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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】給電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/12 20160101AFI20241125BHJP
   H02J 50/40 20160101ALI20241125BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241125BHJP
【FI】
H02J50/12
H02J50/40
H02J7/00 301D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020194474
(22)【出願日】2020-11-24
(65)【公開番号】P2022083180
(43)【公開日】2022-06-03
【審査請求日】2023-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雅一
【審査官】新田 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-068649(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/12
H02J 50/40
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
前記ベースに設けられ、一方の側部に受電装置を有するカートの前記受電装置に電力を送電する送電装置と、
前記送電装置の送電面と前記受電装置の受電面とが対向する位置で、前記カートの進行方向の前方及び前記カートの幅方向で前記受電装置と係合する係合部と、
前記進行方向で先頭の前記カートの前輪の位置を規定する第1ガイドと、
を備え
前記送電装置及び前記係合部は、前記進行方向に沿って複数配置される、給電装置。
【請求項2】
前記ベースは、前記カートの前記一方の側部の後輪の前記進行方向で前方の位置及び前記幅方向の位置を規定する第2ガイドを有する、請求項1に記載の給電装置。
【請求項3】
前記一方の側部の前記後輪の前記進行方向に対する後方への移動を規制する規制部材を備える、請求項に記載の給電装置。
【請求項4】
前記カートの他方の側部の後輪を支持し、前記カートを前記送電装置側に傾けるプレートを備える、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の給電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、カートの給電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ショッピングカートにタブレット端末やバーコードリーダ等の処理端末を取付けたカートシステムが知られている。例えば、カートシステムは、円滑な買い物の補助や、買い物客自身による精算処理を行うこともできる。このようなカート又は処理端末にはバッテリが搭載されているため、バッテリに非接触で充電する方法が提案されている。
【0003】
例えば、送電面が床面に対して垂直になるように設けられた送電コイルを有し、カートの側面に設けられた受電コイルへ給電する給電装置が知られている。また、送電コイル及び受電コイルが好適な送受電を行うために、カートを所定の収納位置に導くガイド装置としてのガイドレールが知られている。ガイドレールは、使用するカートに対応したサイズに設定される。
【0004】
しかしながら、カートの種類によって、車輪幅や左右の車輪間隔が異なるため、一旦ガイドレールを設置すると、ガイドレールのサイズに対応していないカートを使用できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020-066267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、送受電面の位置合わせが可能な給電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る給電装置は、ベースと、送電装置と、係合部と、第1ガイドと、を備える。送電装置は、前記ベースに設けられ、一方の側部に受電装置を有するカートの前記受電装置に電力を送電する。係合部は、前記送電装置の送電面と前記受電装置の受電面とが対向する位置で、前記カートの進行方向の前方及び前記カートの幅方向で前記受電装置と係合する。第1ガイドは、前記進行方向で先頭の前記カートの前輪の位置を規定する。前記送電装置及び前記係合部は、前記進行方向に沿って複数配置される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る送電装置から送電される電力を受電する受電装置を搭載するショッピングカートを示す斜視図である。
図2】同実施形態に係る給電装置の構成を示す斜視図。
図3】同実施形態に係る給電装置の要部構成を示す斜視図。
図4】同実施形態に係る給電装置の送電装置の構成を示す斜視図。
図5】同実施形態に係る給電装置及び受電装置を用いた送受電システムの構成の一例を示すブロック図。
図6】同実施形態に係る送受電システムの構成の一例を示すブロック図。
図7】他の実施形態に係る送電装置の要部構成を示す斜視図。
図8】他の実施形態に係る給電装置の構成を示す斜視図。
図9】同実施形態に係る給電装置の構成を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、各実施形態に係る給電装置2及び給電装置2から送電される電力を受電する受電装置23を搭載したショッピングカート1の例について図面を参照して説明する。ここで、給電装置2及び受電装置23は、所定の位置関係にあることで、非接触給電を行う送受電システムを構成する。なお、以下の説明において、ショッピングカート1の前進方向に沿った方向を前後方向として規定し、前後方向に交差する方向でショッピングカート1の左右の側面を結ぶ方向を幅方向と規定する。
