(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】光端末装置
(51)【国際特許分類】
H04N 21/647 20110101AFI20241125BHJP
H04B 10/27 20130101ALI20241125BHJP
H04H 20/78 20080101ALI20241125BHJP
【FI】
H04N21/647
H04B10/27
H04H20/78
(21)【出願番号】P 2020163383
(22)【出願日】2020-09-29
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000114226
【氏名又は名称】ミハル通信株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100144749
【氏名又は名称】小林 正英
(74)【代理人】
【識別番号】100076369
【氏名又は名称】小林 正治
(72)【発明者】
【氏名】椿 一成
(72)【発明者】
【氏名】栗原 正美
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-296492(JP,A)
【文献】特開2011-040908(JP,A)
【文献】特開2012-257283(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 -21/858
H04B 10/00 -10/90
H04H 20/51 -20/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともTV放送信号及び告知放送信号を含む光混合信号を電気混合信号(以下、単に「混合信号」という。)に変換し、変換後の混合信号を端末機出力端から出力できる光端末装置において、
前記光端末装置は
前記光混合信号を
前記混合信号に変換する光/電変換部と、
前記光/電変換部の変換部出力端から出力される
前記混合信号を出力できる二以上の
前記端末機出力端と、二以上の
前記端末機出力端のうち
前記混合信号が出力される
前記端末機出力端を選択する出力端選択スイッチと、
前記光端末装置が給電から無給電になると接続が自動的に切替わる無給電時対応スイッチを備え、
前記出力端選択スイッチは切替え操作により、
前記混合信号が出力される二以上の
前記端末機出力端と、少なくとも一つの
前記端末機出力端を選択することができ、
前記無給電時対応スイッチは、
前記光端末装置への給電時には
前記出力端選択スイッチで選択された二以上の
前記端末機出力端から同じ
である前記混合信号が出力され、無給電時には
前記出力端選択スイッチで選択された少なくとも一つの
前記端末機出力端から
前記混合信号が出力されるように接続が自動的に切替わる、
ことを特徴とする光端末装置。
【請求項2】
請求項1記載の光端末装置において、
前記光/電変換部は少なくとも二つの
前記変換部出力端を備え、
前記変換部出力端には同じ
前記混合信号が出力され、変換部出力端側に伝送路があり、
一つの伝送路には給電時に作動し無給電時に作動しない伝送機器があり、他の伝送路には
前記出力端選択スイッチがあり、
前記変換部出力端から、同じ
前記混合信号が出力される、
ことを特徴とする光端末装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の光端末装置において、
前記光/電変換部の一つの変換部出力端側の伝送路に、給電時には作動し無給電時には作動しない伝送機器があり、他の変換部出力端側の伝送路に
前記出力端選択スイッチがあり、
前記伝送機器の出力側に分配器があり、
前記分配器の出力側と、前記出力端選択スイッチの出力側に
前記無給電時対応スイッチがあり、
夫々の
前記無給電時対応スイッチの出力側に
前記端末機出力端がある、
ことを特徴とする光端末装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2記載の光端末装置において、
前記光/電変換部の一つの変換部出力端側の伝送路に、給電時には作動し無給電時には作動しない伝送機器があり、
前記伝送機器の出力側に
前記出力端選択スイッチがあり、
前記出力端選択スイッチの出力側に分配器があり、
前記分配器
の分配出力側と、
前記光/電変換部の他の変換部出力端側の伝送路に
前記無給電時対応スイッチがあり、
前
記分配器の
前記分配出力側に
前記端末機出力端がある、
ことを特徴とする光端末装置。
【請求項5】
請求項1又は請求項2記載の光端末装置において、
前記光/電変換部の一つの変換部出力端側の伝送路に、給電時には作動し無給電時は作動しない伝送機器があり、前記伝送機器の出力側と、前記光/電変換部の他の変換部出力端側の伝送路に前記無給電時対応スイッチがあり、
前記無給電時対応スイッチの出力側に前記出力端選択スイッチがあり、前記出力端選択スイッチの出力側
に分配器があり、
前記分配器の一方の分配出力側と他方の分配出力側の夫々に前記端末機出力端がある、
ことを特徴とする光端末装置。
【請求項6】
請求項1又は請求項2記載の光端末装置において、
前記出力端選択スイッチとして第1の出力端選択スイッチと第2の出力端選択スイッチがあり、
前記光/電変換部の一つの変換部出力端側の伝送路に、給電時には作動し無給電時は作動しない伝送機器があり、
前記伝送機器の出力側に
前記第2の出力端選択スイッチがあり、
前記光/電変換部の他の変換部出力端側の伝送路に
前記第1の出力端選択スイッチがあり、
前記第2の出力端選択スイッチの出力側に分配器があり、
前記分配器の二以上の分配出力側と
前記第2の出力端選択スイッチの出力側に
前記無給電時対応スイッチがあり、
前記無給電時対応スイッチの夫々の出力側に
前記端末機出力端がある、
ことを特徴とする光端末装置。
【請求項7】
請求項
6記載の光端末装置において、
前記光/電変換部の一つの変換部出力端側の伝送路に、給電時には作動し無給電時は作動しない伝送機器があり、
前記伝送機器の出力側に
前記第2の出力端選択スイッチがあり、
前記光/電変換部の他の変換部出力端側の伝送路に
前記分配器があり、
前記第2の出力端選択スイッチの出力側に他の分配器があり、
前記伝送路にある前記分配器の二以上の分配出力側の夫々と、前記
他の分配器の夫々の出力側に
前記無給電時対応スイッチがあり、
前記無給電時対応スイッチの夫々の出力側に
前記端末機出力端がある、
ことを特徴とする光端末装置。
【請求項8】
請求項
6又は請求項7記載の光端末装置において、
前記第2の出力端選択スイッチを所定の接続に設定すると、
前記光/電変換
部から出力される
前記混合信号が、給電時には二以上の
前記端末機出力端から出力され、無給電時には少なくとも一つの
前記端末機出力端から出力され、他の接続に切替えると、前記混合信号が、給電時も無給電時も少なくとも一つの
前記端末機出力端から出力される、
ことを特徴とする光端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はテレビジョン放送、告知放送等の共同受信システムで使用される光端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
共同受信システムの一つとしてCATVシステムがある。CATVの光伝送システムでは、ケーブルテレビ局から加入者に伝送される光信号が、加入者側で電気信号に変換(光/電気変換)されて、加入者宅内のテレビ受像機、告知放送受信機等の受信機器で受信される。前記光/電気変換は光端末装置で行われる。
【0003】
光端末装置としては、例えば、CATV光伝送システムの伝送路の途中に設置される光ノード、加入者側に設置されるV-ONU(Video-Optical Network Unit)、D-ONU(Data-Optical Network Unit)、V/D-ONU(Video/Data-Optical Network Unit)等がある。以下、これらをまとめて「光端末装置」又は「V-ONU」という。
【0004】
ケーブルテレビ局(送信側)から伝送される光信号は、共同受信信号、告知放送信号、遠隔制御信号等の各種信号が混合(多重)されている混合信号(多重信号)である。共同受信信号はCATV帯域(70MHz~770MHz)のテレビジョン放送信号と、BS/CS-IF帯域(1032MHz~3224MHz:4K・8K放送開始前の2018年11月までは1032MHz~2610MHz)のテレビジョン放送信号を含み、告知放送信号は地震、風水害等の災害発生報知や予告時等に使用されるものであってFM帯域(70MHz~90MHz)が使われることが一般的である。
【0005】
CATVシステムのケーブルテレビ局から送られる光信号は、加入者宅のV-ONUに送られ、V-ONUで電気信号に変換(光/電気変換)される。光/電気変換後の混合信号は
図8(a)(b)、
