(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】検査システム、検査装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/892 20060101AFI20241125BHJP
B41J 29/393 20060101ALI20241125BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241125BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241125BHJP
【FI】
G01N21/892 A
B41J29/393 105
B41J29/38 206
G03G21/00 388
(21)【出願番号】P 2020104670
(22)【出願日】2020-06-17
【審査請求日】2023-05-25
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】林 公生
【審査官】横尾 雅一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-118446(JP,A)
【文献】特開2013-120170(JP,A)
【文献】特開2015-178970(JP,A)
【文献】特開2020-049899(JP,A)
【文献】特開2019-202485(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84 - G01N 21/958
B41J 29/00 - B41J 29/70
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置と、前記印刷装置で印刷された印刷物を検査する検査装置と、前記印刷装置に印刷ジョブを送信する情報処理装置を含む検査システムであって、
前記検査装置は、
前記情報処理装置から、
印刷ジョブに対応する基準画像が登録されているか否かを判断するための判断情報である基準画像を示す情報を受信する第1の受信手段と、
前記基準画像を示す情報に基づいて、基準画像を取得する取得手段と、
基準画像を示す情報を受信した後、検査準備完了を示す情報を情報処理装置に送信する第1送信部と、
前記印刷装置で印刷された印刷物をスキャンしたスキャン画像を前記印刷装置から受信する第2の受信手段と、
前記受信したスキャン画像と前記取得した基準画像との比較に基づいて、前記印刷物を検査する検査手段を有し、
前記情報処理装置は、前記検査装置から前記検査の準備が完了したことを示す情報を受信した後、前記印刷装置に前記印刷ジョブを送信し、
前記印刷装置は、前記情報処理装置から受信した印刷ジョブに基づいて、印刷を行う印刷手段を有
し、
前記検査装置は、前記判断情報に基づいて、前記印刷ジョブに対応する基準画像が登録されているかを判断する判断手段と、
情報を表示する表示手段と、を有し、
前記判断手段において、登録されていないと判断した場合には、前記表示手段に警告メッセージを表示することを特徴とする検査システム。
【請求項2】
前記検査装置は、
前記検査手段で検査して得られた検査結果に基づいて、前記印刷装置へ、検査結果を示す情報を送信する第2の送信手段を有し、
前記印刷装置は、
前記検査装置から、前記検査結果を示す情報を受信する受信手段と、
前記検査手段で検査して得られた検査結果に基づいて、前記印刷物の排紙先を制御する制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
印刷装置で印刷された印刷物を検査する検査装置であって、
前記印刷装置に印刷ジョブを送信する情報処理装置から、基準画像を示す情報を受信する第1の受信手段と、
前記基準画像を示す情報に基づいて、
印刷ジョブに対応する基準画像が登録されているか否かを判断するための判断情報である基準画像を取得する取得手段と、
前記判断情報に基づいて、前記印刷ジョブに対応する基準画像が登録されているかを判断する判断手段と、
情報を表示する表示手段と、
前記基準画像を示す情報を受信した後、検査の準備が完了したことを示す情報を、前記情報処理装置へ送信する第1の送信手段と、
前記印刷装置から、前記情報処理装置から受信した印刷ジョブに基づいて印刷された印刷物をスキャンしたスキャン画像を受信する第2の受信手段と、
前記受信したスキャン画像と前記取得した基準画像との比較に基づいて、前記印刷物を検査する検査手段と、
を有し、
前記判断手段において、登録されていないと判断した場合には、前記表示手段に警告メッセージを表示することを特徴とする検査装置。
【請求項4】
前記検査手段で検査して得られた検査結果に基づいて、前記印刷装置へ、検査結果を示す情報を送信する第2の送信手段を有することを特徴とする請求項3に記載の検査装置。
【請求項5】
印刷装置で印刷された印刷物を検査する検査装置の制御方法であって、
前記印刷装置に印刷ジョブを送信する情報処理装置から、
印刷ジョブに対応する基準画像が登録されているか否かを判断するための判断情報である基準画像を示す情報を受信する第1の受信工程と、
前記基準画像を示す情報を受信した後、検査の準備が完了したことを示す情報を、前記情報処理装置へ送信する第1の送信工程と、
