IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士通テン株式会社の特許一覧

特許7592504車両制御装置、情報処理システムおよび車両制御方法
<>
  • 特許-車両制御装置、情報処理システムおよび車両制御方法 図1
  • 特許-車両制御装置、情報処理システムおよび車両制御方法 図2
  • 特許-車両制御装置、情報処理システムおよび車両制御方法 図3
  • 特許-車両制御装置、情報処理システムおよび車両制御方法 図4
  • 特許-車両制御装置、情報処理システムおよび車両制御方法 図5
  • 特許-車両制御装置、情報処理システムおよび車両制御方法 図6
  • 特許-車両制御装置、情報処理システムおよび車両制御方法 図7
  • 特許-車両制御装置、情報処理システムおよび車両制御方法 図8
  • 特許-車両制御装置、情報処理システムおよび車両制御方法 図9
  • 特許-車両制御装置、情報処理システムおよび車両制御方法 図10
  • 特許-車両制御装置、情報処理システムおよび車両制御方法 図11
  • 特許-車両制御装置、情報処理システムおよび車両制御方法 図12
  • 特許-車両制御装置、情報処理システムおよび車両制御方法 図13
  • 特許-車両制御装置、情報処理システムおよび車両制御方法 図14
  • 特許-車両制御装置、情報処理システムおよび車両制御方法 図15
  • 特許-車両制御装置、情報処理システムおよび車両制御方法 図16
  • 特許-車両制御装置、情報処理システムおよび車両制御方法 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】車両制御装置、情報処理システムおよび車両制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60W 40/00 20060101AFI20241125BHJP
   B60W 30/00 20060101ALI20241125BHJP
【FI】
B60W40/00
B60W30/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021018568
(22)【出願日】2021-02-08
(65)【公開番号】P2022121296
(43)【公開日】2022-08-19
【審査請求日】2023-12-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥原 誠
【審査官】小関 峰夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-147459(JP,A)
【文献】特開2020-152211(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0398731(US,A1)
【文献】米国特許第10545509(US,B1)
【文献】欧州特許出願公開第3536584(EP,A1)
【文献】独国特許出願公開第102016209099(DE,A1)
【文献】国際公開第2019/172820(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00
B60W 40/00
B62D 21/00-39/00
B62D 63/00
B62D 65/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビン部と、前記キャビン部に連結可能なベース車両部とを備えた連結車両の車両制御装置であって、
前記キャビン部に関するキャビン情報、および、前記ベース車両部に関するベース車両情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記キャビン情報および前記ベース車両情報に基づいて、前記連結車両に関する連結車両情報を生成する生成部と
を備えることを特徴とする車両制御装置。
【請求項2】
前記連結車両情報を情報処理装置へ送信する送信部
を備え、
前記取得部は、
前記送信部によって送信された前記連結車両情報に応じた前記連結車両の制御に関する制御情報を前記情報処理装置から取得すること
を特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項3】
前記キャビン情報は、
記憶部に予め記憶された第1キャビン情報と、実際の前記キャビン部から検出された第2キャビン情報とを含み、
前記第1キャビン情報と前記第2キャビン情報との比較結果に応じて前記連結車両を制御する車両制御部
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の車両制御装置。
【請求項4】
前記車両制御部は、
前記第1キャビン情報と前記第2キャビン情報とが一致しないことを示す比較結果である場合、前記連結車両の走行を禁止する制御を実行すること
を特徴とする請求項3に記載の車両制御装置。
【請求項5】
前記ベース車両部は、複数の前記キャビン部と連結可能であり、
前記取得部は、
複数の前記キャビン部からそれぞれ前記キャビン情報を取得し、
前記生成部は、
前記取得部によって取得された複数の前記キャビン情報に基づいて前記連結車両情報を生成すること
を特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の車両制御装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一つに記載の車両制御装置と、
前記車両制御装置から送信された前記連結車両情報を受信する情報処理装置と
前記連結車両に搭載され、目的地までの経路を検索して経路案内するナビゲーション装置と
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
前記情報処理装置は、
前記連結車両情報に基づいて前記連結車両に関する申請処理を実行する申請部
を備えることを特徴とする請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記申請部は、
前記連結車両の緊急性に応じて前記申請処理を実行すること
を特徴とする請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記ナビゲーション装置は、
前記車両制御装置によって生成された前記連結車両情報に応じた前記経路を検索して経路案内すること
を特徴とする請求項6~8のいずれか一つに記載の情報処理システム。
【請求項10】
キャビン部と、前記キャビン部に連結可能なベース車両部とを備えた連結車両の車両制御方法であって、
前記キャビン部に関するキャビン情報、および、前記ベース車両部に関するベース車両情報を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された前記キャビン情報および前記ベース車両情報に基づいて、前記連結車両に関する連結車両情報を生成する生成工程と
を含むことを特徴とする車両制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制御装置、情報処理システムおよび車両制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばエンジンなどの駆動源を備えた車両部分と、荷物などを積載する荷台部分とが連結されて走行する車両の制御装置が広く知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-158673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、車室を備えたキャビン部と、駆動源を備えたベース車両部とが分離する構成であり、ユーザの用途に応じて、キャビン部とベース車両部とが適宜に組み合わされて連結された連結車両が提案されている。例えば、キャビン部には、乗客の輸送用や物品の移動販売用など各種の用途別のキャビン部があり、連結車両は、ユーザの用途に応じて選択されたキャビン部とベース車両部とが連結された車両である。
【0005】