図9(a)(b)のように、加入者の引込端子を介して加入者宅内に引き込まれる。引き込まれた混合信号のうち、共同受信信号(TV放送信号:RF信号)は加入者宅内のテレビジョン受信機(以下、「TV受信機」という。)Wで受信され、告知放送信号(FM信号)は加入者宅内の告知放送信号受信機(以下、「告知受信機」という。)Xで受信される。
【0006】
加入者宅内の引込形態には各種引込形態がある。例えば、1加入者が一つの引込端子を備えている1加入者1引込形態(
図8(a)(b))、1加入者が二つの引込端子を備えている1加入者2引込形態(
図9(a)(b))がある。
【0007】
V-ONUには加入者宅内の引込形態に合わせて各種形態がある。混合信号中のRF信号とFM信号を共通の一つの出力端子から出力する1出力型と、RF信号とFM信号を別々の二つの出力端子から出力する2出力型がある。1出力型は1加入者1引込形態に対応でき、2出力型は1加入者2引込形態に対応可能である。
【0008】
[引込形態1]
図8(a)は、1加入者1引込形態、V-ONUが1出力型の場合であり、TV受信機Wと告知受信機Xのいずれかが加入者宅内の一つの室内の1壁面端子に一台ずつ設置されている受信形態である。この受信形態では、V-ONUの一つの出力端子から出力される混合信号が引込端子を介して室内に送られ、室内の4分配器Zで4分配される。4分配された信号中のTV放送信号がTV受信機Wで受信され、告知放送信号が告知受信機Xで受信される。
【0009】
[引込形態2]
図8(b)も、1加入者1引込形態、V-ONUが1出力型の場合であり、一つの室内の1壁面端子にTV受信機Wと告知受信機Xが設置され、他の室内の1壁面端子にTV受信機Wが一台ずつ設置されている受信形態である。この受信形態では、V-ONUの一つの出力端子から出力される混合信号が引込端子を介して室内に送られ、室内の4分配器Zで4分配される。4分配された信号中のTV放送信号はTV受信機Wのみが設置されている室内ではそのTV受信機Wで受信され、TV受信機Wと告知受信機Xが設置されている室内では、2分配器YでTV放送信号と告知放送信号に2分配され、TV放送信号がそのTV受信機Wで、告知放送信号がその告知受信機Xで受信される。
【0010】
[引込形態3]
図9(a)は、1加入者2引込形態、V-ONUが2出力型の場合であり、加入者宅内の一つの室内の1壁面端子にTV受信機W又は告知受信機Xが一台ずつ設置されている受信形態である。この受信形態では、V-ONUの一方の出力端子から出力される混合信号は引込端子を介して室内に送られ、室内の4分配器Zで4分配される。4分配された信号中のTV放送信号は夫々の室内のTV受信機Wで受信される。V-ONUの他方の出力端子から出力される混合信号中の告知放送信号は告知受信機Xで受信される。
【0011】
[引込形態4]
図9(b)は、1加入者2引込形態、V-ONUが2出力型の場合であり、加入者宅内の一つの室内にTV受信機Wと告知受信機Xが一台ずつ設置され、他の室内にTV受信機Wが一台ずつ設置されている受信形態である。この受信形態では、V-ONUの一方の出力端子から出力される混合信号は引込端子を介して室内に送られ、室内の4分配器Zで4分配される。4分配された信号中のTV放送信号は夫々の室内のTV受信機Wで受信される。V-ONUの他方の出力端子から出力される混合信号は、告知受信機Xが設置された室内に送られ、その告知受信機Xで受信される。
【0012】
[1出力型V-ONUのメリット、デメリット]
1出力型V-ONU1aから1加入者1引込形態(
図8(a)(b))に引き込む場合は、V-ONUから出力される混合信号を加入者宅内に配線されている既設の同軸ケーブルで伝送できるため、加入者宅内に新たに告知信号伝送用同軸ケーブルの配線工事を行う必要がないというメリットがある。しかし、混合信号を加入者宅内の4分配器Zで4分配するため、TV受信機Wで受信されるTV放送信号、告知受信機Xで受信される告知放送信号の受信レベルが低下する。室内に2分配器Yが必要になる。また、電源供給系統の調査が必要になるといったデメリットがある。
【0013】
[2出力型V-ONUのメリット、デメリット]
2出力型V-ONU1bから1加入者2引込形態(
図9(a)(b))に引き込む場合は、前記いずれのデメリットもないが、1加入者1引込形態(
図8(a)(b))に引き込む場合は、加入者宅内に新たな同軸ケーブルの配線工事が必要になるというデメリットがある。
【0014】
[二種類の出力型V-ONUの用意]
従来は、1出力型と2出力型の二種類のV-ONUを用意し、1出力型と2出力型を、敷設現場において加入者の引込形態に合わせて使い分けていた。
【0015】
[切替え式V-ONU]
1出力型と2出力型の二種類のV-ONUを用意すると、V-ONUの生産、在庫管理、施工現場への持ち運び、敷設工事が面倒になる。これら面倒を解消するため、従来はスイッチ操作により、一台で1出力型と2出力型に切替え可能なV-ONUがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
V-ONUへの給電は停電やその他の理由で停止して無給電になることがある。告知放送には地震、風水害等の災害発生報知信号やその他の緊急信号が含まれるため、V-ONUは給電時のみならず無給電時でも告知放送信号を出力できるようにしてある。特許文献1のV-ONUは告知放送信号専用出力端子(特許文献1の
図6:以下、「告知専用端子」という。)を設けて、給電時も無給電時も告知放送信号を出力できるようにしてある。しかも、告知放送信号を出力するためには、その告知専用端子が必ず必要である。
【0018】
しかし、加入者によっては、共同受信システムの告知放送だけを利用し、TV信号は利用せず、TV信号は加入者宅のアンテナによって受信する場合がある。この場合は、特許文献1のV-ONUでは、告知専用端子以外の出力端子から告知放送を出力できるため、告知専用端子T1は不要であり、無駄になる。また、特許文献1では、リレーRY1~RY3、分岐器36、マッチング回路43等(いずれも、特許文献1の
図6)が必要であるため構成部品が多くなり、回路構成が複雑になる。また、給電時/無給電時のシーケンス制御も、前記数箇所のリレー制御も複雑になる、といった難点がある。
【0019】
本発明の解決課題は、告知専用端子がなくとも、二以上の出力端(端末機出力端)から、告知放送信号を含む混合信号を出力できるV-ONUを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明のV-ONUは、少なくともTV放送信号及び告知放送信号が混合された混合信号(光混合信号)を電気信号に変換して出力する光/電変換部と、光/電変換後の電気混合信号(以下、単に「混合信号」という。)が出力される二以上の端末機出力端と、二以上の端末機出力端のうち混合信号が出力される端末機出力端を選択する出力端選択スイッチと、光端末装置が無給電になると接続が自動的に切替わる無給電時対応スイッチを備えている。出力端選択スイッチは切替え操作により、混合信号が出力される二以上の端末機出力端と、少なくとも一つの端末機出力端を選択することができ、前記無給電時対応スイッチは、光端末装置への給電時には出力端選択スイッチで選択された二以上の端末機出力端から同じ混合信号が出力され、無給電時には出力端選択スイッチで選択された少なくとも一つの端末機出力端から混合信号が出力されるように接続を切替え可能としたものである。この場合、前記二以上の端末機出力端から出力される混合信号は同じレベルで出力されるようにすることもできる。後記する実施形態では、出力端選択スイッチが一つの場合(
図1及び
図2のSW3、
図3、
図4及び
図7のSW4)と、二つの場合(
図5及び
図6のSW3、SW4)がある。無給電時対応スイッチも一つの場合(
図3及び
図4のSW1)と、二つの場合(
図1及び
図2、
図5~
図7のSW1、SW2)がある。
【発明の効果】
【0021】
本発明のV-ONUは次の効果がある。
(1)告知放送信号を含む同じ混合信号を、二以上の端末機出力端から出力できるので、告知専用端子がなくとも、告知放送信号を出力することができる。
(2)二以上の端末機出力端から、同じ信号を、同じレベルで出力することができるため、二以上の端末機出力端から出力される混合信号にばらつきが生じない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明のV-ONUの実施例1であり、(a)は給電時説明図、(b)は(a)の状態で無給電になって無給電時対応スイッチSW1、SW2が自動的に切替わった状態の説明図、(c)は(a)の第1の出力端選択スイッチSW3を切替え設定したときの給電時説明図、(d)は(c)の状態で無給電になって無給電時対応スイッチSW1、SW2が自動的に切替わった状態の説明図。
【
図2】本発明のV-ONUの実施例2であり、(a)は給電時説明図、(b)は(a)の状態で無給電になって無給電時対応スイッチSW1、SW2が自動的に切替わった状態の説明図、(c)は(a)の第1の出力端選択スイッチSW3を切替え設定したときの給電時説明図、(d)は(c)の状態で無給電になって無給電時対応スイッチSW1、SW2が自動的に切替わった状態の説明図。
