202010014783(DE,U1)
【文献】登録実用新案第3192356(JP,U)
【文献】特開平05-184898(JP,A)
【文献】国際公開第2010/092885(WO,A1)
【文献】特開2020-006288(JP,A)
【文献】特開2003-284934(JP,A)
【文献】特開2005-313040(JP,A)
【文献】特開2006-306462(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 27/00
B01F 35/00、35/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータと、ロータとを有するモータと、
前記モータを収容するモータハウジングと、
バッテリパックを着脱可能なバッテリ装着部と、
前記ロータにより駆動する減速部と、
前記モータハウジングの下方に配置され、前記減速部を収容する減速部ハウジングと、
前記減速部ハウジングの下部から下方へ突出して前記減速部により駆動し、上下方向に延びる撹拌シャフトを保持可能なシャフト保持部と、
前記モータハウジングに取り付けられる金属製の取付部と、前記取付部と一体形成されて前記取付部の左右に繋がる一対のアームと、各前記アームにそれぞれ設けられる把持部とを有するハンドルと、
前記取付部を上方から前記モータハウジングに取り付ける複数のボルトと、を含み、
前記バッテリ装着部は、前記ハンドルよりも上方で前記モータハウジングの上部に設けられて、前記モータハウジングには、前記バッテリ装着部に装着された前記バッテリパックを上方から覆うバッテリカバーが、前記バッテリ装着部を開閉可能に設けられており、
前記取付部は、平面視で前側が開口するU字状又はC字状であると共に、前記複数のボルトは、平面視で前記バッテリカバーの左側、右側、及び後側に露出して、前記モータハウジングの前側に前記取付部及び前記ボルトが位置しない撹拌機。
【請求項2】
前記モータハウジングの前面は、前記ハンドルの前端よりも前方へ突出しないことを特徴とする請求項に記載の撹拌機。
【請求項3】
前記モータハウジングの前面は、上下及び左右方向で規定される平面形状を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の撹拌機。
【請求項4】
前記取付部の左右には、左右方向に延びる前後一対の前記アームからなる連結部がそれぞれ一体に形成され、各前記把持部は、各前記連結部における前後の前記アームの端部間に架設されるグリップであることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の撹拌機。
【請求項5】
前記グリップは、前記アームの端部間への架設方向を分割面として2つの半割部に分割されて、前記半割部の前後両端が前記アームの端部にネジ止めされることを特徴とする請求項に記載の撹拌機。
【請求項6】
前記取付部は、上下に薄肉となる板状であることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の撹拌機。
【請求項7】
前記モータハウジングの外面には、前記取付部を下方から支持する支持部が一体に形成されて、前記取付部は、前記支持部に上方から各前記ボルトにより取り付けられることを特徴とする請求項に記載の撹拌機。
【請求項8】
前記取付部の後端は、前記モータハウジングの後面よりも後方に位置していることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の撹拌機。
【請求項9】
前記バッテリカバーの前面は、上下及び左右方向で規定される平面形状を有していることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の撹拌機。
【請求項10】
前記バッテリカバーは、後端に設けた左右方向の軸を中心に後方へ回転させることで前記バッテリ装着部を開放することを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の撹拌機。
【請求項11】
前記バッテリパックは、前記バッテリ装着部に前方からスライド装着されることを特徴とする請求項10に記載の撹拌機。
【請求項12】
前記バッテリカバーは、上下方向で前記ハンドルとオーバーラップしていることを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の撹拌機。
【請求項13】
前記減速部は、前記シャフト保持部の回転を2段階に変速可能であることを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載の撹拌機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料やモルタル等の流動性材料を撹拌するための撹拌機に関する。
【背景技術】
【0002】
撹拌シャフトと共に回転するブレードによって塗料等の撹拌が可能な撹拌機が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】ドイツ実用新案第202010014783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に例示される撹拌機において、ハンドルは、モータハウジングの全周を囲んでモータハウジングに取り付けられるリング状(O型)の取付部と、取付部から左右に張り出す一対の把持部とを有する金属製となっている。このため、モータハウジングの前側に中央の取付部が張り出して作業者の視野を遮り、ブレードを見づらくしてしまう。