前記基準画像を示す情報に基づいて、基準画像を取得する取得工程と、
前記判断情報に基づいて、前記印刷ジョブに対応する基準画像が登録されているかを判断する判断工程と、
前記印刷装置から、前記情報処理装置から受信した印刷ジョブに基づいて印刷された印刷物をスキャンしたスキャン画像を受信する第2の受信工程と、
前記受信したスキャン画像と前記取得した基準画像との比較に基づいて、前記印刷物を検査する検査工程と、
前記判断工程において、登録されていないと判断した場合には、警告メッセージを表示する表示工程と、
を有することを特徴とする検査装置の制御方法。
【請求項6】
前記検査工程で検査して得られた検査結果に基づいて、前記印刷装置へ、検査結果を示す情報を送信する第2の送信工程を有することを特徴とする請求項5に記載の検査装置の制御方法。
【請求項7】
請求項5または6の何れか1項に記載の検査装置としてコンピュータを機能させるための該コンピュータで読み取り可能なプログラム。
【請求項8】
前記判断手段において、登録されていると判断した場合には、前記取得手段が、前記基準画像を示す情報に基づいて、前記基準画像を取得することを特徴とする請求項
1に記載の検査システム。
【請求項9】
前記判断手段において、登録されていると判断した場合には、前記取得手段が、前記基準画像を示す情報に基づいて、前記基準画像を取得することを特徴とする請求項
3に記載の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物の印刷品質を検査する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置で印刷した印刷物を読み取り、品位を検査する検査装置が知られている。検査装置は、汚れや印刷抜けなどの画像欠陥、文字の誤り、バーコード品位などを検出可能である。これら不良が検出された成果物は、例えば排紙先を変更することで、不良のない印刷物と分別される。
【0003】
印刷物検査は検査準備と検査に分かれる。検査準備では、良品をスキャンすることで基準画像を検査装置に登録する。検査は、検体である印刷物をスキャンして得られる被検査画像と基準画像を比較して、印刷物の誤りを検出する。画像比較を行うために、印刷物と基準画像を紐付けておく必要がある。
【0004】
印刷物と基準画像を紐付けるために、印刷物と基準画像それぞれに個別識別データを付与して、個別識別データの一致する画像同士を比較し検査を行う技術を施したものがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、印刷物に個別識別データを付与するには印刷物に余白領域が必要であるが、ふちなし印刷といった印刷物には個別識別データを付与できない。さらに断裁機を有していないユーザが検査装置を使いたい場合も、印刷物の余白に個別識別データを付与できない。したがって、印刷物に基準画像を示す情報を付与できない場合は、検査することができないという課題があった。
【0007】
そこで本発明では、印刷物に基準画像を示す情報を付与できない場合であっても、印刷物に対応した基準画像を用いて、印刷物の検査可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、本発明の検査システムは、印刷装置と、前記印刷装置で印刷された印刷物を検査する検査装置と、前記印刷装置に印刷ジョブを送信する情報処理装置を含む検査システムであって、前記検査装置は、前記情報処理装置から、印刷ジョブに対応する基準画像が登録されているか否かを判断するための判断情報である基準画像を示す情報を受信する第1の受信手段と、前記基準画像を示す情報に基づいて、基準画像を取得する取得手段と、基準画像を示す情報を受信した後、検査準備完了を示す情報を情報処理装置に送信する第1送信部と、前記印刷装置で印刷された印刷物をスキャンしたスキャン画像を前記印刷装置から受信する第2の受信手段と、前記受信したスキャン画像と前記取得した基準画像との比較に基づいて、前記印刷物を検査する検査手段を有し、前記情報処理装置は、前記検査装置から前記検査の準備が完了したことを示す情報を受信した後、前記印刷装置に前記印刷ジョブを送信し、前記印刷装置は、前記情報処理装置から受信した印刷ジョブに基づいて、印刷を行う印刷手段を有し、前記検査装置は、前記判断情報に基づいて、前記印刷ジョブに対応する基準画像が登録されているかを判断する判断手段と、情報を表示する表示手段と、を有し、前記判断手段において、登録されていないと判断した場合には、前記表示手段に警告メッセージを表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、印刷物に基準画像を示す情報を付与できない場合であっても、印刷物に対応した基準画像を用いて、印刷物の検査可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】情報処理装置と検査装置と画像形成装置の構成を示す模式図
【
図2】情報処理装置と検査装置と画像形成装置の構成を示すブロック図
【
図3】クライアントコンピュータが有するプログラムの構成を例示した図
【
図6】印刷物と基準画像を紐付けるためのデータベースに保存されている情報の一例