【
図3】本発明のV-ONUの実施例3であり、(a)は給電時説明図、(b)は(a)の状態で無給電になって無給電時対応スイッチSW1が自動的に切替わった状態の説明図、(c)は(a)の第2の出力端選択スイッチSW4を切替え設定したときの給電時説明図、(d)は(c)の状態で無給電になって無給電時対応スイッチSW1が自動的に切替わった状態の説明図。
【
図4】本発明のV-ONUの実施例4であり、(a)は給電時説明図、(b)は(a)の状態で無給電になって無給電時対応スイッチSW1が自動的に切替わった状態の説明図、(c)は(a)の第2の出力端選択スイッチSW4を切替え設定したときの給電時説明図、(d)は(c)の状態で無給電になって無給電時対応スイッチSW1が自動的に切替わった状態の説明図。
【
図5】本発明のV-ONUの実施例5であり、第1の出力端選択スイッチSW3をA-C接続にした場合である。(a)は給電時説明図、(b)は(a)の状態で無給電になって無給電時対応スイッチSW1、SW2が自動的に切替わった状態の説明図、(c)は(a)の第1の出力端選択スイッチSW3はそのままで、第2の出力端選択スイッチSW4だけを切替え設定したときの給電時説明図、(d)は(c)の状態で無給電になって無給電時対応スイッチSW1、SW2が自動的に切替わった状態の説明図。
【
図6】本発明のV-ONUの実施例6であり、回路構成は
図5と同じであるが第1の出力端選択スイッチSW3をA-B接続にした場合である。(a)は給電時説明図、(b)は(a)の状態で無給電になって無給電時対応スイッチSW1、SW2が自動的に切替わった状態の説明図、(c)は(a)の第1の出力端選択スイッチSW3はそのままで、第2の出力端選択スイッチSW4だけを切替え設定したときの給電時説明図、(d)は(c)の状態で無給電になって無給電時対応スイッチSW1、SW2が自動的に切替わった状態の説明図。
【
図7】本発明のV-ONUの実施例7であり、(a)は給電時説明図、(b)は(a)の状態で無給電になって無給電時対応スイッチSW1、SW2が自動的に切替わった状態の説明図、(c)は(a)の第2の出力端選択スイッチSW4を切替え設定したときの給電時説明図、(d)は(c)の状態で無給電になって無給電時対応スイッチSW1、SW2が自動的に切替わった状態の説明図。
【
図8】1加入者1引込形態の加入者に、1出力型V-ONUを設置した例であり、(a)、(b)は壁面端子へのTV受信機と告知受信機の接続が異なる例の説明図。
【
図9】1加入者1引込形態の加入者に、2出力型V-ONUを設置した例であり、(a)、(b)は壁面端子へのTV受信機と告知受信機の接続が異なる例の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明のV-ONUの実施形態について図面を参照して説明する。以下の実施形態は共同受信システムがCATVの光伝送システムの場合であるが、この実施形態はあくまでも本発明の一例である。本発明はCATVの光伝送システムに限らず、他の共同受信システムに使用することも可能である。
【0024】
本発明のV-ONUは従来からのV-ONUと同様に外部電源から給電されて動作し、給電時も無給電時も、少なくとも、TV放送信号(RF信号)と告知放送信号(FM信号)の双方を含む混合信号を二以上の端末機出力端から出力可能としてある。
【0025】
(実施形態1)
[V-ONUの構成]
図1(a)~(d)は本発明のV-ONUの第1の実施例である。
図1(a)~(d)は出力端選択スイッチが第1の出力端選択スイッチSW3のみ(一つ)の場合である。
図1(a)(b)は第1の出力端選択スイッチSW3の可動接点Aを手動操作で固定接点Bに接続(設定)した場合であり、(a)は給電時、(b)無給電時である。
図1(c)(d)は第1の出力端選択スイッチSW3の可動接点Aを手動操作で固定接点Cに切替え接続(設定)した場合であり、(c)は給電時、(d)無給電時である。
【0026】
図1のV-ONUは光/電変換部2と、二つの端末機出力端3、4と、モニタ端子(MON)と、無給電時対応スイッチSW1、SW2と、第1の出力端選択スイッチSW3を備えている。二つの端末機出力端3、4は加入者宅の引込端子に接続される。引込端子には
図9(a)(b)のように、4分配器Zを介して或いは直に、TV受信機W、告知受信機Xが接続される。モニタ端子MONにはモニタ機器を接続して出力信号をモニタすることができる。モニタ端子MONは必ずしも必要ではない(以下において同じ)。
【0027】
光/電変換部2は、光伝送システムの送信側から伝送されてくる光信号(少なくとも、RF信号とFM信号の混合信号)を電気信号に変換するものである。光/電変換部2は光/電気変換素子と、光/電変換部として必要な増幅回路、出力回路等の各種電気回路を備えている。光/電気変換素子にはフォトダイオード、その他の素子が使用される。光/電変換部2には少なくとも二つの変換部出力端2a、2bがあり、夫々の変換部出力端2a、2bの先に伝送路L1、L2がある。両変換部出力端2a、2bからは同じ混合信号が出力される。
【0028】
一方の伝送路L1には、コンデンサC1、増幅器11、分波器12があり、分波器12の出力側に分波路13a、13bがある。一方の分波路13aには増幅器14a、ゲイン制御回路15a、増幅器16aがあり、他方の分波路13bには増幅器14b、ゲイン制御回路15b、増幅器16bがある。両分波路13a、13bの出力側に混合器17があり、その出力側に2分配器18がある。2分配器18の出力側に増幅器19a、19b、無給電時対応スイッチSW1、SW2がある。無給電時対応スイッチSW1の出力側に分岐器20があり、分岐器20の一方の出力側に端末機出力端3が、他方の出力側(分岐側)にモニタ端子MONがある。無給電時対応スイッチSW2の出力側に端末機出力端4がある。他方の伝送路L2にはコンデンサC2、フィルタFILがあり、フィルタFILの出力側に第1の出力端選択スイッチSW3があり、その出力側に無給電時対応スイッチSW1、SW2が接続されている。
【0029】
前記増幅器11は伝送路L1に出力された信号を増幅するもの、分波器12は多重信号のFM信号とRF信号を分波するものであり、増幅器14a、14b、増幅器16a、16bは分波された夫々の信号を増幅するもの、ゲイン制御回路15a、15bは分波された夫々の信号の利得調整をするものである。伝送路L1、分波路13a、13bには必要に応じて他の電気機器を設けることもできる。以下の説明ではこれら電気機器をまとめて「伝送機器」ということがある。伝送機器はV-ONUへの給電時には動作するが、無給電時には動作しない。
【0030】
無給電時対応スイッチSW1、SW2はV-ONUが給電時から無給電時になると、可動接点Aが固定接点B、Cのいずれかに自動的に切替わるスイッチである。二つの無給電時対応スイッチSW1、SW2は連動式である。
【0031】
第1の出力端選択スイッチSW3は可動接点Aを固定接点B、Cのいずれかに切替え接続(設定)して、端末機出力端3、4の双方又はいずれか一方を、光/電変換部2で変換された混合信号を出力する出力端として選択(設定)するスイッチである。第1の出力端選択スイッチSW3は切替え操作できるスイッチであれば、他のスイッチ、例えば、電子スイッチや、その他の機械的スイッチであってもよい(以下において同じ)。また、第1の出力端選択スイッチSW3は手動操作又は遠隔操作で切替え操作できるものである(以下において同じ)。
【0032】
[
図1(a)の動作説明:給電時、端末機出力端3、4から同じ信号、同レベル出力]
図1(a)は給電時であり、第1の出力端選択スイッチSW3の可動接点Aを固定接点Bに接続させ(設定し)、無給電時対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが固定接点Bに接続されている状態である。
【0033】
図1(a)の接続状態で光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号は、無給電時対応スイッチSW1、SW2の固定接点Cが開放されているため、端末機出力端3、4のいずれにも出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は、コンデンサC1-増幅器11-分波器12と伝送されて分波器12で分波路13a、13bに分波される。分波された両信号の夫々は増幅器14a、14bで増幅され、ゲイン制御回路15a、15bでゲイン調整され、増幅器16a、16bで増幅されて混合器17で混合される。混合後は2分配器18で2分配され、一方の分配信号は増幅器19a-無給電時対応スイッチSW1-分岐器20を経て端末機出力端3に出力され、他方の分配信号は増幅器19b-無給電時対応スイッチSW2を経て端末機出力端4に出力される。したがって、変換部出力端2aから出力された、告知放送信号を含む混合信号が端末機出力端3、4の双方から出力され、告知専用出力端子がなくても告知放送信号を出力できる。
【0034】