【0010】
図1は、実施形態に係る給電装置2から送電される電力を受電する受電装置23を搭載するショッピングカート1を示す斜視図である。図2は、給電装置2の構成であって、ショッピングカート1との関係の一例を示す斜視図である。図3及び図4は、給電装置2の送電装置42の構成であって、送電装置42とショッピングカート1の受電装置23の関係の一例を示す斜視図である。なお、図3及び図4は、異なる方向から示す斜視図である。
図5及び図6は、実施形態に係る給電装置2及び受電装置23を用いた送受電システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0011】
先ず、受電装置23を搭載するショッピングカート1について、図1を用いて説明する。
ショッピングカート1は、給電装置2から送電される電力を受電する受電装置23を搭載した移動体の例である。以下、ショッピングカート1を単に、カート1とも称する。
【0012】
カート1は、受電装置23を搭載し、受電装置23は、非接触で伝送される電力を受電する。受電装置23は、非接触で受電する電力をカート1に搭載した電子機器のバッテリへ電力を供給する。給電装置2は、カート1に搭載した受電システムが受電可能な電力を伝送する。例えば、給電装置2は、カート1を収納するカート置場を構成し、収納したカート1に搭載される受電装置に対して非接触で電力を伝送する。
【0013】
また、カート1に搭載される受電装置23によって充電されるバッテリは、例えば、カート1に搭載される電子機器に電力を供給する電源装置である。受電装置23によって充電されるバッテリは、カート1に搭載される電子機器が具備するものであっても良い。また、受電装置23によって充電されるバッテリは、電子機器とは別の装置としてカート1に搭載され、電子機器へ電力を供給するものであっても良い。本実施形態において、バッテリを電子機器が有する例を用いて、カート1の具体例を説明する。
【0014】
図1及び図5に示す構成例において、カート1は、商品を収容して移動可能なカート本体11と、電子機器21と、バッテリ22と、受電装置23と、を備える。カート1は、例えば、カート本体11に電子機器21及び受電装置23を取付けることで構成される。カート1は、複数をスタックすることができる。
【0015】
カート本体11は、利用者の操作によって移動する。また、カート本体11は、商品を収容するか、又は、商品を収容する買い物カゴを保持する。図1に示すように、カート本体11は、フレーム12と、複数のキャスタ13と、収容カゴ14と、を備える。
【0016】
フレーム12は、例えば、縦フレーム121と、横フレーム122と、ハンドル123と、を含む。縦フレーム121は、下端に後輪を構成する2つのキャスタ13が設けられ、上端にハンドル123が設けられる。縦フレーム121は上下方向に延設される。縦フレーム121は、部分的に傾斜又は湾曲する構成であってもよく、直線状に延びる形状であってもよい。また、縦フレーム121の延設方向は、上下方向に沿っていてもよく、上下方向に対して傾斜していてもよく、適宜設定できる。
【0017】
縦フレーム121は、例えば、カート1の幅方向に配置され、上下方向に延設される一対のメインフレーム1211を含む。一対のメインフレーム1211は、一部が曲折して形成される。また、縦フレーム121は、一対のメインフレーム1211に加え、サブフレーム等を含んでいてもよい。
【0018】
横フレーム122は、縦フレーム121の下端側に一体に接続される。横フレーム122は前後方向に延設される。横フレーム122は、部分的に傾斜又は湾曲する構成であってもよく、直線状に延びる形状であってもよい。また、横フレーム122の延設方向は、前後方向に沿っていてもよく、前後方向に対して傾斜していてもよく、適宜設定できる。横フレーム122の先端側の下面に、前輪を構成する2つのキャスタ13が設けられる。横フレーム122は、例えば、キャスタ13が設けられるベースフレーム1221と、ベースフレーム1221よりも内側又は下側に設けられたサブフレーム1222と、を含む。
【0019】
ベースフレーム1221は、例えば、後方から前方に向かって、幅が狭く設定される。また、ベースフレーム1221は、例えば、買い物かごを内側に配置可能な幅に設定される。ベースフレーム1221は、前進方向において前方が狭く、後方が広く形成される。また、ベースフレーム1221は、例えば、一対のメインフレーム1211の幅と同じ又は同程度の幅に設定される。ベースフレーム1221の前方の下面の二箇所は、下端に前輪を構成する2つのキャスタ13が設けられる。
【0020】
サブフレーム1222は、前後方向に延設される。サブフレーム1222は、ベースフレーム1221の内側に配置される。サブフレーム1222は、ベースフレーム1221内に買い物かごが配置されたときに、該買い物かごを支持する。また、サブフレーム1222は、カート1同士をスタックしたときに、先端が、他のカート1のサブフレーム1222と当接することで、隣り合うスタックされたカート1同士を所定の位置関係に規定する。
【0021】
ハンドル123は、縦フレーム121の上端に設けられる。ハンドル123は、例えば、一対のメインフレーム1211の上端に、一対のメインフレーム1211を渡して設けられる。ハンドル123は、利用者が把持し、利用者により進行方向に押圧されることで、カート本体11を移動及び旋回させる。なお、ハンドル123は、一対のメインフレーム1211の上端にそれぞれ設けられる構成であってもよい。
【0022】
複数のキャスタ13は、例えば、4つである。4つのキャスタ13は、例えば、フレーム12の下端の4箇所に配置される。具体例として、4つのキャスタ13のうち、後輪131を構成する2つのキャスタ13は、縦フレーム121の一対のメインフレーム1211の下端に設けられる。