【
図7】検査処理システム全体の処理フローを説明するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、検査システムであって、本実施形態における情報処理装置と検査装置と画像形成装置の構成を表す模式図である。なお、本実施形態の画像形成装置は電子写真方式の画像形成装置を用いて説明するが、本実施形態における画像形成装置は、インクジェット方式、オフセット方式など、異なる画像形成方式の画像形成装置であっても良い。
【0013】
画像形成装置0101は、ケーブル0112を介して情報処理装置0109と接続されている。情報処理装置0109は、ネットワーク0113を介してクライアントコンピュータ0110、検査装置0108と接続されている。
【0014】
画像形成装置0101は、UIパネル0102、給紙デッキ0103および給紙デッキ0104を備える。さらに、3段の給紙デッキからなるオプションデッキ0105が接続される。画像形成装置0101は、例えば電子写真方式の画像形成装置である。また、UIパネル0102は、例えば静電容量方式のタッチパネルを備えたユーザインターフェースである。
【0015】
さらに画像形成装置0101は、検査ユニット0106、大容量スタッカ0107を備える。検査ユニットは、ケーブル0114を介して検査装置0108と接続されている。大容量スタッカ0107はメイントレイとトップトレイを備え、メイントレイには一度に数千枚の用紙を積載することができる。
【0016】
印刷ジョブはクライアントコンピュータ0110で生成され、ネットワーク0113を介して情報処理装置0109に送信され、情報処理装置0109で管理される。そして、印刷ジョブは情報処理装置0109からケーブル0112を通じて画像形成装置0101に送信され、画像形成装置0101が用紙に印字する処理を行う。なお、印刷ジョブは、情報処理装置0109において生成・管理され、ネットワーク0112を介して画像形成装置0101に送信され、画像形成装置0101で管理される形態をとっても良い。
【0017】
なお、クライアントコンピュータ0110、情報処理装置0109、検査装置0108はケーブル0112に接続されて画像形成装置0101と通信できる形態をとっても良い。即ち、本実施形態に示す画像形成装置0101、情報処理装置0109、クライアントコンピュータ0110の接続形態は一例である。
【0018】
図2は、本実施形態の画像形成装置0101と検査装置0108と大容量スタッカ0107と情報処理装置0109とクライアントコンピュータ0110の制御構成を示すブロック図である。
【0019】
CPU(Central Processing Unit/中央演算装置)0201は、システムバス0212を介して画像形成装置0101内の各部における制御や演算を司る。CPU0201は、記憶部0205に格納され、RAM(Ramdom Access Memory)0202にロードされるプログラムの実行を司る。RAM0202は、CPU0201から直接アクセスできる一般的な揮発性記憶装置の一種で、CPU0201のワークエリアまたはその他一時的なデータ記憶領域として使用される。記憶部0205は、画像形成装置動作時の一時記憶領域およびワークメモリとして機能する。
【0020】
エンジンI/F0209は、プリンタエンジン02010との通信、制御を司る。給紙デッキI/F0204は、給紙デッキ0211との通信、制御を司る。給紙デッキ0211は、給紙デッキ0103、0104、オプションデッキ0105をハード構成として総称するものである。UIパネル0203は、UIパネル0102のハード構成であり、画像形成装置0101の操作全般を行うためのユーザインターフェースである。本実施形態では、UIパネル0203は静電容量方式のタッチパネルを備えたものとする。
【0021】
ネットワークインターフェース(以下、NW I/F)0207は、ケーブル0213を介して情報処理装置0109のNW I/F0238と接続され、情報処理装置0109と画像形成装置0101の通信を司る。なお、この例ではシステムバス0212、0239に接続されたインターフェース同士が直接接続されている形式であるが、情報処理装置0109と画像形成装置0101は例えばネットワーク等で接続されている形式でもよく、その接続形式を限定しない。ビデオI/F0206は、ビデオケーブル0241を介してビデオI/F0233と接続され、情報処理装置0109と画像形成装置0101の間の画像データの通信を司る。
【0022】
なお、情報処理装置0109における画像形成装置0101との接続インターフェースは、NW I/F0238とビデオI/F0233の機能を統合した形式をとっても良い。また、画像形成装置0101における情報処理装置0109との接続インターフェースは、NW I/F0207とビデオI/F0206の機能を統合した形式をとっても良い。
【0023】
アクセサリI/F0208は、ケーブル0225を介してアクセサリI/F0214、アクセサリI/F0220と接続する。即ち、画像形成装置0101はアクセサリI/F0208、0214、0220を介して検査ユニット0106、大容量スタッカ0107と互いに通信を行う。
【0024】