従来技術には、上記したような連結車両を、連結されたキャビン部およびベース車両部に即して適切に制御するという点で、改善の余地があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、連結車両を、連結されたキャビン部およびベース車両部に即して適切に制御することができる車両制御装置、情報処理システムおよび車両制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、キャビン部と、前記キャビン部に連結可能なベース車両部とを備えた連結車両の車両制御装置であって、取得部と、生成部とを備える。取得部は、前記キャビン部に関するキャビン情報、および、前記ベース車両部に関するベース車両情報を取得する。生成部は、前記取得部によって取得された前記キャビン情報および前記ベース車両情報に基づいて、前記連結車両に関する連結車両情報を生成する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、連結車両を、連結されたキャビン部およびベース車両部に即して適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る車両制御方法の概要を示す図である。
図2図2は、情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
図3図3は、キャビン情報の一例を示す図である。
図4図4は、ベース車両部の構成例を示すブロック図である。
図5図5は、キャビン部のサイズの計測を説明するための図である。
図6図6は、ベース車両情報の一例を示す図である。
図7図7は、検出キャビン情報の一例を示す図である。
図8図8は、連結車両情報の一例を示す図である。
図9図9は、ナビゲーション装置の構成例を示すブロック図である。
図10図10は、適正運転情報の一例を示す図である。
図11図11は、情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
図12図12は、申請情報の一例を示す図である。
図13図13は、制御情報の一例を示す図である。
図14図14は、実施形態に係る情報処理システムが実行する処理シーケンスの一例を示す図である。
図15図15は、変形例に係る車両制御装置による車両制御方法の概要を示す図である。
図16図16は、変形例に係るキャビン情報の一例を示す図である。
図17図17は、変形例に係るキャビン情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する車両制御装置、情報処理システムおよび車両制御方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
<車両制御装置による制御方法の概要>
以下では先ず、実施形態に係る車両制御装置による制御方法の概要について図1を参照して説明する。図1は、実施形態に係る車両制御方法の概要を示す図である。
【0012】
実施形態に係る車両制御方法は、例えば車両制御装置30によって実行される。具体的に説明すると、図1に示すように、車両制御装置30は、連結車両Cに搭載される。
【0013】
連結車両Cは、キャビン部10と、ベース車両部20とを備える。キャビン部10とベース車両部20とは、連結可能に構成される。なお、図1では、キャビン部10とベース車両部20とが連結される前の連結車両Cを上段に示し、キャビン部10とベース車両部20とが連結された後の連結車両Cを下段に示している。
【0014】
キャビン部10は、車室10aを備え、乗員などを乗せることができる。図1では、キャビン部10を1台のみ示すが、キャビン部10には、各種の用途別に複数種のキャビン部10があるものとする。例えば、人の乗車用、乗客や貨物の輸送用、物品の移動販売用、移動キッチン用、移動会議スペース用など種々の用途に適したキャビン部10がある。そして、ユーザの用途に応じて選択されたキャビン部10がベース車両部20に連結される。
【0015】
ベース車両部20は、駆動源を備え、連結車両Cを走行させることができる。なお、ベース車両部20も、キャビン部10と同様に複数種あってもよい。すなわち、例えば駆動源としてエンジンが搭載されたベース車両部20や、駆動源として電動モータなどが搭載されたベース車両部20、タイヤサイズが大きいベース車両部20などがあってもよい。そして、ユーザの用途に応じて選択されたベース車両部20がキャビン部10に連結される。
【0016】
ベース車両部20には、上記したように車両制御装置30が搭載される。車両制御装置30は、連結車両Cを制御することができる。
【0017】
ところで、例えばキャビン部10において、仕様やサイズ、重量などは、キャビン部10の種類ごとに異なる。そのため、車両制御装置30にあっては、制御ソフトなど連結車両Cの制御に関する制御情報を、連結されたキャビン部10の仕様等に応じた制御情報に変更しないと、連結車両Cを適切に制御することができないおそれがある。
【0018】
そこで、本実施形態に係る車両制御方法にあっては、連結車両Cを、連結されたキャビン部10およびベース車両部20に即して適切に制御することができるようにした。
【0019】
具体的には、図1の下段に示すように、車両制御装置30は、キャビン部10とベース車両部20とが連結されると、先ず、キャビン部10に関するキャビン情報を取得する(ステップS1)。例えば、車両制御装置30は、キャビン部10が備える記憶部11(後述する図2参照)に予め記憶されたキャビン情報を読み出して取得する。キャビン情報には、キャビン部10のキャビンサイズ情報やキャビン重量情報、用途情報(仕様情報)などが含まれる。
【0020】
次いで、車両制御装置30は、ベース車両部20に関するベース車両情報を取得する(ステップS2)。例えば、車両制御装置30は、記憶部33(後述する図4参照)に予め記憶されるベース車両情報を読み出して取得する。ベース車両情報には、ベース車両部20のベース車両サイズ情報やベース車両重量情報、車両制御装置30の仕様情報などが含まれる。
【0021】
次いで、車両制御装置30は、キャビン情報およびベース車両情報に基づいて、連結車両Cに関する連結車両情報を生成する(ステップS3)、詳しくはキャビン情報とベース車両情報とを組み合わせて(結合させて)連結車両情報を生成する。
【0022】
連結車両情報には、連結車両サイズ情報、連結車両重量情報、キャビン部10の用途情報、および、車両制御装置30の仕様情報などが含まれる。上記した連結車両サイズ情報は、キャビンサイズ情報とベース車両サイズ情報とを組み合わせた情報である。また、連結車両重量情報は、キャビン重量情報とベース車両重量情報とを組み合わせた情報である。
【0023】
このように、本実施形態に係る車両制御装置30にあっては、連結されたキャビン部10からキャビン情報を取得し、連結されたベース車両部20からベース車両情報を取得し、かかるキャビン情報とベース車両情報とを組み合わせて連結車両情報を生成するようにした。これにより、車両制御装置30は、連結されたキャビン部10およびベース車両部20に即した正確な連結車両情報を生成することができ、生成された連結車両情報により連結車両Cを適切に制御することが可能になる。
【0024】
具体的には、車両制御装置30は、連結車両情報を情報処理装置50へ送信する(ステップS4)。情報処理装置50は、車両制御装置30と通信可能に接続され、連結車両Cの制御情報を送信(配信)可能なサーバである。なお、情報処理装置50は、例えばクラウドサーバとして実現されてもよいし、複数のサーバを用いた分散処理を行ってもよい。
【0025】
そして、車両制御装置30は、連結車両情報に応じた連結車両Cの制御に関する制御情報(例えば制御ソフト)を情報処理装置50から取得し(ステップS5)、取得された制御情報を用いて連結車両Cを制御する。
【0026】
このように、本実施形態にあっては、連結されたキャビン部10およびベース車両部20に即した適切な制御情報を用いることで、連結車両Cを適切に制御することができる。
【0027】
また、上記した制御情報が、例えばキャビン部10とベース車両部20との組み合わせが変わる度に作業者による作業によって変更される場合、工数が増加するおそれがある。本実施形態にあっては、上記のように、連結車両情報を情報処理装置50へ送信して、連結車両情報に応じた制御情報を情報処理装置50から取得して用いる構成とすることで、作業者による変更作業を不要にでき、工数を低減させることができる。
【0028】
<車両制御装置を含む情報処理システム>
次に、実施形態に係る車両制御装置30を備えた情報処理システムの構成について、図2を用いて説明する。図2は、車両制御装置30を備えた情報処理システム1の構成例を示すブロック図である。