【0023】
また、4つのキャスタ13のうち、前輪132を構成する2つのキャスタ13は、横フレーム122のベースフレーム1221の前端側の下面に設けられる。また、2つの後輪131の間隔は、2つの前輪132の間隔よりも広い間隔に設定される。
【0024】
例えば、キャスタ13は、フレーム12に連結される。具体例としては、後輪131は、縦フレーム121の一対のメインフレーム1211の下端に固定される。また、前輪132が、横フレーム122のベースフレーム1221の前方下面の二箇所に固定される。
【0025】
収容カゴ14は、商品を収容するか、又は、商品を収容する買い物カゴを収容する。収容カゴ14は、有孔のパネル部材やメッシュ状のワイヤ部材により、上方に開口する箱状である。収容カゴ14は、例えば、縦フレーム121に一体に連結される。例えば、収容カゴ14は、縦フレーム121の一対のメインフレーム1211に固定され、そして、支持される。収容カゴ14は、前進方向において前側が狭く、後方が広く形成される。収容カゴ14は、後端側に、下端を自由端とし、上端を回転中心として、開閉可能な開閉部141を有する。また、収容カゴ14は、開閉部141とする後端側が前端側よりも、幅方向の大きさ及び高さ方向の大きさが大きく設定される。
【0026】
このようなカート本体11は、複数のカート本体11(カート1)を連ねて収納する場合、後ろのカート本体11は、前のカート本体11の開閉部141を押し上げて前後のカート本体11の収容カゴ14が重なる。また、後ろのカート本体11は、前のカート本体11の一対のメインフレーム1211の間から横フレーム122が挿入され、そして、前のカート本体11の横フレーム122のベースフレーム1221内に収容される。また、後ろのカート本体11は、サブフレーム1222が前のカート本体11のサブフレーム1222と当接し、隣り合う前後のカート本体11の位置関係が一定の位置関係となる。これらにより、複数のカート1は、前後にスタックして収容できる。
【0027】
電子機器21は、利用者に対する情報の提供、及び、利用者に対するサービスの提供のように供される機器である。電子機器21は、単数又は複数設けられる。なお、図1図4及び図5に電子機器21の構成例を示すが、他の図において、電子機器21を省略する。
【0028】
電子機器21は、カート本体11に取り付けられる。図1に示す構成例において、電子機器21は、例えば、カート本体11のハンドル123に保持される。図5に示すように、電子機器21は、バッテリ22を有する。電子機器21は、単数であっても複数であってもよい。例えば、電子機器21は、商品情報、店舗情報等を表示する機能又は構成を有していてもよい。また、例えば、電子機器21は、商品コード等の商品情報の撮像処理、読取処理、登録処理、決済処理等の処理を行う機能又は構成を有していても良い。
【0029】
具体例として、電子機器21は、利用者に情報を提供するためのタブレット端末等の情報端末、利用者が選択した商品の情報を取得する商品リーダ、又は、クレジットカードや会員カード等を読み取るためのカードリーダである。また、電子機器21は、バッテリ22からの電力によって利用者が所持する携帯端末の電子機器を充電するための充電装置等であっても良い。例えば、利用者が所持する携帯端末としては、携帯電話機、スマートフォン、デジタルカメラ、タブレット端末等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
図1及び図5に示す例において、電子機器21としては、タブレット端末211及び商品リーダ212を含む。タブレット端末211は、例えば、プロセッサやメモリ等を含む制御回路2111と、タッチパネルを有するディスプレイ等の表示部2112と、他の電子機器21と接続するI/F部2113と、を備える処理端末である。また、タブレット端末211は、バッテリ22を内蔵する。タブレット端末211は、ハンドル123側に位置する利用者に表示部2112を向けて設置される。具体例として、タブレット端末211は、ハンドル123に取りつけられた高さや姿勢を変更可能なアームシャフト111等を介してハンドル123に設けられる。
【0031】
なお、タブレット端末211は、フレーム12に固定してもよい。即ち、タブレット端末211を含む電子機器21は、フレーム12に取りつけられる構成であれば、種々の取り付け構造及び方法が選択できる。電子機器21は、姿勢や高さを変更可能にフレーム12に取りつけられていても良く、姿勢のみ又は高さのみを変更可能に取りつけられていても良く、また、姿勢及び高さを変更できないよう、フレーム12に固定されていてもよい。
【0032】
タブレット端末211は、例えば、商品リーダ212によって読み取った商品の情報を表示部2112に表示する。また、タブレット端末211は、商品リーダ212により読取った商品に対する精算処理を行うものであっても良い。
【0033】
商品リーダ212は、商品の情報を読取る。商品リーダ212は、収容カゴ14に出し入れする商品に添付されたバーコード等の商品識別情報を読み取るスキャナである。具体例として、商品リーダ212は、ハンドル123に取りつけられ、商品の情報を読み取る読み取り部が前方又は収容カゴ14に向けて姿勢が固定される保持具112等を介してハンドル123に設けられる。
【0034】
なお、商品リーダ212は、バッテリ22を内蔵し、プロセッサやメモリ等を含む制御回路、商品識別情報を読み取る読取部、情報を表示する表示部、タブレット端末211等の他の電子機器21と接続するI/F部を備える構成であってもよい。
【0035】