CPU0216は、システムバス0219を介して検査ユニット0106内の各部における制御や演算、記憶部0247に格納され、RAM0217にロードされるプログラムの実行を司る。RAM0217は、CPU0216から直接アクセスできる一般的な揮発性記憶装置の一種で、CPU0216のワークエリアまたはその他一時的なデータ記憶領域として使用される。記憶部0247は、検査装置動作時の一時記憶領域およびワークメモリとして機能する。検査装置I/F0215は、ケーブル0248を介して検査装置ユニットI/F0231と接続する。即ち、検査ユニット0106は、検査装置I/F0215と検査装置ユニットI/F0231とを介して検査装置0108と通信を行う。
【0025】
撮影部0218は、例えばコンダクトイメージセンサ(以下、CIS)を搭載した撮影機能を備え、検査ユニット内を通過する用紙を撮影し、撮影した画像を検査装置I/F0215を介して検査装置0108に送信する。なお、撮影部0218に対するCISはセンサの一例であり、CCDイメージセンサなど他の種類のセンサであっても良く、その撮影方式を限定しない。
【0026】
CPU02220は、システムバス0224を介して大容量スタッカ0107内の各部における制御や演算、記憶部0248に格納され、RAM0222にロードされるプログラムの実行を司る。RAM0222は、CPU0221から直接アクセスできる一般的な揮発性記憶装置の一種で、CPU0221のワークエリアまたはその他一時的なデータ記憶領域として使用される。記憶部0248は、検査装置動作時の一時記憶領域およびワークメモリとして機能する。排紙部0223は、メイントレイとトップトレイへの排紙動作や、メイントレイとトップトレイ各々の積載状況の監視や制御を司る。
【0027】
CPU0226は、システムバス0230を介して検査装置0108内の各部における制御や演算、記憶部0228に格納され、RAM0227にロードされるプログラムの実行を司る。RAM0227は、CPU0226から直接アクセスできる一般的な揮発性記憶装置の一種で、CPU0226のワークエリアまたはその他一時的なデータ記憶領域として使用される。記憶部0228は、検査装置動作時の一時記憶領域およびワークメモリとして機能する。PDL解析部0229は、クライアントコンピュータ0110や情報処理装置0109から受信した例えばPDF、PostScript、PCLなどのPDLデータを読み込み、解釈処理を実行する。表示部0245は例えば検査装置に接続される液晶ディスプレイであり、検査装置へのユーザの入力を受け付けたり、検査装置の状態を表示したりする。
【0028】
CPU0234は、システムバス0239を介して情報処理装置0109内の各部における制御や演算、記憶部0236に格納され、RAM0235にロードされるプログラムの実行を司る。RAM0235は、CPU0234から直接アクセスできる一般的な揮発性記憶装置の一種で、CPU0234のワークエリアまたはその他一時的なデータ記憶領域として使用される。記憶部0236は、情報処理装置動作時の一時記憶領域およびワークメモリとして機能する。ネットワークインターフェース(以下、NW I/F)0237は、ネットワークを介してNW I/F0232、0240と接続される。情報処理装置0109は、NW I/F0237、NW I/F0232を介して検査装置0108と通信を行う。また、情報処理装置0109は、NW I/F0237、NW I/F0240を介してクライアントコンピュータ0110と通信を行う。
【0029】
CPU0243は、システムバス0246を介してクライアントコンピュータ0110内の各部における制御や演算、記憶部0245に格納され、RAM0242にロードされるプログラムの実行を司る。RAM0242は、CPU0243から直接アクセスできる一般的な揮発性記憶装置の一種で、CPU0243のワークエリアまたはその他一時的なデータ記憶領域として使用される。記憶部0244は、クライアントコンピュータ動作時の一時記憶領域およびワークメモリとして機能する。
【0030】
図3は、クライアントコンピュータ0110が有するプログラムの構成を例示した図である。
【0031】
ブートローダ301は、クライアントコンピュータ0110の電源投入直後に実行されるプログラムである。これらプログラムには、システムの起動に必要となる各種起動シーケンスを実行するためのプログラムが含まれる。
【0032】
オペレーティングシステム302は、クライアントコンピュータ0110の機能を実現する各種プログラムの実行環境を提供することを目的としたプログラムである。これは、クライアントコンピュータ0110のメモリ、即ちRAM0242、記憶部0244等の資源管理などの機能を提供する。
【0033】
ネットワーク制御プログラム303は、ネットワークを介して接続される機器に対してデータを送受信する際に実行されるプログラムである。すなわち、印刷ジョブを画像形成装置0101に送信し、印刷処理を実行する際に用いられる。また制御ファイルを検査装置0108に送信する際にも用いられる。また、検査装置0108から印刷ジョブ送信指示を受信する際にも用いられる。
【0034】