図1(a)では、分岐器20からの分岐信号がモニタ端子MONにも出力されるため、端末機出力端3に出力される分岐信号は端末機出力端4に出力される信号よりもレベルが低くなるが、モニタ端子MONがない場合は、両端末機出力端3、4に同じ信号が同じレベルで出力される(以下において同じ)。分岐信号をモニタ端子MONにも出力した場合は、モニタ端子にモニタ機器を接続すれば、端末機出力端3に出力される信号をモニタすることができる(以下において同じ)。以下の説明では、説明の便宜上、モニタ端子MONはないものとして説明する。
【0035】
[
図1(b)の動作説明:無給電時、端末機出力端4から信号出力]
図1(a)のように、第1の出力端選択スイッチSW3の可動接点Aが固定接点B側に設定されている状態で無給電になって、自動的に
図1(b)のように無給電時対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが固定接点Cに切替わると、増幅器11、14a、14b、16a、16b、19a、19bへの電源供給が停止して、それら伝送機器が動作しない。またSW1、SW2の固定接点Bが開放されているため、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は端末機出力端3、4に出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号は、コンデンサC2-フィルタFIL-第1の出力端選択スイッチSW3-無給電時対応スイッチSW2を経て端末機出力端4に出力される。したがって、
図1(b)の無給電時であっても、告知放送信号を含む混合信号が端末機出力端4から出力され、告知専用出力端子がなくても告知放送信号を出力できる。
【0036】
[
図1(c)の動作説明:給電時、端末機出力端3、4から同じ信号、同レベル出力]
図1(c)は無給電時対応スイッチSW1、SW2は
図1(a)と同じ状態で、第1の出力端選択スイッチSW3の可動接点Aを固定接点Cに接続を切替え設定した場合であり、給電時である。この接続状態では、無給電時対応スイッチSW1、SW2は、固定接点Cが開放されているため、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号は端末機出力端3、4のいずれにも出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は、コンデンサC1-増幅器11-分波器12-分波路13a、13b-増幅器14a、14b-ゲイン制御回路15a、15b-増幅器16a、16b-混合器17-2分配器18に至り、2分配器18で2分配される。2分配器18からの一方の分配信号は増幅器19a-無給電時対応スイッチSW1-分岐器20を経て端末機出力端3に出力され、他方の分配信号は増幅器19b-無給電時対応スイッチSW2を経て端末機出力端4に出力される。したがって、
図1(c)の状態でも、告知放送信号を含む混合信号が両端末機出力端3、4から出力され、告知専用出力端子がなくても告知放送信号を出力できる。
【0037】
[
図1(d)の動作説明:無給電時、端末機出力端3から信号出力]
図1(c)の給電時から、無給電になって、
図1(d)のように、無給電時対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが固定接点Cに自動的に切替わると、増幅器11、14a、14b、16a、16b、19a、19bへの電源供給が停止して、それら伝送機器が動作しない。また無給電時対応スイッチSW1、SW2の固定接点Bが開放されているため、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は端末機出力端3、4のいずれにも出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号は、コンデンサC2-フィルタFIL-第1の出力端選択スイッチSW3-無給電時対応スイッチSW1を経て端末機出力端3には出力される。
【0038】
[告知放送信号出力]
実施形態1のV-ONUは、前記のとおり、第1の出力端選択スイッチSW3を
図1(a)のように設定すると、告知放送信号を含む混合信号が、給電時に二つの端末機出力端3、4から、無給電時には無給電時対応スイッチSW1、SW2の接続が
図1(b)のように切替わって一つの端末機出力端4から出力され、第1の出力端選択スイッチSW3を
図1(c)(d)のように切替え設定しても、給電時に二つの端末機出力端3、4から、無給電時には一つの端末機出力端3からは出力されるので、告知専用端子がなくても告知放送信号を出力できる。
【0039】
(実施形態2)
[V-ONUの構成]
図2(a)は本発明のV-ONUの第2の実施例である。
図2の基本的構成は
図1の構成と同じであり、異なるのは
図1(a)の分岐器20を混合器17と2分配器18の間に設けたことである。
図2(a)(b)は第1の出力端選択スイッチSW3の可動接点Aを固定接点Bに接続した場合であり、(a)は給電時、(b)無給電時である。
図2(c)(d)は第1の出力端選択スイッチSW3の可動接点Aを固定接点Cに切替え接続した場合であり、(c)は給電時、(d)無給電時である。
【0040】
[
図2(a)の動作説明:給電時、端末機出力端3、4から同じ信号、同レベル出力]
図2(a)は、
図1(a)と同じく、第1の出力端選択スイッチSW3の可動接点Aを固定接点Bに接続させ(設定し)、無給電時対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが固定接点Bに接続されている状態(給電時)である。
【0041】
図2(a)の接続状態で、光/電変換部2の一方の変換部出力端2aから出力される混合信号は、コンデンサC1-増幅器11-分波器12-分波路13a、13b-増幅器14a、14b-ゲイン制御回路15a、15b-増幅器16a、16b-混合器17-分岐器20と送られ、2分配器18で2分配される。一方の分配信号は増幅器19a-無給電時対応スイッチSW1を経て端末機出力端3に出力され、他方の分配信号は増幅器19b-無給電時対応スイッチSW2を経て端末機出力端4に出力される。
図2(a)の接続状態で光/電変換部2の他方の変換部出力端2bから出力される混合信号は、コンデンサC2-フィルタFIL-第1の出力端選択スイッチSW3と伝送されるが、無給電時対応スイッチSW2の固定接点Cが可動接点Aから開放されているため端末機出力端4には出力されない。したがって、告知放送信号を含む混合信号が端末機出力端3、4の双方から、同じレベルで出力され、告知専用端子がなくても告知放送信号を出力できる。
【0042】
[
図2(b)の動作説明:無給電時、端末機出力端4に信号出力]
図2(a)のように、第1の出力端選択スイッチSW3の可動接点Aが固定接点B側に設定されている状態で無給電になって、自動的に
図2(b)のように無給電時対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが固定接点Cに切替わると、増幅器11、14a、14b、16a、16b、19a、19bへの電源供給が停止して、それら機器が動作しない。また無給電時対応スイッチSW1、SW2の固定接点Bが開放されているため、光/電変換部2の一方の変換部出力端2aから出力される混合信号は端末機出力端3、4に出力されない。しかし、光/電変換部2の他方の変換部出力端2bから出力される混合信号は、コンデンサC2-フィルタFIL-第1の出力端選択スイッチSW3-無給電時対応スイッチSW2を経て端末機出力端4には出力される。したがって、
図2(b)の無給電時であっても、告知放送信号を含む混合信号が出力端4からは出力され、告知専用出力端子がなくても告知放送信号を出力できる。
【0043】
[
図2(c)の動作説明:給電時、端末機出力端3、4から同じ信号、同レベル出力]
図2(c)は第1の出力端選択スイッチSW3の可動接点Aを固定接点Cに接続を切替え設定した場合であり、無給電時対応スイッチSW1、SW2が
図1(a)と同じ状態(給電時)である。
【0044】
図2(c)の接続状態で、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号は、コンデンサC2-フィルタFIL-第1の出力端選択スイッチSW3と伝送されるが、第1の出力端選択スイッチSW3の固定接点Bが可動接点Aから開放されているため端末機出力端4には出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は、コンデンサC1-増幅器11-分波器12-分波路13a、13b-増幅器14a、14b-ゲイン制御回路15a、15b-増幅器16a、16b-混合器17-分岐器20-2分配器18に至り、2分配器18で2分配される。2分配器18からの一方の分配信号は増幅器19a-無給電時対応スイッチSW1を経て端末機出力端3に出力され、他方の分配信号は増幅器19b-無給電時対応スイッチSW2を経て端末機出力端4に出力される。このため、