また、特許文献1に例示される撹拌機においては、リング状の取付部にモータハウジングを貫通させて取り付ける必要があるため、組み付け作業もやりにくくなる、という別の課題もあった。
【0005】
そこで、本発明は、作業者の視認性を確保できる撹拌機を提供することを第1の目的としたものである。また、本発明は、ハンドルの組み付けも簡単に行える撹拌機を提供することを第2の目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明
ステータと、ロータとを有するモータと、
モータを収容するモータハウジングと、
バッテリパックを着脱可能なバッテリ装着部と、
ロータにより駆動する減速部と、
モータハウジングの下方に配置され、減速部を収容する減速部ハウジングと、
減速部ハウジングの下部から下方へ突出して減速部により駆動し、上下方向に延びる撹拌シャフトを保持可能なシャフト保持部と、
モータハウジングに取り付けられる金属製の取付部と、取付部と一体形成されて取付部の左右に繋がる一対のアームと、各アームにそれぞれ設けられる把持部とを有するハンドルと、
取付部を上方からモータハウジングに取り付ける複数のボルトと、を含み、
バッテリ装着部は、ハンドルよりも上方でモータハウジングの上部に設けられて、モータハウジングには、バッテリ装着部に装着されたバッテリパックを上方から覆うバッテリカバーが、バッテリ装着部を開閉可能に設けられており、
取付部は、平面視で前側が開口するU字状又はC字状であると共に、複数のボルトは、平面視でバッテリカバーの左側、右側、及び後側に露出して、モータハウジングの前側に取付部及びボルトが位置しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、作業者の視認性を確保できる。また、別の効果として、ハンドルの組み付けも簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】撹拌シャフト及びブレードを含む撹拌機の全体を示す斜視図である。
図2】撹拌機の本体部分の斜視図である。
図3】撹拌機の本体部分の平面図である。
図4】撹拌機の本体部分の背面図である(一部を断面で示す)。
図5図3のA-A線断面図である。
図6】本体部分の分解斜視図である。
図7図5のC-C線断面図である(ハンドルは省略)。
図8】バッテリカバーを開放した状態の本体部分の側面図である。
図9】ハンドルの分解斜視図である。
図10図3のB-B線拡大断面図である。
図11】ハンドルをモータハウジングへ取り付ける状態を示す斜視図である。
図12】減速部ハウジングの底面図である。
図13図12のD-D線断面図である(低速モード)。
図14図12のE-E線断面図である(低速モード)。
図15】高速モードを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、撹拌機の一例である充電式の撹拌機1の全体を示す斜視図、図2は本体部分の斜視図、図3は平面図、図4は一部を断面で示す背面図、図5図3のA-A線断面図である。
撹拌機1は、本体として、モータハウジング2と減速部ハウジング3とを備える。モータハウジング2は、モータ4とコントローラ5とを収容している。モータハウジング2には、ハンドル6が取り付けられている。減速部ハウジング3は、減速部7を収容している。減速部7は、出力軸となるスピンドル8を有している。スピンドル8は、減速部ハウジング3から下向きに突出している。スピンドル8には、撹拌シャフト9が同軸で接続可能となっている。撹拌シャフト9の下端には、ブレード10が取り付けられる。
モータハウジング2の上部には、バッテリ装着部11が設けられている。バッテリ装着部11には、バッテリパック12が前方からスライド装着可能となっている。モータハウジング2の上部には、バッテリカバー13が取り付けられている。バッテリカバー13は、バッテリパック12及びバッテリ装着部11を上方から覆うことができる。
【0010】
モータハウジング2は、左右一対の半割ハウジング2a,2bからなる。半割ハウジング2a,2bは、右方向からねじ込まれる複数のネジ14,14・・によって組み付けられる。モータハウジング2の下端には、円盤状のブラケット板15が組み付けられている。ブラケット板15は、減速部ハウジング3と共に下方から複数のネジ16,16・・によって固定される。ブラケット板15の上側には、図6にも示すように、有底筒状のインナハウジング17が下向きに取り付けられている。このインナハウジング17は、一体成型された樹脂製であり、モータ4を収容する。インナハウジング17は、ブラケット板15の上面に形成された組み付け座18に、上方から4本のネジ19,19・・(図4)によって組み付けられる。
【0011】
モータ4は、ブラシレスモータである。モータ4は、外側のステータ20と、ステータ20の内側に位置するロータ21とからなるインナロータ型である。ステータ20は、軸心を上下方向に向けた姿勢でインナハウジング17内に保持される。図4及び図7に示すように、ステータ20は、インナハウジング17内で下方からねじ込まれるネジ37,37及びワッシャ38,38によって、軸方向に固定される。また、ステータ20の上部は、インナハウジング17と回転方向で固定されるようになっている。
