(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】表示装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
H04N 5/58 20060101AFI20241125BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20241125BHJP
G09G 5/10 20060101ALI20241125BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20241125BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20241125BHJP
【FI】
H04N5/58
G09G5/00 550C
G09G5/10 B
G09G3/20 642F
G09G3/20 612G
B60R11/02 C
(21)【出願番号】P 2020169131
(22)【出願日】2020-10-06
【審査請求日】2023-07-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鍜治本 晋明
【審査官】鈴木 明
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-074206(JP,A)
【文献】特開2005-238885(JP,A)
【文献】特開2007-300440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/58
G09G 5/00
G09G 5/10
G09G 3/20
B60R 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部と、
前記ベース部に対して開閉可能な筐体と、
前記筐体に組み込まれる表示部と、
前記ベース部に対して前記筐体が閉じられた場合に、前記筐体の内側面又は前記ベース部の内側面になる位置に設けられる照度センサと、
前記照度センサが検知する照度が閾値以下であるときに前記表示部を消灯させ、前記照度センサが検知する照度が前記閾値を超えていて、前記表示部が点灯中であるときに前記照度センサの出力に基づき前記表示部の輝度を制御する制御部と、
を備える、表示装置。
【請求項2】
前記照度センサは、前記表示部の表示画面が隠れるように前記ベース部に対して前記筐体が閉じられた場合に、前記筐体の内側面になる位置に設けられる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
ベース部と、
前記ベース部に対して開閉可能な筐体と、
前記筐体に組み込まれる表示部と、
前記ベース部に対して前記筐体が閉じられた場合に、前記筐体の内側面又は前記ベース部の内側面になる位置に設けられる照度センサと、を備える表示装置の制御方法であって、
前記照度センサが検知する照度が閾値以下であるか否かを判定する判定工程と、
前記照度センサが検知する照度が前記閾値以下であるときに前記表示部を消灯させる消灯工程と、
前記照度センサが検知する照度が前記閾値を超えていて、前記表示部が点灯中であるときに前記照度センサの出力に基づき前記表示部の輝度を制御する輝度制御工程と、
を備える、制御方法。
【請求項4】
ベース部と、
前記ベース部に対して開閉可能な筐体と、
前記筐体に組み込まれる表示部と、
前記表示部の表示画面が隠れるように前記ベース部に対して前記筐体が閉じられた場合に、前記筐体の内側面又は前記ベース部の内側面になる位置に設けられる第1照度センサと、
前記表示画面が露出するように前記ベース部に対して前記筐体が閉じられた場合に、前記筐体の内側面又は前記ベース部の内側面になる位置に設けられる第2照度センサと、
前記第1照度センサ又は前記第2照度センサのうち、選択されたいずれかが検知する照度が
閾値以下であるときに前記表示部を消灯させる制御部と、
を備える、表示装置。
【請求項5】
前記第1照度センサ又は前記第2照度センサのどちらを選択するかを指示する指示情報を前記表示装置の内部から取得する取得部をさらに備え、