【0029】
図2に示すように、情報処理システム1は、上記した車両制御装置30を備えた連結車両Cと、情報処理装置50と、申請先端末装置60と、ユーザ端末装置70と、事業者端末装置80とを含み、これらはインターネット網などの通信ネットワークNを介して通信可能に接続される。
【0030】
連結車両Cは、キャビン部10と、ベース車両部20と、ナビゲーション装置40とを備える。キャビン部10は、上記した記憶部11を備える。記憶部11は、例えば、IC(Integrated Circuit)チップ、不揮発性メモリ、データフラッシュやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部11には、キャビン情報11aなどが記憶される。
【0031】
キャビン情報11aは、キャビン部10に関する情報であり、記憶部11に予め記憶(登録)される。なお、キャビン情報11aは、第1キャビン情報の一例である。
【0032】
ここで、図3を用いて、キャビン情報11aについて説明する。図3は、キャビン情報11aの一例を示す図である。図3に示すように、キャビン情報11aには、「キャビンID」、「キャビンサイズ」、「キャビン重量」および「用途」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0033】
「キャビンID」は、キャビン情報を識別する識別情報である。「キャビンサイズ」は、キャビン部10のサイズを示すキャビンサイズ情報である。キャビンサイズ情報には、例えばキャビン部10の縦、横、高さなどの外形寸法を示す情報が含まれる。なお、図3に示す例では、便宜上、「キャビンサイズ」を「キャビンサイズE1」といったように抽象的な記載とするが、「キャビンサイズE1」には具体的な情報が記憶されるものとする。以下、他の情報についても抽象的に記載する場合がある。
【0034】
「キャビン重量」は、キャビン部10の重量を示すキャビン重量情報である。「用途」は、キャビン部10の用途を示す用途情報(仕様情報)である。用途情報には、上記したように、例えば人の乗車用、乗客や貨物の輸送用、物品の移動販売用、移動キッチン用、移動会議スペース用などの用途を示す情報が含まれる。なお、上記した具体的な用途は、あくまでも例示であって限定されるものではない。
【0035】
図3に示す例では、キャビンID「D01」で識別されるキャビン情報は、キャビンサイズが「キャビンサイズE1」、キャビン重量が「キャビン重量F1」、用途が「用途G1」であることを示している。
【0036】
次に、ベース車両部20について図4等を参照して説明する。図4は、ベース車両部20の構成例を示すブロック図である。なお、図4を含む各ブロック図では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0037】
換言すれば、図4等のブロック図に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
【0038】
図4に示すように、ベース車両部20は、キャビンサイズセンサ21と、キャビン重量センサ22と、車両制御装置30とを備える。
【0039】
キャビンサイズセンサ21は、実際のキャビン部10のサイズを計測するセンサである。キャビンサイズセンサ21としては、例えば距離センサや、UWB(Ultra Wide Band)を利用した測距装置などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
ここで、実際のキャビン部10のサイズの計測について図5を参照して説明する。図5は、キャビン部10のサイズの計測を説明するための図である。図5に示すように、ベース車両部20には、キャビンサイズセンサ21が搭載され、キャビン部10には、計測ポイント21aが設けられる。計測ポイント21aは、例えばキャビン部10の一方の側面10bの四隅部と、他方の側面の四隅部(図5で見えず)の計8ヶ所に設けられる。なお、計測ポイント21aは、キャビンサイズセンサ21に対応する読み取りポイント(あるいは通信機)であり、また、設けられる位置は任意に設定可能である。
【0041】
キャビンサイズセンサ21は、かかる計測ポイント21aを走査して得られる、キャビンサイズセンサ21から各計測ポイント21aまでの距離を解析して、実際のキャビン部10のサイズ(すなわち、キャビン部10の縦、横、高さなどの外形寸法)を計測することができる。キャビンサイズセンサ21は、計測された実際のキャビン部10のサイズを示す情報を車両制御装置30へ出力することができる。
【0042】
図4の説明を続けると、キャビン重量センサ22は、実際のキャビン部10の重量を計測するセンサである。キャビン重量センサ22は、ベース車両部20の適宜位置に設置され、連結されたキャビン部10の重量を計測する。キャビン重量センサ22は、計測された実際のキャビン部10の重量を示す情報を車両制御装置30へ出力することができる。
【0043】
車両制御装置30は、通信部31と、制御部32と、記憶部33とを備える。通信部31は、通信ネットワークNに双方向通信可能に接続する通信インターフェイスであり、情報処理装置50、申請先端末装置60、ユーザ端末装置70、事業者端末装置80等との間で情報の送受信を行う。また、通信部31は、CAN(Controller Area Network)等の有線通信、あるいはNFC(Near Field Communication)、UWB等の無線通信により、キャビン部10の記憶部11、ナビゲーション装置40との間で情報の送受信を行う。
【0044】
制御部32は、取得部32aと、比較部32bと、生成部32cと、送信部32dと、車両制御部32eとを備え、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0045】
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部32の取得部32a、比較部32b、生成部32c、送信部32dおよび車両制御部32eとして機能する。
【0046】
また、制御部32の取得部32a、比較部32b、生成部32c、送信部32dおよび車両制御部32eの少なくともいずれか一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
【0047】
また、記憶部33は、例えば、不揮発性メモリ、データフラッシュやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部33には、ベース車両情報33a、キャビン情報33b、検出キャビン情報33c、連結車両情報33dおよび各種プログラムなどが記憶される。
【0048】
ベース車両情報33aは、ベース車両部20に関する情報であり、記憶部33に予め記憶(登録)される。ここで、図6を用いて、ベース車両情報33aについて説明する。図6は、ベース車両情報33aの一例を示す図である。
【0049】
図6に示すように、ベース車両情報33aには、「ベース車両ID」、「ベース車両サイズ」、「ベース車両重量」および「EUC品番」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0050】
「ベース車両ID」は、ベース車両情報を識別する識別情報である。「ベース車両サイズ」は、ベース車両部20のサイズを示すベース車両サイズ情報である。ベース車両サイズ情報には、例えばベース車両部20の縦、横、高さなどの外形寸法を示す情報が含まれる。「ベース車両重量」は、ベース車両部20の重量を示すベース車両重量情報である。
【0051】
「ECU品番」は、連結車両Cの制御に用いられるECU(Electronic Control Unit)の製造番号や型番等、ECUに付けられた固有の番号を示す情報である。ECUは、例えばエンジンや電動モータなどの駆動源用のECU、バッテリ用のECU、ワイパやランプなど車載機器用のECUなど複数種あり、図6では、これらの各ECUを「第1ECU」、「第2ECU」として示している。なお、「ECU品番」は、車両制御装置30の仕様情報の一例である。
【0052】
図6に示す例では、ベース車両ID「J01」で識別されるベース車両情報は、ベース車両サイズが「ベース車両サイズK1」、ベース車両重量が「ベース車両重量L1」、第1ECUの品番が「品番M1」、第2ECUの品番が「品番M2」であることを示している。
【0053】