図2(c)の接続状態でも、告知放送信号を含む混合信号が端末機出力端4からは出力され、告知専用出力端子がなくても告知放送信号を出力できる。
【0045】
[
図2(d)の動作説明:無給電時、端末機出力端3から信号出力]
図2(c)の給電時から、無給電になって、
図2(d)のように、無給電時対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが固定接点Cに自動的に切替わると、増幅器11、14a、14b、16a、16b、19a、19bへの電源供給が停止して、それら伝送機器が動作しない。またSW1、SW2の固定接点Bが開放されているため、光/電変換部2の一方の変換部出力端2aから出力される混合信号は端末機出力端3、4のいずれにも出力されない。しかし、光/電変換部2の他方の変換部出力端2bから出力される混合信号は、コンデンサC2-フィルタFIL-第1の出力端選択スイッチSW3-無給電時対応スイッチSW1を経て端末機出力端3には出力され、告知専用出力端子がなくても告知放送信号を出力できる。
【0046】
[告知放送信号出力]
実施形態2のV-ONUは、前記のとおり、第1の出力端選択スイッチSW3を
図2(a)のように設定すると、告知放送信号を含む混合信号が、給電時に二つの端末機出力端3、4から出力され、無給電時(
図2(b))でも一つの端末機出力端4から出力される。第1の出力端選択スイッチSW3を
図2(c)(d)のように切替え設定しても、混合信号は給電時に二つの端末機出力端3、4から、無給電時には一つの端末機出力端3から出力されるので、告知専用端子がなくても告知放送信号を出力できる。
【0047】
(実施形態3)
[V-ONUの構成]
図3(a)~(d)は本発明のV-ONUの第3の実施例である。このV-ONUは光/電変換部2と、無給電時対応スイッチSW1と、第2の出力端選択スイッチSW4と、二つの出端末機力端3、4と、モニタ端MONを備えている。
【0048】
光/電変換部2は
図1(a)~(d)、
図2(a)~(d)のそれと同じであり、一方の伝送路L1にコンデンサC1、増幅器11、分波器12があり、分波器12の出力側に二つの分波路13a、13bがあり、夫々の分波路13a、13bに増幅器14a、14b、ゲイン制御回路15a、15b、増幅器16a、16bがあり、増幅器16a、16bの出力側に混合器17がある。
【0049】
混合器17の出力側にスライド式の第2の出力端選択スイッチSW4がある。第2の出力端選択スイッチSW4の一方の固定接点E側はスルー回路22になっており、他方の固定接点G側には2分配器25がある。2分配器25の一方の出力側には端末機出力端4があり、他方の出力側は第2の出力端選択スイッチSW4の固定接点Fを介して無給電時対応スイッチSW1と接続されている。無給電時対応スイッチSW1の出力側には分岐器20があり、分岐器20の一方の出力側に端末機出力端3が、他方の出力側(分岐側)にモニタ端子MONがある。
【0050】
第2の出力端選択スイッチSW4は可動接点(スライド接点)Dを手動操作で固定接点E、Gのいずれかに切替え接続して、端末機出力端3、4の双方又はいずれか一方を、信号出力端として設定(選択)するスイッチである。第2の出力端選択スイッチSW4は手動で或いは遠隔で切替え操作できるスイッチであれば、スライド式以外のスイッチ、例えば、電子スイッチや、その他の機械的スイッチにすることもできる(以下において同じ)。
【0051】
光/電変換部2の他方の伝送路L2にはコンデンサC2、フィルタFILがあり、フィルタFILの出力側が無給電時対応スイッチSW1と接続されている。無給電時対応スイッチSW1は給電時から無給電時になると、可動接点Aが固定接点B、Cのいずれかに自動的に切替わるスイッチである。
【0052】
[
図3(a)の動作説明:給電時、端末機出力端3、4から同じ信号、同レベル出力]
図3(a)は、第2の出力端選択スイッチSW4の可動接点Dを手動操作で下方にスライドさせて固定接点G側に接続設定した場合であり、無給電時対応スイッチSW1の可動端子Aが固定接点Cに接続している状態(給電時)である。
【0053】
図3(a)の接続状態で、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号はコンデンサC2-フィルタFIL-無給電時対応スイッチSW1に至るが、無給電時対応スイッチSW1の固定接点Bが開放されているため、端末機出力端3及びモニタ端子MONに出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は、伝送路L1-コンデンサC1-増幅器11-分波器12-分波路13a、13b-ゲイン制御回路15a、15b-増幅器16a、16b-混合器17-第2の出力端選択スイッチSW4-2分配器25と伝送され、2分配器25で2分配される。2分配器25からの一方の分配信号は端末機出力端4に出力され、他方の分配信号は2分配器25-第2の出力端選択スイッチSW4-無給電時対応スイッチSW1-分岐器20を経て端末機出力端3及びモニタ端子MONに出力される。したがって、告知放送信号を含む混合信号が端末機出力端3、4の双方から同じレベルで出力され(モニタ端子がない場合)、告知専用端子がなくても告知放送信号を出力できる。
【0054】
[
図3(b)の動作説明:無給電時、端末機出力端3から信号出力]
図3(b)は
図3(a)の状態で無給電になった場合であり、第2の出力端選択スイッチSW4は
図3(a)のままであるが、無給電時対応スイッチSW1の可動接点Aが
図3(a)の状態から固定接点B側に自動的に切替わった状態である。
【0055】
図3(b)の接続状態(無給電時)では、増幅器11、14a、14b、16a、16bが動作しないため、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は端末機出力端3、4のいずれからも出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号は、コンデンサC2-フィルタFIL-無給電時対応スイッチSW1-分岐器20を経て出力端3及びモニタ端子(MON)に出力される。したがって、
図3(b)の無給電時の接続状態であっても、告知放送信号を含む混合信号が端末機出力端3からは出力され、告知専用端子がなくても告知放送信号を出力できる。
【0056】
[
図3(c)の動作説明:給電時、端末機出力端3から信号出力]
図3(c)は、第2の出力端選択スイッチSW4の可動接点Dを手動操作で上方にスライドさせて固定接点F-固定接点E-スルー回路22に切替え接続(設定)した場合であり、無給電時対応スイッチSW1の
図3(a)の場合と同様に、可動端子Aが固定接点Cに接続している状態である(給電時)。
【0057】
図3(c)の接続状態で、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は、伝送路L1-コンデンサC1-増幅器11-分波器12-分波路13a、13b-ゲイン制御回路15a、15b-増幅器16a、16b-混合器17-第2の出力端選択スイッチSW4-スルー回路22-無給電時対応スイッチSW1-分岐器20を経て、端末機出力端3及びモニタ端子MONに出力される。
図3(c)の接続状態で、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号は、コンデンサC2-フィルタFIL-無給電時対応スイッチSW1と伝送されるが、無給電時対応スイッチSW1の固定接点Bが開放されているため端末機出力端4には出力されない。したがって、第2の出力端選択スイッチSW4が
図3(c)の接続状態に切替え設定されても、告知放送信号を含む混合信号が端末機出力端3から出力されるので、告知専用端子がなくても告知放送信号を出力できる。
【0058】
[
図3(d)の動作説明:無給電時、端末機出力端3から信号出力]
図3(d)は、
図3(c)の状態で無給電になった場合であり、第2の出力端選択スイッチSW4は
図3(c)のままであるが、無給電時対応スイッチSW1の可動接点Aが
図3(c)の状態から固定接点B側に自動的に切替わった状態である。
【0059】
図3(d)の接続状態(無給電時)では、増幅器11、14a、14b、16a、16bが動作しないこと、第2の出力端選択スイッチSW4の可動接点Gが開放されていることから、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は端末機出力端3、4のいずれからも出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号はコンデンサC2-フィルタFIL-無給電時対応スイッチSW1-分岐器20を経て端末機出力端3及びモニタ端子MONに出力される。したがって、無給電時であっても、告知放送信号を含む混合信号が端末機出力端3からは出力され、告知専用端子がなくても告知放送信号を出力できる。
【0060】