前記制御部は、前記指示情報に従って、前記第1照度センサ又は前記第2照度センサのいずれを選択するかを決定する、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2照度センサが選択されており、かつ、該第2照度センサが検知する照度が前記閾値を超えていて、前記表示部が点灯中であるときに、前記第1照度センサの出力に基づき前記表示部の輝度を制御する、請求項4又は請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記筐体は、第1回転軸周りに回転することで前記ベース部に対して開閉し、
前記表示部は、第1回転軸と直交する第2回転軸周りに回転可能であり、
前記制御部は、前記表示部の前記第2回転軸周りの回転位置に基づき、前記第1照度センサ又は前記第2照度センサのどちらを選択するかを決定する、請求項4に記載の表示装置。
【請求項8】
前記筐体は、第1回転軸周りに回転することで前記ベース部に対して開閉し、
前記表示部は、第1回転軸と直交する第2回転軸周りに回転可能であり、
前記照度センサは、前記ベース部に設けられる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
ベース部と、
前記ベース部に対して開閉可能な筐体と、
前記筐体に組み込まれる表示部と、
前記表示部の表示画面が隠れるように前記ベース部に対して前記筐体が閉じられた場合に、前記筐体の内側面又は前記ベース部の内側面になる位置に設けられる第1照度センサと、
前記表示画面が露出するように前記ベース部に対して前記筐体が閉じられた場合に、前記筐体の内側面又は前記ベース部の内側面になる位置に設けられる第2照度センサと、を備える表示装置の制御方法であって、
前記第1照度センサ又は前記第2照度センサのうち、選択されたいずれかが検知する照度が閾値以下であるか否かを判定する判定工程と、
前記選択されたいずれかが検知する照度が前記閾値以下であるときに前記表示部を消灯させる消灯工程と、
を備える、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の後部座席に座る搭乗者に映像及び音声を提供するリアシートエンターテインメントシステム(RSE)が開発されている(例えば特許文献1参照)。リアシートエンターテインメントシステムは、車両の天井部材から垂下した状態で視聴可能な表示装置と、車両内に設けられたスピーカとを含む。
【0003】
リアシートエンターテインメントシステムの表示装置は、車両の天井に固定されるベース部と、ベース部に対して開閉可能な筐体と、ベース部と筐体との間に設けられるヒンジと、を備える。筐体には、表示部が組み込まれる。
【0004】
リアシートエンターテインメントシステムの表示装置は、ベース部に対する筐体の開閉を検知する機能を有し、ベース部に対して筐体が閉じられたときに表示部を消灯する。従来、ベース部に対する筐体の開閉を検知する開閉検知センサは、ベース部及び筐体の一方に設けられるホールICと、ベース部及び筐体の他方に設けられる磁石と、を備える構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ホールIC及び磁石は比較的大型で高価な部品であるため、ホールIC及び磁石によって構成される開閉検知センサを設けた場合、開閉検知センサの設置スペース及びコストの増大が顕著になる。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みて、表示部が組み込まれた筐体の開閉検知が省スペース及び低コストで可能である表示装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る表示装置は、ベース部と、前記ベース部に対して開閉可能な筐体と、前記筐体に組み込まれる表示部と、前記ベース部に対して前記筐体が閉じられた場合に、前記筐体の内側面又は前記ベース部の内側面になる位置に設けられる照度センサと、前記照度センサが検知する照度が閾値以下であるときに前記表示部を消灯させる第1制御部と、を備える構成(第1の構成)である。
【0009】
上記第1の構成の表示装置において、前記照度センサが検知する照度が前記閾値を超えていて、前記表示部が点灯中であるときに前記照度センサの出力に基づき前記表示部の輝度を制御する第2制御部をさらに備える構成(第2の構成)であってもよい。
【0010】
上記第2の構成の表示装置において、前記照度センサは、前記表示部の表示画面が隠れるように前記ベース部に対して前記筐体が閉じられた場合に、前記筐体の内側面になる位置に設けられる構成(第3の構成)であってもよい。
【0011】