図4の説明に戻ると、キャビン情報33bは、キャビン部10から取得されたキャビン部10に関する情報である。キャビン情報33bは、上記したキャビン部10のキャビン情報11aと同じ情報と同じ情報であるため、ここでの説明を省略する(図3参照)。なお、キャビン情報33bは、第1キャビン情報の一例である。
【0054】
検出キャビン情報33cは、実際のキャビン部10から検出された、キャビン部10に関するキャビン情報である。なお、検出キャビン情報33cは、第2キャビン情報の一例である。
【0055】
ここで、図7を用いて、検出キャビン情報33cについて説明する。図7は、検出キャビン情報33cの一例を示す図である。図7に示すように、検出キャビン情報33cには、「検出ID」、「検出キャビンサイズ」および「検出キャビン重量」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0056】
「検出ID」は、検出キャビン情報を識別する識別情報である。「検出キャビンサイズ」は、実際のキャビン部10のサイズを示す検出キャビンサイズ情報である。検出キャビンサイズ情報には、上記したキャビンサイズセンサ21によって検出されたキャビン部10の外形寸法を示す情報が含まれる。
【0057】
「検出キャビン重量」は、実際のキャビン部10の重量を示す検出キャビン重量情報である。検出キャビン重量情報には、上記したキャビン重量センサ22によって検出されたキャビン部10の重量を示す情報が含まれる。
【0058】
図7に示す例では、検出ID「N01」で識別される検出キャビン情報は、検出キャビンサイズが「キャビンサイズP1」、検出キャビン重量が「キャビン重量Q1」であることを示している。
【0059】
図4の説明に戻ると、連結車両情報33dは、連結車両Cに関する情報であり、詳しくは、キャビン部10とベース車両部20とが連結された連結車両Cに関する情報である。ここで、図8を用いて、連結車両情報33dについて説明する。図8は、連結車両情報33dの一例を示す図である。
【0060】
図8に示すように、連結車両情報33dには、「連結車両ID」、「連結車両サイズ」、「連結車両重量」、「用途」および「EUC品番」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0061】
「連結車両ID」は、連結車両情報を識別する識別情報である。「連結車両サイズ」は、連結車両Cのサイズを示す連結車両サイズ情報である。連結車両サイズ情報には、例えば連結車両Cの縦、横、高さなどの外形寸法を示す情報が含まれる。「連結車両重量」は、連結車両Cの重量を示す連結車両重量情報である。
【0062】
「用途」は、連結されたキャビン部10の用途を示す用途情報(仕様情報)であり、図3に示すキャビン情報11a(33b)の「用途」と同じ情報である。「ECU品番」は、図6に示すベース車両情報33aの「ECU品番」と同じ情報である。
【0063】
図8に示す例では、連結車両ID「R01」で識別される連結車両情報は、連結車両サイズが「連結車両サイズS1」、連結車両重量が「連結車両重量T1」、用途が「用途G1」、第1ECUの品番が「品番M1」、第2ECUの品番が「品番M2」であることを示している。
【0064】
図4の説明に戻ると、制御部32の取得部32aは、通信部31を介して各種の情報を取得する。例えば、取得部32aは、連結されたキャビン部10の記憶部11(図2参照)からキャビン情報を読み出して取得する。取得部32aは、取得された情報を記憶部33にキャビン情報33bとして登録する。そして、取得部32aは、記憶部33のキャビン情報33bを比較部32bおよび生成部32cへ出力することができる。
【0065】
また、取得部32aは、実際のキャビン部10から検出されたキャビン情報を取得する。例えば、取得部32aは、キャビンサイズセンサ21から、実際のキャビン部10のサイズを示す情報を取得し、取得された情報を記憶部33に検出キャビン情報33cとして登録する。また、取得部32aは、キャビン重量センサ22から、実際のキャビン部10の重量を示す情報を取得し、取得された情報を記憶部33に検出キャビン情報33cとして登録する。そして、取得部32aは、記憶部33の検出キャビン情報33cを比較部32bへ出力することができる。
【0066】
また、取得部32aは、記憶部33からベース車両情報33aを読み出して取得する。そして、取得部32aは、取得されたベース車両情報33aを生成部32cへ出力することができる。
【0067】
また、取得部32aは、情報処理装置50から、例えば制御ソフトなど連結車両Cの制御に関する制御情報を取得(受信)することができる。取得部32aは、取得された制御情報を車両制御部32eへ出力することができる。なお、車両制御部32eでは、かかる制御情報を用いることで、連結車両Cを適切に制御することができるが、これについては後述する。
【0068】
比較部32bは、キャビン情報33b(図3参照。第1キャビン情報)と、検出キャビン情報33c(図7参照。第2キャビン情報)とを比較する。これにより、連結されたキャビン部10が例えば不正なキャビン部であるか否かの判定を行うことができる。
【0069】
すなわち、キャビン情報33bは、キャビン部10の製造時などに記憶部11(図2参照)に予め記憶された情報であることから、キャビン部10の正確なサイズや重量を示す情報を含んでいる。ここで、例えば仮に、キャビン部10が不正に改造されると、キャビン部10のサイズや重量は、製造時の値から変わる。
【0070】
従って、比較部32bは、キャビン情報33bと、実際のキャビン部10から検出された検出キャビン情報33cとを比較し、キャビン情報33bにおけるサイズや重量と、検出キャビン情報33cにおけるサイズや重量とが一致しない場合、連結されたキャビン部10は不正なキャビン部であると判定することができる。逆に言えば、キャビン情報33bにおけるサイズや重量と、検出キャビン情報33cにおけるサイズや重量とが一致した場合、連結されたキャビン部10は正規のキャビン部であると判定することができる。なお、上記した「一致」は、完全一致である必要はなく、例えば任意に設定される許容範囲内であればよい。
【0071】
比較部32bは、キャビン情報33bと検出キャビン情報33cとの比較結果を、生成部32cおよび車両制御部32eへ出力することができる。
【0072】
生成部32cは、キャビン情報およびベース車両情報に基づいて、連結車両Cに関する連結車両情報を生成する。
【0073】
なお、生成部32cは、比較部32bでの比較結果に応じて連結車両情報を生成してもよい。例えば、生成部32cは、比較部32bからキャビン情報33bと検出キャビン情報33cとが一致したことを示す比較結果が入力された場合、連結車両情報を生成してもよい。逆に言えば、生成部32cは、比較部32bからキャビン情報33bと検出キャビン情報33cとが一致しないことを示す比較結果が入力された場合、連結車両情報を生成しないようにしてもよい(連結車両情報の生成を禁止してもよい)。
【0074】
連結車両情報の生成について詳説すると、生成部32cは、キャビン情報33bとベース車両情報33aとを組み合わせて(結合させて)連結車両情報を生成する。生成部32cは、生成された情報を、記憶部33に連結車両情報33d(図8参照)として登録する。
【0075】
詳しくは、生成部32cは、キャビン情報33bのキャビンサイズ情報と、ベース車両情報33aのベース車両サイズ情報とを結合して、連結車両サイズ情報を算出する。また、生成部32cは、キャビン情報33bのキャビン重量情報と、ベース車両情報33aのベース車両重量情報とを結合して、連結車両重量情報を算出する。
【0076】
そして、生成部32cは、算出された連結車両サイズ情報および連結車両重量情報に、キャビン情報33bの用途情報と、ベース車両情報33aのECU品番情報(車両制御装置30の仕様情報)とを加えて、連結車両情報を生成する。
【0077】
生成部32cは、上記のように構成されることで、連結されたキャビン部10およびベース車両部20に即した正確な連結車両情報を生成することができる。
【0078】
なお、上記では、連結車両情報の生成に、キャビン情報33bが用いられるようにしたが、これに限られず、例えば検出キャビン情報33cが用いられてもよい。
【0079】
送信部32dは、生成部32cによって生成された連結車両情報を送信する。例えば、送信部32dは、記憶部33の連結車両情報33dを読み出し、読み出した情報を情報処理装置50およびナビゲーション装置40へ送信することができる。