また、商品リーダ212は、商品に添付されたRFIDタグ等を読み取るRFIDタグリーダであっても良い。また、商品リーダ212は、タブレット端末211や利用者が所持する携帯端末であってもよい。タブレット端末211及び携帯端末を商品リーダ212とする場合には、例えば、タブレット端末211に設けられたカメラや、利用者が所持する携帯端末に設けられたカメラにより、バーコード等の商品識別情報を読み取る処理を行うか、又は、商品識別情報を含む商品を撮像し、撮像した画像から商品識別情報を取得する処理を行う。カードリーダ213は、利用者が所有するクレジットカードや会員カード等を読み取る。
【0036】
なお、電子機器21は、タブレット端末211に代えて利用者が所持する携帯端末を接続するためのインターフェース機器であってもよい。電子機器21としてのインターフェース機器に接続する携帯端末は、上述したタブレット端末211と同様な処理を行うようにしても良い。また、電子機器21としてのインターフェース機器は、携帯端末が具備するバッテリを充電するものであっても良い。なお、電子機器21としてのインターフェース機器は、バッテリ22を内蔵するものであっても良いし、別途設けたバッテリ22に接続するものであっても良い。
【0037】
バッテリ22は、電子機器21を動作させるための電源装置である。バッテリ22は、例えば、電子機器21に内蔵される。例えば、図5に示すように、バッテリ22は、例えば、タブレット端末211に内蔵される。なお、バッテリ22は、タブレット端末211とは別に、商品リーダ212にも内蔵される構成であってもよい。バッテリ22は、電力を蓄電する二次電池221と、受電装置23からの電力によって二次電池を充電する充電回路222と、を含む。なお、バッテリ22は、電子機器21の外部に設けた電源装置とし、バッテリケースに二次電池221及び充電回路222が収容される構成であっても良い。バッテリ22は、二次電池に蓄電した電力を電子機器21へ供給するように構成すれば良い。
【0038】
二次電池221は、充電回路222から供給される充電電力により充電される。
【0039】
充電回路222は、受電装置23から供給される電力を充電用の電力(充電電力)として二次電池221へ供給する。例えば、充電回路222は、受電装置23の後述する受電回路232から供給された電力を二次電池221の充電に用いる直流電流(充電電力)に変換する。即ち、充電回路222は、受電回路232からの電力を、二次電池221を充電するための所定の電流値及び電圧値の充電電力に変換して二次電池221に供給する。
【0040】
受電装置23は、外部装置としての送電装置から伝送される電力を受電する。受電装置23は、受電した電力によってバッテリ22を充電する。受電装置23は、受電した電力を電子機器21またはバッテリ22へ供給する。
【0041】
受電装置23は、カート本体11のフレーム12に取り付けられる。例えば、図1に示すように、受電装置23は、縦フレーム121及び横フレーム122に亘って設けられる。具体例として、受電装置23は、後端側の側部に取り付けられる。受電装置23は、カート本体11の側方から送電される電力を非接触で受電する。受電装置23は、後述する受電コイル231が電力を受電する受電面(電力を送電する側の送電コイルに対向する面)が送電面に対して平行又は略平行になるように、縦フレーム121及び横フレーム122に亘って設けられる。
【0042】
受電装置23は、給電装置2に設置した送電装置42から出力される電力を受電する。受電装置23は、受電装置23の受電面となる受電コイル231が給電装置2に設置される送電装置42の送電面となる送電コイル423に対向するように配置される。
【0043】
図6に示すように、受電装置23は、受電コイル231、受電回路232、制御回路233、表示部234及び共振用コンデンサ235を有する。受電装置23は、例えば、受電コイル231、受電回路232、制御回路233、表示部234及び共振用コンデンサ235がケース236に収容されることで構成される。
【0044】
受電コイル231は、送電装置42からの送電電力を受電し、受電した電力を受電回路232へ供給する。受電コイル231は、電力を受電する受電面が平面状に形成される。受電コイル231の受電面は、例えば、送電コイル423の送電面に対して平行になる状態でカート本体11のフレーム12に設置される。例えば、受電コイル231は、受電用の共振用コンデンサ235と直列あるいは並列接続されることにより、共振回路(受電共振回路)を構成する。
【0045】
受電共振回路としての受電コイル231は、送電装置42の後述する送電コイル423に近接すると、受電コイル231が送電コイル423と電磁結合する。受電コイル231では、送電装置42の送電コイル423から出力された磁界によって誘導電流が発生する。受電コイル231は、絶縁された電線が巻かれた巻線構造として構成されていても良いし、プリント基板上にコイルパターンが形成されて構成されていても良い。
【0046】
受電コイル231は、受電した交流電力を受電回路232に供給する。換言すると、受電コイル231は、送電装置42からの交流電力を受電している間、交流電源として機能する。また、例えば、電力伝送に磁界共振方式を利用する場合、受電コイル231としての受電共振回路の自己共振周波数は、送電装置42が送電する周波数と略同一に設定される。これにより、受電コイル231と送電コイル423とが電磁結合した場合の電力の伝送効率が向上する。
【0047】
受電回路232は、受電コイル231から供給される受電電力をバッテリ22へ供給可能な電力に変換する。例えば、受電回路232は、受電コイル231から供給される受電電力を整流し、直流に変換する。このような受電回路232は、例えば、複数のダイオードにより構成する整流ブリッジを含む回路により実現される。この場合、整流ブリッジの一対の入力端子は、受電コイル231と共振用コンデンサ235から成る受電共振回路に接続される。受電回路232は、受電コイル231から供給された受電電力を全波整流することにより、直流電力を一対の出力端子から出力する。
【0048】