ワークフロー制御プログラム304は、印刷ジョブの生成や印刷ジョブの送信、制御ファイルの生成などを集中的に管理するためのプログラムであり、クライアントコンピュータ0110の中核をなすものである。
【0035】
第二の受信プログラム305は、検査装置0108から印刷ジョブの送信指示を受け付けることを目的としたプログラムである。同プログラムが検査装置0108から印刷ジョブ送信指示を受信したら、その指示・条件等をワークフロー制御プログラム304に通知する。
【0036】
第二の送信プログラム306は、検査装置0108に対して制御ファイルを送信することを目的としたプログラムである。同プログラムは印刷ジョブ送信前に当該印刷ジョブの情報を用いて制御ファイルを作成し、その制御ファイルを検査装置0108に送信する。
【0037】
図4は、クライアントコンピュータ0110で生成された印刷ジョブの一例を示したものである。本実施形態では印刷ジョブフォーマットは、標準規格であるJDF(Job Definition Format)形式で説明する。印刷ジョブに含まれる情報のうち主要なものは、ジョブID(401)、印刷ジョブ名(402)、PDFデータが何に使われるのかを示すためのリソース情報(403)、印刷ジョブの部数(404)である。ジョブID(401)は印刷ジョブを一意に特定するためのものである。
【0038】
図5は、クライアントコンピュータ0110で生成され、検査装置108に送信される制御ファイルの一例を示したものである。制御ファイルは印刷ジョブの概要を表し、検査装置0108等の機器に印刷ジョブの情報を伝達する目的で使われる。なお、本実施形態では制御ファイルのフォーマットをXML(eXtensible Markup Language)で作成しているが、JSON(JavaScript Object Notation)形式などのフォーマットで作成しても構わない。
【0039】
500は、制御ファイルのルート要素を表し、1つの印刷ジョブに対応する。501は、ジョブIDを表し、
図4の印刷ジョブのジョブID401と同じ値が入る。502は、検査装置0108で基準画像を特定する目的で使われる基準画像識別子である。基準画像識別子の値は、印刷ジョブ名(402)やリソース情報(403)からマッピングすることができる。あるいは、検査準備時において、基準画像を登録する際に、
図8(A)に例示する設定画面800の基準画像識別子(802)に入力した値と同じ値を入れることもできる。本実施形態においては、第二の送信プログラムが印刷ジョブ名(402)の値を基準画像識別子(502)にマッピングする。
【0040】
503は、印刷ジョブの部数である。印刷ジョブの部数とは1回の印刷キューに対して何回同じものの印刷を繰り返すかを意味する。例えば、ページ数が10ページならその10ページ全てを何部(何回)印刷するかを指定する。印刷ジョブの部数は検査の際、検査を何回行うかを判断するために利用される。制御ファイル内の印刷ジョブの部数503に少ない値が入力されると、検査されるべき印刷物が検査されなくなる。従って、制御ファイルの印刷ジョブの部数503は、印刷ジョブに指定されている部数と同じ値にする。
【0041】
504は、基準画像登録時に使われる印刷物のスキャン回数である。スキャン回数は基準画像を作成するときに、良品を何回スキャンするかを指定する。本実施形態では、良品を複数回スキャンして得られた画像を合成することにより、基準画像を得る。画像を合成して得られた基準画像は、基準画像内のノイズが減るため検査精度が高くなる。逆に、良品のスキャン回数が少ないと、基準画像内のノイズが目立ち、検査精度が低くなる。
【0042】
505は、印刷ジョブのコレート設定の有無である。コレート設定有りで複数部数を印刷する場合は、1ページ目、2ページ目、3ページ目といった印刷ではなく、1ページ目、1ページ目、1ページ目といった具合に印刷処理が進む。そのため、コレート設定の有無は、検査も1ページ目、1ページ目、1ページ目のように検査を行うか否かを判断するために利用される。
【0043】
506は、印刷ジョブの両面設定である。両面設定は、印刷物の表面に加えて、裏面も検査対象とするか否かを判断するために利用される。
【0044】
507は、印刷ジョブに指定されている用紙サイズである。
【0045】
図6は、印刷物と基準画像を紐付けるためのデータベースに保存されている情報の例である。このデータベース600は検査装置0108の記憶部0228にある。検査装置0108のNW I/F0232が、クライアントコンピュータ0110のNW I/F0237から制御ファイルを受信したら、CPU0226が制御ファイルを解析し、制御ファイル内の基準画像識別子(502)から値を取得する。CPU0226はデータベース600を確認し、基準画像識別子(502)の値と同じものが存在すれば、登録されている基準画像と制御ファイルが表す印刷ジョブを関連付ける。なお、データベース600では1枚の基準画像が登録されている例を説明したが、複数枚の基準画像においても同様の処理となる。
【0046】