ステータ20は、ステータコア20aと、上インシュレータ22Aと、下インシュレータ22Bと、複数のコイル23,23・・とを有する。ステータコア20aには、上インシュレータ22Aと下インシュレータ22Bとが固定されている。複数のコイル23,23・・は、上下インシュレータ22A,22Bに巻回される。上下インシュレータ22A,22Bにより、各コイル23はステータコア20aに対して絶縁される。各コイル23は、上インシュレータ22A上で三相結線されている。上インシュレータ22Aには、センサ回路基板24が取り付けられる。センサ回路基板24は、ロータ21に設けた永久磁石26の位置を検出する回転検出素子(図示略)を備える。
【0012】
ロータ21は、回転軸25と、ロータコア21aと、永久磁石26とを有する。回転軸25は、上下方向に延びており、ステータ20を貫通する。回転軸25の周囲には、ロータコア21aが固定されている。ロータコア21aの複数の軸方向の穴には、複数の永久磁石26,26・・が固定される。インナハウジング17の上端には、軸受保持部27が設けられる。回転軸25の上端は、軸受保持部27に保持される軸受28によって回転可能に支持される。回転軸25の下部は、組み付け座18に保持される軸受29によって回転可能に支持される。回転軸25の下端は、ブラケット板15を貫通して減速部ハウジング3内に突出している。回転軸25の下端には、ピニオン(歯車)30が形成されている。
回転軸25の下部で軸受29とロータコア21aとの間には、ファン31が設けられている。ファン31の径方向外側でインナハウジング17の前後には、図6及び図7に示すように、複数の内排気口32,32・・が形成されている。内排気口32は、インナハウジング17に形成される径方向に貫通する穴である。内排気口32は、インナハウジング17の下部に位置する。インナハウジング17の上部で軸受保持部27の周囲には、複数の内吸気口33,33・・が形成されている。内吸気口33は、インナハウジング17に形成される上下方向に貫通する穴である。
【0013】
インナハウジング17の前面で左右方向の中央には、図5図7に示すように、上下方向に延びる突条部34が形成されている。突条部34は、インナハウジング17の上面よりも低い位置で上端を開口させている。三相の電源線35は、図5に二点鎖線で示すように、突条部34を通してインナハウジング17の上側であって、インナハウジング17の外部へ引き出される。センサ回路基板24に接続される回転検出素子の信号線36も、二点鎖線で示すように、突条部34を通してインナハウジング17の上側であって、インナハウジング17の外部へ引き出される。
突条部34の位置に合わせてモータハウジング2内には、左右一対のリブ40,40が設けられている。各リブ40は、半割ハウジング2a,2bの内面からそれぞれ突条部34へ向けて内側へ突出形成される。各リブ40は、突条部34よりも高く、インナハウジング17よりも低い高さで形成されている。左右のリブ40,40は、突条部34の左右の側面にそれぞれ先端を当接させている。リブ40,40により、モータハウジング2の内部は、インナハウジング17及びモータ4の上側を除いて前後に仕切られる。
【0014】
半割ハウジング2a,2bの左右の側面でリブ40,40の前方には、複数の外吸気口41,41・・が形成されている。各外吸気口41は、モータハウジング2の周方向に延びるスリットで、図2及び図6に示すように、上下方向に所定間隔をおいて形成されている。半割ハウジング2a,2bの左右の側面でリブ40,40の後方には、複数の外排気口42,42・・が形成されている。各外排気口42は、上下方向に延びるスリットで、モータハウジング2の周方向に所定間隔をおいて形成されている。上下に並ぶ外吸気口41,41・・のうち、下側2つの外吸気口41,41は、図2に示すように、モータハウジング2の周方向で外排気口42とオーバーラップしている。すなわち、外吸気口41の一部は、外排気口42と上下方向で同じ高さに位置している。
【0015】
コントローラ5は、モータハウジング2内でリブ40,40の前方に配置されている。コントローラ5は、上下及び左右方向で規定される平面に沿って上下左右に延びる。コントローラ5の上下方向の長さは、回転軸25の上下方向の長さよりも短く、上下方向で回転軸25の寸法内に収まっている。すなわち、コントローラ5は、モータ4と上下方向で同じ高さに位置している。
コントローラ5は、放熱性が高い材料であるアルミ製のケース45内に制御回路基板46を収容している。制御回路基板46は、マイコンや複数のスイッチング素子等を実装して実装面を外側(前側)に向けてケース45内に収容されている。ケース45は、図5及び図7に示すように、半割ハウジング2a,2bの内面にそれぞれ突設された支持リブ47,47によって左右両端が保持されている。左右の外吸気口41,41は、コントローラ5の左右の外側に位置している。ケース45の背面には、複数の凹凸からなる放熱部48(図6)が形成されている。上下方向において、放熱部48は、支持リブ47から露出するように構成されている(図5)。
【0016】
バッテリ装着部11は、インナハウジング17の上方でモータハウジング2の上面に形成されている。バッテリ装着部11は、前後方向に延びる左右一対のガイドレール50,50を備えている。ガイドレール50,50は、接続側が下向きとなる姿勢のバッテリパック12を前方から受け入れる。ガイドレール50,50の間には、端子台51が設けられている。端子台51の上面には、装着されたバッテリパック12が電気的に接続される端子板52,52・・が設けられている。端子台51には、下面からリード線53A,53Bが引き出されている。