【0080】
なお、情報処理装置50では、後述するように、連結車両情報を受信すると、連結車両情報に基づいて連結車両Cに関する申請処理(例えば車両登録など)を行い、申請が許可された場合に、連結車両情報に応じた連結車両Cの制御に関する制御情報を車両制御装置30へ送信する。車両制御装置30から送信された制御情報は、上記したように取得部32aによって取得され、車両制御部32eへ出力される。
【0081】
車両制御部32eは、連結車両Cを制御する。例えば、車両制御部32eは、入力された制御情報を記憶部33等にインストールし、制御情報に基づいて連結車両Cを制御する、詳しくは、車両制御部32eは、制御情報に基づいて連結車両Cの駆動源やバッテリ、車載機器(例えばワイパやランプなど)を制御する。
【0082】
これにより、車両制御部32eは、連結されたキャビン部10およびベース車両部20に即した適切な制御情報を用いることが可能となり、連結車両Cを適切に制御することができる。
【0083】
なお、車両制御部32eは、入力された制御情報をインストールしたときに、制御情報の変更が完了したことを示す完了通知を、後述する事業者端末装置80などへ送信してもよい。
【0084】
また、車両制御部32eは、比較部32bでの比較結果に応じて連結車両Cを制御するようにしてもよい。例えば、車両制御部32eは、比較部32bからキャビン情報33bと検出キャビン情報33cとが一致したことを示す比較結果が入力された場合のみ、連結車両Cを走行させる制御を行うようにしてもよい。
【0085】
言い換えると、車両制御部32eは、比較部32bからキャビン情報33bと検出キャビン情報33cとが一致しないことを示す比較結果が入力された場合、連結車両Cの走行を禁止する制御を実行してもよい、すなわち連結車両Cを走行させないようにしてもよい。
【0086】
これにより、例えば不正なキャビン部10がベース車両部20に連結された場合に、不正なキャビン部10を備えた連結車両Cが走行してしまうことを防止することができる。
【0087】
図2の説明に戻ると、ナビゲーション装置40は、連結車両Cに搭載される。ナビゲーション装置40は、例えば目的地までの経路を検索して経路案内することができる。ここで、ナビゲーション装置40について図9を参照して詳しく説明する。
【0088】
図9は、ナビゲーション装置40の構成例を示すブロック図である。図9に示すように、ナビゲーション装置40は、入力部41と、出力部42と、制御装置43とを備える。
【0089】
入力部41は、例えばユーザが経路案内を所望するときに操作され、経路案内の要求が入力される。一例としては、入力部41には、ユーザの操作により目的地を示す目的地情報等が入力され、かかる目的地情報等が制御装置43へ出力される。
【0090】
なお、入力部41は、例えばタッチパネルディスプレイなどの表示部であり、ユーザによる表示部へのタッチ操作により、経路案内の要求が入力されるが、これに限定されるものではない。すなわち、入力部41は、マイクなどの音声入力装置であってもよく、例えばユーザから経路案内の要求する音声が入力された場合、かかる経路案内の要求を示す信号を制御装置43へ出力する構成であってもよい。
【0091】
出力部42は、検索された目的地までの経路などを含む各種の情報を出力する。例えば、出力部42は、ディスプレイなどの表示部やスピーカなどの音声出力部を含み、検索された経路などを示す経路案内情報を出力する。また、出力部42は、連結車両Cに関する適正な運転方法を示す適正運転情報を出力することができるが、これについては後述する。なお、入力部41がタッチパネルディスプレイである場合、入力部41が出力部42として機能してもよい。
【0092】
制御装置43は、通信部44と、制御部45と、記憶部46とを備える。通信部44は、通信ネットワークNに双方向通信可能に接続する通信インターフェイスであり、情報処理装置50、申請先端末装置60、ユーザ端末装置70、事業者端末装置80等との間で情報の送受信を行う。また、通信部44は、CAN等の有線通信、あるいはNFC、UWB等の無線通信により、車両制御装置30との間で情報の送受信を行う。
【0093】
制御部45は、受信部45aと、通知部45bと、案内部45cとを備え、例えば、CPU、ROM、RAM、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0094】
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部45の受信部45a、通知部45bおよび案内部45cとして機能する。
【0095】
また、制御部45の受信部45a、通知部45bおよび案内部45cの少なくともいずれか一部または全部をASICやFPGA等のハードウェアで構成することもできる。
【0096】
また、記憶部46は、例えば、不揮発性メモリ、データフラッシュやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部46には、適正運転情報46a、地図情報46bおよび各種プログラムなどが記憶される。
【0097】
適正運転情報46aは、連結車両Cに関する適正な運転方法を示す情報である。詳しく説明すると、上記したように、連結車両Cは、ユーザの用途に応じて選択されたキャビン部10とベース車両部20とが連結された車両である。そのため、連結車両Cのサイズや重量は、連結されるキャビン部10およびベース車両部20の種類によって変化する。また、連結車両Cの走行時の挙動は、サイズや重量の影響を受けやすい。
【0098】
そこで、本実施形態にあっては、連結車両情報に含まれる連結車両サイズや連結車両重量の情報に対応する、適正な運転方法を示す情報(適正運転情報46a)を、連結車両Cのユーザ(例えば運転者)に通知するようにした。
【0099】
ここで、図10を用いて、適正運転情報46aについて説明する。図10は、適正運転情報46aの一例を示す図である。図10に示すように、適正運転情報46aには、「適正運転ID」、「連結車両ID」および「適正運転情報」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0100】
「適正運転ID」は、適正運転情報を識別する識別情報である。「連結車両ID」は、連結車両情報を識別する識別情報である。「連結車両ID」には、識別情報によって識別される連結車両情報に含まれる各種の情報(例えば連結車両サイズ情報や連結車両重量情報など)が対応づけられている。
【0101】
「適正運転情報」は、連結車両Cに関する適正な運転方法を示す情報である。「適正運転情報」には、例えば、連結車両Cの適切な速度および限界最大速度、コーナリング時の限界最大速度、限界最大操舵角などが含まれるが、これらはあくまでも例示であって限定されるものではない。
【0102】
図10に示す例では、適正運転ID「U01」は、連結車両ID「R01」で識別される連結車両情報が送信された場合に、適正運転情報である「運転情報V1」が通知されることを示している。
【0103】
図9の説明に戻ると、地図情報46bは、ナビゲーションに用いられる地図の情報である。
【0104】
制御部45の受信部45aは、車両制御装置30から送信される連結車両情報を受信する。受信部45aは、受信した連結車両情報を通知部45bおよび案内部45cへ出力する。
【0105】
通知部45bは、入力された連結車両情報と、記憶部46の適正運転情報46aとに基づいて、連結車両Cに関する適正な運転方法を示す情報を通知する。例えば、通知部45bは、連結車両情報に含まれる連結車両サイズ情報や連結車両重量情報に基づいた、連結車両Cの適正運転情報を出力部42を介してユーザ(例えば運転者)へ通知する。
【0106】
これにより、出力部42には、例えば、上記した連結車両Cの適切な速度および限界最大速度、コーナリング時の限界最大速度、限界最大操舵角などが表示される。従って、ユーザである運転者は、適正運転情報を確認し、連結車両Cを適正に運転することが可能になる。
【0107】
また、通知部45bは、例えば連結車両Cの走行時、連結車両Cが上記した限界最大速度や限界最大操舵角を超えた場合、例えば警告音を出力部42を介して出力してもよい。これにより、例えばユーザである運転者に対し、連結車両Cの速度や操舵角を、限界最大速度や限界最大操舵角以下にするよう促すことが可能になる。
【0108】
