(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】面状照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20241125BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241125BHJP
【FI】
F21S2/00 484
F21S2/00 481
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2020169541
(22)【出願日】2020-10-07
【審査請求日】2023-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】國持 亨
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-023981(JP,A)
【文献】特開2018-206553(JP,A)
【文献】特開2009-157115(JP,A)
【文献】国際公開第2020/067495(WO,A1)
【文献】特開2009-170205(JP,A)
【文献】特開2020-102341(JP,A)
【文献】特開2019-012687(JP,A)
【文献】再公表特許第2011/010488(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源が一方の面側に設けられる基板と、
前記基板の一方の面側に設けられるリフレクタと、
前記複数の光源と対向する入射面を有するレンズと、を備え、
前記リフレクタは、
複数に分割して形成され、
前記レンズは、複数に分割して形成され、
前記リフレクタ及び前記レンズは、前記リフレクタの分割位置と、前記レンズの分割位置とが異なる、
面状照明装置。
【請求項2】
前記リフレクタは、長手方向において複数に分割して形成され、
前記レンズは、長手方向において複数に分割して形成され、
請求項
1に記載の面状照明装置。
【請求項3】
複数の光源が一方の面側に設けられる基板と、
前記基板の一方の面側に設けられ、個々の前記光源を挟むように対向する一対の反射部を有するリフレクタと、
前記複数の光源と対向する入射面を有するレンズと、を備え、
前記リフレクタは、前記光源からの光を出射する開口を有し、
前記レンズは、板状のレンズ本体と、前記レンズ本体から前記入射面側へ向けて突出する突出部とを有し、
前記突出部は、前記開口の内部に挿入され、
前記突出部は、厚さ方向の断面形状に、出射面側の端部から入射面側の端部まで間隔が単調に狭くなる一対の斜線を含み、
前記リフレクタは、前記一対の反射部の厚さ方向の断面形状に、出射面側の端部から入射面側の端部まで間隔が単調に狭くなる一対の斜線を含み、
前記突出部の一対の斜線と、前記リフレクタの一対の斜線とが、
空間を介して対向配置される、
面状照明装置。
【請求項4】
前記リフレクタおよび前記レンズは、一体的に形成される、
請求項
3に記載の面状照明装置。
【請求項5】
前記突出部は、厚さ方向の断面形状に、前記入射面側ほど間隔が狭くなる一対の斜線を含む、
請求項3
または4に記載の面状照明装置。
【請求項6】
前記突出部は、前記光源と対向する平面に前記入射面から出射面に向けて凹む凹部が形成される、
請求項3から
5のいずれか一項に記載の面状照明装置。
【請求項7】
前記レンズは、光拡散性を有する、
請求項
1から6のいずれか一項に記載の面状照明装置。
【請求項8】
複数の光源が一方の面側に設けられる基板と、
前記基板の一方の面側に設けられるリフレクタと、を備え、
前記リフレクタは、前記光源の周囲に設けられたリフレクタ本体と、前記光源の出射面側における対向する位置に設けられた、前記光源からの光を遮断又は拡散する遮断拡散部分と、前記リフレクタ本体と前記遮断拡散部分とを連結する橋渡し部と、が一体的に形成され、
前記橋渡し部は、長手方向において、前記リフレクタ本体における第1反射部と前記遮断拡散部分とを連結する第1橋渡し部と、短手方向において、前記リフレクタ本体における第2反射部と前記遮断拡散部分とを連結する第2橋渡し部とを有し、
前記第1橋渡し部は、前記長手方向に対する幅よりも、厚さ方向に対する幅が広く、前記第2橋渡し部は、短手方向に対する幅よりも、厚さ方向に対する幅が広い、
面状照明装置。
【請求項9】
前記遮断拡散部分は、前記出射面側へ向けて突出する突出部を有し、
前記突出部は、長手方向および短手方向に対して直交する厚さ方向において、光学シートを支持可能である、
請求項
8に記載の面状照明装置。
【請求項10】
ボトムフレームと、トップフレームとで形成される金属製の筐体を備え、
前記ボトムフレーム及び前記トップフレームは、前記トップフレームにおける短手方向の一方の端部を、前記ボトムフレームに形成された被差し込み部に差し込み、かつ、前記トップフレームにおける短手方向の他方の端部を固定部材によって前記ボトムフレームに固定することによって組み付けられる、
面状照明装置。
【請求項11】
ボトムフレームと、トップフレームとで形成される金属製の筐体を備え、
前記ボトムフレーム及び前記トップフレームは、前記トップフレームにおける短手方向の一方の端部を、前記ボトムフレームに形成された被差し込み部に差し込み、かつ、前記トップフレームにおける短手方向の他方の端部に位置する係合爪と、前記ボトムフレームに設けられた前記係合爪に係合する係合部とを係合させることによって組み付けられる、
面状照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面状照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の光源であるLEDが一方の面側に設けられる配線基板を備え、一方の面である出射面から光を出射する、いわゆる直下型の面状照明装置が知られている。このような面状照明装置は、例えば、車載用の液晶表示装置のバックライト等として用いられる(例えば、特許文献1)。
【0003】
このような面状照明装置は、例えば、車両に搭載するため、出射面と直交する方向における薄型化が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