制御回路233は、受電回路232及び表示部234の動作を制御する。制御回路233は、プロセッサとメモリとを備える。プロセッサは、演算処理を実行する。プロセッサは、例えば、メモリに記憶されているプログラム及びプログラムで用いられるデータに基づいて種々の処理を行う。メモリは、プログラム及びプログラムで用いられるデータ等を記憶する。制御回路233は、マイコン、及び/または発振回路等により構成されていてもよい。例えば、制御回路233は、受電装置23の状態に応じて表示部234の表示を切り替える。
【0049】
表示部234は、種々の情報を表示する表示装置である。例えば、表示部234は、受電装置23の状態を示すインジケータである。表示部234は、制御回路233の制御に応じて表示を切り替える。例えば、表示部234はLEDであり、受電装置23の動作状態に応じて点灯、消灯、あるいは表示色を切り替える。また、表示部234は液晶画面で、動作状態をメッセージで表示するようにしてもよい。
【0050】
なお、受電装置23は、対応する送電装置42と無線通信を行うための無線通信回路を設けても良い。例えば、無線通信回路は、電力伝送の周波数とは異なる周波数で無線通信を行う回路である。受電装置23に無線通信回路を設ける場合において、制御回路233は、無線通信回路によって送電装置42と無線通信することにより各部の制御を行うようにしても良い。また、無線通信回路は、負荷変調を利用して、電力伝送の周波数と同一の周波数で無線通信するようにしてもよい。
【0051】
次に、図2乃至図8を用いて給電装置2について説明する。
図2に示すように、給電装置2は、カートガイド(第1ガイド)41と、複数の送電装置42と、単数又は複数の支持部材43と、を備える。本実施形態において、支持部材43は、送電装置42と同数設けられる例を用いて説明する。
【0052】
カートガイド41は、カート1をスタックして収納するカート置場に設けられる。カートガイド41は、スタックするカート1のうち、先頭のカート1の位置をガイドする。例えば、カートガイド41は、カート1の進行方向で後側が前側よりも幅が大きく設定され、端部がカート本体11の前輪132に当接することで、先頭のカート1の進行方向における位置を規定する。なお、カートガイド41は、少なくともスタックするカート1のうち、先頭のカート1の進行方向における位置を規定できれば、その形状や構成は適宜設定できる。
【0053】
図6に示すように、送電装置42は、電源回路421、送電回路422、送電コイル423、制御回路424、表示部425、及び、共振用コンデンサ426を備える。また、送電装置42は、電源回路421に接続され、店舗の電源等に接続されるACアダプタ428を有する。例えば、電源回路421、送電回路422、送電コイル423、制御回路424、表示部425、及び、共振用コンデンサ426は、ケース等に一体に設けられ、そして、それぞれが各支持部材43に配置される。また、例えば、送電装置42の複数の構成が別体に構成される場合には、少なくとも送電コイル423を含む構成が支持部材43に配置される。
【0054】
電源回路421は、外部からの直流電源の電圧を各回路の動作に適した電圧に変換する。電源回路421は、送電回路422に送電を行わせる為の電力を生成し、送電回路422に供給する。また、電源回路421は、制御回路424を動作させる為の電力を生成し、制御回路424に供給する。
【0055】
送電回路422は、送電コイル423から送電するための送電電力を生成する。送電回路422は、生成した送電電力を送電コイル423に供給する。例えば、送電回路422は、制御回路424の制御に基づき、電源回路421から供給される直流電力をスイッチングすることで、送電電力としての交流電力を生成する。
【0056】
送電コイル423は、送電回路422から供給される送電電力に応じて受電装置23が受電可能な電力を出力する。送電コイル423は、電力を送電する送電面が平面状に形成される。送電コイル423の送電面は、床面に対して直交する姿勢で、受電装置23の受電コイル231の受電面に対向するように、支持部材43に配置される。
【0057】
例えば、送電コイル423は、共振用コンデンサ426と直列あるいは並列接続されることにより共振回路(送電共振回路)を構成する。送電共振回路としての送電コイル423は、送電回路422から交流電力が供給されると、供給された交流電力に応じた磁界を発生させる。送電コイル423は、絶縁された電線が巻かれた巻線構造として構成されていても良いし、プリント基板上にコイルパターンが形成されて構成されていても良い。
【0058】
制御回路424は、送電回路422及び表示部425の動作を制御する。制御回路424は、プロセッサとメモリとを備える。プロセッサは、演算処理を実行する。プロセッサは、例えば、メモリに記憶されているプログラム及びプログラムで用いられるデータに基づいて種々の処理を行う。メモリは、プログラム及びプログラムで用いられるデータ等を記憶する。制御回路424は、マイコン、及び/または発振回路等により構成されていてもよい。
【0059】
例えば、制御回路424は、送電装置42の状態に応じて表示部425の表示を切り替える。また、制御回路424は、送電回路422から出力する交流電力の周波数の制御、及び送電回路422の動作のオンオフを制御する。例えば、制御回路424は、送電回路422を制御することにより、送電コイル423に磁界を発生させる状態(送電状態)と送電コイル423に磁界を発生させない状態(待機状態)とを切り替える。また、制御回路424は、送電コイル423に間欠的に磁界を発生させて、送電するタイミングを変更する制御を行うようにしても良い。
【0060】
表示部425は、送電装置42の状態を示すインジケータである。表示部425は、制御回路424の制御に応じて表示を切り替える。例えば、表示部425はLEDであり、送電装置42の動作状態に応じて点灯、消灯、あるいは表示色を切り替える。また、表示部425は液晶画面で、動作状態をメッセージで表示するようにしてもよい。
【0061】