モータ4の電源線35と信号線36とは、コントローラ5の上側を通ってコントローラ5の前方へ引き回される。そして、電源線35と信号線36とは、制御回路基板46の前面に接続される。端子台51から引き出されるリード線53A,53Bのうち、コントローラ5へ繋がるリード線53Aは、インナハウジング17及びコントローラ5の上側に引き出される。そして、リード線53Aは、コネクタ54を介して、制御回路基板46の前面から引き出されるリード線55と接続される。ハンドル6のスイッチ70へ繋がるリード線53Bは、インナハウジング17の上方で後方に引き出される。そして、モータハウジング2の後面に設けた配線口78から外部へ引き出され、スイッチ70からのリード線77Aと接続される。
【0017】
バッテリカバー13は、下端を開口させた平面視四角形の箱状である。バッテリカバー13は、後部下端がモータハウジング2の後部上端に、左右方向のネジ56によって回転可能に連結されている。
バッテリカバー13は、ネジ56を中心として、図5に示すようにバッテリパック12及びバッテリ装着部11を閉塞する閉塞位置と、図8に示すようにバッテリパック12及びバッテリ装着部11を開放する開放位置とに回転可能である。バッテリカバー13の前部下端には、係止部57が突設されている。モータハウジング2の前部上端には、バッテリカバー13の閉塞位置で係止部57が係止する被係止部58が形成されている。閉塞位置でのバッテリカバー13の最前面13aは、上下左右方向で規定される平面形状となっている。被係止部58を除くモータハウジング2の上側の最前面2cも、上下左右方向で規定される平面形状となっている。モータハウジング2の最前面2cとバッテリカバー13の最前面13aとは上下方向に連続状となっている。図3に示すように、閉塞位置でのバッテリカバー13は、後端左右がモータハウジング2よりもやや外側へ張り出して、上下方向でハンドル6と部分的にオーバーラップしている。
【0018】
ハンドル6は、取付部60と、左グリップ68と,右グリップ69と、取付部60と左右グリップ68,69とを繋ぐ連結部61,61とを有する。取付部60は、モータハウジング2に取り付けられる。連結部61,61は、取付部60の左右に繋がる。
取付部60は、平面視がU字状に形成され、上下に薄肉となる板金製である。連結部61は、取付部60と一体に形成された板金製である。取付部60には、図9に示すように、U字形状に沿って複数の上取付穴62,62が形成されている。左右の半割ハウジング2a,2bの外周面には、図6にも示すように、取付部60を下方から支持する3つの支持突起63,63・・がそれぞれ形成されている。各支持突起63には、取付部60の上取付穴62に対応する下取付穴64がそれぞれ形成されている。半割ハウジング2aにおいて、中央の支持突起63の上側には、凸部65が形成されている。取付部60の左側の内縁には、切り欠き66が形成されている。凸部65と切り欠き66とを合わせることでハンドル6の左右の向きが決定される。
【0019】
連結部61,61は、取付部60の前端と後端とからそれぞれ左右外側へ一体に延びる一対の前アーム67A,後アーム67Bを有する。なお、前後アーム67A,67Bを左右で区別する場合は、「67LA」「67RA」のように「L」「R」の符号を付す。
左側の前後アーム67LA,67LBの左端部間に、左グリップ68が架設されている。右側の前後アーム67RA,67RBの右端部間に、右グリップ69が架設されている。左グリップ68は、図9に示すように、前後方向を分割面とする上下の半割部68a,68bに2分割されている。半割部68a,68bは、前後両端が前後アーム67LA,67LBの左端部にそれぞれ設けた貫通穴61a,61aへ、ネジ68c,68cによって同時にネジ止めされる。左グリップ68内には、特に内蔵物はなく、作業者が握るためだけに形成されている。
右グリップ69は、前後方向を分割面とする左右の半割部69a,69bに2分割されて、図8及び図10に示すように、半割部69a,69b同士が左右方向のネジ69c、69cによって組み付けられている。右グリップ69は、前後両端が前後アーム67RA,67RBの右端部にそれぞれ設けた貫通穴61a,61aへ、ネジ69d、69dによってネジ止めされる。
【0020】
右グリップ69の左右の半割部69a,69b内には、図9,10にも示すように、複数の内蔵物(スイッチ70、トリガ71、ロックボタン72、ボタンカバー73、ロックレバー74、調整ダイヤル75)が設けられている。
まず、スイッチ70が半割部69a,69bの内部に設けられている。スイッチ70は、トリガ71を下向きに突出させている。但し、トリガ71を露出させる右グリップ69の下面の開口周縁部69eは、トリガ71の下面よりも下方に位置している。
スイッチ70の左側面には、ロックボタン72が設けられている。ロックボタン72は、トリガ71の押し込み状態を維持するために設けられる。ロックボタン72には、右グリップ69から突出するボタンカバー73が設けられている。ロックボタン72は、右グリップ69の左側面から露出しており、作業者が操作可能となっている。
スイッチ70の前側には、ロックレバー74が設けられている。ロックレバー74は、トリガ71の押し込みを阻止する位置と、押し込みを許容する位置とにスライド操作可能となっている。ロックレバー74は、右グリップ69の右側面から露出しており、作業者が操作可能となっている。
ロックレバー74の前側には、調整ダイヤル75が設けられている。調整ダイヤル75は、回転操作によりモータ4の回転数の調整が可能である。調整ダイヤル75は、右グリップ69から露出しており、作業者が操作可能となっている。
【0021】