以下フローチャートを用いて、本発明の特徴となる処理について説明する。なお、本フローに係る画像形成装置のプログラムは、画像形成装置0101の記憶部0205に記憶されており、RAM0202に読み出され、CPU0201によって実行される。また、本フローに係る検査装置のプログラムは、検査装置0108の記憶部0228に記憶されており、RAM0227に読み出され、CPU0226によって実行される。また、本フローに係る情報処理装置のプログラムは、情報処理装置0109の記憶部0236に記憶されており、RAM0235に読み出され、CPU0234によって実行される。また、本フローに係るクライアントコンピュータのプログラムは、クライアントコンピュータ0110の記憶部0245に記憶されており、RAM0242に読み出され、CPU0243によって実行される。
【0047】
図7は、クライアントコンピュータ0110、検査装置0108、画像形成装置0101、およびこれらの操作者であるユーザが、システムが提供する機能を利用する際のシステムフロー図である。各システム内において複数のサブシステムが相互に作用しながら処理する必要がある場合には、それらのサブシステムのレベルでフローを説明する。
【0048】
S700、S711ならびにS720ユーザ操作は、ユーザが同図において示す一連のフローを実現するために、クライアントコンピュータ0110が提供する画面に対して指示した操作の内容ならびにその操作の結果、発生するフローの関連を示す欄である。
【0049】
ユーザはS700にて、クライアントコンピュータ0110に対して、基準画像登録を指示する。例えば、ユーザはテスト印刷ボタン押下の操作を行う。具体的には、ワークフロー制御プログラム304及び第二の送信プログラム306が同ステップの指示による操作を受け、基準画像登録を行うための各種処理が実行される。S701にて、ワークフロー制御プログラム304は印刷ジョブを作成する。
【0050】
S702にて、第二の送信プログラム306は印刷ジョブの設定を基に制御ファイルを作成し、検査装置0108に制御ファイルを送信する。送信方法はHTTP通信で行っても良いし、クライアントコンピュータ0110と検査装置0108それぞれがアクセス可能なフォルダに制御ファイルを置くでもよい。本実施形態では、フォルダに制御ファイルを置く方法で説明を行う。
【0051】
S703にて、CPU0226は、S702で作成された制御ファイルを読み込む。S704にて、CPU0226は、前記制御ファイルを解析し、基準画像の属性情報を設定する。例えば
図8(A)に例示する設定画面800の各種項目に制御ファイルに記載された値を自動反映する。なお、基準画像の属性情報を設定する際、基準画像がどのような印刷物に対するものなのかを示すジョブ情報を指定させる。例えば、ユーザに指定させる場合は、
図8(A)に例示する設定画面800を表示し、802の基準画像識別子を入力させる。802に入力させる値は、印刷物を特定できる値であれば何でも構わない。検査する印刷物が予め分かっている場合は
図8(B)の807に例示するように、ドロップダウンリストの中から選ばせることもできる。また、制御ファイルが既にクライアントコンピュータ0110から通知されている場合は、ファイル選択画面(不図示)を表示し、基準画像に関連付けたい制御ファイルを選ばせ、制御ファイル内の基準画像識別子(502)を利用してもよい。なお、基準画像の属性に応じ、基準画像識別子以外の情報を設定することがある。本実施形態では、801のJob ID、803の用紙サイズ、804のコレート設定、805のシート数、806の部数といった情報を設定する。
【0052】
S705にて、CPU0226は、基準画像読み込みを開始する。この時、検査ユニットI/F0231は検査装置I/F0215に基準画像読み込み開始を通知する。すると、CPU0216は撮影部0218に基準画像読み込みの準備をするよう通知し、準備が完了したらその旨を検査装置I/F0215、検査ユニットI/F0231を介してCPU0226に通知する。S706にて、基準画像登録の準備が完了したので、CPU0226は、印刷物のスキャン画像を受信待ち状態になる。S723にて、基準画像登録の準備完了通知を受けると、S707にて、ワークフロー制御プログラム304は情報処理装置0109を介して、画像形成装置0101に印刷ジョブを送信する。尚、S706で、基準画像登録の準備完了通知を送る際、スキャン回数に関する情報も送信する。S707で、送信される印刷ジョブの部数を、受信したスキャン回数にして、画像形成装置へ、印刷ジョブを送信する。つまり、S707で送信される印刷ジョブには、検査装置から受け取ったスキャン回数を、ジョブの部数として含まれる。
【0053】
S708にて、CPU0201は印刷ジョブに含まれるPDFデータを印刷する。すると、用紙搬送パスを通過する際に、検査ユニット0106が印刷された画像をスキャンする。S709にて、CPU0226は、当該スキャンした画像を検査装置I/F0215、検査ユニットI/F0231を介して検査ユニット0106から受信する。S710にて、CPU0226はS702にて受信した画像を、RAM0227に基準画像として登録する。このとき、複数枚の基準画像を読み込んでおいてユーザに選択させたり、複数枚を合成したり、基準画像を複数登録できたりしても良い。
【0054】
S711にて、CPU0226は検査パラメータ設定画面(不図示)を表示部0245に表示する。表示部0245が検査パラメータ設定画面において「完了」指示を受け付けたら、フローを終了する。
【0055】