支持部材43は、給電装置2を設置する床面に設けられる。支持部材43は、送電コイル423の送電面がカート1の受電装置23の受電コイル231と平行となる姿勢で送電装置42を支持する。また、支持部材43は、カート1を所定の位置で保持する。複数の支持部材43は、それぞれ送電装置42を支持し、カート本体11の進行方向に沿って等間隔に配置される。
【0062】
なお、複数の支持部材43の配置間隔は、カート1を積層したときに、各カート1の受電装置23と支持部材43が支持する送電装置42とが対向する間隔である。
【0063】
具体例として、支持部材43は、ベース431と、壁部432と、係合部433と、を備える。ベース431は、例えば、矩形板状に形成される。ベース431は、カート本体11の受電装置23が設けられる側の後輪131を上面に配置できる。ベース431は、壁部432を支持する。また、ベース431は、カート本体11の後輪131の位置を規定する後輪ガイド(第2ガイド)4311を上面に有する。
【0064】
後輪ガイド4311は、例えば、後輪131の進行方向で前方の位置及び幅方向の位置を案内する。具体例として、後輪ガイド4311は、ベース431上に後輪131が配置されたときに、支持部材43に支持された送電装置42とカート本体11の受電装置23とが所定の位置関係となるように、後輪131の位置を案内する。後輪ガイド4311は、例えば、ベース431の後方側が開口し、そして、壁部432と端部が連続するL字状の突起である。換言すると、後輪ガイド4311は、カート本体11の進行方向及び該進行方向に直交する幅方向に沿って延びる突起である。
【0065】
壁部432は、例えば、板状に形成される。壁部432は、例えば、主面がカート本体11の進行方向に沿う姿勢で、ベース431に設けられる。壁部432は、送電装置42を、カート本体11と対向する主面に支持する。なお、壁部432は、送電装置42を支持するのではなく、送電装置42を内蔵する構成であってもよい。
【0066】
係合部433は、受電装置23と係合することで、受電装置23と送電装置42との位置合わせを行うガイドである。係合部433は、カート本体11の進行方向で受電装置23のケース236の前端、及び、ケース236の送電装置42と対向する面と反対側の面と当接、又は、若干離間して対向することで、受電装置23の位置を規定する。例えば、係合部433は、壁部432の上端側及び中央側の二箇所に設けられる。
【0067】
具体例として、図3及び図4に示すように、係合部433は、壁部432の前端部から、カート本体11の幅方向に沿って設けられた第1板部4331、及び、第1板部4331の幅方向で端部からカート本体11の進行方向に沿った方向で後方に延びる第2板部4332により構成される。そして、第1板部4331及び第2板部4332が受電装置23のケース236と当接又は対向することで、係合部433は、受電装置23の進行方向及び幅方向の位置をガイドする。
【0068】
係合部433は、受電装置23の位置をガイドしたときに送電装置42の送電コイル423と受電装置23の受電コイル231とが効率的な給電ができる所定の距離関係となる形状に設定される。なお、係合部433は、受電装置23のケース236が嵌合し、受電装置23の位置を規定し、そして、カート本体11の移動を規制する構成としてもよい。
【0069】
このような給電装置2は、カートガイド41、及び、複数の送電装置42が設けられた複数の支持部材43がカート置場の床面に設置される。なお、カートガイド41及び支持部材43は、カート1によって移動しなければ、床面への設置は適宜設定される。例えば、カートガイド41及び支持部材43は、床面にボルト等で固定されてもよく、接着剤等で固定されてもよく、その他の方法によって床面に固定されてもよい。また、カートガイド41及び支持部材43は、カート1を収容したときに移動しなければ、床面に固定されていなくともよい。
【0070】
そして、給電装置2に給電可能にカート1を収容する場合においては、まず、前輪132がカートガイド41に当接するまで先頭のカート1を前進させる。併せて、後輪131を図2の矢印に示すように、配置するベース431の後輪ガイド4311内に移動させる。そして、次のカート1を、既に収容されたカート1とスタックさせるとともに、後輪131を図2の矢印に示すように、配置するベース431の後輪ガイド4311に移動させる。これにより、カート1は、カート置場に収容される。
【0071】
このように構成された給電装置2によれば、先頭のカート1の一対の前輪132をカートガイド(第1ガイド)41によってガイドする。また、先頭以外のカート1は、カート1の先端部が前方に位置するカート1にスタックして収容される。これにより、カート1は、カートガイド41又は前方のカート1、係合部433及び後輪ガイド4311によって進行方向における位置がガイドされ、そして、係合部433及び後輪ガイド4311によって幅方向における位置がガイドされる。
【0072】
また、カート置場に収容したカート1は、カートガイド41又は前方のカート1、係合部433及び後輪ガイド4311によって進行方向で前方への移動が規制され、係合部433及び後輪ガイド4311によって、幅方向の移動が規制される。また、このとき、受電装置23の受電コイル231は、送電装置42の送電コイル423と非接触給電において効率的な電力伝送ができる予め設定された距離で対向する。即ち、給電装置2は、受電コイル231の位置を、送電コイル423に対して給電に好適な位置関係とし、そしてこのような位置関係を維持することができる。
【0073】
このため、受電装置23及び給電装置2は、効率的な電力伝送が可能となる。また、給電装置2は、カートガイド41、後輪ガイド4311及び係合部433によって、受電装置23及び送電装置42の送受電面の位置合わせすることができる。よって、給電装置2は、カート1の位置を規定するガイドレールを有さない構成にできる。よって、給電装置2は小型となる。
【0074】