右側の連結部61の後アーム67RBと取付部60の上面とには、リード線カバー76がネジ76aによってネジ止めされている。リード線カバー76内には、図5に示すように、右グリップ69内のスイッチ70に接続されるリード線77Aと、調整ダイヤル75の基板に接続されるリード線77Bとが引き回されている。リード線77A,77Bは、まず、右グリップ69の前部から後部へ配線され、その後、右グリップ69の後部から右グリップ69の外部へ引き出される。その後、リード線カバー76と後アーム67RBとの上下方向の空間を通過して、右から左に引き回される。その後、モータハウジングの後面に形成された配線口78からモータハウジング2内に配線される。スイッチ70のリード線77Aは、図5に二点鎖線で示すように、インナハウジング17の上側を通して制御回路基板46の前面と、端子台51のリード線53Bとにそれぞれ接続される。調整ダイヤル75のリード線77Bは、図5に二点鎖線で示すように、インナハウジング17の上側を通して制御回路基板46の前面に配線される。
【0022】
ハンドル6の取付部60は、図11に示すように、U字の開口側を前にして、モータハウジング2の上方後側から、支持突起63,63・・の上に載置される。このとき切り欠き66を凸部65に合わせる。そして、各上取付穴62を通して各下取付穴64に上方からボルト79,79・・を貫通させてナットで締め付ける。すると、ハンドル6は、図3に示すように、モータハウジング2に固定される。ハンドル6の固定状態でモータハウジング2及びバッテリカバー13の前面は、左右の連結部61,61の前端同士を結ぶ一点鎖線で示す左右方向の直線Lよりも後方に位置している。取付部60の後端は、モータハウジング2及びバッテリカバー13の後面よりも後方に位置している。モータハウジング2及びバッテリカバー13は、取付部60に貫通させる必要がないので、取り付けは容易に行える。
【0023】
減速部ハウジング3は、図4及び図7,8に示すように、モータハウジング2の下面に、下方から4本のネジ16,16・・によって固定される。減速部ハウジング3は、図6に示すように、ブラケット板15に、上方からの4本のネジ80,80・・によって固定される。減速部ハウジング3の上面には、図6に示すように、上向きに突出する4本のピン81,81・・が設けられている。ピン81,81・・は、ブラケット板15を貫通してモータハウジング2の下面に挿通する。
減速部7は、図12及び図13に示すように、第1シャフト85と、第2シャフト86と、スピンドル8とをそれぞれ上下方向に備えている。第1シャフト85は、最後方位置に、スピンドル8は、最前方位置にそれぞれ配置される。第2シャフト86は、第1シャフト85とスピンドル8との間に配置される。各シャフト85,86とスピンドル8との上端は、それぞれブラケット板15に保持された軸受87,87・・に支持される。各シャフト85,86とスピンドル8との下端は、それぞれ減速部ハウジング3に保持された軸受88,88・・に支持される。
【0024】
第1シャフト85は、上部に、回転軸25のピニオン30と噛合する入力ギヤ89を備える。入力ギヤ89の下方で第1シャフト85には、径及び歯数が異なる第1駆動ギヤ部90と第2駆動ギヤ部91とが上下に設けられている。
第2シャフト86は、別体で回転可能な第1従動ギヤ92と第2従動ギヤ93とを上下に備えている。第1従動ギヤ92は、第1シャフト85の第1駆動ギヤ部90と噛合している。第2従動ギヤ93は、第1従動ギヤ92よりも大径で、第1シャフト85の第2駆動ギヤ部91と噛合している。第1従動ギヤ92と第2従動ギヤ93とには、互いの対向面側へ突出する複数の連結ピン94,94・・がそれぞれ設けられている。
【0025】
第1従動ギヤ92と第2従動ギヤ93との間で第2シャフト86には、スプライン部95が形成されている。スプライン部95には、速度切替リング96が、一体回転可能且つ軸方向へ移動可能に設けられている。速度切替リング96には、第1従動ギヤ92と第2従動ギヤ93とに設けた連結ピン94が上下から貫通可能な複数の貫通穴97,97・・が形成されている。速度切替リング96の上側位置では、貫通穴97に第1従動ギヤ92の連結ピン94が挿通する。よって、第1従動ギヤ92の回転が速度切替リング96を介して第2シャフト86に伝わる高速モードとなる。速度切替リング96の下側位置では、貫通穴97に第2従動ギヤ93の連結ピン94が挿通する。よって、第2従動ギヤ93の回転が速度切替リング96を介して第2シャフト86に伝わる低速モードとなる。
【0026】
速度切替リング96の上下位置は、図14に示すように、減速部ハウジング3の右側面に設けた切替レバー98によって変更できる。切替レバー98は、減速部ハウジング3へ回転可能に設けられている。切替レバー98において、回転中心からの偏心位置には、減速部ハウジング3内へ突出する偏心ピン99が設けられている。切替レバー98と第2シャフト86との間で減速部ハウジング3内には、ガイドピン100が上下方向に架設されている。ガイドピン100は、側面視が倒U字状のチェンジプレート101の上下両端を貫通している。チェンジプレート101は、ガイドピン100に沿って上下方向へスライド可能である。チェンジプレート101は、切替レバー98の回転に伴う偏心ピン99の左右方向の移動量に合わせた長さのスリット102を有している。偏心ピン99は、スリット102を貫通している。よって、切替レバー98を回転操作すると、偏心ピン99の移動に伴い、チェンジプレート101が上下移動することになる。
【0027】