以上により、良品をスキャンすることで基準画像を検査装置に登録し、その基準画像と印刷・検査対象の印刷物を関連づける。
【0056】
基準画像登録の後、S712にて、クライアントコンピュータ0110に対して、ユーザは検査実行を指示する。例えば、ユーザは印刷ボタン押下の操作を行う。具体的には、ワークフロー制御プログラム304及び第二の送信プログラム306が同ステップの指示による操作を受け、検査を行うための各種処理が実行される。
【0057】
S713にて、ワークフロー制御プログラム304は印刷ジョブを作成する。S714にて、第二の送信プログラム306は、印刷ジョブの設定を基に
図5に示す制御ファイルを作成し、検査装置0108に制御ファイルを送信する。S715にて、CPU0226は、制御ファイルに記述された情報を使って、印刷ジョブに対応する基準画像を取得する。S715の詳細は
図9を用いて後述する。
【0058】
S716にて、CPU0226は、基準画像との紐付けが完了した印刷ジョブの検査を開始し、検査対象画像読み込みを開始する。S717にて、基準画像登録の準備が完了したので、CPU0226は、印刷物のスキャン画像を受信待ち状態になる。S724にて、CPU0226は、検査装置0108から、スキャン画像を受信待ち状態であること、つまり、検査の準備が完了できたことを示す情報を取得する。S724にて、検査準備完了通知を受けると、S718にて、ワークフロー制御プログラム304は情報処理装置0109を介して、画像形成装置0101に印刷ジョブを送信する。
【0059】
S719にて、用紙が用紙搬送パスを通過する際に、画像形成装置0101が印刷された画像をスキャンする。S720にて、CPU0226は当該スキャンした被検査画像を検査装置I/F0215、検査ユニットI/F0231を介して検査ユニット0106から受信する。S721にて、CPU0226は、S708にて印刷ジョブと紐付けが行われた基準画像を記憶部0228より読み出して、検査ユニット0106から受信した被検査画像と比較する。比較した結果、検査OKであれば印刷物は大容量スタッカ0107の排紙部0223のメイントレイに出力され、検査NGであれば排紙部0223のトップトレイに出力される。S722にて、比較した検査結果はCPU0226がユーザに通知する。通知方法は、検査装置0108の表示部0245に表示してもよいし、クライアントコンピュータ0110に通知してもよい。通知方法については特に制約は無い。
【0060】
すべての被検査画像に対する検査が終了したら、フローを終了する。
【0061】
なお、本実施形態においては、検査対象画像が1枚の時の処理を説明したが、複数枚の検査対象画像においても連続して検査できることは言うまでもない。
【0062】
図9は、S715にて行われる、印刷ジョブに対応する基準画像の取得処理を説明するフロー図である。
【0063】
S730にて、クライアントコンピュータ0110から制御ファイルを受信したら、CPU0226が制御ファイルを解析する。S731にて、CPU0226は、制御ファイル内の基準画像識別子(502)から値を取得する。S732にて、CPU0226はデータベース600を検索し、基準画像識別子(502)の値と対応する基準画像を検索する。
【0064】
S733にて、CPU0226は、基準画像識別子の値と対応する基準画像が登録されているか、すなわち、印刷ジョブに対応する基準画像が登録されているかどうかを判断する。印刷ジョブに対応する基準画像が登録されている場合はS734に進み、登録されていない場合はS735に進む。S734にて、CPU0226は、印刷ジョブに対応する基準画像を取得し、S716に進む。S735にて、CPU0226は例えば画面800にて基準画像識別子(802)を入力するように、表示部0245に警告メッセージ(不図示)を表示する。警告メッセージが解消されるまでは、エラーで処理を中断する。S736にて、CPU0226は、既に登録されている基準画像を表示し、その中から選択させる。基準画像識別子の値と対応する基準画像は登録されていないが、別の基準画像を流用させる場合には、流用する基準画像をユーザ選択させ、選択された基準画像を、印刷ジョブ対応する基準画像とする。
【0065】
本実施形態によると、検査実施時に、制御ファイル内に記述された値を基に印刷ジョブにて生産される印刷物と基準画像の関連付けを行い、個別識別データを付与できない印刷物においても、自動で基準画像を特定でき、検査業務の効率化を実現することができる。
【0066】
尚、本実施形態では、良品を複数回スキャンして得られた画像を合成することにより、基準画像を得る例を示したが、良品を1回スキャンして得られた画像を基準画像とするようにしてもよい。
【0067】
(第2の実施形態)
実施形態1では、制御ファイルの送信後、すぐに印刷ジョブを送信する例を説明した。一方、検査装置0108側で検査開始処理が終わっていないのに、印刷が実行されてしまう場合がある。実施形態2では
図10(A)を用いて、検査装置0108がクライアントコンピュータ0110に対して印刷ジョブの送信指示を行う例を説明する。なお、第1の実施形態との共通の部分は説明を省略する。
【0068】
図10(A)は、本実施形態における、
図7のS717の処理を詳細に説明したフロー図である。