直下型の面状照明装置において、出射面と直交する方向における厚さを薄くした場合には、光源から出射面までの長さが短くなり、光源からの光が十分に拡がりきらずに出射面に到達することとなる。このため、出射面において、光源に対して対向する部分が明るい一方、光源と光源との間の位置に対向する部分が暗くなり、輝度にムラが生じる。このため、輝度にムラが生じることを抑制することができる薄型の面状照明装置が望まれる。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、出射面において輝度のムラを抑制することができる薄型の面状照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る面状照明装置は、複数の光源が一方の面側に設けられる基板と、前記基板の一方の面側に設けられるリフレクタと、前記複数の光源と対向する入射面を有するレンズと、を備え、前記リフレクタは、複数に分割して形成され、前記レンズは、複数に分割して形成され、前記リフレクタ及び前記レンズは、前記リフレクタの分割位置と、前記レンズの分割位置とが異なる。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る面状照明装置は、複数の光源が一方の面側に設けられる基板と、前記基板の一方の面側に設けられ、個々の前記光源を挟むように対向する一対の反射部を有するリフレクタと、前記複数の光源と対向する入射面を有するレンズと、を備え、前記リフレクタは、前記光源からの光を出射する開口を有し、前記レンズは、板状のレンズ本体と、前記レンズ本体から前記入射面側へ向けて突出する突出部とを有し、前記突出部は、前記開口の内部に挿入され、前記突出部は、厚さ方向の断面形状に、出射面側の端部から入射面側の端部まで間隔が単調に狭くなる一対の斜線を含み、前記リフレクタは、前記一対の反射部の厚さ方向の断面形状に、出射面側の端部から入射面側の端部まで間隔が単調に狭くなる一対の斜線を含み、前記突出部の一対の斜線と、前記リフレクタの一対の斜線とが、空間を介して対向配置される。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る面状照明装置は、複数の光源が一方の面側に設けられる基板と、前記基板の一方の面側に設けられるリフレクタと、を備え、前記リフレクタは、前記光源の周囲に設けられたリフレクタ本体と、前記光源の出射面側における対向する位置に設けられた、前記光源からの光を遮断又は拡散する遮断拡散部分と、前記リフレクタ本体と前記遮断拡散部分とを連結する橋渡し部と、が一体的に形成され、前記橋渡し部は、長手方向において、前記リフレクタ本体における第1反射部と前記遮断拡散部分とを連結する第1橋渡し部と、短手方向において、前記リフレクタ本体における第2反射部と前記遮断拡散部分とを連結する第2橋渡し部とを有し、前記第1橋渡し部は、前記長手方向に対する幅よりも、厚さ方向に対する幅が広く、前記第2橋渡し部は、短手方向に対する幅よりも、厚さ方向に対する幅が広い。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る面状照明装置は、ボトムフレームと、トップフレームとで形成される金属製の筐体を備え、前記ボトムフレーム及び前記トップフレームは、前記トップフレームにおける短手方向の一方の端部を、前記ボトムフレームに形成された被差し込み部に差し込み、かつ、前記トップフレームにおける短手方向の他方の端部を固定部材によって前記ボトムフレームに固定することによって組み付けられる。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る面状照明装置は、ボトムフレームと、トップフレームとで形成される金属製の筐体を備え、前記ボトムフレーム及び前記トップフレームは、前記トップフレームにおける短手方向の一方の端部を、前記ボトムフレームに形成された被差し込み部に差し込み、かつ、前記トップフレームにおける短手方向の他方の端部に位置する係合爪と、前記ボトムフレームに設けられた前記係合爪に係合する係合部とを係合させることによって組み付けられる。
【0008】
本発明の一態様に係る面状照明装置は、出射面において輝度のムラを抑制することができ、かつ、薄型にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る面状照明装置を正面から視た斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る面状照明装置の分解斜視図である。
【
図4B】
図4Bは、比較例の面状照明装置における
図3と同様の長手方向の端部の断面図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態に係る面状照明装置における
図3と同様の断面図である。
【
図6】
図6は、第3実施形態に係る面状照明装置におけるリフレクタを示す平面図である。
【
図7】
図7は、第3実施形態に係る面状照明装置における
図3と同様の断面図である。
【
図8】
図8は、第3実施形態に係る面状照明装置において、
図7に対して長手方向の位置が異なる部分における断面図である。
【
図9】
図9は、第4実施形態に係る面状照明装置における
図3と同様の断面図である。
【
図10】
図10は、第4実施形態に係る面状照明装置のリフレクタの平面図である。
【
図11】
図11は、第4実施形態に係る面状照明装置における短手方向に対して直交する平面における断面図である。
【
図12】
図12は、第5実施形態に係る面状照明装置において、短手方向に延在する仮想線での断面図である。
【
図13】
図13は、第5実施形態の第1変形例に係る面状照明装置において、短手方向に延在する仮想線での断面図である。
【
図14】
図14は、
図13に示す面状照明装置における筐体の短手方向の一方の端部を拡大した斜視図である。
【
図15】
図15は、第5実施形態の第2変形例に係る面状照明装置において、短手方向の一方の端部を拡大した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る面状照明装置1について図面を参照して説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、1つの実施形態に記載された内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。
【0011】
(第1実施形態)
まず、
図1,
図2を用いて、第1実施形態に係る面状照明装置1の全体構成について説明する。
図1は、第1実施形態に係る面状照明装置1を正面側から視た斜視図である。
図2は、第1実施形態に係る面状照明装置1の分解斜視図である。