[告知放送信号出力]
実施形態3のV-ONUは、前記のとおり、第2の出力端選択スイッチSW4を
図3(a)のように設定すると、給電時には二つの端末機出力端3、4から、無給電時には一つの端末機出力端3から混合信号を出力でき、
図3(c)(d)のように切替え設定しても、給電時も、無給電時も少なくとも一つの端末機出力端3からは混合信号が出力されるので、告知専用出力端子がなくても告知放送信号を出力できる。
【0061】
(実施形態4)
[V-ONUの構成]
図4(a)~(d)は本発明のV-ONUの第4の実施例である。このV-ONUの基本的構成は
図3(a)の構成と同じであり、異なるのは無給電時対応スイッチSW1を第2の出力端選択スイッチSW4の前段に配置したことである。
【0062】
[
図4(a)の動作説明:給電時、端末機出力端3、4から同じ信号、同レベル出力]
図4(a)は、第2の出力端選択スイッチSW4の可動接点Dを下方にスライドさせて固定接点Gに接続設定した場合であり、無給電時対応スイッチSW1の可動接点Aが固定接点Cに接続している状態(給電時)である。
【0063】
図4(a)の接続状態で、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号はコンデンサC2-フィルタFIL-無給電時対応スイッチSW1に至るが、無給電時対応スイッチSW1の固定接点Bが開放されているため、端末機出力端3及びモニタ端子MONに出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は、伝送路L1-コンデンサC1-増幅器11-分波器12-分波路13a、13b-ゲイン制御回路15a、15b-増幅器16a、16b-混合器17-無給電時対応スイッチSW1-第2の出力端選択スイッチSW4-2分配器25と伝送され、2分配器25で2分配される。2分配器25からの一方の分配信号は端末機出力端4に出力され、他方の分配信号は2分配器25-第2の出力端選択スイッチSW4-分岐器20を経て端末機出力端3及びモニタ端子(MON)に出力される。したがって、告知放送信号を含む混合信号が端末機出力端3、4の双方から同じレベルで出力され(モニタ端子がない場合)、告知専用端子がなくても告知放送信号を出力できる。
【0064】
[
図4(b)の動作説明:無給電時、端末機出力端3、4から同じ信号、同レベル出力]
図4(b)は第2の出力端選択スイッチSW4の可動接点Dは
図4(a)のままであるが、
図4(a)の状態で無給電になって無給電時対応スイッチSW1の可動接点Aが固定接点Bに自動的に切替わった場合である。この接続状態(無給電時)では、増幅器11、14a、14b、16a、16bが動作しないこと、無給電時対応スイッチSW1の固定接点Cが開放されていることから、前記光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は端末機出力端3、4のいずれからも出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号はコンデンサC2-フィルタFIL-無給電時対応スイッチSW1-第2の出力端選択スイッチSW4-2分配器25に伝送されて2分配される。2分配された一方の分配信号は端末機出力端4に出力され、他方の分配信号は第2の出力端選択スイッチSW4-分岐器20を経て端末機出力端3及びモニタ端子MONに出力される。したがって、無給電時であっても、端末機出力端3、4の双方から告知信号を含む同じ混合信号が同じレベルで出力されるので、告知専用端子がなくても、告知放送信号を出力できる。
【0065】
[
図4(c)の動作説明:給電時、端末機出力端3から信号出力]
図4(c)は第2の出力端選択スイッチSW4の可動接点Dを手動操作で上方にスライドさせてスルー回路22に接続させ、無給電時対応スイッチSW1の可動接点Aが固定接点Cに接続している状態(V-ONU、給電時)である。この接続状態では、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号は、コンデンサC2-フィルタFILを経て無給電時対応スイッチSW1に伝送されるが、同スイッチSW1の固定接点Bが開放されているため、端末機出力端3、4のいずれにも出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は、伝送路L1-コンデンサC1-増幅器11-分波器12-分波路13a、13b-増幅器14a、14b-ゲイン制御回路15a、15b-増幅器16a、16b-混合器17-無給電時対応スイッチSW1-第2の出力端選択スイッチSW4のスルー回路22-分岐器20を経て端末機出力端3及びモニタ端子MONに出力される。したがって、端末機出力端3からは混合信号が出力されるので、告知専用端子がなくても、告知放送信号を出力できる。
【0066】
[
図4(d)の動作説明:無給電時、端末機出力端3から信号出力]
図4(d)は、第2の出力端選択スイッチSW4は
図4(c)のままの接続状態である。
図4(c)の状態でV-ONUが無給電になって、無給電時対応スイッチSW1の可動接点Aが固定接点B側に自動的に切替わった場合である。
図4(d)の無給電時は、増幅器11、14a、14b、16a、16bが動作しないため、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は端末機出力端3、4のいずれにも出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号はコンデンサC2-フィルタFIL-無給電時対応スイッチSW1-第2の出力端選択スイッチSW4のスルー回路22-分岐器20を経て端末機出力端3及びモニタ端子MONに出力される。したがって、無給電時であっても端末機出力端3からは告知信号を含む混合信号が出力され、告知専用端子がなくても告知放送信号を出力できる。
【0067】
[告知放送信号出力]
実施形態4のV-ONUは前記のように、第2の出力端選択スイッチSW4を
図4(a)のように設定すると給電時も無給電時も二つの端末機出力端3、4から、
図4(c)(d)のように切替え設定しても、給電時も無給電時も少なくとも一つの端末機出力端3から、告知放送信号を含む混合信号を出力できるので、告知専用出力端子がなくても告知放送信号を出力できる。
【0068】
(実施形態5)
[V-ONUの構成]
図5(a)~(d)は本発明のV-ONUの第5の実施例である。このV-ONUの基本的構成は
図3(a)の構成と同じであり、異なるのはフィルタFILの出力側に第1の出力端選択スイッチSW3を設け、2分配器25の出力側に無給電時対応スイッチSW2を設け、第1の出力端選択スイッチSW3の固定接点Cを無給電時対応スイッチSW1の固定接点Cに、第1の出力端選択スイッチSW3の固定端子Bを無給電時対応スイッチSW2の固定接点Cに接続したものである。無給電時対応スイッチSW1と無給電時対応スイッチSW2とは無給電時に自動的に連動切替え可能であり、第1の出力端選択スイッチSW3と第2の出力端選択スイッチSW4は手動で個別に切替え操作可能である。
【0069】
[
図5(a)の動作説明:給電時、端末機出力端3、4から同じ信号、同レベル出力]
図5(a)は第1の出力端選択スイッチSW3の可動接点Aを固定接点Cに、第2の出力端選択スイッチSW4の可動接点Dを下方にスライドさせて固定接点Gに接続設定した場合であり、無給電時対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが固定接点Bに接続している状態(V-ONU給電時)である。
図5(a)の接続状態で、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号はコンデンサC2-フィルタFIL-第1の出力端選択スイッチSW3-無給電時対応スイッチSW1と伝送されるが、無給電時対応スイッチSW1の固定接点C、第1の出力端選択スイッチSW3の固定接点Bが開放されているため、端末機出力端3、4のいずれにも出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は伝送路L1-コンデンサC1-増幅器11-分波器12-分波路13a、13b-増幅器14a、14b-ゲイン制御回路15a、15b-増幅器16a、16b-混合器17-第2の出力端選択スイッチSW4-2分配器25と伝送され、2分配器25で2分配される。2分配器25からの一方の分配信号は無給電時対応スイッチSW2を経て端末機出力端4に出力される。2分配器25からの他方の分配信号は、2分配器25-第2の出力端選択スイッチSW4-無給電時対応スイッチSW1-分岐器20を経て、端末機出力端3及びモニタ端子(MON)に出力される。したがって、告知放送信号を含む混合信号が端末機出力端3、4の双方から同じレベルで出力される(モニタ端子がない場合)ので、告知専用端子がなくても告知放送信号を出力できる。
【0070】
[
図5(b)の動作説明:無給電時出力3から信号出力]