また、給電装置2は、支持部材43の壁部432に送電装置42を設け、そして、ベース431を床面に設置する構成である。このため、給電装置2は、店舗において使用するカート1の種類が変わった場合であっても、送電装置42の配置位置を変更すれば好適な給電が可能となる。
【0075】
即ち、店舗において用いるカート1が変更された場合には、変更前と変更後でカート1のサイズ、後輪131やフレーム12等の寸形状等、受電装置23の寸法形状等が異なる場合がある。すると、変更前のカート1の受電コイル231において効率的な電力伝送ができる距離に設定された給電装置2を変更後のカート1の受電装置23に使用できないことがある。
【0076】
しかしながら、実施形態の給電装置2は、収容するカート1の受電コイル231と送電コイル423とが非接触給電において効率的な電力伝送ができる距離となる位置に壁部432を介して送電装置42を支持するベース431を設置すればよい。このため、店舗において使用するカート1の種類を変更した場合には、変更後のカート1の形状に合わせてベース431を配置する位置を変えることで、変更後のカート1の受電コイル231に対する送電コイル423の位置を調整することができる。よって、給電装置2は、異なるカート1に対しても、大がかりなレイアウトの変更や、新たな給電装置を設置することを要することがない。また、給電装置2は、ガイドレールを要しないことから、使用するカート1の種類を変更した場合に、ガイドレールの設置変更等も要することがない。
【0077】
また、給電装置2は、ベース431の配置を変更することで、受電装置23及び送電装置42の送受電面の位置合わせができるため、種々のカート1に適用できる。さらに、給電装置2は、カート1のスタック数に応じて送電装置42の数を変更することができる。よって、給電装置2は、高い自由度を有する。
【0078】
上述の実施形態の給電装置2によれば、送受電面の位置合わせが可能となる。
【0079】
なお、給電装置2やカート1等の構成は、上述した構成に限定されない。例えば、送電装置40は、無線通信を行うための無線通信回路を含む構成であってもよい。例えば、無線通信回路は、電力伝送の周波数とは異なる周波数で無線通信を行う回路である。また、送電装置42の制御回路424は、無線通信回路によって受電装置23と無線通信することにより各部の制御を行うようにしても良い。また、無線通信回路は、負荷変調を利用して、電力伝送の周波数と同一の周波数で無線通信するようにしてもよい。
【0080】
また、上述した例では、給電装置2は、ベース431及び係合部433によって、カート1の進行方向で前方への移動及び幅方向の移動を規制する構成を説明したがこれに限定されない。例えば、図7に示す他の実施形態に係る給電装置2のように、カート1の進行方向で後方への移動を規制する構成としてもよい。なお、ここで、カート1の後方への移動の規制とは、カート1のスタックの衝撃等の意図しない要因によって、送受電面が合った状態からカート1が後方に移動し難くすることを意味し、使用者によるカート1の後方への移動を規制することは含まない。例えば、カート1の後方への移動を規制する構成としては、ベース431の後輪ガイド4311の後方に設けられた突起4312である。突起4312は、後輪131の乗り上げが容易となる高さとして、後輪ガイド4311よりも低い高さに設定されることが好ましい。
【0081】
また、他の例のカート1の後方への移動を規制する構成としては、壁部432に設けられた縦フレーム121又は受電装置23のケース236が当接する規制部材4313である。規制部材4313は、後輪ガイド4311及び係合部433に後輪131及び受電装置23のケース26が配置されたときに、縦フレーム121又はケース236に当接するか、又は、縦フレーム121又はケース236の進行方向で後方に位置する。例えば、規制部材4313は、弾性変形可能に形成される。例えば、規制部材4313は、ゴム板やブラシ等である。
【0082】
即ち、規制部材4313は、カート1が後方に移動したときに縦フレーム121又は受電装置23が当接することで、一定の力が加わるまではカート1の移動を規制し、そして、例えば、使用者がカート1を後方に移動させたときに弾性変形することで、カート1の移動を可能とする。なお、給電装置2は、突起4312及び規制部材4313の双方が設けられてもよく、また、一方が設けられる構成でもよい。また、例えば、給電装置2は、カート1の後方への移動を規制する構成として、ベース431の後輪ガイド4311内に存する上面を窪ませることで、カート1の後方への移動を規制する構成としてもよい。
【0083】
また、上述した例では、給電装置2は、複数の支持部材43を有する構成を説明したがこれに限定されない。例えば、支持部材43を単数とし、この単数の支持部材43が複数の送電装置42を支持する構成としてもよい。例えば、このような単数の支持部材43は、図7に示すように、カート1の進行方向に長い単数のベース434を有する。そして、このベース434に、複数の後輪ガイド4311、複数の壁部432が設けられる。また、単数の支持部材43は、カート1の進行方向に長い単数のベース434及び単数の壁部を有し、このベース434に複数の後輪ガイド4311を設け、単数の壁部に複数の係合部433を設ける構成としてもよい。
【0084】
また、上述した例では、後輪ガイド4311の一部が進行方向に沿って延びることで、後輪131(カート1)の幅方向の移動を規制する構成を説明したがこれに限定されない。即ち、後輪ガイド4311は、後輪131の幅方向の移動を規制できればよく、後輪ガイド4311の一部が進行方向に対して傾斜して延びる構成であってもよい。
【0085】
また、上述した例では、給電装置2は、カートガイド41、複数の送電装置42及び単数又は複数の送電装置42を備える構成を説明したがこれに限定されない。例えば、図8及び図9に示すように、給電装置2は、カートガイド41、複数の送電装置42及び単数又は複数の送電装置42に加えて、カート1の姿勢を調整する調整板44を備える。調整板44は、少なくとも、ベース431に配置される後輪131と反対側の後輪131を配置できる。調整板44は、ベース431の上面以上の高さに設定される。