チェンジプレート101の内側でガイドピン100には、一対のコイルバネ103,103が外装されている。コイルバネ103,103の間には、ガイドピン100に貫通されるチェンジリング104が介在されている。チェンジリング104は、速度切替リング96の外周に設けたリング溝105に係合している。よって、チェンジプレート101が上下移動すると、コイルバネ103,103で挟まれるチェンジリング104が追従して上下移動し、速度切替リング96を上下移動させる。こうして切替レバー98の回転操作により、速度切替リング96の上下位置を変更して高速モードと低速モードとの切り替えが可能となる。図13及び図14は、速度切替リング96が下降して第2従動ギヤ93と連結される低速モードを示している。図15は、速度切替リング96が上昇して第1従動ギヤ92と連結される高速モードを示している。
【0028】
第2シャフト86の下部には、中間ギヤ106が一体回転可能に設けられている。スピンドル8の下部には、中間ギヤ106が噛合する出力ギヤ107が一体回転可能に設けられている。
減速部7において、モータ4の回転軸25の回転は、入力ギヤ89を介して第1シャフト85に減速して伝わる。第1シャフト85の回転は、第2シャフト86に、第1駆動ギヤ部90及び第1従動ギヤ92又は、第2駆動ギヤ部91及び第2従動ギヤ93を介して、高速又は低速何れかのモードで減速して伝わる。第2シャフト86の回転は、中間ギヤ106及び出力ギヤ107を介してスピンドル8に伝わる。
スピンドル8の下端は、減速部ハウジング3を貫通して下方へ突出している。スピンドル8の下端には、撹拌シャフト9の上端をネジ結合可能なシャフト保持部108が設けられている。
【0029】
以上の如く構成され、バッテリパック12を装着した撹拌機1において、作業者は、ハンドル6に設けた左グリップ68と右グリップ69とを把持する。よって、撹拌機1は、撹拌シャフト9が下向きに突出する姿勢で支持される。この姿勢が通常の作業姿勢となる。なお、作業者の身長等によっては、撹拌シャフト9が必ずしも真下に向かない場合もあり、例えば、撹拌シャフト9が後傾(上部が後方、下部が前方)していることも想定している。この場合の上下方向は、撹拌シャフト9の伸長方向となる。
作業者が右グリップ69に設けたトリガ71を押し操作すると、スイッチ70がON動作する。すると、スイッチ70のON信号を得た制御回路基板46のマイコンが、モータ4のセンサ回路基板24から得られる検出信号からロータ21の回転位置を取得し、6個のスイッチング素子(MOSFET、IGBT等)をスイッチング動作させることで、ステータ20に三相電流を供給してコイル23へ順番に通電させ、ロータ21を回転させる。ロータ21と共に回転軸25が回転すると、回転軸25の回転は、切替レバー98で選択された高速モードと低速モードとの何れかで減速部7に減速されてスピンドル8に伝わる。よって、シャフト保持部108に接続された撹拌シャフト9がスピンドル8と一体に回転する。撹拌シャフト9と共にブレード10が回転して塗料等の撹拌が可能となる。
ここではボタンカバー73(ロックボタン72)と調整ダイヤル75とがあるので非常に使いやすくなっている。すなわち、ロックボタン72の操作により、トリガ71を操作しなくてもモータ4の回転が維持される状態となる。その後、ペンキなどの粘度により、作業者がモータ4の回転を変えたい場合は、調整ダイヤル75を操作するのみでよい。また、作業が終了した際には、ロックボタン72を操作すれば、モータ4の回転は停止することになり、便利である。
【0030】
作業の際、左右グリップ68,69を把持して撹拌機1を支持する作業者は、モータハウジング2及びバッテリカバー13の上方から下端のブレード10及び撹拌シャフト9、撹拌材料等を視認することになる。このとき、ハンドル6の取付部60は、モータハウジング2及びバッテリカバー13の前方に位置していないので、視野が取付部60に遮られることがない。よって、作業者はブレード10等を確実に視認できる。
また、モータハウジング2では、モータ4とコントローラ5とが同じ高さに位置している。また、外吸気口41と外排気口42とも同じ高さに位置している。よって、モータハウジング2の上下方向の寸法が抑えられて、撹拌機1の操作性が良好となる。
【0031】
回転軸25が回転すると、ファン31が回転する。すると、モータハウジング2の左右の外吸気口41,41から外部の空気が吸い込まれ、モータハウジング2内に進入する。この空気流は、図5及び図7に点線矢印で示すように、コントローラ5とリブ40,40との間を通ってケース45(放熱部48)に接触する。次に、空気流は、上昇してリブ40,40の上方を越えて後方へ移動する。そして、空気流は、インナハウジング17の内吸気口33からインナハウジング17の内部へ進入する。次に、空気流は、インナハウジング17内を下方へ流れてモータ4を冷却する。その後、空気流は、インナハウジング17の前後の内排気口32,32からモータハウジング2内に出る。そして、空気流は、左右に分かれてモータハウジング2の左右の外排気口42,42から外部に排出される。
この空気流により、上流側ではコントローラ5が、下流側ではモータ4がそれぞれ冷却される。コントローラ5とモータ4との間がリブ40及び突条部34で仕切られているので、外吸気口41と外排気口42とが同じ高さにあっても、ショートカットすることなくコントローラ5とモータ4とを順番に冷却できる。
【0032】
上記形態の撹拌機1は、ステータ20とロータ21とを有するモータ4と、モータ4を収容するモータハウジング2とを含む。また、撹拌機1は、ロータ21により駆動する減速部7と、モータハウジング2の下方に配置され、減速部7を収容する減速部ハウジング3とを含む。また、撹拌機1は、減速部ハウジング3の下部から下方へ突出し、撹拌シャフト9を保持可能なシャフト保持部108と、モータ4を制御するコントローラ5(制御部)とを含む。そして、コントローラ5が、上下方向でモータ4と同じ高さに配置されている。