上記第1の構成の表示装置において、前記表示部の表示画面が隠れるように前記ベース部に対して前記筐体が閉じられた場合に、前記筐体の内側面又は前記ベース部の内側面になる位置に設けられる第1照度センサと、前記表示画面が露出するように前記ベース部に対して前記筐体が閉じられた場合に、前記筐体の内側面又は前記ベース部の内側面になる位置に設けられる第2照度センサと、を備え、前記第1制御部は、前記第1照度センサ又は前記第2照度センサのうち、選択されたいずれかが検知する照度が前記閾値以下であるときに前記表示部を消灯させる構成(第4の構成)であってもよい。
【0012】
上記第4の構成の表示装置において、前記第1照度センサ又は前記第2照度センサのどちらを選択するかを指示する指示情報を前記表示装置の内部から取得する取得部をさらに備え、前記第1制御部は、前記指示情報に従って、前記第1照度センサ又は前記第2照度センサのいずれを選択するかを決定する構成(第5の構成)であってもよい。
【0013】
上記第4又は第5の構成の表示装置において、前記第2照度センサが選択されており、かつ、該第2照度センサが検知する照度が前記閾値を超えていて、前記表示部が点灯中であるときに、前記第1照度センサの出力に基づき前記表示部の輝度を制御する第3制御部をさらに備える構成(第6の構成)であってもよい。
【0014】
上記第4の構成の表示装置において、前記筐体は、第1回転軸周りに回転することで前記ベース部に対して開閉し、前記表示部は、第1回転軸と直交する第2回転軸周りに回転可能であり、前記第1制御部は、前記表示部の前記第2回転軸周りの回転位置に基づき、前記第1照度センサ又は前記第2照度センサのどちらを選択するかを決定する構成(第7の構成)であってもよい。
【0015】
上記第1の構成の表示装置において、前記筐体は、第1回転軸周りに回転することで前記ベース部に対して開閉し、前記表示部は、第1回転軸と直交する第2回転軸周りに回転可能であり、前記照度センサは、前記ベース部に設けられる構成(第8の構成)であってもよい。
【0016】
本発明に係る制御方法は、ベース部と、前記ベース部に対して開閉可能な筐体と、前記筐体に組み込まれる表示部と、前記ベース部に対して前記筐体が閉じられた場合に、前記筐体の内側面又は前記ベース部の内側面になる位置に設けられる照度センサと、を備える表示装置の制御方法であって、前記照度センサが検知する照度が閾値以下であるか否かを判定する判定工程と、前記照度センサが検知する照度が前記閾値以下であるときに前記表示部を消灯させる消灯工程と、を備える構成(第9の構成)である。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る表示装置及びその制御方法によると、表示部が組み込まれた筐体の開閉検知が省スペース及び低コストで可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】表示部の表示画面が隠れる閉じ方を実施する表示装置の斜視図
【
図2】表示部の表示画面が露出する閉じ方を実施する表示装置の斜視図
【
図3】表示部の表示画面が隠れる閉じ方を実施する表示装置の取り付け例を示す図
【
図4】表示部の表示画面が露出する閉じ方を実施する表示装置の取り付け例を示す図
【
図5】実施形態に係る表示装置の概略構成例を示す図
【
図6】第1照度センサ及び第2照度センサの配置を示す図
【
図7】実施形態に係る表示装置の動作例を示すフローチャート
【
図9】第1照度センサ及び第2照度センサの配置の第1例を示す図
【
図10】第1照度センサ及び第2照度センサの配置の第2例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
リアシートエンターテインメントシステムの表示装置では、ベース部に対して筐体を閉じるときの閉じ方として、
図1に示す閉じ方と、
図2に示す閉じ方との二通りがある。
図1に示す閉じ方は、ベース部2に対して筐体3を閉じた場合(開閉角度θを0°にした場合)に表示部の表示画面5が筐体3の内側面に位置して表示部の表示画面5が隠れる閉じ方である。
図2に示す閉じ方は、ベース部2に対して筐体3を閉じた場合(開閉角度θを0°にした場合)に表示部の表示画面5が筐体3の外側面に位置して表示部の表示画面5が露出する閉じ方である。
【0021】
図1に示す閉じ方を実施する表示装置は、ベース部2のヒンジ4側端部がベース部2の前端になるように、車両の天井に取り付けられる(