図1,
図2においては、便宜上、面状照明装置1の長手方向をX軸方向、短手方向をY軸方向、厚さ方向をZ軸方向としている。その上、厚さ方向において、基板3に対して光学シート5が配置される側を出射面R側、若しくは、一方の面側としている。
【0012】
実施形態に係る面状照明装置1は、各種の液晶表示装置のバックライトとして用いられる照明装置であって、後述する複数の光源30が出射面Rの直下に配置される、いわゆる直下型の面状照明装置1である。面状照明装置1の対象である液晶表示装置は、例えば、車両に搭載される電子メータ、インジケータ等の表示器である。
【0013】
図1に示されるように、実施形態に係る面状照明装置1は、後述するトップフレーム22の開口22dによって規定される出射面Rを有する。面状照明装置1は、出射面Rから発光し、上記した液晶表示装置のバックライトとして機能する。
【0014】
実施形態に係る面状照明装置1は、
図2に示すように、筐体2と、基板3と、リフレクタ4と、光学シート5とを備える。
【0015】
筐体2は、例えば、剛性が高いステンレス等の金属製のフレームである。なお、筐体2は、アルミニウム、又は、マグネシウムで形成してもよい。筐体2は、ボトムフレーム21と、トップフレーム22とを備え、ボトムフレーム21及びトップフレーム22によって形成される内部空間2s(
図3参照)に、基板3、リフレクタ4、及び、光学シート5を収容する。換言すれば、基板3、リフレクタ4、及び、光学シート5は、筐体2に収容される。
【0016】
ボトムフレーム21は、有底箱状に形成されて筐体2における土台として機能する。また、ボトムフレーム21は、底部21aと、一対の第1側壁21bと、一対の第2側壁21cとにより構成される。底部21aは、正面側から視た場合には矩形状であり、面状照明装置1の正面視形状を規定する。一対の第1側壁21bは、長手方向において対向し、短手方向に延在する。一対の第2側壁21cは、短手方向において対向し、長手方向に延在する。
【0017】
トップフレーム22は、ボトムフレーム21の厚さ方向の一方の面側である光の出射方向側に配置され、筐体2における蓋として機能する。また、トップフレーム22は、天板22aと、一対の第1側壁22bと、一対の第2側壁22cにより構成される。天板22aは、中央部に開口22dが形成され、かかる開口22dにより上記した出射面Rが規定される。一対の第1側壁22bは、長手方向において対向し、短手方向に連続する。一対の第2側壁22cは、短手方向において対向し、長手方向に連続する。
【0018】
そして、筐体2は、ボトムフレーム21における一対の第1側壁21b及び一対の第2側壁21cが、トップフレーム22における一対の第1側壁22b及び一対の第2側壁22cの内側に挿入されることによって、トップフレーム22がボトムフレーム21に組み付けられ、内部空間2sが形成される(
図3参照)。つまり、本実施形態に係る面状照明装置1は、ボトムフレーム21における一対の第1側壁21b及び一対の第2側壁21cが筐体2の内壁を構成する一方、トップフレーム22における一対の第1側壁22b及び一対の第2側壁22cが筐体2の外壁を構成する。
【0019】
基板3は、例えば、エポキシ樹脂またはPI(ポリイミド)からなる回路基板であり、例えば、フレキシブルプリント回路基板(FPC:Flexible Printed Circuit)を採用可能である。基板3は、厚さ方向において、ボトムフレーム21の一方の面に設けられる。基板3における出射面R側には、例えば、白色のレジスト層を形成し、当該レジスト層によって、光源30からの光を出射面R側に反射する。また、基板3の一方の面側には、複数の光源30が設けられる(
図2参照)。換言すれば、面状照明装置1は、複数の光源30が一方の面側に設けられる基板3を備える。
【0020】
光源30は、点状の光源30であり、例えば、LED(Light Emitting Diode)を採用可能である。光源30として、例えば、パッケージタイプのLEDや、チップタイプのLEDを用いることができるが、これに限定されない。なお、光源30は、LEDに限定されるものではなく、任意の発光部材を採用可能である。
【0021】
また、複数の光源30は、長手方向及び短手方向のそれぞれに沿って矩形状に配置される。より具体的に説明すると、複数の光源30は、例えば、長手方向に所定の間隔で配置され、かつ、短手方向に所定の間隔で配置されることによって、縦横に等間隔で格子状に配置される。
【0022】
リフレクタ4は、例えば、合成樹脂によって形成され、光源30から放出される光を出射面R側に反射し、出射面Rの輝度を高める機能を有し、面状照明装置1としての出射効率を向上させることができる。リフレクタ4は、厚さ方向において基板3における一方の面側に設けられる。換言すれば、面状照明装置1は、基板3における一方の面側に設けられたリフレクタ4を備える。本実施形態に係るリフレクタ4は、例えば、合成樹脂を射出成型することによって一体的に形成される。つまり、本実施形態の面状照明装置1は、1つのリフレクタ4を備える。
【0023】
また、リフレクタ4は、基板3に実装される各光源30に対応した格子状のリフレクタ本体41が形成される。リフレクタ本体41は、長手方向において対向する一対の第1反射部41aと、短手方向において対向する一対の第2反射部41bと、一対の第1反射部41a及び一対の第2反射部41bによって形成される空間部41c、及び、リフレクタ開口41dとを有する。リフレクタ開口41dは、リフレクタ4の出射面R側に形成され、光源30からの光を出射する。
【0024】
光学シート5は、厚さ方向において、リフレクタ4の出射面R側に配置される。本実施形態の面状照明装置1は、例えば、3枚の光学シート51、52、53を含む。光学シート5は、厚さ方向において、他方の面側から一方の面側に通過する光の配光や輝度を調整し、例えば、出射面Rから出射される光を均一化する。例えば、光学シート51は、拡散シートであり、光学シート52は、プリズムシートやBEF(Brightness Enhancement Film)等であり、光学シート53は、反射偏光フィルムやDBEF(Dual Brightness Enhancement Film)である。
【0025】
本実施形態に係る面状照明装置1は、出射面Rにおいて輝度のムラを抑制することができるとともに、薄型にするために以下の構成を有する。
【0026】
本実施形態におけるリフレクタ4は、
図3に示すように、光源30の周囲に設けられたリフレクタ本体41と、リフレクタ本体41の出射面に対する反対面側に設けられ、光源からの光を正反射する反射シート42とを有する。