図5(b)は
図5(a)の状態で無給電になった場合であり、第1の出力端選択スイッチSW3、第2の出力端選択スイッチSW4は
図5(a)のままであるが、無給電時対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが
図5(a)の状態から固定接点C側に自動的に切替わった状態である。この接続状態(無給電時)では、無給電時は増幅器11、14a、14b、16a、16bが動作しないこと、無給電時対応スイッチSW1、SW2の固定接点Bが開放されていることから、光/電変換部2の変換部出力端2aから端末機出力端3、4のいずれからも出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号が、コンデンサC2-フィルタFIL-選択スイッチSW3-無給電時対応スイッチSW1-分岐器20を経て端末機出力端3及びモニタ端子MONに出力される。したがって、告知専用端子がなくても、告知放送信号とTV放送信号を含む混合信号を端末機出力端3から出力できる。
【0071】
[
図5(c)の動作説明:給電時、端末機出力端3から信号出力]
図5(c)は、第1の出力端選択スイッチSW3を
図3(a)のままにし、第2の出力端選択スイッチSW4の可動接点Dを手動操作で上方にスライドさせて可動接点Dをスルー回路22に切替え設定した場合であり、無給電時対応スイッチSW1、SW2の可動端子Aが固定接点Bに接続している状態(V-ONU給電時)である。この接続状態で、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号は、コンデンサC2-フィルタFIL-第1の出力端選択スイッチSW3-無給電時対応スイッチSW1と伝送されるが、無給電時対応スイッチSW1の固定接点Cが開放されているため端末機出力端4には出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は、伝送路L1-コンデンサC1-増幅器11-分波器12-分波路13a、13b-増幅器14a、14b-ゲイン制御回路15a、15b-増幅器16a、16b-混合器17-第2の出力端選択スイッチSW4のスルー回路22-無給電時対応スイッチSW1-分岐器20を経て端末機出力端3及びモニタ端子MONに出力される。したがって、告知専用端子がなくても、告知放送信号とTV放送信号を含む混合信号を端末機出力端3から出力できる。
【0072】
[
図5(d)の動作説明:無給電時、端末機出力端3から信号出力]
図5(d)は
図5(c)の状態で無給電になった場合であり、第1の出力端選択スイッチSW3、第2の出力端選択スイッチSW4は
図3(c)のままであるが、無給電時対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが
図5(c)の状態から固定接点C側に自動的に切替わった状態である。この接続状態(無給電時)では、増幅器11、14a、14b、16a、16bが動作しないこと、選択スイッチSW4の固定接点Gが開放されていることから、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は端末機出力端3、4のいずれからも出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号は、コンデンサC2-フィルタFIL-第1の出力端選択スイッチSW3-無給電時対応スイッチSW1-分岐器20を経て出力端3及びモニタ端子MONに出力される。したがって、告知専用端子がなくても、告知放送信号を含む混合信号を端末機出力端3から出力できる。
【0073】
[告知放送信号出力]
実施形態5のV-ONUは前記のように、第1の出力端選択スイッチSW3、第2の出力端選択スイッチSW4を
図5(a)のように設定すると、告知放送信号を含む混合信号が、給電時に二つの端末機出力端3、4から、無給電時に一つの端末機出力端3から出力され、
図5(c)(d)のように切替え設定しても、給電時も無給電時も少なくとも一つの端末機出力端3から出力できるので、告知専用出力端子がなくても告知放送信号を出力できる。
【0074】
(実施形態6)
[V-ONUの構成]
図6(a)~(d)は本発明のV-ONUの第6の実施例である。このV-ONUの回路構成は
図5(a)~(d)と同じであるが、第1の出力端選択スイッチSW3の接続設定が異なるものである。
【0075】
[
図6(a)の動作説明:給電時、端末機出力端3、4から同じ信号、同レベル出力]
図6(a)は、第2の出力端選択スイッチSW4の可動接点Dを下方にスライドさせて可動接点Dを固定接点Gに接続設定し、第1の出力端選択スイッチSW3の可動接点Aを固定接点Bに接続設定した状態であり、無給電時対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが共に固定接点Bに接続した状態(V-ONU給電時)である。
【0076】
図6(a)の接続設定では、無給電時対応スイッチSW2の固定接点Cが開放しているため、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号は端末機出力端4に出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号はコンデンサC1-増幅器11-分波器12-分波路13a、13b-増幅器14a、14b-ゲイン制御回路15a、15b-増幅器16a、16b-混合器17-第2の出力端選択スイッチSW4の固定接点G-2分配器25と伝送されて2分配される。分配された一方の分配信号は無給電時対応スイッチSW1-分岐器20-端末機出力端3と出力され、他方の分配信号は無給電時対応スイッチSW2-端末機出力端4と出力される。このため、告知放送専用出力端子がなくとも告知放送信号を出力できる。また、モニタ端子MONがなければ、端末機出力端3、4の双方から出力される同じ混合信号は同レベルとなる。
【0077】
[
図6(b)の動作説明:無給電時、端末機出力端4から信号出力]
図6(b)は、
図6(a)の状態で、V-ONUが無給電になった場合であり、第1の出力端選択スイッチSW3、第2の出力端選択スイッチSW4は
図6(a)のままであるが、無給電時対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが固定接点Cへの接続に自動的に切替わった状態である。
【0078】
図6(b)の接続状態は、無給電時であるため、増幅器11、14a、14b、16a、16bが動作せず、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は端末機出力端3、4のいずれからも出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号は、第1の出力端選択スイッチSW3-無給電時対応スイッチSW2-端末機出力端4に出力される。このため、告知放送専用出力端子がなくとも告知放送信号を出力できる。
【0079】
[
図6(c)の動作説明:給電時、端末機出力端3から信号出力]
図6(c)は、第1の出力端選択スイッチSW3の可動接点Aを固定接点Bに接続設定し、第2の出力端選択スイッチSW4のスライド接点を上方にスライドさせて可動接点Dをスルー回路22に接続させた場合であり、無給電時対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが固定接点Cに接続している状態(V-ONU給電時)である。
【0080】
図6(c)の接続設定接続では、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号はコンデンサC2-フィルタFIL-第1の出力端選択スイッチSW3と伝送されるが、無給電時対応スイッチSW2の固定接点Cが開放されているため端末機出力端4には出力されない。また、第1の出力端選択スイッチSW3の固定接点Cが開放されているため端末機出力端3からも出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は、コンデンサC1-増幅器11-分波器12-分波路13a、13b-増幅器14a、14b-ゲイン制御回路15a、15b-増幅器16a、16b-混合器17-第2の出力端選択スイッチSW4のスルー回路22-無給電時対応スイッチSW1-分岐器20を経て端末機出力端3に出力される。このため、告知放送専用出力端子がなくとも告知放送信号を出力できる。
【0081】
[
図6(d)の動作説明:無給電時、端末機出力端4から信号出力]
図6(d)は、
図6(c)の状態でV-ONUが無給電になった場合であり、第1の出力端選択スイッチSW3、第1の出力端選択スイッチSW4は
図6(c)のままであるが、無給電時対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが固定接点Cへの接続に自動的に切替った状態である。
【0082】