図3参照)。一方、
図2に示す閉じ方を実施する表示装置は、ベース部2のヒンジ4側端部がベース部2の後端になるように、車両の天井に取り付けられる(
図4参照)。
【0022】
上記二通りの閉じ方が可能な表示装置を開発することで、
図1に示す閉じ方を実施する表示装置及び
図2に示す閉じ方を実施する表示装置、すなわち2種類の表示装置を共通化設計することができ、製造工数、管理費等を削減することができる。
【0023】
しかしながら、共通化設計のためには、上記二通りの閉じ方が可能な表示装置は、
図1に示す閉じ方を実施する場合にベース部2に対する筐体3の開閉を検知できる開閉検知センサ、及び、
図2に示す閉じ方を実施する場合にベース部2に対する筐体3の開閉を検知できる開閉検知センサの両方を備える必要がある。
【0024】
実施形態に係る表示装置1は、車両に搭載される。表示装置1は、上記二通りの閉じ方が可能な表示装置であって、車両の天井に固定されるベース部2と、ベース部2に対して開閉可能な筐体3と、ベース部2と筐体3との間に設けられるヒンジ4と、を備える(
図1~
図4参照)。筐体3には、表示部5が組み込まれている。
【0025】
図5は、表示装置1の概略構成を示す図である。第1概略構成例の表示装置1は、マイコン11と、映像IC12と、表示部13と、駆動機構14と、第1照度センサ15Aと、第2照度センサ15Bと、を備える。
【0026】
マイコン11は、表示装置1全体に対する制御を行う。詳細には、マイコン11は、演算処理を行うことで各種の制御機能を実現するCPU(Central Processing Unit)と、演算処理の作業領域となるRAM(Random Access Memory)と、各種のデータを記憶する不揮発性メモリと、を備える。
【0027】
マイコン11は、第1PWM(Pulse Width Modulation)駆動信号S1を生成する。具体的には、マイコン11は、リモコン送信機等の操作装置から送信される電動TILTの指示を受信すると、第1PWM駆動信号S1を生成する。第1PWM駆動信号S1は、駆動機構14に供給される。また、マイコン11は、第2PWM駆動信号S2を生成する。具体的には、マイコン11は、映像IC12から表示部13が映像信号S3を受け取っていることをSPI(Serial Peripheral Interface)通信により表示部13から通知されると、表示装置1の周辺照度を検知する照度センサの出力信号に基づくオンデューティの第2PWM駆動信号S2を生成する。第2PWM駆動信号S2は表示部13に供給される。
【0028】
マイコン11は、表示装置1の各部を制御する機能として、上述した第1PWM駆動信号S1及び第2PWM駆動信号S2を生成する生成部以外に、第1制御部11A、第2制御部11B、取得部11C等を備える。すなわち、表示装置1は、第1制御部11Aと、第2制御部11Bと、取得部11Cと、をさらに備える。マイコン11が備える上記の機能は、不揮発性メモリに予め記憶されるプログラムに従ってCPUが演算処理を実行することによって実現される。
【0029】
第1制御部11Aは、第1照度センサ15A又は第2照度センサ15Bのいずれかを開閉検知センサとして利用して、開閉検知センサの出力値が閾値以下であるときに表示部13を消灯させる。第1制御部11Aは、後述する指示情報に従って、第1照度センサ15A又は第2照度センサ15Bのどちらを開閉検知センサとして利用するかを決定する。
【0030】
第2制御部11Bは、第1照度センサ15Aを輝度制御用照度センサとして利用して、輝度制御用照度センサの出力に基づき表示部13の輝度を制御する。具体的には、第2制御部11Bは、輝度制御用照度センサの出力値が大きいほど、第2PWM駆動信号S2のオンデューティを大きくして表示部13の輝度を高くする。
【0031】
取得部11Cは、第1照度センサ15A又は第2照度センサ15Bのどちらを開閉検知センサとして利用するかを指示する指示情報を表示装置1の内部から取得する。本実施形態では、指示情報は、マイコン11のポートP1に印加される電圧で表される。本実施形態では、マイコン11のポートP1にグラウンド電圧が印加される場合、指示情報は第1照度センサ15Aを開閉検知センサとして利用するかを指示する情報となり、マイコン11のポートP1にグラウンド電圧が印加されない場合、指示情報は第2照度センサ15Bを開閉検知センサとして利用するかを指示する情報となる。
【0032】