【0027】
リフレクタ本体41は、透過性のある半透過部材によって形成される。つまり、リフレクタ4の少なくとも一部は、透過性のある半透過部材によって形成される。より、具体的に説明すると、リフレクタ本体41は、所望の反射率及び透過性を有するように、例えば、ポリカーボネート等の透明な合成樹脂と、白色の合成樹脂とを混合し、かつ、厚さが調整されて形成される。そして、リフレクタ本体41は、少なくとも、長手方向において隣接する光源30と光源30との間に第1反射部41aが位置し、短手方向において隣接する光源30と光源30との間に第2反射部41bが位置するとともに、長手方向の端部に第1反射部41aが位置し、かつ、短手方向の端部に第2反射部41bが位置する。これらの構成によって、面状照明装置1は、厚さ方向において、基板3と光学シート5との距離を短くした場合であっても、リフレクタ本体41によって光源30から出射される光を十分に拡散することができ、出射面Rの全体的な輝度均一性を向上することができる。
【0028】
反射シート42は、厚さ方向において、基板3とリフレクタ本体41との間に位置する。つまり、反射シート42は、基板3とリフレクタ本体41との間に位置する。また、反射シート42は、光源30の頭部を露出させる反射シート開口(開口)42aを有する。本実施形態の反射シート42は、例えば、多層膜構造を有する反射フィルム、銀反射シート等によって構成され、光源30から出射される光を正反射する。本実施形態に係る反射シート42は、厚さ方向において、第1反射部41aの出射面Rに対する反対側に位置するとともに、第2反射部41bの出射面Rに対する反対側に位置する。
【0029】
図4(a)は、比較例の輝度分布図であり、
図4(b)は、比較例における
図3と同様の断面図である。
【0030】
比較例に示す面状照明装置1’は、直下型である。この面状照明装置1’は、複数の光源30’が一方の面側に設けられる基板3’と、基板3’の一方の面側に設けられ、光源30’からの光を反射するリフレクタ4’を備える。基板3’の一方の面側は、白色のレジスト層が設けられる。リフレクタ4’は、光源30’から出射される光を反射する一方、透過しない。このため、面状照明装置1’において、厚さ方向において、基板3’と光学シート5’との距離を短くした場合には、リフレクタ4’は、長手方向において隣接する光源30と光源30との間の部分、短手方向において隣接する光源30と光源30との間の部分において、光源30からの光を十分に拡散することができず、出射面Rで輝度が低くなる一方、厚さ方向において光源30’と対向する出射面Rで輝度が高くなり、出射面Rにおいて輝度の差が存在して輝度のムラが発生する。すなわち、面状照明装置1’における出射面R’の全体的な輝度均一性が低い。
【0031】
それに対して、本実施形態に係る面状照明装置1におけるリフレクタ4の少なくとも一部(より具体的には、リフレクタ本体41)は、透過性のある半透明部材を有する。リフレクタ4の一部に透過性を具備させることによって、光源30から出射される光を反射するとともに、透過して拡散させるため、仮に、基板3と光学シート5との距離を短くした場合であっても、光源30からの光を拡散することができる。より、具体的には、長手方向において隣接する光源30と光源30との間の部分、短手方向において隣接する光源30と光源30との間の部分、長手方向における端部、短手方向における端部において、輝度を高くすることができ、出射面Rにおいて輝度の差を抑制して、出射面の全体的な輝度均一性を向上することができる薄型な面状照明装置を提供することができる。
【0032】
その上、本実施形態に係る面状照明装置1は、光源30からの光を正反射する反射シート42を備える。そのため、光源30から出射され、筐体2の内部で損失となる光を、反射シート42によって出射面R側に反射させることができるため、面状照明装置1における出射面Rの全体的な輝度を向上することができる。
【0033】
さらに、本実施形態に係る面状照明装置1の反射シート42は、厚さ方向において、第1反射部41aの出射面Rに対する反対側に位置するとともに、第2反射部41bの出射面Rに対する反対側に位置する。そのため、本実施形態に係る面状照明装置1は、光源30から出射された光の一部が光学シート5等で反射し、光源30側に戻って来た光を、再度、反射シート42で反射してから出射面Rより出射する。その結果、本実施形態に係る面状照明装置1は、筐体2の内部で損失となる光を一層抑制することができ、面状照明装置1における出射面Rの全体的な輝度を向上することができる。
【0034】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上述した実施形態において、リフレクタ4は、リフレクタ本体41と、反射シート42とを備えるものを説明した。しかし、本実施形態における面状照明装置1は、それに限られず、リフレクタ4は、反射シート42を備えなくてもよい。すなわち、リフレクタ4が反射シート42を備えずにリフレクタ4の全部を透過性のある半透過部材によって形成してもよい。
【0035】
(第2実施形態)
図5は、面状照明装置1Aにおける
図3と同様の断面図である。本実施形態に係る面状照明装置1Aは、厚さ方向において、リフレクタ4と光学シート5との間にレンズ6を備えている点で、上述した第1実施形態に係る面状照明装置1と異なる。
【0036】
本実施形態に係る面状照明装置1Aは、例えば、リフレクタ4を一体的に形成してある。つまり、面状照明装置1Aは、1つのリフレクタ4を備える。また、本実施形態に係る面状照明装置1Aは、レンズ6を一体的に形成してある。つまり、面状照明装置1Aは、1つのレンズ6を備える。
【0037】
レンズ6は、透明な合成樹脂によって形成される。レンズ6は、複数の光源30と対向する入射面61を有する。このようなレンズ6は、板状のレンズ本体62と、レンズ本体62から入射面61側へ向けて突出する突出部63とを有する。そして、突出部63は、リフレクタ4のリフレクタ開口41dの内部に挿入される。突出部63は、第1凹部63aと、第2凹部63bとが入射面61側に形成される。第1凹部63aは、厚さ方向において、入射面61から出射面R側に向けて凹み、厚さ方向から視た場合、中央に光源30が配置され、かつ、円錐状に形成され、各光源30が挿入される。第2凹部63bは、厚さ方向において、入射面61から出射面R側に向けて凹み、厚さ方向から視た場合、第1反射部41a及び第2反射部41bに対応した格子状に形成され、当該第1反射部41a及び第2反射部41bが挿入される。レンズ6は、光源30から厚さ方向において出射面R側に出射される光の一部を、レンズ6と空気との境界面で屈折させることによって、光学シート5において長手方向において隣接する光源30と光源30との間の部分、短手方向において隣接する光源30と光源30との間の部分から出射させるように形成される。