案内部45cは、目的地までの経路を検索して経路案内を行う。例えば、案内部45cは、ユーザによって入力された目的地情報と、記憶部46の地図情報46bとに基づいて、目的地までの経路を検索し、検索された経路を出力部42を介して出力し、経路案内する。
【0109】
また、例えば、案内部45cは、連結車両情報に応じた経路を検索して経路案内してもよい。これにより、案内部45cは、連結車両Cに即した適切な経路を案内することができる。
【0110】
詳しく説明すると、連結車両Cのサイズや重量は、上記したように、連結されるキャビン部10およびベース車両部20の種類によって変化する。そのため、例えば道幅やトンネル等の高さ制限、重量制限によっては、連結車両Cが走行できる道路が変わる可能性がある。
【0111】
そこで、本実施形態にあっては、連結車両情報に含まれる連結車両サイズ情報や連結車両重量情報と、記憶部46の地図情報46bとに基づいて、連結車両Cが走行できる経路を検索して経路案内する。これにより、連結車両Cに即した適切な経路を案内することができる。
【0112】
図2の説明に戻ると、情報処理装置50は、上記したように、連結車両Cの制御情報を送信する処理や、連結車両Cに関する申請処理を行うことができる。ここで、情報処理装置50について図11を参照して説明する。
【0113】
図11は、情報処理装置50の構成例を示すブロック図である。図11に示すように、情報処理装置50は、通信部51と、制御部52と、記憶部53とを備える。
【0114】
通信部51は、通信ネットワークNに双方向通信可能に接続する通信インターフェイスであり、車両制御装置30、ナビゲーション装置40、申請先端末装置60、ユーザ端末装置70、事業者端末装置80等との間で情報の送受信を行う。
【0115】
制御部52は、受信部52aと、申請部52bと、送信部52cとを備え、例えば、CPU、ROM、RAM、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0116】
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部52の受信部52a、申請部52bおよび送信部52cとして機能する。
【0117】
また、制御部52の受信部52a、申請部52bおよび送信部52cの少なくともいずれか一部または全部をASICやFPGA等のハードウェアで構成することもできる。
【0118】
また、記憶部53は、例えば、不揮発性メモリ、データフラッシュやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部53には、申請情報53a、制御情報53bおよび各種プログラムなどが記憶される。
【0119】
申請情報53aは、連結車両Cに関する申請の内容を示す情報である。申請情報53aには、例えば連結車両Cの車両登録などの申請に必要な情報が含まれ、かかる申請情報53aが、後述するように申請先端末装置60へ送信される。ここで、図12を用いて、申請情報53aについて説明する。図12は、申請情報53aの一例を示す図である。
【0120】
図12に示すように、申請情報53aには、「申請ID」、「連結車両サイズ」、「連結車両重量」、「用途」および「緊急性」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0121】
「申請ID」は、申請情報を識別する識別情報である。「連結車両サイズ」、「連結車両重量」および「用途」は、連結車両情報に含まれる連結車両サイズ情報、連結車両重量情報、および、用途情報と同じ情報である。
【0122】
「緊急性」は、連結車両Cの緊急性を示す情報である。かかる「緊急性」は、申請に対して許可するか否かの判定処理における判定材料として利用される情報である。
【0123】
詳しくは、後述する申請先端末装置60(図2参照)は、例えば連結車両Cの車両登録などの申請に対して許可するか否かの判定を、申請情報に含まれる連結車両情報に基づいて行う。例えば、申請先端末装置60は、連結車両情報である連結車両サイズや連結車両重量、用途の情報が、所定の許可条件を満たす場合、申請に対して許可する判定を行う。
【0124】
このとき、例えば災害などが発生していない通常時では、許可条件を満たさないような連結車両情報であっても、災害時や救急時などの非常時には特例的に許可できるものがある。一例としては、災害時に被災者や救助者などをできるだけ多く輸送するため、通常時には許可条件を満たさない大型のキャビン部10が連結された連結車両Cについての申請がなされた場合、申請先端末装置60は、申請情報53aに、連結車両Cの緊急性を示す情報が含まれていれば、特例的に許可する判定を行うことができる。
【0125】
なお、このとき、申請先端末装置60は、所定の条件を付して許可する判定を行ってもよい。すなわち、申請先端末装置60は、例えば走行時の制限速度を設け、連結車両Cが低速で走行することを条件に許可する判定を行ってよい。
【0126】
図12に示す例では、申請ID「W01」で識別される申請情報は、連結車両サイズが「連結車両サイズS1」、連結車両重量が「連結車両重量T1」、用途が「用途G1」、緊急性が「なし」であることを示している。
【0127】
なお、申請情報53aに、例えば「災害」など連結車両Cの緊急性を示す情報が含まれる場合、図12にカッコで示すように、例えば「緊急性」の項目に「災害」の情報が含まれてもよい。また、「緊急性」の項目には、緊急レベルなど連結車両Cの緊急の度合いを示す指標値が含まれてもよく、かかる緊急レベルに基づいて判定処理が行われてもよい。
【0128】
図11の説明に戻ると、制御情報53bは、車両制御装置30へ送信する連結車両Cの制御情報に関する情報である。例えば、制御情報53bは、車両制御装置30から送信された連結車両情報に適した制御情報に関する情報である。
【0129】
ここで、図13を用いて、制御情報53bについて説明する。図13は、制御情報53bの一例を示す図である。図13に示すように、制御情報53bには、「制御ID」、「連結車両ID」および「制御情報」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0130】
「制御ID」は、送信する制御情報を識別する識別情報である。「連結車両ID」は、連結車両情報を識別する識別情報である。「連結車両ID」には、識別情報によって識別される連結車両情報に含まれる各種の情報(例えば連結車両サイズ情報や連結車両重量情報、用途情報、ECU品番情報(車両制御装置30の仕様情報)など)が対応づけられている。「制御情報」は、車両制御装置30へ送信する連結車両Cの制御情報である。
【0131】
図13に示す例では、制御ID「Y01」は、連結車両ID「R01」で識別される連結車両情報が送信された場合に、制御情報である「制御情報Z1」が送信されることを示している。
【0132】
図11の説明に戻ると、制御部52の受信部52aは、車両制御装置30から送信される連結車両情報を受信する。受信部52aは、受信した連結車両情報を記憶部53に申請情報53aとして登録する。すなわち、受信部52aは、連結車両情報に基づいて申請情報を生成する。
【0133】
また、受信部52aは、連結車両Cの緊急性を示す情報を受信した場合、受信した情報を記憶部53に申請情報53aとして登録する。なお、連結車両Cの緊急性を示す情報の情報処理装置50への送信は、情報処理装置50によって行われてもよいし、後述するユーザ端末装置70あるいは事業者端末装置80によって行われてよく、さらには災害などの発生を通知する外部サーバなどによって行われてもよい。
【0134】
申請部52bは、連結車両Cに関する申請処理を実行する。例えば、申請部52bは、連結車両情報に基づいて生成された記憶部53の申請情報53aを用いて、申請処理を実行する。
【0135】
具体的には、申請部52bは先ず、申請情報に基づき、連結車両Cに関する申請が申請先端末装置60によって許可されるか否かを判定する。より具体的には、申請部52bは、申請情報に含まれる連結車両情報の連結車両サイズや連結車両重量、用途の情報が上記した所定の許可条件を満たし、申請先端末装置60によって許可されるか否かを判定する。
【0136】
申請部52bは、連結車両Cに関する申請が許可されると判定された場合に、申請処理を実行する、すなわち申請情報を申請先端末装置60へ送信する。
【0137】
このように、本実施形態に係る情報処理システム1にあっては、キャビン部10とベース車両部20とが連結されると、連結車両Cの連結車両情報が情報処理装置50へ送信され、かかる連結車両情報に基づいた申請情報を用いて、申請処理が実行される。