上述した指示情報の内容を示すポートP1の状態はあくまで一例である。例えば、本実施形態とは異なり、ポートP1にハイレベルの電圧が印加される場合、指示情報は第1照度センサ15Aを開閉検知センサとして利用するかを指示する情報となり、ポートP1にローレベル電圧が印加される場合、指示情報は第2照度センサ15Bを開閉検知センサとして利用するかを指示する情報となるようにしてもよい。
【0033】
映像IC12は、表示装置1の外部から提供される映像信号を受け取ると、受け取った映像信号に対して各種の映像処理を施して得られる映像信号S3を表示部13に供給する。映像IC12は、表示装置1の外部から提供される映像信号に、マイコン11から提供されるOSD(On Screen Display)信号を重畳する映像処理を施すことができる。また、映像IC12は、マイコン11から提供されるOSD信号のみを映像信号S3として表示部13に供給することもできる。映像IC12から表示部13に供給される映像信号S3の形式は特に限定されないが、本実施形態ではLVDS(Low Voltage Differential Signaling)形式の映像信号とする。
【0034】
表示部13は、映像信号S3に基づく映像を表示する。表示部13は、表示駆動IC13Aと、表示パネル13Bと、を備える。表示パネル13Bの前面が、表示部13の表示画面5となる。
【0035】
表示駆動IC13Aは、映像信号S3のRGBデータに基づき表示部13の各画素値を設定し、第2PWM駆動信号S2のオンデューティに基づき表示部13の輝度を設定し、これらの設定に基づき表示パネル13Bを駆動する。また、表示駆動IC13Aは、映像信号S3を受け取っている間、映像IC12から映像信号を受け取っていることをSPI通信によりマイコン11に通知する。
【0036】
表示パネル13Bは、OLED(Organic Light Emitting Diode)等の自発光タイプの表示パネルである。なお、本実施形態とは異なり、表示パネル13Bを非自発光タイプの表示パネルとする場合、表示パネルに光を照射するバックライトを設け、表示駆動IC13Aが表示部13の各画素値の設定に基づき表示パネルを駆動し、表示部13の輝度設定に基づきバックライトを駆動すればよい。
【0037】
駆動機構14は、表示部13の傾きを可変する。具体的には、駆動機構14は、ベース部2に対して筐体3を回転させて、ベース部2に対する表示部13の傾きを可変する。駆動機構14は、モータ駆動IC14Aと、回転アクチュエータ14Bと、を備える。回転アクチュエータ14Bは、モータ14Cを含む。モータ駆動IC14Aは、第1PWM駆動信号S1のオンデューティに基づく回転速度でモータ14Cを駆動させる。回転アクチュエータ14Bは、モータ14Cの回転速度に応じた表示部13の移動速度でベース部2に対して筐体3を回転させる。
【0038】
なお、表示装置1から駆動機構14を取り除き、ベース部2に対する筐体3の開閉を手動で行うようにしてもよい。
【0039】
第1照度センサ15Aは、第1照度センサ15Aの受光面に入射する光の照度に応じた電圧を出力する。第2度センサ15Bは、第2照度センサ15Bの受光面に入射する光の照度に応じた電圧を出力する。第1照度センサ15A及び第2照度センサ15Bとしては、例えばフォトダイオード、フォトトランジスタ等を用いることができる。
【0040】
本実施形態では、
図6に示すように、第1照度センサ15Aは、表示部13の表示画面5が隠れるようにベース部2に対して筐体3が閉じられた場合に、筐体3の内側面になる位置に設けられ、第2照度センサ15Bは、表示部13の表示画面5が露出するようにベース部2に対して筐体3が閉じられた場合に、筐体3の内側面になる位置に設けられる。第1照度センサ15Aの受光面は表示部13の表示画面5と同じ方向を向いており、第2照度センサ15Bの受光面は表示部13の表示画面5と逆の方向を向いている。
【0041】
図3に示すように表示装置1をベース部2のヒンジ4側端部がベース部2の前端になるように車両の天井に取り付ける場合には、マイコン11のポートP1にグラウンド電圧を印加して、第1照度センサ15Aを開閉検知センサとして利用すればよい。逆に、
図4に示すように表示装置1をベース部2のヒンジ4側端部がベース部2の後端になるように車両の天井に取り付ける場合には、マイコン11のポートP1をオープン状態にしてマイコン11のポートP1にグラウンド電圧を印加せずに、第2照度センサ15Bを開閉検知センサとして利用すればよい。