この構成により、モータハウジング2を上下方向で短く形成でき、上下方向の寸法をコンパクト化することができる。
なお、この構成では、あくまでコントローラ5の少なくとも一部が上下方向でモータ4の少なくとも一部と同じ高さにあれば足り、例えばコントローラ5が上方側、モータ4が下方側に配置されて、コントローラ5の下端とモータ4の上端とが同じ高さに配置されていてもよい。勿論その逆に、コントローラ5の上端とモータ4の下端とが同じ高さに配置されていてもよい。また、前述のように撹拌機1が後傾姿勢等の場合は、上下方向での同じ高さは、撹拌シャフト9の伸長方向での同じ前後位置に相当する。
【0033】
ロータ21は、回転軸25を有し、モータ4は、回転軸25が上下方向に延びる姿勢でモータハウジング2に収容されている。よって、モータハウジング2の前後及び左右方向の寸法も短く形成できる。
コントローラ5は、上下方向に延びる姿勢でモータハウジング2に収容されている。よって、コントローラ5をモータ4と同じ高さに配置しても水平方向で省スペースとなる。また、空気流がコントローラ5と長く接触できるため、冷却効果が良好となる。
コントローラ5は、上下方向で回転軸25の上下方向の寸法内に収まっている。よって、コントローラ5によってモータハウジング2の上下方向の寸法が大きくなることがない。
【0034】
ロータ21は、一体回転可能なファン31を備え、モータハウジング2は、ファン31の回転により空気を吸引するための外吸気口41(吸気口)と、空気を排出するための外排気口42(排気口)とを有している。そして、外吸気口41と外排気口42とが、上下方向で同じ高さに配置されている。
よって、外吸気口41と外排気口42とを上下に離して配置する場合に比べて、モータハウジング2を上下方向で短く形成できる。このため、上下方向の寸法をコンパクト化することができる。
コントローラ5は、外吸気口41から外排気口42に至る空気流が接触(通過)する位置に配置されている。よって、外吸気口41と外排気口42とを上下方向で同じ高さに配置してもコントローラ5を冷却可能となる。
【0035】
モータ4は、空気流の下流側に配置され、コントローラ5は、空気流の上流側に配置されている。よって、モータ4とコントローラ5とを効率よく冷却できる。
モータ4とコントローラ5との間は、空気流を形成するためのリブ40によって仕切られている。よって、外吸気口41と外排気口42とを上下方向で同じ高さに配置しても、モータ4とコントローラ5とを確実に冷却できる。
【0036】
上記形態の撹拌機1は、ステータ20とロータ21とを有するモータ4と、モータ4を収容するモータハウジング2とを含む。また、撹拌機1は、ロータ21により駆動する減速部7と、モータハウジング2の下方に配置され、減速部7を収容する減速部ハウジング3とを含む。また、撹拌機1は、減速部ハウジング3の下部から下方へ突出して減速部7により駆動し、撹拌シャフト9を保持可能なシャフト保持部108を含む。また、撹拌機1は、モータハウジング2に取り付けられる金属製の取付部60及び取付部60の左右に繋がる一対の左右グリップ68,69(把持部)を有するハンドル6を含む。そして、撹拌機1は、モータハウジング2の前側(前方への平行投影面上)にハンドル6が位置しないようになっている。
この構成により、モータハウジング2の前側に中央の取付部60が張り出すことがない。よって、作業者の視認性を確保でき、上方からブレード10等が見やすくなる。
また、取付部60にモータハウジング2を貫通させて取り付ける必要がなくなる。よって、ハンドル6の組み付けも簡単に行うことができる。
【0037】
取付部60は、平面視U字状である。よって、モータハウジング2への取付が容易に行える。
モータハウジング2の最前面2c(前面)は、一対の連結部61,61の前端(ハンドル6の前端)よりも前方へ突出しない。よって、モータハウジング2を作業者の視野を遮らない位置に配置でき、視認性がより良好となる。
モータハウジング2の最前面2cは、上下及び左右方向で規定される平面形状を有している。よって、モータハウジング2が作業者の視野を遮らない形状となり、視認性がより良好となる。
【0038】
取付部60の左右には、左右方向に延びる金属製の一対の前アーム67A及び後アーム67B(アーム)からなる連結部61,61がそれぞれ一体に形成され、各把持部は、各連結部61における前後アーム67A,67Bの端部間に架設される左右グリップ68,69となっている。よって、把持しやすいハンドル6が得られる。
左グリップ68と右グリップ69とは、前後アーム67A,67Bの端部間への架設方向となる前後方向を分割面として上下2つの半割部68a,68bと、左右2つの半割部69a,69bとに分割されている。そして、半割部68a,68bと半割部69a,69bとの前後両端同士が前後アーム67A,67Bの端部にネジ止めされる。よって、左右グリップ68,69の組み付けが容易に行える。
取付部60は、上下に薄肉となる板状である。よって、ハンドル6を軽量化できる。
モータハウジング2の外面には、取付部60を下方から支持する支持突起63(支持部)が一体に形成されて、取付部60は、支持突起63に上方からネジ止めされる。よって、モータハウジング2への取付が容易に行える。
取付部60の後端は、モータハウジング2の後面よりも後方に位置している。よって、モータハウジング2やバッテリカバー13が作業者に当たることがない。
【0039】
モータハウジング2の上部には、バッテリパック12が装着可能なバッテリ装着部11が設けられる。よって、バッテリパック12の着脱が容易に行える。