【0138】
これにより、例えば連結車両Cのユーザ、あるいは、キャビン部10とベース車両部20とを連結させて連結車両Cを組み立てる事業者などは、キャビン部10とベース車両部20との組み合わせを変える度に申請を行う必要がなくなり、連結車両Cの組み立て時の工数を低減させることができる。
【0139】
また、申請部52bは、連結車両Cの緊急性に応じて申請処理を実行してもよい。すなわち、申請部52bは、連結車両Cに関する申請が許可されないと判定された場合であっても、申請情報に、連結車両Cの緊急性を示す情報が含まれていれば、申請処理を実行してもよい。
【0140】
これにより、例えば申請先端末装置60において、連結車両Cに関する申請に対して特例的に許可された場合、災害時や救急時などの非常時に連結車両Cを使用することが可能になる。
【0141】
送信部52cは、連結車両Cの制御に関する制御情報を車両制御装置30へ送信する。例えば、送信部52cは、車両制御装置30から送信された連結車両情報と、記憶部53の制御情報53bとに基づいて、当該連結車両情報に適した制御情報(制御ソフト)を選択する。
【0142】
そして、送信部52cは、例えば申請先端末装置60において車両登録などの申請が許可された場合に、選択された制御情報、すなわち連結車両情報に適した制御情報を車両制御装置30へ送信する。
【0143】
これにより、車両制御装置30において、連結されたキャビン部10およびベース車両部20に即した適切な制御情報を用い、連結車両Cを適切に制御できることは、既に述べた通りである。
【0144】
なお、上記では、送信部52cが、申請先端末装置60において申請が許可された場合に制御情報を送信するようにしたが、これに限られず、例えば申請部52bにおいて申請が許可されると判定された場合に制御情報を送信するなど、その他のタイミングで制御情報を送信してもよい。
【0145】
図2の説明に戻ると、申請先端末装置60は、上記した連結車両Cに関する申請処理における申請先の機関で使用される端末装置である。申請先端末装置60としては、例えばPC(Personal Computer)、スマートフォンやタブレット端末などを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0146】
申請先端末装置60は、例えば連結車両Cに関する申請を受け付け、申請情報に含まれる連結車両情報が所定の許可条件を満たす場合、申請に対して許可する判定を行う。また、申請先端末装置60は、申請情報に、連結車両Cの緊急性を示す情報が含まれている場合、特例的に許可する判定を行うことができる。そして、申請先端末装置60は、許可する判定を行った場合、申請が許可されたことを示す許可通知を情報処理装置50へ送信することができる。
【0147】
ユーザ端末装置70は、連結車両Cを利用するユーザによって使用される端末装置である。また、事業者端末装置80は、連結車両Cに関する事業者によって使用される端末装置である。ユーザ端末装置70および事業者端末装置80としては、例えばPC、スマートフォンやタブレット端末などを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0148】
上記した事業者は、例えば連結車両Cのレンタルを行うレンタカー会社や連結車両Cの販売を行う販売会社などであるが、これらに限定されるものではない。以下では、事業者がレンタカー会社である場合を例に挙げて説明を続ける。
【0149】
ユーザ端末装置70は、ユーザの操作により、ユーザが所望する連結車両C(レンタカー)の用途などの利用形態を含む利用情報が入力される。ユーザ端末装置70は、入力された利用情報を事業者端末装置80へ送信する。
【0150】
事業者端末装置80は、複数あるキャビン部10およびベース車両部20の中から、利用情報に基づいてキャビン部10およびベース車両部20を選択する、すなわちユーザの用途に応じてキャビン部10およびベース車両部20を選択する。そして、選択されたキャビン部10およびベース車両部20が、例えばレンタカー会社の作業者によって組み立てられ、連結車両Cが完成する。
【0151】
また、事業者端末装置80は、上記したような、車両制御装置30において制御情報の変更が完了したことを示す完了通知を受信することができる。事業者端末装置80は、完了通知を受信すると、ユーザ端末装置70に対して連結車両Cを貸し出す処理(例えば決済処理など)を実行する。これにより、ユーザは連結車両Cを利用(レンタル)することができる。
【0152】
<実施形態に係る情報処理システムの制御処理>
次に、実施形態に係る車両制御装置30などを含む情報処理システム1が実行する処理手順について、図14を用いて説明する。図14は、実施形態に係る車両制御装置30および情報処理装置50などを含む情報処理システム1が実行する処理シーケンスの一例を示す図である。
【0153】
図14に示すように、先ずユーザ端末装置70は、ユーザが所望する連結車両Cの用途などの利用形態を含む利用情報を送信する(ステップS10)。事業者端末装置80は、利用情報に基づいてキャビン部10およびベース車両部20を選択し(ステップS11)、選択されたキャビン部10およびベース車両部20が組み立てられる。
【0154】
キャビン部10およびベース車両部20が組み立てられると、車両制御装置30は、キャビン部10からキャビン情報を取得し(ステップS12)、また、ベース車両情報を取得する(ステップS13)。
【0155】
次いで、車両制御装置30は、実際のキャビン部10から検出された検出キャビン情報を取得する(ステップS14)。そして、車両制御装置30は、キャビン情報と検出キャビン情報とを比較する処理を行う(ステップS15)。
【0156】
車両制御装置30は、キャビン情報と検出キャビン情報とが一致したことを示す比較結果である場合、キャビン情報およびベース車両情報に基づいて、連結車両Cに関する連結車両情報を生成する(ステップS16)。車両制御装置30は、生成された連結車両情報を情報処理装置50へ送信する(ステップS17)。
【0157】
情報処理装置50は、連結車両情報を含む申請情報に基づき、連結車両Cに関する申請が申請先端末装置60によって許可されるか否かを判定する(ステップS18)。情報処理装置50は、申請が申請先端末装置60によって許可されると判定された場合に、申請先端末装置60に対して連結車両Cに関する申請処理を行う(ステップS19)。
【0158】
申請先端末装置60において申請が許可されると、情報処理装置50は、許可通知を受信する(ステップS20)。情報処理装置50は、許可通知を受信すると、連結車両情報に応じた連結車両Cの制御情報を車両制御装置30へ送信する(ステップS21)。そして、車両制御装置30は、送信された制御情報をインストールする(ステップS22)。
【0159】
車両制御装置30は、制御情報をインストールすると、制御情報の変更が完了したことを示す完了通知を事業者端末装置80へ送信する(ステップS23)。事業者端末装置80は、完了通知を受信すると、ユーザ端末装置70に対して連結車両Cを貸し出す処理を実行する(ステップS24)。
【0160】
また、車両制御装置30は、連結車両情報をナビゲーション装置40へ送信する(ステップS25)。ナビゲーション装置40は、連結車両情報に基づいて連結車両Cに関する適正な運転方法を示す適正運転情報を通知する処理や、連結車両情報に応じた経路を検索して経路案内する処理を実行する(ステップS26)。
【0161】
上述してきたように、実施形態において、キャビン部10と、キャビン部10に連結可能なベース車両部20とを備えた連結車両Cの車両制御装置30は、取得部32aと、生成部32cとを備える。取得部32aは、キャビン部10に関するキャビン情報、および、ベース車両部20に関するベース車両情報を取得する。生成部32cは、取得部32aによって取得されたキャビン情報およびベース車両情報に基づいて、連結車両Cに関する連結車両情報を生成する。これにより、連結車両Cを、連結されたキャビン部10およびベース車両部20に即して適切に制御することができる。
【0162】
<変形例>
次いで、変形例に係る車両制御装置30について図15以降を参照しつつ説明する。図15は、変形例に係る車両制御装置30による車両制御方法の概要を示す図である。なお、以下においては、実施形態と共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0163】