【0038】
本実施形態に係る面状照明装置1Aは、レンズ6を有する。このため、本実施形態に係る面状照明装置1Aは、レンズ6によって、光源30から厚さ方向において出射面R側に出射される光の一部を、レンズ6と空気との境界面で屈折させ、光学シート5において長手方向において隣接する光源30と光源30との間の部分、短手方向において隣接する光源30と光源30との間の部分から出射させることができる。この結果、本実施形態に係る面状照明装置1Aは、出射面Rにおいて輝度の差を一層抑制して、出射面Rの全体的な輝度均一性をさらに向上することができる薄型な面状照明装置1Aを提供することができる。その上、本実施形態に係る面状照明装置1Aにおけるレンズ6は、板状のレンズ本体62と、レンズ本体62から入射面61側へ向けて突出する突出部63とを有する。そして、突出部63は、リフレクタ開口41dの内部(つまり、リフレクタ4の空間部41cの内部)に挿入される。このため、本実施形態に係る面状照明装置1Aのレンズ6は、リフレクタ4の空間部41cにおいて、光源30からの光を拡散させることができ、出射面Rから出射される光を均一化することができる。この結果、本実施形態に係る面状照明装置1Aは、厚さ方向の長さを短くすることができ、薄型にすることができる。
【0039】
なお、上述した実施形態に係る面状照明装置1Aのレンズ6は、透明な合成樹脂によって形成するものを説明した。しかし、本実施形態に係る面状照明装置1Aのレンズ6は、それに限られない。レンズ6は、例えば、光を拡散させる拡散材を上述した合成樹脂の内部に分散させることによって、光拡散性を有してもよい。このようにレンズ6が光拡散性を有すれば、光源30からの光を一層拡散させることができ、出射面Rから出射される光を均一化することができる。
【0040】
また、上述した実施形態に係る面状照明装置1Aは、リフレクタ4とレンズ6とを別体に形成するものを説明した。しかし、本実施形態に係る面状照明装置1Aは、それに限られず、リフレクタ4およびレンズ6を一体的に形成してもよい。リフレクタ4およびレンズ6は、例えば、二色成形によって一体的に形成することができる。このようにリフレクタ4およびレンズ6を一体的に形成すれば、リフレクタ4に対してレンズ6を組み付ける必要がないため、面状照明装置1Aの製造を容易にすることができる。
【0041】
(第3実施形態)
図6は、本実施形態に係る面状照明装置1Bにおける基板3及びリフレクタ4Bを示す平面図であり、
図7は、面状照明装置1Bにおける
図3と同様の断面図であり、
図8は、面状照明装置1Bにおいて、
図7に対して長手方向の位置が異なる部分における断面図である。本実施形態に係る面状照明装置1Bにおけるリフレクタ4Bは、複数に分割して形成され、かつ、レンズ6Bは、複数に分割して形成される点が、上述した面状照明装置1Aと異なる。例えば、本実施形態に係るリフレクタ4Bは、長手方向において、6つに分割して形成され、かつ、レンズ6Bは、長手方向において、6つに分割して形成される。
【0042】
レンズ6Bは、
図7に示すように、長手方向において、隣接する光源30と光源30との間の分割位置64において分割される。分割位置64では、レンズ6Bを構成するレンズ部分64a及びレンズ部分64bの間に、間隙64sが形成される。リフレクタ4Bは、
図8に示すように、長手方向において、レンズ6Bの分割位置64と異なる分割位置44において分割される。分割位置44では、リフレクタ4Bを構成するリフレクタ部分44a及びリフレクタ部分44bの間に、間隙44sが形成される。つまり、本実施形態に係る面状照明装置1Bにおいて、リフレクタ4B及びレンズ6Bは、リフレクタ4Bの分割位置44と、レンズ6Bの分割位置64とが異なる。また、厚さ方向において、レンズ6の分割位置64は、
図7に示すように、リフレクタ4における第2反射部41bに対向する。さらに、本実施形態に係る面状照明装置1Bは、車両に搭載される。
【0043】
車両に搭載する面状照明装置1Bは、走行時に加わる車両の振動対策として各部材を固定することが必要とされる。その上、各部材を固定することを考慮すると、車両に搭載する面状照明装置1Bの使用環境下(例えば、車載用では-40°C~95°C)において、各部材の線膨張係数の相違によって、各部材を分割することが必要とされる。ここで、面状照明装置において、リフレクタ4及びレンズ6は、仮に、リフレクタの分割位置と、レンズの分割位置とを一致させた場合には、当該分割位置と、当該分割位置から外れた部分との間において、大きな輝度の相違が発生し、輝度ムラが発生する。
【0044】
本実施形態に係る面状照明装置1Bにおいて、リフレクタ4B及びレンズ6Bは、リフレクタ4Bの分割位置44と、レンズ6Bの分割位置64とが異なる。そのため、本実施形態に係る面状照明装置1Bは、リフレクタ4Bの分割位置44の出射面R側は、レンズ6Bにおけるレンズ本体62で覆われるため、リフレクタ4Bの分割位置44をぼかすことができる。その結果、本実施形態に係る面状照明装置1Bは、出射面Rにおいて輝度の差を一層抑制して、出射面Rの全体的な輝度均一性をさらに向上することができる薄型な面状照明装置1Bを提供することができる。その上、リフレクタ4Bは、複数に分割して形成され、かつ、レンズ6Bは、複数に分割して形成されるため、各部材の線膨張係数が相違したとしても、各部材を固定することが容易となる。その上、厚さ方向において、レンズ6の分割位置64をリフレクタ4における第2反射部41bに対向させることによって、リフレクタ4を分割することにより影響を抑制することができる。
【0045】
なお、上述した実施形態の面状照明装置1Bは、レンズ6Bの分割位置64、及び、リフレクタ4Bの分割位置44の一例を説明したものであり、レンズ6Bの分割位置64、及び、リフレクタ4Bの分割位置44は、適宜の位置に変更することができる。
【0046】
(第4実施形態)
図9は、本実施形態に係る面状照明装置1Cにおける
図3と同様の断面図であり、
図10は、面状照明装置1Cのリフレクタ4Cの平面図である。