【0042】
図7は、表示装置1の動作例を示すフローチャートである。
【0043】
表示装置1に電源が投入されると、
図7に示すフロー動作が開始される。まず、取得部11Cは、指示情報を表示装置1の内部から取得する(ステップS10)。
【0044】
次に、マイコン11は、開閉検知センサの出力値が閾値以下であるか否かを判定する(ステップS20)。ベース部2に対して筐体3が閉じられると、理論的には開閉検知センサの出力値は0Vになる。したがって、理論的には閾値を0Vに設定すればよいが、実際にはノイズ等が存在するので、閾値は0Vより若干大きい値(例えば数mV等)に設定することが望ましい。
【0045】
表示装置1の周辺が明るいほど、ステップS20の処理にとってのノイズが大きくなるおそれがある。そこで、ベース部2に対して筐体3が開いた状態での輝度調整用照度センサの出力が大きいほど、ステップS20で用いる閾値を大きくしてもよい。
【0046】
また、表示部13から出力される光がステップS20の処理にとってのノイズになるおそれがある。そこで、第2PWM駆動信号のオフ期間にステップS20の処理を実行するようにしてもよい。
【0047】
開閉検知センサの出力値が閾値以下である場合(ステップS20のYES)、第1制御部11Aは表示部13を消灯させ(ステップS30)、その後ステップS20に戻る。
【0048】
一方、開閉検知センサの出力値が閾値以下でない場合(ステップS20のNO)、マイコン11は表示部13を点灯させる(ステップS40)。ステップS40に続くステップS50において、第2制御部11Bは輝度制御用照度センサの出力に基づき表示部13の輝度を制御し、その後ステップS20に戻る。
【0049】
上述した表示装置1は、表示部13の表示画面5が隠れるようにベース部2に対して筐体3が閉じられた場合に、筐体3の内側面になる位置に設けられる第1照度センサ15A、又は、表示部13の表示画面5が露出するようにベース部2に対して筐体3が閉じられた場合に、筐体3の内側面になる位置に設けられる第2照度センサ15Bのいずれかを開閉検知センサとして利用する。したがって、表示部13の表示画面5が隠れる閉じ方と表示部13の表示画面5が露出する閉じ方との両方において、表示部13が組み込まれた筐体3の開閉検知が可能となる。また、比較的大型で高価な部品であるホールIC及び磁石によって構成される開閉検知センサを設けなくてすむので、省スペース及び低コストで表示部13が組み込まれた筐体3の開閉検知可能になる。
【0050】
また、第1照度センサ15Aが表示部13の表示画面5が隠れるようにベース部2に対して筐体3が閉じられた場合に、筐体3の内側面になる位置に設けられるので、同じ位置にホールIC又は磁石を設けるよりも、表示部13の表示画面5を囲むベゼルを狭縁化できる。
【0051】
また、上述した表示装置1は、第1照度センサ15Aを輝度制御用照度センサとしても利用しているので、照度センサの個数を増加させることなく、表示部13の輝度制御を実現することができる。
【0052】
なお、本実施形態とは異なり、第2照度センサ15Bを輝度制御用照度センサとして利用した場合も、照度センサの個数を増加させることなく、表示部13の輝度制御を実現することができる。ただし、輝度制御用照度センサの受光面と表示部13の表示画面5とは同じ方向を向いている方が望ましい。輝度制御用照度センサの受光面と表示部13の表示画面5とは同じ方向を向いている方が、表示部13の表示画面5に当たる光の照度と輝度制御用照度センサによって検知される照度との相関が高まるからである。
【0053】
また、上述した表示装置1では、第1照度センサ15A及び第2照度センサ15Bの両方を筐体3に設けている。例えば、マイコン11も筐体3に設けることで第1照度センサ15Aとマイコン11との配線接続及び第2照度センサ15Bとマイコン11との配線接続が短くなるので、製造時の作業性が向上し、製造コストを抑えることができる。
【0054】
また、上述した表示装置1では、取得部11Cが指示情報を表示装置1の内部から取得するので、表示装置1の外部から指示を与えなくても、第1制御部11Aが第1照度センサ15A又は第2照度センサ15Bのどちらを開閉検知センサとして利用するかを決定することができる。
【0055】
<変形例>
上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【0056】