図15に示すように、変形例において、ベース車両部20は、複数(図15の例では2台)のキャビン部10と連結可能に構成される。なお、図15では、複数のキャビン部10とベース車両部20とが連結される前の連結車両Cを上段に示し、複数のキャビン部10とベース車両部20とが連結された後の連結車両Cを下段に示している。また、図15では、キャビン部10を2台としたが、これに限られず、3台以上であってもよい。
【0164】
具体的に説明すると、キャビン部10には、ハーフサイズ、1/3サイズなど各種のサイズ種別のものがあり、これら複数のキャビン部10が適宜に組み合わされてキャビン部10に連結される。
【0165】
従って、変形例に係るベース車両部20には、上記した複数のキャビン部10に対応する連結装置、キャビンサイズセンサ21やキャビン重量センサ22(図4参照)が搭載される。なお、キャビンサイズセンサ21やキャビン重量センサ22は、複数のキャビン部10を個別に計測してもよいし、組み合わされたキャビン部10全体を計測してもよい。また、ベース車両部20においては、複数のキャビン部10が連結される場合にキャビンサイズセンサ21やキャビン重量センサ22が増設されるように構成されてもよい。
【0166】
以下では、2台のキャビン部10のうち一方を「第1キャビン部101」、他方を「第2キャビン部102」と記載する場合があり、これらを特に区別せずに説明する場合には「キャビン部10」と記載する。
【0167】
複数のキャビン部10(ここでは第1、第2キャビン部101,102)の記憶部11(図2参照)には、それぞれキャビン情報が記憶される。ここで、変形例に係るキャビン情報について図16を参照して説明する。図16は、変形例に係るキャビン情報11aの一例を示す図である。
【0168】
図16に示すように、変形例に係るキャビン情報11aには、「キャビンID」、「キャビンサイズ」、「キャビン重量」、「用途」、「サイズ種別」および「組み合わせ可能サイズ種別」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。「キャビンID」、「キャビンサイズ」、「キャビン重量」および「用途」は、実施形態に係るキャビン情報11aと同じである。
【0169】
「サイズ種別」は、例えばフルサイズ、ハーフサイズ、1/3サイズなどキャビン部10のサイズ種別を示す情報である。なお、「サイズ種別」において、ハーフサイズや1/3サイズの中でも、キャビン部10の高さなどによってサイズ種別が分かれていてもよい(例えばハイルーフハーフサイズ、標準ルーフハーフサイズなど)。
【0170】
「組み合わせ可能サイズ種別」は、キャビン部10自身と組み合わせることができる、相手側のキャビン部10のサイズ種別を示す情報である。組み合わせ可能サイズ種別には、例えばフルサイズ、ハーフサイズ、1/3サイズなどのサイズ種別を示す情報が含まれる。
【0171】
図16に示す例では、キャビンID「D01」で識別されるキャビン情報は、キャビンサイズが「キャビンサイズE1」、キャビン重量が「キャビン重量F1」、用途が「用途G1」、サイズ種別が「種別J1」、組み合わせ可能サイズ種別が「種別J1,J2,・・・」であることを示している。
【0172】
図15の説明に戻ると、下段に示すように、車両制御装置30(正確には取得部32a(図4参照))は、複数のキャビン部10とベース車両部20とが連結されると、複数のキャビン部10からそれぞれキャビン情報を取得する(ステップS101)。そして、車両制御装置30の取得部32aは、取得された情報を記憶部33(図4参照)にキャビン情報33bとして登録する。
【0173】
ここで、変形例に係る記憶部33のキャビン情報33bについて図17を参照して説明する。図17は、変形例に係る記憶部33のキャビン情報33bの一例を示す図である。
【0174】
図17に示すように、変形例に係るキャビン情報33bには、第1キャビン部101に対応するキャビンID「D01」のキャビン情報と、第2キャビン部102に対応するキャビンID「D02」のキャビン情報とが含まれる。
【0175】
そして、変形例に係る車両制御装置30は、キャビン情報33bに含まれる、第1、第2キャビン部101,102の重量を合計して、連結された複数のキャビン部10の重量を算出する。また、変形例に係る車両制御装置30は、キャビン情報33bに含まれる、第1、第2キャビン部101,102のサイズを合計して、連結された複数のキャビン部10のサイズを算出する。なお、車両制御装置30は、第1、第2キャビン部101,102の重量情報やサイズ情報を合成して、キャビン情報33bを1台化した情報としてもよい。
【0176】
図15の説明に戻ると、車両制御装置30は、ベース車両部20に関するベース車両情報を取得する(ステップS102)。続いて、車両制御装置30は、複数のキャビン情報(正確には、第1キャビン部101のキャビン情報および第2キャビン部102のキャビン情報)と、ベース車両情報とに基づいて、連結車両Cに関する連結車両情報を生成する(ステップS103)、詳しくは複数のキャビン情報とベース車両情報とを組み合わせて(結合させて)連結車両情報を生成する。
【0177】
このように、変形例に係る車両制御装置30にあっては、連結された複数のキャビン部10からそれぞれキャビン情報を取得し、連結されたベース車両部20からベース車両情報を取得し、かかる複数のキャビン情報とベース車両情報とを組み合わせて連結車両情報を生成するようにした。これにより、変形例に係る車両制御装置30は、連結された複数のキャビン部10およびベース車両部20に即した正確な連結車両情報を生成することができ、生成された連結車両情報により連結車両Cを適切に制御することが可能になる。
【0178】
なお、変形例に係る車両制御装置30(例えば車両制御部32e)は、例えばキャビン情報11a(33b)において、第1キャビン部101の「サイズ種別」が第2キャビン部102の「組み合わせ可能サイズ種別」に含まれない場合、あるいは、第2キャビン部102の「サイズ種別」が第1キャビン部101の「組み合わせ可能サイズ種別」に含まれない場合、連結車両Cの走行を禁止する制御を実行してもよい、すなわち連結車両Cを走行させないようにしてもよい。
【0179】
これにより、例えば組み合わせ不可の複数のキャビン部10がベース車両部20に連結された場合に、かかるキャビン部10を備えた連結車両Cが走行してしまうことを防止することができる。
【0180】
なお、上記した実施形態および変形例においては、ベース車両部20に搭載された車両制御装置30がキャビン情報およびベース車両情報を取得して連結車両情報を生成する処理などを実行するようにしたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えばキャビン部10に車両制御装置が搭載され、かかる車両制御装置がキャビン情報およびベース車両情報を取得して連結車両情報を生成する処理などを実行するように構成してもよい。
【0181】
また、上記では、車両制御装置30、ナビゲーション装置40、情報処理装置50、申請先端末装置60、ユーザ端末装置70および事業者端末装置80が、それぞれ各種の処理を行うようにしたが、各種の処理が行われる装置は、上記に限定されるものではない。
【0182】
すなわち、車両制御装置30で行われる処理の一部あるいは全部が、他の装置で行われるようにしてもよい。また、ナビゲーション装置40で行われる処理の一部あるいは全部が、他の装置で行われるようにしてもよい。また、情報処理装置50で行われる処理の一部あるいは全部が、他の装置で行われるようにしてもよい。また、申請先端末装置60で行われる処理の一部あるいは全部が、他の装置で行われるようにしてもよい。また、ユーザ端末装置70で行われる処理の一部あるいは全部が、他の装置で行われるようにしてもよい。また、事業者端末装置80で行われる処理の一部あるいは全部が、他の装置で行われるようにしてもよい。
【0183】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0184】
1 情報処理システム
10 キャビン部
20 ベース車両部
30 車両制御装置
32a 取得部
32c 生成部
32d 送信部
40 ナビゲーション装置
50 情報処理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17