図11は、本実施形態に係る面状照明装置1Cにおいて、短手方向に対して直交する平面における断面図である。本実施形態に係る面状照明装置1Cのリフレクタ4Cは、後述する遮断拡散部分45をさらに有する点において、第1実施形態に係る面状照明装置1のリフレクタ4と異なる。
【0047】
本実施形態に係る面状照明装置1Cにおけるリフレクタ4Cは、光源30の周囲に設けられたリフレクタ本体41と、光源30の出射面R側における対向する位置に設けられた、光源30からの光を遮断又は拡散する遮断拡散部分45と、リフレクタ本体41と遮断拡散部分45とを連結する橋渡し部46とを有し、リフレクタ本体41、遮断拡散部分45、及び、橋渡し部46が一体的に形成される。つまり、本実施形態に係る面状照明装置1Cにおけるリフレクタ4Cは、少なくとも、光源30の周囲に設けられたリフレクタ本体41と、光源30の出射面R側における対向する位置に設けられた、光源30からの光を遮断又は拡散する遮断拡散部分45とが一体的に形成される。リフレクタ本体41は、例えば、両面テープ等の固定部材によって基板3に固定される。
【0048】
遮断拡散部分45は、光源30から出射される光を遮断又は拡散する部分である。遮断拡散部分45は、光源30の出射面R側における対向する位置に設けられるため、遮断拡散部分45の出射面R側における対向する位置から出射される光を抑制することができる。遮断拡散部分45は、出射面R側へ突出する突出部45aを有する。突出部45aは、例えば、円柱状に形成される。突出部45aにおける出射面R側の先端は、光学シート5を支持可能である。より具体的に説明すると、本実施形態に係る面状照明装置1Cは、車両に搭載され、車両の停車時において、厚さ方向で突出部45aと光学シート5との間に空間が介在する場合であっても、車両の走行時において面状照明装置1Cに振動が加えられた場合には、突出部45aにおける出射面R側の先端が光学シート(拡散シート)5に接触する。つまり、本実施形態に係る突出部45aは、常時、光学シート5に接触するものでなくてもよい。
【0049】
橋渡し部46は、弾性変形可能に形成される。また、橋渡し部46は、長手方向において、リフレクタ本体41における第1反射部41aと遮断拡散部分45とを連結する第1橋渡し部46aと、短手方向において、リフレクタ本体41における第2反射部41bと遮断拡散部分45とを連結する第2橋渡し部46bとを有する。
【0050】
第1橋渡し部46aは、
図10に示す長手方向に対する幅W1よりも、
図11に示す厚さ方向に対する幅W3が広い。同様に、第2橋渡し部46bは、
図10に示す短手方向に対する幅W2よりも、
図9に示す厚さ方向に対する幅W4が広い。つまり、橋渡し部46は、長手方向に対する幅W1及び短手方向に対する幅W2よりも、厚さ方向に対する幅W3、W4が広い。なお、本実施形態において、第1橋渡し部46aの長手方向に対する幅W1とは、長手方向に対する幅が最も狭い部分における幅であり、第1橋渡し部46aの厚さ方向に対する幅W3とは、厚さ方向に対する幅が最も狭い部分における幅である。また、本実施形態において、第2橋渡し部46bの短手方向に対する幅W2とは、短手方向に対する幅が最も狭い部分における幅であり、第2橋渡し部46bの厚さ方向に対する幅W4とは、厚さ方向に対する幅が最も狭い部分における幅である。
【0051】
また、第1橋渡し部46aは、
図10、
図11に示すように、第1反射部41aに対して連続する基端部46a1と、遮断拡散部分45に対して連続する先端部46a2とを有する。そして、第1橋渡し部46aは、厚さ方向及び長手方向を含む平面に対して直交する横断面において、厚さ方向に対して屈曲するように形成される。つまり、第1橋渡し部46aは、横断面において、厚さ方向に対して屈曲するように形成される。
【0052】
さらに、第2橋渡し部46bは、
図9、
図10に示すように、第2反射部41bに対して連続する基端部46b1と、遮断拡散部分45に対して連続する先端部46b2とを有する。そして、第2橋渡し部46bは、厚さ方向及び短手方向を含む平面に対して直交する縦断面において、厚さ方向に対して屈曲するように形成される。つまり、橋渡し部46は、縦断面において、厚さ方向に対して屈曲するように形成される。
【0053】
本実施形態に係る面状照明装置1Cのリフレクタ4Cは、光源30からの光を遮断又は拡散する遮断拡散部分45を有する。そのため、本実施形態に係る面状照明装置1Cは、光学シート5において、光源30の出射面R側における対向する位置より出射される光を遮断拡散部分45によって抑制することができる。その結果、光学シート5の出射面Rにおいて輝度の差を抑制して、出射面Rの全体的な輝度均一性を向上することができる。
【0054】
その上、本実施形態に係る面状照明装置1Cのリフレクタ4Cは、少なくとも、光源30の周囲に設けられたリフレクタ本体41と、光源30の出射面R側における対向する位置に設けられた、光源30からの光を遮断又は拡散する遮断拡散部分45とが一体的に形成される。そのため、本実施形態に係る面状照明装置1Cのリフレクタ4Cは、リフレクタ本体41及び遮断拡散部分45を、基板3又はボトムフレーム21に対して個別に固定する必要がない。その結果、本実施形態に係る面状照明装置1Cのリフレクタ4Cは、出射面Rの全体的な輝度均一性を向上することができるとともに、リフレクタ4Cの基板3又はボトムフレーム21に対する固定作業を容易にすることができる。加えて、本実施形態に係る面状照明装置1Cは、リフレクタ4Cの固定作業を容易にすることによって、コストダウンを図ることができる。さらに、本実施形態に係る面状照明装置1Cのリフレクタ4Cは、リフレクタ本体41と遮断拡散部分45とを一体的に形成するため、部品点数を減少させることができる。
【0055】
本実施形態に係る面状照明装置1Cが車両に搭載されるものであるため、面状照明装置1Cの各部品は、車内の使用環境によって熱膨張及び熱収縮する。リフレクタ本体41は、固定部材を介して基板3に固定される一方、遮断拡散部分45は、リフレクタ本体41等と一体的に形成されるものの、基板3に固定されていない。しかし、本実施形態に係る面状照明装置1Cの遮断拡散部分45は、出射面R側へ突出する突出部45aを有し、当該突出部45aは光学シート5に接触する。それにより、本実施形態に係る面状照明装置1Cの遮断拡散部分45は、厚さ方向における熱膨張を抑制することができる。その上、橋渡し部46が弾性変形可能に形成されるとともに、橋渡し部46が縦断面において厚さ方向に対して屈曲するように形成されるため、熱膨張及び熱収縮に対応することができる。
【0056】