図6(d)の接続状態(無給電時)は、増幅器11、14a、14b、16a、16bが動作しないため、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は端末機出力端3、4のいずれからも出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号は、コンデンサC2-フィルタFIL-選択スイッチSW3-無給電時対応スイッチSW2と伝送されて端末機出力端4には出力される。このため、告知放送専用出力端子がなくとも告知放送信号を出力できる。
【0083】
[告知放送信号出力]
実施形態6のV-ONUは、前記のように、第1の出力端選択スイッチSW3、第2の出力端選択スイッチSW4を
図6(a)のように設定すると給電時には二つの端末機出力端3、4から、無給電時には一つの端末機出力端3から出力され、
図6(c)(d)のように切替え設定すると給電時は一つの端末機出力端3から混合信号が出力され、無給電時は一つの端末機出力端4から混合信号が出力されるため、告知専用出力端子がなくても告知放送信号を出力できる。
【0084】
(実施形態7)
[V-ONUの構成]
図7(a)~(d)は本発明のV-ONUの第7の実施例である。このV-ONUの基本的構成は
図6(a)~(d)の構成と同じであり、異なるのは
図6(a)~(d)の第1の出力端選択スイッチSW3を2分配器40に置き換えたものである。
【0085】
[
図7(a)の動作説明:給電時、端末機出力端3、4から同じ信号、同レベル出力]
図7(a)は、第2の出力端選択スイッチSW4の可動接点Dを下方にスライドさせて可動接点Dを固定接点Gに接続設定し、無給電時対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが共に固定接点Bに接続した状態(V-ONU給電時)である。
【0086】
図7(a)の設定では、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号はコンデンサC2-フィルタFIL-2分配器40と伝送されて2分配されるが、無給電時対応スイッチSW1、SW2の固定接点Cが開放されているため、分配信号は端末機出力端3、4のいずれからも出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号はコンデンサC1-増幅器11-分波器12-分波路13a、13b-増幅器14a、14b-ゲイン制御回路15a、15b-増幅器16a、16b-混合器17-第2の出力端選択スイッチSW4の固定接点G-2分配器25と伝送されて2分配される。2分配された一方の分配信号は無給電時対応スイッチSW1-端末機出力端3と出力され、他方の分配信号は無給電時対応スイッチSW2-端末機出力端4と出力される。このため、告知放送専用出力端子がなくとも告知放送信号を出力できる。また、モニタ端子MONがなければ、端末機出力端3、4の双方から出力される同じ混合信号は同レベルとなる。
【0087】
[
図7(b)の動作説明:無給電時、端末機出力端3、4から同じ信号、同レベル出力]
図7(b)は無給電時であり、第2の出力端選択スイッチSW4は
図7(a)と同じ接続であるが、無給電になって、二つの無給電対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが自動的に固定接点Cに切替わり接続した場合である。無給電時は
図7(b)の増幅器11、14a、14b、16a、16bが動作しないため、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号は端末機出力端3、4に出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号は、コンデンサC2-フィルタFIL-2分配器40-無給電時対応スイッチSW1-分岐器20-端末機出力端3に出力され、他方の分配信号は無給電時対応スイッチSW2-端末機出力端4にも出力されて2出力となる。このため、告知放送専用出力端子がなくとも告知放送信号を出力できる。
【0088】
[
図7(c)の動作説明:給電時、端末機出力端3から信号出力]
図7(c)は、第2の出力端選択スイッチSW4の可動接点Dを手動操作で上方にスライドさせてスルー回路22に接続させ、無給電時対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが共に固定接点Bに接続している状態(給電時)である。
【0089】
図7(c)の接続状態で光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号はコンデンサC2-フィルタFIL-2分配器40-無給電時対応スイッチSW1、SW2と伝送されるが、無給電時対応スイッチSW1、SW2の固定接点Cが開放されているため端末機出力端3、4のいずれにも出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号はコンデンサC1-増幅器11-分波器12-分波路13a、13b-増幅器14a、14b-ゲイン制御回路15a、15b-増幅器16a、16b-混合器17-第2の出力端選択スイッチSW4のスルー回路22-無給電時対応スイッチSW1-分岐器20-端末機出力端3に出力される。このため、告知放送専用出力端子がなくとも告知放送信号を出力できる。
【0090】
[
図7(d)の動作説明:無給電時、端末機出力端3、4から同じ信号、同レベル出力]
図7(d)は、
図7(c)の状態で無給電になった場合であり、第2の出力端選択スイッチSW4は
図7(c)と同じ接続状態であるが、無給電時対応スイッチSW1、SW2の可動接点Aが固定接点Cに自動的に切替わった状態である。
【0091】
無給電時は
図7(d)の増幅器11、14a、14b、16a、16bが動作しないため、光/電変換部2の変換部出力端2aから出力される混合信号はいずれの端末機出力端3、4にも出力されない。しかし、光/電変換部2の変換部出力端2bから出力される混合信号はコンデンサC2-フィルタFIL-2分配器40-無給電時対応スイッチSW1-端末機出力端3と出力され、コンデンサC2-フィルタFIL-2分配器40-無給電時対応スイッチSW2-端末機出力端4と出力される。このため、告知放送専用出力端子がなくとも告知放送信号を出力できる。
【0092】
[告知放送信号出力]
実施形態7のV-ONUは、前記のとおり、第2の出力端選択スイッチSW4を
図7(a)のように設定すると、混合信号が、給電時も無給電時も2つの端末機出力端3、4から出力され、
図7(c)のように切替え設定すると給電時は一つの端末機出力端3からは混合信号が出力され、
図7(d)のようにも切替え設定すると無給電時は二つの端末機出力端3、4からは混合信号が出力されるため、告知専用出力端子がなくても告知放送信号を出力できる。
【0093】
[第2の出力端選択スイッチSW4:2出力型と1出力型に切替えスイッチ]
図3~
図7における第2の出力端選択スイッチSW4は、混合信号が出力される出力端を選択するための出力端選択スイッチであるが、V-ONUを2出力型と1出力型に切替え設定する機能もある。第2の出力端選択スイッチSW4を
図3(a)、
図4(a)、
図5(a)、
図6(a)、
図7(a)のように接続設定した場合は、二つの端末機出力端3、4から同じ混合信号が出力される2出力型となり、
図3(c)、
図4(c)、
図5(c)、
図6(c)、
図7(c)のように切替え接続した場合は、一つの端末機出力端3から前記混合信号が出力される1出力型となり、一台で、2出力型と1出力型に切替え接続できるため、第2の出力端選択スイッチSW4は出力型切替えスイッチとしても機能する。なお、2出力型にしたときは
図9(a)(b)の引込み形態に、1出力型にしたときは
図8(a)(b)の引込み形態に対応できる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
前記実施形態はあくまでも一例である。本発明は課題を解決できる構成であれば、前記実施形態以外の構成、作用とすることもできる。
【符号の説明】
【0095】
1a 1出力型V-ONU
1b 2出力型V-ONU
2 光/電変換部
2a 変換部出力端
2b 変換部出力端
3 端末機出力端
4 端末機出力端
11 増幅器
12 分波器
13a、13b 分波路
14a、14b 増幅器
15a、15b ゲイン制御回路
16a、16b 増幅器
17 混合器
18 2分配器
19a、19b 増幅器
20 分岐器
22 スルー回路
25 2分配器
40 2分配器
A 可動接点
B 固定接点
C 固定接点
D 可動接点
E 固定接点
F 固定接点
G 固定接点
W TV受信機
X 告知受信機
Y 2分配器
Z 4分配器
FIL フィルタ
C1、C2 コンデンサ
L1、L2 伝送路
MON モニタ端子
SW1 無給電時対応スイッチ
SW2 無給電時対応スイッチ
SW3 第1の出力端選択スイッチ
SW4 第2の出力端選択スイッチ