【0069】
S740にて、CPU0226は、印刷物のスキャン画像の読み込み準備を行う。
図7では、S705とS716とが、S740の処理に相当する。
【0070】
S741にて、CPU0226は、スキャン画像の読み込み準備が完了したか否かを判断する。完了している場合は、CPU0226は印刷物のスキャン画像を受信待ち状態になり、S742に進む。完了していない場合は、CPU0226はS740に戻り、印刷物のスキャン画像の読み込み準備を継続する。
【0071】
S742にて、CPU0226は、検査開始可能となった印刷ジョブの送信指示をクライアントコンピュータ0110の第二の受信プログラム305に行う。具体的には、制御ファイルの送信方法と同様に、HTTP通信で行っても良いし、クライアントコンピュータ0110が共有フォルダに置いた制御ファイルをCPU0226が削除することにより、削除イベントを第二の受信プログラム305に通知するでもよい。本実施形態では、CPU0226が制御ファイルを共有フォルダから削除することにより、第二の受信プログラム305に基準画像登録の準備が完了したことを通知する。
【0072】
図7のS723にて、第二の受信プログラム305は、フォルダに置かれた制御ファイルの削除イベントを取得することで、当該制御ファイルに対応する印刷ジョブが送信可能であると判断する。そして、第二の受信プログラム305は、ワークフロー制御プログラム304に当該印刷ジョブの送信指示を伝達する。
【0073】
S718にて、ワークフロー制御プログラム304は、S723で判断された印刷ジョブの送信を行う。
【0074】
以上のように本実施形態で示されるクライアントコンピュータ0110は、印刷ジョブにて生産される印刷物の検査が確実に実行可能なときに、印刷ジョブを送信することができる。
【0075】
(第3の実施形態)
実施形態2では、検査が開始可能な印刷ジョブを送信するよう、検査装置0108からクライアントコンピュータ0110に指示を行う例を説明した。一方、画像形成装置の生産性を落とさずに検査を行うためには、両面循環の制御を考慮する必要がある。例えば、直前の印刷ジョブ終了後、次の印刷ジョブの送信指示をするような場合、両面循環が切れるので、画像形成装置の生産性は低下してしまう。そこで、本実施形態では、両面循環を考慮した印刷ジョブ送信指示の例を説明する。
【0076】
S712にて、ユーザが複数の印刷ジョブの検査を指示する。
【0077】
S713にて、ワークフロー制御プログラム304はユーザからの指示のあった複数の印刷ジョブを作成する。なおかつ、S714にて、第二の送信プログラム306は前記複数の印刷ジョブに対応する制御ファイルを作成し、検査装置0108に送信する。
【0078】
図10(B)は、本実施形態における、
図7のS717の処理を詳細に説明したフロー図である。
【0079】
S743にて、CPU0226は、S741で検査が可能と判断された複数の印刷ジョブそれぞれの基準画像識別子を比較し、基準画像識別子が同じ(つまり、同じ絵柄)かどうかを判断する。ここで基準画像識別子が同じ場合はS744に進み、異なる場合はS747に進む。
【0080】
S744にて、CPU0226は、印刷ジョブの用紙サイズを比較し、当該印刷ジョブで生産される印刷物の用紙サイズが同じかどうかを判断する。同じ場合は、S745に進み、異なる場合はS747に進む。
【0081】
画像形成装置の両面循環は用紙サイズと搬送路の長さで制御しているので、S745にて、CPU0226は、同一用紙サイズの用紙が画像形成装置に連続給紙されるように基準画像識別子が同じで、尚且つ用紙サイズも同じ印刷ジョブを連続で印刷する対象とする。
【0082】
S746にて、CPU0226は、全ての印刷ジョブに対して判断処理が完了したかを判断する。全ての印刷ジョブに対して判断処理が完了している場合はS742に進み、完了していない場合はS743に進む。
【0083】
本実施形態における
図7のS718は、S745で、連続送信対象となったジョブに対しては、連続してジョブ送信を行う。また、S747で、個別送信対象となったジョブに対しては、個別にジョブ送信を行う。
【0084】
以上のように画像形成装置の両面循環を考慮して、検査装置0108がクライアントコンピュータ0110に対して印刷ジョブの送信指示を行うことにより、画像形成装置の生産性を高めつつ、検査を実施することができる。
【0085】
以上説明した実施形態によれば、印刷装置から検査装置に、基準画像識別子やジョブに関する情報が渡せない、あるいは、渡さないシステムであっても、検査装置は、クライアントコンピュータから、基準画像を特定する情報を受け取ることができる。そのため、結果として、検査装置で正しい基準画像を用いて検査することができる。
【0086】
(その他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上記実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワークまたは各種記憶媒体を介してシステムあるいは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPUなど)がプログラムを読みだして実行する処理である。