その上、本実施形態に係る面状照明装置1Cの橋渡し部46は、長手方向に対する幅W1及び短手方向に対する幅W2よりも、厚さ方向に対する幅W3が広い。つまり、厚さ方向において、出射面R側からリフレクタ4を視た場合における橋渡し部46の幅W1,W2よりも、短手方向に直交する断面、及び、長手方向に直交する断面における橋渡し部46の幅W3が広いため、光源30から出射される光に対する影響を可及的に少なくしながら、橋渡し部46の剛性を向上することができる。
【0057】
(第5実施形態)
図12は、本実施形態に係る面状照明装置1Dにおける短手方向に延在する仮想線での断面図である。上述した第1実施形態に係る面状照明装置1は、ボトムフレーム21とトップフレーム22とを有する筐体2を備えるものを説明した。本実施形態に係る面状照明装置1Dの筐体2Dにおけるボトムフレーム21Dは、面状照明装置1Dに組み付けられる液晶表示装置7の筐体における装置ボトムフレームと一体的に形成される点、ボトムフレーム21Dとトップフレーム22Dとの係止構造、及び、リフレクタ4Dが短手方向の端部に、光学シート5の周囲を覆うリフレクタ側壁401を有する点が、第1実施形態に係る面状照明装置1と異なる。以下、それらの相違点について説明する。
【0058】
本実施形態に係る面状照明装置1Dは、さらに、液晶表示装置7と、カバーガラス8と、パッキン9とを有する。液晶表示装置7は、光学シート5の出射面R側に位置する。カバーガラス8は、液晶表示装置7の出射面R側に位置する。また、ボトムフレーム21Dは、有底箱状に形成され、底部21Daと、長手方向において対向する一対の第1側壁21Dbと、短手方向において対向する一対の第2側壁21Dcとにより構成される。本実施形態に係る面状照明装置1Dは、一対の第2側壁21Dcに特徴的な構成を有するため、一対の第2側壁21Dcについて説明し、一対の第1側壁21Dbについての説明を省略する。また、パッキン9は、ボトムフレーム21Dにおける第1側壁21Db、及び、第2側壁21Dcと、カバーガラス8との間に位置する。
【0059】
リフレクタ側壁401は、リフレクタ本体41Dにおける短手方向の端部から出射面R側へ向けて起立する。
【0060】
ボトムフレーム21Dにおける各第2側壁21Dcは、厚さ方向において、底部21Daに連続する第2側壁本体211と、出射面R側に位置する折り曲げ部212とを有する。折り曲げ部212には、厚さ方向において、パッキン9を介してカバーガラス8が固定され、短手方向において、間隔をあけて液晶表示装置7が配置される。
【0061】
一対の第2側壁21Dcのうち一方の第2側壁21Dcは、第2側壁本体211と、折り曲げ部212との間に位置する被差し込み部213を有する。被差し込み部213は、短手方向において、一方の第2側壁21Dcを貫通する孔である。
【0062】
本実施形態に係るトップフレーム22Dは、開口22Ddを有する天板22Daによって構成される。
【0063】
本実施形態に係る筐体2Dは、以下のようにしてボトムフレーム21Dに対してトップフレーム22Dを組み付ける。先ず、作業者は、トップフレーム22Dにおける短手方向の一方の端部221を、ボトムフレーム21Dに形成され、一対の第2側壁21Dcのうちの一方の第2側壁21Dcの被差し込み部213に差し込む。次に、作業者は、ボトムフレーム21Dの一対の第2側壁21Dcのうち、他方の第2側壁21Dcの先端に固定部材(例えば、両面テープ)201を張り付ける。最後に、作業者は、厚さ方向において、固定部材201の上に、トップフレーム22Dにおける短手方向の一方の端部222を載置し、固定部材201を介して、トップフレーム22Dをボトムフレーム21Dに固定する。
【0064】
本実施形態に係る面状照明装置1Dのボトムフレーム21D及びトップフレーム22Dは、トップフレーム22Dにおける短手方向の一方の端部221を、ボトムフレーム21Dに形成された被差し込み部213に差し込み、かつ、トップフレーム22Dにおける短手方向の他方の端部222を固定部材201によってボトムフレーム21Dに固定することによって組み付けられる。そのため、本実施形態に係る面状照明装置1Dは、ボトムフレーム21Dに対するトップフレーム22Dの組み付けを簡単な構成とするため、短手方向における第2側壁21Dcの長さを小さくすることができる。その結果、本実施形態に係る面状照明装置1Dは、短手方向における額縁を狭くすることができる。その上、本実施形態に係る面状照明装置1Dは、ボトムフレーム21Dを、液晶表示装置7の装置ボトムフレームと一体的に形成するため、これらを個別に設けた場合と比較して薄型にすることができる。
【0065】
なお、上述した実施形態には、直下型の面状照明装置1Dを説明した。しかし、本実施形態に係る面状照明装置はそれに限られず、エッジライト型の面状照明装置に適用することもできる。本実施形態に係る直下型の面状照明装置1Dの代わりに、エッジライト型の面状照明装置に適用する場合には、基板3の一方の面側に設けられた複数の光源30を設ける代わりに、複数の光源が短冊状の基板の長手方向に沿って設けられた光源ユニットを設け、当該光源の発光面を導光板の側面に対向させる。
【0066】
(第5実施形態の第1変形例)
図13は、本変形例に係る面状照明装置1Eにおける短手方向に延在する仮想線での断面図である。
図14は、本変形例に係る面状照明装置1Eにおける筐体2Eの短手方向の一方の端部を拡大した斜視図である。本変形例に係る面状照明装置1Eにおけるボトムフレーム21Eとトップフレーム22Eとの係止構造は、第5実施形態に係る面状照明装置1Dにおけるボトムフレーム21Dとトップフレーム22Dとの係止構造と異なる。以下、それらの相違点について説明する。
【0067】
本変形例に係るトップフレーム22Eの天板22Eaは、短手方向における一方の端部222に、係合爪224を有する。係合爪224は、天板22Eaの短手方向における一方の端部222から、厚さ方向において、出射面R側に対する反対側に折れ曲がり、かつ、厚さ方向に延在する折り曲げ部224aと、折り曲げ部224aの先端から出射面R側に向けて傾斜する態様で突出する爪本体224bとを有する。
【0068】
ボトムフレーム21Eにおける各第2側壁21Ecは、第5実施形態に係るボトムフレーム21Dと同様に、第2側壁本体211と、折り曲げ部212とを有する。
【0069】
一対の第2側壁21Ecのうちの一方の第2側壁21Ecは、第2側壁本体211と、折り曲げ部212との間に位置する被差し込み部213E1を有する。
【0070】