上述した実施形態とは異なり、第1照度センサ15Aを、表示部13の表示画面5が隠れるようにベース部2に対して筐体3が閉じられた場合に、ベース部2の内側面になる位置に設けてもよい。
【0057】
上述した実施形態とは異なり、第2照度センサ15Bを、表示部13の表示画面5が露出するようにベース部2に対して筐体3が閉じられた場合に、ベース部2の内側面になる位置に設けてもよい。
【0058】
上述した実施形態では、指示情報はマイコン11のポートP1に印加される電圧で表されたが、指示情報は他の形式であってもよい。例えば、指示情報は、マイコン11の内部メモリに不揮発的に記憶される情報であってもよい。
【0059】
図2に示す閉じ方を実施する予定がない場合には、例えば表示装置1から第2照度センサ15Bを取り除いた構成にすればよい。また、
図1に示す閉じ方を実施する予定がない場合には、例えば表示装置1から第1照度センサ15Aを取り除いた構成にすればよい。
【0060】
図8は、変形例に係る表示装置の斜視図である。
図8に示す表示装置は、ヒンジ4と筐体3との間に連結部6が設けられる。連結部6は、ヒンジ4と筐体3とを連結する。なお、
図8に示す表示装置の概略構成例は、
図5に示す構成から取得部11Cを取り除いた構成となる。
【0061】
筐体3は、連結部6とともに、ヒンジ4の回転軸である第1回転軸AX1周りに回転することでベース部2に対して開閉する。表示部13が組み込まれている筐体3は、第1回転軸AX1と直交する第2回転軸AX2周りに連結部6に対して回転可能である。
【0062】
図8に示す表示装置のセンサ配置の第1例では、
図9に示すように、第1照度センサ15Aは、表示部13の表示画面5が隠れるようにベース部2に対して筐体3が閉じられた場合に、筐体3の内側面になる位置に設けられ、第2照度センサ15Bは、表示部13の表示画面5が露出するようにベース部2に対して筐体3が閉じられた場合に、筐体3の内側面になる位置に設けられる。
【0063】
図8に示す表示装置のセンサ配置の第1例では、第1制御部11Aが、表示部13の第2回転軸AX2周りの回転位置に基づき、第1照度センサ15A又は第2照度センサ15Bのどちらを開閉検知センサとして利用するかを決定すればよい。表示部13の第2回転軸AX2周りの回転位置を検知する手法は特に限定されない。例えば、連結部6の筐体3との接触部分における
図8に示す状態での第1回転軸AX1方向の一端に第1電極を設け、筐体3の連結部6との接触部分における
図8に示す状態での第1回転軸AX1方向の一端にオープン状態の第2電極を設け、筐体3の連結部6との接触部分における
図8に示す状態での第1回転軸AX1方向の他端にグラウンドショート状態の第3電極を設けるとよい。このような構成によると、第2電極に接触している場合の第1電極の電位と、第3電極に接触している場合の第1電極の電位との違いによって、表示部13の第2回転軸AX2周りの
図8に示す回転位置と、表示部13の第2回転軸AX2周りの
図8から180°回転させた回転位置と、のいずれかであるかを判別することができる。第1制御部11Aは、表示部13の第2回転軸AX2周りの
図8に示す回転位置と、表示部13の第2回転軸AX2周りの
図8から180°回転させた回転位置と、を少なくとも把握できればよい。
【0064】
図8に示す表示装置のセンサ配置の第2例では、第1照度センサ15A及び第2照度センサ15Bは、同一のセンサであり、
図10に示すようにベース部2に設けられる。
【0065】
図8に示す表示装置のセンサ配置の第2例では、第1照度センサ15A及び第2照度センサ15Bである同一のセンサを常に開閉検知センサとして利用する。
図8に示す表示装置のセンサ配置の第2例では、表示部13の表示画面5が隠れる閉じ方と表示部13の表示画面5が露出する閉じ方との両方において、表示部13が組み込まれた筐体3の開閉検知が1つの照度センサで可能となる。
【0066】
また、第1照度センサ15A及び第2照度センサ15Bである同一のセンサを輝度制御用センサとしても利用することができる。ただし、
図8に示す表示装置のセンサ配置の第2例では、
図10に示すように、受光面が表示部13の表示画面5とは同じ方向を向く輝度制御用照度センサ15Cを筐体部3に設けることが望ましい。
【符号の説明】
【0067】
1 表示装置
2 ベース部
3 筐体
11A 第1制御部
11B 第2制御部
11C 取得部
13 表示部
15A 第1照度センサ
15B 第2照度センサ