【0086】
図8及び図9に示すように、例えば、調整板44の上面は、ベース431の上面よりも高く設定される。カート1の後輪131がベース431及び調整板44に乗り上げることで、図8及び図9に示すように、カート1は、受電装置23が設けられた側が低くなるように傾斜する。なお、図8及び図9の例においては、調整板44の高さをベース431の高さよりも2cm高くすることで、カート1を約2度左側に傾ける例となっている。このように、調整板44によって受電装置23側が下方となるようにカート1が傾くことから、給電装置2は、送電装置42から受電装置23が離間する方向にカート1が移動することを防止できる。よって、給電装置2は、送電装置42から受電装置23が離れて、給電が行われなくなることを防止できる。また、調整板44によってカート1を傾斜させる構成においては、送電装置42から受電装置23が離れる方向へカート1が移動することがないことから、給電装置2は、後輪ガイド4311を有さない構成としてもよい。
【0087】
なお、調整板44の高さは、ベース431の高さと同じ高さとしてもよい。ベース431及び調整板44が同じ高さである場合には、カート1は傾斜しないことから、送電装置42から受電装置23が離れる方向へカート1が移動することを抑制できる。
【0088】
なお、調整板44によってカート1を傾斜させた場合に図9の床面から前輪132が浮く虞がある。このため、床面から前輪132が浮く場合には、図9に二点鎖線で示すように、床面と前輪132との隙間を埋める板状の部材45を給電装置2がさらに備える構成としてもよい。このような部材45は、複数のカート1の前輪132が配置される領域に配置される。また、左右の前輪132で床面から浮く高さが異なる場合には、部材45の高さを異なる高さに設定する。
【0089】
また、上述した例では、カート1は、縦フレーム121に後輪を構成する2つのキャスタ13が設けられ、横フレーム122に前輪を構成する2つのキャスタ13が設けられる構成を説明したが、これに限定されない。例えば、キャスタ13は、横フレーム122に4つ設けられる構成であってもよい。また、カート本体11の構成も適宜設定できる。
【0090】
また、上述した例では、係合部433は、複数設けられる構成を説明したがこれに限定されない。即ち、係合部433は、カート1の進行方向における受電装置23の位置をガイドできる構成であれば適宜設定可能である。例えば、係合部433は、壁部432に単数設けられる構成であってもよい。また、係合部433は、カート1の進行方向で後方に変形する構成としてもよい。即ち、係合部433は、カート1の進行方向で前方の移動において、受電装置23を支持し、カート1の進行方向で後方の移動において受電装置23が当接したときに、カート1の移動を阻害しないよう、変形する構成としてもよい。
【0091】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、送受電面の位置合わせが可能な給電装置を提供できる。
【0092】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明と同等の記載を付記する。
[1] ベースと、
前記ベースに設けられ、一方の側部に受電装置を有するカートの前記受電装置に電力を送電する送電装置と、
前記送電装置の送電面と前記受電装置の受電面とが対向する位置で、前記カートの進行方向の前方及び前記カートの幅方向で前記受電装置と係合する係合部と、
を備える給電装置。
[2] 前記送電装置及び前記係合部は、前記進行方向に沿って複数配置され、
前記進行方向で先頭の前記カートの前輪の位置を規定する第1ガイドを備える、[1]に記載の給電装置。
[3] 前記ベースは、前記カートの前記一方の側部の後輪の前記進行方向で前方の位置及び前記幅方向の位置を規定する第2ガイドを有する、[1]又は[2]に記載の給電装置。
[4] 前記一方の側部の前記後輪の前記進行方向に対する後方への移動を規制する規制部材を備える、[3]に記載の給電装置。
[5] 前記カートの他方の側部の後輪を支持し、前記カートを前記送電装置側に傾けるプレートを備える、[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の給電装置。
【符号の説明】
【0093】
1…ショッピングカート(カート)、2…給電装置、11…カート本体、12…フレーム、13…キャスタ、14…収容カゴ、21…電子機器、22…バッテリ、23…受電装置、26…ケース、40…送電装置、41…カートガイド(第1ガイド)、42…送電装置、43…支持部材、44…調整板、45…部材、111…アームシャフト、112…保持具、121…縦フレーム、122…横フレーム、123…ハンドル、131…後輪、132…前輪、141…開閉部、211…タブレット端末、212…商品リーダ、213…カードリーダ、221…二次電池、222…充電回路、231…受電コイル、232…受電回路、233…制御回路、234…表示部、235…共振用コンデンサ、236…ケース、421…電源回路、422…送電回路、423…送電コイル、424…制御回路、425…表示部、426…共振用コンデンサ、428…ACアダプタ、431…ベース、432…壁部、433…係合部、434…ベース、1211…メインフレーム、1221…ベースフレーム、1222…サブフレーム、1223…固定フレーム、2111…制御回路、2112…表示部、2113…I/F部、4311…後輪ガイド(第2ガイド)、4312…突起、4313…規制部材、4331…第1板部、4332…第2板部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9