一対の第2側壁21Ecのうちの他方の第2側壁21Ecは、第2側壁本体211と、折り曲げ部212との間に位置する溝状の係合部213E2を有する。係合部213E2は、厚さ方向に沿って延在し、弾性変形した状態の係合爪224を挿入可能に形成され、かつ、係合爪224に係合可能である。なお、本変形例では、溝状の係合部213E2を説明したが、係合部213E2の形状はこれに限られず、孔状の係合部でもよい。
【0071】
本実施形態に係る筐体2Eは、以下のようにしてボトムフレーム21Eに対してトップフレーム22Eを組み付ける。先ず、作業者は、トップフレーム22Eにおける短手方向の一方の端部221を、ボトムフレーム21Eに形成され、一対の第2側壁21Ecのうちの一方の第2側壁21Ecの被差し込み部213E1に差し込む。
【0072】
次に、作業者は、トップフレーム22Eの係合爪224を、ボトムフレーム21Eに形成された係合部213E2に挿入して係合爪224の爪本体224bを弾性変形させ、爪本体224bの先端を係合部213E2から突出させて爪本体224bを弾性復帰させ、係合爪224と係合部213E2とを係合する。そして、係合爪224と係合部213E2とが係合した状態では、ボトムフレーム21Eにトップフレーム22Eが固定される。最後に、作業者は、トップフレーム22Eの他方の端部222と、ボトムフレーム21Eの折り曲げ部212とを、例えば片面粘着テープ等の固定部材によって固定する。
【0073】
本変形例に係る面状照明装置1Eのボトムフレーム21E及びトップフレーム22Eは、トップフレーム22Eにおける短手方向の一方の端部221を、ボトムフレーム21Eに形成された被差し込み部213E1に差し込み、かつ、トップフレーム22Eにおける短手方向の他方の222に位置する係合爪224と、ボトムフレーム21Eに設けられた係合爪224に係合する係合部213E2とを係合することによって組み付けられる。そのため、本変形例に係る面状照明装置1Eは、ボトムフレーム21Eに対するトップフレーム22Eの組み付けを簡単な構成とするため、短手方向における第2側壁21Ecの長さを小さくすることができる。その結果、本変形例に係る面状照明装置1Eは、短手方向における額縁を狭くすることができる。その上、本変形例に係る面状照明装置1Eは、トップフレーム22Eの他方の端部222と、ボトムフレーム21Eの折り曲げ部212とを固定部材によって固定する。その結果、変形例に係る面状照明装置1Eは、例えば、車両が走行することによって振動が加えられても、ボトムフレーム21Eに対するトップフレーム22Eの組み付け状態を維持することができる。
【0074】
(第5実施形態の第2変形例)
図15は、本変形例に係る面状照明装置1Fにおける筐体2Fの短手方向の一方の端部を拡大した斜視図である。
図16は、筐体2Fに設けられた係合爪224Fの平面図である。本変形例に係る面状照明装置1Fにおけるボトムフレーム21Fとトップフレーム22Fとの係止構造において、短手方向における一方の端部の係止構造は、第1変形例に係る面状照明装置1Eにおけるボトムフレーム21Eとトップフレーム22Eとの係止構造と同様である。一方、本変形例に係る面状照明装置1Fにおけるボトムフレーム21Fとトップフレーム22Fとの係止構造において、短手方向における他方の端部の係止構造は、第1変形例に係る面状照明装置1Eにおけるボトムフレーム21Eとトップフレーム22Eとの係止構造と相違する。以下、上記した相違する構成について説明する。
【0075】
ボトムフレーム21Fの係合部213F2は、孔部本体213F3と、孔部本体213F3から折り曲げ部212の先端まで延在する孔延在部213F4とを有する。孔部本体213F3における長手方向の幅は、孔延在部213F4の長手方向の幅よりも広く、孔部本体213F3と、孔延在部213F4とによって係止部214が構成される。
【0076】
トップフレーム22Fに設けられる係合爪224Fは、天板22Faの他方の222から短手方向に突出して形成され、基部224cと、基部224cから互いに離隔する態様で突出し、弾性変形可能な一対の弾性変形部224dとを有する。弾性変形部224dの厚さ方向における高さは、孔部本体213F3の厚さ方向における高さよりも低い。
【0077】
次に、係合部213F2と、係合爪224Fとの係合を説明する。先ず、作業者は、各弾性変形部224dを厚さ方向において圧縮し、弾性変形部224dを弾性変形させ、かつ、当該弾性変形を維持した状態において、係合爪224Fを孔部本体213F3に挿入する。そして、作業者による弾性変形部224dの圧縮が解除された場合には、弾性復元力によって、弾性変形部224dの先端部が係止部214に押圧され、係合部213F2と、係合爪224Fとが係合される。
【0078】
(第5実施形態の第2変形例におけるさらなる変形例)
図17は、本変形例に係る係合爪224Gの平面図である。本変形例に係る係合爪224Gは、第2変形例の係合爪224Fと、以下の点において相違する。本変形例に係る係合爪224Gは、基部224cにおける一対の弾性変形部224dの間に、短手方向に延在する切欠き224cが形成される。
【0079】
本変形例に係る係合爪224Gは、基部224cに切欠き224eを有するため、係合爪224Gの剛性を小さくすることができる。この結果、本変形例に係る係合爪224Gと、係合部213F2とを係合させる際において、係合爪224Gを容易に弾性変形させることができる。この結果、ボトムフレーム21Fに対するトップフレーム22Fの組み付けを容易にすることができる。
【0080】
(その他の実施形態)
なお、上述した各実施形態及び各変形例におけるトップフレーム22,22D,22E,22Fは、金属製のものを説明した。しかし、各実施形態及び各変形例におけるトップフレーム22,22D,22E,22Fは、これに限られず、例えば、例えば黒色の合成樹脂で形成してもよい。
【0081】
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0082】
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F 面状照明装置,2,2D,2E,2F 筐体,21,21D,21E,21F ボトムフレーム,213E2,213F2 係合部,22,22D,22E,22F トップフレーム,201 固定部材,224,224F,224G 係合爪,3 基板,30 光源,4,4B,4C,4D リフレクタ,44 分割位置,6,6B レンズ,61 入射面,62 レンズ本体,63 突出部,64 分割位置,R 出射面