モータハウジング2には、バッテリ装着部11に装着されたバッテリパック12を上方から覆うバッテリカバー13が、バッテリ装着部11を開閉可能に設けられている。よって、バッテリ装着部11及びバッテリパック12を保護できる。
バッテリカバー13の最前面13a(前面)は、上下及び左右方向で規定される平面形状を有している。よって、バッテリカバー13を設けても作業者の視野を遮らない形状となる。
【0040】
上記形態の撹拌機1は、モータ4と、モータ4により駆動する減速部7と、モータ4及び減速部7を収容するモータハウジング2及び減速部ハウジング3(ハウジング)とを含む。また、撹拌機1は、減速部7により駆動し、減速部ハウジング3の下部から突出するシャフト保持部108を含む。また、撹拌機1は、モータハウジング2に固定され、左右に延びる取付部60及び連結部61,61(板金製部材)と、連結部61の右端に設けられ、前後方向に延びる右グリップ69と、連結部61の左端に設けられ、前後方向に延びる左グリップ68とを含む。そして、平面視でモータハウジング2の前部は、取付部60と重ならないようになっている。
この構成により、モータハウジング2の前側に中央の取付部60が張り出すことがない。よって、作業者の視認性を確保でき、上方からブレード10等が見やすくなる。
【0041】
以下、変更例を説明する。
コントローラをモータと同じ高さに配置する発明において、水平方向でのコントローラの位置は、モータの前方に限らない。モータと同じ高さであれば、モータの後方や左右何れかの側方であってもよい。コントローラの向きも、上下方向に延びる向きに限らず、前後左右に延びる水平な向きや傾斜姿勢であってもよい。複数の基板からなるコントローラであっても同様に同じ高さに配置すればよい。モータハウジングのコンパクト化が達成できれば、コントローラは、回転軸の上下方向の寸法内に収まらなくてもよい。
モータも、回転軸が上下方向に延びる縦向き姿勢に限らない。回転軸が前後や左右に延びる横向き姿勢であってもよい。
吸気口と排気口との数や形状も上記形態に限らない。吸気口と排気口との全てが同じ高さとなるように配置してもよい。逆に吸気口と排気口とを上下に離して配置することもできる。
【0042】
コントローラをモータハウジング内で上下方向に配置する発明において、コントローラの位置は、モータの前方に限らない。モータの後方や左右何れかの側方であってもよい。複数の基板からなるコントローラであっても同様に、それぞれの基板を上下方向に配置すればよい。モータも、回転軸が上下方向に延びる縦向き姿勢に限らない。吸気口と排気口との数や配置も上記形態に限らない。
吸気口と排気口とを同じ高さに配置する発明において、吸気口と排気口との数や形状は上記形態に限らない。吸気口と排気口との全てが同じ高さとなるように配置してもよい。逆に吸気口と排気口との一部同士が同じ高さとなるように配置してもよい。吸気口と排気口とをモータハウジングの周方向に離して配置することもできる。
【0043】
ハンドルに係る発明において、取付部の形状はU字状に限らない。前端中央を切り離してモータハウジングの前側を開放した倒C字状としてもよい。
モータハウジングへの取付も、支持部の上面に載置せず、支持部の下面に位置させて固定してもよい。支持部を設けず、モータハウジングの外周に形成した溝に取付部を取り付けることもできる。
取付部は、上下方向に薄肉とせず、棒状体としたり、径方向に薄肉となるバンド状としたりしてもよい。
把持部の形状も上記形態に限らない。グリップを前後方向を分割面とせずに形成してもよいし、半割とせずにグリップを一体の棒体や筒体で形成してもよい。
連結部も、アームを取付部と別体に形成して取付部に連結してもよい。前後にアームを設けず、1本のアームにしてグリップを設けてもよい。連結部を省略して取付部に直接グリップを取り付けることもできる。
取付部の形状で視野を確保できれば、モータハウジングとバッテリカバーとの前面は平面状としなくてもよい。バッテリカバーは省略することもできる。
【0044】
その他、各発明において、モータはブラシレスモータに限らない。モータハウジング内ではインナハウジングを省略してもよい。この場合、吸気口と排気口とはモータハウジングのみに設けられる。空気流の上流側にモータ、下流側にコントローラをそれぞれ配置してもよい。
減速部の構成も、シャフト及びギヤの数は増減してもよい。シャフトの配置も適宜変更できる。変速機構は省略してもよい。スピンドルの位置も変更できる。
バッテリ装着部の位置も、モータハウジングの上部に限らない。モータハウジングの側面や後面に設けることもできる。
電源は、バッテリに限らない。商用電源(AC)による電源コードを介してモータへ給電される構成であっても、本開示の技術は適用される。
撹拌シャフトの長さやスピンドルへの取付構造、ブレードの形状も上記形態に限定されない。
【符号の説明】
【0045】
1・・撹拌機、2・・モータハウジング、3・・減速部ハウジング、4・・モータ、5・・コントローラ、6・・ハンドル、7・・減速部、8・・スピンドル、9・・撹拌シャフト、10・・ブレード、11・・バッテリ装着部、12・・バッテリパック、15・・ブラケット板、17・・インナハウジング、25・・回転軸、31・・ファン、32・・内排気口、33・・内吸気口、40・・リブ、41・・外吸気口、42・・外排気口、46・・制御回路基板、60・・取付部、61・・連結部、67A・・前アーム、67B・・後アーム、68・・左グリップ、69・・右グリップ、70・・スイッチ、85・・第1シャフト、86・・第2シャフト、108・・シャフト保持部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15